説明

トップエミッション型OLEDにおける発光色のパターニング

本発明は、第1の電極と、第2の電極と、第1の電極と第2の電極との間に配置された発光を可能にする機能層と、を備えた多層構造体を備える、異なる発光色を有する光を発光するように配置されたトップエミッション型有機発光ダイオード(OLED)(10)に関し、機能層の厚さ(H1、H2)は、機能層の少なくとも一部分が厚さ調整部(5a、5b、5c)と相互作用できるようにすることによって調整され、機能層は正孔注入層または電子注入層を備える。また前記厚さ調整部は、前記OLEDの製造中は前記機能層の付近に配置されるヒーターを備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、第1の電極と、第2の電極と、第1の電極と第2の電極との間に配置された発光を可能にする機能層と、を備えた多層構造体を備える、異なる色を有する光を発光するように配置されたトップエミッション型OLEDに関する。
【0002】
本発明は、さらに、かかるOLEDを備える電子デバイスに関する。
【0003】
本発明は、さらに、トップエミッション型OLEDの製造方法に関する。
【背景技術】
【0004】
異なる色を有する光を発光することができるOLEDの一実施形態は、国際公開第2006/087654号によって知られている。既知のOLEDでは、適切な基板上にアノード層が設けられ、次に正孔注入層、例えばPEDOT:PSS材料、その次に基板に沿って調整された厚さを有する発光材料層が設けられ、その上にカソード層が堆積される。
【0005】
既知のOLEDでは、発光層の厚さを適切に調整するため、発光層はインクジェット印刷などの技術によって堆積される。
【0006】
インクジェット印刷のプロセスが一貫しない場合があるため、発光層の厚さ調整の精度が再現性の点で劣ることがある点が、既知のOLEDの不利な点である。それに加えて、異なる厚さを有する領域間の境界は、液相からパターニングが実施されて、かかる隣接した領域間で液体が表面張力によって中間の厚さを有するようになることから、適切な鮮明さのものではないことがある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】国際公開第2006/087654号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
本発明の1つの目的は、調整された機能層を使用して異なる色の光を発光することができ、かかる調整が高い精度および再現性で得られ、また非常に簡単かつ速い技術を使用して実現される、トップエミッション型OLEDを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
この目的のため、本発明によるトップエミッション型OLEDでは、機能層の厚さは、機能層の少なくとも一部を厚さ調整部(thickness modulator)と相互作用させることによって調整され、機能層の前記一部は、正孔注入層または電子注入層を含む。
【0010】
本発明によるダイオードは、さらに、正孔注入層または電子注入層の上に重ねられた発光層を備えることが理解されるであろう。さらに、本発明によって実現される調整のスケールは、人間の目に見える(すなわち、40マイクロメートル程度以上の長さスケールである)ことが理解されるであろう。
【0011】
例えば、厚さ調整部は、機能層の直下に配置される、異なる寸法を有する複数のウェルを備える層に関連してもよい。その結果、機能層を構成する適切な材料がウェルの外形の上に堆積されるものであるとき、湿潤特性により、異なる寸法のウェルに対してウェル充填の異なるレベルが実現される。このように、機能層の再現可能かつ精密な厚さ調整が実現されてもよい。機能層は、PEDOT:PSSまたはPANIなどの正孔注入層と協働する、また場合によってはTPBI、TAZ、OXD7などの電子注入層と協働する、発光ポリマー(LEP)の層を備えてもよいことが理解されるであろう。本発明の技術的基準は、デバイスの任意の領域における機能層の厚さによってその特定の領域からの発光色が決まるという、それ自体が既知のマイクロキャビティ効果が、デバイスの面積全体にわたってデバイスから発光される色の調整を精密にするのに使用されてもよいという識見に基づく。
