説明

トップエミッション型有機EL素子

【課題】 有機EL層の水分または酸素による劣化を防止することができる構造を有するトップエミッション型素子の提供。
【解決手段】 基板上に、反射電極、有機EL層、透明電極、捕捉剤層がこの順に積層された構造を有し、捕捉剤層が有機EL層を構成する物質の1つまたは複数によって形成されていることを特徴とするトップエミッション型有機EL素子。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明はトップエミッション型有機EL素子に関し、特に有機EL素子の作製方法に関する。
【背景技術】
【0002】
1987年にイーストマンコダック社のTangらによって2層積層構成で高い効率を有する有機EL素子が発表されて以来、現在に至る間に様々な有機EL素子が開発されてきており、一部実用化がされ始めている(非特許文献1参照)。こうした中で、次世代のディスプレイとして、有機EL素子を用いたフルカラー有機ELディスプレイの開発および実用化が急がれている。
【0003】
フルカラー化の方法としては、異なる色を発光する複数種の有機EL発光素子を基板上に配列する方法(いわゆる3色塗り分け法)、バックライトの発光を波長分布変換することによる色変換法(以下、CCM法と称する)、バックライトの発光をカラーフィルタを通して放射するカラーフィルタ法などが検討されてきている。これらの方式の中で、成膜時にメタルマスクを用いる必要がなく、フォトプロセスを用いて所望のパターンの色変換層ないしカラーフィルタ層を作製することができるという点において、CCM法およびカラーフィルタ法がディスプレイの大面積化および高精細化に有利である。
【0004】
しかしながら、従来検討されてきた基板側から光を取り出すボトムエミッション型素子においては、CCM法およびカラーフィルタ法では、一般的にアクティブマトリクス駆動型ディスプレイを作製することが難しい。その理由は、TFT基板と有機EL層との間に色変換層またはフィルタ層が存在し、有機EL層とTFT基板とを電気的に接続するために、コンタクトホールを作製する必要があるからである。ここで、色変換層およびフィルタ層は有機物であり、かつフォトプロセスによってパターニングが行われるため、それらの層には水分が多く含まれている。CCM法およびカラーフィルタ法によるパッシブマトリクス駆動型ディスプレイにおいては、これらの層に含まれる水分が有機EL層に浸入しないように、有機EL層と色変換層およびフィルタ層との間にパッシベーション層を設けて有機EL層を保護している。しかしながら、前述のように有機EL層とTFT基板との間の電気的接続のためにコンタクトホールを作製するには、このパッシベーション層に穴を開ける必要があり、したがってパッシベーション層による有機EL層の保護効果を期待することができなくなるのである。
【0005】
この問題点を解決するために、基板の反対側に光を取り出すトップエミッション型有機EL素子を用い、色変換基板と貼り合わせて有機ELディスプレイパネルを作製することが検討されてきている。図2に例示的構造を示すようなトップエミッション型有機EL素子は、基板10の上に、反射電極20、有機EL層30および透明電極40を積層することにより作製される。この場合には基板10(たとえば、ガラス基板、TFT基板など)の上に直接的に有機EL素子を形成することができるので、該素子を積層するための表面の平坦性を確保できるからである。そして、色変換層および任意選択的にカラーフィルタ層を有する色変換フィルタを貼り合わせることによって、CCM方式有機ELディスプレイパネルを作製することができる。トップエミッション型素子およびそれを用いた貼り合わせ工程を行うことによって、前述のコンタクトホールの問題を回避でき、かつ工程的にも簡略化されて量産性の向上を図ることができる。
【0006】
一方、3色塗り分け法では、TFT基板上に直接的に一対の電極および有機EL層を作製することができるので、アクティブマトリクス駆動型ディスプレイを作製するのは比較的容易である。しかしながら、個々の画素(ないしは副画素)に相当する有機EL層およびTFTの特性のバラツキを抑えて安定的にアクティブマトリクス駆動を行うためには、1つの画素(ないしは副画素)に多くのTFTを設けることが必要である。TFTは光を透過させることができないので、ボトムエミッション型素子においてTFTの数を増加させることは、開口率の低下を招く。そこで、CCM法およびカラーフィルタ法とは別の理由ではあるが、トップエミッション型素子の開発が望まれている。
【0007】
【特許文献1】特開2003−144830号公報
【特許文献2】特開2003−17244号公報
【特許文献3】特開平5−134112号公報
【特許文献4】特開平7−218717号公報
【特許文献5】特開平7−306311号公報
【特許文献6】特開平5−119306号公報
【特許文献7】特開平7−104114号公報
【特許文献8】特開平7−48424号公報
【特許文献9】特開平8−279394号公報
【特許文献10】特開平6−300910号公報
【特許文献11】特開平7−128519号公報
【特許文献12】特開平9−330793号公報
