説明

ドキュメント検索装置及びドキュメント検索プログラム

【課題】 指定したキーワードが不適切で目的のドキュメントを探せないという問題や、ドキュメントのすべてのページを対象としてキーワード検索を実行するため、検索ドキュメントが膨大な数になり、目的のドキュメントを探すことが困難という問題を解決し、ドキュメントを閲覧したときの経験と記憶を活用できる技術を提供する。
【解決手段】 ディスプレイに表示されたドキュメントのテキスト部分の情報、及びドキュメントと同時に起動しているアプリケーションが表示しているドキュメント情報を取得するユーザ行動監視部17、ディスプレイに表示されたドキュメントと、当該ドキュメントと同時に起動しているアプリケーションが表示しているドキュメントとの関連度を算出する関連度算出部19、取得したテキスト部分の情報及び算出した関連度をメタデータとしてドキュメントをキーワード検索する検索実行部12、を有するドキュメント検索装置。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、パソコンで表示したテキストデータを含むドキュメントを検索する技術に関するものである。
【背景技術】
【0002】
近年のパソコンの普及により、取り扱うデジタルドキュメントは膨大な量になり、そのドキュメントを効率よく検索する技術が求められている。
【0003】
従来のドキュメント検索装置の概要を、図7を用いて説明する。51はユーザからの検索キーの入力を受け付ける入力部、52は検索を実行する検索実行部、53はドキュメントを保存しているドキュメント保存DB、54は検索結果を出力する出力部である。
【0004】
入力部51は、入力された検索キー(ファイル名やその一部、ファイルに含まれる単語や句、変更日時、ファイルサイズ、ファイルの種類等)を検索実行部52へ送る。検索実行部52は入力された検索キーと合致するドキュメントを、ドキュメント保存DB53から検索する。検索実行部52は検索結果を出力部54へ送る。
【0005】
従来技術の例としては、Microsoft Windowsの検索機能がある(例えば、非特許文献1。)。検索キーとしては、ファイルの変更日時、種類、サイズだけでなく、ファイル名やファイルに含まれるキーワードも指定可能であり、ドキュメントの内容に踏み込んだ検索も可能である。
【0006】
また、ドキュメントの内容に踏み込んだものとして、類似文書検索装置がある。この装置では、シソーラス辞書を利用することにより、キーワードが完全に合致しない場合でも、類似文書の検索が可能である(例えば、特許文献1参照。)。
【非特許文献1】”879987−ファイルやフォルダを検索する方法”、[online]、マイクロソフト サポート技術情報、インターネット〈URL:http://support.microsoft.com/default.aspx?scid=kb;ja;879987〉
【特許文献1】特許2742115号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
従来のドキュメント検索装置では、ファイル名やファイルに含まれるキーワードを用いた検索により、ドキュメントの内容に踏み込んだ検索が可能であるが、
(1)検索キーとして指定したキーワードが不適切で目的のドキュメントを探すことができない場合がある、
(2)ドキュメントのすべてのページを対象としてキーワード検索を実行するため、キーワードに一致したドキュメントが膨大な数になり、検索結果から目的のドキュメントを探すことが難しい場合がある、
という問題がある。
【0008】
なお、問題点(1)に対しては、特許文献1に記載されている方法により、類似文書として検索することが可能であるが、新出のキーワードを検索キーに指定した場合には対応できない。
【0009】
本発明の目的は、上記従来技術の問題点を解決し、ユーザがドキュメントを閲覧したときの経験と記憶を活用して、ドキュメントを検索できる技術を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0010】
