説明

トリアジン誘導体およびインスリン増感剤の組合せ

本発明は、トリアジン誘導体およびインスリン増感剤の組合せに関する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
発明の分野
本発明は、非インスリン依存性糖尿病およびインスリン抵抗症候群に随伴した病態の治療で使用することのできる医薬の製造のための、トリアジン誘導体または薬剤として許容されるこの塩とインスリン増感剤との薬剤組成物に関する。
【0002】
技術背景
「真性糖尿病」(または糖尿病)は、今日、世界で最も一般的な疾患の1つである。糖尿病に罹っている個人は、2つのクラス、つまり、I型すなわちインスリン依存性真性糖尿病およびII型すなわち非インスリン依存性真性糖尿病(NIDDM)に分けられている。非インスリン依存性真性糖尿病(NIDDM)は、全糖尿病のおよそ90%を占め、米国だけで1200万〜1400万の成人を冒していると推定されている(人口の6.6%)。NIDDMは、絶食時高血糖症および血漿グルコース水準の過度の食後の増加の両方により特徴付けられる。NIDDMは、微小血管疾患、例えば、網膜症、腎症および神経障害等、ならびに大血管疾患、例えば、冠状動脈性心臓病等を含めた様々な長期合併症に関係する。動物モデルでの多数の研究は、長期合併症と高血糖症との間の因果関係を示している。糖尿病抑制と合併症試行(Diabetes Control and Complications Trial)(DCCT)およびストックホルム予測研究(Stockholm Prospective Study)により得られた最近の結果は、インスリン依存性糖尿病が、これらがしっかりとした血糖抑制を受ける場合は、これらの合併症の発症および進行の危険性を実質的に少なくすることを示すことにより、ヒトにおけるこの関係を最初に証明した。しっかりとした抑制は、また、NIDDM患者の利益になることが期待される。
【0003】
NIDDMの場合の高血糖症は、2つの生化学的異常、すなわち、インスリン抵抗性およびインスリン分泌の不足に関係する。
【0004】
NIDDMの初期治療は、非常に多くの糖尿病患者が太り過ぎまたは肥満であること(約67%)および体重を減らすことがインスリン分泌およびインスリンに対する感受性を改善し、正常な血糖をもたらすことができることから、栄養制限食および制御された運動に基づく。
【0005】
食事療法および/または運動だけでは制御することのできない高血糖症に罹っている患者は、経口糖尿病薬で治療を受ける。
【0006】
経口糖尿病薬のいくつかの範疇のものが、NIDDMの治療のための単剤療法で現在使用されている。
【0007】
インスリン分泌促進剤。これらは、初めに、スルホニル尿素(SU)および「グリニド」(glinide)で表される。SUに関しては、特に、カルブタミド(carbutamide)(Glucidoral(登録商標))、グリベンクラミド(glibenclamide)/グリブリド(glyburide)(Daonil(登録商標)、Euglucan(登録商標))、グリボムリド(glibomuride)(Glutril(登録商標))、グリクラジド(gliclazide)(Diamicron(登録商標))、グリメピリド(glimepiride)(Amarel(登録商標))およびグリピジド(Glibenese(登録商標))が挙げられる。「グリニド」に関しては、特に、レパグリニド(repaglinide)(NovaNorm(登録商標))が挙げられる。
【0008】
ビグアナイドで表される、糖生成を減少させる作用薬。特に、メトホルミン(metformin)(Glucophage(登録商標)、Stagid(登録商標))が挙げられる。
【0009】
チアゾリジンジオン(TZD)で主に表される、インスリン増感剤。特に、ピオグリタゾン(pioglitazone)(Actos(登録商標))およびロシグリタゾン(rosiglitazone)(Avandia(登録商標))が挙げられる。
【0010】
α−グルコシダーゼ阻害剤。特に、アカルボース(acarbose)(Glucor(登録商標))およびミグリトール(miglitol)(Diastabol(登録商標))が挙げられる。
【0011】
しかしながら、単剤療法は、経時的に効き目の損失を示す場合がある。これは、「二次栄養不足」といわれる。これは、治療の10年後に50%までの不満足応答を表す可能性がある。実施された研究は、同じ薬剤形態で、メトホルミンとTZDとの組合せによってこの問題に対処することが可能であることを示す(EP869796B1またはEP861666B1)。
【0012】
さらに、メトホルミン+ロシグリタゾン(rosiglitazone)(Avandamet(登録商標))の組合せは市販されている。
【0013】
しかしながら、これらのメトホルミンを基にした組合せは、メトホルミンの使用に随伴した副作用、特に、腸の症状、例えば、吐き気、下痢および腹痛等の副作用を有する。メトホルミンに匹敵する抗糖尿病薬効果を有するトリアジン誘導体はWO01/55122に記載されている。しかしながら、これらの組合せはまったく示唆されていない。
【0014】
本出願人は、WO01/55122に記載されている様なトリアジン型の抗糖尿病薬とインスリン増感剤を含む新規な薬剤組成物を開発した。
【0015】
予期せぬことに、本発明による組合せは相乗的活性を示し、公知の組合せの副作用を著しく減少する。
【0016】
発明の説明
本発明は、インスリン増感剤および一般式(I)の化合物を含む新規な薬剤組成物に関する。
【0017】
【化1】

【0018】
[式中、
R1、R2、R3およびR4は、独立に、次の基:
H、
ハロゲン、(C1〜C5)アルキル、(C1〜C5)アルコキシまたは(C3〜C8)シクロアルキルで場合により置換された(C1〜C20)アルキル、
ハロゲン、(C1〜C5)アルキルまたは(C1〜C5)アルコキシで場合により置換された(C2〜C20)アルケニル、
ハロゲン、(C1〜C5)アルキルまたは(C1〜C5)アルコキシで場合により置換された(C2〜C20)アルキニル、
(C1〜C5)アルキルまたは(C1〜C5)アルコキシで場合により置換された(C3〜C8)シクロアルキル、
N、OおよびSから選択される1つまたは複数のヘテロ原子を有し、(C1〜C5)アルキルまたは(C1〜C5)アルコキシで場合により置換されたヘテロ(C3〜C8)シクロアルキル、
アミノ、ヒドロキシル、チオ、ハロゲン、(C1〜C5)アルキル、(C1〜C5)アルコキシ、(C1〜C5)アルキルチオ、(C1〜C5)アルキルアミノ、(C6〜C14)アリールオキシ、(C6〜C14)アリール(C1〜C5)アルコキシ、シアノ、トリフルオロメチル、カルボキシル、カルボキシメチルまたはカルボキシエチルで場合により置換された(C6〜C14)アリール(C1〜C20)アルキル、
アミノ、ヒドロキシル、チオ、ハロゲン、(C1〜C5)アルキル、(C1〜C5)アルコキシ、(C1〜C5)アルキルチオ、(C1〜C5)アルキルアミノ、(C6〜C14)アリールオキシ、(C6〜C14)アリール(C1〜C5)アルコキシ、シアノ、トリフルオロメチル、カルボキシル、カルボキシメチルまたはカルボキシエチルで場合により置換された(C6〜C14)アリール、