【特許文献13】特開平8−27934号公報
【特許文献14】特開平5−36475号公報
【非特許文献1】C. W. Tang, S. A. VanSlike, Appl. Phys. Lett. 51, 913 (1987)
【非特許文献2】有機EL材料とディスプレイ、シーエムシー、2001
【非特許文献3】有機ELディスプレイの本格実用化最前線、東レリサーチセンター、2002
【非特許文献4】月刊ディスプレイ、1997年、第3巻、第7号
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
図2に、トップエミッション型素子の例示的構造を示す。基板10の上に、反射電極20、有機EL層30および透明電極40が順に積層されている。有機EL層30は、少なくとも有機発光層33を含み、必要に応じて正孔注入層31、正孔輸送層32、電子輸送層34および/または電子注入層35を含んでもよい(図2の構造は、反射電極20を陽極として用いる場合を示したものである)。
【0009】
前述のように、有機EL素子において、有機EL層30を構成する有機物(たとえば、Alqなど)が水分または酸素により劣化することが知られている。このため、従来のボトムエミッション型ディスプレイにおいては、封止ガラスに乾燥剤などを取り付けて、有機EL層の構成材料を水分および酸素から保護することが行われている。しかしながら、そのような乾燥剤は不透明ないし光散乱性であるため、光を基板とは反対側(封止ガラス側)から取り出すトップエミッション型素子の場合、通常の乾燥剤を設置する場所がなく、また素子の小型化の要請から素子周辺部にも充分に大きなスペースを割くことができない。そのため、透明な乾燥剤を透明電極上に塗布する方法も提案されているが、優れた塗布方法、別途設備が必要であることなどの問題点を抱えている(特許文献1参照)。
【0010】
一方、素子の小型化の観点から、緻密な構造を有する無機物層と、該無機物層で発生する応力を緩和するための有機物層とを交互に積層したバリア層を用いることが提案されている(特許文献2参照)。しかしながら、そのバリア層をトップエミッション型素子に適用する場合、それぞれの層の透明度および屈折率を制御する必要があり、ならびに、それら無機物層および有機物層を積層するための蒸着用真空装置など新たな装置の増設が必要である。これらの問題点はコストの上昇を招き、したがって量産性に問題がある。
【0011】
したがって、有機EL層の水分または酸素による劣化を防止することができる構造を有するトップエミッション型素子に対する要求が存在する。また、簡便な方法で量産することができ、かつ追加の設備投資などを必要としない、該トップエミッション型素子の製造方法に対する要求が存在する。
【課題を解決するための手段】
【0012】
本発明のトップエミッション型有機EL素子は、基板と、該基板上に形成された反射電極と、前記反射電極上に形成された有機EL層と、前記有機EL層上に透明電極と、前記透明電極上に形成された捕捉剤層とを有し、前記捕捉剤層が前記有機EL層を構成する物質の1つまたは複数によって形成されていることを特徴とする。ここで、捕捉剤層は、蒸着によって形成されてもよい。また、基板の捕捉剤層が形成されている側に貼り付けられた封止基板をさらに有してもよい。ここで、基板と封止基板との間の空間は、不活性ガスまたは注入材が充填されていてもよい。あるいはまた、本発明のトップエミッション型有機EL素子は、反射電極、有機EL層、透明電極および捕捉剤層を覆って形成される透明保護膜をさらに有してもよい。
【0013】
捕捉剤層に用いることができる材料は、アントラセン、コロネン、ペリレン、ルブレンまたはそれらの誘導体;C−X−Zを有する化合物(式中、Xは−(C)−およびその位置異性体を含み、Zはフェニルまたはナフチル基(位置異性体を含む)を含み、また化合物中のフェニル、フェニレンおよびナフチル基は、任意選択的に1〜4炭素原子を有するアルキル基またはアルコキシル基、ヒドロキシル基、スルホニル基、カルボニル基、アミノ基、ジメチルアミノ基またはジフェニルアミノ基によって1つまたは複数の水素を置換されていてもよい);ジスチリルベンゼン(DSB)、ビス(p−エチルフェニルビニル)ベンゼン(PESB)、4,4’−ビス(ジフェニルビニル)ビフェニル(DPVBi)など;Alq、Almq、AlPrq、Alph、Alpq、BAlq、Be(5Fla)のようなアルミニウム錯体;Beq、BeMq、BeBq、Be(5Fla)のようなベリリウム錯体;Znq、ZnMq、Znac、Znavq、ZnMIBQ、Zn(BOX)、Zn(BTZ)、Zn(Oc−BTAZ)、Zn(PhPy)、Zn(ODZ)、Zn(5Fla)、Zn(3Fla)、ZnTPP、ZnPBT、ZnPBO、Zn(OXZ)のような亜鉛錯体;Mgqのようなマグネシウム錯体;GaMqClのようなガリウム錯体;Ir(ppy)のようなイリジウム錯体;Eu(TTA)(Phen)のようなユーロピウム錯体など;TPP、TPC、フタロシアニン(Pc)など、あるいはそれらを配位子として用いたCuPc、ZNTPP、PtOEPなど;PBD、TPOB;オキサジアゾール誘導体;TAZなどのトリアゾール誘導体;トリアジン誘導体;フェニルキノキサリン類;BMB−2T、BMB−3Tのようなチオフェン誘導体;TPD、α−NPD、PBD、DPH、DPMH、M−DPH、TBA、o−TTA、m−TTA、p−TTA、TTPA、TPAC、TRP、TCTA、p−DPA−TDAB、p−PMTDATA、TFATA、MTDAPB(o−,m−,p−)、p−BPD、PFFA、FFD、m−MTDATA、1−TNATA、2−TNATA、BMA−nT、PPD、TBPB、HTM1、D1−CH2−D1、TPTE1、TPTE2、NTPA、(NPB)DNPD、spiro−TAD、spiro−NPD、spiro2、FTPD、OTP1、(NDA)PP、m−TPTE、AO−3、(DTP)DPPD、TNFL、TFLFL、スピロフェナザリジン−3、FTPD1〜7、OTPAC1〜6;ECH、ECMH、M−ECHなどを含む。
【発明の効果】
【0014】
以上のように形成される本発明の有機EL素子において、捕捉剤層を構成する有機物は、電界が印加されないので発光とは無関係であり、存在する可能性のある水分または酸素を捕捉する捕捉剤としての機能のみを有する。すなわち、捕捉剤層を構成する有機物が有機EL層を構成する有機物よりも先に水分または酸素を捕捉するので、有機EL層に到達する水分および酸素を捕捉剤層を設けない場合に比べて格段に少なくして、有機EL層を保護することが可能となる。
【0015】
本発明の構成は、さらに以下の利点を有するものである。
(1)有機EL層を構成する材料を用いて捕捉剤層を形成するので、追加装置を別途増設する必要がなく、コストの上昇を招くことがない。
(2)高屈折率の透明電極上に中程度の屈折率の捕捉剤層を形成することによって、透明電極内を光が伝播することによる取り出し効率の低下を抑制することができる。この効果は、注入材を用いることによりさらに高めることができる。
(3)捕捉剤層を形成する材料は有機EL層を構成する材料であるため、その透明性に問題はない。また、封止基板または透明保護膜に覆われるため、捕捉剤層の劣化による透明性の低下は実用上問題とはならない。
(4)捕捉剤層が透明電極中のピンホールないし欠陥を覆うことができ、一種のパッシベーション層として機能する。
(5)捕捉剤層が柔軟な有機物で構成されるため、フレキシブルな有機EL素子にも適用可能である。
【発明を実施するための最良の形態】
【0016】
図1に本発明のトップエミッション型有機EL素子の1つの実施形態を示す。本発明のトップエミッション型有機EL素子は、基板10の上に、反射電極20、有機EL層30、透明電極40および捕捉剤層50を順に積層した構造を有する。本実施形態においては、基板10の捕捉剤層50を形成した側に、封止基板60が接着剤70で貼り合わせられる。本実施形態において、基板10と封止基板60との間の空間に注入材80を充填してもよい。なお、図1においては、1つの発光部分(単色表示の場合の画素、多色表示の場合の副画素に相当する)のみを示しているが、複数の発光部分を有してもよいことはいうまでもない。
【0017】
基板10は、透明であっても不透明であってもよく、積層される層の形成に用いられる条件(溶媒、温度等)に耐えるものであるべきであり、および寸法安定性に優れていることが好ましい。好ましい材料は、金属、セラミック、ガラス、シリコンなど半導体、ならびにポリエチレンテレフタレート、ポリメチルメタクリレート等の樹脂を含む。あるいはまた、ポリオレフィン、アクリル樹脂、ポリエステル樹脂またはポリイミド樹脂などから形成される可撓性フィルムを、基板として用いてもよい。アクティブマトリクス駆動型素子を形成する場合、好ましい基板10は、シリコンなど半導体であり、その表面に複数のスイッチング素子(TFT、MIMなど)が形成されているものである。
【0018】
反射電極20は、複数の部分電極から形成され、高反射率の金属、アモルファス合金、微結晶性合金を用いて形成されることが好ましい。高反射率の金属は、Al、Ag、Mo、W、Ni、Crなどを含む。高反射率のアモルファス合金は、NiP、NiB、CrPおよびCrBなどを含む。高反射率の微結晶性合金は、NiAlなどを含む。反射電極12を陽極として用いてもよいし、陰極として用いてもよい。反射電極20を陽極として用いる場合、前述の高反射率材料の上に、SnO、In、ITO、IZO、ZnO:Alなどの導電性金属酸化物を積層して、有機EL層に対する正孔注入効率を向上させてもよい。反射電極20を陰極として用いる場合には、反射電極20と接触する有機EL層30の構成層を電子注入層35として、有機EL層30に対する電子注入の効率を向上させてもよい。
【0019】
アクティブマトリクス駆動型素子を形成する場合、反射電極20は、基板10上に形成された複数のスイッチング素子と1対1に電気的に接続される複数の部分電極から形成される。一方、パッシブマトリクス駆動型素子を形成する場合には、反射電極20は、第1の方向に延びる複数のストライプ状電極から形成される。
【0020】
