ドレンタンク及び潜熱回収式燃焼装置
【課題】実質的な容積を変更することなく狭い場所でも容易に設置可能なドレンタンク、及びそのようなドレンタンクを備えた潜熱回収式燃焼装置の提供を課題とする。
【解決手段】本体部23と、上面部54と、水位検出手段とを有し、前記上面部54に高位置部58と、高位置部58に対して低い位置にあって高位置部58と連続する低位置部である電極配置部61とを備え、前記水位検出手段は、本体部23に貯留したドレンの水位を検出可能なものであって、前記水位検出手段の少なくとも一部が電極配置部61に取付けられているドレンタンク15を提供する。
【解決手段】本体部23と、上面部54と、水位検出手段とを有し、前記上面部54に高位置部58と、高位置部58に対して低い位置にあって高位置部58と連続する低位置部である電極配置部61とを備え、前記水位検出手段は、本体部23に貯留したドレンの水位を検出可能なものであって、前記水位検出手段の少なくとも一部が電極配置部61に取付けられているドレンタンク15を提供する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、潜熱回収式燃焼装置で燃焼ガスの潜熱を回収する際に発生するドレンを貯留するドレンタンクに関するものであり、より詳細には、発生したドレンを中和して排出する燃焼装置のドレン排水系統において中和後のドレンを貯留するドレンタンクに関するものである。また、そのドレンタンクを備えた潜熱回収式燃焼装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
バーナを燃焼させた際に発生する燃焼ガスを利用する燃焼装置として、燃焼ガスの潜熱を回収する熱交換器を備えた潜熱回収式燃焼装置が知られている。この潜熱回収式燃焼装置は、燃焼ガスの主に顕熱を回収する一次熱交換器に加え、潜熱を回収する二次熱交換器(潜熱回収型の熱交換器)が具備されており、高い熱効率を有している。
【0003】
このような燃焼装置でバーナを燃焼させる際の燃料として、主成分がメタンやプロパン等のガスが使用されている。このようなガスは水素を含有しており、燃焼させると燃焼ガス中に水蒸気が含まれる。このことから、この水蒸気が有する潜熱を二次熱交換器で回収すると、燃焼ガス中の水蒸気が液化してドレンが発生する。加えて、燃焼によって空気中の窒素と酸素とが反応して窒素酸化物が生成されるため、燃焼ガスに晒されたドレンがこの窒素酸化物によって酸性となる。即ちこのような潜熱回収式燃焼装置では、得てして酸性のドレンが発生してしまう。
【0004】
この酸性のドレンは、具体的には強酸を呈する硝酸であるため、処理を行うことなくそのまま外部に排水すると環境等に対して悪影響を及ぼす懸念がある。そのためこの種の燃焼装置は、二次熱交換器で発生したドレンを中和器で中和してから外部に排水するドレン排出系統を備えた構成とする場合がある。
ここでドレン排出系統には、中和器で中和したドレンをそのまま外部に排水する構成と、中和器で中和したドレンを一時的にドレンタンクに貯留した後で外部に排水する構成とがある。
【0005】
後者の構成として、例えば、特許文献1に開示されている不要水排出装置がある。特許文献1に開示されている不要水排出装置は、発生したドレンを中和器で中和した後、レベルセンサを備えたドレンタンクに導入する。そして、レベルセンサでドレンタンク内のドレンの水位を監視し、ドレンタンク内に貯留したドレンが一定の水位を超えるとドレンタンク内のドレンを外部へ排出するものである。
このように中和したドレンを貯留した後で外部に排出する構成では、中和器で中和したドレンをそのまま外部に排出する構成と比べて、ドレンを排出するタイミングを管理可能であるといった利点がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特許第4353916号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
ところで、近年、狭い場所に設置可能な燃焼装置が市場から望まれており、そのような要求に応えるべく小型化された燃焼装置が開発されている。このような燃焼装置では、燃焼装置の内部空間が実質的に狭くなるため、ドレンタンクの設置位置に広い空間が確保できなくなってしまう。そのため、ドレンタンクから突出するレベルセンサ等の部分がドレンタンク周辺に位置する機器や配管に当接してしまいドレンタンクを設置できなくなるという問題がある。
【0008】
このような小型化された燃焼装置にドレンタンクを設置する方法として、ドレンタンク本体の小型化が考えられる。しかしながら、ドレンタンク本体を小型化してしまうと十分な容積が確保できず、ドレン排出動作を頻繁に行わなければならなくなってしまい、制御の自由度が下がってしまうといった問題がある。
【0009】
またドレンタンクの設置向きを変更することにより、ドレンタンク周辺に位置する機器や配管の間を縫うようにレベルセンサ等の部分を配置するという方法が考えられる。しかしながら、上記したようにドレンタンクを設置する場所が狭いため、ドレンタンクの設置向きの変更には制限があり、ドレンタンクから突出するレベルセンサ等の部分を適切な場所に位置させることが難しいという問題がある。
【0010】
そこで本発明は上記した従来技術の問題点を鑑み、ドレンタンク本体の容積及び設置向きを変更することなく小型化された燃焼装置内に設置可能なドレンタンクを提供することを課題とする。加えて、そのようなドレンタンクを備えた潜熱回収式燃焼装置を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0011】
上記課題を解決するための請求項1に記載の発明は、燃焼器と、主に燃焼ガスの潜熱を回収する熱交換器とを有する潜熱回収式燃焼装置において、前記潜熱回収式燃焼装置内から前記熱交換器で発生するドレンを排出するドレン排水系統を有するドレンタンクであって、本体部と、上面部と、水位検出手段とを有し、前記上面部に高位置部と、高位置部に対して低い位置にあって高位置部と連続する低位置部とを備え、前記水位検出手段は、本体部に貯留したドレンの水位を検出可能なものであって、前記水位検出手段の少なくとも一部が低位置部に取付けられていることを特徴とするドレンタンクである。
【0012】
本発明のドレンタンクは、上面部に高位置部と低位置部とがあり、低位置部に水位検出手段が取付けられている。そのことにより、水位検出手段の上面部から上側へ突出している部分の多くの部分、又は上側へ突出している全ての部分を低位置部と高位置部との間に位置させることができる。つまり、高位置部と低位置部の高さの差によって形成される空間に水位検出手段の突出部分を収納する(又は突出部分の多くの部分を配置する)ことにより、水位検出手段が高位置部より上側に突出しないように配置できる(又は水位検出手段を高位置部から上側へ大きく突出しないように配置できる)。
即ち、本発明のドレンタンクは水位検出手段をドレンタンク本体から全く突出させない、又は僅かしか突出させない状態で取付けることができる。そのため本発明のドレンタンクは、周辺に機器や配管、配線等が存在する狭い場所に設置する場合であっても、ドレンタンクから突出した水位検出手段がこれら機器や配管、配線等に当接する、引っ掛かるといった問題が発生することがない。したがって本発明のドレンタンクは、ドレンタンク本体の大きさや設置位置を変更することなく狭い空間に配置することができる。
【0013】
請求項2に記載の発明は、前記上面部は溝部を備え、溝部は上面部の縁部分と低位置部とに接していること特徴する請求項1に記載のドレンタンクである。
【0014】
かかる構成によると、ドレンタンクに他の機器や配管等からの水が降りかかることによって発生してしまう水位検出手段の誤動作や故障を防止することができる。詳細に説明すると、本発明のドレンタンクは上面部に高位置部と低位置部とを有しており、上面部の一部が周囲より低くなっている。そのことにより、ドレンタンクの上側から水が降りかかると周囲より低くなっている低位置部に水が溜まってしまう虞がある。そして低位置部に水が溜まってしまうと、低位置部に設けられた水位検出手段が水に浸かってしまい、水位検出手段の誤動作や故障が発生してしまう場合がある。しかしながら、本発明では上面部に低位置部と上面部の縁部分とを繋ぐ溝部が形成されている。そのため低位置部に流れ込んだ水は、低位置部に溜まってしまう前に溝部に流れ込み、溝部を伝って上面部の縁部分に至り、上面部の縁部分から外部へと排水される。つまり本発明によると、他の機器や配管等から降りかかった水が低位置部に流れ込んでしまっても、低位置部に水が溜まらないので、水位検出手段の誤動作や故障が発生しない。
【0015】
請求項3に記載の発明は、前記水位検出手段は丸棒状の電極を備え、前記上面部を貫通する取付け孔を有し、当該取付け孔は前記電極を挿通可能であって、取付け孔の開口近傍に筒状の突起を有することを特徴とする請求項1又は2に記載のドレンタンクである。
【0016】
本発明の水位検出手段は、丸棒状の電極を上面部の取付け孔に挿通して取付ける共に電極をドレンタンク本体の内部に伸ばし、電極にドレンタンク内部のドレンを接触させることによってドレンタンク内部のドレンの水位(液位)を検出する構成であってもよい。またその場合、取付け孔の開口近傍に筒状の突起を形成し、取付け孔の開口と突起の貫通孔とを連通させ、電極を突起の貫通孔と取付け孔に挿通するような構成とすることが望ましい。なぜなら、このような構成によると水位検出手段の誤動作をより確実に防止することができるためである。即ち、上述の通り、ドレンタンクの上面部にある低位置部には外部からの水が溜まってしまう虞がある。このとき、低位置部に取付けられた電極に溜まった水が接触すると、水位検出手段がその溜まった水を検出して誤動作する可能性がある。ここで、低位置部に底面から突出する突起を設けて、その突起に突起本体を上下方向に貫通する貫通孔を形成し、その貫通孔に電極を挿通することにより、電極の低位置部の底面近傍に位置する部分を突起によって覆われた状態とすることができる。そのことにより、仮に低位置部に水が溜まってしまっても、溜まった水は突起に接触するのみであり電極に直接接触することがない。
つまり本発明によると、低位置部に水が溜まってしまっても、溜まった水の水面が突起の高さより低い位置にある限り電極に水が接触することがない。そのことにより、水位検出手段が低位置部に溜まった水に接触することで発生する誤動作をより確実に防ぐことができる。
【0017】
請求項4に記載の発明は、前記上面部の裏面に環状の堰を有し、当該堰の内側に前記取付け孔の開口が位置することを特徴とする請求項3に記載のドレンタンクである。
【0018】
かかる構成によると、複数の棒状の電極を取付けた場合であっても、電極間の水膜(液膜)の発生を抑制できる。
詳細に説明すると、ドレンタンクの上面部に複数の棒状の電極を取付け、それらを上面部の裏面から下側に向かって突出させてドレンタンクの内部に配した場合、ドレンタンク内の水位が上下することによって棒状の電極間に水膜が発生してしまうことがある。即ち、ドレンタンクにドレンが溜まっていくことでドレンタンク内のドレンの水位(液位)が上昇した後、排水等を経て水位が下降すると、電極が一旦ドレンに浸かってしまうことにより電極間に水膜が形成されてしまう。このような水膜が形成されると、水膜が形成された位置をドレンタンク内に貯留したドレンの水面の位置として誤検知してしまう虞がある。
ここでこのようなドレンタンク内の電極間に形成される水膜(液膜)について考察する。ドレンタンク内の電極間に形成される水膜は大きく分けて、3面に接触して形成されるものと、2面に接触して形成されるものに分類される。このとき、3面に接触する水膜は、2つの電極の側面及び上面部の裏面(内部空間の天井面)の3面に接触する。そして、2面に接触する水膜は、2つの電極の向かい合う位置にある各側面に接触する。つまり、水膜は2つの棒状の電極の間に水(ドレン)が薄い膜を張ることで形成されるものであるが、ドレンの水面がドレンタンクの内部空間の天井面に接触するまで上昇した場合、2つの電極だけでなくこの天井面にも接触する水膜が形成される場合がある。このように形成された3面に接触する水膜は、2つの電極の各側面の2面に接触する水膜に比べて、接触面が多くなり形状が強固に維持されるという特徴がある。したがって、3面に接触する水膜は2面に接触する水膜と異なり、重力等によって自然消滅し難いという問題がある。
しかしながら本発明によると、ドレンタンク内の水位(液位)が上昇して水面が天井面へ接近した場合、天井面に環状の堰が形成されているため、上昇する水面がやがて堰の突出方向の先端部分(上面部の裏面から下方向へ突出した堰の最も下側の部分)に到達する。このとき、堰で囲まれた空間が上昇した水面によって封止される。このことにより、堰で囲まれた部分に空気溜まりが形成され、その後にさらに水面が上昇しても空気溜まりの部分へのドレンの侵入を阻止することができる。ここで、堰で囲まれた部分の取付け孔には電極が挿通されている。換言すると、ドレンタンク内では堰で囲まれた部分に棒状の電極が取り付けられており、電極は堰で囲まれた部分から下側へ向かって突出している。そして上記したように、本発明によると内部空間の天井面の堰で囲まれた部分にはドレンが侵入しないので、ドレンタンク内の電極の突出方向の基端部分にドレンが接触することがない。そのことにより、2つの電極と蓋部下面とが連続している電極の突出方向基端部分に水膜が形成されることがなく、上記した3面に接触する水膜が形成されることがない。
