説明

トランスチレチンの安定化及びトランスチレチンの誤った折り畳みの阻害のための組成物及び方法

トランスチレチンの天然状態の動力学的安定化は、タンパク質の誤った折り畳みを防止するための有効な機構である。トランスチレチンの誤った折り畳みはトランスチレチンアミロイド病において重要な役割を演じ、このような誤った折り畳みはこのような疾患の有効な治療法及び予防法として使用することができる。治療方法、スクリーニング方法、並びに特定のトランスチレチン安定化化合物を開示している。


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【特許請求の範囲】
【請求項1】
トランスチレチンテトラマーの解離を防止又は減少する化合物のスクリーニング方法であって:
トランスチレチンテトラマーを候補化合物と接触させること;及び、
該候補化合物がトランスチレチンテトラマーの解離に関連する活性化エネルギーを増加させ、これによってトランスチレチンテトラマーの解離を防止又は減少するかどうかを決定すること;
を含む前記方法。
【請求項2】
上記化合物が、トランスチレチンテトラマーの解離遷移状態の不安定化によりトランスチレチンテトラマーの解離を防止するかどうかを決定することを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
上記化合物が、トランスチレチンテトラマーの安定化によりトランスチレチンテトラマーの解離を防止するかどうかを決定することを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項4】
上記候補化合物のフィブリル形成阻害能を測定することをさらに含む、請求項1に記載の方法。
【請求項5】
トランスチレチンテトラマーが野生型トランスチレチンを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項6】
トランスチレチンテトラマーが自然発生突然変異体トランスチレチンを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項7】
トランスチレチンテトラマーが、原因として家族性アミロイド多発性神経障害の発症に関連する自然発生突然変異体トランスチレチンを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項8】
トランスチレチンテトラマーが、原因として家族性アミロイド心筋症の発症に関連する自然発生突然変異体トランスチレチンを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項9】
トランスチレチンテトラマーが突然変異体トランスチレチンV122Iを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項10】
トランスチレチンテトラマーが突然変異体トランスチレチンV30Mを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項11】
トランスチレチンテトラマーが突然変異体トランスチレチンL55Pを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項12】
上記候補化合物が小分子である、請求項1に記載の方法。
【請求項13】
上記候補化合物がジフルニサル類似体である、請求項1に記載の方法。
【請求項14】
上記ジフルニサル類似体がジフルニサルと比較して減少又は消失したNSAID活性を有する、請求項13に記載の方法。
【請求項15】
上記ジフルニサル類似体がジフルニサルと比較して減少又は消失したシクロオキシゲナーゼ阻害剤活性を有する、請求項13に記載の方法。
【請求項16】
上記ジフルニサル類似体がNSAID活性を示すかどうかを決定することをさらに含む、請求項1に記載の方法。
【請求項17】
上記ジフルニサル類似体がシクロオキシゲナーゼ阻害剤活性を示すかどうかを決定することをさらに含む、請求項1に記載の方法。
【請求項18】
上記候補化合物がポリ塩化ビフェニルである、請求項1に記載の方法。
【請求項19】
上記ポリ塩化ビフェニルがヒドロキシル化ポリ塩化ビフェニルである、請求項18に記載の方法。
【請求項20】
トランスチレチンアミロイド病と診断された被験者に、トランスチレチンテトラマーの解離を防止するジフルニサル類似体の治療有効量を投与することを含む、トランスチレチンアミロイド病の治療方法。
【請求項21】
上記ジフルニサル類似体が、トランスチレチンテトラマーの天然状態の動力学的安定化によりトランスチレチンテトラマーの解離を防止する、請求項20に記載の方法。
【請求項22】
上記トランスチレチンアミロイド病が家族性アミロイド多発性神経障害である、請求項20に記載の方法。
【請求項23】
上記トランスチレチンアミロイド病が家族性アミロイド心筋症である、請求項20に記載の方法。
【請求項24】
上記トランスチレチンアミロイド病が老人性全身性アミロイド症である、請求項20に記載の方法。
【請求項25】
上記ジフルニサル類似体がジフルニサルと比較して減少又は消失したNSAID活性を有する、請求項20に記載の方法。
【請求項26】
上記ジフルニサル類似体がジフルニサルと比較して減少又は消失したシクロオキシゲナーゼ阻害剤活性を有する、請求項20に記載の方法。
【請求項27】
トランスチレチンアミロイド病の治療方法であって、トランスチレチンアミロイド病と診断された被験者に、トランスチレチンテトラマーの解離を防止するポリ塩化ビフェニルの治療有効量を投与することを含む前記治療方法。
