説明

データ出力制御装置

【課題】従来のデータ出力制御装置では、通常のディスクと異なり、リードイン領域のトラックピッチをデータ領域と変えたディスクを用いるという課題のため、通常のディスク再生装置ではトラッキングが行えずに再生できなかった。
【解決手段】記憶回路に記憶されているデータを読み出してフォーマットやデータの内容を解析するデータ解析回路と、記憶回路に記憶されているデータが所定のフォーマットや所定のデータの内容と一致すると前記データ解析回路が判断した場合には、記憶回路からのデータの読み出しを禁止し、一致しないと前記データ解析回路が判断した場合には、記憶回路からのデータ読み出しを可能にするように記憶回路とデータ解析回路を制御する制御回路を備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、元々DVD(デジタル多用途ディスク)に記録されていたコンテンツを、不正にコピーしたり再生したりすることを防止する装置に関する。
【背景技術】
【0002】
不正にコピーしたメディアを判別する光ディスク、データ記録装置及び光ディスク再生装置としては、例えば特許文献1に記載されているようなリードイン領域のトラックピッチをデータ領域と変えて、そこに識別データを記録する手段が知られている。
【特許文献1】特開2001−67676号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかしながら、特許文献1に開示の光ディスク、データ記録装置及び光ディスク再生装置では、通常のディスクと異なりリードイン領域のトラックピッチをデータ領域と変えたディスクを用いるため、通常のディスク再生装置ではトラッキングが行えずに再生できなくなるだけでなく、専用のディスク装置を用いてそのようなディスクに記録再生することを可能にしても、識別データを改ざんすることにより容易に不正なコピーをすることが可能になってしまうという課題がある。
【0004】
本発明は、かかる課題を解決し、DVDから違法にコピーされた可能性があるコンテンツデータの出力を停止し、記録や再生を禁止することが可能で、しかも光学的ではなく論理的に識別するので信頼性高く判定することが可能なデータ出力制御装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明のデータ出力制御装置は、記憶回路に記憶されているデータを読み出してフォーマットやデータの内容を解析するデータ解析回路と、記憶回路に記憶されているデータが所定のフォーマットや所定のデータの内容と一致すると前記データ解析回路が判断した場合には、記憶回路からのデータの読み出しを禁止し、一致しないと前記データ解析回路が判断した場合には、記憶回路からのデータ読み出しを可能にするように記憶回路を制御する制御回路とから構成されている。
【発明の効果】
【0006】
本発明は、容易にかつ確実に、違法にコピーされた可能性があるコンテンツの記憶回路からの読み出しを制限できる効果がある。
【0007】
また、光学的ではなく論理的に働くため、精度良く違法にコピーされた可能性のあるコンテンツか否かの判定もできるという効果もある。
【発明を実施するための最良の形態】
【0008】
本発明のデータ出力制御装置は、記憶回路に記憶されているデータを読み出してフォーマットやデータの内容を解析するデータ解析回路と、記憶回路に記憶されているデータが所定のフォーマットや所定のデータの内容と一致すると前記データ解析回路が判断した場合には、記憶回路からのデータの読み出しを禁止し、一致しないと前記データ解析回路が判断した場合には、記憶回路からのデータ読み出しを可能にするように記憶回路を制御する制御回路の構成を備えるため、記憶回路に記憶されているデータが所定のフォーマットや所定のデータの内容と一致するか否かをデータ解析回路が判定し、その結果に基づいて記憶回路からのデータ読み出しを禁止するか許可するかを制御回路が制御する結果、容易にかつ確実に、違法にコピーされた可能性があるコンテンツの記憶回路からの読み出しを制限することができ、違法にコピーされた可能性があるコンテンツの拡散を防ぐことができる。
【0009】
