データ管理装置
【課題】既存の生産装置に改造や変更を加えず、生産装置の管理を行うことができるようにする。
【解決手段】半導体生産装置1に対して、データ管理装置本体部20と、分岐部21とを設ける。分岐部21は、ケーブル16中に挿設され、CPUボード13のシリアルインターフェース14からの送信データTDのポートからのデータを2分岐し、一方は表示端末12のシリアルインターフェース15の受信データRDのポートに出力し、他方はデータ管理装置本体部20のシリアルインターフェース22の受信データRDのポートに出力する。表示端末12は受信した表示情報に基づいて情報の表示を行う。データ管理装置本体部20は、受信した表示情報を用いて生産装置本体部11を管理するための管理データベース30を構築する。
【解決手段】半導体生産装置1に対して、データ管理装置本体部20と、分岐部21とを設ける。分岐部21は、ケーブル16中に挿設され、CPUボード13のシリアルインターフェース14からの送信データTDのポートからのデータを2分岐し、一方は表示端末12のシリアルインターフェース15の受信データRDのポートに出力し、他方はデータ管理装置本体部20のシリアルインターフェース22の受信データRDのポートに出力する。表示端末12は受信した表示情報に基づいて情報の表示を行う。データ管理装置本体部20は、受信した表示情報を用いて生産装置本体部11を管理するための管理データベース30を構築する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、各種の生産装置の管理を行うためのデータ管理装置に関し、特に、既存の生産設備をそのまま使って管理を行うものに関するものである。
【背景技術】
【0002】
生産設備にネットワーク機能が備えられていると、生産設備の動作状態を外部に接続された外部機器で行え、例えば生産数量を外部機器で表示させたり、また、エラーの発生を外部機器に知らせたりすることができる。また、動作状態を示す各種のデータを保存しておけば、動作状態の傾向を把握したり、エラーの発生の原因を調べたりする等ができ、設備の管理や運営に利用できる。
近年の生産設備の多くは、このようなネットワーク機能を備えたものが多い。しかしながら、生産設備の中には長く使用され続けているものがあり、これらの設備は、ネットワーク機能を備えていないものが殆どである。
【0003】
製造年代が異なる生産システムで、共通の情報を収集できるようにしたものとしては、例えば、特許文献1に、所定の発光色で信号灯を発光させ、この信号灯の発光状態から、稼働率や故障率等を管理するようにしたものが記載されている。
また、特許文献2には、通信手段を複数のマスフローコントローラに分岐して接続することで、多数のマスフローコントローラに対して、動作状態を示す情報の収集、表示、分析を独自のタイミングで行えるようにしたものが記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2002−268720号公報
【特許文献2】特開2003−216227号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
上述のように、ネットワーク機能を有していない既存の生産設備に改良を加えたり、ボードを付加したりして、ネットワーク機能を実現することが考えられるが、このようにすると、生産設備の動作環境に変化が生じ、動作が安定しなくなることが危惧される。また、特許文献1に示されるものでは、信号灯の発光状態から生産管理を行うものであるため、信号灯の発光では表現できない情報については収集することができず、管理できる項目が稼働率や故障率等に限定される問題がある。
【0006】
更に、特許文献2に示されるものでは、データ監視装置から所望のマスフローコントローラに情報送信要求の文字列を送信し、マスフローコントローラは受け取った文字列に対応する動作情報をデータ監視装置に返信している。また、情報送信要求の文字列の送信し、受け取った文字列に対応する動作情報を返信するという通信処理を行っている。このため、ネットワーク機能を有していない既存の生産設備でこのような通信処理を実行するためには、生産設備に改良や変更が必要になる問題がある。
【0007】
本発明は、既存の生産装置に改造や変更を加えず、生産装置の管理を行うことができるデータ管理装置を提供することを課題としている。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明のデータ管理装置は、生産装置本体と表示端末との間を所定の規格のシリアルインターフェースを介して接続するようにした生産装置のデータ管理に用いるデータ管理装置であって、生産装置本体からのデータの管理を行う管理装置本体と、生産装置本体のシリアルインターフェースと、表示端末及び管理装置本体のシリアルインターフェースとの間に介装され、生産装置本体の送信ポートからのシリアルデータを入力して2分岐し、一方を表示端末のシリアルインターフェースの受信ポートに出力し、他方を管理装置本体のシリアルインターフェースの受信ポートに出力する分岐手段とを備え、生産装置本体は、生産装置本体の表示情報をシリアルインターフェースの送信ポートから出力し、分岐手段を介して、表示端末の受信ポートに出力すると共に、管理装置本体の受信ポートに出力し、表示端末は、分岐手段を介して受信した生産装置本体の表示情報に基づいて、生産装置本体の情報を表示し、管理装置本体は、分岐手段を介して受信した表示情報を取り込んで、生産装置本体の情報を管理することを特徴とする。
【0009】
この構成によれば、生産装置本体のシリアルインターフェースと、表示端末及び管理装置本体のシリアルインターフェースとの間に介装され、生産装置本体の送信ポートからのシリアルデータを入力して2分岐し、一方を表示端末のシリアルインターフェースの受信ポートに出力し、他方を管理装置本体のシリアルインターフェースの受信ポートに出力する分岐手段を備えているので、生産装置に改造や変更を加えたり、新たなボードを追加したりすることなく、既存の生産装置のデータ管理を行うことができる。
【0010】
この場合、所定の規格のシリアルインターフェースは、RS232C規格のシリアルインターフェースであることが好ましい。
【0011】
