説明

トラヒック監視方法、装置及びプログラム

【課題】ノード内設備を増設するか否かの判断を容易にし、ノードにおいて輻輳が発生する前に未然にその増設を完了させることが可能なトラヒック監視方法、装置及びプログラムを提供する。
【解決手段】トラヒック監視装置100のコピー方式判定部150は、ノードIDを確認してコピー方式を判定する。情報収集部151は、判定されたコピー方式により帯域使用率βの計算式を特定し、その計算のために必要な情報をノードから収集する。帯域使用率β算出部152は、収集された情報を入力し、帯域使用率の計算式を用いて帯域使用率βを算出する。増設判定手段153は、算出された帯域使用率βと、予め設定された閾値とを比較し、設備増設が必要であるか否かを判定する。設備増設が必要であると判定した場合は、所定のアラームセットを行い、その旨を監視者端末装置120へ通知する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ネットワーク内で運用される複数のノードから運用情報を取得し、当該運用情報に基づいて、輻輳が発生しないように最適な設備状態を維持することを目的とするトラヒック監視技術に関する。
【背景技術】
【0002】
図7及び図8を参照して、従来のトラヒック監視方法について説明する。
図7は、従来のトラヒック監視システムの構成を示すブロック図である。図7において、650はネットワーク、660,670,680はノード#1〜#3、690はトラヒック監視装置、661,671,681はノード#1〜3(660,670,680)とトラヒック監視装置690との間の伝達ルート、640はネットワーク650の監視者が操作する監視者端末装置である。
【0003】
トラヒック監視装置690は、ネットワーク650内のノード#1〜3(660,670,680)におけるそれぞれのノード状態を、伝達ルート661,671,681を介して確認し、ノードにおける輻輳の発生の有無を判断する。輻輳が発生していると判断した場合は、そのノードからトラヒック情報を収集し、監視者端末装置640へ通知する。監視者端末装置640は、トラヒック監視装置690からトラヒック情報の通知を受ける。
【0004】
次に、トラヒック監視装置690の処理について、図8に示すシーケンス図を参照して説明する。ステップ601はノード状態確認、ステップ611は輻輳警報確認、ステップ621は輻輳発生ノードの取得可能なトラヒック情報の収集、ステップ631はトラヒック情報等の通知の各処理を表す。ステップ602はステップ601からステップ611への状態遷移、ステップ603はステップ611からステップ621への状態遷移、ステップ612はステップ611からステップ601への状態遷移、ステップ622はステップ621からステップ601への状態遷移である。以下、各ステップの処理について説明する。
【0005】
ステップ601では、トラヒック監視装置690が、ノード#1(660)からノード#3(680)までのいずれか1つのノードを選択し、そのノード状態を確認し、ステップ602に沿ってステップ611へ遷移する。ステップ611では、輻輳警報の確認を行い、輻輳が発生していることを確認した場合はステップ603に沿ってステップ621へ遷移する。一方、輻輳が未発生であることを確認した場合はステップ612に沿ってステップ601へ遷移し、次のノード確認状態に移行する。ステップ621では、輻輳発生ノードにおいて取得可能なトラヒック情報を収集し、ステップ631に従って、収集したトラヒック情報を監視者端末装置640へ通知すると共に、ステップ622に沿ってステップ601へ移行する。監視者端末装置640は、ステップ631に従ってトラヒック情報の通知を受ける。これにより、監視者は、通知を受けたトラヒック情報に基づいて輻輳が発生したノードを把握し、そのノード内のボトルネック設備を抽出して個別に増設判断を行うことができる。
【0006】
ところで、図7及び8に示したトラヒック監視技術に関連する技術として、例えば、通信網内で複数の端末を収容するインタフェースにおいて、収容している任意の端末に対してそれぞれ独立に一定時間セルを監視し、監視時間中に転送されたトラヒック属性を表す各パラメータを求め、全到着セル数に対する違反セル数の割合が閾値以上のときに求めた各パラメータを端末へ通知する技術が開示されている。これにより、様々なトラヒック属性をもつ端末を収容する通信網上の任意のインタフェースにおいて、要求する通信のトラヒック属性をパラメータを用いて正しく表現し、それを通信網に申告することが可能となる(特許文献1を参照)。
