説明

トレーニング装置、プログラムおよびトレーニングシステム

【課題】入力装置における操作の習熟を簡易に図るとともに、操作の習熟度を継続的に維持する。
【解決手段】商品の入力を受け付ける入力装置におけるユーザインタフェースを模した画像とともに表示した複数種類のオーダー用の動画または静止画像の連続表示に沿ってユーザインタフェースに対して入力させるトレーニング操作を、各種類について実行させることによって入力装置の操作についての習熟の度合をユーザが認識できる指標である習熟レベルを設定する習熟レベル設定手段と、所定のユーザについて、動画または静止画像の連続表示に沿ったユーザインタフェースの操作によるトレーニングを一定期間内に実施しているか否かを判定する実施判定手段と、実施判定手段がトレーニングを実施していないと判断した場合には、当該ユーザの習熟レベルを低下させるレベル低下手段と、を備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の実施形態は、トレーニング装置、プログラムおよびトレーニングシステムに関する。
【背景技術】
【0002】
例えばファミリーレストランや居酒屋等の多くの飲食店では、メニュー品目の注文の受付業務や会計業務などの種々の業務に関する処理を実行する処理装置が利用されている。このような処理装置では、店員等のユーザの操作を入力装置で入力し、その入力された操作に応じた処理を実行する。
【0003】
具体的には、飲食店で使用されるシステムの場合、上記の入力装置および処理装置はそれぞれ、例えばオーダー端末およびステーション(サーバ)である。そしてこの場合にオーダー端末では、顧客により注文されたメニュー品目を指定する操作を入力する。オーダー端末は、入力した操作に基づいて注文されたメニュー品目のリストを含んだ受注情報を生成し、それをステーションに送信する。ステーションは、受注情報に基づいて、調理指示伝票の作成や売上管理処理などを行う。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、従来、ユーザの入力装置での操作に関する習熟は、実際の業務の中で図られるか、あるいは別の店員が顧客を演ずるなどして形成された模擬的な業務の中で図られていた。
【0005】
このような事情から、入力装置における操作の習熟を簡易に図るとともに、操作の習熟度を継続的に維持することが望まれていた。
【課題を解決するための手段】
【0006】
実施形態のトレーニング装置は、商品の入力を受け付ける入力装置におけるユーザインタフェースを模した画像とともに表示した複数種類のオーダー用の動画または静止画像の連続表示に沿って前記ユーザインタフェースに対して入力させるトレーニング操作を、前記各種類について実行させることによって前記入力装置の操作についての習熟の度合をユーザが認識できる指標である習熟レベルを設定する習熟レベル設定手段と、所定のユーザについて、前記動画または前記静止画像の連続表示に沿った前記ユーザインタフェースの操作によるトレーニングを一定期間内に実施しているか否かを判定する実施判定手段と、前記実施判定手段が前記トレーニングを実施していないと判断した場合には、当該ユーザの前記習熟レベルを低下させるレベル低下手段と、を備える。
【0007】
また、実施形態のプログラムは、コンピュータを、商品の入力を受け付ける入力装置におけるユーザインタフェースを模した画像とともに表示した複数種類のオーダー用の動画または静止画像の連続表示に沿って前記ユーザインタフェースに対して入力させるトレーニング操作を、前記各種類について実行させることによって前記入力装置の操作についての習熟の度合をユーザが認識できる指標である習熟レベルを設定する習熟レベル設定手段と、所定のユーザについて、前記動画または前記静止画像の連続表示に沿った前記ユーザインタフェースの操作によるトレーニングを一定期間内に実施しているか否かを判定する実施判定手段と、前記実施判定手段が前記トレーニングを実施していないと判断した場合には、当該ユーザの前記習熟レベルを低下させるレベル低下手段と、として機能させる。
【0008】
また、実施形態のトレーニングシステムは、少なくとも1つのサーバ装置と端末装置とを含み、商品の入力を受け付ける入力装置におけるユーザインタフェースを模した画像とともに表示した複数種類のオーダー用の動画または静止画像の連続表示に沿って前記ユーザインタフェースに対して入力させるトレーニング操作を、前記各種類について実行させるトレーニングシステムであって、前記各種類について実行した前記トレーニング操作に応じて前記入力装置の操作についての習熟の度合をユーザが認識できる指標である習熟レベルを設定する習熟レベル設定手段と、所定のユーザについて、前記動画または前記静止画像の連続表示に沿った前記ユーザインタフェースの操作によるトレーニングを一定期間内に実施しているか否かを判定する実施判定手段と、前記実施判定手段が前記トレーニングを実施していないと判断した場合には、当該ユーザの前記習熟レベルを低下させるレベル低下手段と、を備え、かつ前記サーバ装置は、前記習熟レベル設定手段と、前記実施判定手段と、前記レベル低下手段との少なくとも一つを備え、前記端末装置は、前記習熟レベル設定手段と、前記実施判定手段と、前記レベル低下手段とのうちの前記サーバ装置に備えられないものを備える。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【図1】図1は、本実施形態に係る注文処理システムの構成を示すシステム構成図である。
【図2】図2は、情報端末のハードウェア構成を示すブロック図である。
【図3】図3は、トレーニングコースデータベースの一例を模式的に示す図である。
【図4】図4は、トレーニング状況データベースの一例を模式的に示す図である。
【図5】図5は、トレーニング処理の流れを示すフローチャートである。
【図6】図6は、コース選択画像を含んだ表示画面の一例を示す正面図である。
【図7】図7は、トレーニング画像を含んだ表示画面の一例を示す正面図である。
【図8】図8は、再表示されたコース選択画像を含んだ表示画面の一例を示す正面図である。
【図9】図9は、トレーニング監視処理における機能構成を示す機能ブロック図である。
