説明

トリインフルエンザウイルス亜型H5ヘマグルチニンに結合するモノクローナル抗体およびそれらの使用

本特許出願は、トリインフルエンザウイルス亜型H5のヘマグルチニンに特異的に結合するモノクローナル抗体、ならびにヘマグルチニン結合活性の少なくとも50%をブロックすることができるモノクローナル抗体を提供する。このような抗体は、例えばトリインフルエンザウイルスの検出、診断、予防、および治療において有用である。また本明細書において、ハイブリドーマ細胞系、単離核酸分子、および本明細書で提供されるモノクローナル抗体に関する短いペプチド、および医薬組成物ならびに本明細書で提供されるモノクローナル抗体を含むキットが提供される。


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【特許請求の範囲】
【請求項1】
トリインフルエンザウイルス亜型H5のヘマグルチニンに特異的に結合するモノクローナル抗体であって、前記モノクローナル抗体が、
(i)配列番号28〜30に記載されたアミノ酸配列を有する1つまたは複数のCDRを含む可変H鎖;
(ii)配列番号34〜36に記載されたアミノ酸配列を有する1つまたは複数のCDRを含む可変H鎖;
(iii)配列番号40〜42に記載されたアミノ酸配列を有する1つまたは複数のCDRを含む可変H鎖;
(iv)配列番号46〜48に記載されたアミノ酸配列を有する1つまたは複数のCDRを含む可変H鎖;
(v)配列番号52〜54に記載されたアミノ酸配列を有する1つまたは複数のCDRを含む可変H鎖;および
(vi)配列番号58〜60に記載されたアミノ酸配列を有する1つまたは複数のCDRを含む可変H鎖
から成る群より選択される可変H鎖を含むモノクローナル抗体。
【請求項2】
前記可変H鎖が、配列番号2、配列番号6、列番号10、配列番号17、配列番号21、および配列番号25から成る群より選択されるアミノ酸配列を含む請求項1に記載のモノクローナル抗体。
【請求項3】
(i)配列番号31〜33に記載されたアミノ酸配列を有する1つまたは複数のCDRを含む可変L鎖;
(ii)配列番号37〜39に記載されたアミノ酸配列を有する1つまたは複数のCDRを含む可変L鎖;
(iii)配列番号43〜45に記載されたアミノ酸配列を有する1つまたは複数のCDRを含む可変L鎖;
(iv)配列番号49〜51に記載されたアミノ酸配列を有する1つまたは複数のCDRを含む可変L鎖;および
(v)配列番号61〜63に記載されたアミノ酸配列を有する1つまたは複数のCDRを含む可変L鎖
から成る群より選択される可変L鎖をさらに含む請求項1に記載のモノクローナル抗体。
【請求項4】
前記可変L鎖が、配列番号4、配列番号8、配列番号12、配列番号19、および配列番号27から成る群より選択されるアミノ酸配列を含む請求項3に記載のモノクローナル抗体。
【請求項5】
(i)配列番号31〜33に記載されたアミノ酸配列を有する1つまたは複数のCDR含む可変L鎖;
(ii)配列番号37〜39に記載されたアミノ酸配列を有する1つまたは複数のCDRを含む可変L鎖;
(iii)配列番号43〜45に記載されたアミノ酸配列を有する1つまたは複数のCDRを含む可変L鎖;
(iv)配列番号49〜51に記載されたアミノ酸配列を有する1つまたは複数のCDRを含む可変L鎖;および
(v)配列番号61〜63に記載されたアミノ酸配列を有する1つまたは複数のCDRを含む可変L鎖
から成る群より選択される可変L鎖をさらに含む請求項2に記載のモノクローナル抗体。
【請求項6】
前記可変L鎖が、配列番号4、配列番号8、配列番号12、配列番号19および配列番号27から成る群より選択されるアミノ酸配列を含む請求項5に記載のモノクローナル抗体。
【請求項7】
前記モノクローナル抗体が、Fab、Fab’、F(ab’)またはFvである請求項6に記載のモノクローナル抗体。
【請求項8】
前記モノクローナル抗体が、Fab、Fab’、F(ab)またはFvである請求項1に記載のモノクローナル抗体。
【請求項9】
前記モノクローナル抗体が、1×10−5M未満のKでトリインフルエンザウイルス亜型H5のヘマグルチニンに結合する請求項1に記載のモノクローナル抗体。
【請求項10】
前記モノクローナル抗体が、1×10−6M未満のKでヘマグルチニンに結合する請求項9に記載のモノクローナル抗体。
