説明

ドレンポット油排出器およびドレンポット

【課題】交換や改造を要することなく既設のドレンポットに容易に取り付けることができ、低コストでありながらもドレンポット内への劣化油の堆積を抑制することが可能なドレンポット油排出器およびドレンポットを提供することを目的としている。
【解決手段】本発明にかかるドレンポット油排出器の構成は、透明な側壁部材152を有するドレンポット150の内部に配置され、貯留したドレン水102と劣化油104をドレンポット外に排出するドレンポット油排出器100であって、透明材料からなり、ドレンポットの内面に対応した形状を有し内面に当接する外面110と、上端縁110a近傍からすり鉢状に内側に向かうにしたがって下方に傾斜または湾曲している傾斜面112と、傾斜面の下縁112aに連続していて、下縁から当該ドレンポット油排出器の底面まで略垂直に貫通した貫通孔114と、を備えることを特徴とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、透明な側壁部材を有するドレンポットの内部に配置され、貯留した水と劣化油をドレンポット外に排出するドレンポット油排出器、およびそれを備えたドレンポットに関するものである。
【背景技術】
【0002】
発電所では、空気圧縮機によって空気を圧縮することによって生成された圧縮空気を用いて、ガスタービンひいてはそれに同軸で接続される発電機を回転させることにより発電を行っている。発電機は、発電時に高温になるため、一般に水素ガス等の冷媒(以下、水素ガスと称する。)を用いた冷却機構によって冷却される。この冷媒である水素ガスの漏出を防止するために、発電機の軸受には密封油が供給され、水素ガスはかかる密封油によってオイルシールされている。
【0003】
発電機の軸受に供給された密封油は、回収された後に脱気処理等を施されて再度発電機に供給され循環利用される。このとき、回収された密封油に、発電機内において生じたドレン水が含有されていると、密封油を供給する密封油真空ポンプ等(以下、単にポンプと称する。)において不具合が発生するおそれがある。このため、セパレータやオイルトラップ等により、回収した密封油からドレン水(水分)が分離される。そして、その分離されたドレン水を系外に排出する前に貯留するために、ポンプにはドレンポット(ドレンポケット、ドレンセパレータ等とも称される。)が設置されている。
【0004】
上記のドレンポットとしては、天面および底面が遮蔽された円筒形の側壁部材を有するものがある。密封油から分離されたドレン水がドレンポットに供給されると、水と油との比重の差により、ドレンポット内において、ドレン水が下方に、かかるドレン水に混入していた密封油がそのドレン水の上方に貯留される。そして、ドレンポットの下方に貯留されたドレン水は、定期的な巡視等により、かかるドレンポットの下部から取り出され系外に排出される。
【0005】
ドレンポットの側壁部材には透明材料が用いられることが多い。これにより、ドレン水の貯留量等、ドレンポット内部の状態を視認可能になるからである。詳細には、巡視時において、ドレンポット内部のドレン水とともに密封油も排出してしまうと、密封油量が減ってしまい継ぎ足しが必要となったり、排出した密封油の処理が必要となったりする。このため、側壁部材を通じてドレンポット内部を目視し、密封油を極力排出しないようにしながらドレン水のみを系外に排出する。しかしながら、ドレンポットには、ドレン水および密封油だけでなく、使用により劣化して黒く変色した密封油(以下、劣化油と称する。)が密封油とドレン水の間に層をなして貯留されている。これらのうち、ドレン水、すなわち水は低粘度であるため容易にドレンポット外に排出されるものの、劣化油はドレン水に比べて粘度が高いためドレン水の排出時に排出されづらく、ドレンポット内に残留してその底面に堆積することがある。
【0006】
ドレンポット内に残留した劣化油の堆積量が増えてくると、それが妨げとなってドレンポット内部の状態を視認困難となる。また、ドレン水より比重の軽い劣化油はドレン水貯留量増加と排出によるドレン水レベル(ドレン水の界面)の上下に伴い側壁部材の内面に接触しながら上下する。これにより、側壁部材の内面に劣化油中の黒い汚染成分が付着すると、ドレン水の貯留量が確認できなくなって、ドレン水の排出を適切なタイミングで行えなくなってしまったり、ドレン水と密封油との界面が確認できなくなって、ドレン水の排出操作に支障を来たしたりすることとなる。このため従来では、堆積した劣化油を除去するためにドレンポットの定期的な分解清掃が必要であり、多大な労力を要していた。
【0007】
