説明

データ検出装置及びデータ検出方法

【課題】非接触・非侵襲的に生体データを取得して健康状態を推定することを可能とするデータ検出装置及びデータ検出方法を提供する。
【解決手段】データ検出装置1に、生体の肛門とその周辺、生体の局部とその周辺又は生体の排泄物の少なくともいずれか一つを撮影する画像撮影部6と、前記画像撮影部による撮影画像の解析により生体の肛門、局部又は排泄物の性状に関する生体データを取得し、その生体データから生体の健康状態を推定するデータ解析部18とを設ける。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明はデータ検出装置及びデータ検出方法に関し、特に生体データを検出するデータ検出装置及びデータ検出方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、医療診断などの診断目的で、人体などの生体の生理的変化を反映した生体データを検出する装置が提案されている。
【0003】
また、生体データは被験者に肉体的・心理的負担をかけずに検出することが望ましいことから、被験者が日常的に使用するトイレにカメラを設置して生体データを検出するデータ検出装置が提案されている。このようなトイレで使用する装置においては、様々な画像取得手段及び画像解析手段が提案されている。
【0004】
例えば、特許文献1には、トイレ使用者の熱画像から人体尻部を抽出し、予め記憶された人体温度・形状ルールに従い、抽出画像から局部の位置を特定して洗浄手段による洗浄方向を決定する技術が記載されている。
【0005】
また、特許文献2には、便器の後方に伸長突出可能に設けられた小型カメラ用ノズルに小型カメラ及びライトを設け、局部を写真に撮ることにより健康状態を確認することができる便器が記載されている。
【0006】
また、特許文献3には、トイレに設置したカメラで排泄物を撮影して形状を識別すると共に、においセンサや色センサで排泄物のにおいや色を識別することにより、被験者の健康状態を判断する健康管理装置が記載されている。
【特許文献1】特許第3182914号公報
【特許文献2】実用新案登録第3109693号公報
【特許文献3】特許第3204400号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかし、特許文献1記載の発明は、熱画像の解析により洗浄手段の洗浄方向を決定するものであり、画像解析による被験者の健康状態の診断についての記載はなかった。また、熱画像以外の画像の取得手段及び解析手段の記載もない。
【0008】
また、特許文献2記載の発明は、被験者が自ら写真を視認することによって健康状態を推定するものであり、画像解析による生体データの取得についての記載はない。
【0009】
また、特許文献3記載の発明では、撮影画像より排泄物の形状を識別して被験者の健康状態を推定するが、排泄物の形状を計測して生体データとして取得するものではなかった。また、特許文献3には、排泄物の形状を識別する以外の具体的な画像の用途については何ら記載されていない。
【0010】
本発明は上述した点に鑑み、非接触・非侵襲的に生体データを取得して生体の健康状態を推定することを可能とするデータ検出装置及びデータ検出方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0011】
上記課題を解決するため請求項1記載の発明は、データ検出装置であって、生体の肛門とその周辺、生体の局部とその周辺又は生体の排泄物の少なくともいずれか一つを撮影する画像撮影部と、前記画像撮影部による撮影画像の解析により生体の肛門、局部又は排泄物の性状に関する生体データを取得し、その生体データから生体の健康状態を推定するデータ解析部と、を備えることを特徴とする。
【0012】
請求項1記載の発明によれば、画像撮影部により非接触・非侵襲的に生体の肛門、局部又は排泄物の性状に関する生体データを取得して、生体の健康状態を推定することが可能となる。
【0013】
請求項2記載の発明は、請求項1記載のデータ検出装置であって、前記生体の肛門、局部又は排泄物の性状とは生体の肛門、局部又は排泄物の色、形状、温度、光反射率又は光透過率の少なくともいずれか一つであることを特徴とする。
【0014】
請求項2記載の発明によれば、生体の肛門、局部又は排泄物の色、形状、温度、光反射率又は光透過率に関する生体データを取得することにより、生体の健康状態を正確に推定することが可能となる。
【0015】
請求項3記載の発明は、請求項1又は請求項2記載のデータ検出装置であって、前記画像撮影部はトイレの便器に設置され、生体の排泄行為前後における前記便器の水溜り部の画像を撮影し、前記データ解析部は前記画像撮影部による撮影画像から生体の排泄物の性状を解析することを特徴とする。
【0016】
請求項3記載の発明によれば、トイレの便器に設置した画像撮影部により、生体の部位ではなく、便器の水溜り部を撮影して生体データを検出することができる。これにより、被験者に肉体的・心理的負担をかけることなく生体データを検出することが可能となる。
【0017】
請求項4記載の発明は、請求項3記載のデータ検出装置であって、前記データ解析部は前記水溜り部の水面に対応する画像部分の濃度のうち反射濃度に対応する値が所定値以上であれば前記水溜り部に排泄された排泄物を大便と推定することを特徴とする。