N、OおよびSから選択される1つまたは複数のヘテロ原子を有し、アミノ、ヒドロキシル、チオ、ハロゲン、(C1〜C5)アルキル、(C1〜C5)アルコキシ、(C1〜C5)アルキルチオ、(C1〜C5)アルキルアミノ、(C6〜C14)アリールオキシ、(C6〜C14)アリール(C1〜C5)アルコキシ、シアノ、トリフルオロメチル、カルボキシル、カルボキシメチルまたはカルボキシエチルで場合により置換された(C1〜C13)ヘテロアリール
から選択され、
また、一方のR1とR2、および他方のR3とR4は、窒素原子と一緒になって、N、OおよびSから選択される1つまたは複数のヘテロ原子を場合により含むn員環(nは3〜8)を形成することができ、次の基:アミノ、ヒドロキシル、チオ、ハロゲン、(C1〜C5)アルキル、(C1〜C5)アルコキシ、(C1〜C5)アルキルチオ、(C1〜C5)アルキルアミノ、(C6〜C14)アリールオキシ、(C6〜C14)アリール(C1〜C5)アルコキシ、シアノ、トリフルオロメチル、カルボキシル、カルボキシメチルまたはカルボキシエチルの1つまたは複数で置換されていることができる。
【0019】
R5およびR6は、独立に、次の基:
H、
アミノ、ヒドロキシル、チオ、ハロゲン、(C1〜C5)アルキル、(C1〜C5)アルコキシ、(C1〜C5)アルキルチオ、(C1〜C5)アルキルアミノ、(C6〜C14)アリールオキシ、(C6〜C14)アリール(C1〜C5)アルコキシ、シアノ、トリフルオロメチル、カルボキシル、カルボキシメチルまたはカルボキシエチルで場合により置換された(C1〜C20)アルキル、
アミノ、ヒドロキシル、チオ、ハロゲン、(C1〜C5)アルキル、(C1〜C5)アルコキシ、(C1〜C5)アルキルチオ、(C1〜C5)アルキルアミノ、(C6〜C14)アリールオキシ、(C6〜C14)アリール(C1〜C5)アルコキシ、シアノ、トリフルオロメチル、カルボキシル、カルボキシメチルまたはカルボキシエチルで場合により置換された(C2〜C20)アルケニル、
アミノ、ヒドロキシル、チオ、ハロゲン、(C1〜C5)アルキル、(C1〜C5)アルコキシ、(C1〜C5)アルキルチオ、(C1〜C5)アルキルアミノ、(C6〜C14)アリールオキシ、(C6〜C14)アリール(C1〜C5)アルコキシ、シアノ、トリフルオロメチル、カルボキシル、カルボキシメチルまたはカルボキシエチルで場合により置換された(C2〜C20)アルキニル、
アミノ、ヒドロキシル、チオ、ハロゲン、(C1〜C5)アルキル、(C1〜C5)アルコキシ、(C1〜C5)アルキルチオ、(C1〜C5)アルキルアミノ、(C6〜C14)アリールオキシ、(C6〜C14)アリール(C1〜C5)アルコキシ、シアノ、トリフルオロメチル、カルボキシル、カルボキシメチルまたはカルボキシエチルで場合により置換された(C3〜C8)シクロアルキル、
N、OおよびSから選択される1つまたは複数のヘテロ原子を有し、アミノ、ヒドロキシル、チオ、ハロゲン、(C1〜C5)アルキル、(C1〜C5)アルコキシ、(C1〜C5)アルキルチオ、(C1〜C5)アルキルアミノ、(C6〜C14)アリールオキシ、(C6〜C14)アリール(C1〜C5)アルコキシ、シアノ、トリフルオロメチル、カルボキシル、カルボキシメチルまたはカルボキシエチルで場合により置換されたヘテロ(C3〜C8)シクロアルキル、
アミノ、ヒドロキシル、チオ、ハロゲン、(C1〜C5)アルキル、(C1〜C5)アルコキシ、(C1〜C5)アルキルチオ、(C1〜C5)アルキルアミノ、(C6〜C14)アリールオキシ、(C6〜C14)アリール(C1〜C5)アルコキシ、シアノ、トリフルオロメチル、カルボキシル、カルボキシメチルまたはカルボキシエチルで場合により置換された(C6〜C14)アリール、
N、OおよびSから選択される1つまたは複数のヘテロ原子を有し、アミノ、ヒドロキシル、チオ、ハロゲン、(C1〜C5)アルキル、(C1〜C5)アルコキシ、(C1〜C5)アルキルチオ、(C1〜C5)アルキルアミノ、(C6〜C14)アリールオキシ、(C6〜C14)アリール(C1〜C5)アルコキシ、シアノ、トリフルオロメチル、カルボキシル、カルボキシメチルまたはカルボキシエチルで場合により置換された(C1〜C13)ヘテロアリール、
アミノ、ヒドロキシル、チオ、ハロゲン、(C1〜C5)アルキル、(C1〜C5)アルコキシ、(C1〜C5)アルキルチオ、(C1〜C5)アルキルアミノ、(C6〜C14)アリールオキシ、(C6〜C14)アリール(C1〜C5)アルコキシ、シアノ、トリフルオロメチル、カルボキシル、カルボキシメチルまたはカルボキシエチルで場合により置換された(C6〜C14)アリール(C1〜C5)アルキル
から選択される。
【0020】
また、R5およびR6は、これらが結合した炭素原子と一緒になって、N、OおよびSから選択される1つまたは複数のヘテロ原子を場合により含むm員環(mは3〜8)を形成することができ、アミノ、ヒドロキシル、チオ、ハロゲン、(C1〜C5)アルキル、(C1〜C5)アルコキシ、(C1〜C5)アルキルチオ、(C1〜C5)アルキルアミノ、(C6〜C14)アリールオキシ、(C6〜C14)アリール(C1〜C5)アルコキシ、シアノ、トリフルオロメチル、カルボキシル、カルボキシメチルまたはカルボキシエチルで置換されていることができ、
または、炭素原子と一緒になって、アミノ、ヒドロキシル、チオ、ハロゲン、(C1〜C5)アルキル、(C1〜C5)アルコキシ、(C1〜C5)アルキルチオ、(C1〜C5)アルキルアミノ、(C6〜C14)アリールオキシ、(C6〜C14)アリール(C1〜C5)アルコキシ、シアノ、トリフルオロメチル、カルボキシル、カルボキシメチルまたはカルボキシエチルで場合により置換されたC10〜C30多環式残基を形成することができ、
R5およびR6は一緒になって、また、=O基または=S基を表すことができ、ヘテロシクロアルキルまたはヘテロアリール基の窒素原子は、(C1〜C5)アルキル、(C3〜C8)シクロアルキル、(C6〜C14)アリール、(C6〜C14)アリール(C1〜C5)アルキルまたは(C1〜C6)アシル基で置換されていることができる]、およびまたこのラセミ体、互変異性体、鏡像異性体、ジアステレオ異性体、エピマーおよびこれらの混合物、および薬剤として許容される塩で表される。
【0021】
本発明の1つの特定基は、トリアジン誘導体が、R5が水素である式(I)の化合物である、本発明による薬剤組成物に関係する。
【0022】
本発明のその他の特定基は、トリアジン誘導体が、R5およびR6が、これらが結合した炭素原子と一緒に、N、OおよびSから選択される1つまたは複数のヘテロ原子を場合により含み、以下の基:(C1〜C5)アルキル、アミノ、ヒドロキシル、(C1〜C5)アルキルアミノ、アルコキシ(C1〜C5)、(C1〜C5)アルキルチオ、(C6〜C14)アリール、(C6〜C14)アリール(C1〜C5)アルコキシの1つまたは複数で置換されていることができるm員環(mは3〜8)を形成し、
または、炭素原子と一緒になって、アミノ、ヒドロキシル、チオ、ハロゲン、(C1〜C5)アルキル、(C1〜C5)アルコキシ、(C1〜C5)アルキルチオ、(C1〜C5)アルキルアミノ、(C6〜C14)アリールオキシ、(C6〜C14)アリール(C1〜C5)アルコキシ、シアノ、トリフルオロメチル、カルボキシル、カルボキシメチルまたはカルボキシエチルで場合により置換されたC10〜C30多環式残基を形成する式(I)の化合物である、本発明による薬剤組成物に関係する。
