説明

データ放送受信装置およびデータ放送受信プログラム

【課題】 通信機能が利用できないときに、ユーザが無用な操作を行なうことを抑制することのできるデータ放送受信装置およびデータ放送受信プログラムを提供する。
【解決手段】 放送コンテンツ取得部3は、データ放送コンテンツを取得する。通信可否判断部9は、自装置が通信機能を利用できる状態にあるかどうかを判断する。フォーカス制限判定部10は、自装置が通信機能を利用できない状態にあると判断された場合に、取得したデータ放送コンテンツ内の要素のうち、ユーザの入力を伴い、かつ通信動作に関わる要素をフォーカス制限要素と判定する。フォーカス処理制限部15は、表示制御部11および実行制御部12によるフォーカス制限要素へのフォーカス処理を制限する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、データ放送受信装置およびデータ放送受信プログラムに関し、特にデータ放送で受信したBML(Broadcast Markup Language)文書を表示する機能を有するデータ放送受信装置およびデータ放送受信プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
携帯受信向けのデジタル放送サービスでは、映像、音声、データといったマルチメディアコンテンツが放送により送られる。この放送サービスを受信する受信機としては、携帯電話、ポータブルテレビ、PDA(Personal Digital Assistant)、カーナビゲーションなどがある。
【0003】
データ放送コンテンツは、BML(Broadcast Markup Language)で記述され、BML文書と呼ばれる。受信機は、このBML文書を自装置に搭載したBMLブラウザによって解釈して表示する。BMLについては、非特許文献1に詳細に記述されている。
【0004】
BML文書は、放送で送られるものに加え、通信から取得されるものがあり、放送で送られるものを放送コンテンツ、通信から取得されるものを通信コンテンツと呼ぶ。その上で、放送コンテンツから通信コンテンツへのリンクや、通信コンテンツから放送コンテンツへのリンクが可能となっている。ここで、放送とは放送局から受信機への一方向の伝送をいい、通信とは、受信機からサーバへの配信要求、およびサーバから受信機への配信という双方向の伝送を伴うものをいう。
【非特許文献1】デジタル放送におけるデータ放送符号化方式と伝送方式標準規格、4.1版、H16年12月14日、社団法人 電波産業会
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、放送コンテンツから通信コンテンツへのリンクが記述されている場合、通信機能が利用できない受信機では、通信コンテンツの取得を行なうことができない。
【0006】
たとえば、通信コンテンツへのリンクが指定されたa要素にフォーカスを移動させて決定操作を行なっても、送信を行なうことができず、ユーザに無用な操作をさせることになる。
【0007】
また、input要素またはtextarea要素への文字入力を行なった後、送信を選択した場合も送信を行なうことができず、せっかくの入力が無駄になってしまう。
【0008】
それゆえに、通信機能が利用できないときに、ユーザが無用な操作を行なうことを抑制することのできるデータ放送受信装置およびデータ放送受信プログラムを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記課題を解決するために、本発明のデータ放送受信装置は、データ放送コンテンツを取得するコンテンツ取得部と、自装置が通信機能を利用できる状態にあるかどうかを判断する通信可否判断部と、自装置が通信機能を利用できない状態にあると判断された場合に、取得したデータ放送コンテンツ内の要素のうち、ユーザの入力を伴い、かつ通信動作に関わる要素をフォーカス制限要素と判定するフォーカス制限判定部と、フォーカス制限要素へのフォーカス処理を制限するフォーカス処理制限部とを備える。
【0010】
好ましくは、データ放送コンテンツは、BML(Broadcast Markup Language)で記述されており、フォーカス制限判定部は、href属性に通信コンテンツが指定されたa要素をフォーカス制限要素と判定する。
【0011】
好ましくは、データ放送コンテンツは、BML(Broadcast Markup Language)で記述されており、フォーカス制限判定部は、form要素の子要素であるinput要素またはtextarea要素をフォーカス制限要素と判定する。
