説明

データ変換装置とデータ変換方法

【課題】3軸のデータ空間に属する被変換データのデータ変換処理の簡便化を図る。
【解決手段】3D−LUTを単位3次元方形体Qで区分けしてそれぞれの単位3次元方形体Qに補正データの格納順序に対応した通し番号(Q00〜Q26)を付す。隣り合う単位3次元方形体Qは、格子点を共有しないことから、通し番号を介して単位3次元方形体Qに含まれる8個の格子点は定まる。また、3D−LUTにおいて一つの単位3次元方形体Qの占める位置により、隣り合う単位3次元方形体Qとの位置関係も通し番号の関係で定まる。プロジェクターでは、単位3次元方形体Qの通し番号を考慮したメモリー割付規則に従って第1〜第8メモリーを割り付けるので、被変換データのxyzの座標により単位3次元方形体Qを特定して、データ変換に用いる8個の格子点の補正データを読み出す。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、3軸のデータ空間に属する被変換データを変換する装置とその方法に関する。
【背景技術】
【0002】
液晶表示パネル等の光変調素子の表示画面に静止画や映像を表示する場合、これら画像を構成する画像データは、一般に、表示画面を構成する画素への出力に適したデータにデータ変換して出力される。画像表示に限らず、印刷技術分野では、RGBの画像データを、プリンタで扱えるインク色にデータ変換することもなされている。こうしたデータ変換に当たっては、その変換処理の簡便化を図るため、ルックアップテーブルが常用されている(例えば、特許文献1)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2001−36755号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
この特許文献は、RGBの3軸のデータ軸で表される色空間のデータを他の色空間のデータに変換するため、RGBの各軸の格子点の数nを同じとした3次元ルックアップテーブル(以下、3D−LUTと称する)を用いている。この3D―LUTは、3軸にn個ずつの格子点で全体でn個の格子点を備えた3次元の方形格子となり、各格子点のデータ変換用の補正データを、最小の方形格子の格子点の数(2)に対応した8個のメモリーに格納している。この補正データ格納に当たっては、各軸の格子点が0〜n−1(nは3以上の整数)の整数で表されるRGBの3軸座標によって各格子点の座標を表記した場合の、各格子点の座標成分の偶数・奇数の組み合わせに基づいて、各格子点をグループ分けする。そして、同じグループに属する格子点の補正データが同じメモリーに格納されるように、各格子点の補正データを8個のメモリーに順次格納している。そして、データ変換の対象となるデータを有する変換対象点を取り囲む8点の格子点を求め、各格子点が有する補正データを補完計算手法に取り入れて変換対象点のデータ(RGBデータ)をデータ変換している。
【0005】
3D―LUTを用いたデータ変換手法は、上記した色変換の他、液晶表示パネル等の表示画面に静止画や映像をその画像データに基づいて表示する場合にも適用できる。つまり、液晶表示パネル等で表示した画像の縦横をx軸、y軸とし、各画素での階調表現を行う際の階調をz軸とすれば、それぞれの画素に対応する画像データにあっても3軸のデータ軸で表されるデータとなるので、画素に対応した画像データの補正を3D―LUTを用いたデータ変換の手法で行うことができる。
【0006】
ところで、データ変換の対象となるデータを有する変換対象点を取り囲む8点の格子点を求めるに当たっては、その変換対象点のxyz座標とそれぞれの格子点のxyz座標との対比が必要となり、煩雑なアドレス演算が必要であった。
【0007】
本発明は、上述の課題を解決するためになされたものであり、3軸のデータ空間に属する被変換データのデータ変換処理の簡便化を図ることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記した目的の少なくとも一部を達成するために、本発明では、以下の構成を採用した。
【0009】
[適用1:データ変換装置]
3軸のデータ空間に属する被変換データを変換するデータ変換装置であって、
前記3軸に対応するxyzの各軸が各々2n(nは2以上の整数)の偶数の格子点で区分されると共にx軸とy軸の格子点の数が同じで、前記各軸が格子状とされて得られる各格子点ごとに前記被変換データの入力値に対応して該被変換データを補正するための補正データを備えた3次元ルックアップテーブルの前記各格子点ごとの前記補正データを、データ書込用のアドレス演算を経て第1〜第8のメモリーに格納するデータ格納部と、
前記3次元ルックアップテーブルを参照しつつ、前記被変換データの周囲に位置する前記格子点の前記補正データを、データ読込用のアドレス演算を経て前記第1〜第8のメモリーから読み出し、前記被変換データを前記読み出した補正データに基づいてデータ変換するデータ変換部とを備え、
前記データ格納部は、
前記3次元ルックアップテーブルを、x軸、y軸、z軸にそれぞれ二つの格子点を含んで各軸が格子状とされて得られる8個の格子点からなる単位3次元方形体が隣り合う単位3次元方形体同士で格子点を共有しないように、前記単位3次元方形体で区分けし、
前記3次元ルックアップテーブルにおける前記格子点の前記補正データを、前記データ書込用のアドレス演算を経て第1〜第8メモリーに格納するに当たり、
前記区分けした一つの前記単位3次元方形体に、前記補正データの格納順序に対応した通し番号を付し、前記単位3次元方形体に含まれる第1〜第8の格子点のそれぞれに、前記通し番号を考慮したメモリー割付規則に従って前記第1〜第8メモリーを割り付けるメモリー割付演算を、前記データ書込用のアドレス演算として実行する、
ことを要旨とする。
【0010】
上記構成を備えるデータ変換装置では、3次元ルックアップテーブルを単位3次元方形体で区分けしてそれぞれの単位3次元方形体に補正データの格納順序に対応した通し番号を付す。この単位3次元方形体は、隣り合う単位3次元方形体同士で格子点を共有しないことから、単位3次元方形体が通し番号で特定できれば、その特定した通し番号の単位3次元方形体に含まれる8個の格子点は自ずと定まる。また、一つの単位3次元方形体は、3次元ルックアップテーブルにおいて占める位置により、隣り合う単位3次元方形体との位置関係についても通し番号にてその関係が定まるので、一つの単位3次元方形体の通し番号が特定されれば、その特定された単位3次元方形体およびこれに隣り合う単位3次元方形体の通し番号も定まることになる。上記構成を備えるデータ変換装置では、上記したように通し番号を付した上で、単位3次元方形体に含まれる第1〜第8の格子点のそれぞれに、通し番号を考慮したメモリー割付規則に従って第1〜第8メモリーを割り付けるので、被変換データのxyzの座標により単位3次元方形体を特定するだけで、その特定した単位3次元方形体に含まれる8個の格子点の補正データを簡便に読み出すことができる。
【0011】
