説明

データ処理装置

【構成】カメラ画像モードが選択されると、Hズーム回路12aは、複数画素の画素データからなるビデオデータをラスタ走査態様で取り込む。LMコントローラ14aは、Hズーム回路12aから出力されたビデオデータの書き込みおよび読み出しのために、ラインメモリ16aにアクセスする。掛け算器18a,20aおよび加算器24aは、Hズーム回路12aから出力された現ラインのビデオデータとLMコントローラ14aによって読み出された前ラインのビデオデータとを合成する。カメラ画像モードに代えてODSモードが選択されると、LMコントローラ14aは、256個の色番号にそれぞれ対応する256色の色データをラインメモリ16aに書き込む。LMコントローラ14aは、指定色番号に対応する色データをラインメモリ16aから読み出す。
【効果】出力画像の多様性が向上する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、データ処理装置に関し、特に互いに異なる性質を有する可視データを処理する、データ処理装置に関する。
【背景技術】
【0002】
この種のデータ処理装置の一例が、特許文献1に開示されている。この背景技術によれば、アドレス生成回路は、スタート信号によって起動され、カラムアドレスおよびロウアドレスをクロック信号に同期して生成する。静止画像データは、生成されたカラムアドレスおよびロウアドレスに基づいてグラフィックメモリに書き込まれる。サンプリング回路は、サンプリング信号に基づいて動画像データを取り込む。セレクタ回路は、グラフィックメモリに書き込まれた静止画データおよびサンプリング回路によって取り込まれた動画像データのいずれか一方を切り替え信号に基づいて選択する。ラインメモリは、セレクタ回路から出力された画像データをラッチ信号に基づいてラッチする。これによって、動画像データを処理する回路と静止画像データを処理する回路が共有化され、回路規模が削減される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開平8−18953号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかし、背景技術では、既定された複数の色番号にそれぞれ対応する複数色の色データが処理の対象となることはなく、出力画像の多様性に限界がある。
【0005】
それゆえに、この発明の主たる目的は、出力画像の多様性を高めることができる、データ処理装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
この発明に従うデータ処理装置(10:実施例で相当する参照符号。以下同じ)は、複数画素の画素データを第1モードに対応して取り込む取り込み手段(12a)、取り込み手段によって取り込まれた画素データの書き込みおよび読み出しのためにメモリ(16a)にアクセスするアクセス手段(34~36, 42~44, 50~58, 62~70, S5)、取り込み手段によって取り込まれた画素データとアクセス手段によってメモリから読み出された画素データとを合成する合成手段(18a~24a, S3)、既定された複数の色にそれぞれ対応する複数色の色データを第1モードに代替する第2モードに対応してメモリに書き込む書き込み手段(32, 40, 48, S7)、および指定色に対応する色データをメモリから読み出す読み出し手段(34~36, 42~44, 62~70, S11)を備える。
【0007】
好ましくは、書き込み手段は、複数の色にそれぞれ対応する複数の書き込みアドレスを出力する書き込みアドレス出力手段(40)、および書き込みアドレス出力手段の出力と並列して複数色の色データを出力する色データ出力手段(48)を含む。
【0008】
さらに好ましくは、読み出し手段は指定色に対応する読み出しアドレスを出力する読み出しアドレス出力手段(42~44)を含む。
【0009】
好ましくは、1画素の画素データは第1数のビットで表現される一方、1色の色データは第1数のN倍(N:2以上の整数)である第2数のビットで表現され、アクセス手段は、データ書き込みに関連してN画素の画素データを結合する結合手段(52~54)、およびデータ読み出しに関連してN画素の画素データを分割する分割手段(62~64)を含む。
【0010】
好ましくは、第1モードに対応して加算手段から出力された画素データと第2モードに対応して読み出し手段から出力された色データとを混合する混合手段(26)がさらに備えられる。
【0011】
好ましくは、取り込み手段によって取り込まれる複数画素の画素データは被写界像を形成するデータに相当する。
【発明の効果】
【0012】
この発明によれば、第1モードが選択されたときは、取り込まれた複数画素の画素データに基づいて所望の倍率を有する画像が作成される。一方、第2モードが選択されたときは、色番号の指定を制御することで所望の色彩ないし模様を有する画像が作成される。これによって、出力画像の多様性が高められる。