また、データ解析回路は、記憶回路から読み出したいデータのアドレスを出力するアドレス発生回路と、記憶回路から読み出したデータと比較すべき値を記憶する参照データ記憶回路と、記憶回路から読み出したデータと前記参照データ記憶回路が出力する値とを比較する比較回路と、記憶回路からのデータを前記比較回路に出力するか外部に出力するかを切り換えるスイッチ回路と、前記アドレス発生回路と前記参照データ記憶回路と前記比較回路と前記スイッチ回路を制御し前期比較回路の結果を制御回路に出力するデータ解析制御回路とすると、参照データ記憶回路の内容を変更することにより、様々なパターンで論理構造がDVDであることの検出も達成できる。
【0010】
本発明に適用できる参照データ記憶回路の内容としては、例えば、ファイル構造がDVD−ROMディスクと一致しているか、または入力されたデータにビデオ・マネージャ情報が含まれているか、または入力されたデータにビデオ・タイトル・セット情報が含まれているか、または入力されたデータにナビゲーション・パック(NV_PCK)情報が含まれているか、ということを判断するための値を記憶しておくことにより、記憶回路から入力したデータの論理構造がDVD−ROMやDVD−Videoであることの検出に適用できる。
【0011】
次に、本発明のデータ出力制御装置の一実施形態を、図面を参照して説明する。
【0012】
(実施の形態1)
図1は、本発明のデータ出力制御装置の一実施形態に係るブロック図で、11はデータを記憶する記憶手段である記憶回路、12は記憶回路11に記憶されているデータを読み出してフォーマットやデータの内容を解析するデータ解析手段であるデータ解析回路、13は記憶回路11に記憶されているデータが所定のフォーマットや所定のデータの内容と一致するとデータ解析回路12が判断した場合には、記憶回路11からのデータの読み出しを禁止し、一致しないとデータ解析回路12が判断した場合には、記憶回路11からのデータ読み出しを可能にするように記憶回路11とデータ解析回路12を制御する制御手段である制御回路、14はデータ出力端子とから構成される。
【0013】
図2は、図1におけるデータ解析回路12のブロック図で、21は記憶回路11から読み出したいデータのアドレスを出力するアドレス発生手段であるアドレス発生回路、22は記憶回路11から読み出したデータと比較すべき値を記憶する参照データ記憶手段である参照データ記憶回路、23は記憶回路11から読み出したデータと参照データ記憶回路22が出力する値とを比較する比較手段である比較回路、24は記憶回路11からのデータを比較回路23に出力するか外部に出力するかを切り換える切換手段であるスイッチ回路、25はアドレス発生回路21と参照データ記憶回路22と比較回路23とスイッチ回路24を制御し比較回路23の結果を制御回路13に出力するデータ解析制御手段であるデータ解析制御回路、26はデータ解析制御回路25と制御回路13とで制御信号をやりとりする制御信号端子、27はアドレス発生回路21が出力するアドレスを制御回路13に出力するアドレス出力端子、28は記憶回路11からのデータをスイッチ回路24に入力するデータ入力端子、29はスイッチ回路24を経由して記憶回路11からのデータを外部に出力するデータ出力端子とから構成されている。
【0014】
以上のように構成された本実施の形態について、以下その動作について説明する。
【0015】
(ファイル構造の判断)
データ解析回路12で、ファイル構造がDVD−ROMディスクと一致しているかどうかを判断するためには、アドレス発生回路21がロジカルセクタアドレスを出力し、参照データ記憶回路22はファイル構造がUDF(Universal Disk Format)の場合の値X‘BEA01’と、ISO9660の場合の値X‘CD001’を記憶する。データ解析制御回路25は、スイッチ回路24をA側に倒し、まずアドレス発生回路21がロジカルセクタアドレス値「16」を出力する。
【0016】
次に、比較回路23がスイッチ回路24を経由して入力された記憶回路11のデータと参照データ記憶回路22からの値X‘CD001’とを比較し、一致している場合にはその比較結果をデータ解析制御回路25へ出力する。その比較結果に基づきデータ解析制御回路25は、「ファイル構造がISO9660である」と判断する。その判断結果に基づき、アドレス発生回路21がロジカルセクタアドレス「17」以上の値を1つずつ増加させながら出力する。