【0012】
さらに、「ウェル」という用語は、かかる不規則性の形状および/または二次元もしくは三次元の寸法に関する限定として解釈すべきではないことが理解されるであろう。実際には、ウェルは、予め定められた寸法を有する適切な領域として見なされてもよい。異なる形状のウェル、例えば長方形、球状、円筒状、または円錐形が想到される。
【0013】
あるいは、機能層の厚さ調整は、機能層の一部を形成する層の乾燥プロセス中に、例えばかかる層を、その層の付近にまたは層と緊密に接触させて配置されてもよい適切な形状の加熱プレートと相互作用させることによって、実現されてもよい。例えば、H字形の加熱プレートが機能層の適切な構成要素の近くに配置される場合、層のうちでそのH字形の上に重なる範囲は隣接する範囲よりも急速に加熱されることになる。その結果、かかる加熱された範囲は隣接する範囲とは異なる厚さを有することになり、所望の厚さ調整が得られる。
【0014】
ヒータープレートの形状、温度、および機能層との相互作用の持続時間は、所望の効果に応じて選択されてもよいことが理解されるであろう。かかる選択は、当業者の一般的知識の範囲内にあるものと考えられる。
【0015】
PEDOT層の厚さに関して、青色光発光から緑色光発光への変化は、PEDOT層の上に同じ厚さの標準的な青色発光ポリマーがある場合、PEDOT層の厚さを0nmから95nmへと増加させることによって得られることが見出されている。したがって、上記を参照して考察したような厚さ調整部は、所望の色調整を再現性よく実現するのに適している。
【0016】
本発明によるデバイスの一実施形態では、パターニングされたフォトレジストによって複数のウェルが提供される。
【0017】
フォトリソグラフィは、異なる横寸法を有する所望の複数のウェルを画定するための特に適切な方法であることが見出されている。例えば、240×240μm2から40×40μm2の寸法を有するウェルを含むレジスト層を実現することができ、これは図1aおよび1bに概略的に示される。他のウェル寸法も可能であることが理解されるであろう。また、寸法は横寸法に関し、すなわち、OLEDの多層構造体を支持する基板の表面に対して平行な寸法(図1aおよび1bの軸線xとy)に関することが理解されるであろう。
【0018】
液体材料、例えば正孔注入層に使用されるPEDOTなどの材料の湿潤特性により、層の表面に沿って異なる寸法を有する個々のウェルは液体材料によって異なる程度まで充填されることになる。ウェルそれぞれの横寸法は、フォトリソグラフィプロセスの限界(例えば1μm)からサンプルの表面積全体まで変動してもよいことが理解されるであろう。一例として、PEDOT層と組み合わせて通常は青色光を発光する発光ポリマーを使用した場合、240×240μm2の面積を有するウェルでは緑色光発光を実現することが可能であり、120×120μm2以下の面積を有するウェルでは青色光発光を実現することが可能であった。
【0019】
本発明によるデバイスのさらなる実施形態では、層の厚さが調整された複数の領域は、感光性の正孔または電子注入層材料に対するパターニングされた光の照射、表面の前処理、印刷、コーティング、および乾燥から成る群から選択可能な技術によって提供される。
【0020】
異なる層厚さを有する領域を画定するため、リソグラフィ以外の技術が適用されてもよいことが見出されている。フォトリソグラフィ方法は、一般に、明確な三次元形状をもつ物体を生成することができるので、フォトリソグラフィは微視的構造の微細なパターンを提供すべき場合に有利であることが理解されるであろう。しかし、層厚さが異なる領域を成形する際の許容差が緩和された場合、領域は、表面の前処理、印刷、コーティング、または乾燥などの技術によって形成されてもよい。表面の前処理の一例は、例えばエッチング技術を使用した粗面化である。かかる技術は比較的安価であるという利点を有する。
【0021】
