トラフィックオフロード装置
【課題】インターネット又は宅内ネットワークからUE宛ての着呼があった場合でも、携帯電話網におけるセキュリティレベルを低下させることなく、呼接続を正常に行うトラフィックオフロード装置を提供する。
【解決手段】ST101では、フェムト基地局110は、インターネット又は宅内ネットワークからUE100宛てのパケットを受信し、ST102では、ページング手順を開始する。ST103では、UE100はフェムト基地局110との間にRRC接続を確立し、ST104では、UE100はページング応答をSGSN150宛てにフェムト基地局110に送信する。ST105では、フェムト基地局110は、NAS検証を行い、フェムト基地局110は自ら要求したページングに対するページング応答であることを検出すると、ST107では、UE100から送信されたサービスリクエストのサービスタイプをページング応答からシグナリングに変換する。
【解決手段】ST101では、フェムト基地局110は、インターネット又は宅内ネットワークからUE100宛てのパケットを受信し、ST102では、ページング手順を開始する。ST103では、UE100はフェムト基地局110との間にRRC接続を確立し、ST104では、UE100はページング応答をSGSN150宛てにフェムト基地局110に送信する。ST105では、フェムト基地局110は、NAS検証を行い、フェムト基地局110は自ら要求したページングに対するページング応答であることを検出すると、ST107では、UE100から送信されたサービスリクエストのサービスタイプをページング応答からシグナリングに変換する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、呼接続を行うトラフィックオフロード装置に関する。
【背景技術】
【0002】
3GPP(3rd Generation Partnership Project)では、セル半径の大きなマクロセル無線通信基地局装置(マクロ基地局)の主に屋外への設置に加えて、家庭、オフィス、さらにはレストランなどの屋内施設にセル半径が数十メートル程度の小セル(フェムトセル)無線通信基地局装置(フェムト基地局)の設置が検討されている。
【0003】
図1は、フェムト基地局が家庭に設置された場合のシステム構成を示す。図1に示すように、各家庭では、フェムト基地局に加えて、IP電話、IP-TV、さらには複数のパソコンなどが1つのxDSL又はFTTHなどのインターネット接続固定網を共有することが想定される。フェムト基地局は、集線装置(GW)を経由してコアネットワークと接続される。
【0004】
現在、データ通信等の増大するトラフィックに対応するべく、多くの携帯電話事業者が設備の増強を強いられている。このため、フェムト基地局を導入することにより、屋外の基地局を増設するよりもコストを抑え、また、屋内発の通信トラフィックをインターネットに直接オフロードすることができる。これにより、携帯電話のコアネットワークへの負荷も下げられることが期待されている。また、今後は、事業者のコアネットワークを介さず、ユーザ宅内の通信機器と携帯電話がフェムト基地局経由で直接通信を行い、様々なインタラクションサービスをユーザに提供することが期待されている。
【0005】
次に、非特許文献1等に記載のIMT−2000パケットシステムにおける呼接続手順について図2を用いて説明する。図2を参照すると、UEはRRC(Radio Resource Control)手順(ST11)によってRNC(Radio Network Controller)との通信を可能にした後、GMM(GPRS Mobility Management)プロトコル信号であるサービスリクエスト(Service Request)によってSGSNに対してサービス開始を要求する(ST12)。この時、サービスリクエストには、UEとSGSNとの間のシグナリング接続を要求する情報(サービスタイプがシグナリング(Service Type: Signaling))が含まれている。
【0006】
SGSNは、シグナリング接続を要求してきたUEに対して認証処理を行い(ST13)、その結果、正当なUEであると確認できたら、RANAP信号であるセキュリティモードコマンド(Security Mode Command)によって無線区間の秘匿処理の開始をRNCに指示する(ST14)。そして、秘匿処理が正常に行われたら、UEはSM(Session Management)信号であるPDPコンテキスト活性化リクエスト(Activate Packet Data Protocol Context Request)によって呼接続を要求する(ST15)。
【0007】
このSM信号には、接続先データネットワーク(PDN)を特定する情報であるAPN(Access Point Name)が設定されており、このSM信号を受信したSGSNは、DNS(Domain Name System)手順によってAPN情報から接続すべきGGSNのIPアドレス情報を入手する。そして、GGSNのIPアドレスの取得に成功したら、SGSNは、RNCにRANAP信号であるRABアサインメントリクエスト(RAB Assignment Request)を送信し、RNCとSGSNとの間のトンネリング(tunneling)の設定を要求する(ST16)。
【0008】
次に、RNC及びSGSN間のトンネリングの設定を確認したSGSNは、DNS手順によって入手したIPアドレスを有するGGSN宛てにGTP(GPRS Tunneling Protocol)信号であるPDPコンテキスト生成リクエスト(Create PDP Context Request)を送信し、UEに対する呼設定を要求する(ST17)。
【0009】
このGTP信号にもAPN情報が設定されており、GTP信号を受信したGGSNでは呼接続すべきPDNをAPN情報から特定する。そして、GGSNでの接続処理が正常に行われると、GTP信号であるPDPコンテキスト生成レスポンス(Create PDP Context Response)によってSGSNに接続処理が正常に行われた旨通知される(ST18)。この時点でGGSNは該当UEに対するルーティング(経路選択)情報を確立し、これをPDPコンテキスト(PDP Context)として管理する。
【0010】
次に、GGSNからの応答信号はSGSNを介してSM信号であるPDPコンテキスト活性化アクセプト(Activate PDP Context Accept)によってUEまで伝送され(ST19)、UEはユーザデータ送受信(パケット通信)を開始する(ST20)。この時点で、SGSNは該当UEに対するルーティング情報を確立し、これをPDPコンテキストとして管理する。
【0011】
このように、IMT−2000パケットシステムでは、上記一連の処理により、UEからGGSNまで呼毎の論理コネクションを設定し、トンネリングを行ってパケット通信を実現している。
【0012】
次に、携帯電話のコアネットワークを介さず、フェムト基地局発の通信トラフィックをインターネット又は宅内ネットワークに直接オフロードする手順について図3を用いて説明する。ただし、図3において、図2と共通する部分には、図2と同一の符号を付し、その詳細な説明は省略する。ここで、フェムト基地局には、図2で示したSGSN及びGGSNの機能が備えられているものとする。また、UEは、同時に複数のSGSNにアタッチ(Attach)することはできないので、UEはコアネットワークにあるSGSNにアタッチし続けることを前提とする。
【0013】
UEが送信したPDPコンテキスト活性化リクエストを受信したフェムト基地局は、SGSNに該要求を転送せず、自らが有するSGSN機能により、APN情報から接続すべきPDNを選択する(ST21)。この時、APNに含まれる情報が、例えば、ユーザ宅にブロードバンドアクセスを提供しているISPを示しているものとする。
【0014】
フェムト基地局は、自らが有するGGSN機能により、UEに対する呼設定を処理することを決定する。以降、図2におけるST16からST20までの処理をフェムト基地局に内蔵されたGGSN、SGSN、RNC及びNodeB機能を介して行うことにより、UEからGGSNまで呼毎の論理コネクションを設定し、携帯電話のコアネットワークを介さず、フェムト基地局発の通信トラフィックをインターネット又は宅内ネットワークに直接オフロードすることを実現している。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0015】
【非特許文献1】3GPP TS23.060 v7.8.0
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0016】
しかしながら、インターネット又は宅内ネットワークからフェムト基地局着の通信トラフィックに上述したデータオフロード方法を適用する場合、以下のような問題がある。
【0017】
通常、アイドル状態のUEに対するコアネットワークからの着呼手順は、ページングと呼ばれるエリア内一斉呼び出しにより行われる。ページングでは、SGSNにUE宛ての着呼を通知する情報が到着すると、SGSNは、予め登録されたUEの在圏エリアにある基地局に対して、UEに着呼があったことを示す情報を一斉に送信する。
【0018】
UEは、自分宛ての着呼があるか否かを基地局の送信信号を所定のタイミングで確認するように設定されている。着呼があった場合には、UEは図2に示したサービスリクエスト(ST12)をSGSNに対して送信する。この時、サービスリクエストには、ページングに対する応答であることを示す情報(Service Type: Paging Response)が含まれる。以降は、図2に示した呼接続手順を行うことにより、UEからGGSNまで呼毎の論理コネクションを設定し、トンネリングを行ってパケット通信を実現している。
【0019】
次に、インターネット又は宅内ネットワークからフェムト基地局にUE宛ての着呼があった場合の呼接続手順を図4に示す。図4において、フェムト基地局は、インターネット又は宅内ネットワークからUE宛てのパケットを受信する(ST22)。
【0020】
フェムト基地局に内蔵されたSGSN、GGSN機能により、フェムト基地局はUEにページングメッセージを送信する(ST23)。
【0021】
前述した通り、UEはコアネットワークにあるSGSNにアタッチしているので、ページングがあったことを検出すると、コアネットワークのSGSNに対して、ページング応答を示す情報を含めたサービスリクエストを送信する(ST24)。
【0022】
UEからサービスリクエスト(サービスタイプがページング応答((Service Type: Paging Response))を受信したコアネットワークのSGSNには、UEに対してページングメッセージを送信した記録が残っていないため、そのSGSNは、UEから誤ったサービスリクエストを受信したものと判断し、UEに対してサービス拒絶メッセージ(Service Reject)を送信してしまう(ST25)。
【0023】
サービスリクエストがSGSNにより拒絶されてしまうと、その後のセキュリティ手順(UEの認証及び無線区間の秘匿に関する準備)を行うことができず、UEはインターネット又は宅内ネットワークからの着呼による呼接続手順を正常に完了することができない。
【0024】
