トルクに強い連接する中空デバイス
内視鏡またはカテーテルのような医療デバイスで使用するための連接機構は、互いに隣接して配置され、かつ互いに対して可動な、一連の並べられたリンクを含む。各リンクは、1組の枢動点に向かってテーパを有する前面と、隣接するリンクの枢動点を受容するための楔形の陥凹部を画定する後面とを含む。引張ワイヤが張力を提供し、かつ並べられたリンクを結束し、その一方で、また、引張ワイヤのうちの1本以上の動きによって、遠位部分の制御された曲げを可能にする。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
(関連出願の参照)
本出願は、米国仮特許出願第60/930,748号(2007年5月18日出願)に対する優先権および利益を主張し、該出願の全体が、本明細書において参考として援用される。
【0002】
(技術分野)
本発明は、概して、内視鏡およびカテーテルのような医療デバイスに関する。より具体的には、本発明は、患者体内の様々な部位を通り抜け、そこにアクセスするための、屈曲可能かつ誘導可能な可撓性医療デバイスに関する。
【背景技術】
【0003】
内臓(大腸、食道、胃、尿道、膀胱、尿管、腎臓、肺、気管支、子宮、および他の臓器系のような)および多様な身体通路(消化および排出管、ならびに気管のような)の疾患の早期発見および治療から、多大な公衆衛生上の効果が得られることは、十分に立証されている。このような疾病の早期発見は、現代の医療処置および内視鏡のようなデバイスによって支援される、定期的医療検査によって達成され得る。従来の撮像内視鏡は、一般的に、光ファイバ光線ガイドを備えた可撓性管を備え、光ファイバが、外部の光源から遠位先端まで照射光線を導き、そこで、照射光線が、検査する患者の体内領域を照射する。ファイバまたはファイバ束および遠位先端から出射する光の発散を調整するために、しばしば、追加の光学的構成要素が組み込まれる。内視鏡の近位端のカメラと通信する対物レンズおよび光ファイバ画像光線ガイド、または遠位先端の画像カメラチップが、画像を作成し、それが操作者に表示される。加えて、ほとんどの内視鏡は、1つ以上のワーキングチャネルを含み、これを通じて、生検鉗子、スネア、高周波療法プローブおよび他のツールのような医療デバイスが送られ得る。
【0004】
一部の内視鏡および電気生理学的カテーテルは、内視鏡の遠位先端を、大腸、膀胱、腎臓および心臓のような検査中の生体構造の通路をたどるように、誘導または屈曲し得る。これらのタイプの医療デバイスにおいて、屈曲や連接運動は、周辺組織への摩擦力や外傷を最小化し、かつ対象の検査部位を検査するために、しばしば望ましい特徴である。患者体内の様々な部位を介して内視鏡をナビゲーションすることが、検査の成功率を向上させ、患者の痛み、副作用、リスク、または鎮痛剤の使用を最小化する。
【0005】
デバイスの遠位の可撓部分で有効な屈曲を達成するために、ほとんどの内視鏡は、デバイスの一端上で、通常はハンドルで生成される力を使用する。力は、次いで、制御ケーブルまたは引張ワイヤによって連接セクションに伝えられる。引張ワイヤは、遠位端をハンドルの一連の制御部に接続する内視鏡シャフトの中に備えられる。制御部を操作することによって、操作者は、挿入中に内視鏡の遠位部分を誘導し、それを患者体内の問題の対象領域に導くことができる。
【0006】
屈曲の機構は、誘導可能な内視鏡およびカテーテルにより様々である。一部の連接セクションは、例えば、Pebax(登録商標)のような、弾性要素で作られる。力が引張ワイヤを介して加えられるときには、要素の片側が変形(すなわち、圧縮または伸張)し得、その結果として曲がる。これらのデバイスの曲げ平面の一貫性は、例えば、材料の均質性、または、例えば、成形または押出のような製造プロセスのような因子に依存する。したがって、このようなデバイスの曲げの一貫性は、一般的には、理想には程遠い。これらのデバイスはまた、一般的に、一方の端からもう一方にトルクを伝えるように設計されていない。それらは、トルクを与えられると、ねじれる傾向を有する。
【0007】
他の連接運動の設計は、多数の個別の要素、リンクから構成され、そのそれぞれが枢動点を有する。各リンクは、力が加えられると、互いに対して枢動点のまわりに回転する。このようなデバイスは、より高い一貫性のもとで曲げ平面を維持する。
【0008】
これらの公知のデバイスに特有の、多数の設計および性能上の課題が存在する。これらの課題の一部は、先端で平面内の屈曲を達成すること、ならびに、引張ワイヤ機構の張力によるシャフトの座屈、すなわち一連の「S」字状の形成を防ぐことを含む。他の課題は、それぞれの曲がりを1つの平面内に維持できること、適切な角度の屈曲を達成すること、および複数の方向の屈曲を達成することを含む。
【0009】
一般的に、可撓性内視鏡は非常に高価な医療デバイスである。高価であるために、これらの内視鏡は、多くの患者における複数回の使用および度重なる殺菌に耐えるように作製される。従来の内視鏡は、概して、度重なる洗浄や高温下で品質劣化を生じない金属やプラスチックのような、強力な複合材料構造で作製される。これらの材料構造は、内視鏡の可撓性を減少させるとともに、患者の快適性を損ない得る。さらに、従来の内視鏡は、一般的に複雑で壊れやすい機器であり、使用中または殺菌処理中の損傷の結果として、高価な修理を頻繁に必要とする。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0010】
公知の可撓性内視鏡に伴う問題に対応または克服するために、本発明は、概して、1回だけの処置のために使用され、次いで廃棄され得る、したがって、使用と使用との間の準備や洗浄の必要性を排除した、低コストの可撓性内視鏡に関する。本発明に従った低コストの内視鏡は、無菌または殺菌包装され得、内視鏡の準備をすることなく1回だけの処置に使用することができ、1回だけの使用の後に廃棄され得る。該内視鏡は、現在の可撓性内視鏡と比較して、次の機能のうちの1つ以上を含み得る。すなわち、ナビゲーションと追跡の向上、操作者との優れたインターフェース、内腔組織にかかる摩擦力削減によるアクセスの改善、患者の快適性の増加、従来の内視鏡で現在可能なものよりも臨床生産性および患者の処理能力の向上、二次汚染のリスクの低下、および、より幅広い処置で使用される能力、である。
【0011】
かくして、曲げの能動的制御を有する新しいデバイス、ならびに、このようなデバイスを使用するための方法、および医療デバイスのための可撓性シャフトを作成するための方法を、提供することが求められる。特に、先行技術のデバイスとの比較において、先端で平面内の屈曲を達成するとともに、引張ワイヤ機構の張力によるシャフトの座屈、すなわち一連の「S」字形の形成を防ぐような、デバイスおよび方法を提供することが求められる。また、それぞれの曲がりを1つの平面内に維持すること、適切な角度の屈曲を達成すること、および複数の方向の屈曲を達成することができるようなデバイスを提供することが求められる。このような屈曲デバイスは、先行技術のデバイスよりも構造が簡単でコストがかからず、また、このような方法は、デバイスを利用するために熟練度の高いユーザを必要としない。
【0012】
本発明の特定の実施形態は、医療デバイスで使用するための連接機構に関し、該機構は、互いに隣接して配置され、かつ互いに対して可動な、一連の並べられた(stacked)リンクを含む。各リンクは、1組の枢動点に向かってテーパを有する前面と、隣接するリンクの枢動点を受容するための楔形の陥凹部を画定する後面とを有する。1本以上の引張ワイヤが張力を提供し、並べられたリンクを結束し、その一方で、また、1本以上の引張ワイヤの動きによって、遠位部分の制御された曲げを可能にする。
【0013】