【0013】
この発明の上述の目的,その他の目的,特徴および利点は、図面を参照して行う以下の実施例の詳細な説明から一層明らかとなろう。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【図1】この発明の一実施例の基本的構成を示すブロック図である。
【図2】この発明の一実施例の構成を示すブロック図である。
【図3】(A)はカメラ画像モードにおけるラインメモリのアクセス動作の一例を示す図解図であり、(B)はOSDモードにおけるラインメモリのアクセス動作の一例を示す図解図である。
【図4】図2実施例に適用されるLMコントローラの構成の一例を示すブロック図である。
【図5】(A)はビデオクロックの出力動作の一例を示す図解図であり、(B)はビデオリードセレクト信号の出力動作の一例を示す図解図であり、(C)はビデオR/Wアドレス信号の出力動作の一例を示す図解図であり、(D)はLMリードデータの出力動作の一例を示す図解図であり、(E)はリードバッファの出力動作の一例を示す図解図であり、(F)はビデオリードデータの出力動作の一例を示す図解図であり、(G)はビデオライトデータの出力動作の一例を示す図解図であり、(H)はライトバッファの出力動作の一例を示す図解図であり、(I)はLMライトデータの出力動作の一例を示す図解図である。
【図6】(A)はCPUクロックの出力動作の一例を示す図解図であり、(B)はCPUライトイネーブル信号の出力動作の一例を示す図解図であり、(C)はCPUライトセレクト信号の出力動作の一例を示す図解図であり、(D)はCPUライトアドレス信号の出力動作の一例を示す図解図であり、(E)はCPUライトデータの出力動作の一例を示す図解図である。
【図7】(A)はビデオクロックの出力動作の一例を示す図解図であり、(B)はビデオリードセレクト信号の出力動作の一例を示す図解図であり、(C)はビデオR/Wアドレス信号の出力動作の一例を示す図解図であり、(D)はLMリードデータおよびビデオリードデータの出力動作の一例を示す図解図である。
【図8】図2実施例に適用されるCPUの動作の一部を示すフロー図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下、この発明の実施の形態を図面を参照しながら説明する。
[基本的構成]
【0016】
図1を参照して、この実施例のデータ処理装置は、基本的に次のように構成される。取り込み手段1は、複数画素の画素データを第1モードに対応して取り込む。アクセス手段2は、取り込み手段1によって取り込まれた画素データの書き込みおよび読み出しのためにメモリ6にアクセスする。合成手段3は、取り込み手段1によって取り込まれた画素データとアクセス手段2によってメモリ6から読み出された画素データとを合成する。書き込み手段4は、既定された複数の色の夫々に対応して設定された複数の色番号にそれぞれ対応する複数色の色データを第1モードに代替する第2モードに対応してメモリ6に書き込む。読み出し手段5は、既定された複数の色の1つを指定する指定色に対応する色番号である指定色番号に対応する色データをメモリ6から読み出す。
【0017】
第1モードが選択されたときは、取り込まれた複数画素の画素データに基づいて所望の倍率を有する画像が作成される。一方、第2モードが選択されたときは、色番号の指定を制御することで所望の色彩ないし模様を有する画像が作成される。これによって、出力画像の多様性が高められる。
[実施例]
【0018】
図2を参照して、この実施例のデータ処理装置10は、撮像装置(図示せず)によって捉えられた被写界を表すビデオデータおよび/または図形や文字などのキャラクタを描画するための色データを各々が処理する処理回路PRC1およびPRC2を含む。
【0019】
CPU28は、代替的に選択されるカメラ画像モードおよびOSD(オン・スクリーン・ディスプレイ)モードのいずれか一方を処理回路PRC1およびPRC2の各々に設定する。処理回路PRC1およびPRC2は、共通の動作モードが設定されたとき共通の処理動作を実行し、互いに異なる動作モードが設定されたとき互いに異なる処理動作を実行する。
【0020】
カメラ画像モードが設定されたとき、Hズーム回路12aは、ビデオデータをラスタ走査態様で取り込み、取り込まれたビデオデータの水平ズーム倍率を調整する。調整された水平ズーム倍率を有するビデオデータは、ビデオライトデータとして1ラインずつLMコントローラ14aに与えられる。LMコントローラ14aは、与えられた各ラインのビデオライトデータをLMライトデータに変換し、変換されたLMライトデータをR/W信号およびADRS信号とともにラインメモリ16aに与える。
【0021】