即ち本発明によると、3面に接触する水膜が形成されないため、電極間に発生する水膜は重力等によって自然消滅する2面に接触する水膜に限られる。そのため、電極間に発生した水膜は大半が消滅してしまうので、電極間に水膜が発生し難い。
【0019】
ところで、ドレンタンクには大きく分類して上側からドレンを導入するものと、側面側からドレンを導入するものとがある。ここで、側面側からドレンを導入する形式のドレンタンクにドレンを貯留する場合について考える。この場合、一般的に、ドレンタンク内のドレンの水面(液面)の高さがドレンタンクの側面に形成したドレン導入口又は空気流通口の位置より高い位置にならないようにドレンを貯留している。つまり従来技術のドレンタンクでは、ドレンタンク内部において、内部空間の天井面からドレンの水面の最大高さ(ドレン導入口又は空気流通口の最も下側の部分が位置している高さ)までの間に形成される空間が使用されていなかった。
【0020】
このような問題を鑑みて提案する請求項5に記載の発明は、前記本体部の側面にドレン導入口及び空気流通口が設けられていることを特徴とする請求項1乃至4のいずれかに記載のドレンタンクである。
【0021】
かかる構成によれば、側面側からドレンを導入する形式のドレンタンクにおいて使用されていなかった空間を有効に活用することができる。
詳細に説明すると、本発明のドレンタンクは上面部に高位置部と高位置部に対して低い位置にある低位置部とがある。つまり、上面の一部に凹部が形成されている。このことにより、上面部の裏面(ドレンタンク内部空間の天井面)の一部であって上面部に形成された凹部の裏側部分では、凹部の凹み方向に突出する凸部が形成されている場合がある。またさらに、天井面の一部だけでなく、天井面の広範囲又は全面に亘って凸部が形成される場合がある。ここで本発明によると、天井面のこのような凸部を前述の「従来技術で使用されていなかった空間」である「天井面からドレンの水面の最大高さまでの間に形成される空間」に収納することができる。したがって、ドレンタンクの実質的な貯留可能量を低減させることなく、上面部に低位置部を形成することができる。つまり本発明は、側面側からドレンを導入する形式のドレンタンクに対してより好適に実施することができる。
【0022】
請求項6に記載の発明は、燃料を燃焼するバーナと、バーナが作動して生成される燃焼ガスの主に顕熱を回収する一次熱交換器と、当該燃焼ガスの主に潜熱を回収する二次熱交換器と、請求項1乃至5のいずれかに記載のドレンタンクを備えた排出系統と、を有することを特徴とする潜熱回収式燃焼装置である。
【0023】
本発明の潜熱回収式燃焼装置は上記した請求項1乃至5のいずれかに記載のドレンタンクを備えており、潜熱回収式燃焼装置を小型化してもドレンタンク本体はその大きさを維持することができる。そのことにより、中和したドレンを十分に貯留した後で排出可能であるため、ドレンの排出動作を頻繁に行う必要がなく、ドレンの排出動作の効率がよい。即ち、本発明の潜熱回収式燃焼装置では小型化とドレンの排出動作の効率化とを同時に実現できる。
【発明の効果】
【0024】
本発明のドレンタンクは、水位検出手段をドレンタンク本体から突出させずに設けることができる。そのため本発明のドレンタンクは、ドレンタンク本体の容積及び設置位置を変更することなく、周辺に機器や配管、配線等が存在する狭い空間に配置できるという効果がある。
また、そのようなドレンタンクを備えた本発明の潜熱回収式燃焼装置は、小型化しても中和したドレンを十分に貯留した後で排出可能である。そのため、小型化してもドレン排出動作を効率よく実施できるという効果がある。
【図面の簡単な説明】
【0025】
【図1】本発明の実施形態に係る潜熱回収式燃焼装置を示す構成図である。
【図2】本発明の実施形態に係るドレンタンクを示す斜視図である。
【図3】図2のドレンタンクの分解斜視図である。
【図4】図3のドレンタンクの本体部を別方向から見た斜視図であり、ドレンタンクの本体部を天地逆にした状態を示す。
【図5】図2ドレンタンクをA方向から見た平面図である。
【図6】図3のドレンタンクの蓋部を別方向から見た斜視図であり、ドレンタンクの蓋部を天地逆にした状態を示す。
【図7】図3のドレンタンクの蓋部のB−B断面図である。
【図8】図1の潜熱回収式燃焼装置に係る作動原理図である。
【図9】図2のドレンタンクの内部にドレンが溜まっていく様子を示す説明図であり、(a)〜(d)の順にドレンが溜まっていく。
【図10】図2のドレンタンクの外側に降りかかった液体が外部へ排出される様子を示す説明図であり、(a)〜(c)の順に液体が流動する。
【図11】図10のA−A断面図であり、(a)〜(c)はそれぞれ図10(a)〜(c)のA−A断面図である。
【図12】図2とは異なる形態のドレンタンクを示す斜視図である。
【図13】図2、図12とは異なる形態のドレンタンクを示す斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0026】
以下、本発明の実施形態について詳細に説明するが、本発明はこれらの例に限定されるものではない。
【0027】
潜熱回収式燃焼装置1は、図1に示すように、筺体2の内部に燃焼部(燃焼器)3と、主に顕熱を回収する一次熱交換器4と、主に潜熱を回収する二次熱交換器(熱交換器)5と、二次熱交換器5で発生したドレンを外部に排出するためのドレン排出系統6とを少なくとも備えている。なお、この筺体2内には後述する風呂循環回路や暖房循環回路等が備わっているが、説明を容易にするため図示を省略するものとする。
【0028】
そして潜熱回収式燃焼装置1は、筐体2のほぼ中央に燃焼部3を有しており、燃焼部3の上側には一次熱交換器4、二次熱交換器5を順に配している。これらは、燃焼部3における燃焼動作に伴って発生する高温の燃焼ガスが流れる部分であり、二次熱交換器5は、一次熱交換4に対して燃焼ガスの流れ方向下流側に位置している。したがって燃焼部3で発生する燃焼ガスは、一次熱交換器4を通過して二次熱交換器5に至る。そして、図示しない排気口を通じて二次熱交換器5を通過した燃焼ガスが排気される。
【0029】
燃焼部3は、直方体状のケースに収納された複数のバーナ7と、送風機8とを少なくとも備えており、ケースの内部下方にバーナ7が収容され、ケースの外側でその下方に送風機8が取り付けられている。即ち、燃焼部3は送風機8を作動させて各バーナ7に空気を供給し、さらに図示しない燃料供給源から各バーナ7に燃料ガスが供給されて、各バーナ7で燃焼させる構成とされている。そしてその際に発生する燃焼ガスは、燃焼部3の上方に向かって流れる。
【0030】
一次熱交換器4は公知の気・液熱交換器であって、燃焼部3より燃焼ガスの流れ方向下流側に配置されている。一次熱交換器4は、湯水が流れる銅製の受熱管と、フィン(図示せず)とを備えている。即ち、一次熱交換器4に至った燃焼ガスは、受熱管に加えてフィンとも接して熱交換することができるため、受熱管を流れる湯水が効率的に熱交換される。
【0031】
二次熱交換器5は公知の気・液熱交換器であって、前記したように、一次熱交換器4より燃焼ガスの流れ方向下流側に配置されている。そして、二次熱交換器5は湯水が流れる図示しない受熱管により構成されている。
ここで前記したように、二次熱交換器5は燃焼ガスの主に潜熱を回収するので、二次熱交換器5では燃焼ガスの温度が一定値以下に低下する。そのことにより、燃焼ガスに含まれる水蒸気が液化してドレンが発生する。そして発生したドレンが燃焼ガスに晒されることにより、燃焼により生成された窒素酸化物が溶け込んで酸性を呈する。
なお本実施形態では、二次熱交換器5の受熱管の原料に耐腐食性が高いステンレス鋼等を採用するものとする。そのことにより、発生したドレンによる受熱管の腐食の進行を抑制することができる。
【0032】
ここで、二次熱交換器5には外部から加熱対象となる湯水を供給するための入水配管9が図1における背面側から接続されている。また、一次熱交換器4には湯水の供給先に繋がる出水配管10が接続されている。そして、二次熱交換器5と一次熱交換器4は接続管11により接続され、二次熱交換器5が一次熱交換器4より湯水の流れ方向上流側に位置するように配されている。
したがって給湯先等において給湯要求があった場合、外部の給水源から入水配管9に湯水が供給され、二次熱交換器5に湯水が流入される。そして、二次熱交換器5を流れた後で一次熱交換器4内を流れた湯水が順次熱交換加熱され、一次熱交換器4に接続された出水配管10から給湯先に向けて供給される。
【0033】
そしてこのとき、一次熱交換器4と二次熱交換器5との間には、二次熱交換器5における潜熱回収により発生したドレンを回収する回収部(図示せず)が設けられ、当該回収部にドレン排水系統6が接続されている。このドレン排水系統6は、ドレンの流れ方向上流側から順番に、前記回収部に設けられたドレン排水口(図示せず)、上流側ドレン配管部材12、中和装置13、下流側ドレン配管部材14、ドレンタンク15、排出側ドレン配管部材16、ドレン排出用ポンプ17、排出用配管部材(図示せず)によって構成されている。
【0034】
ドレン排水系統6では、ドレン排水口から排出されたドレンが上流側ドレン配管部材12を介して中和装置13に流入し、中和装置13内で中和される。この中和されたドレンは、中和装置13から下流側ドレン配管部材14に排出され、下流側ドレン配管部材14からドレンタンク15内に流れ込んでいく。そしてドレンタンク15内に貯留されたドレンを、ドレン排出用ポンプ17を稼働させることにより、排出側ドレン配管部材16から排出する。ドレンタンク15内から排出されたドレンは、ドレン排出用ポンプ17に接続された排出用配管部材(図示せず)に至り、この排出用配管部材から外部に排水される。
【0035】
ここで本発明の特徴的構成部材たる、ドレンタンク15について説明する。
ドレンタンク15は、図1に示されるように、筺体2の中央部よりやや下側の位置であって、周囲を燃焼部3や配管、ポンプ等に囲まれた位置に配置されている。このドレンタンク15は、図2で示されるように、本体部23と蓋部24から形成されている外形が略直方体箱状の部材であり、内部に液体(ドレン)を貯留可能となっている。そして蓋部24には、水位検出手段(図示せず)の一部である電極26、27、28が一体に取り付けられている。
【0036】
本体部23は、図3、4に示されるように上部が開放された容器であり、1つの底面部30と、底面部30に立設されている4つの側面部31、32、33、34によって形成されている。このとき4つの側面部31、32、33、34は、底面部30の縁端を囲むように一体的に接合されており、4つの側面部31、32、33、34に囲まれた部分にドレンを貯留可能な貯留空間36が形成されている。
【0037】
底面部30は、図4に示されるように、外形が略凸字状の面であり底面部30の略中心部分に位置する平面部40と、平面部40と連続する3つの傾斜部41、42、43から形成されている。
3つの傾斜部の内の1つである第1傾斜部41は、底面部30の短手方向(図4におけるZ方向)の片側端部に形成され、底面部30の長手方向(図4におけるX方向)に沿って延びている長方形状の傾斜面である。この第1傾斜部41は、平面部40の一部である略長方形状の部分40aと短辺同士が接触するように連続している。そして、平面部40と連続している部分から側面部32と連続している部分まで延設され、側面部32に近づくにつれて本体部23の上側(図4におけるY方向下側)に向かって傾斜している。
第2傾斜部42は、平面部40の短手方向(図4におけるX方向)の端部の内の一方と連続する面であり、平面部40側から外側に向かうにつれて本体部23の上側(図4におけるY方向下側)に向かって傾斜している。
第3傾斜部43は、平面部40の短手方向(図4におけるX方向)の端部の内の一方であって、前記第2傾斜部42と連続する端部と異なる端部に連続する面である。この第3傾斜部43は急勾配部43a、接続平面部43b、緩勾配部43cによって形成されている。詳しくは、平面部40側から外側(側面部32側)へむかって急勾配部43a、接続平面部43b、緩勾配部43cの順に段を成して連続しており、急勾配部43aと緩勾配部43bは外側(側面部32側)に近づくにつれて本体部23の上側(図4におけるY方向下側)に向かって傾斜している。なおこのとき、緩勾配部43cは急勾配部43aに比べて緩やかに傾斜すると共に、その面積が急勾配部43aより広くなっている。
ここで急勾配部43aには、その長手方向(図4におけるZ方向)の端部近傍にドレン排出部45が設けられている。
【0038】