そこで、上記課題を解決するために、請求項1に記載の発明は、パソコン内に保存されたドキュメントを検索するドキュメント検索装置であって、ユーザのパソコン上での操作を監視して、ディスプレイに表示されたドキュメントのテキスト部分の情報、及び前記ドキュメントと同時に起動しているアプリケーションが表示しているドキュメント情報を取得するユーザ行動監視手段と、前記ディスプレイに表示されたドキュメントと、当該ドキュメントと同時に起動しているアプリケーションが表示しているドキュメントとの関連度を算出する関連度算出手段と、前記取得したテキスト部分の情報及び前記算出した関連度をメタデータとしてドキュメントをキーワード検索する検索手段と、を有することを特徴とする。
【0011】
また、請求項2に記載の発明は、パソコン内に保存されたドキュメントを検索するドキュメント検索装置であって、検索条件を入力する入力手段と、前記検索条件に基づいて、ドキュメント保存データベース、行動履歴データベース、及び関連ドキュメント管理データベースから該当するドキュメントを検索する検索手段と、前記検索したドキュメントを出力する出力手段と、ディスプレイ上に表示されているアクティブなアプリケーションで開かれているドキュメントのテキスト部分の情報を抽出して前記行動履歴データベースに記録し、かつ、前記アクティブなアプリケーションで開かれているドキュメント情報及び当該テキスト部分の情報並びに前記アクティブなアプリケーションと同時に起動している非アクティブなアプリケーションで開かれているドキュメント情報を関連ドキュメント算出手段に送信するユーザ行動監視手段と、前記アクティブなアプリケーションで開かれているドキュメントと非アクティブなアプリケーションで開かれているドキュメントとが関連性を有するかを判断して、関連性を有すると判断したときは当該関連する複数のドキュメントをグループ単位で前記関連ドキュメント管理データベースに記録する前記関連ドキュメント算出手段と、を有することを特徴とする。
【0012】
また、請求項3に記載の発明は、前記検索手段は、前記行動履歴データベースを検索して、当該行動履歴データベースに記憶されている前記検索条件に適合するドキュメントを検索結果とする第1検索、前記ドキュメント保存データベースを検索して、当該ドキュメント保存データベースに記憶されている前記検索条件に適合するドキュメントを検索し、当該ドキュメントを検索条件として前記関連ドキュメント管理データベースを検索して、当該検索条件に関連するドキュメントを検索結果とする第2検索、及び、前記行動履歴データベースを検索して、当該行動履歴データベースに記憶されている前記検索条件に適合するドキュメントを検索し、当該ドキュメントを検索条件として前記関連ドキュメント管理データベースを検索して、当該検索条件に関連するドキュメントを検索結果とする第3検索、のうち少なくともいずれか一つを行うことを特徴とする。
【0013】
また、請求項4に記載の発明は、パソコン内に保存されたドキュメントを検索するドキュメント検索装置を機能させるためのドキュメント検索プログラムであって、ユーザ行動監視手段が、ユーザのパソコン上での操作を監視して、ディスプレイに表示されたドキュメントのテキスト部分の情報、及び前記ドキュメントと同時に起動しているアプリケーションが表示しているドキュメント情報を取得するユーザ行動監視手順と、関連度算出手段が、前記ディスプレイに表示されたドキュメントと、当該ドキュメントと同時に起動しているアプリケーションが表示しているドキュメントとの関連度を算出する関連度算出手順と、検索手段が前記取得したテキスト部分の情報及び前記算出した関連度をメタデータとしてドキュメントをキーワード検索する検索手順と、を実行させることを特徴とする。
【0014】
また、請求項5に記載の発明は、パソコン内に保存されたドキュメントを検索するドキュメント検索装置を機能させるためのドキュメント検索プログラムであって、入力手段が、検索条件を入力する入力手順と、ユーザ行動監視手段が、ディスプレイ上に表示されているアクティブなアプリケーションで開かれているドキュメントのテキスト部分の情報を抽出して行動履歴データベースに記録し、かつ、前記アクティブなアプリケーションで開かれているドキュメント情報及び当該テキスト部分の情報並びに前記アクティブなアプリケーションと同時に起動している非アクティブなアプリケーションで開かれているドキュメント情報を関連