上記したデータ変換装置は、次のような態様とすることができる。例えば、前記被変換データの周囲に位置する前記格子点の前記補正データを前記第1〜第8のメモリーから読み出すに当たり、前記被変換データが前記単位3次元方形体に含まれている場合には、前記通し番号で特定される前記単位3次元方形体に含まれる第1〜第8の格子点の前記補正データを読み出す演算を前記データ読込用のアドレス演算として実行することができる。こうすれば、特定した一つの単位3次元方形体の第1〜第8格子点の補正データを、被変換データのデータ変換のために容易に読み出すことができる。また、前記被変換データが前記単位3次元方形体に含まれていない場合には、前記被変換データを取り囲む複数の前記単位3次元方形体の前記通し番号を求めた上で、該求めた前記通し番号ごとに特定される前記単位3次元方形体に含まれ前記被変換データの周囲に位置する格子点を合計で8個選び出し、該選び出した格子点の前記補正データを読み出す演算を前記データ読込用のアドレス演算として実行する。特定した一つの単位3次元方形体とこれと隣り合う単位3次元方形体から被変換データの周囲の格子点の補正データを、被変換データのデータ変換のために容易に読み出すことができる。
【0012】
[適用2:画像表示装置]
階調表現が可能な画素を縦横の格子状に配列した表示画面に、画像データに基づいて画像を表示する画像表示装置であって、
前記画像データの入力を受けるデータ入力部と、
該入力した前記画像データを、該画像データの出力対象となる画素への出力データに変換する請求項1または請求項2に記載のデータ変換装置と、
該データ変換後の出力データを前記画素に出力する出力部とを備え、
前記データ変換装置は、
前記3次元ルックアップテーブルを、前記x軸と前記y軸とが前記表示画面における画素の並びの縦横方向に対応付けられ、前記z軸が前記階調表現の表現程度に対応付けられた3次元ルックアップテーブルとし、前記格子点ごとの前記補正データを、前記入力した前記画像データに対応する前記画素が前記表示画面で占める画素位置と階調表現の程度とについて前記入力した前記画像データを補正するための補正データとして前記データ格納部に格納し、
前記3次元ルックアップテーブルを参照しつつ、前記入力した前記画像データに対応する前記画素の周囲に位置する前記格子点の前記補正データを読み出し、前記入力した前記画像データを前記読み出した補正データに基づいてデータ変換する
ことを要旨とする。
【0013】
上記した画像表示装置によれば、表示画面におけるそれぞれの画素に対して画像データに対応する出力データを出力するに当たり、表示画面で占める画素の画素位置と階調表現程度とに応じたデータ変換を簡便に行うことができる。
【0014】
[適用3:データ変換方法]
3軸のデータ空間に属する被変換データを変換するデータ変換方法であって、
前記3軸に対応するxyzの各軸が各々2n(nは2以上の整数)の偶数の格子点で区分されると共にx軸とy軸の格子点の数が同じで、前記各軸が格子状とされて得られる各格子点ごとに前記被変換データの入力値に対応して該被変換データを補正するための補正データを備えた3次元ルックアップテーブルの前記各格子点ごとの前記補正データを、データ書込用のアドレス演算を経て第1〜第8のメモリーに格納し、
前記3次元ルックアップテーブルを参照しつつ、前記被変換データの周囲に位置する前記格子点の前記補正データを、データ読込用のアドレス演算を経て前記第1〜第8のメモリーから読み出し、前記被変換データを前記読み出した補正データに基づいて変換し、
前記3次元ルックアップテーブルの前記各格子点ごとの前記補正データを第1〜第8のメモリーに格納するに当たり、
前記3次元ルックアップテーブルを、x軸、y軸、z軸にそれぞれ二つの格子点を含んで各軸が格子状とされて得られる8個の格子点からなる単位3次元方形体が隣り合う単位3次元方形体同士で格子点を共有しないように、前記単位3次元方形体で区分けし、
前記3次元ルックアップテーブルにおける前記格子点の前記補正データを、前記データ書込用のアドレス演算を経て第1〜第8メモリーに格納するに当たり、
前記区分けした一つの前記単位3次元方形体に、前記補正データの格納順序に対応した通し番号を付し、前記単位3次元方形体に含まれる第1〜第8の格子点のそれぞれに、前記通し番号を考慮したメモリー割付規則に従って前記第1〜第8メモリーを割り付けるメモリー割付演算を、前記データ書込用のアドレス演算として実行して前記第1〜第8のメモリーに格納し、
前記被変換データの周囲に位置する前記格子点の前記補正データを前記第1〜第8のメモリーから読み出すに当たり、
前記被変換データが前記単位3次元方形体に含まれている場合には、前記通し番号で特定される前記単位3次元方形体に含まれる第1〜第8の格子点の前記補正データを読み出す演算を前記データ読込用のアドレス演算として実行し、
前記被変換データが前記単位3次元方形体に含まれていない場合には、前記被変換データを取り囲む複数の前記単位3次元方形体の前記通し番号を求めた上で、該求めた前記通し番号ごとに特定される前記単位3次元方形体に含まれ前記被変換データの周囲に位置する格子点を合計で8個選び出し、該選び出した格子点の前記補正データを読み出す演算を前記データ読込用のアドレス演算として実行して、前記第1〜第8のメモリーから前記補正データを読み出す、
ことを要旨とする。
【0015】
上記したデータ変換方法によっても、3軸のデータ空間に属する被変換データのデータ変換を簡便に行うことができる。
【0016】
この他、本発明は、色空間データを他の色空間データに変換するデータ変換や、液晶表示パネル等の画像表示装置での画像表示に際して行うデータ変換に適用することができる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【図1】本発明の実施例としてのプロジェクター100の概略構成を示す説明図である。
【図2】画像処理回路110の具体的な構成を示すブロック図である。
【図3】画像データの補正データを格子点ごとに有する3D−LUTを概念的に示す説明図である。
【図4】3D−LUTの格子点ごとの補正データの格納順序を各格子点と関連付けて示す説明図である。
【図5】メモリー割付規則における単位3次元方形体の考え方を概念的に示す説明図である。
【図6】メモリー割付規則によって規定される3D−LUTの格子点のxyz座標とメモリーとの関係を示す説明図である。
【図7】通し番号Q00の単位3次元方形体Qとその周囲の単位3次元方形体Qとの関係を示す説明図である。
【図8】通し番号Q00を例に挙げて隣り合う単位3次元方形体Qで区画された7つの区画領域との格子点の関係を説明する説明図である。
【図9】補正データ書込処理を示すフローチャートである。
【図10】補正データ読出処理を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下、本発明の実施の形態をプロジェクターに適用した場合の実施例に基づき次の順序で説明する。
A.プロジェクターの構成:
B.画像処理回路の構成:
C.3D―LUT書込処理:
D.3D―LUT読出処理:
【0019】
A.プロジェクターの構成:
図1は本発明の実施例としてのプロジェクター100の概略構成を示す説明図である。図示するように、本実施例のプロジェクター100は、入力インタフェース170と、画像処理回路110と、液晶パネル駆動回路130と、液晶パネル140と、光源部150と、投写レンズ160と、操作パネル180とを備えている。
【0020】
