説明

ドライブ回路

【課題】1個のデッドタイム生成回路を用いて、直列に接続されている2つのスイッチング素子を駆動する2系統の信号のそれぞれ対してデッドタイムを設けることができ、IC化した場合に外付けコンデンサを1個にすることができるドライブ回路を提供する。
【解決手段】
コンデンサ13aを用いて信号Va0をデッドタイムよりも短い時間遅延させる遅延回路2aと、コンデンサ13bを用いて信号Vb0をデッドタイムよりも短い時間遅延させる遅延回路2bと、コンデンサ23を用い、信号Va0および信号Vb0の立ち上がりのタイミングからデットタイム分遅延させたタイミングで立ち上がる周期T/2のデッドタイム生成用信号V6を生成するデッドタイム生成回路3と、デッドタイム生成用信号V6に基づいてデッドタイムが設けられた信号Va7および信号Vb7とを生成するAND回路17a、17bとを設ける。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、Hブリッジ回路等の直列に接続されている2つのスイッチング素子を交互に駆動するドライブ回路に関し、特に、2つのスイッチング素子が同時に導通するのを防止するためのデッドタイムを設けた駆動信号を生成するドライブ回路に関するものである。
【背景技術】
【0002】
図7は、従来のドライブ回路の構成を示す図である。
2つのスイッチング素子4a、4bが直列に接続されている回路を駆動するドライブ回路100においては、図7(a)を参照すると、2つのスイッチング素子4a、4bが同時に導通するのを防止するデッドタイムを設けるために、2つのスイッチング素子4a、4bを駆動する2系統の信号のそれぞれに対してデッドタイム生成回路110a、110bを設けるのが一般的である(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
2つのスイッチング素子4a、4bを駆動する2系統の信号は、入力部101から入力された矩形波である信号Xと、信号XをNOT回路102によって反転させた信号Yであり、信号Xがデッドタイム生成回路110aに、信号Yがデッドタイム生成回路110bにそれぞれ入力される。デッドタイム生成回路110aは、抵抗111aとコンデンサ112aの直列回路を備え、抵抗111aと並列にダイオード113aが、コンデンサ112aの放電を早める方向に接続され、入力された信号Xの立ち上がりのみを遅延させ、デッドタイムを設けた駆動信号を生成する。同様にデッドタイム生成回路110bは、抵抗111bとコンデンサ112bの直列回路を備え、抵抗111bと並列にダイオード113bが、コンデンサ112bの放電を早める方向に接続され、入力された信号Yの立ち上がりのみを遅延させ、デッドタイムを設けた信号を生成する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2002−335679号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、従来のドライブ回路100において、比較的長いデッドタイムを必要とする場合には、信号を遅延させるためのコンデンサ112a、112bの容量を大きくする必要がある。このような場合、ドライブ回路100をドライブIC100aとしてIC化する場合には、コンデンサ112a、112bを内蔵することができず、図7(b)に示すように、2個のコンデンサ112a、112bは、外付け対応しなければならず、外付け用の端子が2ピン必要となってしまう。また、外付け用の2個のコンデンサ112a、112bの特性のバラツキによって、2系統の信号のデッドタイムに差が生じるという問題があった。
【0006】
本発明の目的は、上記の課題に鑑み、1個のデッドタイム生成回路を用いて、直列に接続されている2つのスイッチング素子を駆動する2系統の信号のそれぞれ対してデッドタイムを設けることができ、IC化した場合に外付けコンデンサを1個にすることができるドライブ回路を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明に係るドライブ回路は、上記の目的を達成するため、次のように構成される。