【0007】
また、トラヒック監視装置が、入力したパケットの到着間隔を測定し、当該到着間隔が予め設定された閾値より大きい場合にオーバーフロー通知を発し、当該オーバーフロー通知の間隔を測定し、当該間隔が予め設定された閾値より大きい場合に超過通知を発する技術が開示されている。この超過通知に基づいてトラヒックを監視することにより、バースト到着の監視を精度良く行うことが可能となる(特許文献2を参照)。
【0008】
【特許文献1】特開平6−37787号公報
【特許文献2】特開平9−181746号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
しかしながら、上述した従来技術では、ノード内転送のボトルネック条件が各ノードにおいて異なる場合、入力トラヒックの制限値も各ノードにおいて異なるため、監視者は、トラヒック監視装置から通知されるトラヒック情報に基づいて、設備増設の判断のために必要な計算をノード単位に個別に行う必要がある。このため、設備増設の判断が難しいという問題があった。また、設備増設の判断は、輻輳状態の発生を確認した後に行われるため、ネットワーク内のノードにおいてパケットロスにより通信の支障が生じるという問題もあった。
【0010】
そこで、本発明の目的は、ノードの設備を増設するか否かの判断を容易にし、ノードにおいて輻輳が発生する前に未然にその設備の増設を完了させることが可能なトラヒック監視方法、装置及びプログラムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0011】
上記の問題を解決するために、本発明は、ネットワーク内に設けられた複数のノードと、該ノードと通信を行うトラヒック監視装置と、トラヒックを監視する監視者端末装置とを含むシステムの下で、前記ノードが所定の方式によりトラヒックをコピーして転送する場合に、該ノードの輻輳を監視し、輻輳の発生を未然に防止する前記トラヒック監視装置が、パラメータ収集部、トラヒック情報算出部及び増設要否判定部を備え、パラメータ収集部が、ノードのコピー方式に基づいて、トラヒックに関する情報を算出するためのパラメータを選択し、該パラメータを前記ノードから収集し、トラヒック情報算出部が、前記パラメータ収集部により収集されたパラメータを用いて、前記コピー方式の計算式により、トラヒックに関する情報を算出し、増設要否判定部が、前記トラヒック情報算出部により算出されたトラヒックに関する情報と、前記ノードにおいて輻輳が発生する前に該ノード内の設備増設を完了するための期間を考慮して予め設定した閾値とを比較し、該比較結果を監視者端末装置へ送信することを特徴とする。
【発明の効果】
【0012】
本発明によれば、トラヒック監視装置が、ノード内転送のボトルネック条件に対応する計算式を用いてトラヒックに関する情報を自動的に計算するため、ノードにおける設備増設の判断が容易となり、監視者は、監視者端末装置を用いて一元的かつ簡易なトラヒック監視が可能となる。また、トラヒック監視装置は、増設判断から増設工事までの期間を考慮した閾値を用いて設備増設を判断するようにしたから、輻輳が発生する前に未然に設備の増設を完了させることが可能となる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0013】
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照して詳細に説明する。尚、以下の説明では、ノード内部転送のボトルネック条件として、マルチキャストコピー方式が異なる場合を例とする。図1は、本発明の実施形態に係るトラヒック監視システムの構成を示すブロック図である。図1において、110はネットワーク、200は入力コピー型ノード、300は入出力コピー型ノード、400はスイッチコピー型ノード、100はトラヒック監視装置、101は入力コピー型ノード200とトラヒック監視装置100との間の伝達ルート、102は入出力コピー型ノード300とトラヒック監視装置100との間の伝達ルート、103は入力コピー型ノード400とトラヒック監視装置100との間の伝達ルート、120は監視者端末装置である。