入力インタフェース170には、画像信号を出力する画像出力機器と、後述する3次元ルックアップテーブル(以下、3D−LUTと称する)の構築のための補正データを出力する補正出力機器とが接続される。入力インタフェース170は、画像出力機器から入力したアナログ画像信号をA/D変換して、R(赤),G(緑),B(青)の各色が8ビット、すなわち、256段階のデータを有するデジタル信号を生成する回路を備えている。入力インタフェース170に接続される画像出力機器としては、例えば、DVDプレーヤーや、ビデオデッキ、パーソナルコンピュータがある。補正出力機器は、液晶パネル140での画像表示に際して各画素に対応して出力される画像データを補正(補正変換)する補正データの出力機器であり、この補正データの入力を受けた入力インタフェース170は、当該データを画像処理回路110に出力する。
【0021】
画像処理回路110は、入力インタフェース170から出力された画像データ信号(デジタル信号)を入力し、その画像データ信号を液晶パネル140での画像表示に対応したデータに変換する。具体的には、画像データ信号を後述する3D―LUTの格子点に対応付けられた補正データにて補正して、入力した画像データに対応する画像の色調を液晶パネル140での画像表示に適合するよう変換する。
【0022】
操作パネル180は、ユーザーもしくは機器調整作業者にて操作される種々の操作ボタンを備え、各操作ボタンに応じた制御信号を画像処理回路110に出力する。
【0023】
液晶パネル駆動回路130は、画像処理回路110から出力されたデータ補正後の画像データを入力し、その入力した画像データを液晶パネル140に出力して液晶パネル140に画像を表示する。
【0024】
液晶パネル140は、液晶素子を有し、液晶パネル駆動回路130による制御を受けて画像を形成する透過型のライトバルブである。液晶パネル140は、光源部150から射出される光を入射し、これを変調して、スクリーン200側に射出する。
【0025】
光源部150は、液晶パネル140に光を射出する光源である。光源部150は、主として、光を発するランプ151と、このランプから発生される光を液晶パネル140に射出するレンズ152とを有している。
【0026】
投写レンズ160は、液晶パネル140から射出された変調光を、スクリーン200側に向けて拡大して投写するレンズである。
【0027】
以上のように構成されたプロジェクター100では、入力インタフェース170によって入力した画像データで構成される画像を、画像処理回路110によるデータ補正を経てスクリーン200に投写することができる。
【0028】
B.画像処理回路の構成:
図2は画像処理回路110の具体的な構成を示すブロック図である。図示するように、画像処理回路110は、2系統のデータ入力を受け、そのデータ処理を行うため、第1入力部112と、補正点位置計算回路116と、アドレス演算回路118と、第2入力部120と、アドレス演算回路122と、LUTメモリー124と、補間演算回路126と、出力回路128と、制御ユニット40とを備えている。これら回路は、本願のデータ格納部、データ変換部を、単独で或いは協働して構成する。
【0029】
制御ユニット40は、プロジェクター100の全般的な制御を行うユニットである。制御ユニット40は、CPU、ROM、RAMを備えている。CPUは、ROMに記憶された制御プログラムをRAMにロードして実行することで、上記した各回路に制御信号を出力しプロジェクター100の種々の制御を行う。
【0030】
ROMには、更に、後述の3D−LUTが不揮発的に記憶されており、制御ユニット40は、3D−LUTをROMから読み出し、これを、LUTメモリー124に書き込む。書き込まれた3D−LUTは、後述するように液晶パネル140(図1参照)に出力される画像データのデータ補正(参照補正)のための参照用の3D−LUTとされる。この参照用の3D−LUTは、プロジェクター100の製造工程後半の出荷前の調整作業工程に第2入力部120へ補正データが入力されたとき、或いは、プロジェクター100の使用過程において補正データの修正が必要とされたデータ再設定時期に第2入力部120へ補正データが入力(再入力)されたときに、補正データ書込用のアドレス演算を経て作成され、LUTメモリー124とROMに書き込まれる。
【0031】
画像データ入力系における補正点位置計算回路116は、画像データ入力系の第1入力部112を経て入力された画像データの補正に用いる補正点位置(詳しくは3D−LUTの格子点位置)を演算する。アドレス演算回路118は、補正点位置に対応する読み出しアドレスを演算する。補正データ入力系におけるアドレス演算回路122は、第2入力部120を経て入力された補正データの書込対象となる格子点のアドレスを演算する。LUTメモリー124は、データの更新書込が可能なメモリーデバイスとされ、補正データの更新対象となる格子点の補正データを更新したデータ参照補正用の3D−LUTを不揮発的に記憶保持する。これにより、プロジェクター100は、更新後のデータ参照補正用の3D−LUTが画像データの補正に用いられることになる。補間演算回路126は、画像データに対応する3D−LUTの格子点の補正データを参照しつつ、各格子点の補正データを用いた補間演算を画像データごとに行い、その補正後の画像データを出力回路128を経て液晶パネル140、詳しくは液晶パネル駆動回路130に出力する。
【0032】
C.3D―LUT書込処理:
図3は画像データの補正データを格子点ごとに有する3D−LUTを概念的に示す説明図、図4は3D−LUTの格子点ごとの補正データの格納順序を各格子点と関連付けて示す説明図である。
【0033】
本実施例のプロジェクター100にて画像表示の際の画像データの補正に用いる3D−LUTは、図3に示すように、0〜5の6個の格子点を備えるx軸と、0〜5の6個の格子点を備えるy軸と、0〜5の6個の格子点を備えるz軸とで縦横上下に格子状とされ、各格子点ごとに補正データを備える。図3においては、z軸方向の座標が偶数であるxy平面の格子点についてはこれを黒丸で示し、z軸方向の座標が奇数であるxy平面の格子を白丸で示している。この場合、3D−LUTは、xy軸が同じ偶数個の格子点を備え、z軸については偶数個の格子点を備えるのであれば、上記した形態以外とすることもできる。
【0034】
この3D−LUTにおけるxy平面は、x軸とy軸で格子状とされた格子点を、液晶パネル140の表示画面を構成する画素の縦横の配列に対応させ、各格子点には、表示画面における画素位置に対応した補正データを備える。3D−LUTにおけるz軸は、階調表現に対応させた補正データを表している。図3に示すxy平面が液晶パネル140の画素配列に対応することから、第1入力部112に外部の映像機器から入力される画像データは、このxy平面の外郭線上のデータ或いはxy平面に含まれるデータとなる。また、当該画像データの階調は、図3に示すように、z軸方向に0〜5の範囲に含まれる。
【0035】
