トランスデューサ装着具および着用可能モニタ
皮膚係合面を有するしなやかな細長い支持部材と、皮膚係合面を着用者の頭部に接着させる接着手段と、皮膚係合面上に長手方向に離間して配置された複数のトランスデューサとを備える、トランスデューサ装着具。着用可能モニタを皮膚に接着させる接着手段と、生理学的反応の刺激および生理学的パラメータの測定のいずれかまたは両方のためのトランスデューサがその上に配置された皮膚接面と、着用可能モニタに測定された生理学的パラメータに関する信号をディスプレイするための着用可能モニタに内蔵されたディスプレイ手段、または、着用可能モニタから測定された生理学的パラメータに関する音声を送信するための着用可能モニタに内蔵された音声出力手段とを備える、着用可能モニタ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、トランスデューサ装着具および着用可能モニタ、例えば、電極、場合により1つまたは複数のセンサもしくは刺激器を着用者の皮膚に取り付けるためのトランスデューサ装着具、および1つまたは複数の生理学的パラメータをモニタリングするための着用可能モニタに関する。
【背景技術】
【0002】
本発明のいくつかの態様は、これに限定されないが、着用者の頭部に装着するように適合されたデバイスを含む、着用者の身体に装着するための電極または他のセンサを備えたトランスデューサ装着具に関する。トランスデューサ装着具および着用可能モニタを使用して、生理学的信号、例えば、脳波(EEG)信号を測定することが可能である。この場合、着用者は、例えば、患者、対象またはユーザであり得る。
【0003】
トランスデューサ装着具の一適用例は、医療処置中の患者における麻酔に関する1つまたは複数のパラメータの測定、例えば、意識、痛覚または筋弛緩の測定のためのセンサを含むトランスデューサを装着することである。
【0004】
複数のトランスデューサを備えたトランスデューサ装着具(例えば、EEG信号をモニタリングするための複数の電極を備えたヘッドホン)を提供することは有利である。数個の別々のトランスデューサよりも単一の装着具を患者に取り付けることの方が容易であり得る。通常、ワイヤは、トランスデューサ装着具全体を通じて延伸するため、各々が別々のワイヤ接続を有する数個の別々のトランスデューサよりも、単一のワイヤ接続で単一のトランスデューサ装着具を患者に取り付けることの方が容易である。
【0005】
複数の電極が電極装着具の頭部係合面上にある幅広くて薄く細長い接着シートを備えた電極装着具の形態でトランスデューサ装着具を提供することは知られている。電極はその全体が接着剤で取り囲まれ、その結果得られた電極装着具は、患者の頭部のかなりの表面積を占領する。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかし、この種の電極装着具はいくつかの実用的な問題を提示する。まず、幅広くて薄く細長い接着シートを個々の患者の頭部の輪郭に合わせて成形することは難しい場合がある。薄いシートがシートに垂直な軸の周りで著しく屈曲した場合、シートにしわが生じる。生じたしわは引っかかる恐れがある。幅広く広がる接着剤は、電極が所望の場所に位置するように正確に位置付けることが難しい場合がある。それに応じて、いくつかの態様により、個々の患者の頭部の輪郭により適し得る電極および/または他のトランスデューサの装着具を提供する問題に対処する。
【0007】
さらに、従来の電極装着具は、患者の頭部の相当な表面積を占領する。これは、例えば、他のセンサを用いたまたは簡単な目視検査による他の種のモニタリングに対して有用であり得る表面積を占領するため、望ましくない。これは、頭部の手術中、例えば、脳外科手術中は特に問題となる恐れがある。それに応じて、いくつかの態様により、電極および/または他のトランスデューサの装着具で占領される表面積を減少させる問題に対処する。
【0008】
本発明のさらなる態様により、生理学的パラメータをモニタリングするための着用可能モニタに関する問題、ならびに、これに限定されないが、手術中の患者における麻酔に関する測定された生理学的パラメータのディスプレイを含む、測定された生理学的パラメータのディスプレイに関する論点に対処する。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明の第1の態様によれば、着用可能モニタを身体(一般に、哺乳動物、通常、ヒトの身体)に固定させるための1つまたは複数の固定要素と、身体接面と、生理学的反応の刺激および生理学的パラメータの測定のいずれかまたは両方のためのトランスデューサと、着用可能モニタに測定された生理学的パラメータに関する信号をディスプレイするための着用可能モニタに内蔵されたディスプレイ手段、または、着用可能モニタから測定された生理学的パラメータに関する音声を送信するための着用可能モニタに内蔵された音声出力手段とを備える着用可能モニタが提供される。
【0010】
ディスプレイ手段または音声出力手段は、測定された生理学的パラメータに関する音声を送信する音声出力手段(典型的には、拡声器)であり得る。例えば、既定のアラーム条件を満たす測定された生理学的パラメータに応答する音声出力手段によって、アラーム音が発生される場合もある。アラーム音は、少なくとも1メートル離れた正常な聴力を有する人物が聴き取れるものであるべきである。
【0011】
ディスプレイ手段または音声出力手段は、着用可能モニタに測定された生理学的パラメータに関する信号をディスプレイするためまたは音声を送信するためのディスプレイ手段であり得る。ディスプレイ手段は、LED、LCDまたは電子ペーパー画面などの電子画像ディスプレイであり得る。したがって、本発明は、着用可能モニタを身体に固定させるための1つまたは複数の固定要素と、生理学的反応の刺激および生理学的パラメータの測定のいずれかまたは両方のためのトランスデューサがその上に配置された身体接面と、着用可能モニタに測定された生理学的パラメータに関する信号をディスプレイするための内蔵ディスプレイ手段とを備えた着用可能モニタまで拡大される。
【0012】
着用可能モニタに内蔵されるディスプレイ手段を設けることによって、ユーザ(例えば、着用可能モニタが患者の身体に固定される手術中の医師または看護師などの開業医)は、単に着用者を見ることによって、測定された生理学的パラメータに関するデータを視察することができる。これにより、手術中、時間を節約し、開業医が患者に注意を払うことに集中できるようになる。
【0013】
通常、身体接面上にはトランスデューサが配置される。しかし、トランスデューサは、着用可能モニタ内に配置することもできる。例えば、トランスデューサは、非接触型容量検出電極であり得る。
【0014】
1つまたは複数の固定要素は、着用可能モニタを身体に接着させる接着手段であり得る。1つまたは複数の固定要素は、ヘッドバンドもしくはリストバンドなどのバンド、ヘッドセットまたは1つもしくは複数のクリップを含むことができる。1つまたは複数の固定要素は、着用可能モニタをバンドに接続するためのコネクタを含むことができる。
【0015】
こうして、本発明は、着用可能モニタを皮膚に接着させる接着手段と、生理学的反応の刺激および生理学的パラメータの測定のいずれかまたは両方のためのトランスデューサがその上に配置された皮膚接面と、着用可能モニタに測定された生理学的パラメータに関する信号をディスプレイするための着用可能モニタに内蔵されたディスプレイ手段、または、着用可能モニタから測定された生理学的パラメータに関する音声を送信するための着用可能モニタに内蔵された音声出力手段とを備える着用可能モニタまで拡大される。
【0016】
生理学的パラメータは、着用可能モニタを取り付けることができる身体の部分に特有のパラメータであり得る。例えば、着用可能モニタは、麻酔に関する1つまたは複数のパラメータをモニタリングするための頭部装着可能センサであり得る。
【0017】
着用可能モニタは着用可能センサであり得、トランスデューサはセンサであり得る。センサは電極であり得る。しかし、センサは、音響センサ、光センサ、化学センサ、非接触型容量センサまたは他の種のセンサであり得る。着用可能モニタは、アクチュエータであり得、トランスデューサは、音響発生器、例えば、超音波発生器、弾性表面波デバイスもしくは拡声器または光源などのアクチュエータであり得る。アクチュエータは、例えば、着用者へ電気刺激を発生させるための1つまたは複数の電極を含むことができる。しかし、トランスデューサは、センサとアクチュエータの両方として機能することができる。
【0018】
好ましくは、ディスプレイ手段は、着用可能モニタから著しく突出しない。好ましくは、着用可能モニタは、身体係合面および反対側の外表面を有する。好ましくは、ディスプレイ手段は、一般に、外表面と同一平面上にある。こうして、ロープロファイルのディスプレイが提供される。好ましくは、着用可能モニタの長さに対する奥行きの比(主要寸法に沿って測定される)は、0.5未満であるか、好ましくは0.2もしくは0.1未満である。
【0019】
1つまたは複数の固定要素が接着手段である場合は、接着手段は、通常、身体接面上に設けられる。身体接面は、皮膚接面であり得る。
【0020】
ディスプレイ手段は、電極と身体との間の電気接続の質に応じて視覚信号をディスプレイすることができる。電気接続の質に関する信号は、単に、発光して、電気接続において十分に低い抵抗を有することを表示する光源(ソリッドステート発光ダイオードまたは有機発光ポリマーなど)であり得る。着用可能モニタが1つまたは複数の電極を備える場合は、電極と身体との間の電気接続の質に応じて視覚表示をディスプレイするよう動作可能な視覚表示器は、通常、着用可能モニタの外表面に位置し、それぞれの電極の真上に位置する。着用可能モニタが本発明の第1の態様によるトランスデューサ装着具であるか、または、当該トランスデューサ装着具を含む場合は、それぞれの視覚表示器は、通常、一部のもしくはすべての前記電極の反対側の細長い支持部材上に設けられ、それぞれの電極と身体との間の電気接続の質に応じて視覚表示をディスプレイするよう動作可能である。複数の視覚表示器を設け、少なくとも1つの視覚表示器が、しなやかな細長い支持部材の長さに沿って位置する少なくとも2つの電極の各々に付随し、その各々がそれぞれの電極と身体との間の電気接続の質に応じて視覚表示をディスプレイするよう動作可能であることによって、トランスデューサ装着具の取り付けが容易になるが、その理由は、各電極を順に位置付けし、細長い支持部材に沿った次の電極を接着する前にその電気接続の質の検査を行うことができるためである。
【0021】
ディスプレイ手段は、光源から放出される光の強度または色により、測定された生理学的パラメータに関する視覚信号をディスプレイするよう動作可能な1つまたは複数の光源を備えることができる。こうして、視覚信号は、単に、放出された光の強度および/または色を含むことができる。ディスプレイ手段は、光を放出するか、または、特定の強度もしくは色の光を放出する多くの光源から放出される光の強度もしくは色により、測定された生理学的パラメータに関する視覚信号をディスプレイするよう動作可能な複数の光源を備えることができる。
【0022】
ディスプレイ手段は、測定された生理学的パラメータに関する数値またはテキストを含む画像をディスプレイするよう動作可能であり得る。ディスプレイ手段は、測定された生理学的パラメータに応じて選択された形状を含む画像をディスプレイするよう動作可能であり得る。ディスプレイ手段は、画素の二次元アレイを含むことができ、例えば、ディスプレイ手段は、LED(例えば、OLEO)またはLCDディスプレイ画面を含むことができる。ディスプレイ手段は、タッチセンサ式であり得る。こうして、ディスプレイ手段は、接触または特定の接触刺激に応答して、パラメータもしくはディスプレイされたパラメータまたはディスプレイ方法を変化するよう動作可能であり得る。
【0023】
ディスプレイ手段は、少なくとも3cm2、好ましくは少なくとも4cm2、より好ましくは少なくとも8cm2のディスプレイ面積を有し得る。ディスプレイ手段は、少なくとも12cm2のディスプレイ面積を有し得る。比較的大型のディスプレイ手段は、ディスプレイ上に示されたデータの遠隔的な視察を可能にし、離れた場所からの患者のモニタリングを可能にする。
【0024】
ディスプレイ手段は、2つ以上の生理学的パラメータに関する視覚信号をディスプレイするよう動作可能であり得る。例えば、ディスプレイ手段は、第1および第2の視覚表示をディスプレイすることができ、その各々は、異なる生理学的パラメータに関する。
【0025】
視覚信号は、チャートであり得る。視覚信号は、時変データを示すことができる。視覚信号は、歴史的なデータ、例えば、測定された時間経過を示すことができる。視覚信号は、予測データを示すことができる。
【0026】
着用可能モニタは、外部データ処理装置との電子通信のための、ワイヤもしくはワイヤレス接続であり得る、1つまたは複数の電子インターフェースを備えることができる。着用可能モニタは、内部電源、例えば、バッテリを備えることができる。着用可能モニタは、プロセッサを備えることができる。プロセッサは、1つまたは複数の前記電極と着用者との間の電気接続の質を算出するよう動作可能とすることができる。プロセッサは、1つまたは複数の前記電極を使用して行われた測定から生理学的パラメータを計算するよう動作可能とすることができる。
【0027】
着用可能モニタは、例えば、ワイヤまたはワイヤレス接続を通じて、測定信号を遠隔プロセッサへ伝達するよう動作可能とすることができ、伝達された測定信号を考慮して計算された生理学的パラメータを受信するよう動作可能とすることができ、ディスプレイ手段は、受信された計算された生理学的パラメータに関する視覚表示をディスプレイすることができる。これは、生理学的パラメータの決定に必要とされる計算が複雑であるか、または、着用可能モニタの一部ではないセンサからの入力も必要とされる場合に、特に有用である。例えば、伝達された測定信号は、1つまたは複数の電極で受信された電気信号であり得、受信された生理学的パラメータは、麻酔に関する、例えば、1つまたは複数の意識、痛覚および筋弛緩に関するパラメータであり得る。
【0028】
着用可能モニタは、1つまたは複数の腕、脚、顔、胸または首(例えば、喉仏)に固定するように適合させることができる。生理学的パラメータは、特に、着用可能モニタが胸または首に固定するように適合される場合は、呼吸パターンであり得る。
【0029】
着用可能モニタは、本体部分と、保持部分(例えば、包み込み部分)とを備えることができ、保持部分は、本体部分を取り外し可能に保持する(例えば、取り外し可能に包み込む)。本体部分は、着用可能モニタに測定された生理学的パラメータに関する信号をディスプレイするためのディスプレイ手段、または、着用可能モニタから測定された生理学的パラメータに関する音声を送信するための音声出力手段を備える。保持部分は、着用可能モニタを身体(一般に、哺乳動物、通常、ヒトの身体)に固定させるための1つまたは複数の固定要素と、生理学的反応の刺激および生理学的パラメータの測定のいずれかまたは両方のためのトランスデューサとを備える。本体部分は、保持部分によって(通常は、保持部分内で)取り外し可能に保持することができる。本体部分は、再利用可能であり得る。保持部分は、使い捨てであり得る。こうして、本体部分は、保持部分から取り外すことができ、後に、別の保持部分上に(通常は、保持部分内に)装着することができる。こうして、患者に接触する部分は使い捨てである。本体部分および保持部分は、電気接続部を備えることができ、本体部分は、保持部分のトランスデューサからの信号を制御または受信することが可能になる。身体接面は、通常、その上にトランスデューサを有する。身体接面は、通常、皮膚接面である。
【0030】