【0014】
入力コピー型ノード200は、マルチキャストトラヒックを入力IF(インタフェース)にてコピーする仕様のノードである。また、入出力コピー型ノード300は、マルチキャストトラヒックを入力IF及び出力IFにてコピーする仕様のノードである。また、スイッチコピー型ノード400は、マルチキャストトラヒックをスイッチにてコピーする仕様のノードである。尚、これらのノード200,300,400は、アーキテクチャ(構成
の違いにより、それぞれ異なる内部転送のボトルネック条件を有している。
【0015】
トラヒック監視装置100は、伝達ルート101,102,103を介して、入力コピー型ノード200、入出力コピー型ノード300、及びスイッチコピー型ノード400から、既存技術であるコマンドレスポンスやトラップ等の通信手段を用いて(例えば、CLI(Command Line Interface)やSNMP(Simple Network Management Protocol)を用いて)、情報収集を行う。監視者端末装置120は、トラヒック監視装置100からトラヒック情報の通知を受ける。これにより、監視者は、ネットワーク110内の各ノード200,300,400の状況を把握し、各ノード内の入力IFや出力IF等の設備増設の実施可否を決定することができる。
【0016】
図2は、図1に示した入力コピー型ノード200の構成を示すブロック図である。
図2において、200は入力コピー型ノード、201はユニキャスト入力トラヒック(以下、Uinという。)、202はマルチキャスト入力トラヒック(以下、Minという。)、203は入力IF#0(210)内のコピーポイント、210は入力IF#0、220は入力IF#1、230は出力IF#0、240は出力IF#1、231はユニキャスト出力トラヒック(以下、Uoutという。)、232,233,242,243はマルチキャスト出力トラヒック(以下、Moutという。)、234はVLAN(Virtual Local Area Network)#0、235はVLAN#1、244はVLAN#2、245はVLAN#3、250は入力IF#0(210)とスイッチ260との間の帯域(以下、Tという。)、260はスイッチ、270は入力IF#0(210)とスイッチ260との間の帯域使用率β1を表す式である。
【0017】
入力コピー型ノード200は、入力IF#0(210)、入力IF#1(220)、スイッチ260、出力IF#0(230)及び出力IF#1(240)を備えている。入力IF#0(210)は、外部からUin201を入力し、スイッチ260へ出力し、スイッチ260は、Uin201を出力IF#0(230)に出力する。出力IF#0(230)は、Uin201をUout231として外部へ出力する。
【0018】
また、入力IF#0(210)は、外部からMin202を入力し、VLAN数分のMin202を生成するためにコピー処理を行い(本例では、VLAN#0(234)〜#3(245)の合計VLAN数分である4つのトラヒックを生成するためのコピー処理を行う。)、スイッチ260に出力する。スイッチ260は、Min202を出力IF#0(230),#1(240)にそれぞれ出力する。出力IF#0(230)は、Min202をMout232,233としてVLAN#0(234),#1(235)にそれぞれ出力する。同様に、出力IF#1(240)は、Min202をMout242,243としてVLAN#2(244),#3(245)にそれぞれ出力する。
【0019】
このような構成の下で、入力IF#0(210)とスイッチ260との間の帯域使用率β1は、式270により算出することができる。ここで、式270のMinはMin202の帯域(bps)を、UinはUin201の帯域(bps)を、αはトラヒックの変動を考慮した安全係数をそれぞれ表す。
【0020】
図3は、図1に示した入出力コピー型ノード300の構成を示すブロック図である。
