説明

データ処理装置

【課題】メモリの着脱のタイミングの指示と連動してメモリの着脱を物理的に規制することができるインターフェイスを備えたデータ処理装置を提供すること。
【解決手段】複合機10(データ処理装置)は、メモリ装着部4と、メモリに関するデータ処理についての操作を促す指示をすると共にユーザの操作を受け付ける操作指示部2iと、操作指示部2iからの入力操作に従ってデータ処理を実行するデータ処理部と、メモリ装着部4を覆うカバー部3とを有し、カバー部3の開放状態においてのみメモリ装着部4に対するメモリの着脱及び操作指示部2iからの入力操作が可能であり、メモリ着脱検出部がメモリの装着を検出し、カバー部3が閉鎖状態にされるとデータ処理部が入力操作に従ったデータ処理を実行する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、可搬性の記録媒体に係るデータに所定の処理を施すデータ処理装置に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、可搬性の記録媒体(以下、単にメモリと記す)を利用する機会が増えている。例えば、デジタルカメラ等で撮影した画像データをメモリに記録し、該画像データをコンビニ等の店舗に設置されたデータ処理装置を用いて印刷(プリント処理)するような場合である。
このとき、ユーザは、メモリをデータ処理装置に装着した後、メモリ内の画像等の記録データをデータ処理装置に設けられた表示装置に表示させ、プリントする画像データを選択する。
【0003】
しかし、メモリをデータ処理装置に装着した後、メモリ内のデータをデータ処理装置に転送している間(データアクセス中)に、ユーザがメモリを抜き取ってしまうと、メモリや記録されているデータ等が破壊される可能性がある。
そこで、データアクセス中にメモリを抜き取ってもデータを保護することができるメモリカードの保護装置が提案されている(特許文献1参照)。
【0004】
一方、メモリに記録されたデータをプリントする場合には、ユーザの操作性を向上させるために、メモリ着脱のタイミングの指示、データの選択指示、印刷指示等の操作情報(ガイダンス画面)を表示装置に順次表示する必要がある。
このような形態で使用されるデータ処理装置の表示装置の例として、例えば、特許文献2に記載の複合機(画像形成装置)における表示装置のように、複合機の傍に別途大型表示装置を設け、この大型表示装置に画像データ,ガイダンス情報を表示させて、操作性を向上させているものがある。
【特許文献1】特開2000−113663号公報
【特許文献2】特開2000−132010号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
特許文献1に開示された技術を利用すれば、データアクセス中にメモリを抜き取ることによるデータの破壊を防ぐことができる。しかし、データ処理装置(複合機)にかかる装置を設置するとデータ処理装置の製造価格が上昇してしまうので、単にデータの破壊を防ぐことを目的としてかかる装置をデータ処理装置に設置することはできない。
【0006】
また、プリント処理を実行する場合には、前述したように、メモリ着脱のタイミングを指示する以外にも様々な操作情報を順次表示する必要がある。しかし、単に操作情報を表示させるだけでは、特にコンビニ等でデータ処理装置を利用するユーザは、操作に不慣れであることが多いため、メモリ着脱のタイミングを指示する操作情報が表示されていても誤ってデータアクセス中にメモリを抜いてしまい、記録されているデータが破壊される可能性がある。そこで、メモリの着脱のタイミングの指示と連動してデータアクセス中にメモリの着脱を物理的に規制する必要がある。
【0007】
さらに、プリント処理が終了した後に、ユーザが装着したメモリを抜き忘れてしまう可能性がある。このような、ユーザ固有の情報(画像データ)が記録されたメモリを抜き忘れた場合には、個人情報等のユーザ固有の情報が流出する危険がある。そこで、プリント処理終了後、装着したメモリを抜き忘れないようにユーザに指示する必要がある。
【0008】
本発明は、かかる実情に鑑みてなされたものであり、メモリの着脱のタイミングを指示すると共に、ユーザの一連の操作と連動してメモリの着脱を物理的に規制することができるインターフェイスを備えたデータ処理装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