反射電極20は、用いる材料に依存して、蒸着(抵抗加熱または電子ビーム加熱)、スパッタ、イオンプレーティング、レーザーアブレーションなどの当該技術において知られている任意の手段を用いて形成することができる。反射電極20は、所望の形状を与えるマスクを用いて複数の部分電極を形成してもよいし、最初に基板上に均一な層を形成してフォトリソグラフィーなどを用いて所望の形状の複数の部分電極としてもよいし、あるいはリフトオフ法を用いてもよい。
【0021】
次に、反射電極20の上に有機EL層30が形成される。有機EL層30は、有機発光層33を少なくとも含み、必要に応じて正孔輸送層31、正孔注入層32、電子輸送層34および/または電子注入層35を含む。これらの各層は、それぞれにおいて所望される特性を実現するのに充分な膜厚を有して形成される。たとえば、下記のような層構成からなるものが採用される。
(1)有機発光層
(2)正孔注入層/有機発光層
(3)有機発光層/電子注入層
(4)正孔注入層/有機発光層/電子注入層
(5)正孔輸送層/有機発光層/電子注入層
(6)正孔注入層/正孔輸送層/有機発光層/電子注入層
(7)正孔注入層/正孔輸送層/有機発光層/電子輸送層/電子注入層
(上記の構成において、陽極として機能する電極が左側に接続され、陰極として機能する電極が右側に接続される)
【0022】
有機発光層33の材料としては、任意の公知の材料を用いることができる。たとえば、青色から青緑色の発光を得るためには、例えば縮合芳香環化合物、環集合化合物、金属錯体、スチリルベンゼン系化合物、ポルフィリン系化合物、ベンゾチアゾール系、ベンゾイミダゾール系、べンゾオキサゾール系などの蛍光増白剤、芳香族ジメチリディン系化合物などの材料が好ましく使用される(非特許文献2および非特許文献3参照)。
【0023】
用いることができる縮合芳香環化合物は、アントラセン、コロネン、ペリレン、ルブレンまたはそれらの誘導体などを含む。
【0024】
用いることができる環集合化合物は、一般式C−X−Zを有する化合物を含み、式中Xは−(C)−およびその位置異性体を含み、Zはフェニルまたはナフチル基(位置異性体を含む)を含み、また化合物中のフェニル、フェニレンおよびナフチル基は、任意選択的に1〜4炭素原子を有するアルキル基またはアルコキシル基、ヒドロキシル基、スルホニル基、カルボニル基、アミノ基、ジメチルアミノ基またはジフェニルアミノ基によって1つまたは複数の水素を置換されていてもよい。特に好ましい環集合化合物は、p−クオーターフェニル(PQP)、3,5,3'''''、5'''''−テトラ−t−ブチル−p−セクシフェニル(TBS)、3,5,3''''、5''''−テトラ−t−ブチル−p−クィンクフェニル(TBS)などを含む。
【0025】
用いることができるスチルベン化合物は、ジスチリルベンゼン(DSB)、ビス(p−エチルフェニルビニル)ベンゼン(PESB)、4,4’−ビス(ジフェニルビニル)ビフェニル(DPVBi)などを含む。
【0026】
用いることができる金属錯体は、Alq、Almq、AlPrq、Alph、Alpq、BAlq、Be(5Fla)のようなアルミニウム錯体;Beq、BeMq、BeBq、Be(5Fla)のようなベリリウム錯体;Znq、ZnMq、Znac、Znavq、ZnMIBQ、Zn(BOX)、Zn(BTZ)、Zn(Oc−BTAZ)、Zn(PhPy)、Zn(ODZ)、Zn(5Fla)、Zn(3Fla)、ZnTPP、ZnPBT、ZnPBO、Zn(OXZ)のような亜鉛錯体;Mgqのようなマグネシウム錯体;GaMqClのようなガリウム錯体;Ir(ppy)のようなイリジウム錯体;Eu(TTA)(Phen)のようなユーロピウム錯体などを含む。
【0027】
用いることができるポルフィリン系化合物は、TPP、TPCまたはフタロシアニン(Pc)のような化合物、あるいはそれらを配位子として用いたCuPc、ZNTPP、PtOEPなどを含む。
【0028】
あるいはまた、ホスト化合物にドーパントを添加することによって、種々の波長域の光を発する有機発光層33を形成してもよい。ホスト化合物としては、ジスチリルアリーレン系化合物(たとえば出光興産製IDE−120など)、N,N’−ジトリル−N,N’−ジフェニルビフェニルアミン(TPD)、アルミニウムトリス(8−キノリノラート)(Alq)等を用いることができる。ドーパントとしては、ペリレン(青紫色)、クマリン6(青色)、キナクリドン系化合物(青緑色〜緑色)、ルブレン(黄色)、4−ジシアノメチレン−2−(p−ジメチルアミノスチリル)−6−メチル−4H−ピラン(DCM、赤色)、白金オクタエチルポルフィリン錯体(PtOEP、赤色)などを用いることができる。
【0029】
電子注入層35の材料としては、アルカリ金属、アルカリ土類金属またはそれらを含む合金、アルカリ金属フッ化物などの電子注入性材料の薄膜(膜厚10nm以下)としてもよい。あるいはまた、アルカリ金属ないしアルカリ土類金属をドープしたアルミニウムのキノリノール錯体を用いてもよい。本発明においては、透明電極40が陰極として機能する場合、透明電極40と有機EL層30が接触する界面に電子注入層35を設けて、電子注入性を向上させることが望ましい。
【0030】
電子輸送層34の材料としては、PBD、TPOB、および以下に示す構造を有するもののようなオキサジアゾール誘導体;
【0031】
【化1】