【0018】
請求項4記載の発明によれば、便器の水溜り部の撮影画像から、生体データとして反射濃度を取得することにより、便器の水溜り部に排泄された排泄物の種類を識別することが可能となる。
【0019】
請求項5記載の発明は、請求項4記載のデータ検出装置であって、前記データ解析部は、前記水溜り部に排泄された排泄物が大便でないと推定した場合は前記排泄物を尿と推定し、小便の排泄前後における前記水溜り部の光反射率又は光透過率から光の波長に対応する小便内成分を抽出することを特徴とする。
【0020】
請求項5記載の発明によれば、便器の水溜り部に排泄された排泄物が小便であると識別した場合に、生体データとして光反射率又は光透過率を取得することにより、小便内成分を抽出して生体の健康状態を推定することが可能となる。
【0021】
請求項6記載の発明は、データ検出方法であって、生体の肛門とその周辺、生体の局部とその周辺又は生体の排泄物の少なくともいずれか一つを撮影する画像撮影工程と、前記画像撮影工程における撮影画像の解析により生体の肛門、局部又は排泄物の性状に関する生体データを取得し、その生体データから生体の健康状態を推定するデータ解析工程と、を有することを特徴とする。
【0022】
請求項6記載の発明によれば、画像撮影部により非接触・非侵襲的に生体の肛門、局部又は排泄物の性状に関する生体データを取得して、生体の健康状態を推定することが可能となる。
【0023】
請求項7記載の発明は、請求項6記載のデータ検出方法であって、前記生体の肛門、局部又は排泄物の性状とは生体の肛門、局部又は排泄物の色、形状、温度、光反射率又は光透過率の少なくともいずれか一つであることを特徴とする。
【0024】
請求項7記載の発明によれば、生体の肛門、局部又は排泄物の色、形状、温度、光反射率又は光透過率に関する生体データを取得することにより、生体の健康状態を正確に推定することが可能となる。
【0025】
請求項8記載の発明は、請求項6又は請求項7記載のデータ検出方法であって、トイレの便器に設置された画像撮影部を使用して生体の排泄行為前後における前記便器の水溜り部の画像を撮影し、前記画像撮影部による撮影画像から生体の排泄物の性状を解析することを特徴とする。
【0026】
請求項8記載の発明によれば、トイレの便器に設置した画像撮影部により、生体の部位ではなく、便器の水溜り部を撮影して生体データを検出することができる。これにより、被験者に肉体的・心理的負担をかけることなく生体データを検出することが可能となる。
【0027】
請求項9記載の発明は、請求項8記載のデータ検出方法であって、前記水溜り部の水面に対応する画像部分の濃度のうち反射濃度に対応する値が所定値以上であれば前記水溜り部に排泄された排泄物を大便と推定することを特徴とする。
【0028】
請求項9記載の発明によれば、便器の水溜り部の撮影画像から、生体データとして反射濃度を取得することにより、便器の水溜り部に排泄された排泄物の種類を識別することが可能となる。
【0029】
請求項10記載の発明は、請求項9記載のデータ検出方法であって、前記水溜り部に排泄された排泄物が大便でないと推定した場合は前記排泄物を尿と推定し、小便の排泄前後における前記水溜り部の光反射率又は光透過率から光の波長に対応する小便内成分を抽出することを特徴とする。
【0030】
請求項10記載の発明によれば、便器の水溜り部に排泄された排泄物が小便であると識別した場合に、生体データとして光反射率又は光透過率を取得することにより、小便内成分を抽出して生体の健康状態を推定することが可能となる。
【発明の効果】
【0031】
請求項1又は請求項6記載の発明によれば、非接触・非侵襲的に生体データを取得して、健康状態を推定することが可能となる。
【0032】
請求項2又は請求項7記載の発明によれば、生体の健康状態を正確に推定することが可能となる。
【0033】
請求項3又は請求項8記載の発明によれば、被験者に肉体的・心理的負担をかけることなく生体データを検出することが可能となる。
【0034】
請求項4又は請求項9記載の発明によれば、便器の水溜り部に排泄された排泄物の種類を識別することが可能となる。
【0035】
請求項5又は請求項10記載の発明によれば、小便内成分の抽出により生体の健康状態を推定することが可能となる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0036】
以下、本発明の実施形態について図面を参照して説明する。
【0037】
本発明のデータ検出装置1は、人体を被験者として、被験者の肛門とその周辺、局部とその周辺及び排泄物を熱画像及び画像として撮影し、この熱画像及び画像の解析によって被験者の健康状態を推定することを主目的とする装置である。
【0038】
図1に、データ検出装置1の構成の一部を示す。データ検出装置1は、トイレ室内に設置される。
【0039】
図1に示すように、トイレ室内に設けられたトイレ2の便器3における開口部後方の内壁には、被験者であるトイレ使用者の肛門及び局部を洗浄するための円筒状のシャワーノズル4が伸長突出可能に設けられている。
【0040】