第1の技術手段は、記録媒体装着部と、前記記録媒体装着部に対する記録媒体の着脱を検出する着脱検出部と、記録媒体に関するデータ処理についての操作を促す指示をすると共にユーザの操作を受け付ける操作指示部と、前記操作指示部からの入力操作に従ってデータ処理を実行するデータ処理部と、前記記録媒体装着部を覆うカバー部とを有し、前記カバー部の開放状態においてのみ前記記録媒体装着部に対する記録媒体の着脱及び前記操作指示部からの入力操作が可能であり、前記着脱検出部が記録媒体の装着を検出し、前記カバー部が閉鎖状態にされると前記データ処理部が前記入力操作に従ったデータ処理を実行することを特徴とするデータ処理装置である。
【0010】
第2の技術手段は、第1の技術手段において、前記カバー部は、前記記録媒体装着部及び前記操作指示部を覆うことを特徴とするものである。
【0011】
第3の技術手段は、第1又は第2の技術手段において、前記カバー部の上面又は前記カバー部の近傍に前記データ処理装置の操作案内情報を表示する案内表示部を備えることを特徴とするものである。
【0012】
第4の技術手段は、第3の技術手段において、前記カバー部の閉鎖状態を保持するロック装置を有し、前記案内表示部は、前記ロック装置の操作を促す操作案内情報を表示することを特徴とするものである。
【0013】
第5の技術手段は、第3の技術手段において、前記案内表示部は、前記データ処理装置のデータ処理の進行状況を表示することを特徴とするものである。
【0014】
第6の技術手段は、第3の技術手段において、前記案内表示部は、前記データ処理装置のデータ処理の完了に伴い、前記カバー部の開放、前記記録媒体の抜き取り等の操作案内情報を表示することを特徴とするものである。
【0015】
第7の技術手段は、第3の技術手段において、前記案内表示部は、前記記録媒体装着部に記録媒体が装着されているか否かの情報を表示することを特徴とするものである。
【発明の効果】
【0016】
本発明により、データアクセス中にメモリを抜き取ることによるメモリ及びメモリ内のデータの破壊を防止することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0017】
図1は、コンビニ等に設置される複合機10の外観を示した図である。
複合機10は、原稿読み取り機能(スキャン機能)、読み取った原稿を印刷する機能(コピー機能)、メモリに記録されたデータを印刷する機能(プリント機能)、複合機10に転送されたデータをメモリに記録するメモリダウンロード機能、読み取った(スキャン)原稿データをメモリにコピーするスキャンメモリコピー機能、ファクシミリ機能、電子メール送受信機能のうち少なくとも2つ以上の機能を有している。
以下に、このような複合機に本発明に係るデータ処理装置の機能を装備させた場合の実施例を説明する。
【0018】
10aは、複合機10を操作する際に参照されるガイダンス(操作案内)情報や、例えば、紙詰まり等の複合機10の状態を示す状態情報等を表示する第1の表示装置である。
10bは、複合機10に原稿を供給する自動原稿給送装置である。
10cは、原稿を複合機10にセットする際に開閉する原稿押えである。
10dは、本発明に係るデータ処理装置の操作情報等を表示する第2の表示装置である。
【0019】
図2A(a)は、第2の表示装置10dの拡大図である。第2の表示装置10dは、上面に案内表示部1dを設けたカバー部3を有し、該カバー部3(案内表示部1d)を開いた状態で操作可能となる操作指示部2i(図2A(b))を具備する。前記案内表示部1dには本発明に係るデータ処理装置のガイダンス情報等を表示する。なお、図ではカバー部3は閉じられている(閉鎖状態)。
【0020】
図2A(b)は、図示しないヒンジ機構により開閉可能となるカバー部3を開いた状態(開放状態)を示した図である。
カバー部3を開くと、操作キー2o,表示パネル2pを備えた操作パネルを形成する操作指示部2i,メモリ装着部4が現れる。操作キー2oは、データ処理に対する各種操作指示を入力するキー類であり、表示パネル2pにはそれらデータ処理の入力操作や記録媒体の着脱等のタイミング等を指示する操作情報(操作指示)、プリントする画像等のデータの選択指示等が表示される。
【0021】
また、操作指示部2iは、後述するメモリ(可搬性の記録媒体)に関するデータ処理、すなわちメモリ内の記録データ又はメモリに記録するデータの処理についてのユーザの操作を促す指示をすると共に、ユーザの操作を受け付ける。ユーザは、操作指示部2iを介して後述するようにプリント機能,スキャンメモリコピー機能,メモリダウンロード機能等のデータ処理を実行するように指示することができる。
【0022】
4a〜4cは、それぞれMS(Memory Stick:登録商標)、SD(Secure Digital Memory Card:登録商標)、CF(Compact Flash:登録商標)等のメモリを装着するための装着部である。