請求項1記載のドライブ回路は、直列に接続されている2つのスイッチング素子を、入力された矩形波である第1の信号と、当該第1の信号を反転させた第2の信号とで交互に駆動する際に、前記第1の信号および前記第2の信号に2つの前記スイッチング素子が同時に導通するのを防止するためのデッドタイムを設けるドライブ回路であって、前記第1の信号を前記デッドタイムよりも短い時間遅延させる第1の遅延回路と、前記第2の信号を前記デッドタイムよりも短い時間遅延させる第2の遅延回路と、デッドタイム生成用のコンデンサを用い、前記第1の信号および前記第2の信号の立ち上がりのタイミングから前記デットタイム分遅延させたタイミングで立ち上がる前記第1の信号の1/2の周期のデッドタイム生成用信号を生成するデッドタイム生成回路と、前記第1の遅延回路によって遅延された前記第1の信号と、前記デッドタイム生成回路によって生成された前記デッドタイム生成用信号とに基づいて前記第1の信号に前記デッドタイムが設けられた第1の駆動信号を生成する第1の駆動信号生成回路と、前記第2の遅延回路によって遅延された前記第2の信号と、前記デッドタイム生成回路によって生成された前記デッドタイム生成用信号とに基づいて前記第2の信号に前記デッドタイムが設けられた第2の駆動信号を生成する第2の駆動信号生成回路とを具備することを特徴とする。
さらに、請求項2記載のドライブ回路は、前記第1の遅延回路と前記第2の遅延回路とは、同一の構成であることを特徴とする。
さらに、請求項3記載のドライブ回路は、前記第1の信号の1/2の周期のタイミング信号を生成するタイミング信号生成回路を具備し、前記デッドタイム生成回路は、前記タイミング信号生成回路によって生成された前記タイミング信号に基づいて前記デッドタイム生成用信号を生成することを特徴とする。
さらに、請求項4記載のドライブ回路は、前記第1の遅延回路および前記第2の遅延回路は、前記第1の信号および前記第2の信号の立ち上がりのみをそれぞれ遅延させ、前記タイミング信号生成回路は、前記第1の遅延回路および前記第2の遅延回路のそれぞれの出力を論理和するOR回路であることを特徴とする。
さらに、請求項5記載のドライブ回路は、前記第1の遅延回路および前記第2の遅延回路は、前記第1の信号および前記第2の信号の立ち上がりのみをそれぞれ遅延させ、前記タイミング信号生成回路は、前記第1の遅延回路の出力と前記第1の信号とを排他的論理和するEXOR回路であることを特徴とすることを特徴とする。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、第1の信号をデッドタイムよりも短い時間遅延させる第1の遅延回路と、第2の信号をデッドタイムよりも短い時間遅延させる第2の遅延回路と、デッドタイム生成用のコンデンサを用い、第1の信号および第2の信号の立ち上がりのタイミングからデットタイム分遅延させたタイミングで立ち上がる第1の信号の1/2の周期のデッドタイム生成用信号を生成するデッドタイム生成回路と、第1の遅延回路によって遅延された第1の信号と、デッドタイム生成回路によって生成されたデッドタイム生成用信号とに基づいて第1の信号にデッドタイムが設けられた駆動信号を生成する第1の駆動信号生成回路と、第2の遅延回路によって遅延された第2の信号と、デッドタイム生成回路によって生成されたデッドタイム生成用信号とに基づいて第2の信号にデッドタイムが設けられた駆動信号を生成する第2の駆動信号生成回路とを設けることにより、1個のデッドタイム生成回路を用いて、直列に接続されている2つのスイッチング素子を駆動する2系統の第1の信号およぴ第2の信号のそれぞれ対してデッドタイムを設けることができ、IC化した場合に外付けコンデンサを1個にすることができる。また、デッドタイムのバラツキをなくすことができるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【図1】本発明に係るドライブ回路の第1の実施の形態の構成を示す図である。
【図2】本発明に係るドライブ回路の第1の実施の形態の動作波形図である。
【図3】本発明に係るドライブ回路の第1の実施の形態の動作波形図である。
【図4】本発明に係るドライブ回路の第1の実施の形態の動作波形図である。
【図5】本発明に係るドライブ回路の第2の実施の形態の遅延回路の構成を示す図である。
【図6】本発明に係るドライブ回路の第3の実施の形態の構成を示す図である。
【図7】従来のドライブ回路の構成を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下に、本発明の好適な実施の形態(実施例)を添付図面に基づいて説明する。
【0011】
(第1の実施の形態)
第1の実施の形態のドライブ回路1は、図1を参照すると、1個の入力部10と、2個の遅延回路2a、2bと、1個のデッドタイム生成回路3と、2個の出力部11a、11bとを備え、入力部10から入力される信号Va0から2個のスイッチング素子4a、4bをそれぞれ駆動する駆動信号Va7、Vb7とを生成して、2個の出力部11a、11bから駆動信号Va7、Vb7がそれぞれ出力されるように構成されている。2個の出力部11a、11bに接続されるスイッチング素子4a、4bとしては、例えばHブリッジ回路を構成するn型MOSFETが使用され、出力部11a、11bがn型MOSFETのゲートに接続される。
