トリアゾールデンドリマーへのクリックケミストリールート
鎖末端部の多様な官能基、繰り返し単位及び/又はコアを含む、多数の様々なデンドリマーは、クリックケミストリーの高い効率及び再現性により調製可能である。合成の間、ほぼ定量的な収率が得られた。場合によっては、濾過又は溶媒抽出が、精製に要するただ1つの方法である。これらの特徴は、デンドリマー化学における著しい前進であり、また、有機化学と機能材料との間に発生する共働作用を示す。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、デンドリマー及びデンドリマーの製造方法に関する。更に詳細には、本発明は、トリアゾールデンドリマーを合成するためにクリックケミストリーを使用することに関する。
【背景技術】
【0002】
デンドリマーのユニークな特性は、その規則的構造の直接の結果であり、近年著しい興味を引き起こしている(D.A.Tomalia,et al.Angew.Chem.1990,102,119-57;Angew.Chem.,Int.Ed.1990,29,138; D.A.Tomalia,H.D.Durst in Topics in Current Chemistry,Vol.165(Eds.:E.Weber),Springer-Verlag,Berlin,1993;pp.193-313;F.Zeng,S.C.Zimmerman Chem.Rev.1997,97,1681-1712;C.J.Hawker in Advances in Polymer Science,Vol.147, Springer-Verlag,Berlin,Heidelberg,Germany,1999,pp.113-160;M.Fischer,F.Vogtle Angew.Chem.1999,111,934-955; Angew.Chem.,Int.Ed.1999,38,884-905;A.W.Bosman,et al.Chem.Rev.1999,99,1665-1688;J.-P.Majoral,A.-M.Caminade Chem.Rev.1999,99,845-880;L.J.Twyman,et al.Chem.Soc.Rev.2002,31,69-82;J.M.J.Frechet Proc.Natl.Acad.Sci.USA,2002,99,4782-4787)。サイズ、溶解度、機能の異なる多数のデンドリマー(樹枝状構造物)が調製されてきた。しかしながら、大抵のデンドリマーの合成、特に高世代の合成は、モノマーの高充填や、面倒で長期にわたるクロマトグラフィーによる分離を必要とし、かつ大量の廃棄物を生じる(S.M.Grayson,J.M.J.Frechet Chem.Rev.2001,101,3919-3967;J.M.J.Frechet J.Polym.Sci.,Polym.Chem.2003,41,3713-3725)。例えば、一連のウィリアムソンのエーテル化及びハロゲン化に基づくポリエーテルデンドリマーの合成(S.C.Zimmerman,et al.J.Am.Chem.Soc.2003,125,13504-13518;S.Kimata,et al.J.Polym.Sci.,Polym.Chem.2003,41,3524-3530;A.Dahan,M.Portnoy Macromolecules 2003,36,1034-1038;E.M.Harth,et al.J.Am.Chem.Soc.2002,124,3926-3938;F.S.Precup-Blaga,et al.J.Am.Chem.Soc.2003,125,12953-12960)は、種々の官能基との不適合性及び複雑な精製が難点である。周辺部にあるプロトン性官能基、例えば、−OH、−COOH及び−NH2は、ウィリアムソンのエーテル化及びハロゲン化と適合しない。
【0003】
デンドリマーには多数の用途がある。例えば、近年発見された多座配位子である1,4−二置換1,2,3−トリアゾールの、Cu(I)種を水性好気条件下ですら安定させる能力(T.R.Chan,et al.Org.Lett.Submitted)は、生物学的用途において重要であることが既に判明している(Q.Wang,et al.J.Am.Chem.Soc.2003,125,3192-3193;A.E.Speers,et al.J.Am.Chem.Soc.2003,125,4686-4687;A.J.Link,D.A.Tirrell J.Am.Chem.Soc.2003,125,11164-11165;A.Deiters,et al.J.Am.Chem.Soc.2003,125,11782-11783)。トリアゾールデンドリマーをこの目的に使用することができる。また、デンドリマーは、多孔性物質を製造するために使用することができる。即ち、デンドリマーを、マトリックス材料と混合し、マトリックス材料を凝固させ、デンドリマーを蒸発させる。正確な多孔性を得るために、均一なサイズのデンドリマーを使用せねばならない。残念なことに、本開示前には、正確に均一なサイズを有するデンドリマー、即ち、実質的に全てのデンドリマーが同一のサイズを有するものを製造することは実現できなかった。
【0004】
よって、正確に均一なサイズのデンドリマーを製造する簡単な方法が必要とされている。
【発明の開示】
【0005】
トリアゾールを基礎とするデンドリマーを高い効率で製造するルートは、クリックケミストリーを使用するというものである。このルートは、末端アセチレンとアジ化物とのCu(I)触媒連結反応の類をみない信頼性からの利益を得るものである。このクリックケミストリーでは、高度に位置を選択し、1,4−二置換トリアゾールを生成する。種々の官能基がこのプロセスに適合し、この反応で生じる唯一の副産物はNaClである。全ての第2世代及び幾つかの第3世代デンドロンは、純粋固体として直接に単離され(即ち、クロマトグラフによる分離は必要ない)、大規模用途の要件を満たす。
【0006】
本発明の一態様は、単一のアジド基を有するデンドロン生成物を製造する方法を対象とする。この方法は、「n」個の有機アジ化物分子と、ABn分子とを反応させる第1ステップを含む。ABn分子は、「n」個の末端アセチレン官能基と1個のハロメチル基とを有し、「n」は、2以上である。「n」個のトリアゾールと1個のハロメチル基を有する生成物分子を製造する反応を確実に完了させるのに十分な銅触媒の存在下で反応を行う。製造方法の第2ステップでは、第1ステップの生成物分子と十分なアジ化ナトリウムとを、ハロメチル基から塩化物を完全に又はほぼ完全に取り除くのに十分に高い温度で、有機/水性溶媒混合物中で反応させて、単一のアジド基を有するデンドロン生成物を製造する。有利な様式では、デンドロン生成物は、第1世代デンドロンである。有利な有機アジ化物は、以下の構造:
【化1】
により表される群から選択される。他の有利な様式では、「n」は2である。有利なABn分子は、以下の構造:
【化2】
により表される群から選択される。他の有利な様式では、デンドロン生成物は、第2世代デンドロンであり、「n」個の有機アジ化物分子のそれぞれが第1世代デンドロンである。この場合、第1世代デンドロンは、本発明の方法により製造してもよいし、しなくてもよい。他の有利な様式では、デンドロン生成物は、第3世代デンドロンであり、「n」個の有機アジ化物分子のそれぞれが第2世代デンドロンである。この場合、第2世代デンドロンは、本発明の方法により製造してもよいし、しなくてもよい。他の有利な様式では、デンドロン生成物は、第4世代デンドロンであり、「n」個の有機アジ化物分子のそれぞれが第3世代デンドロンである。この場合、第3世代デンドロンは、本発明の方法により製造してもよいし、しなくてもよい。
【0007】
本発明の他の態様は、トリアゾール含有デンドリマーの製造方法を対象とする。この方法は、複数のデンドロンとポリアセチレンコア化合物とを、好適な溶媒中で、トリアゾール形成反応を触媒する銅(I)種を触媒量の存在下で、反応させて、デンドリマーを形成するステップを含む。このステップにおいて、各デンドロンは単一のアジド官能基を有し、ポリアセチレンコア化合物は複数の末端アセチレン基を有する。任意には、この方法は、第1ステップの生成物を水酸化アンモニウム/クエン酸塩水溶液で十分に洗浄して、デンドリマーのトリアゾール部分に結合しているかもしれない銅種を除去するステップを更に含んでもよい。本発明のこの態様の有利な様式では、ポリアセチレンコアは、以下の構造:
【化3】
により表される群から選択される。この方法は、第1、第2、第3又は第4世代デンドリマーを製造するために使用することができ、その際、デンドロンは、それぞれ第1、第2、第3又は第4世代デンドロンである。
【0008】
本発明のもう1つの態様は、前記方法により製造された第1、第2、第3又は第4世代デンドリマーを対象とする。
【0009】
本発明のもう1つの態様は、次式:
【化4】
により表される、3官能性試薬を対象とする。前記構造において、Xは、−O−及び−S−からなる群から選択されるジラジカルであり、Rは、−Cl及び−Brからなる群から選択されるラジカルであり、nは、1〜10であり、mは、1〜10である。本発明のこの態様の有利な実施形態は、次式:
【化5】
により表すことができる。
【0010】
本発明のもう1つの態様は、次式:
【化6】
により表される、3官能性試薬を対象とする。前記構造において、Rは、−Cl及び−Brからなる群から選択されるラジカルであり、nは、1〜10であり、mは、1〜10である。本発明のこの態様の有利な実施形態は、次式:
【化7】
により表すことができる。
【0011】
本発明のもう1つの態様は、次式:
【化8】
により表される3官能性試薬を対象とする。前記構造において、Rは、−Cl及び−Brからなる群から選択されるラジカルであり、nは、1〜10であり、mは、1〜10である。本発明のこの態様の有利な実施形態は、次式:
【化9】
により表すことができる。
【0012】
本発明のもう1つの態様は、次式:
【化10】
により表される、コア分子を対象とする。前記構造において、nは、1〜10である。
【発明を実施するための最良の形態】
【0013】
トリアゾールを基礎とするデンドリマーを高い効率で製造するルートは、クリックケミストリーを使用するというものである。この効率が高く、準備が簡易な新規のルートにより、高純度で且つ優れた収率で、多様な樹枝状構造物(図1)を生成することができる。このルートのユニークな側面は、アジ化合物とアルキンから1,2,3−トリアゾールをCu触媒により合成する際のほぼ完全な信頼性に起因する(図2)(V.V.Rostovtsev,et al.Angew.Chem.Int.Ed.2002,41,2596-2599;C.W.Tornoe, et al.J.Org.Chem.2002,67,3057)。この反応は、実験手順としては簡単であり、酸素からの保護を行うことなく水溶液中で良好に進行し、出発物質の化学量論量のみを要し、実質的に副産物を生成しない。幅広い変化、高い選択性、ほぼ理論値の収率のどれもが重要である。これまでの最良のクリック反応(H.C.Kolb,et al.Angew.Chem.Int.Ed.2001,40,2004-2021)に驚くことなく、手順は、単に混合と攪拌を含み、その際、純生成物は、濾過又は簡単な抽出により単離することができる。
【0014】
フレッシェのコンバージェント法(Frechet's convergent approach)を、本明細書に記載のデンドリマー合成に利用した(C.J.Hawker,J.M.J. Frechet J.Am.Chem.Soc.1990,112,7638-7647)。従って、個々の樹枝又はデンドロンは、分子の「外側」から出発して、連続的に形成された。次いで、これらは、最後のステップで、図3Aと図3Bに示すように、多価の中心部(「コア」)に結合し、種々の鎖末端基(R)及び内部繰り返し単位(X)を有する多様なデンドリマーを生じた。
【0015】
デンドリマー構築のためにCu(I)触媒反応を利用する際に、末端アセチレン及びハロゲン化アルキル官能基に基づき、様々なAB2モノマーを想定することができる。アセチレン基を導入するための容易に入手できる出発物質と簡易な合成方法は、著しい構造的多様性をもたらす(図4)。しかしながら、1つの構造的特徴、即ち、単一のクロロメチル基の存在が、11、12及び13の間で保有される。これは、本明細書中に開示される合成方法に特に組み入れられ、コンバージェント成長法(convergent growth approach)によるデンドリマーの形成の間、中心基を容易に活性化することができる。単一のクロロメチル基を含有する樹枝状フラグメントとアジ化ナトリウムとの反応は、所望のアジドメチル基の定量的形成を生じ、これは、次いで、11、12又は13と結合して次世代デンドロンを生じることができる(図3Aと図3B)。AB2モノマー単位と同様に、カルボン酸からアルコールにまでわたる反応性官能基を備えた様々な鎖末端(図5)は、多様なトリアゾールデンドリマーの構築において使用することができる。