ドレン排出部45は、図3、4、5に示されるように、急勾配部43aから外側へ向かって突出する管状部材であって、急勾配部43aに対して垂直な方向に突出している。さらに、このドレン排出部45の中心孔は急勾配部43aを貫通する貫通孔(図示せず)と連続しており、本体部23内の貯留空間36と外部とを連通している。そして、このドレン排出部45の内径及び急勾配部43aを貫通する貫通孔の孔径は一定の大きさとなっている。このとき、ドレン排出部45の外周部分には突出方向の中途に外径が拡径された段部45aが設けられている。加えて、ドレン排出部45の外周部分には、段部45aから突出方向先端にかけて外径が次第に狭径となるテーパ部45bが設けられている。即ち、ドレン排出部45aは、テーパ部45bにより配管部材を装着させやすく、段部45aにより配管部材が外れにくい構成となっている。
【0039】
次に4つの側面部31、32、33、34について、図3、4を参照しつつ説明する。
まず第1の側面部31は、図3に示されるように、2つの略長方形板状の部分31a、31bを有し、これらが段を成して連続している。
次に第2の側面部32は、外形が略太いL字状の板状部分であり、第1の側面部31と略直角に交わって連続している(図3参照)。
そして第3の側面部33は、図4に示されるように、長方形と三角形とを足し合わせたような台形状である第1板状部分33aと、略等脚台形状の第2板状部分33bとを有している。これら第1板状部分33aと第2板状部分33bは段を成して連続しており、第1板状部分33aは第2板状部分33bより外側(図4における手前側)に位置している。加えてこの第3の側面部33は、第2の側面部32と略直角に交わって連続している(図4参照)。
最後に第4の側面部34は、正方形状の部分34aと幅方向(図4におけるZ方向)片側端部に位置する長方形状の部分34bが段を成して連続して形成されている。この第4の側面部34は第3の側面部33及び第1の側面部31とそれぞれ略直角に交わって連続している。
【0040】
ここで、図3、4に示されるように、4つの側面部31、32、33、34はその上端近傍に各側面部31、32、33、34からそれぞれ垂直な方向に突出する立壁部47を有している。この立壁部47は、本体部23の外周に沿って延設されて環状に連続している。
【0041】
また第3の側面部33の上端近傍には、図3、4に示されるように、筺体2に形成された係合部(図示せず)と係合可能な第一係合部分48、第二係合部分49が設けられている。
第1係合部分48は、板状の部材の長手方向端部を鉤状に屈曲させた部材であり、屈曲させた先端部分は略コ字状に曲がっている。
第二係合部分49は、長方形平板状の部分の短手方向両端にそれぞれ板状の部材を立設したような形状であり、断面略コ字状に延びている。このとき、第二係合部分49の先端部分であり、前記した2つの板状部分の一部は面取りされている。さらに第二係合部分49には、その先端部分に前面から背面を貫通する貫通孔が形成されている。そして、第二係合部分49の背面には、長手方向の中心部分付近に突起部が形成されている(図4参照)。この突起部は円柱の先端に円錐台を取り付けたような形状であり、長方形平板状の部分から垂直に突出している。
【0042】
さらにまた、図3、5で示されるように第1の側面部31と第3の側面部33、第2の側面部32と第4の側面部34は互いに対向する位置に設けられている。そして第2の側面部32には、第1の側面部側の端部の上端近傍にドレン導入部(ドレン導入口)51が形成されている(図3参照)。さらに、第4の側面部34の第1の側面部側の端部の上端近傍には空気流通部(空気流通口)52が設けられている(図3、4参照)。したがって、図3に示されるように、ドレン導入部(ドレン導入口)51と空気流通部(空気流通口)52とは対向する位置にある。
【0043】
ドレン導入部51は、第2の側面部32から外側へ向かって突出する管状部材であって、第2の側面部32に対して垂直な方向に突出している。さらに、このドレン導入部51の中心孔は第2の側面部32を貫通する貫通孔(図示せず)と連続しており、本体部23内の貯留空間36と外部とを連通している。そして、このドレン導入部51の内径及び第2の側面部32を貫通する貫通孔(図示せず)の孔径は一定の大きさとなっている。このとき、ドレン導入部51の外周部分には突出方向の中途に外径が拡径された段部51aが設けられている。加えて、ドレン導入部51の外周部分には、段部51aから突出方向先端にかけて外径が次第に狭径となるテーパ部51bが設けられている。即ち、ドレン導入部51は、テーパ部51bにより配管部材を装着させやすく、段部51aにより配管部材が外れにくい構成となっている。
【0044】
空気流通部52は、第4の側面部34から外側へ向かって突出する管状部材であって、第4の側面部34に対して垂直な方向に突出している。さらに、この空気流通部52の中心孔は第4の側面部34を貫通する貫通孔(図示せず)と連続しており、本体部23内の貯留空間36と外部とを連通している。ここで、この空気流通部52の内径は第4の側面部34を貫通する貫通孔(図示せず)の孔径より大きくなっている。即ち、空気流通部52の中心孔と第4の側面部34を貫通する貫通孔は空気流通部52の内部で段差を有して連続している(図示せず)。また、空気流通部52の外周部分にはその突出方向の先端部分にフランジ部52aが形成されている。フランジ部52aは環状のフランジであり、筒状の空気流通部52の外周面から外方へ向かって突出し、空気流通部52の周方向に延設されている。
【0045】
次にドレンタンク15の蓋部24について説明する。
蓋部24は、図3に示されるように、上面部54と、上面部54の縁端を囲むように一体的に接合し、鉛直方向(図3におけるY方向)下側に突出した側壁部55によって形成されている。
【0046】
上面部54は、平面視した(図3におけるA方向から見た)形状が略長方形状となっている。より具体的には、上面部54の対向する角部分の内で一対の角部分に、略四角形状に切り取られた切取部54a、54bが各々形成された一部欠けた部分を有する長方形状となっている。ここで、一方の切取部54aは平面視が略正方形状であり、他方の切取部54bは平面視が略長方形状となっている。そして略長方形状の切取部54bは角部分から蓋部24の長手方向(図3におけるX方向)に延びている。
また上面部54には、平面視した(図3におけるA方向からみた)形状が略L字状の凹部57が形成されており、この凹部57と、凹部57に対して高い位置にある高位置部58とに区画されている。
【0047】
凹部57は、高位置部58と連続する縁部分59が丸みを帯びており高位置部58となだらかに連続している。また凹部57は、蓋部24の長手方向に沿って延びる電極配置部(低位置部)61と、電極配置部61に対して略垂直な方向に延びる溝部62によって形成されている。
【0048】
電極配置部61は、図3に示されるように、上面部54の中心部分よりやや角部分(図3における手前側の角部分であって切取部54bが設けられていない側の角部分)よりの位置に設けられている。また、電極配置部61は長手方向の片側端部における一部分が溝部62と連続している。また電極配置部61には、3つの突起部(突起)66、67、68が形成されている。これら3つの突起部66、67、68は夫々円筒状の突起であり、電極配置部61から鉛直方向外側(図3におけるY方向上側)へ突出している。そして、図7で示されるように、突起部66、67、68の中心孔66a、67a、68aは蓋部24を貫通する3つの貫通孔63、64、65とそれぞれ連通している。
【0049】
溝部62は蓋部24の短手方向(図3におけるZ方向)に沿って延びており、その延び方向両端の片側端部が電極配置部61と連続しており、他方の端部が外部との境界である上面部54の縁端に形成されている。つまり、溝部62は電極配置部61の片側端部から上面部54の縁端まで連続しており、電極配置部61と外部とを繋いでいる。
【0050】
ここで蓋部24の下面部(裏面)70について説明する。
下面部70は、図6、7に示されるように、その縁部分を側壁部55によって取り囲まれており、側壁部55の内側に係合溝部71が形成されている。詳細に説明すると、下面部70には側壁部55から内側に向かってやや離れた位置に下面部70から図6における鉛直方向下側(図6におけるY方向上側)に突出する仕切壁部72が形成されている。そしてこの仕切壁部72は、側壁部55に沿って延びると共に環状に連続している。そして、この仕切壁部72と側壁部55との間の空間が係合溝部71となっている。
【0051】
加えて蓋部24の下面部70では、図3、6、7に示されるように、上面部54の凹部57の裏側に該当する部分が周囲より突出した凸部73となっている。この凸部73の縁部分74はゆるやかに傾斜して周囲と連続している。このとき、電極配置部61の裏側に該当する下面側電極配置部75にも、3つの突起部(突起)76、77、78が形成されている。これら3つの突起部76、77、78は夫々円筒状の突起であり、下面側電極配置部75から図7における鉛直方向下側(図6におけるY方向上側)に突出している。そして、突起部76、77、78の中心孔は蓋部24を貫通する3つの貫通孔63、64、65とそれぞれ連続している。
【0052】
ここで、下面側電極配置部75の縁部分には堰部(堰)80が形成されている。堰部80は下面側電極配置部75から図7における鉛直方向下側(図6におけるY方向上側)に突出する周壁状の部分であって、下面側電極配置部75の縁部分に沿って長円状に延びている。このとき堰部80は環状に連続しており、下面側電極配置部75と堰部80とで囲まれた一方が開放された空間81が形成されている。そして、下面側電極配置部75に形成された3つの突起部76、77、78はこの堰部80によって囲まれた空間81に位置している。
【0053】
また蓋部24には、上面部54側から下面部70側を貫通する取付け孔86、87、88が設けられている。詳細に説明すると、図3、5、6に示されるように、蓋部24の上面部54に形成した突起部66、67、68の中心孔66a、67a、68aは、蓋部24を貫通する3つの貫通孔63、64、65と夫々連続している(図3、7参照)。さらに、蓋部24の下面部70に形成した突起部76、77、78の中心孔76a、77a、78aもまた、蓋部24を貫通する3つの貫通孔63、64、65と夫々連続している(図6、7参照)。即ち、蓋部24の上面部54及び下面部70に形成されている突起部66、67、68と突起部76、77、78は蓋部24の本体部分を挟んで対向する位置にあり、その間に蓋部24を貫通する3つの貫通孔63、64、65が位置している(図7参照)。そのことにより、蓋部24には上面部54に形成された各突起部の中心孔66a、67a、68aと、蓋部24の上面部54から下面部70までを貫通する貫通孔63、64、65と、下面部70に形成された各突起部の中芯孔76a、77a、78aとが連なって形成される3つの連通孔が形成され、取付け孔86、87、88となっている。
【0054】
さらにまた、上記したように蓋部24には水位検出手段(図示せず)の一部である電極26、27、28が一体に取付けられている。具体的に説明すると、蓋部24の取付け孔86、87、88の孔径は丸棒状の電極26、27、28の直径と略同じとなっており、電極26、27、28は取付け孔86、87、88に隙間なく挿通可能となっている。そして、これら蓋部24の取付け孔86、87、88に電極26、27、28をそれぞれ挿通した状態とすることにより、電極26、27、28が蓋部24に一体に取付けた状態となっている。ここで、図7に示されるように、電極26、27、28の内の1つの電極26は、他の2つの電極27、28に比べて短くなっており、他の2つの電極27、28は同じ長さとなっている。そして、電極26、27、28は蓋部24の上面部54から上側(図7におけるY方向上側)へ同じ長さだけ突出するように取付けられている。したがって、3つの電極の蓋部24の上面部54より上側(図7におけるY方向上側)の部分の長さは同じであり、下面部70より下側の部分の長さは2つの電極27、28が残りの1つより長くなっている。
【0055】
なお、本実施形態ではドレンタンク15を筺体2内で使用する際、図2、5で示される様に本体部23と蓋部24を取り付けた状態で使用する。このとき、上記した蓋部24の下面部70に形成した係合溝部71(図6参照)に、本体部23の立壁部47より上側(図3におけるY方向上側)の部分が嵌め込まれており、蓋部24の側壁部55の突出端が立壁部47に接触した状態になっている(図5参照)。
【0056】
そして本発明のドレンタンク15は、上記したように、蓋部24の上面部54において周囲に位置する高位置部58より低い位置にある電極配置部61に電極26、27、28を取り付けている。そのことにより、図5で示されるように、電極26、27、28の上面部54から(図5におけるY方向上側)上側に突出する部分は、その多くの部分が高位置部54より下側に位置した状態となる。ここでドレンタンク15の通常の設置状態、即ち、蓋部24を上側に位置するように設置した場合、高位置部54は蓋部24の内で最も上側に位置する面となる。このとき、電極26、27、28の多くの部分は高位置部54より下側に位置しているため、電極26、27、28の高位置部54より上側に位置する部分は僅かな部分のみとなる。換言すると本発明のドレンタンク15は、電極26、27、28を蓋部24の最も上側に位置する面から外側へ、僅かしか突出しない状態で取付けることができる。