【0023】
本発明のその他の特定基は、トリアジン誘導体が、R5およびR6が、独立に、次の基:
アミノ、ヒドロキシル、チオ、ハロゲン、(C1〜C5)アルキル、(C1〜C5)アルコキシ、(C1〜C5)アルキルチオ、(C1〜C5)アルキルアミノ、(C6〜C14)アリールオキシ、(C6〜C14)アリール(C1〜C5)アルコキシ、シアノ、トリフルオロメチル、カルボキシル、カルボキシメチルまたはカルボキシエチルで場合により置換された−(C1〜C20)アルキル基から選択される式(I)の化合物である、本発明による薬剤組成物に関係する。
【0024】
好ましくは、R1、R2、R3およびR4は、独立に、H、およびハロゲン、(C1〜C5)アルキル、(C1〜C5)アルコキシまたは(C3〜C8)シクロアルキルで場合により置換された(C1〜C20)アルキル基から選択され、更に好ましくは、R1=R2=HおよびR3=R4=ハロゲン、(C1〜C5)アルキル、(C1〜C5)アルコキシ、(C3〜C8)シクロアルキルで場合により置換された(C1〜C20)アルキル基、または逆もまた同様である。
【0025】
好ましくは、R5およびR6は、独立に、H、およびアミノ、ヒドロキシル、チオ、ハロゲン、(C1〜C5)アルキル、(C1〜C5)アルコキシ、(C1〜C5)アルキルチオ、(C1〜C5)アルキルアミノ、(C6〜C14)アリールオキシ、(C6〜C14)アリール(C1〜C5)アルコキシ、シアノ、トリフルオロメチル、カルボキシル、カルボキシメチルまたはカルボキシエチルで場合により置換された(C1〜C20)アルキル基から選択され、更に好ましくは、R5=HおよびR6=アミノ、ヒドロキシル、チオ、ハロゲン、(C1〜C5)アルキル、(C1〜C5)アルコキシ、(C1〜C5)アルキルチオ、(C1〜C5)アルキルアミノ、(C6〜C14)アリールオキシ、(C6〜C14)アリール(C1〜C5)アルコキシ、シアノ、トリフルオロメチル、カルボキシル、カルボキシメチルもしくはカルボキシエチルで場合により置換された(C1〜C20)アルキル基、または逆もまた同様である。
【0026】
本発明の更なる特定基は、トリアジン誘導体が、R1およびR2がメチル基であり、R3およびR4が水素を表す式(I)の化合物である、本発明による薬剤組成物に関する。
【0027】
用語「R5およびR6で形成されるm員環」とは、飽和環、例えば、シクロヘキシル、ピペリジルまたはテトラヒドロピラニル基等を特に意味する。
【0028】
用語「R5およびR6で形成される多環式基」とは、場合により置換された炭素を基にした多環式基、特に、ステロイド残基を意味する。
【0029】
特に挙げることのできる式(I)の化合物としては、
【0030】
【表1−1】

【0031】
【表1−2】

【0032】
【表1−3】

【0033】
【表1−4】

【0034】
【表1−5】

【0035】
【表1−6】

【0036】
さらに好ましくは、実施例18の化合物が挙げられる。
【0037】
なおその他の好ましい実施形態によれば、本発明は、さらに具体的にいえば、
(+)−2−アミノ−3,6−ジヒドロ−4−ジメチルアミノ−6−メチル−1,3,5−トリアジン塩酸塩、およびロシグリタゾン;
(+)−2−アミノ−3,6−ジヒドロ−4−ジメチルアミノ−6−メチル−1,3,5−トリアジン塩酸塩、およびトログリタゾン;
(+)−2−アミノ−3,6−ジヒドロ−4−ジメチルアミノ−6−メチル−1,3,5−トリアジン塩酸塩、およびピオグリタゾン;
(+)−2−アミノ−3,6−ジヒドロ−4−ジメチルアミノ−6−メチル−1,3,5−トリアジン塩酸塩、およびムラグリタザル、
から選択される薬剤組成物に関する。
【0038】
「インスリン増感剤」という用語は、インスリンに対する組織の感受性を増加することのできる任意の化合物を意味する。インスリン増感剤としては、例えば、チロシンホスファターゼ阻害剤(PTP阻害剤)、GSK−3阻害剤、レチノイドX受容体作動薬(RXR作動薬)、グリタゾン(glitazone)(TZD)、非TZD PPARγ作動薬、PPARα/PPARγ二重作動薬、バナジウムを含む化合物を基にした作動薬、およびビグアナイド、例えば、メトホルミンが挙げられる。インスリン増感剤は、また、薬剤として許容される塩の形態、例えば、塩酸塩、臭化水素酸塩、ヨウ化水素酸塩、硫酸塩、硝酸塩、リン酸塩、クエン酸塩、メタンスルホン酸塩、トリフルオロ酢酸塩または酢酸塩、ナトリウムイオン、カリウムイオン、カルシウムイオンまたはマグネシウムイオン等の形態であってもよいがこれらに限定されない。
【0039】
「グリタゾン」という用語は、エングリタゾン(englitazone)、ダルグリタゾン(darglitazone)、シグリタゾン(ciglitazone)、DRF2189、BM−13.1246、AY−31637、YM268、AD−5075、DN−108、ロシグリタゾン、ピオグリタゾン(pioglitazone)、トログリタゾン(troglitazone)、MCC555、T−174およびKRP297を含むがこれらに限定されない。
【0040】
「非TZD PPARγ作動薬」という用語は、さらに具体的にいえば、GI−262570およびJTT501等であってこれらに限定されない、N−(2−ベンゾイルフェニル)−L−チロシン類似体を含む。
【0041】
「PPARα/PPARγ二重作動薬」という用語は、NNC−61−4655、TZD18、LY−510929、LY−465608、LSN862、GW−409544、ムラグリタザル(Muraglitazar)、ラガグリタザル(Ragaglitazar)、テサグリタザル(Tesaglitazar)等の化合物、ならびにまたWO03/011819(実施例8)およびWO00/039113(オキセグリタザル(oxeglitazar)を記載している実施例16b)に記載されている化合物が挙げられるがこれらに限定されない。
【0042】
上で定義されている式(I)の本発明の化合物、十分な塩基性機能を含む化合物、または両方は、有機または無機酸の、相当する、薬剤として許容される塩を含んでもよい。
【0043】
本発明の目的に対して、用語「有機または無機酸の、相当する、薬剤として許容される塩」とは、任意の非毒性の薬剤として許容される有機または無機酸から調製される任意の塩を意味する。そのような酸としては、酢酸、ベンゼンスルホン酸、安息香酸、クエン酸、炭酸、エタンスルホン酸、フマル酸、グルコン酸、グルタミン酸、臭化水素酸、塩酸、乳酸、マンデル酸、リンゴ酸、マレイン酸、メタンスルホン酸、粘液酸、硝酸、パモ酸、パントテン酸、リン酸、琥珀酸、酒石酸およびパラ−トルエンスルホン酸が挙げられる。塩酸が好都合に使用される。
【0044】
本発明は、また、式(I)の化合物のラセミ化合物の分離のために使用される式(I)の化合物のキラル塩に関する。
【0045】