この構成によれば、装置に改造や変更を加えたり、新たなボードを追加したりすることなく、既存の生産装置でも、汎用のRS232C規格のシリアルインターフェースで表示信号を伝送するものであれば、データ管理を行うことができる。
【0012】
また、管理装置本体は、分岐手段を介して受信した表示情報を取り込んで、データベース化することが好ましい。
【0013】
この構成によれば、受信した表示情報を取り込んで、データベース化することで、各種の情報を整理して保存し、生産装置のデータ管理を行うことができる。
【0014】
さらに、表示情報は、表示エリアを指定する識別情報を含み、管理装置本体は、受信した表示情報から識別情報に基づいて表示エリアを判定し、判定された表示エリア毎に項目を設定して、データ管理を行うことが好ましい。
【0015】
この構成によれば、識別情報に基づいて表示エリアを判定し、判定された表示エリア毎に項目を設定することで、各種の情報を項目毎に整理保存して、生産装置のデータ管理を行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【図1】実施形態に係るデータ管理装置を使って管理できる半導体生産装置の一例を示すブロック図である。
【図2】各装置間の接続の詳細を示すブロック図である。
【図3】表示端末に表示される情報の一例の説明図である。
【図4】RS232Cのデータ通信の説明図である。
【図5】エリア識別情報の説明図である。
【図6】実施形態に係るデータ管理装置を用いて、半導体生産装置部のデータ管理を行う場合の構成を示すブロック図である。
【図7】実施形態に係るデータ管理装置におけるデータ管理装置本体の構成の一例のブロック図である。
【図8】実施形態に係るデータ管理装置における各装置間の接続の詳細を示すブロック図である。
【図9】実施形態に係るデータ管理装置における管理データベースの一例の説明図である。
【図10】実施形態に係るデータ管理装置における通信プログラムの動作説明に用いるフローチャートである。
【図11】実施形態に係るデータ管理装置におけるデータベース作成プログラムの動作説明に用いるフローチャートである。
【図12】実施形態に係るデータ管理装置の説明に用いるグラフである。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下、本発明の実施の形態について図面を参照しながら説明する。図1は、本発明の実施形態に係るデータ管理装置を使って管理できる半導体生産装置の一例を示すものである。
【0018】
図1において、半導体生産装置1は、生産装置本体部11と、表示端末12とからなる。生産装置本体部11は、例えば、ウェハー上にレジストを塗布し、レチクルのパターンを投影レンズによりに投射し、ウェハー上をステップしながら露光して、ウェハーに回路を焼き付けるような処理を行う。このような処理を行う装置は、ステッパ装置と呼ばれている。生産装置本体部11は、CPU(Central Processing Unit)ボード13を有している。CPUボード13は、表示出力のためのシリアルインターフェース14を有している。シリアルインターフェース14は、例えば、RS232Cシリアルインターフェース(D−Sub9ピン)である。
【0019】
表示端末12は、半導体生産装置1に関する各種の情報を表示するものであり、表示端末12は、表示入力のためのシリアルインターフェース15を有している。シリアルインターフェース15は、例えば、RS232Cシリアルインターフェース(D−Sub9ピン)である。また、生産装置本体部11のCPUボード13のシリアルインターフェース14と、表示端末12のシリアルインターフェース15とは、ケーブル16を介して接続される。ケーブル16は、例えば、RS232Cのケーブルが用いられている。
【0020】
表示端末12に情報を表示する場合、生産装置本体部11のCPUボード13は、シリアルインターフェース14から表示情報を出力する。この表示情報は、CPUボード13のシリアルインターフェース14から、ケーブル16を介して、表示端末12のシリアルインターフェース15に入力される。表示端末12は、表示情報を受信すると、この表示情報に基づいて、各種情報をディスプレイに表示する。
【0021】
図2は、生産装置本体部11のCPUボード13のシリアルインターフェース14と、表示端末12のシリアルインターフェース15との接続の詳細を示すものである。
【0022】
図2に示すように、RS232Cシリアルインターフェースは、フレームグランドFGと、送信データTDと、受信データRDと、送信要求RTSと、送信許可CTSと、シグナルグランドGNDの各ピンのポートと、を有している。生産装置本体部11のCPUボード13のシリアルインターフェース14の各ポートと、表示端末12のシリアルインターフェース15の各ポートとの間は、ケーブル16を介して互いに対応する信号が送受されるように接続されている。なお、送受されるデータのポートについては、CPUボード13のシリアルインターフェース14からの送信データTDが表示端末12のシリアルインターフェース15への受信データRDとなり、表示端末12のシリアルインターフェース15の送信データTDがCPUボード13のシリアルインターフェース14への受信データRDとなるように、クロスで接続されている。
【0023】
図3は、表示端末12に表示される情報の一例である。図3に示すように、表示端末12は、エリアA1と、エリアA2と、エリアA3との3つのエリアに分割されている。エリアA1には、装置温度、装置湿度、レーザー情報、圧力情報、ランプ情報、シャッター情報等の環境情報が表示される。エリアA2には、レチクルのショット位置情報が表示される。エリアA3には、ウェハーの位置情報が表示される。
【0024】
このように、半導体生産装置1では、生産装置本体部11のCPUボード13と表示端末12とが例えばRS232Cのシリアルインターフェースを介して接続され、生産装置本体部11のCPUボード13から表示端末12に表示情報が送信される。このような表示情報により図3に示すような各種の情報が表示端末12に表示される。なお、ここでは、半導体生産装置1は、単体で使用することが想定されており、LAN(Local Area Network)等によるネットワークインターフェースは有していないものとする。
【0025】