したがって、ドレンタンク15を設置した際に、蓋部24の上側付近に機器や配管、配線等の部材が位置していたとしても、電極26、27、28がドレンタンク15の上部分にある蓋部24の最も高い位置から大きく突出していないので、電極26、27、28がこれらの部材に接触して設置できないということがない。そのため、本実施形態のドレンタンク15は狭い位置でも設置可能となっている。
【0057】
次に図8を参照しつつ、本実施形態の潜熱回収式燃焼装置1の動作について説明する。なお、図1と同様の部材については同じ番号を付して説明を省略する。また、説明を簡易化するために要部についてのみ説明するものとする。
【0058】
潜熱回収式燃焼装置1は、給湯口92に接続された図示しない給湯栓が開かれる等によって給湯の要求が認められると、給水口95から入水配管9に湯水が供給され、入水配管9に設けられた流量センサ96が流量を検知することにより、燃焼部3が燃焼作動を開始する。そして、その燃焼作動に伴って発生した燃焼ガスは、燃焼部3から上方へ向かって流れる。そして、その燃焼ガスは、一次熱交換器4が配置された領域に流入し、さらに燃焼ガス流れ方向下流に位置する二次熱交換器5が配置された領域に導入される。そして、二次熱交換器5で熱交換された燃焼ガスは、図示しない排気口から外部に排気される。
【0059】
一方、入水配管9を介して外部から供給されてきた湯水は、二次熱交換器5に導入される。二次熱交換器5に導入された湯水は、燃焼ガス中の主に潜熱を回収し、これにより加熱される。これに伴い、燃焼ガス中に含まれている水蒸気が凝縮し、二次熱交換器5の表面などにおいてドレンが発生する。
【0060】
二次熱交換器5で加熱された湯水は、二次熱交換器5から吐出され、一次熱交換器4内に導入される。そして一次熱交換器4に導入された湯水は、燃焼部3で生成された燃焼ガスとの熱交換により加熱される。一次熱交換器4では、燃焼ガス中の主に顕熱を回収してこれにより加熱される。このようにして一次熱交換器4において加熱された湯水は、一次熱交換器4から流出し、給湯口92へ向けて供給される。
【0061】
ところで潜熱回収式燃焼装置1の燃焼部3の上部には、上記した一次熱交換器4、二次熱交換器5に加えて、風呂暖房側一次熱交換器90、風呂暖房側二次熱交換器91が設けられている。これらはそれぞれ一次熱交換器4、二次熱交換器5と同様の気・液熱交換器である。この風呂暖房側一次熱交換器90、風呂暖房側二次熱交換器91は公知の風呂循環回路93や暖房循環回路94に接続され、これらから供給された湯水を昇温可能となっている。そしてまた、風呂循環回路93や暖房循環回路94に昇温した湯水を供給することができる。
【0062】
潜熱回収式燃焼装置1では、二次熱交換器5又は風呂暖房側二次熱交換器91における熱交換に伴ってドレンが発生する。ここで発生したドレンは、二次熱交換器5と一次熱交換器4の間や風呂暖房側二次熱交換器91と風呂暖房側一次熱交換器90の間に設けた図示しないドレン回収部に集まり、ドレン排水系統6を通じて外部に排水される。
【0063】
具体的に説明すると、ドレン回収部に集まったドレンは上流側ドレン配管部材12に排出され、ドレン配管部材12から中和装置13に流入し、中和装置13内で中和される。そして、中和されたドレンが中和装置13から下流側ドレン配管部材14に排出され、ドレン導入部51(図5参照)からドレンタンク15に流入する。
【0064】
ドレンタンク15内に流入した中和されたドレンは、ドレンタンク15内に貯留されていく。このときドレンタンク15には、図示しない水位検出手段の一部である電極26、27、28が一体に取り付けられており、ドレンタンク15内のドレンの水位を検知することができる。詳細には、ドレンタンク15内のドレンの水位が上昇していくと、図9(a)で示されるように、3つの電極の内の2本の長い電極27及び電極28にドレンが接触する。そのことにより、2つの長い電極27、28が電気的に接触してドレンの水位がこれらの電極27、28の最下端に至ったことを検出する。またその状態からさらにドレンが流入されると、図9(b)で示されるように、3つの電極の内の短い電極26にドレンが接触する。すると、短い電極26と長い電極27が電気的に接触し、ドレンの水位が短い電極26の最下端に至ったことを検出する。
【0065】
ドレンタンク15内に貯留されたドレンが規定量に達すると、ドレン排出用ポンプ17が動作し、ドレンタンク15のドレン排出部45(図5参照)から排出側ドレン配管部材16へドレンが排出される(図8参照)。そして排出されたドレンがドレン排出口97へと至り、外部へと排水される。
【0066】
ところで、ドレンタンク15内にドレンを貯留していく際に、貯留予定量を越えてドレンが流入してしまうことによってドレンの水位が予定以上に上昇する場合がある。しかしながら本実施形態のドレンタンク15では、そのような場合においても、ドレンと下面側電極配置部75の接触を阻止できる。詳細には、ドレンタンク15内に貯留予定量を越えてドレンが流入されると、図9(c)で示されるように、ドレンの水位が堰80の突出方向先端(最下端)に接触する。このとき、下面側電極配置部75と堰部80とで囲まれた空間81が、その開放された部分を上昇したドレンの水面(液面)によって封止される。このとき、この空間81には空気があるため、空間81に空気溜まりが形成される。そのことにより、さらにドレンが流入してドレンの水位が堰80の突出方向先端(最下端)より上昇しても、図9(d)で示されるように、空気溜まりを有する空間81にドレンが浸入しない。
【0067】
また、このように貯留予定量を越えてドレンが流入してしまった場合においても、ドレンの水位は、ドレン導入部51及び空気流通部52(図3参照)が設けられた位置より上側に上昇しない。具体的には、ドレン導入部51又は空気流通部52と連通する貫通孔、即ち、側面部32、34に形成したこれらの貫通孔(図示せず)の最下端部分より上側(図5及び図9(d)の線分Lより上側)までドレンの水位が上昇することがない。ここで、図9(d)で示されるように、蓋部24の上面部54に形成された凹部57及び下面部70に形成された凸部73は、いずれもドレンの水位が最も高くなった場合の位置(図9(d)の線分Lの位置)より上側に位置している。したがって、ドレンタンク15の蓋部24の上面部54に凹部57を形成しない場合、又は下面部70に凸部73を形成しない場合に比べて、これらを形成したドレンタンク15のドレンの貯留可能量(実質的な容積)は同等となっている。
【0068】
また潜熱回収式燃焼装置1の筺体2内では、故障や結露等によりドレンタンク15の上側からドレンタンク15に水滴(又は何らかの液体)が降りかかる場合がある。そのとき、その水滴がドレンタンク15の蓋部24の上面部54側に溜まってしまい、電極26、27、28に接触してしまうと、図示しない水位検出手段の誤動作や故障が発生してしまう虞がある。しかしながら本実施形態のドレンタンク15では、上側から降りかかる水滴の電極26、27、28への接触を防止可能であり、このような問題が発生することがない。筺体2内で上側から本実施形態のドレンタンク15に水滴が降りかかってしまった場合について、以下で詳細に説明する。
【0069】
ドレンタンク15の上側から水滴が降りかかると、ドレンタンク15の上面部54に水滴が付着する。このとき高位置部58に落下した水滴は、高位置部58より低い位置にある凹部57へ流れ込むため、図10(a)、図11(a)で示されるように、凹部57内に降りかかった水が溜まってしまう。ここで凹部57に取付けた3つの電極26、27、28に注目すると、上記したように、電極26、27、28の上面部54から突出している部分は、その突出方向の基端部分を突起66、67、68によって覆われている(図3参照)。したがって、図10(a)、図11(a)で示されるように、凹部57に溜まった水は突起66、67、68に接触するが、電極26、27、28には直接接触しない。
【0070】
また、上記したように凹部57は電極配置部61と溝部62によって形成され、溝部62は上面部54の縁端部分まで連続している。そのため、図10(b)、図11(b)で示されるように、凹部57に流れ込んだ水は溝部62を流れていく。そして、図10(c)、図11(c)で示されるように、流れた水が上面部54の縁端へと至り、上面部54の縁端から側壁部55を伝って流れ落ちて外部へと排出される。このように、本実施形態のドレンタンク15では、上側から降りかかって凹部57に流れ込んでしまった水は、溝部62に流入し、外部へと排出される。つまり、凹部57に溜まった水はその水位が上昇する前に外部へと排出されるものである。したがって、凹部57に流れ込んだ水の水位が突起66、67、68より上側に上昇せず、凹部57に流れ込んだ水と電極26、27、28の直接の接触を防止できる。
【0071】
上記した実施形態では説明を省略したが、本体部23の4つの側面部31、32、33、34の内側(貯留空間36側)には内部に向かって突出する突起が形成され、当該突起にネジ孔が形成されている。加えて、蓋部24の上面部54の縁端には貫通孔を形成されている。そして、本体部23に蓋部24を取付ける際にこれらをネジ止めするものである。そしてこのとき、蓋部24の係合溝部71(図6参照)にはゴム等の適宜部材で形成したリング状の部材が嵌め込まれている。
つまり本発明のドレンタンクは、本体部23に蓋部24を取付ける際、これらにネジ孔や、フック状の突起、そのような突起と対になる有底穴又は貫通孔などを形成して取り付けてもよい。このようにすると、本体部23と蓋部24とをより強固に取付けることができる。また、本体部23の蓋部24の間に封止部材を有する構成であってもよい。このようにすることで、本体部23と蓋部24の間からのドレンの漏れをより確実に防止できる。
【0072】
上記した実施形態では、本体部23と蓋部24を別途設けて蓋部24を本体部23に取付ける構成としたが、本発明のドレンタンクはこのような構成に限るものではない。例えば、本体部と蓋部を着脱不能に取り付けてもよい。また、蓋部を設けない構成であってもよく、本体部に上面を覆う天面部を一体に形成したドレンタンクであってよい。即ち、本発明のドレンタンクは内部に空間を有した箱状のものであればよい。
【0073】
また上記した実施形態では、上面部54に高位置部58に対して低い位置にある電極配置部61を設け、電極配置部61と連続する1つの溝部62を設けた。そして、これら電極配置部61と溝部62からなる凹部57を平面視が略L字状となるように形成した。しかしながら、本発明のドレンタンクにおける電極配置部61及び溝部62はこのような形態に限るものではない。
例えば、図12で示されるように、電極配置部102に二つの溝部103、104が連続するドレンタンク99であってもよい。即ち、溝部の数は1つに限るものではなく、溝部が二つ以上ある構成であっても構わない。そして、溝部の形状もまた任意の形状でよく、電極配置部及び外部と連続し、電極配置部に溜まった水を外部に排出できればよい。
【0074】
またさらに、図13で示されるように、溝部を設けず、電極配置部105の一部を上面部の縁端に直接接触させるドレンタンク100であってもよい。即ち、電極配置部に溜まった水を外部に排出できればよく、電極配置部の形状及び位置は適宜変更してよい。
【符号の説明】
【0075】
1 潜熱回収式燃焼装置
3 燃焼部(燃焼器)
5 二次熱交換器(熱交換器)
6 ドレン排水系統
15 ドレンタンク
23 本体部
26,27,28 電極
51 ドレン導入部(ドレン導入口)
52 空気流通部(空気流通口)
54 上面部
58 高位置部
61 電極配置部(低位置部)
62 溝部
66,67,68 突起部(突起)
76,77,78 突起部(突起)
80 堰部(堰)
86、87、88 取付け孔
【技術分野】
【0001】
本発明は、潜熱回収式燃焼装置で燃焼ガスの潜熱を回収する際に発生するドレンを貯留するドレンタンクに関するものであり、より詳細には、発生したドレンを中和して排出する燃焼装置のドレン排水系統において中和後のドレンを貯留するドレンタンクに関するものである。また、そのドレンタンクを備えた潜熱回収式燃焼装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
バーナを燃焼させた際に発生する燃焼ガスを利用する燃焼装置として、燃焼ガスの潜熱を回収する熱交換器を備えた潜熱回収式燃焼装置が知られている。この潜熱回収式燃焼装置は、燃焼ガスの主に顕熱を回収する一次熱交換器に加え、潜熱を回収する二次熱交換器(潜熱回収型の熱交換器)が具備されており、高い熱効率を有している。
【0003】
このような燃焼装置でバーナを燃焼させる際の燃料として、主成分がメタンやプロパン等のガスが使用されている。このようなガスは水素を含有しており、燃焼させると燃焼ガス中に水蒸気が含まれる。このことから、この水蒸気が有する潜熱を二次熱交換器で回収すると、燃焼ガス中の水蒸気が液化してドレンが発生する。加えて、燃焼によって空気中の窒素と酸素とが反応して窒素酸化物が生成されるため、燃焼ガスに晒されたドレンがこの窒素酸化物によって酸性となる。即ちこのような潜熱回収式燃焼装置では、得てして酸性のドレンが発生してしまう。
【0004】