【0012】
入力部10に入力される信号Va0は、図2(a)に示すように周期Tの矩形波である。抵抗12a、コンデンサ13aおよびAND回路14aからなる遅延回路2aが入力部10に接続されていると共に、抵抗12b、コンデンサ13bおよびAND回路14bからなる遅延回路2bがNOT回路15を介して入力部10に接続されている。なお、遅延回路2aおよび遅延回路2bは、信号の立ち上がりのみを遅延させる同一の構成の回路であり、回路構成を簡略化することができる。
【0013】
遅延回路2aは、抵抗12aの一端が入力部10に接続され、抵抗12aと直列に接続されたコンデンサ13aの他端が接地されている。また、抵抗12aとコンデンサ13aとの接続点にAND回路14aの一方の入力端子が接続されていると共に、入力部10にAND回路14aの他方の入力端子が接続されている。これにより、AND回路14aには、入力部10からの信号Va0と、信号Va0を抵抗12aおよびコンデンサ13aで構成されたRC直列回路によって遅延された図2(b)に示す信号Va1とが入力されることになり、両信号の論理積をとることで、図2(c)に示すような、信号Va0の立ち上がりのみを遅延させた信号Va2がAND回路14aの出力端子から出力される。
【0014】
NOT回路15の入力端子が入力部10に接続され、NOT回路15の出力端子からは、図2(a)に示すような、入力部10から入力された信号Va0を反転させた信号Vb0が出力される。遅延回路2bは、遅延回路2aと同一の構成であり、抵抗12bの一端がNOT回路15の出力端子に接続され、抵抗12bと直列に接続されたコンデンサ13bの他端が接地されている。また、抵抗12bとコンデンサ13bとの接続点にAND回路14bの一方の入力端子が接続されていると共に、NOT回路15の出力端子にAND回路14bの他方の入力端子が接続されている。これにより、AND回路14bには、NOT回路15の出力端子からの信号Vb0と、信号Vb0を抵抗12bおよびコンデンサ13bで構成されたRC直列回路によって遅延された図2(b)に示す信号Vb1とが入力されることになり、両信号の論理積をとることで、図2(c)に示すような、信号Vb0の立ち上がりのみが遅延させた信号Vb2がAND回路14bの出力端子から出力される。
【0015】
遅延回路2a、2bによる立ち上がりの遅延時間Taは、デッドタイム生成回路3によって生成されるデッドタイムTbに比べて短い時間に設定されている。遅延回路2a、2bにそれぞれ用いられているコンデンサ13a、13bの容量は、ドライブ回路1をIC化した場合に、ICに内蔵することができる程度(例えば、数十pF)に設定され、そのコンデンサ13a、13bの容量によって遅延させることができる時間が遅延時間Taとなる。
【0016】
AND回路14aの出力端子と、AND回路14bの出力端子とは、OR回路16の入力端子に接続され、OR回路16の出力端子には、デッドタイム生成回路3が接続されている。OR回路16は、図3(a)に示すような、信号Va0の1/2の周期のタイミング信号V3を生成するタイミング信号生成回路として機能し、信号Va2と信号Vb2との論理和をとることで、出力端子からは、周期がT/2で、デューティ比が(T−2Ta)/Tの波形であるタイミング信号V3が出力される。
【0017】
デッドタイム生成回路3は、NOT回路20と、n型MOSFET21と、電流源22と、コンデンサ23と、比較器24とで構成されている。NOT回路20の入力端子がOR回路16の出力端子に接続され、NOT回路20の出力端子がn型MOSFET21のゲートに接続されている。NOT回路20の出力は、信号V3を反転させた図3(b)に示す信号V4であり、信号Va0および信号Vb0の立ち上がりのタイミングで、遅延時間TaだけHi状態となる信号であり、n型MOSFET21は、信号Va0および信号Vb0の立ち上がりのタイミングで、遅延時間TaだけONされることになる。
【0018】
電流源22の一端は、電源Regに接続され、電流源22の他端はn型MOSFET21のドレインと、コンデンサ23の一端と、比較器24の非反転入力端子とに接続されている。また、n型MOSFET21のソースと、コンデンサ23の他端は接地されている。従って、n型MOSFET21がOFFのときは、コンデンサ23に電荷が蓄積され、n型MOSFET21がONされると、コンデンサ23に蓄積された電荷が引き抜かれることになり、比較器24の非反転入力端子には、図3(c)に示すように、信号Va0および信号Vb0の立ち上がりのタイミングから遅延時間Ta後に、直線的に立ち上がる信号V5が入力される。