RS232Cは、調歩同期式のシリアルインターフェースである。RS232Cでは、図4に示すように、スタートビットと、ストップビットの間に、8ビットのデータビットが設けられる。RS232Cでは、このデータビットの部分にASCIIコードやシフトJIS等のキャラクタコードにより表示情報を転送できる。また、図3に示したように、表示端末12は、エリアA1と、エリアA2と、エリアA3との3つのエリアに分割されており、各エリア毎に、情報が表示される。このような各エリアA1〜A3を識別するために、CPUボード13のシリアルインターフェース14から出力される表示情報には、エリア識別情報が含まれている。
【0026】
すなわち、図5に示すように、生産装置本体部11のCPUボード13から出力される表示情報中には、エリア識別情報CTL1、CTL2、CTL3が含まれている。例えば、エリア識別情報CTL1はエリアA1の情報であることを示し、エリア識別情報CTL2はエリアA2の情報であることを示し、エリア識別情報CTL3はエリアA3の情報であることを示している。このエリア識別情報CTL1、CTL2、CTL3に続いて、そのエリアの表示情報がキャラクタコードで送信される。
【0027】
本発明の第1の実施形態に係るデータ管理装置は、このような半導体生産装置1のデータ管理を行うために用いられる。
図6は、本発明の第1の実施形態に係るデータ管理装置を用いて、半導体生産装置1のデータ管理を行う場合の構成を示すものである。同図に示すように、本発明の第1の実施形態に係るデータ管理装置では、半導体生産装置1に対して、データ管理装置本体部20と、分岐部21とが設けられる。データ管理装置本体部20は、例えばパーソナルコンピュータにより実現することができる。
【0028】
図7はデータ管理装置本体部20の構成の一例である。図7において、制御部23はCPUからなり、バス24に接続される。また、制御部23は、通信プログラム31とデータベース作成プログラム32とを実行することができる。
バス24に、ROM(Read
Only Memory)25、RAM(Random Access Memory)26が接続される。ROM25には、ブートプログラムが記憶されている。RAM26は、メインメモリとして用いられる。また、バス24には、記憶部27が接続される。記憶部27としては、HDD(Hard Disk Drive)やフラッシュSSD(Flash Solid State Drive)が用いられる。記憶部27には、半導体生産装置1の管理データベース30が構築される。また、バス24には、液晶ディスプレイ等の表示部28が接続される。また、バス24には、キーボードやマウス等の入力装置29が接続される。更に、バス24には、例えば、RS232C(D−Sub9ピン)のシリアルインターフェース22が接続される。
【0029】
このように、データ管理装置本体部20は、例えばRS232Cのシリアルインターフェース22を有している。また、このデータ管理装置本体部20には、通信プログラム31とデータベース作成プログラム32がインストールされている。通信プログラム31は、シリアルインターフェース22からのシリアルデータを入力するためのプログラムである。データベース作成プログラム32は、半導体生産装置1の管理データベース30を作成するプログラムである。
【0030】
次に、図6を参照して、分岐部21について説明する。図6に示すように、分岐部21は、ケーブル16中に挿設され、CPUボード13のシリアルインターフェース14からの送信データを2分岐し、一方は表示端末12のシリアルインターフェース15に出力し、他方はデータ管理装置本体部20のシリアルインターフェース22に出力する。
【0031】
図8は、生産装置本体部11のCPUボード13のシリアルインターフェース14と、分岐部21と、表示端末12のシリアルインターフェース15と、データ管理装置本体部20のシリアルインターフェース22との間の接続の詳細を示すものである。
図8に示すように、本発明の第1の実施形態に係るデータ管理装置を用いる場合には、分岐部21により、生産装置本体部11と表示端末12とを接続するRS232Cのケーブル16中で、表示情報を送信するための送信データTDのポートからの信号は2つに分岐され、一方は表示端末12への受信データRDのポートに出力され、他方はデータ管理装置本体部20への受信データRDのポートに出力される。
【0032】
なお、この例では、分岐部21は、ラインドライバIC(集積回路)を用いて実現している。ラインドライバIC内の各インバータアンプ51、52、53は、RS232Cの論理レベル(±12V)と、TTL(Transistor Transistor Logic)やCMOS(Complementary
Metal Oxided Semiconductor)ロジックの論理レベル(5V)との変換を行っている。この例では、生産装置本体部11のCPUボード13のシリアルインターフェース14からの送信データTDのポートからのデータを、ラインドライバIC内のインバータアンプ51を介して出力した後、更に、インバータアンプ52及び53に入力し、この送信データを2つに分岐させて、一方は表示端末12のシリアルインターフェース15の受信データRDのポートに出力し、他方はデータ管理装置本体部20のシリアルインターフェース22の受信データRDのポートに出力している。
【0033】
なお、分岐部21の構成は、これに限定されるものではない。また、データ管理装置本体部20の受信データRDとして出力されるデータは、USB(Universal Serial Bus)に変換して、データ管理装置本体部20に出力できるようにしても良い。
【0034】
このような分岐部21により、生産装置本体部11のCPUボード13から表示端末12に送られる表示情報は、表示端末12で受信されると共に、データ管理装置本体部20でも受信される。表示端末12は、受信した表示情報に基づいて、図3に示したような情報の表示を行う。データ管理装置本体部20は、受信した表示情報を用いて、図9に示すように、半導体生産装置1の管理を行うための管理データベース30を構築する。
【0035】
図10は、表示情報を受信して管理データベース30を構築するときの通信プログラム31の処理を示すフローチャートであり、また、図11は、このときのデータベース作成プログラム32の処理を示すフローチャートである。