また、図2に示すように、シャワーノズル4の先端部付近には、洗浄用の水を噴出するためのノズル孔5が形成されている。また、シャワーノズル4の先端部付近の側面には、画像撮影部6として4つのカメラが設けられている。なお、画像撮影部6としてのカメラの個数は4つに限られるものではなく、例えば、図3に示すように、シャワーノズル4の先端部に2つのカメラを設ける構成としてもよい。
【0041】
画像撮影部6は、被験者の肛門とその周辺、局部とその周辺及び排泄物を撮影するものであり、デジタル画像の取得が可能なCCDカメラ、デジタルスチルカメラ、CMOSカメラ、ビデオカメラ、携帯電話などに付属のカメラモジュールその他のカメラなどにより構成される。また、画像撮影部6はカラー撮影又はモノクロ撮影のいずれを行ってもよい。モノクロ撮影の場合は、画像撮影部6と可視照明光との切り替えにより色情報を取得する。また、画像撮影部6は被写体の一部を拡大して撮影するズーム機能を備えるカメラであることが望ましい。また、画像撮影部6としてのカメラには、近赤外領域(〜2000nm程度)に対する感度が必要である。また、本実施形態では画像撮影部6としてモノクロカメラを用いると共に、近赤外照明を用いて熱画像の撮影を行うようになっているが、熱画像を撮影するカメラ(サーモセンサ)を別途設けてもよい。
【0042】
また、図2に示すように、シャワーノズル4の先端部付近であって画像撮影部6の近傍には、4つの照明部7が備えられている。なお、照明部7の個数は4つに限られるものではない。
【0043】
照明部7は光源を備えており、画像撮影部6による撮影時に被験者の肛門とその周辺、局部とその周辺及び排泄物を照射するようになっている。光源としては、蛍光ランプ、白熱球、LEDランプ又はレーザーなどを用いることができる。特に、本実施形態のようにシャワーノズル4に照明部7を設ける場合は、光源として小型で高効率かつ種類が豊富なLEDランプを用いることが望ましい。
【0044】
また、光源の発光帯域は、紫外域、可視光域、近赤外〜赤外域のものを複数選択できるようにし、用途に応じて帯域を切り替えて使用できるようにする。光源としては使用者が感知しにくい可視光以外の光源を用いることが望ましいが、計測対象における反射光の波長帯域に応じて可視光域の光源も用いる。
【0045】
このように、照明部7は複数の色光の切り替えができるように構成されるので、細いシャワーノズル4では設置面積に限界が生じる。また、照明部7による照明範囲は被験者の肛門とその周辺、局部とその周辺及び排泄物と広範囲である。したがって、照明部7は光源からの光が多方向に広がって放射される構成とすることが望ましい。
【0046】
なお、図4及び図5に示すように、画像撮影部6の近傍に一つの照明部7を設ける構成としてもよい。また、画像撮影部6及び照明部7の位置は逆であってもよい。
【0047】
また、図6及び図7に示すように、画像撮影部6及び照明部7をトイレ2の便器3に直接取り付けてもよい。図6は、トイレ2が洋式トイレである場合の例である。図6の例では、便器3の水溜り部3aの両側及び便器3の縁(へり)3bを画像撮影部6及び照明部7の取り付け位置として示している。このうち水溜り部3aに取り付けられた画像撮影部6及び照明部7は、水溜り部3aに溜まった水の透過光を撮影するために使用される。
【0048】
また、図7は、トイレ2が和式トイレである場合の例である。図7の例では、便器3のうち水溜り部3aの両側、便器3の縁部3bの側面及び便器3の給水孔3cの上部を画像撮影部6及び照明部7の取り付け位置として示している。画像撮影は目立たないように行うことが望ましいため、画像撮影部6及び照明部7は、特に、給水孔3cの上部に設置することが好ましい。また、水溜り部3aに取り付けられた画像撮影部6及び照明部7は、水溜り部3aに溜まった水の透過光を撮影するために使用される。
【0049】
なお、トイレ2が洋式トイレのとき及び和式トイレのとき共に、便器3の各部に複数の画像撮影部6及び照明部7を取り付けることも可能である。
【0050】
また、画像撮影部6は、便器3やシャワーノズル4のアタッチメントとすることにより、交換しやすいように設計しておくことが望ましい。
【0051】
また、便器3のうち水溜り部3aに取り付ける画像撮影部6は、防水などの問題もあるので、独立したカメラにして、撮影データなどは無線で発信し、データ検出装置1本体で受信するとよい。
【0052】
また、画像撮影部6のカメラレンズのメンテナンス(洗浄など)は、シャワーノズル4から噴出される水によって行う。具体的には、シャワーノズル4のノズル孔5の位置及び方向を自動的に変更できるように構成しておき、トイレの使用後にノズル孔5の方向をシャワーノズル4の先端部に向けて水を噴出させることによって、カメラレンズを洗浄する。また、洗浄時は水・お湯ではなく、洗浄液を使ってもよい。また、便器3の縁3bに取り付けた画像撮影部6のカメラレンズの洗浄も、ノズル孔5をカメラレンズに向けて行う。
【0053】
また、便器3のうち水溜り部3aの両側に取り付けられた画像撮影部6のカメラレンズについては、排水時の水の流れによって洗浄する。また、便器3やレンズ清掃用の洗浄液を排水時に流してもよい。また、定期的にシャワーノズル4から水を噴出し又は排水時に消毒液を流すことによって、便器3や画像撮影部6を殺菌してもよい。
【0054】
