説明

ドキュメント強調表示システム

【課題】 ネットワーク上で共有化された電子ドキュメントについて、本来編集権限を持たない複数の閲覧者による指定に応じて、重要箇所の強調表示を行うことを可能とするドキュメント強調表示システムを提供する。
【解決手段】 ドキュメント強調表示システムは、各ドキュメントファイルについてのマーキング情報を管理するマーキング管理サーバ110とを備える。マーキング管理サーバ110は、各ドキュメントファイルに対応するマーキング情報を格納するマーキングデータベース111を有する。マーキング管理サーバ110では、各クライアント端末120のマーキング設定部122からの登録要求に応じて、マーキング管理サーバ110のマーキング登録部112が強調箇所の登録を行い、マーキング集計部113がマーキングデータベースに登録されたマーキングデータの集計を行い、集計結果をクライアント端末120のドキュメント閲覧部121に送信する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、共有化された電子ドキュメントについて、複数のユーザによる重要箇所の指定に応じてマーキング情報の登録を行い、登録されたマーキング情報の指定箇所について強調表示を行うシステムに関する。
【背景技術】
【0002】
近年、インターネットの普及により、資料として大量のドキュメントデータを収集することが可能となっているが、その反面、収集した大量のドキュメントデータの内容を確認して、必要なデータを抽出する作業が困難なものとなっている。
このため、ドキュメントデータ中の重要箇所を強調表示することにより、ドキュメントデータの内容の確認作業の簡易化を図ることについての需要が高まっている。
このようなドキュメントデータ中の重要箇所の強調表示については、従来、構造化されたドキュメントデータについて、文書構造に基づく条件付けに応じて、重要箇所を自動的に抽出して強調表示する手段を備えた構成が公知となっている(例えば、特許文献1参照。)。
【特許文献1】特開2001−325273号公報
【0003】
一方、ドキュメントデータの編集権限を有する者による重要箇所の強調表示については、例えば、図21に示すようなシステムが用いられる。
図21は、ドキュメント強調表示システムの概略構成を示すブロック図である。
従来のドキュメント強調表示システムは、ドキュメントファイルを管理するドキュメント管理サーバ2100を備える。ドキュメント管理サーバ2100は、複数のクライアント端末2110からネットワーク2120を介してアクセス可能に接続されている。
ドキュメントファイルについて編集権限を有するユーザのクライアント端末2110Aには、ドキュメント閲覧・編集部2111が備えられている。
一方、閲覧権限のみを有するユーザのクライアント端末2110Bには、ドキュメント閲覧部が2112備えられている。
本例では、ドキュメント閲覧・編集部が、編集権限を有するユーザによるドキュメントファイル中の任意の箇所の指定操作に応じて、ドキュメント管理サーバ2100の管理するドキュメントファイルに重要箇所の登録を行う。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかし、前記特許文献1に示す構成は、構造化されたドキュメントデータを前提としているため、構造化されていないドキュメントデータからの重要箇所の抽出や、文書構造とは無関係の任意の箇所についての重要箇所の指定を行うことができないという問題があった。
一方、図21に示す従来のドキュメント強調表示システムでは、任意の箇所を重要箇所として指定させることが可能となるが、重要箇所の指定を行う者が編集権限を有する者に限定されていた。従って、編集権限を有する者の基準により重要箇所が判定されるることとなり、必ずしも複数の閲覧者にとって必要な重要箇所の強調表示を行うことができないものとなっていた。
【0005】
本発明は前記課題を解決するためのものであり、ネットワーク上で共有化された電子ドキュメントについて、本来編集権限を持たない複数の閲覧者による指定に応じて、重要箇所の強調表示を行うことを可能とするドキュメント強調表示システムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
