説明

ナトリウムチャンネル遮断薬としての置換トリアゾール類

式I、IIもしくはIIIによって表される置換トリアゾール化合物またはこの医薬として許容される塩。医薬組成物は、単独であるいは1以上の他の治療活性化合物との組み合わせでの有効量の本発明の化合物および医薬として許容される担体を含む。例えば急性疼痛、慢性疼痛、内臓痛、炎症性疼痛、神経障害性疼痛、片頭痛、頭痛、片頭痛、癲癇、過敏性腸症候群、糖尿病性神経障害、多発性硬化症、躁鬱病および双極性障害などのナトリウムチャンネル活性に関連する、あるいはそれが原因である状態の治療方法は、単独であるいは1以上の他の治療活性化合物との組み合わせでの有効量の本発明の化合物を投与する段階を有する。局所麻酔薬の投与方法は、単独であるいは1以上の他の治療活性化合物との組み合わせでの有効量の本発明の化合物および医薬として許容される担体を投与する段階を有する。


【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、一連の置換トリアゾール化合物に関する。詳細には本発明は、慢性および神経障害性疼痛の治療および予防において有用なナトリウムチャンネル遮断薬である置換トリアゾール類に関するものである。本発明の化合物は、急性疼痛、炎症性疼痛、内臓痛、片頭痛、頭痛、片頭痛などの他の状態ならびに癲癇、躁鬱病、双極性障害および糖尿病性神経障害などの中枢神経系(CNS)障害の治療においても有用である。
【背景技術】
【0002】
電位開口型イオンチャンネルは、電気的に励起可能な細胞が活動電位を発生および伝搬させることができることから、神経機能および筋肉機能において非常に重要である。ナトリウムチャンネルは、活動電位の上昇相を構成して電位開口型のカルシウムおよびカリウムチャンネルを活性化させる急速な脱分極に介在することで特殊な役割を果たす。電位開口型ナトリウムチャンネルは、多重遺伝子ファミリーを代表するものである。現在までに、9種類のナトリウムチャンネルサブタイプがクローニングされ、機能的に発現されている[Clare, J. J., Tate, S. N., Nobbs, M. & Romanos, M. A. Voltage-gated sodium channels as therapeutic targets. Drug Discovery Today 5, 506-520 (2000)]。これらは筋肉および神経組織を通じて異なった発現を行い、独特な生物物理的特性を示す。全ての電位開口型ナトリウムチャンネルは、他のイオンと比較したナトリウムの高度の選択性およびそれの電圧依存性ゲート制御を特徴とする[Catterall, W. A. Structure and function of voltage-gated sodium and calcium channels. Current Opinion in Neurobiology 1, 5-13 (1991)]。負または過分極化の膜電位では、ナトリウムチャンネルは閉じる。膜の脱分極後には、ナトリウムチャンネルは急速に開き、そして非働化する。ナトリウムチャンネルは開放状態でのみ電流を通し、一旦非働化すると、休止状態に戻らなければならなくなり、膜過分極によって支持されてから、再度開くことができる。ナトリウムチャンネルサブタイプが異なると、それらが活動するおよび非働化する電圧範囲ならびにそれの活動および非働化動力学が変わる。
【0003】
ナトリウムチャンネルは、神経毒類、抗不整脈薬および局所麻酔薬などの多様な多くの薬物の標的となっている[Clare, J. J., Tate, S. N., Nobbs, M. & Romanos, M. A. Voltage-gated sodium channels as therapeutic targets. Drug Discovery Today 5, 506-520 (2000)]。ナトリウムチャンネル二次構造におけるいくつかの領域が、それら遮断薬との相互作用に関与しており、ほとんどが高度に保存されている。実際、今日までに知られているほとんどのナトリウムチャンネル遮断薬が、全てのチャンネルサブタイプと同様の効力で相互作用する。そうではあっても、癲癇(例:ラモトリジン、フェニトインおよびカルバマゼピン)およびある種の心不整脈(例:リグノカイン、トカイニドおよびメキシレチン)の治療における治療選択性および十分な治療ウィンドウを有するナトリウムチャンネル遮断薬を製造することが可能となった。
【0004】
神経における電位開口型Naチャンネルは神経障害性疼痛で非常に重要な役割を果たすことが知られている。末梢神経系が傷つくと、最初の傷害が治った後に長く続く神経障害性疼痛を生じる場合が多い。神経障害性疼痛の例には、ヘルペス後神経痛、三叉神経痛、糖尿病性神経症、慢性腰痛、幻肢痛、癌および化学療法によって生じる疼痛、慢性骨盤痛、複合局所疼痛症候群および関連する神経痛などがあるが、これらに限定されるものではない。ヒト患者ならびに神経障害性疼痛の動物モデルでは、一次求心性感覚神経への損傷によって神経腫形成および自発的発動ならびに通常は無害な刺激に応答する活動誘発を生じる可能性があることが明らかになっている[Carter, G. T. and B. S. Galer, Advances in the management of neuropathic pain. Physical Medicine and Rehabilitation Clinics of North America, 2001.12 (2): p. 447-459]。通常は鎮静している感覚神経の異所性活動は、神経障害性疼痛の発生および維持に寄与すると考えられる。神経障害性疼痛は、傷害された神経におけるナトリウムチャンネル活動の亢進に関連すると推測されている[Baker, M. D. and J. N. Wood, Involvement of Na channels in pain pathways. TRENDS in Pharmacological Sciences, 2001.22 (1) : p. 27-31]。