便器3の水溜り部3aの底部に連通する排水孔3dの終端には、小便の排泄により排水孔3dから排水された水量を計測する流量測定部8としての流量計が設けられている。
【0055】
また、図1に示すように、便器3の後方には、便座9及び蓋10の一端がそれぞれ連結部材11によって取り付けられることにより、便座9及び蓋10が便器3の開口部に対して開閉自在となるように設置されている。また、連結部材11にはユーザインターフェイス部12としてのコントロールパネルが便器3の側方に位置するように連設されており、図示しない各種ボタンの押下により、トイレ2の貯水や排水、シャワーによる放水温度や放水量、シャワーの位置、便座の温度などを調整することが可能となっている。
【0056】
また、トイレ室の扉(出入口)周辺、便器3の周辺又は天井などのいずれかに、被験者がトイレ室に入室したことを検知する検知部13(図8参照)としてのセンサが設けられている。センサとしては、画像で検知する画像センサ、赤外線センサ、トイレ室の扉の取っ手又は鍵に反応するセンサなどを使用する。また、個室の場合、鍵の開閉を認識するセンサを用いると、誤動作を防ぎかつ今後排泄行為を行うことを確実に検知できるので、より好ましい。
【0057】
次に、データ検出装置1の制御構成について、図8を参照して説明する。
【0058】
図8に示すように、データ検出装置1には互いに通信可能なネットワークを介して外部装置14が接続されており、データ検出装置1における解析データを外部装置14に送信できるようになっている。
【0059】
なお、本実施形態におけるネットワークはデータ通信可能である通信網を意味するものであれば特に限定されず、例えばインターネット、LAN(Local Area Network)、WAN(Wide Area Network)、電話回線網、ISDN(Integrated Services Digital Network)回線網、CATV(Cable Television)回線、光通信回線などを含めることができる。また、有線のみならず無線によって通信可能な構成としてもよい。
【0060】
外部装置14はパーソナルコンピュータなどによって構成されており、何らかのコンサルティングや診断が受けられる場所に設置されていることが望ましい。また、外部装置14をコンサルティング情報が得られるインターネットサイトや、コンサルタントや医師、店員などの携帯端末として構成してもよい。また、外部装置14は、在宅健康管理システムのデータサーバとして構成してもよい。
【0061】
図1に示すように、データ検出装置1は制御部15を備えている。制御部15には外部通信部16、画像撮影部6、照明部7、流量測定部8、ユーザインターフェイス部12、検知部13、メモリ部17、データ処理・解析部18、パラメータ設定・管理部19、データ蓄積部20及び表示部21が電気的に接続されている。
【0062】
制御部15は、CPU及びRAMを備え、データ検出装置1の各構成部分を駆動制御するようになっている。本実施形態のデータ検出装置1は動画も扱うため、制御部15はできる限り高速動作・制御が可能なチップにより構成することが望ましい。
【0063】
外部通信部16は、有線又は無線の通信手段により外部装置14と情報通信ができるように構成されている。なお、本実施形態のデータ検出装置1は動画データを扱うため、できる限り高速伝送できる通信形態であることが望ましい。
【0064】
画像撮影部6は、被験者によるトイレ2の使用前から使用中、使用後にわたって、被験者の肛門とその周辺、被験者の局部とその周辺又は被験者の排泄物を含む便器3の水溜り部3aの少なくともいずれか一つを撮影するようになっている。
【0065】
具体的には、画像撮影部6は、被験者による排泄行為前に、便器3の内部の状態を被写体として撮影し、撮影画像をデータ処理・解析部18に転送するようになっている。
【0066】
また、画像撮影部6は、被験者による排泄行為中に、被験者の肛門とその周辺、局部とその周辺及び排泄物を含む便器3の水溜り部3aを被写体として、静止画及び動画で熱画像又は画像を撮影し、撮影画像をデータ処理・解析部18に転送するようになっている。
【0067】
この際、熱画像(サーモ画像)の撮影は、被験者の肛門とその周辺、局部とその周辺周辺及び排泄物を含む便器3の水溜り部3aについて行う。直腸内や膀胱内は体内の体温(深部体温)を反映しており正確に体温を測ることができる箇所とされているが、肛門及び局部周辺や大便、小便といった排泄物もそれに近い温度を保持していると思われる。そこで、画像撮影部6により被験者による排泄行為前から排泄行為中、排泄行為後にかけての肛門の熱画像又は排泄中の肛門付近や局部付近(排泄物を含む)の熱画像を撮影して、画像解析により肛門・局部位置の温度値を計測することを可能とするものである。
【0068】
また、画像撮影部6は、被験者の肛門とその周辺、局部とその周辺及び排泄物を含む便器3の水溜り部3aを動画として撮影し、所定時間におけるフレーム間変化が予め設定された閾値以下である場合に、排泄が終了したものと検知して撮影を終了する。
【0069】
また、画像撮影部6は、撮影した画像をデータ処理・解析部18に自動的に転送するようになっている。これにより、データ処理・解析部18においてリアルタイムでデータ処理を行うことが可能となっている。
【0070】