本発明は、第2の態様において、着用可能モニタのためのキットまでも拡大され、キットは、本体部分と、保持部分(例えば、包み込み部分)とを備えることができ、保持部分は、本体部分を取り外し可能に保持する(通常、取り外し可能に包み込む)。本体部分は、着用可能モニタに測定された生理学的パラメータに関する信号をディスプレイするためのディスプレイ手段、または、着用可能モニタから測定された生理学的パラメータに関する音声を送信するための音声出力手段を備える。保持部分は、着用可能モニタを身体(一般に、哺乳動物、通常、ヒトの身体)に固定させるための1つまたは複数の固定要素と、生理学的反応の刺激および生理学的パラメータの測定のいずれかまたは両方のためのトランスデューサとを備える。さらなる任意選択の特徴は、第1の態様に関して上で論じられたものに対応する。
【0031】
本発明は、第3の態様において、身体係合面(典型的には、皮膚係合面)を有するしなやかな細長い支持部材と、身体係合面を着用者の身体(典型的には、着用者の頭部、着用者は通常、哺乳動物、通常、例えば、ヒトの身体)に固定させるための1つまたは複数の固定要素と、しなやかな細長い支持部材に沿って長手方向に離間して配置された複数のトランスデューサとを備える着用可能トランスデューサ装着具まで拡大される。
【0032】
「トランスデューサ」により、本発明者らは、センサまたはアクチュエータを含める。そのまたはそれぞれのトランスデューサは、電極であり得る。トランスデューサ装着具は、電極装着具であり得る。トランスデューサ装着具は、トランスデューサを着用者の頭部に装着するためのものであり得、この場合、身体係合面は、頭部係合面である。身体係合面は、皮膚係合面であり得る。接着手段は、着用可能トランスデューサ装着具を皮膚に接着するよう構成され得る。
【0033】
通常、複数のトランスデューサは、身体係合面(典型的には、皮膚係合面)に沿って長手方向に離間して配置される。しかし、トランスデューサは、着用者の身体に接触する必要がない場合もある。例えば、トランスデューサは、非接触型容量センサであり得る。トランスデューサが着用者の身体に接触する必要がない場合は、身体係合面(例えば、皮膚係合面)に沿ってある程度の間隔を隔てた位置でのみ、身体係合面(例えば、皮膚係合面)が着用者の身体(例えば、皮膚)に接触し得る。そうでない場合は、身体係合面は、通常、しなやかな細長い支持部材の長さの少なくとも大部分(そして、場合により、すべて)に沿って連続的に着用者の身体(典型的には、頭部、例えば、皮膚)に接触するよう構成される。
【0034】
1つまたは複数の固定要素は、着用可能モニタを身体に接着させる接着手段であり得る。1つまたは複数の固定要素は、ヘッドバンドもしくはリストバンドなどのバンド、ヘッドセットまたは1つもしくは複数のクリップを含むことができる。1つまたは複数の固定要素は、着用可能モニタをバンドに接続するためのコネクタを含むことができる。
【0035】
本発明は、皮膚係合面を有するしなやかな細長い支持部材と、皮膚係合面を着用者の頭部に接着させる接着手段と、皮膚係合面上に長手方向に離間して配置された複数のトランスデューサとを備える着用可能トランスデューサ装着具まで拡大される。
【0036】
しなやかな細長い支持部材は、個々の着用者の身体の輪郭、例えば、個々の着用者の頭部の形状に合わせて容易に取り付けることができる。通常、しなやかな細長い支持部材が1つまたは複数の接着手段を備える場合は、接着手段は、細長い支持部材の長さの少なくとも大部分に沿って延在する。また、接着手段は、複数のトランスデューサによって占領されていない皮膚係合面の長さの少なくとも大部分に沿って延在させることもできる。
【0037】
接着手段は、1つまたは複数の接着ストリップを含むことができる。1つまたは複数のまたはそれぞれの接着ストリップは、剥離ストリップで覆うことができる。接着手段(例えば、1つまたは複数の接着ストリップ)は、それぞれのトランスデューサの片側に長手方向に延在するが、それぞれのトランスデューサの横方向には延在しないようにすることができる。これにより、接着手段がそれぞれのトランスデューサの周辺全体に延在する場合よりも狭い幅を有する(横方向への広がりが少ない)細長い支持部材を実現することができる。それに応じて、当該例以外の場合に占領されるであろう着用者の身体(例えば、着用者の頭部)の表面積よりも小さな表面積を占領するトランスデューサ装着具を提供することができる。表面積の最小化は、新生児もしくは非常に幼い患者の頭部または、例えば、手、または任意の部分へのトランスデューサの装着において特に役に立つ。
【0038】
「長手方向に」により、本発明者らは、細長い支持部材の長さに沿った方向を表す。「横方向に」により、本発明者らは、細長い支持部材の長さに垂直な方向、一般に、着用者の使用皮膚に平行な方向を表す。
【0039】
それぞれのトランスデューサ(例えば、電極)は、それぞれのトランスデューサ(例えば、電極)が装着された1つまたは複数のまたはそれぞれの皮膚係合面の幅の少なくとも75%、好ましくは、少なくとも90%の幅を有する。
【0040】
好ましくは、それぞれのトランスデューサ(例えば、電極)の領域、ならびに/または、隣接するそれぞれのトランスデューサおよび中間のそれぞれのトランスデューサの領域、ならびに/または、少なくとも隣接するそれぞれのトランスデューサの領域を含む細長い支持部材の長さの大部分に沿った領域、ならびに/または、細長い支持部材の全長に沿った領域における細長い支持部材の幅は、20mm未満、10mm未満、または好ましくは8mm未満である。
【0041】
好ましくは、それぞれのトランスデューサ(例えば、電極)の領域、ならびに/または、隣接するそれぞれのトランスデューサおよび中間のそれぞれのトランスデューサの領域、ならびに/または、少なくとも隣接するそれぞれのトランスデューサの領域を含む細長い支持部材の長さの大部分に沿った領域、ならびに/または、細長い支持部材の全長に沿った領域における細長い支持部材の幅は、少なくとも2mm、または好ましくは少なくとも4mmである。
【0042】
好ましくは、細長い支持部材は、その最大幅の10倍を超える長さを有する。
そのような寸法の細長い支持部材を有するトランスデューサ装着具は、それぞれのトランスデューサ装着具によって占領される空間を最小化して、着用者の頭部に接着させることができる。これは、着用者が麻酔中の患者、特に、脳外科手術などの頭部の手術を受ける患者である場合に特に重要であり得る。また、空間の節約は、新生児および幼児患者の手術の際も特に重要である。
【0043】
好ましくは、それぞれのトランスデューサ(例えば、電極)の領域、ならびに/または、隣接するそれぞれのトランスデューサおよび中間のそれぞれのトランスデューサの領域、ならびに/または、少なくとも隣接するそれぞれのトランスデューサの領域を含む細長い支持部材の長さの大部分に沿った領域、ならびに/または、細長い支持部材の全長に沿った領域における細長い支持部材の奥行きは、少なくとも2mm、または好ましくは少なくとも4mmであるが、10mm以上もあり得る。これにより、ユーザは、指の間にストリップを挟むことによって、トランスデューサ装着具を容易につかむことができる。これにより、トランスデューサ装着具をかなり容易に患者に配置することができる。
【0044】
したがって、身体係合面(例えば、皮膚係合面)に加えて、細長い支持部材は、表面に接着剤を有さない互いに少なくとも60度の角度の少なくとも2つの長手方向に延在する表面を備えることができる。これにより、接着剤に触れることなく細長い支持部材を挟むことができ、これは、挟むことができない、1つの接着性面およびたった1つのかなりの範囲にわたる非接着性面(反対側の表面)を有する幅広い平面シートとは対照的である。
【0045】
容易に挟めるようにするため、細長い支持部材は、少なくともそれぞれのトランスデューサ(例えば、電極)の領域、ならびに/または、隣接するそれぞれのトランスデューサおよび中間のそれぞれのトランスデューサの領域、ならびに/または、少なくとも隣接するそれぞれのトランスデューサの領域を含む細長い支持部材の長さの大部分に沿った領域、ならびに/または、細長い支持部材の全長に沿った領域において、0.25〜4.0、好ましくは0.5〜2.0、および最も好ましくは0.75〜1.50の厚さに対する幅の比を有することができる。
【0046】
接着手段は、細長い支持部材内に設けられる1つまたは複数の圧縮性チャンバと、細長い支持部材を通じてそれぞれの圧縮性チャンバから身体係合面(典型的には、皮膚係合面)まで延在する少なくとも1つの開口部とを備えることができる。通常、1つまたは複数のまたはそれぞれの圧縮性チャンバは、1つまたは複数のそれぞれの開口部を除いて、気密である。こうして、細長い支持部材は、例えば、挟むことによって1つまたは複数の圧縮性チャンバを圧縮し、身体係合面(典型的には、皮膚係合面)を患者の身体(例えば、頭部)に取り付けることによって、この時点で圧縮性チャンバ内で得られた低圧状態により、トランスデューサ装着具が患者の身体(例えば、頭部)に吸着され、患者の身体(例えば、頭部)に接着させることができる。1つまたは複数の圧縮性チャンバに加えて、1つまたは複数の接着部材を設けることができる。
【0047】
それに応じて、トランスデューサ装着具は、患者の身体(例えば、頭部)、例えば、額にかかるように好都合に位置付けすることができ、細長い支持部材を挟み、細長い支持部材を所望の形状に屈曲させ、患者の身体(例えば、頭部)に接触させ、吸着によって少なくともある程度保持すると同時に放置することによって、患者の身体(例えば、頭部)に接着させることができる。
【0048】
細長い支持部材は、好ましくは、しなやかな材料から形成される。細長い支持部材は、変形された形状を保持することができる柔軟な材料から形成することができる。細長い支持部材は、弾性を有するものであり得る。
【0049】
細長い支持部材は、好ましくは、座屈することなく、10cm未満、好ましくは5cm未満または2.5cm未満の曲率半径で、身体係合面に垂直な軸の周りで可撓である。こうして、トランスデューサ装着具は、座屈することなく、患者の頭部に合わせて好都合に成形することができる。少なくともそれぞれのトランスデューサ(例えば、電極)の領域、ならびに/または、隣接するそれぞれのトランスデューサおよび中間のそれぞれのトランスデューサの領域、ならびに/または、トランスデューサ支持部材の長さの大部分に沿った領域において、0.25〜4.0、好ましくは0.5〜2.0、および最も好ましくは0.75〜1.50の厚さに対する幅の比を有する細長い支持部材を設ける別の利点は、座屈することなく、身体係合面に垂直な軸の周りで容易に屈曲することである。これは、身体係合面に垂直な軸の周りでかなり屈曲させた場合に容易に座屈する公知の薄い幅広いシートとは対照的である。
【0050】
細長い支持部材は、その長さの大部分に沿って三面の断面を有することができる。細長い支持部材は、概して、三角面または三角形の断面であり得る。細長い支持部材は、概して、三角柱であり得る。三角形は、概して、二等辺、例えば、概して、等辺であり得る。
【0051】
細長い支持部材は、細長い支持部材の周辺領域よりも身体係合面からさらに延伸する1つまたは複数の隆起した部分を有することができる。隆起した部分は、互いにある程度の間隔を隔てることができる。隆起した部分は、細長い支持部材の隣接する(例えば、中間の)領域よりも2mm〜10mm大きい奥行きを有することができる。1つまたは複数の隆起した部分を設けることにより、細長い支持部材を着用者の頭部に取り付ける際、細長い支持部材の手動での取り扱いが容易になる。
【0052】
トランスデューサ装着具は、細長い支持部材の身体係合面(典型的には、皮膚係合面)に少なくとも3つの電極を備えることができる。したがって、トランスデューサ装着具は、EEG信号をモニタリングするため、例えば、着用者に関する1つまたは複数の麻酔関連パラメータをモニタリングするための頭部装着可能トランスデューサ装着具であり得る。麻酔深度関連パラメータは、例えば、認識レベル、痛覚または筋弛緩であり得る。電気回路は、例えば、測定可能な反応を生成する電極である1つまたは複数のトランスデューサを使用して電気刺激を与えるために設けることができる。
【0053】
トランスデューサが電極である場合、トランスデューサ装着具は、好ましくは座屈することなく、少なくとも2つの電極を着用者のアイライン上方の額上に、そして第3の電極を着用者のアイライン下方の頬上に保持するように形成することができる。こうして、トランスデューサ装着具は、座屈することなく、着用者の額と頬との間の耳の前部、上部または後部のいずれかで湾曲させるため、前記少なくとも2つの電極と前記第3の電極との中間ゾーンにおいて、本質的に十分に湾曲させることができるか、または、十分可撓であり得る。
【0054】
トランスデューサ装着具は、患者の後頭部の周りに少なくともある程度延在するように適合させることができる。トランスデューサ装着具は、患者の頭部を跨ぐ形で延在するように適合させることができる。
【0055】
あるいは、トランスデューサ装着具は、接続部材と、身体係合面、身体係合面を着用者の身体(例えば、頭部)に接着させる接着手段および第1のしなやかな細長い支持材の皮膚係合面上の複数のトランスデューサ(例えば、電極)を有する接続部材から延在する第1のしなやかな細長い支持部材と、身体係合面、身体係合面を着用者の身体(例えば、頭部)に接着させる接着手段、および第2のしなやかな細長い支持材の身体係合面上の少なくとも1つのトランスデューサ(例えば、電極)を有しかつ接続部材から延在する第2のしなやかな細長い支持部材とを備えることができ、第1および第2のしなやかな細長い支持部材は、ある程度の間隔を隔てた位置で接続部材から延在する。接続部材は、第1のしなやかな細長い支持部材と第2のしなやかな細長い支持部材との間で延在する、弾性を有するものまたは剛性湾曲部材であり得る。
【0056】
アイライン上方の額上に取り付けるための電極およびアイライン下方の頬上に取り付けるための少なくとも1つの電極を備えるトランスデューサ装着具を提供することにより、これらの離れた位置において、好都合に電極を適用および保持することが容易になる。しかし、細長い支持部材は、アイライン上方の場所に対して、3つ以上の電極を備えることができる。
【0057】
トランスデューサ装着具は、少なくとも2つの電極を患者のアイライン上方に、そして、少なくとも2つの電極を患者のアイライン下方に保持するよう形成し、患者の左側または右側におけるトランスデューサ装着具の使用を容易にすることができる。トランスデューサ装着具は、患者の右側の左側における使用を容易にするために、左右対称性を有することができる。
【0058】
接続部材は、着用者の耳内で音声を発生させるための音声発生モジュール、または、音声発生モジュールをトランスデューサ装着具に取り外し可能に取り付けるための装備品を備えることができる。装備品は、2つの反対側の向きのいずれかにおいて、音声発生モジュールを保持することを可能にし、患者の身体の片側、例えば、患者の頭部の片側へのトランスデューサの位置付けを容易に行うことができる。拡声器などの音声発生モジュールを使用して、着用者で聴覚誘発電位を発生させることができる。この場合、トランスデューサは、誘発電位の測定に使用される電極であり得る。音声発生モジュールは、着用者の耳腔まで延在するよう構成される拡声器を備えることができる。あるいは、音声発生モジュールは、拡声器と、着用者の頭部に接触して、頭蓋骨を通じた導通によって着用者の蝸牛に音声を送信する拡声器を位置付けるための装着具とを備えることができる。後者の場合、音声発生モジュールは、好ましくは、耳の穴を塞ぐことなく、着用者の頭部の耳に隣接する場所と接触する形で装着するように適合される。これにより、着用者(例えば、患者)は、周囲の音声をより良好に聴き取ることができる。
【0059】
