説明

データ制御装置、データバックアップ装置、及びプログラム

【課題】本編データの映像及び音声の同期再生を容易にするデータ制御装置、データバックアップ装置、及びプログラムを提供する。
【解決手段】データ制御装置は、元の映像及び音声ファイルに含まれる素材データを、映像及び音声ファイル内での素材データの使用部分を示す編集情報に基づいて、使用部分と未使用部分とに分離し、使用部分のみを集めた第1のデータと未使用部分のみを集めた第2のデータとを生成する分離部(101)と、第1のデータ及び第2のデータについて、元の映像及び音声ファイル内での位置情報と外部記憶メディア上での位置情報とを関連付ける接続情報を生成する接続情報生成部(103)と、第1のデータ、第2のデータ、接続情報、及び編集情報を所定の順序に並べて、バックアップデータとして出力する書式整形部(105)と、を有する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、編集後の映像及び音声データのバックアップデータを生成するデータ制御装置及びプログラム、並びにデータ制御装置を備え、生成したバックアップデータを記憶媒体に記録するデータバックアップ装置に関する。
【背景技術】
【0002】
一般に、一つの番組は、番組の本編として使用されるデータの何倍もの長さを有する素材データから、使用される部分が抽出されることによって、制作されている。このとき、多くの映像及び音声の素材データから必要な部分だけを選び出して、順序良く、映像データと音声データを並べていく作業が必要となる。
【0003】
従来、この作業はビデオテープレコーダ(VTR)によるリニア編集によって行われていた。例えば、ある素材データの必要な部分を別の録画テープにダビングコピーし、その直後の位置に、別の素材データの必要な部分を続けてダビングコピーするという作業を繰り返すことによって、複数の素材データの必要な部分のみを一本の録画テープ上で繋ぎ合わせていた。このように、リニア編集では、編集した結果(以下、「本編データ」と呼ぶ。)が一本の録画テープに記録されていた。
【0004】
近年、デジタル技術の進展により、従来から行われていたリニア編集に代わって、映像や音声をデジタルデータとして、ノンリニア編集機(例えば、コンピュータ)上で編集するノンリニア編集が普及してきている。ノンリニア編集では、一般に、ノンリニア編集機のハードディスクドライブ(HDD)に、図8(a)及び(b)に示すような素材データa、bがデータファイルFVa、FAa、FVb、FAbとして格納されている。ノンリニア編集において、本編として使用される部分の抽出は、本編として使用する部分を示す編集情報を生成し及び書き換えることによって行われる。HDDのランダムアクセス性能は高いため、必ずしも図8(c)に示すような本編データを生成してテープ等に保存する必要はない。そのため、本編データが生成されない場合に本編データを再生するときには、その都度、編集情報に従って、HDDから素材データa、bの必要な部分Va、Aa、Vb、Abを読み出すことにより、本編データが再生される。
【0005】
HDDの記録容量には限りがあるため、他の番組を製作する場合、HDD内の素材データを入れ替える必要が生じてくる。このとき、現在製作している番組を後から再生又は再編集することを可能にするために、現在HDDに格納されている素材データa、b及び編集情報は、図8(d)に示すようなバックアップデータとして、データバックアップ装置によって、コンピュータのバックアップテープ等の外部記憶メディアに移される。従来のデータバックアップ装置は、ファイル単位でHDD上のデータを外部記憶メディアに書き出している(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2001−6274号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
従来のデータバックアップ装置はファイル単位で順番にデータを書き出すため、図8(d)に示すように、外部記憶メディアに格納された素材データの使用部分Aa、Va、Ab、Vbは、未使用部分Aa−、Aa+、Va−、Va+、Ab−、Ab+、Vb−、Vb+の存在により、外部記憶メディア内の物理的に離れた位置に存在している。よって、音声ファイルFAa、映像ファイルFVa、音声ファイルFAb、映像ファイルFVb・・・のように、外部記憶メディアから順にファイルを読み出しても、VTRでの録画テープのように映像及び音声を同期再生することはできない。そのため、バックアップされた素材データを使用した本編データを再生するためには、外部記憶メディアに書き込まれたバックアップデータの全体をHDDに読み込んで、編集情報に基づいて本編データを生成し再生しなければならない。
【0008】
外部記憶メディアに格納された素材データの量が多ければ多いほど、HDDへのバックアップデータの読み込みには時間がかかる。よって、本編データの再生作業が容易にできないという問題があった。また、素材データはファイル単位で外部記憶メディアに格納されているため、未使用部分も含めて素材データの全てをHDDに読み込まなければならない。そのため、十分な空き容量がHDDに無い場合には、外部記憶メディアに格納された素材データの全てを読み込むことができず、本編データを再生できないという問題があった。このように、従来のデータバックアップ装置では、バックアップされた素材データを使用した番組を再生する場合に、ノンリニア編集機のHDDに十分な空き容量が必要になるばかりでなく、外部記憶メディアからのデータの読み込みに多大な時間を費やすという問題があった。そのため、本編データの映像及び音声の同期再生が容易にできなかった。
【0009】