図3において、300は入出力コピー型ノード、201はUin、202はMin、303は入力IF#0(310)内のコピーポイント、310は入力IF#0、320は入力IF#1、330は出力IF#0、340は出力IF#1、231はUout、232,233,242,243はMout、234はVLAN#0、235はVLAN#1、244はVLAN#2、245はVLAN#3、336は出力IF#0(330)内のコピーポイント、346は出力IF#1(340)内のコピーポイント、360はスイッチ、250は入力IF#0(310)とスイッチ360との間の帯域T、370は入力IF#0(310)とスイッチ360との間の帯域使用率β2を表す式である。
【0021】
入出力コピー型ノード300は、入力IF#0(310)、入力IF#1(320)、スイッチ360、出力IF#0(330)及び出力IF#1(340)を備えている。入力IF#0(310)は、外部からUin201を入力し、スイッチ360に出力し、スイッチ360は、Uin201を出力IF#0(330)に出力する。出力IF#0(330)は、Uin201をUout231として外部へ出力する。
【0022】
また、入力IF#0(310)は、外部からMin202を入力し、出力IF数分のMin202を生成するためにコピー処理を行い(本例では、出力IF#0(330),#1(340)の合計出力IF数分である2つのトラヒックを生成するためのコピー処理を行う。)、スイッチ360に出力する。スイッチ360は、Min202を出力IF#0(330),#1(340)にそれぞれ出力する。出力IF#0(330)は、Min202を入力し、VLAN数分のMout232,233を生成するためにコピー処理を行い(本例では、VLAN#0(234),#1(235)の合計VLAN数分である2つのトラヒックを生成するためのコピー処理を行う。)、VLAN#0(234),#1(235)へそれぞれ出力する。同様に、出力IF#1(340)は、Min202を入力し、VLAN数分のマルチキャスト出力トラヒックMout244,245を生成するためにコピー処理を行い(本例では、VLAN#2(244),#3(245)の合計VLAN数分である2つのトラヒックを生成するためのコピー処理を行う。)、VLAN#2(244),#3(245)へそれぞれ出力する。
【0023】
このような構成の下で、入力IF#0(310)とスイッチ360との間の帯域使用率β2は、式370により算出することができる。ここで、式370のMinはMin202の帯域(bps)を、UinはUin201の帯域(bps)を、αはトラヒックの変動を考慮した安全係数をそれぞれ表す。
【0024】
図4は、図1に示したスイッチコピー型ノード400の構成を示すブロック図である。
図4において、400はスイッチコピー型ノード、201はUin、202はMin、410は入力IF#0、420は入力IF#1、430は出力IF#0、440は出力IF#1、231はUout、232,233,242,243はMout、234はVLAN#0、235はVLAN#1、244はVLAN#2、245はVLAN#3、436は出力IF#0(430)内のコピーポイント、446は出力IF#1(440)内のコピーポイント、460はスイッチ、250は入力IF#0(410)とスイッチ460との間の帯域T、470は入力IF#0(410)とスイッチ460との間の帯域使用率β3を表す式である。
【0025】
スイッチコピー型ノード400は、入力IF#0(410)、入力IF#1(420)、スイッチ460、出力IF#0(430)及び出力IF#1(440)を備えている。入力IF#0(410)は、外部からUin201を入力し、スイッチ460に出力し、スイッチ460は、Uin201を出力IF#0(430)に出力する。出力IF#0(430)は、Uin201をUout231として外部へ出力する。
【0026】
また、入力IF#0(410)は、外部からMin202を入力し、スイッチ260に出力する。スイッチ260は、Min202を入力し、出力IF数分のMin202を生成するためにコピー処理を行い(本例では、出力IF#0(430),#1(440)の合計出力IF数分である2つのトラヒックを生成するためのコピー処理を行う。)、出力IF#0(430),#1(440)にそれぞれ出力する。出力IF#0(430)は、Min202を入力し、VLAN数分のMout232,233を生成するためにコピー処理を行い(本例では、VLAN#0(234),#1(235)の合計VLAN数分である2つのトラヒックを生成するためのコピー処理を行う。)、VLAN#0(234),#1(235)へそれぞれ出力する。同様に、出力IF#1(440)は、Min202を入力し、VLAN数分のMout244,245を生成するためにコピー処理を行い(本例では、VLAN#2(244),#3(245)の合計VLAN数分である2つのトラヒックを生成するためのコピー処理を行う。)、VLAN#2(244),#3(245)へそれぞれ出力する。