図3に示す3D−LUTにおいて、z=0であるxy平面は36個(6x6)の格子点を備える。また、z=1〜5の各xy平面も同様に36個の格子点を備えることから、3D−LUTは総数で216個(6x6x6)の格子点を備える。これら各格子点は、図3に示すように、(0,0,0)〜(5,5,5)のxyz座標値で表され、個別に補正データが対応付けられている。そして、データ書込用のアドレス演算は、各格子点に対応付けられた補正データのメモリーへの補正データの格納順が、図4に示すように、z=0からz=5の順となるように行われる。また、補正データは、各xy平面内では、x軸方向、次いでy軸方向の順にメモリーへ格納される。つまり、z=0の(0,0,0)の座標の格子点に対応付けられた補正データが最初(書込順=0)に書き込まれ、(1,0,0)〜(5,0,0)に対応付けられた補正データがこれに続いて書き込まれる。それ以降は、図4に示すように(5,5,5)の座標の格子点に対応付けられた補正データが最後(書込順=215)に書き込まれる。
【0036】
次に、本実施例におけるメモリー割付規則について説明する。メモリー割付規則は、3D−LUTの格子点の補正データをメモリーに割り付ける際の規則であり、データ書込用のアドレス演算に関連する。図5はメモリー割付規則における単位3次元方形体の考え方を概念的に示す説明図、図6はメモリー割付規則によって規定される3D−LUTの格子点のxyz座標とメモリーとの関係を示す説明図である。
【0037】
図5に示すように、3D−LUTにおいてz軸方向に隣接するxy平面のうち、格子点のz軸座標が0〜1、2〜3、4〜5となるxy平面をそれぞれ対とする。そして、3D−LUTを、x軸とy軸にそれぞれ二つの格子点を含んで各軸が格子状とされて得られる8個の格子点からなる単位3次元方形体Qに区分けし、隣り合う単位3次元方形体同士で格子点を共有しないようにする。こうして区分けした単位3次元方形体Qには、図4で示したデータ格納順序に対応した通し番号Q00〜Q26を付している。具体的には、単位3次元方形体Qのうち、xyzの各軸の座標最小値(0,0,0)の格子点を含む単位3次元方形体Qに最初の方形体を示す通し番号であるQ00を、xyzの各軸の座標最大値(5,5,5)の格子点を含む単位3次元方形体Qに最後の方形体を示す通し番号であるQ26を付している。また、Q00及びQ26以外の単位3次元方形体Qについては、図4で示したデータ格納順序に対応した順序で通し番号Q01〜Q25を付した。
【0038】
次いで、それぞれの単位3次元方形体Qに含まれる8個の第1〜第8の格子点のそれぞれに第1〜第8メモリーを割り付けるメモリー割付規則を適用する。Q00〜Q26までのそれぞれの単位3次元方形体Qは、当該方形体に含まれる8個の第1〜第8の格子点のxyz座標値が異なるものの、xyz座標値の偶数・奇数の組み合わせは共通している。よって、この共通事項をメモリー割付規則として、補正データの書込用のアドレス演算の演算規則の一部を規定するようにした。本実施例では、図6に示すように、このメモリー割付規則として、第1〜第8の格子点のxyz座標表記におけるx軸座標数値とy軸座標数値とz軸座標数値の偶数と奇数の組み合わせに応じて第1〜第8メモリーの内から書込対象メモリーを決定する規則を採用し、第1メモリーには、各軸座標数値が全て偶数の第1格子点を割り付け、第2メモリーには、xy軸座標数値が偶数でz軸座標数値が奇数の第2格子点を割り付け、第3メモリーには、xz軸座標数値が偶数でy軸座標数値が奇数の第3格子点を割り付け、第4メモリーには、x軸座標数値が偶数でyz軸座標数値が奇数の第4格子点を割り付け、第5メモリーには、x軸座標数値が奇数でyz軸座標数値が偶数の第5格子点を割り付け、第6メモリーには、xz軸座標数値が奇数でy軸座標数値が偶数の第6格子点を割り付け、第7メモリーには、xy軸座標数値が奇数でz軸座標数値が偶数の第7格子点を割り付け、第8メモリーには、xyz軸座標数値が全て奇数の第8格子点を割り付けた。本実施例では、上記したようなメモリー割付規則を採用したが、単位3次元方形体Qに含まれる8個の格子点と第1〜第8メモリーの8個のメモリーは1対1に対応可能であることから、補正データの格納順序を図4と異なるようにすれば、その異なる格納順次に応じて上記以外の割付規則を採用することもできる。
【0039】
ここで、ある単位3次元方形体Qとこれに隣り合う他の単位3次元方形体Qとの関係について説明する。図7は通し番号Q00の単位3次元方形体Qとその周囲の単位3次元方形体Qとの関係を示す説明図である。
【0040】
図5に示すように、各単位3次元方形体Qは3D−LUT内で互いに格子点を共有しないような位置関係にある。また、それぞれの単位3次元方形体Qは、3D−LUTを自身の方形体外郭とその内部で区画するほか、図7に示すように、隣り合う単位3次元方形体Qでも3D−LUTを区画する。この図7では、隣り合う単位3次元方形体Qで区画された3D−LUTの区画領域は、単位3次元方形体Qが方形体であることから方形体をなし、それぞれの区画領域は斜線と濃淡にて区別されている。また、それぞれの単位3次元方形体Qに含まれる格子点についての既述したメモリー割付規則に照らせば、それぞれの単位3次元方形体Qは、各格子点が方形体において占める位置をxyz座標の偶数・奇数の組み合わせで共通させる。このため、それぞれの単位3次元方形体Qに含まれる第1〜第8の各格子点は、方形体下段の図における左下・左上・右下および右上の4個の格子点、および方形体上段の左下・左上・右下および右上の4個の格子点に対して、共通の座標表記が可能となる(図7(A))。そして、これら格子点の補正データは、当該格子点のxyz座標値の偶数・奇数の組み合わせに応じた第1〜第8メモリーに対応して記憶されることになる。
【0041】
今、通し番号Q00の単位3次元方形体Qに注目すると、この単位3次元方形体Qは、通し番号Q01の単位3次元方形体Qとx軸方向で隣り合い、通し番号Q03の単位3次元方形体Q(図5参照)とy軸方向で隣り合い、通し番号Q04の単位3次元方形体Qとxy方向で隣り合い、通し番号Q09の単位3次元方形体Qとz軸方向で隣り合い、通し番号Q10の単位3次元方形体Qとxz方向で隣り合い、通し番号Q12の単位3次元方形体Qとyz方向で隣り合い、通し番号Q13の単位3次元方形体Qとxyz方向で隣り合う(図7(A))。このため、隣り合う単位3次元方形体Qで区画された3D−LUTの区画領域は、通し番号Q00の単位3次元方形体Qを取り囲むよう7区画形成され(図7(B))、これら7区画は、通し番号Q00の単位3次元方形体Qに対してx軸方向に+1シフトする区画、y軸方向に+1シフトする区画、xy方向に+1ずつシフトする区画、z軸方向に+1シフトする区画、xz方向に+1ずつシフトする区画、yz方向に+1ずつシフトする区画、xyz方向に+1ずつシフトする区画となる(図7(C))。通し番号Q00以外の単位3次元方形体Qについても同様である。
【0042】