そこで、例えば特許文献1では、オイルチャンバーに溜まった水分を取り出して溜めるためのドレンセパレータ(ドレンポット)に、容器本体外壁における目視確認用の透明部の内壁に摺接して付着した異物(汚濁物質)を除去するワイパーと、そのワイパーを手動操作するハンドルとを設けている。特許文献1によれば、ハンドルを操作してワイパーを回転させることにより透明部の内壁に付着した異物を効果的に除去可能であるため、ドレンセパレータを分解して清掃する手間を解消することができるとしている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【特許文献1】特開2008−38778号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
しかしながら、特許文献1のドレンセパレータであると、部品点数が増えるため装置コストが嵩んでしまう。また特許文献1のワイパーおよびハンドルはドレンセパレータに備え付けられたものであるため、これを既存の設備に適用しようとなるとドレンセパレータごとの交換が必要となり、やはりコスト面において課題が生じる。更に、仮にワイパーおよびハンドルのみを既設のドレンセパレータに取付可能であっても、かかるドレンセパレータの改造が必要になってしまうためコストがかかる上に改造に手間を要する。また、ハンドル軸が外壁を貫通する必要があるため、圧力の高い系には適用しづらいという問題もある。
【0010】
本発明は、このような課題に鑑み、交換や改造を要することなく既設のドレンポットに容易に取り付けることができ、低コストでありながらもドレンポット内への劣化油の堆積を抑制することが可能なドレンポット油排出器およびドレンポットを提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0011】
上記課題を解決するために、本発明にかかるドレンポット油排出器の代表的な構成は、透明な側壁部材を有するドレンポットの内部に配置され、貯留したドレン水と劣化油をドレンポット外に排出するドレンポット油排出器であって、透明材料からなり、ドレンポットの内面に対応した形状を有し内面に当接する外面と、上端縁近傍からすり鉢状に内側に向かうにしたがって下方に傾斜または湾曲している傾斜面と、傾斜面の下縁に連続していて、下縁から当該ドレンポット油排出器の底面まで略垂直に貫通した貫通孔と、を備えることを特徴とする。
【0012】
上記構成によれば、ドレンポット内部に当該ドレンポット油排出器を配置することにより、その傾斜面によって、あたかもドレンポットの底面が傾斜した状態となる。これにより、劣化油は、傾斜面に沿ってそれに連続した貫通孔に至り、定期的に行われるドレン水の排出操作時にかかるドレン水とともに貫通孔からドレンポット外に排出される。したがって、ドレンポットの底面への劣化油の堆積や、ドレンポットの側壁部材の内面への汚れ(劣化油)の付着、すなわちドレンポット内への劣化油の残留を好適に抑制することができ、ドレンポット内部の状態を好適に視認可能である。
【0013】
なおドレンポット油排出器は単一部材からなる(部品点数が1点である)ため、それ自体が低コストである。またドレンポット油排出器は、それを既存のドレンポット内に挿入して配置するだけで容易に取付可能であるため、かかるドレンポットの改造や交換ひいてはそれらにかかるコストが不要である。
【0014】
また上記のようにドレンポット内への劣化油の残留が抑制されることにより、ドレンポットの定期清掃の頻度を低下させことができるため、メンテナンス性が向上され、清掃に要する時間や人手を削減可能となる。更に、当該ドレンポット油排出器は透明材料からなるため、それ自体が、ドレンポット内部の状態確認時に妨げになることがない。
【0015】
上記の透明材料は、ドレンポットの側壁部材と同一材料であるとよい。かかる構成によれば、ドレンポットの側壁部材と当該ドレンポット油排出器との熱膨張率が同一となるため、かかる側壁部材が熱膨張によって変形した場合であっても、その変形に追従するようにドレンポット油排出器も変形する。したがって、熱膨張に起因するそれらの破損を防止することができる。
【0016】
上記の透明材料はアクリル系材料であるとよい。かかる透明材料としては、樹脂系材料が好適であるが、そのなかでも、アクリル系材料は、透明度が高く且つ高い強度を有するため最適である。
【0017】
上記課題を解決するために、本発明にかかるドレンポットの代表的な構成は、劣化油とドレン水を貯留するドレンポットであって、上述したドレンポット油排出器が内部に配置されていることを特徴とする。
【0018】
上述したドレンポット油排出器の技術的思想に基づく構成要素やその説明は、当該ドレンポットにも適用可能である。