【0027】
このような構成の下で、入力IF#0(410)とスイッチ460との間の帯域使用率β2は、式470により算出することができる。ここで、式470のMinはMin202の帯域(bps)を、UinはUin201の帯域(bps)を、αはトラヒックの変動を考慮した安全係数をそれぞれ表す。
【0028】
次に、トラヒック監視装置100の処理について、図5に示すシーケンス図を参照して説明する。ステップ501はノードを識別するためのノードID確認処理、ステップ521は入力コピー方式において必要な収集情報選択処理、ステップ522は入出力コピー方式において必要な収集情報を選択する処理、ステップ523はスイッチコピー方式において必要な収集情報を選択する処理、ステップ531は入力コピー方式において情報を収集する処理、ステップ532は入出力コピー方式において情報を収集する処理、ステップ533はスイッチコピー方式において情報を収集する処理、ステップ541は式270による計算処理、ステップ542は式370による計算処理、ステップ543は式470による計算処理、ステップ551は増設閾値判断処理、ステップ561は増設が必要であると判断した場合の処理、ステップ562は増設が不要であると判断した場合の処理、563は増設閾値判断結果等の通知処理をそれぞれ表す。
【0029】
また、511は入力コピー方式を認識した場合の遷移、ステップ512は入出力コピー方式を認識した場合の遷移、ステップ513はスイッチコピー方式を認識した場合の遷移、ステップ502はステップ501からステップ511への状態遷移、ステップ503はステップ501からステップ512への状態遷移、ステップ504はステップ501からステップ513への状態遷移、ステップ514はステップ511からステップ521への状態遷移、ステップ515はステップ512からステップ522への状態遷移、ステップ516はステップ513からステップ523への状態遷移、ステップ524はステップ521からステップ531への状態遷移、ステップ525はステップ522からステップ532への状態遷移、ステップ526はステップ523からステップ533への状態遷移、ステップ534はステップ531からステップ541への状態遷移、ステップ535はステップ532からステップ542への状態遷移、ステップ536はステップ533からステップ543への状態遷移、ステップ544はステップ541からステップ551への状態遷移、ステップ545はステップ542からステップ551への状態遷移、ステップ546はステップ543からステップ551への状態遷移、ステップ552はステップ551からステップ561への状態遷移、ステップ553はステップ551からステップ562への状態遷移、ステップ564はステップ561からステップ501への状態遷移、ステップ565はステップ562からステップ501への状態遷移をそれぞれ表す。以下、各ステップの処理について説明する。
【0030】
トラヒック監視装置100は、入力コピー型ノード200、入出力コピー型ノード300及びスイッチコピー型ノード400の中から確認対象のノードを選択し、選択したノードから、ノードのコピー方式を特定するためのノードIDを取得し、コピー方式を確認し(ステップ501)、次のステップ511、512、513に遷移する。
【0031】
トラヒック監視装置100は、入力コピー方式を確認した場合(ステップ511)、ステップ514に遷移後、入力コピー方式において必要な収集情報(本例では、入力IFに関するトラヒック情報(Uin201、Min202の帯域)及びマルチキャスト出力IFに関する情報(出力IF数、VLAN数)を選択し(ステップ521)、対象ノードである入力コピー型ノード200から情報を収集後(ステップ531)、式270を用いて帯域使用率β1を計算し(ステップ541)、ステップ544を経由してステップ551に遷移する。