【0032】
TAZおよび以下に示す構造を有するもののようなトリアゾール誘導体;
【0033】
【化2】

【0034】
以下に示す構造を有するもののようなトリアジン誘導体;
【0035】
【化3】

【0036】
以下に示す構造を有するもののようなフェニルキノキサリン類;
【0037】
【化4】

【0038】
BMB−2T、BMB−3Tのようなチオフェン誘導体;Alqのようなアルミニウム錯体などを用いることができる(非特許文献2および非特許文献3参照)。
【0039】
正孔輸送層32は、トリアリールアミン部分構造、カルバゾール部分構造、オキサジアゾール部分構造を有する材料を用いて形成することができる。用いることができる材料は、好ましくは、TPD、α−NPD、PBD、DPH、DPMH、M−DPH、TBA、o−TTA、m−TTA、p−TTA、TTPA、TPAC、TRP、TCTA、p−DPA−TDAB、p−PMTDATA、TFATA、MTDAPB(o−,m−,p−)、p−BPD、PFFA、FFD、m−MTDATA、1−TNATA、2−TNATA、BMA−nT、PPD、TBPB、HTM1、D1−CH2−D1、TPTE1、TPTE2、NTPA、(NPB)DNPD、spiro−TAD、spiro−NPD、spiro2、FTPD、OTP1、(NDA)PP、m−TPTE、AO−3、(DTP)DPPD、TNFL、TFLFL、スピロフェナザリジン−3、FTPD1〜7、OTPAC1〜6;ECH、ECMH、M−ECH;TPOBなどを含む(非特許文献2および非特許文献3参照)。
【0040】
正孔注入層31の材料としては、Pc類(CuPcなどを含む)またはインダンスレン系化合物などを用いることができる(非特許文献2および非特許文献3参照)。
【0041】
有機EL30を構成するそれぞれの層は、蒸着(抵抗加熱または電子ビーム加熱)などの当該技術において知られている任意の手段を用いて形成することができる。
【0042】
有機EL層30の上に、透明電極40をスパッタ法により積層する。透明電極40は、SnO、In、ITO、IZO、ZnO:Alなどの導電性金属酸化物を用いて形成される。透明電極40を陰極として用いる場合には、有機EL層30の最上層を電子注入層35として電子注入効率を高めることが望ましい。透明電極40は、波長400〜800nmの光に対して好ましくは50%以上、より好ましくは85%以上の透過率を有することが好ましい。透明電極40は、通常50nm以上、好ましくは50nm〜1μm、より好ましくは100〜300nmの範囲内の厚さを有することが望ましい。
【0043】
アクティブマトリクス駆動型有機EL素子を形成する場合、反射電極20が各画素(または副画素)に対応して分離して設けられているので、透明電極40は一体型の電極として形成される。一方、パッシブマトリクス駆動型有機EL素子を形成する場合、透明電極40は、第1の方向と交差する(好ましくは直交する)第2の方向に延びる複数のストライプ状電極として形成される。
【0044】
次に、透明電極40の上に、捕捉剤層50を積層する。捕捉剤層50は、当該有機EL素子の有機EL層30を構成する1つまたは複数の化合物から形成されてもよい。あるいはまた、前述の有機EL層30を構成する各層として用いることができる材料のうち当該有機EL素子の有機EL層30を構成しない1つまたは複数の化合物を用いて、捕捉剤層50を形成してもよい。本発明において、捕捉剤層50は、一般的に20nm〜1μm、より好ましくは50〜200nmの膜厚を有して形成される。この範囲内の膜厚とすることによって、水分および酸素から有機EL層30を保護する機能を提供し、同時に有機EL層30を発した光に対する透明性を確保することが可能となる。さらに、捕捉剤層50を形成する材料は、およそ1.85の屈折率を有するので、高い屈折率(2.0以上)を有する透明電極40との界面において有機EL層30からの発光が反射して透明電極40内部を横方向に伝搬することを防止し、光の取り出し効率を向上させることを可能にする。捕捉剤層50は、前述の有機EL層30を構成する各層の材料を用いて、蒸着(抵抗加熱または電子ビーム加熱)などの当該技術において知られている任意の手段を用いて形成することができる。
【0045】
本実施形態においては、反射電極20から捕捉剤層50までの積層体を覆うように、封止基板60が接着剤70で貼り合わせられる。封止基板60は、有機EL層30からの発光に対して透明であることが必要であり、波長400〜800nmの光に対して50%以上の透過率を有することが好ましい。封止基板60の材料として好ましいものは、ガラス、ポリエチレンテレフタレート、ポリメチルメタクリレート等の樹脂を含む。ホウケイ酸ガラスまたは青板ガラス等が特に好ましいものである。あるいはまた、ポリオレフィン、アクリル樹脂、ポリエステル樹脂またはポリイミド樹脂などから形成される可撓性フィルムを、封止基板60として用いてもよい。
【0046】
接着剤70は、封止基板60の外周部に設けられて基板10と封止基板60とを接着させるために用いられる。本発明においては、紫外線硬化型接着剤を用いることが好ましい。特に好ましいものは、100mW/cmの紫外線を照射した際に、10〜60秒以内に硬化する紫外線硬化型接着剤である。この時間範囲内で硬化させることにより、紫外線照射による他の構成要素への悪影響をもたらすことなしに、紫外線硬化型接着剤が充分に硬化して適切な接着強さを提供することが可能となる。また、生産工程の効率の観点からも、前述の時間範囲内であることが好ましい。
【0047】
また、本発明において用いられる接着剤70は、スペーサとして直径20〜60μm、好ましくは直径35〜55μmのガラスビーズ、シリカビーズなどを含んでもよい。これらのビーズ類は、有機EL発光素子と色変換フィルタとの貼り合わせにおいて、素子間間隔および後述する注入材80の膜厚を規定するとともに、接着のために印加される圧力を負担する。さらに、スペーサは有機EL素子駆動時に発生する応力(特に素子外周部における応力)も負担して、該応力による有機EL素子の劣化を防止することにも有効である。
【0048】
さらに、本実施形態においては、基板10、封止基板60および接着剤70によって画定される内部空間に注入材80を充填してもよい。注入材80の例は、UV硬化性樹脂、熱硬化性樹脂、フッ素系不活性液体(フロリナート(登録商標)など)、およびフッ素系オイルなどを含む。熱硬化性樹脂には、加熱によってゲル化が進行するシリコーン系樹脂を含む。本発明におけるより好ましい充填剤は、フッ素系不活性液体を含む。
【0049】