【0019】
比較器24の反転入力端子には、基準電圧Vrefが入力され、比較器24によって、信号V5と、基準電圧Vrefとが比較され、図4(a)に示すような、信号Va0および信号Vb0の立ち上がりのタイミングからデッドタイムTb分遅延されたタイミングで立ち上がる周期がT/2の信号がデッドタイム生成用信号V6として比較器24の出力端子から出力される。
【0020】
比較器24の出力端子がAND回路17aの一方の入力端子に、AND回路14aの出力端子がAND回路17aの他方の入力端子にそれぞれ接続され、AND回路17aの出力端子が出力部11aに接続されている。従って、図2(c)に示す信号Va2と、図4(a)に示すデッドタイム生成用信号V6との論理積をとることで、図2(a)に示す信号Va0にデッドタイムTbを設けた図4(b)に示す駆動信号Va7がAND回路17aの出力端子(出力部11a)から出力される。すなわちAND回路17aは、スイッチング素子4aを駆動する駆動信号を生成する駆動信号生成回路として機能する。なお、AND回路14aから出力される信号Va2は、立ち上がりが遅延時間Ta分遅延されているため、信号Va2の立ち上がりのタイミングと、比較器24から出力されるデッドタイム生成用信号V6の立ち下がりのタイミングとが重なることがなく、意図しないパルスがAND回路17aから出力される駆動信号Va7に重畳されることを防止している。
【0021】
また、比較器24の出力端子がAND回路17bの一方の入力端子に、AND回路14bの出力端子がAND回路17bの他方の入力端子にそれぞれ接続され、AND回路17bの出力端子が出力部11bに接続されている。従って、図2(c)に示す信号Vb2と、図4(a)に示すデッドタイム生成用信号V6との論理積をとることで、図2(a)に示す信号Vb0にデッドタイムTbを設けた図4(b)に示す駆動信号Vb7がAND回路17bの出力端子(出力部11b)から出力される。すなわちAND回路17bは、スイッチング素子4bを駆動する駆動信号を生成する駆動信号生成回路として機能する。なお、AND回路14bから出力される信号Vb2は、立ち上がりが遅延時間Ta分遅延されているため、信号Vb2の立ち上がりのタイミングと、比較器24から出力されるデッドタイム生成用信号V6の立ち下がりのタイミングとが重なることがなく、意図しないパルスがAND回路17bから出力される駆動信号Vb7に重畳されることを防止している。
【0022】
デッドタイム生成回路3によって設けられるデッドタイムTbは、遅延回路2a、2bによる遅延時間Taと比べて長い時間であり、デッドタイムTbを左右するコンデンサ23の容量は、ドライブ回路1をIC化した場合に、ICに内蔵することが困難な値になる。従って、コンデンサ23は、ドライブ回路1をIC化した場合に、外付けコンデンサとして取り付けられ、コンデンサ23の容量によってデッドタイムTbを適宜設定することが可能になる。このように1個のコンデンサ23によって、2系統の信号Va0、Vb0に対するデッドタイムTbを設定することができるため、2系統の信号Va0、Vb0に設けられるデッドタイムTbの時間的バラツキを防止することができる。
【0023】
なお、第1の実施の形態では、デッドタイム生成回路3において電流源22を用いる構成を採用したが、電流源22としてカレントミラー回路を採用しても良く、また、従来技術のようにn型MOSFET21や電流源22を用いないデッドタイム生成回路を採用しても良い。さらに、比較器24の換わりにシュミットトリガ回路を採用しても良い。
【0024】
(第2の実施の形態)
第2の実施の形態は、第1の実施の形態のドライブ回路1における遅延回路2a、2bを変更した構成となっており、その他の構成は第1の実施の形態のドライブ回路1と同一である。
【0025】
第2の実施の形態は、図5を参照すると、NOT回路18c、抵抗12c、コンデンサ13c、NOT回路19cおよびAND回路14cからなる遅延回路2cが入力部10に接続されていると共に、NOT回路18d、抵抗12d、コンデンサ13d、NOT回路19dおよびAND回路14dからなる遅延回路2dがNOT回路15を介して入力部10に接続されている。
【0026】