ドキュメント算出手段に送信するユーザ行動監視手順と、前記関連ドキュメント算出手段が、前記アクティブなアプリケーションで開かれているドキュメントと非アクティブなアプリケーションで開かれているドキュメントとが関連性を有するかを判断して、関連性を有すると判断したときは当該関連する複数のドキュメントをグループ単位で関連ドキュメント管理データベースに記録する関連ドキュメント算出手順と、検索手段が、前記検索条件に基づいて、ドキュメント保存データベース、前記行動履歴データベース、及び前記関連ドキュメント管理データベースから該当するドキュメントを検索する検索手順と、出力手段が、前記検索したドキュメントを出力する出力手順と、を実行させることを特徴とする。
【0015】
また、請求項6に記載の発明は、前記検索手順は、前記検索手段が、前記行動履歴データベースを検索して、当該行動履歴データベースに記憶されている前記検索条件に適合するドキュメントを検索結果とする第1検索、前記ドキュメント保存データベースを検索して、当該ドキュメント保存データベースに記憶されている前記検索条件に適合するドキュメントを検索し、当該ドキュメントを検索条件として前記関連ドキュメント管理データベースを検索して、当該検索条件に関連するドキュメントを検索結果とする第2検索、及び、前記行動履歴データベースを検索して、当該行動履歴データベースに記憶されている前記検索条件に適合するドキュメントを検索し、当該ドキュメントを検索条件として前記関連ドキュメント管理データベースを検索して、当該検索条件に関連するドキュメントを検索結果とする第3検索、のうち少なくともいずれか一つを実行することを特徴とする。
【0016】
請求項1及び4に記載の発明では、従来のドキュメント検索に加えて、ユーザがディスプレイに表示させたドキュメントのテキスト情報、及びユーザがディスプレイに表示させたドキュメントと同時に起動させたアプリケーションが表示しているドキュメントで関連のあるもの、についても検索手段により検索可能となる。
【0017】
請求項2及び5に記載の発明では、従来のドキュメント検索に加えて、行動履歴データベースに記録されたユーザが起動したドキュメントのテキスト情報、及び関連ドキュメント管理データベースに記録されたユーザがディスプレイに表示させたドキュメントと同時に起動させたアプリケーションが表示しているドキュメントで関連のあるもの、についても検索手段により検索可能となる。
【0018】
請求項3及び6に記載の発明では、ドキュメント保存データベースのみを検索する従来の検索に加えて、ユーザが過去に視聴した可能性が高いドキュメントの検索が可能な第1検索、従来の検索により検索されたドキュメントに関連のあるドキュメントの検索が可能な第2検索、及びユーザが過去に視聴した可能性が高いドキュメントに関連のあるドキュメントの検索が可能な第3検索を実現する。
【発明の効果】
【0019】
請求項1〜6に記載の発明によれば、起動したアプリケーションが表示する情報のみを検索対象としているので検索効率の向上が図れる。
【0020】
また、ユーザが同時に閲覧、または、近い時間に閲覧しているドキュメントを関連付けることにより、シソーラス辞書に登録されていない新出のキーワードに対する検索も可能となる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0021】
図1は、本発明のドキュメント検索装置の構成図である。図1において、11はユーザからの検索キーの入力を受け付ける入力部、12は検索を実行する検索実行部、13はドキュメントを保存しているドキュメント保存DB、14は検索結果を出力する出力部、15は行動履歴DB、16は関連ドキュメント管理DB、17はユーザのパソコン上での操作(キーボードイベント、マウスイベント、リンククリック、テキストのカット&ペースト、ファイル保存イベント、アクティブウィンドウ情報、表示されているテキスト)を監視するユーザ行動監視部、18はドキュメントを表示するドキュメント表示部、19は関連ドキュメント算出部である。
【0022】
まず、ユーザの行動履歴DB15及び関連ドキュメント管理DB16の作成について説明する。
【0023】