【請求項28】
上記ポリ塩化ビフェニルが、トランスチレチンテトラマーの天然状態の動力学的安定化によりトランスチレチンテトラマーの解離を防止する、請求項27に記載の方法。
【請求項29】
上記ポリ塩化ビフェニルがヒドロキシル化ポリ塩化ビフェニルである、請求項27に記載の方法。
【請求項30】
上記トランスチレチンアミロイド病が家族性アミロイド多発性神経障害である、請求項27に記載の方法。
【請求項31】
上記トランスチレチンアミロイド病が家族性アミロイド心筋症である、請求項27に記載の方法。
【請求項32】
上記トランスチレチンアミロイド病が老人性全身性アミロイド症である、請求項27に記載の方法。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
トランスチレチンテトラマーの解離を防止又は減少する化合物のスクリーニング方法であって:
トランスチレチンテトラマーを候補化合物と接触させること;及び、
該候補化合物がトランスチレチンテトラマーの解離に関連する活性化エネルギーを増加させ、これによってトランスチレチンテトラマーの解離を防止又は減少するかどうかを決定すること;
を含む前記方法。
【請求項2】
上記化合物が、トランスチレチンテトラマーの解離遷移状態の不安定化によりトランスチレチンテトラマーの解離を防止するかどうかを決定することを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
上記化合物が、トランスチレチンテトラマーの安定化によりトランスチレチンテトラマーの解離を防止するかどうかを決定することを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項4】
上記候補化合物のフィブリル形成阻害能を測定することをさらに含む、請求項1に記載の方法。
【請求項5】
トランスチレチンテトラマーが野生型トランスチレチンを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項6】
トランスチレチンテトラマーが自然発生突然変異体トランスチレチンを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項7】
トランスチレチンテトラマーが、原因として家族性アミロイド多発性神経障害の発症に関連する自然発生突然変異体トランスチレチンを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項8】
トランスチレチンテトラマーが、原因として家族性アミロイド心筋症の発症に関連する自然発生突然変異体トランスチレチンを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項9】
トランスチレチンテトラマーが突然変異体トランスチレチンV122Iを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項10】
トランスチレチンテトラマーが突然変異体トランスチレチンV30Mを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項11】
トランスチレチンテトラマーが突然変異体トランスチレチンL55Pを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項12】
上記候補化合物が小分子である、請求項1に記載の方法。
【請求項13】
上記候補化合物がジフルニサル類似体である、請求項1に記載の方法。
【請求項14】
上記ジフルニサル類似体がジフルニサルと比較して減少又は消失したNSAID活性を有する、請求項13に記載の方法。
【請求項15】
上記ジフルニサル類似体がジフルニサルと比較して減少又は消失したシクロオキシゲナーゼ阻害剤活性を有する、請求項13に記載の方法。
【請求項16】
上記ジフルニサル類似体がNSAID活性を示すかどうかを決定することをさらに含む、請求項1に記載の方法。
【請求項17】
上記ジフルニサル類似体がシクロオキシゲナーゼ阻害剤活性を示すかどうかを決定することをさらに含む、請求項1に記載の方法。
【請求項18】
上記候補化合物がポリ塩化ビフェニルである、請求項1に記載の方法。
【請求項19】
上記ポリ塩化ビフェニルがヒドロキシル化ポリ塩化ビフェニルである、請求項18に記載の方法。
【請求項20】
トランスチレチンアミロイド病と診断された被験者に、トランスチレチンテトラマーの解離を防止するジフルニサル類似体の治療有効量を投与することを含む、トランスチレチンアミロイド病の治療方法。
【請求項21】
上記ジフルニサル類似体が、トランスチレチンテトラマーの天然状態の動力学的安定化によりトランスチレチンテトラマーの解離を防止する、請求項20に記載の方法。
【請求項22】
上記トランスチレチンアミロイド病が家族性アミロイド多発性神経障害である、請求項20に記載の方法。
【請求項23】
上記トランスチレチンアミロイド病が家族性アミロイド心筋症である、請求項20に記載の方法。
【請求項24】
上記トランスチレチンアミロイド病が老人性全身性アミロイド症である、請求項20に記載の方法。
【請求項25】
上記ジフルニサル類似体がジフルニサルと比較して減少又は消失したNSAID活性を有する、請求項20に記載の方法。
【請求項26】
上記ジフルニサル類似体がジフルニサルと比較して減少又は消失したシクロオキシゲナーゼ阻害剤活性を有する、請求項20に記載の方法。
【請求項27】