【0023】
図からも明らかなように、カバー部3の開放状態においてのみメモリ装着部4に対するメモリの着脱及び操作指示部2iからの入力操作が可能である。
【0024】
このように、案内表示部1dの直下に操作キー2o,表示パネル2pが配設されている。そのため、ユーザがカバー部3を開ければ、視線を大きく移動させることなく、操作キー2o,表示パネル2pを見ることができるので、ユーザの視認性及び操作性が向上する。
【0025】
なお、案内表示部1dは、カバー部3の上面だけでなくカバー部3の近傍に配設されていてもよい。また、第1の表示装置10aに案内情報を表示させてもよい。また、図示のように、カバー部3は、メモリ装着部4及び操作指示部2iを覆うように配設されているが、メモリ装着部4のみを覆うように配設してもよい。また、カバー部3が閉鎖状態の場合だけ、案内表示部1dが動作するようにすれば、消費する電力が少なくなる(省電化)。
【0026】
ここで、複合機10の各種機能についてブロック図を用いて説明する。
図3は、複合機10のブロック構成図である。
第1の表示装置10aは、液晶パネルから構成されている。
第2の表示装置10dは、液晶パネルから構成される案内表示部1dと,十字キー等から構成される操作キー2o、及び、液晶パネルから構成される表示パネル2pを形成する操作指示部2iからなる。
【0027】
メモリ装着部4は、メモリ20が装着され、メモリ20がユーザにより着脱されたことを制御部15に通知するメモリ着脱検出部4dを備えている。
【0028】
また、メモリ着脱検出部4dがメモリ20の着脱を検出すると、制御部15は、第1の表示装置10a等にメモリ20が着脱されたことを示す情報を表示する。
【0029】
なお、前述したように、MS4a(SD4b,CF4c)は、MS(SD,CF)等のメモリ装着部である。
【0030】
カバー開閉検出部5は、カバー部3が開閉されたことを検出し、検出結果を制御部15に通知する。
【0031】
データ処理部11は、操作指示部2iからの入力操作に従って、メモリ20に記録されたデータの印刷処理を実行するプリント部11a、原稿を読み取り(スキャン)、電子データに変換する処理を実行するスキャン部11b、インターネット等を介して複合機10に転送されたデータをメモリ20にダウンロードする処理を実行するメモリダウンロード部11c、スキャン部11bにて変換された電子データ(スキャンデータ)をメモリ20に記録する処理を実行するスキャンメモリコピー部11d、スキャン部11bにてスキャンしたデータを印刷するコピー部11e、いわゆるファクシミリ処理を実行するファックス部11f、電子メールの送受信処理を実行する電子メール送受信部11gから構成される。
【0032】
また、メモリ着脱検出部4dがメモリ20の装着を検出し、図2C(e)に示すようにユーザがカバー部3を閉じると(カバー部3が閉鎖状態)、データ処理部11は、操作指示部2iからの入力操作に従ったデータ処理を実行する。
【0033】
HDD12は、複合機10に転送されたデータ及び受信した電子メールデータ等を記録する、大容量記録装置である。
【0034】
RAM13は、各種制御データ等を一時的に格納する。
ROM14は、後述するガイダンス情報(操作案内情報)等のOSDデータを格納する。
【0035】
制御部15は、ROM14に記録されたガイダンス情報等のOSDデータを案内表示部1d,表示パネル2p等に表示する処理、及び、前述した機能ブロックを制御する処理を実行する。
なお、図中の太線Bは、データバスである。
【0036】
次に、ユーザが複合機10を操作する様子を図2A〜図2Dに示した複合機10に備わっている第2の表示装置10dの状況を示す図、及び、複合機10の各種機能を使用する際に、実行される処理を図4A〜図4Dに示したフロー図を用いて説明する。
また、上記処理を実行する際に、案内表示部1d及び表示パネル2pに表示されるガイダンス画面について図5A〜図5Jを参照しながら説明する。
【0037】
図4Aは、ユーザが複合機の各種機能を選択する処理を説明するためのフロー図である。
ユーザが複合機10に近づくと、複合機の機能を選択するようにユーザに要求するガイダンス画面(図5A(a))が案内表示部1d(又は第1の表示装置10a)に表示される(ステップS1)。
ユーザがガイダンス画面(図5A(a))からデジタル画像プリント、メモリダウンロード、スキャンメモリコピーのいずれかを選択すると制御部15は、選択に従った処理を実行する。
なお、ガイダンス画面(図5A(a))に示したコピー(機能)は、複合機10としての機能であり、本発明のデータ処理装置に固有の機能ではない。