図10において、制御部23は、生産装置本体部11のCPUボード13から送信データTDのポートから送信されてきた表示情報をシリアルインターフェース22の受信データRDのポートで受信すると(ステップS1)、この表示情報を取り込んでデコードする(ステップS2)。
【0036】
前述したように、表示情報には、エリア識別情報CTL1、CTL2、CTL3が含まれており、このエリア識別情報CTL1、CTL2、CTL3に続いて、そのエリアの表示情報がキャラクタコードで送信されている。したがって、ステップS2で表示情報をデコードすると、エリア識別情報か、キャラクタコードがデコードされることになる。制御部23は、デコードした情報をデータベース作成プログラム32に出力して(ステップS3)、ステップS1にリターンする。
【0037】
図11において、制御部23は、通信プログラム31からの情報を受信すると(ステップS101)、受信したデータがエリア識別情報かどうかを判定する(ステップS102)。受信した情報がエリア識別情報なら、制御部23は、このエリア識別情報に基づいて管理データベース30の項目を設定して(ステップS103)、ステップS101にリターンする。受信した情報がキャラクタコードなら、制御部23は、このキャラクタコードに基づいて、管理データベース30のデータを更新して(ステップS104)、ステップS101にリターンする。
【0038】
以上の処理により、データ管理装置本体部20は、生産装置本体部11のCPUボード13から表示端末12に送られる表示情報を受信して、図9に示したような管理データベース30を構築することができる。
【0039】
このような管理データベース30を用いて、例えば、図12に示すようなグラフを作成して、半導体生産装置1の管理を行うことができる。図12は、日時を横軸にし、装置温度を縦軸にして、グラフを作成したものである。また、このような管理データベース30を用いて、ヒストグラムや管理図等を作成して、半導体生産装置1の管理を行うことができる。また、管理データベース30の情報を基に、装置稼働状態や生産状況を管理することができる。また、管理データベース30の結果から装置異常を判定し、警告を発するようにすることもできる。更に、これ以外に、管理データベース30を用いることで、半導体生産装置1の様々な管理が行える。
【0040】
以上説明したように、本発明の第1の実施形態に係るデータ管理装置では、分岐部21により、生産装置本体部11と表示端末12とを接続するRS232Cのケーブル16中で、表示情報を送信するための送信データTDのポートからの信号を2つに分岐し、一方は表示端末12のシリアルインターフェース15の受信データRDのポートに出力し、他方はデータ管理装置本体部20のシリアルインターフェース22の受信データRDのポートに出力している。これにより、生産装置本体部11のCPUボード13から表示端末12に送られる表示情報は、そのまま、データ管理装置本体部20でも受信でき、データ管理装置本体部20により、受信した表示情報から半導体生産装置1の管理を行うための管理データベース30を構築することができる。
【0041】
このように、本発明の第1の実施形態に係るデータ管理装置では、データ管理装置本体部20で表示情報を受信して管理データベース30を構築しているので、生産装置本体部11やCPUボード13に改造や変更を加える必要がなく、また、新たなボードを追加する必要もない。これと共に、表示情報を送信するための送信データTDを2つに分岐するための分岐部21は、構成が簡単で、安価であり、然も、信頼性が高い。また、データ管理装置本体部20はパーソナルコンピュータで実現でき、シリアルデータを受信してデータベースを構築するものであるから、特別な制御が不要であり、生産装置本体部11から表示端末12にシリアルインターフェースを介して表示情報を送信するような生産装置であれば、どのような装置の管理も行うことができる。
【0042】
本発明は、上述した実施形態に限定されるものではなく、この発明の要旨を逸脱しない範囲内で様々な変形や応用が可能である。
【符号の説明】
【0043】
1:半導体生産装置、11:生産装置本体部、12:表示端末、13:CPUボード、14:シリアルインターフェース、15:シリアルインターフェース、16:ケーブル、20:データ管理装置本体部、21:分岐部、22:シリアルインターフェース、23:制御部、24:バス、25:ROM、26:RAM、27:記憶部、28:表示部、29:入力装置、30:管理データベース、31:通信プログラム、32:データベース作成プログラム、51〜53:インバータアンプ
【技術分野】
【0001】
本発明は、各種の生産装置の管理を行うためのデータ管理装置に関し、特に、既存の生産設備をそのまま使って管理を行うものに関するものである。
【背景技術】
【0002】
生産設備にネットワーク機能が備えられていると、生産設備の動作状態を外部に接続された外部機器で行え、例えば生産数量を外部機器で表示させたり、また、エラーの発生を外部機器に知らせたりすることができる。また、動作状態を示す各種のデータを保存しておけば、動作状態の傾向を把握したり、エラーの発生の原因を調べたりする等ができ、設備の管理や運営に利用できる。
近年の生産設備の多くは、このようなネットワーク機能を備えたものが多い。しかしながら、生産設備の中には長く使用され続けているものがあり、これらの設備は、ネットワーク機能を備えていないものが殆どである。
【0003】
製造年代が異なる生産システムで、共通の情報を収集できるようにしたものとしては、例えば、特許文献1に、所定の発光色で信号灯を発光させ、この信号灯の発光状態から、稼働率や故障率等を管理するようにしたものが記載されている。
また、特許文献2には、通信手段を複数のマスフローコントローラに分岐して接続することで、多数のマスフローコントローラに対して、動作状態を示す情報の収集、表示、分析を独自のタイミングで行えるようにしたものが記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2002−268720号公報
【特許文献2】特開2003−216227号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