例えば、次のキラル酸が使用される:(+)−D−ジ−O−ベンゾイル酒石酸、(−)−L−ジ−O−ベンゾイル酒石酸、(−)−L−ジ−O,O'−p−トルイル−L−酒石酸、(+)−D−ジ−O,O'−p−トルイル−L−酒石酸、(R)−(+)−リンゴ酸、(S)−(−)−リンゴ酸、(+)−カンファン酸、(−)−カンファン酸、R−(−)−1,1'−ビナフタレン−2,2'−ジイルヒドロゲノリン酸、(+)−ショウノウ酸、(−)−ショウノウ酸、(S)−(+)−2−フェニルプロピオン酸、(R)−(+)−2−フェニルプロピオン酸、D−(−)−マンデル酸、L−(+)−マンデル酸、D−酒石酸、L−酒石酸、またはこれらの2つ以上の混合物。
【0046】
上記式(I)の化合物は、また、これらの化合物のプロドラッグを含む。
【0047】
「プロドラッグ」という用語は、患者に投与した場合に、生体において、式(I)の化合物に化学的におよび/または生物学的に転換される化合物を意味する。
【0048】
本明細書では、使用される用語は、別途指示しない限り、以下の意味を有する:
「(C1〜C20)アルキル」という用語は、1〜20個の炭素原子を含む直鎖または分枝アルキル基を意味する。C1〜C20アルキル基の中では、特に、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、sec−ブチル、tert−ブチル、ペンチル、ヘキシル、オクチル、デシル、ドデシル、ヘキサデシルおよびオクタデシル基が挙げられてもよいがこれらに限定されない。
【0049】
「(C1〜C20)アルケニル」という用語は、二重結合形で1つまたは複数の不飽和を含む、直鎖もしくは分枝炭化水素を基にした基を意味する。1〜20個の炭素原子を含むアルキレン基としては、エチニル、プロプ−2−エニル、ブト−2−エニル、ブト−3−エニル、ペント−2−エニル、ペント−3−エニルおよびペント−4−エニル基が挙げられてもよいがこれらに限定されない。
【0050】
「(C1〜C20)アルキニル」という用語は、三重結合形で1つまたは複数の不飽和を含む、直鎖もしくは分枝炭化水素を基にした基を意味する。1〜20個の炭素原子を含むアルキレン基としては、エチニル、プロプ−2−イニル、ブト−2−イニル、ブト−3−イニル、ペント−2−イニル、ペント−3−イニルおよびペント−4−イニル基が挙げられてもよいがこれらに限定されない。
【0051】
「アルコキシ」という用語は、「アルキル−オキシ」という用語を意味する。
【0052】
「ハロゲン」という用語は、フッ素、塩素または臭素を意味するがこれらに限定されない。
【0053】
「(C6〜C14)アリール(C1〜C20)アルキル」という用語は、相当するアルキルアリール基を意味する。特に、ベンジルおよびフェネチル基が挙げられる。
【0054】
「(C6〜C14)アリール」という用語は、場合により置換されていてもよい、共役パイ電子系を有する環の少なくとも1つを持ち、バイアリールを含む6〜14個の炭素原子を含む芳香族基を意味する。例としては、特に、ビフェニル、フェニル、ナフチル、アントリルおよびフェナントリル基が挙げられる。
【0055】
「ヘテロ(C6〜C14)アリール」という用語は、1〜4個のヘテロ原子を含み、その他の原子が炭素原子である、6〜14員芳香族複素環を意味する。ヘテロ原子の中では、特に、酸素、硫黄および窒素が挙げられる。ヘテロアリール基の中では、さらに具体的にいえば、フリル、チエニル、ピリジル、ピロリル、ピリミジル、ピラジニル、オキサゾリル、オキサジアゾリル、イソオキサゾリル、キノリルおよびチアゾリル基が挙げられる。
【0056】
「(C3〜C8)シクロアルキル」という用語は、飽和炭化水素を基にした環を意味し、3〜8個の炭素原子を含む単環式、二環式および多環式基を含む。例としては、シクロプロピルおよびシクロブチル基が挙げられるがこれらに限定されない。
【0057】
本発明による有用な化合物は不斉中心を含んでもよいことが理解される。これらの不斉中心は、独立に、RまたはS配置であってもよい。本発明による有用な或種の化合物は、また、幾何異性を示してもよいことは当業者に明らかであろう。本発明は、上記式(I)の化合物の、ラセミ体混合物を含めた、個々の幾何異性体および立体異性体およびこれらの混合物を含むことが理解されるべきである。このタイプの異性体は、公知の方法、例えば、クロマトグラフィー方法もしくは再結晶化方法の適用または適合によりこれらの混合物から分離することができ、あるいはこれらは、これらの中間体の適当な異性体から別々に調製される。
【0058】
本発明による化合物の鏡像異性体およびそれらを調製するための方法は、その内容が参照により本明細書に組み込まれる特許出願WO2004/089917に特に記載されている。
【0059】
本特許出願は、また、特許出願WO2004/089917により得られるような化合物の多形形態、例えば、(+)−2−アミノ−3,6−ジヒドロ−4−ジメチルアミノ−6−メチル−1,3,5−トリアジン塩酸塩のA1多形形態の塩に関する。
【0060】
本発明は、また、次の様にして調製することのできる、(+)−2−アミノ−3,6−ジヒドロ−4−ジメチルアミノ−6−メチル−1,3,5−トリアジン塩酸塩のH1多形形態の塩等の化合物のその他の多形形態に関する:
約3g実施例18のA1形態を、50mlの、1モル/lHClに室温で溶解する。得られた透明な溶液を、室温で、開放ビーカー中で、固体残渣が結晶化するまで蒸発させる。
【0061】
特徴付けは以下の方法で行われる:
FT−IR分光法:
Bruker Vector 22
2cm-1スペクトル分解
32スキャン
KBRディスク(A AA21505方法に類似)
IRバンドの強度を評価するために、IRスペクトルは、吸収スペクトルとして4000〜400cm-1のスペクトル範囲でベクトル化により正規化した
事前調整は、
s:A>0.05
m:0.01<A<0.05
w:A<0.01
で行った。
【0062】
FT−ラマン分光法:
Bruker RFS−100
励起:1064nm
スペクトル分解能:1cm-1
1000mW
1000スキャン
焦点合わせ
アルミニウム坩堝(RA AA21505方法に類似)
ラマンバンドの強度を評価するために、ラマンスペクトルは、3600〜200cm-1のスペクトル範囲でベクトル化により正規化した
事前調整は、
s:A>0.05
m:0.01<A<0.05
w:A<0.01
で行った。
【0063】
粉末x−線回折(XRD)
回折計 D5000(Bruker AXS)
放射線 1.5406ÅでのCuKα1(U=30kV、A=40mA)
転送方式
感応位置での検出器
一次モノクロメーター
角度範囲:3〜65°2θ
ステージ幅:0.05°2θ
測定時間/ステージ:1.4秒
XRD装置は2θ±0.1°で設定される。
【0064】
結果
A1形態:
【0065】
【表2】

【0066】
H1形態
【0067】
【表3】

【0068】
このテキストの目的に対しては、互変異性型は、特定の基、例えば、チオ/メルカプトまたはオキソ/ヒドロキシの記述の中に含まれることが理解される。
【0069】
本発明による薬剤組成物は、インスリン抵抗症候群(症候群X)に随伴した病状の治療に有用である。
【0070】