【0038】
(プリント処理)
ここで、メモリ20に記録されている画像データを複合機10にてプリントする処理を図4Bのフロー図を用いて説明する。
図4Bは、プリント処理時に表示されるガイダンス画面及びユーザの操作を説明するためのフロー図である。
案内表示部1dに表示されたガイダンス画面(図5A(a))からデジタル画像プリントを選択すると(図4AのステップS2:プリント処理を選択)、制御部15は、カバー部3を開いて、メモリ20を複合機10のメモリ装着部4に装着するように指示するガイダンス画面(図5A(b))を案内表示部1dに表示する(ステップS201)。
【0039】
次に、図2A(b)に示すように、ユーザがカバー部3を開けると(ステップS202)、カバー開閉検出部5は、カバー部3が開かれたことを検出し、制御部15は、表示パネル2pの表示動作をオンにして、メモリ20をメモリ装着部4に装着するように指示するガイダンス画面(図5B(c))を表示パネル2pに表示する(ステップS203)。同時に、案内表示部1dの表示動作を中止(オフ)する。
なお、カバー部3を開く操作は、処理の選択と連動させて自動化してもよい。
【0040】
次に、図2B(c)に示すように、ユーザがメモリ20をメモリ装着部4に装着すると(ステップS204)、メモリ着脱検出部4dがメモリ20の装着を検出し、制御部15は、メモリ20(SD)の装着が確認され、メモリ20に記録されているデータの読み出し等の所定の処理を実行している旨のガイダンス画面(図5B(d))、すなわち、データ処理の進行状況を表示パネル2pに表示する(ステップS205)。
【0041】
その後、所定の処理が終了すると、制御部15は、メモリ20に記録されている画像データのうちプリントする画像データを選択するように指示するガイダンス画面(図5C(e))を表示パネル2pに表示する(ステップS206)。
【0042】
次に、図2B(d)に示すように、ユーザが選択画面を利用してプリントする画像データを選択すると、さらに、制御部15は、プリントする用紙サイズを選択するように指示するガイダンス画面(図5C(f))を表示パネル2pに表示する。ユーザは、この選択画面を見ながら用紙サイズを選択する(ステップS207)。
なお、表示パネル2pに表示される操作指示に従って行う入力操作は、操作キー2oのキー入力やタッチパネル方式等任意の方式で行ってもよい。
【0043】
ユーザによる用紙サイズの選択が終了すると、制御部15は、カバー部3を閉じるように指示するガイダンス画面(図5D(g))と所定の料金をコインベンダ(図示しない)に投入するように指示するガイダンス画面(図5D(h))等を表示パネル2pに表示する(ステップS208)。
【0044】
次に、図2C(e)に示すように、ユーザがカバー部3を閉じると(ステップS209)、カバー開閉検出部5は、カバー部3が閉じられたことを検出し、プリント部11aは、選択された画像データのプリント処理を開始し(ステップS210)、制御部15は、現在、プリント中である旨のガイダンス画面(図5E(i))を案内表示部1dに表示する。
【0045】
なお、カバー部3が閉じられたと同時に、表示パネル2pの表示動作をオフにする。
また、カバー部3は、所定の操作の後に自動的に閉じるようにしてもよい。
【0046】
このように、メモリ20に記録されている画像データを複合機10に転送している間は、メモリ20はカバー部3に覆われているので、ユーザはメモリ20を抜き取ることができない。そのため、画像データ転送中に、メモリ20を抜くことにより、メモリ20及びメモリ20に記録されているデータが破壊されることがなくなる。
また、カバー部3を閉じると同時に、今まで表示されていた表示パネル2pの表示動作が終了するので、消費する電力が少なくなる(省電化)。
【0047】
また、カバー部3の閉鎖状態を保持するロック装置を設け、ユーザがメモリ20を装着してカバー部3を閉じたときに、ロック装置の操作を促すガイダンス画面を案内表示部1dに表示してもよい。さらに、自動的にロック装置を作動させ強制的にカバー部3をロックしてもよい。
このようにすれば、プリント中にユーザが誤ってカバーを開き、装着したメモリ20を抜き取る恐れがなくなる。
【0048】
プリント処理が完了すると(ステップS211:YES)、制御部15は、プリント処理が完了したのでカバー部3を開いて装着したメモリ20を抜くように指示するガイダンス画面(図5E(j))を案内表示部1dに表示する(ステップS212)。
【0049】
次に、図2C(f)に示すように、ユーザがカバー部3を開くと(ステップS213)、カバー開閉検出部5は、カバー部3が開かれたことを検出し、制御部15は、装着したメモリを示し、メモリを抜くように指示するガイダンス画面(図5F(k))を表示パネル2pに表示する(ステップS214)。