上述のように、ネットワーク機能を有していない既存の生産設備に改良を加えたり、ボードを付加したりして、ネットワーク機能を実現することが考えられるが、このようにすると、生産設備の動作環境に変化が生じ、動作が安定しなくなることが危惧される。また、特許文献1に示されるものでは、信号灯の発光状態から生産管理を行うものであるため、信号灯の発光では表現できない情報については収集することができず、管理できる項目が稼働率や故障率等に限定される問題がある。
【0006】
更に、特許文献2に示されるものでは、データ監視装置から所望のマスフローコントローラに情報送信要求の文字列を送信し、マスフローコントローラは受け取った文字列に対応する動作情報をデータ監視装置に返信している。また、情報送信要求の文字列の送信し、受け取った文字列に対応する動作情報を返信するという通信処理を行っている。このため、ネットワーク機能を有していない既存の生産設備でこのような通信処理を実行するためには、生産設備に改良や変更が必要になる問題がある。
【0007】
本発明は、既存の生産装置に改造や変更を加えず、生産装置の管理を行うことができるデータ管理装置を提供することを課題としている。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明のデータ管理装置は、生産装置本体と表示端末との間を所定の規格のシリアルインターフェースを介して接続するようにした生産装置のデータ管理に用いるデータ管理装置であって、生産装置本体からのデータの管理を行う管理装置本体と、生産装置本体のシリアルインターフェースと、表示端末及び管理装置本体のシリアルインターフェースとの間に介装され、生産装置本体の送信ポートからのシリアルデータを入力して2分岐し、一方を表示端末のシリアルインターフェースの受信ポートに出力し、他方を管理装置本体のシリアルインターフェースの受信ポートに出力する分岐手段とを備え、生産装置本体は、生産装置本体の表示情報をシリアルインターフェースの送信ポートから出力し、分岐手段を介して、表示端末の受信ポートに出力すると共に、管理装置本体の受信ポートに出力し、表示端末は、分岐手段を介して受信した生産装置本体の表示情報に基づいて、生産装置本体の情報を表示し、管理装置本体は、分岐手段を介して受信した表示情報を取り込んで、生産装置本体の情報を管理することを特徴とする。
【0009】
この構成によれば、生産装置本体のシリアルインターフェースと、表示端末及び管理装置本体のシリアルインターフェースとの間に介装され、生産装置本体の送信ポートからのシリアルデータを入力して2分岐し、一方を表示端末のシリアルインターフェースの受信ポートに出力し、他方を管理装置本体のシリアルインターフェースの受信ポートに出力する分岐手段を備えているので、生産装置に改造や変更を加えたり、新たなボードを追加したりすることなく、既存の生産装置のデータ管理を行うことができる。
【0010】
この場合、所定の規格のシリアルインターフェースは、RS232C規格のシリアルインターフェースであることが好ましい。
【0011】
この構成によれば、装置に改造や変更を加えたり、新たなボードを追加したりすることなく、既存の生産装置でも、汎用のRS232C規格のシリアルインターフェースで表示信号を伝送するものであれば、データ管理を行うことができる。
【0012】
また、管理装置本体は、分岐手段を介して受信した表示情報を取り込んで、データベース化することが好ましい。
【0013】
この構成によれば、受信した表示情報を取り込んで、データベース化することで、各種の情報を整理して保存し、生産装置のデータ管理を行うことができる。
【0014】
さらに、表示情報は、表示エリアを指定する識別情報を含み、管理装置本体は、受信した表示情報から識別情報に基づいて表示エリアを判定し、判定された表示エリア毎に項目を設定して、データ管理を行うことが好ましい。
【0015】
この構成によれば、識別情報に基づいて表示エリアを判定し、判定された表示エリア毎に項目を設定することで、各種の情報を項目毎に整理保存して、生産装置のデータ管理を行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【図1】実施形態に係るデータ管理装置を使って管理できる半導体生産装置の一例を示すブロック図である。
【図2】各装置間の接続の詳細を示すブロック図である。
【図3】表示端末に表示される情報の一例の説明図である。
【図4】RS232Cのデータ通信の説明図である。
【図5】エリア識別情報の説明図である。
【図6】実施形態に係るデータ管理装置を用いて、半導体生産装置部のデータ管理を行う場合の構成を示すブロック図である。
【図7】実施形態に係るデータ管理装置におけるデータ管理装置本体の構成の一例のブロック図である。
【図8】実施形態に係るデータ管理装置における各装置間の接続の詳細を示すブロック図である。
【図9】実施形態に係るデータ管理装置における管理データベースの一例の説明図である。
【図10】実施形態に係るデータ管理装置における通信プログラムの動作説明に用いるフローチャートである。
【図11】実施形態に係るデータ管理装置におけるデータベース作成プログラムの動作説明に用いるフローチャートである。
【図12】実施形態に係るデータ管理装置の説明に用いるグラフである。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下、本発明の実施の形態について図面を参照しながら説明する。図1は、本発明の実施形態に係るデータ管理装置を使って管理できる半導体生産装置の一例を示すものである。
【0018】
図1において、半導体生産装置1は、生産装置本体部11と、表示端末12とからなる。生産装置本体部11は、例えば、ウェハー上にレジストを塗布し、レチクルのパターンを投影レンズによりに投射し、ウェハー上をステップしながら露光して、ウェハーに回路を焼き付けるような処理を行う。このような処理を行う装置は、ステッパ装置と呼ばれている。生産装置本体部11は、CPU(Central Processing Unit)ボード13を有している。CPUボード13は、表示出力のためのシリアルインターフェース14を有している。シリアルインターフェース14は、例えば、RS232Cシリアルインターフェース(D−Sub9ピン)である。
