説明

トランスデューサー

【課題】イオン交換膜を用いた比較的大きな力を発生するアクチュエーターを提供する。
【解決手段】第1の可動部と、第2の可動部と、絶縁膜と、を含み、前記第1の可動部は、第1のイオン交換膜と、前記第1のイオン交換膜の一方の面である第1の面に形成された第1の電極と、前記第1のイオン交換膜の前記一方の面に対向する他の一方の面である第2の面に形成された第2の電極と、を有し、前記第2の可動部は、第2のイオン交換膜と、前記第2のイオン交換膜の一方の面である第3の面に形成された第3の電極と、前記第2のイオン交換膜の前記一方の面に対向する他の一方の面である第4の面に形成された第4の電極と、を有し、前記絶縁膜の一方の面である第5の面が前記第2の面に接し、前記絶縁膜の前記一方の面に対向する他の一方の面である第6の面が前記第3の面に接することを特徴とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、トランスデューサーに関するもので、特にイオン導電性高分子材料を用いたものに関する。トランスデューサーは、いわゆる変換器であり、ある種類のエネルギーを別なものに変える装置のことである。例えば、電気的エネルギーを運動エネルギーに変えるアクチュエーターはトランスデューサーであり、形状の変形により電気信号を発生するセンサーもトランスデューサーである。従って、本発明は、トランスデューサーを名称としているが、アクチュエーターの分野及びセンサーの分野にも関わるものである。
【背景技術】
【0002】
従来、様々な分野にアクチュエーター及びセンサーが用いられている。アクチュエーターは、電気、油圧若しくは気圧などにより与えられるエネルギーを物理運動量に変換する装置のことを示すが、一般的に伸縮若しくは屈伸といった単純な動作を行う装置に対して用いられる場合が多い。例えば、バルブやレバーなどといった操作部分を動作させるための装置や、ロボットの関節を動作させるための装置がアクチュエーターと呼ばれる。
【0003】
近年は、医療分野、マイクロマシン分野及び産業用ロボット分野などに適した小型、軽量なアクチュエーターが求められるようになってきている。このような小型、軽量なアクチュエーターは、形状記憶材料や高分子材料などの伸縮、静電力、圧電力及び超音波などが動力源として用いられ、人工筋肉と呼ばれることがある。特に、高分子材料を用いたアクチュエーターはポリマクチュエーターと呼ばれ、研究開発が盛んに行われている。たとえば、特許文献1には、イオン導電性高分子(イオン交換膜)の両面に電極を形成したアクチュエーター素子が記載されている。また、ポリマクチュエーターは外部からの水分子の進入が動作に影響する場合がある。特許文献2には、この影響を少なくする目的で水不透過性材料により被覆されたアクチュエーター素子が記載されている。
【0004】
上述したように、アクチュエーターはバルブの開閉やロボットの関節動作のために用いられる場合があるが、このような場合はバルブがどの程度開閉しているか、ロボットの関節がどの程度動いたかを検出するためにセンサーが併用されることが多い。該センサーを用いて、アクチュエーターの動作の程度若しくはアクチュエーターが動作させる対象の動作程度を検出し、伸縮若しくは屈伸といった動作の開始又は停止などの制御が行われる。アクチュエーターには、化学的刺激、電気的刺激、熱刺激及び光刺激などの外的刺激による変形の変形量を電気信号として取り出すことができるものがある。この電気信号を用いることで、アクチュエーターをセンサーとして使用することが可能である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開平4−275078号公報
【特許文献2】特開2009−79129号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
イオン導電性高分子を用いたアクチュエーターは膜状に形成するのが合理的ではあるが、膜状の形態の場合は他の方法によるアクチュエーターと比較して発生する力が小さい。このため、使用できる用途が限られるという問題がある。また、センサー機能が必要な場合。アクチュエーターとセンサーとを別々に設けることは、医療分野やマイクロマシン分野などの小型の装置において、それぞれを配置するための領域を確保することが難しい場合がある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明は、上記の課題の少なくとも一部を解決するためになされてものであり、以下の適用例又は実施形態として実現することが可能である。
【0008】
[適用例1]