ウェルを使用する場合が多い技術は、印刷およびパターニングされたフォトレジストであることが理解されるであろう。物理的なウェルをほぼ含まない技術は、表面の前処理、コーティング、および乾燥である。それに加えて、感光性の正孔または電子注入層材料に対するパターニングされた光の照射と、それに続く、照射された光の影響を受けなかった材料を除去するための洗浄ステップは、正孔または電子注入層の厚さをパターニングするために使用することができる。
【0022】
本発明によるデバイスのさらなる別の実施形態では、機能層は正孔注入層の上に重ねられた発光層を備え、正孔注入層の厚さは調整される。
【0023】
OLEDの機能発光層を形成する任意の副層の厚さを調整することによって、異なる色を有する光の生成が可能になることが見出されている。例えば、正孔注入層、発光層、または電子注入層の厚さは、代替実施形態として調整されてもよい。
【0024】
上記を参照して考察したようなトップエミッション型OLEDを備える本発明によるデバイスは、センサ、ディスプレイ装置、照明装置、またはビジュアルサイン伝達装置に関連してもよい。
【0025】
本発明によるOLEDは、異なる発光色の光を生成することが望ましい、多数のデバイスに使用されてもよいことが理解されるであろう。例えば、OLEDは、適切なポリマーまたは分子ベースの有機電子デバイス、例えば表示装置もしくは蛍光分光計に組み込まれてもよい。それに加えて、本発明によるOLEDは照明デバイスまたはビジュアルサイン伝達装置に使用されてもよい。
【0026】
それに加えて、この技術は、層のうち1つの厚さのばらつきを単純な手法でパターニングし制御する必要がある、有機エレクトロニクスにおける他の用途で使用することができる。例としては、キャビティの調節が必要とされる、OFETならびにレイジングおよび増幅率(gain)の用途が挙げられる。
【0027】
異なる色を有する光を発光するように配置されるトップエミッション型有機発光ダイオード(OLED)の製造方法は、
第1の電極層を基板上に提供するステップと、
OLEDの発光機能層の一部を形成する材料の副層を堆積させるステップと、
前記材料の副層において異なる厚さの領域を形成する厚さ調整部と材料を相互作用させるステップと、
第2の電極層を前記機能層上に堆積させるステップと、を含む。
【0028】
例えば、厚さ調整部が予め形作られたヒータープレートを備える場合、方法は、
予め形作られたヒータープレートの上に空間的に重なる範囲にある材料層において、厚さが調整された領域を形成するために、予め形作られたヒータープレートで材料層を加熱するステップを含んでもよい。
【0029】
あるいは、厚さ調整部が異なる横寸法を有する複数のウェルを備えた層を備える場合、方法はさらに、OLEDの発光機能層の一部を形成する材料によってウェルを充填するステップを含んでもよい。このように、OLEDの発光機能層の一部を形成する材料層の厚さの調整を実現することができる。
【0030】
本発明の方法は、ダイオードのさらなる層を堆積させるステップを含んでもよいことが理解されるであろう。特に、機能層が、正孔注入層または電子注入層の上に重ねられる発光層など、複数の層を備える場合、本発明による方法は、前記正孔注入層および/または前記電子注入層に加えて発光層を堆積させるステップを含む。
【0031】
本発明による方法の一実施形態では、第1の電極層および/または第2の電極は反射性または部分的に反射性であってもよい。あるいは、基板として、ガラスもしくはプラスチック箔の上に提供される金属箔または反射性材料が使用されてもよい。本発明による方法のさらなる実施形態では、厚さが調整された材料は、電子注入層、または金属電極層の上かつ光学的に(半)透明の正孔もしくは電子注入層の下の光学的に(半)透明のスペーサー層である。(半)透明層は可視光に対して少なくとも50%の透明度を有することが理解されるであろう。
【0032】
本発明の方法では、パターニングされた層を有する材料層の厚さは、厚さ調整部を使用して提供され、リソグラフィ、または印刷、コーティング、乾燥、もしくは表面の前処理によって作成されてもよい。発光機能層の副層の局所的厚さを調整することによって色調整が実現される、本発明による方法は、また、電界効果トランジスタ(FET)の製造中に適用されてもよいことが理解されるであろう。