【図10】図10は、トレーニング監視処理の流れを示すフローチャートである。
【図11】図11は、習熟レベルと時間の流れの関係を示す図である。
【図12】図12は、トレーニング監視処理の変形例の流れを示すフローチャートである。
【図13】図13は、クラウドシステムを利用するトレーニングシステムの構成を示すシステム構成図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、図面を参照して一実施形態について説明する。
【0011】
図1は、本実施形態に係る注文処理システム100の構成を示すシステム構成図である。この注文処理システム100は、飲食店や販売店などのような顧客の注文に応じて飲食サービスや商品販売サービスを提供する様々な施設で利用可能である。ただし以下においては、飲食店での利用に適応するものとして構成された注文処理システム100について説明することとする。
【0012】
注文処理システム100は、複数の情報端末1、複数のハンディ端末2、複数の伝票プリンタ3およびステーション4をLAN(Local Area Network)5にそれぞれ接続している。ただし、ハンディ端末2は、無線アクセスポイント6を介してLAN5に接続される。情報端末1、ハンディ端末2および伝票プリンタ3は、図1では2つずつを図示しているが、その数はそれぞれに任意である。情報端末1、ハンディ端末2および伝票プリンタ3は、1つのみが設けられても良い。
【0013】
情報端末1は、PC(Personal Computer)やPOS(Point of Sales)端末などであり、例えば接客フロアやチェックアウトカウンタに設置される。情報端末1は、顧客に対する案内業務、受注業務、給仕(配膳)業務、あるいは会計業務など各種の業務に関する処理を行う。そして、接客フロアに設置された情報端末1においては、案内業務、受注業務および給仕(配膳)業務に関する処理が主として利用される。また、チェックアウトカウンタに設置された情報端末1においては、さらに会計業務に関する処理が利用される。なお、情報端末1は、上記の業務の一部のみに関する処理を行うことにより、特定の用途に特化したものとしても良い。情報端末1のうちの少なくとも1つは、後述するトレーニング処理を実行する機能を備え、トレーニング装置として機能する。
【0014】
ハンディ端末2は、ソフトキーやハードキーなどの操作キーが複数配列されたユーザインタフェースを備え、このユーザインタフェースによりオーダー入力のためのユーザの操作を入力する入力装置として機能する。ハンディ端末2は、入力した操作に従ってオーダー情報を生成し、このオーダー情報を無線送信する。ハンディ端末2から無線送信されたオーダー情報は、無線アクセスポイント6およびLAN5を介してステーション4に伝送される。
【0015】
伝票プリンタ3は、例えば接客フロアやキッチンに設置される。接客フロアに設置された伝票プリンタ3は、受注情報に基づく注文伝票を顧客のために印刷する。すなわち、接客フロアに設置された伝票プリンタ3は、いわゆるカスタマープリンタとして利用される。またキッチンに設置された伝票プリンタ3は、受注情報に基づく調理指示伝票を調理人のために印刷する。すなわち、キッチンに設置された伝票プリンタ3は、いわゆるキッチンプリンタとして利用される。
【0016】
ステーション4は、例えばバックヤードに設置され、情報端末1から送信された各種の情報を集計処理し、飲食店の営業に拘わる管理業務に関する処理を行う。また、ステーション4は、複数の情報端末1で共通に利用される情報の管理処理も行う。
【0017】
概略的には、注文処理システム100においては、情報端末1やハンディ端末2でオーダー入力のための操作をユーザが行うと、その操作に応じて情報端末1やハンディ端末2で生成されたオーダー情報がLAN5を介してステーション4に伝送される。ステーション4は、到来したオーダー情報を、会計処理や集計処理などのために管理する。またステーション4は、LAN5を介して伝票プリンタ3へとオーダー情報を送信する。伝票プリンタ3は、到来したオーダー情報に応じた内容の調理指示伝票や注文伝票を印刷する。
【0018】
次に、情報端末1について詳述する。ここで、図2は情報端末1のハードウェア構成を示すブロック図である。図2に示すように、情報端末1は、液晶ディスプレイ(LCD)1a、表示コントローラ1b、スピーカ1c、サウンドコントローラ1d、タッチパネル1e、タッチパネルコントローラ1f、周辺機器インタフェース(周辺機器I/F)1g、通信インタフェース(通信I/F)1h、ROM(Read Only Memory)1i、RAM(Random Access Memory)1j、HDD(Hard Disk Drive)1kおよびCPU(Central Processing Unit)1mを含む。
【0019】
表示コントローラ1b、サウンドコントローラ1d、タッチパネルコントローラ1f、周辺機器インタフェース1g、通信インタフェース1h、ROM1i、RAM1j、HDD1kおよびCPU1mは、バスラインにそれぞれ接続されている。LCD1a、スピーカ1cおよびタッチパネル1eは、表示コントローラ1b、サウンドコントローラ1dおよびタッチパネルコントローラ1fにそれぞれ接続されている。
【0020】
表示コントローラ1bは、CPU1mの制御の下に転送されてくる画像データに応じた画像が表示されるようにLCD1aを駆動する。LCD1aは、表示コントローラ1bにより駆動されて画像を表示する。
【0021】
サウンドコントローラ1dは、CPU1mの制御の下に転送されてくる音声データに応じた音声が再生されるようにスピーカ1cを駆動する。スピーカ1cは、サウンドコントローラ1dにより駆動された音声を再生する。
【0022】
タッチパネル1eは、LCD1aの表示面に積層配置されている。タッチパネル1eは、LCD1aの表示画面へのユーザによるタッチがなされた際に、そのタッチ位置に応じた検出信号を出力する。タッチパネルコントローラ1fは、タッチパネル1eから出力された検出信号に基づいて上記のタッチ位置を表す座標情報を求め、この座標情報をCPU1mへ送る。このようなタッチパネル1eは、トレーニングの実行時には、トレーニングのためのユーザの操作を入力する入力デバイスの1つとして利用される。