本発明は、上記従来の問題を解決するものであって、本編データの映像及び音声の同期再生を容易にするデータバックアップ装置、データ制御装置、及びプログラムを提供することを目的とする。具体的には、バックアップされた素材データを使用した本編データを再生するときに、ノンリニア編集機のHDDに十分な空き容量が必要にならず、且つ外部記憶メディアからのデータの読み込みに要する時間を低減するデータバックアップ装置、データ制御装置、及びプログラムを提供することを目的とする。データバックアップ装置としては、外部記憶メディアにバックアップデータを記録する記録装置と、その記録装置によって外部記憶メディアに記録されたバックアップデータから元の映像及び音声ファイルを復元し及び/又は外部記憶メディアに記録されたバックアップデータを読み出して映像及び音声を同期再生する再生装置が含まれる。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明の第1の態様のデータ制御装置は、編集後の映像及び音声データのバックアップデータを生成するデータ制御装置であって、編集元の映像及び音声ファイルに含まれる素材データと、元の映像及び音声ファイル内での素材データの使用部分を示す編集情報とを入力し、編集情報に基づいて素材データを使用部分と未使用部分とに分離し、使用部分のみを集めた第1のデータと未使用部分のみを集めた第2のデータとを生成する分離部と、第1のデータ及び第2のデータについて、元の映像及び音声ファイル内での位置情報と外部記憶メディアに記録するときの外部記憶メディア上での位置情報とを関連付ける接続情報を生成する接続情報生成部と、第1のデータ、第2のデータ、接続情報、及び編集情報を所定の順序に並べて、バックアップデータとして出力する書式整形部と、を有する。
【0011】
上記データ制御装置は、少なくとも第1のデータについて、映像及び音声データを細切れにして交互にインターリーブするAVインターリーブ部をさらに有してもよい。
【0012】
編集情報は、元の映像及び音声ファイル内での素材データの使用部分を時系列に示すものであるとき、書式整形部は、第1のデータを構成する素材データの使用部分を編集情報により示される順番に従って並び替えてもよい。
【0013】
上記データ制御装置は、素材データの全てが使用部分であるとき、第2のデータを生成しなくてもよい。
【0014】
本発明の第2の態様のデータ制御装置は、外部記憶メディアから読み取られたバックアップデータから元の映像及び音声ファイルを復元するデータ制御装置であって、外部記憶メディアには、元の映像及び音声ファイルに含まれる素材データの使用部分のみを集めた第1のデータと、素材データの未使用部分のみを集めた第2のデータと、元の映像及び音声ファイル内での素材データの使用部分を示す編集情報と、第1のデータ及び第2のデータについての元の映像及び音声ファイル内での位置情報と外部記憶メディア上での位置情報とを関連付ける接続情報と、を含むバックアップデータが記録されており、外部記憶メディアから読み取られたバックアップデータを、第1のデータ、第2のデータ、編集情報、及び接続情報に分離する書式展開部と、分離された接続情報を解読する接続情報解読部と、解読された接続情報に基づいて、第1のデータ及び第2のデータに含まれる素材データの使用部分と未使用部分とを繋ぎ合わせて、元の映像及び音声ファイルを復元する復元部と、を有する。
【0015】
上記第2の態様のデータ制御装置は、インターリーブされた映像及び音声データのデータ列を解読して、映像又は音声だけのデータに並べ替えるAVインターリーブ解読部をさらに有し、第1のデータ及び/又は第2のデータがインターリーブされている場合、復元部は、AVインターリーブ解読部によって並べ替えられた映像データ及び音声データに基づいて、元の映像及び音声ファイルを復元してもよい。
【0016】
本発明の第3の態様のデータ制御装置は、外部記憶メディアから読み取られたバックアップデータから映像及び音声を再生するデータ制御装置であって、外部記憶メディアには、元の映像及び音声ファイルに含まれる素材データの使用部分のみを集めたインターリーブされた第1のデータと、素材データの未使用部分のみを集めた第2のデータと、元の映像及び音声ファイル内での素材データの使用部分を示す編集情報と、第1のデータ及び第2のデータについての元の映像及び音声ファイル内での位置情報と外部記憶メディア上での位置情報とを関連付ける接続情報と、を含むバックアップデータが記録されており、外部記憶メディアから読み取られたバックアップデータを、第1のデータ、第2のデータ、編集情報、及び接続情報に分離する書式展開部と、分離された第1のデータのデータ列を解読して、映像または音声だけのデータに並べ替えるAVインターリーブ解読部と、AVインターリーブ解読部から出力される映像データ及び音声データを同期的に再生出力する映像音声再生部と、を有する。
【0017】
本発明の第1の態様のデータバックアップ装置は、編集後の映像及び音声データのバックアップデータを生成する上記第1の態様のデータ制御装置と、上記第1の態様のデータ制御装置により生成されたバックアップデータを同一の外部記憶メディアに記録するデータ記録装置と、を備える。
【0018】
本発明の第2の態様のデータバックアップ装置は、外部記憶メディアからバックアップデータを読み取るデータ読取装置と、読み取られたバックアップデータから元の映像及び音声ファイルを復元する上記第2の態様のデータ制御装置と、を備える。
【0019】
本発明の第3の態様のデータバックアップ装置は、外部記憶メディアからバックアップデータを読み取るデータ読取装置と、読み取られたバックアップデータから映像及び音声を再生する上記第3の態様のデータ制御装置と、を備える。
【0020】
本発明の第1の態様のプログラムは、編集後の映像及び音声データのバックアップデータを生成するためのプログラムであって、編集元の映像及び音声ファイルに含まれる素材データと、元の映像及び音声ファイル内での素材データの使用部分を示す編集情報とを入力し、編集情報に基づいて素材データを使用部分と未使用部分とに分離し、使用部分のみを集めた第1のデータと未使用部分のみを集めた第2のデータとを生成するステップと、第1のデータ及び第2のデータについて、元の映像及び音声ファイル内での位置情報と外部記憶メディアに記録するときの外部記憶メディア上での位置情報とを関連付ける接続情報を生成するステップと、第1のデータ、第2のデータ、接続情報、及び編集情報を所定の順序に並べて、バックアップデータとして出力するステップと、をコンピュータに実行させる。
【0021】
上記プログラムは、少なくとも第1のデータについて、映像及び音声データを細切れにして交互にインターリーブするステップをさらにコンピュータに実行させてもよい。
【0022】
編集情報が、元の映像及び音声ファイル内での素材データの使用部分を時系列に示すものであるとき、バックアップデータとして出力するステップにおいて、第1のデータを構成する素材データの使用部分を編集情報により示される順番に従って並べてもよい。
【0023】
上記プログラムにおいて、素材データの全てが使用部分であるとき、第2のデータを生成しなくてもよい。
【0024】