上述した問題点の解決策として、UEがフェムト基地局に内蔵されたSGSNに一時的にアタッチして、UEからのサービスリクエストをフェムト基地局のSGSNで処理することが考えられる。しかしながら、この場合、フェムト基地局のSGSNでセキュリティ手順を行うために、コアネットワークのSGSNからUEの認証関連情報をフェムトセルに移動させる必要がある。すなわち、一般ユーザ宅内に設置が予想されるフェムト基地局に重要なユーザの認証情報を記憶させることになり、この結果、セキュリティレベルの低下を招くおそれがある。
【0025】
本発明の目的は、インターネット又は宅内ネットワークからUE宛ての着呼があった場合でも、携帯電話網におけるセキュリティレベルを低下させることなく、呼接続を正常に行うトラフィックオフロード装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0026】
本発明のトラフィックオフロード装置は、UEがアイドルモードのとき、トラフィックオフロード装置に到着した前記UE宛てのダウンリンクオフロードトラフィックのために前記UEを呼び出すページング手段と、前記UEからページング応答としてのサービスリクエストを受信する受信手段と、前記サービスリクエスト内のサービスタイプをUE発のサービス開始要求を示すように修正する修正手段と、修正された前記サービスリクエストをSGSNに送信する送信手段と、を有する構成を採る。
【発明の効果】
【0027】
本発明によれば、インターネット又は宅内ネットワークからUE宛ての着呼があった場合でも、携帯電話網におけるセキュリティレベルを低下させることなく、呼接続を正常に行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【0028】
【図1】無線通信システムの構成を示す図
【図2】IMT−2000パケットシステムにおける呼接続手順を示すシーケンス図
【図3】フェムト基地局発の通信トラフィックをインターネット又は宅内ネットワークに直接オフロードする手順を示すシーケンス図
【図4】インターネット又は宅内ネットワークからフェムト基地局にUE宛ての着呼があった場合の呼接続手順を示すシーケンス図
【図5】本発明の実施の形態1に係る無線通信システムの構成を示す図
【図6】図5に示したフェムト基地局の構成を示すブロック図
【図7】図5に示したGWの構成を示すブロック図
【図8】本発明の実施の形態1に係るUEとフェムト基地局との間の呼接続手順を示すシーケンス図
【図9A】HNBAP又はRUA信号のダイレクトトランスファーのコンテンツを示す図
【図9B】NAS更新要求情報の情報要素を示す図
【図10A】S1AP信号のUEから最初に送信されるNAS情報をコアネットワークに転送するダイレクトトランスファーのコンテンツを示す図
【図10B】NAS更新指示の情報要素を示す図
【図11】本発明の実施の形態2に係るフェムト基地局の構成を示すブロック図
【図12】本発明の実施の形態2に係るUEとフェムト基地局との間の呼接続手順を示すシーケンス図
【図13】本発明の実施の形態3に係るフェムト基地局の構成を示すブロック図
【図14】本発明の実施の形態3に係るUEの構成を示すブロック図
【図15】本発明の実施の形態3に係るUEとフェムト基地局との間の呼接続手順を示すシーケンス図
【発明を実施するための形態】
【0029】
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照して詳細に説明する。なお、以下の各実施の形態では、GPRS(General Packet Radio Service)、UMTS(Universal Mobile Telecommunications System)等の3GPP(3rd Generation Partnership Project)で規格されている無線アクセス技術に基づいて説明する。しかしながら、本発明は、3GPPで規格化中のLTE(Long Term Evolution)及び3GPPで規格されている無線アクセス技術に限らず、WLAN(Wireless Local Area Network)、IEEE802.16、IEEE802.16e又はIEEE802.16m等のWiMAX(Worldwide Interoperability for Microwave Access)、3GPP2等の無線アクセス技術に適用してもよい。
【0030】
(実施の形態1)
図5は、本発明の実施の形態1に係る無線通信システムの構成を示す図である。図5に示す無線通信システムは、UE100、フェムト基地局110、GW140、コアネットワークを具備する。
【0031】
フェムト基地局110は、ユーザ宅131内に設置され、無線リソースの割り当て及び管理を行うと共に、アップリンクを介してUE100の物理階層から転送される情報を受信し、ダウンリンクを介して受信したデータをUE100に転送する。すなわち、フェムト基地局110は、UE100に対して無線アクセスネットワークのアクセスポイントの役割を担う。
【0032】
UE100は、フェムト基地局110を介して、コアネットワーク、インターネット又は宅内ネットワークと通信を行う。宅内ネットワークには、PC130等が設置され、PC130とUE100がコアネットワークを介さずフェムト基地局110経由で直接通信を行い、様々なインタラクションサービスをユーザに提供するものとする。
【0033】
GW140は、フェムト基地局110とコアネットワークとの間に位置し、コアネットワークにあるSGSN150と多数のフェムト基地局110との通信を集約して中継する。コアネットワークからは直接フェムト基地局110が見えないようにすることにより、コアネットワーク内の装置の処理負荷を増大させることなく、フェムト基地局110の多数展開を可能にしている。
【0034】
コアネットワークには、SGSN150及びGGSN160が設置されており、SGSN150は、UE100からのサービスリクエストを受信すると、UE100の認証手順を行い、GW140とGGSN160との間の呼接続処理を制御する。また、GGSN160は、パケット通信に必要となる、UE100に割り当てるデータ通信用アドレスの管理等を行う。
【0035】
図6は、図5に示したフェムト基地局110の構成を示すブロック図である。図6において、受信部111は、UE100から送信されたRRC信号及び上りユーザデータを無線制御部112に出力する。また、受信部111は、GW140から送信されたHNBAP(Home NodeB Application Part)、RUA(RANAP User Adaptation)信号及びUE100宛ての下りユーザデータをGW制御部113に出力する。また、受信部111は、インターネット又は宅内ネットワークから直接受信したデータをコアネットワーク機能部114に出力する。
【0036】
無線制御部112は、受信部111から出力されたRRC信号を終端し、UE100との間にRRC接続を確立する。また、無線制御部112は、UE100がコアネットワークとNAS(Non Access Stratum)情報の送受信を要求していることをRRC信号から判断し、GW制御部113にNAS情報を出力する。さらに、無線制御部112は、GW制御部113から出力される制御情報をRRC信号としてコード化し、送信部115を介してUE100に出力する。
【0037】
また、無線制御部112は、UE100からの上りユーザデータを受信すると、無線プロトコルを終端し、GW制御部113にユーザデータを出力する。また、無線制御部112は、GW制御部113からUE100宛ての下りユーザデータを受信すると、所定のパラメータに従って無線プロトコル処理を行い、送信部115を介してUE100にデータを送信する。
【0038】
GW制御部113は、受信部111から出力されたHNBAP又はRUA信号を処理し、コアネットワークからのRANAP信号を終端する。また、GW制御部113は、RANAP信号又はコアネットワーク機能部114から出力された制御信号に基づいて、UE100に対するRRC信号の送信の必要性を判断し、送信の必要がある場合は、コアネットワーク又はコアネットワーク機能部114から出力された制御情報を無線制御部112に出力する。
【0039】
また、GW制御部113は、無線制御部112から出力されたUE100のNAS情報又はコアネットワークからのNAS情報の処理要否を判断するようコアネットワーク機能部114に要求する。GW制御部113は、コアネットワーク機能部114の判断結果に基づいて、UE100のNAS情報をRANAPに含めると共に、HNBAP又はRUA信号にNAS更新要求情報を付加して、送信部115を介してGW140に送信する。
【0040】
また、GW制御部113は、コアネットワーク機能部114からUE100宛てのNAS情報が出力された場合、無線制御部112にNAS情報を出力する。GW制御部113は、GW140又はコアネットワーク機能部114からUE100宛ての下りユーザデータを受信すると、トランスポートネットワークプロトコルを終端し、無線制御部112にユーザデータを出力する。また、GW制御部113は、無線制御部112からUE100の上りユーザデータが出力されると、所定のパラメータに従ってトランスポートネットワークプロトコル処理を行い、送信部115を介してGW140に上りユーザデータを送信するか、またはコアネットワーク機能部114に上りユーザデータを出力する。
【0041】
コアネットワーク機能部114は、受信部111を経由してインターネット又は宅内ネットワークから直接受信したUE100宛てのデータを受信し、UE100宛て論理コネクション確立のための制御信号をGW制御部113に出力する。
【0042】
また、コアネットワーク機能部114は、GW制御部113から出力されたNAS情報の処理要否判断要求により、UE100から受信したNAS情報を自装置において処理するか否かを判断する。NAS情報を処理する場合には、コアネットワーク機能部114は、受信したNAS情報に基づいて、このNAS情報をGW140で更新するよう要請するための情報をGW制御部113に出力するか、または、UE100宛てのNAS情報を生成し、GW制御部113に生成したNAS情報を出力する。一方、NAS情報を処理する必要がない場合には、コアネットワーク機能部114は、GW制御部113に対して、受信NAS情報を直ちにGW140に出力するよう指示する。なお、コアネットワーク機能部114は判定手段として機能する。
【0043】
また、コアネットワーク機能部114は、GW制御部113からUE100の上りユーザデータが出力されると、所定のパラメータに従ってパケットデータネットワークプロトコル処理を行い、送信部115を介してインターネット又は宅内ネットワークにデータを送信する。また、コアネットワーク機能部114は、受信部111からUE100宛ての下りユーザデータが出力されると、パケットデータネットワークプロトコルを終端し、GW制御部113にデータを出力する。
【0044】
コアネットワーク機能部114は、非CN着信検出部116を有し、非CN着信検出部116は、コアネットワーク(CN)を経由せず、直接インターネット又はユーザ宅内ネットワークからUE100宛ての着信があった場合、その着信がコアネットワーク外からの着信であることを記憶する。
【0045】