この酸性のドレンは、具体的には強酸を呈する硝酸であるため、処理を行うことなくそのまま外部に排水すると環境等に対して悪影響を及ぼす懸念がある。そのためこの種の燃焼装置は、二次熱交換器で発生したドレンを中和器で中和してから外部に排水するドレン排出系統を備えた構成とする場合がある。
ここでドレン排出系統には、中和器で中和したドレンをそのまま外部に排水する構成と、中和器で中和したドレンを一時的にドレンタンクに貯留した後で外部に排水する構成とがある。
【0005】
後者の構成として、例えば、特許文献1に開示されている不要水排出装置がある。特許文献1に開示されている不要水排出装置は、発生したドレンを中和器で中和した後、レベルセンサを備えたドレンタンクに導入する。そして、レベルセンサでドレンタンク内のドレンの水位を監視し、ドレンタンク内に貯留したドレンが一定の水位を超えるとドレンタンク内のドレンを外部へ排出するものである。
このように中和したドレンを貯留した後で外部に排出する構成では、中和器で中和したドレンをそのまま外部に排出する構成と比べて、ドレンを排出するタイミングを管理可能であるといった利点がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特許第4353916号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
ところで、近年、狭い場所に設置可能な燃焼装置が市場から望まれており、そのような要求に応えるべく小型化された燃焼装置が開発されている。このような燃焼装置では、燃焼装置の内部空間が実質的に狭くなるため、ドレンタンクの設置位置に広い空間が確保できなくなってしまう。そのため、ドレンタンクから突出するレベルセンサ等の部分がドレンタンク周辺に位置する機器や配管に当接してしまいドレンタンクを設置できなくなるという問題がある。
【0008】
このような小型化された燃焼装置にドレンタンクを設置する方法として、ドレンタンク本体の小型化が考えられる。しかしながら、ドレンタンク本体を小型化してしまうと十分な容積が確保できず、ドレン排出動作を頻繁に行わなければならなくなってしまい、制御の自由度が下がってしまうといった問題がある。
【0009】
またドレンタンクの設置向きを変更することにより、ドレンタンク周辺に位置する機器や配管の間を縫うようにレベルセンサ等の部分を配置するという方法が考えられる。しかしながら、上記したようにドレンタンクを設置する場所が狭いため、ドレンタンクの設置向きの変更には制限があり、ドレンタンクから突出するレベルセンサ等の部分を適切な場所に位置させることが難しいという問題がある。
【0010】
そこで本発明は上記した従来技術の問題点を鑑み、ドレンタンク本体の容積及び設置向きを変更することなく小型化された燃焼装置内に設置可能なドレンタンクを提供することを課題とする。加えて、そのようなドレンタンクを備えた潜熱回収式燃焼装置を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0011】
上記課題を解決するための請求項1に記載の発明は、燃焼器と、主に燃焼ガスの潜熱を回収する熱交換器とを有する潜熱回収式燃焼装置において、前記潜熱回収式燃焼装置内から前記熱交換器で発生するドレンを排出するドレン排水系統を有するドレンタンクであって、本体部と、上面部と、水位検出手段とを有し、前記上面部に高位置部と、高位置部に対して低い位置にあって高位置部と連続する低位置部とを備え、前記水位検出手段は、本体部に貯留したドレンの水位を検出可能なものであって、前記水位検出手段の少なくとも一部が低位置部に取付けられていることを特徴とするドレンタンクである。
【0012】
本発明のドレンタンクは、上面部に高位置部と低位置部とがあり、低位置部に水位検出手段が取付けられている。そのことにより、水位検出手段の上面部から上側へ突出している部分の多くの部分、又は上側へ突出している全ての部分を低位置部と高位置部との間に位置させることができる。つまり、高位置部と低位置部の高さの差によって形成される空間に水位検出手段の突出部分を収納する(又は突出部分の多くの部分を配置する)ことにより、水位検出手段が高位置部より上側に突出しないように配置できる(又は水位検出手段を高位置部から上側へ大きく突出しないように配置できる)。
即ち、本発明のドレンタンクは水位検出手段をドレンタンク本体から全く突出させない、又は僅かしか突出させない状態で取付けることができる。そのため本発明のドレンタンクは、周辺に機器や配管、配線等が存在する狭い場所に設置する場合であっても、ドレンタンクから突出した水位検出手段がこれら機器や配管、配線等に当接する、引っ掛かるといった問題が発生することがない。したがって本発明のドレンタンクは、ドレンタンク本体の大きさや設置位置を変更することなく狭い空間に配置することができる。
【0013】
請求項2に記載の発明は、前記上面部は溝部を備え、溝部は上面部の縁部分と低位置部とに接していること特徴する請求項1に記載のドレンタンクである。
【0014】
かかる構成によると、ドレンタンクに他の機器や配管等からの水が降りかかることによって発生してしまう水位検出手段の誤動作や故障を防止することができる。詳細に説明すると、本発明のドレンタンクは上面部に高位置部と低位置部とを有しており、上面部の一部が周囲より低くなっている。そのことにより、ドレンタンクの上側から水が降りかかると周囲より低くなっている低位置部に水が溜まってしまう虞がある。そして低位置部に水が溜まってしまうと、低位置部に設けられた水位検出手段が水に浸かってしまい、水位検出手段の誤動作や故障が発生してしまう場合がある。しかしながら、本発明では上面部に低位置部と上面部の縁部分とを繋ぐ溝部が形成されている。そのため低位置部に流れ込んだ水は、低位置部に溜まってしまう前に溝部に流れ込み、溝部を伝って上面部の縁部分に至り、上面部の縁部分から外部へと排水される。つまり本発明によると、他の機器や配管等から降りかかった水が低位置部に流れ込んでしまっても、低位置部に水が溜まらないので、水位検出手段の誤動作や故障が発生しない。
【0015】
請求項3に記載の発明は、前記水位検出手段は丸棒状の電極を備え、前記上面部を貫通する取付け孔を有し、当該取付け孔は前記電極を挿通可能であって、取付け孔の開口近傍に筒状の突起を有することを特徴とする請求項1又は2に記載のドレンタンクである。
【0016】
本発明の水位検出手段は、丸棒状の電極を上面部の取付け孔に挿通して取付ける共に電極をドレンタンク本体の内部に伸ばし、電極にドレンタンク内部のドレンを接触させることによってドレンタンク内部のドレンの水位(液位)を検出する構成であってもよい。またその場合、取付け孔の開口近傍に筒状の突起を形成し、取付け孔の開口と突起の貫通孔とを連通させ、電極を突起の貫通孔と取付け孔に挿通するような構成とすることが望ましい。なぜなら、このような構成によると水位検出手段の誤動作をより確実に防止することができるためである。即ち、上述の通り、ドレンタンクの上面部にある低位置部には外部からの水が溜まってしまう虞がある。このとき、低位置部に取付けられた電極に溜まった水が接触すると、水位検出手段がその溜まった水を検出して誤動作する可能性がある。ここで、低位置部に底面から突出する突起を設けて、その突起に突起本体を上下方向に貫通する貫通孔を形成し、その貫通孔に電極を挿通することにより、電極の低位置部の底面近傍に位置する部分を突起によって覆われた状態とすることができる。そのことにより、仮に低位置部に水が溜まってしまっても、溜まった水は突起に接触するのみであり電極に直接接触することがない。
つまり本発明によると、低位置部に水が溜まってしまっても、溜まった水の水面が突起の高さより低い位置にある限り電極に水が接触することがない。そのことにより、水位検出手段が低位置部に溜まった水に接触することで発生する誤動作をより確実に防ぐことができる。
【0017】
請求項4に記載の発明は、前記上面部の裏面に環状の堰を有し、当該堰の内側に前記取付け孔の開口が位置することを特徴とする請求項3に記載のドレンタンクである。
【0018】
かかる構成によると、複数の棒状の電極を取付けた場合であっても、電極間の水膜(液膜)の発生を抑制できる。
詳細に説明すると、ドレンタンクの上面部に複数の棒状の電極を取付け、それらを上面部の裏面から下側に向かって突出させてドレンタンクの内部に配した場合、ドレンタンク内の水位が上下することによって棒状の電極間に水膜が発生してしまうことがある。即ち、ドレンタンクにドレンが溜まっていくことでドレンタンク内のドレンの水位(液位)が上昇した後、排水等を経て水位が下降すると、電極が一旦ドレンに浸かってしまうことにより電極間に水膜が形成されてしまう。このような水膜が形成されると、水膜が形成された位置をドレンタンク内に貯留したドレンの水面の位置として誤検知してしまう虞がある。
ここでこのようなドレンタンク内の電極間に形成される水膜(液膜)について考察する。ドレンタンク内の電極間に形成される水膜は大きく分けて、3面に接触して形成されるものと、2面に接触して形成されるものに分類される。このとき、3面に接触する水膜は、2つの電極の側面及び上面部の裏面(内部空間の天井面)の3面に接触する。そして、2面に接触する水膜は、2つの電極の向かい合う位置にある各側面に接触する。つまり、水膜は2つの棒状の電極の間に水(ドレン)が薄い膜を張ることで形成されるものであるが、ドレンの水面がドレンタンクの内部空間の天井面に接触するまで上昇した場合、2つの電極だけでなくこの天井面にも接触する水膜が形成される場合がある。このように形成された3面に接触する水膜は、2つの電極の各側面の2面に接触する水膜に比べて、接触面が多くなり形状が強固に維持されるという特徴がある。したがって、3面に接触する水膜は2面に接触する水膜と異なり、重力等によって自然消滅し難いという問題がある。
しかしながら本発明によると、ドレンタンク内の水位(液位)が上昇して水面が天井面へ接近した場合、天井面に環状の堰が形成されているため、上昇する水面がやがて堰の突出方向の先端部分(上面部の裏面から下方向へ突出した堰の最も下側の部分)に到達する。このとき、堰で囲まれた空間が上昇した水面によって封止される。このことにより、堰で囲まれた部分に空気溜まりが形成され、その後にさらに水面が上昇しても空気溜まりの部分へのドレンの侵入を阻止することができる。ここで、堰で囲まれた部分の取付け孔には電極が挿通されている。換言すると、ドレンタンク内では堰で囲まれた部分に棒状の電極が取り付けられており、電極は堰で囲まれた部分から下側へ向かって突出している。そして上記したように、本発明によると内部空間の天井面の堰で囲まれた部分にはドレンが侵入しないので、ドレンタンク内の電極の突出方向の基端部分にドレンが接触することがない。そのことにより、2つの電極と蓋部下面とが連続している電極の突出方向基端部分に水膜が形成されることがなく、上記した3面に接触する水膜が形成されることがない。
即ち本発明によると、3面に接触する水膜が形成されないため、電極間に発生する水膜は重力等によって自然消滅する2面に接触する水膜に限られる。そのため、電極間に発生した水膜は大半が消滅してしまうので、電極間に水膜が発生し難い。
【0019】
ところで、ドレンタンクには大きく分類して上側からドレンを導入するものと、側面側からドレンを導入するものとがある。ここで、側面側からドレンを導入する形式のドレンタンクにドレンを貯留する場合について考える。この場合、一般的に、ドレンタンク内のドレンの水面(液面)の高さがドレンタンクの側面に形成したドレン導入口又は空気流通口の位置より高い位置にならないようにドレンを貯留している。つまり従来技術のドレンタンクでは、ドレンタンク内部において、内部空間の天井面からドレンの水面の最大高さ(ドレン導入口又は空気流通口の最も下側の部分が位置している高さ)までの間に形成される空間が使用されていなかった。
【0020】
このような問題を鑑みて提案する請求項5に記載の発明は、前記本体部の側面にドレン導入口及び空気流通口が設けられていることを特徴とする請求項1乃至4のいずれかに記載のドレンタンクである。
【0021】
かかる構成によれば、側面側からドレンを導入する形式のドレンタンクにおいて使用されていなかった空間を有効に活用することができる。
詳細に説明すると、本発明のドレンタンクは上面部に高位置部と高位置部に対して低い位置にある低位置部とがある。つまり、上面の一部に凹部が形成されている。このことにより、上面部の裏面(ドレンタンク内部空間の天井面)の一部であって上面部に形成された凹部の裏側部分では、凹部の凹み方向に突出する凸部が形成されている場合がある。またさらに、天井面の一部だけでなく、天井面の広範囲又は全面に亘って凸部が形成される場合がある。ここで本発明によると、天井面のこのような凸部を前述の「従来技術で使用されていなかった空間」である「天井面からドレンの水面の最大高さまでの間に形成される空間」に収納することができる。したがって、ドレンタンクの実質的な貯留可能量を低減させることなく、上面部に低位置部を形成することができる。つまり本発明は、側面側からドレンを導入する形式のドレンタンクに対してより好適に実施することができる。
【0022】
請求項6に記載の発明は、燃料を燃焼するバーナと、バーナが作動して生成される燃焼ガスの主に顕熱を回収する一次熱交換器と、当該燃焼ガスの主に潜熱を回収する二次熱交換器と、請求項1乃至5のいずれかに記載のドレンタンクを備えた排出系統と、を有することを特徴とする潜熱回収式燃焼装置である。