前記課題を解決するため本発明は、ネットワーク上で共有化された電子ドキュメントについて、強調表示箇所を示すマーキング情報を管理する管理サーバを備え、前記ネットワークを介してアクセス可能に接続されたクライアント端末の表示する電子ドキュメントについて、前記マーキング情報を前記クライアント端末に送信して、前記マーキング情報に示す強調表示箇所を強調表示させるドキュメント強調表示システムであって、前記マーキング管理サーバは、前記マーキング情報を格納するマーキング情報格納手段と、前記ネットワークを介して接続されたクライアント端末から、強調表示対象となる電子ドキュメントを識別するドキュメント識別情報と、前記ドキュメント中で任意に指定された強調表示箇所を示すマーキング範囲識別情報とを含むマーキング登録要求を受信し、前記マーキング情報としてマーキング情報格納手段に格納するマーキング登録手段と、前記クライアント端末から、表示対象となる電子ドキュメントを識別するドキュメント識別情報を受信して、当該ドキュメント識別情報に基づき、前記マーキング情報格納手段からマーキング情報を集計して前記クライアント端末に送信するマーキング情報送信手段とを備えることを特徴とする。
また、前記マーキング登録要求には、任意に指定されたマーキング分類を含むものとし、前記マーキング登録手段は、前記マーキング分類毎に前記マーキング情報を格納することを特徴とする。
また、前記マーキング情報送信手段は、前記マーキング集計要求に含まれるドキュメント識別情報に基づき、前記マーキング情報格納手段に格納されたマーキング情報を抽出し、前記マーキング範囲識別情報に基づき、同一強調表示範囲についての重複登録数を集計して、当該集計結果に基づき、各マーキング範囲についての重要度を設定して、前記マーキング集計要求を送信したクライアント端末に対して返信するマーキング集計手段を備えることを特徴とする。
また、前記マーキング集計手段は、前記マーキング分類毎に前記重複登録数を集計して重要度を設定することを特徴とする。
【発明の効果】
【0007】
以上の構成により本発明では、共有化された電子ドキュメントとは別に、強調表示を行うためのマーキング情報を登録,管理することとしたので、編集権限を持たない閲覧者の指定に応じた強調表示の設定が可能となる。従って、ネットワーク上で共有化された電子ドキュメントについて、複数の閲覧者等による種々の視点での重要箇所の指定及び強調表示が可能となる。
この場合、重要箇所の指定とともに、重要箇所の分類の指定をさせることにより、各分類毎に強調表示を行う箇所の切り替えが可能となる。従って、種々の視点に基づく重要箇所の適切な表示が可能となる。
また、各分類毎に各重要箇所の指定数を集計して、集計結果に基づく重要度を設定するとともに、各重要度に応じた強調表示を行うことにより、同一分類について複数の指定箇所が存在する場合に、各指定箇所の重要度を容易に判別させることが可能となる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0008】
以下、本発明の一実施の形態に係るドキュメント強調表示システムについて、図面に基づき説明する。
本実施の形態に係るドキュメント強調表示システムは、ドキュメントファイルを管理するドキュメント管理サーバ100と、各ドキュメントファイルについてのマーキング情報を管理するマーキング管理サーバ110とを備える。ドキュメント管理サーバ100及びマーキング管理サーバ110は、複数のクライアント端末120,・・・からネットワーク130を介してアクセス可能に接続されている。
ドキュメント管理サーバ100は、インターネット等のネットワーク130を介して共有化された複数の電子ドキュメントファイルを格納するドキュメントデータベース101を有する。
マーキング管理サーバ110は、各ドキュメントファイルに対応するマーキング情報を格納するマーキングデータベース111を有する。マーキング管理サーバ110は、各ドキュメントファイルについて任意に指定された強調箇所を登録するマーキング登録部112と、各強調箇所の指定数を集計するマーキング集計部113とを備える。
各クライアント端末120は、マーキング情報に基づきドキュメントを強調表示するドキュメント閲覧部121と、各ドキュメントについてユーザによる任意の指定に応じて強調表示箇所の登録要求を行うマーキング設定部122とを備える。
本実施の形態では、各クライアント端末120のマーキング設定部122からの登録要求に応じて、マーキング管理サーバ110のマーキング登録部112が強調箇所の登録を行い、マーキング集計部113がマーキングデータベースに登録されたマーキングデータの集計を行い、集計結果をクライアント端末120のドキュメント閲覧部121に送信する。
ドキュメント閲覧部121は、ドキュメント管理サーバ100から送信されたドキュメントに対し、マーキング管理サーバ110から送信されたマーキング集計結果に基づき強調表示を行う。