インスリン抵抗性は、インスリンの作用の減少によって特徴付けられ(Presse Medicale、1997年、26(No.14)、671頁〜677頁を参照)、大多数の症状状態、例えば、糖尿病、更に具体的に言えば、非インスリン依存性糖尿病(II型糖尿病またはNIDDM)、異脂肪血症、肥満症および動脈性高血圧症、ならびにまた、或種の微小血管および大血管合併症、例えば、アテローム性動脈硬化症、網膜症および神経障害等に含まれる。
【0071】
これに関しての参照は、例えば、Diabetes、vol.37、1988年、1595頁〜1607頁;Journal of Diabetes and its Complications、1998年、12、110頁〜119頁またはHorm.Res.、1992年、38、28頁〜32頁に対して為される。
【0072】
本発明の目的は、糖尿病の状態を顕著に改善するための薬剤組成物を提案することである。
【0073】
本発明の薬剤組成物は、特に低血糖剤活性を有する。
【0074】
式(I)の化合物は、したがって、高血糖症に随伴した病態の治療に有用である。
【0075】
インスリン増感剤との組合せで式(I)のトリアジン化合物を含む薬剤組成物は、種々の活性成分を、全部一緒にまたは独立に、薬剤として許容される担体、賦形剤、結合剤、希釈剤等と一緒に混合することにより調製することができる。次いで、それは、例えば、非経口、静脈、皮膚、鼻腔または直腸経路を介して、経口または非経口投与される。活性成分が独立に調剤される場合は、相当する調剤は、希釈剤を使用してその場で一緒に混合されることができ、次いで投与され、または互いに独立に、連続してもしくは逐次に投与されることができる。
【0076】
本発明の薬剤組成物としては、顆粒、粉末、錠剤、ゲルカプセル、シロップ、エマルションおよび懸濁液等の調剤、ならびに非経口投与のために使用される形態、例えば、注射液、スプレーまたは座薬が挙げられる。
【0077】
薬剤形態は、公知の通常の方法により調製することができる。
【0078】
経口投与される固体薬剤形態の調製は、次の方法で行われる:賦形剤(例えば、ラクトース、スクロース、デンプン、マンニトール等)、崩壊剤(例えば、炭酸カルシウム、カルシウムカルボキシメチルセルロース、アルギン酸、ナトリウムカルボキシメチルセルロース、コロイド状二酸化ケイ素、ナトリウムクロスカルメロース、クロスポビドン、グアーガム、マグネシウムアルミニウムシリケート、微結晶セルロース、セルロース粉末、前ゼラチン化デンプン、アルギン酸ナトリウム、グリコール酸デンプン等)、結合剤(例えば、α−デンプン、アラビアゴム、カルボキシメチルセルロース、ポリビニルピロリドン、ヒドロキシプロピルセルロース、アルギン酸、カルボマー、デキストリン、エチルセルロース、アルギン酸ナトリウム、マルトデキストリン、液体グルコース、マグネシウムアルミニウムシリケート、ヒドロキシエチルセルロース、メチルセルロース、グアーガム等)および潤滑剤(例えば、タルク、ステアリン酸マグネシウム、ポリエチレン6000等)を、例えば、活性成分に添加し、次いで、得られた混合物を錠剤化する。必要に応じて、(例えば、ココア粉末、ミント、ボルネオール、シナモン粉末等で)味を隠すかまたは活性成分の腸内溶解もしくは持続放出を可能にするために、錠剤を公知の方法で被覆することができる。使用することのできるコーティング材料は、例えば、エチルセルロース、ヒドロキシメチルセルロース、ポリオキシエチレングリコール、セルロースアセトフタレート、ヒドロキシプロピルメチルセルロースフタレートおよびEudragit(登録商標)(メタクリル酸−アクリル酸コポリマー)、Opadry(登録商標)(ヒドロキシプロピルメチルセルロース+マクロゴール+酸化チタン+ラクトース1水和物)である。薬剤として許容される着色剤(例えば、黄色酸化鉄、赤色酸化鉄、キノリンイエローレーキ等)が添加されてもよい。錠剤、粉末、サシェおよびゲルカプセル等の薬剤形態は経口投与のために使用することができる。
【0079】
経口投与のための液体薬剤形態としては、溶液、懸濁液およびエマルションが挙げられる。水溶液は、活性成分を水に溶解し、次いで、必要に応じて、芳香剤、着色剤、安定剤および増粘剤の添加により得ることができる。溶解度を改善するために、エタノール、プロピレングリコールまたはその他の薬剤として許容される非水性溶剤を添加することは可能である。経口使用のための水性懸濁液は、微細活性成分を水に、粘稠生成物、例えば、天然または合成ゴム、樹脂、メチルセルロースもしくはナトリウムカルボキシメチルセルロース等と一緒に分散させることにより得ることができる。
【0080】
注射のための薬剤形態は、例えば、次の方法により得ることができる。活性成分は、水性媒体(例えば、蒸留水、生理食塩水、リンガー溶液等)中でまたは油性媒体(例えば、植物油、例えば、オリーブ油、ゴマ油、綿実油、コーン油等、またはプロピレングリコール)中で、分散剤(例えば、Tween 80、HCO 60(Nikko Chemicals)、ポリエチレングリコール、カルボキシメチルセルロース、アルギン酸ナトリウム等)、保存剤(例えば、p−ヒドロキシ安息香酸メチル、p−ヒドロキシ安息香酸プロピル、ベンジルアルコール、クロロブタノール、フェノール等)、および等張剤(例えば、塩化ナトリウム、グリセロール、ソルビトール、グルコース等)およびまたその他の添加剤、例えば、必要に応じて、可溶化剤(例えば、サリチル酸ナトリウム、酢酸ナトリウム等)または安定剤(例えば、ヒト血清アルブミン)と一緒に溶解、懸濁または乳化される。
【0081】
外用のための薬剤形態は、活性成分を含む、固体、半固体または液体組成物から得ることができる。例えば、固体形態を得るには、活性成分は単独でまたは賦形剤(例えば、ラクトース、マンニトール、デンプン、微結晶セルロース、スクロース等)および増粘剤(例えば、天然ゴム、セルロース誘導体、アクリルポリマー等)との混合物として処理し、それらを粉末に転換する。液体薬剤組成物は、既に示した注射用の形態と実質的に同じ方法で調製される。半固体薬剤形態は、好ましくは、水性もしくは油性ゲルの形態またはポマードの形態である。これらの組成物は、pH調整剤(例えば、炭酸、リン酸、クエン酸、塩酸、水酸化ナトリウム等)および保存剤(例えば、p−ヒドロキシ安息香酸エステル、クロロブタノール、塩化ベンズアルコニウム等)およびまたその他の添加剤を場合により含んでもよい。
【0082】
インスリン増感剤の1日量は0.5mg〜50mgである。
【0083】
さらに具体的にいえば、本発明で、ロシグリタゾンが使用される場合は、1日量は、1mg〜8mg、さらに好ましくは4mgである。ピオグリタゾンが使用される場合は、1日量は、15mg〜45mgである。ムラグリタザルが使用される場合は、1日量は、0.5mg〜20mg、好ましくは5mgである。
【0084】
式(I)の化合物の1日量は、200mg〜2000mgである。
【0085】
本発明の薬剤組成物の構成成分の相対割合は、それぞれの活性成分の推薦される投薬量を考慮に入れる。インスリン増感剤、または薬剤として許容されるこの塩、および式(I)の化合物、または薬剤として許容されるこの塩のこれらの相対的割合は、したがって、結果として変動する。好ましくは、インスリン増感剤対式(I)の化合物の重量比は、1/2〜1/2000、さらに好ましくは、1/4〜1/2000、特に1/5〜1/2000の範囲である。本発明の化合物の投与の頻度は、1日当たり1〜2回の投与である。式(I)の化合物の投与量が1日1回の投与より多く必要な場合は、インスリン増感剤の量およびインスリン増感剤/式(I)の化合物比は結果として調整される。