本適用例にかかるトランスデューサーは、第1の可動部と、第2の可動部と、絶縁膜と、を含み、前記第1の可動部は、第1のイオン交換膜と、前記第1のイオン交換膜の一方の面である第1の面に形成された第1の電極と、前記第1のイオン交換膜の前記一方の面に対向する他の一方の面である第2の面に形成された第2の電極と、を有し、前記第2の可動部は、第2のイオン交換膜と、前記第2のイオン交換膜の一方の面である第3の面に形成された第3の電極と、前記第2のイオン交換膜の前記一方の面に対向する他の一方の面である第4の面に形成された第4の電極と、を有し、前記絶縁膜の一方の面である第5の面が前記第2の面に接し、前記絶縁膜の前記一方の面に対向する他の一方の面である第6の面が前記第3の面に接することを特徴とする。
【0009】
この構成によれば、第1の可動部が第1のイオン交換膜と第1の電極と第2の電極とを有し、第2の可動部が第2のイオン交換膜と第3の電極と第4の電極とを有し、絶縁膜の第5の面が第2の電極に接し、絶縁膜の第6の面が第3の電極に接していることで、第1の可動部により発生される力と第2の可動部による発生される力とを合わせて使用できるトランスデューサーを構成することができる。これにより、第1の可動部の屈曲方向と第2の可動部の屈曲方向とを同じにすることで、第1の可動部により発生する力と第2の可動部により発生する力とを合わせた力をトランスデューサーの発生する力とすることができる。第1の可動部と第2の可動部との間の絶縁膜は、第1の可動部における電極と第2の可動部における電極とのショートを防ぐと共に、第1の可動部の伸張若しくは収縮する部分と第2の可動部の伸張若しくは収縮する部分との接触をなくすことでトランスデューサーの動きをスムーズにする機能を提供するものである。
【0010】
また、この構成によれば、絶縁膜が第1の可動部と第2の可動部との間に配置されていることで、第1の可動部と第2の可動部とを別々に制御することが可能なトランスデューサーを構成することができる。これにより、例えば、第1の可動部の屈曲の方向と第2の可動部の屈曲の方向とを逆の方向にすることができる。これにより、外力を受けることで発生するトランスデューサーの屈曲が行われないようにすることができ、例えば風などの外力により位置がずれてしまうものを固定するためのアクチュエーターとして用いることができる。
【0011】
また、この構成によれば、第1の可動部と第2の可動部とが別々に制御可能であることから、第1の可動部若しくは第2の可動部のいずれか一方をアクチュエーターとして使用し、他の一方をセンサーとして使用することが可能となる。尚、アクチュエーターとしての動作が必要ないときは、第1の可動部と第2の可動部との双方をセンサーとして使用することができる。
【0012】
[適用例2]
上記適用例にかかるトランスデューサーにおいて、前記第1の可動部と前記第2の可動部とが、防水性の膜により被覆されていることが好ましい。
【0013】
この構成によれば、少なくとも第1の可動部と第2の可動部とが防水性の膜に被覆されていることで、水分の移動の影響を受けないトランスデューサーを構成することができる。
【0014】
[適用例3]
本適用例にかかるトランスデューサーは、複数の可動部と、複数の絶縁膜と、を含み、前記複数の可動部の各々は、第1のイオン交換膜と、前記第1のイオン交換膜の第1の面に形成された第1の電極と、前記第1のイオン交換膜の前記第1の面に対向する第2の面に形成された第2の電極と、を有し、前記複数の可動部の各々と前記複数の絶縁膜の各々とが交互に接して配置されていることを特徴とする。
【0015】
この構成によれば、複数の可動部の各々と複数の絶縁膜の各々とが交互に接して配置されることにより、複数の可動部の各々における第1の電極及び第2の電極が該複数の可動部の他の可動部における第1の電極若しくは第2の電極と直に接しない構造とするトランスデューサーを構成することができる。絶縁膜により、複数の可動部のそれぞれが電気的に独立していることで、複数の可動部の各々の制御を独立して行うことができる。
【0016】
また、この構成によれば、複数の可動部の各々を同一の方向に屈曲させることができる。これにより、複数の可動部の各々が発生する屈曲の力を合わせてトランスデューサーの発生する力とすることができる。
【0017】
また、この構成によれば、複数の可動部のいずれかをアクチュエーターとして使用し、アクチュエーターとして用いない可動部をセンサーとして用いることができる。尚、アクチュエーターとして用いないときは、複数の可動部のすべてをセンサーとして用いることができる。
【0018】
[適用例4]
上記適用例にかかるトランスデューサーにおいて、前記複数の可動部が防水性の膜で被覆されていることが好ましい。
【0019】