【0017】
一方、比較回路23が、スイッチ回路24を経由して入力された記憶回路11のデータと参照データ記憶回路22からの値X‘BEA01’とを比較し、一致している場合にはその比較結果をデータ解析制御回路25へ出力する。その比較結果に基づきデータ解析制御回路25は、「ファイル構造がUDFである」と判断する。
【0018】
また、比較回路23の比較結果に基づいて、「ファイル構造がUDFとISO9660の両方で供給されている」とデータ解析制御回路25が判断した場合には、その判定結果をデータ解析制御回路25が制御回路13に出力し、制御回路13は記憶回路11にアドレスを出力することを停止するとともに、制御回路13はデータ解析回路12に対してデータの出力の停止を指示する。データ解析制御回路25は、スイッチ回路24をA側に倒したままにして、記憶回路11からのデータの外部への出力を不可能にする。
【0019】
さらに、比較回路23の比較結果に基づいて、「ファイル構造がUDFとISO9660の両方で供給されていない」とデータ解析制御回路25が判断した場合には、データ解析制御回路25は「ファイル構造がDVD−ROMディスクと一致しない」という判定結果を制御回路13に出力し、制御回路13は記憶回路11にアドレスを出力するとともに、制御回路13はデータ解析回路12に対してデータの出力の許可を指示し、データ解析制御回路25はスイッチ回路24をB側に倒して、記憶回路11からのデータをデータ出力端子14経由で外部に出力することを可能にする。
【0020】
(ビデオ・マネージャ情報の有無判断:1)
データ解析回路12で、入力されたデータにビデオ・マネージャ情報が含まれているかどうかを判断するためには、アドレス発生回路21がロジカルセクタアドレスを出力する。参照データ記憶回路22は、ビデオ・マネージャ情報のファイル名である「VIDEO_TS.IFO」のコード値を記憶し、データ解析制御回路25はスイッチ回路24をA側に倒し、アドレス発生回路21がロジカルセクタアドレス値を増加させながら出力する。
【0021】
比較回路23が、スイッチ回路24を経由して入力された記憶回路11のデータと参照データ記憶回路22からの値とを比較し、一致している場合にはデータ解析制御回路25は「入力されたデータにビデオ・マネージャ情報が含まれている」と判断する。その場合には、データ解析制御回路25は「入力されたデータにビデオ・マネージャ情報が含まれている」という判定結果を制御回路13に出力する。制御回路13は、記憶回路11にアドレスを出力することを停止するとともに、データ解析回路12に対してデータの出力の停止を指示する。データ解析制御回路25はスイッチ回路24をA側に倒したままにする。
【0022】
一方、比較回路23の比較結果に基づいて、「入力されたデータにビデオ・マネージャ情報が含まれていない」とデータ解析制御回路25が判断した場合には、データ解析制御回路25はその判定結果を制御回路13に出力し、制御回路13は記憶回路11にアドレスを出力するとともに、制御回路13はデータ解析回路12に対してデータの出力の許可を指示する。データ解析制御回路25は、スイッチ回路24をB側に倒して、記憶回路11からのデータをデータ出力端子14経由で外部に出力することを可能にする。
【0023】
(ビデオ・マネージャ情報の有無判断:2)
データ解析回路12で、入力されたデータにビデオ・マネージャ情報が含まれているかどうかを判断するためには、アドレス発生回路21が「VIDEO_TS.IFO」という名前のファイルの先頭アドレスを出力する。参照データ記憶回路22は、ビデオ・マネージャ識別子(VMG_ID)の値であるDVDVIDEO_VMGのコード値を記憶する。データ解析制御回路25は、スイッチ回路24をA側に倒し、アドレス発生回路21がアドレス値を増加させながら出力する。
【0024】