ここで、ビデオライトデータおよびLMライトデータはいずれも、複数画素の画素データによって形成される。また、1画素は8ビットで表現される。ただし、ビデオライトデータは8ビットを1バイトとして定義されたデータであるの対して、LMライトデータは16ビットを2バイトとして定義されたデータである。したがって、ビデオライトデータにおいては1画素が各バイトに割り当てられる一方、LMライトデータにおいては2画素が各バイトに割り当てられる。
【0022】
また、R/W信号はアクセス態様が“リード”および“ライト”のいずれであるかを示す信号であり、Hレベルが“リード”を示す一方、Lレベルが“ライト”を示す。ADRS信号はアクセス先のアドレス値を示す信号であり、アドレス値は、各ラインの先頭に相当するタイミングで“0”に設定され、2画素に相当する期間が経過する毎に更新される。アドレス値の上限値は、ビデオライトデータによって表現される画像の水平画素数の1/2に相当する。たとえば水平画素数が“640”であれば、アドレス値は、2画素に相当する期間が経過する毎に“0”から“319”までインクリメントされる。
【0023】
図3(A)を参照して、ラインメモリ16aは、8ビットの容量を各々が有する合計1024個のアドレスによって形成される。LMコントローラ14aによって変換されたLMライトデータは、R/W信号が“ライト”を示すときにADRS信号が示すアドレスに書き込まれる。
【0024】
カメラ画像モードにおいて、LMコントローラ14aは、ADRS信号が共通のアドレスを示す期間(=2画素期間)に、R/W信号の設定を“リード”および“ライト”の間で切り換える。厳密には、R/W信号は、前半の1画素期間に“リード”に設定され、後半の1画素期間に“ライト”に設定される。これによって、まず2画素の画素データが指定アドレスから読み出され、その後に別の2画素の画素データが指定アドレスに書き込まれる。
【0025】
ビデオライトデータはラスタ走査態様でHズーム回路12aから出力され、ADRS信号が示す数値は各ラインにおいて上述の要領で更新されるため、読み出される2画素の画素データは前ラインに属する一方、書き込まれる2画素の画素データは現ラインに属する。また、この2画素の水平位置は、前ラインおよび現ラインの間で一致する。
【0026】
こうしてラインメモリ16aから読み出されたデータは、LMリードデータとしてLMコントローラ14aに与えられる。LMリードデータもまた、2画素が各バイト(=16ビット)に割り当てられたデータである。LMコントローラ14aは、このようなデータを1画素が各バイト(=8ビット)に割り当てられたデータに変換し、変換されたデータをビデオリードデータとして出力する。
【0027】
掛け算器18aは、LMコントローラ14aから出力されたビデオリードデータつまり前ラインのビデオデータに係数Kを掛け算する。一方、掛け算器20aは、Hズーム回路12aからビデオライトデータつまり現ラインのビデオデータに係数“1−K”を掛け算する。ここで、係数Kは、垂直ズーム倍率に相関する数値を示し、係数発生回路22aから出力される。加算器24aは、掛け算器18aの出力と掛け算器20aの出力とを互いに加算する。この結果、垂直ズーム倍率が調整されたビデオデータが処理回路PRC1から出力される。
【0028】
OSDモードが設定されたとき、CPU28は、CPUライトデータをLMコントローラ14aに与える。LMコントローラ14aは、与えられたCPUライトデータをLMライトデータとして定義し、定義されたLMライトデータをR/W信号およびADRS信号とともにラインメモリ16aに与える。
【0029】
ここで、CPUライトデータおよびLMライトデータはいずれも、1バイトが8ビットで表現された256バイトのデータである。この256個のバイトには256個の色が既定順序で割り当てられる。また、ADRS信号が示す数値は1バイト毎に“0”から“255”まで増大する。さらに、R/W信号は、LMライトデータがラインメモリ16aに与えられる期間に継続的に“ライト”を示す。
【0030】
この結果、LMライトデータは、図3(B)に示す要領でラインメモリ16aに書き込まれる。0番目の色を示すデータは0番目のアドレスに書き込まれ、1番目の色を示すデータは1番目のアドレスに書き込まれ、1番目の色を示すデータは1番目のアドレスに書き込まれる。同様にして、255番目の色のデータは、255番目のアドレスに書き込まれる。
【0031】
LMコントローラ14aは、このような書き込み処理が完了した後、CPU28によって指定された色を示すデータをLMリードデータとしてラインメモリ16aから読み出す。このとき、R/W信号は継続的に“リード”を示し、ADRS信号は指定された色に対応する数値を示す。こうして読み出されたLMリードデータは、ビデオリードデータとして掛け算器18aに与えられる。
【0032】