【0009】
図2は、マーキングデータベース111を構成するドキュメント情報テーブルのデータ構造の一例を示す図である。
ドキュメント情報テーブル200は、各対象ドキュメントを一意に識別するためのドキュメントID201と、対象ドキュメントのネットワーク上での識別子を示すURI202と、対象ドキュメントの同一性を確認するためのハッシュ値203との各データ項目を有する。ドキュメントID201は、URI202及びハッシュ値203の組合せに対して付与する。
ハッシュ値203は、対象ドキュメントを登録する時点で、URI202に基づき取得したドキュメントの内容からハッシュ関数を用いて算出した値を示す。
対象ドキュメント情報は、マーキング設定部122から受信したマーキング登録要求に含まれる新規のURIに基づき、マーキング登録部112が登録する。
【0010】
図3は、マーキング管理サーバ110の有するマーキングデータベース111に格納されるマーキング情報テーブルのデータ構造の一例を示す図である。
マーキング情報テーブル300は、マーキングを設定したユーザを識別するユーザID301と、ドキュメント情報テーブル200のドキュメントID201に対応するドキュメントID302と、マーキング箇所を示す開始位置303,終了位置304と、マーキング箇所の分類を示す着眼点305との各データ項目を有する。
マーキングの開始位置303及び終了位置304の値は、ドキュメントデータ内の何文字目かを示している。
着眼点305は、予め定義された分類の中から任意に指定されたものの他、ユーザにより任意に入力された値が格納される。
マーキング情報は、クライアント端末120のマーキング設定部122から受信したマーキング登録要求に応じて、マーキング登録部112が登録する。
【0011】
図4は、クライアント端末120のマーキング設定部122がマーキング管理サーバ110のマーキング登録部112に対して送信するマーキング登録要求のデータ構造の一例を示す図である。
マーキング登録要求400は、マーキング登録を要求するユーザを識別するユーザID401と、対象ドキュメントのURI402と、対象ドキュメントについて算出したハッシュ値403と、マーキング箇所を示す開始位置404,終了位置405と、分類を示す着眼点406との各データで構成している。
マーキング登録要求400は、ユーザの強調箇所指定操作に応じてマーキング設定部122が生成する。
【0012】
図5は、クライアント端末120のドキュメント閲覧部121がマーキング管理サーバ110のマーキング集計部113に対して送信するマーキング集計要求のデータ構造の一例を示す図である。
マーキング集計要求500は、対象ドキュメントを示すドキュメントURI501と、対象ドキュメントについて算出したドキュメントハッシュ値502との各データで構成している。
マーキング集計要求500は、ドキュメント閲覧部121がドキュメント閲覧処理において生成する。
【0013】
図6は、マーキング管理サーバ110のマーキング集計部112がクライアント端末120のドキュメント閲覧部121に対して送信するマーキング集計結果のデータ構造の一例を示す図である。
マーキング集計結果600は、各分類601の集計結果602をまとめたものである。本例では、集計結果602として、対象ドキュメントを構成する各文字単位でマーキングの有無を集計し、集計結果に応じて重要度を設定している。具体的には、マーキング数の上限値603と、各文字毎の集計値604とを有し、集計値604は、各文字の位置605,マーキング数606,重要指数607とで構成している。
マーキング数の上限値603は、対象ドキュメントをある分類(着眼点)でマーキングしたユーザについて、ユニークなユーザIDの数で示したものである。図6の例では、同一の対象ドキュメントについて「情報漏洩」という分類(着眼点)で登録されたマーキング情報のユーザIDの数が「200」であることを示している。例えば、マーキングデータベース内にドキュメントIDの値が「doc-001」であり、かつ着眼点の値が「情報漏洩」であるマーキング情報のユーザIDが「user-001」,「user-002」,「user-003」,・・・,「user-200」の200種類であった場合を示す。