トランスデューサ装着具は、外部データ処理装置との電子通信のための、ワイヤもしくはワイヤレス接続であり得る、1つまたは複数のインターフェースを備えることができる。トランスデューサ装着具は、内部電源、例えば、バッテリを備えることができる。トランスデューサ装着具は、プロセッサを備えることができる。プロセッサは、1つまたは複数のトランスデューサ(典型的には、電極)と着用者との間の電気接続の質を算出するよう動作可能とすることができる。プロセッサは、1つまたは複数の前記トランスデューサ(例えば、電極)を使用して行われた測定から生理学的パラメータを計算するよう動作可能とすることができる。
【0060】
細長い支持部材の長さは調整可能であり得る。例えば、細長い支持部材は、弾性部分と、長手方向に互いに対して滑動可能な2つの部分と、可撓性の蛇腹状部分と、収縮可能部分と、取り外し可能部分とを備えることができる。細長い支持部材は、接続部分または筺体に調節可能に装着することができ、細長い支持部材が接続部分または筺体から延在する距離を変化させることができる。接続部分または筺体は、患者の耳に、その周囲にもしくはその近くの場所に対するものであり得、AEPを発生させるための拡声器を備えることができる。例えば、細長い支持部材および接続部分または筺体は、互いに対して滑動可能に装着することができる。細長い支持部材および接続部分または筺体は、2つ以上の長手方向の位置において、互いに対して取り外し可能に係合できる協働構成を有することができる。細長い支持部材は、筺体から延在し、少なくともある程度筺体に引き込み可能なものであり得る。筺体は拡声器を備えることができ、拡声器の位置は、細長い支持部材に対して動作可能であり得る。接続部分または筺体と細長い支持部材との間の取り付けは、可逆的であり得、その結果、接続部分または筺体は、2つの反対側の向きのいずれかにおいて細長い支持部材に取り外し可能に取り付けられ得、患者の片側、例えば、患者の頭部の左側または右側のいずれかに取り付け可能なトランスデューサ装着具を容易に提供することができる。
【0061】
トランスデューサ装着具は、本体部分と、本体部分を取り外し可能に保持する(例えば、取り外し可能に包み込む)保持部分(例えば、包み込み部分)とを備えることができる。保持部分は、しなやかな細長い支持部材と、接着手段と、身体係合面上に長手方向に離間して配置された複数のトランスデューサとを備える。本体部分は、着用可能トランスデューサで測定された生理学的パラメータに関する信号をディスプレイするためのディスプレイ手段、または、着用可能トランスデューサで測定された生理学的パラメータに関する音声を送信するための音声出力手段を備える。本体部分は、保持部分によって(例えば、保持部分内で)取り外し可能に保持することができる。本体部分は、再利用可能であり得る。保持部分は、使い捨てであり得る。こうして、本体部分は、保持部分から取り外すことができ、後に、別の保持部分内に装着することができる。こうして、患者に接触する部分は使い捨てである。本体部分および保持部分は、電気接続部を備えることができ、本体部分は、保持部分のトランスデューサからの信号を制御または受信することが可能になる。身体係合面は、皮膚係合面であり得る。
【0062】
また、本発明は、第4の態様において、トランスデューサ装着具のためのキットまでも拡大され、キットは、本体部分と、本体部分を取り外し可能に保持する(例えば、取り外し可能に包み込む)よう構成された保持部分(例えば、包み込み部分)とを備えることができる。保持部分は、しなやかな細長い支持部材と、接着手段と、身体係合面上に長手方向に離間して配置された複数のトランスデューサとを備える。本体部分は、着用可能トランスデューサで測定された生理学的パラメータに関する信号をディスプレイするためのディスプレイ手段、または、着用可能トランスデューサで測定された生理学的パラメータに関する音声を送信するための音声出力手段を備える。さらなる任意選択の特徴は、第3の態様に関して上で論じられたものに対応する。
【0063】
ここで、本発明の実施形態の実施例を以下の図を参照して示す。
【図面の簡単な説明】
【0064】
【図1】頭部係合側から見た、ヘッドホンの斜視図である。
【図2A】2つの異なる角度から見た、着用者に接着される、ヘッドホンの外方対向面側を示す。
【図2B】2つの異なる角度から見た、着用者に接着される、ヘッドホンの外方対向面側を示す。
【図3A】代替のヘッドホンの対応する画像を提供する。
【図3B】代替のヘッドホンの対応する画像を提供する。
【図4A】2つの別々の電極装着具を使用する、本発明の一実施形態を示す。
【図4B】2つの別々の電極装着具を使用する、本発明の一実施形態を示す。
【図5】しなやかな細長い支持部材の斜視図である。
【図6A】代替のしなやかな細長い支持部材の断面図である。
【図6B】代替のしなやかな細長い支持部材の断面図である。
【図6C】代替のしなやかな細長い支持部材の断面図である。
【図6D】代替のしなやかな細長い支持部材の断面図である。
【図6E】代替のしなやかな細長い支持部材の断面図である。
【図7】ヘッドホンに取り外し可能に取り付けられる、耳装着可能トランスデューサを示す。
【図8】図7の耳装着可能トランスデューサを組み込むヘッドホンの側面図である。
【図9】代替の数値のディスプレイを示す。
【図10】パッチの形態の着用可能モニタを上から見た平面図である。
【図11】図10の着用可能モニタの下側の平面図である。
【発明を実施するための形態】
【0065】
図1〜3を参照すると、ヘッドホン1(トランスデューサ装着具としておよび着用可能モニタとして機能する)は、第1の可撓性アーム2aと第2の可撓性アーム2bを備える。第1および第2の可撓性アームは、各々がしなやかな細長い支持部材として機能するか、または、それらのアームが連続的な実施形態では、一緒になってしなやかな細長い支持部材を形成することができる。
【0066】
第1および第2の可撓性アームは、溝線8内でイヤホン6の周りに延在し、それを保持する接続部分4と一体的に形成される。第1および第2の可撓性アームは、しなやかな材料から形成され、各々が頭部係合面10を有する。第1の可撓性アームの頭部係合面は、長手方向に離間して配置された2つの細長い電極12を有し、第2の可撓性アームの頭部係合面は、1つの細長い電極を有する。アームは、通常、接続部分から5〜10cm延在する。第1の例示的な構成では、その長さの大部分に沿って約5mmの幅および約5mmの奥行きを有する。
【0067】
第1および第2の可撓性アームは、その長さの大部分に沿って頭部係合面上に、近位領域16からそれぞれの遠位端18まで、コンタクト接着剤のストリップ14を有するが、コンタクト接着剤は電極によって中断される。コンタクト接着剤は、それぞれの電極の横方向には延在しない。これにより、第1および第2の可撓性アームの幅を、それぞれの電極の周辺全体に接着剤が延在する場合に得られるであろう幅よりもかなり狭くすることができる。コンタクト接着剤は、使用前に取り除くことができる剥離ライニング(図示せず)で覆うことができる。電極は、導電性ゲル(図示せず)で覆うことができ、剥離ライニングは、使用前にゲルを保存するために導電性ゲル全体にわたって延在することもできる。
【0068】
イヤホンは拡声器20を備え、拡声器は着用者の耳の穴まで延在して音声を発生させる。こうして、ヘッドホンは電極装着具として機能するアームを備え、ヘッドホンは着用可能モニタとしても機能する。イヤホンは、イヤホンの外表面と同一平面上にあるディスプレイ画面22も備え、ディスプレイ画面については以下でさらに論じる。細長いアームの外表面上にはLED光源24が設けられ、LED光源は、例えば、可撓性有機発光ポリマーから形成され、その各々は、ヘッドホンを着用者の頭部に取り付けた場合にそれぞれのLED光源が対応する電極の真上に位置するように位置付けされる。
【0069】
ヘッドホンは、通常、1つまたは複数のインターフェースも備える。例えば、ヘッドホンは、ワイヤ接続を設けて、ヘッドホンの電極を使用した、遠隔モニタリング装置26によるEEG信号などの信号の測定を可能にすることができる。この場合、遠隔モニタリング装置は、ワイヤ接続を通じて電力を供給し、LED光源およびディスプレイ画面を作動させることができる。遠隔モニタリング装置は、ヘッドホンを使用してモニタリングされた生理学的パラメータをディスプレイするための画面28を備えることができる。しかし、好ましくは、ヘッドホンは、バッテリなどの内部電源と、測定データを送信するためのワイヤレス通信インターフェースとを備え、いくつかの実施形態では、遠隔モニタリング装置から計算された生理学的測定値に関するデータを受信する。いくつかの実施形態では、ヘッドホンは、内部電源と、電極を使用して生理学的測定値を計算することができるプロセッサと、遠隔モニタリング装置に全く頼らずに、LED光源およびディスプレイ画面を使用して生理学的測定値を示す、市場に存在する他のセンサとを備える。しかし、この場合、すなわち、ヘッドホンが独立型デバイスとして機能することができる場合でさえ、ヘッドホンは、任意選択の遠隔モニタリング装置に生理学的測定値を伝達するためのワイヤレスインターフェースを備えることができる。
【0070】
ここで、患者が麻酔にかけられる手術中の患者の意識レベルを測定するための、EEG信号のモニタリングへのヘッドホンの適用例について説明する。しかし、ヘッドホンは、他の状況においても使用することができる。例えば、工場設備または車両などの機械を操作する人物の疲労具合をモニタリングする場合にも使用することができる。
【0071】
患者の頭部にヘッドホンを取り付けるため、少なくとも一部の接着ストリップから剥離紙を取り除く。ユーザ、例えば、手術のために患者の準備を整える開業医は、アームの一方の一部を患者と接触させる。患者の頭部の所望の位置に単一の電極を位置付けすることから始めてもよい。あるいは、アームの一方の一端、例えば、遠位端または近位領域を位置付けすることから始めてもよい。図5および6A〜6Eで示されるように、アームをユーザの親指と人差し指との間に挟み、ユーザが好都合にアームを屈曲させることを可能にすることができる。また、ユーザは、一部を一方の手の親指と人差し指との間に挟み、数センチメートル離れた他の部分を他方の手の親指と人差し指との間に挟み、両手を動かしてアームを屈曲させることによって、アームの一部を屈曲させる場合もある。こうして、ユーザは、解剖学的特徴の独特のサイズおよび形状を考慮して、アームを折曲させ、患者の頭部に所望の形状を取り入れることができる。ユーザの進み具合に伴い、接着剤を患者の頭部に圧着させることができる。ユーザは、他方のアームを別々に患者に取り付ける前に、一方のアームの取り付けを完了する場合がある。その場合、イヤホンは、接続部分内に装着することができる。あるいは、イヤホンは、既にヘッドホンに取り付けられており、アームの取り付けを開始する前に、ユーザがまず拡声器を患者の耳内に位置付けする場合もある。
【0072】
それぞれの電極を皮膚に取り付けると、電極の反対側のLED光源が発光し、電極と患者の皮膚との間の電気接続の質を示す。電気接続の質は、それぞれのLED光源によって放出された光の強度または色によって伝達することができる。例えば、電極が最初に患者の皮膚に接触する際に着色光が放出され、電気接続の質が十分良好である(十分に抵抗が低い)際に明るい白色光が放出され得る。すべての電極が適切な電気接続を形成した際に視覚的に表示するため、さまざまなLED光源がさらなる信号(例えば、色もしくは強度を変化させるか、または、既定のパターンで照射する)を放出することができる。電極が患者に固定されている間に、その場でおよび電極の真上で電気接続の質の視覚的表示を提供することによって、ユーザは、フィードバックを速やかに受信することができ、迅速かつ効果的にヘッドホンを取り付ける際に役に立つ。
【0073】
適用例では、ヘッドホンは、ワイヤ接続によって遠隔モニタリングインターフェースに取り付けられる。各電極からの電気信号は、ワイヤ接続を通じて遠隔モニタリングインターフェースに伝達される。遠隔モニタリングインターフェースは、各電極からの電気信号を使用して、患者のEEGを分析し、意識レベル(生理学的パラメータの例である)などの麻酔に関連するパラメータを決定する。得られた意識レベルは、遠隔ディスプレイ上にディスプレイされ、絶え間なく更新される。
【0074】
EEG信号を分析し、患者の意識レベルを決定する多くの方法が当業者に知られている。例えば、BISスケール(BISはAspect Medical,Inc.の商標である)に従って、EEG信号のバイスペクトルパワーを測定し、これを意識レベルとしてディスプレイすることが知られている。頬へ装着する電極を使用して、認識レベルの測定値を計算し、顔面筋電図(EMG)信号により干渉を補償する代替方法が国際公開第2008/138340号パンフレット(Morpheus Medical)で開示され、その内容はこの参照により本明細書に組み込まれる。
【0075】
非誘発性EEG信号の処理による意識レベルの測定と同様に、拡声器を使用して患者の耳内で音声を発生することができ、これは順に、聴覚誘発電位(AEP)を患者の脳内で生成し、EEG信号から抽出し、分析して意識レベルを決定することができる。AEPを生成し、得られた信号を分析して意識レベルを決定する方法は、例えば、その内容がこの参照により本明細書に組み込まれる、国際公開第2001/074248号パンフレット(Danmeter A/S)およびMethods of Information in Medicine,(1996),vol.35,pp.256−260,“Autoregressive Modeling with Exogenous Input of Middle−Latency Auditory−Evoked Potentials to Measure Rapid Changes in Depth of Anesthesia”(E.W.Jensen et al)で知られている。
【0076】
さらに、計算された意識レベルの表示はまた、ワイヤ接続を通じてヘッドホンに返信され、イヤホンの内部にある画面上にディスプレイされる。表示は、数値である場合があるが、1つまたは複数の光源によって放出される光の色または強度でもあり得る。また、スケールを使用して表示される場合もあり、例えば、同時に照射される、円の周りに配置された隣接する光源の数によって計算された意識レベルを表示することができる。
【0077】
その場で測定された生理学的パラメータをディスプレイすることによって、開業医、例えば、麻酔医は、患者を直接見ながら生理学的パラメータの表示を視察することができる。この場合、生理学的パラメータは、脳の機能と関連し、開業医が患者の頭部の方を直接見ながら視察することができる。これにより、開業医は、別々のモニタの方向に視線を巡らす必要性を回避または低減し、患者にさらに集中することができる。
【0078】
いくつかの実施形態では、2つ以上の測定された生理学的パラメータ、例えば、麻酔に関連する2つ以上の測定値を同時にディスプレイすることができる。こうして、誘発電位とは無関係な意識深度の測定値と、聴覚誘発電位の分析に基づく意識深度の測定値の両方を同時にディスプレイすることができる。例えば、光源の第1の外円に照射される隣接する光源の数および光源の第2の内円に照射される隣接する光源の数はそれぞれ、麻酔に関連するパラメータのそれぞれの測定値に依存し得る。
【0079】
追加のセンサを設けて、血圧、血中酸素濃度、心拍数または1つもしくは複数の分子濃度、例えば、血流における特定のホルモンなどのデータを測定することができる。追加のセンサは、ヘッドホンまたは他の着用可能モニタと一体化することができるが、追加のセンサは、ワイヤまたはワイヤレス接続を通じて、測定された生理学的パラメータをヘッドホンまたは他の着用可能モニタに伝達する遠隔センサであり得る。
【0080】
ヘッドホンのアームおよび構成全体の正確な形状は、特定の適用例に適合させることができる。図5を参照すると、アームは、例えば、電極の真上または長手方向に離間して配置された電極間に、隆起した部分を備えることができる。隆起した部分は、追加の好都合なつかみ点を提供し、アームの形状の操作を容易にする。