本発明の代替の実施形態では、医療デバイスで使用するための連接機構は、互いに隣接して配置され、かつ互いに対して可動な、一連の並べられたリンクを含む。各リンクは、1組の枢動点に向かってテーパを有する前面と、枢動点から放射状にオフセットされる、隣接するリンクの枢動点を受容するための楔形の陥凹部を画定する後面とを有し、複数の屈曲平面を可能にする。少なくとも1本の引張ワイヤが張力を提供し、並べられたリンクを結束し、その一方で、また、引張ワイヤ(単数または複数)の動きによって遠位部分の制御された曲げを可能にする。
【0014】
本発明の別の代替の実施形態では、医療デバイスで使用するための連接機構は、互いに隣接して配置され、かつ互いに対して可動な、第1の一連の並べられたリンクを備える第1の連接セクションを含む。各リンクは、1組の枢動点に向かってテーパを有する前面と、隣接するリンクの枢動点を受容するための楔形の陥凹部を画定する後面とを有する。連接機構はまた、第2の連接セクションを含む。第2の連接セクションは、互いに隣接して配置され、かつ互いに対して可動な、第2の一連の並べられたリンクを含み、各リンクは、1組の枢動点に向かってテーパを有する前面と、隣接するリンクの枢動点を受容するための楔形の陥凹部を画定する後面とを有する。第1の連接セクションの楔形の陥凹部は、第2の連接セクションの楔形の陥凹部から放射状にオフセットされ、複数の屈曲平面を可能にする。
【0015】
連接機構は、制御カムをさらに含み得る。少なくとも1本の引張ワイヤの近位端が、制御カムに接続される。ユーザが制御カムを回転するときには、張力が少なくとも1本の張力ワイヤに加えられ、それによって、連接機構の遠位端を屈曲させる。
【0016】
連接機構は、円滑な外面を提供するために、連接機構の外側に配置された外側スリーブをさらに含み得る。様々な潤滑剤および/または薬剤被覆がまた、摩擦を減少するために、または検査されている患者の部位を治療するために、外側スリーブ上に含まれ得る。
【0017】
連接機構は、連接機構の適切な位置決めを確実にするために、放射線不透過性マーカまたは放射線不透過性材料をさらに含み得る。
【0018】
本発明に従った様々な実施形態の本質および動作の理解を深めるために、添付の図面と関連してなされる以下の説明を参照する。図面において同じ参照番号は、いくつかの図を通じて対応する部分を示す。
【図面の簡単な説明】
【0019】
【図1】図1は、本発明の実施形態に従った、連接機構を形成するために使用されるリンクを示す。
【図2】図2は、図1に示された一連のリンクを並べることによって形成された連接機構の模式図を示す。
【図3】図3は、図2に示された連接機構の遠位部分の拡大模式図を示す。
【図4】図4は、図2に示された連接機構の近位部分の拡大模式図を示す。
【図5】図5は、図2に示された連接機構を上向きに曲げたときの模式図を示す。
【図6】図6は、本発明の代替の実施形態に従った、連接機構を形成するために使用されるリンクを示す。
【図7】図7は、図6に示された一連のリンクを並べることによって形成された連接機構の模式図を示す。
【図8】図8は、本発明の代替の実施形態に従った、連接機構を形成するために使用されるリンクを示す。
【図9】図9は、本発明の代替の実施形態に従った、連接機構を形成するために使用されるリンクを示す。
【図10】図10は、図1に示された一連のリンクを並べることによって形成された連接機構の、屈曲姿勢における部分的断面図を示す。
【図11】図11は、図9に示された一連のリンクを並べることによって形成された連接機構の、屈曲姿勢における部分的断面図を示す。
【発明を実施するための形態】
【0020】
本発明は、誘導可能な内視鏡およびカテーテルで使用される可撓性連接機構に関する。これらの医療デバイスは、操作者が患者の生体内部構造にアクセスし、視認し、ならびに、患者の体内に手術器具を挿入できるようにする。加えて、これらのデバイスは、統合型の診断および治療機能を含み得、操作者が単独の処置で患者を治療できるようにする。本発明に従った連接機構は、十分安価に製造され得、その結果として、デバイスは、1回限りの使用の使い捨て品と見なされ得る。本明細書における頂部、底部、左、右、上および下のような、すべての相対的記述は、図面の参照のためのものであり、故に限定の意味に解釈されるべきではない。
【0021】
本発明に従った連接機構10の一実施形態は、互いに隣接して配置され、内部管腔14を画定し、かつ互いに対して可動な、一連の並べられたリンク12で作られる。図1をここで参照すると、本発明の一実施形態に従ったリンク12は、前面16と後面18とを含む。各リンクは、リンク12が剛性を有し、その一方で、内側管腔14のサイズを最大化するために薄肉形状を有することを可能にする、ステンレス鋼または他の生体適合性材料から、深絞り、圧延と溶接、スタンピング、射出成形、または別様に形成され得る。
【0022】
リンク12の前面16は、1組の対向して配置された係合面を含み、この係合面はリンク12を二等分し、かつ隣接するリンク12の対応する後面18を係合する1組の枢動点20を画定する。枢動点20は丸みを付けられ、ベアリングとして機能する実質的に円筒状の表面を形成する。リンク12の前面16は、枢動点20から近位に向かって角度を成す2つのテーパセクション22をさらに含む。2つのテーパセクション22は、リンク12の縦軸24に対してA°の角度で配向される。近位および遠位という用語は基準点を必要とする。本明細書においては、基準点はユーザの視点である。したがって、近位という用語は、常にユーザに最も近い領域を指し、遠位は、常にユーザから離れた領域を指す。
【0023】
同様に、リンク12の後面18は、2つの傾斜セクション26を含み、この傾斜セクションは、後面18の比較的平坦な表面28から遠位に向かって角度を成し、隣接するリンク12の枢動点20を受容するための頂点32を備えた楔形の陥凹部30を形成する。リンクの前面16のテーパセクション22と同様に、後面18の傾斜セクション26は、縦軸24に対してB°の角度で配向される。加えて、頂点32は丸くされ、枢動点20の丸みを付けられた表面を係合するための実質的に円筒状の表面を形成する。
【0024】
複数のワイヤチャネル34、36、38、40が、リンク12自体に一体に形成されるか、あるいは、リンク12の内面42上に配置される。ワイヤチャネルは、リンク12の周囲の周りに、所定の距離を置いて放射状に配置される。図1に示されるように、チャネル36および40は枢動点20に配置され、その一方で、チャネル34および38(図示しない)は、チャネル36および40に対して90°回転して配置される。
【0025】
ここで、図2〜図5を参照すると、連接機構10は、各リンク12の枢動点20が隣接するリンク12の頂点32と整合するように、多数のリンク12a、12b、12c、などを並べることによって作製される。ワイヤチャネル36および40に配置された固定のための引張ワイヤ46および50は、隣接するリンク12a、12b、12c、などを結束するための張力を提供し、その一方で、引張ワイヤ44および48は、連接機構10を所望の方向に曲げるための制御機構の構成要素である。
【0026】
制御機構は、引張ワイヤ44および48と、制御カム52とを含む。引張ワイヤ44および48の近位端は制御カム52に接続され、引張ワイヤ44および48の遠位端は連接機構10の遠位端54に接続される(図3)。図5に示されたように、ユーザが制御カム52を、線Cによって示されるように時計回り方向に回すときには、張力が引張ワイヤ44に加えられ、そして張力が引張ワイヤ48から解放され、これによって、連接機構の遠位端54を上向き方向に屈曲させる。反対に、ユーザが制御カム52を反時計回り方向に回すときには、張力が引張ワイヤ48に加えられ、そして張力が引張ワイヤ44から解放され、したがって、遠位端54を下向き方向に屈曲させる。
【0027】