【発明の効果】
【0019】
本発明によれば、交換や改造を要することなく既設のドレンポットに容易に取り付けることができ、低コストでありながらもドレンポット内への劣化油の堆積を抑制することが可能なドレンポット油排出器およびドレンポットを提供することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0020】
【図1】本実施形態にかかるドレンポット油排出器を備えるドレンポットを示す図である。
【図2】本実施形態にかかる油排出器を示す図である。
【図3】図1(b)のB−B断面におけるドレンポット内部の状態を説明するための概略図である。
【図4】側壁部材および油排出器の熱膨張について説明する概念図である。
【図5】図1(a)のA−A断面におけるドレンポット内部の状態を説明するための概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0021】
以下に添付図面を参照しながら、本発明の好適な実施形態について詳細に説明する。かかる実施形態に示す寸法、材料、その他具体的な数値などは、発明の理解を容易とするための例示に過ぎず、特に断る場合を除き、本発明を限定するものではない。なお、本明細書及び図面において、実質的に同一の機能、構成を有する要素については、同一の符号を付することにより重複説明を省略し、また本発明に直接関係のない要素は図示を省略する。
【0022】
図1は、本実施形態にかかるドレンポット油排出器を備えるドレンポットを示す図であり、図1(a)はドレンポット油排出器を取り付ける前の状態のドレンポットを示す図であり、図1(b)は図1(a)のドレンポットに本実施形態にかかるドレンポット油排出器を取り付けた状態を示す図である。理解を容易にするために、以下の説明では、まずドレンポット150の構造について詳述した後に、本実施形態にかかるドレンポット油排出器(以下、単に油排出器100と称する。)について詳述する。
【0023】
図1に示すドレンポット150は、不図示のセパレータやオイルトラップ等の下流に配置され、それらにより回収された密封油から分離されたドレン水102(図3参照)を貯留する。図1(a)に示すように、ドレンポット150は、その側面を構成する側壁部材152を備える。かかる側壁部材152の天面および底面は、上板154および下板156によって遮蔽されている。
【0024】
側壁部材152の周囲には、上端が上板154に接続され且つ下端が下板156に接続された補強部材158が配置されている。これにより、側壁部材152と、上板154および下板156との接続強度ひいては油排出器100の強度の向上を図ることができる。また上板154には、上述したセパレータやオイルトラップ等からのドレン水102をドレンポット150に導入するドレン水導入管162が接続されていて、下板156には、ドレンポット150内(厳密には側壁部材152内)に貯留されたドレン水を系外に排出するためのドレン水排出管164が接続されている。
【0025】
図5は、図1(a)のA−A断面におけるドレンポット150内部の状態を説明するための概略図である。ドレン水導入管162を通じてドレン水102が導入されると、ドレンポット150では、水と油との比重の差により、図5(a)に示すようにドレン水102が下方に、密封油103が上方に貯留され、それらのドレン水102と密封油103との間に、密封油103が劣化して黒く変色した劣化油104(以下、単に劣化油104と称する)が層をなして貯留される。
【0026】
そして、ドレンポット150に貯留されたドレン水102の量(貯留量)が所定量に達している否かが点検員(不図示)によって目視で観察される。このドレンポット150内部の状態を視認可能にするために、側壁部材152は透明な材料によって構成されている。
【0027】
ドレンポット150内に貯留されたドレン水102は、図5(b)に示すように、ドレン水排出管164に設けられた開閉弁164a(図1参照)を開状態とすることによりドレン水排出管164から系外に排出される。このとき、ドレン水102(水)は低粘度であるため容易にドレンポット150外に排出されるものの、ドレン水102に比べ粘度が高い劣化油104(油)はドレン水102の排出時に排出されづらい。また、密封油103をなるべく排出させたくないことから、図5(c)に示すように劣化油104を排出しきれず、ドレンポット150内に劣化油104の堆積量が増加していく。
【0028】