本発明の第2の態様のプログラムは、外部記憶メディアから読み取られたバックアップデータから元の映像及び音声ファイルを復元するためのプログラムであって、外部記憶メディアには、元の映像及び音声ファイルに含まれる素材データの使用部分のみを集めた第1のデータと、素材データの未使用部分のみを集めた第2のデータと、元の映像及び音声ファイル内での素材データの使用部分を示す編集情報と、第1のデータ及び第2のデータについての元の映像及び音声ファイル内での位置情報と外部記憶メディア上での位置情報とを関連付ける接続情報と、を含むバックアップデータが記録されており、外部記憶メディアから読み取られたバックアップデータを、第1のデータ、第2のデータ、編集情報、及び接続情報に分離するステップと、分離された接続情報を解読するステップと、解読された接続情報に基づいて、第1のデータ及び第2のデータに含まれる素材データの使用部分と未使用部分とを繋ぎ合わせて、元の映像及び音声ファイルを復元するステップと、をコンピュータに実行させる。
【0025】
本発明の第2の態様のプログラムは、インターリーブされた映像及び音声データのデータ列を解読して、映像又は音声だけのデータに並べ替えるステップをさらにコンピュータに実行させ、第1のデータ及び/又は第2のデータがインターリーブされている場合、映像又は音声だけのデータに並べ替えられた映像データ及び音声データに基づいて、元の映像及び音声ファイルを復元してもよい。
【0026】
本発明の第3の態様のプログラムは、外部記憶メディアから読み取られたバックアップデータから映像及び音声を再生するためのプログラムであって、外部記憶メディアには、元の映像及び音声ファイルに含まれる素材データの使用部分のみを集めたインターリーブされた第1のデータと、素材データの未使用部分のみを集めた第2のデータと、元の映像及び音声ファイル内での素材データの使用部分を示す編集情報と、第1のデータ及び第2のデータについての元の映像及び音声ファイル内での位置情報と外部記憶メディア上での位置情報とを関連付ける接続情報と、を含むバックアップデータが記録されており、外部記憶メディアから読み取られたバックアップデータを、第1のデータ、第2のデータ、編集情報、及び接続情報に分離するステップと、分離された第1のデータのデータ列を解読して、映像または音声だけのデータに並べ替えるステップと、並び替えられた映像データ及び音声データを同期的に再生出力するステップと、をコンピュータに実行させる。
【発明の効果】
【0027】
本発明によれば、映像及び音声ファイルに含まれる素材データの使用部分と未使用部分とを、使用部分を示す編集情報に基づいて分離し、使用部分のみを集めた使用データを外部記憶メディアに記録しているため、使用データのみを読み出すだけで、データバックアップ装置でバックアップされた素材データを使用した本編データを生成し再生することが可能となる。そのため、ノンリニア編集機のHDDに十分な空き容量が必要にならず、且つ外部記憶メディアからのデータの読み込みに要する時間を低減することが可能となる。よって、本編データの映像及び音声の同期再生が容易になる。
【0028】
また、本発明によれば、使用データだけでなく、未使用部分のみを集めた未使用データを外部記憶メディアに記録している。さらに、使用データと未使用データの両方について、元の映像及び音声ファイル内での素材データの位置情報と外部記憶メディア上での素材データの位置情報とを関連付ける接続情報を生成し、生成した接続情報を外部記憶メディアに記録している。よって、外部記憶メディアから、使用データ、未使用データ、及び接続情報を読み出すことによって、元の映像及び音声ファイルを復元することができる。
【図面の簡単な説明】
【0029】
【図1】本発明の実施形態1のデータバックアップ装置の構成を示す図
【図2】素材データの構成を示す図
【図3】編集情報の構成を示す図
【図4】使用データと未使用データとを示す図
【図5】接続情報の構成を示す例
【図6】バックアップデータの構成を示す図
【図7】本発明の実施形態2のデータバックアップ装置の構成を示す図
【図8】素材データ、本編データ、及び従来のバックアップデータの構成を示す図
【発明を実施するための形態】
【0030】
以下、図面を参照して、本発明の実施形態について説明する。
【0031】
《実施形態1》
1. 構成
1.1 データバックアップ装置の構成
図1に、本発明の実施形態1のデータバックアップ装置を示す。本実施形態におけるデータバックアップ装置1は、映像及び/又は音声データである素材データを読み込んで、読み込んだ素材データを外部記憶メディアにバックアップする記録装置である。データバックアップ装置1は、番組などを編集するノンリニア編集機(例えば、コンピュータ)に接続されて使用される。本実施形態において、外部記憶メディアには、コンピュータのバックアップテープが用いられる。
【0032】
本実施形態のデータバックアップ装置1は、編集後の映像及び音声データのバックアップデータを生成するバックアップデータ生成装置(データ制御装置)100と、生成されたバックアップデータを外部記憶メディアに記録するデータ記録装置(例えば、テープドライブ)106と、を有する。バックアップデータ生成装置100は、素材データを扱うための本編使用部分分離部101及びAVインターリーブ部102と、素材データに関連する情報を扱うための接続情報生成部103及び編集情報加工部104と、バックアップ用にデータを整形して出力する書式整形部105と、を有する。
【0033】
本編使用部分分離部101は、映像及び音声ファイルに含まれる映像及び音声データである素材データと、番組の本編として使用される素材データの使用部分を示す編集情報と、を入力し、編集情報に従って、素材データを使用部分と未使用部分とに分離する。分離したデータのうち、使用部分をAVインターリーブ部102に出力し、未使用部分を書式整形部105に出力する。AVインターリーブ部102は、素材データの使用部分における映像及び音声データを細切れにして交互にインターリーブし、インターリーブしたデータを本編データとして、書式整形部105に出力する。
【0034】
編集情報加工部104は、番組の本編として使用される素材データの使用部分を示す編集情報を入力し、入力した編集情報を所定の形式に変更して、書式整形部105に出力する。接続情報生成部103は、映像及び音声ファイル内での素材データの位置を示す素材情報と編集情報とを入力し、バックアップテープに記録したバックアップデータから元の映像ファイル及び音声ファイルを復元することを可能にするための接続情報を生成し、生成した接続情報を書式整形部105に出力する。