連接機構10の屈曲能力は、角度Aと角度Bとの差、およびリンクの数Nの関数であり、次の式:屈曲角度=(A−B)/2×(N−1)、によって表すことができる。例えば、図2に示された実施形態においては、角度Aが140°であり、角度Bが100°であり、最初と最後のリンクを含み11個のリンクがある場合には、屈曲は200°となる。屈曲の半径は、角度の差とリンクの長さの関数である(すなわち、より短いリンクが、より小さい屈曲半径を作る)。
【0028】
可撓性の外側スリーブが、円滑な外面を提供するために連接機構10の外側に配置され得る。外側スリーブは、柔軟で薄いポリウレタン、LLDPE、シリコン、ペレセン、ポリウレタン、あるいは、ポリエチレン、ポリプロピレンまたはポリビニルアルコールのような、他の認可された生体適合性材料から作製され得る。加えて、外側スリーブは、マサチューセッツ州NatickのBoston Scientific Corporationから入手可能であり、かつ米国特許第5,702,754号および第6,048,620号に記載される、HYDROPASS(登録商標)親水性被膜のような、親水性の円滑被膜で表面を覆われ得る。該米国特許は、本明細書において参考として援用される。加えて、外側スリーブは、体内組織を治療するための薬剤で覆われ得る。
【0029】
正しい位置決めを確実にするために、連接機構10は、蛍光透視法、心エコー検査法、血管内超音波法、血管内視鏡、または別の視覚化手段を使用して、可視化されることが望まれる。蛍光透視法が利用される場合には、連接機構のいずれかまたは全てが、放射線不透過性材料で被膜され得、または放射線不透過性マーカが、デバイスの任意の部分に含まれ得て、視覚化のために役立つ。使用され得る放射線不透過性材料の1つの例は、硫酸バリウムである。放射線不透過性マーカは、例えば、金、プラチナ、またはタングステンを含む、任意の多数の材料から作られ得る。
【0030】
ここで図6を参照すると、本発明の代替の実施形態に従った、リンク112が示されている。リンク112は、上記のリンク12と実質的に同一の機能を実行し、したがって、「1」の数字で始まる同様な参照番号が、同様な要素を示すために使用される。
【0031】
本実施形態において、リンク112の前面116は、1組の対向して配置された係合面を含み、この係合面はリンク112を二等分し、かつ隣接するリンク112の対応する後面118を係合する1組の枢動点120を画定する。枢動点120は丸みを付けられ、ベアリングとして機能する実質的に円筒状の表面を形成する。リンク112の前面116は、枢動点120から近位に向かって角度を成す2つのテーパセクション122をさらに含む。
【0032】
リンク112の後面118は、後面118の比較的平坦な面128から遠位に向かって角度を成す2つの傾斜セクション126を含み、隣接するリンク112の枢動点120を受容するための頂点132を備えた、楔形の陥凹部130を形成する。上記の実施形態とは異なり、楔形の陥凹部130は、前面116のテーパセクション122に対して90°放射状にオフセットされる。頂点132は丸くされ、枢動点120の丸みを付けられた表面を係合するための実質的に円筒状の表面を形成する。
【0033】
複数のワイヤチャネル134、136、138、140が、リンク112自体に一体に形成されるか、あるいは、リンク112の内面142上に配置される。ワイヤチャネルは、リンク112の周囲の回りに所定間隔をあけて放射状に配置される。図6に示されるように、チャネル136および140は、枢動点120に配置され、その一方で、チャネル134および138(図示しない)は、チャネル136および140に対して90°回転され、楔形陥凹部130の頂点132に配置される。
【0034】
ここで図7を参照すると、連接機構110は、各リンク112の枢動点120が隣接するリンク112の頂点132に整合するように、多数のリンク112a、112b、112c、などを並べることによって作製される。前面のテーパセクション122および楔形の陥凹部130は互いに直交するために、各連続する要素が曲げ平面を90°回転させ、その結果として、曲げは、要素の組で発生する。
【0035】
制御機構は、引張ワイヤ144、146、148、150と、2つの制御カム152および156とを含む。引張ワイヤ144と148の近位端は、制御カム152に接続され、引張ワイヤ144と148の遠位端は、連接機構110の遠位端154に接続される。引張ワイヤ146と150の近位端は、制御カム156に接続され、引張ワイヤ146と150の遠位端は、連接機構110の遠位端154に接続される。ユーザが制御カム152を、線Dによって示されるように時計回り方向に回すときには、張力が引張ワイヤ144に加えられ、そして張力が引張ワイヤ148から解放され、したがって、連接機構110の遠位端154を上向き方向に屈曲させる。反対に、ユーザが制御カム152を反時計回り方向に回すときには、張力が引張ワイヤ148に加えられ、そして張力が引張ワイヤ144から解放され、したがって、遠位端154を下向き方向に屈曲させる。ユーザが制御カム156を、線Eによって示される時計回り方向に回すときには、張力が引張ワイヤ150に加えられ、そして張力が引張ワイヤ146から解放され、したがって、連接機構の遠位端154を右に屈曲させる。反対に、ユーザが制御カム156を反時計回り方向に回すときには、張力が引張ワイヤ146に加えられ、そして張力が引張ワイヤ150から解放され、したがって、遠位端154を左に屈曲させる。
【0036】
ここで図8を参照すると、本発明の代替の実施形態に従った、連接機構210が示されている。連接機構210は、上記の連接機構10と実質的に同一の機能を実行し、したがって、「2」の数字で始まる同様な参照番号が、同様な要素を示すために使用される。
【0037】
本実施形態において、連接機構210を作成するために、リンクの組み合わせが使用される。制御機構に最も近い第1の連接セクション258は、多数のリンク212a、212b、212c、などを並べることによって作製され、その結果として、各リンク212の枢動点220が隣接するリンク212の頂点232と整合する。リンク212aの遠位側に、遷移リンク262が挿入されて、これにより、曲げ角度を90°回転させる。リンク262の遠位側の第2の連接セクション260は、次いで、多数のリンク212d、212e、212f、などを並べることによって作製され、2つの屈曲平面を作成する。
【0038】
制御機構は、引張ワイヤ244、246、248、250と、2つの制御カム252および256とを含む。引張ワイヤ244と248の近位端は、制御カム252に接続され、引張ワイヤ244と248の遠位端は、遷移リンク262に接続される。引張ワイヤ246と250の近位端は、制御カム256に接続され、引張ワイヤ246と250の遠位端は、連接機構210の遠位端254に接続される。ユーザが制御カム252を、線Fによって示されるように時計回り方向に回すときには、張力が引張ワイヤ244に加えられ、そして張力が引張ワイヤ248から解放され、したがって、連接機構の第1の屈曲セクション258を上向き方向に屈曲させる。反対に、ユーザが制御カム252を反時計回り方向に回すときには、張力が引張ワイヤ248に加えられ、そして張力が引張ワイヤ244から解放され、したがって、第1の屈曲セクション258を下向きに屈曲させる。ユーザが制御カム256を、線Gによって示されるように時計回り方向に回すときには、張力が引張ワイヤ250に加えられ、そして張力が引張ワイヤ246から解放され、したがって、連接機構の第2の屈曲セクションの260を右に屈曲させる。反対に、ユーザが制御カム256を反時計回り方向に回すときには、張力が引張ワイヤ246に加えられ、そして張力が引張ワイヤ250から解放され、したがって第2の屈曲セクション260を左に屈曲させる。
【0039】
ここで図9を参照すると、本発明の代替の実施形態に従った、リンク312が示されている。リンク312は、上記のリンク12と実質的に同一の機能を実行し、したがって、「3」の数字で始まる同様な参照番号が、同様な要素を示すために使用される。
【0040】