ユーザは、パソコン上で、ドキュメント表示部18であるアプリケーションを起動して、ドキュメント保存DB13に保存されているドキュメントをパソコン画面上に表示する。ユーザは、パソコン上で作業する場合、複数のアプリケーションを同時に立ち上げていることが多いため、パソコン上には、複数のドキュメントが表示されている状態となることが多い。
【0024】
なお、アプリケーションの例としては、テキストエディタ、文書作成ソフト(ワード)、表計算ソフト、プレゼンテーションソフト、PDF表示アプリケーション(Adobe Acrobat)、Webブラウザ、メーラー、等がある。この中で、Webブラウザを利用した場合、表示されているWebページはインターネット上に保存されている場合が多く、パソコン内のドキュメント保存DB30には保存されていないが、Webブラウザで表示したWebページをすべてドキュメント保存DB30に保存するという機能をWebブラウザに持たせることにより、他のアプリケーションと同様に扱うことが可能となる。
【0025】
ユーザ行動監視部11は、パソコン上で常駐するソフトウェアとして動作し、ユーザの操作(キーボードイベント、マウスイベント、リンククリック、テキストのカット&ペースト、ファイル保存イベント、アクティブウィンドウ情報等)を監視し、その履歴情報を時刻とともに行動履歴DB15に保存する。
【0026】
ここで、行動履歴DB15のデータ構造例を図2に示す。特に、アクティブウィンドウが変更された場合、及び、スクロール等により表示部分が変更された場合には、ドキュメント表示部18から、表示しているドキュメントのID(たとえばファイル名)及び画面上に表示されているテキスト部分を受け取る。この仕組みを実現するために、ドキュメント表示部18であるアプリケーションはユーザ行動監視部17からの要求に応じてドキュメントID及び表示内容を送信する機能を有する必要がある。
【0027】
ユーザ行動監視部17は、アクティブなアプリケーションで開いているドキュメントID及び表示されているテキスト部分の情報を時刻とともに行動履歴DB15に保存する。さらに、ユーザ行動監視部17は、アクティブなアプリケーションのドキュメントID及び表示されているテキスト部分の情報、並びに非アクティブなアプリケーションで開いているドキュメントIDを、関連ドキュメント算出部19へ送る。
【0028】
関連ドキュメント算出部19では、送信されたアクティブなアプリケーションで開いているドキュメントと非アクティブなアプリケーションで開いているドキュメントの関連性の有無を計算し、関連ドキュメント情報を関連ドキュメント管理DB16に保存する。関連ドキュメント管理DB16では、関連するドキュメントをグループ単位で管理する。このデータ構造例を図3に示す。
【0029】
以下に関連性の計算について説明する。
【0030】
(計算例1)
図4に示すように、アクティブなアプリケーションで表示しているテキスト部分よりキーワードを抽出し、非アクティブなアプリケーションで開いているドキュメントのキーワード抽出結果と比較する。アクティブなアプリケーションから抽出したキーワードが非アクティブなアプリケーションで開いているドキュメントから抽出したキーワードに含まれている場合は「関連あり」とする。含まれない場合は「関連なし」とする。
【0031】
(計算例2)
図5に示すように、行動履歴DB15の履歴情報を利用してアクティブなアプリケーションの遷移から関連性を計算する。リンクをクリックしてWebページを参照した場合、カット&ペースト操作によりアプリケーション間でテキストをコピーした場合、又は同じフォルダのドキュメントを表示している場合には、相互にアクティブ及び非アクティブを繰り返しているアプリケーションで表示しているドキュメントは「関連あり」とする。上述の操作がなく途切れた場合は、前後のアクティブなアプリケーションで表示しているドキュメントのテキストを比較して、キーワードが一致すれば「関連あり」とする。一致しなければ「関連なし」とする。
【0032】
なお、計算例1、計算例2の場合も、キーワードの一致による判定を行っているが、一般的な名詞をキーワードとしてしまった場合には、すべてのドキュメントが関連ありとなってしまう可能性もある。そこで、特開2001−318792号公報に開示されている技術を用いた固有表現抽出装置を利用して、キーワードを抽出することで、すべて関連ありとなってしまう問題を解決できる。