注入材80は有機EL素子の光取り出し経路に位置するので、波長400〜800nmの光に対して20%〜95%、好ましくは60%〜95%の可視光透過率を有するべきである。そのような可視光透過率を有することにより、注入材80を通して有機EL発光素子の光を効率よく取り出すことが可能となる。また、本発明の注入材は1.2〜2.5の屈折率を有することが望ましい。そのような屈折率を有することにより、注入材80と捕捉剤層50との界面における屈折率差を小さくして、該界面における反射を抑制することが可能となる。なお、反応硬化により増粘する注入材を用いる場合には、硬化ないし増粘の後に前述の可視光透過率および屈折率を有するべきである。
【0050】
あるいはまた、内部空間にN、He、Ne、Ar、Xeなどの不活性ガスを充填してもよい。充填される不活性ガスは、50ppm以下、好ましくは10ppm以下、より好ましくは1ppm以下の水分濃度、および50ppm以下、好ましくは10ppm以下、より好ましくは1ppm以下の酸素濃度を有することが望ましい。このような水分濃度および酸素濃度を有する不活性ガスを用いることによって、内部空間の光透過率を向上させることによって光取り出し効率の増大を図ると同時に、有機EL層を保護することが可能となる。
【0051】
図3に本発明のトップエミッション型有機EL素子の別の実施形態を示す。本実施形態においては、図1に示した実施形態で用いられる封止基板60、接着剤70および注入材80に代えて、透明保護層90が設けられている。
【0052】
透明保護層90を形成するのに用いることが出来る材料は、可視域における高い透明性(400〜700nmの範囲において透過率50%以上)、100℃以上のTg、鉛筆硬度2H以上の表面硬度を示す材料であって、その下にある有機EL層30の機能を低下させることのない材料から選択することができる。ガスバリア層を形成するのに好ましい材料は、SiO、SiN、SiN、AlO、TiO、TaO、ZnOなどの無機酸化物または無機窒化物を含む。
【0053】
さらに、透明保護層90は、単層であってもよいし、複数の別個の材料を用いて複数層の積層構造を採ってもよい。透明保護層90が複数層の積層構造をとる場合には、前述の無機酸化物または無機窒化物を複数層積層してもよい。あるいはまた、透明保護層90表面の平坦性をより向上させることを目的として、前述の無機酸化物または無機窒化物の層と有機材料の層とを積層してもよい。用いることができる有機材料は、たとえば、イミド変性シリコーン樹脂(たとえば特許文献3〜5参照)、アクリル、ポリイミドまたはシリコーン樹脂中に分散された無機金属化合物(TiO、Al、SiOなど、特許文献6,7参照)、エポキシ変性アクリレート樹脂、反応性ビニル基を含むアクリレートモノマー/オリゴマー/ポリマーのような紫外線硬化型樹脂(特許文献8参照)、レジスト樹脂(特許文献9〜12参照)、無機化合物(ゾル−ゲル法により形成されてもよい、非特許文献4、特許文献13参照)、フッ素系樹脂などの光硬化型および/または熱硬化型樹脂(特許文献12,14参照)を含む。
【0054】
上記のような材料から透明保護層90を形成する際には、たとえば、乾式法(スパッタ法、蒸着法、CVD法など)、および湿式法(スピンコート法、ロールコート法、キャスト法、ディップコート法など)などの、当該技術において知られている任意の方法を用いてもよい。また、透明保護層90を設ける場合には、視野角依存性(観察角度の変化による色相変化)を最小限にするために、ガス(酸素、水蒸気、有機溶剤蒸気など)に対する充分なバリア性を達成できる限りにおいて、透明保護層90の膜厚が小さいことが好ましい。通常の場合、透明保護層90は0.1〜1μmの膜厚を有して形成される。
【実施例】
【0055】
(実施例1)
ガラス基板上に、反射金属としてAlを蒸着法にて成膜し、その上にITOをスパッタ成膜した。成膜の後に、この基板を研磨し、フォトリソグラフィ法を用いてパターニングを行いAl/ITOからなる反射電極を形成した。AlおよびITOのエッチャントとして、王水を用いた。
【0056】
反射電極が形成された基板を洗浄し、酸素プラズマ室、有機膜蒸着室、金属蒸着室およびスパッタ室が連結された蒸着装置に設置した。最初に基板を酸素プラズマ室に入れ、Ar/O=1:1の雰囲気中で100Wの電力を印加し、5分間にわたって洗浄した。次に基板を蒸着室(圧力5×10−5Pa、室温)に移動させ、成膜速度0.5nm/sで膜厚40nmのα−NPD(正孔輸送層)、および成膜速度0.5nm/sで膜厚60nmのAlq(有機発光層)を堆積させた。次に、基板を金属蒸着室に移動させ、膜厚5nmのMgAg合金(Mg:Ag=9:1、電子注入層)を堆積させて、有機EL層を形成した。次に、基板をスパッタ室に移動させ、対向式ターゲットスパッタ法を用い、DC100Wの電力を用い成膜速度20nm/分で膜厚75nmのIZOを堆積させ、透明電極を形成した。最後に、基板を有機膜蒸着室に戻し、膜厚60nmのAlqを堆積させ、捕捉剤層を形成した。なお、本実施例で用いているAlqは、捕捉剤層が薄いことに加えて、水分を捕捉した際に黄色から透明に変化するので、有機EL層からの発光を変色させることはない。
【0057】
成膜を終了した基板を蒸着装置から取り出し、スペーサを含む紫外線硬化型接着剤を用いて、該基板の有機EL層を形成した側に封止ガラス基板を接着して、トップエミッション型有機EL素子を得た。なお、ここで、基板−封止ガラス基板間の内部空間にフロリナート(登録商標)FC−70(屈折率1.3)を充填した。
【0058】
(実施例2)
捕捉剤層として、膜厚60nmのAlqに代えて膜厚60nmのTPDを成膜したことを除いて、実施例1の手順を繰り返して、トップエミッション型有機EL素子を得た。
【0059】
(実施例3)
実施例1の手順を繰り返して、基板上に捕捉剤層以下の構造を形成した。次に、基板をスパッタ室に移動させて、透明保護層として膜厚300nmのSiOを成膜して、トップエミッション型有機EL素子を得た。
【0060】
(比較例1)
捕捉剤層としてのAlqを成膜しなかったことを除いて、実施例1の手順を繰り返して、トップエミッション型有機EL素子を得た。
【0061】
(比較例2)
捕捉剤層としてのAlqを成膜しなかったことおよび内部空間にフロリナート(登録商標)FC−70を充填せずN雰囲気としたことを除いて、実施例1の手順を繰り返して、トップエミッション型有機EL素子を得た。
【0062】
(評価)
実施例1〜3および比較例1〜2で得られた有機EL素子(概要を第1表に示す)のそれぞれについて、初期輝度1000cd/mを得るための直流電流を連続通電した際の輝度半減寿命、および電流密度1A/mの電流を印加した際の発光効率を測定した。結果を第2表および第3表に示す。
【0063】
【表1】