本実施形態において、リンク312の前面316は、1組の対向して配置された係合面を含み、この係合面はリンク312を二等分し、かつ隣接するリンクの対応する後面318を係合する1組の枢動点320を画定する。枢動点320は丸みを付けられ、ベアリングとして機能する実質的に円筒状の表面を形成する。リンク312の前面316は、枢動点320から近位に向かって角度を成す2つのテーパセクション322をさらに含む。
【0041】
リンク312の後面318は、後面318の比較的平坦な表面328から遠位に向かって角度を成す2つの傾斜セクション326を含み、隣接するリンクの枢動点320を受容するための頂点332を備えた、楔形の陥凹部330を形成する。頂点332は丸くされ、枢動点320の丸みを付けられた表面を係合するための実質的に円筒状の表面を形成する。
【0042】
複数のワイヤチャネル334、336、338、340が、リンク312自体に一体化して形成され、あるいは、リンク312の内面342上に配置される。ワイヤチャネルは、リンク312の周囲の回りに所定の間隔をあけて放射状に配置される。図9に示されるように、チャネル336と340は枢動点320に配置され、その一方で、チャネル334と338は、チャネル336と340に対して90°回転され、楔形の陥凹部330の頂点332に配置される。
【0043】
上記のリンク12の実施形態とは異なり、ワイヤチャネル336と340は、面取りされるか、あるいは長円形にされて、連接機構が屈曲されるときに、引張ワイヤの側方への移動量を増加させる。例えば、ここで図10を参照すると、多数のリンク12a、12b、12c、などを並べることによって作製された連接機構10が、屈曲姿勢で示されている。この屈曲姿勢では、ワイヤチャネル36a、36b、36c、などは、部分的に位置がずれており、引張ワイヤは、隣接するリンク12の間で引っかかり、または締め付けを生じ得る。
【0044】
ここで再び図11を参照すると、多数のリンク312a、312b、312c、などを並べることによって作製された連接機構310が、屈曲姿勢で示されている。本実施形態において、ワイヤチャネル336a、336b、336c、などは、ワイヤチャネル336の面取りのために、屈曲後も整合した状態に維持される。ワイヤチャネル336は、前面316、後面318、または両方で面取りされ得る。代替案として、ワイヤチャネル336は、片端または両端で面取りする代わりに、長さ全体にわたって長円形にされ得る。
【0045】
所望の屈曲面の数に応じて、追加の屈曲セクションおよび/または引張ワイヤが、制御機構に含まれ得る。引張ワイヤ44、46、48、50は、ステンレス鋼、ポリマーフィラメント、ケブラーまたはナイロンのような強力な繊維または合成素材、または、例えばニッケル−チタン合金であるNitinol(登録商標)のような、他の金属および合金から作られる。制御機構はまた、ハンドル、レバー、ノブ、ロボット、ジョイスティック、または他の制御機能を含み得、これらはどれも図示されていないが、これらの全ては、医療デバイス分野の当業者にとって公知である。
【0046】
開示された実施形態は、例示である。本発明は、開示された例示的な実施形態によって限定されることも、これらに限定されることもない。また、開示された例示的な実施形態に対する様々な変更および組み合わせが可能であり、それらは、本開示に含まれる。
【技術分野】
【0001】
(関連出願の参照)
本出願は、米国仮特許出願第60/930,748号(2007年5月18日出願)に対する優先権および利益を主張し、該出願の全体が、本明細書において参考として援用される。
【0002】
(技術分野)
本発明は、概して、内視鏡およびカテーテルのような医療デバイスに関する。より具体的には、本発明は、患者体内の様々な部位を通り抜け、そこにアクセスするための、屈曲可能かつ誘導可能な可撓性医療デバイスに関する。
【背景技術】
【0003】
内臓(大腸、食道、胃、尿道、膀胱、尿管、腎臓、肺、気管支、子宮、および他の臓器系のような)および多様な身体通路(消化および排出管、ならびに気管のような)の疾患の早期発見および治療から、多大な公衆衛生上の効果が得られることは、十分に立証されている。このような疾病の早期発見は、現代の医療処置および内視鏡のようなデバイスによって支援される、定期的医療検査によって達成され得る。従来の撮像内視鏡は、一般的に、光ファイバ光線ガイドを備えた可撓性管を備え、光ファイバが、外部の光源から遠位先端まで照射光線を導き、そこで、照射光線が、検査する患者の体内領域を照射する。ファイバまたはファイバ束および遠位先端から出射する光の発散を調整するために、しばしば、追加の光学的構成要素が組み込まれる。内視鏡の近位端のカメラと通信する対物レンズおよび光ファイバ画像光線ガイド、または遠位先端の画像カメラチップが、画像を作成し、それが操作者に表示される。加えて、ほとんどの内視鏡は、1つ以上のワーキングチャネルを含み、これを通じて、生検鉗子、スネア、高周波療法プローブおよび他のツールのような医療デバイスが送られ得る。
【0004】
一部の内視鏡および電気生理学的カテーテルは、内視鏡の遠位先端を、大腸、膀胱、腎臓および心臓のような検査中の生体構造の通路をたどるように、誘導または屈曲し得る。これらのタイプの医療デバイスにおいて、屈曲や連接運動は、周辺組織への摩擦力や外傷を最小化し、かつ対象の検査部位を検査するために、しばしば望ましい特徴である。患者体内の様々な部位を介して内視鏡をナビゲーションすることが、検査の成功率を向上させ、患者の痛み、副作用、リスク、または鎮痛剤の使用を最小化する。
【0005】
デバイスの遠位の可撓部分で有効な屈曲を達成するために、ほとんどの内視鏡は、デバイスの一端上で、通常はハンドルで生成される力を使用する。力は、次いで、制御ケーブルまたは引張ワイヤによって連接セクションに伝えられる。引張ワイヤは、遠位端をハンドルの一連の制御部に接続する内視鏡シャフトの中に備えられる。制御部を操作することによって、操作者は、挿入中に内視鏡の遠位部分を誘導し、それを患者体内の問題の対象領域に導くことができる。
【0006】
屈曲の機構は、誘導可能な内視鏡およびカテーテルにより様々である。一部の連接セクションは、例えば、Pebax(登録商標)のような、弾性要素で作られる。力が引張ワイヤを介して加えられるときには、要素の片側が変形(すなわち、圧縮または伸張)し得、その結果として曲がる。これらのデバイスの曲げ平面の一貫性は、例えば、材料の均質性、または、例えば、成形または押出のような製造プロセスのような因子に依存する。したがって、このようなデバイスの曲げの一貫性は、一般的には、理想には程遠い。これらのデバイスはまた、一般的に、一方の端からもう一方にトルクを伝えるように設計されていない。それらは、トルクを与えられると、ねじれる傾向を有する。
【0007】
他の連接運動の設計は、多数の個別の要素、リンクから構成され、そのそれぞれが枢動点を有する。各リンクは、力が加えられると、互いに対して枢動点のまわりに回転する。このようなデバイスは、より高い一貫性のもとで曲げ平面を維持する。
【0008】
これらの公知のデバイスに特有の、多数の設計および性能上の課題が存在する。これらの課題の一部は、先端で平面内の屈曲を達成すること、ならびに、引張ワイヤ機構の張力によるシャフトの座屈、すなわち一連の「S」字状の形成を防ぐことを含む。他の課題は、それぞれの曲がりを1つの平面内に維持できること、適切な角度の屈曲を達成すること、および複数の方向の屈曲を達成することを含む。
【0009】
一般的に、可撓性内視鏡は非常に高価な医療デバイスである。高価であるために、これらの内視鏡は、多くの患者における複数回の使用および度重なる殺菌に耐えるように作製される。従来の内視鏡は、概して、度重なる洗浄や高温下で品質劣化を生じない金属やプラスチックのような、強力な複合材料構造で作製される。これらの材料構造は、内視鏡の可撓性を減少させるとともに、患者の快適性を損ない得る。さらに、従来の内視鏡は、一般的に複雑で壊れやすい機器であり、使用中または殺菌処理中の損傷の結果として、高価な修理を頻繁に必要とする。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0010】
