説明

データ通信装置

【課題】 データの送信先に指定されたデバイスから情報を取得することなく、ユーザが意図したデバイスにデータを送信し得る技術を提供する。
【解決手段】 ユーザが、アドレステーブルからドメイン名を選択する操作を実行する場合に、選択されたドメイン名から得られるグローバルIPアドレスの使用者に関する使用者情報を、WHOISサーバから取得する(S14)。アドレステーブル内の使用者情報と、取得済みの使用者情報と、が一致しない場合(S28でNO)に、データが送信される前に、使用者情報とが一致しないことを、ユーザに通知する(S30)。アドレステーブル内の使用者情報と、取得済みの使用者情報と、が一致する場合に(S28でYES)、取得済みのグローバルIPアドレスを用いて、データを送信する(S46)。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本明細書では、アドレス情報の使用者に関する使用者情報を提供するためのサーバに通信可能に接続されるデータ通信装置を開示する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1及び2には、ネットワークを介してデータを送信すべき際に、ユーザが意図したデバイスと異なるデバイスにデータが送信されること(誤送信)を防止するために、送信先として指定されたデバイスの情報を取得する技術が開示されている。
【0003】
特許文献1の技術では、ユーザが宛先番号を送信側のIPFAX装置に入力すると、送信側のIPFAX装置は、データを送信する前に、宛先番号で特定される受信側のIPFAX装置に、受信側のIPFAX装置を識別するための識別情報を要求する。受信側のIPFAX装置は、要求に応じて、送信側のIPFAX装置に識別情報を送信する。送信側のIPFAX装置は、受信側のIPFAX装置から取得した識別情報を、ディスプレイに表示させる。ユーザは、表示された識別情報を見ることによって、ユーザによって入力された宛先番号を送信先としてFAXデータの送信が実行されてもよいのか否かを確認することができる。
【0004】
特許文献2の技術でも同様に、送信側通信装置は、データを送信する前に、ユーザによって指定された送信先情報によって特定される受信側通信装置に、受信側通信装置の情報(例えば支店名情報)を要求する。送信側通信装置は、受信側通信装置から受信側通信装置の情報を取得して、表示部に表示させる。ユーザは、表示された情報を見ることによって、ユーザによって指定された送信先情報を送信先としてデータの送信が実行されてもよいのか否かを確認することができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2007−116264号公報
【特許文献2】特開2007−53666号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
上記の特許文献1及び2の技術では、ユーザによって指定された送信先情報によって特定される受信側のデバイスが、送信側のデバイスからの要求に応じて、識別情報等の情報を送信側のデバイスに送信可能であることが前提である。しかしながら、送信側のデバイスからの要求に応じて、受信側のデバイスが情報を送信可能であるとは限らない。受信側のデバイスが情報を送信不可能である場合には、送信側のデバイスのユーザは、ユーザによって指定された送信先情報を送信先としてデータの送信が実行されてもよいのか否かを確認することができない。
【0007】
本明細書では、データの送信側のデバイスが、送信先情報によって特定される受信側のデバイスから情報を取得しなくても、当該送信先情報を送信先としてデータの送信が実行されてもよいのか否かを確認し得る技術を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本明細書によって開示される技術は、ネットワークを介するデータ通信で用いられるアドレス情報の使用者に関する使用者情報を提供するためのサーバに通信可能に接続されるデータ通信装置である。このデータ通信装置は、記憶制御部と、使用者情報取得部と、通知部と、データ送信部と、を備える。記憶制御部は、第1の送信先情報と第1の使用者情報とを対応付けてメモリに記憶させる。使用者情報取得部は、ユーザが、メモリ内の第1の送信先情報によって特定される特定のデバイスに第1のデータを送信するための第1の指示を、データ通信装置に入力する場合に、第1の送信先情報から得られる特定のアドレス情報の使用者に関する第2の使用者情報を、サーバから取得する。通知部は、メモリ内の第1の送信先情報に対応付けられている第1の使用者情報と、取得済みの第2の使用者情報と、が一致しない第1の場合に、第1のデータが送信される前に、第1の使用者情報と第2の使用者情報とが一致しないことを、ユーザに通知する。データ送信部は、メモリ内の第1の送信先情報に対応付けられている第1の使用者情報と、取得済みの第2の使用者情報と、が一致する第2の場合に、上記の特定のアドレス情報を用いて、ネットワークを介して上記の特定のデバイスに第1のデータを送信する。
【0009】
上記の構成では、第1の送信先情報と第1の使用者情報とが対応付けてメモリに記憶される。ユーザによって第1の指示が入力されると、データ通信装置は、第1の送信先情報から得られる特定のアドレス情報の使用者に関する第2の使用者情報を、サーバから取得する。従って、データ通信装置は、第1の送信先情報によって特定される特定のデバイスから情報を取得せずに済む。データ通信装置は、メモリ内の第1の使用者情報と、サーバから取得された第2の使用者情報と、が一致しない場合には、その旨をユーザに通知する。これにより、ユーザは、第1のデータの送信が実行されてもよいのか否かを確認することができる。なお、データ通信装置は、第1の使用者情報と第2の使用者情報とが一致する場合には、上記の特定のデバイスに第1のデータを送信する。これにより、ユーザが意図する特定のデバイスに第1のデータを送信することができる。