【0023】
周辺機器インタフェース1gには、プリンタ7や客面表示装置8などの周辺機器が必要に応じて接続される。周辺機器インタフェース1gは、接続されている周辺機器と通信する。周辺機器インタフェース1gとしては、USB(Universal Serial Bus)の汎用規格に準拠したインタフェース回路などを利用できる。なお、プリンタ7は、受注伝票、領収伝票あるいは各種のジャーナルなどを印刷するために利用される。客面表示装置8は、会計結果や広告情報などを顧客に提示するための画像を表示するために利用される。プリンタ7および客面表示装置8の少なくとも一方は、情報端末1に内蔵されていても良い。
【0024】
通信インタフェース1hは、伝票プリンタ3およびステーション4とLAN5を介して通信する。通信インタフェース1hとしては、イーサネット(登録商標)などの汎用規格に準拠したインタフェース回路などを利用できる。
【0025】
ROM1iは、CPU1mの処理手順を記述したプログラムや、CPU1mが各種の処理を実行する上で必要なデータなどを記憶している。
【0026】
RAM1jは、CPU1mが各種の処理を実行する上で必要なデータを必要に応じて記憶する。例えばRAM1jには、LCD1aで表示する画像を表す画像情報を記憶する。またRAM1jは、CPU1mが各種の処理を行う際のワークエリアとしても利用される。
【0027】
HDD1kは、CPU1mの処理手順を記述したプログラムや、CPU1mが各種の処理を実行する上で必要なデータなどを記憶する。HDD1kは、注文処理システム100が設置されている飲食店で提供されるメニュー品目に関するデータベースを記憶する。
【0028】
CPU1mが各種の処理を実行する上で必要なデータとして、HDD1kは、詳細は後述するが、ハンディ端末2におけるユーザインタフェースを摸した入力インタフェース画像22(図6参照)のデータを記憶する。
【0029】
加えて、HDD1kは、トレーニングコースデータベース、トレーニング状況データベース、後述するトレーニング処理に際して再生する複数の動画ファイル、採点設定ファイルを記憶する。
【0030】
CPU1mは、ROM1iやHDD1kに記憶されたプログラムに従って、前述した各種の業務に関する各種の処理や、後述するトレーニング処理およびトレーニング監視処理を実行する。
【0031】
なお、情報端末1は、ROM1iやHDD1kにプログラムが記憶された状態にて販売や譲渡がなされても良いし、記憶媒体に記憶された状態や通信回線を介した通信により販売または譲渡されたプログラムが任意に情報端末1にインストールされても良い。なお、上記の記憶媒体としては、磁気ディスク、光磁気ディスク、光ディスク、あるいは半導体メモリなどのあらゆる種類のものを利用できる。
【0032】
次に、HDD1kに記憶されるトレーニングコースデータベースについて説明する。ここで、図3はトレーニングコースデータベースの一例を模式的に示す図である。
【0033】
図3に示すように、トレーニングコースデータベースは、複数のトレーニングコースのそれぞれに対応する内容を記述したデータレコードを含む。各データレコードには、タイトル、所要時間、クラス、動画ファイル名および規定注文品目に関する情報フィールドが含まれる。タイトルに関する情報フィールドに記述される情報は、トレーニングコースを識別するためのタイトルを表す。所要時間に関する情報フィールドに記述される情報は、各トレーニングの所要時間を表す。クラスに関する情報フィールドに記述される情報は、難易度などを表す情報を表す。動画ファイル名に関する情報フィールドに記述される情報は、使用するべき動画ファイルの識別名を表す。規定注文品目に関する情報フィールドに記述される情報は、注文品目として入力されるべき品目を表す。
【0034】
次に、HDD1kに記憶されるトレーニング状況データベースについて説明する。ここで、図4はトレーニング状況データベースの一例を模式的に示す図である。
【0035】
図4に示すようにトレーニング状況データベースは、複数のユーザ(ここでは店員)のそれぞれに対応するトレーニング状況を記述したデータレコードを含む。各データレコードは、ユーザ名、トレーニングコース毎の済みフラグ、習熟レベル、最新トレーニング種別、トレーニング日、猶予期間に関する情報フィールドを含む。ユーザ名に関する情報フィールドに記述される情報は、ユーザを識別するための名称を表す。済みフラグは、トレーニングコース毎のトレーニングの終了状況を0(未終了)および1(終了)のいずれかで表す。習熟レベルに関する情報フィールドに記述される情報は、ハンディ端末2の操作についての習熟度合いを表す習熟レベルを表す。最新トレーニング種別に関する情報フィールドに記述される情報は、ユーザが最も直近に終了したトレーニングを表す。トレーニング日に関する情報フィールドに記述される情報は、ユーザが最も直近に終了したトレーニングを実施した最新の日を表す。猶予期間に関する情報フィールドに記述される情報は、詳細は後述するが、一定期間内にトレーニングを実施していないユーザに対して設定する猶予期間(例えば、1週間程度)を表す。
【0036】
次に、情報端末1のCPU1mがROM1iやHDD1kに記憶されたプログラムに従って実行する各種の処理のうち、情報端末1の特徴的な機能を実現するトレーニング処理およびトレーニング監視処理を中心に、注文処理システム100の動作について説明する。
【0037】
一般的に、飲食店のオーダー業務で使われるようなハンディ端末2の操作に関する習熟は、実際の業務の中で図られるか、あるいは別の店員が顧客を演ずるなどして形成された模擬的な業務の中で図られていた。一方で、実際の業務中や別の店員が顧客を演ずるなど以外の方法で、ハンディ端末2の操作に関する操作の習熟を簡易に図るとともに、操作の習熟度を継続的に維持することが望まれていた。そこで、情報端末1は、オーダー用の動画とハンディ端末2の操作画面を表示し、動画に沿ってハンディ端末2の操作画面を操作し、動画に従った操作を行っているか否かを判断し、判断の結果を表示するようにしたものである。
【0038】