【0016】
AB2モノマーと鎖末端単位との銅(I)触媒反応を、水とtert−ブチルアルコールの1:1混合物中で、2〜5mol%CuSO4、5〜10mol%アスコルビン酸ナトリウムの存在下に室温で実施し、所望のビス−トリアゾールがほぼ定量的収率で得られる。生成物中の痕跡量の銅塩は、水酸化アンモニウム−クエン酸塩水性緩衝液で洗浄することにより容易に除去された。高度の効率のため、アジ化物の化学量論量(2.0当量)を使用することが可能であった。副産物の不在とあわさり、精製が非常に簡易化された。これは、次世代の樹枝状フラグメントの収率を増加させるために、一般に過剰のデンドロン(2.05〜2.20当量)を使用するコンバージェント成長法による、古典的ポリエーテルデンドリマー合成とは正に対照的である。更に、フラッシュクロマトグラフィーによる精製が、各ステップで通常必要とされている(C.J.Hawker,J.M.J.Frechet J.Am.Chem.Soc.1990,112,7638-7647)。
【0017】
次のステップで、最初の塩化物(primary chloride)をアセトン/水混合物中でアジ化ナトリウム1.5当量と反応させて、相当するアジ化合物に変換した。これは、同様に容易であり、一般に、95%より高い収率が得られ、唯一の副産物はNaClであった。(ベンゼンスルホンアミド13から生じたモノクロリドデンドロンは、湿性DMF中で相当するアジ化物に変換された。)次いで、デンドロンは、生じたアジ化物ともとのモノマー11、12又は13との反応を介して「成長」した。全ての第2世代デンドロンは、簡易濾過又は水性後処理により、純白色固体として単離され、第2世代アジドデンドロンを、90%を超える単離収率で生じた。デンドロンBn−F−[G−2]−Cl(3b)の粗1HNMRスペクトル(図6)に見られるように、プロトンfとcのインテグレーション比は、2:1であり、純粋に熱プロセスから得られた混合物と比較して、100%の位置選択性を示す。
【0018】
同じ手順に従い、アミドモノマー12を周辺部でtert−ブチルアジド17により、並びにベンジルエーテルモノマー11をアジド19により第4世代へ増殖させた。モノマー12は、周辺部で、アジド16と19により第3世代へとそれぞれ増殖した。デンドリマーが水性混合物に溶解しないこれらの場合には、反応条件を僅かに変更して、同程度の効率とほぼ定量的な収率が得られた。例えば、14と11から調製されたベンジル末端デンドリマーは、第2世代で、H2O/THF(1:1)溶液に不溶であり、反応を起こさないことが判明した。同様に、クロロメチル基のアジド基への変換は、水性アジ化ナトリウムを用いて不成功であった。この難点を克服するために、銅触媒反応を、有機可溶性Cu(I)種、(PPh3)3CuBrを用いて、THF中で、マイクロ波照射下に実施し、次世代の樹枝状フラグメントの定量的収率が得られた。アジド形成に関する同様の結果が、DMF又はDMSO中で、アジ化ナトリウムで置換を実行して、得られた。MALDI−TOF質量分析法及びGPCによるデンドロンの分析からは、不完全な枝から生じるであろう欠陥を有する生成物の兆候はない(図7)。
【0019】
Tomalia、Frechet等による研究は、樹枝状分子の溶解特性が、その周辺末端(periphery)により支配されることを明示する(S.M.Grayson,J.M.J.Frechet Chem.Rev.2001,101,3919-3967; J.M.J.Frechet J.Polym.Sci.,Polym.Chem.2003,41,3713-3725)。同様に、本明細書中に開示されたデンドリマーを観察すると、概してこれらの傾向をおっている。これらのトリアゾールに基づくデンドロンのユニークな特性として、分子が高次の世代になるにつれ、酢酸エチルに対し溶解度が低下し、ジクロロメタン、クロロホルム、アルコール及び予想外にも水性混合物に対しては僅かに溶解度が増える。(一般に、テストされた全ての溶媒に対し、ベンゼンスルホンアミド、13から生じたデンドロンは、アセトアミド、12から製造されたデンドロンより溶解度が低く、他方、鎖末端部として19を組み込むと、溶解度は実質的に増加する。)
【0020】
最後に、幾つかの第3及び第4世代のトリアゾールデンドリマーは、これらのデンドロンを多様なポリアセチレンコア(図8)に固定することにより構築された。
【0021】
代表例は、図9に示されており、第3世代デンドロンtBU−F−[G−3]−N3(6a)は、現場形成されたCu(I)触媒の存在下に、2,4,6−トリス−プロピ−2−イニルオキシ−[1,3,5]トリアジン(23)と直接に結合した。これらの低い濃度(アルキン及びアジ化物中0.06M)ですら、触媒反応は、室温で十分迅速に進行し、LC−MS分析により示されるように、30時間未満で完了した。24の周辺末端単位を有するデンドリマー7a(分子量6322Da)は、白色固体として、収率92%で単離された。デンドリマー全ては1H及び13CNMRにより特徴付けられ、更に、構造及び純度の確認は、GPC及びMALDI−TOF質量分析法により得られた(図10)。高い極性、良好なアルコール/水混合物への溶解度、及び210と229nmでの強いUV吸収は、この新種のトリアゾールデンドリマーのユニークな特徴である。
【0022】
図面について詳細に説明すると、図1は、概説された方法により調製できる大デンドリマーの1例を示す。示された種々のR基により、反応生成物のデンドリマーの種々の溶解度が可能となる。
【0023】
図2は、1,4−二置換1,2,3−トリアゾールの銅(I)−触媒合成を示す。銅(I)は、その場で硫酸銅から得られた銅(II)種の現場還元により得られる。反応は、水/アルコール溶媒混合物中で、周囲温度で進行し、ほぼ定量的収率で1,2,3−トリアゾール生成物が得られる。
【0024】
図3Aと3Bは、個々の枝又はデンドロンが、分子の「外側」から出発して構築される反応順序を示す。次いで、これらは、最後のステップで、多価の中心部又は「コア」に結合される。内部繰り返し単位は、「X」であり、鎖末端基は「R」である。
【0025】
図4は、AB2モノマーについて選択された3つの構造を示す。これらは、末端アセチレン及びハロゲン化アルキル官能基を基礎とした。ジアセチレンの他に、11、12及び13の3つの構造の間に保有される構造的特徴は、クロロメチル基であった。クロロメチル基1つを含有する樹枝状フラグメントとアジ化ナトリウムとの反応は、アジドメチル基の定量的形成をもたらし、これは、次いで、11、12又は13と結合して次世代デンドロンを製することになる。
【0026】
図5は、鎖末端に使用される種々のモノアジドを示す。デンドリマーは、反応性及び非反応性末端基を有する。非反応性基は、アリール、アルキル及びメトキシエトキシ末端を有し、反応性末端基はカルボン酸、ベンジルアルコール及び被保護第1アミン官能基を有する。
【0027】
図6は、生成物ビス−トリアゾールのNMRスペクトルである。スペクトルは、熱環状付加反応から期待されるようないかなる位置異性体も、生成物中に全く無いことを示す。プロトンfとcのインテグレーション比は、2:1であり、これは、環状付加で、位置異性体が1つだけ形成されることを示す。fとcプロトンの両方に関する2個の信号の存在は、アミド結合ロータマー(rotomer)中の異なる磁場環境のためである。
【0028】
図7は、ベンジルエーテルモノマー11及びアジドジ(エチレングリコール)誘導体19から樹枝状成長により得られる粗反応生成物、MEE−B−[G−4]−N3(9d)、MEE−B−[G−3]−N3(6d)及びMEE−B−[G−2]−N3(4d)のためのGPCトレースを示す。これらのトレースから、不完全な枝から由来する欠陥を備えた生成物の兆候は見られない。
【0029】
図8は、デンドロンが固定されるポリアセチレンコアの構造を示す。
【0030】
図9は、第3世代デンドロンとトリアセチレンコアとの結合(coupling)により得られる、デンドリマーの代表例である。
【0031】
図10は、デンドリマー7aのMALDI−TOF質量スペクトルである。この飛行時間型質量分析スペクトルは、この生成物の純粋性の証拠の一端であった。
【実施例】
【0032】
一般的方法。市販の試薬は、Aldrichから入手し、更に精製せずに使用した。重水素化溶媒は、Cambridge Isotope Laboratories,Inc.から購入した。分析TLCは、シリカゲルGF254で被覆された(0.24mm厚さ)市販のMerck Plate上で遂行した。フラッシュクロマトグラフィー用シリカゲルは、Merck Kieselgel 60(230〜400メッシュ、ASTM)であった。NMR(1H、13C)スペクトルは、BrukerAMX−400、AMX−500又はAMX−600MHz分光計のいずれかで記録した。結合定数(J)は、ヘルツで報告し、化学シフトは、内部基準としてのCHCl3(1Hについては7.26ppm、13Cについては77.2ppm)又はDMSO(1Hについては2.50ppm、13Cについては39.5ppm)又はCD3OD(1Hについては3.31ppm、13Cについては49.0ppm)又はアセトン(1Hについては2.05ppm、13Cについては29.9ppm)に対して、100万分率(ppm)(δ)で報告される。分取HPLCは、ZORBAX SB−C18カラム(内径21.2mm×25cm)を使用し、溶離剤としてH2O/CH3CNを用いるDynamax HPLCシステムで遂行した。流速は、6.5ml/分であった。ゲル浸透クロマトグラフィーは、テトラヒドロフラン(THF)中で、孔径を増加させた(2つの混合B、103Å、105Å)4本の5−μmウォーターズ(Waters)カラム(300mm×7.7mm)を直列接続して装備したウォーターズ社製クロマトグラフで遂行した。ウォーターズ410示差屈折計及び996フォトダイオードアレイ検出器を使用した。ポリマーの分子量は線状ポリスチレン標準に対して計算した。変調型示差走査熱量計(MDSC)による測定をTA装置DSC2920を用いて、1分当たり4度の傾斜率で実行した。熱重量分析による測定は、TA装置Hi−Res TGA2950を用いて、窒素パージ下に行い、傾斜率は、1分当たり10度であった。2−クロロ−N,N−ジ(プロピ−2−イニル)アセトアミド12(A.J.Speziale,P.C.Hamm,J.Am.Chem.Soc.1956,78,2556-2229)、アジド15(D.Charon,M.Mondange,J.-F.Pons,K.Le Blay,R.Chaby,Bioorg.Med.Chem.,1998,6,755-765)、16(P.G.Mattingly,Synthesis 1990,366-368)、17(J.C.Bottaro,P.E.Penwell,R.J.Schmitt,Syn.Comm.1997,27,1465-1467)、1,3,5−トリス(プロピ−2−イニルオキシ)ベンゼン20(P.Place,R.Pepin,.in FRXXBL FR 2598408 A1 19871113 FR.1987)、1,1,1−トリス(4−(プロピ−2−イニルオキシ)フェニル)エタン21(D.O'Krongly,S.R.Denmeade,M.Y.Chiang,R.Breslow,J.Am.Chem.Soc.1985,107,5544-5545)を、報告された方法により調製した。
【0033】
樹枝状骨格:R−X−[G−n]−Yに関して使用される用語は、以下のとおりである。Rは、周辺末端部の官能基を表し、これには、ベンジルを表すBn、tert−ブチルエチルカルバメートを表すBoc、tert−ブチルを表すtBu、(2−メトキシエトキシ)エタンを表すMEEがあり、Xは、内部繰り返し単位を表し、1,3−ジオキシベンゼンを表すB、ホルムアミドを表すF、ベンゼンスルホンアミドを表すSがあり、nは、世代の数であり、Yは、中心にある官能基、即ち塩化物、Cl、又はアジド、N3を表す。
【0034】
(繰り返し単位の合成)
【化11】
【0035】
<メチル3,5−ビス(プロパルギルオキシ)ベンゾエート>