比較回路23が、スイッチ回路24を経由して入力された記憶回路11のデータと参照データ記憶回路22からの値とを比較し、一致している場合には、データ解析制御回路25は「入力されたデータのVIDEO_TS.IFOという名前のファイルにビデオ・マネージャ情報管理テーブル(VMGI_MAT)が含まれている」と判断する。その場合には、データ解析制御回路25は「入力されたデータにビデオ・マネージャ情報が含まれている」という判定結果を、制御回路13に出力する。これにより、制御回路13は記憶回路11にアドレスを出力することを停止するとともに、制御回路13はデータ解析回路12に対してデータの出力の停止を指示する。データ解析制御回路25はスイッチ回路24をA側に倒したままにする。
【0025】
一方、比較回路23の比較結果に基づいて、入力されたデータにビデオ・マネージャ情報が含まれていないとデータ解析制御回路25が判断した場合には、データ解析制御回路25はその判定結果を制御回路13に出力し、制御回路13は記憶回路11にアドレスを出力するとともに、制御回路13はデータ解析回路12に対してデータの出力の許可を指示する。データ解析制御回路25はスイッチ回路24をB側に倒して、記憶回路11からのデータをデータ出力端子14経由で外部に出力することを可能にする。
【0026】
(ビデオ・タイトル・セット情報の有無判断:2)
データ解析回路12で、入力されたデータにビデオ・タイトル・セット情報が含まれているかどうかを判断するためには、アドレス発生回路21がロジカルセクタアドレスを出力する。
【0027】
参照データ記憶回路22は、ビデオ・タイトル・セット情報のファイル名である「VTS_nn_0.IFO」(ただしnnは01から99までの整数)のコード値を記憶し、データ解析制御回路25はスイッチ回路24をA側に倒し、アドレス発生回路21がロジカルセクタアドレス値を増加させながら出力する。
【0028】
比較回路23が、スイッチ回路24を経由して入力された記憶回路11のデータと参照データ記憶回路22からの値とを比較し、一致している場合にはデータ解析制御回路25は「入力されたデータにビデオ・タイトル・セット情報が含まれている」と判断する。その場合には、データ解析制御回路25は「入力されたデータにビデオ・タイトル・セット情報が含まれている」という判定結果を制御回路13に出力する。制御回路13は、記憶回路11にアドレスを出力することを停止するとともに、制御回路13はデータ解析回路12に対してデータの出力の停止を指示し、データ解析制御回路25はスイッチ回路24をA側に倒したままにする。
【0029】
一方、比較回路23の比較結果に基づいて、「入力されたデータにビデオ・タイトル・セット情報が含まれていない」とデータ解析制御回路25が判断した場合には、データ解析制御回路25はその判定結果を制御回路13に出力する。制御回路13は、記憶回路11にアドレスを出力するとともに、制御回路13はデータ解析回路12に対してデータの出力の許可を指示し、データ解析制御回路25はスイッチ回路24をB側に倒して、記憶回路11からのデータをデータ出力端子14経由で外部に出力することを可能にする。
【0030】
(ビデオ・タイトル・セット情報の有無判断:3)
データ解析回路12で、入力されたデータにビデオ・タイトル・セット情報が含まれているかどうかを判断するためには、アドレス発生回路21が「VTS_nn_0.IFO」(ただしnnは01から99までの整数)という名前のファイルの先頭アドレスを出力する。
【0031】
参照データ記憶回路22はビデオ・タイトル・セット識別子(VTS_ID)の値であるDVDVIDEO_VTSのコード値を記憶し、データ解析制御回路25はスイッチ回路24をA側に倒し、アドレス発生回路21がアドレス値を増加させながら出力する。
【0032】
比較回路23がスイッチ回路24を経由して入力された記憶回路11のデータと参照データ記憶回路22からの値とを比較し、一致している場合には、データ解析制御回路25は入力されたデータの「VTS_nn_0.IFO」という名前のファイルに、ビデオ・タイトル・セット情報管理テーブル(VTSI_MAT)が含まれていると判断する。その場合には、データ解析制御回路25は「入力されたデータにビデオ・タイトル・セット情報が含まれている」という判定結果を制御回路13に出力し、制御回路13は記憶回路11にアドレスを出力することを停止するとともに、制御回路13はデータ解析回路12に対してデータの出力の停止を指示する。データ解析制御回路25は、スイッチ回路24をA側に倒したままにする。