さて、ハンディ端末2での操作をトレーニングしたい場合にユーザは、情報端末1が備えるトレーニング機能を利用できる。このトレーニング機能の起動がユーザにより要求された情報端末1では、CPU1mが図5に示すようなトレーニング処理を実行する。
【0039】
情報端末1のCPU1mは、ユーザを認証すると(ステップSa1)、コース選択画像を生成し、このコース選択画像を表示するように表示コントローラ1bに対して指示する(ステップSa2)。この指示に応じて表示コントローラ1bは、該当するコース選択画像を表示するようにLCD1aを駆動する。
【0040】
ここで、図6はコース選択画像20を含んだ表示画面の一例を示す正面図である。図6に示すように、コース選択画像20は、コース一覧画像21、入力インタフェース画像22および案内画像23を含む。
【0041】
コース一覧画像21は、トレーニングコースデータベースに登録されているトレーニングコースの一覧を示す。図6の例においてコース一覧画像21は、各トレーニングコースの動画サムネイル21a,21b,21c,21d,21e,21f,21g,21h,21iを含む。コース一覧画像21は、動画サムネイル21a〜21iのそれぞれの下方に、各トレーニングコースのタイトルおよび所要時間を表すテキストを含む。そしてコース一覧画像21は、各動画サムネイル21a〜21iを、各トレーニングコースのクラス毎に区分けして示す。
【0042】
さらに、コース一覧画像21には、ステップSa1で認証したユーザに関してトレーニング状況データベースに記述された済みフラグが「1」となっているトレーニングコースの動画サムネイルに重ねた状態で、トレーニングが終了していることを表す済みマーク21jを含む。図4に示すトレーニング状況データベースでは、「店員A」なるユーザに関して済みフラグが「1」となっているのが「1人客」「テイクアウト」「ファミリー」および「身だしなみ」の各トレーニングコースである。図6においてはこれに従って、「1人客」「テイクアウト」「ファミリー」および「身だしなみ」の各トレーニングコースに関する動画サムネイル21a,21b,21c,21hにそれぞれ重ねた状態の済みマーク21jを含む。
【0043】
入力インタフェース画像22は、ハンディ端末2におけるユーザインタフェースの外観を摸した画像である。案内画像23は、ユーザの習熟レベルを表す文字列23aおよびマーク23bを含む。
【0044】
図5のフローチャートに戻り、情報端末1のCPU1mは、ユーザ操作に応じてトレーニングコースの1つを選択する(ステップSa3)。具体的には、コース一覧画像21に含まれた動画サムネイルのうちの1つをタッチする操作をユーザが行ったことに応じて、CPU1mはそのタッチされた動画サムネイルに関するトレーニングコースを選択する。例えば図6中の動画サムネイル21dの表示領域をタッチする操作がユーザにより行われたならば、CPU1mはタイトルが「2人客」であるトレーニングコースを選択する。
【0045】
続いて、情報端末1のCPU1mは、選択したトレーニングコースに対応する動画像の表示を開始する(ステップSa4)。例えばタイトルが「2人客」であるトレーニングコースを選択しているならば、CPU1mはトレーニングコースデータベースに従って動画ファイル名として「Futari.mpg」を取得し、このファイル名でHDD1kに記憶されている動画ファイルに基づく動画像を含んだトレーニング画像を生成し、このトレーニング画像を表示するように表示コントローラ1bに対して指示する。この指示に応じて表示コントローラ1bは、該当するトレーニング画像を表示するようにLCD1aを駆動する。なおCPU1mは、動画像ファイルに含まれた音声データに応じた音声を再生するようにサウンドコントローラ1dに対して指示する。この指示に応じてサウンドコントローラ1dは、該当する音声を再生するようにスピーカ1cを駆動する。
【0046】
ここで、図7はトレーニング画像30を含んだ表示画面の一例を示す正面図である。図7に示すように、トレーニング画像30は、コース選択画像20に、コース一覧画像21に重なる状態でプレーヤ画像31を含む。プレーヤ画像31は、動画像31aを含む。なお、CPU1mは、動画像ファイルが表す多数の画像フレームを一定の時間間隔で1つずつ順次に表示対象として選択し、動画像31aをその表示対象とした画像フレームに自動的に変更して行く。動画像ファイルが表す動画像および音声は、ハンディ端末2においてメニュー品目の入力のための操作をユーザが行うべき契機となる経時的な複数の事象を表したものである。当該動画像および音声は具体的には、顧客が注文する様子を撮影したものや、同様な様子を表したアニメーションなどである。
【0047】
ユーザは、LCD1aで表示される動画像およびスピーカ1cで再生される音声に応じて、入力インタフェース画像22上に配置されたメニュー品目のボタンをタッチすることによって注文されたメニュー品目を入力するための品目入力操作を行う。品目入力操作は、既に入力したメニュー品目をキャンセルする操作も含む。そしてユーザは、注文されたメニュー品目の全ての入力を完了したと考えるときに、入力インタフェース画像22中に配置された送信ボタン22aをタッチするなどの終了操作を行う。
【0048】
そこでステップSa5およびステップSa6においてCPU1mは、品目入力操作または終了操作がなされるのを待ち受ける。そして品目入力操作が行われたならば、CPU1mはステップSa5からステップSa7へ進む。なお、動画像の再生が終了した時点またはそれから一定時間が経過した時点として予め定めた終了タイミングまでに終了操作がなされなかった場合にも、CPU1mはステップSa5からステップSa7へ進むようにしても良い。
【0049】
ステップSa7においてCPU1mは、品目入力操作に応じて注文品目リストを更新する。すなわちCPU1mは、メニュー品目の追加を指定する品目入力操作が行われたならば、該当するメニュー品目を追加するように注文品目リストを更新する。またCPU1mは、メニュー品目のキャンセルを指定する品目入力操作が行われたならば、該当するメニュー品目を除外するように注文品目リストを更新する。
【0050】