【0081】
図6A〜6Eを参照すると、ヘッドホンのアームは、任意のいくつかの異なる断面を有することができ、例えば、円形または三角形であり得、容易に挟めるように長手方向に延在するフランジを備えることができる。通常、断面は、アームを好都合に保持し、親指と人差し指との間に挟んで、好ましくは、親指と人差し指が接触している状態で操作できるように選択される。
【0082】
アームは、プラスチック材料などのしなやかな可撓性材料またはシリコン系材料から作成される。材料は、弾性を有するものまたは屈曲させたときにその形状を保持しないものであり得る。材料は、アームが頭部係合面の平面において座屈することなく10cm以下、好ましくはそれ未満の曲率半径で湾曲できるように選択される。こうして、アームは、接着性材料の幅広い平面シートよりも、患者の頭部の形状に合わせて良好に調整することができる。
【0083】
ヘッドホンは、いくつかの異なる方法で患者に接着することができる。例えば、代替の実施形態では、電極の外側縁に沿って少量の接着剤を設けることができる。この場合、各電極は、通常、それぞれの可撓性アームの頭部係合面の幅の少なくとも75%、より典型的には少なくとも90%の幅を有していた。
【0084】
アームは、チャンバから頭部係合面まで延在する可撓性壁およびチャネルを有する複数のチャンバを備えることができる。こうして、アームを挟む際にチャンバから空気が取り除かれ、チャンバは患者の頭部に取り付けられ、圧力は放出される。チャンバ内の低減された圧力は、吸着力をもたらし、アームを適所に保持する。これにより、アームを保持するにはそれ自体で十分であり得、したがって、電極は適所に位置する。しかし、この接着機構は、接着ストリップと組み合わせて、長期間にわたる接着を改善することができる。
【0085】
例示的な実施形態は、AEPを発生させるための拡声器を備えるヘッドホンに関するが、ヘッドホンは、図3Aおよび3Bで示されるように、イヤホンなしでも提供され得る。ヘッドホンは接続部分が欠如する場合もあり、本発明は、単一のしなやかな細長い支持部材を有する電極支持部も包含するか、または、図4Aおよび4Bで示されるように、各々が1つまたは複数の電極を保持する2つの電極支持部を組み合わせて使用することができる。2つ以上の電極支持部は、ワイヤまたはワイヤレス接続を通じて、遠隔モニタリング装置と通信することができるか、または、互いに通信することができる。
【0086】
代替の実施形態では、単一のしなやかな細長い支持部材によって支持される、より多くのまたはより少ない数の長手方向に離間して配置された電極を設けることができる。例えば、患者の使用額上の場所に対して、例えば、3、4、または4つを超える長手方向に離間して配置された電極を、単一のしなやかな細長い支持部材の頭部係合面上に設けることができる。
【0087】
内蔵ディスプレイ手段を有する着用可能モニタは、ヘッドホン以外の多くの状況において有用であり得る。例えば、着用可能モニタは、身体の他の部分に貼付し、着用可能モニタ上で、その場でのディスプレイに有用な、任意の多数の異なる生理学的パラメータを測定することができる。例えば、図10および11を参照すると、着用可能モニタは、接着パッチ100として形成することもでき、接着パッチは、患者の使用皮膚に面する接着性の皮膚係合面104で少なくともある程度取り囲まれる感知面106と、接着パッチの反対側の外表面上の内蔵ディスプレイ102とを有する。感知面は、例えば、光源108と、オキシメータとして機能する光検出器110とを備え、血中酸素濃度、1つまたは複数の塩もしくは他の分子の濃度、心拍数または任意の他の測定可能な生理学的パラメータを測定することができる。生理学的パラメータまたはそれに由来するパラメータは、数値、グラフ、チャート、アイコンとしてまたは任意の他の方法で内蔵ディスプレイ上に示すことができる。
【0088】
着用可能モニタは、内部電源(例えば、内部バッテリ)または環境発電電源(例えば、周囲の熱または電磁場から電力を得る)を有し得、可撓性膜、プラスチック電子回路、可撓性感知面および可撓性バッテリなどの可撓性コンポーネントから形成することができる。
【0089】
本明細書に開示される本発明の範囲内において、さらなる変形形態および変更形態が可能である。
【技術分野】
【0001】
本発明は、トランスデューサ装着具および着用可能モニタ、例えば、電極、場合により1つまたは複数のセンサもしくは刺激器を着用者の皮膚に取り付けるためのトランスデューサ装着具、および1つまたは複数の生理学的パラメータをモニタリングするための着用可能モニタに関する。
【背景技術】
【0002】
本発明のいくつかの態様は、これに限定されないが、着用者の頭部に装着するように適合されたデバイスを含む、着用者の身体に装着するための電極または他のセンサを備えたトランスデューサ装着具に関する。トランスデューサ装着具および着用可能モニタを使用して、生理学的信号、例えば、脳波(EEG)信号を測定することが可能である。この場合、着用者は、例えば、患者、対象またはユーザであり得る。
【0003】
トランスデューサ装着具の一適用例は、医療処置中の患者における麻酔に関する1つまたは複数のパラメータの測定、例えば、意識、痛覚または筋弛緩の測定のためのセンサを含むトランスデューサを装着することである。
【0004】
複数のトランスデューサを備えたトランスデューサ装着具(例えば、EEG信号をモニタリングするための複数の電極を備えたヘッドホン)を提供することは有利である。数個の別々のトランスデューサよりも単一の装着具を患者に取り付けることの方が容易であり得る。通常、ワイヤは、トランスデューサ装着具全体を通じて延伸するため、各々が別々のワイヤ接続を有する数個の別々のトランスデューサよりも、単一のワイヤ接続で単一のトランスデューサ装着具を患者に取り付けることの方が容易である。
【0005】
複数の電極が電極装着具の頭部係合面上にある幅広くて薄く細長い接着シートを備えた電極装着具の形態でトランスデューサ装着具を提供することは知られている。電極はその全体が接着剤で取り囲まれ、その結果得られた電極装着具は、患者の頭部のかなりの表面積を占領する。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかし、この種の電極装着具はいくつかの実用的な問題を提示する。まず、幅広くて薄く細長い接着シートを個々の患者の頭部の輪郭に合わせて成形することは難しい場合がある。薄いシートがシートに垂直な軸の周りで著しく屈曲した場合、シートにしわが生じる。生じたしわは引っかかる恐れがある。幅広く広がる接着剤は、電極が所望の場所に位置するように正確に位置付けることが難しい場合がある。それに応じて、いくつかの態様により、個々の患者の頭部の輪郭により適し得る電極および/または他のトランスデューサの装着具を提供する問題に対処する。
【0007】
さらに、従来の電極装着具は、患者の頭部の相当な表面積を占領する。これは、例えば、他のセンサを用いたまたは簡単な目視検査による他の種のモニタリングに対して有用であり得る表面積を占領するため、望ましくない。これは、頭部の手術中、例えば、脳外科手術中は特に問題となる恐れがある。それに応じて、いくつかの態様により、電極および/または他のトランスデューサの装着具で占領される表面積を減少させる問題に対処する。
【0008】
本発明のさらなる態様により、生理学的パラメータをモニタリングするための着用可能モニタに関する問題、ならびに、これに限定されないが、手術中の患者における麻酔に関する測定された生理学的パラメータのディスプレイを含む、測定された生理学的パラメータのディスプレイに関する論点に対処する。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明の第1の態様によれば、着用可能モニタを身体(一般に、哺乳動物、通常、ヒトの身体)に固定させるための1つまたは複数の固定要素と、身体接面と、生理学的反応の刺激および生理学的パラメータの測定のいずれかまたは両方のためのトランスデューサと、着用可能モニタに測定された生理学的パラメータに関する信号をディスプレイするための着用可能モニタに内蔵されたディスプレイ手段、または、着用可能モニタから測定された生理学的パラメータに関する音声を送信するための着用可能モニタに内蔵された音声出力手段とを備える着用可能モニタが提供される。
【0010】
ディスプレイ手段または音声出力手段は、測定された生理学的パラメータに関する音声を送信する音声出力手段(典型的には、拡声器)であり得る。例えば、既定のアラーム条件を満たす測定された生理学的パラメータに応答する音声出力手段によって、アラーム音が発生される場合もある。アラーム音は、少なくとも1メートル離れた正常な聴力を有する人物が聴き取れるものであるべきである。
【0011】
ディスプレイ手段または音声出力手段は、着用可能モニタに測定された生理学的パラメータに関する信号をディスプレイするためまたは音声を送信するためのディスプレイ手段であり得る。ディスプレイ手段は、LED、LCDまたは電子ペーパー画面などの電子画像ディスプレイであり得る。したがって、本発明は、着用可能モニタを身体に固定させるための1つまたは複数の固定要素と、生理学的反応の刺激および生理学的パラメータの測定のいずれかまたは両方のためのトランスデューサがその上に配置された身体接面と、着用可能モニタに測定された生理学的パラメータに関する信号をディスプレイするための内蔵ディスプレイ手段とを備えた着用可能モニタまで拡大される。
【0012】
着用可能モニタに内蔵されるディスプレイ手段を設けることによって、ユーザ(例えば、着用可能モニタが患者の身体に固定される手術中の医師または看護師などの開業医)は、単に着用者を見ることによって、測定された生理学的パラメータに関するデータを視察することができる。これにより、手術中、時間を節約し、開業医が患者に注意を払うことに集中できるようになる。
【0013】
通常、身体接面上にはトランスデューサが配置される。しかし、トランスデューサは、着用可能モニタ内に配置することもできる。例えば、トランスデューサは、非接触型容量検出電極であり得る。
【0014】
1つまたは複数の固定要素は、着用可能モニタを身体に接着させる接着手段であり得る。1つまたは複数の固定要素は、ヘッドバンドもしくはリストバンドなどのバンド、ヘッドセットまたは1つもしくは複数のクリップを含むことができる。1つまたは複数の固定要素は、着用可能モニタをバンドに接続するためのコネクタを含むことができる。
【0015】
こうして、本発明は、着用可能モニタを皮膚に接着させる接着手段と、生理学的反応の刺激および生理学的パラメータの測定のいずれかまたは両方のためのトランスデューサがその上に配置された皮膚接面と、着用可能モニタに測定された生理学的パラメータに関する信号をディスプレイするための着用可能モニタに内蔵されたディスプレイ手段、または、着用可能モニタから測定された生理学的パラメータに関する音声を送信するための着用可能モニタに内蔵された音声出力手段とを備える着用可能モニタまで拡大される。
【0016】
生理学的パラメータは、着用可能モニタを取り付けることができる身体の部分に特有のパラメータであり得る。例えば、着用可能モニタは、麻酔に関する1つまたは複数のパラメータをモニタリングするための頭部装着可能センサであり得る。
【0017】
着用可能モニタは着用可能センサであり得、トランスデューサはセンサであり得る。センサは電極であり得る。しかし、センサは、音響センサ、光センサ、化学センサ、非接触型容量センサまたは他の種のセンサであり得る。着用可能モニタは、アクチュエータであり得、トランスデューサは、音響発生器、例えば、超音波発生器、弾性表面波デバイスもしくは拡声器または光源などのアクチュエータであり得る。アクチュエータは、例えば、着用者へ電気刺激を発生させるための1つまたは複数の電極を含むことができる。しかし、トランスデューサは、センサとアクチュエータの両方として機能することができる。
【0018】
好ましくは、ディスプレイ手段は、着用可能モニタから著しく突出しない。好ましくは、着用可能モニタは、身体係合面および反対側の外表面を有する。好ましくは、ディスプレイ手段は、一般に、外表面と同一平面上にある。こうして、ロープロファイルのディスプレイが提供される。好ましくは、着用可能モニタの長さに対する奥行きの比(主要寸法に沿って測定される)は、0.5未満であるか、好ましくは0.2もしくは0.1未満である。
【0019】
1つまたは複数の固定要素が接着手段である場合は、接着手段は、通常、身体接面上に設けられる。身体接面は、皮膚接面であり得る。
【0020】
ディスプレイ手段は、電極と身体との間の電気接続の質に応じて視覚信号をディスプレイすることができる。電気接続の質に関する信号は、単に、発光して、電気接続において十分に低い抵抗を有することを表示する光源(ソリッドステート発光ダイオードまたは有機発光ポリマーなど)であり得る。着用可能モニタが1つまたは複数の電極を備える場合は、電極と身体との間の電気接続の質に応じて視覚表示をディスプレイするよう動作可能な視覚表示器は、通常、着用可能モニタの外表面に位置し、それぞれの電極の真上に位置する。着用可能モニタが本発明の第1の態様によるトランスデューサ装着具であるか、または、当該トランスデューサ装着具を含む場合は、それぞれの視覚表示器は、通常、一部のもしくはすべての前記電極の反対側の細長い支持部材上に設けられ、それぞれの電極と身体との間の電気接続の質に応じて視覚表示をディスプレイするよう動作可能である。複数の視覚表示器を設け、少なくとも1つの視覚表示器が、しなやかな細長い支持部材の長さに沿って位置する少なくとも2つの電極の各々に付随し、その各々がそれぞれの電極と身体との間の電気接続の質に応じて視覚表示をディスプレイするよう動作可能であることによって、トランスデューサ装着具の取り付けが容易になるが、その理由は、各電極を順に位置付けし、細長い支持部材に沿った次の電極を接着する前にその電気接続の質の検査を行うことができるためである。
【0021】
ディスプレイ手段は、光源から放出される光の強度または色により、測定された生理学的パラメータに関する視覚信号をディスプレイするよう動作可能な1つまたは複数の光源を備えることができる。こうして、視覚信号は、単に、放出された光の強度および/または色を含むことができる。ディスプレイ手段は、光を放出するか、または、特定の強度もしくは色の光を放出する多くの光源から放出される光の強度もしくは色により、測定された生理学的パラメータに関する視覚信号をディスプレイするよう動作可能な複数の光源を備えることができる。
【0022】
ディスプレイ手段は、測定された生理学的パラメータに関する数値またはテキストを含む画像をディスプレイするよう動作可能であり得る。ディスプレイ手段は、測定された生理学的パラメータに応じて選択された形状を含む画像をディスプレイするよう動作可能であり得る。ディスプレイ手段は、画素の二次元アレイを含むことができ、例えば、ディスプレイ手段は、LED(例えば、OLEO)またはLCDディスプレイ画面を含むことができる。ディスプレイ手段は、タッチセンサ式であり得る。こうして、ディスプレイ手段は、接触または特定の接触刺激に応答して、パラメータもしくはディスプレイされたパラメータまたはディスプレイ方法を変化するよう動作可能であり得る。
【0023】
ディスプレイ手段は、少なくとも3cm2、好ましくは少なくとも4cm2、より好ましくは少なくとも8cm2のディスプレイ面積を有し得る。ディスプレイ手段は、少なくとも12cm2のディスプレイ面積を有し得る。比較的大型のディスプレイ手段は、ディスプレイ上に示されたデータの遠隔的な視察を可能にし、離れた場所からの患者のモニタリングを可能にする。
【0024】
ディスプレイ手段は、2つ以上の生理学的パラメータに関する視覚信号をディスプレイするよう動作可能であり得る。例えば、ディスプレイ手段は、第1および第2の視覚表示をディスプレイすることができ、その各々は、異なる生理学的パラメータに関する。