送信部115は、無線制御部112から出力されたRRC制御信号をUE100に送信する。また、送信部115は、無線制御部112から出力されたUE100宛ての下りデータをUE100に送信する。また、送信部115は、GW制御部113から出力されたUE100のNAS情報をGW140に送信する。また、送信部115は、GW制御部113から出力されたUE100の上りユーザデータをGW140に送信し、コアネットワーク機能部114から出力されたUE100の上りユーザデータをインターネット又は宅内ネットワークにそれぞれ送信する。
【0046】
図7は、図5に示したGW140の構成を示すブロック図である。図7において、受信部141は、フェムト基地局110から送信されたUE100のNAS情報を含むHNBAP又はRUA信号及びコアネットワークから送信されたRANAP信号をフェムト制御部142に出力する。また、受信部141は、フェムト基地局110からUE100の上りユーザデータを受信すると、所定のトランスポートネットワークプロトコル処理を施し、送信部144を介してコアネットワークに上りユーザデータを送信する。また、受信部141は、コアネットワークからUE100宛ての下りユーザデータを受信すると、そのユーザデータに所定のトランスポートネットワークプロトコル処理を施し、送信部144を介してフェムト基地局110に下りユーザデータを送信する。
【0047】
フェムト制御部142は、受信部141から出力されたRANAP信号を所定のパラメータに従ってHNBAP又はRUA信号に含めて、送信部144を介してフェムト基地局110に出力する。また、フェムト制御部142は、受信部141からUE100のNAS情報を含むHNBAP又はRUA信号が出力されると、HNBAP又はRUA信号を終端し、UE100のNAS情報を含むRANAP信号を取り出し、HNBAP又はRUA信号内のNAS更新要求情報と共に、このRANAP信号をコアネットワーク制御部143に出力する。
【0048】
コアネットワーク制御部143は、NAS情報更新部145を有し、NAS情報更新部145は、フェムト制御部142からUE100のNAS情報を含むRANAP信号が出力されると、同じく通知されたHNBAP又はRUA信号内のNAS更新要求情報に基づいて、RANAPに含まれたUE100のNAS情報を上書きして更新する。また、コアネットワーク制御部143は、更新したUE100のNAS情報を含むRANAP信号を、送信部144を介してコアネットワークに出力する。
【0049】
送信部144は、フェムト制御部142から出力されたUE100のNAS情報を含むHNBAP又はRUA信号をフェムト基地局110に送信する。また、送信部144は、コアネットワーク制御部143から出力され、更新されたUE100のNAS情報を含むRANAP信号をコアネットワークに送信する。また、送信部144は、受信部141から出力されたUE100の上りユーザデータをコアネットワークに送信し、下りユーザデータをフェムト基地局110に送信する。
【0050】
次に、インターネット又は宅内ネットワークからフェムト基地局110にUE100宛ての着呼があった場合におけるUE100とフェムト基地局110との間の呼接続手順について図8を用いて説明する。
【0051】
図8において、ST101では、フェムト基地局110は、インターネット又は宅内ネットワークからUE100宛てのパケットを受信する。UE100宛てのパケットを受信したフェムト基地局110のコアネットワーク機能部114は、UE100宛ての論理コネクションを確立するための手順を開始する。ST102では、コアネットワーク機能部114は、UE100に着呼があったことを示すためのページング手順を開始する。この時、フェムト基地局110は、インターネット又は宅内ネットワークからUE100宛ての着呼があったことによりページング手順が着手されたことを示す情報を非CN着信検出部116に記憶する。
【0052】
ST103では、UE100は、自分宛ての着呼があったことをページング要求により検知し、フェムト基地局110との間にRRC接続を確立する。ST104では、UE100は、ページング要求に応えるため、接続中のSGSN150宛てにサービスリクエストをフェムト基地局110に送信する。なお、サービスリクエストには、ページング応答を示す情報(Paging Response)が含まれている。
【0053】
ST105では、フェムト基地局110は、UE100から受信したNAS信号の処理を自らが行うか、このNAS信号をコアネットワークに中継するかを判断する。フェムト基地局110のコアネットワーク機能部114は、GW制御部113からNAS情報の処理要否判断要求を受けると、非CN着信検出部116に記憶した情報に基づいて、受信したNAS情報(サービスリクエスト:ページング応答)がST102で自ら送信したページング要求に対する応答であるか否かを判断する(NAS検証)。
【0054】
ST106では、フェムト基地局110は、RANAPのダイレクトトランスファー(Direct Transfer)を用いて、UE100から受信したNAS情報(サービスリクエスト:ページング応答)をコード化し、RANAPをフェムト基地局110とGW140との間の制御インタフェース仕様に準拠したプロトコル(例えば、HNBAP又はRUA)のダイレクトトランスファーを用いてコード化し、GW140に送信する。
【0055】
図9Aは、HNBAP又はRUA信号のダイレクトトランスファーのコンテンツを示す図である。また、図9Bは、NAS更新要求情報(SR Modification Request)の情報要素を示す図である。図9Aでは、ダイレクトトランスファーであることを示すメッセージタイプ(Message Type)、CS/PSドメインのいずれに宛てたメッセージであるかを示すCNドメインID(CN Domain ID)、上位プロトコルRANAPそのものであるRANAPメッセージ(RANAP Message)などが含まれる。さらに、ダイレクトトランスファーには、SR Modification Requestが含まれ、SR Modification Requestには、図9Bに示すように、RANAPメッセージ内のサービスリクエストのタイプを修正する必要性を示す情報(Modification Necessity)と、修正する必要がある場合の実際の修正内容を示す情報(Modification Contents)とが含まれる。
【0056】
ST105の判定結果において、受信したNAS情報(サービスリクエスト:ページング応答)がフェムト基地局110の送信したページング要求に対する応答であった場合には、HNBAP又はRUA信号には、NAS更新要求情報が含まれる。この場合、図9BにおけるModification NecessityのIEタイプ(IE type)はNecessaryを示し、Modification ContentsのIEタイプはページング応答からシグナリングへの変換(ページング応答−>シグナリング)を示す。なお、このページング応答がコアネットワークからのページング要求に対する通常のページング応答であった場合には、HNBAP又はRUA信号には、NAS更新要求情報が含まれず、Modification NecessityのIEタイプはNot Necessaryを示し、Modification ContentsのIEタイプはGW140では参照されない。
【0057】
ST107では、フェムト基地局110からHNBAP又はRUA信号を受信したGW140は、HNBAP又はRUAを終端し、RANAP信号を取り出す。この時、HNBAP又はRUA信号内にNAS更新要求情報が含まれている場合、つまり、図9BにおけるModification NecessityのIEタイプがNecessaryを示し、Modification ContentsのIEタイプがページング応答からシグナリングへの変換を示す場合には、RANAPも終端して、UE100のNAS情報(サービスリクエスト:ページング応答)を取り出し、サービスタイプがページング応答のNAS情報をサービスタイプがシグナリングのNAS情報に更新する。また、HNBAP又はRUA信号内にNAS更新要求情報が含まれていない場合、つまり、図9BにおけるModification NecessityのIEタイプがNot Necessaryを示す場合には、取り出したRANAP信号には処理を加えず、以降、コアネットワークとの間で、3GPPで定められた所定の呼接続手順を実行する。
【0058】
ST108では、GW140は、更新したNAS情報(サービスリクエスト:シグナリング)をRANAPのダイレクトトランスファーで再度コード化して、コアネットワークのSGSN150に送信する。
【0059】
ST109では、UE100からNAS情報(サービスリクエスト:シグナリング)を受信したSGSN150は、UE100から通常のサービス開始要求を受信したと判断し、フェムト基地局110を介してUE100との間で、3GPPで定められた所定のセキュリティ手順を行う。
【0060】
ST110では、UE100とのセキュリティ手順を完了したコアネットワークは、ST108で受信したUE100からのサービスリクエストによる所定の手順が成功したことを示すサービスアクセプト(Service Accept)をUE100に送信する。この時、フェムト基地局110のコアネットワーク機能部114は、SGSN150から受信したNAS情報の処理要否判定の結果、受信したNAS情報がサービスアクセプトであった場合、UE100とSGSN150間でセキュリティ手順が成功し、両者間でシグナリング接続が正常に確立できたことを検出する。
【0061】
ST111では、フェムト基地局110は、所定のパラメータを用いて、UE100との間のサービスに対する呼接続の確立手順を開始するようUE100に要求する(Request PDP Context Activation)。この所定のパラメータには、接続先データネットワーク(PDN)を特定する情報であるAPN(Access Point Name)が設定されており、APNは、例えば、ユーザ宅にブロードバンドアクセスを提供しているISPを示している。
【0062】
ST112では、UE100は、ST111で取得したパラメータを用いて、SM(Session Management)信号であるPDPコンテキスト活性化リクエスト(Activate PDP Context Request)によって呼接続をフェムト基地局110に要求する。
【0063】
ST113では、フェムト基地局110とUE100との間には、サービスに対する適切な無線ベアラ(DTCH)が確立される。
【0064】
ST114では、UE100との間の無線ベアラの確立が成功したことを確認したフェムト基地局110は、SM信号であるPDPコンテキスト活性化アクセプト(Activate PDP Context Accept)をUE100に送信し、ST115では、UE100とフェムト基地局110は、ユーザデータ送受信(パケット通信)を開始する。
【0065】
このように実施の形態1によれば、インターネット又は宅内ネットワークからフェムト基地局にUE宛ての着呼があった場合に、フェムト基地局は自ら要求したページングに対するUEからのページング応答であることを検出したときのみ、UEから送信されたサービスリクエストのサービスタイプをページング応答からシグナリングに変換してコアネットワークに中継し、UEとコアネットワークとの間でセキュリティ手順が正常に完了したら、フェムト基地局とUEとの間で直接呼接続手順を行うことにより、携帯電話網におけるセキュリティレベルを低下させることなく、また、コアネットワークを介することなく、インターネット又は宅内ネットワークから直接フェムト基地局に到着した通信トラフィックをUEに送信することができる。