集計値604に含まれる重要指数607は、各文字単位でのマーク数をマーク数上限の値で割った値を示す。例えば、マーキング情報テーブル300内でドキュメントID302の値が「doc-001」で、着眼点305の値が「情報漏洩」であり、開始位置303と終了位置304との間に10文字目を含むマーキング情報が100件存在した場合は、分類601が「情報漏洩」である集合の位置605の値が「10」である時のマーク数は「100」という値になる。さらに、この集合のマーキング数上限603の値が「200」である場合、この集合の位置605の値が「10」であるとき重要指数607は「100÷200=0.5」となる。
なお、マーキング数上限603の値が「0」の場合、重要指数は全て「0」となる。
マーキング集計結果600は、マーキング集計部113がドキュメント閲覧部121から受信したマーキング集計要求に応じて生成する。
【0014】
図7は、クライアント端末120のドキュメント閲覧部121が管理する強調表示方法割当テーブルのデータ構造の一例を示す図である。
強調表示方法割当テーブル700は、予め定義されたものであり、マーキング管理サーバ110において予め用意されたものをダウンロードするか、各クライアント端末120のユーザが任意に定義可能なものとする。
強調表示方法割当テーブル700は、各分類に応じた強調表示方法を定義したものであり、マーキング集計結果の分類(着眼点)に対応する割当分類701と、マーキング箇所についての強調方法702と、重要指数に応じた強調度表現方法703とから構成されている。本例では、割当分類「情報漏洩」については「赤のハイライト」で強調表示を行い、重要指数に応じて「色の鮮明さ」を変更することが定義されている。
【0015】
以上の構成に基づき、本実施の形態に係るドキュメント強調表示システムの行う処理について各フローチャートに基づき説明する。
図8は、ドキュメント強調表示システムの行う全体処理の概要を示すフローチャートである。
ドキュメント強調表示システムでは、クライアント端末120のドキュメント閲覧部121によりドキュメント閲覧処理を行い(ステップ801)、閲覧対象ドキュメントについてユーザによりマーキングが行われている間、マーキング登録処理を繰り返す(ステップ802〜804)。
【0016】
図9は、ステップ801に示すキュメント閲覧処理手順を示すフローチャートである。
ドキュメント閲覧処理では、ドキュメント閲覧部121が、閲覧指示としてユーザIDの入力及び閲覧対象ドキュメントについてのURIの入力を受付け(ステップ901)、ドキュメント管理サーバ100からドキュメントファイルを取得する(ステップ902)。
次にドキュメント閲覧部121は、マーキング管理サーバ110に対し、マーキング集計要求500を送信し、マーキング集計結果を取得して(ステップ903)、閲覧対象ドキュメントについてマーキング集計結果に応じた強調表示を行う(ステップ904)。ここで、マーキング集計要求500には、閲覧対象ドキュメントについてのURI501と、ドキュメントハッシュ値502とを含める。ドキュメンハッシュ値502は、ステップ902で取得したドキュメントの内容から算出したハッシュ値を設定する。
【0017】
図10は、ステップ903に示すマーキング集計処理手順を示すフローチャートである。
マーキング集計処理では、マーキング集計部113がドキュメント閲覧部121からマーキング集計要求500を受信し(ステップ1001)、ドキュメントURI501及びドキュメントハッシュ値502の一致するマーキング情報をマーキング情報テーブル300から取得して、着眼点(分類)毎,位置毎にマーキング数を集計し、マーキング集計結果600を生成する(ステップ1002)。次に、マーキング集計部113は、生成したマーキング集計結果600をドキュメント閲覧部121に返信する(ステップ1003)。
【0018】
図11は、ステップ904に示す強調表示処理手順を示すフローチャートである。
強調表示処理では、ドキュメント閲覧部121が閲覧対象ドキュメントについてマーキング集計部113から受信したマーキング集計結果600に基づき強調表示設定を行い(ステップ1101)、当該強調表示設定に基づき閲覧対象ドキュメントを表示する(ステップ1102)。
【0019】
図12は、ステップ1101に示す強調処理手順を示すフローチャートである。
強調表示設定処理では、ユーザによる強調表示する分類の選択を受付け(ステップ1201)、ドキュメント閲覧部121がマーキング集計結果600に含まれる分類601毎の集計値602に基づき、図7に示す強調表示方法割当テーブル700の定義情報に従って強調表示設定を行う(ステップ1202)。
具体的には、マーキング数606に「0」以外の数字が設定された位置605に示すドキュメントの文字について、分類601に従った強調方法及び重要指数607に応じた強調度表現を設定する。例えば、図6のマーキング集計結果の場合、分類「情報漏洩」の強調表示設定では、10〜12文字目は強調され、10文字目より、11、12文字目の方が強く強調することとなる。