ステップSa8においてCPU1mは、操作履歴情報を更新する。なおCPU1mは、今回のトレーニング処理の中で初めてステップSa8に進んだ場合には、操作履歴情報を新たに生成する。操作履歴情報は、ユーザが行った操作のそれぞれに関する操作情報を含んだ情報である。操作情報は、操作の内容と、操作が行われたタイミングとを少なくとも示す。つまり操作情報は例えば、入力インタフェース画像22中のどのボタンが、トレーニング中のどのタイミングで押されたのかを表す。CPU1mは、操作履歴情報をRAM1jまたはHDD1kに記憶させる。そしてこののちにCPU1mは、ステップSa5およびステップSa6の待ち受け状態に戻る。
【0051】
ステップSa5およびステップSa6の待ち受け状態にあるときに終了操作がなされたならばCPU1mは、ステップSa6からステップSa9へ進む。
【0052】
ステップSa9においてCPU1mは、注文品目リストに含まれているメニュー品目の全てが、現在選択しているトレーニングコースに関してトレーニングコースデータベースに記述された規定注文品目に含まれているメニュー品目と一致するか否かを確認する。そして全てのメニュー品目が一致したならば、CPU1mはステップSa9からステップSa10へ進む。
【0053】
ステップSa10においてCPU1mは、現在選択しているトレーニングコースおよびステップSa1で認証したユーザに関してトレーニング状況データベースに含まれた済みフラグを「1」にする。
【0054】
ステップSa11においてCPU1mは、ステップSa1で認証したユーザに関するトレーニングの進捗度を算出する。進捗度は、予め定められた任意のルールに基づいて算出されれば良い。例えば、進捗度は、済みフラグが「1」となっているトレーニングコースの数として求めることができる。この場合、トレーニング状況データベースが図4に示す状態であるならば、ユーザ「店員A」についての進捗度は「4」となる。あるいは、トレーニングコースの難易度に応じた係数を済みフラグに乗じて求まる値の総和として進捗度を求めることができる。すなわち、例えば各トレーニングコースのクラスに応じて、「初級」「中級」「上級」「マナー」に関する係数をそれぞれ「1」「2」「3」「1」とするならば、トレーニング状況データベースが図4に示す状態であるならば、「店員A」なるユーザについての進捗度は「5」となる。
【0055】
ステップSa12においてCPU1mは、進捗度に応じて習熟レベルを判定し、それをトレーニング状況データベースに反映する。具体的には、進捗度と習熟レベルとの対応関係を予め定めておく。なお習熟レベルとは、「アルバイト初級」や「アルバイト中級」などのように習熟の度合いをユーザが認識できるような指標である。そしてCPU1mは例えば、進捗度が上昇しても習熟レベルが変化しないならば、トレーニング状況データベースには何ら変更を加えない。しかしながらCPU1mは例えば、進捗度が上昇したことによって新たな習熟レベルに到達したならば、トレーニング状況データベースの習熟レベルに関する情報フィールドの記述を変更する。より具体的には、ユーザ「店員A」がトレーニングコース「2人客」を正しく完了したことによって当該ユーザの習熟レベルが「アルバイト中級」であるとCPU1mが判定したとする。この場合にCPU1mは、ユーザ名の情報フィールドに「店員A」と記述されたデータレコードにおける習熟レベルに関する情報フィールドの記述を、例えば図4に示す「アルバイト初級」から「アルバイト中級」に変更するようにトレーニング状況データベースを更新する。
【0056】
こののちにCPU1mは、ステップSa2に戻り、コース選択画像を再表示する。このときにCPU1mは、最新のトレーニング状況データベースに記述された情報に基づいてコース選択画像を生成する。このため、例えば上記具体例のようにトレーニング状況データベースが更新されているならば、再表示されるコース選択画像は図8に示すような画像である。図8に示すコース選択画像40は、コース一覧画像41が、動画サムネイル21dに重ねた状態の済みマーク21jを含む点でコース一覧画像21とは異なる。またコース選択画像40は、案内画像42が、変化後の習熟レベルを表す文字列42aおよびマーク42bを含む点で案内画像23と異なる。
【0057】
ところで、ステップSa9においてメニュー品目の不一致が見つかったならば、CPU1mはステップSa9からステップSa2へ戻る。この場合には、トレーニング状況データベースが更新されないため、例えば図6に示すコース選択画像20が再表示される。
【0058】
以上のように、飲食店等のオーダー業務で使われるハンディ端末2の操作方法などを学習するための方法として、オーダー用の動画とハンディ端末2におけるユーザインタフェースを摸した入力インタフェース画像22(操作画面)を情報端末1に表示し、動画に沿ってハンディ端末2の操作画面を操作し、動画に従った操作を行っているか否かを判断し、判断の結果を表示することで、ユーザは、他人に手間を掛けること無しに、ハンディ端末2の操作をトレーニングすることができる。
【0059】
そして情報端末1は、ユーザ操作と予め定められた操作とが合致する度合いを表す得点を求めて、これを表示することでユーザに対して報知する。従って、この報知に基づき、ユーザは自分が行った操作の正確性を認識できる。
【0060】
また情報端末1は、ユーザによる操作が正しく行われたか否かを自動的に判定し、その判定結果を済みマーク21jの有無によってユーザに対して提示する。このため、ユーザは正しい操作が行えたのか否かを認識することができる。
【0061】
また情報端末1は、習熟レベルをユーザに対して提示する。このため、ユーザはハンディ端末2の操作についての自己の習熟度合いを容易かつ的確に把握できる。
【0062】
このようなトレーニング方法によれば、トレーニング成績や実施項目数などに応じて新たに実施可能なトレーニングの数を増やすなどの仕組みを用いることで、トレーニング実施者の技能や経験に応じて段階的なトレーニングが可能となる。
【0063】
ところで、上述したようなトレーニングを継続的に実施するのは難しく、徐々にトレーニングを行わなくなってしまう場合が多い。継続的に実施するには、トレーニング実施者が自発的に取り組む意識やトレーニングを実施するように促す指導が必要となる。