そして、これら区画領域に含まれる8個の格子点は、当該区画領域の形成に際して隣り合う単位3次元方形体Qに含まれる格子点で構成される。例えば、通し番号Q00の単位3次元方形体Qからx軸方向に+1シフトした区画(図7(C)におけるx+1表記区画)は、図7(A)での格子点表記により、通し番号Q00の単位3次元方形体Qに含まれる上段の右上・右下と下段の右上・右下の4個の格子点と、通し番号Q01の単位3次元方形体Qに含まれる上段の左上・左下と下段の左上・左下の4個の格子点を含むことになる。y軸方向に+1シフトした区画(図7(C)におけるy+1表記区画)は、図7(A)での格子点表記により、通し番号Q00の単位3次元方形体Qに含まれる上段の左上・右上と下段の左上・右上の4個の格子点と、通し番号Q03の単位3次元方形体Qに含まれる上段の左下・右下と下段の左下・右下の4個の格子点を含むことになる。xy方向に+1ずつシフトした区画(図7(C)におけるx+1、y+1表記区画)は、図7(A)での格子点表記により、通し番号Q00の単位3次元方形体Qに含まれる上段の右上と下段の右上の2個の格子点と、通し番号Q01の単位3次元方形体Qに含まれる上段の左上と下段の左上の2個の格子点と、通し番号Q03の単位3次元方形体Qに含まれる上段の右下と下段の右下の2個の格子点と、通し番号Q04の単位3次元方形体Qに含まれる上段の左下と下段の左下の2個の格子点とを含むことになる。他の区画についても同様であると共に、通し番号Q00以外の単位3次元方形体Qについても、当該方形体からの上記したシフトの方向により同じようにして該当する単位3次元方形体Qから格子点を選ぶことができる。
【0043】
この関係を格子点に関連付けて説明する。図8は通し番号Q00を例に挙げて隣り合う単位3次元方形体Qで区画された7つの区画領域との格子点の関係を説明する説明図である。図8において示された8個のブロックは、単位3次元方形体Qとこれを取り囲む上記の7個の区画領域を現しており、xyzの欄が全て0(xyz=000)のブロックは、通し番号Q00の単位3次元方形体Qを現す。xyz=000のブロックにおける位置の欄は、格子点の位置を示しており、ブロックアドレス(block_address)とブロック位置(block_posi)は、格子点位置に対応した単位3次元方形体Qの通し番号と格子点座標のxyz表記を現す。この場合、単位3次元方形体Qはその通し番号がQ00であることから、xyz=000のブロックは、この通し番号Q00の単位3次元方形体Qについての通し番号Q00と当該方形体に含まれる8個の格子点座標を現しており、図7における格子点位置表記(下段と上段の左下・右下・左上・右上の表記)と符合している。
【0044】
図8におけるxyzの欄は、通し番号Q00の単位3次元方形体Qからの既述したシフトを意味し、xyzの欄が100(xyz=100)のブロックは、通し番号Q00の単位3次元方形体Qからx軸方向に+1シフトした区画、即ち、図7(C)でx+1と表記した区画を現す。そして、xyz=100のブロックにおけるブロックアドレスの欄にある+1は、通し番号Q00の単位3次元方形体Qから1の数だけ隔たった通し番号の単位3次元方形体Q、即ち通し番号Q01の単位3次元方形体Qを示している。よって、xyz=100のブロックは、通し番号Q00の単位3次元方形体Qに含まれる下段の右上・右下と上段の右上・右下の4個の格子点と、通し番号Q01の単位3次元方形体Qに含まれる下段の左上・左下と上段の左上・左下の4個の格子点を含む図7(C)のx+1と表記した区画を現すことになる。そして、このxyz=100のブロックは、通し番号Q00と通し番号Q01の単位3次元方形体Qの上記格子点が図7(C)のx+1と表記した区画の下段の左下・左上・右下・右上と上段の左下・左上・右下・右上の8個の格子点となることをも示している。図4の補正データの格納順序に対応する格子点で説明すると、図7(C)のx+1と表記した区画は、通し番号Q00の単位3次元方形体Qに含まれる下段の右上・右下と上段の右上・右下の4個の格子点である格納順序1、7、37、43の格子点と、通し番号Q01の単位3次元方形体Qに含まれる下段の左上・左下と上段の左上・左下の4個の格子点である格納順序2、8、38、44の8個の格子点で現される。
【0045】
xyzの欄が010(xyz=010)のブロックは、通し番号Q00の単位3次元方形体Qからy軸方向に+1シフトした区画、即ち、図7(C)でy+1と表記した区画を現す。そして、xyz=010のブロックにおけるブロックアドレスの欄にある+xblock_numは、図5に示した単位3次元方形体Qがx軸方向に並ぶ場合のブロックの数(本実施例:図5ではxblock_num=3)だけ通し番号Q00の単位3次元方形体Qから隔たった通し番号の単位3次元方形体Q、即ち通し番号Q03の単位3次元方形体Qを示している。よって、xyz=010のブロックは、通し番号Q00の単位3次元方形体Qに含まれる下段の左上・右上と上段の左上・右上の4個の格子点と、通し番号Q03の単位3次元方形体Qに含まれる下段の左下・右下と上段の左下・右下の4個の格子点を含むy+1を現すことになる。そして、このxyz=010のブロックは、通し番号Q00と通し番号Q03の単位3次元方形体Qの上記格子点が図7(C)のy+1と表記した区画の下段の左下・右下・左上・右上と上段の左下・右下・左上・右上の8個の格子点となることをも示している。図4の補正データの格納順序に対応する格子点で説明すると、図7(C)のy+1と表記した区画は、通し番号Q00の単位3次元方形体Qに含まれる下段の左上・右上と上段の左上・右上の4個の格子点である格納順序6、7、42、43の格子点と、通し番号Q03の単位3次元方形体Qに含まれる下段の左下・右下と上段の左下・右下の4個の格子点である格納順序12、13、48、49の8個の格子点で現される。
【0046】
xyzの欄が110(xyz=110)のブロックは、通し番号Q00の単位3次元方形体Qからxy方向に+1ずつシフトした区画、即ち、図7(C)でx+1、y+1と表記した区画を現す。そして、xyz=110のブロックにおけるブロックアドレスの欄にある+xblock_num(=3)は、既述したように通し番号Q03の単位3次元方形体Qを示し、+xblock_num+1は、既述したブロックの数(本実施例:図5ではxblock_num=3)より1多い数(=4)だけ通し番号Q00の単位3次元方形体Qから隔たった通し番号の単位3次元方形体Q、即ち通し番号Q04の単位3次元方形体Qを示している。よって、xyz=110のブロックは、通し番号Q00の単位3次元方形体Qに含まれる下段の右上と上段の右上の2個の格子点と、通し番号Q01の単位3次元方形体Qに含まれる下段の左上と上段の左上の2個の格子点と、通し番号Q03の単位3次元方形体Qに含まれる下段の右下と上段の右下の2個の格子点と、通し番号Q04の単位3次元方形体Qに含まれる下段の左下と上段の左下の2個の格子点とを含む図7(C)のx+1、y+1と表記した区画を現すことになる。そして、このxyz=110のブロックは、通し番号Q00と通し番号Q01、通し番号Q03および通し番号Q04の単位3次元方形体Qの上記格子点が図7(C)のx+1、y+1と表記した区画の下段の左下・右下・左上・右上と上段の左下・右下・左上・右上の8個の格子点となることをも示している。図4の補正データの格納順序に対応する格子点で説明すると、図7(C)のx+1、y+1と表記した区画は、通し番号Q00の単位3次元方形体Qに含まれる下段の右上と上段の右上の2個の格子点である格納順序7、43の格子点と、通し番号Q01の単位3次元方形体Qに含まれる下段の左上と上段の左上の2個の格子点である格納順序8、44の格子点と、通し番号Q03の単位3次元方形体Qに含まれる下段の右下と上段の右下の2個の格子点である格納順序13、49と、通し番号Q04の単位3次元方形体Qに含まれる下段の左下と上段の左下の2個の格子点である格納順序14、50の8個の格子点で現される。図8に示した他のブロックについても同様である。なお、xyz=001〜111の各ブロックにおけるzblock_numは、図5に示した単位3次元方形体Qがz軸方向に並ぶ場合のブロックの数(本実施例:図5ではzblock_num=3)を現し、+zblock_numは、通し番号Q00の単位3次元方形体Qから3だけ隔たった通し番号の単位3次元方形体Qを示す。ブロックにおける+xblock_num+zblock_numについても同様である。