OSDモードが設定されたとき、変数Kは継続的に“1”を示す。このため、掛け算器20aおよび加算器24aは実質的に意味をなさず、ビデオリードデータがそのまま処理回路PRC1から出力される。
【0033】
処理回路PRC2の動作は、カメラ画像モードおよびOSDモードのいずれにおいても、上述した処理回路PRC1の動作と同じである。したがって、参照番号に付された“a”を“b”に代えることで、重複した説明を省略する。
【0034】
ミキサ26は、こうして処理回路PRC1およびPRC2から出力されたデータを指定の割合で混合する。これによって生成された混合データは、ビデオデータとしてLCDモニタ(図示せず)に向けて出力される。
【0035】
LMコントローラ14aおよび14bの各々は、図4に示すように構成される。CPU28は、上述したCPUライトデータに加えて、CPUライトイネーブル信号,CPUライトセレクト信号,ビデオリードセレクト信号,CPUライトアドレス信号およびビデオR/Wアドレス信号を出力する。
【0036】
このうち、CPUライトイネーブル信号は、ANDゲート32,40および48に直接入力されるとともに、インバータ34,42,50および68を介してANDゲート36,44,58および70に入力される。CPUライトセレクト信号は、ANDゲート32に直接入力される。ビデオリードセレクト信号は、ANDゲート36および70に直接入力されるとともに、インバータ56を介してANDゲート58に入力される。CPUライトアドレス信号は、ANDゲート40に直接入力される。ビデオR/Wアドレス信号は、ANDゲート44に直接入力される。
【0037】
ANDゲート32は、CPUライトイネーブル信号とCPUライトセレクト信号とにAND処理を施し、AND信号をORゲート38に入力する。ANDゲート36は、インバータ34から出力された反転信号とビデオリードセレクト信号とにAND処理を施し、AND信号をORゲート38に入力する。ORゲート38は、ANDゲート32から出力されたAND信号とANDゲート36から出力されたAND信号とにOR処理を施し、OR信号をR/W信号として出力する。
【0038】
ANDゲート40は、CPUライトイネーブル信号とCPUライトアドレス信号とにAND処理を施し、AND信号をORゲート46に入力する。ANDゲート44は、インバータ42から出力された反転信号とビデオR/Wアドレス信号とにAND処理を施し、AND信号をORゲート46に入力する。ORゲート46は、ANDゲート40から出力されたAND信号とANDゲート44から出力されたAND信号とにOR処理を施し、OR信号をADRS信号として出力する。
【0039】
ANDゲート48は、CPUライトイネーブル信号とCPUライトデータとにAND処理を施し、AND信号をORゲート60に入力する。ANDゲート58は、インバータ50から出力された反転信号と後述する多重回路MP1から出力された結合データとインバータ56から出力された反転信号とにAND処理を施し、AND信号をORゲート60に入力する。ORゲート60は、ANDゲート48から出力されたAND信号とANDゲート58から出力されたAND信号とにOR処理を施し、OR信号をLMライトデータとして出力する。
【0040】
ANDゲート70は、後述する分離回路SP1から出力されたデータとインバータ68から出力された反転信号とビデオリードセレクト信号とにAND処理を施し、AND信号をビデオリードデータとして出力する。
【0041】
多重回路MP1は、ライトバッファ54と結合器52とによって形成される。ライトバッファ54は、Hズーム回路12aまたは12bから入力されたビデオライトデータを1画素おきに取り込む。結合器52は、Hズーム回路12aまたは12bから入力されたビデオライトデータとライトバッファ54に格納されたビデオライトデータとを1画素おきに結合する。ライトバッファ54の取り込み処理および結合器52の結合処理は代替的に実行され、これによって連続する2画素が2バイトに割り当てられる。
【0042】
分離回路SP1は、分割器62,リードバッファ64およびセレクタ66によって形成される。分割器62は、ラインメモリ16aまたは16bから読み出されたLMリードデータを2分割し、前半8ビットのデータをセレクタ66に直接入力する一方、後半8ビットのデータをリードバッファ64を介してセレクタ66に入力する。セレクタ66にはまた、ラインメモリ16aまたは16bから読み出されたLMリードデータが直接入力される。
【0043】
セレクタ66は、カメラ画像モードが設定されたとき、分割器62から出力された前半8ビットのデータとリードバッファ64から出力された後半8ビットのデータとを交互に選択する。カメラ画像モードでは、LMリードデータは1画素期間おきにラインメモリ16aまたは16bから読み出される。また、こうして読み出されたLMリードデータは、2バイト(=16ビット)に2画素が割り当てられたデータに相当する。したがって、セレクタ66が上述の要領で動作することで、1バイト(=8ビット)に1画素が割り当てられたデータがセレクタ66から連続的に出力される。