アセトン(300ml)中のメチル3,5−ジヒドロキシベンゾエート(16.8g、100mmol)及び臭化プロパルギル(29.7g、220mmol)の攪拌溶液に、炭酸カリウム(15.1g、109mmol)及び18−クラウン−6(0.1g、0.4mmol)を添加した。反応混合物を窒素下に、還流させながら24時間加熱し、濾過し、蒸発乾固させた。次いで、粗物質を、メタノール中で晶出させ、エステルが淡黄色結晶として得られた(20.6g、84.4%)。1HNMR(500MHz,CDCl3):δ=2.55(t,J=2.4Hz,C≡CH,2H),3.92(s,CH3O,3H),4.73(d,J=2.4Hz,CH2C≡CH,4H),6.83(s,p−Ar,1H),7.31(s,o−Ar,2H)。13CNMR(125MHz、CDCl3):δ=52.76(s,CH3O,1C),56.51(s,CH2C≡CH,1C),76.38(s,C≡CH,1C),78.34(s,C≡CH,1C),107.91(s,p−Ar,1C),109.27(s,o−Ar,2C),132.54(s,CCOOCH3,1C),158.90(s,m−Ar,2C),166.86(s,COOCH3,1C)。
【0036】
<3,5−ビス(プロパルギルオキシ)ベンジルアルコール>
無水THF(170ml)中のエステル(20.6g、84.4mmol)の攪拌溶液に、水素化アルミニウムリチウム(3.99g、105mmol)を少量宛添加した。次いで、Beckstrom試薬(25g)を添加して残留する水素化アルミニウムリチウムをクエンチした。反応混合物を真空濾過し、固体をジクロロメタンで濯ぎ、濾液をMgSO4で乾燥させた。溶媒の蒸発後、アルコールを、白色結晶として回収した(16.4g、90.1%)。1HNMR(500MHz,CDCl3):δ=2.46(t,J=2.4Hz,C≡CH,2H),4.45(s,CH2OH,2H),4.61(d,J=2.4Hz,CH2C≡CH,4H),6.46(s,p−Ar,1H),6.56(s,o−Ar,2H)。13CNMR(500MHz,CDCl3):δ=56.30(s,CH2C≡CH,1C),65.50(s,CH2OH,1C),76.09(s,C≡CH,2C),78.76(s,C≡CH,2C),101.88(s,p−Ar,1C),106.60(s,o−Ar,2C),143.97(s,CCH2OH,1C),159.23(s,m−Ar,2C)。
【0037】
<3,5−ビス(プロパルギルオキシ)ベンジルクロリド、11>
ジクロロメタン(200ml)中のアルコール(14.7g、68.0mmol)の攪拌溶液に、ピリジン(10.7g、136.0mmol)を添加し、混合物を氷浴中に入れた。ジクロロメタン(20ml)に溶解させた塩化チオニル(12.1g、102mmol)を反応混合物に滴加し、氷浴を室温まで加温させた。次いで、反応混合物をアルゴン下に、24時間攪拌し、その後、水でクエンチした。有機層を分離し、水(3×100ml)で洗浄し、MgSO4上で乾燥させ、濾過し、蒸発乾固させた。粗生成物をフラッシュクロマトグラフィーにより精製した。クロマトグラフにジクロロメタン:ヘキサン(1:1)を装填し、ジクロロメタン:ヘキサン(2:1)で溶離させて、クロロメチルモノマー、11が白色固体として得られた。1HNMR(500MHz,CDCl3):δ=2.57(t,2H,≡CH),4.55(s,2H,CH2Cl),4.73(d,4H,CH2O),6.59(t,2H,ArH)及び6.80(d,1H,ArH)。
【0038】
【化12】
【0039】
<4−(クロロメチル)−N,N−ジ(プロピ−2−イニル)ベンゼンスルホンアミド、13>
化合物を、11と同じ手順を使用して調製した。1HNMR(400MHz,CDCl3):δ=2.15(t,J=2.4Hz,C≡CH,2H),4.17(d,J=2.4Hz,CH2C≡CH,4H),4.61(s,CH2Cl,2H),7.52(d,J=6.4Hz,Ar−H,2H),7.82(d,J=6.4Hz,Ar−H,2H)。13CNMR(100MHz,CDCl3):δ=36.4(s,CH2C≡CH,2C),45.1(s,CH2Cl,1C),74.4(s,C≡CH,2C),76.1(s,C≡CH,2C),129.2(s,Ar−C,2C),129.3(s,Ar−C,2C),138.2(s,CCH2Cl,1C),142.9(s,CSO2,C)。
【0040】
(単官能アジ化物の合成)
<1−アジド−2−(2−メトキシエトキシ)エタン、19>
水(150ml)中の1−ブロモ−2−(2−メトキシエトキシ)エタン(12.4g、67.8mmol)及びアジ化ナトリウム(13.2g、203mmol)の溶液を、還流下に16時間攪拌した。ジクロロメタン(2×200ml)で水性相を抽出し、MgSO4で乾燥させ、蒸発乾固させ、無色油状物として、19が、収率87.3%で得られた。1HNMR(500MHz,CDCl3):δ=3.29(s,CH3O,3H),3.30(t,J=5.2Hz,CH2N3,2H),3.44−3.48(m,CH3OCH2,2H),3.53−3.60(m,CH2OCH2,4H)。13CNMR(125MHz,CDCl3):δ=50.89(s,CH2N3,1C),59.27(s,CH3O,1C),70.29(s,CH3OCH2CH2,1C),70.84(s,CH3OCH2CH2,1C),72.21(s,CH2CH2N3,1C)。
【0041】
(コアの合成)
<ジプロピ−2−イニルピペラジン−1,4−ジカルボキシレート、22>
クロロギ酸プロパルギル(237mg、2mmol)のCH2Cl2溶液4mlにピペラジン86mgを0℃で添加し、その後、Et3Nを滴加した。次いで、LC−MSが反応の完了を示すまで、反応物を室温で3時間攪拌した。10%HCl 5mlを添加し、次いで、分離した有機相を(飽和)NaHCO3、ブラインで洗浄し、Na2SO4で乾燥させた。溶媒を蒸発させた後、粗生成物をフラッシュクロマトグラフィー(ヘキサン:酢酸エチル(3:1))により精製して、白色固体として22が、収率220mg(88%)で得られた。1HNMR(600MHz,[D6]アセトン):δ=3.03(t,J=2.6Hz,C≡CH,2H),3.48(br,NC2H4N,8H),4.72(d,J=2.6Hz,CH2C≡CH,4H)。13CNMR(150MHz,[D6]アセトン):δ=44.3(s,NC2H4N,4C),53.4(s,CH2C≡CH,2C),76.2(s,CH2C≡CH,2C),79.6(s,C≡CH,2C),154.9(s,CO,2C)。融点101〜102℃。
【0042】
<2,4,6−トリス(プロピ−2−イニルオキシ)−1,3,5−トリアジン、23>
プロパルギルアルコール(10ml)をTHF15ml中の塩化シアヌル(2.2g、12.1mmol)の懸濁液に、室温でゆっくりと添加し、その後、K2CO3(5.2g、36.3mmol)を添加した。反応物を60℃まで1晩加熱した。反応混合物を濾過した。溶媒を蒸発させた後、残分をCH2Cl280mlに溶解させ、希クエン酸(10%)、飽和ブラインで洗浄した。MgSO4で乾燥させ、蒸発させて、白色固体として、23が収率90%で得られた。1HNMR(600MHz,[D6]アセトン):δ=3.13(t,J=2.2Hz,C≡CH,3H),5.10(d,J=2.2Hz,CH2C≡CH,6H)。13CNMR(150MHz,[D6]アセトン):δ=53.4(s,CH2C≡CH,3C),77.3(s,CH2C≡CH,3C),78.4(s,C≡CH,3C),173.5(s,Ar−C,3C)。融点69〜70℃
【0043】
(Cu(I)−触媒トリアゾール連結反応のための代表的手順A)
2−クロロ−N,N−ジ(プロピ−2−イニル)アセトアミド(12)(300mg、1.765mmol)を、アジ化ベンジル(14)470mg(3.529mmol、2.00eq.)と混合した。混合物をtBuOH/H2O(1:1)溶液2mlと混合した。アスコルビン酸ナトリウム(35mg、0.177mmol、0.10eq.)を固体として添加し、その後、CuSO4(22mg、0.089mmol、0.05eq.)を添加した。反応物を室温で1晩攪拌した。白色混濁懸濁液をH2O 10ml及び濃NH4OH 1mlで希釈し、10分間攪拌し、次いで濾過した。生じた濾過物、白色粉末をH2O 10mlで3回洗浄し、乾燥させて、純Bn−F−[G−1]−Cl(1b)が得られた(737mg、収率96%)。
【0044】
(Cu(I)−触媒トリアゾール連結反応のための代表的手順B)
300mg(1.765mmol)の12を656mg(3.529mmol、2.00eq.)のBoc−保護アジドエチルアミン(16)と混合した。混合物をtBuOH/H2O(1:1)溶液2mlと混合した。アスコルビン酸ナトリウム(35mg、0.177mmol、0.10eq.)を固体として添加し、その後、CuSO4(22mg、0.089mmol、0.05eq.)を添加した。反応物を室温で1晩攪拌した。明黄色混合物をH2O 10ml及び濃NH4OH 1mlで希釈し、10分間攪拌し、EtOAcを30mlづつ用いる抽出を3回行った。有機層を飽和NaClで2回洗浄し、MgSO4で乾燥させ、蒸発させて、純生成物Boc−F−[G−1]−Cl(1c)が得られた(898mg、収率94%)。
【0045】
(樹枝状塩化物をアジ化物へ変換するための代表的手順)
500mg(1.36mmol)の1aを4mlのアセトン/水(4:1)に溶解させ、NaN3(132mg、2.04mmol、1.5eq.)を添加し、混合物を60℃まで1時間加熱した。混合物を室温まで冷却し、アセトンを蒸発させ、10mlのH2Oで希釈し、EtOAcを用いて3回抽出した。有機層を飽和NaClで洗浄し、MgSO4上で乾燥させ、蒸発させた。tBu−F−[G−1]−N3(2a)が白色個体として得られた(490mg、収率96%)。
【0046】
(Cu(PPh3)3Brにより触媒される非水性クリックケミストリーのための一般的手順)
テトラヒドロフラン(5ml)中の、3,5−ビス(プロパルギルオキシ)ベンジルクロリド(11)(234mg、1.00mmol)、アジ化ベンジル(4)(266mg、2.00mmol)、N,N−ジイソプロピルエチルアミン(48mg、0.37mmol)及びCu(PPh3)3Br(55mg、0.12mmol)の溶液に、140℃(公称温度)で5分間、マイクロ波を照射した。粗生成物は、ジクロロメタンとメタノールの9:1混合物で溶離させ、シリカプラグ(silica plug)により濾過して精製し、Bn−B−[G−1]−Cl(1d)が無色油状物として得られた(477mg、95.5%)。1HNMR(500MHz、CDCl3):δ=4.62(s,CH2Cl,2H),5.06(s,CH2O,4H),5.41(s,CH2N,4H),6.67(s,ArH,3H),7.21−7.37(m,ArH,10H)及び8.23(s,ArH,2H)。
【0047】
(樹枝状アジ化物の非水性合成のための一般的手順)
樹枝状塩化物(1d)(500mg、1.00mmol)とアジ化ナトリウム(325mg、5.0mmol)との混合物を、DMSO(5ml)中に溶解させた。反応物を60℃で24時間加熱し、水(200ml)中に注入した。水性層をCH2Cl2(3×50ml)で抽出し、集め、水(2×50ml)で洗浄し、MgSO4上で乾燥させ、蒸発乾固させた。10%MeOH:EtOAcで溶離させながらシリカプラグを通す濾過により精製して、純アジドメチル誘導体2dが得られた。収率:492mg、97.1%。1HNMR(500MHz,CDCl3):δ=4.36(s,CH2Cl,2H),5.03(s,CH2O,4H),5.44(s,CH2N,4H),6.63(d,ArH,2H),6.68(t,ArH,1H),7.22−7.35(m,ArH,10H)及び8.21(s,ArH,2H)。
【0048】
【化13】
<Bn−F−[G−1]−Cl、1b>
1HNMR(500MHz,CDCl3):δ=7.53(s,2H),7.36(m,6H),7.23(m,4H),5.47(s,2H),5.43(s,2H),4.65(s,2H),4.56(s,2H),4.42(s,2H)。13CNMR(125MHz,CDCl3):δ=167.1,134.4,129.4,129.1,54.5,43.1,41.9。融点111〜112℃。
【0049】
【化14】
<tBu−F−[G−1]−N3、2a>