【請求項11】
前記モノクローナル抗体が、マウスとは異なる種に由来する非CDR領域を含む請求項1に記載のモノクローナル抗体。
【請求項12】
前記非CDR領域が、ヒト抗体に由来する請求項11に記載のモノクローナル抗体。
【請求項13】
前記ヒト非CDR領域が、マウスの抗体由来の1つまたは複数のアミノ酸置換を有する請求項12に記載のモノクローナル抗体。
【請求項14】
トリインフルエンザウイルス亜型H5のヘマグルチニンに特異的に結合するモノクローナル抗体であって、
(i)ハイブリドーマ細胞系8H5(寄託番号CCTCC−C200607)によって産生されるモノクローナル抗体;
(ii)ハイブリドーマ細胞系3C8(寄託番号CCTCC−C200605)によって産生されるモノクローナル抗体;
(iii)ハイブリドーマ細胞系10F7(寄託番号CCTCC−C200608)によって産生されるモノクローナル抗体;
(iv)ハイブリドーマ細胞系4D1(寄託番号CCTCC−C200606)によって産生されるモノクローナル抗体;
(v)ハイブリドーマ細胞系3G4(寄託番号CCTCC−C200604)によって産生されるモノクローナル抗体;および
(vi)ハイブリドーマ細胞系2F2(寄託番号CCTCC−C200424)によって産生されるモノクローナル抗体
から成る群より選択されるモノクローナル抗体であるモノクローナル抗体。
【請求項15】
(i)ハイブリドーマ細胞系8H5(寄託番号CCTCC−C200607);
(ii)ハイブリドーマ細胞系3C8(寄託番号CCTCC−C200605);
(iii)ハイブリドーマ細胞系10F7(寄託番号CCTCC−C200608);
(iv)ハイブリドーマ細胞系4D1(寄託番号CCTCC−C200606);
(v)ハイブリドーマ細胞系3G4(寄託番号CCTCC−C200604);および
(vi)ハイブリドーマ細胞系2F2(寄託番号CCTCC−C200424)
から成る群より選択されるハイブリドーマ細胞系。
【請求項16】
トリインフルエンザウイルス亜型H5のヘマグルチニンに特異的に結合するモノクローナル抗体であって、
(i)ハイブリドーマ細胞系8H5(寄託番号CCTCC−C200607)によって産生されるモノクローナル抗体;
(ii)ハイブリドーマ細胞系3C8(寄託番号CCTCC−C200605)によって産生さるモノクローナル抗体;
(iii)ハイブリドーマ細胞系10F7(寄託番号CCTCC−C200608)によって産生されるモノクローナル抗体;
(iv)ハイブリドーマ細胞系4D1(寄託番号CCTCC−C200606)によって産生されるモノクローナル抗体;
(v)ハイブリドーマ細胞系3G4(寄託番号CCTCC−C200604)によって産生されるモノクローナル抗体;および
(vi)ハイブリドーマ細胞系2F2によって産生されるモノクローナル抗体(寄託番号CCTCC−C200424)
から成る群より選択されるモノクローナル抗体のヘマグルチニン結合活性の少なくとも50%をブロックすることができるモノクローナル抗体。
【請求項17】
ヘマグルチニン結合活性の少なくとも70%をブロックすることができる請求項16に記載のモノクローナル抗体。
【請求項18】
ヘマグルチニン結合活性の少なくとも90%をブロックできる請求項17に記載のモノクローナル抗体。
【請求項19】
(i)配列番号28〜30;
(ii)配列番号34〜36;
(iii)配列番号40〜42;
(iv)配列番号46〜48;
(v)配列番号52〜54;および
(vi)配列番号58〜60
から成る群より選択されるアミノ酸配列を含む抗体H鎖可変領域をコードする核酸配列を含む単離核酸分子。
【請求項20】
前記H鎖可変領域が、配列番号2、配列番号6、配列番号10、配列番号17、配列番号21および配列番号25から成る群より選択されるアミノ酸配列を含む請求項19に記載の単離核酸分子。
【請求項21】
配列番号1、配列番号5、配列番号9、配列番号16、配列番号20および配列番号24から成る群より選択される核酸配列を含む請求項20に記載の単離核酸分子。
【請求項22】
請求項19に記載の核酸分子を含む発現ベクター。
【請求項23】
請求項22に記載の発現ベクターを含む宿主細胞。
【請求項24】
(i)配列番号31〜33;
(ii)配列番号37〜39;