【0025】
視覚信号は、チャートであり得る。視覚信号は、時変データを示すことができる。視覚信号は、歴史的なデータ、例えば、測定された時間経過を示すことができる。視覚信号は、予測データを示すことができる。
【0026】
着用可能モニタは、外部データ処理装置との電子通信のための、ワイヤもしくはワイヤレス接続であり得る、1つまたは複数の電子インターフェースを備えることができる。着用可能モニタは、内部電源、例えば、バッテリを備えることができる。着用可能モニタは、プロセッサを備えることができる。プロセッサは、1つまたは複数の前記電極と着用者との間の電気接続の質を算出するよう動作可能とすることができる。プロセッサは、1つまたは複数の前記電極を使用して行われた測定から生理学的パラメータを計算するよう動作可能とすることができる。
【0027】
着用可能モニタは、例えば、ワイヤまたはワイヤレス接続を通じて、測定信号を遠隔プロセッサへ伝達するよう動作可能とすることができ、伝達された測定信号を考慮して計算された生理学的パラメータを受信するよう動作可能とすることができ、ディスプレイ手段は、受信された計算された生理学的パラメータに関する視覚表示をディスプレイすることができる。これは、生理学的パラメータの決定に必要とされる計算が複雑であるか、または、着用可能モニタの一部ではないセンサからの入力も必要とされる場合に、特に有用である。例えば、伝達された測定信号は、1つまたは複数の電極で受信された電気信号であり得、受信された生理学的パラメータは、麻酔に関する、例えば、1つまたは複数の意識、痛覚および筋弛緩に関するパラメータであり得る。
【0028】
着用可能モニタは、1つまたは複数の腕、脚、顔、胸または首(例えば、喉仏)に固定するように適合させることができる。生理学的パラメータは、特に、着用可能モニタが胸または首に固定するように適合される場合は、呼吸パターンであり得る。
【0029】
着用可能モニタは、本体部分と、保持部分(例えば、包み込み部分)とを備えることができ、保持部分は、本体部分を取り外し可能に保持する(例えば、取り外し可能に包み込む)。本体部分は、着用可能モニタに測定された生理学的パラメータに関する信号をディスプレイするためのディスプレイ手段、または、着用可能モニタから測定された生理学的パラメータに関する音声を送信するための音声出力手段を備える。保持部分は、着用可能モニタを身体(一般に、哺乳動物、通常、ヒトの身体)に固定させるための1つまたは複数の固定要素と、生理学的反応の刺激および生理学的パラメータの測定のいずれかまたは両方のためのトランスデューサとを備える。本体部分は、保持部分によって(通常は、保持部分内で)取り外し可能に保持することができる。本体部分は、再利用可能であり得る。保持部分は、使い捨てであり得る。こうして、本体部分は、保持部分から取り外すことができ、後に、別の保持部分上に(通常は、保持部分内に)装着することができる。こうして、患者に接触する部分は使い捨てである。本体部分および保持部分は、電気接続部を備えることができ、本体部分は、保持部分のトランスデューサからの信号を制御または受信することが可能になる。身体接面は、通常、その上にトランスデューサを有する。身体接面は、通常、皮膚接面である。
【0030】
本発明は、第2の態様において、着用可能モニタのためのキットまでも拡大され、キットは、本体部分と、保持部分(例えば、包み込み部分)とを備えることができ、保持部分は、本体部分を取り外し可能に保持する(通常、取り外し可能に包み込む)。本体部分は、着用可能モニタに測定された生理学的パラメータに関する信号をディスプレイするためのディスプレイ手段、または、着用可能モニタから測定された生理学的パラメータに関する音声を送信するための音声出力手段を備える。保持部分は、着用可能モニタを身体(一般に、哺乳動物、通常、ヒトの身体)に固定させるための1つまたは複数の固定要素と、生理学的反応の刺激および生理学的パラメータの測定のいずれかまたは両方のためのトランスデューサとを備える。さらなる任意選択の特徴は、第1の態様に関して上で論じられたものに対応する。
【0031】
本発明は、第3の態様において、身体係合面(典型的には、皮膚係合面)を有するしなやかな細長い支持部材と、身体係合面を着用者の身体(典型的には、着用者の頭部、着用者は通常、哺乳動物、通常、例えば、ヒトの身体)に固定させるための1つまたは複数の固定要素と、しなやかな細長い支持部材に沿って長手方向に離間して配置された複数のトランスデューサとを備える着用可能トランスデューサ装着具まで拡大される。
【0032】
「トランスデューサ」により、本発明者らは、センサまたはアクチュエータを含める。そのまたはそれぞれのトランスデューサは、電極であり得る。トランスデューサ装着具は、電極装着具であり得る。トランスデューサ装着具は、トランスデューサを着用者の頭部に装着するためのものであり得、この場合、身体係合面は、頭部係合面である。身体係合面は、皮膚係合面であり得る。接着手段は、着用可能トランスデューサ装着具を皮膚に接着するよう構成され得る。
【0033】
通常、複数のトランスデューサは、身体係合面(典型的には、皮膚係合面)に沿って長手方向に離間して配置される。しかし、トランスデューサは、着用者の身体に接触する必要がない場合もある。例えば、トランスデューサは、非接触型容量センサであり得る。トランスデューサが着用者の身体に接触する必要がない場合は、身体係合面(例えば、皮膚係合面)に沿ってある程度の間隔を隔てた位置でのみ、身体係合面(例えば、皮膚係合面)が着用者の身体(例えば、皮膚)に接触し得る。そうでない場合は、身体係合面は、通常、しなやかな細長い支持部材の長さの少なくとも大部分(そして、場合により、すべて)に沿って連続的に着用者の身体(典型的には、頭部、例えば、皮膚)に接触するよう構成される。
【0034】
1つまたは複数の固定要素は、着用可能モニタを身体に接着させる接着手段であり得る。1つまたは複数の固定要素は、ヘッドバンドもしくはリストバンドなどのバンド、ヘッドセットまたは1つもしくは複数のクリップを含むことができる。1つまたは複数の固定要素は、着用可能モニタをバンドに接続するためのコネクタを含むことができる。
【0035】
本発明は、皮膚係合面を有するしなやかな細長い支持部材と、皮膚係合面を着用者の頭部に接着させる接着手段と、皮膚係合面上に長手方向に離間して配置された複数のトランスデューサとを備える着用可能トランスデューサ装着具まで拡大される。
【0036】
しなやかな細長い支持部材は、個々の着用者の身体の輪郭、例えば、個々の着用者の頭部の形状に合わせて容易に取り付けることができる。通常、しなやかな細長い支持部材が1つまたは複数の接着手段を備える場合は、接着手段は、細長い支持部材の長さの少なくとも大部分に沿って延在する。また、接着手段は、複数のトランスデューサによって占領されていない皮膚係合面の長さの少なくとも大部分に沿って延在させることもできる。
【0037】
接着手段は、1つまたは複数の接着ストリップを含むことができる。1つまたは複数のまたはそれぞれの接着ストリップは、剥離ストリップで覆うことができる。接着手段(例えば、1つまたは複数の接着ストリップ)は、それぞれのトランスデューサの片側に長手方向に延在するが、それぞれのトランスデューサの横方向には延在しないようにすることができる。これにより、接着手段がそれぞれのトランスデューサの周辺全体に延在する場合よりも狭い幅を有する(横方向への広がりが少ない)細長い支持部材を実現することができる。それに応じて、当該例以外の場合に占領されるであろう着用者の身体(例えば、着用者の頭部)の表面積よりも小さな表面積を占領するトランスデューサ装着具を提供することができる。表面積の最小化は、新生児もしくは非常に幼い患者の頭部または、例えば、手、または任意の部分へのトランスデューサの装着において特に役に立つ。
【0038】
「長手方向に」により、本発明者らは、細長い支持部材の長さに沿った方向を表す。「横方向に」により、本発明者らは、細長い支持部材の長さに垂直な方向、一般に、着用者の使用皮膚に平行な方向を表す。
【0039】
それぞれのトランスデューサ(例えば、電極)は、それぞれのトランスデューサ(例えば、電極)が装着された1つまたは複数のまたはそれぞれの皮膚係合面の幅の少なくとも75%、好ましくは、少なくとも90%の幅を有する。
【0040】
好ましくは、それぞれのトランスデューサ(例えば、電極)の領域、ならびに/または、隣接するそれぞれのトランスデューサおよび中間のそれぞれのトランスデューサの領域、ならびに/または、少なくとも隣接するそれぞれのトランスデューサの領域を含む細長い支持部材の長さの大部分に沿った領域、ならびに/または、細長い支持部材の全長に沿った領域における細長い支持部材の幅は、20mm未満、10mm未満、または好ましくは8mm未満である。
【0041】
好ましくは、それぞれのトランスデューサ(例えば、電極)の領域、ならびに/または、隣接するそれぞれのトランスデューサおよび中間のそれぞれのトランスデューサの領域、ならびに/または、少なくとも隣接するそれぞれのトランスデューサの領域を含む細長い支持部材の長さの大部分に沿った領域、ならびに/または、細長い支持部材の全長に沿った領域における細長い支持部材の幅は、少なくとも2mm、または好ましくは少なくとも4mmである。
【0042】
好ましくは、細長い支持部材は、その最大幅の10倍を超える長さを有する。
そのような寸法の細長い支持部材を有するトランスデューサ装着具は、それぞれのトランスデューサ装着具によって占領される空間を最小化して、着用者の頭部に接着させることができる。これは、着用者が麻酔中の患者、特に、脳外科手術などの頭部の手術を受ける患者である場合に特に重要であり得る。また、空間の節約は、新生児および幼児患者の手術の際も特に重要である。
【0043】
好ましくは、それぞれのトランスデューサ(例えば、電極)の領域、ならびに/または、隣接するそれぞれのトランスデューサおよび中間のそれぞれのトランスデューサの領域、ならびに/または、少なくとも隣接するそれぞれのトランスデューサの領域を含む細長い支持部材の長さの大部分に沿った領域、ならびに/または、細長い支持部材の全長に沿った領域における細長い支持部材の奥行きは、少なくとも2mm、または好ましくは少なくとも4mmであるが、10mm以上もあり得る。これにより、ユーザは、指の間にストリップを挟むことによって、トランスデューサ装着具を容易につかむことができる。これにより、トランスデューサ装着具をかなり容易に患者に配置することができる。
【0044】
したがって、身体係合面(例えば、皮膚係合面)に加えて、細長い支持部材は、表面に接着剤を有さない互いに少なくとも60度の角度の少なくとも2つの長手方向に延在する表面を備えることができる。これにより、接着剤に触れることなく細長い支持部材を挟むことができ、これは、挟むことができない、1つの接着性面およびたった1つのかなりの範囲にわたる非接着性面(反対側の表面)を有する幅広い平面シートとは対照的である。
【0045】
容易に挟めるようにするため、細長い支持部材は、少なくともそれぞれのトランスデューサ(例えば、電極)の領域、ならびに/または、隣接するそれぞれのトランスデューサおよび中間のそれぞれのトランスデューサの領域、ならびに/または、少なくとも隣接するそれぞれのトランスデューサの領域を含む細長い支持部材の長さの大部分に沿った領域、ならびに/または、細長い支持部材の全長に沿った領域において、0.25〜4.0、好ましくは0.5〜2.0、および最も好ましくは0.75〜1.50の厚さに対する幅の比を有することができる。
【0046】
接着手段は、細長い支持部材内に設けられる1つまたは複数の圧縮性チャンバと、細長い支持部材を通じてそれぞれの圧縮性チャンバから身体係合面(典型的には、皮膚係合面)まで延在する少なくとも1つの開口部とを備えることができる。通常、1つまたは複数のまたはそれぞれの圧縮性チャンバは、1つまたは複数のそれぞれの開口部を除いて、気密である。こうして、細長い支持部材は、例えば、挟むことによって1つまたは複数の圧縮性チャンバを圧縮し、身体係合面(典型的には、皮膚係合面)を患者の身体(例えば、頭部)に取り付けることによって、この時点で圧縮性チャンバ内で得られた低圧状態により、トランスデューサ装着具が患者の身体(例えば、頭部)に吸着され、患者の身体(例えば、頭部)に接着させることができる。1つまたは複数の圧縮性チャンバに加えて、1つまたは複数の接着部材を設けることができる。
【0047】
それに応じて、トランスデューサ装着具は、患者の身体(例えば、頭部)、例えば、額にかかるように好都合に位置付けすることができ、細長い支持部材を挟み、細長い支持部材を所望の形状に屈曲させ、患者の身体(例えば、頭部)に接触させ、吸着によって少なくともある程度保持すると同時に放置することによって、患者の身体(例えば、頭部)に接着させることができる。
【0048】
細長い支持部材は、好ましくは、しなやかな材料から形成される。細長い支持部材は、変形された形状を保持することができる柔軟な材料から形成することができる。細長い支持部材は、弾性を有するものであり得る。
【0049】
細長い支持部材は、好ましくは、座屈することなく、10cm未満、好ましくは5cm未満または2.5cm未満の曲率半径で、身体係合面に垂直な軸の周りで可撓である。こうして、トランスデューサ装着具は、座屈することなく、患者の頭部に合わせて好都合に成形することができる。少なくともそれぞれのトランスデューサ(例えば、電極)の領域、ならびに/または、隣接するそれぞれのトランスデューサおよび中間のそれぞれのトランスデューサの領域、ならびに/または、トランスデューサ支持部材の長さの大部分に沿った領域において、0.25〜4.0、好ましくは0.5〜2.0、および最も好ましくは0.75〜1.50の厚さに対する幅の比を有する細長い支持部材を設ける別の利点は、座屈することなく、身体係合面に垂直な軸の周りで容易に屈曲することである。これは、身体係合面に垂直な軸の周りでかなり屈曲させた場合に容易に座屈する公知の薄い幅広いシートとは対照的である。
【0050】
細長い支持部材は、その長さの大部分に沿って三面の断面を有することができる。細長い支持部材は、概して、三角面または三角形の断面であり得る。細長い支持部材は、概して、三角柱であり得る。三角形は、概して、二等辺、例えば、概して、等辺であり得る。
【0051】
細長い支持部材は、細長い支持部材の周辺領域よりも身体係合面からさらに延伸する1つまたは複数の隆起した部分を有することができる。隆起した部分は、互いにある程度の間隔を隔てることができる。隆起した部分は、細長い支持部材の隣接する(例えば、中間の)領域よりも2mm〜10mm大きい奥行きを有することができる。1つまたは複数の隆起した部分を設けることにより、細長い支持部材を着用者の頭部に取り付ける際、細長い支持部材の手動での取り扱いが容易になる。
【0052】
トランスデューサ装着具は、細長い支持部材の身体係合面(典型的には、皮膚係合面)に少なくとも3つの電極を備えることができる。したがって、トランスデューサ装着具は、EEG信号をモニタリングするため、例えば、着用者に関する1つまたは複数の麻酔関連パラメータをモニタリングするための頭部装着可能トランスデューサ装着具であり得る。麻酔深度関連パラメータは、例えば、認識レベル、痛覚または筋弛緩であり得る。電気回路は、例えば、測定可能な反応を生成する電極である1つまたは複数のトランスデューサを使用して電気刺激を与えるために設けることができる。
【0053】
トランスデューサが電極である場合、トランスデューサ装着具は、好ましくは座屈することなく、少なくとも2つの電極を着用者のアイライン上方の額上に、そして第3の電極を着用者のアイライン下方の頬上に保持するように形成することができる。こうして、トランスデューサ装着具は、座屈することなく、着用者の額と頬との間の耳の前部、上部または後部のいずれかで湾曲させるため、前記少なくとも2つの電極と前記第3の電極との中間ゾーンにおいて、本質的に十分に湾曲させることができるか、または、十分可撓であり得る。