【0019】
表示端末12は、半導体生産装置1に関する各種の情報を表示するものであり、表示端末12は、表示入力のためのシリアルインターフェース15を有している。シリアルインターフェース15は、例えば、RS232Cシリアルインターフェース(D−Sub9ピン)である。また、生産装置本体部11のCPUボード13のシリアルインターフェース14と、表示端末12のシリアルインターフェース15とは、ケーブル16を介して接続される。ケーブル16は、例えば、RS232Cのケーブルが用いられている。
【0020】
表示端末12に情報を表示する場合、生産装置本体部11のCPUボード13は、シリアルインターフェース14から表示情報を出力する。この表示情報は、CPUボード13のシリアルインターフェース14から、ケーブル16を介して、表示端末12のシリアルインターフェース15に入力される。表示端末12は、表示情報を受信すると、この表示情報に基づいて、各種情報をディスプレイに表示する。
【0021】
図2は、生産装置本体部11のCPUボード13のシリアルインターフェース14と、表示端末12のシリアルインターフェース15との接続の詳細を示すものである。
【0022】
図2に示すように、RS232Cシリアルインターフェースは、フレームグランドFGと、送信データTDと、受信データRDと、送信要求RTSと、送信許可CTSと、シグナルグランドGNDの各ピンのポートと、を有している。生産装置本体部11のCPUボード13のシリアルインターフェース14の各ポートと、表示端末12のシリアルインターフェース15の各ポートとの間は、ケーブル16を介して互いに対応する信号が送受されるように接続されている。なお、送受されるデータのポートについては、CPUボード13のシリアルインターフェース14からの送信データTDが表示端末12のシリアルインターフェース15への受信データRDとなり、表示端末12のシリアルインターフェース15の送信データTDがCPUボード13のシリアルインターフェース14への受信データRDとなるように、クロスで接続されている。
【0023】
図3は、表示端末12に表示される情報の一例である。図3に示すように、表示端末12は、エリアA1と、エリアA2と、エリアA3との3つのエリアに分割されている。エリアA1には、装置温度、装置湿度、レーザー情報、圧力情報、ランプ情報、シャッター情報等の環境情報が表示される。エリアA2には、レチクルのショット位置情報が表示される。エリアA3には、ウェハーの位置情報が表示される。
【0024】
このように、半導体生産装置1では、生産装置本体部11のCPUボード13と表示端末12とが例えばRS232Cのシリアルインターフェースを介して接続され、生産装置本体部11のCPUボード13から表示端末12に表示情報が送信される。このような表示情報により図3に示すような各種の情報が表示端末12に表示される。なお、ここでは、半導体生産装置1は、単体で使用することが想定されており、LAN(Local Area Network)等によるネットワークインターフェースは有していないものとする。
【0025】
RS232Cは、調歩同期式のシリアルインターフェースである。RS232Cでは、図4に示すように、スタートビットと、ストップビットの間に、8ビットのデータビットが設けられる。RS232Cでは、このデータビットの部分にASCIIコードやシフトJIS等のキャラクタコードにより表示情報を転送できる。また、図3に示したように、表示端末12は、エリアA1と、エリアA2と、エリアA3との3つのエリアに分割されており、各エリア毎に、情報が表示される。このような各エリアA1〜A3を識別するために、CPUボード13のシリアルインターフェース14から出力される表示情報には、エリア識別情報が含まれている。
【0026】
すなわち、図5に示すように、生産装置本体部11のCPUボード13から出力される表示情報中には、エリア識別情報CTL1、CTL2、CTL3が含まれている。例えば、エリア識別情報CTL1はエリアA1の情報であることを示し、エリア識別情報CTL2はエリアA2の情報であることを示し、エリア識別情報CTL3はエリアA3の情報であることを示している。このエリア識別情報CTL1、CTL2、CTL3に続いて、そのエリアの表示情報がキャラクタコードで送信される。
【0027】
本発明の第1の実施形態に係るデータ管理装置は、このような半導体生産装置1のデータ管理を行うために用いられる。
図6は、本発明の第1の実施形態に係るデータ管理装置を用いて、半導体生産装置1のデータ管理を行う場合の構成を示すものである。同図に示すように、本発明の第1の実施形態に係るデータ管理装置では、半導体生産装置1に対して、データ管理装置本体部20と、分岐部21とが設けられる。データ管理装置本体部20は、例えばパーソナルコンピュータにより実現することができる。
【0028】
図7はデータ管理装置本体部20の構成の一例である。図7において、制御部23はCPUからなり、バス24に接続される。また、制御部23は、通信プログラム31とデータベース作成プログラム32とを実行することができる。
バス24に、ROM(Read
Only Memory)25、RAM(Random Access Memory)26が接続される。ROM25には、ブートプログラムが記憶されている。RAM26は、メインメモリとして用いられる。また、バス24には、記憶部27が接続される。記憶部27としては、HDD(Hard Disk Drive)やフラッシュSSD(Flash Solid State Drive)が用いられる。記憶部27には、半導体生産装置1の管理データベース30が構築される。また、バス24には、液晶ディスプレイ等の表示部28が接続される。また、バス24には、キーボードやマウス等の入力装置29が接続される。更に、バス24には、例えば、RS232C(D−Sub9ピン)のシリアルインターフェース22が接続される。
【0029】
このように、データ管理装置本体部20は、例えばRS232Cのシリアルインターフェース22を有している。また、このデータ管理装置本体部20には、通信プログラム31とデータベース作成プログラム32がインストールされている。通信プログラム31は、シリアルインターフェース22からのシリアルデータを入力するためのプログラムである。データベース作成プログラム32は、半導体生産装置1の管理データベース30を作成するプログラムである。