【0032】
トラヒック監視装置100は、入出力コピー方式を確認した場合(ステップ512)、ステップ515に遷移後、入力コピー方式で必要な収集情報(本例では、入力IFに関するトラヒック情報(Uin201、Min202の帯域)及びマルチキャスト出力IFに関する情報(出力IF数))を選択し(ステップ522)、対象ノードである入出力コピー型ノード300から情報を収集後(ステップ532)、式370を用いて帯域使用率β2を計算し(ステップ542)、ステップ545を経由してステップ551に遷移する。
【0033】
トラヒック監視装置100は、スイッチコピー方式を確認した場合(ステップ513)、ステップ516に遷移後、入力コピー方式で必要な収集情報(本例では、入力IFに関するトラヒック情報(Uin201、Min202の帯域))を選択し(ステップ523)、対象ノードであるスイッチコピー型ノード400から情報を収集後(ステップ533)、式470を用いて帯域使用率β3を計算し(ステップ543)、ステップ546を経由してステップ551に遷移する。
【0034】
また、トラヒック監視装置100は、ステップ541〜543において算出した帯域使用率βと増設閾値とを比較し(ステップ551)、「β≧増設閾値」の場合は、ステップ552経由で、設備増設が必要であると判断して所定のアラームセットを行い(ステップ552)、そのノード内に備えた入力IF等の設備増設が必要である旨を監視者端末装置120へ通知する(ステップ563)。この場合、設備の増設量を判断するために必要な情報として、ステップ531において収集した情報も監視者端末装置120へ通知するようにしてもよい。また、次のノード確認へ移行するために、ステップ564経由でステップ501に遷移する。一方、「β<増設閾値」の場合は、ステップ553経由で、増設設備が不要であると判断して(ステップ562)、次のノード確認へ移行するために、ステップ565経由でステップ501に遷移する。
【0035】
ここで、ステップ551の増設閾値は、輻輳が発生する前に未然に設備の増設が完了できる期間を考慮した閾値(トラヒック変動を加味した安全係数αを考慮した、増設判断から設備増設工事までの期間の値)とする。これにより、ネットワーク110内の入力コピー型ノード200、入出力コピー型ノード300及びスイッチコピー型ノード400において、パケットロスによる通信への支障を回避することが可能となる。
【0036】
次に、トラヒック監視装置100の構成について、図6に示すブロック図を参照して説明する。図6において、150はコピー方式判定部、151は情報収集部、152は帯域使用率β算出部、153は増設要否判定部153を表す。トラヒック監視装置100は、コピー方式判定部150、情報収集部151、帯域使用率β算出部152及び増設要否判定部153を備えている。コピー方式判定部150は、図5に示したステップ501,511〜513の処理を行い、判定した方式を情報収集部151に出力する。情報収集部151は、コピー方式判定部150により判定された方式を入力し、ステップ521〜523,531〜533の処理を行い、収集した情報を帯域使用率β算出部152に出力する。帯域使用率β算出部152は、情報収集部151により収集された情報を入力し、ステップ541〜543の処理を行い、算出した帯域使用率βを増設判定手段153に出力する。増設判定手段153は、帯域使用率β算出部152により算出された帯域使用率βを入力し、ステップ551,561,562の処理を行い、帯域使用率βと、予めメモリに格納された閾値とを比較し、設備増設が必要であると判定した場合は、所定のアラームセットを行い(ステップ561)、その旨を監視者端末装置120へ通知する。
【0037】
以上のように、本発明の実施の形態によれば、トラヒック監視装置100が、ノード内転送のボトルネック条件に対応する計算式201,301,401を用いて、帯域使用率βを自動的に計算するようにしたから、設備増設の判断が容易となり、監視者は、監視者端末装置120を用いて一元的かつ簡易なトラヒック監視が可能となる。また、トラヒック監視装置100は、増設判断から増設工事までの期間を考慮した増設閾値を用いて、設備増設の判断を行うようにしたから、輻輳が発生する前に未然に設備の増設を完了させることが可能となる。