なお、画像撮影部6による排泄物の撮影は、被験者がトイレットペーパー又はシャワーを使用する前に行うことが望ましい。また、画像撮影をできる限り短時間で行うには、先に解析に必要な画像データやその他データを全て取得しておくことが望ましい。
【0071】
照明部7は、画像撮影部6による撮影時に被験者の肛門とその周辺、局部とその周辺及び排泄物を含む水溜り部3aを照射するようになっている。
【0072】
流量測定部8としての流量計は、排水孔3dの終端において小便の排泄によって排水孔3dから排水された水量を計測し、計測結果をデータ処理・解析部18に送信するようになっている。
【0073】
ユーザインターフェイス部12は、表示部21と一体としてタッチパネルとして構成されており、ユーザの指示入力を可能とすると共に、ユーザにデータ検出装置1の状況や要求を伝達することを可能としている。なお、キーボード、マウス、トラックボールなどによりユーザインターフェイス部12を構成することも可能である。
【0074】
検知部13は、データ検出装置1が設置されたトイレ室に被験者が入室したことを検知すると、検知結果を画像撮影部6に送信するようになっている。これにより、画像撮影部6により被験者による排泄行為前における便器3の内部における状態の撮影が開始される。
【0075】
メモリ部17は、RAM、ROM、DIMMなどから構成され、データ処理・解析部18などにおいて必要なデータをデータ蓄積部20などから転送して一時的に蓄えることにより、データ検出装置1を高速かつ安定に動作させるようになっている。また、本実施形態のメモリ部17は、動画処理をコマ落ちなくリアルタイムで実行できる程度の容量が必要である。
【0076】
データ処理・解析部18は、画像撮影部6による撮影画像から被験者の肛門、局部又は排泄物の性状を解析することにより、被験者の健康状態を推定するようになっている。ここで、被験者の肛門、局部又は排泄物の性状とは、生体の肛門、局部又は排泄物の色、形状、温度、光反射率又は光透過率の少なくともいずれか一つをいう。
【0077】
具体的には、まずデータ処理・解析部18は、画像撮影部6で撮影された被験者による排泄行為前における便器3の内部における状態の熱画像及び画像から、水溜り部3aの水面の画像、水の透明度や成分、溜まっている水量などを計量化しておく。また、この際にデータ検出装置1の全体が正常に動くかどうかのチェックを自動的に行ってもよい。
【0078】
また、データ処理・解析部18は、まず画像撮影部6で撮影された熱画像及び画像から被験者の肛門、局部及び排泄物を抽出する。
【0079】
この際、熱画像から被験者の肛門、局部及び排泄物を抽出する場合は、人体の体温は通常36〜37度前後と外気温や体表よりも高いため、撮影された熱画像の中で最も値が高い箇所(肛門・局部付近と推測される)を抽出してもよい。また、排泄物の画像から温度を取得する場合は、熱がすぐに放射されるため、排泄行為直後の画像を用いることが望ましい。例えば、肛門や局部から排出中の画像を用いる。この場合は、肛門や局部と共に排出直後の排泄物を撮影すればよい。また、熱画像で得られる温度値は実際の体温と異なることも予想されるため、熱画像で得られる値と実際の体温とを対応付けたテーブルをパラメータ設定・管理部19に格納しておき、このテーブルを用いて熱画像で得られる温度データを補正してもよい。
【0080】
また、熱画像から被験者の肛門、局部及び排泄物を抽出する場合は、そのテンプレート画像をデータ蓄積部20に格納しておき、テンプレートとマッチングを取ることで抽出してもよい。
【0081】
また、データ処理・解析部18は、排泄物の画像解析により、排泄物が大便か否かを判断するようになっている。例えば、便器3の水溜り部3aに排泄された排泄物の画像解析を行う際に、水溜り部3aの水面に対応する画像部分の濃度変化を追跡し又はヒストグラムを作成して、水面の反射濃度に対応する値(使用前のデータを参照又は閾値を予め設定しておく)が所定値以上であれば排泄物は大便と推定する。それ以外は、小便と推定する。
【0082】
また、データ処理・解析部18は、被験者による排泄行為中に撮影された熱動画像を解析して、熱流体の起点を排泄物が排泄される場所と推定することにより、排泄場所に対応する排泄内容を推定してもよい。
【0083】
また、データ処理・解析部18は、大便の画像について以下のように解析を行う。
【0084】
すなわち、データ処理・解析部18は、排泄物が大便であると判断した場合は、大便の画像解析により、便が排出されるときの便の形状や性状、色を計測するようになっている。また、その際、肛門の状態を定量化するようになっている。これにより、出血や炎症、痔などの疾病の存在を確認することが可能となる。
【0085】
大便の形状・性状の計測としては、例えば、動画像における排泄時の同点追跡により、大便の排出速度や長さ・大きさを計測し、そのデータから便の固さを推定する。そして、予め作成した大便の排出速度、固さ又は大きさと大便のスケールとの対応テーブルを用いて、便の形状・性状を抽出するようになっている。
【0086】
大便のスケールとしては、例えば、大便を木の実のようなコロコロした硬い塊の便(兎糞便)、短いソーセージのような塊の便(塊便)、表面にひび割れのあるソーセージのような便、表面がなめらかで柔らかいソーセージ、あるいは蛇のようなとぐろを巻く便(普通便)、はっきりとした境界のある柔らかい半分固形の便(軟便)、境界がほぐれてふわふわと柔らかいお粥のような便(泥状便)又は塊のない水のような便(水様便)に分類するブリストル便性状スケールなどがある。