【0030】
次に、図6を参照して、分岐部21について説明する。図6に示すように、分岐部21は、ケーブル16中に挿設され、CPUボード13のシリアルインターフェース14からの送信データを2分岐し、一方は表示端末12のシリアルインターフェース15に出力し、他方はデータ管理装置本体部20のシリアルインターフェース22に出力する。
【0031】
図8は、生産装置本体部11のCPUボード13のシリアルインターフェース14と、分岐部21と、表示端末12のシリアルインターフェース15と、データ管理装置本体部20のシリアルインターフェース22との間の接続の詳細を示すものである。
図8に示すように、本発明の第1の実施形態に係るデータ管理装置を用いる場合には、分岐部21により、生産装置本体部11と表示端末12とを接続するRS232Cのケーブル16中で、表示情報を送信するための送信データTDのポートからの信号は2つに分岐され、一方は表示端末12への受信データRDのポートに出力され、他方はデータ管理装置本体部20への受信データRDのポートに出力される。
【0032】
なお、この例では、分岐部21は、ラインドライバIC(集積回路)を用いて実現している。ラインドライバIC内の各インバータアンプ51、52、53は、RS232Cの論理レベル(±12V)と、TTL(Transistor Transistor Logic)やCMOS(Complementary
Metal Oxided Semiconductor)ロジックの論理レベル(5V)との変換を行っている。この例では、生産装置本体部11のCPUボード13のシリアルインターフェース14からの送信データTDのポートからのデータを、ラインドライバIC内のインバータアンプ51を介して出力した後、更に、インバータアンプ52及び53に入力し、この送信データを2つに分岐させて、一方は表示端末12のシリアルインターフェース15の受信データRDのポートに出力し、他方はデータ管理装置本体部20のシリアルインターフェース22の受信データRDのポートに出力している。
【0033】
なお、分岐部21の構成は、これに限定されるものではない。また、データ管理装置本体部20の受信データRDとして出力されるデータは、USB(Universal Serial Bus)に変換して、データ管理装置本体部20に出力できるようにしても良い。
【0034】
このような分岐部21により、生産装置本体部11のCPUボード13から表示端末12に送られる表示情報は、表示端末12で受信されると共に、データ管理装置本体部20でも受信される。表示端末12は、受信した表示情報に基づいて、図3に示したような情報の表示を行う。データ管理装置本体部20は、受信した表示情報を用いて、図9に示すように、半導体生産装置1の管理を行うための管理データベース30を構築する。
【0035】
図10は、表示情報を受信して管理データベース30を構築するときの通信プログラム31の処理を示すフローチャートであり、また、図11は、このときのデータベース作成プログラム32の処理を示すフローチャートである。
図10において、制御部23は、生産装置本体部11のCPUボード13から送信データTDのポートから送信されてきた表示情報をシリアルインターフェース22の受信データRDのポートで受信すると(ステップS1)、この表示情報を取り込んでデコードする(ステップS2)。
【0036】
前述したように、表示情報には、エリア識別情報CTL1、CTL2、CTL3が含まれており、このエリア識別情報CTL1、CTL2、CTL3に続いて、そのエリアの表示情報がキャラクタコードで送信されている。したがって、ステップS2で表示情報をデコードすると、エリア識別情報か、キャラクタコードがデコードされることになる。制御部23は、デコードした情報をデータベース作成プログラム32に出力して(ステップS3)、ステップS1にリターンする。
【0037】
図11において、制御部23は、通信プログラム31からの情報を受信すると(ステップS101)、受信したデータがエリア識別情報かどうかを判定する(ステップS102)。受信した情報がエリア識別情報なら、制御部23は、このエリア識別情報に基づいて管理データベース30の項目を設定して(ステップS103)、ステップS101にリターンする。受信した情報がキャラクタコードなら、制御部23は、このキャラクタコードに基づいて、管理データベース30のデータを更新して(ステップS104)、ステップS101にリターンする。
【0038】
以上の処理により、データ管理装置本体部20は、生産装置本体部11のCPUボード13から表示端末12に送られる表示情報を受信して、図9に示したような管理データベース30を構築することができる。
【0039】
このような管理データベース30を用いて、例えば、図12に示すようなグラフを作成して、半導体生産装置1の管理を行うことができる。図12は、日時を横軸にし、装置温度を縦軸にして、グラフを作成したものである。また、このような管理データベース30を用いて、ヒストグラムや管理図等を作成して、半導体生産装置1の管理を行うことができる。また、管理データベース30の情報を基に、装置稼働状態や生産状況を管理することができる。また、管理データベース30の結果から装置異常を判定し、警告を発するようにすることもできる。更に、これ以外に、管理データベース30を用いることで、半導体生産装置1の様々な管理が行える。
【0040】
以上説明したように、本発明の第1の実施形態に係るデータ管理装置では、分岐部21により、生産装置本体部11と表示端末12とを接続するRS232Cのケーブル16中で、表示情報を送信するための送信データTDのポートからの信号を2つに分岐し、一方は表示端末12のシリアルインターフェース15の受信データRDのポートに出力し、他方はデータ管理装置本体部20のシリアルインターフェース22の受信データRDのポートに出力している。これにより、生産装置本体部11のCPUボード13から表示端末12に送られる表示情報は、そのまま、データ管理装置本体部20でも受信でき、データ管理装置本体部20により、受信した表示情報から半導体生産装置1の管理を行うための管理データベース30を構築することができる。