【0054】
トランスデューサ装着具は、患者の後頭部の周りに少なくともある程度延在するように適合させることができる。トランスデューサ装着具は、患者の頭部を跨ぐ形で延在するように適合させることができる。
【0055】
あるいは、トランスデューサ装着具は、接続部材と、身体係合面、身体係合面を着用者の身体(例えば、頭部)に接着させる接着手段および第1のしなやかな細長い支持材の皮膚係合面上の複数のトランスデューサ(例えば、電極)を有する接続部材から延在する第1のしなやかな細長い支持部材と、身体係合面、身体係合面を着用者の身体(例えば、頭部)に接着させる接着手段、および第2のしなやかな細長い支持材の身体係合面上の少なくとも1つのトランスデューサ(例えば、電極)を有しかつ接続部材から延在する第2のしなやかな細長い支持部材とを備えることができ、第1および第2のしなやかな細長い支持部材は、ある程度の間隔を隔てた位置で接続部材から延在する。接続部材は、第1のしなやかな細長い支持部材と第2のしなやかな細長い支持部材との間で延在する、弾性を有するものまたは剛性湾曲部材であり得る。
【0056】
アイライン上方の額上に取り付けるための電極およびアイライン下方の頬上に取り付けるための少なくとも1つの電極を備えるトランスデューサ装着具を提供することにより、これらの離れた位置において、好都合に電極を適用および保持することが容易になる。しかし、細長い支持部材は、アイライン上方の場所に対して、3つ以上の電極を備えることができる。
【0057】
トランスデューサ装着具は、少なくとも2つの電極を患者のアイライン上方に、そして、少なくとも2つの電極を患者のアイライン下方に保持するよう形成し、患者の左側または右側におけるトランスデューサ装着具の使用を容易にすることができる。トランスデューサ装着具は、患者の右側の左側における使用を容易にするために、左右対称性を有することができる。
【0058】
接続部材は、着用者の耳内で音声を発生させるための音声発生モジュール、または、音声発生モジュールをトランスデューサ装着具に取り外し可能に取り付けるための装備品を備えることができる。装備品は、2つの反対側の向きのいずれかにおいて、音声発生モジュールを保持することを可能にし、患者の身体の片側、例えば、患者の頭部の片側へのトランスデューサの位置付けを容易に行うことができる。拡声器などの音声発生モジュールを使用して、着用者で聴覚誘発電位を発生させることができる。この場合、トランスデューサは、誘発電位の測定に使用される電極であり得る。音声発生モジュールは、着用者の耳腔まで延在するよう構成される拡声器を備えることができる。あるいは、音声発生モジュールは、拡声器と、着用者の頭部に接触して、頭蓋骨を通じた導通によって着用者の蝸牛に音声を送信する拡声器を位置付けるための装着具とを備えることができる。後者の場合、音声発生モジュールは、好ましくは、耳の穴を塞ぐことなく、着用者の頭部の耳に隣接する場所と接触する形で装着するように適合される。これにより、着用者(例えば、患者)は、周囲の音声をより良好に聴き取ることができる。
【0059】
トランスデューサ装着具は、外部データ処理装置との電子通信のための、ワイヤもしくはワイヤレス接続であり得る、1つまたは複数のインターフェースを備えることができる。トランスデューサ装着具は、内部電源、例えば、バッテリを備えることができる。トランスデューサ装着具は、プロセッサを備えることができる。プロセッサは、1つまたは複数のトランスデューサ(典型的には、電極)と着用者との間の電気接続の質を算出するよう動作可能とすることができる。プロセッサは、1つまたは複数の前記トランスデューサ(例えば、電極)を使用して行われた測定から生理学的パラメータを計算するよう動作可能とすることができる。
【0060】
細長い支持部材の長さは調整可能であり得る。例えば、細長い支持部材は、弾性部分と、長手方向に互いに対して滑動可能な2つの部分と、可撓性の蛇腹状部分と、収縮可能部分と、取り外し可能部分とを備えることができる。細長い支持部材は、接続部分または筺体に調節可能に装着することができ、細長い支持部材が接続部分または筺体から延在する距離を変化させることができる。接続部分または筺体は、患者の耳に、その周囲にもしくはその近くの場所に対するものであり得、AEPを発生させるための拡声器を備えることができる。例えば、細長い支持部材および接続部分または筺体は、互いに対して滑動可能に装着することができる。細長い支持部材および接続部分または筺体は、2つ以上の長手方向の位置において、互いに対して取り外し可能に係合できる協働構成を有することができる。細長い支持部材は、筺体から延在し、少なくともある程度筺体に引き込み可能なものであり得る。筺体は拡声器を備えることができ、拡声器の位置は、細長い支持部材に対して動作可能であり得る。接続部分または筺体と細長い支持部材との間の取り付けは、可逆的であり得、その結果、接続部分または筺体は、2つの反対側の向きのいずれかにおいて細長い支持部材に取り外し可能に取り付けられ得、患者の片側、例えば、患者の頭部の左側または右側のいずれかに取り付け可能なトランスデューサ装着具を容易に提供することができる。
【0061】
トランスデューサ装着具は、本体部分と、本体部分を取り外し可能に保持する(例えば、取り外し可能に包み込む)保持部分(例えば、包み込み部分)とを備えることができる。保持部分は、しなやかな細長い支持部材と、接着手段と、身体係合面上に長手方向に離間して配置された複数のトランスデューサとを備える。本体部分は、着用可能トランスデューサで測定された生理学的パラメータに関する信号をディスプレイするためのディスプレイ手段、または、着用可能トランスデューサで測定された生理学的パラメータに関する音声を送信するための音声出力手段を備える。本体部分は、保持部分によって(例えば、保持部分内で)取り外し可能に保持することができる。本体部分は、再利用可能であり得る。保持部分は、使い捨てであり得る。こうして、本体部分は、保持部分から取り外すことができ、後に、別の保持部分内に装着することができる。こうして、患者に接触する部分は使い捨てである。本体部分および保持部分は、電気接続部を備えることができ、本体部分は、保持部分のトランスデューサからの信号を制御または受信することが可能になる。身体係合面は、皮膚係合面であり得る。
【0062】
また、本発明は、第4の態様において、トランスデューサ装着具のためのキットまでも拡大され、キットは、本体部分と、本体部分を取り外し可能に保持する(例えば、取り外し可能に包み込む)よう構成された保持部分(例えば、包み込み部分)とを備えることができる。保持部分は、しなやかな細長い支持部材と、接着手段と、身体係合面上に長手方向に離間して配置された複数のトランスデューサとを備える。本体部分は、着用可能トランスデューサで測定された生理学的パラメータに関する信号をディスプレイするためのディスプレイ手段、または、着用可能トランスデューサで測定された生理学的パラメータに関する音声を送信するための音声出力手段を備える。さらなる任意選択の特徴は、第3の態様に関して上で論じられたものに対応する。
【0063】
ここで、本発明の実施形態の実施例を以下の図を参照して示す。
【図面の簡単な説明】
【0064】
【図1】頭部係合側から見た、ヘッドホンの斜視図である。
【図2A】2つの異なる角度から見た、着用者に接着される、ヘッドホンの外方対向面側を示す。
【図2B】2つの異なる角度から見た、着用者に接着される、ヘッドホンの外方対向面側を示す。
【図3A】代替のヘッドホンの対応する画像を提供する。
【図3B】代替のヘッドホンの対応する画像を提供する。
【図4A】2つの別々の電極装着具を使用する、本発明の一実施形態を示す。
【図4B】2つの別々の電極装着具を使用する、本発明の一実施形態を示す。
【図5】しなやかな細長い支持部材の斜視図である。
【図6A】代替のしなやかな細長い支持部材の断面図である。
【図6B】代替のしなやかな細長い支持部材の断面図である。
【図6C】代替のしなやかな細長い支持部材の断面図である。
【図6D】代替のしなやかな細長い支持部材の断面図である。
【図6E】代替のしなやかな細長い支持部材の断面図である。
【図7】ヘッドホンに取り外し可能に取り付けられる、耳装着可能トランスデューサを示す。
【図8】図7の耳装着可能トランスデューサを組み込むヘッドホンの側面図である。
【図9】代替の数値のディスプレイを示す。
【図10】パッチの形態の着用可能モニタを上から見た平面図である。
【図11】図10の着用可能モニタの下側の平面図である。
【発明を実施するための形態】
【0065】
図1〜3を参照すると、ヘッドホン1(トランスデューサ装着具としておよび着用可能モニタとして機能する)は、第1の可撓性アーム2aと第2の可撓性アーム2bを備える。第1および第2の可撓性アームは、各々がしなやかな細長い支持部材として機能するか、または、それらのアームが連続的な実施形態では、一緒になってしなやかな細長い支持部材を形成することができる。
【0066】
第1および第2の可撓性アームは、溝線8内でイヤホン6の周りに延在し、それを保持する接続部分4と一体的に形成される。第1および第2の可撓性アームは、しなやかな材料から形成され、各々が頭部係合面10を有する。第1の可撓性アームの頭部係合面は、長手方向に離間して配置された2つの細長い電極12を有し、第2の可撓性アームの頭部係合面は、1つの細長い電極を有する。アームは、通常、接続部分から5〜10cm延在する。第1の例示的な構成では、その長さの大部分に沿って約5mmの幅および約5mmの奥行きを有する。
【0067】
第1および第2の可撓性アームは、その長さの大部分に沿って頭部係合面上に、近位領域16からそれぞれの遠位端18まで、コンタクト接着剤のストリップ14を有するが、コンタクト接着剤は電極によって中断される。コンタクト接着剤は、それぞれの電極の横方向には延在しない。これにより、第1および第2の可撓性アームの幅を、それぞれの電極の周辺全体に接着剤が延在する場合に得られるであろう幅よりもかなり狭くすることができる。コンタクト接着剤は、使用前に取り除くことができる剥離ライニング(図示せず)で覆うことができる。電極は、導電性ゲル(図示せず)で覆うことができ、剥離ライニングは、使用前にゲルを保存するために導電性ゲル全体にわたって延在することもできる。
【0068】
イヤホンは拡声器20を備え、拡声器は着用者の耳の穴まで延在して音声を発生させる。こうして、ヘッドホンは電極装着具として機能するアームを備え、ヘッドホンは着用可能モニタとしても機能する。イヤホンは、イヤホンの外表面と同一平面上にあるディスプレイ画面22も備え、ディスプレイ画面については以下でさらに論じる。細長いアームの外表面上にはLED光源24が設けられ、LED光源は、例えば、可撓性有機発光ポリマーから形成され、その各々は、ヘッドホンを着用者の頭部に取り付けた場合にそれぞれのLED光源が対応する電極の真上に位置するように位置付けされる。
【0069】
ヘッドホンは、通常、1つまたは複数のインターフェースも備える。例えば、ヘッドホンは、ワイヤ接続を設けて、ヘッドホンの電極を使用した、遠隔モニタリング装置26によるEEG信号などの信号の測定を可能にすることができる。この場合、遠隔モニタリング装置は、ワイヤ接続を通じて電力を供給し、LED光源およびディスプレイ画面を作動させることができる。遠隔モニタリング装置は、ヘッドホンを使用してモニタリングされた生理学的パラメータをディスプレイするための画面28を備えることができる。しかし、好ましくは、ヘッドホンは、バッテリなどの内部電源と、測定データを送信するためのワイヤレス通信インターフェースとを備え、いくつかの実施形態では、遠隔モニタリング装置から計算された生理学的測定値に関するデータを受信する。いくつかの実施形態では、ヘッドホンは、内部電源と、電極を使用して生理学的測定値を計算することができるプロセッサと、遠隔モニタリング装置に全く頼らずに、LED光源およびディスプレイ画面を使用して生理学的測定値を示す、市場に存在する他のセンサとを備える。しかし、この場合、すなわち、ヘッドホンが独立型デバイスとして機能することができる場合でさえ、ヘッドホンは、任意選択の遠隔モニタリング装置に生理学的測定値を伝達するためのワイヤレスインターフェースを備えることができる。
【0070】
ここで、患者が麻酔にかけられる手術中の患者の意識レベルを測定するための、EEG信号のモニタリングへのヘッドホンの適用例について説明する。しかし、ヘッドホンは、他の状況においても使用することができる。例えば、工場設備または車両などの機械を操作する人物の疲労具合をモニタリングする場合にも使用することができる。
【0071】
患者の頭部にヘッドホンを取り付けるため、少なくとも一部の接着ストリップから剥離紙を取り除く。ユーザ、例えば、手術のために患者の準備を整える開業医は、アームの一方の一部を患者と接触させる。患者の頭部の所望の位置に単一の電極を位置付けすることから始めてもよい。あるいは、アームの一方の一端、例えば、遠位端または近位領域を位置付けすることから始めてもよい。図5および6A〜6Eで示されるように、アームをユーザの親指と人差し指との間に挟み、ユーザが好都合にアームを屈曲させることを可能にすることができる。また、ユーザは、一部を一方の手の親指と人差し指との間に挟み、数センチメートル離れた他の部分を他方の手の親指と人差し指との間に挟み、両手を動かしてアームを屈曲させることによって、アームの一部を屈曲させる場合もある。こうして、ユーザは、解剖学的特徴の独特のサイズおよび形状を考慮して、アームを折曲させ、患者の頭部に所望の形状を取り入れることができる。ユーザの進み具合に伴い、接着剤を患者の頭部に圧着させることができる。ユーザは、他方のアームを別々に患者に取り付ける前に、一方のアームの取り付けを完了する場合がある。その場合、イヤホンは、接続部分内に装着することができる。あるいは、イヤホンは、既にヘッドホンに取り付けられており、アームの取り付けを開始する前に、ユーザがまず拡声器を患者の耳内に位置付けする場合もある。
【0072】
それぞれの電極を皮膚に取り付けると、電極の反対側のLED光源が発光し、電極と患者の皮膚との間の電気接続の質を示す。電気接続の質は、それぞれのLED光源によって放出された光の強度または色によって伝達することができる。例えば、電極が最初に患者の皮膚に接触する際に着色光が放出され、電気接続の質が十分良好である(十分に抵抗が低い)際に明るい白色光が放出され得る。すべての電極が適切な電気接続を形成した際に視覚的に表示するため、さまざまなLED光源がさらなる信号(例えば、色もしくは強度を変化させるか、または、既定のパターンで照射する)を放出することができる。電極が患者に固定されている間に、その場でおよび電極の真上で電気接続の質の視覚的表示を提供することによって、ユーザは、フィードバックを速やかに受信することができ、迅速かつ効果的にヘッドホンを取り付ける際に役に立つ。
【0073】
適用例では、ヘッドホンは、ワイヤ接続によって遠隔モニタリングインターフェースに取り付けられる。各電極からの電気信号は、ワイヤ接続を通じて遠隔モニタリングインターフェースに伝達される。遠隔モニタリングインターフェースは、各電極からの電気信号を使用して、患者のEEGを分析し、意識レベル(生理学的パラメータの例である)などの麻酔に関連するパラメータを決定する。得られた意識レベルは、遠隔ディスプレイ上にディスプレイされ、絶え間なく更新される。
【0074】
EEG信号を分析し、患者の意識レベルを決定する多くの方法が当業者に知られている。例えば、BISスケール(BISはAspect Medical,Inc.の商標である)に従って、EEG信号のバイスペクトルパワーを測定し、これを意識レベルとしてディスプレイすることが知られている。頬へ装着する電極を使用して、認識レベルの測定値を計算し、顔面筋電図(EMG)信号により干渉を補償する代替方法が国際公開第2008/138340号パンフレット(Morpheus Medical)で開示され、その内容はこの参照により本明細書に組み込まれる。