【0023】
本発明の潜熱回収式燃焼装置は上記した請求項1乃至5のいずれかに記載のドレンタンクを備えており、潜熱回収式燃焼装置を小型化してもドレンタンク本体はその大きさを維持することができる。そのことにより、中和したドレンを十分に貯留した後で排出可能であるため、ドレンの排出動作を頻繁に行う必要がなく、ドレンの排出動作の効率がよい。即ち、本発明の潜熱回収式燃焼装置では小型化とドレンの排出動作の効率化とを同時に実現できる。
【発明の効果】
【0024】
本発明のドレンタンクは、水位検出手段をドレンタンク本体から突出させずに設けることができる。そのため本発明のドレンタンクは、ドレンタンク本体の容積及び設置位置を変更することなく、周辺に機器や配管、配線等が存在する狭い空間に配置できるという効果がある。
また、そのようなドレンタンクを備えた本発明の潜熱回収式燃焼装置は、小型化しても中和したドレンを十分に貯留した後で排出可能である。そのため、小型化してもドレン排出動作を効率よく実施できるという効果がある。
【図面の簡単な説明】
【0025】
【図1】本発明の実施形態に係る潜熱回収式燃焼装置を示す構成図である。
【図2】本発明の実施形態に係るドレンタンクを示す斜視図である。
【図3】図2のドレンタンクの分解斜視図である。
【図4】図3のドレンタンクの本体部を別方向から見た斜視図であり、ドレンタンクの本体部を天地逆にした状態を示す。
【図5】図2ドレンタンクをA方向から見た平面図である。
【図6】図3のドレンタンクの蓋部を別方向から見た斜視図であり、ドレンタンクの蓋部を天地逆にした状態を示す。
【図7】図3のドレンタンクの蓋部のB−B断面図である。
【図8】図1の潜熱回収式燃焼装置に係る作動原理図である。
【図9】図2のドレンタンクの内部にドレンが溜まっていく様子を示す説明図であり、(a)〜(d)の順にドレンが溜まっていく。
【図10】図2のドレンタンクの外側に降りかかった液体が外部へ排出される様子を示す説明図であり、(a)〜(c)の順に液体が流動する。
【図11】図10のA−A断面図であり、(a)〜(c)はそれぞれ図10(a)〜(c)のA−A断面図である。
【図12】図2とは異なる形態のドレンタンクを示す斜視図である。
【図13】図2、図12とは異なる形態のドレンタンクを示す斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0026】
以下、本発明の実施形態について詳細に説明するが、本発明はこれらの例に限定されるものではない。
【0027】
潜熱回収式燃焼装置1は、図1に示すように、筺体2の内部に燃焼部(燃焼器)3と、主に顕熱を回収する一次熱交換器4と、主に潜熱を回収する二次熱交換器(熱交換器)5と、二次熱交換器5で発生したドレンを外部に排出するためのドレン排出系統6とを少なくとも備えている。なお、この筺体2内には後述する風呂循環回路や暖房循環回路等が備わっているが、説明を容易にするため図示を省略するものとする。
【0028】
そして潜熱回収式燃焼装置1は、筐体2のほぼ中央に燃焼部3を有しており、燃焼部3の上側には一次熱交換器4、二次熱交換器5を順に配している。これらは、燃焼部3における燃焼動作に伴って発生する高温の燃焼ガスが流れる部分であり、二次熱交換器5は、一次熱交換4に対して燃焼ガスの流れ方向下流側に位置している。したがって燃焼部3で発生する燃焼ガスは、一次熱交換器4を通過して二次熱交換器5に至る。そして、図示しない排気口を通じて二次熱交換器5を通過した燃焼ガスが排気される。
【0029】
燃焼部3は、直方体状のケースに収納された複数のバーナ7と、送風機8とを少なくとも備えており、ケースの内部下方にバーナ7が収容され、ケースの外側でその下方に送風機8が取り付けられている。即ち、燃焼部3は送風機8を作動させて各バーナ7に空気を供給し、さらに図示しない燃料供給源から各バーナ7に燃料ガスが供給されて、各バーナ7で燃焼させる構成とされている。そしてその際に発生する燃焼ガスは、燃焼部3の上方に向かって流れる。
【0030】
一次熱交換器4は公知の気・液熱交換器であって、燃焼部3より燃焼ガスの流れ方向下流側に配置されている。一次熱交換器4は、湯水が流れる銅製の受熱管と、フィン(図示せず)とを備えている。即ち、一次熱交換器4に至った燃焼ガスは、受熱管に加えてフィンとも接して熱交換することができるため、受熱管を流れる湯水が効率的に熱交換される。
【0031】
二次熱交換器5は公知の気・液熱交換器であって、前記したように、一次熱交換器4より燃焼ガスの流れ方向下流側に配置されている。そして、二次熱交換器5は湯水が流れる図示しない受熱管により構成されている。
ここで前記したように、二次熱交換器5は燃焼ガスの主に潜熱を回収するので、二次熱交換器5では燃焼ガスの温度が一定値以下に低下する。そのことにより、燃焼ガスに含まれる水蒸気が液化してドレンが発生する。そして発生したドレンが燃焼ガスに晒されることにより、燃焼により生成された窒素酸化物が溶け込んで酸性を呈する。
なお本実施形態では、二次熱交換器5の受熱管の原料に耐腐食性が高いステンレス鋼等を採用するものとする。そのことにより、発生したドレンによる受熱管の腐食の進行を抑制することができる。
【0032】
ここで、二次熱交換器5には外部から加熱対象となる湯水を供給するための入水配管9が図1における背面側から接続されている。また、一次熱交換器4には湯水の供給先に繋がる出水配管10が接続されている。そして、二次熱交換器5と一次熱交換器4は接続管11により接続され、二次熱交換器5が一次熱交換器4より湯水の流れ方向上流側に位置するように配されている。
したがって給湯先等において給湯要求があった場合、外部の給水源から入水配管9に湯水が供給され、二次熱交換器5に湯水が流入される。そして、二次熱交換器5を流れた後で一次熱交換器4内を流れた湯水が順次熱交換加熱され、一次熱交換器4に接続された出水配管10から給湯先に向けて供給される。
【0033】
そしてこのとき、一次熱交換器4と二次熱交換器5との間には、二次熱交換器5における潜熱回収により発生したドレンを回収する回収部(図示せず)が設けられ、当該回収部にドレン排水系統6が接続されている。このドレン排水系統6は、ドレンの流れ方向上流側から順番に、前記回収部に設けられたドレン排水口(図示せず)、上流側ドレン配管部材12、中和装置13、下流側ドレン配管部材14、ドレンタンク15、排出側ドレン配管部材16、ドレン排出用ポンプ17、排出用配管部材(図示せず)によって構成されている。
【0034】
ドレン排水系統6では、ドレン排水口から排出されたドレンが上流側ドレン配管部材12を介して中和装置13に流入し、中和装置13内で中和される。この中和されたドレンは、中和装置13から下流側ドレン配管部材14に排出され、下流側ドレン配管部材14からドレンタンク15内に流れ込んでいく。そしてドレンタンク15内に貯留されたドレンを、ドレン排出用ポンプ17を稼働させることにより、排出側ドレン配管部材16から排出する。ドレンタンク15内から排出されたドレンは、ドレン排出用ポンプ17に接続された排出用配管部材(図示せず)に至り、この排出用配管部材から外部に排水される。
【0035】
ここで本発明の特徴的構成部材たる、ドレンタンク15について説明する。
ドレンタンク15は、図1に示されるように、筺体2の中央部よりやや下側の位置であって、周囲を燃焼部3や配管、ポンプ等に囲まれた位置に配置されている。このドレンタンク15は、図2で示されるように、本体部23と蓋部24から形成されている外形が略直方体箱状の部材であり、内部に液体(ドレン)を貯留可能となっている。そして蓋部24には、水位検出手段(図示せず)の一部である電極26、27、28が一体に取り付けられている。
【0036】
本体部23は、図3、4に示されるように上部が開放された容器であり、1つの底面部30と、底面部30に立設されている4つの側面部31、32、33、34によって形成されている。このとき4つの側面部31、32、33、34は、底面部30の縁端を囲むように一体的に接合されており、4つの側面部31、32、33、34に囲まれた部分にドレンを貯留可能な貯留空間36が形成されている。
【0037】
底面部30は、図4に示されるように、外形が略凸字状の面であり底面部30の略中心部分に位置する平面部40と、平面部40と連続する3つの傾斜部41、42、43から形成されている。
3つの傾斜部の内の1つである第1傾斜部41は、底面部30の短手方向(図4におけるZ方向)の片側端部に形成され、底面部30の長手方向(図4におけるX方向)に沿って延びている長方形状の傾斜面である。この第1傾斜部41は、平面部40の一部である略長方形状の部分40aと短辺同士が接触するように連続している。そして、平面部40と連続している部分から側面部32と連続している部分まで延設され、側面部32に近づくにつれて本体部23の上側(図4におけるY方向下側)に向かって傾斜している。
第2傾斜部42は、平面部40の短手方向(図4におけるX方向)の端部の内の一方と連続する面であり、平面部40側から外側に向かうにつれて本体部23の上側(図4におけるY方向下側)に向かって傾斜している。
第3傾斜部43は、平面部40の短手方向(図4におけるX方向)の端部の内の一方であって、前記第2傾斜部42と連続する端部と異なる端部に連続する面である。この第3傾斜部43は急勾配部43a、接続平面部43b、緩勾配部43cによって形成されている。詳しくは、平面部40側から外側(側面部32側)へむかって急勾配部43a、接続平面部43b、緩勾配部43cの順に段を成して連続しており、急勾配部43aと緩勾配部43bは外側(側面部32側)に近づくにつれて本体部23の上側(図4におけるY方向下側)に向かって傾斜している。なおこのとき、緩勾配部43cは急勾配部43aに比べて緩やかに傾斜すると共に、その面積が急勾配部43aより広くなっている。
ここで急勾配部43aには、その長手方向(図4におけるZ方向)の端部近傍にドレン排出部45が設けられている。
【0038】
ドレン排出部45は、図3、4、5に示されるように、急勾配部43aから外側へ向かって突出する管状部材であって、急勾配部43aに対して垂直な方向に突出している。さらに、このドレン排出部45の中心孔は急勾配部43aを貫通する貫通孔(図示せず)と連続しており、本体部23内の貯留空間36と外部とを連通している。そして、このドレン排出部45の内径及び急勾配部43aを貫通する貫通孔の孔径は一定の大きさとなっている。このとき、ドレン排出部45の外周部分には突出方向の中途に外径が拡径された段部45aが設けられている。加えて、ドレン排出部45の外周部分には、段部45aから突出方向先端にかけて外径が次第に狭径となるテーパ部45bが設けられている。即ち、ドレン排出部45aは、テーパ部45bにより配管部材を装着させやすく、段部45aにより配管部材が外れにくい構成となっている。
【0039】
次に4つの側面部31、32、33、34について、図3、4を参照しつつ説明する。
まず第1の側面部31は、図3に示されるように、2つの略長方形板状の部分31a、31bを有し、これらが段を成して連続している。
次に第2の側面部32は、外形が略太いL字状の板状部分であり、第1の側面部31と略直角に交わって連続している(図3参照)。
そして第3の側面部33は、図4に示されるように、長方形と三角形とを足し合わせたような台形状である第1板状部分33aと、略等脚台形状の第2板状部分33bとを有している。これら第1板状部分33aと第2板状部分33bは段を成して連続しており、第1板状部分33aは第2板状部分33bより外側(図4における手前側)に位置している。加えてこの第3の側面部33は、第2の側面部32と略直角に交わって連続している(図4参照)。
最後に第4の側面部34は、正方形状の部分34aと幅方向(図4におけるZ方向)片側端部に位置する長方形状の部分34bが段を成して連続して形成されている。この第4の側面部34は第3の側面部33及び第1の側面部31とそれぞれ略直角に交わって連続している。
【0040】
ここで、図3、4に示されるように、4つの側面部31、32、33、34はその上端近傍に各側面部31、32、33、34からそれぞれ垂直な方向に突出する立壁部47を有している。この立壁部47は、本体部23の外周に沿って延設されて環状に連続している。
【0041】
また第3の側面部33の上端近傍には、図3、4に示されるように、筺体2に形成された係合部(図示せず)と係合可能な第一係合部分48、第二係合部分49が設けられている。
第1係合部分48は、板状の部材の長手方向端部を鉤状に屈曲させた部材であり、屈曲させた先端部分は略コ字状に曲がっている。
第二係合部分49は、長方形平板状の部分の短手方向両端にそれぞれ板状の部材を立設したような形状であり、断面略コ字状に延びている。このとき、第二係合部分49の先端部分であり、前記した2つの板状部分の一部は面取りされている。さらに第二係合部分49には、その先端部分に前面から背面を貫通する貫通孔が形成されている。そして、第二係合部分49の背面には、長手方向の中心部分付近に突起部が形成されている(図4参照)。この突起部は円柱の先端に円錐台を取り付けたような形状であり、長方形平板状の部分から垂直に突出している。