【0033】
本発明のこれらおよび他の態様は、図面を参照してより詳細に考察される。図面中、同様の参照番号は同様の要素を指す。図面は例示の目的で提示されるものであり、添付の請求項の範囲を限定するために使用されなくてもよいことが理解されるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0034】
【図1a】本発明によるOLEDの断面の一実施形態を示す概略図である。
【図1b】図1aの構造体を示す概略平面図である。
【図2】PEDOT機能層の厚さが調整され、通常は青色光を発光する発光層の厚さを同じに保った場合の、トップエミッション型OLEDによって得られる発光のCIE色座標を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0035】
図1aは、本発明によるOLEDの断面の一実施形態を示す概略図である。この実施形態におけるOLED 10は、例えば適切な基板2上に配置されたアノード4である反射電極層を備える、トップエミッション型OLEDに関連する。アノード層の上には、後に機能層の厚さ調整パターンとなる素子5a、5b、5cを備える層が設けられる。好ましくは、素子5a、5b、および5cは、フォトリソグラフィ法を使用して予めパターニングされたフォトレジストに関連する。本発明によれば、機能層の副層、例えば正孔注入層が調整されて、厚さが個々に異なる領域H1、H2を生じる。かかる厚さの調整は、液体材料によるウェルの充填レベルがウェルの横寸法によって、例えば基板のx軸に沿った寸法X1、X2によって決まる、それ自体が既知の効果を利用することによって得られる。この効果により、機能層の厚さを調整する信頼性と再現性の高い手段がもたらされ、それによって、マイクロキャビティ効果による発光光の結果として得られる色の精密かつ信頼性の高い調整がもたらされることが見出されている。
【0036】
軸線に沿った横寸法または断面積のようなウェル寸法と、正孔注入層として使用される材料(例えば、PEDOT:PSSもしくはPANI)、適切な発光ポリマー(LEP)、または電子注入層に適した材料などの所与の材料で充填される、結果として得られるウェルとの間の関係は、理論的または経験的に前もって決まってもよいことが理解されるであろう。
【0037】
図1bは、図1aの構造体の概略平面図を示す。この平面図は、明確にする目的で誇張された比率で与えられることが理解されるであろう。本発明の1つの態様によれば、トップエミッション型OLEDの機能的発光層を構成する層の厚さは、例えば、図1aに5a、5b、5cなどとして示されるバンク構造体の間に形成される、複数のウェルを使用して調整される。ウェルw1、w2、w3などのx軸およびy軸に沿った横寸法によって、ウェルの直上に堆積される層の結果として得られる厚さH1、H2、H3などが決まる。したがって、機能層の一部分の所望の単純かつ再現性の高い厚さ調整が実現される。
【0038】
例えば、ウェルw1、w2、w3などは、240×240μm2から40×40μm2の寸法を有するウェルを含むレジスト層を作成するフォトリソグラフィマスクを使用して形成されてもよい。かかるマスクを使用して、例えばウェルw1、w2、w3を有するフォトレジスト層の表面の上にスピンコーティングを施すことによって、PEDOT層および通常は青色光を発光するポリマー層が堆積される場合、フォトレジスト層内のウェルの横寸法に関連して発光色が緑から青まで変わるOLEDの製造が可能であってもよい。
【0039】