【0010】
第1の送信先情報と第1の使用者情報とが対応付けてメモリに記憶されていない状態で、ユーザが、第1の送信先情報を指定して、上記の特定のデバイスに第2のデータを送信するための第2の指示を、データ通信装置に入力する場合に、使用者情報取得部は、さらに、第1の送信先情報から得られる上記の特定のアドレス情報の使用者に関する第1の使用者情報を、サーバから取得し、記憶制御部は、ユーザによって指定された第1の送信先情報と、取得済みの第1の使用者情報と、を対応付けて、メモリに記憶させてもよい。この構成によれば、データ通信装置は、メモリに記憶されていない送信先情報によって特定される新規なデバイスにデータが送信される場合に、当該送信先情報と使用者情報とを、メモリを記憶させることができる。
【0011】
通知部は、さらに、ユーザが第2の指示をデータ通信装置に入力する場合に、取得済みの第1の使用者情報をユーザに通知して、第2のデータの送信を実行するのか否かをユーザが選択することを許容してもよい。記憶制御部は、ユーザが第2の指示をデータ通信装置に入力する場合において、第2のデータの送信を実行することがユーザによって選択される場合に、ユーザによって指定された第1の送信先情報と、取得済みの第1の使用者情報と、を対応付けて、メモリに記憶させてもよい。この構成によれば、新規なデバイスにデータが送信される場合に、ユーザは、サーバから取得された第1の使用者情報を確認してから、第2のデータの送信を実行するのか否かを選択することができる。また、ユーザがデータの送信の実行を望む場合に、データ通信装置は、第1の送信先情報と第1の使用者情報とを対応付けてメモリに記憶させることができる。
【0012】
通知部は、第1の場合に、第1のデータが送信される前に、第1の使用者情報と第2の使用者情報とが一致しないことをユーザに通知して、第1のデータの送信を実行するのか否かをユーザが選択することを許容してもよい。記憶制御部は、さらに、第1の場合において、第1のデータの送信を実行することがユーザによって選択される場合に、第1の使用者情報に代えて、第2の使用者情報を、第1の送信先情報に対応付けてメモリに記憶させてもよい。例えば、特定のアドレス情報の使用者の名称が変更されると、メモリ内の第1の使用者情報と、サーバから取得される第2の使用者情報と、が一致しないケースが起こり得る。上記の構成によると、データ通信装置は、このようなケースにおいて、メモリ内の使用者情報を更新することができる。
【0013】
記憶制御部は、さらに、第1の送信先情報と第1の使用者情報とに対応付けて、上記の特定のデバイスの固有の識別情報である第1の識別情報をメモリに記憶させてもよい。データ通信装置は、さらに、上記の特定のアドレス情報を用いて、固有の識別情報を問い合わせることによって、第2の識別情報を取得する問合部を備えていてもよい。通知部は、さらに、メモリ内の第1の送信先情報に対応付けられている第1の識別情報と、取得済みの第2の識別情報と、が一致しない第3の場合に、第1のデータが送信される前に、第1の識別情報と第2の識別情報とが一致しないことを、ユーザに通知してもよい。データ送信部は、第2の場合であり、かつ、メモリ内の第1の送信先情報に対応付けられている第1の識別情報と、取得済みの第2の識別情報と、が一致する場合に、上記の特定のアドレス情報を用いて、ネットワークを介して上記の特定のデバイスに第1のデータを送信してもよい。この構成によれば、識別情報の不一致をユーザに通知することができる。
【0014】
問合部は、SNMP(Simple Network Management Protocol)に従って、上記の特定のアドレス情報を用いて、固有の識別情報を問い合わせることによって、第2の識別情報を取得してもよい。ネットワークを介してデータ通信を実行するデバイスは、通常、SNMPに従って処理を実行することが可能である。このため、データ通信装置は、より確実に第2の識別情報を取得し得る。
【0015】
第1の送信先情報と第1の使用者情報と第1の識別情報とが対応付けてメモリに記憶されていない状態で、ユーザが、第1の送信先情報を指定して、上記の特定のデバイスに第2のデータを送信するための第2の指示を、データ通信装置に入力する場合に、使用者情報取得部は、さらに、第1の送信先情報から得られる上記の特定のアドレス情報の使用者に関する第1の使用者情報を、サーバから取得してもよい。問合部は、さらに、上記の特定のアドレス情報を用いて、固有の識別情報を問い合わせることによって、第1の識別情報を取得してもよい。記憶制御部は、ユーザによって指定された第1の送信先情報と、取得済みの第1の使用者情報と、取得済みの第1の識別情報と、を対応付けて、メモリに記憶させてもよい。この構成によれば、新規なデバイスに第2のデータが送信される場合に、データ通信装置は、送信先情報と使用者情報と第1の識別情報とを、メモリを記憶させることができる。
【0016】
通知部は、第3の場合に、第1のデータが送信される前に、第1の識別情報と第2の識別情報とが一致しないことをユーザに通知して、第1のデータの送信を実行するのか否かをユーザが選択することを許容してもよい。記憶制御部は、さらに、第3の場合において、第1のデータの送信を実行することがユーザによって選択される場合に、第1の識別情報に代えて、第2の識別情報を、第1の送信先情報と第1の使用者情報とに対応付けてメモリに記憶させてもよい。例えば、第1のデバイスに第1の送信先情報が割り当てられている状態から、第2のデバイスに第1の送信先情報が割り当てられている状態に変更されると、メモリ内の第1の識別情報と、問い合わせによって取得される第2の識別情報と、が一致しないケースが起こり得る。上記の構成によると、データ通信装置は、このようなケースにおいて、メモリ内の識別情報を更新することができる。