また図5(d)に示すように、ドレンポット150内に堆積した劣化油104は、ふたたびドレン水102が増えていくにしたがって密封油103とドレン水102の界面と共に上昇する。このように、劣化油104の層が側壁部材152と接触しながら上下するため、ドレンポット150の側壁部材152の内面の汚れが増大していく。この側壁部材152の内面の汚れは、劣化油104の堆積量が少ない場合にはそれほど影響はしないが、劣化油104の堆積量が多くなると付着量も急激に増えて側壁部材152内面を加速度的に汚してしまう。
【0029】
上述した状態になると、ドレン水102の貯留量を把握できなくなるため、その排出を適切なタイミングで行えなくなってしまう。また大量の劣化油104および劣化油104の汚染成分104aにより、側壁部材152からドレン水102と密封油103との界面が観察できなくなると、ドレン水102の排出操作に支障を来たす。このため、従来では、定期的に(例えば2週間に1回程度)ドレンポット150を分解して内部を清掃し、堆積した劣化油104を除去する必要があり、多大な労力を要していた。
【0030】
そこで、本実施形態では、図1(b)に示すようにドレンポット150内部に油排出器100を配置し、ドレンポット150内部からの劣化油104の排出を促進することにより、その底面への劣化油104の堆積を抑制する。図2は、本実施形態にかかる油排出器100を示す図であり、図2(a)は油排出器100の外観斜視図であり、図2(b)は図1(b)のC−C断面図であり、図2(c)は図2(a)のD−D断面図である。
【0031】
図2(a)に示すように、油排出器100は単一部材から構成される。このように部品点数が少ないため、本実施形態の油排出器100は低コストである。また油排出器100の外面110は、図2(c)に示すようにドレンポット150の内面、すなわち側壁部材152の内周面に対応した形状であり、かかる内周面に当接する。これにより、上板154を外してドレンポット150の内部に油排出器100を挿入するだけで、側壁部材152との間に隙間を生じさせることなく油排出器100を配置して取り付けることができる。したがって、本実施形態の油排出器100の取付には既存のドレンポット150の改造や交換が不要であり、それらにかかるコストを削減することが可能となる。
【0032】
本実施形態にかかる油排出器100は、ドレンポット150に貯留されたドレン水102と一緒に劣化油104をドレンポット150外に排出する。図2(a)および(b)に示すように、油排出器100は、外面110の上端縁110a近傍から、すり鉢状に内側に向かうにしたがって下方に傾斜または湾曲している傾斜面112を有する。また、かかる傾斜面112の下縁112aには、そこから油排出器100の底面110bまで略垂直に貫通した貫通孔114が連続している。
【0033】
図3は、図1(b)のB−B断面におけるドレンポット150内部の状態を説明するための概略図である。上記説明したようにして油排出器100をドレンポット150内部に配置すると、かかるドレンポット150は、図3(a)に示すように油排出器100の傾斜面112によってあたかもドレンポット150の底面(下板156の内側)が傾斜した状態となる。ここに、ドレン水導入管162によってドレン水102が導入されると、図3(b)に示すようにそのドレン水102は傾斜面112の内部に貯留され、上述したようにドレン水102と劣化油104の比重差によって、ドレン水102と劣化油104とが分離される。
【0034】
ドレンポット150におけるドレン水102の貯留量は、従来と同様に点検員によって目視で観察される。この観察が好適に行えるよう、本実施形態の油排出器100は透明材料によって構成される。これにより、側壁部材152の内側に油排出器100が設置されていても、ドレンポット150内部の状態確認時に油排出器100が妨げになることがない。かかる透明材料としては、樹脂系材料を好適に用いることができるが、そのなかでもアクリル系材料が最適である。これにより、油排出器100において高い透明度および高強度が得られる。
【0035】
またドレンポット150を構成する透明材料には、ドレンポット150の側壁部材152と同一の材料を用いることが好ましい。図4は、側壁部材152および油排出器100の熱膨張について説明する概念図である。仮に側壁部材152と油排出器100とが同一材料でない場合、それらの熱膨張率は異なることとなる。側壁部材152の熱膨張率よりも油排出器100の熱膨張率が大きい場合、油排出器100が熱膨張すると、図4(a)に示すように側壁部材152を圧迫するためその破損を招くおそれがある。一方、油排出器100の熱膨張率よりも側壁部材152の熱膨張率が大きい場合、側壁部材152が熱膨張すると、図4(b)に示すように側壁部材152とドレンポット150との間に隙間150aが生じる。このため、その隙間150aに油104が入り込んでしまって側壁部材152の内側が汚染され、ドレンポット150内部の視認が困難になるおそれがある。