【0042】
さらにまた、図3、5で示されるように第1の側面部31と第3の側面部33、第2の側面部32と第4の側面部34は互いに対向する位置に設けられている。そして第2の側面部32には、第1の側面部側の端部の上端近傍にドレン導入部(ドレン導入口)51が形成されている(図3参照)。さらに、第4の側面部34の第1の側面部側の端部の上端近傍には空気流通部(空気流通口)52が設けられている(図3、4参照)。したがって、図3に示されるように、ドレン導入部(ドレン導入口)51と空気流通部(空気流通口)52とは対向する位置にある。
【0043】
ドレン導入部51は、第2の側面部32から外側へ向かって突出する管状部材であって、第2の側面部32に対して垂直な方向に突出している。さらに、このドレン導入部51の中心孔は第2の側面部32を貫通する貫通孔(図示せず)と連続しており、本体部23内の貯留空間36と外部とを連通している。そして、このドレン導入部51の内径及び第2の側面部32を貫通する貫通孔(図示せず)の孔径は一定の大きさとなっている。このとき、ドレン導入部51の外周部分には突出方向の中途に外径が拡径された段部51aが設けられている。加えて、ドレン導入部51の外周部分には、段部51aから突出方向先端にかけて外径が次第に狭径となるテーパ部51bが設けられている。即ち、ドレン導入部51は、テーパ部51bにより配管部材を装着させやすく、段部51aにより配管部材が外れにくい構成となっている。
【0044】
空気流通部52は、第4の側面部34から外側へ向かって突出する管状部材であって、第4の側面部34に対して垂直な方向に突出している。さらに、この空気流通部52の中心孔は第4の側面部34を貫通する貫通孔(図示せず)と連続しており、本体部23内の貯留空間36と外部とを連通している。ここで、この空気流通部52の内径は第4の側面部34を貫通する貫通孔(図示せず)の孔径より大きくなっている。即ち、空気流通部52の中心孔と第4の側面部34を貫通する貫通孔は空気流通部52の内部で段差を有して連続している(図示せず)。また、空気流通部52の外周部分にはその突出方向の先端部分にフランジ部52aが形成されている。フランジ部52aは環状のフランジであり、筒状の空気流通部52の外周面から外方へ向かって突出し、空気流通部52の周方向に延設されている。
【0045】
次にドレンタンク15の蓋部24について説明する。
蓋部24は、図3に示されるように、上面部54と、上面部54の縁端を囲むように一体的に接合し、鉛直方向(図3におけるY方向)下側に突出した側壁部55によって形成されている。
【0046】
上面部54は、平面視した(図3におけるA方向から見た)形状が略長方形状となっている。より具体的には、上面部54の対向する角部分の内で一対の角部分に、略四角形状に切り取られた切取部54a、54bが各々形成された一部欠けた部分を有する長方形状となっている。ここで、一方の切取部54aは平面視が略正方形状であり、他方の切取部54bは平面視が略長方形状となっている。そして略長方形状の切取部54bは角部分から蓋部24の長手方向(図3におけるX方向)に延びている。
また上面部54には、平面視した(図3におけるA方向からみた)形状が略L字状の凹部57が形成されており、この凹部57と、凹部57に対して高い位置にある高位置部58とに区画されている。
【0047】
凹部57は、高位置部58と連続する縁部分59が丸みを帯びており高位置部58となだらかに連続している。また凹部57は、蓋部24の長手方向に沿って延びる電極配置部(低位置部)61と、電極配置部61に対して略垂直な方向に延びる溝部62によって形成されている。
【0048】
電極配置部61は、図3に示されるように、上面部54の中心部分よりやや角部分(図3における手前側の角部分であって切取部54bが設けられていない側の角部分)よりの位置に設けられている。また、電極配置部61は長手方向の片側端部における一部分が溝部62と連続している。また電極配置部61には、3つの突起部(突起)66、67、68が形成されている。これら3つの突起部66、67、68は夫々円筒状の突起であり、電極配置部61から鉛直方向外側(図3におけるY方向上側)へ突出している。そして、図7で示されるように、突起部66、67、68の中心孔66a、67a、68aは蓋部24を貫通する3つの貫通孔63、64、65とそれぞれ連通している。
【0049】
溝部62は蓋部24の短手方向(図3におけるZ方向)に沿って延びており、その延び方向両端の片側端部が電極配置部61と連続しており、他方の端部が外部との境界である上面部54の縁端に形成されている。つまり、溝部62は電極配置部61の片側端部から上面部54の縁端まで連続しており、電極配置部61と外部とを繋いでいる。
【0050】
ここで蓋部24の下面部(裏面)70について説明する。
下面部70は、図6、7に示されるように、その縁部分を側壁部55によって取り囲まれており、側壁部55の内側に係合溝部71が形成されている。詳細に説明すると、下面部70には側壁部55から内側に向かってやや離れた位置に下面部70から図6における鉛直方向下側(図6におけるY方向上側)に突出する仕切壁部72が形成されている。そしてこの仕切壁部72は、側壁部55に沿って延びると共に環状に連続している。そして、この仕切壁部72と側壁部55との間の空間が係合溝部71となっている。
【0051】
加えて蓋部24の下面部70では、図3、6、7に示されるように、上面部54の凹部57の裏側に該当する部分が周囲より突出した凸部73となっている。この凸部73の縁部分74はゆるやかに傾斜して周囲と連続している。このとき、電極配置部61の裏側に該当する下面側電極配置部75にも、3つの突起部(突起)76、77、78が形成されている。これら3つの突起部76、77、78は夫々円筒状の突起であり、下面側電極配置部75から図7における鉛直方向下側(図6におけるY方向上側)に突出している。そして、突起部76、77、78の中心孔は蓋部24を貫通する3つの貫通孔63、64、65とそれぞれ連続している。
【0052】
ここで、下面側電極配置部75の縁部分には堰部(堰)80が形成されている。堰部80は下面側電極配置部75から図7における鉛直方向下側(図6におけるY方向上側)に突出する周壁状の部分であって、下面側電極配置部75の縁部分に沿って長円状に延びている。このとき堰部80は環状に連続しており、下面側電極配置部75と堰部80とで囲まれた一方が開放された空間81が形成されている。そして、下面側電極配置部75に形成された3つの突起部76、77、78はこの堰部80によって囲まれた空間81に位置している。
【0053】
また蓋部24には、上面部54側から下面部70側を貫通する取付け孔86、87、88が設けられている。詳細に説明すると、図3、5、6に示されるように、蓋部24の上面部54に形成した突起部66、67、68の中心孔66a、67a、68aは、蓋部24を貫通する3つの貫通孔63、64、65と夫々連続している(図3、7参照)。さらに、蓋部24の下面部70に形成した突起部76、77、78の中心孔76a、77a、78aもまた、蓋部24を貫通する3つの貫通孔63、64、65と夫々連続している(図6、7参照)。即ち、蓋部24の上面部54及び下面部70に形成されている突起部66、67、68と突起部76、77、78は蓋部24の本体部分を挟んで対向する位置にあり、その間に蓋部24を貫通する3つの貫通孔63、64、65が位置している(図7参照)。そのことにより、蓋部24には上面部54に形成された各突起部の中心孔66a、67a、68aと、蓋部24の上面部54から下面部70までを貫通する貫通孔63、64、65と、下面部70に形成された各突起部の中芯孔76a、77a、78aとが連なって形成される3つの連通孔が形成され、取付け孔86、87、88となっている。
【0054】
さらにまた、上記したように蓋部24には水位検出手段(図示せず)の一部である電極26、27、28が一体に取付けられている。具体的に説明すると、蓋部24の取付け孔86、87、88の孔径は丸棒状の電極26、27、28の直径と略同じとなっており、電極26、27、28は取付け孔86、87、88に隙間なく挿通可能となっている。そして、これら蓋部24の取付け孔86、87、88に電極26、27、28をそれぞれ挿通した状態とすることにより、電極26、27、28が蓋部24に一体に取付けた状態となっている。ここで、図7に示されるように、電極26、27、28の内の1つの電極26は、他の2つの電極27、28に比べて短くなっており、他の2つの電極27、28は同じ長さとなっている。そして、電極26、27、28は蓋部24の上面部54から上側(図7におけるY方向上側)へ同じ長さだけ突出するように取付けられている。したがって、3つの電極の蓋部24の上面部54より上側(図7におけるY方向上側)の部分の長さは同じであり、下面部70より下側の部分の長さは2つの電極27、28が残りの1つより長くなっている。
【0055】
なお、本実施形態ではドレンタンク15を筺体2内で使用する際、図2、5で示される様に本体部23と蓋部24を取り付けた状態で使用する。このとき、上記した蓋部24の下面部70に形成した係合溝部71(図6参照)に、本体部23の立壁部47より上側(図3におけるY方向上側)の部分が嵌め込まれており、蓋部24の側壁部55の突出端が立壁部47に接触した状態になっている(図5参照)。
【0056】
そして本発明のドレンタンク15は、上記したように、蓋部24の上面部54において周囲に位置する高位置部58より低い位置にある電極配置部61に電極26、27、28を取り付けている。そのことにより、図5で示されるように、電極26、27、28の上面部54から(図5におけるY方向上側)上側に突出する部分は、その多くの部分が高位置部54より下側に位置した状態となる。ここでドレンタンク15の通常の設置状態、即ち、蓋部24を上側に位置するように設置した場合、高位置部54は蓋部24の内で最も上側に位置する面となる。このとき、電極26、27、28の多くの部分は高位置部54より下側に位置しているため、電極26、27、28の高位置部54より上側に位置する部分は僅かな部分のみとなる。換言すると本発明のドレンタンク15は、電極26、27、28を蓋部24の最も上側に位置する面から外側へ、僅かしか突出しない状態で取付けることができる。
したがって、ドレンタンク15を設置した際に、蓋部24の上側付近に機器や配管、配線等の部材が位置していたとしても、電極26、27、28がドレンタンク15の上部分にある蓋部24の最も高い位置から大きく突出していないので、電極26、27、28がこれらの部材に接触して設置できないということがない。そのため、本実施形態のドレンタンク15は狭い位置でも設置可能となっている。
【0057】
次に図8を参照しつつ、本実施形態の潜熱回収式燃焼装置1の動作について説明する。なお、図1と同様の部材については同じ番号を付して説明を省略する。また、説明を簡易化するために要部についてのみ説明するものとする。
【0058】
潜熱回収式燃焼装置1は、給湯口92に接続された図示しない給湯栓が開かれる等によって給湯の要求が認められると、給水口95から入水配管9に湯水が供給され、入水配管9に設けられた流量センサ96が流量を検知することにより、燃焼部3が燃焼作動を開始する。そして、その燃焼作動に伴って発生した燃焼ガスは、燃焼部3から上方へ向かって流れる。そして、その燃焼ガスは、一次熱交換器4が配置された領域に流入し、さらに燃焼ガス流れ方向下流に位置する二次熱交換器5が配置された領域に導入される。そして、二次熱交換器5で熱交換された燃焼ガスは、図示しない排気口から外部に排気される。
【0059】
一方、入水配管9を介して外部から供給されてきた湯水は、二次熱交換器5に導入される。二次熱交換器5に導入された湯水は、燃焼ガス中の主に潜熱を回収し、これにより加熱される。これに伴い、燃焼ガス中に含まれている水蒸気が凝縮し、二次熱交換器5の表面などにおいてドレンが発生する。
【0060】
二次熱交換器5で加熱された湯水は、二次熱交換器5から吐出され、一次熱交換器4内に導入される。そして一次熱交換器4に導入された湯水は、燃焼部3で生成された燃焼ガスとの熱交換により加熱される。一次熱交換器4では、燃焼ガス中の主に顕熱を回収してこれにより加熱される。このようにして一次熱交換器4において加熱された湯水は、一次熱交換器4から流出し、給湯口92へ向けて供給される。
【0061】
ところで潜熱回収式燃焼装置1の燃焼部3の上部には、上記した一次熱交換器4、二次熱交換器5に加えて、風呂暖房側一次熱交換器90、風呂暖房側二次熱交換器91が設けられている。これらはそれぞれ一次熱交換器4、二次熱交換器5と同様の気・液熱交換器である。この風呂暖房側一次熱交換器90、風呂暖房側二次熱交換器91は公知の風呂循環回路93や暖房循環回路94に接続され、これらから供給された湯水を昇温可能となっている。そしてまた、風呂循環回路93や暖房循環回路94に昇温した湯水を供給することができる。
【0062】