【0064】
【表2】

【0065】
【表3】

【0066】
第2表から分かるように、実施例1〜3の素子は、比較例1〜2の素子と比較して著しく長い輝度半減寿命を有し、透明電極(IZO)上に設けたAlqまたはTPDが水分および酸素から有機EL層30を保護する捕捉剤層50として有効に機能していることが分かる。なお、比較例1の素子と比較例2の素子との差は、後述する光取り出し効率の関係で比較例2の素子に印加される電流の電流密度が比較例1の素子に印加されるものよりも大きかったことによると考えられる。
【0067】
また、第3表から分かるように、比較例1の素子は、比較例2の素子よりも発光効率が高い。これは、基板10と封止基板60との間に充填された注入材80によって、透明電極40/注入材80界面における屈折率差が透明電極40/N界面の屈折率差よりも小さくなり、光の取り出し効率が向上したためと考えられる。さらに、実施例1〜3の素子は、比較例1の素子よりも高い発光効率を示した。これは、α−NPDまたはTPDを捕捉剤層50として用いることにより、透明電極40/捕捉剤層50界面、および捕捉剤層50/注入材80界面または捕捉剤層50/透明保護層90界面の屈折率差がさらに小さくなり、光の取り出し効率が向上したためと考えられる。
【図面の簡単な説明】
【0068】
【図1】本発明のトップエミッション型有機EL素子の1つの実施形態を示す断面図である。
【図2】トップエミッション型有機EL素子の一例を示す断面図である。
【図3】本発明のトップエミッション型有機EL素子の別の実施形態を示す断面図である。
【符号の説明】
【0069】
10 基板
20 反射電極
30 有機EL層
31 正孔注入層
32 正孔輸送層
33 有機発光層
34 電子輸送層
35 電子注入層
40 透明電極
50 捕捉剤層
60 封止基板
70 接着剤
80 注入材
90 透明保護層