【0017】
なお、上記のデータ通信装置を実現するための制御方法、コンピュータプログラム、及び、当該コンピュータプログラムを格納しているコンピュータ読取可能記憶媒体も新規で有用である。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【図1】ネットワークシステムの構成を示す。
【図2】データ送信処理のフローチャートを示す。
【発明を実施するための形態】
【0019】
(ネットワークシステムの構成)
図面を参照して実施例を説明する。図1に示すように、ネットワークシステム2は、第1多機能機10と、第2多機能機120と、DNSサーバ200と、WHOISサーバ300と、を備える。各多機能機10,120は、インターネット4を介して、相互に通信可能に接続されている。第1多機能機10は、インターネット4を介して、各サーバ200,300と通信可能に接続されている。
【0020】
(第1多機能機の構成)
第1多機能機10は、操作部12と、表示部14と、ネットワークインターフェイス16と、制御部20と、を備える。制御部20は、CPU22とメモリ30とを備える。CPU22は、メモリ30に記憶されているプログラム32に従って処理を実行する。CPU20がプログラム32に従って処理を実行することによって、記憶制御部40、使用者情報取得部42、問合部44、通知部46、及び、データ送信部48の各機能が実現される。
【0021】
メモリ30は、CPU22によって実行されるプログラム32を記憶している。プログラム32は、第1多機能機10の出荷段階において、第1多機能機10に予めインストールされている。変形例では、制御部20は、第1多機能機10のベンダが提供するサーバからプログラム32を取得して、メモリ30に記憶させてもよい。別の変形例では、制御部20は、例えば、第1多機能機10に接続されたUSBメモリ等の記録媒体からプログラム32を取得して、メモリ30に記憶させてもよい。
【0022】
プログラム32は、CPU22がSMTP(Simple Mail Transfer Protocol)サーバ機能を実行するためのSMTPサーバプログラムと、CPU22がSMTPクライアント機能を実行するためのSMTPクライアントプログラムと、を含む。SMTPサーバ機能は、例えば、第1及び第2多機能機10,120と別体で構成される特定の電子メールサーバを介さずに、SMTPの手順に従って、直接(ダイレクト)に、第1多機能機10が第2多機能機120から電子メールを受信するための機能(即ちダイレクトSMTPの受信機能)を含む。SMTPクライアント機能は、例えば、上記の特定の電子メールサーバを介さずに、SMTPの手順に従って、第1多機能機10が第2多機能機120に電子メールを送信する機能(即ちダイレクトSMTPの送信機能)を含む。
【0023】
メモリ30は、さらに、アドレステーブル34を記憶している。アドレステーブル34は、複数個のアドレス組合せ情報36,38が記録される。各アドレス組合せ情報36,38は、外部のデバイス(例えば第2多機能機120)のドメイン名と、当該ドメイン名から得られるグローバルIPアドレスの使用者に関する使用者情報と、当該外部のデバイスのMACアドレスと、が対応付けられたものである。なお、図示省略しているが、メモリ30は、さらに、DNSサーバ200のURLと、WHOISサーバ300のURLと、を記憶している。
【0024】
なお、第2多機能機120は、第1多機能機10と同様の構成を備える。
【0025】
(DNSサーバの構成)
DNSサーバ200は、IPアドレステーブル202を記憶している。IPアドレステーブル202には、複数個のIP組合せ情報202a,202bが記録されている。各IP組合せ情報202a,202bは、ドメイン名とグローバルIPアドレスとが対応付けられたものである。DNSサーバ200は、ドメイン名及びグローバルIPアドレスがデバイスに割り当てられると、当該デバイスからドメイン名及びグローバルIPアドレスを取得して、IPアドレステーブル202に記録する。変形例では、DNSサーバ200の管理者は、ドメイン名及びグローバルIPアドレスがデバイスに割り当てられると、当該デバイスのドメイン名及びグローバルIPアドレスをIPアドレステーブル202に記録させてもよい。
【0026】
(WHOISサーバの構成)
WHOISサーバ300は、使用者情報テーブル302を記憶している。使用者情報テーブル302には、複数個の使用者組合せ情報302a,302bが記録される。各使用者組合せ情報302a,302bには、グローバルIPアドレスの範囲と、当該グローバルIPアドレスの範囲の使用者に関する使用者情報と、が対応付けられたものである。使用者情報は、グローバルIPアドレスの範囲を使用することが許可された者(組織、個人等)を示す情報である。使用者情報の一例として、企業名、団体名、プロバイダ名、個人名等を挙げることができる。WHOISサーバ300の管理者は、グローバルIPアドレスの範囲を使用することが特定の者に許可されると、当該グローバルIPアドレスの範囲と、上記の特定の者を示す情報(例えば企業名)と、を使用者情報テーブル302に記録させる。
【0027】
(第1多機能機が実行するデータ送信処理)