【0050】
このように、カバー部3の開閉に連動して複合機10に装着したメモリ20の着脱を指示するガイダンス画面を表示するので、ユーザは、メモリ20をいつ着脱すればよいか容易に理解でき、操作性が向上する。
また、ユーザがメモリを抜き忘れることがなくなる。
【0051】
次に、図2D(g)に示すように、ユーザがメモリ20をメモリ装着部4から抜くと(ステップS215)、メモリ装着部4のメモリ着脱検出部4dがメモリ20の抜き取りを検出し、制御部15は、ユーザにカバー部3を閉じるように指示するガイダンス画面(図5F(l))を表示パネル2pに表示する(ステップS216)。
【0052】
このように、通常の状態ではメモリ装着部4はカバー部3に覆われており、メモリ20を着脱する間だけ、メモリ装着部4が外部と接することになるため、メモリ装着部4のメモリリーダ内にゴミや異物等が進入してメモリリーダの性能に悪影響を与える可能性を極力排除できる。
【0053】
次に、図2D(h)に示すように、ユーザがカバー部3を閉じると(ステップS217)、カバー開閉検出部5は、カバー部3が閉じられたことを検出し、制御部15は、プリント処理の全課程が終わった旨のガイダンス画面(図5G(m),図5G(n))を案内表示部1dに表示する(図4AのステップS5)。
【0054】
なお、メモリ20を抜き忘れてカバー部3を閉じた場合、メモリ20の抜き忘れを表示すると共に報知音を出力してもよい。
また、プリント処理では、画像データをプリントする場合について説明したが、画像データだけではなく、ワープロ,表計算等の各種アプリケーションによって作成されたデータの印刷もできる。
【0055】
(メモリダウンロード)
インターネットに接続された複合機10をファイルサーバとして機能させ、ユーザが該複合機10にデータを転送し、転送後、パスワードの入力等によるユーザ認証が成功した場合には、この転送データ(HDD12に記録されている)を複合機10に装着されたメモリ20にダウンロードするメモリダウンロードについて図4Cを用いて説明する。
【0056】
図4Cは、メモリダウンロード時に表示されるガイダンス画面及びユーザの操作を説明するためのフロー図である。なお、ここでは、ユーザは既に複合機10にデータを転送していることを前提にして説明する。
【0057】
ユーザがガイダンス画面(図5A(a))からメモリダウンロードを選択すると(図4AのステップS3:メモリダウンロードを選択)、図4Bで説明したように、ユーザがメモリ20を複合機10に装着する(ステップS301〜ステップS304:図4BのステップS201〜ステップS204に相当)。
すると、制御部15は、ユーザIDとパスワードの入力画面(図5H(o))を表示パネル2pに表示し、ユーザIDとパスワードを入力するように指示する(ステップS305)。
【0058】
次に、図2B(d)に示すように、ユーザIDとパスワードを入力し(ステップS306)、パスワード認証が成功すると、メモリダウンロードするデータを選択するように指示するガイダンス画面(図5H(p))を表示パネル2pに表示する(ステップS307)。ユーザは、この選択画面を見ながらメモリダウンロードするデータを選択する(ステップS308)。
【0059】
ユーザによるメモリダウンロードするデータの選択が終了すると、制御部15は、カバー部3を閉じるように指示するガイダンス画面(図5D(g))と所定の料金をコインベンダ(図示しない)に投入するように指示するガイダンス画面(図5D(h))を表示パネル2pに表示する(ステップS309)。
【0060】
ユーザがカバー部3を閉じると(ステップS310)、メモリダウンロード部11cは、選択したデータをメモリ20にダウンロードする処理を開始し(ステップS311)、完了後(ステップS312:YES)、前述したようにガイダンス画面に従い、ユーザは装着したメモリ20を抜き取り、カバー部3を閉じる(ステップS313〜ステップS318:図4BのステップS212〜ステップS217に相当)。
【0061】
(スキャンメモリコピー)
ここで、読み取った(スキャン)原稿を画像データ等としてメモリにコピーする処理について図4Dを用いて説明する。
【0062】
図4Dは、スキャンメモリコピー時に表示されるガイダンス画面及びユーザの操作を説明するためのフロー図である。
ガイダンス画面(図5A(a))からスキャンメモリコピーを選択すると(図4AのステップS4:スキャンメモリコピーを選択)、制御部15は、スキャンする原稿を自動原稿給送装置10bにセットし、スキャン開始キーを押すように指示するガイダンス画面(図5I(q))を案内表示部1dに表示する(ステップS401)。