【0086】
本発明の目的はまた、式(I)の化合物およびインスリン増感剤の有効量の併用投与による治療方法、およびまたこの併用投与を可能にするためのキットを提案することである。
【0087】
本発明は、また、上述の方法による治療に適したキットに関する。これらのキットは、本発明による有効量で、同時、別々または逐次投与のために、上で示された投薬量で式(I)の化合物を含む組成物および上で示された投薬量でインスリン増感剤を含む第二組成物を含む。
【0088】
「併用投与」という用語は、2時間までまたはさらに12時間までであってもよい期間にわたって、同じ患者に対して1つまたは複数の化合物の同時、別々または逐次投与を意味する。例えば、併用投与という用語は、(1)2つの化合物の同時投与、(2)最初の投与、続いて2時間後の第2の化合物の投与、(3)最初の投与、続いて12時間後の第2の化合物の投与を含む。
【0089】
本発明による組成物の以下の実施例は、非限定的例示として与えられる。
実施例
量は重量基準で表示される。
【0090】
調剤例1:
(+)−2−アミノ−3,6−ジヒドロ−4−ジメチルアミノ−6−メチル−1,3,5−トリアジン塩酸塩:1000mg
ロシグリタゾン:4mg
微結晶セルロース:114mg
クロスカルメロース:28mg
ポリビニルピロリドン:40mg
ステアリン酸マグネシウム:14mg
Opadry:24mg。
【0091】
調剤例2:
(+)−2−アミノ−3,6−ジヒドロ−4−ジメチルアミノ−6−メチル−1,3,5−トリアジン塩酸塩:1000mg
ピオグリタゾン:25mg
微結晶セルロース:115.5mg
クロスカルメロース:28mg
ポリビニルピロリドン:40mg
ステアリン酸マグネシウム:9mg
Opadry(登録商標):24mg。
【0092】
調剤例3:
(+)−2−アミノ−3,6−ジヒドロ−4−ジメチルアミノ−6−メチル−1,3,5−トリアジン塩酸塩:750mg
ロシグリタゾン:2mg
微結晶セルロース:110mg
クロスカルメロース:21mg
ポリビニルピロリドン:30mg
ステアリン酸マグネシウム:10.5mg
Opadry(登録商標):18mg。
【0093】
調剤例4:
(+)−2−アミノ−3,6−ジヒドロ−4−ジメチルアミノ−6−メチル−1,3,5−トリアジン塩酸塩:1000mg
ムラグリタザル:5mg
微結晶セルロース:150mg
クロスカルメロース:24mg
ポリビニルピロリドン:44mg
ステアリン酸マグネシウム:8mg
Eudragit(登録商標):24mg。
【0094】
生物学的テスト:本発明とインスリン増感剤の組合せでのグルコース水準の調節
血糖水準を変更するための、インスリン増感抗糖尿病性化合物との組合せでの本発明の化合物の能力を、糖尿病のGKラットでin vivoで評価する。
【0095】
単独または組合せで、抗糖尿病薬を、日に2回(1日2回)、GKラットへ4日間投与する。経口グルコース負荷試験(OGTT)を治療の最後の日の後に行う。
【0096】
OGTTは、2g/体重のkgのグルコース分量の経口投与により、絶食の3時間後の朝に行う。血液サンプルを、尾の血管から0、10、20、30、45、60、90および120分で集め、グルコース水準を決定する。
【0097】
本発明による組合せに対する結果
ロシグリタゾンおよび(+)−2−アミノ−3,6−ジヒドロ−4−ジメチルアミノ−6−メチル−1,3,5−トリアジンの塩酸塩の組合せを次の通りテストした。2つの化合物を、単独および組合せで投与した。(+)−2−アミノ−3,6−ジヒドロ−4−ジメチルアミノ−6−メチル−1,3,5−トリアジンの塩酸塩に対して使用された投与量は、4日間、毎日2回、50および100mg/kgPOであった。ロシグリタゾンに対して使用された投与量は、4日間、毎日2回、1および5mg/kgPOであった。次の組合せをテストした:
4日間、毎日2回、(+)−2−アミノ−3,6−ジヒドロ−4−ジメチルアミノ−6−メチル−1,3,5−トリアジンの塩酸塩:100mg/kgおよびロシグリタゾン:5mg/kgPO。
【0098】
【表4】

【0099】
処置(プラシーボ)の4日後に、対照のGK糖尿病ラットの血糖は著しく変化も増加もしなかった。ロシグリタゾンの5mg/kgおよび(+)−2−アミノ−3,6−ジヒドロ−4−ジメチルアミノ−6−メチル−1,3,5−トリアジンの塩酸塩の100mg/kgの投与量で、これらの作用薬は、絶食時血漿グルコース水準の低下を誘発した。しかしながら、ロシグリタゾンよりも(+)−2−アミノ−3,6−ジヒドロ−4−ジメチルアミノ−6−メチル−1,3,5−トリアジンの塩酸塩で良好な耐糖能が観察された。
【0100】
組合せでは、ロシグリタゾン5mg/kgおよび(+)−2−アミノ−3,6−ジヒドロ−4−ジメチルアミノ−6−メチル−1,3,5−トリアジンの塩酸塩100mg/kgは、個々のそれぞれの化合物よりもさらに良好な効果を示した。インスリン増感剤、例えば、ロシグリタゾン等と化合物、例えば、(+)−2−アミノ−3,6−ジヒドロ−4−ジメチルアミノ−6−メチル−1,3,5−トリアジンの塩酸塩等の組合せは、化合物よりもそれぞれの耐糖能および血漿グルコース水準について良好な活性を生み出す。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
活性成分として、
i)インスリン増感剤、
ii)1つまたは複数の薬剤として許容される賦形剤と組み合わせた式(I)
【化1】

[式中、
R1、R2、R3およびR4は、独立に、次の基:
H、
ハロゲン、(C1〜C5)アルキル、(C1〜C5)アルコキシまたは(C3〜C8)シクロアルキルで場合により置換された(C1〜C20)アルキル、
ハロゲン、(C1〜C5)アルキルまたは(C1〜C5)アルコキシで場合により置換された(C2〜C20)アルケニル、
ハロゲン、(C1〜C5)アルキルまたは(C1〜C5)アルコキシで場合により置換された(C2〜C20)アルキニル、
(C1〜C5)アルキルまたは(C1〜C5)アルコキシで場合により置換された(C3〜C8)シクロアルキル、
N、OおよびSから選択される1つまたは複数のヘテロ原子を有し、(C1〜C5)アルキルまたは(C1〜C5)アルコキシで場合により置換されたヘテロ(C3〜C8)シクロアルキル、
アミノ、ヒドロキシル、チオ、ハロゲン、(C1〜C5)アルキル、(C1〜C5)アルコキシ、(C1〜C5)アルキルチオ、(C1〜C5)アルキルアミノ、(C6〜C14)アリールオキシ、(C6〜C14)アリール(C1〜C5)アルコキシ、シアノ、トリフルオロメチル、カルボキシル、カルボキシメチルまたはカルボキシエチルで場合により置換された(C6〜C14)アリール(C1〜C20)アルキル、
アミノ、ヒドロキシル、チオ、ハロゲン、(C1〜C5)アルキル、(C1〜C5)アルコキシ、(C1〜C5)アルキルチオ、(C1〜C5)アルキルアミノ、(C6〜C14)アリールオキシ、(C6〜C14)アリール(C1〜C5)アルコキシ、シアノ、トリフルオロメチル、カルボキシル、カルボキシメチルまたはカルボキシエチルで場合により置換された(C6〜C14)アリール