公知の可撓性内視鏡に伴う問題に対応または克服するために、本発明は、概して、1回だけの処置のために使用され、次いで廃棄され得る、したがって、使用と使用との間の準備や洗浄の必要性を排除した、低コストの可撓性内視鏡に関する。本発明に従った低コストの内視鏡は、無菌または殺菌包装され得、内視鏡の準備をすることなく1回だけの処置に使用することができ、1回だけの使用の後に廃棄され得る。該内視鏡は、現在の可撓性内視鏡と比較して、次の機能のうちの1つ以上を含み得る。すなわち、ナビゲーションと追跡の向上、操作者との優れたインターフェース、内腔組織にかかる摩擦力削減によるアクセスの改善、患者の快適性の増加、従来の内視鏡で現在可能なものよりも臨床生産性および患者の処理能力の向上、二次汚染のリスクの低下、および、より幅広い処置で使用される能力、である。
【0011】
かくして、曲げの能動的制御を有する新しいデバイス、ならびに、このようなデバイスを使用するための方法、および医療デバイスのための可撓性シャフトを作成するための方法を、提供することが求められる。特に、先行技術のデバイスとの比較において、先端で平面内の屈曲を達成するとともに、引張ワイヤ機構の張力によるシャフトの座屈、すなわち一連の「S」字形の形成を防ぐような、デバイスおよび方法を提供することが求められる。また、それぞれの曲がりを1つの平面内に維持すること、適切な角度の屈曲を達成すること、および複数の方向の屈曲を達成することができるようなデバイスを提供することが求められる。このような屈曲デバイスは、先行技術のデバイスよりも構造が簡単でコストがかからず、また、このような方法は、デバイスを利用するために熟練度の高いユーザを必要としない。
【0012】
本発明の特定の実施形態は、医療デバイスで使用するための連接機構に関し、該機構は、互いに隣接して配置され、かつ互いに対して可動な、一連の並べられた(stacked)リンクを含む。各リンクは、1組の枢動点に向かってテーパを有する前面と、隣接するリンクの枢動点を受容するための楔形の陥凹部を画定する後面とを有する。1本以上の引張ワイヤが張力を提供し、並べられたリンクを結束し、その一方で、また、1本以上の引張ワイヤの動きによって、遠位部分の制御された曲げを可能にする。
【0013】
本発明の代替の実施形態では、医療デバイスで使用するための連接機構は、互いに隣接して配置され、かつ互いに対して可動な、一連の並べられたリンクを含む。各リンクは、1組の枢動点に向かってテーパを有する前面と、枢動点から放射状にオフセットされる、隣接するリンクの枢動点を受容するための楔形の陥凹部を画定する後面とを有し、複数の屈曲平面を可能にする。少なくとも1本の引張ワイヤが張力を提供し、並べられたリンクを結束し、その一方で、また、引張ワイヤ(単数または複数)の動きによって遠位部分の制御された曲げを可能にする。
【0014】
本発明の別の代替の実施形態では、医療デバイスで使用するための連接機構は、互いに隣接して配置され、かつ互いに対して可動な、第1の一連の並べられたリンクを備える第1の連接セクションを含む。各リンクは、1組の枢動点に向かってテーパを有する前面と、隣接するリンクの枢動点を受容するための楔形の陥凹部を画定する後面とを有する。連接機構はまた、第2の連接セクションを含む。第2の連接セクションは、互いに隣接して配置され、かつ互いに対して可動な、第2の一連の並べられたリンクを含み、各リンクは、1組の枢動点に向かってテーパを有する前面と、隣接するリンクの枢動点を受容するための楔形の陥凹部を画定する後面とを有する。第1の連接セクションの楔形の陥凹部は、第2の連接セクションの楔形の陥凹部から放射状にオフセットされ、複数の屈曲平面を可能にする。
【0015】
連接機構は、制御カムをさらに含み得る。少なくとも1本の引張ワイヤの近位端が、制御カムに接続される。ユーザが制御カムを回転するときには、張力が少なくとも1本の張力ワイヤに加えられ、それによって、連接機構の遠位端を屈曲させる。
【0016】
連接機構は、円滑な外面を提供するために、連接機構の外側に配置された外側スリーブをさらに含み得る。様々な潤滑剤および/または薬剤被覆がまた、摩擦を減少するために、または検査されている患者の部位を治療するために、外側スリーブ上に含まれ得る。
【0017】
連接機構は、連接機構の適切な位置決めを確実にするために、放射線不透過性マーカまたは放射線不透過性材料をさらに含み得る。
【0018】
本発明に従った様々な実施形態の本質および動作の理解を深めるために、添付の図面と関連してなされる以下の説明を参照する。図面において同じ参照番号は、いくつかの図を通じて対応する部分を示す。
【図面の簡単な説明】
【0019】
【図1】図1は、本発明の実施形態に従った、連接機構を形成するために使用されるリンクを示す。
【図2】図2は、図1に示された一連のリンクを並べることによって形成された連接機構の模式図を示す。
【図3】図3は、図2に示された連接機構の遠位部分の拡大模式図を示す。
【図4】図4は、図2に示された連接機構の近位部分の拡大模式図を示す。
【図5】図5は、図2に示された連接機構を上向きに曲げたときの模式図を示す。
【図6】図6は、本発明の代替の実施形態に従った、連接機構を形成するために使用されるリンクを示す。
【図7】図7は、図6に示された一連のリンクを並べることによって形成された連接機構の模式図を示す。
【図8】図8は、本発明の代替の実施形態に従った、連接機構を形成するために使用されるリンクを示す。
【図9】図9は、本発明の代替の実施形態に従った、連接機構を形成するために使用されるリンクを示す。
【図10】図10は、図1に示された一連のリンクを並べることによって形成された連接機構の、屈曲姿勢における部分的断面図を示す。
【図11】図11は、図9に示された一連のリンクを並べることによって形成された連接機構の、屈曲姿勢における部分的断面図を示す。
【発明を実施するための形態】
【0020】
本発明は、誘導可能な内視鏡およびカテーテルで使用される可撓性連接機構に関する。これらの医療デバイスは、操作者が患者の生体内部構造にアクセスし、視認し、ならびに、患者の体内に手術器具を挿入できるようにする。加えて、これらのデバイスは、統合型の診断および治療機能を含み得、操作者が単独の処置で患者を治療できるようにする。本発明に従った連接機構は、十分安価に製造され得、その結果として、デバイスは、1回限りの使用の使い捨て品と見なされ得る。本明細書における頂部、底部、左、右、上および下のような、すべての相対的記述は、図面の参照のためのものであり、故に限定の意味に解釈されるべきではない。
【0021】
本発明に従った連接機構10の一実施形態は、互いに隣接して配置され、内部管腔14を画定し、かつ互いに対して可動な、一連の並べられたリンク12で作られる。図1をここで参照すると、本発明の一実施形態に従ったリンク12は、前面16と後面18とを含む。各リンクは、リンク12が剛性を有し、その一方で、内側管腔14のサイズを最大化するために薄肉形状を有することを可能にする、ステンレス鋼または他の生体適合性材料から、深絞り、圧延と溶接、スタンピング、射出成形、または別様に形成され得る。
【0022】
リンク12の前面16は、1組の対向して配置された係合面を含み、この係合面はリンク12を二等分し、かつ隣接するリンク12の対応する後面18を係合する1組の枢動点20を画定する。枢動点20は丸みを付けられ、ベアリングとして機能する実質的に円筒状の表面を形成する。リンク12の前面16は、枢動点20から近位に向かって角度を成す2つのテーパセクション22をさらに含む。2つのテーパセクション22は、リンク12の縦軸24に対してA°の角度で配向される。近位および遠位という用語は基準点を必要とする。本明細書においては、基準点はユーザの視点である。したがって、近位という用語は、常にユーザに最も近い領域を指し、遠位は、常にユーザから離れた領域を指す。