【0033】
一方、比較回路23の比較結果に基づいて、「入力されたデータにビデオ・タイトル・セット情報が含まれていない」とデータ解析制御回路25が判断した場合には、データ解析制御回路25はその判定結果を制御回路13に出力し、制御回路13は記憶回路11にアドレスを出力するとともに、制御回路13はデータ解析回路12に対してデータの出力の許可を指示する。データ解析制御回路25は、スイッチ回路24をB側に倒して、記憶回路11からのデータをデータ出力端子14経由で外部に出力することを可能にする。
【0034】
(ナビゲーション・パック情報の有無判断)
データ解析回路12で、入力されたデータにナビゲーション・パック(NV_PCK)情報が含まれているかどうかを判断するためには、まずアドレス発生回路21がロジカルセクタアドレスを出力する。参照データ記憶回路22はビデオ・オブジェクト・セットのファイル名である「VTS_nn_m.VOB」(ただしnnは01から99までの整数、mは1から9までの整数)のコード値を記憶し、データ解析制御回路25はスイッチ回路24をA側に倒し、アドレス発生回路21がロジカルセクタアドレス値を増加させながら出力する。
【0035】
比較回路23が、スイッチ回路24を経由して入力された記憶回路11のデータと参照データ記憶回路22からの値とを比較し、一致している場合にはデータ解析制御回路25は「入力されたデータにビデオ・オブジェクト・セットが含まれている」と判断する。その場合には、次にアドレス発生回路21が「VTS_nn_m.VOB」という名前のファイルの先頭アドレスを出力し、参照データ記憶回路22はMPEG−2システム規格におけるプライベート・ストリーム2のパケット・ストリーム識別子の値を記憶する。データ解析制御回路25はスイッチ回路24をA側に倒し、アドレス発生回路21がアドレス値を増加させながら出力する。
【0036】
比較回路23が、スイッチ回路24を経由して入力された記憶回路11のデータと参照データ記憶回路22からの値とを比較し、一致している場合にはデータ解析制御回路25は、「入力されたデータのVTS_nn_m.VOBという名前のファイルに、MPEG−2システム規格におけるプライベート・ストリーム2のパケット・ストリーム識別子が含まれている」と判断する。その場合には、データ解析制御回路25は、入力されたデータにナビゲーション・パックが含まれているという判定結果を制御回路13に出力し、制御回路13は記憶回路11にアドレスを出力することを停止するとともに、制御回路13はデータ解析回路12に対してデータの出力の停止を指示する。データ解析制御回路25はスイッチ回路24をA側に倒したままにする。
【0037】
一方、比較回路23の比較結果に基づいて、入力されたデータにナビゲーション・パックが含まれていないとデータ解析制御回路25が判断した場合には、データ解析制御回路25はその判定結果を制御回路13に出力する。制御回路13は記憶回路11にアドレスを出力するとともに、制御回路13はデータ解析回路12に対してデータの出力の許可を指示し、データ解析制御回路25はスイッチ回路24をB側に倒して、記憶回路11からのデータをデータ出力端子14経由で外部に出力することを可能にする。
【0038】
なお、本実施の形態では、データ解析回路12が、ファイル構造がDVD−ROMディスクと一致しているか、または入力されたデータにビデオ・マネージャ情報が含まれているか、または入力されたデータにビデオ・タイトル・セット情報が含まれているか、または入力されたデータにナビゲーション・パック(NV_PCK)情報が含まれているか、という判断基準により、記憶回路から入力したデータの論理構造がDVD−ROMやDVD−Videoであることを検出しているが、これらをどのような組み合わせで用いても良い。その場合には、組み合わせを増やすことにより、判断精度の向上を図ることが可能となる。
【0039】
