説明

トレーリングアーム式サスペンション

【課題】路面からの振動や衝撃を吸収する際のトレーリングアームの揺動によってパワーラインに過大負荷が発生するのを防止することのできるトレーリングアーム式サスペンションを提供する。
【解決手段】遊星歯車減速機構13のサンギヤ14がアクスルシャフト9に接続され、遊星歯車減速機構13のキャリア16がハブ11に接続され、遊星歯車減速機構13のリングギヤ17がアクスルハウジング8に接続されてなるトレーリングアーム式サスペンション1において、トレーリングアーム4に対しアクスルハウジング8をベアリング7を介して回転自在に装着するとともに、車体2とアクスルハウジング8との間に、トレーリングアーム4の揺動に伴うトレーリングアーム4とアクスルハウジング8との相対回転を許容しつつアクスルハウジング8それ自体の回転を規制するようにラジアスロッド19を設ける。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、車両の懸架装置に関し、特にハブリダクションを具備するトレーリングアーム式サスペンションに関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、ハブリダクションを具備するトレーリングアーム式サスペンションとして、図5に示されるようなものがある。この図5に示されるトレーリングアーム式サスペンション51は、車体52の側方において前後方向に延び、一端部がベアリング53を介して車体52に支持されて上下方向に揺動自在なトレーリングアーム54を備えている。
【0003】
前記トレーリングアーム54の一端部と車体52とはトーションバー55によって連結され、トレーリングアーム54の揺動中心点O(図6(a)(b)参照)回りにトーションバー55による回転付勢力が作用するようになっている。また、前記トレーリングアーム54の一端部と車体52とはショックアブソーバ56によって連結され、トレーリングアーム54の揺動運動を減衰させることができるようになっている。
【0004】
前記トレーリングアーム54の他端部にはアクスルハウジング58が固着されている。このアクスルハウジング58には、駆動トルクが入力されるアクスルシャフト59が回転自在に挿入されるとともに、ベアリング60を介してハブ61が回転自在に装着されている。このハブ61には、車輪62が取着されるとともに、遊星歯車減速機構63が内挿されている。この遊星歯車減速機構63は、サンギヤ64、プラネタリギヤ65を軸支するキャリア66およびリングギヤ67の三要素よりなり、サンギヤ64が前記アクスルシャフト59に、キャリア66が前記ハブ61にそれぞれ接続されるとともに、リングギヤ67が前記アクスルハウジング58に接続されている。
【0005】
このトレーリングアーム式サスペンション51においては、エンジン(図示省略)からの駆動トルクが動力伝達装置(図示省略)およびドライブシャフト70を介してアクスルシャフト59に入力され、このアクスルシャフト59に入力された駆動トルクがサンギヤ64からプラネタリギヤ65を介してキャリア66に出力され、これにより車輪62が回転駆動されるようになっている。なお、この際、リングギヤ67の反力は、トレーリングアーム54の他端部に固着されているアクスルハウジング58によって確保される。一方、路面Gからの振動や衝撃は、トレーリングアーム54の揺動中心点O回りに回転付勢力を付与するトーションバー55と、トレーリングアーム54の揺動運動を減衰させるショックアブソーバ56によって緩和される。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
前記従来のトレーリングアーム式サスペンション51において、路面Gからの振動や衝撃を吸収する際には、図6(a)(b)に示されるように、トレーリングアーム54が上下方向に揺動される。ここで、図6(a)において、アクスルハウジング58の中心点Oを通る鉛直線Yとアクスルハウジング58との交点のうちの下側の交点Pをアクスルハウジング58の基準位置を示す基準点と定めることとする。
【0007】