【0064】
そこで、情報端末1は、トレーニング実施者に情報端末1を用いたトレーニングの実施を継続的に行わせるために、自動的にトレーニングを実施するように促す仕組みを提供する。
【0065】
具体的には、情報端末1は、技術向上の意思が見られないトレーニング実施者(例えば、一定期間トレーニングを行わないトレーニング実施者)について、トレーニング経験や成績に応じて設定される習熟レベルを下げるように設定するトレーニング監視処理を実行する。
【0066】
ここで、図9はトレーニング監視処理における機能構成を示す機能ブロック図、図10はトレーニング監視処理の流れを示すフローチャートである。情報端末1のCPU1mで実行されるプログラムは、図9に示すような各部(習熟レベル設定手段60、実施判定手段70、レベル低下手段80、猶予期間設定手段90)を含むモジュール構成となっており、実際のハードウェアとしてはCPU1mがROM1iまたはHDD1kからプログラムを読み出して実行することにより上記各部がRAM1j上にロードされ、習熟レベル設定手段60、実施判定手段70、レベル低下手段80、猶予期間設定手段90がRAM1j上に生成されるようになっている。
【0067】
なお、習熟レベル設定手段60は、図5に示したトレーニング処理で述べたように、ハンディ端末2におけるユーザインタフェースを模した画像とともに表示したオーダー用の動画に沿ってユーザインタフェースを操作させるトレーニングによってハンディ端末2の操作についての習熟の度合をユーザが認識できる指標である習熟レベルを設定する。
【0068】
図10に示すように、実施判定手段70は、所定のトレーニング実施者について、トレーニング状況データベース(図4参照)に記憶されているトレーニング実施者のトレーニング結果を参照して(ステップS1)、猶予期間が設定されていなければ(ステップS2のNo)、一定期間内にトレーニングを実施しているか否かを判断する(ステップS3)。一定期間内にトレーニングを実施していると判断した場合には(ステップS3のYes)、そのまま処理を終了する。
【0069】
一方、実施判定手段70が一定期間内にトレーニングを実施していないと判断した場合には(ステップS3のNo)、猶予期間設定手段90は、トレーニング実施者に対して猶予期間をトレーニング状況データベース(図4参照)に設定するとともに、設定した猶予期間を通知する(ステップS4)。この通知内容としては、「残りX日以内にトレーニングを実施しない場合には、習熟レベルが低下する」等の内容である。このような通知は、トレーニング実施者本人や他者(指導者)などに対してメール等によって行われる。
【0070】
また、実施判定手段70は、猶予期間が設定されている場合には(ステップS2のYes)、その猶予期間内にトレーニングを実施したか否かを判断する(ステップS5)。実施判定手段70は、猶予期間内にトレーニングを実施していると判断した場合には(ステップS5のYes)、そのまま処理を終了する。
【0071】
一方、実施判定手段70が猶予期間内にトレーニングを実施していないと判断した場合には(ステップS5のNo)、レベル低下手段80は、トレーニング状況データベース(図4参照)に記憶されている当該トレーニング実施者の習熟レベルを低下させるとともに、その旨をトレーニング実施者本人や他者(指導者)などに対してメール等によって通知する(ステップS6)。
【0072】
このように一定期間内にトレーニングを実施しておらず、かつ、通知した猶予期間内においてもトレーニングを実施せずに、習熟レベルが低下した場合には、トレーニング実施者は、再度同じトレーニングを実施する必要が生じる。一方、一定期間内にトレーニングを実施していない場合であっても、猶予期間以内にトレーニングを実施した場合には習熟レベルの低下処理は行われない。
【0073】
ここで、図11は習熟レベルと時間の流れの関係の一例を示す図である。図11に示す図では、トレーニング実施者がトレーニングを実施することで習熟レベルが上昇し、一定期間トレーニング非実施の場合であってそのまま猶予期間を経過した場合には習熟レベルが低下することを示している。
【0074】
なお、上述したような一定期間トレーニングを実施しない場合に習熟レベルが低下するという発想は、継続的なトレーニング実施を促すことを想定して考案したものである。しかしながら、図10に示すトレーニング監視処理によれば、何かしらトレーニングを実施さえすれば習熟レベルは低下しないため、トレーニング実施者は定期的に簡単で初歩的なトレーニングを実施するといったことも想定される。その場合には、トレーニング実施者の技能向上には結びつかない。
【0075】
そこで、トレーニング監視処理の変形例として、トレーニングの非実施期間に加えて現在の習熟レベルに見合ったトレーニングを実施しているか否かを判別し、実施していない場合には習熟レベルの低下の通知を行うといった手法も考えられる。このようなトレーニング監視処理の変形例の流れを図12に示す。
【0076】
ここで、図12はトレーニング監視処理の流れを示すフローチャートである。図12に示すように、実施判定手段70は、所定のトレーニング実施者について、トレーニング状況データベース(図4参照)に記憶されているトレーニング実施者の習熟レベルとトレーニング履歴を参照して(ステップS11)、猶予期間が設定されていなければ(ステップS2のNo)、一定期間内に習熟レベルに見合ったトレーニングを実施しているか否かを判断する(ステップS13)。
【0077】
実施判定手段70は、一定期間内に習熟レベルに見合ったトレーニングを実施していると判断した場合には(ステップS13のYes)、そのまま処理を終了する。
【0078】
一方、実施判定手段70が一定期間内に習熟レベルに見合ったトレーニングを実施していないと判断した場合には(ステップS13のNo)、猶予期間設定手段90は、トレーニング実施者に対して猶予期間をトレーニング状況データベース(図4参照)に設定するとともに、設定した猶予期間と実施すべきトレーニング種類を通知する(ステップS14)。この通知内容としては、「残りX日以内にレベルに見合ったトレーニングを実施しない場合には、習熟レベルが低下する」等の内容である。このような通知は、トレーニング実施者本人や他者(指導者)などに対してメール等によって行われる。