次いで、図2を参照して、第1多機能機10が実行するデータ送信処理を説明する。第1多機能機10のユーザは、外部のデバイス(例えば第2多機能機120)に送信されるべきデータを選択するための操作を、操作部12に加えることができる。また、第1多機能機10のユーザは、上記のデータの送信先のドメイン名(例えばexample1.com)を指定するための指定操作を、操作部12に加えることができる。上記の指定操作は、メモリ30内のアドレステーブル34からドメイン名を選択するための操作であってもよいし、ドメイン名(即ちアルファベットと数字)を直接的に入力するための操作であってもよい。
【0028】
制御部20は、ユーザによって指定されたドメイン名を、DNSサーバ200に送信する。DNSサーバ200は、第1多機能機10から受信されたドメイン名(例えばexample1.com)と対応付けて、IPアドレステーブル202に記録されているグローバルIPアドレス(例えばAA.AA.110.5)を特定する。DNSサーバ200は、特定されたグローバルIPアドレスを、第1多機能機10に送信する。この結果、S12では、制御部20は、ユーザによって指定されたドメイン名に対応するグローバルIPアドレスを、DNSサーバ200から取得する。
【0029】
次いで、S14では、使用者情報取得部42は、S12で取得されたグローバルIPアドレスに対応する使用者情報を、WHOISサーバ300から取得する。具体的には、使用者情報取得部42は、S12で取得されたグローバルIPアドレスを、WHOISサーバ300に送信する。WHOISサーバ300は、第1多機能機10から受信されたグローバルIPアドレス(例えばAA.AA.110.5)に対応付けて、使用者情報テーブル302に記録されている使用者情報(例えばCompanyZ)を特定する。次いで、WHOISサーバ300は、特定された使用者情報を、第1多機能機10に送信する。この結果、使用者情報取得部42は、WHOISサーバ300から送信された使用者情報を取得する。
【0030】
次いで、S16では、記憶制御部40は、ユーザによって指定されたドメイン名が、アドレステーブル34に記録されているのか否かを判断する。S16でYESの場合にS28に進み、NOの場合にS18に進む。
【0031】
S18では、通知部46は、S14で取得された使用者情報を表示部14に表示させる。通知部46は、さらに、データの送信を実行するのか否かをユーザに選択させるための選択ボタン(即ち実行ボタン及びキャンセルボタン)を、表示部14に表示させる。ユーザは、操作部12を操作することによって、表示部14に表示された2種類のボタンのうち、1種類を選択することができる。S20では、通知部46は、上記の2種類のボタンのいずれかのボタンがユーザによって選択されることを監視する。
【0032】
キャンセルボタンがユーザによって選択された場合(S20でNO)、制御部20は、データを送信することなく、データ送信処理を終了する。一方、実行ボタンがユーザによって選択された場合(S20でYES)、S22において、記憶制御部40は、S14で取得された使用者情報と、ユーザによって指定されたドメイン名と、を対応付けて、アドレステーブル34に記録する。
【0033】
次いで、S24において、問合部44は、S12で取得されたグローバルIPアドレスを用いて、MACアドレスの問い合わせを実行する。即ち、問合部44は、グローバルIPアドレスによって特定される特定のデバイス(例えば第2多機能機120)から、MACアドレスを取得する。問合部44は、SNMPに従って、MACアドレスを取得する。具体的には、問合部44は、SNMPに従って、MACアドレスを要求する要求信号(即ち、MACアドレスを識別するオブジェクトIDを含む要求信号)を、S12で取得されたグローバルIPアドレスを送信先として指定して送信する。上記の特定のデバイスは、要求信号を受信すると、MIB(Management Information Base)に格納されている複数個のオブジェクトのうち、要求信号に含まれるオブジェクトIDによって特定されるオブジェクト(即ちMACアドレス)を、第1多機能機10に送信する。この結果、問合部44は、上記の特定のデバイスからMACアドレスを取得する。
【0034】
インターネット4を介してデータ通信を実行可能なデバイスは、SNMPに従って、処理を実行することが可能である場合が多い。このため、グローバルIPアドレスによって特定される上記の特定のデバイスの機種、性能等が不明である場合でも、SNMPに従ってMACアドレスの問い合わせを実行すれば、MACアドレスを取得することができる可能性は高い。
【0035】
次いで、S26において、記憶制御部40は、S22で記録された使用者情報及びドメイン名情報と対応付けて、S24で取得されたMACアドレスを、アドレステーブル34に記録して、S46に進む。これにより、新規なアドレス組合せ情報がアドレステーブル34に記録される。即ち、アドレステーブル34に記録されていないドメイン名がユーザによって指定される場合に、当該ドメイン名を含む新規なアドレス組合せ情報を記録させることができる。また、データの送信の実行がユーザによって指示される場合(S20でYES)には、新規なアドレス組合せ情報が記録されるが、データの送信のキャンセルがユーザによって指示される場合(S20でNO)には、新規なアドレス組合せ情報が記録されない。この構成によれば、ユーザがデータの送信の実行を望む場合にのみ、第1多機能機10は、新規なアドレス組合せ情報を、アドレステーブル34に記録することができる。ユーザがデータの送信の実行を望まない場合(即ち、S14で取得された使用者情報によって示される者(例えば企業)が、ユーザが意図しない者である場合)には、第1多機能機10は、アドレス組合せ情報を、アドレステーブル34に記録しない。