前記トレーリングアーム54が図6(a)に示される基準状態から揺動中心点O回りにθだけ上方に揺動されて図6(b)に示される揺動状態に変化した場合、アクスルハウジング58の基準点Pは、鉛直線Yに対して中心点Oを基準に左回りにθだけ回転された位置に配されることになる。その後、トレーリングアーム54が揺動中心点O回りにθだけ下方に揺動されると、アクスルハウジング58の基準点Pは図6(a)に示される元の位置に帰着される。すなわち、トレーリングアーム54が揺動角θにて上下方向に揺動されると、アクスルハウジング58が中心点O回りに揺動角θにて揺動される。このため、アクスルハウジング58には、トレーリングアーム54の揺動に伴う回転トルクが作用することになる。この回転トルクは、アクスルハウジング58に接続されるリングギヤ67からプラネタリギヤ65およびサンギヤ64を介してアクスルシャフト59に入力される。したがって、この従来のトレーリングアーム式サスペンション51では、トレーリングアーム54の揺動に伴ってアクスルシャフト59に入力される回転トルクと、ドライブシャフト70からアクスルシャフト59に入力される駆動トルクとが干渉し、図示されない動力伝達装置からドライブシャフト70を経てアクスルシャフト59に至るパワーラインに過大負荷が発生するという問題点がある。
【0008】
本発明は、このような問題点を解消するためになされたもので、路面からの振動や衝撃を吸収する際のトレーリングアームの揺動によってパワーラインに過大負荷が発生するのを防止することのできるトレーリングアーム式サスペンションを提供することを目的とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
前記目的を達成するために、本発明によるトレーリングアーム式サスペンションは、
一端部が車体に支承されてその車体に対し上下方向に揺動自在に設けられるトレーリングアームと、前記トレーリングアームの他端部に回転自在に配されるアクスルハウジングと、前記アクスルハウジングに回転自在に配されるとともに車輪が取着されるハブと、前記アクスルハウジング内に回転自在に挿入されるとともに駆動トルクが入力されるアクスルシャフトと、前記ハブに内挿される遊星歯車減速機構を備え、
前記アクスルシャフトが前記遊星歯車減速機構のサンギヤに接続され、前記アクスルハウジングが前記遊星歯車減速機構のリングギヤに接続され、前記ハブが前記遊星歯車減速機構のキャリアに接続されてなり、
前記車体と前記アクスルハウジングとの間に、前記トレーリングアームの揺動に伴う前記トレーリングアームと前記アクスルハウジングとの相対回転を許容しつつ前記アクスルハウジングそれ自体の回転を規制するようにラジアスロッドを設けることを特徴とするものである(第1発明)。
【0010】
本発明において、前記ラジアスロッドは、車体側方視で前記トレーリングアームとほぼ平行をなし、前記トレーリングアームとともに四節リンク機構を構成するのが好ましい(第2発明)。
【0011】
本発明において、前記ラジアスロッドは、前記トレーリングアームよりも上方に配されるのが好ましい(第3発明)。
【0012】
本発明において、前記アクスルシャフトが前記トレーリングアーム側の第1アクスルシャフトと前記ハブ側の第2アクスルシャフトとに分割され、前記第1アクスルシャフトと前記第2アクスルシャフトとが自在継手により接続され、前記アクスルハウジングが前記トレーリングアーム側の第1アクスルハウジングと前記ハブ側の第2アクスルハウジングとに分割され、前記第1アクスルハウジングと前記第2アクスルハウジングとが前記自在継手に対応するように配されるナックル継手により接続される態様もあり得る(第4発明)。
【発明の効果】
【0013】
本発明においては、車体とアクスルハウジングとの間に、トレーリングアームの揺動に伴うトレーリングアームとアクスルハウジングとの相対回転を許容しつつアクスルハウジングそれ自体の回転を規制するようにラジアスロッドが設けられることにより、トレーリングアームの揺動によってアクスルハウジングに作用する回転トルクが著しく緩和され、また遊星歯車減速機構におけるリングギヤの反力がアクスルハウジングを介してラジアスロッドにより確保される。このため、トレーリングアームの揺動時においてもアクスルシャフトには駆動トルクのみが入力され、この駆動トルクは遊星歯車減速機構におけるサンギヤからキャリアに伝達され、更にキャリアからハブを介して車輪に伝達される。したがって、路面からの振動や衝撃を吸収する際のトレーリングアームの揺動によってパワーラインに過大負荷が発生するのを防止することができる。
【0014】
第3発明の構成を採用することにより、ラジアスロッドと路面上の障害物等との干渉を回避することができ、ラジアスロッドの破損を防ぐことができる。
【0015】
第4発明の構成を採用することにより、操舵輪懸架に用いられて好適なトレーリングアーム式サスペンションを提供することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0016】
次に、本発明によるトレーリングアーム式サスペンションの具体的な実施の形態について、図面を参照しつつ説明する。
【0017】
図1には、本発明の第1の実施形態に係るトレーリングアーム式サスペンションの概略構成を説明する平面視の模式図が示されている。また、図2には、同トレーリングアーム式サスペンションの概略構成を説明する側面視の模式図で、基準状態図(a)および揺動状態図(b)がそれぞれ示されている。