1HNMR(500MHz,CDCl3):δ=7.72(s,1H),7.70(s,1H),4.66(s,2H),4.59(s,2H),4.35(s,2H),1.66(s,9H),1.65(s,9H)。13CNMR(125MHz,CDCl3):δ=163.8,142.5,121.9,120.9,60.4,51.6,43.1,41.5,30.6ppm。C16H26N10Oについて元素分析計算値(%):C 51.32、H 7.00、N 37.41。測定値:C 51.21、H 6.95、N 36.50。融点113〜115℃。
【0050】
【化15】
<n−F−[G−2]−Cl、3b>
1HNMR(500MHz,[D6]DMSO):δ=8.24(s,1H),8.08(s,1H),8.02(s,1H),7.91(s,1H),7.35(m,20H),5.70(d,4H),5.60(s,4H),5.54(s,4H),4.67(m,8H),4.55(s,2H),4.51(s,4H)。13CNMR(125MHz,[D6]DMSO):δ=167.1,144.1,137.3,137.2,130.1,129.5,125.3,125.2,54.2,54.1,52.3,44.0,43.1,42.6,32.6。MALDI−TOF:1076(MNa+),PDI:1.01。
【0051】
【化16】
<Boc−F−[G−2]−Cl、3c>
1HNMR(500MHz,[D6]アセトン):δ=8.04(s,1H),8.02(s,1H),7.82(s,1H),7.80(s,1H),7.77(s,2H),6.25(br,4H),5.75(s,4H),4.75(m,8H),4.62(m,6H),4.48(m,8H),3.55(m,8H),1.37(s,36H)。13CNMR(125MHz,[D6]アセトン):δ=167.1,166.9,166.7,156.8,144.2,143.9,143.7,126.2,124.8,124.7,124.5,79.3,52.1,50.7,50.5,43.5,43.3,42.5,41.5,28.7ppm。MALDI−TOF:1267(MH+),1289(MNa+)。
【0052】
【化17】
<tBu−F−[G−2]−N3、4a>
1HNMR(500MHz,[D6]アセトン):δ=8.16(s,1H),8.14(s,1H),7.89(s,1H),7.86(s,1H),7.80(s,1H),7.78(s,1H),5.77(d,4H),4.80(s,2H),4.77(s,2H),4.74(s,2H),4.67(s,2H),4.60(d,4H),4.41(s,2H),1.68(s,9H),1.67(s,9H),1.63(s,18H)。13CNMR(125MHz,[D6]アセトン):δ=168.7,166.8,166.6,144.2,143.8,143.7,143.3,126.2,126.1,121.4,60.6,60.1,59.9,52.1,51.2,42.6,41.8,41.5,30.2ppm。MALDI−FTMS:予想値MH+ 925.5353、測定値 925.5368。
【0053】
【化18】
<tBu−F−[G−3]−N3、6a>
1HNMR(600MHz,[D6]DMSO):δ=8.29(d,4H),8.17(d,2H),8.14(s,1H),8.03(d,4H),8.00(s,1H),7.96(d,2H),5.76(m,12H),4.77(s,4H),4.72(d,8H),4.56(t,16H),4.40(s,2H),1.61(s,36H),1.57(s,36H)。13CNMR(150MHz,[D6]アセトン):δ=168.2,166.6,166.4,166.3,166.2,143.5,143.4,143.3,143.1,142.7,125.8,120.9,59.5,59.3,51.6,51.5,50.6,42.2,41.9,41.4,40.8,29.5ppm,29.1。MALDI−TOF:2026(MH+)、2048(MNa+)。PDI:1.005。
【0054】
(デンドリマー7aの合成)
160.2mg(0.08mmol)のtBu−F−[G−3]−N3(6a)と、6.4mg(0.026mmol)の2,4,6−トリス−プロピ−2−イニルオキシ−[1,3,5]トリアジン(23)とを混合した。混合物をtBuOH:H2O(1:1)溶液0.8mlで希釈した。アスコルビン酸ナトリウム(3.1mg、0.016mmol、0.20eq.)を固体として添加し、その後、CuSO4(2mg、0.008mmol、0.10eq.)を添加した。反応物を室温で攪拌し、LC−MSにより示されるように、1晩で完了した。反応混合物をH2O 5ml及び濃NH4OH/クエン酸塩緩衝液 1mlで希釈し、2分間攪拌し、CHCl3を30mlづつ用いる抽出を3回行った。有機層をブラインで洗浄し、NaSO4上で乾燥させ、蒸発させて、白色固体が得られた。次いで、これを、分取−HPLC(ポンプ流勾配設定−溶媒CH3CN/H2O;流速:6.5ml/分、29%CH3CN:0分、58%CH3CN:2分、80%CH3CN:30分)により精製して、純デンドリマー7aが150mg、収率90%で得られた。1HNMR(600MHz,[D6]DMSO):δ=8.26(m,16H),8.20(s,3H),8.15(d,6H),8.00(m,15H),7.95(d,5H),5.76(m,44H),5.51(s,6H),4.74(m,44H),4.55(m,44H),1.59(dd,108H),1.54(dd,108H)。13CNMR(150MHz,[D6]アセトン):δ=167.3,143.9,143.6,143.4,143.1,126.8,122.2,121.9,119.3,113.6,60.7,60.4,52.4,42.7,41.4,30.1。MALDI−TOF:(C276H393N159O24+Na)+についての計算値 6345、測定値 6345±0.1%。PDI:1.027。
【図面の簡単な説明】
【0055】
【図1】概説された方法により調製できる大デンドリマーの一例を図示する。
【図2】1,4−二置換1,2,3−トリアゾールの銅(I)触媒合成を図示する。
【図3】個々の樹枝又はデンドロンが、分子の「外側」から出発して構築される反応順序を図示する。
【図4】AB2モノマーについて選択された3つの構造を図示する。
【図5】鎖末端に使用される種々のモノアジドを図示する。
【図6】生成物ビス−トリアゾールのNMRスペクトルを図示する。
【図7】ベンジルエーテルモノマー11とアジドジ(エチレングリコール)誘導体19から樹枝状成長により得られる粗反応生成物、MEE−B−[G−4]−N3(9d)、MEE−B−[G−3]−N3(6d)及びMEE−B−[G−2]−N3(4d)に関するGPCトレースを図示する。
【図8】デンドロンが固定されるポリアセチレンコアの構造を図示する。
【図9】第3世代デンドロンとトリアセチレンコアとの結合により得られるデンドリマーの代表例を図示する。
【図10】デンドリマー7aのMALDI−TOF質量スペクトルを図示する。
【技術分野】
【0001】
本発明は、デンドリマー及びデンドリマーの製造方法に関する。更に詳細には、本発明は、トリアゾールデンドリマーを合成するためにクリックケミストリーを使用することに関する。
【背景技術】
【0002】
デンドリマーのユニークな特性は、その規則的構造の直接の結果であり、近年著しい興味を引き起こしている(D.A.Tomalia,et al.Angew.Chem.1990,102,119-57;Angew.Chem.,Int.Ed.1990,29,138; D.A.Tomalia,H.D.Durst in Topics in Current Chemistry,Vol.165(Eds.:E.Weber),Springer-Verlag,Berlin,1993;pp.193-313;F.Zeng,S.C.Zimmerman Chem.Rev.1997,97,1681-1712;C.J.Hawker in Advances in Polymer Science,Vol.147, Springer-Verlag,Berlin,Heidelberg,Germany,1999,pp.113-160;M.Fischer,F.Vogtle Angew.Chem.1999,111,934-955; Angew.Chem.,Int.Ed.1999,38,884-905;A.W.Bosman,et al.Chem.Rev.1999,99,1665-1688;J.-P.Majoral,A.-M.Caminade Chem.Rev.1999,99,845-880;L.J.Twyman,et al.Chem.Soc.Rev.2002,31,69-82;J.M.J.Frechet Proc.Natl.Acad.Sci.USA,2002,99,4782-4787)。サイズ、溶解度、機能の異なる多数のデンドリマー(樹枝状構造物)が調製されてきた。しかしながら、大抵のデンドリマーの合成、特に高世代の合成は、モノマーの高充填や、面倒で長期にわたるクロマトグラフィーによる分離を必要とし、かつ大量の廃棄物を生じる(S.M.Grayson,J.M.J.Frechet Chem.Rev.2001,101,3919-3967;J.M.J.Frechet J.Polym.Sci.,Polym.Chem.2003,41,3713-3725)。例えば、一連のウィリアムソンのエーテル化及びハロゲン化に基づくポリエーテルデンドリマーの合成(S.C.Zimmerman,et al.J.Am.Chem.Soc.2003,125,13504-13518;S.Kimata,et al.J.Polym.Sci.,Polym.Chem.2003,41,3524-3530;A.Dahan,M.Portnoy Macromolecules 2003,36,1034-1038;E.M.Harth,et al.J.Am.Chem.Soc.2002,124,3926-3938;F.S.Precup-Blaga,et al.J.Am.Chem.Soc.2003,125,12953-12960)は、種々の官能基との不適合性及び複雑な精製が難点である。周辺部にあるプロトン性官能基、例えば、−OH、−COOH及び−NH2は、ウィリアムソンのエーテル化及びハロゲン化と適合しない。
【0003】
デンドリマーには多数の用途がある。例えば、近年発見された多座配位子である1,4−二置換1,2,3−トリアゾールの、Cu(I)種を水性好気条件下ですら安定させる能力(T.R.Chan,et al.Org.Lett.Submitted)は、生物学的用途において重要であることが既に判明している(Q.Wang,et al.J.Am.Chem.Soc.2003,125,3192-3193;A.E.Speers,et al.J.Am.Chem.Soc.2003,125,4686-4687;A.J.Link,D.A.Tirrell J.Am.Chem.Soc.2003,125,11164-11165;A.Deiters,et al.J.Am.Chem.Soc.2003,125,11782-11783)。トリアゾールデンドリマーをこの目的に使用することができる。また、デンドリマーは、多孔性物質を製造するために使用することができる。即ち、デンドリマーを、マトリックス材料と混合し、マトリックス材料を凝固させ、デンドリマーを蒸発させる。正確な多孔性を得るために、均一なサイズのデンドリマーを使用せねばならない。残念なことに、本開示前には、正確に均一なサイズを有するデンドリマー、即ち、実質的に全てのデンドリマーが同一のサイズを有するものを製造することは実現できなかった。
【0004】
よって、正確に均一なサイズのデンドリマーを製造する簡単な方法が必要とされている。
【発明の開示】
【0005】
トリアゾールを基礎とするデンドリマーを高い効率で製造するルートは、クリックケミストリーを使用するというものである。このルートは、末端アセチレンとアジ化物とのCu(I)触媒連結反応の類をみない信頼性からの利益を得るものである。このクリックケミストリーでは、高度に位置を選択し、1,4−二置換トリアゾールを生成する。種々の官能基がこのプロセスに適合し、この反応で生じる唯一の副産物はNaClである。全ての第2世代及び幾つかの第3世代デンドロンは、純粋固体として直接に単離され(即ち、クロマトグラフによる分離は必要ない)、大規模用途の要件を満たす。
【0006】
本発明の一態様は、単一のアジド基を有するデンドロン生成物を製造する方法を対象とする。この方法は、「n」個の有機アジ化物分子と、ABn分子とを反応させる第1ステップを含む。ABn分子は、「n」個の末端アセチレン官能基と1個のハロメチル基とを有し、「n」は、2以上である。「n」個のトリアゾールと1個のハロメチル基を有する生成物分子を製造する反応を確実に完了させるのに十分な銅触媒の存在下で反応を行う。製造方法の第2ステップでは、第1ステップの生成物分子と十分なアジ化ナトリウムとを、ハロメチル基から塩化物を完全に又はほぼ完全に取り除くのに十分に高い温度で、有機/水性溶媒混合物中で反応させて、単一のアジド基を有するデンドロン生成物を製造する。有利な様式では、デンドロン生成物は、第1世代デンドロンである。有利な有機アジ化物は、以下の構造:
【化1】
により表される群から選択される。他の有利な様式では、「n」は2である。有利なABn分子は、以下の構造:
【化2】
により表される群から選択される。他の有利な様式では、デンドロン生成物は、第2世代デンドロンであり、「n」個の有機アジ化物分子のそれぞれが第1世代デンドロンである。この場合、第1世代デンドロンは、本発明の方法により製造してもよいし、しなくてもよい。他の有利な様式では、デンドロン生成物は、第3世代デンドロンであり、「n」個の有機アジ化物分子のそれぞれが第2世代デンドロンである。この場合、第2世代デンドロンは、本発明の方法により製造してもよいし、しなくてもよい。他の有利な様式では、デンドロン生成物は、第4世代デンドロンであり、「n」個の有機アジ化物分子のそれぞれが第3世代デンドロンである。この場合、第3世代デンドロンは、本発明の方法により製造してもよいし、しなくてもよい。
【0007】
本発明の他の態様は、トリアゾール含有デンドリマーの製造方法を対象とする。この方法は、複数のデンドロンとポリアセチレンコア化合物とを、好適な溶媒中で、トリアゾール形成反応を触媒する銅(I)種を触媒量の存在下で、反応させて、デンドリマーを形成するステップを含む。このステップにおいて、各デンドロンは単一のアジド官能基を有し、ポリアセチレンコア化合物は複数の末端アセチレン基を有する。任意には、この方法は、第1ステップの生成物を水酸化アンモニウム/クエン酸塩水溶液で十分に洗浄して、デンドリマーのトリアゾール部分に結合しているかもしれない銅種を除去するステップを更に含んでもよい。本発明のこの態様の有利な様式では、ポリアセチレンコアは、以下の構造:
【化3】
により表される群から選択される。この方法は、第1、第2、第3又は第4世代デンドリマーを製造するために使用することができ、その際、デンドロンは、それぞれ第1、第2、第3又は第4世代デンドロンである。
【0008】
本発明のもう1つの態様は、前記方法により製造された第1、第2、第3又は第4世代デンドリマーを対象とする。
【0009】
本発明のもう1つの態様は、次式:
【化4】
により表される、3官能性試薬を対象とする。前記構造において、Xは、−O−及び−S−からなる群から選択されるジラジカルであり、Rは、−Cl及び−Brからなる群から選択されるラジカルであり、nは、1〜10であり、mは、1〜10である。本発明のこの態様の有利な実施形態は、次式:
【化5】
により表すことができる。
【0010】
本発明のもう1つの態様は、次式:
【化6】
により表される、3官能性試薬を対象とする。前記構造において、Rは、−Cl及び−Brからなる群から選択されるラジカルであり、nは、1〜10であり、mは、1〜10である。本発明のこの態様の有利な実施形態は、次式:
【化7】
により表すことができる。
【0011】
本発明のもう1つの態様は、次式:
【化8】
により表される3官能性試薬を対象とする。前記構造において、Rは、−Cl及び−Brからなる群から選択されるラジカルであり、nは、1〜10であり、mは、1〜10である。本発明のこの態様の有利な実施形態は、次式:
【化9】
により表すことができる。
【0012】
本発明のもう1つの態様は、次式:
【化10】
により表される、コア分子を対象とする。前記構造において、nは、1〜10である。
【発明を実施するための最良の形態】
【0013】
トリアゾールを基礎とするデンドリマーを高い効率で製造するルートは、クリックケミストリーを使用するというものである。この効率が高く、準備が簡易な新規のルートにより、高純度で且つ優れた収率で、多様な樹枝状構造物(図1)を生成することができる。このルートのユニークな側面は、アジ化合物とアルキンから1,2,3−トリアゾールをCu触媒により合成する際のほぼ完全な信頼性に起因する(図2)(V.V.Rostovtsev,et al.Angew.Chem.Int.Ed.2002,41,2596-2599;C.W.Tornoe, et al.J.Org.Chem.2002,67,3057)。この反応は、実験手順としては簡単であり、酸素からの保護を行うことなく水溶液中で良好に進行し、出発物質の化学量論量のみを要し、実質的に副産物を生成しない。幅広い変化、高い選択性、ほぼ理論値の収率のどれもが重要である。これまでの最良のクリック反応(H.C.Kolb,et al.Angew.Chem.Int.Ed.2001,40,2004-2021)に驚くことなく、手順は、単に混合と攪拌を含み、その際、純生成物は、濾過又は簡単な抽出により単離することができる。
【0014】
フレッシェのコンバージェント法(Frechet's convergent approach)を、本明細書に記載のデンドリマー合成に利用した(C.J.Hawker,J.M.J. Frechet J.Am.Chem.Soc.1990,112,7638-7647)。従って、個々の樹枝又はデンドロンは、分子の「外側」から出発して、連続的に形成された。次いで、これらは、最後のステップで、図3Aと図3Bに示すように、多価の中心部(「コア」)に結合し、種々の鎖末端基(R)及び内部繰り返し単位(X)を有する多様なデンドリマーを生じた。
【0015】
デンドリマー構築のためにCu(I)触媒反応を利用する際に、末端アセチレン及びハロゲン化アルキル官能基に基づき、様々なAB2モノマーを想定することができる。アセチレン基を導入するための容易に入手できる出発物質と簡易な合成方法は、著しい構造的多様性をもたらす(図4)。しかしながら、1つの構造的特徴、即ち、単一のクロロメチル基の存在が、11、12及び13の間で保有される。これは、本明細書中に開示される合成方法に特に組み入れられ、コンバージェント成長法(convergent growth approach)によるデンドリマーの形成の間、中心基を容易に活性化することができる。単一のクロロメチル基を含有する樹枝状フラグメントとアジ化ナトリウムとの反応は、所望のアジドメチル基の定量的形成を生じ、これは、次いで、11、12又は13と結合して次世代デンドロンを生じることができる(図3Aと図3B)。AB2モノマー単位と同様に、カルボン酸からアルコールにまでわたる反応性官能基を備えた様々な鎖末端(図5)は、多様なトリアゾールデンドリマーの構築において使用することができる。
【0016】
AB2モノマーと鎖末端単位との銅(I)触媒反応を、水とtert−ブチルアルコールの1:1混合物中で、2〜5mol%CuSO4、5〜10mol%アスコルビン酸ナトリウムの存在下に室温で実施し、所望のビス−トリアゾールがほぼ定量的収率で得られる。生成物中の痕跡量の銅塩は、水酸化アンモニウム−クエン酸塩水性緩衝液で洗浄することにより容易に除去された。高度の効率のため、アジ化物の化学量論量(2.0当量)を使用することが可能であった。副産物の不在とあわさり、精製が非常に簡易化された。これは、次世代の樹枝状フラグメントの収率を増加させるために、一般に過剰のデンドロン(2.05〜2.20当量)を使用するコンバージェント成長法による、古典的ポリエーテルデンドリマー合成とは正に対照的である。更に、フラッシュクロマトグラフィーによる精製が、各ステップで通常必要とされている(C.J.Hawker,J.M.J.Frechet J.Am.Chem.Soc.1990,112,7638-7647)。
【0017】
次のステップで、最初の塩化物(primary chloride)をアセトン/水混合物中でアジ化ナトリウム1.5当量と反応させて、相当するアジ化合物に変換した。これは、同様に容易であり、一般に、95%より高い収率が得られ、唯一の副産物はNaClであった。(ベンゼンスルホンアミド13から生じたモノクロリドデンドロンは、湿性DMF中で相当するアジ化物に変換された。)次いで、デンドロンは、生じたアジ化物ともとのモノマー11、12又は13との反応を介して「成長」した。全ての第2世代デンドロンは、簡易濾過又は水性後処理により、純白色固体として単離され、第2世代アジドデンドロンを、90%を超える単離収率で生じた。デンドロンBn−F−[G−2]−Cl(3b)の粗1HNMRスペクトル(図6)に見られるように、プロトンfとcのインテグレーション比は、2:1であり、純粋に熱プロセスから得られた混合物と比較して、100%の位置選択性を示す。
【0018】
同じ手順に従い、アミドモノマー12を周辺部でtert−ブチルアジド17により、並びにベンジルエーテルモノマー11をアジド19により第4世代へ増殖させた。モノマー12は、周辺部で、アジド16と19により第3世代へとそれぞれ増殖した。デンドリマーが水性混合物に溶解しないこれらの場合には、反応条件を僅かに変更して、同程度の効率とほぼ定量的な収率が得られた。例えば、14と11から調製されたベンジル末端デンドリマーは、第2世代で、H2O/THF(1:1)溶液に不溶であり、反応を起こさないことが判明した。同様に、クロロメチル基のアジド基への変換は、水性アジ化ナトリウムを用いて不成功であった。この難点を克服するために、銅触媒反応を、有機可溶性Cu(I)種、(PPh3)3CuBrを用いて、THF中で、マイクロ波照射下に実施し、次世代の樹枝状フラグメントの定量的収率が得られた。アジド形成に関する同様の結果が、DMF又はDMSO中で、アジ化ナトリウムで置換を実行して、得られた。MALDI−TOF質量分析法及びGPCによるデンドロンの分析からは、不完全な枝から生じるであろう欠陥を有する生成物の兆候はない(図7)。
【0019】
Tomalia、Frechet等による研究は、樹枝状分子の溶解特性が、その周辺末端(periphery)により支配されることを明示する(S.M.Grayson,J.M.J.Frechet Chem.Rev.2001,101,3919-3967; J.M.J.Frechet J.Polym.Sci.,Polym.Chem.2003,41,3713-3725)。同様に、本明細書中に開示されたデンドリマーを観察すると、概してこれらの傾向をおっている。これらのトリアゾールに基づくデンドロンのユニークな特性として、分子が高次の世代になるにつれ、酢酸エチルに対し溶解度が低下し、ジクロロメタン、クロロホルム、アルコール及び予想外にも水性混合物に対しては僅かに溶解度が増える。(一般に、テストされた全ての溶媒に対し、ベンゼンスルホンアミド、13から生じたデンドロンは、アセトアミド、12から製造されたデンドロンより溶解度が低く、他方、鎖末端部として19を組み込むと、溶解度は実質的に増加する。)
【0020】
最後に、幾つかの第3及び第4世代のトリアゾールデンドリマーは、これらのデンドロンを多様なポリアセチレンコア(図8)に固定することにより構築された。
【0021】
代表例は、図9に示されており、第3世代デンドロンtBU−F−[G−3]−N3(6a)は、現場形成されたCu(I)触媒の存在下に、2,4,6−トリス−プロピ−2−イニルオキシ−[1,3,5]トリアジン(23)と直接に結合した。これらの低い濃度(アルキン及びアジ化物中0.06M)ですら、触媒反応は、室温で十分迅速に進行し、LC−MS分析により示されるように、30時間未満で完了した。24の周辺末端単位を有するデンドリマー7a(分子量6322Da)は、白色固体として、収率92%で単離された。デンドリマー全ては1H及び13CNMRにより特徴付けられ、更に、構造及び純度の確認は、GPC及びMALDI−TOF質量分析法により得られた(図10)。高い極性、良好なアルコール/水混合物への溶解度、及び210と229nmでの強いUV吸収は、この新種のトリアゾールデンドリマーのユニークな特徴である。
【0022】
図面について詳細に説明すると、図1は、概説された方法により調製できる大デンドリマーの1例を示す。示された種々のR基により、反応生成物のデンドリマーの種々の溶解度が可能となる。
【0023】
図2は、1,4−二置換1,2,3−トリアゾールの銅(I)−触媒合成を示す。銅(I)は、その場で硫酸銅から得られた銅(II)種の現場還元により得られる。反応は、水/アルコール溶媒混合物中で、周囲温度で進行し、ほぼ定量的収率で1,2,3−トリアゾール生成物が得られる。
【0024】
図3Aと3Bは、個々の枝又はデンドロンが、分子の「外側」から出発して構築される反応順序を示す。次いで、これらは、最後のステップで、多価の中心部又は「コア」に結合される。内部繰り返し単位は、「X」であり、鎖末端基は「R」である。