【0035】
書式整形部105は、本編データと未使用データと編集情報と接続情報を受け取り、それらを所定の順番に並べて、バックアップデータとして、データ記録装置106に出力する。このとき、本編データは、編集情報に従った順番で並べられる。データ記録装置106は、受けとったバックアップデータをバックアップテープに記録する。
【0036】
1.2 各種データ/情報の構成
バックアップデータに含まれる素材データ(本編データ及び未使用データ)、編集情報、及び接続情報について、以下に説明する。
【0037】
図2に、バックアップ元の素材データを示す。図2(a)は素材データaを示し、図2(b)は素材データbを示している。素材データaは、映像ファイルFVa及び音声ファイルFAaに含まれる映像データ及び音声データである。後述するように、本実施形態において、映像ファイルFVaと音声ファイルFAaのうち、時刻Ta(1)〜時刻Ta(2)のデータVa、Aaが本編で使用される部分であり、時刻Ta(0)〜時刻Ta(1)のデータVa−、Aa−と時刻Ta(2)〜時刻Ta(3)のデータVa+、Aa+が本編で使用されない部分である。素材データbは、映像ファイルFVb及び音声ファイルFAbに含まれる映像データ及び音声データである。映像ファイルFVbと音声ファイルFAbのうち、時刻Tb(1)〜時刻Tb(2)のデータVb、Abが使用部分であり、時刻Tb(0)〜時刻Tb(1)のデータVb−、Ab−と時刻Tb(2)〜時刻Tb(3)のデータVb+、Ab+が未使用部分である。
【0038】
図3に、データバックアップ装置1に入力される編集情報を示す。編集情報は、素材データa、bの本編で使用されている部分について、元のファイル上での時刻と、編集結果である本編データ上での時刻とを、時系列で保持する。例えば、素材データaの元のファイル上での時刻Ta(1)〜Ta(2)のデータが、本編データ上での時刻Tc(0)〜Tc(1)のデータに対応することを示し、素材データbの元のファイル上での時刻Tb(1)〜Tb(2)のデータが本編データ上での時刻Tc(1)〜Tc(2)のデータに対応することを示している。図3から、本編データは、素材データaの時刻Ta(1)〜Ta(2)に対応するデータと素材データbの時刻Tb(1)〜Tb(2)に対応するデータを時系列に繋ぐことにより、生成されることが分かる。すなわち、編集情報は、本編としての使用部分に関する、複数の素材データa、b間の接続関係を示している。このように、本編データは、素材データaと素材データbをカット編集で繋ぐことにより生成される。
【0039】
図4(a)に編集情報に従って分離された素材データの使用部分を集めた使用データを示し、図4(b)に素材データの未使用部分を集めた未使用データを示す。編集情報に従って分離された使用データは、素材データの使用部分Va、Aa、Vb、Abを含む。本編データは、使用データがさらに細切れにされて、音声データと映像データが交互に配置されたものである。編集情報に従って分離された未使用データは、素材データの未使用部分Va−、Aa−、Va+、Aa+、Vb−、Ab−、Vb+、Ab+を含む。
【0040】
図5に、接続情報生成部103により生成される接続情報を示す。接続情報は、バックアップテープ上でどの位置のデータをどの順番に接続すると、元の映像及び音声ファイルを復元できるかを示すものである。すなわち、接続情報は、各素材データa、bにおける、使用部分と未使用部分との接続関係を示している。具体的には、接続情報は、元の映像及び音声ファイル内での素材データa、bの位置情報とバックアップテープ上での素材データa、bの位置情報との対応関係を、素材データ上での時刻Ta、Tbとバックアップテープ上での時刻Tdを用いて示している。図5では、素材データaに関して、元の映像及び音声ファイル上での時刻Ta(0)〜Ta(1)、Ta(1)〜Ta(2)、Ta(2)〜Ta(3)のデータは、それぞれ、バックアップテープ上での時刻Td(3)〜Td(4)、Td(1)〜Td(2)、Td(4)〜Td(5)のデータに対応していることを示している。すなわち、素材データaについての元の映像及び音声ファイルは、バックアップ上での時刻Td(3)〜(4)、Td(1)〜(2)、Td(4)〜(5)の順にデータをつなぐことにより復元できることが分かる。また、素材データbに関して、元の映像及び音声ファイル上での時刻Tb(0)〜Tb(1)、Tb(1)〜Tb(2)、Tb(2)〜Tb(3)のデータは、それぞれ、バックアップテープ上での時刻Td(5)〜Td(6)、Td(2)〜Td(3)、Td(6)〜Td(7)のデータに対応していることを示している。素材データbについての元の映像及び音声ファイルは、バックアップ上での時刻Td(5)〜(6)、Td(2)〜(3)、Td(6)〜(7)の順にデータをつなぐことにより復元できることが分かる。
【0041】
図6に、バックアップデータを示す。バックアップデータは、図3に示す編集情報と、図4に示す本編データ及び未使用データと、図5に示す接続情報とを、この順番で含む。
【0042】
2. データバックアップ装置の記録動作
本実施形態のデータバックアップ装置1の記録動作について、図1〜図6を参照して、素材データaと素材データbをバックアップする場合を例にして説明する。バックアップテープがデータバックアップ装置1に装着され、データのバックアップの指示がユーザにより入力されると、本編使用部分分離部101は、図2に示す映像ファイルFVa及び音声ファイルFAaに含まれる素材データaと映像ファイルFVb及び音声ファイルFAbに含まれる素材データbと、図3に示す編集情報とを、ノンリニア編集機のHDDから読み出す。
【0043】
本編使用部分分離部101は、読み出した編集情報に従って、素材データa及び素材データbを、使用部分のみを集めた使用データと未使用部分のみを集めた未使用データとに分離する。具体的には、編集情報に記載されている素材データaのファイル上の時刻Ta(1)〜Ta(2)に対応するデータVa、Aaと素材データbのファイル上の時刻Tb(1)〜Tb(2)のデータVb、Abとを抽出して使用データを生成し、残りのデータを集めて未使用データを生成する。使用データはAVインターリーブ部102に出力され、未使用データは書式整形部105に出力される。
【0044】