【0018】
本実施形態のトレーリングアーム式サスペンション1は、車体2の側方において前後方向に延び、一端部がベアリング3を介して車体2に支持されて上下方向に揺動自在なトレーリングアーム4を備えている。
【0019】
前記トレーリングアーム4の一端部と車体2とはトーションバー5によって連結され、トレーリングアーム4の揺動中心点O(図2(a)(b)参照)回りにトーションバー5による回転付勢力が作用するようになっている。また、前記トレーリングアーム4の一端部と車体2とはショックアブソーバ6によって連結され、トレーリングアーム4の揺動運動を減衰させることができるようになっている。
【0020】
前記トレーリングアーム4の他端部にはベアリング7を介してアクスルハウジング8が回転自在に装着されている。このアクスルハウジング8には、アクスルシャフト9が回転自在に挿入されるとともに、ベアリング10を介してハブ11が回転自在に装着されている。このハブ11には、車輪12が取着されるとともに、遊星歯車減速機構13が内挿されている。この遊星歯車減速機構13は、サンギヤ14、プラネタリギヤ15を軸支するキャリア16およびリングギヤ17の三要素よりなり、サンギヤ14が前記アクスルシャフト9に、キャリア16が前記ハブ11にそれぞれ接続されるとともに、リングギヤ17が前記アクスルハウジング8に接続されている。
【0021】
前記車体2と前記アクスルハウジング8との間には、図2(a)(b)に示されるように、トレーリングアーム4の揺動中心点Oとアクスルハウジング8の中心点Oとを結ぶ直線Xと平行を成してトレーリングアーム4の上方に配されるラジアスロッド19が設けられている。また、アクスルハウジング8の車体側の端部には、トレーリングアーム4の一端部側に傾きを付されて上方に延びるようにブラケット18が突設されている。そして、前記ラジアスロッド19の一端部はピン継手31を介して車体2に接続される一方、同ラジアスロッド19の他端部はピン継手32を介して前記ブラケット18の先端部に接続されている。ここで、ピン継手31のピン中心点Oとピン継手32のピン中心点Oとの距離はトレーリングアーム4の揺動中心点Oとアクスルハウジング8の中心点Oとの距離に等しく設定されるとともに、ピン継手31のピン中心点Oとトレーリングアーム4の揺動中心点Oとの距離とピン継手32のピン中心点Oとアクスルハウジング8の中心点Oとの距離とが等しく設定されており、車体2を固定節として、トレーリングアーム4、ブラケット18およびラジアスロッド19により平行リンク機構30が構成されている。なお、ラジアスロッド19をトレーリングアーム4よりも上方に配することにより、路面G上の障害物等との干渉を回避することができ、ラジアスロッド19の破損を防ぐことができる。
【0022】
前記アクスルシャフト9は図1に示されるようにドライブシャフト20と連結され、このドライブシャフト20は動力伝達装置(図示省略)を介してエンジン(図示省略)に接続され、エンジンからの駆動トルクが動力伝達装置およびドライブシャフト20を介してアクスルシャフト9に入力されるようになっている。
【0023】
以上に述べたように構成されるトレーリングアーム式サスペンション1の作動について、主に図2(a)(b)を用いて以下に説明する。ここで、図2(a)において、アクスルハウジング8の中心点Oを通る鉛直線Yと、アクスルハウジング8を挿入するためにトレーリングアーム4の他端部に形成された挿入孔4aの内周面との交点のうちの下側の交点Qを、トレーリングアーム4の基準位置を示す基準点と定めることとする。
【0024】
本実施形態のトレーリングアーム式サスペンション1において、路面Gからの振動や衝撃を吸収する際には、図2(a)(b)に示されるようにトレーリングアーム4が上下方向に揺動され、路面Gからの振動や衝撃は、トレーリングアーム4の揺動中心点O回りに回転付勢力を付与するトーションバー5と、トレーリングアーム4の揺動運動を減衰させるショックアブソーバ6によって緩和される。
【0025】