【0025】
図4は、AB2モノマーについて選択された3つの構造を示す。これらは、末端アセチレン及びハロゲン化アルキル官能基を基礎とした。ジアセチレンの他に、11、12及び13の3つの構造の間に保有される構造的特徴は、クロロメチル基であった。クロロメチル基1つを含有する樹枝状フラグメントとアジ化ナトリウムとの反応は、アジドメチル基の定量的形成をもたらし、これは、次いで、11、12又は13と結合して次世代デンドロンを製することになる。
【0026】
図5は、鎖末端に使用される種々のモノアジドを示す。デンドリマーは、反応性及び非反応性末端基を有する。非反応性基は、アリール、アルキル及びメトキシエトキシ末端を有し、反応性末端基はカルボン酸、ベンジルアルコール及び被保護第1アミン官能基を有する。
【0027】
図6は、生成物ビス−トリアゾールのNMRスペクトルである。スペクトルは、熱環状付加反応から期待されるようないかなる位置異性体も、生成物中に全く無いことを示す。プロトンfとcのインテグレーション比は、2:1であり、これは、環状付加で、位置異性体が1つだけ形成されることを示す。fとcプロトンの両方に関する2個の信号の存在は、アミド結合ロータマー(rotomer)中の異なる磁場環境のためである。
【0028】
図7は、ベンジルエーテルモノマー11及びアジドジ(エチレングリコール)誘導体19から樹枝状成長により得られる粗反応生成物、MEE−B−[G−4]−N3(9d)、MEE−B−[G−3]−N3(6d)及びMEE−B−[G−2]−N3(4d)のためのGPCトレースを示す。これらのトレースから、不完全な枝から由来する欠陥を備えた生成物の兆候は見られない。
【0029】
図8は、デンドロンが固定されるポリアセチレンコアの構造を示す。
【0030】
図9は、第3世代デンドロンとトリアセチレンコアとの結合(coupling)により得られる、デンドリマーの代表例である。
【0031】
図10は、デンドリマー7aのMALDI−TOF質量スペクトルである。この飛行時間型質量分析スペクトルは、この生成物の純粋性の証拠の一端であった。
【実施例】
【0032】
一般的方法。市販の試薬は、Aldrichから入手し、更に精製せずに使用した。重水素化溶媒は、Cambridge Isotope Laboratories,Inc.から購入した。分析TLCは、シリカゲルGF254で被覆された(0.24mm厚さ)市販のMerck Plate上で遂行した。フラッシュクロマトグラフィー用シリカゲルは、Merck Kieselgel 60(230〜400メッシュ、ASTM)であった。NMR(1H、13C)スペクトルは、BrukerAMX−400、AMX−500又はAMX−600MHz分光計のいずれかで記録した。結合定数(J)は、ヘルツで報告し、化学シフトは、内部基準としてのCHCl3(1Hについては7.26ppm、13Cについては77.2ppm)又はDMSO(1Hについては2.50ppm、13Cについては39.5ppm)又はCD3OD(1Hについては3.31ppm、13Cについては49.0ppm)又はアセトン(1Hについては2.05ppm、13Cについては29.9ppm)に対して、100万分率(ppm)(δ)で報告される。分取HPLCは、ZORBAX SB−C18カラム(内径21.2mm×25cm)を使用し、溶離剤としてH2O/CH3CNを用いるDynamax HPLCシステムで遂行した。流速は、6.5ml/分であった。ゲル浸透クロマトグラフィーは、テトラヒドロフラン(THF)中で、孔径を増加させた(2つの混合B、103Å、105Å)4本の5−μmウォーターズ(Waters)カラム(300mm×7.7mm)を直列接続して装備したウォーターズ社製クロマトグラフで遂行した。ウォーターズ410示差屈折計及び996フォトダイオードアレイ検出器を使用した。ポリマーの分子量は線状ポリスチレン標準に対して計算した。変調型示差走査熱量計(MDSC)による測定をTA装置DSC2920を用いて、1分当たり4度の傾斜率で実行した。熱重量分析による測定は、TA装置Hi−Res TGA2950を用いて、窒素パージ下に行い、傾斜率は、1分当たり10度であった。2−クロロ−N,N−ジ(プロピ−2−イニル)アセトアミド12(A.J.Speziale,P.C.Hamm,J.Am.Chem.Soc.1956,78,2556-2229)、アジド15(D.Charon,M.Mondange,J.-F.Pons,K.Le Blay,R.Chaby,Bioorg.Med.Chem.,1998,6,755-765)、16(P.G.Mattingly,Synthesis 1990,366-368)、17(J.C.Bottaro,P.E.Penwell,R.J.Schmitt,Syn.Comm.1997,27,1465-1467)、1,3,5−トリス(プロピ−2−イニルオキシ)ベンゼン20(P.Place,R.Pepin,.in FRXXBL FR 2598408 A1 19871113 FR.1987)、1,1,1−トリス(4−(プロピ−2−イニルオキシ)フェニル)エタン21(D.O'Krongly,S.R.Denmeade,M.Y.Chiang,R.Breslow,J.Am.Chem.Soc.1985,107,5544-5545)を、報告された方法により調製した。
【0033】
樹枝状骨格:R−X−[G−n]−Yに関して使用される用語は、以下のとおりである。Rは、周辺末端部の官能基を表し、これには、ベンジルを表すBn、tert−ブチルエチルカルバメートを表すBoc、tert−ブチルを表すtBu、(2−メトキシエトキシ)エタンを表すMEEがあり、Xは、内部繰り返し単位を表し、1,3−ジオキシベンゼンを表すB、ホルムアミドを表すF、ベンゼンスルホンアミドを表すSがあり、nは、世代の数であり、Yは、中心にある官能基、即ち塩化物、Cl、又はアジド、N3を表す。
【0034】
(繰り返し単位の合成)
【化11】
【0035】
<メチル3,5−ビス(プロパルギルオキシ)ベンゾエート>
アセトン(300ml)中のメチル3,5−ジヒドロキシベンゾエート(16.8g、100mmol)及び臭化プロパルギル(29.7g、220mmol)の攪拌溶液に、炭酸カリウム(15.1g、109mmol)及び18−クラウン−6(0.1g、0.4mmol)を添加した。反応混合物を窒素下に、還流させながら24時間加熱し、濾過し、蒸発乾固させた。次いで、粗物質を、メタノール中で晶出させ、エステルが淡黄色結晶として得られた(20.6g、84.4%)。1HNMR(500MHz,CDCl3):δ=2.55(t,J=2.4Hz,C≡CH,2H),3.92(s,CH3O,3H),4.73(d,J=2.4Hz,CH2C≡CH,4H),6.83(s,p−Ar,1H),7.31(s,o−Ar,2H)。13CNMR(125MHz、CDCl3):δ=52.76(s,CH3O,1C),56.51(s,CH2C≡CH,1C),76.38(s,C≡CH,1C),78.34(s,C≡CH,1C),107.91(s,p−Ar,1C),109.27(s,o−Ar,2C),132.54(s,CCOOCH3,1C),158.90(s,m−Ar,2C),166.86(s,COOCH3,1C)。
【0036】
<3,5−ビス(プロパルギルオキシ)ベンジルアルコール>
無水THF(170ml)中のエステル(20.6g、84.4mmol)の攪拌溶液に、水素化アルミニウムリチウム(3.99g、105mmol)を少量宛添加した。次いで、Beckstrom試薬(25g)を添加して残留する水素化アルミニウムリチウムをクエンチした。反応混合物を真空濾過し、固体をジクロロメタンで濯ぎ、濾液をMgSO4で乾燥させた。溶媒の蒸発後、アルコールを、白色結晶として回収した(16.4g、90.1%)。1HNMR(500MHz,CDCl3):δ=2.46(t,J=2.4Hz,C≡CH,2H),4.45(s,CH2OH,2H),4.61(d,J=2.4Hz,CH2C≡CH,4H),6.46(s,p−Ar,1H),6.56(s,o−Ar,2H)。13CNMR(500MHz,CDCl3):δ=56.30(s,CH2C≡CH,1C),65.50(s,CH2OH,1C),76.09(s,C≡CH,2C),78.76(s,C≡CH,2C),101.88(s,p−Ar,1C),106.60(s,o−Ar,2C),143.97(s,CCH2OH,1C),159.23(s,m−Ar,2C)。
【0037】
<3,5−ビス(プロパルギルオキシ)ベンジルクロリド、11>
ジクロロメタン(200ml)中のアルコール(14.7g、68.0mmol)の攪拌溶液に、ピリジン(10.7g、136.0mmol)を添加し、混合物を氷浴中に入れた。ジクロロメタン(20ml)に溶解させた塩化チオニル(12.1g、102mmol)を反応混合物に滴加し、氷浴を室温まで加温させた。次いで、反応混合物をアルゴン下に、24時間攪拌し、その後、水でクエンチした。有機層を分離し、水(3×100ml)で洗浄し、MgSO4上で乾燥させ、濾過し、蒸発乾固させた。粗生成物をフラッシュクロマトグラフィーにより精製した。クロマトグラフにジクロロメタン:ヘキサン(1:1)を装填し、ジクロロメタン:ヘキサン(2:1)で溶離させて、クロロメチルモノマー、11が白色固体として得られた。1HNMR(500MHz,CDCl3):δ=2.57(t,2H,≡CH),4.55(s,2H,CH2Cl),4.73(d,4H,CH2O),6.59(t,2H,ArH)及び6.80(d,1H,ArH)。
【0038】
【化12】
【0039】
<4−(クロロメチル)−N,N−ジ(プロピ−2−イニル)ベンゼンスルホンアミド、13>
化合物を、11と同じ手順を使用して調製した。1HNMR(400MHz,CDCl3):δ=2.15(t,J=2.4Hz,C≡CH,2H),4.17(d,J=2.4Hz,CH2C≡CH,4H),4.61(s,CH2Cl,2H),7.52(d,J=6.4Hz,Ar−H,2H),7.82(d,J=6.4Hz,Ar−H,2H)。13CNMR(100MHz,CDCl3):δ=36.4(s,CH2C≡CH,2C),45.1(s,CH2Cl,1C),74.4(s,C≡CH,2C),76.1(s,C≡CH,2C),129.2(s,Ar−C,2C),129.3(s,Ar−C,2C),138.2(s,CCH2Cl,1C),142.9(s,CSO2,C)。
【0040】
(単官能アジ化物の合成)
<1−アジド−2−(2−メトキシエトキシ)エタン、19>
水(150ml)中の1−ブロモ−2−(2−メトキシエトキシ)エタン(12.4g、67.8mmol)及びアジ化ナトリウム(13.2g、203mmol)の溶液を、還流下に16時間攪拌した。ジクロロメタン(2×200ml)で水性相を抽出し、MgSO4で乾燥させ、蒸発乾固させ、無色油状物として、19が、収率87.3%で得られた。1HNMR(500MHz,CDCl3):δ=3.29(s,CH3O,3H),3.30(t,J=5.2Hz,CH2N3,2H),3.44−3.48(m,CH3OCH2,2H),3.53−3.60(m,CH2OCH2,4H)。13CNMR(125MHz,CDCl3):δ=50.89(s,CH2N3,1C),59.27(s,CH3O,1C),70.29(s,CH3OCH2CH2,1C),70.84(s,CH3OCH2CH2,1C),72.21(s,CH2CH2N3,1C)。
【0041】
(コアの合成)
<ジプロピ−2−イニルピペラジン−1,4−ジカルボキシレート、22>
クロロギ酸プロパルギル(237mg、2mmol)のCH2Cl2溶液4mlにピペラジン86mgを0℃で添加し、その後、Et3Nを滴加した。次いで、LC−MSが反応の完了を示すまで、反応物を室温で3時間攪拌した。10%HCl 5mlを添加し、次いで、分離した有機相を(飽和)NaHCO3、ブラインで洗浄し、Na2SO4で乾燥させた。溶媒を蒸発させた後、粗生成物をフラッシュクロマトグラフィー(ヘキサン:酢酸エチル(3:1))により精製して、白色固体として22が、収率220mg(88%)で得られた。1HNMR(600MHz,[D6]アセトン):δ=3.03(t,J=2.6Hz,C≡CH,2H),3.48(br,NC2H4N,8H),4.72(d,J=2.6Hz,CH2C≡CH,4H)。13CNMR(150MHz,[D6]アセトン):δ=44.3(s,NC2H4N,4C),53.4(s,CH2C≡CH,2C),76.2(s,CH2C≡CH,2C),79.6(s,C≡CH,2C),154.9(s,CO,2C)。融点101〜102℃。