【0012】
好ましくは、データ放送コンテンツは、BML(Broadcast Markup Language)で記述されており、フォーカス制限判定部は、action属性が指定されたform要素の子要素であるinput要素またはtextarea要素をフォーカス制限要素と判定する。
【0013】
好ましくは、フォーカス処理制限部は、フォーカス制限要素へのフォーカスの移動を禁止する。
【0014】
好ましくは、フォーカス処理制限部は、フォーカス制限要素へフォーカスを移動させるとともに、フォーカス制限要素である旨を表示する。
【0015】
また、本発明のデータ放送受信プログラムは、コンピュータを、データ放送コンテンツを取得するコンテンツ取得部と、自装置が通信機能を利用できる状態にあるかどうかを判断する通信可否判断部と、自装置が通信機能を利用できない状態にあると判断された場合に、取得したデータ放送コンテンツ内の要素のうち、ユーザの入力を伴い、かつ通信動作に関わる要素をフォーカス制限要素と判定するフォーカス制限判定部と、フォーカス制限要素へのフォーカス処理を制限するフォーカス処理制限部として機能させる。
【0016】
好ましくは、データ放送コンテンツは、BML(Broadcast Markup Language)で記述されており、フォーカス制限判定部は、href属性に通信コンテンツが指定されたa要素をフォーカス制限要素と判定する。
【0017】
好ましくは、データ放送コンテンツは、BML(Broadcast Markup Language)で記述されており、フォーカス制限判定部は、form要素の子要素であるinput要素またはtextarea要素をフォーカス制限要素と判定する。
【0018】
好ましくは、データ放送コンテンツは、BML(Broadcast Markup Language)で記述されており、フォーカス制限判定部は、action属性が指定されたform要素の子要素であるinput要素またはtextarea要素をフォーカス制限要素と判定する。
【0019】
好ましくは、フォーカス処理制限部は、フォーカス制限要素へのフォーカスの移動を禁止する。
【0020】
好ましくは、フォーカス処理制限部は、フォーカス制限要素へフォーカスを移動させるとともに、フォーカス制限要素である旨を表示する。
【発明の効果】
【0021】
本発明によれば、通信機能が利用できないときに、ユーザが無用な操作を行なうことを抑制することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0022】
以下、本発明の実施の形態について、図面を用いて説明する。
【0023】
[第1の実施形態]
(構成)
図1は、第1の実施形態に係るデータ放送受信装置の機能ブロック図である。
【0024】
図1を参照して、データ放送受信装置1は、放送受信用デバイス2と、放送コンテンツ取得部3と、木構造データベース作成部4と、木構造データベース保存部5と、操作入力部6と、フォーカス候補要素検索部7と、フォーカス対象要素決定部8と、通信可否判断部9と、フォーカス制限判定部10と、表示制御部11と、実行制御部12と、通信コンテンツ取得部13と、通信用デバイス14と、フォーカス処理制限部15とを備える。
【0025】
放送受信用デバイス2は、放送局から送られてくる映像、音声、データのマルチメディアコンテンツを受信する。
【0026】
放送コンテンツ取得部3は、放送受信用デバイス2で受信したデータ放送コンテンツを取得する。
【0027】
木構造データベース作成部4は、データ放送コンテンツに基づいて、木構造データベースを作成する。また、実行制御部12の実行結果にしたがって、木構造データベースの修正を行なう。
【0028】
木構造データベース保存部5は、作成された木構造データベースを保存する。
【0029】
操作入力部6は、ユーザからフォーカス対象要素への文字入力およびフォーカス対象要素の選択などを受付ける。
【0030】
フォーカス候補要素検索部7は、木構造データベースを参照して、フォーカス候補要素を検索する。ここで、フォーカス候補要素とは、放送コンテンツ内の要素のうち、ARIB(Association of Radio Industries and Businesses)の規格上フォーカスを当てることが定められた要素であって、ユーザの入力を伴う要素である。たとえば、フォーカス候補要素は、a要素、input要素、およびtextarea要素などである。なぜなら、a要素は、ユーザによる選択入力を伴い、input要素およびtextarea要素は、ユーザによる文字入力を伴うからである。
【0031】