【0075】
非誘発性EEG信号の処理による意識レベルの測定と同様に、拡声器を使用して患者の耳内で音声を発生することができ、これは順に、聴覚誘発電位(AEP)を患者の脳内で生成し、EEG信号から抽出し、分析して意識レベルを決定することができる。AEPを生成し、得られた信号を分析して意識レベルを決定する方法は、例えば、その内容がこの参照により本明細書に組み込まれる、国際公開第2001/074248号パンフレット(Danmeter A/S)およびMethods of Information in Medicine,(1996),vol.35,pp.256−260,“Autoregressive Modeling with Exogenous Input of Middle−Latency Auditory−Evoked Potentials to Measure Rapid Changes in Depth of Anesthesia”(E.W.Jensen et al)で知られている。
【0076】
さらに、計算された意識レベルの表示はまた、ワイヤ接続を通じてヘッドホンに返信され、イヤホンの内部にある画面上にディスプレイされる。表示は、数値である場合があるが、1つまたは複数の光源によって放出される光の色または強度でもあり得る。また、スケールを使用して表示される場合もあり、例えば、同時に照射される、円の周りに配置された隣接する光源の数によって計算された意識レベルを表示することができる。
【0077】
その場で測定された生理学的パラメータをディスプレイすることによって、開業医、例えば、麻酔医は、患者を直接見ながら生理学的パラメータの表示を視察することができる。この場合、生理学的パラメータは、脳の機能と関連し、開業医が患者の頭部の方を直接見ながら視察することができる。これにより、開業医は、別々のモニタの方向に視線を巡らす必要性を回避または低減し、患者にさらに集中することができる。
【0078】
いくつかの実施形態では、2つ以上の測定された生理学的パラメータ、例えば、麻酔に関連する2つ以上の測定値を同時にディスプレイすることができる。こうして、誘発電位とは無関係な意識深度の測定値と、聴覚誘発電位の分析に基づく意識深度の測定値の両方を同時にディスプレイすることができる。例えば、光源の第1の外円に照射される隣接する光源の数および光源の第2の内円に照射される隣接する光源の数はそれぞれ、麻酔に関連するパラメータのそれぞれの測定値に依存し得る。
【0079】
追加のセンサを設けて、血圧、血中酸素濃度、心拍数または1つもしくは複数の分子濃度、例えば、血流における特定のホルモンなどのデータを測定することができる。追加のセンサは、ヘッドホンまたは他の着用可能モニタと一体化することができるが、追加のセンサは、ワイヤまたはワイヤレス接続を通じて、測定された生理学的パラメータをヘッドホンまたは他の着用可能モニタに伝達する遠隔センサであり得る。
【0080】
ヘッドホンのアームおよび構成全体の正確な形状は、特定の適用例に適合させることができる。図5を参照すると、アームは、例えば、電極の真上または長手方向に離間して配置された電極間に、隆起した部分を備えることができる。隆起した部分は、追加の好都合なつかみ点を提供し、アームの形状の操作を容易にする。
【0081】
図6A〜6Eを参照すると、ヘッドホンのアームは、任意のいくつかの異なる断面を有することができ、例えば、円形または三角形であり得、容易に挟めるように長手方向に延在するフランジを備えることができる。通常、断面は、アームを好都合に保持し、親指と人差し指との間に挟んで、好ましくは、親指と人差し指が接触している状態で操作できるように選択される。
【0082】
アームは、プラスチック材料などのしなやかな可撓性材料またはシリコン系材料から作成される。材料は、弾性を有するものまたは屈曲させたときにその形状を保持しないものであり得る。材料は、アームが頭部係合面の平面において座屈することなく10cm以下、好ましくはそれ未満の曲率半径で湾曲できるように選択される。こうして、アームは、接着性材料の幅広い平面シートよりも、患者の頭部の形状に合わせて良好に調整することができる。
【0083】
ヘッドホンは、いくつかの異なる方法で患者に接着することができる。例えば、代替の実施形態では、電極の外側縁に沿って少量の接着剤を設けることができる。この場合、各電極は、通常、それぞれの可撓性アームの頭部係合面の幅の少なくとも75%、より典型的には少なくとも90%の幅を有していた。
【0084】
アームは、チャンバから頭部係合面まで延在する可撓性壁およびチャネルを有する複数のチャンバを備えることができる。こうして、アームを挟む際にチャンバから空気が取り除かれ、チャンバは患者の頭部に取り付けられ、圧力は放出される。チャンバ内の低減された圧力は、吸着力をもたらし、アームを適所に保持する。これにより、アームを保持するにはそれ自体で十分であり得、したがって、電極は適所に位置する。しかし、この接着機構は、接着ストリップと組み合わせて、長期間にわたる接着を改善することができる。
【0085】
例示的な実施形態は、AEPを発生させるための拡声器を備えるヘッドホンに関するが、ヘッドホンは、図3Aおよび3Bで示されるように、イヤホンなしでも提供され得る。ヘッドホンは接続部分が欠如する場合もあり、本発明は、単一のしなやかな細長い支持部材を有する電極支持部も包含するか、または、図4Aおよび4Bで示されるように、各々が1つまたは複数の電極を保持する2つの電極支持部を組み合わせて使用することができる。2つ以上の電極支持部は、ワイヤまたはワイヤレス接続を通じて、遠隔モニタリング装置と通信することができるか、または、互いに通信することができる。
【0086】
代替の実施形態では、単一のしなやかな細長い支持部材によって支持される、より多くのまたはより少ない数の長手方向に離間して配置された電極を設けることができる。例えば、患者の使用額上の場所に対して、例えば、3、4、または4つを超える長手方向に離間して配置された電極を、単一のしなやかな細長い支持部材の頭部係合面上に設けることができる。
【0087】
内蔵ディスプレイ手段を有する着用可能モニタは、ヘッドホン以外の多くの状況において有用であり得る。例えば、着用可能モニタは、身体の他の部分に貼付し、着用可能モニタ上で、その場でのディスプレイに有用な、任意の多数の異なる生理学的パラメータを測定することができる。例えば、図10および11を参照すると、着用可能モニタは、接着パッチ100として形成することもでき、接着パッチは、患者の使用皮膚に面する接着性の皮膚係合面104で少なくともある程度取り囲まれる感知面106と、接着パッチの反対側の外表面上の内蔵ディスプレイ102とを有する。感知面は、例えば、光源108と、オキシメータとして機能する光検出器110とを備え、血中酸素濃度、1つまたは複数の塩もしくは他の分子の濃度、心拍数または任意の他の測定可能な生理学的パラメータを測定することができる。生理学的パラメータまたはそれに由来するパラメータは、数値、グラフ、チャート、アイコンとしてまたは任意の他の方法で内蔵ディスプレイ上に示すことができる。
【0088】
着用可能モニタは、内部電源(例えば、内部バッテリ)または環境発電電源(例えば、周囲の熱または電磁場から電力を得る)を有し得、可撓性膜、プラスチック電子回路、可撓性感知面および可撓性バッテリなどの可撓性コンポーネントから形成することができる。
【0089】
本明細書に開示される本発明の範囲内において、さらなる変形形態および変更形態が可能である。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
着用可能モニタを身体に固定させるための1つまたは複数の固定要素と、身体接面と、生理学的反応の刺激および生理学的パラメータの測定のいずれかまたは両方のためのトランスデューサと、前記着用可能モニタに測定された生理学的パラメータに関する信号をディスプレイするための、前記着用可能モニタに内蔵されたディスプレイ手段、または、前記着用可能モニタから測定された生理学的パラメータに関する音声を送信するための、前記着用可能モニタに内蔵された音声出力手段とを備える、着用可能モニタ。
【請求項2】
前記身体接面が、その上に前記トランスデューサを有する、請求項1に記載の着用可能モニタ。
【請求項3】
前記身体接面が皮膚接面である、請求項1または2に記載の着用可能モニタ。
【請求項4】
前記1つまたは複数の固定要素が、1つまたは複数の接着手段を備える、請求項1〜3のいずれか一項に記載の着用可能モニタ。
【請求項5】
前記ディスプレイ手段または音声出力手段が、前記着用可能モニタに測定された生理学的パラメータに関する信号をディスプレイするためまたは前記着用可能モニタで測定された生理学的パラメータに関する音声を送信するためのディスプレイ手段である、請求項1〜4のいずれか一項に記載の着用可能モニタ。
【請求項6】
前記生理学的パラメータが、前記着用可能モニタを取り付けることができる前記身体の一部に特有のパラメータである、請求項1〜5のいずれか一項に記載の着用可能モニタ。
【請求項7】
前記着用可能モニタが着用可能センサであり、前記トランスデューサがセンサである、請求項1〜6のいずれか一項に記載の着用可能モニタ。
【請求項8】
前記トランスデューサがアクチュエータを含む、請求項1〜7のいずれか一項に記載の着用可能モニタ。
【請求項9】
前記ディスプレイ手段が、前記着用可能モニタから著しく突出しない、請求項1〜8のいずれか一項に記載の着用可能モニタ。
【請求項10】
前記着用可能モニタが身体係合面および反対側の外表面を有し、前記ディスプレイ手段が前記外表面と同一平面上にある、請求項1〜9のいずれか一項に記載の着用可能モニタ。
【請求項11】
前記ディスプレイ手段が、電極と身体との間の電気接続の質に応じて視覚信号をディスプレイする、請求項1〜10のいずれか一項に記載の着用可能モニタ。
【請求項12】
前記着用可能モニタが1つまたは複数の電極を備え、電極と身体との間の前記電気接続の質に応じて視覚表示をディスプレイするよう動作可能な視覚表示器が、前記着用可能モニタの外表面に位置し、それぞれの電極の真上に位置する、請求項11に記載の着用可能モニタ。
【請求項13】
前記ディスプレイ手段が、光源から放出される光の強度または色により、測定された生理学的パラメータに関する視覚信号をディスプレイするよう動作可能な1つまたは複数の光源を備える、請求項1〜12のいずれか一項に記載の着用可能モニタ。
【請求項14】
前記ディスプレイ手段が、測定された生理学的パラメータに関する数値またはテキストを含む画像をディスプレイするよう動作可能である、請求項1〜13のいずれか一項に記載の着用可能モニタ。
【請求項15】
前記ディスプレイ手段が、少なくとも8cm2の最小ディスプレイ面積を備える、請求項1〜14のいずれか一項に記載の着用可能モニタ。
【請求項16】
前記ディスプレイ手段が、2つ以上の生理学的パラメータに関する視覚信号をディスプレイするよう動作可能である、請求項1〜15のいずれか一項に記載の着用可能モニタ。
【請求項17】
測定信号を遠隔プロセッサへ伝達するよう動作可能であり、前記伝達された測定信号を考慮して計算された生理学的パラメータを受信するよう動作可能であり、前記ディスプレイ手段が、前記受信された計算された生理学的パラメータに関する視覚表示をディスプレイする、請求項1〜16のいずれか一項に記載の着用可能モニタ。
【請求項18】
本体部分と、保持部分とを備える着用可能モニタであって、前記保持部分が、前記本体部分を取り外し可能に保持し、前記本体部分が、前記着用可能モニタに測定された生理学的パラメータに関する信号をディスプレイするためのディスプレイ手段、または、前記着用可能モニタから測定された生理学的パラメータに関する音声を送信するための音声出力手段を備え、前記保持部分が、前記着用可能モニタを身体に固定させるための1つまたは複数の固定要素と、身体接面と、生理学的反応の刺激および生理学的パラメータの測定のいずれかまたは両方のためのトランスデューサとを備える、着用可能モニタ。
【請求項19】
着用可能モニタのためのキットであって、キットが、本体部分と、保持部分とを備え、前記保持部分が、前記本体部分を取り外し可能に保持し、前記本体部分が、前記着用可能モニタに測定された生理学的パラメータに関する信号をディスプレイするためのディスプレイ手段、または、前記着用可能モニタから測定された生理学的パラメータに関する音声を送信するための音声出力手段を備え、前記保持部分が、前記着用可能モニタを身体(一般に、哺乳動物、通常、ヒトの身体)に固定させるための1つまたは複数の固定要素と、身体接面と、生理学的反応の刺激および生理学的パラメータの測定のいずれかまたは両方のためのトランスデューサとを備える、キット。
【請求項20】
身体係合面を有するしなやかな細長い支持部材と、前記身体係合面を着用者の身体に固定させるための1つまたは複数の固定要素と、前記しなやかな細長い支持部材に沿って長手方向に離間して配置された複数のトランスデューサとを備える、着用可能トランスデューサ装着具。
【請求項21】
前記トランスデューサが、前記身体係合面に沿って長手方向に離間して配置される、請求項20に記載のトランスデューサ装着具。
【請求項22】
前記トランスデューサが電極である、請求項20または21に記載のトランスデューサ装着具。
【請求項23】
前記トランスデューサ装着具がトランスデューサを着用者の頭部に装着するためのものであり、前記身体係合面が皮膚係合面である、請求項20〜22のいずれか一項に記載のトランスデューサ装着具。
【請求項24】
前記しなやかな細長い支持部材の前記身体係合面が頭部係合面であり、前記複数のトランスデューサが前記頭部係合面上に長手方向に離間して配置される複数の電極である、請求項20〜23のいずれか一項に記載のトランスデューサ装着具。
【請求項25】
前記1つまたは複数の固定具が接着手段である、請求項20〜24のいずれか一項に記載のトランスデューサ装着具。
【請求項26】
前記接着手段が1つまたは複数の接着ストリップを含む、請求項25に記載のトランスデューサ装着具。
【請求項27】
前記接着手段が、それぞれのトランスデューサの片側に長手方向に延在するが、それぞれのトランスデューサの横方向には延在しない、請求項25または26に記載のトランスデューサ装着具。
【請求項28】
前記接着手段が、前記細長い支持部材内に設けられる1つまたは複数の圧縮性チャンバと、前記細長い支持部材を通じてそれぞれの圧縮性チャンバから前記皮膚係合面まで延在する少なくとも1つの開口部とを備える、請求項25〜27のいずれか一項に記載のトランスデューサ装着具。
【請求項29】
それぞれのトランスデューサが、前記それぞれの電極が装着された前記身体係合面の幅の少なくとも75%の幅を有する、請求項20〜28のいずれか一項に記載のトランスデューサ装着具。
【請求項30】
それぞれのトランスデューサの領域における前記細長い支持部材の幅が20mm未満である、請求項20〜29のいずれか一項に記載のトランスデューサ装着具。
【請求項31】
前記細長い支持部材が、その最大幅の10倍を超える長さを有する、請求項20〜30のいずれか一項に記載のトランスデューサ装着具。
【請求項32】
それぞれのトランスデューサの領域における前記トランスデューサ装着具の奥行きが少なくとも2mmである、請求項20〜31のいずれか一項に記載のトランスデューサ装着具。
【請求項33】
前記細長い支持部材が、少なくともそれぞれのトランスデューサの領域において、0.25〜4.0の厚さに対する幅の比を有することができる、請求項20〜31のいずれか一項に記載のトランスデューサ装着具。
【請求項34】
10cm未満の曲率半径で、前記皮膚係合面に垂直な軸の周りで可撓である、請求項20〜33のいずれか一項に記載のトランスデューサ装着具。