【0042】
<2,4,6−トリス(プロピ−2−イニルオキシ)−1,3,5−トリアジン、23>
プロパルギルアルコール(10ml)をTHF15ml中の塩化シアヌル(2.2g、12.1mmol)の懸濁液に、室温でゆっくりと添加し、その後、K2CO3(5.2g、36.3mmol)を添加した。反応物を60℃まで1晩加熱した。反応混合物を濾過した。溶媒を蒸発させた後、残分をCH2Cl280mlに溶解させ、希クエン酸(10%)、飽和ブラインで洗浄した。MgSO4で乾燥させ、蒸発させて、白色固体として、23が収率90%で得られた。1HNMR(600MHz,[D6]アセトン):δ=3.13(t,J=2.2Hz,C≡CH,3H),5.10(d,J=2.2Hz,CH2C≡CH,6H)。13CNMR(150MHz,[D6]アセトン):δ=53.4(s,CH2C≡CH,3C),77.3(s,CH2C≡CH,3C),78.4(s,C≡CH,3C),173.5(s,Ar−C,3C)。融点69〜70℃
【0043】
(Cu(I)−触媒トリアゾール連結反応のための代表的手順A)
2−クロロ−N,N−ジ(プロピ−2−イニル)アセトアミド(12)(300mg、1.765mmol)を、アジ化ベンジル(14)470mg(3.529mmol、2.00eq.)と混合した。混合物をtBuOH/H2O(1:1)溶液2mlと混合した。アスコルビン酸ナトリウム(35mg、0.177mmol、0.10eq.)を固体として添加し、その後、CuSO4(22mg、0.089mmol、0.05eq.)を添加した。反応物を室温で1晩攪拌した。白色混濁懸濁液をH2O 10ml及び濃NH4OH 1mlで希釈し、10分間攪拌し、次いで濾過した。生じた濾過物、白色粉末をH2O 10mlで3回洗浄し、乾燥させて、純Bn−F−[G−1]−Cl(1b)が得られた(737mg、収率96%)。
【0044】
(Cu(I)−触媒トリアゾール連結反応のための代表的手順B)
300mg(1.765mmol)の12を656mg(3.529mmol、2.00eq.)のBoc−保護アジドエチルアミン(16)と混合した。混合物をtBuOH/H2O(1:1)溶液2mlと混合した。アスコルビン酸ナトリウム(35mg、0.177mmol、0.10eq.)を固体として添加し、その後、CuSO4(22mg、0.089mmol、0.05eq.)を添加した。反応物を室温で1晩攪拌した。明黄色混合物をH2O 10ml及び濃NH4OH 1mlで希釈し、10分間攪拌し、EtOAcを30mlづつ用いる抽出を3回行った。有機層を飽和NaClで2回洗浄し、MgSO4で乾燥させ、蒸発させて、純生成物Boc−F−[G−1]−Cl(1c)が得られた(898mg、収率94%)。
【0045】
(樹枝状塩化物をアジ化物へ変換するための代表的手順)
500mg(1.36mmol)の1aを4mlのアセトン/水(4:1)に溶解させ、NaN3(132mg、2.04mmol、1.5eq.)を添加し、混合物を60℃まで1時間加熱した。混合物を室温まで冷却し、アセトンを蒸発させ、10mlのH2Oで希釈し、EtOAcを用いて3回抽出した。有機層を飽和NaClで洗浄し、MgSO4上で乾燥させ、蒸発させた。tBu−F−[G−1]−N3(2a)が白色個体として得られた(490mg、収率96%)。
【0046】
(Cu(PPh3)3Brにより触媒される非水性クリックケミストリーのための一般的手順)
テトラヒドロフラン(5ml)中の、3,5−ビス(プロパルギルオキシ)ベンジルクロリド(11)(234mg、1.00mmol)、アジ化ベンジル(4)(266mg、2.00mmol)、N,N−ジイソプロピルエチルアミン(48mg、0.37mmol)及びCu(PPh3)3Br(55mg、0.12mmol)の溶液に、140℃(公称温度)で5分間、マイクロ波を照射した。粗生成物は、ジクロロメタンとメタノールの9:1混合物で溶離させ、シリカプラグ(silica plug)により濾過して精製し、Bn−B−[G−1]−Cl(1d)が無色油状物として得られた(477mg、95.5%)。1HNMR(500MHz、CDCl3):δ=4.62(s,CH2Cl,2H),5.06(s,CH2O,4H),5.41(s,CH2N,4H),6.67(s,ArH,3H),7.21−7.37(m,ArH,10H)及び8.23(s,ArH,2H)。
【0047】
(樹枝状アジ化物の非水性合成のための一般的手順)
樹枝状塩化物(1d)(500mg、1.00mmol)とアジ化ナトリウム(325mg、5.0mmol)との混合物を、DMSO(5ml)中に溶解させた。反応物を60℃で24時間加熱し、水(200ml)中に注入した。水性層をCH2Cl2(3×50ml)で抽出し、集め、水(2×50ml)で洗浄し、MgSO4上で乾燥させ、蒸発乾固させた。10%MeOH:EtOAcで溶離させながらシリカプラグを通す濾過により精製して、純アジドメチル誘導体2dが得られた。収率:492mg、97.1%。1HNMR(500MHz,CDCl3):δ=4.36(s,CH2Cl,2H),5.03(s,CH2O,4H),5.44(s,CH2N,4H),6.63(d,ArH,2H),6.68(t,ArH,1H),7.22−7.35(m,ArH,10H)及び8.21(s,ArH,2H)。
【0048】
【化13】
<Bn−F−[G−1]−Cl、1b>
1HNMR(500MHz,CDCl3):δ=7.53(s,2H),7.36(m,6H),7.23(m,4H),5.47(s,2H),5.43(s,2H),4.65(s,2H),4.56(s,2H),4.42(s,2H)。13CNMR(125MHz,CDCl3):δ=167.1,134.4,129.4,129.1,54.5,43.1,41.9。融点111〜112℃。
【0049】
【化14】
<tBu−F−[G−1]−N3、2a>
1HNMR(500MHz,CDCl3):δ=7.72(s,1H),7.70(s,1H),4.66(s,2H),4.59(s,2H),4.35(s,2H),1.66(s,9H),1.65(s,9H)。13CNMR(125MHz,CDCl3):δ=163.8,142.5,121.9,120.9,60.4,51.6,43.1,41.5,30.6ppm。C16H26N10Oについて元素分析計算値(%):C 51.32、H 7.00、N 37.41。測定値:C 51.21、H 6.95、N 36.50。融点113〜115℃。
【0050】
【化15】
<n−F−[G−2]−Cl、3b>
1HNMR(500MHz,[D6]DMSO):δ=8.24(s,1H),8.08(s,1H),8.02(s,1H),7.91(s,1H),7.35(m,20H),5.70(d,4H),5.60(s,4H),5.54(s,4H),4.67(m,8H),4.55(s,2H),4.51(s,4H)。13CNMR(125MHz,[D6]DMSO):δ=167.1,144.1,137.3,137.2,130.1,129.5,125.3,125.2,54.2,54.1,52.3,44.0,43.1,42.6,32.6。MALDI−TOF:1076(MNa+),PDI:1.01。
【0051】
【化16】
<Boc−F−[G−2]−Cl、3c>
1HNMR(500MHz,[D6]アセトン):δ=8.04(s,1H),8.02(s,1H),7.82(s,1H),7.80(s,1H),7.77(s,2H),6.25(br,4H),5.75(s,4H),4.75(m,8H),4.62(m,6H),4.48(m,8H),3.55(m,8H),1.37(s,36H)。13CNMR(125MHz,[D6]アセトン):δ=167.1,166.9,166.7,156.8,144.2,143.9,143.7,126.2,124.8,124.7,124.5,79.3,52.1,50.7,50.5,43.5,43.3,42.5,41.5,28.7ppm。MALDI−TOF:1267(MH+),1289(MNa+)。
【0052】
【化17】
<tBu−F−[G−2]−N3、4a>
1HNMR(500MHz,[D6]アセトン):δ=8.16(s,1H),8.14(s,1H),7.89(s,1H),7.86(s,1H),7.80(s,1H),7.78(s,1H),5.77(d,4H),4.80(s,2H),4.77(s,2H),4.74(s,2H),4.67(s,2H),4.60(d,4H),4.41(s,2H),1.68(s,9H),1.67(s,9H),1.63(s,18H)。13CNMR(125MHz,[D6]アセトン):δ=168.7,166.8,166.6,144.2,143.8,143.7,143.3,126.2,126.1,121.4,60.6,60.1,59.9,52.1,51.2,42.6,41.8,41.5,30.2ppm。MALDI−FTMS:予想値MH+ 925.5353、測定値 925.5368。
【0053】
【化18】
<tBu−F−[G−3]−N3、6a>
1HNMR(600MHz,[D6]DMSO):δ=8.29(d,4H),8.17(d,2H),8.14(s,1H),8.03(d,4H),8.00(s,1H),7.96(d,2H),5.76(m,12H),4.77(s,4H),4.72(d,8H),4.56(t,16H),4.40(s,2H),1.61(s,36H),1.57(s,36H)。13CNMR(150MHz,[D6]アセトン):δ=168.2,166.6,166.4,166.3,166.2,143.5,143.4,143.3,143.1,142.7,125.8,120.9,59.5,59.3,51.6,51.5,50.6,42.2,41.9,41.4,40.8,29.5ppm,29.1。MALDI−TOF:2026(MH+)、2048(MNa+)。PDI:1.005。
【0054】
(デンドリマー7aの合成)
160.2mg(0.08mmol)のtBu−F−[G−3]−N3(6a)と、6.4mg(0.026mmol)の2,4,6−トリス−プロピ−2−イニルオキシ−[1,3,5]トリアジン(23)とを混合した。混合物をtBuOH:H2O(1:1)溶液0.8mlで希釈した。アスコルビン酸ナトリウム(3.1mg、0.016mmol、0.20eq.)を固体として添加し、その後、CuSO4(2mg、0.008mmol、0.10eq.)を添加した。反応物を室温で攪拌し、LC−MSにより示されるように、1晩で完了した。反応混合物をH2O 5ml及び濃NH4OH/クエン酸塩緩衝液 1mlで希釈し、2分間攪拌し、CHCl3を30mlづつ用いる抽出を3回行った。有機層をブラインで洗浄し、NaSO4上で乾燥させ、蒸発させて、白色固体が得られた。次いで、これを、分取−HPLC(ポンプ流勾配設定−溶媒CH3CN/H2O;流速:6.5ml/分、29%CH3CN:0分、58%CH3CN:2分、80%CH3CN:30分)により精製して、純デンドリマー7aが150mg、収率90%で得られた。1HNMR(600MHz,[D6]DMSO):δ=8.26(m,16H),8.20(s,3H),8.15(d,6H),8.00(m,15H),7.95(d,5H),5.76(m,44H),5.51(s,6H),4.74(m,44H),4.55(m,44H),1.59(dd,108H),1.54(dd,108H)。13CNMR(150MHz,[D6]アセトン):δ=167.3,143.9,143.6,143.4,143.1,126.8,122.2,121.9,119.3,113.6,60.7,60.4,52.4,42.7,41.4,30.1。MALDI−TOF:(C276H393N159O24+Na)+についての計算値 6345、測定値 6345±0.1%。PDI:1.027。
【図面の簡単な説明】
【0055】
【図1】概説された方法により調製できる大デンドリマーの一例を図示する。
【図2】1,4−二置換1,2,3−トリアゾールの銅(I)触媒合成を図示する。
【図3】個々の樹枝又はデンドロンが、分子の「外側」から出発して構築される反応順序を図示する。
【図4】AB2モノマーについて選択された3つの構造を図示する。
【図5】鎖末端に使用される種々のモノアジドを図示する。
【図6】生成物ビス−トリアゾールのNMRスペクトルを図示する。
【図7】ベンジルエーテルモノマー11とアジドジ(エチレングリコール)誘導体19から樹枝状成長により得られる粗反応生成物、MEE−B−[G−4]−N3(9d)、MEE−B−[G−3]−N3(6d)及びMEE−B−[G−2]−N3(4d)に関するGPCトレースを図示する。