通信可否判断部9は、自装置に通信用デバイス14が接続されている場合に通信可能と判断し、自装置に通信用デバイス14が接続されていない場合に通信不可能と判断する。
【0032】
フォーカス制限判定部10は、検索されたフォーカス候補要素がフォーカス制限要素か否かを判断する。ここで、フォーカス制限要素とは、フォーカス候補要素のうち通信動作に関わる要素をいう。
【0033】
たとえば、フォーカス制限要素は、href属性に通信コンテンツが指定されたa要素、action属性が指定されたform要素の子要素であるinput要素およびtextarea要素である。なぜなら、href属性に通信コンテンツが指定されたa要素にユーザにより選択入力があると、その通信コンテンツの取得のための動作が行なわれるからである。また、action属性が指定されたform要素の子要素であるinput要素およびtextarea要素に、ユーザにより文字入力があると、入力された文字がaction属性として指定される通信サーバプログラムに送信されるからである。
【0034】
フォーカス対象要素決定部8は、検索されたフォーカス候補要素のうち、フォーカス制限要素と判定されなかったものをフォーカス対象要素として決定する。
【0035】
表示制御部11は、フォーカス対象要素に対して、その要素が選択されていることを表わすようなフォーカス表示を行なう。
【0036】
実行制御部12は、フォーカス対象要素がa要素のときに、ユーザがこれを選択した場合にhref属性で指定されるBML文書へジャンプするのを制御する。また、実行制御部12は、フォーカス対象要素がtype属性が"text"のinput要素の場合に、ユーザが入力した文字にしたがって木構造データベースを修正するのを制御する。
【0037】
フォーカス処理制限部15は、フォーカス制限要素について、フォーカス対象要素決定部8によってフォーカス対象要素として決定されないようにする。これにより、フォーカス制限要素は、フォーカス表示されず、ユーザによる入力操作の対象ともならない。
【0038】
通信コンテンツ取得部13は、通信用デバイス14を用いて通信コンテンツを取得する。
【0039】
通信用デバイス14は、通信のためにデータ放送受信装置に装着される装置である。具体的には、インターネットなどへの接続機能を備えたカードなどである。
【0040】
(動作)
図2は、第1の実施形態に係るデータ放送受信装置の動作の手順を表わすフローチャートである。フローチャートの各ステップは、プログラムを図示しないメモリから読み出して実行する。このプログラムは、外部からインストールすることができる。
【0041】
図2を参照して、まず、放送コンテンツ取得部3は、放送受信用デバイス2で受信したデータ放送コンテンツを取得する(ステップS101)。
【0042】
次に、木構造データベース作成部4は、データ放送コンテンツに基づいて、木構造データベースを作成し、木構造データベース保存部5へ保存する(ステップS102)。
【0043】
次に、フォーカス候補要素検索部7は、木構造データベースを参照して、先頭のフォーカス候補要素を検索する(ステップS103)。
【0044】
先頭のフォーカス候補要素が検索された場合(ステップS104でYES)には、通信可否判断部9は、自装置に通信用デバイス14が接続されているかどうかを調べる(ステップS105)。
【0045】
フォーカス制限判定部10は、自装置に通信用デバイス14が接続されている場合(ステップS105でYES)には、ステップS108に移行してフォーカス移動実行を行なう。
【0046】
一方、フォーカス制限判定部10は、自装置に通信用デバイス14が接続されていない場合(ステップS105でNO)には、後述のフォーカス制限判定処理を行なう(ステップS106)。
【0047】
フォーカス対象要素決定部8は、フォーカス制限判定部10がフォーカス候補要素をフォーカス制限要素と判定しなかった場合(ステップS107でNO)には、そのフォーカス候補要素をフォーカス対象要素として決定する。そして、フォーカス移動実行が行なわれる。すなわち、表示制御部11は、そのフォーカス対象要素が選択されたことを表わすようなフォーカス表示を行なう。実行制御部12は、ユーザからの入力をそのフォーカス対象要素に関連した入力として扱う(ステップS108)。
【0048】
一方、フォーカス対象要素決定部8は、フォーカス制限判定部10がフォーカス候補要素をフォーカス制限要素と判定した場合(ステップS107でYES)には、そのフォーカス候補要素をフォーカス対象要素として決定せず、フォーカス処理が制限される。また、ステップS111に移行して、フォーカス候補要素検索部7は、次のフォーカス候補要素を検索する。