この構成によれば、複数の可動部が防水性の膜に被覆されていることで、水分の移動の影響を受けないトランスデューサーを構成することができる。
【図面の簡単な説明】
【0020】
【図1】2つの可動部を有するトランスデューサーの模式図。
【図2】屈曲するトランスデューサーの模式図。
【図3】被覆されたトランスデューサーの模式図。
【図4】5つの可動部を有するトランスデューサーのひとつの模式図。
【図5】5つの可動部を有するトランスデューサーのひとつの模式図。
【図6】5つの可動部を有するトランスデューサーのひとつの模式図。
【発明を実施するための形態】
【0021】
以下、本発明の実施形態について模式図を用いて説明する。尚、説明に用いる模式図は、説明の便宜上必要な部分を簡単に示したものであり、構成要素の大きさの比率などは実際のものと異なる場合がある。また、本実施形態に例として示すトランスデューサーは膜状の形態を有し、模式図として示したのはいずれもトランスデューサーの厚さ方向に切断した場合の断面図である。
【0022】
(第1実施形態)
図1に、本発明を適用したトランスデューサー100の模式図を示す。トランスデューサー100は、第1の可動部10、第2の可動部20及び絶縁膜30を有する。第1の可動部10は、第1の電極11及び第2の電極13が形成されたイオン交換樹脂12を有する。第2の可動部20は、第3の電極21及び第4の電極23が形成されたイオン交換樹脂22を有する。第2の電極13は絶縁膜30の一方の面に接しており、第3の電極21は、絶縁膜30の他の一方の面に接している。第1の可動部10と第2の可動部20とは絶縁膜30を挟んで対をなすように配置されている。
【0023】
第1の電極11と第3の電極21とが第1制御線41を介して接続され、第1制御線41は制御部40に接続されている。第2の電極13と第4の電極23とが第2制御線42を介して接続され、第2制御線42は制御部40に接続されている。制御部40は、第1制御線41及び第2制御線42を介して、第1の電極11と第2の電極13との間及び第3の電極21と第4の電極23との間の電位差を制御する。
【0024】
イオン交換性樹脂は、イオン導電性高分子で形成された樹脂であり、マイナスイオン若しくはプラスイオンが内部に固定化されて存在する樹脂である。該樹脂は膜状の形で扱われることがあり、イオン交換性膜と呼ばれる場合があるが、本実施形態も含め以降の実施形態においては、イオン交換樹脂と呼ぶことにする。本発明のようにアクチュエーターの機能を持たせる場合には、一般的にイオン交換性樹脂は含水状態に保持されており、水分中をプラスイオン若しくはマイナスイオンが浮遊している。本実施形態においては、イオン交換樹脂12及びイオン交換樹脂22はマイナスイオンが固定化されて存在する樹脂であるとする。イオン交換樹脂12及びイオン交換樹脂22はいずれも含水状態にあり、水分中をプラスイオンが浮遊している。
【0025】
ここで、イオン交換樹脂12の動作について簡単に説明する。上述したようにイオン交換樹脂12は、内部にマイナスイオンが固定化されプラスイオンは含有された水分の中を自由に移動できる構造を有している。第1の電極11の電位を第2の電極13の電位よりも高く設定した場合、水分中のプラスイオンが第2の電極13のある側に移動する。このプラスイオンの移動に伴って水分子の移動が引き起こされる。これにより、イオン交換樹脂12は、第2の電極13の側が膨張し第1の電極11の側が収縮し、この結果として屈曲することになる。この動作はイオン交換樹脂22においても同じであり、第3の電極21の電位を第4の電極23の電位よりも高くすると、水分中のプラスイオンが第4の電極23の側に移動し、これに伴い水分子の移動が引き起こされ第4の電極23の側が膨張し第3の電極21の側が収縮する。
【0026】
図2−(a)に、制御部40により第1制御線41の電位を第2制御線42の電位よりも高くする制御を行った場合のトランスデューサー100の形状の例を、図2−(b)に、制御部40により第1制御線41の電位を第2制御線42の電位よりも低くする制御を行った場合のトランスデューサー100の形状の例を示す。この形状の変化を力として用いることで、トランスデューサー100をアクチュエーターとして用いることができる。
【0027】