【0036】
一方、ユーザによって指定されたドメイン名を含む特定のアドレス組合せ情報(例えばアドレス組合せ情報36)がアドレステーブル34に記録されている場合(即ちS16でYESの場合)、S28において、制御部20は、上記の特定のアドレス組合せ情報に含まれる使用者情報(例えばCompanyX)と、S14で取得された使用者情報(例えばCompanyZ)と、が一致するのか否かを判断する。一致する場合(S28でYES)、S36に進む。一方、一致しない場合(S28でNO)、S30において、通知部46は、使用者不一致情報を表示部14に表示させる。使用者不一致情報は、上記の特定のアドレス組合せ情報に含まれる使用者情報と、S14で取得された使用者情報と、が一致しないことを示す情報を含む。使用者不一致情報は、さらに、S14で取得された使用者情報(例えばCompanyZ)を含む。
【0037】
使用者情報が一致しない場合の例として、例えば、S12で取得されたグローバルIPアドレスを使用することが許可されている組織が変更された第1の場合(例えば、会社XがS12で取得されたグローバルIPアドレスを使用していたが、会社Zが当該グローバルIPアドレスを使用するように変更された場合)と、組織の合併等によって組織名が変更された第2の場合と、を挙げることができる。第1の場合、ユーザがデータを送信することを望む組織と、S12で取得されたグローバルIPアドレスによって特定されるデバイスが属する組織と、は異なる可能性が高い。この場合、ユーザは、S12で取得されたグローバルIPアドレスを送信先として指定して、データを送信することを望まない。一方、第2の場合、ユーザがデータを送信することを望む組織と、S12で取得されたグローバルIPアドレスによって特定されるデバイスが属する組織と、は一致している可能性が高い。この場合、ユーザは、S12で取得されたグローバルIPアドレスを送信先として指定して、データを送信することを望む。
【0038】
使用者不一致情報は、さらに、データの送信を実行するのか否かをユーザに選択させるための選択ボタン(即ち実行ボタン及びキャンセルボタン)を含む。ユーザは、操作部12を操作することによって、表示部14に表示された2種類のボタンのうち、1種類を選択することができる。S32では、通知部46は、ユーザによって、上記の2種類のボタンのいずれかのボタンが選択されることを監視する。
【0039】
ユーザは、使用者不一致情報を見ることによって、データの送信先のグローバルIPアドレス(即ちS12で取得されたグローバルIPアドレス)の使用者情報(例えばCompanyZ)を確認することができる。ユーザは、当該使用者情報を知らない場合(例えば上記の第1の場合)には、キャンセルボタンを選択することができる。キャンセルボタンが選択された場合(S32でNO)、制御部20は、データを送信することなく、データ送信処理を終了する。第1多機能機10は、ユーザからデータ送信ボタンが選択されなければ、データを送信しない。このため、ユーザが意図しないデバイスにデータが送信されることを防止することができる。この結果、ユーザが意図しない使用者にデータが送信されることが防止できる。
【0040】
一方、ユーザは、使用者不一致情報に含まれる使用者情報を知っている場合(例えば上記の第2の場合において合併後の組織名を知っている場合)には、実行ボタンを選択することができる。実行ボタンが選択された場合(S32でYES)、S34において、記憶制御部40は、上記の特定のアドレス組合せ情報(即ちユーザによって指定されたドメイン名を含むアドレス組合せ情報)に含まれる使用者情報(例えばCompanyX)に代えて、S14で取得された使用者情報(例えばCompanyZ)を記録する。即ち、上記の特定のアドレス組合せ情報に含まれる使用者情報を更新する。S34を終えると、S36に進む。
【0041】
S36では、問合部44は、S24と同様の手法を用いて、S12で取得されたグローバルIPアドレスによって特定される上記の特定のデバイスから、MACアドレスを取得する。次に、S38では、制御部20は、上記の特定のアドレス組合せ情報に含まれるMACアドレスと、S36で取得されたMACアドレスと、が一致するのか否かを判断する。一致する場合(S38でYES)、S46に進む。一方、一致しない場合(S38でNO)、S40において、通知部46は、MACアドレス不一致情報を表示部14に表示させる。MACアドレス不一致情報は、上記の特定のアドレス組合せ情報に含まれるMACアドレスと、S36で取得されたMACアドレスと、が一致しないことを示す情報を含む。MACアドレス不一致情報は、さらに、S36で取得されたMACアドレスを含む。
【0042】
MACアドレスが一致しない場合の一例として、S12で取得されたグローバルIPアドレスが割り当てられるデバイスが変更された第3の場合と、ユーザによって指定されたドメイン名が割り当てられるデバイスが変更された第4の場合と、第三者のデバイスがS12で取得されたグローバルIPアドレスを不正に使用している第5の場合(いわゆる「なりすまし」)と、を挙げることができる。第3の場合は、例えば、第1のデバイスにグローバルIPアドレスが割り当てられていたが、第2のデバイスに当該グローバルIPアドレスが割り当てられるように変更された場合である。なお、第3の場合の一例として、管理者が意図的に変更する場合と、DHCP(Dynamic Host Configuration Protocol)が変更する場合と、を挙げることができる。また、第4の場合は、例えば、第1のデバイスにドメイン名が割り当てられていたが、第2のデバイスに当該ドメイン名が割り当てられるように変更される場合である。
【0043】