【0047】
通し番号Q00以外の単位3次元方形体Qについても、当該方形体からの上記したシフトの方向により同じようにして該当する単位3次元方形体Qから格子点を選ぶことができる。つまり、図8におけるブロックアドレス「0」を、通し番号Q00以外の単位3次元方形体Qの通し番号、例えば通し番号Q03に置き換えれば、この通し番号Q03の単位3次元方形体Qについては、xyz=000ブロックにて現され、xyz=100〜111の各ブロックは、この通し番号Q03の単位3次元方形体Qからシフトした上記区画領域をそれぞれ現すことになる。
【0048】
各格子点の補正データでの補正を経たデータ変換の対象となる画像データをデータ変換する場合、当該画像データが3D−LUTのどの単位3次元方形体Qに含まれるか、或いはいずれの単位3次元方形体Qにも含まれず、左右上下に並んだ単位3次元方形体Qの間に位置するかが判別される。この判別には、画像データに対応する変換対象点のxyz座標値と3D−LUTに占める単位3次元方形体Qの各格子点の座標値が対比され、変換対象点は、単位3次元方形体Qに含まれるか含まれないかが定まる。例えば、座標対比の結果、変換対象点が通し番号Q00〜Q26のいずれかの単位3次元方形体Qに含まれれば、変換対象点を取り囲む8個の格子点は、該当する通し番号の単位3次元方形体Qに含まれる第1〜第8の格子点となる。つまり、変換対象点が含まれる単位3次元方形体Qの通し番号が特定されれば、読出対象となるデータ変換に用いる補正データは、その特定した通し番号の単位3次元方形体Qに含まれる第1〜第8の格子点で定まる。単位3次元方形体Qの第1〜第8の格子点に対応する補正データは、既述したデータ格納順序と、これに対応して付与された通し番号の他、第1〜第8メモリーへの既述したメモリー割付規則を考慮したアドレス演算を経て定まったアドレスに格納される。よって、特定した通し番号の単位3次元方形体Qに含まれる第1〜第8の格子点に対応する8個の補正データの各アドレスは、アドレス演算の演算規則で定まる規則性を有する。このため、変換対象点が含まれている単位3次元方形体Qの通し番号を求めることで、変換対象点の周囲の8個の格子点(即ち、単位3次元方形体Qの第1〜第8格子点)に対応する8個の補正データを、アドレス演算規則で定まる規則性に則って簡便にメモリーから読み出すことができる。
【0049】
画像データに対応する変換対象点が単位3次元方形体Qに含まれない場合、変換対象点は、ある一つの通し番号の単位3次元方形体Qを取り囲む既述した7つの区画領域のいずれかに含まれることになる。そして、この7つの区画領域は、これら区画領域で取り囲まれた単位3次元方形体Qとその通し番号を含んで図8のように規定され、7つの区各領域のそれぞれの領域に含まれる8個の格子点は、ある一つの通し番号の単位3次元方形体Qに含まれる格子点と当該方形体に隣り合う通し番号の単位3次元方形体Qに含まれる格子点とで図8のようにして定まる。このため、変換対象点が単位3次元方形体Qに含まれない場合には、この変換対象点とある一つの通し番号の単位3次元方形体Qとの位置関係が判明すれば、変換対象点は、図8に示したxyz=000以外のブロックで示される区画領域に含まれることになり、変換対象点を含む区画領域の8個の格子点は、上記判明した位置関係のブロックに示した上下段左右上下の格子点として定まる。このため、変換対象点の近くの単位3次元方形体Qの通し番号を特定すれば、変換対象点の周囲の8個の格子点をその特定した通し番号の単位3次元方形体Qと図8の関係にある単位3次元方形体Qの格子点から規定できる。そして、複数の単位3次元方形体Qの格子点を定めるにしても、それぞれの単位3次元方形体Qに含まれる格子点の補正データについては、既述したアドレス演算規則に則って第1〜第8メモリーに格納されていることから、変換対象点の周囲の8個の格子点に対応する8個の補正データを、アドレス演算規則で定まる規則性に則って簡便にメモリーから読み出すことができる。
【0050】
次に、上記した補正データの書込処理について説明する。図9は補正データ書込処理を示すフローチャートである。本実施例では、図9に示す補正データ書込処理は、既述したようにプロジェクター100の製造過程(調整工程)或いは補正データ再設定時期での操作パネル180における補正データ設定用のボタンやディップスイッチの操作の都度に実行され、まず、ステップ100では、制御ユニット40からの制御信号に基づいてLUTメモリー124のメモリー内容をリセットすると共に書込カウンターについてもこれをリセットする。
【0051】
続くステップS110では、第2入力部120から入力された補正データを読み込む。この読み込まれる補正データは、プロジェクター100とは別の補正データ生成装置にて生成されたものであり、図3〜図5に示した3D−LUTの各格子点ごとの補正データである。
【0052】
ステップS120では、書込カウンター(最初のステップS120ではゼロ)に対応する格子点についての補正データ(最初のステップS120では(0,0,0)の座標表記の格子点の補正データ:図4〜図5参照)ごとにデータ書込用のアドレス演算を行う。このアドレス演算に際しては、既述した補正データの格納順序(図4参照)と、第1〜第8メモリーにおいてデータ格納の都度にアドレス番号を昇順するアドレス番号の昇順格納と、xyz座標表記における各軸数値の偶数・奇数の組み合わせに対応した第1〜第8メモリーへのメモリー割付規則に規定された演算規則(図6参照)および単位3次元方形体Qごとの通し番号付与とに従ってデータ書込用のアドレス演算がなされる。具体的には、最初の書込演算対象の(0,0,0)の座標表記の格子点の補正データであれば、上記規則を考慮して第1メモリーの所定アドレス番地に書き込まれるようなアドレス演算がなされる。書込演算対象の補正データが推移すれば、その推移した補正データについてのアドレス演算がなされることになる。
【0053】
ステップS120のデータ書込用のアドレス演算に続いては、その演算結果のアドレスに従って対応する補正データを、該当する第1〜第8メモリーの該当アドレスに書き込み(ステップS130)、引き続いての補正データのアドレス演算・書き込みを行うべく、書込カウンターを値1だけカウントアップする(ステップS140)。そして、書込カウントアップ値から全ての格子点についての補正データの書込が完了したか否かを判定し(ステップS150)、肯定判定するまでステップS120からの処理を継続する。
【0054】