【0041】
このように、本発明の第1の実施形態に係るデータ管理装置では、データ管理装置本体部20で表示情報を受信して管理データベース30を構築しているので、生産装置本体部11やCPUボード13に改造や変更を加える必要がなく、また、新たなボードを追加する必要もない。これと共に、表示情報を送信するための送信データTDを2つに分岐するための分岐部21は、構成が簡単で、安価であり、然も、信頼性が高い。また、データ管理装置本体部20はパーソナルコンピュータで実現でき、シリアルデータを受信してデータベースを構築するものであるから、特別な制御が不要であり、生産装置本体部11から表示端末12にシリアルインターフェースを介して表示情報を送信するような生産装置であれば、どのような装置の管理も行うことができる。
【0042】
本発明は、上述した実施形態に限定されるものではなく、この発明の要旨を逸脱しない範囲内で様々な変形や応用が可能である。
【符号の説明】
【0043】
1:半導体生産装置、11:生産装置本体部、12:表示端末、13:CPUボード、14:シリアルインターフェース、15:シリアルインターフェース、16:ケーブル、20:データ管理装置本体部、21:分岐部、22:シリアルインターフェース、23:制御部、24:バス、25:ROM、26:RAM、27:記憶部、28:表示部、29:入力装置、30:管理データベース、31:通信プログラム、32:データベース作成プログラム、51〜53:インバータアンプ
【特許請求の範囲】
【請求項1】
生産装置本体と表示端末との間を所定の規格のシリアルインターフェースを介して接続するようにした生産装置のデータ管理に用いるデータ管理装置であって、
前記生産装置本体からのデータの管理を行う管理装置本体と、
前記生産装置本体のシリアルインターフェースと、前記表示端末及び前記管理装置本体のシリアルインターフェースとの間に介装され、前記生産装置本体の送信ポートからのシリアルデータを入力して2分岐し、一方を前記表示端末のシリアルインターフェースの受信ポートに出力し、他方を前記管理装置本体のシリアルインターフェースの受信ポートに出力する分岐手段とを備え、
前記生産装置本体は、前記生産装置本体の表示情報をシリアルインターフェースの送信ポートから出力し、前記分岐手段を介して、前記表示端末の受信ポートに出力すると共に、前記管理装置本体の受信ポートに出力し、
前記表示端末は、前記分岐手段を介して受信した前記生産装置本体の表示情報に基づいて、前記生産装置本体の情報を表示し、
前記管理装置本体は、前記分岐手段を介して受信した表示情報を取り込んで、前記生産装置本体の情報を管理することを特徴とするデータ管理装置。
【請求項2】
前記所定の規格のシリアルインターフェースは、RS232C規格のシリアルインターフェースであることを特徴とする請求項1に記載のデータ管理装置。
【請求項3】
前記管理装置本体は、前記分岐手段を介して受信した表示情報を取り込んで、データベース化することを特徴とする請求項1または2に記載のデータ管理装置。
【請求項4】
前記表示情報は、表示エリアを指定する識別情報を含み、
前記管理装置本体は、前記受信した表示情報から前記識別情報に基づいて表示エリアを判定し、前記判定された表示エリア毎に項目を設定して、データ管理を行うことを特徴とする請求項1ないし3のいずれかに記載のデータ管理装置。
【請求項1】
生産装置本体と表示端末との間を所定の規格のシリアルインターフェースを介して接続するようにした生産装置のデータ管理に用いるデータ管理装置であって、
前記生産装置本体からのデータの管理を行う管理装置本体と、
前記生産装置本体のシリアルインターフェースと、前記表示端末及び前記管理装置本体のシリアルインターフェースとの間に介装され、前記生産装置本体の送信ポートからのシリアルデータを入力して2分岐し、一方を前記表示端末のシリアルインターフェースの受信ポートに出力し、他方を前記管理装置本体のシリアルインターフェースの受信ポートに出力する分岐手段とを備え、
前記生産装置本体は、前記生産装置本体の表示情報をシリアルインターフェースの送信ポートから出力し、前記分岐手段を介して、前記表示端末の受信ポートに出力すると共に、前記管理装置本体の受信ポートに出力し、
前記表示端末は、前記分岐手段を介して受信した前記生産装置本体の表示情報に基づいて、前記生産装置本体の情報を表示し、
前記管理装置本体は、前記分岐手段を介して受信した表示情報を取り込んで、前記生産装置本体の情報を管理することを特徴とするデータ管理装置。
【請求項2】
前記所定の規格のシリアルインターフェースは、RS232C規格のシリアルインターフェースであることを特徴とする請求項1に記載のデータ管理装置。
【請求項3】
前記管理装置本体は、前記分岐手段を介して受信した表示情報を取り込んで、データベース化することを特徴とする請求項1または2に記載のデータ管理装置。
【請求項4】
前記表示情報は、表示エリアを指定する識別情報を含み、
前記管理装置本体は、前記受信した表示情報から前記識別情報に基づいて表示エリアを判定し、前記判定された表示エリア毎に項目を設定して、データ管理を行うことを特徴とする請求項1ないし3のいずれかに記載のデータ管理装置。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【公開番号】特開2013−97770(P2013−97770A)
【公開日】平成25年5月20日(2013.5.20)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−243340(P2011−243340)
【出願日】平成23年11月7日(2011.11.7)
【出願人】(000002369)セイコーエプソン株式会社 (51,324)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成25年5月20日(2013.5.20)
【国際特許分類】
【出願日】平成23年11月7日(2011.11.7)
【出願人】(000002369)セイコーエプソン株式会社 (51,324)
【Fターム(参考)】
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