【0063】
ユーザが原稿を自動原稿給送装置10bにセットし、スキャン開始キーを押すと(ステップS402)、スキャン部11bは、スキャン処理を開始し、スキャンした原稿データを順次、HDD12又はROM14に一時的に記録する。スキャン処理が完了すると(ステップS403:YES)、ユーザはカバー部3を開き、メモリ20を複合機10に装着し、カバー部3を閉じる(ステップS404〜ステップS409:図4BのステップS201〜ステップS204,ステップS208,ステップS209に相当)。なお、開閉可能な原稿押え10cを開き、原稿をセットして、セットした原稿をスキャンするようにしてもよい。
【0064】
ユーザがカバー部3を閉じると(ステップS409)、スキャンメモリコピー部11dは、HDD12又はROM14に一時的に記録したデータをメモリ20にコピーする処理を開始し(ステップS410)、メモリコピー処理が完了すると(ステップS411:YES)、前述したようにガイダンス画面に従い、ユーザは装着したメモリ20を抜き取り、カバー部3を閉じる(ステップS412〜ステップS417:図4BのステップS212〜ステップS217に相当)。
【0065】
なお、原稿を読み取るスキャン操作の前にメモリ20を装着し、カバー部3を閉じた後に一連のスキャン操作をするようにしてもよい。
【0066】
(コピー)
なお、ガイダンス画面(図5A(a))に複合機10の1機能であるコピー(機能)を表示し、コピーを選択した場合には、制御部15は、コピー用ガイダンス画面(図5J(r),図5J(s))を第1の表示装置10a又は案内表示部1dに表示することもできる。
【0067】
また、コピー機能等(メモリ20を使用しない機能)の選択表示は第1の表示装置10aに表示し、第1の表示装置10aを参照しながら複合機10を操作できるようにしてもよい。
さらに、案内表示部1dに表示される表示データの一部又は全てを第1の表示装置10aに表示してもよい。
【0068】
本実施例では、カバー部3の開閉機構として、ヒンジ機構による開閉を例示したが、スライド式のカバー部にしてもよく、さまざま開閉機構を採用できる。
【0069】
また、本実施例では、メモリ20をメモリ装着部4に装着したが、非接触型メモリに対しても本発明を適用できる。
【図面の簡単な説明】
【0070】
【図1】複合機の外観を示した図である。
【図2A】第2の表示装置の拡大図である。
【図2B】ユーザが第2の表示装置を操作している様子を示す第1の図である。
【図2C】ユーザが第2の表示装置を操作している様子を示す第2の図である。
【図2D】ユーザが第2の表示装置を操作している様子を示す第3の図である。
【図3】複合機10のブロック図である。
【図4A】ユーザが複合機の各種機能を選択する処理を説明するためのフロー図である。
【図4B】プリント処理時に表示されるガイダンス画面及びユーザの操作を説明するためのフロー図である。
【図4C】メモリダウンロード時に表示されるガイダンス画面及びユーザの操作を説明するためのフロー図である。
【図4D】スキャンメモリコピー時に表示されるガイダンス画面及びユーザの操作を説明するためのフロー図である。
【図5A】第1のガイダンス画面である。
【図5B】第2のガイダンス画面である。
【図5C】第3のガイダンス画面である。
【図5D】第4のガイダンス画面である。
【図5E】第5のガイダンス画面である。
【図5F】第6のガイダンス画面である。
【図5G】第7のガイダンス画面である。
【図5H】第8のガイダンス画面である。
【図5I】第9のガイダンス画面である。
【図5J】第10のガイダンス画面である。
【符号の説明】
【0071】
1d…案内表示部、2i…操作指示部、2o…操作キー、2p…表示パネル、3…カバー部、4…メモリ装着部、5…カバー開閉検出部、10…複合機、10a…第1の表示装置、10b…自動原稿給送装置、10c…原稿押え、10d…第2の表示装置、11…データ処理部、11a…プリント部、11b…スキャン部、11c…メモリダウンロード部、11d…スキャンメモリコピー部、11e…コピー部、11f…ファックス部、11g…電子メール送受信部、12…HDD、13…RAM、14…ROM、15…制御部、20…メモリ。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
記録媒体装着部と、
前記記録媒体装着部に対する記録媒体の着脱を検出する着脱検出部と、
記録媒体に関するデータ処理についての操作を促す指示をすると共にユーザの操作を受け付ける操作指示部と、