【0044】
セレクタ66はまた、OSDモードが設定されたとき、ラインメモリ16aまたは16bから読み出されたLMリードデータを継続的に選択する。この結果、1バイト(=8ビット)に1色が割り当てられたデータがセレクタ66から連続的に出力される。
【0045】
図5(A)〜図5(I)を参照して、LMコントローラ14aおよび14bの各々は、カメラ画像モードにおいて次のように動作する。なお、カメラ画像モードにおいては、CPUライトイネーブル信号は継続的にLレベルを示す。
【0046】
ビデオクロックが図5(A)に示す要領で変化するとき、ビデオリードセレクト信号は図5(B)に示す要領で変化し、ビデオR/Wアドレス信号は図5(C)に示す要領で変化する。ビデオクロックの1周期は1画素期間に相当し、ビデオリードセレクト信号は1画素期間が経過する毎にHレベルとLレベルとの間で変化し、そしてビデオR/Wアドレス信号が示す数値はビデオリードセレクト信号の立ち上がりに応答して更新される。
【0047】
CPUライトイネーブル信号は継続的にLレベルを示すため、ビデオリードセレクト信号はR/W信号としてOR回路38から出力され、ビデオR/Wアドレス信号はADRS信号としてOR回路46から出力される。
【0048】
したがって、LMリードデータは、ビデオリードセレクト信号がHレベルを示す期間に図5(D)に示す要領でラインメモリ16aまたは16bから読み出される。また、リードバッファ64からは、LMリードデータの下位8ビットが図5(E)に示す要領で出力される。この結果、ビデオリードデータは、図5(F)に示す要領でAND回路70から出力される。
【0049】
また、ビデオライトデータは図5(G)に示す要領で入力され、その一部が図5(H)に示す要領でライトバッファ54から出力される。この結果、LMライトデータは図5(I)に示す要領でOR回路60から出力される。
【0050】
図6(A)〜図6(E)を参照して、OSDモードの下で256色の色データをラインメモリ16aまたは16bに書き込むとき、LMコントローラ14aおよび14bの各々は、次のように動作する。
【0051】
CPUクロックが図6(A)に示す要領で変化するとき、CPUライトイネーブル信号は図6(B)に示す要領で変化し、CPUライトセレクト信号は図6(C)に示す要領で変化する。CPUライトイネーブル信号およびCPUライトセレクト信号はいずれも、CPUクロックの立ち上がりから256クロック期間にわたってHレベルを示す。
【0052】
図6(D)から分かるように、CPUライトアドレス信号が示す数値は、CPUライトイネーブル信号およびCPUライトセレクト信号がHレベルを示す期間において、CPUクロックが立ち上がる毎に“0”〜“255”までインクリメントされる。また、図6(E)から分かるように、CPUライトデータが示す色は、CPUライトイネーブル信号およびCPUライトセレクト信号がHレベルを示す期間において、CPUクロックが立ち上がる毎に0番目の色から255番目の色まで更新される。この結果、256色の色データがラインメモリ16aまたは16bの256個のアドレスにそれぞれ書き込まれる。
【0053】
図7(A)〜図7(D)を参照して、OSDモードの下で指定色の色データをラインメモリ16aまたは16bから読み出すとき、LMコントローラ14aおよび14bの各々は、次のように動作する。なお、色データを読み出すとき、CPUライトイネーブル信号は継続的にLレベルを示す。
【0054】
ビデオクロックは、図7(A)に示す要領で変化する。上述と同様、ビデオクロックの1周期は1画素期間に相当する。38番目の色を示す色データを10画素期間にわたって読み出すとき、ビデオリードセレクト信号はビデオクロックの立ち上がりから10クロック期間にわたってHレベルを示し、ビデオR/Wアドレス信号は同じ10クロック期間にわたって“38”を示す。38番目の色を示す色データは、LMリードデータまたはビデオリードデータとして、図7(D)に示す要領で出力される。
【0055】
CPU28は、処理回路PRC1およびPRC2の各々に対応して、図8に示すフロー図に従う処理を実行する。
【0056】
まずステップS1で、カメラ画像モードおよびOSDモードのいずれが選択されたかを判別する。カメラ画像モードが選択されたときはステップS3〜S5を経て処理を終了し、OSDモードが選択されたときはステップS7〜S11を経て処理を終了する。
【0057】
ステップS3では、水平ズーム倍率および垂直ズーム倍率を指定倍率に設定し、ステップS5ではラインメモリ16aまたは16bに対するデータ書き込みおよびデータ読み出しを開始する。この結果、図5(A)〜図5(I)に示す動作が継続的に実行される。