【0023】
同様に、リンク12の後面18は、2つの傾斜セクション26を含み、この傾斜セクションは、後面18の比較的平坦な表面28から遠位に向かって角度を成し、隣接するリンク12の枢動点20を受容するための頂点32を備えた楔形の陥凹部30を形成する。リンクの前面16のテーパセクション22と同様に、後面18の傾斜セクション26は、縦軸24に対してB°の角度で配向される。加えて、頂点32は丸くされ、枢動点20の丸みを付けられた表面を係合するための実質的に円筒状の表面を形成する。
【0024】
複数のワイヤチャネル34、36、38、40が、リンク12自体に一体に形成されるか、あるいは、リンク12の内面42上に配置される。ワイヤチャネルは、リンク12の周囲の周りに、所定の距離を置いて放射状に配置される。図1に示されるように、チャネル36および40は枢動点20に配置され、その一方で、チャネル34および38(図示しない)は、チャネル36および40に対して90°回転して配置される。
【0025】
ここで、図2〜図5を参照すると、連接機構10は、各リンク12の枢動点20が隣接するリンク12の頂点32と整合するように、多数のリンク12a、12b、12c、などを並べることによって作製される。ワイヤチャネル36および40に配置された固定のための引張ワイヤ46および50は、隣接するリンク12a、12b、12c、などを結束するための張力を提供し、その一方で、引張ワイヤ44および48は、連接機構10を所望の方向に曲げるための制御機構の構成要素である。
【0026】
制御機構は、引張ワイヤ44および48と、制御カム52とを含む。引張ワイヤ44および48の近位端は制御カム52に接続され、引張ワイヤ44および48の遠位端は連接機構10の遠位端54に接続される(図3)。図5に示されたように、ユーザが制御カム52を、線Cによって示されるように時計回り方向に回すときには、張力が引張ワイヤ44に加えられ、そして張力が引張ワイヤ48から解放され、これによって、連接機構の遠位端54を上向き方向に屈曲させる。反対に、ユーザが制御カム52を反時計回り方向に回すときには、張力が引張ワイヤ48に加えられ、そして張力が引張ワイヤ44から解放され、したがって、遠位端54を下向き方向に屈曲させる。
【0027】
連接機構10の屈曲能力は、角度Aと角度Bとの差、およびリンクの数Nの関数であり、次の式:屈曲角度=(A−B)/2×(N−1)、によって表すことができる。例えば、図2に示された実施形態においては、角度Aが140°であり、角度Bが100°であり、最初と最後のリンクを含み11個のリンクがある場合には、屈曲は200°となる。屈曲の半径は、角度の差とリンクの長さの関数である(すなわち、より短いリンクが、より小さい屈曲半径を作る)。
【0028】
可撓性の外側スリーブが、円滑な外面を提供するために連接機構10の外側に配置され得る。外側スリーブは、柔軟で薄いポリウレタン、LLDPE、シリコン、ペレセン、ポリウレタン、あるいは、ポリエチレン、ポリプロピレンまたはポリビニルアルコールのような、他の認可された生体適合性材料から作製され得る。加えて、外側スリーブは、マサチューセッツ州NatickのBoston Scientific Corporationから入手可能であり、かつ米国特許第5,702,754号および第6,048,620号に記載される、HYDROPASS(登録商標)親水性被膜のような、親水性の円滑被膜で表面を覆われ得る。該米国特許は、本明細書において参考として援用される。加えて、外側スリーブは、体内組織を治療するための薬剤で覆われ得る。
【0029】
正しい位置決めを確実にするために、連接機構10は、蛍光透視法、心エコー検査法、血管内超音波法、血管内視鏡、または別の視覚化手段を使用して、可視化されることが望まれる。蛍光透視法が利用される場合には、連接機構のいずれかまたは全てが、放射線不透過性材料で被膜され得、または放射線不透過性マーカが、デバイスの任意の部分に含まれ得て、視覚化のために役立つ。使用され得る放射線不透過性材料の1つの例は、硫酸バリウムである。放射線不透過性マーカは、例えば、金、プラチナ、またはタングステンを含む、任意の多数の材料から作られ得る。
【0030】
ここで図6を参照すると、本発明の代替の実施形態に従った、リンク112が示されている。リンク112は、上記のリンク12と実質的に同一の機能を実行し、したがって、「1」の数字で始まる同様な参照番号が、同様な要素を示すために使用される。
【0031】
本実施形態において、リンク112の前面116は、1組の対向して配置された係合面を含み、この係合面はリンク112を二等分し、かつ隣接するリンク112の対応する後面118を係合する1組の枢動点120を画定する。枢動点120は丸みを付けられ、ベアリングとして機能する実質的に円筒状の表面を形成する。リンク112の前面116は、枢動点120から近位に向かって角度を成す2つのテーパセクション122をさらに含む。
【0032】
リンク112の後面118は、後面118の比較的平坦な面128から遠位に向かって角度を成す2つの傾斜セクション126を含み、隣接するリンク112の枢動点120を受容するための頂点132を備えた、楔形の陥凹部130を形成する。上記の実施形態とは異なり、楔形の陥凹部130は、前面116のテーパセクション122に対して90°放射状にオフセットされる。頂点132は丸くされ、枢動点120の丸みを付けられた表面を係合するための実質的に円筒状の表面を形成する。
【0033】
複数のワイヤチャネル134、136、138、140が、リンク112自体に一体に形成されるか、あるいは、リンク112の内面142上に配置される。ワイヤチャネルは、リンク112の周囲の回りに所定間隔をあけて放射状に配置される。図6に示されるように、チャネル136および140は、枢動点120に配置され、その一方で、チャネル134および138(図示しない)は、チャネル136および140に対して90°回転され、楔形陥凹部130の頂点132に配置される。
【0034】
ここで図7を参照すると、連接機構110は、各リンク112の枢動点120が隣接するリンク112の頂点132に整合するように、多数のリンク112a、112b、112c、などを並べることによって作製される。前面のテーパセクション122および楔形の陥凹部130は互いに直交するために、各連続する要素が曲げ平面を90°回転させ、その結果として、曲げは、要素の組で発生する。
【0035】
制御機構は、引張ワイヤ144、146、148、150と、2つの制御カム152および156とを含む。引張ワイヤ144と148の近位端は、制御カム152に接続され、引張ワイヤ144と148の遠位端は、連接機構110の遠位端154に接続される。引張ワイヤ146と150の近位端は、制御カム156に接続され、引張ワイヤ146と150の遠位端は、連接機構110の遠位端154に接続される。ユーザが制御カム152を、線Dによって示されるように時計回り方向に回すときには、張力が引張ワイヤ144に加えられ、そして張力が引張ワイヤ148から解放され、したがって、連接機構110の遠位端154を上向き方向に屈曲させる。反対に、ユーザが制御カム152を反時計回り方向に回すときには、張力が引張ワイヤ148に加えられ、そして張力が引張ワイヤ144から解放され、したがって、遠位端154を下向き方向に屈曲させる。ユーザが制御カム156を、線Eによって示される時計回り方向に回すときには、張力が引張ワイヤ150に加えられ、そして張力が引張ワイヤ146から解放され、したがって、連接機構の遠位端154を右に屈曲させる。反対に、ユーザが制御カム156を反時計回り方向に回すときには、張力が引張ワイヤ146に加えられ、そして張力が引張ワイヤ150から解放され、したがって、遠位端154を左に屈曲させる。