【0066】
なお、実施の形態1では、UMTSを例にGWがNAS情報を更新するものとして説明したが、LTE/SAE(Long Term Evolution/System Architecture Evolution)システムでは、図9のダイレクトトランスファーのコンテンツが異なる。
【0067】
図10Aは、LTE/SAEにおける、フェムト基地局とコアネットワーク間の制御プロトコルであるS1AP信号に格納されたNAS情報であって、UEから最初に送信されるNAS情報をコアネットワークに転送するダイレクトトランスファーのコンテンツを示す図である。また、図10Bは、NAS更新指示(SR Modification Indicator)の情報要素を示す図である。図10Aでは、UEから最初に送信されるNAS情報をコアネットワークに転送するダイレクトトランスファーであることを示すメッセージタイプ(Message Type)、NAS情報そのものであるNAS−PDU、UEやフェムトセル基地局を特定するための情報要素(eNB UE S1AP ID、TAI、E-UTRAN CGI)、RRC接続を開始した理由(RRC Establishment cause)などが含まれる。さらに、UEから最初に送信されるNAS情報をコアネットワークに転送するダイレクトトランスファーには、SR Modification Indicatorが含まれ、SR Modification Indicatorには、図10Bに示すように、NAS−PDU内のサービスリクエストのタイプを修正する必要性を示す情報(Modification Necessity)と、修正する必要がある場合の実際の修正内容を示す情報(Modification Contents)とが含まれる。
【0068】
SR Modification Indicatorを受信したコアネットワークでは、図10BにおけるModification NecessityのIEタイプがNecessaryを示し、Modification ContentsのIEタイプがページング応答からシグナリングへの変換を示す場合には、サービスタイプがページング応答のNAS情報をサービスタイプがシグナリングのNAS情報に更新して以降の処理を続ける。
【0069】
(実施の形態2)
実施の形態1では、フェムト基地局においてUEからのサービスリクエストの更新の必要性の有無を判定し、GWが実際にUEのサービスリクエストのサービスタイプをページング応答からシグナリングに更新するものとして説明した。そのため、GWに一時的にシグナリングが集中するような場合、GWはRANAP信号の終端処理及びNAS情報の更新処理により負荷が高まる可能性がある。本発明の実施の形態2では、このような可能性を回避する場合について説明する。
【0070】
図11は、本発明の実施の形態2に係るフェムト基地局120の構成を示すブロック図である。ただし、図11において、図6と共通する部分には、図6と同一の符号を付し、その詳細な説明は省略する。図11が図6と異なる点は、コアネットワーク機能部124にNAS情報更新部145を追加した点である。
【0071】
NAS情報更新部145は、GW制御部113からUE100のNAS情報及びNAS更新要求情報が出力されると、NAS更新要求情報に基づいて、UE100のNAS情報を更新する。
【0072】
図12は、本発明の実施の形態2に係るUE100とフェムト基地局120との間の呼接続手順を示すシーケンス図である。ただし、図12において、図8と共通する部分には、図8と同一の符号を付し、その詳細な説明は省略する。
【0073】
図12において、ST206では、フェムト基地局120は、UE100のNAS情報(サービスリクエスト:ページング応答)を取り出し、サービスタイプがページング応答のNAS情報をサービスタイプがシグナリングのNAS情報に更新する。
【0074】
ST207では、フェムト基地局120は、更新したNAS情報(サービスリクエスト:シグナリング)をRANAPのダイレクトトランスファーでコード化し、このRANAP信号をフェムト基地局120とGW140との間の制御インタフェース仕様に準拠したプロトコル(例えば、HNBAP又はRUA)のダイレクトトランスファーを用いてコード化し、GW140に送信する。
【0075】
このように実施の形態2によれば、フェムト基地局は、UEからのNAS情報を自ら更新することにより、GWの処理負荷を低減し、インターネット又は宅内ネットワークから直接フェムト基地局に到着した通信トラフィックを、コアネットワークを介さずUEに送信することができる。
【0076】
(実施の形態3)
実施の形態1及び実施の形態2では、GW又はフェムト基地局において、UEのサービスリクエストのサービスタイプをページング応答からシグナリングに更新するものとして説明した。しかしながら、より向上した移動通信サービスの提供を目標とし、UMTSから進化した次世代移動通信システムであるLTE/SAEシステムでは、UEとCN間でNAS情報の完全性と秘匿性を確保することが定められており、それらの中間ノードであるGW及びフェムト基地局においてNAS情報の更新を行うことは、セキュリティレベルの低下を招く可能性がある。そこで、本発明の実施の形態3では、UMTS及びLTE/SAEの両方に適用可能なフェムト基地局及びUEについて説明する。
【0077】
図13は、本発明の実施の形態3に係るフェムト基地局125の構成を示すブロック図である。ただし、図13において、図6と共通する部分には、図6と同一の符号を付し、その詳細な説明は省略する。図13が図6と異なる点は、コアネットワーク機能部126にページング処理部127を追加した点である。
【0078】
ページング処理部127は、非CN着信検出部116からUE100への非CN着信検出情報が出力されると、非CN着信情報を含むページング要求を生成し、送信部115を介してUE100に送信する。
【0079】
図14は、本発明の実施の形態3に係るUE100の構成を示すブロック図である。図14において、受信部101は、フェムト基地局125から送信されたRRC信号及び下りユーザデータを無線制御部102に出力する。
【0080】
無線制御部102は、受信部101から出力されたRRC信号を終端し、フェムト基地局125との間にRRC接続を確立する。また、無線制御部102は、所定のタイミングでフェムト基地局125から送信されるページングチャネル(PCH)を監視し、UE100へのページング要求が含まれているかどうかを判定する。無線制御部102は、さらに非CN着信検出部103を有し、非CN着信検出部103は、UE100へのページング要求を受信した場合に、非CN着信情報が含まれているかどうかを判定する。非CN着信情報が含まれている場合、非CN着信検出部103は、ページング要求に非CN着信情報を含めて、NAS制御部104に出力する。また、無線制御部102は、NAS制御部104から出力されたNAS情報をRRC信号としてコード化し、3GPPで定められた所定の上り送信手順に従い、送信部106を介してフェムト基地局125へ出力する。
【0081】
NAS制御部104は、非CN着信検出部103から非CN着信情報が含まれたページング要求を受信すると、サービスタイプがシグナリングのサービスリクエストを生成し、生成したサービスリクエスト(NAS情報)を無線制御部102に出力する。ページング要求に非CN着信情報が含まれていない場合は、通常通り、サービスタイプがページング応答のサービスリクエストを無線制御部102に出力する。
【0082】
送信部106は、無線制御部102から出力されたNAS情報を含むRRC信号をフェムト基地局125へ送信する。また、送信部106は、図示せぬ上位アプリケーションから出力されたユーザデータをフェムト基地局125へ送信する。
【0083】
図15は、本発明の実施の形態3に係るUE100とフェムト基地局125との間の呼接続手順を示すシーケンス図である。ただし、図15において、図12と共通する部分には、図12と同一の符号を付し、その詳細な説明は省略する。
【0084】
図15において、ST302では、フェムト基地局125のページング処理部127は、UE100へのページング要求に非CN着信情報を含めてUE100に送信する。
【0085】
ST303では、UE100のNAS制御部104は、サービスタイプがシグナリングのサービスリクエストを生成する(NAS情報生成)。
【0086】
ST304では、UE100は、ST303で生成したサービスタイプがシグナリングのNAS情報を含むRRC信号をフェムト基地局125に送信する。
【0087】
このように実施の形態3によれば、フェムト基地局が非CN着信情報をページング要求に含めて送信し、UEは、非CN着信情報を含むページング要求の受信処理において、NAS情報を自ら変更することにより、NAS情報の完全性と秘匿性を確保することができるので、UMTS及びLTE/SAEの両システムにおいて、インターネット又は宅内ネットワークから直接フェムト基地局に到着した通信トラフィックを、コアネットワークを介さずUEに送信することができる。
【0088】
以上、本発明の実施の形態について説明した。
【0089】
上記各実施の形態では、本発明をハードウェアで構成する場合を例にとって説明したが、本発明はソフトウェアで実現することも可能である。
【0090】
また、上記各実施の形態の説明に用いた各機能ブロックは、典型的には集積回路であるLSIとして実現される。これらは個別に1チップ化されてもよいし、一部または全てを含むように1チップ化されてもよい。ここでは、LSIとしたが、集積度の違いにより、IC、システムLSI、スーパーLSI、ウルトラLSIと呼称されることもある。
【0091】
また、集積回路化の手法はLSIに限るものではなく、専用回路または汎用プロセッサで実現してもよい。LSI製造後に、プログラムすることが可能なFPGA(Field Programmable Gate Array)や、LSI内部の回路セルの接続や設定を再構成可能なリコンフィギュラブル・プロセッサを利用してもよい。
【0092】
さらには、半導体技術の進歩または派生する別技術によりLSIに置き換わる集積回路化の技術が登場すれば、当然、その技術を用いて機能ブロックの集積化を行ってもよい。バイオ技術の適用等が可能性としてありえる。
【0093】
2008年10月30日出願の特願2008−280339の日本出願に含まれる明細書、図面及び要約書の開示内容は、すべて本願に援用される。
【産業上の利用可能性】
【0094】
本発明にかかるトラフィックオフロード装置は、例えば、移動通信システム等に適用できる。
【技術分野】
【0001】
本発明は、呼接続を行うトラフィックオフロード装置に関する。
【背景技術】
【0002】
3GPP(3rd Generation Partnership Project)では、セル半径の大きなマクロセル無線通信基地局装置(マクロ基地局)の主に屋外への設置に加えて、家庭、オフィス、さらにはレストランなどの屋内施設にセル半径が数十メートル程度の小セル(フェムトセル)無線通信基地局装置(フェムト基地局)の設置が検討されている。
【0003】