【0033】
例えば、形態素解析・品詞文字種付与部により、予め用意された訓練用文書から各単語を抽出し、次に規則生成部により、各単語と訓練用文書に対応して予め用意された正解リストとに基づき固有表現抽出用の規則を生成する。そして、訓練用規則適用部により、これらの規則をそれぞれ独立に訓練用文書に適用して、各規則毎の固有表現抽出結果を求め、規則評価部により、その適用結果で得られた固有表現と正解リストとを比較して、各規則の適正度を比較し、その結果に基づき、規則削除部と規則精錬部により、適宜、規則の削除と修正を行う。
【0034】
次に、検索について説明する。
【0035】
ユーザインタフェースの例を図6に示す。図6に示すように、キーワード入力の他に、オプションとして、「見たとこ検索」と「あいまい検索」が指定可能となっている。
【0036】
オプションで「見たとこ検索」のみにチェックを入れて、キーワードを入力して検索した場合には、入力部11では、キーワードの他に「見たとこ検索」オプション情報が付加されて検索実行部12に送信される。
【0037】
検索実行部12では、「見たとこ検索」オプションのみが付加された場合には、行動履歴DB15に保存された表示されたテキスト部分の履歴情報から、キーワードに適合するドキュメントIDを検索する。その結果は出力部14から検索結果として表示される。
【0038】
オプションで「あいまい検索」のみにチェックを入れて、キーワードを入力して検索した場合には、入力部11では、キーワードの他に「あいまい検索」オプション情報が付加されて検索実行部12に送信される。
【0039】
検索実行部12では、「あいまい検索」オプションのみが付加された場合には、ドキュメント保存DB13に対してキーワード検索を実行し、キーワードに適合したドキュメントID一覧を関連ドキュメント管理DB16に送信し、関連するドキュメントのIDを取得する。このようにして取得したキーワードに適合したドキュメント一覧と関連するドキュメント一覧の結果をマージして、出力部14から検索結果を表示する。
【0040】
オプションで「見たとこ検索」と「あいまい検索」の両方にチェックを入れて、キーワードを入力して検索した場合、入力部11では、キーワードの他に「見たとこ検索」と「あいまい検索」オプション情報が付加されて検索実行部12に送信される。
【0041】
検索実行部12では、「見たとこ検索」と「あいまい検索」オプションの両方が付加された場合には、行動履歴DB15に保存された表示されたテキスト部分の履歴情報の中から、キーワードに適合するドキュメントIDを検索する。さらに、検索結果のドキュメントID一覧を関連ドキュメント管理DB16に送信し、関連するドキュメントのIDを取得する。このようにして取得したキーワードに適合したドキュメント一覧と関連するドキュメント一覧の結果をマージして、出力部14から検索結果を表示する。
【0042】
従来技術の検索システムにおいては、例えば、「検索エンジン」と「サーチエンジン」という類似語がシソーラス辞書に載っていなかった場合で、ドキュメントAでは「検索エンジン」という語が使われていて、ドキュメントBでは「サーチエンジン」という語が使われていた場合、従来手法で「サーチエンジン」でキーワード検索したときにドキュメントAは検索できない。しかし上記実施形態においては、両方のドキュメントに共通の「google」という語が使われていた場合で同時に閲覧していた場合には、ドキュメントA及びドキュメントBは関連ドキュメント算出部19に送信され、関連ドキュメント算出部19がドキュメントAとドキュメントBとは関連があると判断するため、上記のような状況でもドキュメントAについて検索可能となる。
【0043】
なお、ドキュメント保存DB13、行動履歴DB15、及び関連ドキュメント管理DB16は、ドキュメント検索装置内に設置する必要はなく、ドキュメント検索装置とネットワークによって接続するようにしてもよい。
【0044】
また、ドキュメント検索装置は、例えば、ドキュメント検索装置を構成するコンピュータ装置が有するCPUによって実現され、必要とする検索実行、関連ドキュメント算出、ユーザ行動監視、ドキュメント表示などをアプリケーションプログラムとして搭載することができる。