遅延回路2cは、NOT回路18cの入力端子が入力部10に接続され、NOT回路18cの出力端子が抵抗12cの一端に接続され、抵抗12cと直列に接続されたコンデンサ13cの他端が接地されている。また、抵抗12cとコンデンサ13cとの接続点にNOT回路19cの入力端子が接続され、NOT回路19cの出力端子がAND回路14cの一方の入力端子が接続されていると共に、入力部10にAND回路14cの他方の入力端子が接続されている。これにより、入力部10からの信号Va0がNOT回路18cによって反転された後に、抵抗12cおよびコンデンサ13cで構成されたRC直列回路によって遅延され、再びNOT回路19cによって反転されて、図2(b)に示す信号Va1がAND回路14cの一方の入力端子に入力される。また、AND回路14cの他方の入力端子には、入力部10からの信号Va0が入力され、AND回路14cの出力端子からは、第1の実施の形態と同様に図2(c)に示す信号Va2が出力される。
【0027】
遅延回路2dは、遅延回路2cと同一の構成であり、NOT回路18dの入力端子がNOT回路18dのNOT回路15の出力端子に接続され、NOT回路18dの出力端子が抵抗12dの一端に接続され、抵抗12dと直列に接続されたコンデンサ13dの他端が接地されている。また、抵抗12dとコンデンサ13dとの接続点にNOT回路19dの入力端子が接続され、NOT回路19dの出力端子がAND回路14dの一方の入力端子が接続されていると共に、入力部10にAND回路14dの他方の入力端子が接続されている。これにより、NOT回路15の出力端子からの信号Vb0がNOT回路18dによって反転された後に、抵抗12dおよびコンデンサ13dで構成されたRC直列回路によって遅延され、再びNOT回路19dによって反転されて、図2(b)に示す信号Vb1がAND回路14dの一方の入力端子に入力される。また、AND回路14dの他方の入力端子には、NOT回路15の出力端子からの信号Vb0が入力され、AND回路14dの出力端子からは、第1の実施の形態と同様に図2(c)に示す信号Vb2が出力される。
【0028】
(第3の実施の形態)
第3の実施の形態のドライブ回路1aは、図6を参照すると、抵抗12e、コンデンサ13eからなる遅延回路2eが入力部10に接続されていると共に、抵抗12f、コンデンサ13fからなる遅延回路2fがNOT回路15を介して入力部10に接続されている。
【0029】
遅延回路2eは、抵抗12eの一端が入力部10に接続され、抵抗12eと直列に接続されたコンデンサ13eの他端が接地されている。また、抵抗12eとコンデンサ13eとの接続点にEXOR回路50の一方の入力端子が接続されている。また、EXOR回路50の他方の入力端子が入力部10に接続されている。これにより、EXOR回路50には、入力部10からの信号Va0と、信号Va0を抵抗12eおよびコンデンサ13eで構成されたRC直列回路によって遅延された図2(b)に示す信号Va1とが入力されることになり、EXOR回路50の出力端子からは、図3(b)に示す信号V4が出力される。
【0030】
EXOR回路50の信号V4は、デッドタイム生成回路3aに入力される。デッドタイム生成回路3aは、第1の実施の形態のデッドタイム生成回路3からNOT回路20を省略した構成であり、EXOR回路50の出力端子と、n型MOSFET21のゲートとが接続され、デッドタイム生成回路3aからは、第1の実施の形態のデッドタイム生成回路3と同様に図4(a)に示すデッドタイム生成用信号V6が出力される。
【0031】
遅延回路2fは、遅延回路2eと同一の構成であり、抵抗12fの一端がNOT回路15の出力端子に接続され、抵抗12fと直列に接続されたコンデンサ13fの他端が接地されている。これにより、遅延回路2fからは、NOT回路15によって信号Va0を反転させた信号Vb0を抵抗12fおよびコンデンサ13fで構成されたRC直列回路によって遅延された図2(b)に示す信号Vb1が出力されることになる。
【0032】
デッドタイム生成回路3aからのデッドタイム生成用信号V6がAND回路17aの一方の入力端子に、遅延回路2eの出力端子、すなわち抵抗12eとコンデンサ13eとの接続点にAND回路17aの他方の入力端子にそれぞれ接続され、AND回路17aの出力端子が出力部11aに接続されている。従って、図2(b)に示す信号Va1と、図4(a)に示すデッドタイム生成用信号V6との論理積をとることで、ドライブ回路1aからは、デッドタイムTbを設けた駆動信号Va7、すなわち図2(a)に示す信号Va0に対して、デットタイムTbを設けた図4(b)に示す駆動信号Va7がAND回路17aの出力端子(出力部11a)から出力される。
【0033】