AVインターリーブ部102は、図4(a)に示すように、使用データを細切れに分割して交互に並べ替えて、本編データを生成する。例えば、映像データVaはデータVa0とVa1、音声データAaはデータAa0とAa1に分離される。このようにして分離されたデータは、Aa0、Va0、Aa1、Va1のように、音声データと映像データが交互の順になるように並べ替えられる。細切れにするデータサイズをバックアップメディアのデータ管理単位(セクタ又はクラスタ等)に合わせることで最大の記録効率及び再生効率を得ることができる。本編データは、書式整形部105に出力される。
【0045】
データバックアップ装置1に入力された編集情報は、編集情報加工部104により、バックアップテープ用のフォーマットに変換される。例えば、編集情報加工部104は、ノンリニア編集機用のフォーマット(例えば、ファイル形式)で生成されている編集情報をコンピュータのバックアップテープ用のフォーマットに変換する。
【0046】
接続情報生成部103は、映像及び音声ファイル内での素材データa、bの位置を示す素材情報と、編集情報を入力し、図5に示すように映像及び音声ファイル内での素材データa、bの位置とバックアップテープに記録するときのバックアップテープ上での素材データa、bの位置とを関連付ける接続情報を生成する。
【0047】
書式整形部105は、本編データ、未使用データ、編集情報、及び接続情報を受け取って、これらの順序を、編集情報、本編データ、未使用データ、接続情報の順に並べる。また、本編データについては、編集情報に基づいて、先に再生される素材データaのデータAa0、Va0、Aa1、Va1を先に配置し、続いて素材データbのデータAb0、Vb0、Ab1、Vb1を配置するように並べる。書式整形部105は、本編データ、未使用データ、編集情報、及び接続情報の書式を所望の形式(例えば、LTO−3)に整えて、図6に示すバックアップデータとして出力する。
【0048】
データ記録装置106は、書式整形部105から出力されるバックアップデータをバックアップテープに記録する。
【0049】
3. まとめ
本実施形態のデータバックアップ装置1は、素材データa、bの使用部分と未使用部分とを編集情報に基づいて分離し、使用部分のみを集めた使用データを生成している。さらに、使用データをインターリーブして本編データを生成しバックアップテープに記録している。よって、本編データを再生する際、VTRのようなリニア編集で記録された録画テープと同様に、バックアップテープから直接的に本編データを同期再生することが可能となる。すなわち、編集情報に基づいて本編データを生成し再生するために、編集情報と使用データとをノンリニア編集機のHDDに読み込む必要はない。よって、本編データの映像及び音声の同期再生が容易にできる。バックアップテープに記録された本編データを再生する際に、ノンリニア編集機のHDDに空き容量が必要にならず、且つ外部記憶メディアからのデータの読み込みに要する時間を削減することが可能となる。
【0050】
また、本実施形態は、本編データに加えて未使用データと接続情報をバックアップテープに格納している。よって、バックアップテープに記録された本編データ、未使用データ、及び接続情報を読み出して、バックアップテープに記録された素材データの使用部分と未使用部分とを接続情報に基づいて並び替えることにより、元の全ての素材データa、bをファイル単位で完全にノンリニア編集機のHDD上に復元することができる。よって、本実施形態のバックアップ装置によって記録されたバックアップテープを用いれば、本編データを再編集することが可能となる。
【0051】
以上のように、本実施形態のようにバックアップデータを記録すれば、素材データの完全なデータバックアップと、本編の映像及び音声の同期再生とを両立することができる。これにより、VTRのような操作性とバックアップの信頼性によって、編集作業の大幅な省力化を実現できる。
【0052】
なお、本実施形態においては、バックアップデータを、編集情報、本編データ、未使用データ、及び接続情報の順でバックアップテープに記録したが、この記録順序は本実施形態に限定しない。但し、本編データはバックアップテープ上での早い時刻に対応する位置に記録することが好ましい。
【0053】
なお、本編データをインターリーブせずにバックアップテープに記録してもよい。この場合、本編データを再生するには、使用データのみをノンリニア編集機のHDDに読み出して、使用データについてインターリーブの処理を行うだけでよい。これによって、本編データを生成し再生することが可能となる。従来のように、バックアップテープに格納されている未使用データを含む全データを読み出す必要がないため、短時間で本編データを再生することが可能となる。また、使用データのみを読み出すだけであるため、ノンリニア編集機のHDDの空き容量が少なくても、再生に必要なデータを読み出すことが可能となる。
【0054】
なお、データバックアップ装置1によって加工される編集情報や生成される接続情報の構成は、本実施形態に限らない。同一の効果が得られる類似のデータ構造であっても構わない。
【0055】
《実施形態2》
1. データバックアップ装置の構成
図7に、本発明の実施形態2のデータバックアップ装置の構成を示す。本実施形態におけるデータバックアップ装置7は、外部記憶メディアに記録されたバックアップデータを読み出して、映像及び音声を同期再生すると共に、元の映像及び音声ファイルを復元する、再生装置である。データバックアップ装置7は、番組などを編集するノンリニア編集機(例えば、コンピュータ)に接続されて使用される。本実施形態において、外部記憶メディアには、コンピュータのバックアップテープが用いられる。
【0056】
本実施形態のデータバックアップ装置7は、バックアップテープに記録されたバックアップデータを読み出すデータ読取装置(例えば、テープドライブ)701と、読み取られたバックアップデータから映像及び音声を同期再生すると共に、元の映像及び音声ファイルを復元するデータ再生復元装置(データ制御装置)700とを有する。データ再生復元装置700は、データ読取装置701によりバックアップテープから読み出されたデータを入力して、そのデータの並びを展開するための書式展開部702と、映像及び音声を同期再生するためのAVインターリーブ解読部703及び映像音声再生部708と、元の映像及び音声ファイルを復元するための接続情報解読部704及び素材ファイル復元部707と、編集情報ファイルを生成するための編集情報解読部705及び編集情報ファイル生成部706と、を有する。
【0057】