前記操作指示部からの入力操作に従ってデータ処理を実行するデータ処理部と、
前記記録媒体装着部を覆うカバー部とを有し、
前記カバー部の開放状態においてのみ前記記録媒体装着部に対する記録媒体の着脱及び前記操作指示部からの入力操作が可能であり、
前記着脱検出部が記録媒体の装着を検出し、前記カバー部が閉鎖状態にされると前記データ処理部が前記入力操作に従ったデータ処理を実行することを特徴とするデータ処理装置。
【請求項2】
前記カバー部は、前記記録媒体装着部及び前記操作指示部を覆うことを特徴とする請求項1に記載のデータ処理装置。
【請求項3】
前記カバー部の上面又は前記カバー部の近傍に前記データ処理装置の操作案内情報を表示する案内表示部を備えることを特徴とする請求項1又は2に記載のデータ処理装置。
【請求項4】
前記カバー部の閉鎖状態を保持するロック装置を有し、前記案内表示部は、前記ロック装置の操作を促す操作案内情報を表示することを特徴とする請求項3に記載のデータ処理装置。
【請求項5】
前記案内表示部は、前記データ処理装置のデータ処理の進行状況を表示することを特徴とする請求項3に記載のデータ処理装置。
【請求項6】
前記案内表示部は、前記データ処理装置のデータ処理の完了に伴い、前記カバー部の開放、前記記録媒体の抜き取り等の操作案内情報を表示することを特徴とする請求項3に記載のデータ処理装置。
【請求項7】
前記案内表示部は、前記記録媒体装着部に記録媒体が装着されているか否かの情報を表示することを特徴とする請求項3に記載のデータ処理装置。

【図1】
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【図2A】
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【図2B】
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【図2C】
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【図2D】
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【図3】
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【図4A】
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【図4B】
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【図4C】
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【図4D】
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【図5A】
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【図5B】
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【図5C】
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【図5D】
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【図5E】
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【図5F】
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【図5G】
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【図5H】
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【図5I】
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【図5J】
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【公開番号】特開2008−167185(P2008−167185A)
【公開日】平成20年7月17日(2008.7.17)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−354741(P2006−354741)
【出願日】平成18年12月28日(2006.12.28)
【出願人】(000005049)シャープ株式会社 (33,933)
【Fターム(参考)】