【0087】
また、大便の色の計測としては、XYZなど等色関数を線形近似可能な3種以上の照明光で撮影された画像データから、XYZ、L*a*b*、L*u*v*などの排泄物の色彩データを抽出する。
【0088】
また、大便の色の計測において、ヘモグロビンの存在を抽出するのに効果的な赤〜近赤外域の照明光(例えば、660nm、805nm、880nmを中心帯域とする狭帯域光)の反射画像について演算を行うことにより、血液又は出血像を抽出することができる。また、550nm及び650nmを中心とする狭帯域の照明で撮影された画像を用いてもよい。ただし、この帯域は人に感知しやすい帯域のため、805nm、880nmの方がより好ましい。
【0089】
また、データ処理・解析部18は、大便の形状・性状データと健康状態とを対応付けたテーブルを用いることにより、大便の形状・性状から被験者の健康状態を推定する。大便の形状・性状データの分析には、クラスタリングや回帰分析などの手法を使用する。例えば、大便の色が黄土色〜茶色である場合は平常、大便の色が黒色(特にタール状)である場合は上部消化管(胃〜十二指腸)での出血、大便の色が暗赤色である場合は下部消化管での出血及び大腸疾患、大便の色が鮮赤色である場合は肛門付近での出血及び直腸ポリープ、大便の色が白色である場合は胆道閉塞、感染症及びバリウム飲後などの健康状態を推定することが可能である。
【0090】
また、データ処理・解析部18は、小便の画像について以下のように解析を行う。
【0091】
すなわち、データ処理・解析部18は、排泄物が小便であると判断した場合は、画像撮影部6から、便器3の水溜り部3aに溜まっている小便液に1種以上の照明光を照射し、その反射光または透過光を受光して得られた画像(透過光の場合は、水溜り部3aに設置された画像撮影部6により撮影画像)及び反射光・透過光データを得て、それらのデータを処理することにより小便内成分を計測するようになっている。
【0092】
すなわち、画像撮影部6及び照明部7の距離と、小便の排泄前後の反射光又は透過光強度(又は濃度)の差分量とを用いて、分析化学における分光吸光度測定法などを元にして、照明光の波長に対応する小便内成分を抽出することが可能である。また、画像解析により得られた計測値と、実際の診断で用いられる指標値とを対応付けたテーブルを予め作成して、計測値に対応する指標値を導出するようにしてもよい。
【0093】
この際、水溜り部3aに溜まっている水量、排泄された小便量及び排泄前の水の反射度又は透過度が高精度に把握されていることが望ましい。そこで、便器3の排水孔3dの終端に設置した流量測定部8(流量計など)により、小便の排泄によって排水された水量を計測することで小便の排泄量を計測しておく。また、水溜り部3aに溜められる水量は、便器3の内部形状や水流制御などの仕様により予め計算することができる。
【0094】
また、照明部7により1452nm、1948nmなどの狭帯域光その他分析化学において公知とされる波長帯域の光を照明して得られた画像を解析することにより、尿糖(グルコース)の分析を行うことが可能である。
【0095】
また、照明部7によりヘモグロビンの存在を抽出するのに効果的な赤〜近赤外域の照明光(例えば、660nm、805nm、880nmを中心帯域とする狭帯域光)その他分析化学において公知とされる波長帯域の光を照明して得られた画像を解析することにより、血尿(ヘモグロビン)の分析を行うことが可能である。
【0096】
また、データ処理・解析部18は、画像解析により推定された量や性状などのデータを、被験者の生体情報や体調情報が管理されている外部装置14に自動的に転送するようになっている。これらのデータは外部装置14において管理される。なお、被験者個人の認証方法については、公知の手法を用いることができる。
【0097】
パラメータ設定・管理部19は、データ処理・解析部18が画像解析を行うための各種テーブルを予め記憶しておくようになっている。例えば、熱画像で得られる値と実際の体温とのテーブル、大便の排出速度、固さ又は大きさと大便のスケールとのテーブル及び大便の形状・性状データと健康状態とのテーブルなどを記憶しておく。
【0098】
また、パラメータ設定・管理部19は、データ処理・解析部18が動画の各フレーム間において被験者位置のマッチングを行うための、各検出部位のパターン及び位置情報を記憶するようになっている。
【0099】
データ蓄積部20は、HDDなどにより構成され、外部から入力された熱画像データ、データ検出装置1による画像処理が行われた熱画像データ又は画像処理途中のテンポラリデータなどを管理して保持するようになっている。
【0100】
表示部21は、CRT、液晶、有機EL、プラズマ又は投影方式などのディスプレイとして構成されており、データ処理・解析部18で画像処理中の熱画像データ又はデータ蓄積部20で保持された熱画像データなどを表示するほか、データ検出装置1の各構成部分の状態に関する情報や、外部装置14から与えられた情報などを表示するようになっている。
【0101】
次に、上述のデータ検出装置1を使用した本発明のデータ検出方法について、図9のフローチャートを参照して説明する。