【0036】
ここで図8を参照すると、本発明の代替の実施形態に従った、連接機構210が示されている。連接機構210は、上記の連接機構10と実質的に同一の機能を実行し、したがって、「2」の数字で始まる同様な参照番号が、同様な要素を示すために使用される。
【0037】
本実施形態において、連接機構210を作成するために、リンクの組み合わせが使用される。制御機構に最も近い第1の連接セクション258は、多数のリンク212a、212b、212c、などを並べることによって作製され、その結果として、各リンク212の枢動点220が隣接するリンク212の頂点232と整合する。リンク212aの遠位側に、遷移リンク262が挿入されて、これにより、曲げ角度を90°回転させる。リンク262の遠位側の第2の連接セクション260は、次いで、多数のリンク212d、212e、212f、などを並べることによって作製され、2つの屈曲平面を作成する。
【0038】
制御機構は、引張ワイヤ244、246、248、250と、2つの制御カム252および256とを含む。引張ワイヤ244と248の近位端は、制御カム252に接続され、引張ワイヤ244と248の遠位端は、遷移リンク262に接続される。引張ワイヤ246と250の近位端は、制御カム256に接続され、引張ワイヤ246と250の遠位端は、連接機構210の遠位端254に接続される。ユーザが制御カム252を、線Fによって示されるように時計回り方向に回すときには、張力が引張ワイヤ244に加えられ、そして張力が引張ワイヤ248から解放され、したがって、連接機構の第1の屈曲セクション258を上向き方向に屈曲させる。反対に、ユーザが制御カム252を反時計回り方向に回すときには、張力が引張ワイヤ248に加えられ、そして張力が引張ワイヤ244から解放され、したがって、第1の屈曲セクション258を下向きに屈曲させる。ユーザが制御カム256を、線Gによって示されるように時計回り方向に回すときには、張力が引張ワイヤ250に加えられ、そして張力が引張ワイヤ246から解放され、したがって、連接機構の第2の屈曲セクションの260を右に屈曲させる。反対に、ユーザが制御カム256を反時計回り方向に回すときには、張力が引張ワイヤ246に加えられ、そして張力が引張ワイヤ250から解放され、したがって第2の屈曲セクション260を左に屈曲させる。
【0039】
ここで図9を参照すると、本発明の代替の実施形態に従った、リンク312が示されている。リンク312は、上記のリンク12と実質的に同一の機能を実行し、したがって、「3」の数字で始まる同様な参照番号が、同様な要素を示すために使用される。
【0040】
本実施形態において、リンク312の前面316は、1組の対向して配置された係合面を含み、この係合面はリンク312を二等分し、かつ隣接するリンクの対応する後面318を係合する1組の枢動点320を画定する。枢動点320は丸みを付けられ、ベアリングとして機能する実質的に円筒状の表面を形成する。リンク312の前面316は、枢動点320から近位に向かって角度を成す2つのテーパセクション322をさらに含む。
【0041】
リンク312の後面318は、後面318の比較的平坦な表面328から遠位に向かって角度を成す2つの傾斜セクション326を含み、隣接するリンクの枢動点320を受容するための頂点332を備えた、楔形の陥凹部330を形成する。頂点332は丸くされ、枢動点320の丸みを付けられた表面を係合するための実質的に円筒状の表面を形成する。
【0042】
複数のワイヤチャネル334、336、338、340が、リンク312自体に一体化して形成され、あるいは、リンク312の内面342上に配置される。ワイヤチャネルは、リンク312の周囲の回りに所定の間隔をあけて放射状に配置される。図9に示されるように、チャネル336と340は枢動点320に配置され、その一方で、チャネル334と338は、チャネル336と340に対して90°回転され、楔形の陥凹部330の頂点332に配置される。
【0043】
上記のリンク12の実施形態とは異なり、ワイヤチャネル336と340は、面取りされるか、あるいは長円形にされて、連接機構が屈曲されるときに、引張ワイヤの側方への移動量を増加させる。例えば、ここで図10を参照すると、多数のリンク12a、12b、12c、などを並べることによって作製された連接機構10が、屈曲姿勢で示されている。この屈曲姿勢では、ワイヤチャネル36a、36b、36c、などは、部分的に位置がずれており、引張ワイヤは、隣接するリンク12の間で引っかかり、または締め付けを生じ得る。
【0044】
ここで再び図11を参照すると、多数のリンク312a、312b、312c、などを並べることによって作製された連接機構310が、屈曲姿勢で示されている。本実施形態において、ワイヤチャネル336a、336b、336c、などは、ワイヤチャネル336の面取りのために、屈曲後も整合した状態に維持される。ワイヤチャネル336は、前面316、後面318、または両方で面取りされ得る。代替案として、ワイヤチャネル336は、片端または両端で面取りする代わりに、長さ全体にわたって長円形にされ得る。
【0045】
所望の屈曲面の数に応じて、追加の屈曲セクションおよび/または引張ワイヤが、制御機構に含まれ得る。引張ワイヤ44、46、48、50は、ステンレス鋼、ポリマーフィラメント、ケブラーまたはナイロンのような強力な繊維または合成素材、または、例えばニッケル−チタン合金であるNitinol(登録商標)のような、他の金属および合金から作られる。制御機構はまた、ハンドル、レバー、ノブ、ロボット、ジョイスティック、または他の制御機能を含み得、これらはどれも図示されていないが、これらの全ては、医療デバイス分野の当業者にとって公知である。
【0046】
開示された実施形態は、例示である。本発明は、開示された例示的な実施形態によって限定されることも、これらに限定されることもない。また、開示された例示的な実施形態に対する様々な変更および組み合わせが可能であり、それらは、本開示に含まれる。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
医療デバイスで使用するための連接機構であって、該連接機構は、
互いに隣接して配置され、かつ互いに対して可動な、一連の並べられたリンクであって、各リンクは、1組の枢動点に向かってテーパを有する前面と、隣接するリンクの該枢動点を受容するための楔形の陥凹部を画定する後面とを含む、一連の並べられたリンクと、
該連接機構に張力を提供し、かつ該隣接するリンクを結束するための、少なくとも1本の引張ワイヤと、
を備える、連接機構。
【請求項2】
前記楔形の陥凹部は、前記枢動点から放射状にオフセットされる、請求項1に記載の連接機構。
【請求項3】
前記少なくとも1本の引張ワイヤに接続された制御カムをさらに備える、請求項1に記載の連接機構。
【請求項4】
平滑な外面を提供するために、前記連接機構の外側に配置された外側スリーブをさらに備える、請求項1に記載の連接機構。
【請求項5】
前記外側スリーブは、潤滑被覆を備える、請求項4に記載の連接機構。
【請求項6】
前記外側スリーブは、薬剤被覆を備える、請求項4に記載の連接機構。
【請求項7】
放射線不透過性マーカをさらに備える、請求項1に記載の連接機構。
【請求項8】
放射線不透過性材料をさらに備える、請求項1に記載の連接機構。
【請求項9】
医療デバイスで使用するための連接機構であって、該連接機構は、
互いに隣接して配置され、かつ互いに対して可動な、一連の並べられたリンクであって、各リンクは、1組の枢動点に向かってテーパを有する前面と、隣接するリンクの該枢動点を受容するための楔形の陥凹部を画定する後面とを含み、該楔形の陥凹部は、該枢動点から放射状にオフセットされる、一連の並べられたリンクと、