潜熱回収式燃焼装置1では、二次熱交換器5又は風呂暖房側二次熱交換器91における熱交換に伴ってドレンが発生する。ここで発生したドレンは、二次熱交換器5と一次熱交換器4の間や風呂暖房側二次熱交換器91と風呂暖房側一次熱交換器90の間に設けた図示しないドレン回収部に集まり、ドレン排水系統6を通じて外部に排水される。
【0063】
具体的に説明すると、ドレン回収部に集まったドレンは上流側ドレン配管部材12に排出され、ドレン配管部材12から中和装置13に流入し、中和装置13内で中和される。そして、中和されたドレンが中和装置13から下流側ドレン配管部材14に排出され、ドレン導入部51(図5参照)からドレンタンク15に流入する。
【0064】
ドレンタンク15内に流入した中和されたドレンは、ドレンタンク15内に貯留されていく。このときドレンタンク15には、図示しない水位検出手段の一部である電極26、27、28が一体に取り付けられており、ドレンタンク15内のドレンの水位を検知することができる。詳細には、ドレンタンク15内のドレンの水位が上昇していくと、図9(a)で示されるように、3つの電極の内の2本の長い電極27及び電極28にドレンが接触する。そのことにより、2つの長い電極27、28が電気的に接触してドレンの水位がこれらの電極27、28の最下端に至ったことを検出する。またその状態からさらにドレンが流入されると、図9(b)で示されるように、3つの電極の内の短い電極26にドレンが接触する。すると、短い電極26と長い電極27が電気的に接触し、ドレンの水位が短い電極26の最下端に至ったことを検出する。
【0065】
ドレンタンク15内に貯留されたドレンが規定量に達すると、ドレン排出用ポンプ17が動作し、ドレンタンク15のドレン排出部45(図5参照)から排出側ドレン配管部材16へドレンが排出される(図8参照)。そして排出されたドレンがドレン排出口97へと至り、外部へと排水される。
【0066】
ところで、ドレンタンク15内にドレンを貯留していく際に、貯留予定量を越えてドレンが流入してしまうことによってドレンの水位が予定以上に上昇する場合がある。しかしながら本実施形態のドレンタンク15では、そのような場合においても、ドレンと下面側電極配置部75の接触を阻止できる。詳細には、ドレンタンク15内に貯留予定量を越えてドレンが流入されると、図9(c)で示されるように、ドレンの水位が堰80の突出方向先端(最下端)に接触する。このとき、下面側電極配置部75と堰部80とで囲まれた空間81が、その開放された部分を上昇したドレンの水面(液面)によって封止される。このとき、この空間81には空気があるため、空間81に空気溜まりが形成される。そのことにより、さらにドレンが流入してドレンの水位が堰80の突出方向先端(最下端)より上昇しても、図9(d)で示されるように、空気溜まりを有する空間81にドレンが浸入しない。
【0067】
また、このように貯留予定量を越えてドレンが流入してしまった場合においても、ドレンの水位は、ドレン導入部51及び空気流通部52(図3参照)が設けられた位置より上側に上昇しない。具体的には、ドレン導入部51又は空気流通部52と連通する貫通孔、即ち、側面部32、34に形成したこれらの貫通孔(図示せず)の最下端部分より上側(図5及び図9(d)の線分Lより上側)までドレンの水位が上昇することがない。ここで、図9(d)で示されるように、蓋部24の上面部54に形成された凹部57及び下面部70に形成された凸部73は、いずれもドレンの水位が最も高くなった場合の位置(図9(d)の線分Lの位置)より上側に位置している。したがって、ドレンタンク15の蓋部24の上面部54に凹部57を形成しない場合、又は下面部70に凸部73を形成しない場合に比べて、これらを形成したドレンタンク15のドレンの貯留可能量(実質的な容積)は同等となっている。
【0068】
また潜熱回収式燃焼装置1の筺体2内では、故障や結露等によりドレンタンク15の上側からドレンタンク15に水滴(又は何らかの液体)が降りかかる場合がある。そのとき、その水滴がドレンタンク15の蓋部24の上面部54側に溜まってしまい、電極26、27、28に接触してしまうと、図示しない水位検出手段の誤動作や故障が発生してしまう虞がある。しかしながら本実施形態のドレンタンク15では、上側から降りかかる水滴の電極26、27、28への接触を防止可能であり、このような問題が発生することがない。筺体2内で上側から本実施形態のドレンタンク15に水滴が降りかかってしまった場合について、以下で詳細に説明する。
【0069】
ドレンタンク15の上側から水滴が降りかかると、ドレンタンク15の上面部54に水滴が付着する。このとき高位置部58に落下した水滴は、高位置部58より低い位置にある凹部57へ流れ込むため、図10(a)、図11(a)で示されるように、凹部57内に降りかかった水が溜まってしまう。ここで凹部57に取付けた3つの電極26、27、28に注目すると、上記したように、電極26、27、28の上面部54から突出している部分は、その突出方向の基端部分を突起66、67、68によって覆われている(図3参照)。したがって、図10(a)、図11(a)で示されるように、凹部57に溜まった水は突起66、67、68に接触するが、電極26、27、28には直接接触しない。
【0070】
また、上記したように凹部57は電極配置部61と溝部62によって形成され、溝部62は上面部54の縁端部分まで連続している。そのため、図10(b)、図11(b)で示されるように、凹部57に流れ込んだ水は溝部62を流れていく。そして、図10(c)、図11(c)で示されるように、流れた水が上面部54の縁端へと至り、上面部54の縁端から側壁部55を伝って流れ落ちて外部へと排出される。このように、本実施形態のドレンタンク15では、上側から降りかかって凹部57に流れ込んでしまった水は、溝部62に流入し、外部へと排出される。つまり、凹部57に溜まった水はその水位が上昇する前に外部へと排出されるものである。したがって、凹部57に流れ込んだ水の水位が突起66、67、68より上側に上昇せず、凹部57に流れ込んだ水と電極26、27、28の直接の接触を防止できる。
【0071】
上記した実施形態では説明を省略したが、本体部23の4つの側面部31、32、33、34の内側(貯留空間36側)には内部に向かって突出する突起が形成され、当該突起にネジ孔が形成されている。加えて、蓋部24の上面部54の縁端には貫通孔を形成されている。そして、本体部23に蓋部24を取付ける際にこれらをネジ止めするものである。そしてこのとき、蓋部24の係合溝部71(図6参照)にはゴム等の適宜部材で形成したリング状の部材が嵌め込まれている。
つまり本発明のドレンタンクは、本体部23に蓋部24を取付ける際、これらにネジ孔や、フック状の突起、そのような突起と対になる有底穴又は貫通孔などを形成して取り付けてもよい。このようにすると、本体部23と蓋部24とをより強固に取付けることができる。また、本体部23の蓋部24の間に封止部材を有する構成であってもよい。このようにすることで、本体部23と蓋部24の間からのドレンの漏れをより確実に防止できる。
【0072】
上記した実施形態では、本体部23と蓋部24を別途設けて蓋部24を本体部23に取付ける構成としたが、本発明のドレンタンクはこのような構成に限るものではない。例えば、本体部と蓋部を着脱不能に取り付けてもよい。また、蓋部を設けない構成であってもよく、本体部に上面を覆う天面部を一体に形成したドレンタンクであってよい。即ち、本発明のドレンタンクは内部に空間を有した箱状のものであればよい。
【0073】
また上記した実施形態では、上面部54に高位置部58に対して低い位置にある電極配置部61を設け、電極配置部61と連続する1つの溝部62を設けた。そして、これら電極配置部61と溝部62からなる凹部57を平面視が略L字状となるように形成した。しかしながら、本発明のドレンタンクにおける電極配置部61及び溝部62はこのような形態に限るものではない。
例えば、図12で示されるように、電極配置部102に二つの溝部103、104が連続するドレンタンク99であってもよい。即ち、溝部の数は1つに限るものではなく、溝部が二つ以上ある構成であっても構わない。そして、溝部の形状もまた任意の形状でよく、電極配置部及び外部と連続し、電極配置部に溜まった水を外部に排出できればよい。
【0074】
またさらに、図13で示されるように、溝部を設けず、電極配置部105の一部を上面部の縁端に直接接触させるドレンタンク100であってもよい。即ち、電極配置部に溜まった水を外部に排出できればよく、電極配置部の形状及び位置は適宜変更してよい。
【符号の説明】
【0075】
1 潜熱回収式燃焼装置
3 燃焼部(燃焼器)
5 二次熱交換器(熱交換器)
6 ドレン排水系統
15 ドレンタンク
23 本体部
26,27,28 電極
51 ドレン導入部(ドレン導入口)
52 空気流通部(空気流通口)
54 上面部
58 高位置部
61 電極配置部(低位置部)
62 溝部
66,67,68 突起部(突起)
76,77,78 突起部(突起)
80 堰部(堰)
86、87、88 取付け孔
【特許請求の範囲】
【請求項1】
燃焼器と、主に燃焼ガスの潜熱を回収する熱交換器とを有する潜熱回収式燃焼装置において、前記潜熱回収式燃焼装置内から前記熱交換器で発生するドレンを排出するドレン排水系統を有するドレンタンクであって、
本体部と、上面部と、水位検出手段とを有し、
前記上面部に高位置部と、高位置部に対して低い位置にあって高位置部と連続する低位置部とを備え、
前記水位検出手段は、本体部に貯留したドレンの水位を検出可能なものであって、
前記水位検出手段の少なくとも一部が低位置部に取付けられていることを特徴とするドレンタンク。
【請求項2】
前記上面部は溝部を備え、溝部は上面部の縁部分と低位置部とに接していること特徴する請求項1に記載のドレンタンク。
【請求項3】
前記水位検出手段は丸棒状の電極を備え、
前記上面部を貫通する取付け孔を有し、当該取付け孔は前記電極を挿通可能であって、
取付け孔の開口近傍に筒状の突起を有することを特徴とする請求項1又は2に記載のドレンタンク。
【請求項4】
前記上面部の裏面に環状の堰を有し、当該堰の内側に前記取付け孔の開口が位置することを特徴とする請求項3に記載のドレンタンク。
【請求項5】
前記本体部の側面にドレン導入口及び空気流通口が設けられていることを特徴とする請求項1乃至4のいずれかに記載のドレンタンク。
【請求項6】
燃料を燃焼するバーナと、バーナが作動して生成される燃焼ガスの主に顕熱を回収する一次熱交換器と、当該燃焼ガスの主に潜熱を回収する二次熱交換器と、請求項1乃至5のいずれかに記載のドレンタンクを備えたドレン排水系統と、を有することを特徴とする潜熱回収式燃焼装置。
【請求項1】
燃焼器と、主に燃焼ガスの潜熱を回収する熱交換器とを有する潜熱回収式燃焼装置において、前記潜熱回収式燃焼装置内から前記熱交換器で発生するドレンを排出するドレン排水系統を有するドレンタンクであって、
本体部と、上面部と、水位検出手段とを有し、
前記上面部に高位置部と、高位置部に対して低い位置にあって高位置部と連続する低位置部とを備え、
前記水位検出手段は、本体部に貯留したドレンの水位を検出可能なものであって、
前記水位検出手段の少なくとも一部が低位置部に取付けられていることを特徴とするドレンタンク。
【請求項2】
前記上面部は溝部を備え、溝部は上面部の縁部分と低位置部とに接していること特徴する請求項1に記載のドレンタンク。
【請求項3】
前記水位検出手段は丸棒状の電極を備え、
前記上面部を貫通する取付け孔を有し、当該取付け孔は前記電極を挿通可能であって、
取付け孔の開口近傍に筒状の突起を有することを特徴とする請求項1又は2に記載のドレンタンク。
【請求項4】
前記上面部の裏面に環状の堰を有し、当該堰の内側に前記取付け孔の開口が位置することを特徴とする請求項3に記載のドレンタンク。
【請求項5】
前記本体部の側面にドレン導入口及び空気流通口が設けられていることを特徴とする請求項1乃至4のいずれかに記載のドレンタンク。
【請求項6】
燃料を燃焼するバーナと、バーナが作動して生成される燃焼ガスの主に顕熱を回収する一次熱交換器と、当該燃焼ガスの主に潜熱を回収する二次熱交換器と、請求項1乃至5のいずれかに記載のドレンタンクを備えたドレン排水系統と、を有することを特徴とする潜熱回収式燃焼装置。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【公開番号】特開2012−32028(P2012−32028A)
【公開日】平成24年2月16日(2012.2.16)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−169819(P2010−169819)
【出願日】平成22年7月28日(2010.7.28)
【出願人】(000004709)株式会社ノーリツ (1,293)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成24年2月16日(2012.2.16)
【国際特許分類】
【出願日】平成22年7月28日(2010.7.28)
【出願人】(000004709)株式会社ノーリツ (1,293)
【Fターム(参考)】
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