トレーリングアーム4が図2(a)に示される基準状態から揺動中心点O回りにθだけ上方に揺動されて図2(b)に示される揺動状態に変化した場合、トレーリングアーム4の基準点Qは、鉛直線Yに対して中心点Oを基準に左回りにθだけ回転された位置に配されることになる。その後、トレーリングアーム4が揺動中心点O回りにθだけ下方に揺動されると、トレーリングアーム4の基準点Qは図2(a)に示される元の位置に帰着される。また、トレーリングアーム4が揺動角θにて上下方向に揺動される際において、ブラケット18が鉛直線Yに対して成す角度θは平行リンク機構30の一構成要素であるラジアスロッド19により一定に保たれ、アクスルハウジング8の回転が規制される。こうして、トレーリングアーム4の揺動に伴うトレーリングアーム4とアクスルハウジング8との相対回転は許容されるが、アクスルハウジング8それ自体の回転は平行リンク機構30の一構成要素であるラジアスロッド19により規制される。このため、トレーリングアーム4の揺動によってアクスルハウジング8に作用する回転トルクが著しく緩和され、また遊星歯車減速機構13におけるリングギヤ17の反力がアクスルハウジング8を介してラジアスロッド19により確保される。したがって、トレーリングアーム4の揺動時においてもアクスルシャフト9には駆動トルクのみが入力され、この駆動トルクは遊星歯車減速機構13におけるサンギヤ14からプラネタリギヤ15を介してキャリア16に伝達され、更にキャリア16からハブ11を介して車輪12に伝達される。
【0026】
本実施形態のトレーリングアーム式サスペンション1によれば、路面Gからの振動や衝撃を吸収する際のトレーリングアーム4の揺動によって、図示されない動力伝達装置からドライブシャフト20を経てアクスルシャフト9に至るパワーラインに過大負荷が発生するのを防止することができる。このため、パワーラインの強度を必要以上に持たせる必要はなく、軽量化やコストダウンを図ることができる。また、従来のようなトレーリングアーム4の揺動に伴うトルク干渉が生じないので、路面Gからの振動や衝撃を吸収する際のトレーリングアーム4の揺動がスムーズに行われるという効果、あるいは、駆動力伝達時にトレーリングアーム4が強制的にストロークされるのを緩和するができるという効果もある。
【0027】
なお、本実施形態においては、相対する二組のリンクの長さがそれぞれ等しくされて四つのリンクにて平行四辺形を呈する完全な平行リンク機構30を採用することにより、トレーリングアーム4が揺動角θにて上下方向に揺動される際におけるアクスルハウジング8それ自体の回転変位を零に抑える例を示したが、アクスルハウジング8の回転変位が微小であることを条件として、平行リンク機構30に代えて、四つのリンクにて台形を呈する四節リンク機構を採用することも可能である。
【0028】
図3には、本発明の第2の実施形態に係るトレーリングアーム式サスペンションの概略構成を説明する側面視の模式図で、基準状態図(a)および揺動状態図(b)がそれぞれ示されている。なお、先の実施形態と同一または同様のものについては図に同一符号を付すに留めてその詳細な説明を省略することとし、以下においては先の実施形態と異なる点を中心に説明することとする。
【0029】
本実施形態のトレーリングアーム式サスペンション1Aでは、アクスルハウジング8の車体側の端部においてブラケット18Aが鉛直上方に延びるように突設されている。また、アクスルハウジング8の中心点Oとピン継手32のピン中心点Oとの距離が10Lであるとした場合、ピン継手31のピン中心点Oとピン継手32のピン中心点Oとの距離が35L、トレーリングアーム4の揺動中心点Oとピン継手31のピン中心点Oとの距離が15L、トレーリングアーム4の揺動中心点Oとアクスルハウジング8の中心点Oとの距離が50Lにそれぞれ設定されており、車体2を固定節として、トレーリングアーム4、ブラケット18Aおよびラジアスロッド19Aにより四つのリンクの長さが異なる四節リンク機構30Aが構成されている。このように四つのリンクの長さ比が設定された四節リンク機構30Aによれば、トレーリングアーム4が揺動角θにて上下方向に揺動される際において、ブラケット18Aの状態位置を、当該四節リンク機構30Aの一構成要素であるラジアスロッド19Aにより、鉛直上方に延びる状態位置に保つことができる。したがって、本実施形態のトレーリングアーム式サスペンション1Aによっても、トレーリングアーム4の揺動に伴うトレーリングアーム4とアクスルハウジング8との相対回転を許容しつつアクスルハウジング8それ自体の回転を規制することができるので、先の実施形態のトレーリングアーム式サスペンション1と同様の作用効果を得ることができる。
【0030】
図4には、本発明の第3の実施形態に係るトレーリングアーム式サスペンションの概略構成を説明する平面視の模式図が示されている。なお、前記各実施形態と同一または同様のものについては図に同一符号を付すに留めてその詳細な説明を省略することとする。
【0031】