【0058】
ステップS7では、256色の色データをラインメモリ16aまたは16bに書き込む。書き込み動作は、図6(A)〜図6(E)に示す要領で実行される。ステップS9ではズーム倍率を“1.0”に設定し、ステップS11では指定色の色データを読み出す動作を開始する。指定色の色データは、図7(A)〜図7(D)に示す要領でラインメモリ16aまたは16bから読み出される。
【0059】
以上の説明から分かるように、カメラ画像モードが選択されると、Hズーム回路12aは、複数画素の画素データからなるビデオデータをラスタ走査態様で取り込む。LMコントローラ14aは、Hズーム回路12aから出力されたビデオデータの書き込みおよび読み出しのために、ラインメモリ16aにアクセスする。掛け算器18a,20aおよび加算器24aは、Hズーム回路12aから出力された現ラインのビデオデータとLMコントローラ14aによって読み出された前ラインのビデオデータとを合成する。カメラ画像モードに代えてODSモードが選択されると、LMコントローラ14aは、256個の色番号にそれぞれ対応する256色の色データをラインメモリ16aに書き込む。LMコントローラ14aは、こうして書き込まれた色データのうち指定色番号に対応する色データをラインメモリ16aから読み出す。
【0060】
カメラ画像モードが選択されたときは、取り込まれたビデオデータに基づいて所望の倍率を有する画像が作成される。一方、OSDモードが選択されたときは、色番号の指定を制御することで所望の色彩ないし模様を有する画像が作成される。これによって、出力画像の多様性が高められる。
【0061】
なお、この実施例では、ラインメモリ16aおよび16bの各々に1024個のアドレスを設けるようにしているが、アドレスの数は“1024”に限られるものではない。また、この実施例のデータ処理装置10は、ビデオデータおよびOSDデータを再生するあらゆる電子機器に適用することができる。
【符号の説明】
【0062】
10 …データ処理装置
12a,12b …Hズーム回路
14a,14b …LMコントローラ
16a,16b …ラインメモリ
18a,18b,20a,20b …掛け算器
24a,24b …加算器
26 …ミキサ
28 …CPU

【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数画素の画素データを第1モードに対応して取り込む取り込み手段、
前記取り込み手段によって取り込まれた画素データの書き込みおよび読み出しのためにメモリにアクセスするアクセス手段、
前記取り込み手段によって取り込まれた画素データと前記アクセス手段によって前記メモリから読み出された画素データとを合成する合成手段、
既定された複数の色にそれぞれ対応する複数色の色データを前記第1モードに代替する第2モードに対応して前記メモリに書き込む書き込み手段、および
指定色に対応する色データを前記メモリから読み出す読み出し手段を備える、データ処理装置。
【請求項2】
前記書き込み手段は、前記複数の色にそれぞれ対応する複数の書き込みアドレスを出力する書き込みアドレス出力手段、および前記書き込みアドレス出力手段の出力と並列して前記複数色の色データを出力する色データ出力手段を含む、請求項1記載のデータ処理装置。
【請求項3】
前記読み出し手段は前記指定色に対応する読み出しアドレスを出力する読み出しアドレス出力手段を含む、請求項2記載のデータ処理装置。
【請求項4】
1画素の画素データは第1数のビットで表現される一方、1色の色データは前記第1数のN倍(N:2以上の整数)である第2数のビットで表現され、
前記アクセス手段は、データ書き込みに関連してN画素の画素データを結合する結合手段、およびデータ読み出しに関連して前記N画素の画素データを分割する分割手段を含む、請求項1ないし3のいずれかに記載のデータ処理装置。
【請求項5】
前記第1モードに対応して前記加算手段から出力された画素データと前記第2モードに対応して前記読み出し手段から出力された色データとを混合する混合手段をさらに備える、請求項1ないし4のいずれかに記載のデータ処理装置。
【請求項6】
前記取り込み手段によって取り込まれる複数画素の画素データは被写界像を形成するデータに相当する、請求項1ないし5のいずれかに記載のデータ処理装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2012−90179(P2012−90179A)
【公開日】平成24年5月10日(2012.5.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−236759(P2010−236759)
【出願日】平成22年10月21日(2010.10.21)
【出願人】(000001889)三洋電機株式会社 (18,308)
【Fターム(参考)】