【0102】
被験者がトイレ室に入室すると、被験者の入室を検知した検知部13は、検知結果を画像撮影部6に送信する(ステップS1)。
【0103】
次に、画像撮影部6は、被験者による排泄行為前に、便器3の内部の状態を被写体として撮影し、撮影画像をデータ処理・解析部18に転送する(ステップS2)。
【0104】
続いて、画像撮影部6は、被験者による排泄行為中に、被験者の肛門とその周辺、局部とその周辺及び排泄物を含む便器3の水溜り部3aを静止画及び動画で撮影し、撮影した熱画像又は画像をデータ処理・解析部18に転送する(ステップS3)。
【0105】
続いて、画像撮影部6は、動画の所定時間におけるフレーム間変化が予め設定された閾値以下となると、排泄が終了したものと検知して撮影を終了する(ステップS4)。
次に、画像撮影部6で撮影された熱画像及び画像から被験者の肛門、局部及び排泄物を抽出して、排泄内容などの解析を行う(ステップS5)。
【0106】
具体的には、データ処理・解析部18は、排泄物の画像解析により、排泄物が大便か否かを判断する(ステップS6)。例えば、便器3の水溜り部3aに排泄された排泄物の画像解析を行う際に、水溜り部3aの水面に対応する画像部分の濃度変化を追跡し又はヒストグラムを作成して、水面の反射濃度に対応する値が所定値以上であれば、排泄物は大便と推定し、それ以外は小便と推定する。
【0107】
続いて、排泄物が大便であると判断した場合は、画像解析により、大便の形状や性状、色を計測する(ステップS7)。また、その際、肛門の状態を定量化する。これにより、出血や炎症、痔などの疾病の存在を確認することが可能となる。
【0108】
一方、排泄物が小便であると判断した場合は、画像撮影部6から、便器3の水溜り部3aに溜まっている小便液に1種以上の照明光を照射し、その反射光または透過光を受光して得られた画像及び反射光・透過光データを得て(ステップS8)、それらのデータを処理することにより小便内成分を計測する(ステップS9)。
【0109】
また、データ処理・解析部18は、画像解析により推定された量や性状などのデータを、被験者の生体情報や体調情報が管理されている外部装置14に自動的に転送する(ステップS10)。
【0110】
以上のように本実施形態に係るデータ検出装置1及びデータ検出方法によれば、画像撮影部6により非接触・非侵襲的に生体の肛門、局部又は排泄物の性状に関する生体データを取得して、生体の健康状態を推定することが可能となる。
【0111】
また、生体の肛門、局部又は排泄物の色、形状、温度、光反射率又は光透過率に関する生体データを取得することにより、生体の健康状態を正確に推定することが可能となる。
【0112】
また、トイレ2の便器3に設置した画像撮影部6により、生体の部位ではなく、便器3の水溜り部3aを撮影して生体データを検出することができる。これにより、被験者に肉体的・心理的負担をかけることなく生体データを検出することが可能となる。
【0113】
また、便器3の水溜り部3aの撮影画像から、生体データとして反射濃度を取得することにより、便器3の水溜り部3aに排泄された排泄物の種類を識別することが可能となる。
【0114】
また、便器3の水溜り部3aに排泄された排泄物が小便であると識別した場合に、生体データとして光反射率又は光透過率を取得することにより、小便内成分を抽出して生体の健康状態を推定することが可能となる。
【0115】
なお、本実施形態では排泄物の計測を自動的に行う場合について説明したが、ユーザインターフェイス部12において、計測を行うか否かの選択を手動により切り替えることができる構成としてもよい。また、同様に、計測により得た生体データを外部装置14に転送するか否かの選択を手動により切り替えることができる構成としてもよい。
【0116】
また、データ処理・解析部18による解析結果をユーザインターフェイス部12により被験者に表示し又は音声で伝えてもよい。特に、生体データや体調データに異常が検出された場合はその必要性が高いので、表示機能や音声伝達機能は重要性の高いオプションとして用意されるとよい。
【0117】
また、本実施形態では、排泄物が大便と小便である場合について説明したが、その他排泄物(嘔吐物など)について本発明を適用することも可能である。
【0118】
また、本実施形態では、トイレ2の便器3を大便器としたが、便器3が小便器である場合にも、小便器の排水部に尿を貯める部位を設け、その壁面に画像撮影部6及び照明部7(又は受光部)を設けることで、本発明の小便画像解析を実施することができる。
【0119】
また、本発明により取得した生体データを用いて被験者の状態を診断する場合に、抽出された性別や年齢コードを用いて、性、年齢による許容範囲の差などを考慮してもよい。
【0120】
また、本発明により取得した生体データに基づいて、トイレ2の便器3に付帯している便座3やシャワーノズル4から噴出される水の温度を調整するようにしてもよい。例えば、肛門が出血していたり、肛門の形状が通常と異なる状況であれば、シャワーの水圧を下げる、水温を高めに設定する、水を当てる位置を出血している位置からずらすなどの調整を行うようにしてもよい。
【0121】