【0049】
また、操作入力部6から下/上矢印キーが押下げされた場合に(ステップS110でYES)、フォーカス候補要素検索部7は、木構造データベースを参照して、次/前のフォーカス候補要素を検索する(ステップS111)。以下、この検索されたフォーカス候補要素についても、先頭のフォーカス候補要素についてと同様にして、ステップS104〜S108が実行される。
【0050】
(フォーカス制限要素の判定動作)
図3は、第1の実施形態に係るデータ放送受信装置のフォーカス制限要素の判定動作の手順を表わすフローチャートである。フローチャートの各ステップは、プログラムを図示しないメモリから読み出して実行する。このプログラムは、外部からインストールすることができる。
【0051】
図3を参照して、フォーカス制限判定部10は、フォーカス候補要素がa要素であって(ステップS201でYES)、href属性に通信コンテンツが指定されている場合に(ステップS202でYES)、フォーカス候補要素をフォーカス制限要素と判定する。
【0052】
また、フォーカス制限判定部10は、フォーカス候補要素がinput要素またはtextarea要素であって(ステップS203でYES)、その親要素がactionが指定されたform要素である場合に(ステップS204でYES)、フォーカス候補要素をフォーカス制限要素と判定する。
【0053】
(具体例1)
図4は、放送コンテンツ(BML文書)の第1の例を表わす図である。
【0054】
図5は、図4のBML文書から作成された木構造データベースを表わす図である。
【0055】
図4および図5を参照して、root要素としてhtml要素が配置される。html要素の下にhead要素とbody要素が配置される。body要素の下に2つのp要素
が配置される。左側(先頭側)のp要素(表示される文字が"天気予報")の下には、2つのa要素が配置される。左側(先頭側)のa要素は、href属性が放送コンテンツである"kakuchi.bml"であり、"1. 各地の天気"が表示される文字である。右側(末尾側)のa要素は、href属性が通信コンテンツである"http://server1.xx.co.jp/webtenki.bml"であり、"2. Web天気"が表示される文字である。
【0056】
一方、右側(末尾側)のp要素の下には、1つのa要素が配置される。このa要素は、href属性が放送コンテンツである"toppage.bml"であり、"戻る"が表示される文字である。
【0057】
図6は、図5の木構造データベースに基づいて、第1の実施形態のデータ放送受信装置において通信が不可能な場合に表示される画面の例を表わす図である。
【0058】
図6を参照して、まず、表示される文字が"1. 各地の天気"であるa要素が最初にフォーカス候補要素として検索される。このフォーカス候補要素は、href属性に通信コンテンツが指定されていないので、フォーカス制限要素と判定されない。その結果、このフォーカス候補要素は、フォーカス対象要素として決定され、このフォーカス対象要素にフォーカス処理が行なわれる。具体的には、図6に示すように、表示制御部11によってフォーカス表示が行なわれる。また、ユーザからの選択入力があったときに、実行制御部12によって、このフォーカス対象要素が選択されて、このフォーカス対象要素のhref属性で指定されるBML文書"kakuchi.bml"にジャンプする。
【0059】
次に、ユーザが下矢印キーを入力すると、表示される文字が"2. Web天気"であるa要素がフォーカス候補要素として検索される。このフォーカス候補要素は、href属性に通信コンテンツが指定されているので、フォーカス制限要素と判定される。その結果、このフォーカス候補要素は、フォーカス対象要素として決定されず、フォーカス処理が制限される。具体的には、フォーカス表示はこのフォーカス候補要素へ移動しない。また、ユーザからの入力があったときに、実行制御部12によって、このフォーカス対象要素が選択されない。
【0060】
その後、表示される文字が"戻る"であるa要素がフォーカス候補要素として検索される。このフォーカス候補要素は、href属性に通信コンテンツが指定されていないので、フォーカス制限要素と判定されない。その結果、このフォーカス候補要素は、フォーカス対象要素として決定され、このフォーカス対象要素にフォーカス処理が行なわれる。具体的には、表示制御部11によって"戻る"の文字のフォーカス表示が行なわれる。また、ユーザからの選択入力があったときに、実行制御部12によって、このフォーカス対象要素が選択されて、このフォーカス対象要素のhref属性で指定されるBML文書"toppage.bml"にジャンプする。