データ読取装置701は、バックアップテープからバックアップデータを読み出す。書式展開部702は、読み出されたバックアップデータを入力して、そのバックアップデータの書式を展開し、本編データ、未使用データ、接続情報、及び編集情報に分離する。AVインターリーブ解読部703は、インターリーブされている映像及び音声データのデータ列を解読し、映像のみのデータと音声のみのデータとに分離する。映像音声再生部708は、映像のみのデータ及び音声のみのデータを時系列につないで映像及び音声を同期再生する。
【0058】
接続情報解読部704は、書式展開部702によって分離された接続情報を解読する。すなわち、接続情報の意味を解釈する。素材ファイル復元部707は、AVインターリーブ解読部703から出力される使用データと、書式展開部702から出力される未使用データとを、解読された接続情報によって繋ぎ合わせ、元の映像ファイルと音声ファイルを復元する。
【0059】
編集情報解読部705は、書式展開部702により分離された編集情報を解読する。すなわち、編集情報の意味を解釈する。編集情報ファイル生成部706は、解読された編集情報を所定の形式に変換して、編集情報ファイルを生成する。
【0060】
2. データバックアップ装置の再生動作
データバックアップ装置7の再生動作について、図6に示すバックアップデータを再生する場合を例にして説明する。再生動作には、外部記憶メディアに記録されたバックアップデータを読み出して、映像及び音声を同期再生する動作と、元の映像及び音声ファイルを復元する動作が含まれる。
【0061】
まず、映像及び音声を同期再生する場合について説明する。データバックアップ装置7にバックアップテープが装着され、映像及び音声の同期再生の指示がユーザにより入力されると、データ読取装置701は、バックアップテープに記録されたバックアップデータを読み取る。この場合、少なくとも本編データを含む部分を読み取る。例えば、図6に示すバックアップテープの先頭部分から読み出す。書式展開部702は、読み取られたバックアップデータから本編データを抽出し出力する。例えば、先頭から読み出されたデータを、編集情報と本編データに振り分ける。
【0062】
書式展開部702により振り分けられた本編データはAVインターリーブ解読部703に出力される。本編データの映像及び音声は、それぞれ細切れに分割されて交互にインターリーブされている。AVインターリーブ解読部703は、本編データのデータ列を解読して、映像のみのデータVa、Vbと音声のみのデータAa、Abに並び替える。映像音声再生部708は、並び替えられた映像および音声のデータを同期的に再生出力する。これにより、モニタTVなどで本編データの内容の確認が可能となる。
【0063】
次に、元の映像及び音声ファイルを復元する場合について説明する。データバックアップ装置7にバックアップテープが装着され、映像及び音声ファイルの復元の指示がユーザにより入力されると、データ読取装置701は、バックアップテープに記録されたバックアップデータを全て読み取る。書式展開部702は、読み取られたバックアップデータの並びを展開し、本編データ、未使用データ、接続情報、及び編集情報に振り分ける。
【0064】
AVインターリーブ解読部703は、書式展開部702により振り分けられた本編データを映像のみのデータVa、Vbと音声のみのデータAa、Abに並び替える。
【0065】
接続情報解読部704は、書式展開部702により振り分けられた接続情報を解読する。素材ファイル復元部707は、書式展開部702により振り分けられた未使用映像データVa−、Va+、未使用音声データAa−、Aa+、AVインターリーブ解読部703から出力される使用映像データVa、Vb、使用音声データAa、Abと、接続情報解読部704によって解読された接続情報を読み込む。素材ファイル復元部707は、解読された接続情報に従って、使用映像データと未使用映像データとを繋ぎ合わせ、且つ使用音声データと未使用音声データを繋ぎ合わせて、素材データa、bの元の映像ファイルFVa、FVbおよび音声ファイルFAa、FAbをそれぞれ復元する。具体的には、接続情報に従って、時刻Td(3)〜Td(4)、Td(1)〜Td(2)、Td(4)〜Td(5)に対応する位置のデータをこの順番で繋ぎ合わせることで、素材データaの映像ファイルFVa及び音声ファイルFAaをそれぞれ復元する。また、接続情報に従って、時刻Td(5)〜Td(6)、Td(2)〜Td(3)、Td(6)〜Td(7)に対応する位置のデータをこの順で繋ぎ合わせることで、素材データbの映像ファイルFVb及び音声ファイルFAbを復元する。復元された映像及び音声ファイルは、ノンリニア編集機のHDDに格納される。これにより、本編データの再編集が可能となる。
【0066】
編集情報解読部705は、書式展開部702により振り分けられた編集情報を解読する。編集情報ファイル生成部706は、解読された編集情報からノンリニア編集機に応じたフォーマットで編集情報ファイルを生成する。生成された編集情報ファイルは、ノンリニア編集機のHDDに格納される。使用部分と未使用部分との間の編集点を変更する場合などの再編集は、HDDに格納された編集情報ファイルを書き換えることによって行われる。
【0067】
3. まとめ
本実施形態のバックアップ装置が読み込むバックアップテープには、本編データがインターリーブされて記録されているため、HDDに本編データを読み込むことなく、バックアップテープから直接的に本編データの映像及び音声を同期再生して出力することが可能となる。よって、容易に、本編データの内容を確認することができる。
【0068】
本実施形態のバックアップ装置が読み込むバックアップテープには、本編データ(使用データ)に加えて、未使用データと接続情報が格納されている。よって、接続情報に基づいて、使用データと未使用データを並び替えて元の映像及び音声ファイルを完全に復元することができる。また、バックアップテープに記録された編集情報から、編集情報ファイルを生成することが可能となる。よって、生成した編集情報ファイルと復元した映像及び音声ファイルとをノンリニア編集機HDD上に戻すことにより、本編データの再編集を行うことが可能となる。
【0069】
なお、実施形態1及び実施形態2では、外部記憶メディアがコンピュータのバックアップテープの例で説明したが、外部記憶メディアはテープに限定しない。バックアップに使用できるメディアであればどのメディアであってもよい。なお、テープやネットワーク通信などデータが一次元的に読み出されるような場合に、特に本発明の効果が発揮される。
【0070】