こうした書込処理により、LUTメモリー124には、図3に示す3D−LUTの各格子点ごとの補正データが第1〜第8メモリーに格納されると共に、格納された補正データについては、通し番号Q00〜26までのそれぞれの単位3次元方形体Qの格子点にアドレス演算にて対応付けられる。しかも、格納された補正データは、通し番号Q00〜26までのそれぞれの単位3次元方形体Qの通し番号と第1〜第8の格子点のxyz座標とで、図8に示したように、ある通し番号(Q00〜Q26)の単位3次元方形体Qとこれを取り囲む7つの区画領域の格子点にアドレス演算にて対応付けられることになる。
【0055】
D.3D―LUT読出処理:
次に、補正データの読出処理について説明する。図10は補正データ読出処理を示すフローチャートである。図示する補正データ読込処理は、図2に示す第1入力部112に画像データの信号入力を契機に実行され、まず、読み込んだ画像データに対応する入力座標(xyz座標)を読み込んだ補正データの順に取得する(ステップS200)。次いで、読み込んだ補正データの順に、当該補正データのxyz座標のxyz座標値と3D−LUTに占める単位3次元方形体Qの各格子点の座標値との対比を経て、書込ブロックを検出する(ステップS210)。このブロック判定では、補正データに対応する変換対象点が単位3次元方形体Qのいずれかに含まれるか否かが判定される。また、ブロック判定では、変換対象点が単位3次元方形体のいずれかに含まれる場合は変換対象点を含む単位3次元方形体Qの通し番号(Q00〜Q26)が特定され、補正データに対応する変換対象点が単位3次元方形体Qのいずれにも含まれない場合は変換対象点近傍の単位3次元方形体Qの通し番号(Q00〜Q26)が特定される。
【0056】
続くステップS220では、補正データに対応する変換対象点が単位3次元方形体Qに含まれていれば、その単位3次元方形体Qの通し番号(Q00〜Q26)に対応する図8のxyz=000のブロックにおける格子点が変換対象点を取り囲む8個の格子点となるとして、領域判定を行う。補正データに対応する変換対象点が単位3次元方形体Qに含まれない場合には、変換対象点近傍として特定した通し番号(Q00〜Q26)の単位3次元方形体Qからの変換対象点のシフト方向に応じて、図8のxyz=100〜111のブロックのいずれかを特定し、その特定したブロックにおける格子点が変換対象点を取り囲む8個の格子点となるとして、領域判定を行う。
【0057】
その後は、上記のようにして特定したブロックの8個の格子点にそれぞれ対応する記述したデータ書込用のアドレス演算規則を逆にたどることで読出アドレスを選出し、その算出したデータ読出用のアドレスに対応する補正データを読み出す(ステップS230)。こうして読み出された8個の補正データは、ステップS200にて読み出した順の画像データの補正に用いられ、その補正を経た画像データが液晶パネル駆動回路130を経て液晶パネル140に出力され、入力した画像データに基づいた画像表示が行われる。
【0058】
以上説明した本実施例のプロジェクター100では、3D−LUTを、x軸、y軸、z軸にそれぞれ二つの格子点を含んで縦横上下格子の8個の格子点からなる単位3次元方形体Qが隣り合う単位3次元方形体Q同士で格子点を共有しないように、単位3次元方形体Qで区分けする。その上で、区分けした単位3次元方形体Qのそれぞれに、補正データの格納順序に対応した通し番号を付す。そして、3D−LUTを構成するそれぞれの単位3次元方形体Qの第1〜第8の格子点の補正データを第1〜第8メモリーに格納するに当たっては、補正データの格納順序(図4参照)と、第1〜第8メモリーにおいてデータ格納の都度にアドレス番号を昇順するアドレス番号の昇順格納と、xyz座標表記における各軸数値の偶数・奇数の組み合わせに対応した第1〜第8メモリーへのメモリー割付規則に規定された演算規則(図6参照)および単位3次元方形体Qごとの通し番号付与とに従ったデータ書込用のアドレス演算を行い、そのアドレス演算結果により補正データをメモリーに順次格納する。こうすることで、ある通し番号(Q00〜Q26)の単位3次元方形体Qとこれを取り囲む7つの区画領域(図7参照)とを、図8に示すような格子点の関係、並びにこれに対応するアドレス演算にて特定した上で、その特定した通し番号(Q00〜Q26)の単位3次元方形体Qに基づいて、補正データによる補正を経たデータ変換の対象となる画像データを取り囲む8個の格子点を定める。この結果、本実施例のプロジェクター100によれば、入力した画像データのxyz座標と単位3次元方形体Qの格子点座標との対比を経て単位3次元方形体Qの通し番号(Q00〜Q26)を特定するだけで、画像データのデータ変換に用いる補正データを簡便に読み出すことができる。
【0059】
また、本実施例のプロジェクター100では、xyz座標対比を経て、画像データが通し番号(Q00〜Q26)のいずれかの単位3次元方形体Qに含まれていれば、その通し番号(Q00〜Q26)で特定される単位3次元方形体Qに含まれる第1〜第8の格子点の補正データを、画像データの補正に用いる8個の補正データとして、図8にて即座にしかも容易に読み出すことができる。画像データが通し番号(Q00〜Q26)のいずれかの単位3次元方形体Qに含まれていない場合であっても、画像データの補正に用いる8個の補正データを、図8にて即座にしかも容易に読み出すことができる。
【0060】
また、本実施例のプロジェクター100では、3D−LUTにおけるx軸とy軸で格子状とされたxy平面の格子点を、液晶パネル140の表示画面を構成する画素の縦横の配列に対応させ、各格子点には、表示画面における画素位置に対応した補正データを備えるようにした。その上で、3D−LUTにおけるz軸ごとのxy平面の格子点を、階調表現に対応させた補正データとした。このため、本実施例のプロジェクター100によれば、液晶パネル140において占める画素の画素位置(xy座標位置)と階調表現程度とに応じたデータ変換を簡便に行うことができる。
【0061】
以上、本発明の実施例について説明したが、本発明は、上記した実施の形態に限られるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲において種々の態様にて実施することが可能である。例えば、上記した実施例では、入力補正データに対応した格子点を備える3D−LUT(図3〜図5)として、6個の格子点をそれぞれ備えるxy軸の3D−LUTとしたが、xy軸が同じ偶数個の格子点を備え、z軸については偶数個の格子点を備えるのであれば、例えば、xy軸が8個の格子点を備え、z軸が6個、或いは8個、10個と言った格子点を備える3D−LUTについても適用できる。液晶パネル140は、xy平面において画素を縦横格子状に備え、その格子配列ピッチも細緻であることから、xy軸についてはより多くの偶数個の格子点を備えるようにすることもできる。
【0062】
この他、上記の実施例では、プロジェクターを例に挙げ、液晶パネル140における縦横の画素のxy配列と階調表現に対応した3軸のデータ空間に属する画像データのデータ変換に用いる3D−LUTについて説明したが、これに限らずハイビジョン形式の液晶テレビやプラズマディスプレー等にも適用することができる。この他、RGBの3軸のデータ軸で表される色空間のデータを、印刷装置のインク色に対応した他の色空間のデータに変換するデータ変換にも適用できる。
【符号の説明】
【0063】
100…プロジェクター
110…画像処理回路
112…第1入力部
116…補正点位置計算回路
118…アドレス演算回路
120…第2入力部