【図8】デンドロンが固定されるポリアセチレンコアの構造を図示する。
【図9】第3世代デンドロンとトリアセチレンコアとの結合により得られるデンドリマーの代表例を図示する。
【図10】デンドリマー7aのMALDI−TOF質量スペクトルを図示する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
単一のアジド基を有するデンドロン生成物を製造する方法であって、
「n」個の有機アジ化物分子を1つのABn分子と反応させるステップAであって、ABn分子は、「n」個の末端アセチレン官能基と1個のハロメチル基とを有し、「n」は2以上であり、この反応は、反応を確実に完了させるのに十分な銅触媒の存在下で行い、「n」個のトリアゾールと1個のハロメチル基を有する生成物分子を製造するステップAと、
前記ステップAの生成物分子をアジ化ナトリウムと、有機/水性溶媒混合物中で、ハロメチル基から塩化物を完全に又はほぼ完全に取り除くのに十分高い温度で反応させて、単一のアジド基を有するデンドロン生成物を製造するステップBと
を含む製造方法。
【請求項2】
前記デンドロン生成物が第1世代デンドロンである請求項1に記載の製造方法。
【請求項3】
前記有機アジ化物が、以下の構造:
【化1】
により表される群から選択される請求項2に記載の製造方法。
【請求項4】
「n」が2である請求項1に記載の製造方法。
【請求項5】
前記ステップAのABn分子が、以下の構造:
【化2】
により表される群から選択される請求項4に記載の製造方法。
【請求項6】
前記デンドロン生成物が第2世代デンドロンであり、「n」個の有機アジ化物分子のそれぞれが第1世代デンドロンである請求項1に記載の製造方法。
【請求項7】
「n」個の有機アジ化物分子のそれぞれが、請求項2に記載のデンドロン生成物である請求項6に記載の製造方法。
【請求項8】
前記デンドロン生成物が第3世代デンドロンであり、「n」個の有機アジ化物分子のそれぞれが第2世代デンドロンである請求項1に記載の製造方法。
【請求項9】
「n」個の有機アジ化物分子のそれぞれが、請求項6に記載のデンドロン生成物である請求項8に記載の製造方法。
【請求項10】
前記デンドロン生成物が第4世代デンドロンであり、「n」個の有機アジ化物分子のそれぞれが第3世代デンドロンである請求項1に記載の製造方法。
【請求項11】
「n」個の有機アジ化物分子のそれぞれが、請求項8に記載のデンドロン生成物である請求項10に記載の製造方法。
【請求項12】
トリアゾール含有デンドリマーを製造する方法であって、
複数のデンドロンを、ポリアセチレンコア化合物と、適切な溶媒中で、トリアゾール形成反応を触媒する銅(I)種を触媒量の存在下で反応させて、デンドリマーを形成するステップAであって、前記デンドロンはそれぞれ単一のアジド官能基を有し、前記ポリアセチレンコア化合物は複数の末端アセチレン基を有するステップAを含む製造方法。
【請求項13】
前記ステップAの生成物を水酸化アンモニウム/クエン酸塩水溶液で十分に洗浄し、前記デンドリマーのトリアゾール部分に結合しているであろう銅種を除去するステップBを更に含む請求項12に記載の製造方法。
【請求項14】
前記ポリアセチレンコア化合物が、以下の構造:
【化3】
により表される群から選択される請求項12に記載の製造方法。
【請求項15】
前記ステップAで使用されるデンドロンが第1世代デンドロンである請求項12に記載の第1世代デンドリマーの製造方法。
【請求項16】
前記ステップAで使用されるデンドロンが第2世代デンドロンである請求項12に記載の第2世代デンドリマーの製造方法。
【請求項17】
前記ステップAで使用されるデンドロンが第3世代デンドロンである請求項12に記載の第3世代デンドリマーの製造方法。
【請求項18】
前記ステップAで使用されるデンドロンが第4世代デンドロンである請求項12に記載の第4世代デンドリマーの製造方法。
【請求項19】
請求項2に記載の製造方法により製造される第1世代デンドロン。
【請求項20】
請求項6に記載の製造方法により製造される第2世代デンドロン。
【請求項21】
請求項8に記載の製造方法により製造される第3世代デンドロン。
【請求項22】
請求項10に記載の製造方法により製造される第4世代デンドロン。
【請求項23】
請求項15に記載の製造方法により製造される第1世代デンドリマー。
【請求項24】
請求項16に記載の製造方法により製造される第2世代デンドリマー。
【請求項25】
請求項17に記載の製造方法により製造される第3世代デンドリマー。
【請求項26】
請求項18に記載の製造方法により製造される第4世代デンドリマー。
【請求項27】
次式により表される3官能性試薬。
【化4】
式中、Xは、−O−及び−S−からなる群から選択されるジラジカルであり、
Rは、−Cl及び−Brからなる群から選択されるラジカルであり、
nは、1〜10であり、
mは、1〜10である。
【請求項28】
次式により表される請求項27に記載の3官能性試薬。
【化5】
【請求項29】
次式により表される3官能性試薬。
【化6】
式中、Rは、−Cl及び−Brからなる群から選択されるラジカルであり、
nは、1〜10であり、
mは、1〜10である。
【請求項30】
次式:
【化7】
により表される、請求項29に記載の3官能性試薬。
【請求項31】
次式により表される3官能性試薬。
【化8】
式中、Rは、−Cl及び−Brからなる群から選択されるラジカルであり、
nは、1〜10であり、
mは、1〜10である。
【請求項32】
次式により表される請求項31に記載の3官能性試薬。
【化9】
【請求項33】
次式により表されるコア分子。
【化10】
式中、nは1〜10である。
【請求項1】
単一のアジド基を有するデンドロン生成物を製造する方法であって、
「n」個の有機アジ化物分子を1つのABn分子と反応させるステップAであって、ABn分子は、「n」個の末端アセチレン官能基と1個のハロメチル基とを有し、「n」は2以上であり、この反応は、反応を確実に完了させるのに十分な銅触媒の存在下で行い、「n」個のトリアゾールと1個のハロメチル基を有する生成物分子を製造するステップAと、
前記ステップAの生成物分子をアジ化ナトリウムと、有機/水性溶媒混合物中で、ハロメチル基から塩化物を完全に又はほぼ完全に取り除くのに十分高い温度で反応させて、単一のアジド基を有するデンドロン生成物を製造するステップBと
を含む製造方法。
【請求項2】
前記デンドロン生成物が第1世代デンドロンである請求項1に記載の製造方法。
【請求項3】
前記有機アジ化物が、以下の構造:
【化1】
により表される群から選択される請求項2に記載の製造方法。
【請求項4】
「n」が2である請求項1に記載の製造方法。
【請求項5】
前記ステップAのABn分子が、以下の構造:
【化2】
により表される群から選択される請求項4に記載の製造方法。
【請求項6】
前記デンドロン生成物が第2世代デンドロンであり、「n」個の有機アジ化物分子のそれぞれが第1世代デンドロンである請求項1に記載の製造方法。
【請求項7】
「n」個の有機アジ化物分子のそれぞれが、請求項2に記載のデンドロン生成物である請求項6に記載の製造方法。
【請求項8】
前記デンドロン生成物が第3世代デンドロンであり、「n」個の有機アジ化物分子のそれぞれが第2世代デンドロンである請求項1に記載の製造方法。
【請求項9】
「n」個の有機アジ化物分子のそれぞれが、請求項6に記載のデンドロン生成物である請求項8に記載の製造方法。
【請求項10】
前記デンドロン生成物が第4世代デンドロンであり、「n」個の有機アジ化物分子のそれぞれが第3世代デンドロンである請求項1に記載の製造方法。
【請求項11】
「n」個の有機アジ化物分子のそれぞれが、請求項8に記載のデンドロン生成物である請求項10に記載の製造方法。
【請求項12】
トリアゾール含有デンドリマーを製造する方法であって、
複数のデンドロンを、ポリアセチレンコア化合物と、適切な溶媒中で、トリアゾール形成反応を触媒する銅(I)種を触媒量の存在下で反応させて、デンドリマーを形成するステップAであって、前記デンドロンはそれぞれ単一のアジド官能基を有し、前記ポリアセチレンコア化合物は複数の末端アセチレン基を有するステップAを含む製造方法。
【請求項13】
前記ステップAの生成物を水酸化アンモニウム/クエン酸塩水溶液で十分に洗浄し、前記デンドリマーのトリアゾール部分に結合しているであろう銅種を除去するステップBを更に含む請求項12に記載の製造方法。
【請求項14】
前記ポリアセチレンコア化合物が、以下の構造:
【化3】
により表される群から選択される請求項12に記載の製造方法。
【請求項15】
前記ステップAで使用されるデンドロンが第1世代デンドロンである請求項12に記載の第1世代デンドリマーの製造方法。
【請求項16】
前記ステップAで使用されるデンドロンが第2世代デンドロンである請求項12に記載の第2世代デンドリマーの製造方法。
【請求項17】
前記ステップAで使用されるデンドロンが第3世代デンドロンである請求項12に記載の第3世代デンドリマーの製造方法。
【請求項18】
前記ステップAで使用されるデンドロンが第4世代デンドロンである請求項12に記載の第4世代デンドリマーの製造方法。
【請求項19】
請求項2に記載の製造方法により製造される第1世代デンドロン。
【請求項20】
請求項6に記載の製造方法により製造される第2世代デンドロン。
【請求項21】
請求項8に記載の製造方法により製造される第3世代デンドロン。
【請求項22】
請求項10に記載の製造方法により製造される第4世代デンドロン。
【請求項23】
請求項15に記載の製造方法により製造される第1世代デンドリマー。
【請求項24】
請求項16に記載の製造方法により製造される第2世代デンドリマー。
【請求項25】
請求項17に記載の製造方法により製造される第3世代デンドリマー。
【請求項26】
請求項18に記載の製造方法により製造される第4世代デンドリマー。
【請求項27】
次式により表される3官能性試薬。
【化4】
式中、Xは、−O−及び−S−からなる群から選択されるジラジカルであり、
Rは、−Cl及び−Brからなる群から選択されるラジカルであり、
nは、1〜10であり、
mは、1〜10である。
【請求項28】
次式により表される請求項27に記載の3官能性試薬。
【化5】
【請求項29】
次式により表される3官能性試薬。
【化6】
式中、Rは、−Cl及び−Brからなる群から選択されるラジカルであり、
nは、1〜10であり、
mは、1〜10である。
【請求項30】
次式:
【化7】
により表される、請求項29に記載の3官能性試薬。
【請求項31】
次式により表される3官能性試薬。
【化8】
式中、Rは、−Cl及び−Brからなる群から選択されるラジカルであり、
nは、1〜10であり、
mは、1〜10である。
【請求項32】
次式により表される請求項31に記載の3官能性試薬。
【化9】
【請求項33】
次式により表されるコア分子。
【化10】
式中、nは1〜10である。
【図1】
【図2】
【図3A】
【図3B】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図2】
【図3A】
【図3B】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【公表番号】特表2008−505224(P2008−505224A)
【公表日】平成20年2月21日(2008.2.21)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−519518(P2007−519518)
【出願日】平成17年6月30日(2005.6.30)
【国際出願番号】PCT/US2005/023718
【国際公開番号】WO2006/005046
【国際公開日】平成18年1月12日(2006.1.12)
【出願人】(501244222)ザ スクリプス リサーチ インスティテュート (33)
【Fターム(参考)】
【公表日】平成20年2月21日(2008.2.21)
【国際特許分類】
【出願日】平成17年6月30日(2005.6.30)
【国際出願番号】PCT/US2005/023718
【国際公開番号】WO2006/005046
【国際公開日】平成18年1月12日(2006.1.12)
【出願人】(501244222)ザ スクリプス リサーチ インスティテュート (33)
【Fターム(参考)】
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