【0045】
また、コンピュータ装置には上記説明した検索実行、関連ドキュメント算出、ユーザ行動監視、ドキュメント表示など行った処理結果や計算結果等のデータを内部メモリや外部記憶装置等に書き込み・読み出しができるようにしてもよい。
【0046】
また、本発明は、前述した実施形態の機能を実現するソフトウェアのプログラムコードを記録した記録媒体を、システムあるいは装置に供給し、そのシステムあるいは装置のCPU(MPU)が記録媒体に格納されたプログラムコードを読み出し実行することによっても実現できる。その場合、記憶媒体から読み出されたプログラムコード自体が上述した実施形態の機能を実現することになり、そのプログラムコードを記憶した記憶媒体、例えば、CD−ROM、DVD−ROM、CD−R、CD−RW、MO、HDD等は本発明を構成する。
【図面の簡単な説明】
【0047】
【図1】本発明のドキュメント検索装置の構成図。
【図2】行動履歴DBのデータ構造例。
【図3】関連ドキュメント管理DBのデータ構造例。
【図4】関連性の計算例を示す図。
【図5】関連性の計算例を示す図。
【図6】ユーザインタフェース例を示す図。
【図7】従来のドキュメント検索装置の構成図。
【符号の説明】
【0048】
11…入力部
12…検索実行部
13…ドキュメント保存DB
14…出力部
15…行動履歴DB
16…関連ドキュメント管理DB
17…ユーザ行動監視部
18…ドキュメント表示部
19…関連ドキュメント算出部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
パソコン内に保存されたドキュメントを検索するドキュメント検索装置であって、
ユーザのパソコン上での操作を監視して、ディスプレイに表示されたドキュメントのテキスト部分の情報、及び前記ドキュメントと同時に起動しているアプリケーションが表示しているドキュメント情報を取得するユーザ行動監視手段と、
前記ディスプレイに表示されたドキュメントと、当該ドキュメントと同時に起動しているアプリケーションが表示しているドキュメントとの関連度を算出する関連度算出手段と、
前記取得したテキスト部分の情報及び前記算出した関連度をメタデータとしてドキュメントをキーワード検索する検索手段と、を有することを特徴とするドキュメント検索装置。
【請求項2】
パソコン内に保存されたドキュメントを検索するドキュメント検索装置であって、
検索条件を入力する入力手段と、
前記検索条件に基づいて、ドキュメント保存データベース、行動履歴データベース、及び関連ドキュメント管理データベースから該当するドキュメントを検索する検索手段と、
前記検索したドキュメントを出力する出力手段と、
ディスプレイ上に表示されているアクティブなアプリケーションで開かれているドキュメントのテキスト部分の情報を抽出して前記行動履歴データベースに記録し、かつ、前記アクティブなアプリケーションで開かれているドキュメント情報及び当該テキスト部分の情報並びに前記アクティブなアプリケーションと同時に起動している非アクティブなアプリケーションで開かれているドキュメント情報を関連ドキュメント算出手段に送信するユーザ行動監視手段と、
前記アクティブなアプリケーションで開かれているドキュメントと非アクティブなアプリケーションで開かれているドキュメントとが関連性を有するかを判断して、関連性を有すると判断したときは当該関連する複数のドキュメントをグループ単位で前記関連ドキュメント管理データベースに記録する前記関連ドキュメント算出手段と、を有することを特徴とするドキュメント検索装置。
【請求項3】
前記検索手段は、
前記行動履歴データベースを検索して、当該行動履歴データベースに記憶されている前記検索条件に適合するドキュメントを検索結果とする第1検索、
前記ドキュメント保存データベースを検索して、当該ドキュメント保存データベースに記憶されている前記検索条件に適合するドキュメントを検索し、当該ドキュメントを検索条件として前記関連ドキュメント管理データベースを検索して、当該検索条件に関連するドキュメントを検索結果とする第2検索、