なお、本実施の形態では、データ解析回路12が、ファイル構造がDVD−ROMディスクと一致しているか、または入力されたデータにビデオ・マネージャ情報が含まれているか、または入力されたデータにビデオ・タイトル・セット情報が含まれているか、または入力されたデータにナビゲーション・パック(NV_PCK)情報が含まれているか、という判断基準により、記憶回路から入力したデータの論理構造がDVD−ROMやDVD−Videoであることを検出しているが、それ以外の論理構造に基づく判断基準を導入しても良い。その場合には、論理構造のさらに深い部分で判断することにより、より精度の高い判断が可能となる。
【0040】
なお、本実施の形態では、データ解析回路12が、DVD−ROMに記録されたDVD−Videoフォーマットの検出を行っているが、参照データ記憶回路22に別のデータを記憶することにより、別のフォーマットの検出が可能となる。その場合には、DVD−ROMに記録されたDVD−Videoフォーマット以外のフォーマットでも、同様の方法で検出し、違法にコピーされた可能性のあるファイルの拡散を防止することが可能となる。
【産業上の利用可能性】
【0041】
本発明のデータ出力制御装置は、ファイル構造やデータに基づいて違法にコピーされた可能性のあるファイルを特定し、その場合には記憶回路からのこのファイルの読み出しを制限することにより、違法にコピーされた可能性のあるファイルの拡散を防止する装置に利用できる。
【図面の簡単な説明】
【0042】
【図1】本発明のデータ出力制御装置の一実施形態のブロック図
【図2】本発明のデータ解析回路の一実施形態のブロック図
【符号の説明】
【0043】
12 データ解析回路
13 制御回路
21 アドレス発生回路
22 参照データ記憶回路
23 比較回路
24 スイッチ回路
25 データ解析制御回路

【特許請求の範囲】
【請求項1】
データを記憶する記憶手段と、
前記記憶手段に記憶されているデータを読み出してフォーマットやデータの内容を解析するデータ解析手段と、
前記記憶手段に記憶されているデータが所定のフォーマットや所定のデータの内容と一致すると前記データ解析手段が判断した場合には、前記記憶手段からのデータの読み出しを禁止し、一致しないと前記データ解析手段が判断した場合には、記憶手段からのデータ読み出しを可能にするように、前記記憶手段と前記データ解析手段とを制御する制御手段とから構成されるデータ出力制御装置。
【請求項2】
データ解析手段は、記憶手段から読み出したいデータのアドレスを出力するアドレス発生手段と、前記記憶手段から読み出したデータと比較すべき値を記憶する参照データ記憶手段と、前記記憶手段から読み出したデータと前記参照データ記憶手段が出力する値とを比較する比較手段と、前記記憶手段からのデータを前記比較手段に出力するか外部に出力するかを切り換える切換手段と、前記アドレス発生手段と前記参照データ記憶手段と前記比較手段と前記切換手段を制御し前期比較手段の結果を制御手段に出力するデータ解析制御手段であることを特徴とする、請求項1記載のデータ出力制御装置。
【請求項3】
データ解析手段は、ファイル構造がDVD−ROMディスクと一致しているかどうかを判断するために、アドレス発生手段がロジカルセクタアドレスを出力し、参照データ記憶手段はファイル構造がUDFとISO9660の場合の値を記憶し、比較手段が切換手段を経由して入力された前記記憶手段のデータと前記参照データ記憶手段からの値とを比較して、前記データ解析制御手段が前記比較手段の結果に基づいてファイル構造がUDFとISO9660の両方で供給されているか否かを確認して制御手段に判定結果を出力することを特徴とする、請求項1及び2記載のデータ出力制御装置。
【請求項4】
データ解析手段は、入力されたデータにビデオ・マネージャ情報が含まれているかどうかを判断するために、アドレス発生手段がロジカルセクタアドレスを出力し、参照データ記憶手段はビデオ・マネージャ情報のファイル名のコード値を記憶し、比較手段がスイッチ手段を経由して入力された記憶手段のデータと参照データ記憶手段からの値とを比較して、データ解析制御手段が比較手段の結果に基づいて入力されたデータに前記ファイル名のファイルが存在するか否かを確認して制御手段に判定結果を出力することを特徴とする、請求項1及び2記載のデータ出力制御装置。