図1は、フェムト基地局が家庭に設置された場合のシステム構成を示す。図1に示すように、各家庭では、フェムト基地局に加えて、IP電話、IP-TV、さらには複数のパソコンなどが1つのxDSL又はFTTHなどのインターネット接続固定網を共有することが想定される。フェムト基地局は、集線装置(GW)を経由してコアネットワークと接続される。
【0004】
現在、データ通信等の増大するトラフィックに対応するべく、多くの携帯電話事業者が設備の増強を強いられている。このため、フェムト基地局を導入することにより、屋外の基地局を増設するよりもコストを抑え、また、屋内発の通信トラフィックをインターネットに直接オフロードすることができる。これにより、携帯電話のコアネットワークへの負荷も下げられることが期待されている。また、今後は、事業者のコアネットワークを介さず、ユーザ宅内の通信機器と携帯電話がフェムト基地局経由で直接通信を行い、様々なインタラクションサービスをユーザに提供することが期待されている。
【0005】
次に、非特許文献1等に記載のIMT−2000パケットシステムにおける呼接続手順について図2を用いて説明する。図2を参照すると、UEはRRC(Radio Resource Control)手順(ST11)によってRNC(Radio Network Controller)との通信を可能にした後、GMM(GPRS Mobility Management)プロトコル信号であるサービスリクエスト(Service Request)によってSGSNに対してサービス開始を要求する(ST12)。この時、サービスリクエストには、UEとSGSNとの間のシグナリング接続を要求する情報(サービスタイプがシグナリング(Service Type: Signaling))が含まれている。
【0006】
SGSNは、シグナリング接続を要求してきたUEに対して認証処理を行い(ST13)、その結果、正当なUEであると確認できたら、RANAP信号であるセキュリティモードコマンド(Security Mode Command)によって無線区間の秘匿処理の開始をRNCに指示する(ST14)。そして、秘匿処理が正常に行われたら、UEはSM(Session Management)信号であるPDPコンテキスト活性化リクエスト(Activate Packet Data Protocol Context Request)によって呼接続を要求する(ST15)。
【0007】
このSM信号には、接続先データネットワーク(PDN)を特定する情報であるAPN(Access Point Name)が設定されており、このSM信号を受信したSGSNは、DNS(Domain Name System)手順によってAPN情報から接続すべきGGSNのIPアドレス情報を入手する。そして、GGSNのIPアドレスの取得に成功したら、SGSNは、RNCにRANAP信号であるRABアサインメントリクエスト(RAB Assignment Request)を送信し、RNCとSGSNとの間のトンネリング(tunneling)の設定を要求する(ST16)。
【0008】
次に、RNC及びSGSN間のトンネリングの設定を確認したSGSNは、DNS手順によって入手したIPアドレスを有するGGSN宛てにGTP(GPRS Tunneling Protocol)信号であるPDPコンテキスト生成リクエスト(Create PDP Context Request)を送信し、UEに対する呼設定を要求する(ST17)。
【0009】
このGTP信号にもAPN情報が設定されており、GTP信号を受信したGGSNでは呼接続すべきPDNをAPN情報から特定する。そして、GGSNでの接続処理が正常に行われると、GTP信号であるPDPコンテキスト生成レスポンス(Create PDP Context Response)によってSGSNに接続処理が正常に行われた旨通知される(ST18)。この時点でGGSNは該当UEに対するルーティング(経路選択)情報を確立し、これをPDPコンテキスト(PDP Context)として管理する。
【0010】
次に、GGSNからの応答信号はSGSNを介してSM信号であるPDPコンテキスト活性化アクセプト(Activate PDP Context Accept)によってUEまで伝送され(ST19)、UEはユーザデータ送受信(パケット通信)を開始する(ST20)。この時点で、SGSNは該当UEに対するルーティング情報を確立し、これをPDPコンテキストとして管理する。
【0011】
このように、IMT−2000パケットシステムでは、上記一連の処理により、UEからGGSNまで呼毎の論理コネクションを設定し、トンネリングを行ってパケット通信を実現している。
【0012】
次に、携帯電話のコアネットワークを介さず、フェムト基地局発の通信トラフィックをインターネット又は宅内ネットワークに直接オフロードする手順について図3を用いて説明する。ただし、図3において、図2と共通する部分には、図2と同一の符号を付し、その詳細な説明は省略する。ここで、フェムト基地局には、図2で示したSGSN及びGGSNの機能が備えられているものとする。また、UEは、同時に複数のSGSNにアタッチ(Attach)することはできないので、UEはコアネットワークにあるSGSNにアタッチし続けることを前提とする。
【0013】
UEが送信したPDPコンテキスト活性化リクエストを受信したフェムト基地局は、SGSNに該要求を転送せず、自らが有するSGSN機能により、APN情報から接続すべきPDNを選択する(ST21)。この時、APNに含まれる情報が、例えば、ユーザ宅にブロードバンドアクセスを提供しているISPを示しているものとする。
【0014】
フェムト基地局は、自らが有するGGSN機能により、UEに対する呼設定を処理することを決定する。以降、図2におけるST16からST20までの処理をフェムト基地局に内蔵されたGGSN、SGSN、RNC及びNodeB機能を介して行うことにより、UEからGGSNまで呼毎の論理コネクションを設定し、携帯電話のコアネットワークを介さず、フェムト基地局発の通信トラフィックをインターネット又は宅内ネットワークに直接オフロードすることを実現している。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0015】
【非特許文献1】3GPP TS23.060 v7.8.0
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0016】
しかしながら、インターネット又は宅内ネットワークからフェムト基地局着の通信トラフィックに上述したデータオフロード方法を適用する場合、以下のような問題がある。
【0017】
通常、アイドル状態のUEに対するコアネットワークからの着呼手順は、ページングと呼ばれるエリア内一斉呼び出しにより行われる。ページングでは、SGSNにUE宛ての着呼を通知する情報が到着すると、SGSNは、予め登録されたUEの在圏エリアにある基地局に対して、UEに着呼があったことを示す情報を一斉に送信する。
【0018】
UEは、自分宛ての着呼があるか否かを基地局の送信信号を所定のタイミングで確認するように設定されている。着呼があった場合には、UEは図2に示したサービスリクエスト(ST12)をSGSNに対して送信する。この時、サービスリクエストには、ページングに対する応答であることを示す情報(Service Type: Paging Response)が含まれる。以降は、図2に示した呼接続手順を行うことにより、UEからGGSNまで呼毎の論理コネクションを設定し、トンネリングを行ってパケット通信を実現している。
【0019】
次に、インターネット又は宅内ネットワークからフェムト基地局にUE宛ての着呼があった場合の呼接続手順を図4に示す。図4において、フェムト基地局は、インターネット又は宅内ネットワークからUE宛てのパケットを受信する(ST22)。
【0020】
フェムト基地局に内蔵されたSGSN、GGSN機能により、フェムト基地局はUEにページングメッセージを送信する(ST23)。
【0021】
前述した通り、UEはコアネットワークにあるSGSNにアタッチしているので、ページングがあったことを検出すると、コアネットワークのSGSNに対して、ページング応答を示す情報を含めたサービスリクエストを送信する(ST24)。
【0022】
UEからサービスリクエスト(サービスタイプがページング応答((Service Type: Paging Response))を受信したコアネットワークのSGSNには、UEに対してページングメッセージを送信した記録が残っていないため、そのSGSNは、UEから誤ったサービスリクエストを受信したものと判断し、UEに対してサービス拒絶メッセージ(Service Reject)を送信してしまう(ST25)。
【0023】
サービスリクエストがSGSNにより拒絶されてしまうと、その後のセキュリティ手順(UEの認証及び無線区間の秘匿に関する準備)を行うことができず、UEはインターネット又は宅内ネットワークからの着呼による呼接続手順を正常に完了することができない。
【0024】
上述した問題点の解決策として、UEがフェムト基地局に内蔵されたSGSNに一時的にアタッチして、UEからのサービスリクエストをフェムト基地局のSGSNで処理することが考えられる。しかしながら、この場合、フェムト基地局のSGSNでセキュリティ手順を行うために、コアネットワークのSGSNからUEの認証関連情報をフェムトセルに移動させる必要がある。すなわち、一般ユーザ宅内に設置が予想されるフェムト基地局に重要なユーザの認証情報を記憶させることになり、この結果、セキュリティレベルの低下を招くおそれがある。
【0025】
本発明の目的は、インターネット又は宅内ネットワークからUE宛ての着呼があった場合でも、携帯電話網におけるセキュリティレベルを低下させることなく、呼接続を正常に行うトラフィックオフロード装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0026】
本発明のトラフィックオフロード装置は、UEがアイドルモードのとき、トラフィックオフロード装置に到着した前記UE宛てのダウンリンクオフロードトラフィックのために前記UEを呼び出すページング手段と、前記UEからページング応答としてのサービスリクエストを受信する受信手段と、前記サービスリクエスト内のサービスタイプをUE発のサービス開始要求を示すように修正する修正手段と、修正された前記サービスリクエストをSGSNに送信する送信手段と、を有する構成を採る。
【発明の効果】
【0027】
本発明によれば、インターネット又は宅内ネットワークからUE宛ての着呼があった場合でも、携帯電話網におけるセキュリティレベルを低下させることなく、呼接続を正常に行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【0028】
【図1】無線通信システムの構成を示す図
【図2】IMT−2000パケットシステムにおける呼接続手順を示すシーケンス図
【図3】フェムト基地局発の通信トラフィックをインターネット又は宅内ネットワークに直接オフロードする手順を示すシーケンス図
【図4】インターネット又は宅内ネットワークからフェムト基地局にUE宛ての着呼があった場合の呼接続手順を示すシーケンス図
【図5】本発明の実施の形態1に係る無線通信システムの構成を示す図
【図6】図5に示したフェムト基地局の構成を示すブロック図