トランスデューサー100により発生する力は、第1の可動部10が変形することで発生する力と第2の可動部20が変形することで発生する力の双方から導かれる力である。上述したように、第1の可動部10の変形及び第2の可動部20の変形は、水分子の移動によるものである。仮にイオン交換樹脂12の厚さとイオン交換樹脂22の厚さとを合わせた厚さを有する第3のイオン交換樹脂(図示せず)の両側に電極を形成し、該両側の電極の間に電位差を与えた場合、電位差がトランスデューサー100に与えるものと同程度とすると、移動する水分子の量は同程度と考えられ、第3のイオン交換樹脂が発生する力はトランスデューサー100が発生する力と同程度であると考えられる。しかしながら、第3のイオン交換樹脂の変形に要する時間は、水分子の移動する距離が長くなる分、イオン交換樹脂12及びイオン交換樹脂22が要する時間に比べて長くなる。従って、所定の厚さのトランスデューサーを構成する場合、一層のイオン交換樹脂により構成するよりも、より薄い厚さのイオン交換樹脂(本実施形態における第1の可動部10及び第2の可動部20に相当)を複数重ねて構成した方が変形に要する時間が短く、より素早い動きをサポートできるトランスデューサーを構成することができる。
【0028】
尚、上記本実施形態の説明は、第1の可動部10の第1の電極11と第2の可動部20の第3の電極21とを第1制御線41で接続し、第1の可動部10の第2の電極13と第2の可動部20の第4の電極23とを第2制御線42で接続したときのものであるが、共通の信号線を用いないようにし、第1の可動部10の制御と第2の可動部20の制御とが別々になされるようにしてもよい。第1の可動部10と第2の可動部20とが別々に制御される場合でも第1の可動部10と第2の可動部20とを同じ方向に同時に屈曲させることは可能である。また、いずれか一方の可動部のみを屈曲させる制御を行うことで、トランスデューサー100の屈曲により発生する力を小さくすることができる。この場合、屈曲させない他の一方の可動部をセンサーとして用いることが可能となる。
【0029】
(第2実施形態)
本実施形態を含め、以降の実施形態の説明にあたっては、上述した実施形態と同様の構成については同じ符号を付し、その説明を省略する。
【0030】
本実施形態は、第1実施形態で説明したトランスデューサー100を第1の膜50で被覆するものである。第1の膜50は、防水性の性質を有するものである。上述したように、イオン交換樹脂の変形は水分子の移動によるものである。このため、蒸発などによりイオン交換樹脂から水分が減ってしまうと移動する水分子の量が減ることになりイオン交換樹脂の変形量が小さくなる。トランスデューサー100を第1の膜50で被覆することにより、イオン交換樹脂からの水分の蒸発を防ぐことができ、トランスデューサー100の発生する力が小さくなることを防ぐことができる。
【0031】
また、第1の膜50は、トランスデューサー100の変形に合わせて収縮及び伸張が可能なものであることが好ましい。これにより、トランスデューサー100に対して第1の膜50を直に被覆させることが可能となる。
【実施例1】
【0032】
本実施例は、トランスデューサー100を第1の膜50で被覆したひとつの例を示すものである。第1の膜50は、トランスデューサー100の変形に応じて収縮及び伸張が可能である。第1の膜50でトランスデューサー100を被覆した図を図3−(a)に示す。トランスデューサー100は、全体が一続きの第1の膜50で被覆されている。
【実施例2】
【0033】
本実施例は、トランスデューサー100を第1の膜50で被覆したひとつの例を示すものである。第1の膜50は、トランスデューサー100の変形に応じて収縮及び伸張が可能である。第1の膜50でトランスデューサー100を被覆した図を図3−(b)に示す。トランスデューサー100を構成する第1の可動部10及び第2の可動部20のそれぞれが個別に第1の膜50に被覆されている。
【0034】
(第3実施形態)
本実施形態は、3以上の可動部を有するトランスデューサーのひとつの例を示すものである。個々の可動部の動作については、第1実施形態で示した第1の可動部10並びに第2の可動部20と同様である。尚、図示はないが、少なくとも可動部は上述した第1の膜50で被覆されていることが好ましい。
【実施例3】
【0035】
図4に5個の可動部を有するトランスデューサー200を屈曲させた状態の図を示した。5個のトランスデューサーの各々において、第1制御線241が接続されているのが第1電極であり、第2制御線242が接続されているのが第2電極である。第1制御線241及び第2制御線242は、制御部240に接続されており、制御部240により第1制御線241と第2制御線242との間の電位差が制御される。図4で示したのは、第1制御線241の電位を第2制御線242の電位よりも高くした場合のトランスデューサー200の状態である。
【実施例4】
【0036】