【0079】
また、実施判定手段70は、猶予期間が設定されている場合には(ステップS12のYes)、その猶予期間内に習熟レベルに見合ったトレーニングを実施したか否かを判断する(ステップS15)。
【0080】
実施判定手段70は、猶予期間内に習熟レベルに見合ったトレーニングを実施していると判断した場合には(ステップS15のYes)、そのまま処理を終了する。
【0081】
一方、実施判定手段70が猶予期間内に習熟レベルに見合ったトレーニングを実施していないと判断した場合には(ステップS15のNo)、レベル低下手段80は、トレーニング状況データベース(図4参照)に記憶されている当該トレーニング実施者の習熟レベルを低下させるとともに、その旨をトレーニング実施者本人や他者(指導者)などに対してメール等によって通知する(ステップS16)。
【0082】
ここで、習熟レベルに見合うトレーニングの実施の定義に関しては様々に考えられるが、例として以下のような種類が考えられる。
・習熟レベルに応じて段階的に可能となるトレーニングにおいて、実施可能となった最新のトレーニングを実施していない。
・習熟レベルに応じて段階的に可能となるトレーニングにおいて、実施可能となった最新のトレーニングにおいて、規定の成績を残していない(一定点数以上を取得していない)。
【0083】
このように本実施形態の注文処理システムによれば、習熟レベルが下がることで、再度同様のトレーニングの実施の必要性が生じることや、指導者にトレーニング怠慢の通知が行われるなどのペナルティが生じる。よって、トレーニング実施者は定期的にトレーニングを行う動機が生じ、能動的に技術向上を目指すようになる。
【0084】
なお、この実施形態は、次のような種々の変形実施が可能である。
【0085】
注文品目リストに含まれたメニュー品目と規定注文品目との比較により、入力漏れのメニュー品目や誤入力されたメニュー品目を判別し、それをユーザに対して提示する画像を表示しても良い。
【0086】
入力インタフェース画像22に代えて、情報端末1がPOS端末として機能する際にLCD1aにて表示する入力インタフェース画像を用いても良い。そして、その入力インタフェース画像上での操作を入力することとすれば、当該POS端末の操作のトレーニングをユーザに行わせることが可能である。
【0087】
動画像に代えて、複数の静止画像をスライドショー形式で連続表示しても良い。すなわち、複数の静止画像を順次に、かつ一定の時間間隔で自動的に表示対象として選択し、その表示対象とされた静止画像をLCD1aに表示させても良い。
【0088】
上記のトレーニング機能を備える情報端末1は、案内業務、受注業務、給仕(配膳)業務、あるいは会計業務など各種の業務の全てに関する処理を行うものである必要はないし、それらの処理とは異なる処理を行うものであっても良い。
【0089】
トレーニングの対象とするユーザ操作は、注文入力のための操作には限らない。なお、トレーニングの対象とするユーザ操作が異なれば、その操作の契機となる事象も当然異なる。そこで、トレーニングの対象とするユーザ操作に応じた契機事象を表した動画像または静止画像を表示するようにする。また、ユーザインタフェース画像も、トレーニングの対象とするユーザ操作に応じたものとする。
【0090】
トレーニング結果は、入力された操作と規定操作とが完全一致したか否かにより判定するものには限らない。例えば、入力操作と規定操作とが一致する割合としてトレーニング結果を判定することができる。また例えば、入力操作が行われる順番やタイミングなどのような別の情報も加味してトレーニング結果を判定しても良い。
【0091】
端末装置とサーバ装置とを含んだトレーニングシステムにより上記のような動作を実現することもできる。この場合、1つのサーバ装置が1つまたは複数の端末装置におけるユーザのトレーニングを実現するための処理を行っても良いし、複数のサーバ装置が1つまたは複数の端末装置におけるユーザのトレーニングを実現するための処理を分担して行っても良い。
【0092】
このようなトレーニングシステムの実現には、クラウドコンピューティングを利用できる。より具体的には、Software as a Service(SaaS)と称されるソフトウェア提供形態が適する。
【0093】
図13はクラウドシステムを利用するトレーニングシステム200の構成を示す図である。
【0094】
このトレーニングシステム200は、クラウド21、複数の注文処理システム100および複数の通信ネットワーク23を含む。なお、注文処理システム100および通信ネットワーク23は、それぞれ1つのみでも良い。
【0095】
クラウド21はさらに、複数のサーバ装置21aを含む。これら複数のサーバ装置21aは互いに通信可能に構成される。ただしサーバ装置21aは、1つのみであっても良い。
【0096】
注文処理システム100の情報端末1は、通信ネットワーク23を介してクラウド21と通信可能である。情報端末1としては、デスクトップタイプやノートブックタイプなどの種々のPC(Personal Computer)やPOS(Point of Sales)端末のほか、携帯電話装置、携帯情報端末(PDA)、あるいはスマートフォンなどを適宜に利用できる。通信ネットワーク23としては、インターネット、プライベートネットワーク、次世代ネットワーク(NGN)、あるいはモバイルネットワークなどを適宜に利用できる。
【0097】
そしてトレーニングシステム200は、図5に示す各処理のうちのステップSa1についてはクラウド21にて実行するが、ステップSa2〜Sa12、図10に示すステップS1〜S6および図12に示すステップS11〜S16についてはクラウド21および注文処理システム100の情報端末1のいずれにおいて実行しても良い。ただし、ステップSa1においてユーザを認証するために使用する認証情報の入力などは注文処理システム100の情報端末1にて実行されても良い。
【0098】
ステップSa1〜Sa12、ステップS1〜S6およびステップS11〜S16のうちの複数の処理をクラウド21にて実行する場合、それらの処理を単一のサーバ装置21aにおいて実行しても良いし、複数のサーバ装置21aにおいて分散処理しても良い。