なお、実施形態1及び実施形態2において、素材データの使用部分を集めた使用データだけでなく、未使用部分を集めた未使用データについてもインターリーブされてもよい。
【0071】
なお、再生装置としてのデータバックアップ装置7は、映像音声を同期再生する機能と、素材ファイルを復元する機能のいずれか一方のみを有しても良い。
【0072】
なお、データバックアップ装置1、7について、実施形態1では記録装置として、実施形態2では再生装置として説明したが、一つのデータバックアップ装置が実施形態1の記録装置と実施形態2の再生装置の両方の機能を併せ持っても良い。
【0073】
また、実施形態1及び実施形態2では、データバックアップ装置1、7はノンリニア編集機と別体であったが、データバックアップ装置はノンリニア編集機に組み込まれてもよい。
【0074】
上記実施形態1及び上記実施形態2においては、素材データに未使用部分がある場合(すなわち、未使用部分を集めた未使用データが存在する場合)について説明したが、本発明は未使用データがない場合(すなわち、素材データの全てが本編として使用されている場合)にも適用できる。この場合、図6に示す、データバックアップ装置1により生成されるバックアップデータは、未使用データを含まない。なお、このとき、接続情報はバックアップデータに含まれなくても良いし、素材データの未使用部分がないことを示す接続情報がバックアップデータに含められてもよい。また、バックアップデータから元の映像及び音声ファイルを復元する場合、実施形態2のデータバックアップ装置7の素材ファイル復元部707は、AVインターリーブ解読部703から出力される使用映像データと使用音声データをそのまま時系列に繋ぎ合わせることにより映像ファイル及び音声ファイルを復元できる。このとき、バックアップデータに未使用データが存在しないこと、バックアップデータに接続情報が含まれていないこと、又はバックアップデータに含まれる接続情報が素材データの未使用部分がないことを示していることに基づいて、素材ファイル復元部707は素材データに未使用部分が存在しないと判断し、使用映像データと使用音声データのみから映像ファイル及び音声ファイルを復元すればよい。
【0075】
上記実施形態1のバックアップデータ生成装置(データ制御装置)100と上記実施形態2のデータ再生復元装置(データ制御装置)700の機能(動作)は、コンピュータが所定のプログラムを実行することにより実現することも可能である。
【産業上の利用可能性】
【0076】
本発明のデータバックアップ装置によれば、本編データの映像及び音声の同期再生を容易にできるという効果を有し、素材データをバックアップする装置としてだけでなく、本編データを記録する装置としても有用である。
【符号の説明】
【0077】
1、7 データバックアップ装置
100 バックアップデータ生成装置
101 本編使用部分分離部
102 AVインターリーブ部
103 接続情報生成部
104 編集情報加工部
105 書式整形部
106 データ記録装置
700 データ再生復元装置
701 データ読取装置
702 書式展開部
703 AVインターリーブ解読部
704 接続情報解読部
705 編集情報解読部
706 編集情報ファイル生成部
707 素材ファイル復元部
708 映像音声再生部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
編集後の映像及び音声データのバックアップデータを生成するデータ制御装置であって、
編集元の映像及び音声ファイルに含まれる素材データと、前記元の映像及び音声ファイル内での前記素材データの使用部分を示す編集情報とを入力し、前記編集情報に基づいて前記素材データを使用部分と未使用部分とに分離し、使用部分のみを集めた第1のデータと未使用部分のみを集めた第2のデータとを生成する分離部と、
前記第1のデータ及び前記第2のデータについて、前記元の映像及び音声ファイル内での位置情報と外部記憶メディアに記録するときの外部記憶メディア上での位置情報とを関連付ける接続情報を生成する接続情報生成部と、
前記第1のデータ、前記第2のデータ、前記接続情報、及び前記編集情報を所定の順序に並べて、バックアップデータとして出力する書式整形部と、
を有する、データ制御装置。
【請求項2】
少なくとも前記第1のデータについて、映像及び音声データを細切れにして交互にインターリーブするAVインターリーブ部をさらに有する、
請求項1に記載のデータ制御装置。
【請求項3】
前記編集情報は、前記元の映像及び音声ファイル内での前記素材データの使用部分を時系列に示すものであり、
前記書式整形部は、前記第1のデータを構成する前記素材データの使用部分を前記編集情報により示される順番に従って並び替える、請求項1に記載のデータ制御装置。
【請求項4】
前記素材データの全てが使用部分であるとき、前記第2のデータを生成しない、請求項1に記載のデータ制御装置。
【請求項5】
外部記憶メディアから読み取られたバックアップデータから元の映像及び音声ファイルを復元するデータ制御装置であって、
前記外部記憶メディアには、元の映像及び音声ファイルに含まれる素材データの使用部分のみを集めた第1のデータと、前記素材データの未使用部分のみを集めた第2のデータと、前記元の映像及び音声ファイル内での前記素材データの使用部分を示す編集情報と、前記第1のデータ及び前記第2のデータについての前記元の映像及び音声ファイル内での位置情報と前記外部記憶メディア上での位置情報とを関連付ける接続情報と、を含むバックアップデータが記録されており、
前記外部記憶メディアから読み取られた前記バックアップデータを、前記第1のデータ、前記第2のデータ、前記編集情報、及び前記接続情報に分離する書式展開部と、
分離された前記接続情報を解読する接続情報解読部と、
解読された前記接続情報に基づいて、前記第1のデータ及び前記第2のデータに含まれる前記素材データの使用部分と未使用部分とを繋ぎ合わせて、元の映像及び音声ファイルを復元する復元部と、
を有する、データ制御装置。
【請求項6】
インターリーブされた映像及び音声データのデータ列を解読して、映像又は音声だけのデータに並べ替えるAVインターリーブ解読部をさらに有し、
前記第1のデータ及び/又は前記第2のデータがインターリーブされている場合、前記復元部は、前記AVインターリーブ解読部によって並べ替えられた映像データ及び音声データに基づいて、元の映像及び音声ファイルを復元する、請求項5に記載のデータ制御装置。
【請求項7】
外部記憶メディアから読み取られたバックアップデータから映像及び音声を再生するデータ制御装置であって、