トランスチレチンアミロイド病の治療方法であって、トランスチレチンアミロイド病に罹患したと診断された被験者に、トランスチレチンテトラマーの解離を防止するポリ塩化ビフェニルの治療有効量を投与することを含む前記治療方法。
【請求項28】
上記ポリ塩化ビフェニルが、トランスチレチンテトラマーの天然状態の動力学的安定化によりトランスチレチンテトラマーの解離を防止する、請求項27に記載の方法。
【請求項29】
上記ポリ塩化ビフェニルがヒドロキシル化ポリ塩化ビフェニルである、請求項27に記載の方法。
【請求項30】
上記トランスチレチンアミロイド病が家族性アミロイド多発性神経障害である、請求項27に記載の方法。
【請求項31】
上記トランスチレチンアミロイド病が家族性アミロイド心筋症である、請求項27に記載の方法。
【請求項32】
上記トランスチレチンアミロイド病が老人性全身性アミロイド症である、請求項27に記載の方法。
【請求項33】
下記式:
【化1】

[式中、Arは、フェニル、3,5-ジフルオロフェニル、2,6-ジフルオロフェニル、3,5-ジクロロフェニル、2,6-ジクロロフェニル、2-(トリフルオロメチル)フェニル、又は3-(トリフルオロメチル)フェニルである。]
の化合物又はその薬学的に許容される塩。
【請求項34】
4-カルボキシ-2-(3,5-ジフルオロフェニル)-ベンゾオキサゾール;
4-カルボキシ-2-(2,6-ジフルオロフェニル)-ベンゾオキサゾール;
4-カルボキシ-2-[(3-トリフルオロメチル)フェニル]-ベンゾオキサゾール;
4-カルボキシ-2-[(2-トリフルオロメチル)フェニル]-ベンゾオキサゾール;
4-カルボキシ-2-(3,5-ジクロロフェニル)-ベンゾオキサゾール;
4-カルボキシ-2-(2,6-ジクロロフェニル)-ベンゾオキサゾール;
4-カルボキシ-2-フェニル-ベンゾオキサゾール;
5-カルボキシ-2-(3,5-ジフルオロフェニル)-ベンゾオキサゾール;
5-カルボキシ-2-(2,6-ジフルオロフェニル)-ベンゾオキサゾール;
5-カルボキシ-2-[(3-トリフルオロメチル)フェニル]-ベンゾオキサゾール;
5-カルボキシ-2-[(2-トリフルオロメチル)フェニル]-ベンゾオキサゾール;
5-カルボキシ-2-(3,5-ジクロロフェニル)-ベンゾオキサゾール;
5-カルボキシ-2-(2,6-ジクロロフェニル)-ベンゾオキサゾール;
5-カルボキシ-2-フェニル-ベンゾオキサゾール;
6-カルボキシ-2-(3,5-ジフルオロフェニル)-ベンゾオキサゾール;
6-カルボキシ-2-(2,6-ジフルオロフェニル)-ベンゾオキサゾール;
6-カルボキシ-2-[(3-トリフルオロメチル)フェニル]-ベンゾオキサゾール;
6-カルボキシ-2-[(2-トリフルオロメチル)フェニル]-ベンゾオキサゾール;
6-カルボキシ-2-(3,5-ジクロロフェニル)-ベンゾオキサゾール;
6-カルボキシ-2-(2,6-ジクロロフェニル)-ベンゾオキサゾール;
6-カルボキシ-2-フェニル-ベンゾオキサゾール;
7-カルボキシ-2-(3,5-ジフルオロフェニル)-ベンゾオキサゾール;
7-カルボキシ-2-(2,6-ジフルオロフェニル)-ベンゾオキサゾール;
7-カルボキシ-2-[(3-トリフルオロメチル)フェニル]-ベンゾオキサゾール;
7-カルボキシ-2-[(2-トリフルオロメチル)フェニル]-ベンゾオキサゾール;
7-カルボキシ-2-(3,5-ジクロロフェニル)-ベンゾオキサゾール;
7-カルボキシ-2-(2,6-ジクロロフェニル)-ベンゾオキサゾール;又は、
7-カルボキシ-2-フェニル-ベンゾオキサゾール;
である請求項33記載の化合物。
【請求項35】
2-(3,5-ジクロロフェニル)-ベンゾオキサゾール-6-カルボン酸である請求項33記載の化合物。
【請求項36】
請求項33記載の化合物と薬学的に許容される担体とを含む医薬組成物。
【請求項37】
単回用量投与に製剤化された請求項36記載の医薬組成物。
【請求項38】
トランスチレチンアミロイド病の治療方法であって、トランスチレチンアミロイド病と診断された被験者に、請求項33記載の化合物の治療有効量を投与することを含む前記治療方法。
【請求項39】
上記トランスチレチンアミロイド病が家族性アミロイド多発性神経障害である、請求項38に記載の方法。
【請求項40】
上記トランスチレチンアミロイド病が家族性アミロイド心筋症である、請求項38に記載の方法。
【請求項41】
上記トランスチレチンアミロイド病が老人性全身性アミロイド症である、請求項38に記載の方法。
【請求項42】
上記トランスチレチンアミロイド病が肝臓移植後の心アミロイド症である、請求項38に記載の方法。
【請求項43】
組織又は生体液中のトランスチレチンを安定化する方法であって、該組織又は生体液に安定化量の請求項33記載の化合物を投与することを含む前記方法。
【請求項44】
上記トランスチレチンアミロイド病が肝臓移植後の心アミロイド症である、請求項20に記載の方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公表番号】特表2006−511612(P2006−511612A)
【公表日】平成18年4月6日(2006.4.6)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−502649(P2005−502649)
【出願日】平成15年12月19日(2003.12.19)
【国際出願番号】PCT/US2003/040567
【国際公開番号】WO2004/056315
【国際公開日】平成16年7月8日(2004.7.8)
【出願人】(593052785)ザ スクリップス リサーチ インスティテュート (91)
【Fターム(参考)】