【図7】図5に示したGWの構成を示すブロック図
【図8】本発明の実施の形態1に係るUEとフェムト基地局との間の呼接続手順を示すシーケンス図
【図9A】HNBAP又はRUA信号のダイレクトトランスファーのコンテンツを示す図
【図9B】NAS更新要求情報の情報要素を示す図
【図10A】S1AP信号のUEから最初に送信されるNAS情報をコアネットワークに転送するダイレクトトランスファーのコンテンツを示す図
【図10B】NAS更新指示の情報要素を示す図
【図11】本発明の実施の形態2に係るフェムト基地局の構成を示すブロック図
【図12】本発明の実施の形態2に係るUEとフェムト基地局との間の呼接続手順を示すシーケンス図
【図13】本発明の実施の形態3に係るフェムト基地局の構成を示すブロック図
【図14】本発明の実施の形態3に係るUEの構成を示すブロック図
【図15】本発明の実施の形態3に係るUEとフェムト基地局との間の呼接続手順を示すシーケンス図
【発明を実施するための形態】
【0029】
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照して詳細に説明する。なお、以下の各実施の形態では、GPRS(General Packet Radio Service)、UMTS(Universal Mobile Telecommunications System)等の3GPP(3rd Generation Partnership Project)で規格されている無線アクセス技術に基づいて説明する。しかしながら、本発明は、3GPPで規格化中のLTE(Long Term Evolution)及び3GPPで規格されている無線アクセス技術に限らず、WLAN(Wireless Local Area Network)、IEEE802.16、IEEE802.16e又はIEEE802.16m等のWiMAX(Worldwide Interoperability for Microwave Access)、3GPP2等の無線アクセス技術に適用してもよい。
【0030】
(実施の形態1)
図5は、本発明の実施の形態1に係る無線通信システムの構成を示す図である。図5に示す無線通信システムは、UE100、フェムト基地局110、GW140、コアネットワークを具備する。
【0031】
フェムト基地局110は、ユーザ宅131内に設置され、無線リソースの割り当て及び管理を行うと共に、アップリンクを介してUE100の物理階層から転送される情報を受信し、ダウンリンクを介して受信したデータをUE100に転送する。すなわち、フェムト基地局110は、UE100に対して無線アクセスネットワークのアクセスポイントの役割を担う。
【0032】
UE100は、フェムト基地局110を介して、コアネットワーク、インターネット又は宅内ネットワークと通信を行う。宅内ネットワークには、PC130等が設置され、PC130とUE100がコアネットワークを介さずフェムト基地局110経由で直接通信を行い、様々なインタラクションサービスをユーザに提供するものとする。
【0033】
GW140は、フェムト基地局110とコアネットワークとの間に位置し、コアネットワークにあるSGSN150と多数のフェムト基地局110との通信を集約して中継する。コアネットワークからは直接フェムト基地局110が見えないようにすることにより、コアネットワーク内の装置の処理負荷を増大させることなく、フェムト基地局110の多数展開を可能にしている。
【0034】
コアネットワークには、SGSN150及びGGSN160が設置されており、SGSN150は、UE100からのサービスリクエストを受信すると、UE100の認証手順を行い、GW140とGGSN160との間の呼接続処理を制御する。また、GGSN160は、パケット通信に必要となる、UE100に割り当てるデータ通信用アドレスの管理等を行う。
【0035】
図6は、図5に示したフェムト基地局110の構成を示すブロック図である。図6において、受信部111は、UE100から送信されたRRC信号及び上りユーザデータを無線制御部112に出力する。また、受信部111は、GW140から送信されたHNBAP(Home NodeB Application Part)、RUA(RANAP User Adaptation)信号及びUE100宛ての下りユーザデータをGW制御部113に出力する。また、受信部111は、インターネット又は宅内ネットワークから直接受信したデータをコアネットワーク機能部114に出力する。
【0036】
無線制御部112は、受信部111から出力されたRRC信号を終端し、UE100との間にRRC接続を確立する。また、無線制御部112は、UE100がコアネットワークとNAS(Non Access Stratum)情報の送受信を要求していることをRRC信号から判断し、GW制御部113にNAS情報を出力する。さらに、無線制御部112は、GW制御部113から出力される制御情報をRRC信号としてコード化し、送信部115を介してUE100に出力する。
【0037】
また、無線制御部112は、UE100からの上りユーザデータを受信すると、無線プロトコルを終端し、GW制御部113にユーザデータを出力する。また、無線制御部112は、GW制御部113からUE100宛ての下りユーザデータを受信すると、所定のパラメータに従って無線プロトコル処理を行い、送信部115を介してUE100にデータを送信する。
【0038】
GW制御部113は、受信部111から出力されたHNBAP又はRUA信号を処理し、コアネットワークからのRANAP信号を終端する。また、GW制御部113は、RANAP信号又はコアネットワーク機能部114から出力された制御信号に基づいて、UE100に対するRRC信号の送信の必要性を判断し、送信の必要がある場合は、コアネットワーク又はコアネットワーク機能部114から出力された制御情報を無線制御部112に出力する。
【0039】
また、GW制御部113は、無線制御部112から出力されたUE100のNAS情報又はコアネットワークからのNAS情報の処理要否を判断するようコアネットワーク機能部114に要求する。GW制御部113は、コアネットワーク機能部114の判断結果に基づいて、UE100のNAS情報をRANAPに含めると共に、HNBAP又はRUA信号にNAS更新要求情報を付加して、送信部115を介してGW140に送信する。
【0040】
また、GW制御部113は、コアネットワーク機能部114からUE100宛てのNAS情報が出力された場合、無線制御部112にNAS情報を出力する。GW制御部113は、GW140又はコアネットワーク機能部114からUE100宛ての下りユーザデータを受信すると、トランスポートネットワークプロトコルを終端し、無線制御部112にユーザデータを出力する。また、GW制御部113は、無線制御部112からUE100の上りユーザデータが出力されると、所定のパラメータに従ってトランスポートネットワークプロトコル処理を行い、送信部115を介してGW140に上りユーザデータを送信するか、またはコアネットワーク機能部114に上りユーザデータを出力する。
【0041】
コアネットワーク機能部114は、受信部111を経由してインターネット又は宅内ネットワークから直接受信したUE100宛てのデータを受信し、UE100宛て論理コネクション確立のための制御信号をGW制御部113に出力する。
【0042】
また、コアネットワーク機能部114は、GW制御部113から出力されたNAS情報の処理要否判断要求により、UE100から受信したNAS情報を自装置において処理するか否かを判断する。NAS情報を処理する場合には、コアネットワーク機能部114は、受信したNAS情報に基づいて、このNAS情報をGW140で更新するよう要請するための情報をGW制御部113に出力するか、または、UE100宛てのNAS情報を生成し、GW制御部113に生成したNAS情報を出力する。一方、NAS情報を処理する必要がない場合には、コアネットワーク機能部114は、GW制御部113に対して、受信NAS情報を直ちにGW140に出力するよう指示する。なお、コアネットワーク機能部114は判定手段として機能する。
【0043】
また、コアネットワーク機能部114は、GW制御部113からUE100の上りユーザデータが出力されると、所定のパラメータに従ってパケットデータネットワークプロトコル処理を行い、送信部115を介してインターネット又は宅内ネットワークにデータを送信する。また、コアネットワーク機能部114は、受信部111からUE100宛ての下りユーザデータが出力されると、パケットデータネットワークプロトコルを終端し、GW制御部113にデータを出力する。
【0044】
コアネットワーク機能部114は、非CN着信検出部116を有し、非CN着信検出部116は、コアネットワーク(CN)を経由せず、直接インターネット又はユーザ宅内ネットワークからUE100宛ての着信があった場合、その着信がコアネットワーク外からの着信であることを記憶する。
【0045】
送信部115は、無線制御部112から出力されたRRC制御信号をUE100に送信する。また、送信部115は、無線制御部112から出力されたUE100宛ての下りデータをUE100に送信する。また、送信部115は、GW制御部113から出力されたUE100のNAS情報をGW140に送信する。また、送信部115は、GW制御部113から出力されたUE100の上りユーザデータをGW140に送信し、コアネットワーク機能部114から出力されたUE100の上りユーザデータをインターネット又は宅内ネットワークにそれぞれ送信する。
【0046】
図7は、図5に示したGW140の構成を示すブロック図である。図7において、受信部141は、フェムト基地局110から送信されたUE100のNAS情報を含むHNBAP又はRUA信号及びコアネットワークから送信されたRANAP信号をフェムト制御部142に出力する。また、受信部141は、フェムト基地局110からUE100の上りユーザデータを受信すると、所定のトランスポートネットワークプロトコル処理を施し、送信部144を介してコアネットワークに上りユーザデータを送信する。また、受信部141は、コアネットワークからUE100宛ての下りユーザデータを受信すると、そのユーザデータに所定のトランスポートネットワークプロトコル処理を施し、送信部144を介してフェムト基地局110に下りユーザデータを送信する。
【0047】
フェムト制御部142は、受信部141から出力されたRANAP信号を所定のパラメータに従ってHNBAP又はRUA信号に含めて、送信部144を介してフェムト基地局110に出力する。また、フェムト制御部142は、受信部141からUE100のNAS情報を含むHNBAP又はRUA信号が出力されると、HNBAP又はRUA信号を終端し、UE100のNAS情報を含むRANAP信号を取り出し、HNBAP又はRUA信号内のNAS更新要求情報と共に、このRANAP信号をコアネットワーク制御部143に出力する。
【0048】
コアネットワーク制御部143は、NAS情報更新部145を有し、NAS情報更新部145は、フェムト制御部142からUE100のNAS情報を含むRANAP信号が出力されると、同じく通知されたHNBAP又はRUA信号内のNAS更新要求情報に基づいて、RANAPに含まれたUE100のNAS情報を上書きして更新する。また、コアネットワーク制御部143は、更新したUE100のNAS情報を含むRANAP信号を、送信部144を介してコアネットワークに出力する。