前記外部記憶メディアには、元の映像及び音声ファイルに含まれる素材データの使用部分のみを集めたインターリーブされた第1のデータと、前記素材データの未使用部分のみを集めた第2のデータと、前記元の映像及び音声ファイル内での前記素材データの使用部分を示す編集情報と、前記第1のデータ及び前記第2のデータについての前記元の映像及び音声ファイル内での位置情報と前記外部記憶メディア上での位置情報とを関連付ける接続情報と、を含むバックアップデータが記録されており、
前記外部記憶メディアから読み取られた前記バックアップデータを、前記第1のデータ、前記第2のデータ、前記編集情報、及び前記接続情報に分離する書式展開部と、
分離された前記第1のデータのデータ列を解読して、映像または音声だけのデータに並べ替えるAVインターリーブ解読部と、
前記AVインターリーブ解読部から出力される映像データ及び音声データを同期的に再生出力する映像音声再生部と、
を有する、データ制御装置。
【請求項8】
編集後の映像及び音声データのバックアップデータを生成する、請求項1に記載のデータ制御装置と、
前記データ制御装置により生成された前記バックアップデータを同一の外部記憶メディアに記録するデータ記録装置と、
を備えた、データバックアップ装置。
【請求項9】
外部記憶メディアからバックアップデータを読み取るデータ読取装置と、
前記読み取られたバックアップデータから元の映像及び音声ファイルを復元する、請求項5に記載のデータ制御装置と、
を備えた、データバックアップ装置。
【請求項10】
外部記憶メディアからバックアップデータを読み取るデータ読取装置と、
前記読み取られたバックアップデータから映像及び音声を再生する、請求項7に記載のデータ制御装置と、
を備えた、データバックアップ装置。
【請求項11】
編集後の映像及び音声データのバックアップデータを生成するためのプログラムであって、
編集元の映像及び音声ファイルに含まれる素材データと、前記元の映像及び音声ファイル内での前記素材データの使用部分を示す編集情報とを入力し、前記編集情報に基づいて前記素材データを使用部分と未使用部分とに分離し、使用部分のみを集めた第1のデータと未使用部分のみを集めた第2のデータとを生成するステップと、
前記第1のデータ及び前記第2のデータについて、前記元の映像及び音声ファイル内での位置情報と外部記憶メディアに記録するときの外部記憶メディア上での位置情報とを関連付ける接続情報を生成するステップと、
前記第1のデータ、前記第2のデータ、前記接続情報、及び前記編集情報を所定の順序に並べて、バックアップデータとして出力するステップと、
をコンピュータに実行させるプログラム。
【請求項12】
少なくとも前記第1のデータについて、映像及び音声データを細切れにして交互にインターリーブするステップをさらに含む、請求項11に記載のプログラム。
【請求項13】
前記編集情報は、前記元の映像及び音声ファイル内での前記素材データの使用部分を時系列に示すものであり、
前記バックアップデータとして出力するステップにおいて、前記第1のデータを構成する前記素材データの使用部分を前記編集情報により示される順番に従って並べる、請求項11に記載のプログラム。
【請求項14】
前記素材データの全てが使用部分であるとき、前記第2のデータを生成しない、請求項11に記載のプログラム。
【請求項15】
外部記憶メディアから読み取られたバックアップデータから元の映像及び音声ファイルを復元するためのプログラムであって、
前記外部記憶メディアには、元の映像及び音声ファイルに含まれる素材データの使用部分のみを集めた第1のデータと、前記素材データの未使用部分のみを集めた第2のデータと、前記元の映像及び音声ファイル内での前記素材データの使用部分を示す編集情報と、前記第1のデータ及び前記第2のデータについての前記元の映像及び音声ファイル内での位置情報と前記外部記憶メディア上での位置情報とを関連付ける接続情報と、を含むバックアップデータが記録されており、
前記外部記憶メディアから読み取られた前記バックアップデータを、前記第1のデータ、前記第2のデータ、前記編集情報、及び前記接続情報に分離するステップと、
分離された前記接続情報を解読するステップと、
解読された前記接続情報に基づいて、前記第1のデータ及び前記第2のデータに含まれる前記素材データの使用部分と未使用部分とを繋ぎ合わせて、元の映像及び音声ファイルを復元するステップと、
をコンピュータに実行させるプログラム。
【請求項16】
インターリーブされた映像及び音声データのデータ列を解読して、映像又は音声だけのデータに並べ替えるステップをさらに含み、
前記第1のデータ及び/又は前記第2のデータがインターリーブされている場合、映像又は音声だけのデータに並べ替えられた映像データ及び音声データに基づいて、元の映像及び音声ファイルを復元する、請求項15に記載のプログラム。
【請求項17】
外部記憶メディアから読み取られたバックアップデータから映像及び音声を再生するためのプログラムであって、
前記外部記憶メディアには、元の映像及び音声ファイルに含まれる素材データの使用部分のみを集めたインターリーブされた第1のデータと、前記素材データの未使用部分のみを集めた第2のデータと、前記元の映像及び音声ファイル内での前記素材データの使用部分を示す編集情報と、前記第1のデータ及び前記第2のデータについての前記元の映像及び音声ファイル内での位置情報と前記外部記憶メディア上での位置情報とを関連付ける接続情報と、を含むバックアップデータが記録されており、
前記外部記憶メディアから読み取られた前記バックアップデータを、前記第1のデータ、前記第2のデータ、前記編集情報、及び前記接続情報に分離するステップと、
分離された前記第1のデータのデータ列を解読して、映像または音声だけのデータに並べ替えるステップと、
前記並び替えられた映像データ及び音声データを同期的に再生出力するステップと、
をコンピュータに実行させるプログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2010−49785(P2010−49785A)
【公開日】平成22年3月4日(2010.3.4)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−171112(P2009−171112)
【出願日】平成21年7月22日(2009.7.22)
【出願人】(000005821)パナソニック株式会社 (73,050)
【Fターム(参考)】