【0061】
(具体例2)
図7は、放送コンテンツ(BML文書)の第2の例を表わす図である。
【0062】
図8は、図7のBML文書から作成された木構造データベースを表わす図である。
【0063】
図7および図8を参照して、root要素としてhtml要素が配置される。html要素の下にhead要素とbody要素が配置される。body要素の下にはp要素と、form要素と、p要素とが配置される。
【0064】
左側(先頭側)のp要素は、表示される文字が"プレゼント応募"である。
【0065】
form要素は、action属性として"http://server1.xx.co.jp/present.cgi"が指定されている。
【0066】
form要素の下には、5つの要素が配置される。最も左側(先頭側)のp要素は、"希望商品名"が表示される文字である。2番目のinput要素は、type属性が"text"であり、"syohin"が入力変数名である。3番目のp要素は、"番組の感想"が表示される文字である。4番目のtextarea要素は、"kansou"が入力変数名である。5番目のinput要素は、type属性が"submit"であり、"送信"が表示される文字である。
【0067】
一方、右側(末尾側)のp要素の下には、1つのa要素が配置される。このa要素は、href属性が放送コンテンツである"toppage.bml"であり、"戻る"が表示される文字である。
【0068】
図9は、図8の木構造データベースに基づいて、第1の実施形態のデータ放送受信装置において通信が不可能な場合に表示される画面の例を表わす図である。
【0069】
図9を参照して、まず、入力変数名が"syohin"であるinput要素が最初にフォーカス候補要素として検索される。このフォーカス候補要素の親要素はaction属性が指定されたform要素であるので、フォーカス制限要素と判定される。その結果、このフォーカス候補要素は、フォーカス対象要素として決定されず、フォーカス処理が制限される。具体的には、フォーカス表示はこのフォーカス候補要素へ移動しない。また、ユーザからの入力があったときに、実行制御部12によって、このフォーカス対象要素が選択されない。
【0070】
次に、入力変数名が"kansou"であるinput要素がフォーカス候補要素として検索される。このフォーカス候補要素の親要素はaction属性が指定されたform要素であるので、フォーカス制限要素と判定される。その結果、このフォーカス候補要素は、フォーカス対象要素として決定されず、フォーカス処理が制限される。具体的には、フォーカス表示はこのフォーカス候補要素へ移動しない。また、ユーザからの入力があったときに、実行制御部12によって、このフォーカス対象要素が選択されない。
【0071】
次に、type属性が"submit"であり、"送信"が表示される文字であるinput要素がフォーカス候補要素として検索される。このフォーカス候補要素の親要素はaction属性が指定されたform要素であるので、フォーカス制限要素と判定される。その結果、このフォーカス候補要素は、フォーカス対象要素として決定されず、フォーカス処理が制限される。具体的には、フォーカス表示はこのフォーカス候補要素へ移動しない。また、ユーザからの入力があったときに、実行制御部12によって、このフォーカス対象要素が選択されない。
【0072】
次に、表示される文字が"戻る"であるa要素がフォーカス候補要素として検索される。このフォーカス候補要素は、href属性に通信コンテンツが指定されていないので、フォーカス制限要素と判定されない。その結果、このフォーカス候補要素は、フォーカス対象要素として決定され、このフォーカス対象要素にフォーカス処理が行なわれる。具体的には、表示制御部11によって"戻る"の文字のフォーカス表示が行なわれる。また、ユーザからの入力があったときに、実行制御部12によって、このフォーカス対象要素が選択されて、このフォーカス対象要素のhref属性で指定されるBML文書"toppage.bml"にジャンプする。
【0073】
(具体例3)
図10は、放送コンテンツ(BML文書)の第3の例を表わす図である。
【0074】
図11は、図10の木構造データベースに基づいて、第1の実施形態のデータ放送受信装置において通信が不可能な場合に表示される画面の例を表わす図である。
【0075】