該連接機構に張力を提供し、かつ該隣接するリンクを結束するための、少なくとも1本の引張ワイヤと、
を備える、連接機構。
【請求項10】
前記少なくとも1本の引張ワイヤに接続された制御カムをさらに備える、請求項9に記載の連接機構。
【請求項11】
平滑な外面を提供するために、前記連接機構の外側に配置された外側スリーブをさらに備える、請求項9に記載の連接機構。
【請求項12】
前記外側スリーブは、潤滑被覆を備える、請求項11に記載の連接機構。
【請求項13】
前記外側スリーブは、薬剤被覆を備える、請求項11に記載の連接機構。
【請求項14】
放射線不透過性マーカをさらに備える、請求項9に記載の連接機構。
【請求項15】
放射線不透過性材料をさらに備える、請求項9に記載の連接機構。
【請求項16】
医療デバイスで使用するための連接機構であって、該連接機構は、
第1の連接セクションであって、該第1の連接セクションは、互いに隣接して配置され、かつ互いに対して可動な、第1の一連の並べられたリンクを含み、各リンクは、1組の枢動点に向かってテーパを有する前面と、隣接するリンクの該枢動点を受容するための楔形の陥凹部を画定する後面とを含む、第1の連接セクションと、
第2の連接セクションであって、該第2の連接セクションは、互いに隣接して配置され、かつ互いに対して可動な、第2の一連の並べられたリンクを含み、各リンクは、1組の枢動点に向かってテーパを有する前面と、隣接するリンクの該枢動点を受容するための楔形の陥凹部を画定する後面とを含み、該第1の連接セクションの該楔形の陥凹部は、該第2の連接セクションの該楔形の陥凹部から放射状にオフセットされる、第2の連接セクションと、
該連接機構に張力を提供し、かつ該隣接するリンクを結束するための、少なくとも1本の引張ワイヤと、
を備える、連接機構。
【請求項17】
前記少なくとも1本の引張ワイヤに接続された制御カムをさらに備える、請求項16に記載の連接機構。
【請求項18】
平滑な外面を提供するために、前記連接機構の外側に配置された外側スリーブをさらに備える、請求項16に記載の連接機構。
【請求項19】
前記外側スリーブは、潤滑被覆を備える、請求項18に記載の連接機構。
【請求項20】
前記外側スリーブは、薬剤被覆を備える、請求項18に記載の連接機構。
【請求項21】
放射線不透過性マーカをさらに備える、請求項16に記載の連接機構。
【請求項22】
放射線不透過性材料をさらに備える、請求項16に記載の連接機構。
【請求項1】
医療デバイスで使用するための連接機構であって、該連接機構は、
互いに隣接して配置され、かつ互いに対して可動な、一連の並べられたリンクであって、各リンクは、1組の枢動点に向かってテーパを有する前面と、隣接するリンクの該枢動点を受容するための楔形の陥凹部を画定する後面とを含む、一連の並べられたリンクと、
該連接機構に張力を提供し、かつ該隣接するリンクを結束するための、少なくとも1本の引張ワイヤと、
を備える、連接機構。
【請求項2】
前記楔形の陥凹部は、前記枢動点から放射状にオフセットされる、請求項1に記載の連接機構。
【請求項3】
前記少なくとも1本の引張ワイヤに接続された制御カムをさらに備える、請求項1に記載の連接機構。
【請求項4】
平滑な外面を提供するために、前記連接機構の外側に配置された外側スリーブをさらに備える、請求項1に記載の連接機構。
【請求項5】
前記外側スリーブは、潤滑被覆を備える、請求項4に記載の連接機構。
【請求項6】
前記外側スリーブは、薬剤被覆を備える、請求項4に記載の連接機構。
【請求項7】
放射線不透過性マーカをさらに備える、請求項1に記載の連接機構。
【請求項8】
放射線不透過性材料をさらに備える、請求項1に記載の連接機構。
【請求項9】
医療デバイスで使用するための連接機構であって、該連接機構は、
互いに隣接して配置され、かつ互いに対して可動な、一連の並べられたリンクであって、各リンクは、1組の枢動点に向かってテーパを有する前面と、隣接するリンクの該枢動点を受容するための楔形の陥凹部を画定する後面とを含み、該楔形の陥凹部は、該枢動点から放射状にオフセットされる、一連の並べられたリンクと、
該連接機構に張力を提供し、かつ該隣接するリンクを結束するための、少なくとも1本の引張ワイヤと、
を備える、連接機構。
【請求項10】
前記少なくとも1本の引張ワイヤに接続された制御カムをさらに備える、請求項9に記載の連接機構。
【請求項11】
平滑な外面を提供するために、前記連接機構の外側に配置された外側スリーブをさらに備える、請求項9に記載の連接機構。
【請求項12】
前記外側スリーブは、潤滑被覆を備える、請求項11に記載の連接機構。
【請求項13】
前記外側スリーブは、薬剤被覆を備える、請求項11に記載の連接機構。
【請求項14】
放射線不透過性マーカをさらに備える、請求項9に記載の連接機構。
【請求項15】
放射線不透過性材料をさらに備える、請求項9に記載の連接機構。
【請求項16】
医療デバイスで使用するための連接機構であって、該連接機構は、
第1の連接セクションであって、該第1の連接セクションは、互いに隣接して配置され、かつ互いに対して可動な、第1の一連の並べられたリンクを含み、各リンクは、1組の枢動点に向かってテーパを有する前面と、隣接するリンクの該枢動点を受容するための楔形の陥凹部を画定する後面とを含む、第1の連接セクションと、
第2の連接セクションであって、該第2の連接セクションは、互いに隣接して配置され、かつ互いに対して可動な、第2の一連の並べられたリンクを含み、各リンクは、1組の枢動点に向かってテーパを有する前面と、隣接するリンクの該枢動点を受容するための楔形の陥凹部を画定する後面とを含み、該第1の連接セクションの該楔形の陥凹部は、該第2の連接セクションの該楔形の陥凹部から放射状にオフセットされる、第2の連接セクションと、
該連接機構に張力を提供し、かつ該隣接するリンクを結束するための、少なくとも1本の引張ワイヤと、
を備える、連接機構。
【請求項17】
前記少なくとも1本の引張ワイヤに接続された制御カムをさらに備える、請求項16に記載の連接機構。
【請求項18】
平滑な外面を提供するために、前記連接機構の外側に配置された外側スリーブをさらに備える、請求項16に記載の連接機構。
【請求項19】
前記外側スリーブは、潤滑被覆を備える、請求項18に記載の連接機構。
【請求項20】
前記外側スリーブは、薬剤被覆を備える、請求項18に記載の連接機構。
【請求項21】
放射線不透過性マーカをさらに備える、請求項16に記載の連接機構。
【請求項22】
放射線不透過性材料をさらに備える、請求項16に記載の連接機構。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【公表番号】特表2010−527653(P2010−527653A)
【公表日】平成22年8月19日(2010.8.19)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−508578(P2010−508578)
【出願日】平成20年5月15日(2008.5.15)
【国際出願番号】PCT/US2008/063721
【国際公開番号】WO2008/144401
【国際公開日】平成20年11月27日(2008.11.27)
【出願人】(500332814)ボストン サイエンティフィック リミテッド (627)
【Fターム(参考)】
【公表日】平成22年8月19日(2010.8.19)
【国際特許分類】
【出願日】平成20年5月15日(2008.5.15)
【国際出願番号】PCT/US2008/063721
【国際公開番号】WO2008/144401
【国際公開日】平成20年11月27日(2008.11.27)
【出願人】(500332814)ボストン サイエンティフィック リミテッド (627)
【Fターム(参考)】
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