【特許請求の範囲】
【請求項1】
基板と、該基板上に形成された反射電極と、前記反射電極上に形成された有機EL層と、前記有機EL層上に透明電極と、前記透明電極上に形成された捕捉剤層とを有し、前記捕捉剤層が前記有機EL層を構成する物質の1つまたは複数によって形成されていることを特徴とするトップエミッション型有機EL素子。
【請求項2】
前記捕捉剤層が蒸着によって形成されていることを特徴とする請求項1に記載のトップエミッション型有機EL素子。
【請求項3】
前記基板の前記捕捉剤層が形成されている側に貼り付けられた封止基板をさらに有することを特徴とする請求項1に記載のトップエミッション型有機EL素子。
【請求項4】
前記基板と前記封止基板との間の空間に不活性ガスが充填されていることを特徴とする請求項3に記載のトップエミッション型有機EL素子。
【請求項5】
前記基板と前記封止基板との間の空間に注入材が充填されていることを特徴とする請求項3に記載のトップエミッション型有機EL素子。
【請求項6】
前記反射電極、有機EL層、透明電極および捕捉剤層を覆って形成される透明保護膜をさらに有することを特徴とする請求項1に記載のトップエミッション型有機EL素子。
【請求項7】
基板と、該基板上に形成された反射電極と、前記反射電極上に形成された有機EL層と、前記有機EL層上に透明電極と、前記透明電極上に形成された捕捉剤層とを有し、前記捕捉剤層がアントラセン、コロネン、ペリレン、ルブレンまたはそれらの誘導体;C−X−Zを有する化合物(式中、Xは−(C)−およびその位置異性体を含み、Zはフェニルまたはナフチル基(位置異性体を含む)を含み、また化合物中のフェニル、フェニレンおよびナフチル基は、任意選択的に1〜4炭素原子を有するアルキル基またはアルコキシル基、ヒドロキシル基、スルホニル基、カルボニル基、アミノ基、ジメチルアミノ基またはジフェニルアミノ基によって1つまたは複数の水素を置換されていてもよい);DSB、PESB、DPVBi;Alq、Almq、AlPrq、Alph、Alpq、BAlq、Be(5Fla)を含むアルミニウム錯体;Beq、BeMq、BeBq、Be(5Fla)を含むベリリウム錯体;Znq、ZnMq、Znac、Znavq、ZnMIBQ、Zn(BOX)、Zn(BTZ)、Zn(Oc−BTAZ)、Zn(PhPy)、Zn(ODZ)、Zn(5Fla)、Zn(3Fla)、ZnTPP、ZnPBT、ZnPBO、Zn(OXZ)を含む亜鉛錯体;Mgqを含むマグネシウム錯体;GaMqClを含むガリウム錯体;Ir(ppy)を含むイリジウム錯体;Eu(TTA)(Phen)のようなユーロピウム錯体;TPP、TPC、Pc、あるいはそれらを配位子として用いたCuPc、ZNTPP、PtOEP;PBD、TPOB;以下の構造を有するオキサジアゾール誘導体;
【化1】

TAZおよび以下の構造を有するトリアゾール誘導体;
【化2】

以下の構造を有するトリアジン誘導体;
【化3】

以下の構造を有するフェニルキノキサリン類;
【化4】

BMB−2T、BMB−3Tを含むチオフェン誘導体;TPD、α−NPD、PBD、DPH、DPMH、M−DPH、TBA、o−TTA、m−TTA、p−TTA、TTPA、TPAC、TRP、TCTA、p−DPA−TDAB、p−PMTDATA、TFATA、MTDAPB(o−,m−,p−)、p−BPD、PFFA、FFD、m−MTDATA、1−TNATA、2−TNATA、BMA−nT、PPD、TBPB、HTM1、D1−CH2−D1、TPTE1、TPTE2、NTPA、(NPB)DNPD、spiro−TAD、spiro−NPD、spiro2、FTPD、OTP1、(NDA)PP、m−TPTE、AO−3、(DTP)DPPD、TNFL、TFLFL、スピロフェナザリジン−3、FTPD1〜7、OTPAC1〜6、ECH、ECMH、およびM−ECHからなる群から選択される1つまたは複数の材料によって形成されていることを特徴とするトップエミッション型有機EL素子。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate


【公開番号】特開2006−4721(P2006−4721A)
【公開日】平成18年1月5日(2006.1.5)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−178792(P2004−178792)
【出願日】平成16年6月16日(2004.6.16)
【出願人】(000005234)富士電機ホールディングス株式会社 (3,146)
【Fターム(参考)】