図10および図11を参照して、type属性が"text"でありid属性が"inp1"であるinput要素は、その親要素がaction属性が指定されたform要素ではないので、フォーカス制限要素と判定されない。
【0076】
また、表示される文字が"メモ"のa要素はhref属性が指定されていない、すなわち、href属性に通信コンテンツが指定されていないので、フォーカス制限要素と判定されない。さらに、表示される文字が"戻る"のa要素もhref属性に放送コンテンツ"toppage.bml"が指定されているので、フォーカス制限要素と判定されない。
【0077】
以上のように、第1の実施形態に係るデータ放送受信装置によれば、取得した放送コンテンツの要素のうち、ユーザの入力を伴い、かつ通信動作に関わる要素へのフォーカスを制限するので、自装置が通信機能を利用できないときに、ユーザが無用な操作を行なうことを抑制することができる。
【0078】
[第2の実施形態]
(動作)
図12は、第2の実施形態に係るデータ放送受信装置の動作の手順を表わすフローチャートである。フローチャートの各ステップは、プログラムを図示しないメモリから読み出して実行する。このプログラムは、外部からインストールすることができる。
【0079】
図12を参照して、このフローチャートが、図2に示す第1の実施形態のフローチャートと相違する点は、ステップS107でYESのときには、ステップS111に戻るのではなく、ステップS301およびステップS302を実行する点である。
【0080】
ステップS301において、ステップS108と同様にフォーカス移動実行が行なわれる。
【0081】
次に、ステップS302において、表示制御部11は、フォーカス処理制限部15の指示を受けて、フォーカスが移動した要素がフォーカス制限要素である旨を表示する。
【0082】
(具体例1)
図13は、図5の木構造データベースに基づいて、第2の実施形態のデータ放送受信装置において通信が不可能な場合に表示される画面の例を表わす図である。
【0083】
図13を参照して、第1の実施形態と同様に、表示される文字が"2. Web天気"であるinput要素がフォーカス候補要素として検索されたときに、href属性に通信コンテンツが指定されているのでフォーカス制限要素と判定される。
【0084】
その結果、このフォーカス制限要素へのフォーカスの移動実行が通常通り行なわれる。具体的には、表示制御部11によって"2. Web天気"の文字のフォーカス表示が行なわれる。また、ユーザからの入力があったときに、実行制御部12によって、このフォーカス制限要素が選択されて、このフォーカス対象要素のhref属性で指定されるBML文書"http://server1.xx.co.jp/webtenki.bml"にジャンプする。
【0085】
ただし、表示制御部11は、この要素がフォーカス制限要素である旨を表示する。
【0086】
(具体例2)
図14は、図8の木構造データベースに基づいて、第2の実施形態のデータ放送受信装置において通信が不可能な場合に表示される画面の例を表わす図である。
【0087】
図14を参照して、第1の実施形態と同様に、入力変数名が"syohin"であるinput要素がフォーカス候補要素として検索されたときに、親要素のform要素にaction属性が指定されているので、フォーカス制限要素と判定される。
【0088】
その結果、このフォーカス制限要素へのフォーカスの移動実行が通常通り行なわれる。具体的には、表示制御部11によって入力変数名"syohin"の文字入力枠のフォーカス表示が行なわれる。また、ユーザからの入力があったときに、実行制御部12によって、このフォーカス制限要素が選択されて、ユーザから入力された文字によって木構造データベースの修正が制御される。
【0089】
ただし、表示制御部11は、この要素がフォーカス制限要素である旨を表示する。
【0090】
[第3の実施形態]
図15は、第3の実施形態に係るデータ放送受信装置のフォーカス制限要素の判定処理の手順を表わすフローチャートである。フローチャートの各ステップは、プログラムを図示しないメモリから読み出して実行する。このプログラムは、外部からインストールすることができる。
【0091】
図15を参照して、このフローチャートが、図3に示す第1の実施形態のフォーカス制限要素の判定処理の手順を表わすフローチャートと相違する点は、ステップS204がステップS404に置換されている点である。
【0092】
ステップS404において、フォーカス制限判定部10は、フォーカス候補要素がinput要素またはtextarea要素であって、その親要素がform要素であれば(YES)、そのform要素のaction属性の指定の有無を参照することなく、フォーカス候補要素をフォーカス制限要素と判定する。