【0038】
尚、トラヒック監視装置100は、CPU、RAM等の揮発性の記憶媒体、ROM等の不揮発性の記憶媒体、キーボードやポインティングデバイス等の入力装置、画像やデータを表示するモニタ装置、及び外部の装置と通信をするためのインタフェースを備えたコンピュータ装置によって構成されるようにしてもよい。この場合、トラヒック監視装置100に備えたコピー方式判定部150、情報収集部151、帯域使用率β算出部152及び増設要否判定部153の各機能は、これらの機能を記述したプログラムをCPUに実行させることによりそれぞれ実現される。また、これらのプログラムは、磁気ディスク(フロッピィーディスク、ハードディスク等)、光ディスク(CD−ROM、DVD等)、半導体メモリ等の記憶媒体に格納して頒布することもできる。
【図面の簡単な説明】
【0039】
【図1】本発明の実施形態に係るトラヒック監視システムの構成を示すブロック図である。
【図2】入力コピー型ノードの構成を示すブロック図である。
【図3】入出力コピー型ノードの構成を示すブロック図である。
【図4】スイッチコピー型ノードの構成を示すブロック図である。
【図5】トラヒック監視装置の処理を示すシーケンス図である。
【図6】トラヒック監視装置の構成を示すブロック図である。
【図7】従来のトラヒック監視システムの構成を示すブロック図である。
【図8】従来のトラヒック監視装置の処理を示すシーケンス図である。
【符号の説明】
【0040】
100,690 トラヒック監視装置
101,102,103,661,662,663 伝達ルート
110,650 ネットワーク
120,640 監視者端末装置
150 コピー方式判定部
151 情報収集部
152 帯域使用率β算出部
153 増設要否判定部
200 入力コピー型ノード
203,303,336,346,451,436,446 コピーポイント
210,310,410 入力IF#0
220,320,420 入力IF#1
230,330,430 出力IF#0
240,340,440 出力IF#1
234 VLAN#0
235 VLAN#1
244 VLAN#2
245 VLAN#3
260,360,460 スイッチ
300 入出力コピー型ノード
400 スイッチコピー型ノード
660,670,680 ノード

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ネットワーク内に設けられた複数のノードと、該ノードと通信を行うトラヒック監視装置と、トラヒックを監視する監視者端末装置とを含むシステムの下で、前記ノードが所定の方式によりトラヒックをコピーして転送する場合に、該ノードの輻輳を監視し、輻輳の発生を未然に防止する前記トラヒック監視装置によるトラヒック監視方法であって、
ノードのコピー方式に基づいて、前記トラヒックに関する情報を算出するためのパラメータを選択し、該パラメータを前記ノードから収集し、
前記収集したパラメータを用いて、コピー方式の計算式により、トラヒックに関する情報を算出し、
前記算出したトラヒックに関する情報と、前記ノードにおいて輻輳が発生する前に該ノード内の設備増設を完了するための期間を考慮して予め設定した閾値とを比較し、該比較結果を監視者端末装置へ送信する、
ことを特徴とするトラヒック監視方法。
【請求項2】
請求項1に記載のトラヒック監視方法において、
前記ノードが、N個の入力インタフェース部、K個の出力インタフェース部、及び、前記N個の入力インタフェース部とK個の出力インタフェース部とを接続する1個のスイッチ部を備え、
前記入力インタフェース部とスイッチ部との間の転送帯域容量をT、安全係数をα、前記N個の入力インタフェースのうちのいずれか1つの入力インタフェース部におけるユニキャストトラヒックの帯域をUin、マルチキャストトラヒックの帯域をMin、トラヒックに関する情報をβ1とし、
K個の出力インタフェース部が収容するVLANの合計数分のマルチキャストトラヒックを生成するためのコピーを、入力インタフェース部において行う場合に、
前記計算式を、
β1=VLANの合計数×(Min/(T×α))+(Uin/(T×α))
とすることを特徴とするトラヒック監視方法。
【請求項3】
請求項1に記載のトラヒック監視方法において、