また、本実施形態では、トイレ室への被験者の入室を検知した後にトイレ2の便器3の使用前状況を取得するが、被験者の入室前の空き時間に取得するようにしてもよい。また、取得された数回分のデータを平均化して、使用前状況のデータとしてもよい。また、便器3の使用前状況の項目を高精度に計測するために、計測用センサを用いてもよい。
【0122】
以上詳細に説明したように、本発明のデータ検出装置及びデータ検出方法によれば、非接触・非侵襲的に生体の肛門、局部又は排泄物の性状に関する生体データを取得して生体の健康状態を推定することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0123】
【図1】本実施形態に係るトイレの構造を示す斜視図である。
【図2】本実施形態に係るノズルの構成を示す斜視図である。
【図3】本実施形態に係るノズルの他の構成を示す斜視図である。
【図4】本実施形態に係るノズルの他の構成を示す斜視図である。
【図5】本実施形態に係るノズルの他の構成を示す斜視図である。
【図6】本実施形態に係る画像撮影部及び照明部の設置箇所を示す斜視図である。
【図7】本実施形態に係る画像撮影部及び照明部の設置箇所を示す斜視図である。
【図8】本実施形態に係るデータ検出装置の制御構成を示すブロック図である。
【図9】本実施形態に係るデータ検出方法を示すフローチャートである。
【符号の説明】
【0124】
1 データ検出装置
2 トイレ
3 便器
3a 水溜り部
3b 縁部
3c 給水孔
3d 排水孔
4 シャワーノズル
5 ノズル孔
6 画像撮影部
7 照明部
8 流量測定部
9 便座
10 蓋
11 連結部材
12 ユーザインターフェイス部
13 検知部
14 外部装置
15 制御部
16 外部通信部
17 メモリ部
18 データ処理・解析部
19 パラメータ設定・管理部
20 データ蓄積部
21 表示部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
生体の肛門とその周辺、生体の局部とその周辺又は生体の排泄物の少なくともいずれか一つを撮影する画像撮影部と、
前記画像撮影部による撮影画像の解析により生体の肛門、局部又は排泄物の性状に関する生体データを取得し、その生体データから生体の健康状態を推定するデータ解析部と、
を備えることを特徴とするデータ検出装置。
【請求項2】
前記生体の肛門、局部又は排泄物の性状とは生体の肛門、局部又は排泄物の色、形状、温度、光反射率又は光透過率の少なくともいずれか一つであることを特徴とする請求項1記載のデータ検出装置。
【請求項3】
前記画像撮影部はトイレの便器に設置され、生体の排泄行為前後における前記便器の水溜り部の画像を撮影し、
前記データ解析部は前記画像撮影部による撮影画像から生体の排泄物の性状を解析することを特徴とする請求項1又は請求項2記載のデータ検出装置。
【請求項4】
前記データ解析部は前記水溜り部の水面に対応する画像部分の濃度のうち反射濃度に対応する値が所定値以上であれば前記水溜り部に排泄された排泄物を大便と推定することを特徴とする請求項3記載のデータ検出装置。
【請求項5】
前記データ解析部は、前記水溜り部に排泄された排泄物が大便でないと推定した場合は前記排泄物を尿と推定し、小便の排泄前後における前記水溜り部の光反射率又は光透過率から光の波長に対応する小便内成分を抽出することを特徴とする請求項4記載のデータ検出装置。
【請求項6】
生体の肛門とその周辺、生体の局部とその周辺又は生体の排泄物の少なくともいずれか一つを撮影する画像撮影工程と、
前記画像撮影工程における撮影画像の解析により生体の肛門、局部又は排泄物の性状に関する生体データを取得し、その生体データから生体の健康状態を推定するデータ解析工程と、
を有することを特徴とするデータ検出方法。
【請求項7】
前記生体の肛門、局部又は排泄物の性状とは生体の肛門、局部又は排泄物の色、形状、温度、光反射率又は光透過率の少なくともいずれか一つであることを特徴とする請求項6記載のデータ検出方法。
【請求項8】
トイレの便器に設置された画像撮影部を使用して生体の排泄行為前後における前記便器の水溜り部の画像を撮影し、
前記画像撮影部による撮影画像から生体の排泄物の性状を解析することを特徴とする請求項6又は請求項7記載のデータ検出方法。
【請求項9】
前記水溜り部の水面に対応する画像部分の濃度のうち反射濃度に対応する値が所定値以上であれば前記水溜り部に排泄された排泄物を大便と推定することを特徴とする請求項8記載のデータ検出方法。
【請求項10】
前記水溜り部に排泄された排泄物が大便でないと推定した場合は前記排泄物を尿と推定し、小便の排泄前後における前記水溜り部の光反射率又は光透過率から光の波長に対応する小便内成分を抽出することを特徴とする請求項9記載のデータ検出方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2007−252805(P2007−252805A)
【公開日】平成19年10月4日(2007.10.4)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−83855(P2006−83855)
【出願日】平成18年3月24日(2006.3.24)
【出願人】(000001270)コニカミノルタホールディングス株式会社 (4,463)
【Fターム(参考)】