MACアドレス不一致情報は、さらに、データの送信を実行するのか否かをユーザに選択させるための選択ボタン(即ち実行ボタン及びキャンセルボタン)を含む。ユーザは、操作部12を操作することによって、表示部14に表示された2種類のボタンのうち、1種類を選択することができる。S42では、通知部46は、ユーザによって、上記の2種類のボタンのいずれかのボタンが選択されることを監視する。
【0044】
上述したように、なりすましの可能性があるために、ユーザは、キャンセルボタンを選択することができる。キャンセルボタンが選択された場合(S42でNO)、制御部20は、データの送信を実行することなく、データ送信処理を終了する。一方、ユーザは、なりすましの可能性があるが、その可能性が低いと判断する場合には、実行ボタンを選択することができる。実行ボタンが選択された場合(S42でYES)、S44において、記憶制御部40は、上記の特定のアドレス組合せ情報(即ちユーザによって指定されたドメイン名を含むアドレス組合せ情報)に含まれるMACアドレスに代えて、S14で取得されたMACアドレスを記録する。即ち、上記の特定のアドレス組合せ情報に含まれるMACアドレスを更新して、S46に進む。
【0045】
S46では、データ送信部48は、S12で取得されたグローバルIPアドレスを送信先として指定して、データを送信する。具体的には、データ送信部48は、プログラム32のSMTPクライアントプログラムに従って、上記のデータを含む電子メールを送信する。なお、電子メールの送信先のデバイス(例えば第2多機能機120)は、SMTPサーバプログラムに従って、当該電子メールを受信する。
【0046】
(第1多機能機10から第2多機能機120にデータが送信されるケース)
第1多機能機10のユーザが、第2多機能機120にデータを送信することを望んでいる場合について説明する。ユーザは、アドレステーブル34の中から、第2多機能機120のドメイン名「example1.com」を選択する。第1多機能機10は、ドメイン名「example1.com」に対応付けてIPアドレステーブル202に記録されているグローバルIPアドレス「AA.AA.110.5」を、DNSサーバ200から取得する(図2のS12)。次いで、第1多機能機10は、グローバルIPアドレス「AA.AA.110.5」に対応付けて使用者情報テーブル302に記録されている使用者情報「CompanyZ」を、WHOISサーバ300から取得する(図2のS14)。
【0047】
アドレステーブル34のアドレス組合せ情報36に記録されている使用者情報「CompanyX」と、WHOISサーバ300から取得された使用者情報「CompanyZ」と、が不一致であるために(図2のS28でNO)、第1多機能機10は、使用者不一致情報を表示する(図2のS30)。
【0048】
ここで、第1多機能機10のユーザが、第2多機能機120が属する組織(企業)の名称が「CompanyX」から「CompanyZ」に変更されていることを知っている場合には、当該ユーザは、使用者不一致情報に含まれる実行ボタンを選択することによって、データの送信を指示することができる。なお、この場合、ユーザが特別な操作を第1多機能機10に実行しなくても、第1多機能機10は、アドレス組合せ情報36に含まれる使用者情報「CompanyX」を、使用者情報「CompanyZ」に更新することができる。
【0049】
第1多機能機10は、グローバルIPアドレス「AA.AA.110.5」によって特定される第2多機能機120からMACアドレス「XX−XX−XX−00−00−01」を取得する(図2のS36)。MACアドレス「XX−XX−XX−00−00−01」は、アドレス組合せ情報36に含まれるMACアドレスと一致するために、第1多機能機10は、ユーザにMACアドレス不一致情報を通知せずに、データを送信する。
【0050】
(本実施例の効果)
本実施例ついて詳しく説明した。第1多機能機10は、ドメイン名と使用者情報とが対応付けられたアドレステーブル34を記憶している。第1多機能機10のユーザによってドメイン名が指定されると、第1多機能機10は、ユーザによって指定されたドメイン名に対応付けて使用者情報テーブル302に記録されている使用者情報を、WHOISサーバ300から取得する(図2のS14)。従って、第1多機能機10は、ドメイン名によって指定されるデバイスから情報を取得しなく済む。第1多機能機10は、アドレステーブル34内の使用者情報と、WHOISサーバ300から取得された使用者情報と、が一致しない場合には(図2のS28でNO)、使用者不一致情報を、表示部14に表示させる(図2のS30)。これにより、ユーザは、選択されたデータの送信が実行されてもよいのか否かを確認することができる。ユーザは、キャンセルボタンを操作することによって(図2のS32でNO)、データの送信をキャンセルすることができる。一方、ユーザは、実行ボタンを操作することによって(図2のS32でYES)、データ送信処理を続行させることができる。
【0051】
例えば、特定の企業の特定の従業員が利用するデバイスにデータを送信することをユーザが望む場合に、ユーザは、表示部14に表示された使用者情報を確認することによって、データが上記の特定の企業に向けて送信されるのか否かを容易に判断することができる。ユーザは、使用者情報が上記の特定の企業以外の企業を示す場合に、データの送信をキャンセルすることができる。このために、データが上記の特定の企業以外の企業に送信されることによって、データに含まれる機密情報が上記の特定の企業以外の企業に流出することを、少なくとも防止することができる。
【0052】