図4に示されるトレーリングアーム式サスペンション1Bにおいては、前記各実施形態におけるアクスルハウジング8がトレーリングアーム4側の第1アクスルハウジング21とハブ11側の第2アクスルハウジング22とに分割されるとともに、前記各実施形態におけるアクスルシャフト9がトレーリングアーム4側の第1アクスルシャフト23とハブ11側の第2アクスルシャフト24とに分割されている。前記第1アクスルシャフト23と前記第2アクスルシャフト24とは等速継手26(本発明の「自在継手」に対応する。)により接続され、前記第1アクスルハウジング21と前記第2アクスルハウジング22とは前記等速継手26に対応するように配されるナックル継手25により接続されている。また、前記ハブ11は図示されないステアリング装置と連結され、このステアリング装置によりハブ11がナックル継手25の図示されないキングピン回りに回動されるようになっている。その他の点については前記各実施形態と同様である。このトレーリングアーム式サスペンション1Bによれば、前記各実施形態のトレーリングアーム式サスペンション1,1Aと同様の作用効果を得ることができるのは勿論のこと、操舵輪懸架に用いられて好適である。
【図面の簡単な説明】
【0032】
【図1】本発明の第1の実施形態に係るトレーリングアーム式サスペンションの概略構成を説明する平面視の模式図
【図2】本発明の第1の実施形態に係るトレーリングアーム式サスペンションの概略構成を説明する側面視の模式図で、基準状態図(a)および揺動状態図(b)
【図3】本発明の第2の実施形態に係るトレーリングアーム式サスペンションの概略構成を説明する側面視の模式図で、基準状態図(a)および揺動状態図(b)
【図4】本発明の第3の実施形態に係るトレーリングアーム式サスペンションの概略構成を説明する平面視の模式図
【図5】従来技術に係るトレーリングアーム式サスペンションの概略構成を説明する平面視の模式図
【図6】従来技術に係るトレーリングアーム式サスペンションの概略構成を説明する側面視の模式図で、基準状態図(a)および揺動状態図(b)
【符号の説明】
【0033】
1,1A,1B トレーリングアーム式サスペンション
2 車体
4 トレーリングアーム
8 アクスルハウジング
9 アクスルシャフト
11 ハブ
12 車輪
13 遊星歯車減速機構
14 サンギヤ
16 キャリア
17 リングギヤ
19,19A ラジアスロッド
21 第1アクスルハウジング
22 第2アクスルハウジング
23 第1アクスルシャフト
24 第2アクスルシャフト
25 ナックル継手
26 等速継手(自在継手)
30 平行リンク機構
30A 四節リンク機構

【特許請求の範囲】
【請求項1】
一端部が車体に支承されてその車体に対し上下方向に揺動自在に設けられるトレーリングアームと、前記トレーリングアームの他端部に回転自在に配されるアクスルハウジングと、前記アクスルハウジングに回転自在に配されるとともに車輪が取着されるハブと、前記アクスルハウジング内に回転自在に挿入されるとともに駆動トルクが入力されるアクスルシャフトと、前記ハブに内挿される遊星歯車減速機構を備え、
前記アクスルシャフトが前記遊星歯車減速機構のサンギヤに接続され、前記アクスルハウジングが前記遊星歯車減速機構のリングギヤに接続され、前記ハブが前記遊星歯車減速機構のキャリアに接続されてなり、
前記車体と前記アクスルハウジングとの間に、前記トレーリングアームの揺動に伴う前記トレーリングアームと前記アクスルハウジングとの相対回転を許容しつつ前記アクスルハウジングそれ自体の回転を規制するようにラジアスロッドを設けることを特徴とするトレーリングアーム式サスペンション。
【請求項2】
前記ラジアスロッドは、車体側方視で前記トレーリングアームとほぼ平行をなし、前記トレーリングアームとともに四節リンク機構を構成する請求項1に記載のトレーリングアーム式サスペンション。
【請求項3】
前記ラジアスロッドは、前記トレーリングアームよりも上方に配される請求項1または2に記載のトレーリングアーム式サスペンション。
【請求項4】
前記アクスルシャフトが前記トレーリングアーム側の第1アクスルシャフトと前記ハブ側の第2アクスルシャフトとに分割され、前記第1アクスルシャフトと前記第2アクスルシャフトとが自在継手により接続され、
前記アクスルハウジングが前記トレーリングアーム側の第1アクスルハウジングと前記ハブ側の第2アクスルハウジングとに分割され、前記第1アクスルハウジングと前記第2アクスルハウジングとが前記自在継手に対応するように配されるナックル継手により接続される請求項1〜3のいずれかに記載のトレーリングアーム式サスペンション。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2008−24065(P2008−24065A)
【公開日】平成20年2月7日(2008.2.7)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−196504(P2006−196504)
【出願日】平成18年7月19日(2006.7.19)
【出願人】(000001236)株式会社小松製作所 (1,686)
【Fターム(参考)】