前記ノードが、N個の入力インタフェース部、K個の出力インタフェース部、及び、前記N個の入力インタフェース部とK個の出力インタフェース部とを接続する1個のスイッチ部を備え、
前記入力インタフェース部とスイッチ部との間の転送帯域容量をT、安全係数をα、前記N個の入力インタフェースのうちのいずれか1つの入力インタフェース部におけるユニキャストトラヒックの帯域をUin、マルチキャストトラヒックの帯域をMin、トラヒックに関する情報をβ2とし、
K個のマルチキャストトラヒックを生成するためのコピーを、入力インタフェース部において行い、K個の出力インタフェース部が収容するVLANの合計数分のマルチキャストトラヒックを生成するためのコピーを、K個の出力インタフェース部において行う場合に、
前記計算式を、
β2=K×(Min/(T×α))+(Uin/(T×α))
とすることを特徴とするトラヒック監視方法。
【請求項4】
請求項1に記載のトラヒック監視方法において、
前記ノードが、N個の入力インタフェース部、K個の出力インタフェース部、及び、前記N個の入力インタフェース部とK個の出力インタフェース部とを接続する1個のスイッチ部を備え、
前記入力インタフェース部とスイッチ部との間の転送帯域容量をT、安全係数をα、前記N個の入力インタフェースのうちのいずれか1つの入力インタフェース部におけるユニキャストトラヒックの帯域をUin、マルチキャストトラヒックの帯域をMin、トラヒックに関する情報をβ3とし、
K個のマルチキャストトラヒックを生成するためのコピーを、スイッチ部において行い、K個の出力インタフェース部が収容するVLANの合計数分のマルチキャストトラヒックを生成するためのコピーを、K個の出力インタフェース部において行う場合に、
前記計算式を、
β3=(Min/(T×α))+(Uin/(T×α))
とすることを特徴とするトラヒック監視方法。
【請求項5】
ネットワーク内に設けられた複数のノードと、該ノードと通信を行うトラヒック監視装置と、トラヒックを監視する監視者端末装置とを含むシステムの下で、前記ノードが所定の方式によりトラヒックをコピーして転送する場合に、該ノードの輻輳を監視し、輻輳の発生を未然に防止する前記トラヒック監視装置であって、
ノードのコピー方式に基づいて、トラヒックに関する情報を算出するためのパラメータを選択し、該パラメータを前記ノードから収集するパラメータ収集部と、
該パラメータ収集部により収集されたパラメータを用いて、前記コピー方式の計算式により、トラヒックに関する情報を算出するトラヒック情報算出部と、
該トラヒック情報算出部により算出されたトラヒックに関する情報と、前記ノードにおいて輻輳が発生する前に該ノード内の設備増設を完了するための期間を考慮して予め設定した閾値とを比較し、該比較結果を監視者端末装置へ送信する増設要否判定部と、
を備えたことを特徴とするトラヒック監視装置。
【請求項6】
ネットワーク内に設けられた複数のノードと、該ノードと通信を行うトラヒック監視装置と、トラヒックを監視する監視者端末装置とを含むシステムの下で、前記ノードが所定の方式によりトラヒックをコピーして転送する場合に、該ノードの輻輳を監視し、輻輳の発生を未然に防止する前記トラヒック監視装置を構成するコンピュータに実行させるプログラムであって、
ノードのコピー方式に基づいて、トラヒックに関する情報を算出するためのパラメータを選択し、該パラメータを前記ノードから収集する処理と、
該パラメータを用いて、前記コピー方式の計算式により、トラヒックに関する情報を算出する処理と、
該トラヒックに関する情報と、前記ノードにおいて輻輳が発生する前に該ノード内の設備増設を完了するための期間を考慮して予め設定した閾値とを比較し、該比較結果を監視者端末装置へ送信する処理と、
を実行させるトラヒック監視プログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2006−246036(P2006−246036A)
【公開日】平成18年9月14日(2006.9.14)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−59098(P2005−59098)
【出願日】平成17年3月3日(2005.3.3)
【出願人】(000004226)日本電信電話株式会社 (13,992)
【Fターム(参考)】