【0020】
図13は、図8のステップ803に示すマーキング登録処理手順を示すフローチャートである。
マーキング登録処理では、クライアント端末120のマーキング設定部122が、ユーザの指定操作に応じてマーキング設定を行いマーキング登録要求400を生成して(ステップ1301)、マーキング管理サーバ110のマーキング登録部112に送信する(ステップ1302)。
マーキング登録部112は、受信したマーキング登録要求400に基づき、マーキング情報をマーキングデータベース111に登録する(ステップ1303)。
【0021】
図14は、ステップ1301に示すマーキング設定処理の詳細を示すフローチャートである。
マーキング設定処理では、マーキング設定部122が、閲覧対象ドキュメントについてユーザが文字単位で指定した範囲についてマーキング開始位置及び終了位置を取得する(ステップ1401)。
次に、指定範囲についてユーザが選択又は任意入力した着眼点を取得する(ステップ1402)。
以上の処理により取得したマーキング開始位置,終了位置及び着眼点に基づきマーキング登録要求400を生成する(ステップ1403)。ここで、マーキング登録要求400には、マーキング開始位置,終了位置及び着眼点の他、ユーザID,ドキュメントURI,ドキュメントハッシュ値を含む。ドキュメントハッシュ値は、閲覧対象ドキュメントの内容から算出した値を設定する。
【0022】
図15は、ステップ1303に示すマーキング情報登録処理の詳細を示すフローチャートである。
マーキング情報登録処理では、マーキング登録部112がマーキング登録要求400を受信し、マーキング登録要求400に含まれるドキュメントURI402及びドキュメントハッシュ値403に基づき対象ドキュメントがドキュメント情報テーブル200に登録されているか否かを判定する(ステップ1501)。
対象ドキュメントが登録されていない場合には、ドキュメントURI402及びドキュメントハッシュ値403の値をドキュメント情報テーブル200に登録するとともに、ドキュメントID201を設定する(ステップ1502)。
一方、対象ドキュメントが登録されている場合には、ドキュメント情報テーブル200からドキュメントID201の値を取得して、ドキュメントIDと共にマーキング登録要求400に含まれる情報を登録する(ステップ1503)。具体的には、ドキュメントIDと、マーキング登録要求400に含まれるユーザID401,マーキング開始位置404,マーキング終了位置405,着眼点406の各データを登録する。
【0023】
以上のドキュメント閲覧処理及びマーキング設定処理の具体例について、各表示画面を用いて説明する。
図16は、ドキュメント閲覧処理においてドキュメント閲覧部121が表示するユーザID入力画面の一例を示す図である。
ユーザID入力画面1600は、ユーザID入力部1601と、OKボタン1602,キャンセルボタン1603とを有する。
ユーザID入力部1601に、予め各ユーザに設定されたユーザIDが入力されて、OKボタン1602が押下されると、ドキュメント閲覧部121はドキュメントの閲覧画面を表示する。
ユーザID入力画面1600により入力されたユーザIDが、マーキング登録要求400に含まれることとなる。
【0024】
図17は、ドキュメント閲覧処理においてドキュメント閲覧部121が表示する閲覧画面の初期状態の一例を示す図である。
閲覧画面1700は、URI入力部1701と、ドキュメント表示部1702と、マーキング設定スイッチ1703と、着眼点表示部1704とを有する。
初期状態においては、URI入力部1701が空欄となり、ドキュメント表示部1702,マーキング設定スイッチ1703,着眼点選択部1704には何も表示されない状態となっている。
URI入力部1701にドキュメントのURIが入力されると、ドキュメント閲覧部121はドキュメント表示処理を行う。
【0025】
図18は、図17に示す閲覧画面において、URIの入力に応じてドキュメントを表示した状態を示す図である。
ドキュメント閲覧部121は、URI入力部1801に入力されたURIに基づき、ドキュメント管理サーバ100から受信したドキュメントを、マーキング集計部113から受信したマーキング集計結果600に基づき強調表示して、ドキュメント表示部1802に表示する。本例では、強調表示部分(重要箇所)1810が色分け表示されている。ドキュメントスクロールバー1820は、ドキュメント表示部1802に表示しきれないドキュメント部分を表示するために操作する部分である。