(iii)配列番号43〜45;
(iv)配列番号49〜51;および
(v)配列番号61〜63
から成る群より選択されるアミノ酸配列を含む抗体L鎖可変領域をコードする核酸配列を含む単離核酸分子。
【請求項25】
前記H鎖可変領域が、配列番号4、配列番号8、配列番号12、配列番号19および配列番号27から成る群より選択されるアミノ酸配列を含む請求項24に記載の単離核酸分子。
【請求項26】
配列番号3、配列番号7、配列番号11、配列番号18および配列番号26から成る群より選択される核酸配列を含む請求項25に記載の単離核酸分子。
【請求項27】
請求項26に記載の核酸分子を含む発現ベクター。
【請求項28】
請求項27に記載の発現ベクターを含む宿主細胞。
【請求項29】
サンプル中のトリインフルエンザウイルス亜型H5を検出する方法であって、
a)請求項1に記載のモノクローナル抗体とサンプルを接触させる工程と;
b)前記ウイルスと前記モノクローナル抗体との反応を検出する工程と
を含む方法。
【請求項30】
前記モノクローナル抗体が固相に結合している請求項29に記載の方法。
【請求項31】
前記固相が、マイクロタイタープレート、磁気粒子、ラテックス粒子、およびニトロセルロースメンブレンから成る群より選択される請求項30に記載の方法。
【請求項32】
前記モノクローナル抗体が、前記サンプルと前記モノクローナル抗体との結合効率を増加させる配向で前記固相に結合している請求項30に記載の方法。
【請求項33】
前記モノクローナル抗体が、その定常領域を介して前記固相に結合している請求項32に記載の方法。
【請求項34】
前記反応が、酵素カラーアッセイによって検出される請求項29に記載の方法。
【請求項35】
前記反応が、蛍光アッセイによって検出される請求項29に記載の方法。
【請求項36】
前記反応が、化学ルミネセンスアッセイによって検出される請求項29に記載の方法。
【請求項37】
前記モノクローナル抗体が、Fab、Fab’、F(ab)、Fab、またはFvである請求項29に記載の方法。
【請求項38】
前記サンプルが、トリまたはヒト対象由来の生体サンプルである請求項29に記載の方法。
【請求項39】
請求項1に記載のモノクローナル抗体の薬剤学的に許容し得る塩を含む医薬組成物。
【請求項40】
(i)ハイブリドーマ細胞系8H5(寄託番号CCTCC−C200607)によって産生されるモノクローナル抗体;
(ii)ハイブリドーマ細胞系3C8(寄託番号CCTCC−C200605)によって産生されるモノクローナル抗体;
(iii)ハイブリドーマ細胞系10F7(寄託番号CCTCC−C200608)によって産生されるモノクローナル抗体;
(iv)ハイブリドーマ細胞系4D1(寄託番号CCTCC−C200606)によって産生されるモノクローナル抗体;
(v)ハイブリドーマ細胞系3G4(寄託番号CCTCC−C200604)によって産生されるモノクローナル抗体;および
(vi)ハイブリドーマ細胞系2F2(寄託番号CCTCC−C200424)によって産生されるモノクローナル抗体
から成る群より選択される1つまたは複数のモノクローナル抗体の薬剤学的に許容し得る塩を含む医薬組成物。
【請求項41】
他の抗ウイルス剤の薬剤学的に許容し得る塩をさらに含む請求項40に記載の医薬組成物。
【請求項42】
前記モノクローナル抗体が、Fab、Fab’、F(ab)、またはFvである請求項41に記載の医薬組成物。
【請求項43】
対象におけるトリインフルエンザウイルス感染と関連する疾患を予防または治療する方法であって、前記対象に請求項39に記載の医薬組成物の薬学的有効量を投与することを含む方法。
【請求項44】
固相基材に結合した請求項1に記載のモノクローナル抗体を含む、サンプル中のトリインフルエンザウイルスを検出するために有用な組成物。
【請求項45】
前記モノクローナル抗体が、Fab、Fab’、F(ab’)、またはFvである請求項44に記載の組成物。
【請求項46】
前記モノクローナル抗体が、配列番号2、配列番号6、配列番号10、配列番号17、配列番号21および配列番号25から成る群より選択されるペプチド配列を含む可変H鎖を含む請求項44に記載の組成物。
【請求項47】
前記モノクローナル抗体が、配列番号4、配列番号8、配列番号12、配列番号19および配列番号27から成る群より選択されるペプチド配列を含む可変L鎖をさらに含む請求項46に記載の組成物。