N、OおよびSから選択される1つまたは複数のヘテロ原子を有し、アミノ、ヒドロキシル、チオ、ハロゲン、(C1〜C5)アルキル、(C1〜C5)アルコキシ、(C1〜C5)アルキルチオ、(C1〜C5)アルキルアミノ、(C6〜C14)アリールオキシ、(C6〜C14)アリール(C1〜C5)アルコキシ、シアノ、トリフルオロメチル、カルボキシル、カルボキシメチルまたはカルボキシエチルで場合により置換された(C1〜C13)ヘテロアリール、
から選択され、
一方のR1とR2、および他方のR3とR4は、窒素原子と一緒になって、N、OおよびSから選択される1つまたは複数のヘテロ原子を場合により含むn員環(nは3〜8)を形成することができ、次の基:アミノ、ヒドロキシル、チオ、ハロゲン、(C1〜C5)アルキル、(C1〜C5)アルコキシ、(C1〜C5)アルキルチオ、(C1〜C5)アルキルアミノ、(C6〜C14)アリールオキシ、(C6〜C14)アリール(C1〜C5)アルコキシ、シアノ、トリフルオロメチル、カルボキシル、カルボキシメチルまたはカルボキシエチルの1つまたは複数で置換されていることができ、
R5およびR6は、独立に、次の基:
H、
アミノ、ヒドロキシル、チオ、ハロゲン、(C1〜C5)アルキル、(C1〜C5)アルコキシ、(C1〜C5)アルキルチオ、(C1〜C5)アルキルアミノ、(C6〜C14)アリールオキシ、(C6〜C14)アリール(C1〜C5)アルコキシ、シアノ、トリフルオロメチル、カルボキシル、カルボキシメチルまたはカルボキシエチルで場合により置換された(C1〜C20)アルキル、
アミノ、ヒドロキシル、チオ、ハロゲン、(C1〜C5)アルキル、(C1〜C5)アルコキシ、(C1〜C5)アルキルチオ、(C1〜C5)アルキルアミノ、(C6〜C14)アリールオキシ、(C6〜C14)アリール(C1〜C5)アルコキシ、シアノ、トリフルオロメチル、カルボキシル、カルボキシメチルまたはカルボキシエチルで場合により置換された(C2〜C20)アルケニル、
アミノ、ヒドロキシル、チオ、ハロゲン、(C1〜C5)アルキル、(C1〜C5)アルコキシ、(C1〜C5)アルキルチオ、(C1〜C5)アルキルアミノ、(C6〜C14)アリールオキシ、(C6〜C14)アリール(C1〜C5)アルコキシ、シアノ、トリフルオロメチル、カルボキシル、カルボキシメチルまたはカルボキシエチルで場合により置換された(C2〜C20)アルキニル、
アミノ、ヒドロキシル、チオ、ハロゲン、(C1〜C5)アルキル、(C1〜C5)アルコキシ、(C1〜C5)アルキルチオ、(C1〜C5)アルキルアミノ、(C6〜C14)アリールオキシ、(C6〜C14)アリール(C1〜C5)アルコキシ、シアノ、トリフルオロメチル、カルボキシル、カルボキシメチルまたはカルボキシエチルで場合により置換された(C3〜C8)シクロアルキル、
N、OおよびSから選択される1つまたは複数のヘテロ原子を有し、アミノ、ヒドロキシル、チオ、ハロゲン、(C1〜C5)アルキル、(C1〜C5)アルコキシ、(C1〜C5)アルキルチオ、(C1〜C5)アルキルアミノ、(C6〜C14)アリールオキシ、(C6〜C14)アリール(C1〜C5)アルコキシ、シアノ、トリフルオロメチル、カルボキシル、カルボキシメチルまたはカルボキシエチルで場合により置換されたヘテロ(C3〜C8)シクロアルキル、
アミノ、ヒドロキシル、チオ、ハロゲン、(C1〜C5)アルキル、(C1〜C5)アルコキシ、(C1〜C5)アルキルチオ、(C1〜C5)アルキルアミノ、(C6〜C14)アリールオキシ、(C6〜C14)アリール(C1〜C5)アルコキシ、シアノ、トリフルオロメチル、カルボキシル、カルボキシメチルまたはカルボキシエチルで場合により置換された(C6〜C14)アリール、
N、OおよびSから選択される1つまたは複数のヘテロ原子を有し、アミノ、ヒドロキシル、チオ、ハロゲン、(C1〜C5)アルキル、(C1〜C5)アルコキシ、(C1〜C5)アルキルチオ、(C1〜C5)アルキルアミノ、(C6〜C14)アリールオキシ、(C6〜C14)アリール(C1〜C5)アルコキシ、シアノ、トリフルオロメチル、カルボキシル、カルボキシメチルまたはカルボキシエチルで場合により置換された(C1〜C13)ヘテロアリール、
アミノ、ヒドロキシル、チオ、ハロゲン、(C1〜C5)アルキル、(C1〜C5)アルコキシ、(C1〜C5)アルキルチオ、(C1〜C5)アルキルアミノ、(C6〜C14)アリールオキシ、(C6〜C14)アリール(C1〜C5)アルコキシ、シアノ、トリフルオロメチル、カルボキシル、カルボキシメチルまたはカルボキシエチルで場合により置換された(C6〜C14)アリール(C1〜C5)アルキル
から選択され、
R5およびR6は、これらが結合した炭素原子と一緒になって、N、OおよびSから選択される1つまたは複数のヘテロ原子を場合により含むm員環(mは3〜8)を形成することができ、アミノ、ヒドロキシル、チオ、ハロゲン、(C1〜C5)アルキル、(C1〜C5)アルコキシ、(C1〜C5)アルキルチオ、(C1〜C5)アルキルアミノ、(C6〜C14)アリールオキシ、(C6〜C14)アリール(C1〜C5)アルコキシ、シアノ、トリフルオロメチル、カルボキシル、カルボキシメチルまたはカルボキシエチルで置換されていることができ、
または、炭素原子と一緒になって、アミノ、ヒドロキシル、チオ、ハロゲン、(C1〜C5)アルキル、(C1〜C5)アルコキシ、(C1〜C5)アルキルチオ、(C1〜C5)アルキルアミノ、(C6〜C14)アリールオキシ、(C6〜C14)アリール(C1〜C5)アルコキシ、シアノ、トリフルオロメチル、カルボキシル、カルボキシメチルまたはカルボキシエチルで場合により置換されたC10〜C30多環式残基を形成することができ、
R5およびR6は一緒になって、また、=O基または=S基を表すことができ、ヘテロシクロアルキルまたはヘテロアリール基の窒素原子は、(C1〜C5)アルキル、(C3〜C8)シクロアルキル、(C6〜C14)アリール、(C6〜C14)アリール(C1〜C5)アルキルまたは(C1〜C6)アシル基で置換されていることができる]の化合物、およびまたこのラセミ体、互変異性体、鏡像異性体、ジアステレオ異性体、エピマーおよび多形体、およびこれらの混合物、および薬剤として許容されるこれらの塩を含む薬剤組成物。
【請求項2】
R5が水素である式(I)の化合物を含む、請求項1に記載の薬剤組成物。
【請求項3】
R5およびR6が、独立に、H、およびアミノ、ヒドロキシル、チオ、ハロゲン、(C1〜C5)アルキル、(C1〜C5)アルコキシ、(C1〜C5)アルキルチオ、(C1〜C5)アルキルアミノ、(C6〜C14)アリールオキシ、(C6〜C14)アリール(C1〜C5)アルコキシ、シアノ、トリフルオロメチル、カルボキシル、カルボキシメチルまたはカルボキシエチルで場合により置換された(C1〜C20)アルキル基から選択される式(I)の化合物を含む、請求項1または2に記載の薬剤組成物。
【請求項4】
R1、R2、R3およびR4が、独立に、H、およびハロゲン、(C1〜C5)アルキル、(C1〜C5)アルコキシまたは(C3〜C8)シクロアルキルで場合により置換された(C1〜C20)アルキル基から選択される、前記請求項のいずれか一項に記載の薬剤組成物。