【0093】
この実施形態は、親要素がform要素の場合に、必ずその子要素には、通信動作に関わる要素が記述されるという決まりを遵守してBML文書を作成している場合に、特に有効である。
【0094】
[第4の実施形態]
図16は、第4の実施形態に係るデータ放送受信装置の動作の手順を表わすフローチャートである。フローチャートの各ステップは、プログラムを図示しないメモリから読み出して実行する。このプログラムは、外部からインストールすることができる。
【0095】
図16を参照して、このフローチャートが、図2に示す第1の実施形態の動作手順を表わすフローチャートと相違する点は、ステップS105がステップS606に置換されている点である。
【0096】
ステップS606において、通信可否判断部9は、自装置が通信デバイスを備えていない場合に、通信不可能と判断する。通信デバイスを備えているか否かの判定は、通信デバイスの有無を記述した自装置内のROM(Read Only Memory)を参照するようにすればよい。
【0097】
[第5の実施形態]
図17は、第5の実施形態に係るデータ放送受信装置の動作の手順を表わすフローチャートである。フローチャートの各ステップは、プログラムを図示しないメモリから読み出して実行する。このプログラムは、外部からインストールすることができる。
【0098】
図17を参照して、このフローチャートが、図2に示す第1の実施形態の動作手順を表わすフローチャートと相違する点は、ステップS105がステップS605に置換されている点である。
【0099】
ステップS605において、通信可否判断部9は、自装置が通信許可されていない場合に、通信不可能と判断する。自装置が通信許可されていない場合とは、自装置に対してユーザが通信を禁止する設定を行なっていたり、自装置が通信圏外であったり、通信契約の解除などである。通信契約の解除などの判定は、契約内容を定めた自装置内のROM(Read Only Memory)を参照するようにすればよい。
【0100】
今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
【図面の簡単な説明】
【0101】
【図1】第1の実施形態に係るデータ放送受信装置の機能ブロック図である。
【図2】第1の実施形態に係るデータ放送受信装置の動作の手順を表わすフローチャートである。
【図3】、第1の実施形態に係るデータ放送受信装置のフォーカス制限要素の判定動作の手順を表わすフローチャートである。
【図4】放送コンテンツ(BML文書)の第1の例を表わす図である。
【図5】図4のBML文書から作成された木構造データベースを表わす図である。
【図6】図5の木構造データベースに基づいて、第1の実施形態のデータ放送受信装置に表示される画面の例を表わす図である。
【図7】放送コンテンツ(BML文書)の第2の例を表わす図である。
【図8】図7のBML文書から作成された木構造データベースを表わす図である。
【図9】図8の木構造データベースに基づいて、第1の実施形態のデータ放送受信装置において通信が不可能な場合に表示される画面の例を表わす図である。
【図10】放送コンテンツ(BML文書)の第3の例を表わす図である。
【図11】図10の木構造データベースに基づいて、第1の実施形態のデータ放送受信装置において通信が不可能な場合に表示される画面の例を表わす図である。
【図12】第2の実施形態に係るデータ放送受信装置の動作の手順を表わすフローチャートである。
【図13】図5の木構造データベースに基づいて、第2の実施形態のデータ放送受信装置において通信が不可能な場合に表示される画面の例を表わす図である。
【図14】図8の木構造データベースに基づいて、第2の実施形態のデータ放送受信装置において通信が不可能な場合に表示される画面の例を表わす図である。
【図15】第3の実施形態に係るデータ放送受信装置のフォーカス制限要素の判定処理の手順を表わすフローチャートである。
【図16】第4の実施形態に係るデータ放送受信装置の動作の手順を表わすフローチャートである。
【図17】第5の実施形態に係るデータ放送受信装置の動作の手順を表わすフローチャートである。
【符号の説明】
【0102】
1 データ放送受信装置、2 放送用デバイス、3 放送コンテンツ取得部、4 木構造データベース作成部、5 木構造データベース保存部、6 操作入力部、7 フォーカス候補要素検索部、8 フォーカス対象要素決定部、9 通信可否判断部、10 フォーカス制限判定部、11 表示制御部、12 実行制御部、13 通信コンテンツ取得部、14 通信用デバイス、15 フォーカス処理制限部。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