【0036】
故に、上述した不具合を回避するために、本実施形態のようにドレンポット150および側壁部材152を構成する透明材料を同一材料とする。これにより、それらの熱膨張率が同一になるため、ドレンポット150に熱膨張が生じても油排出器100はそれに追従するように変形する。したがって、熱膨張に起因する不具合を防止することができる。
【0037】
再び図3を参照する。図3(b)に示すようにドレンポット150内にドレン水102が溜まったら、開閉弁164a(図1参照)を開き、図3(c)に示すようにドレン水排出管164を通じてドレン水102を系外に排出する。このとき、ドレン水102の下方への移動に伴ってその上層の劣化油104も傾斜面112に沿って下方に移動する。そして、かかる劣化油104は、図3(d)に示すように傾斜面112に連続した貫通孔114に至り、そこからドレン水102とともに系外に排出される。したがって、ドレンポット150の底面(下板156の内側)における劣化油104に堆積が生じないため、図3(b)に示す状態からドレン水102を排出すると、ドレンポット150内部は再度図3(a)に示す状態となる。
【0038】
上記説明したように、本実施形態にかかる油排出器100、およびそれを備えたドレンポット150によれば、定期的に行われるドレン水102の排出操作時に、傾斜面112および貫通孔114によってドレン水102とともに劣化油104もドレンポット150外に排出される。これにより、ドレンポット150の底面への劣化油104の堆積や、ドレンポットの側壁部材152の内面への劣化油104の付着等の劣化油104の残留を好適に抑制することができ、ドレンポット150内部の状態を好適に視認可能である。したがって、従来に比べドレンポット150の定期清掃の頻度を低下させることができ、メンテナンス性の向上や、清掃に要する時間や人手を削減が可能となる。
【0039】
以上、添付図面を参照しながら本発明の好適な実施形態について説明したが、本発明は係る例に限定されないことは言うまでもない。当業者であれば、特許請求の範囲に記載された範疇内において、各種の変更例または修正例に想到し得ることは明らかであり、それらについても当然に本発明の技術的範囲に属するものと了解される。
【産業上の利用可能性】
【0040】
本発明は、透明な側壁部材を有するドレンポットの内部に配置され、貯留したドレン水と一緒に劣化油をドレンポット外に排出するドレンポット油排出器、およびそれを備えたドレンポットに利用することができる。
【符号の説明】
【0041】
100…油排出器、102…ドレン水、103…密封油、104…劣化油、110…外面、110a…上端縁、110b…底面、112…傾斜面、112a…下縁、114…貫通孔、150…ドレンポット、150a…隙間、152…側壁部材、154…上板、156…下板、158…補強部材、162…ドレン水導入管、164…ドレン水排出管、164a…開閉弁

【特許請求の範囲】
【請求項1】
透明な側壁部材を有するドレンポットの内部に配置され、貯留したドレン水と劣化油を該ドレンポット外に排出するドレンポット油排出器であって、
透明材料からなり、
前記ドレンポットの内面に対応した形状を有し該内面に当接する外面と、
上端縁近傍からすり鉢状に内側に向かうにしたがって下方に傾斜または湾曲している傾斜面と、
前記傾斜面の下縁に連続していて、該下縁から当該ドレンポット油排出器の底面まで略垂直に貫通した貫通孔と、
を備えることを特徴とするドレンポット油排出器。
【請求項2】
前記透明材料は、前記ドレンポットの側壁部材と同一材料であることを特徴とする請求項1に記載のドレンポット油排出器。
【請求項3】
前記透明材料はアクリル系材料であることを特徴とする請求項1または2に記載のドレンポット油排出器。
【請求項4】
劣化油とドレン水を貯留するドレンポットであって、
請求項1から3のいずれか1項に記載のドレンポット油排出器が内部に配置されていることを特徴とするドレンポット。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate


【公開番号】特開2012−197733(P2012−197733A)
【公開日】平成24年10月18日(2012.10.18)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−62952(P2011−62952)
【出願日】平成23年3月22日(2011.3.22)
【出願人】(000003687)東京電力株式会社 (2,580)
【Fターム(参考)】