【請求項5】
データ解析手段は、入力されたデータにビデオ・マネージャ情報が含まれているかどうかを判断するために、アドレス発生手段が所定のファイル名のファイルのアドレスを出力し、参照データ記憶手段はビデオ・マネージャ識別子の値を記憶し、比較手段がスイッチ手段を経由して入力された記憶手段のデータと参照データ記憶手段からの値とを比較して、データ解析制御手段が比較手段の結果に基づいて入力されたデータにビデオ・マネージャ識別子が存在するか否かを確認して制御手段に判定結果を出力することを特徴とする、請求項1及び2記載のデータ出力制御装置。
【請求項6】
データ解析手段は、入力されたデータにビデオ・タイトル・セット情報が含まれているかどうかを判断するために、アドレス発生手段がロジカルセクタアドレスを出力し、参照データ記憶手段はビデオ・タイトル・セット情報のファイル名であるVTS_nn_0.IFO(ただしnnは01から99までの整数)のコード値を記憶し、比較手段がスイッチ手段を経由して入力された記憶手段のデータと参照データ記憶手段からの値とを比較して、データ解析制御手段が比較手段の結果に基づいて入力されたデータにVTS_nn_0.IFOという名前のファイルが存在するか否かを確認して制御手段に判定結果を出力することを特徴とする、請求項1及び2記載のデータ出力制御装置。
【請求項7】
データ解析手段は、入力されたデータにビデオ・タイトル・セット情報が含まれているかどうかを判断するために、アドレス発生手段がVTS_nn_0.IFO(ただしnnは01から99までの整数)という名前のファイルのアドレスを出力し、参照データ記憶手段はビデオ・タイトル・セット識別子(VTS_ID)の値を記憶し、比較手段がスイッチ手段を経由して入力された記憶手段のデータと参照データ記憶手段からの値とを比較して、データ解析制御手段が比較手段の結果に基づいて入力されたデータにビデオ・タイトル・セット識別子が存在するか否かを確認して制御手段に判定結果を出力することを特徴とする、請求項1及び2記載のデータ出力制御装置。
【請求項8】
データ解析手段は、入力されたデータにナビゲーション・パック(NV_PCK)情報が含まれているかどうかを判断するために、まずアドレス発生手段がロジカルセクタアドレスを出力し、参照データ記憶手段はビデオ・オブジェクト・セットのファイル名であるVTS_nn_m.VOB(ただしnnは01から99までの整数、mは1から9までの整数)のコード値を記憶し、比較手段がスイッチ手段を経由して入力された記憶手段のデータと参照データ記憶手段からの値とを比較して、データ解析制御手段が比較手段の結果に基づいて入力されたデータにVTS_nn_m.VOBという名前のファイルが存在するか否かを確認して制御手段に判定結果を出力し、VTS_nn_m.VOBという名前のファイルが存在するならば、次にアドレス発生手段がVTS_nn_m.VOBという名前のファイルのアドレスを出力し、参照データ記憶手段はMPEG−2システム規格におけるプライベート・ストリーム2のパケット・ストリーム識別子の値を記憶し、比較手段がスイッチ手段を経由して入力された記憶手段のデータと参照データ記憶手段からの値とを比較して、データ解析制御手段が比較手段の結果に基づいて入力されたデータにプライベート・ストリーム2のパケット・ストリーム識別子が存在するか否かを確認して制御手段に判定結果を出力することを特徴とする、請求項1及び2記載のデータ出力制御装置。

【図1】
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【図2】
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【公開番号】特開2006−202419(P2006−202419A)
【公開日】平成18年8月3日(2006.8.3)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−13631(P2005−13631)
【出願日】平成17年1月21日(2005.1.21)
【出願人】(000005821)松下電器産業株式会社 (73,050)
【Fターム(参考)】