【0049】
送信部144は、フェムト制御部142から出力されたUE100のNAS情報を含むHNBAP又はRUA信号をフェムト基地局110に送信する。また、送信部144は、コアネットワーク制御部143から出力され、更新されたUE100のNAS情報を含むRANAP信号をコアネットワークに送信する。また、送信部144は、受信部141から出力されたUE100の上りユーザデータをコアネットワークに送信し、下りユーザデータをフェムト基地局110に送信する。
【0050】
次に、インターネット又は宅内ネットワークからフェムト基地局110にUE100宛ての着呼があった場合におけるUE100とフェムト基地局110との間の呼接続手順について図8を用いて説明する。
【0051】
図8において、ST101では、フェムト基地局110は、インターネット又は宅内ネットワークからUE100宛てのパケットを受信する。UE100宛てのパケットを受信したフェムト基地局110のコアネットワーク機能部114は、UE100宛ての論理コネクションを確立するための手順を開始する。ST102では、コアネットワーク機能部114は、UE100に着呼があったことを示すためのページング手順を開始する。この時、フェムト基地局110は、インターネット又は宅内ネットワークからUE100宛ての着呼があったことによりページング手順が着手されたことを示す情報を非CN着信検出部116に記憶する。
【0052】
ST103では、UE100は、自分宛ての着呼があったことをページング要求により検知し、フェムト基地局110との間にRRC接続を確立する。ST104では、UE100は、ページング要求に応えるため、接続中のSGSN150宛てにサービスリクエストをフェムト基地局110に送信する。なお、サービスリクエストには、ページング応答を示す情報(Paging Response)が含まれている。
【0053】
ST105では、フェムト基地局110は、UE100から受信したNAS信号の処理を自らが行うか、このNAS信号をコアネットワークに中継するかを判断する。フェムト基地局110のコアネットワーク機能部114は、GW制御部113からNAS情報の処理要否判断要求を受けると、非CN着信検出部116に記憶した情報に基づいて、受信したNAS情報(サービスリクエスト:ページング応答)がST102で自ら送信したページング要求に対する応答であるか否かを判断する(NAS検証)。
【0054】
ST106では、フェムト基地局110は、RANAPのダイレクトトランスファー(Direct Transfer)を用いて、UE100から受信したNAS情報(サービスリクエスト:ページング応答)をコード化し、RANAPをフェムト基地局110とGW140との間の制御インタフェース仕様に準拠したプロトコル(例えば、HNBAP又はRUA)のダイレクトトランスファーを用いてコード化し、GW140に送信する。
【0055】
図9Aは、HNBAP又はRUA信号のダイレクトトランスファーのコンテンツを示す図である。また、図9Bは、NAS更新要求情報(SR Modification Request)の情報要素を示す図である。図9Aでは、ダイレクトトランスファーであることを示すメッセージタイプ(Message Type)、CS/PSドメインのいずれに宛てたメッセージであるかを示すCNドメインID(CN Domain ID)、上位プロトコルRANAPそのものであるRANAPメッセージ(RANAP Message)などが含まれる。さらに、ダイレクトトランスファーには、SR Modification Requestが含まれ、SR Modification Requestには、図9Bに示すように、RANAPメッセージ内のサービスリクエストのタイプを修正する必要性を示す情報(Modification Necessity)と、修正する必要がある場合の実際の修正内容を示す情報(Modification Contents)とが含まれる。
【0056】
ST105の判定結果において、受信したNAS情報(サービスリクエスト:ページング応答)がフェムト基地局110の送信したページング要求に対する応答であった場合には、HNBAP又はRUA信号には、NAS更新要求情報が含まれる。この場合、図9BにおけるModification NecessityのIEタイプ(IE type)はNecessaryを示し、Modification ContentsのIEタイプはページング応答からシグナリングへの変換(ページング応答−>シグナリング)を示す。なお、このページング応答がコアネットワークからのページング要求に対する通常のページング応答であった場合には、HNBAP又はRUA信号には、NAS更新要求情報が含まれず、Modification NecessityのIEタイプはNot Necessaryを示し、Modification ContentsのIEタイプはGW140では参照されない。
【0057】
ST107では、フェムト基地局110からHNBAP又はRUA信号を受信したGW140は、HNBAP又はRUAを終端し、RANAP信号を取り出す。この時、HNBAP又はRUA信号内にNAS更新要求情報が含まれている場合、つまり、図9BにおけるModification NecessityのIEタイプがNecessaryを示し、Modification ContentsのIEタイプがページング応答からシグナリングへの変換を示す場合には、RANAPも終端して、UE100のNAS情報(サービスリクエスト:ページング応答)を取り出し、サービスタイプがページング応答のNAS情報をサービスタイプがシグナリングのNAS情報に更新する。また、HNBAP又はRUA信号内にNAS更新要求情報が含まれていない場合、つまり、図9BにおけるModification NecessityのIEタイプがNot Necessaryを示す場合には、取り出したRANAP信号には処理を加えず、以降、コアネットワークとの間で、3GPPで定められた所定の呼接続手順を実行する。
【0058】
ST108では、GW140は、更新したNAS情報(サービスリクエスト:シグナリング)をRANAPのダイレクトトランスファーで再度コード化して、コアネットワークのSGSN150に送信する。
【0059】
ST109では、UE100からNAS情報(サービスリクエスト:シグナリング)を受信したSGSN150は、UE100から通常のサービス開始要求を受信したと判断し、フェムト基地局110を介してUE100との間で、3GPPで定められた所定のセキュリティ手順を行う。
【0060】
ST110では、UE100とのセキュリティ手順を完了したコアネットワークは、ST108で受信したUE100からのサービスリクエストによる所定の手順が成功したことを示すサービスアクセプト(Service Accept)をUE100に送信する。この時、フェムト基地局110のコアネットワーク機能部114は、SGSN150から受信したNAS情報の処理要否判定の結果、受信したNAS情報がサービスアクセプトであった場合、UE100とSGSN150間でセキュリティ手順が成功し、両者間でシグナリング接続が正常に確立できたことを検出する。
【0061】
ST111では、フェムト基地局110は、所定のパラメータを用いて、UE100との間のサービスに対する呼接続の確立手順を開始するようUE100に要求する(Request PDP Context Activation)。この所定のパラメータには、接続先データネットワーク(PDN)を特定する情報であるAPN(Access Point Name)が設定されており、APNは、例えば、ユーザ宅にブロードバンドアクセスを提供しているISPを示している。
【0062】
ST112では、UE100は、ST111で取得したパラメータを用いて、SM(Session Management)信号であるPDPコンテキスト活性化リクエスト(Activate PDP Context Request)によって呼接続をフェムト基地局110に要求する。
【0063】
ST113では、フェムト基地局110とUE100との間には、サービスに対する適切な無線ベアラ(DTCH)が確立される。
【0064】
ST114では、UE100との間の無線ベアラの確立が成功したことを確認したフェムト基地局110は、SM信号であるPDPコンテキスト活性化アクセプト(Activate PDP Context Accept)をUE100に送信し、ST115では、UE100とフェムト基地局110は、ユーザデータ送受信(パケット通信)を開始する。
【0065】
このように実施の形態1によれば、インターネット又は宅内ネットワークからフェムト基地局にUE宛ての着呼があった場合に、フェムト基地局は自ら要求したページングに対するUEからのページング応答であることを検出したときのみ、UEから送信されたサービスリクエストのサービスタイプをページング応答からシグナリングに変換してコアネットワークに中継し、UEとコアネットワークとの間でセキュリティ手順が正常に完了したら、フェムト基地局とUEとの間で直接呼接続手順を行うことにより、携帯電話網におけるセキュリティレベルを低下させることなく、また、コアネットワークを介することなく、インターネット又は宅内ネットワークから直接フェムト基地局に到着した通信トラフィックをUEに送信することができる。
【0066】
なお、実施の形態1では、UMTSを例にGWがNAS情報を更新するものとして説明したが、LTE/SAE(Long Term Evolution/System Architecture Evolution)システムでは、図9のダイレクトトランスファーのコンテンツが異なる。
【0067】
図10Aは、LTE/SAEにおける、フェムト基地局とコアネットワーク間の制御プロトコルであるS1AP信号に格納されたNAS情報であって、UEから最初に送信されるNAS情報をコアネットワークに転送するダイレクトトランスファーのコンテンツを示す図である。また、図10Bは、NAS更新指示(SR Modification Indicator)の情報要素を示す図である。図10Aでは、UEから最初に送信されるNAS情報をコアネットワークに転送するダイレクトトランスファーであることを示すメッセージタイプ(Message Type)、NAS情報そのものであるNAS−PDU、UEやフェムトセル基地局を特定するための情報要素(eNB UE S1AP ID、TAI、E-UTRAN CGI)、RRC接続を開始した理由(RRC Establishment cause)などが含まれる。さらに、UEから最初に送信されるNAS情報をコアネットワークに転送するダイレクトトランスファーには、SR Modification Indicatorが含まれ、SR Modification Indicatorには、図10Bに示すように、NAS−PDU内のサービスリクエストのタイプを修正する必要性を示す情報(Modification Necessity)と、修正する必要がある場合の実際の修正内容を示す情報(Modification Contents)とが含まれる。
【0068】
SR Modification Indicatorを受信したコアネットワークでは、図10BにおけるModification NecessityのIEタイプがNecessaryを示し、Modification ContentsのIEタイプがページング応答からシグナリングへの変換を示す場合には、サービスタイプがページング応答のNAS情報をサービスタイプがシグナリングのNAS情報に更新して以降の処理を続ける。