本発明によるOLEDは次の利点を有することが見出されている。特定の正孔注入層および発光層の発光色を局所的に変える一般的技術は、それらの下にITO層を使用し、このITO層の厚さを局所的に変えるというものである。しかし、パターニングされたITO層は高価な付加的処理ステップであり、この脆弱な材料は可撓性のあるエレクトロニクス用途において理想的でない。本明細書に記載される発明では、発光色の調整は、OLEDの機能層の一部を形成する副層の厚さを調整することによって得られ、したがって、脆弱で高価なITO層は不要である。厚さの調整を微調整することによって、図2を参照してより詳細に説明するように、多数の発光色が得られる。他のものによって記載される代替の技術は、制御されたインクジェット印刷プロセス使用して、発光層の厚さを局所的に変えるというものである。本明細書で記載する技術ははるかに容易である。正孔注入層、発光層、または電子注入層の厚さの変化は、スロットダイコーティングなどの大面積コーティング技術を使用して、パターニングされた基板全体にわたって各層を1つずつコーティングすることによって、高速、単純、かつコスト効率の高い手法で実現される。別個の赤色、緑色、および青色のエミッターを使用する必要なしに、1つの発光材料のみから多数の色を実現することが可能である(特に、通常は白色発光材料を使用した場合)。次に、ウェルをパターニングするのにフォトリソグラフィが使用される場合、単色のビジュアルサイン伝達用途であっても、任意の手法でピクセルパターンを画定するのにフォトレジスト層が使用されてもよいので、追加の製造コストが不要な傾向がある。それに加えて、OLED全体にわたる色変化の解像度は、フォトレジスト上でのフォトリソグラフィによって決まり、これは高品質のパターニングを可能にする能力があることが知られている。乾燥または表面の前処理など、機能層の副層のいずれかの厚さを変える他の技術もまた、単純でコスト効率が高いものであるはずである。
【0040】
図2は、PEDOT機能層の厚さが調整され、その上にある通常は青色光を発光する発光層の厚さを同じに保った場合の、トップエミッション型OLEDによって得られる発光のCIE色座標を示す。CIEプロットは、人間の目に見えるすべての色を表す定量的手法である。すべての可視色は黒の実線によって図に記されたベル型の領域に含まれ、したがって、各色はグラフの軸線から読みとることができるxおよびy座標を有する。単一の発光波長に対応する色は正確に黒線上にあり、これらの特定波長の一部は、対応する波長を横に並べて示した白丸によって図2に記されている。ベル型の左下の隅に含まれる色は青色であり、頂部に含まれるのは緑色、右隅に含まれるのは赤色である。座標(0.33, 0.33)の位置でベル型の中央付近にあるのは白色である。異なる厚さのPEDOT層で作られ、ただし通常は青色光を発光する同じ発光層で作られたトップエミッション型OLEDの場合、異なる発光色が実現される。発光色の変化が非常に顕著であることを示すため、かかるデバイスの色座標は、対応するPEDOT層厚さを横に並べて示した黒丸としてCIE図上にプロットされている。0nmから95nmまでPEDOT層厚さを変えることによって、発光が、青色発光に対応する(0.15, 0.15)付近の座標から、緑色発光に対応する(0.24, 0.38)付近の座標へと移動することが分かる。したがって、図2は、機能層内のPEDOT層の厚さによってどのように発光色を制御することができるかの一例を示す。ウェル寸法と色との関係を決定するため、ウェルサイズが異なるテストパターンを作ることができる。その結果、かかる関係にしたがって、所望の層における厚さ調整を精密に局所的に生成できるようにするため、適切なフォトリソグラフィマスクまたは他のパターニング手段を設計することができる。
【0041】
本発明の特定の実施形態を上記に記載してきたが、本発明は記載した以外の形で実施されてもよいことが理解されるであろう。それに加えて、異なる図面を参照して考察した個別の特徴が組み合わされてもよい。
【符号の説明】
【0042】
2 基板
4 アノード
10 OLED
5a,5b,5c 素子
H1,H2,H3 領域、厚さ
X1,X2,X3 寸法
w1,w2,w3 ウェル

【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1の電極と、第2の電極と、前記第1の電極と前記第2の電極との間に配置された発光を可能にする機能層と、を備えた多層構造体を備える、異なる発光色を有する光を発光するように配置されたトップエミッション型有機発光ダイオード(OLED)であって、前記機能層の厚さが、前記機能層の少なくとも一部分が厚さ調整部と相互作用できるようにすることによって調整され、前記機能層の前記一部分が正孔注入層または電子注入層を備える、トップエミッション型有機発光ダイオード。