【請求項48】
前記固相基材が、マイクロタイタープレート、磁気粒子、ラテックス粒子、およびニトロセルロースメンブレンから成る群より選択される請求項44に記載の組成物。
【請求項49】
前記固相基材が、試験ストリップである請求項44に記載の組成物。
【請求項50】
前記試験ストリップが、少なくとも1つの試験領域および1つの対照領域を有する請求項49に記載の組成物。
【請求項51】
前記抗体が、前記サンプルと前記モノクローナル抗体との結合効率を増加させる配向で前記固相基材に結合している請求項44に記載の組成物。
【請求項52】
複数の区画を有する固相基材を含む、サンプル中のトリインフルエンザウイルスを検出するために有用な装置であって、前記区画の1つまたは複数が請求項1に記載のモノクローナル抗体でコーティングされている装置。
【請求項53】
前記区画の1つまたは複数が、トリインフルエンザウイルス亜型H5のヘマグルチニンに特異的に結合する前記モノクローナル抗体とは異なる結合剤でコーティングされている請求項52に記載の装置。
【請求項54】
前記結合剤が、トリインフルエンザウイルス亜型H1、H3、H7またはH9に特異的に結合する抗体である請求項53に記載の装置。
【請求項55】
トリインフルエンザウイルス亜型H5のヘマグルチニンに対する前記モノクローナル抗体の結合を検出できる自動化検出装置をさらに含む請求項52に記載の装置。
【請求項56】
固相基材に結合した請求項1に記載のモノクローナル抗体および検出可能に標識した二次モノクローナル抗体を含む、サンプル中のトリインフルエンザウイルスを検出するためのキット。
【請求項57】
前記二次モノクローナル抗体が、トリインフルエンザウイルスを特異的に結合できる請求項56に記載のキット。
【請求項58】
前記二次モノクローナル抗体が、トリインフルエンザウイルスヘマグルチニンを特異的に結合できる請求項56に記載のキット。
【請求項59】
対照標準物質をさらに含む請求項56に記載のキット。
【請求項60】
配列番号64〜68、74、76、78、80、82、84、86、88、90、92、94および96から成る群より選択されるアミノ酸配列を有するペプチド。
【請求項61】
配列番号75、77、79、81、83、85、87、89、91、93、95および97から成る群より選択される核酸配列によってコードされたアミノ酸配列を有するペプチド。
【請求項62】
前記ペプチドが、8H5mAbに特異的に結合する請求項60または61に記載のペプチド。
【請求項63】
配列番号70〜73から成る群より選択されるアミノ酸配列を有するペプチド。
【請求項64】
前記ペプチドが、3C8mAbに特異的に結合する請求項63に記載のペプチド。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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【図24】
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【図25】
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【図26】
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【図27】
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【公表番号】特表2009−524434(P2009−524434A)
【公表日】平成21年7月2日(2009.7.2)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−552496(P2008−552496)
【出願日】平成19年1月26日(2007.1.26)
【国際出願番号】PCT/US2007/002491
【国際公開番号】WO2007/089753
【国際公開日】平成19年8月9日(2007.8.9)
【出願人】(508227190)エイチエックス・ダイアグノスティックス・インコーポレイテッド (1)
【氏名又は名称原語表記】HX DIAGNOSTICS, INC.
【Fターム(参考)】