及び、前記行動履歴データベースを検索して、当該行動履歴データベースに記憶されている前記検索条件に適合するドキュメントを検索し、当該ドキュメントを検索条件として前記関連ドキュメント管理データベースを検索して、当該検索条件に関連するドキュメントを検索結果とする第3検索、
のうち少なくともいずれか一つを行うことを特徴とする請求項2に記載のドキュメント検索装置。
【請求項4】
パソコン内に保存されたドキュメントを検索するドキュメント検索装置を機能させるためのドキュメント検索プログラムであって、
ユーザ行動監視手段が、ユーザのパソコン上での操作を監視して、ディスプレイに表示されたドキュメントのテキスト部分の情報、及び前記ドキュメントと同時に起動しているアプリケーションが表示しているドキュメント情報を取得するユーザ行動監視手順と、
関連度算出手段が、前記ディスプレイに表示されたドキュメントと、当該ドキュメントと同時に起動しているアプリケーションが表示しているドキュメントとの関連度を算出する関連度算出手順と、
検索手段が前記取得したテキスト部分の情報及び前記算出した関連度をメタデータとしてドキュメントをキーワード検索する検索手順と、を実行させることを特徴とするドキュメント検索プログラム。
【請求項5】
パソコン内に保存されたドキュメントを検索するドキュメント検索装置を機能させるためのドキュメント検索プログラムであって、
入力手段が、検索条件を入力する入力手順と、
ユーザ行動監視手段が、ディスプレイ上に表示されているアクティブなアプリケーションで開かれているドキュメントのテキスト部分の情報を抽出して行動履歴データベースに記録し、かつ、前記アクティブなアプリケーションで開かれているドキュメント情報及び当該テキスト部分の情報並びに前記アクティブなアプリケーションと同時に起動している非アクティブなアプリケーションで開かれているドキュメント情報を関連ドキュメント算出手段に送信するユーザ行動監視手順と、
前記関連ドキュメント算出手段が、前記アクティブなアプリケーションで開かれているドキュメントと非アクティブなアプリケーションで開かれているドキュメントとが関連性を有するかを判断して、関連性を有すると判断したときは当該関連する複数のドキュメントをグループ単位で関連ドキュメント管理データベースに記録する関連ドキュメント算出手順と、
検索手段が、前記検索条件に基づいて、ドキュメント保存データベース、前記行動履歴データベース、及び前記関連ドキュメント管理データベースから該当するドキュメントを検索する検索手順と、
出力手段が、前記検索したドキュメントを出力する出力手順と、を実行させることを特徴とするドキュメント検索プログラム。
【請求項6】
前記検索手順は、
前記検索手段が、前記行動履歴データベースを検索して、当該行動履歴データベースに記憶されている前記検索条件に適合するドキュメントを検索結果とする第1検索、
前記ドキュメント保存データベースを検索して、当該ドキュメント保存データベースに記憶されている前記検索条件に適合するドキュメントを検索し、当該ドキュメントを検索条件として前記関連ドキュメント管理データベースを検索して、当該検索条件に関連するドキュメントを検索結果とする第2検索、
及び、前記行動履歴データベースを検索して、当該行動履歴データベースに記憶されている前記検索条件に適合するドキュメントを検索し、当該ドキュメントを検索条件として前記関連ドキュメント管理データベースを検索して、当該検索条件に関連するドキュメントを検索結果とする第3検索、
のうち少なくともいずれか一つを実行することを特徴とする請求項5に記載のドキュメント検索プログラム。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate


【公開番号】特開2006−146458(P2006−146458A)
【公開日】平成18年6月8日(2006.6.8)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−333992(P2004−333992)
【出願日】平成16年11月18日(2004.11.18)
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.WINDOWS
【出願人】(000004226)日本電信電話株式会社 (13,992)
【Fターム(参考)】