【請求項2】
前記厚さ調整部が、前記OLEDの製造中は前記機能層の付近に配置されるヒーターを備える、請求項1に記載のダイオード。
【請求項3】
前記厚さ調整部が、前記機能層の直下にあって異なる横寸法を有する複数のウェルを備えた層を備える、請求項1に記載のダイオード。
【請求項4】
前記複数のウェルがパターニングされたフォトレジストによって提供される、請求項3に記載のダイオード。
【請求項5】
前記機能層の前記厚さ調整部が、表面の前処理、印刷、コーティング、および乾燥から成る群から選択可能な技術によって提供される、請求項1に記載のダイオード。
【請求項6】
前記正孔注入層または前記電子注入層が感光性であり、前記厚さ調整が、パターニングされた光を前記感光性の正孔または電子注入層に照射することによって提供される、請求項1から4のいずれか一項に記載のダイオード。
【請求項7】
前記機能層が、光学的に(半)透明のスペーサー層の上に配置された、正孔または電子注入層の上に重ねられた発光層を備え、前記光学的に(半)透明のスペーサー層の厚さが調整される、請求項1から6のいずれか一項に記載のダイオード。
【請求項8】
前記機能層が、電子注入層または正孔注入層の上に重ねられた発光層を備え、前記発光層の厚さが調整される、請求項1から7のいずれか一項に記載のダイオード。
【請求項9】
請求項1から8のいずれか一項に記載のダイオードを備える電子デバイス。
【請求項10】
異なる色を有する光を発光するように配置されるトップエミッション型有機発光ダイオード(OLED)の製造方法であって、前記方法が、
第1の電極層を基板上に提供するステップと、
正孔注入層または電子注入層が機能層として選択される、前記OLEDの発光機能層の一部を形成する材料層を堆積させるステップと、
前記材料層において異なる厚さの領域を形成する厚さ調整部と前記材料を相互作用させるステップと、
第2の電極層を前記機能層上に堆積させるステップと、を含むトップエミッション型有機発光ダイオード(OLED)の製造方法。
【請求項11】
前記厚さ調整部が予め形作られたヒータープレートを備え、前記方法が、
前記予め形作られたヒータープレートに空間的に近接した範囲において前記材料層の厚さが調整された領域を形成するために、前記予め形作られたヒータープレートを用いて前記材料層を加熱するステップを含む、請求項10に記載の方法。
【請求項12】
前記厚さ調整部が異なる横寸法を有する複数のウェルを備えた層を備え、前記方法が、層厚さが調整された材料層を形成するために、前記材料によって前記ウェルを充填するステップをさらに含む、請求項10に記載の方法。
【請求項13】
前記第1の電極層および/または前記第2の電極が反射性または部分的に反射性である、請求項10から12のいずれか一項に記載の方法。
【請求項14】
前記基板として、ガラスもしくはプラスチック箔の上に提供される金属箔または反射性材料が使用される、請求項10から12のいずれか一項に記載の方法。

【図1a】
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【図1b】
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【図2】
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【公表番号】特表2012−523131(P2012−523131A)
【公表日】平成24年9月27日(2012.9.27)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−504641(P2012−504641)
【出願日】平成22年4月7日(2010.4.7)
【国際出願番号】PCT/NL2010/050185
【国際公開番号】WO2010/117272
【国際公開日】平成22年10月14日(2010.10.14)
【出願人】(511095850)ネーデルランドセ・オルガニサティ・フォール・トゥーヘパスト−ナトゥールウェテンスハッペライク・オンデルズーク・テーエヌオー (16)
【Fターム(参考)】