マーキング設定スイッチ1803は、「on」又は「off」の選択が可能となっており、マーキング設定を行わない場合には「off」が選択される。
着眼点選択部1804には、マーキング集計結果に含まれる着眼点が表示される。この場合、表示された複数の着眼点の中から任意に選択された着眼点に関する集計値に基づき、ドキュメントの強調表示を行う。着眼点選択部1804において「全て」が選択された場合には、全ての分類についての強調表示を行う。
本例では、着眼点選択部1804に表示された項目の内、「情報漏洩」が選択され、「情報漏洩」に関する集計値に基づき強調表示がされた状態を示している。この場合、着眼点の選択に応じて、それぞれに定義された強調方法(色分け等)で強調表示を切り替えることにより、各分類毎の重要箇所を明確に識別させることが可能となる。
なお、着眼点選択部1804において「全て」が選択された場合には、強調表示方法割当テーブル700の定義情報に従って、それぞれの分類に設定された強調表示を重ね合わせて表示する。また、この場合には、「全て」が選択された場合の強調表示方法を別途定義することとしてもよい。
【0026】
図19は、図18に示す閲覧画面において、ユーザによりマーキング設定操作が行われている状態を示す図である。
マーキング設定部122は、マーキング設定スイッチ1903において「on」が選択された場合に、マーキング設定処理を行う。この場合、着眼点選択部1904には、新規着眼点入力部1905と、登録ボタン1906とが表示される。
この状態において、ドキュメント表示部1902に表示されたドキュメント中の任意の文字列が指定されるとともに、着眼点選択部1904に表示された着眼点が選択されて、登録ボタン1906が押下されることによりマーキング設定部122がマーキング登録要求400を生成して、マーキング管理サーバ110のマーキング登録部112に送信する。
本例では、ドキュメント中の「個人情報保護に関する法律」という文字列1910が指定され、着眼点として「情報漏洩」が選択された状態を示している。
【0027】
図20は、図18に示す閲覧画面において、ユーザによるマーキング設定操作として、新規着眼点が入力されている状態を示す図である。
本例では、ドキュメント中の「SSL(Secure Sockets Layer)の暗号化通信」の文字列2010が指定されるとともに、新規着眼点入力部2005に「WWW」が入力された状態を示している。
この場合、マーキング設定部122は、新規着眼点入力部2005に入力された「WWW」を着眼点としたマーキング登録要求400を生成してマーキング管理サーバ110に送信することとなる。
なお、着眼点選択部2004において、新規着眼点入力部2005が選択された状態であるため、ドキュメント表示部2002では、ユーザにより指定された文字列2010のみが強調表示されている。
以上のように、本実施の形態に係るドキュメント強調表示システムでは、共有化された電子ドキュメントとは別に、強調表示を行うためのマーキング情報を登録,管理することとしたので、編集権限を持たない閲覧者の指定に応じた強調表示の設定が可能となる。従って、ネットワーク上で共有化された電子ドキュメントについて、複数の閲覧者等による種々の視点での重要箇所の指定及び強調表示が可能となる。特に、分類毎の強調表示の設定や、重要度の集計等を行うこととしたので、種々の視点に応じた重要箇所について、適切な強調表示が可能となる。
【0028】
なお、前記実施の形態では、ドキュメント管理サーバと、マーキング管理サーバとを別構成としているが、単一のサーバ端末で構成してもよい。また、マーキング管理サーバを構成する各処理部を複数の端末で構成してもよい。
【図面の簡単な説明】
【0029】
【図1】本発明の一実施の形態に係るドキュメント強調表示システムの概略構成を示すブロック図である。
【図2】マーキングデータベースを構成するドキュメント情報テーブルのデータ構造の一例を示す図である。
【図3】マーキングデータベースを構成するマーキング情報テーブルのデータ構造の一例を示す図である。
【図4】マーキング設定部がマーキング登録部に送信するマーキング登録要求のデータ構造の一例を示す図である。
【図5】ドキュメント閲覧部がマーキング集計部に送信するマーキング集計要求のデータ構造の一例を示す図である。
【図6】マーキング集計部がドキュメント閲覧部に送信するマーキング集計結果のデータ構造の一例を示す図である。