第1実施例の各要素と本発明の各要素との対応関係を記載しておく。第1多機能機10が「データ通信装置」の一例である。グローバルIPアドレスが「アドレス情報」の一例であり、ドメイン名が「送信先情報」の一例であり、MACアドレスが「識別情報」の一例である。ユーザがアドレステーブル34内のドメイン名を選択するための操作が「第1の指示」の一例であり、ユーザがアドレステーブル34に存在しないドメイン名を直接入力するための操作が「第2の指示」の一例である。
【0053】
(変形例)
以上、本発明の実施形態について詳細に説明したが、これらは例示に過ぎず、特許請求の範囲を限定するものではない。特許請求の範囲に記載の技術には、以上に例示した具体例を様々に変形、変更したものが含まれる。
【0054】
(1)上記の実施例では、WHOISサーバ300は、グローバルIPアドレスと使用者情報とが対応付けられている使用者情報テーブル302を備えるが、これに代えて、ドメイン名と使用者情報とが対応付けられた使用者情報テーブルを備えていてもよい。この場合、使用者情報取得部42は、ユーザによって指定されたドメイン名を、WHOISサーバ300に送信することによって、WHOISサーバ300から使用者情報を取得してもよい。本変形例では、ドメイン名が「送信先情報」及び「アドレス情報」の一例である。なお、本変形例では、データ送信部48は、ドメイン名を用いてDNSサーバ200から取得されたグローバルIPアドレスを送信先に指定して、データを送信してもよい。この構成も、「特定のアドレス情報を用いて、ネットワークを介して特定のデバイスに第1のデータを送信する」という構成に含まれる。
【0055】
(2)上記の実施例では、アドレステーブル34には、ドメイン名と使用者情報とMACアドレスとが対応付けられたアドレス組合せ情報36,38が記録されている。しかしながら、アドレステーブル34には、グローバルIPアドレスと使用者情報とMACアドレスとが対応付けられたアドレス組合せ情報が記録されていてもよい。ユーザは、データの送信を望む場合に、アドレステーブル34内のグローバルIPアドレスを指定してもよい。この構成によれば、第1多機能機10は、DNSサーバ200から、グローバルIPアドレスを取得しなくて済む。本変形例では、グローバルIPアドレスが「送信先情報」及び「アドレス情報」の一例である。
【0056】
(3)上記の実施例では、各デバイス10,120,200,300は、インターネット4を介して、相互に通信可能である。これに代えて、各デバイス10,120,200,300は、同一LAN内に存在していてもよい。この場合、DNSサーバ200は、プライベートIPアドレスとドメイン名とを対応付けて記録していてもよい。また、WHOISサーバ300は、プライベートIPアドレスと使用者情報とを対応付けて記録していてもよい。本変形例では、プライベートIPアドレスが「アドレス情報」の一例である。
【0057】
(4)上記の実施例では、使用者情報テーブル302には、グローバルIPアドレスの範囲と使用者情報とが対応づけて記録されている。これに代えて、使用者情報テーブル302には、複数個のIPアドレス(グローバルIPアドレス又はプライベートIPアドレス)のそれぞれについて、当該IPアドレスと、当該IPアドレスの使用者に関する使用者情報(例えば個人ユーザ名)と、が対応付けて記録されていてもよい。
【0058】
(5)上記の実施例では、記憶制御部40が自動的にアドレステーブル34にアドレス組合せ情報を記録する。それに代えて、ユーザが、第1多機能機10の操作部12を操作することによって、新規なアドレス組合せ情報を入力すると、アドレステーブル34に当該新規なアドレス組合せ情報が記録されるようにしてもよい。
【0059】
(6)上記の実施例では、第1多機能機10のCPU20がプログラム32に従って処理を実行することによって、各部40〜48が実現されるが、各部40〜48の少なくとも1個は、論理回路等のハードウェアで実現されてもよい。
【0060】
(7)「データ通信装置」は、多機能機でなくてもよく、PC、プリンタ、サーバ、PDA等の通信装置であってもよい。
【0061】
また、本明細書または図面に説明した技術要素は、単独であるいは各種の組合せによって技術的有用性を発揮するものであり、出願時請求項記載の組合せに限定されるものではない。また、本明細書または図面に例示した技術は複数目的を同時に達成するものであり、そのうちの一つの目的を達成すること自体で技術的有用性を持つものである。
【符号の説明】
【0062】
10:第1多機能機、34:アドレステーブル、40:記憶制御部、42:使用者情報取得部、44:問合部、46:通知部、48:データ送信部、200:DNSサーバ、202:IPアドレステーブル、300:WHOISサーバ、302:使用者情報テーブル

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ネットワークを介するデータ通信で用いられるアドレス情報の使用者に関する使用者情報を提供するためのサーバに通信可能に接続されるデータ通信装置であって、
第1の送信先情報と第1の使用者情報とを対応付けてメモリに記憶させる記憶制御部と、
ユーザが、前記メモリ内の前記第1の送信先情報によって特定される特定のデバイスに第1のデータを送信するための第1の指示を、前記データ通信装置に入力する場合に、前記第1の送信先情報から得られる特定のアドレス情報の使用者に関する第2の使用者情報を、前記サーバから取得する使用者情報取得部と、
前記メモリ内の前記第1の送信先情報に対応付けられている前記第1の使用者情報と、取得済みの前記第2の使用者情報と、が一致しない第1の場合に、前記第1のデータが送信される前に、前記第1の使用者情報と前記第2の使用者情報とが一致しないことを、前記ユーザに通知する通知部と、