本実施例は、トランスデューサー200に含まれる5個の可動部のそれぞれの第1電極と第2電極との電位の差を個別に制御可能な制御部340を用いた例である。図5に本実施例の模式図を示す。制御部340における制御としては、例えば5個の可動部のうちの3個の可動部において第1電極と第2電極との間に電位差を持たせるような制御が考えられる。この場合、3個の可動部がトランスデューサー200を屈曲させる力を発生することになる。このように、第1電極と第2電極との間に電位差を持たせる可動部の数を変えることで、トランスデューサー200から発生させる力を変えることができる。
【実施例5】
【0037】
本実施例は、トランスデューサー200の可動部のひとつをセンサーとして用いた例である。可動部は変形することで水分子の移動が起こり、これにより可動部内におけるプラスイオンの移動が起こり、これが第1電極と第2電極との間に電位差を発生させる。この電位差を検出することにより、トランスデューサー200における屈曲の状態を知ることができる。図6に本実施例の模式図を示す。5個の可動部の内の4個が制御部440に接続され、他の1個の可動部が制御部540に接続されている。
【0038】
制御部440は、接続された可動部の第1電極と第2電極との間に電位差を与えるための制御部であり、制御部540は接続された可動部の第1電極と第2電極との間の電位差を検出するための制御部である。トランスデューサー200は、制御部440の制御により4個の可動部により屈曲し、トランスデューサー200における屈曲の量を他の1個の可動部により検出する。
【0039】
以上、本発明の適用例及び実施形態についての説明を行ったが、本発明は上述した内容に限られる訳ではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲において広く変形並びに適用が可能である。例えば、実施例5において、制御部をアクチュエーターとして機能させる可動部の制御を行う制御部440と、センサーとして機能させる可動部の制御を行う制御部540とに区別して記載したが、アクチュエーターとしての機能の制御とセンサーとしての機能の制御とをひとつの制御部として構成し、アクチュエーターとして機能させる可動部を任意に選択し、選択しなかった他の可動部をセンサーとして機能させるようにしてもよい。
【符号の説明】
【0040】
10…第1の可動部、11…第1の電極、12…イオン交換樹脂、13…第2の電極、20…第2の可動部、21…第3の電極、22…イオン交換樹脂、23…第4の電極、30…絶縁膜、40…制御部、41…第1制御線、42…第2制御線、50…第1の膜、100…トランスデューサー、200…トランスデューサー、240…制御部、241…第1制御線、242…第2制御線、340…制御部、440…制御部、540…制御部。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1の可動部と、
第2の可動部と、
絶縁膜と、
を含み、
前記第1の可動部は、
第1のイオン交換膜と、
前記第1のイオン交換膜の一方の面である第1の面に形成された第1の電極と、
前記第1のイオン交換膜の前記一方の面に対向する他の一方の面である第2の面に形成された第2の電極と、を有し、
前記第2の可動部は、
第2のイオン交換膜と、
前記第2のイオン交換膜の一方の面である第3の面に形成された第3の電極と、
前記第2のイオン交換膜の前記一方の面に対向する他の一方の面である第4の面に形成された第4の電極と、を有し、
前記絶縁膜の一方の面である第5の面が前記第2の面に接し、
前記絶縁膜の前記一方の面に対向する他の一方の面である第6の面が前記第3の面に接することを特徴とするトランスデューサー。
【請求項2】
前記第1の可動部と前記第2の可動部とが、防水性の膜により被覆されていることを特徴とする請求項1に記載のトランスデューサー。
【請求項3】
複数の可動部と、
複数の絶縁膜と、を含み、
前記複数の可動部の各々は、
第1のイオン交換膜と、
前記第1のイオン交換膜の第1の面に形成された第1の電極と、
前記第1のイオン交換膜の前記第1の面に対向する第2の面に形成された第2の電極と、を有し、
前記複数の可動部の各々と前記複数の絶縁膜の各々とが交互に接して配置されていることを特徴とするトランスデューサー。
【請求項4】
前記複数の可動部が防水性の膜で被覆されていることを特徴とする請求項3に記載のトランスデューサー。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2012−182896(P2012−182896A)
【公開日】平成24年9月20日(2012.9.20)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−43611(P2011−43611)
【出願日】平成23年3月1日(2011.3.1)
【出願人】(000002369)セイコーエプソン株式会社 (51,324)
【Fターム(参考)】