【図7】ドキュメント閲覧部が管理する強調方法割当テーブルのデータ構造の一例を示す図である。
【図8】ドキュメント強調表示システムの行う全体処理の概要を示すフローチャートである。
【図9】ドキュメント閲覧処理手順を示すフローチャートである。
【図10】マーキング集計処理手順を示すフローチャートである。
【図11】強調表示処理手順を示すフローチャートである。
【図12】強調設定処理手順を示すふとーチャートである。
【図13】マーキング登録処理手順を示すフローチャートである。
【図14】マーキング設定処理手順を示すフローチャートである。
【図15】マーキング情報登録処理手順を示すフローチャートである。
【図16】ドキュメント閲覧処理において表示するユーザID入力画面の一例を示す図である。
【図17】ドキュメント閲覧処理において表示する閲覧画面(初期状態)の一例を示す図である。
【図18】ドキュメント閲覧処理において表示する閲覧画面(ドキュメント表示状態)の一例を示す図である。
【図19】ドキュメント閲覧処理において表示する閲覧画面(マーキング設定状態)の一例を示す図である。
【図20】ドキュメント閲覧処理において表示する閲覧画面(新規着眼点入力状態)の一例を示す図である。
【図21】従来のドキュメント強調表示システムの概略構成を示すブロック図である。
【符号の説明】
【0030】
100 ドキュメント管理サーバ、101 ドキュメントデータベース、110 マーキング管理サーバ、111 マーキングデータベース、112 マーキング登録部、113 マーキング集計部、120 クライアント端末、121 ドキュメント閲覧部、122 マーキング設定部。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ネットワーク上で共有化された電子ドキュメントについて、強調表示箇所を示すマーキング情報を管理する管理サーバを備え、前記ネットワークを介してアクセス可能に接続されたクライアント端末の表示する電子ドキュメントについて、前記マーキング情報を前記クライアント端末に送信して、前記マーキング情報に示す強調表示箇所を強調表示させるドキュメント強調表示システムであって、
前記マーキング管理サーバは、
前記マーキング情報を格納するマーキング情報格納手段と、
前記ネットワークを介して接続されたクライアント端末から、強調表示対象となる電子ドキュメントを識別するドキュメント識別情報と、前記ドキュメント中で任意に指定された強調表示箇所を示すマーキング範囲識別情報とを含むマーキング登録要求を受信し、前記マーキング情報としてマーキング情報格納手段に格納するマーキング登録手段と、
前記クライアント端末から、表示対象となる電子ドキュメントを識別するドキュメント識別情報を受信して、当該ドキュメント識別情報に基づき、前記マーキング情報格納手段からマーキング情報を集計して前記クライアント端末に送信するマーキング集計手段と
を備えることを特徴とするドキュメント強調表示システム。
【請求項2】
前記マーキング登録要求には、任意に指定されたマーキング分類を含むものとし、
前記マーキング登録手段は、前記マーキング分類毎に前記マーキング情報を格納することを特徴とする請求項1に記載のドキュメント強調表示システム。
【請求項3】
前記マーキング集計手段は、前記マーキング集計要求に含まれるドキュメント識別情報に基づき、前記マーキング情報格納手段に格納されたマーキング情報を抽出し、前記マーキング範囲識別情報に基づき、同一強調表示範囲についての重複登録数を集計して、当該集計結果に基づき、各マーキング範囲についての重要度を設定して、前記マーキング集計要求を送信したクライアント端末に対して返信する手段をさらに備えることを特徴とする請求項1又は2のいずれかに記載ドキュメント強調表示システム。
【請求項4】
前記マーキング集計手段は、前記マーキング分類毎に前記重複登録数を集計して重要度を設定することを特徴とする請求項3に記載のドキュメント強調表示システム。




【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【公開番号】特開2007−26243(P2007−26243A)
【公開日】平成19年2月1日(2007.2.1)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−209446(P2005−209446)
【出願日】平成17年7月20日(2005.7.20)
【出願人】(000233055)日立ソフトウエアエンジニアリング株式会社 (1,610)
【Fターム(参考)】