【0099】
ステップSa2〜Sa12、ステップS1〜S6およびステップS11〜S16のうちの少なくとも1つの処理を注文処理システム100の情報端末1にて実行する場合、その処理を情報端末1が有するコンピュータに実行させるためのプログラムを予め情報端末1が有する記憶ユニットに記憶させておいても良いし、上記のプログラムをクラウド21が有する記憶ユニットに記憶しておき、必要に応じてクラウド21から情報端末1へと与えるようにしても良い。上記のプログラムをクラウド21から情報端末1へと与える場合には、サーバ装置21aのうちの少なくとも1つに、上記のプログラムを情報端末1へと送信する機能を備える。
【0100】
本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
【符号の説明】
【0101】
1 情報端末
1a 液晶ディスプレイ(LCD)
1b 表示コントローラ
1c スピーカ
1d サウンドコントローラ
1e タッチパネル
1f タッチパネルコントローラ
1g 周辺機器インタフェース
1h 通信インタフェース
1i ROM
1j RAM
1k HDD
1m CPU
2 ハンディ端末
3 伝票プリンタ
4 ステーション
5 LAN
6 無線アクセスポイント
7 プリンタ
8 客面表示装置
21 クラウド
21a サーバ装置
22 入力インタフェース画像
23 通信ネットワーク
60 習熟レベル設定手段
70 実施判定手段
80 レベル低下手段
90 猶予期間設定手段
100 注文処理システム
200 トレーニングシステム
【先行技術文献】
【特許文献】
【0102】
【特許文献1】特開2009−199188号公報

【特許請求の範囲】
【請求項1】
商品の入力を受け付ける入力装置におけるユーザインタフェースを模した画像とともに表示した複数種類のオーダー用の動画または静止画像の連続表示に沿って前記ユーザインタフェースに対して入力させるトレーニング操作を、前記各種類について実行させることによって前記入力装置の操作についての習熟の度合をユーザが認識できる指標である習熟レベルを設定する習熟レベル設定手段と、
所定のユーザについて、前記動画または前記静止画像の連続表示に沿った前記ユーザインタフェースの操作によるトレーニングを一定期間内に実施しているか否かを判定する実施判定手段と、
前記実施判定手段が前記トレーニングを実施していないと判断した場合には、当該ユーザの前記習熟レベルを低下させるレベル低下手段と、
を備えるトレーニング装置。
【請求項2】
前記トレーニングを一定期間内に実施していないと判断した場合に、前記トレーニングの実施を猶予する猶予期間を設定する猶予期間設定手段を更に備え、
前記実施判定手段は、前記トレーニングを一定期間内に実施しているか否かの判定に加え、前記猶予期間設定手段が猶予期間を設定している場合には当該猶予期間内に実施しているか否かの判定を行う、
請求項1記載のトレーニング装置。
【請求項3】
前記レベル低下手段は、前記トレーニングの非実施期間に加えて、前記習熟レベルに見合ったトレーニングを実施していないと判断した場合には、当該ユーザの前記習熟レベルを低下させる、
請求項1または2記載のトレーニング装置。
【請求項4】
前記レベル低下手段は、前記習熟レベルを低下させる際に、その旨を報知する、
請求項1ないし3のいずれか一記載のトレーニング装置。
【請求項5】
前記猶予期間設定手段は、前記猶予期間の設定の際に、その旨を報知する、
請求項2記載のトレーニング装置。
【請求項6】
コンピュータを、
商品の入力を受け付ける入力装置におけるユーザインタフェースを模した画像とともに表示した複数種類のオーダー用の動画または静止画像の連続表示に沿って前記ユーザインタフェースに対して入力させるトレーニング操作を、前記各種類について実行させることによって前記入力装置の操作についての習熟の度合をユーザが認識できる指標である習熟レベルを設定する習熟レベル設定手段と、
所定のユーザについて、前記動画または前記静止画像の連続表示に沿った前記ユーザインタフェースの操作によるトレーニングを一定期間内に実施しているか否かを判定する実施判定手段と、
前記実施判定手段が前記トレーニングを実施していないと判断した場合には、当該ユーザの前記習熟レベルを低下させるレベル低下手段と、
として機能させるプログラム。
【請求項7】
少なくとも1つのサーバ装置と端末装置とを含み、商品の入力を受け付ける入力装置におけるユーザインタフェースを模した画像とともに表示した複数種類のオーダー用の動画または静止画像の連続表示に沿って前記ユーザインタフェースに対して入力させるトレーニング操作を、前記各種類について実行させるトレーニングシステムであって、
前記各種類について実行した前記トレーニング操作に応じて前記入力装置の操作についての習熟の度合をユーザが認識できる指標である習熟レベルを設定する習熟レベル設定手段と、
所定のユーザについて、前記動画または前記静止画像の連続表示に沿った前記ユーザインタフェースの操作によるトレーニングを一定期間内に実施しているか否かを判定する実施判定手段と、
前記実施判定手段が前記トレーニングを実施していないと判断した場合には、当該ユーザの前記習熟レベルを低下させるレベル低下手段と、
を備え、
かつ前記サーバ装置は、前記習熟レベル設定手段と、前記実施判定手段と、前記レベル低下手段との少なくとも一つを備え、
前記端末装置は、前記習熟レベル設定手段と、前記実施判定手段と、前記レベル低下手段とのうちの前記サーバ装置に備えられないものを備える、
トレーニングシステム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【公開番号】特開2012−178057(P2012−178057A)
【公開日】平成24年9月13日(2012.9.13)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−40855(P2011−40855)
【出願日】平成23年2月25日(2011.2.25)
【出願人】(000003562)東芝テック株式会社 (5,631)
【Fターム(参考)】