【請求項5】
R5およびR6が、独立に、H、およびアミノ、ヒドロキシル、チオ、ハロゲン、(C1〜C5)アルキル、(C1〜C5)アルコキシ、(C1〜C5)アルキルチオ、(C1〜C5)アルキルアミノ、(C6〜C14)アリールオキシ、(C6〜C14)アリール(C1〜C5)アルコキシ、シアノ、トリフルオロメチル、カルボキシ、カルボキシメチルまたはカルボキシエチルで場合により置換された(C1〜C20)アルキル基から選択される、前記請求項のいずれか一項に記載の薬剤組成物。
【請求項6】
R1およびR2がメチル基であり、R3およびR4が水素を表す式(I)の化合物を含む、前記請求項のいずれかに記載の薬剤組成物。
【請求項7】
使用されるトリアジン誘導体が、2−アミノ−3,6−ジヒドロ−4−ジメチルアミノ−6−メチル−1,3,5−トリアジン、または薬剤として許容されるこの塩であることを特徴とする、前記請求項のいずれか一項に記載の薬剤組成物。
【請求項8】
使用されるトリアジン誘導体が、(−)−2−アミノ−3,6−ジヒドロ−4−ジメチルアミノ−6−メチル−1,3,5−トリアジンまたは薬剤として許容されるこれらの塩であることを特徴とする、請求項1から6のいずれか一項に記載の薬剤組成物。
【請求項9】
使用されるトリアジン誘導体が、(+)−2−アミノ−3,6−ジヒドロ−4−ジメチルアミノ−6−メチル−1,3,5−トリアジンまたは薬剤として許容されるこれらの塩であることを特徴とする、請求項1から6のいずれか一項に記載の薬剤組成物。
【請求項10】
式(I)の化合物が塩酸塩の形態である、前記請求項のいずれか一項に記載の薬剤組成物。
【請求項11】
インスリン増感剤が、チロシンホスファターゼ阻害剤(PTP阻害剤)、GSK−3阻害剤、レチノイドX受容体作動薬(RXR作動薬)、グリタゾン(TZD)、非TZD PPARγ作動薬、PPARα/PPARγ二重作動薬、バナジウムを含む化合物を基にした作動薬、およびビグアナイド、例えば、メトホルミンから選択されることを特徴とする、前記請求項のいずれか一項に記載の薬剤組成物。
【請求項12】
インスリン増感剤が、グリタゾン(TZD)であることを特徴とする、前記請求項のいずれか一項に記載の薬剤組成物。
【請求項13】
インスリン増感剤が、ロシグリタゾン、ピオグリタゾン、トログリタゾンから選択されるグリタゾン(TZD)であることを特徴とする、請求項12に記載の薬剤組成物。
【請求項14】
インスリン増感剤が、ムラグリタザル、テサグリタザルおよびレサグリタザルから選択されるPPARα/PPARγ二重作動薬であることを特徴とする、請求項1から11のいずれか一項に記載の薬剤組成物。
【請求項15】
インスリン増感剤が、薬剤として許容される塩の形態であることを特徴とする、前記請求項のいずれか一項に記載の薬剤組成物。
【請求項16】
0.5mg〜50mgのインスリン増感剤を含むことを特徴とする、前記請求項のいずれか一項に記載の薬剤組成物。
【請求項17】
200mg〜2000mgの式(I)の化合物を含むことを特徴とする、前記請求項のいずれか一項に記載の薬剤組成物。
【請求項18】
インスリン増感剤対式(I)の化合物の重量比が、1/2〜1/2000であることを特徴とする、前記請求項のいずれか一項に記載の薬剤組成物。
【請求項19】
インスリン増感剤がロシグリタゾンであり、式(I)の化合物が、(+)−2−アミノ−3,6−ジヒドロ−4−ジメチルアミノ−6−メチル−1,3,5−トリアジンであって、好ましくは塩酸塩の形態であることを特徴とする、前記請求項のいずれか一項に記載の薬剤組成物。
【請求項20】
インスリン増感剤がピオグリタゾンであり、式(I)の化合物が、(+)−2−アミノ−3,6−ジヒドロ−4−ジメチルアミノ−6−メチル−1,3,5−トリアジンであって、好ましくは塩酸塩の形態であることを特徴とする、請求項1から18のいずれか一項に記載の薬剤組成物。
【請求項21】
インスリン増感剤がトログリタゾンであり、式(I)の化合物が、(+)−2−アミノ−3,6−ジヒドロ−4−ジメチルアミノ−6−メチル−1,3,5−トリアジンであって、好ましくは塩酸塩の形態であることを特徴とする、請求項1から18のいずれか一項に記載の薬剤組成物。
【請求項22】
インスリン増感剤がムラグリタザルであり、式(I)の化合物が(+)−2−アミノ−3,6−ジヒドロ−4−ジメチルアミノ−6−メチル−1,3,5−トリアジンであって、好ましくは、塩酸塩の形態であることを特徴とする、請求項1から18のいずれか一項に記載の薬剤組成物。
【請求項23】
経口投与に適している、粉末、被覆錠剤、ゲルカプセル、サシェ、溶液、懸濁液またはエマルションである、前記請求項のいずれか一項に記載の薬剤組成物。
【請求項24】
糖尿病の治療および/または予防のための医薬組合せの調製のための、請求項1から10のいずれか一項に記載の式(I)の化合物との組合せでのインスリン増感剤の使用。
【請求項25】
非インスリン依存性糖尿病の治療および/または予防のための医薬組合せの調製のための、請求項24に記載の使用。
【請求項26】
異脂肪血症、肥満症、動脈性高血圧症、ならびに微小血管および大血管合併症、例えば、アテローム性動脈硬化症、網膜症、腎症および神経障害から選択される、インスリン抵抗症候群に随伴した病態の少なくとも1つの治療のための医薬組合せの調製のための、請求項1から10のいずれか一項に記載の式(I)の化合物との組合せでのインスリン増感剤の使用。
【請求項27】
インスリン増感剤が、請求項11から14のいずれか一項に記載の通りであることを特徴とする、請求項24から26のいずれか一項に記載の使用。
【請求項28】
組合せが、請求項18から22のいずれか一項に記載の通りであることを特徴とする、請求項24から27のいずれか一項に記載の使用。
【請求項29】
化合物(I)の投与およびインスリン増感剤の投与が、同時、別々または逐次である、請求項24から28のいずれか一項に記載の使用。
【請求項30】
同時、別々または逐次投与のための、請求項1から10のいずれか一項に記載の式(I)の化合物および請求項11から14のいずれか一項に記載のインスリン増感剤を含むキット。

【公表番号】特表2009−523142(P2009−523142A)
【公表日】平成21年6月18日(2009.6.18)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−549783(P2008−549783)
【出願日】平成18年12月18日(2006.12.18)
【国際出願番号】PCT/EP2006/012185
【国際公開番号】WO2007/079917
【国際公開日】平成19年7月19日(2007.7.19)
【出願人】(591032596)メルク パテント ゲゼルシャフト ミット ベシュレンクテル ハフツング (1,043)
【氏名又は名称原語表記】Merck Patent Gesellschaft mit beschraenkter Haftung
【住所又は居所原語表記】Frankfurter Str. 250,D−64293 Darmstadt,Federal Republic of Germany
【Fターム(参考)】