122…アドレス演算回路
126…補間演算回路
128…出力回路
130…液晶パネル駆動回路
140…液晶パネル
150…光源部
151…ランプ
152…レンズ
160…投写レンズ
170…入力インタフェース
180…操作パネル
200…スクリーン
単位3次元方形体…Q

【特許請求の範囲】
【請求項1】
3軸のデータ空間に属する被変換データを変換するデータ変換装置であって、
前記3軸に対応するxyzの各軸が各々2n(nは2以上の整数)の偶数の格子点で区分されると共にx軸とy軸の格子点の数が同じで、前記各軸が格子状とされて得られる各格子点ごとに前記被変換データの入力値に対応して該被変換データを補正するための補正データを備えた3次元ルックアップテーブルの前記各格子点ごとの前記補正データを、データ書込用のアドレス演算を経て第1〜第8のメモリーに格納するデータ格納部と、
前記3次元ルックアップテーブルを参照しつつ、前記被変換データの周囲に位置する前記格子点の前記補正データを、データ読込用のアドレス演算を経て前記第1〜第8のメモリーから読み出し、前記被変換データを前記読み出した補正データに基づいてデータ変換するデータ変換部とを備え、
前記データ格納部は、
前記3次元ルックアップテーブルを、x軸、y軸、z軸にそれぞれ二つの格子点を含んで各軸が格子状とされて得られる8個の格子点からなる単位3次元方形体が隣り合う単位3次元方形体同士で格子点を共有しないように、前記単位3次元方形体で区分けし、
前記3次元ルックアップテーブルにおける前記格子点の前記補正データを、前記データ書込用のアドレス演算を経て第1〜第8メモリーに格納するに当たり、
前記区分けした一つの前記単位3次元方形体に、前記補正データの格納順序に対応した通し番号を付し、前記単位3次元方形体に含まれる第1〜第8の格子点のそれぞれに、前記通し番号を考慮したメモリー割付規則に従って前記第1〜第8メモリーを割り付けるメモリー割付演算を、前記データ書込用のアドレス演算として実行する、
データ変換装置。
【請求項2】
請求項1に記載のデータ変換装置であって、
前記データ変換部は、
前記被変換データの周囲に位置する前記格子点の前記補正データを前記第1〜第8のメモリーから読み出すに当たり、
前記被変換データが前記単位3次元方形体に含まれている場合には、前記通し番号で特定される前記単位3次元方形体に含まれる第1〜第8の格子点の前記補正データを読み出す演算を前記データ読込用のアドレス演算として実行し、
前記被変換データが前記単位3次元方形体に含まれていない場合には、前記被変換データを取り囲む複数の前記単位3次元方形体の前記通し番号を求めた上で、該求めた前記通し番号ごとに特定される前記単位3次元方形体に含まれ前記被変換データの周囲に位置する格子点を合計で8個選び出し、該選び出した格子点の前記補正データを読み出す演算を前記データ読込用のアドレス演算として実行する、
データ変換装置。
【請求項3】
階調表現が可能な画素を縦横の格子状に配列した表示画面に、画像データに基づいて画像を表示する画像表示装置であって、
前記画像データの入力を受けるデータ入力部と、
該入力した前記画像データを、該画像データの出力対象となる画素への出力データに変換する請求項1または請求項2に記載のデータ変換装置と、
該データ変換後の出力データを前記画素に出力する出力部とを備え、
前記データ変換装置は、
前記3次元ルックアップテーブルを、前記x軸と前記y軸とが前記表示画面における画素の並びの縦横方向に対応付けられ、前記z軸が前記階調表現の表現程度に対応付けられた3次元ルックアップテーブルとし、前記格子点ごとの前記補正データを、前記入力した前記画像データに対応する前記画素が前記表示画面で占める画素位置と階調表現の程度とについて前記入力した前記画像データを補正するための補正データとして前記データ格納部に格納し、
前記3次元ルックアップテーブルを参照しつつ、前記入力した前記画像データに対応する前記画素の周囲に位置する前記格子点の前記補正データを読み出し、前記入力した前記画像データを前記読み出した補正データに基づいてデータ変換する
画像表示装置。
【請求項4】
3軸のデータ空間に属する被変換データを変換するデータ変換方法であって、
前記3軸に対応するxyzの各軸が各々2n(nは2以上の整数)の偶数の格子点で区分されると共にx軸とy軸の格子点の数が同じで、前記各軸が格子状とされて得られる各格子点ごとに前記被変換データの入力値に対応して該被変換データを補正するための補正データを備えた3次元ルックアップテーブルの前記各格子点ごとの前記補正データを、データ書込用のアドレス演算を経て第1〜第8のメモリーに格納し、
前記3次元ルックアップテーブルを参照しつつ、前記被変換データの周囲に位置する前記格子点の前記補正データを、データ読込用のアドレス演算を経て前記第1〜第8のメモリーから読み出し、前記被変換データを前記読み出した補正データに基づいて変換し、
前記3次元ルックアップテーブルの前記各格子点ごとの前記補正データを第1〜第8のメモリーに格納するに当たり、
前記3次元ルックアップテーブルを、x軸、y軸、z軸にそれぞれ二つの格子点を含んで各軸が格子状とされて得られる8個の格子点からなる単位3次元方形体が隣り合う単位3次元方形体同士で格子点を共有しないように、前記単位3次元方形体で区分けし、
前記3次元ルックアップテーブルにおける前記格子点の前記補正データを、前記データ書込用のアドレス演算を経て第1〜第8メモリーに格納するに当たり、
前記区分けした一つの前記単位3次元方形体に、前記補正データの格納順序に対応した通し番号を付し、前記単位3次元方形体に含まれる第1〜第8の格子点のそれぞれに、前記通し番号を考慮したメモリー割付規則に従って前記第1〜第8メモリーを割り付けるメモリー割付演算を、前記データ書込用のアドレス演算として実行して前記第1〜第8のメモリーに格納し、
前記被変換データの周囲に位置する前記格子点の前記補正データを前記第1〜第8のメモリーから読み出すに当たり、
前記被変換データが前記単位3次元方形体に含まれている場合には、前記通し番号で特定される前記単位3次元方形体に含まれる第1〜第8の格子点の前記補正データを読み出す演算を前記データ読込用のアドレス演算として実行し、
前記被変換データが前記単位3次元方形体に含まれていない場合には、前記被変換データを取り囲む複数の前記単位3次元方形体の前記通し番号を求めた上で、該求めた前記通し番号ごとに特定される前記単位3次元方形体に含まれ前記被変換データの周囲に位置する格子点を合計で8個選び出し、該選び出した格子点の前記補正データを読み出す演算を前記データ読込用のアドレス演算として実行して、前記第1〜第8のメモリーから前記補正データを読み出す、
データ変換方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公開番号】特開2011−197504(P2011−197504A)
【公開日】平成23年10月6日(2011.10.6)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−65771(P2010−65771)
【出願日】平成22年3月23日(2010.3.23)
【出願人】(000002369)セイコーエプソン株式会社 (51,324)
【Fターム(参考)】