前記メモリ内の前記第1の送信先情報に対応付けられている前記第1の使用者情報と、取得済みの前記第2の使用者情報と、が一致する第2の場合に、前記特定のアドレス情報を用いて、前記ネットワークを介して前記特定のデバイスに前記第1のデータを送信するデータ送信部と、を備えるデータ通信装置。
【請求項2】
前記第1の送信先情報と前記第1の使用者情報とが対応付けて前記メモリに記憶されていない状態で、前記ユーザが、前記第1の送信先情報を指定して、前記特定のデバイスに第2のデータを送信するための第2の指示を、前記データ通信装置に入力する場合に、
前記使用者情報取得部は、さらに、前記第1の送信先情報から得られる前記特定のアドレス情報の使用者に関する前記第1の使用者情報を、前記サーバから取得し、
前記記憶制御部は、前記ユーザによって指定された前記第1の送信先情報と、取得済みの前記第1の使用者情報と、を対応付けて、前記メモリに記憶させる、請求項1に記載のデータ通信装置。
【請求項3】
前記通知部は、さらに、前記ユーザが前記第2の指示を前記データ通信装置に入力する場合に、取得済みの前記第1の使用者情報を前記ユーザに通知して、前記第2のデータの送信を実行するのか否かを前記ユーザが選択することを許容し、
前記記憶制御部は、前記ユーザが前記第2の指示を前記データ通信装置に入力する場合において、前記第2のデータの送信を実行することが前記ユーザによって選択される場合に、前記ユーザによって指定された前記第1の送信先情報と、取得済みの前記第1の使用者情報と、を対応付けて、前記メモリに記憶させる、請求項2に記載のデータ通信装置。
【請求項4】
前記通知部は、前記第1の場合に、前記第1のデータが送信される前に、前記第1の使用者情報と前記第2の使用者情報とが一致しないことを前記ユーザに通知して、前記第1のデータの送信を実行するのか否かを前記ユーザが選択することを許容し、
前記記憶制御部は、さらに、前記第1の場合において、前記第1のデータの送信を実行することが前記ユーザによって選択される場合に、前記第1の使用者情報に代えて、前記第2の使用者情報を、前記第1の送信先情報に対応付けて前記メモリに記憶させる、請求項1から3のいずれか一項に記載のデータ通信装置。
【請求項5】
前記記憶制御部は、さらに、前記第1の送信先情報と前記第1の使用者情報とに対応付けて、前記特定のデバイスの固有の識別情報である第1の識別情報を前記メモリに記憶させ、
前記データ通信装置は、さらに、
前記特定のアドレス情報を用いて、固有の識別情報を問い合わせることによって、第2の識別情報を取得する問合部を備え、
前記通知部は、さらに、前記メモリ内の前記第1の送信先情報に対応付けられている前記第1の識別情報と、取得済みの前記第2の識別情報と、が一致しない第3の場合に、前記第1のデータが送信される前に、前記第1の識別情報と前記第2の識別情報とが一致しないことを、前記ユーザに通知し、
前記データ送信部は、前記第2の場合であり、かつ、前記メモリ内の前記第1の送信先情報に対応付けられている前記第1の識別情報と、取得済みの前記第2の識別情報と、が一致する場合に、前記特定のアドレス情報を用いて、前記ネットワークを介して前記特定のデバイスに前記第1のデータを送信する、請求項1から4のいずれか一項に記載のデータ通信装置。
【請求項6】
前記問合部は、SNMPに従って、前記特定のアドレス情報を用いて、固有の識別情報を問い合わせることによって、前記第2の識別情報を取得する、請求項5に記載のデータ通信装置。
【請求項7】
前記第1の送信先情報と前記第1の使用者情報と前記第1の識別情報とが対応付けて前記メモリに記憶されていない状態で、前記ユーザが、前記第1の送信先情報を指定して、前記特定のデバイスに第2のデータを送信するための第2の指示を、前記データ通信装置に入力する場合に、
前記使用者情報取得部は、さらに、前記第1の送信先情報から得られる前記特定のアドレス情報の使用者に関する前記第1の使用者情報を、前記サーバから取得し、
前記問合部は、さらに、前記特定のアドレス情報を用いて、固有の識別情報を問い合わせることによって、前記第1の識別情報を取得し、
前記記憶制御部は、前記ユーザによって指定された前記第1の送信先情報と、取得済みの前記第1の使用者情報と、取得済みの前記第1の識別情報と、を対応付けて、前記メモリに記憶させる、請求項5又は6に記載のデータ通信装置。
【請求項8】
前記通知部は、前記第3の場合に、前記第1のデータが送信される前に、前記第1の識別情報と前記第2の識別情報とが一致しないことを前記ユーザに通知して、前記第1のデータの送信を実行するのか否かを前記ユーザが選択することを許容し、
前記記憶制御部は、さらに、前記第3の場合において、前記第1のデータの送信を実行することが前記ユーザによって選択される場合に、前記第1の識別情報に代えて、前記第2の識別情報を、前記第1の送信先情報と前記第1の使用者情報とに対応付けて前記メモリに記憶させる、請求項5から7のいずれか一項に記載のデータ通信装置。

【図1】
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【図2】
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【公開番号】特開2012−70340(P2012−70340A)
【公開日】平成24年4月5日(2012.4.5)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−215620(P2010−215620)
【出願日】平成22年9月27日(2010.9.27)
【出願人】(000005267)ブラザー工業株式会社 (13,856)
【Fターム(参考)】