【請求項35】
その長さの大部分に沿って三面の断面を有する、請求項20〜34のいずれか一項に記載のトランスデューサ装着具。
【請求項36】
前記細長い支持部材が、前記細長い支持部材の周辺領域よりも前記皮膚係合面からさらに延伸する1つまたは複数の隆起した部分を備える、請求項20〜35のいずれか一項に記載のトランスデューサ装着具。
【請求項37】
少なくとも2つの電極を着用者のアイライン上方の額上に、そして第3の電極を着用者の前記アイライン下方の頬上に保持するよう形成される、請求項20〜36のいずれか一項に記載のトランスデューサ装着具。
【請求項38】
前記トランスデューサ装着具が、接続部材と、皮膚係合面、前記皮膚係合面を着用者の頭部に接着させる接着手段、および第1のしなやかな細長い支持材の前記皮膚係合面上の複数のトランスデューサを有する前記接続部材から延在する第1のしなやかな細長い支持部材と、皮膚係合面、前記皮膚係合面を着用者の頭部に接着させる接着手段および第2のしなやかな細長い支持材の前記皮膚係合面上の少なくとも1つのトランスデューサを有しかつ前記接続部材から延在する第2のしなやかな細長い支持部材とを備えることができ、前記第1および第2のしなやかな細長い支持部材が、ある程度の間隔を隔てた位置で前記接続部材から延在する、請求項20〜37のいずれか一項に記載のトランスデューサ装着具。
【請求項39】
前記接続部材が、着用者の耳内で音声を発生させるための音声発生モジュール、または、音声発生モジュールを前記トランスデューサ装着具に取り外し可能に取り付けるための装備品を備える、請求項20〜38のいずれか一項に記載のトランスデューサ装着具。
【請求項40】
本体部分と、前記本体部分を取り外し可能に保持する保持部分とを備え、前記保持部分が、前記しなやかな細長い支持部材と、前記1つまたは複数の固定要素と、前記しなやかな細長い支持部材に沿って長手方向に離間して配置された複数のトランスデューサとを備え、前記本体部分が、前記トランスデューサで測定された生理学的パラメータに関する信号をディスプレイするためのディスプレイ手段、または、前記トランスデューサで測定された生理学的パラメータに関する音声を送信するための音声出力手段を備える、請求項20〜39のいずれか一項に記載のトランスデューサ装着具。
【請求項41】
トランスデューサ装着具のためのキットであって、キットが、本体部分と、前記本体部分を取り外し可能に保持するよう構成された保持部分とを備え、前記保持部分が、前記しなやかな細長い支持部材と、接着手段と、前記しなやかな細長い支持部材に沿って長手方向に離間して配置された複数のトランスデューサとを備え、前記本体部分が、前記トランスデューサで測定された生理学的パラメータに関する信号をディスプレイするためのディスプレイ手段、または、前記トランスデューサで測定された生理学的パラメータに関する音声を送信するための音声出力手段を備える、キット。
【請求項1】
着用可能モニタを身体に固定させるための1つまたは複数の固定要素と、身体接面と、生理学的反応の刺激および生理学的パラメータの測定のいずれかまたは両方のためのトランスデューサと、前記着用可能モニタに測定された生理学的パラメータに関する信号をディスプレイするための、前記着用可能モニタに内蔵されたディスプレイ手段、または、前記着用可能モニタから測定された生理学的パラメータに関する音声を送信するための、前記着用可能モニタに内蔵された音声出力手段とを備える、着用可能モニタ。
【請求項2】
前記身体接面が、その上に前記トランスデューサを有する、請求項1に記載の着用可能モニタ。
【請求項3】
前記身体接面が皮膚接面である、請求項1または2に記載の着用可能モニタ。
【請求項4】
前記1つまたは複数の固定要素が、1つまたは複数の接着手段を備える、請求項1〜3のいずれか一項に記載の着用可能モニタ。
【請求項5】
前記ディスプレイ手段または音声出力手段が、前記着用可能モニタに測定された生理学的パラメータに関する信号をディスプレイするためまたは前記着用可能モニタで測定された生理学的パラメータに関する音声を送信するためのディスプレイ手段である、請求項1〜4のいずれか一項に記載の着用可能モニタ。
【請求項6】
前記生理学的パラメータが、前記着用可能モニタを取り付けることができる前記身体の一部に特有のパラメータである、請求項1〜5のいずれか一項に記載の着用可能モニタ。
【請求項7】
前記着用可能モニタが着用可能センサであり、前記トランスデューサがセンサである、請求項1〜6のいずれか一項に記載の着用可能モニタ。
【請求項8】
前記トランスデューサがアクチュエータを含む、請求項1〜7のいずれか一項に記載の着用可能モニタ。
【請求項9】
前記ディスプレイ手段が、前記着用可能モニタから著しく突出しない、請求項1〜8のいずれか一項に記載の着用可能モニタ。
【請求項10】
前記着用可能モニタが身体係合面および反対側の外表面を有し、前記ディスプレイ手段が前記外表面と同一平面上にある、請求項1〜9のいずれか一項に記載の着用可能モニタ。
【請求項11】
前記ディスプレイ手段が、電極と身体との間の電気接続の質に応じて視覚信号をディスプレイする、請求項1〜10のいずれか一項に記載の着用可能モニタ。
【請求項12】
前記着用可能モニタが1つまたは複数の電極を備え、電極と身体との間の前記電気接続の質に応じて視覚表示をディスプレイするよう動作可能な視覚表示器が、前記着用可能モニタの外表面に位置し、それぞれの電極の真上に位置する、請求項11に記載の着用可能モニタ。
【請求項13】
前記ディスプレイ手段が、光源から放出される光の強度または色により、測定された生理学的パラメータに関する視覚信号をディスプレイするよう動作可能な1つまたは複数の光源を備える、請求項1〜12のいずれか一項に記載の着用可能モニタ。
【請求項14】
前記ディスプレイ手段が、測定された生理学的パラメータに関する数値またはテキストを含む画像をディスプレイするよう動作可能である、請求項1〜13のいずれか一項に記載の着用可能モニタ。
【請求項15】
前記ディスプレイ手段が、少なくとも8cm2の最小ディスプレイ面積を備える、請求項1〜14のいずれか一項に記載の着用可能モニタ。
【請求項16】
前記ディスプレイ手段が、2つ以上の生理学的パラメータに関する視覚信号をディスプレイするよう動作可能である、請求項1〜15のいずれか一項に記載の着用可能モニタ。
【請求項17】
測定信号を遠隔プロセッサへ伝達するよう動作可能であり、前記伝達された測定信号を考慮して計算された生理学的パラメータを受信するよう動作可能であり、前記ディスプレイ手段が、前記受信された計算された生理学的パラメータに関する視覚表示をディスプレイする、請求項1〜16のいずれか一項に記載の着用可能モニタ。
【請求項18】
本体部分と、保持部分とを備える着用可能モニタであって、前記保持部分が、前記本体部分を取り外し可能に保持し、前記本体部分が、前記着用可能モニタに測定された生理学的パラメータに関する信号をディスプレイするためのディスプレイ手段、または、前記着用可能モニタから測定された生理学的パラメータに関する音声を送信するための音声出力手段を備え、前記保持部分が、前記着用可能モニタを身体に固定させるための1つまたは複数の固定要素と、身体接面と、生理学的反応の刺激および生理学的パラメータの測定のいずれかまたは両方のためのトランスデューサとを備える、着用可能モニタ。
【請求項19】
着用可能モニタのためのキットであって、キットが、本体部分と、保持部分とを備え、前記保持部分が、前記本体部分を取り外し可能に保持し、前記本体部分が、前記着用可能モニタに測定された生理学的パラメータに関する信号をディスプレイするためのディスプレイ手段、または、前記着用可能モニタから測定された生理学的パラメータに関する音声を送信するための音声出力手段を備え、前記保持部分が、前記着用可能モニタを身体(一般に、哺乳動物、通常、ヒトの身体)に固定させるための1つまたは複数の固定要素と、身体接面と、生理学的反応の刺激および生理学的パラメータの測定のいずれかまたは両方のためのトランスデューサとを備える、キット。
【請求項20】
身体係合面を有するしなやかな細長い支持部材と、前記身体係合面を着用者の身体に固定させるための1つまたは複数の固定要素と、前記しなやかな細長い支持部材に沿って長手方向に離間して配置された複数のトランスデューサとを備える、着用可能トランスデューサ装着具。
【請求項21】
前記トランスデューサが、前記身体係合面に沿って長手方向に離間して配置される、請求項20に記載のトランスデューサ装着具。
【請求項22】
前記トランスデューサが電極である、請求項20または21に記載のトランスデューサ装着具。
【請求項23】
前記トランスデューサ装着具がトランスデューサを着用者の頭部に装着するためのものであり、前記身体係合面が皮膚係合面である、請求項20〜22のいずれか一項に記載のトランスデューサ装着具。
【請求項24】
前記しなやかな細長い支持部材の前記身体係合面が頭部係合面であり、前記複数のトランスデューサが前記頭部係合面上に長手方向に離間して配置される複数の電極である、請求項20〜23のいずれか一項に記載のトランスデューサ装着具。
【請求項25】
前記1つまたは複数の固定具が接着手段である、請求項20〜24のいずれか一項に記載のトランスデューサ装着具。
【請求項26】
前記接着手段が1つまたは複数の接着ストリップを含む、請求項25に記載のトランスデューサ装着具。
【請求項27】
前記接着手段が、それぞれのトランスデューサの片側に長手方向に延在するが、それぞれのトランスデューサの横方向には延在しない、請求項25または26に記載のトランスデューサ装着具。
【請求項28】
前記接着手段が、前記細長い支持部材内に設けられる1つまたは複数の圧縮性チャンバと、前記細長い支持部材を通じてそれぞれの圧縮性チャンバから前記皮膚係合面まで延在する少なくとも1つの開口部とを備える、請求項25〜27のいずれか一項に記載のトランスデューサ装着具。
【請求項29】
それぞれのトランスデューサが、前記それぞれの電極が装着された前記身体係合面の幅の少なくとも75%の幅を有する、請求項20〜28のいずれか一項に記載のトランスデューサ装着具。
【請求項30】
それぞれのトランスデューサの領域における前記細長い支持部材の幅が20mm未満である、請求項20〜29のいずれか一項に記載のトランスデューサ装着具。
【請求項31】
前記細長い支持部材が、その最大幅の10倍を超える長さを有する、請求項20〜30のいずれか一項に記載のトランスデューサ装着具。
【請求項32】
それぞれのトランスデューサの領域における前記トランスデューサ装着具の奥行きが少なくとも2mmである、請求項20〜31のいずれか一項に記載のトランスデューサ装着具。
【請求項33】
前記細長い支持部材が、少なくともそれぞれのトランスデューサの領域において、0.25〜4.0の厚さに対する幅の比を有することができる、請求項20〜31のいずれか一項に記載のトランスデューサ装着具。
【請求項34】
10cm未満の曲率半径で、前記皮膚係合面に垂直な軸の周りで可撓である、請求項20〜33のいずれか一項に記載のトランスデューサ装着具。
【請求項35】
その長さの大部分に沿って三面の断面を有する、請求項20〜34のいずれか一項に記載のトランスデューサ装着具。
【請求項36】
前記細長い支持部材が、前記細長い支持部材の周辺領域よりも前記皮膚係合面からさらに延伸する1つまたは複数の隆起した部分を備える、請求項20〜35のいずれか一項に記載のトランスデューサ装着具。
【請求項37】
少なくとも2つの電極を着用者のアイライン上方の額上に、そして第3の電極を着用者の前記アイライン下方の頬上に保持するよう形成される、請求項20〜36のいずれか一項に記載のトランスデューサ装着具。
【請求項38】
前記トランスデューサ装着具が、接続部材と、皮膚係合面、前記皮膚係合面を着用者の頭部に接着させる接着手段、および第1のしなやかな細長い支持材の前記皮膚係合面上の複数のトランスデューサを有する前記接続部材から延在する第1のしなやかな細長い支持部材と、皮膚係合面、前記皮膚係合面を着用者の頭部に接着させる接着手段および第2のしなやかな細長い支持材の前記皮膚係合面上の少なくとも1つのトランスデューサを有しかつ前記接続部材から延在する第2のしなやかな細長い支持部材とを備えることができ、前記第1および第2のしなやかな細長い支持部材が、ある程度の間隔を隔てた位置で前記接続部材から延在する、請求項20〜37のいずれか一項に記載のトランスデューサ装着具。
【請求項39】
前記接続部材が、着用者の耳内で音声を発生させるための音声発生モジュール、または、音声発生モジュールを前記トランスデューサ装着具に取り外し可能に取り付けるための装備品を備える、請求項20〜38のいずれか一項に記載のトランスデューサ装着具。
【請求項40】
本体部分と、前記本体部分を取り外し可能に保持する保持部分とを備え、前記保持部分が、前記しなやかな細長い支持部材と、前記1つまたは複数の固定要素と、前記しなやかな細長い支持部材に沿って長手方向に離間して配置された複数のトランスデューサとを備え、前記本体部分が、前記トランスデューサで測定された生理学的パラメータに関する信号をディスプレイするためのディスプレイ手段、または、前記トランスデューサで測定された生理学的パラメータに関する音声を送信するための音声出力手段を備える、請求項20〜39のいずれか一項に記載のトランスデューサ装着具。
【請求項41】
トランスデューサ装着具のためのキットであって、キットが、本体部分と、前記本体部分を取り外し可能に保持するよう構成された保持部分とを備え、前記保持部分が、前記しなやかな細長い支持部材と、接着手段と、前記しなやかな細長い支持部材に沿って長手方向に離間して配置された複数のトランスデューサとを備え、前記本体部分が、前記トランスデューサで測定された生理学的パラメータに関する信号をディスプレイするためのディスプレイ手段、または、前記トランスデューサで測定された生理学的パラメータに関する音声を送信するための音声出力手段を備える、キット。
【図1】
【図2A】
【図2B】
【図3A】
【図3B】
【図4A】
【図4B】
【図5】
【図6A】
【図6B】
【図6C】
【図6D】
【図6E】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図2A】
【図2B】
【図3A】
【図3B】
【図4A】
【図4B】
【図5】
【図6A】
【図6B】
【図6C】
【図6D】
【図6E】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【公表番号】特表2013−507997(P2013−507997A)
【公表日】平成25年3月7日(2013.3.7)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−533697(P2012−533697)
【出願日】平成22年10月15日(2010.10.15)
【国際出願番号】PCT/GB2010/051743
【国際公開番号】WO2011/045613
【国際公開日】平成23年4月21日(2011.4.21)
【出願人】(505403278)エアクラフト メディカル リミテッド (11)
【氏名又は名称原語表記】AIRCRAFT MEDICAL LIMITED
【Fターム(参考)】
【公表日】平成25年3月7日(2013.3.7)
【国際特許分類】
【出願日】平成22年10月15日(2010.10.15)
【国際出願番号】PCT/GB2010/051743
【国際公開番号】WO2011/045613
【国際公開日】平成23年4月21日(2011.4.21)
【出願人】(505403278)エアクラフト メディカル リミテッド (11)
【氏名又は名称原語表記】AIRCRAFT MEDICAL LIMITED
【Fターム(参考)】
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