【0069】
(実施の形態2)
実施の形態1では、フェムト基地局においてUEからのサービスリクエストの更新の必要性の有無を判定し、GWが実際にUEのサービスリクエストのサービスタイプをページング応答からシグナリングに更新するものとして説明した。そのため、GWに一時的にシグナリングが集中するような場合、GWはRANAP信号の終端処理及びNAS情報の更新処理により負荷が高まる可能性がある。本発明の実施の形態2では、このような可能性を回避する場合について説明する。
【0070】
図11は、本発明の実施の形態2に係るフェムト基地局120の構成を示すブロック図である。ただし、図11において、図6と共通する部分には、図6と同一の符号を付し、その詳細な説明は省略する。図11が図6と異なる点は、コアネットワーク機能部124にNAS情報更新部145を追加した点である。
【0071】
NAS情報更新部145は、GW制御部113からUE100のNAS情報及びNAS更新要求情報が出力されると、NAS更新要求情報に基づいて、UE100のNAS情報を更新する。
【0072】
図12は、本発明の実施の形態2に係るUE100とフェムト基地局120との間の呼接続手順を示すシーケンス図である。ただし、図12において、図8と共通する部分には、図8と同一の符号を付し、その詳細な説明は省略する。
【0073】
図12において、ST206では、フェムト基地局120は、UE100のNAS情報(サービスリクエスト:ページング応答)を取り出し、サービスタイプがページング応答のNAS情報をサービスタイプがシグナリングのNAS情報に更新する。
【0074】
ST207では、フェムト基地局120は、更新したNAS情報(サービスリクエスト:シグナリング)をRANAPのダイレクトトランスファーでコード化し、このRANAP信号をフェムト基地局120とGW140との間の制御インタフェース仕様に準拠したプロトコル(例えば、HNBAP又はRUA)のダイレクトトランスファーを用いてコード化し、GW140に送信する。
【0075】
このように実施の形態2によれば、フェムト基地局は、UEからのNAS情報を自ら更新することにより、GWの処理負荷を低減し、インターネット又は宅内ネットワークから直接フェムト基地局に到着した通信トラフィックを、コアネットワークを介さずUEに送信することができる。
【0076】
(実施の形態3)
実施の形態1及び実施の形態2では、GW又はフェムト基地局において、UEのサービスリクエストのサービスタイプをページング応答からシグナリングに更新するものとして説明した。しかしながら、より向上した移動通信サービスの提供を目標とし、UMTSから進化した次世代移動通信システムであるLTE/SAEシステムでは、UEとCN間でNAS情報の完全性と秘匿性を確保することが定められており、それらの中間ノードであるGW及びフェムト基地局においてNAS情報の更新を行うことは、セキュリティレベルの低下を招く可能性がある。そこで、本発明の実施の形態3では、UMTS及びLTE/SAEの両方に適用可能なフェムト基地局及びUEについて説明する。
【0077】
図13は、本発明の実施の形態3に係るフェムト基地局125の構成を示すブロック図である。ただし、図13において、図6と共通する部分には、図6と同一の符号を付し、その詳細な説明は省略する。図13が図6と異なる点は、コアネットワーク機能部126にページング処理部127を追加した点である。
【0078】
ページング処理部127は、非CN着信検出部116からUE100への非CN着信検出情報が出力されると、非CN着信情報を含むページング要求を生成し、送信部115を介してUE100に送信する。
【0079】
図14は、本発明の実施の形態3に係るUE100の構成を示すブロック図である。図14において、受信部101は、フェムト基地局125から送信されたRRC信号及び下りユーザデータを無線制御部102に出力する。
【0080】
無線制御部102は、受信部101から出力されたRRC信号を終端し、フェムト基地局125との間にRRC接続を確立する。また、無線制御部102は、所定のタイミングでフェムト基地局125から送信されるページングチャネル(PCH)を監視し、UE100へのページング要求が含まれているかどうかを判定する。無線制御部102は、さらに非CN着信検出部103を有し、非CN着信検出部103は、UE100へのページング要求を受信した場合に、非CN着信情報が含まれているかどうかを判定する。非CN着信情報が含まれている場合、非CN着信検出部103は、ページング要求に非CN着信情報を含めて、NAS制御部104に出力する。また、無線制御部102は、NAS制御部104から出力されたNAS情報をRRC信号としてコード化し、3GPPで定められた所定の上り送信手順に従い、送信部106を介してフェムト基地局125へ出力する。
【0081】
NAS制御部104は、非CN着信検出部103から非CN着信情報が含まれたページング要求を受信すると、サービスタイプがシグナリングのサービスリクエストを生成し、生成したサービスリクエスト(NAS情報)を無線制御部102に出力する。ページング要求に非CN着信情報が含まれていない場合は、通常通り、サービスタイプがページング応答のサービスリクエストを無線制御部102に出力する。
【0082】
送信部106は、無線制御部102から出力されたNAS情報を含むRRC信号をフェムト基地局125へ送信する。また、送信部106は、図示せぬ上位アプリケーションから出力されたユーザデータをフェムト基地局125へ送信する。
【0083】
図15は、本発明の実施の形態3に係るUE100とフェムト基地局125との間の呼接続手順を示すシーケンス図である。ただし、図15において、図12と共通する部分には、図12と同一の符号を付し、その詳細な説明は省略する。
【0084】
図15において、ST302では、フェムト基地局125のページング処理部127は、UE100へのページング要求に非CN着信情報を含めてUE100に送信する。
【0085】
ST303では、UE100のNAS制御部104は、サービスタイプがシグナリングのサービスリクエストを生成する(NAS情報生成)。
【0086】
ST304では、UE100は、ST303で生成したサービスタイプがシグナリングのNAS情報を含むRRC信号をフェムト基地局125に送信する。
【0087】
このように実施の形態3によれば、フェムト基地局が非CN着信情報をページング要求に含めて送信し、UEは、非CN着信情報を含むページング要求の受信処理において、NAS情報を自ら変更することにより、NAS情報の完全性と秘匿性を確保することができるので、UMTS及びLTE/SAEの両システムにおいて、インターネット又は宅内ネットワークから直接フェムト基地局に到着した通信トラフィックを、コアネットワークを介さずUEに送信することができる。
【0088】
以上、本発明の実施の形態について説明した。
【0089】
上記各実施の形態では、本発明をハードウェアで構成する場合を例にとって説明したが、本発明はソフトウェアで実現することも可能である。
【0090】
また、上記各実施の形態の説明に用いた各機能ブロックは、典型的には集積回路であるLSIとして実現される。これらは個別に1チップ化されてもよいし、一部または全てを含むように1チップ化されてもよい。ここでは、LSIとしたが、集積度の違いにより、IC、システムLSI、スーパーLSI、ウルトラLSIと呼称されることもある。
【0091】
また、集積回路化の手法はLSIに限るものではなく、専用回路または汎用プロセッサで実現してもよい。LSI製造後に、プログラムすることが可能なFPGA(Field Programmable Gate Array)や、LSI内部の回路セルの接続や設定を再構成可能なリコンフィギュラブル・プロセッサを利用してもよい。
【0092】
さらには、半導体技術の進歩または派生する別技術によりLSIに置き換わる集積回路化の技術が登場すれば、当然、その技術を用いて機能ブロックの集積化を行ってもよい。バイオ技術の適用等が可能性としてありえる。
【0093】
2008年10月30日出願の特願2008−280339の日本出願に含まれる明細書、図面及び要約書の開示内容は、すべて本願に援用される。
【産業上の利用可能性】
【0094】
本発明にかかるトラフィックオフロード装置は、例えば、移動通信システム等に適用できる。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
UEがアイドルモードのとき、トラフィックオフロード装置に到着した前記UE宛てのダウンリンクオフロードトラフィックのために前記UEを呼び出すページング手段と、
前記UEからページング応答としてのサービスリクエストを受信する受信手段と、
前記サービスリクエスト内のサービスタイプをUE発のサービス開始要求を示すように修正する修正手段と、
修正された前記サービスリクエストをSGSNに送信する送信手段と、
を有するトラフィックオフロード装置。
【請求項1】
UEがアイドルモードのとき、トラフィックオフロード装置に到着した前記UE宛てのダウンリンクオフロードトラフィックのために前記UEを呼び出すページング手段と、
前記UEからページング応答としてのサービスリクエストを受信する受信手段と、
前記サービスリクエスト内のサービスタイプをUE発のサービス開始要求を示すように修正する修正手段と、
修正された前記サービスリクエストをSGSNに送信する送信手段と、
を有するトラフィックオフロード装置。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9A】
【図9B】
【図10A】
【図10B】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9A】
【図9B】
【図10A】
【図10B】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【公開番号】特開2012−120239(P2012−120239A)
【公開日】平成24年6月21日(2012.6.21)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−25899(P2012−25899)
【出願日】平成24年2月9日(2012.2.9)
【分割の表示】特願2010−535681(P2010−535681)の分割
【原出願日】平成21年10月29日(2009.10.29)
【出願人】(000005821)パナソニック株式会社 (73,050)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成24年6月21日(2012.6.21)
【国際特許分類】
【出願日】平成24年2月9日(2012.2.9)
【分割の表示】特願2010−535681(P2010−535681)の分割
【原出願日】平成21年10月29日(2009.10.29)
【出願人】(000005821)パナソニック株式会社 (73,050)
【Fターム(参考)】
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