データ放送コンテンツを取得するコンテンツ取得部と、
自装置が通信機能を利用できる状態にあるかどうかを判断する通信可否判断部と、
自装置が通信機能を利用できない状態にあると判断された場合に、前記取得したデータ放送コンテンツ内の要素のうち、ユーザの入力を伴い、かつ通信動作に関わる要素をフォーカス制限要素と判定するフォーカス制限判定部と、
前記フォーカス制限要素へのフォーカス処理を制限するフォーカス処理制限部とを備えたデータ放送受信装置。
【請求項2】
前記データ放送コンテンツは、BML(Broadcast Markup Language)で記述されており、
前記フォーカス制限判定部は、href属性に通信コンテンツが指定されたa要素をフォーカス制限要素と判定する、請求項1記載のデータ放送受信装置。
【請求項3】
前記データ放送コンテンツは、BML(Broadcast Markup Language)で記述されており、
前記フォーカス制限判定部は、form要素の子要素であるinput要素またはtextarea要素をフォーカス制限要素と判定する、請求項1記載のデータ放送受信装置。
【請求項4】
前記データ放送コンテンツは、BML(Broadcast Markup Language)で記述されており、
前記フォーカス制限判定部は、action属性が指定されたform要素の子要素であるinput要素またはtextarea要素をフォーカス制限要素と判定する、請求項1記載のデータ放送受信装置。
【請求項5】
前記フォーカス処理制限部は、フォーカス制限要素へのフォーカスの移動を禁止する、請求項1〜4のいずれか1項に記載のデータ放送受信装置。
【請求項6】
前記フォーカス処理制限部は、フォーカス制限要素へフォーカスを移動させるとともに、フォーカス制限要素である旨を表示する、請求項1〜4のいずれか1項に記載のデータ放送受信装置。
【請求項7】
コンピュータを、
データ放送コンテンツを取得するコンテンツ取得部と、
自装置が通信機能を利用できる状態にあるかどうかを判断する通信可否判断部と、
自装置が通信機能を利用できない状態にあると判断された場合に、前記取得したデータ放送コンテンツ内の要素のうち、ユーザの入力を伴い、かつ通信動作に関わる要素をフォーカス制限要素と判定するフォーカス制限判定部と、
前記フォーカス制限要素へのフォーカス処理を制限するフォーカス処理制限部として機能させるためのデータ放送受信プログラム。
【請求項8】
前記データ放送コンテンツは、BML(Broadcast Markup Language)で記述されており、
前記フォーカス制限判定部は、href属性に通信コンテンツが指定されたa要素をフォーカス制限要素と判定する、請求項7記載のデータ放送受信プログラム。
【請求項9】
前記データ放送コンテンツは、BML(Broadcast Markup Language)で記述されており、
前記フォーカス制限判定部は、form要素の子要素であるinput要素またはtextarea要素をフォーカス制限要素と判定する、請求項7記載のデータ放送受信プログラム。
【請求項10】
前記データ放送コンテンツは、BML(Broadcast Markup Language)で記述されており、
前記フォーカス制限判定部は、action属性が指定されたform要素の子要素であるinput要素またはtextarea要素をフォーカス制限要素と判定する、請求項7記載のデータ放送受信プログラム。
【請求項11】
前記フォーカス処理制限部は、フォーカス制限要素へのフォーカスの移動を禁止する、請求項7〜10のいずれか1項に記載のデータ放送受信プログラム。
【請求項12】
前記フォーカス処理制限部は、フォーカス制限要素へフォーカスを移動させるとともに、フォーカス制限要素である旨を表示する、請求項7〜10のいずれか1項に記載のデータ放送受信プログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【公開番号】特開2006−238136(P2006−238136A)
【公開日】平成18年9月7日(2006.9.7)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−50794(P2005−50794)
【出願日】平成17年2月25日(2005.2.25)
【出願人】(000001889)三洋電機株式会社 (18,308)
【Fターム(参考)】