また、デッドタイム生成回路3aからのデッドタイム生成用信号V6がAND回路17bの一方の入力端子に、遅延回路2fの出力端子、すなわち抵抗12fとコンデンサ13fとの接続点にAND回路17bの他方の入力端子にそれぞれ接続され、AND回路17bの出力端子が出力部11bに接続されている。従って、図2(b)に示す信号Vb1と、図4(a)に示すデッドタイム生成用信号V6との論理積をとることで、ドライブ回路1aからは、デッドタイムTbを設けた駆動信号Vb7、すなわち図2(a)に示す信号Vb0に対して、デットタイムTbを設けた図4(b)に示す駆動信号Vb7がAND回路17bの出力端子(出力部11b)から出力される。
【0034】
なお、本発明が上記各実施の形態に限定されず、本発明の技術思想の範囲内において、各実施の形態は適宜変更され得ることは明らかである。また、上記構成部材の数、位置、形状等は上記実施の形態に限定されず、本発明を実施する上で好適な数、位置、形状等にすることができる。なお、各図において、同一構成要素には同一符号を付している。
【符号の説明】
【0035】
1 ドライブ回路
2a、2b、2c、2d、2e、2f 遅延回路
3、3a デッドタイム生成回路
4a、4b スイッチング素子
10 入力部
11a、11b 出力部
12a、12b、12c、12d、12e、12f 抵抗
13a、13b、13c、13d、13e、13f コンデンサ
14a、14b、14c、14d AND回路
15 NOT回路
16 OR回路
17a、17b AND回路
18c、18d、19c、19d NOT回路
20 NOT回路
21 n型MOSFET
22 電流源
23 コンデンサ
24 比較器
50 EXOR回路

【特許請求の範囲】
【請求項1】
直列に接続されている2つのスイッチング素子を、入力された矩形波である第1の信号と、当該第1の信号を反転させた第2の信号とで交互に駆動する際に、前記第1の信号および前記第2の信号に2つの前記スイッチング素子が同時に導通するのを防止するためのデッドタイムを設けるドライブ回路であって、
前記第1の信号を前記デッドタイムよりも短い時間遅延させる第1の遅延回路と、
前記第2の信号を前記デッドタイムよりも短い時間遅延させる第2の遅延回路と、
デッドタイム生成用のコンデンサを用い、前記第1の信号および前記第2の信号の立ち上がりのタイミングから前記デットタイム分遅延させたタイミングで立ち上がる前記第1の信号の1/2の周期のデッドタイム生成用信号を生成するデッドタイム生成回路と、
前記第1の遅延回路によって遅延された前記第1の信号と、前記デッドタイム生成回路によって生成された前記デッドタイム生成用信号とに基づいて前記第1の信号に前記デッドタイムが設けられた第1の駆動信号を生成する第1の駆動信号生成回路と、
前記第2の遅延回路によって遅延された前記第2の信号と、前記デッドタイム生成回路によって生成された前記デッドタイム生成用信号とに基づいて前記第2の信号に前記デッドタイムが設けられた第2の駆動信号を生成する第2の駆動信号生成回路とを具備することを特徴とするドライブ回路。
【請求項2】
前記第1の遅延回路と前記第2の遅延回路とは、同一の構成であることを特徴とする請求項1記載のドライブ回路。
【請求項3】
前記第1の信号の1/2の周期のタイミング信号を生成するタイミング信号生成回路を具備し、
前記デッドタイム生成回路は、前記タイミング信号生成回路によって生成された前記タイミング信号に基づいて前記デッドタイム生成用信号を生成することを特徴とする請求項1又は2記載のドライブ回路。
【請求項4】
前記第1の遅延回路および前記第2の遅延回路は、前記第1の信号および前記第2の信号の立ち上がりのみをそれぞれ遅延させ、
前記タイミング信号生成回路は、前記第1の遅延回路および前記第2の遅延回路のそれぞれの出力を論理和するOR回路であることを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載のドライブ回路。
【請求項5】
前記第1の遅延回路および前記第2の遅延回路は、前記第1の信号および前記第2の信号の立ち上がりのみをそれぞれ遅延させ、
前記タイミング信号生成回路は、前記第1の遅延回路の出力と前記第1の信号とを排他的論理和するEXOR回路であることを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載のドライブ回路。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2012−50234(P2012−50234A)
【公開日】平成24年3月8日(2012.3.8)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−189520(P2010−189520)
【出願日】平成22年8月26日(2010.8.26)
【出願人】(000106276)サンケン電気株式会社 (982)
【Fターム(参考)】