【0005】
実際、末梢神経傷害のラットモデルにおいて、被傷神経での異所性活動は、疼痛の行動的徴候に相当する。このモデルでは、ナトリウムチャンネル遮断薬および局所麻酔薬リドカインの静脈投与により、全般的な挙動および運動機能に影響しない濃度でその異所性活動を抑制し、触覚異痛を改善することができる[Mao, J. and L. L. Chen, Systemic lidocaine for neuropathic pain relief. Pain, 2000.87: p. 7-17]。これらの有効濃度は、ヒトにおいて臨床的に効力があることが示された濃度と同様であった[Tanelian, D. L. and W. G. Brose, Neuropathic pain can be relieved by drugs that are use-dependent sodium channel blockers: lidocaine, carbamazepine and mexiletine. Anesthesiology, 1991.74 (5): p. 949-951]。プラシーボ対照試験において、リドカインの連続的注入によって末梢神経損傷患者での疼痛点数が低下し、別の試験では、静脈投与リドカインによって、ヘルペス後神経痛(PHN)に伴う疼痛強度が低下した[Mao, J. and L. L. Chen, Systemic lidocaine for neuropathic pain relief. Pain, 2000.87: p. 7-17. Anger, T., et al., Medicinal chemistry of neuronal voltage-gated sodium channel blockers. Journal of Medicinal Chemistry, 2001.44 (2): p. 115-137]。皮膚貼付薬の形態で投与されるリドカインであるリドダーム(Lidoderm;登録商標)が、現在PHNに関してFDAによって承認されている唯一の治療法である[Devers, A. and B. S. Galer, Topical lidocaine patch relieves a variety of neuropathic pain conditions : an open-label study. Clinical Journal of Pain, 2000.16 (3): p. 205-208]。
【0006】
神経障害性疼痛に加えて、ナトリウムチャンネル遮断薬は癲癇および心不整脈の治療において臨床的用途を有する。動物モデルからの最近の証拠から、ナトリウムチャンネル遮断薬が卒中または神経外傷によって引き起こされる虚血状態下および多発性硬化症(MS)患者での神経保護にも有用となり得ることが示唆されている[Clare, J. J. et. al. And Anger, T. et. al.]。
【0007】
国際特許公開WO 00/57877には、アリール置換ピラゾール類、イミダゾール類、オキサゾール類、チアゾール類およびピロール類ならびにこれらのナトリウムチャンネル遮断薬としての使用が記載されている。国際特許公開WO 01/68612には、アリール置換ピリジン類、ピリミジン類、ピラジン類およびトリアジン類ならびにこれらのナトリウムチャンネル遮断薬としての使用が記載されている。国際特許公開WO 99/32462には、CNS障害治療のためのトリアジン化合物が記載されている。しかしながら、現在知られている化合物と比較して副作用が少なく効力が高い、神経ナトリウムチャンネルを遮断して治療効果を有する新規な化合物および組成物がなおも必要とされている。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
本発明は、慢性および神経障害性疼痛の治療および予防において有用なナトリウムチャンネル遮断薬である置換トリアゾール化合物に関するものである。本発明の化合物は、癲癇、躁鬱病および双極性障害などのCNS障害のような他の状態の治療および予防においても有用である。本発明は、単独または1以上の治療活性化合物と組み合わせた本発明の化合物および医薬として許容される担体を含む医薬組成物を提供する。
【0009】
本発明はさらに、急性疼痛、内臓痛、片頭痛、頭痛、片頭痛、炎症性疼痛ならびに癲癇、躁鬱病および双極性障害など(それらに限定されるものではない)のCNSの障害の治療および予防方法であって、本発明の化合物および医薬組成物を投与する段階を有する方法を包含するものである。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明は、下記式(I)または(II)によって表される化合物またはこの医薬として許容される塩を含むものである。
【0011】
【化4】

式中、
は、
(a)H、
(b)C〜C−アルキル、C〜C−アルケニル、C〜C−アルキニル[これらはいずれも、1以上の次の置換基:NR、COOH、CONRで置換されていても良い。]、または
(c)−C(=O)R、COOR、CONR
であり;
は、
(a)H、
(b)1以上のハロゲンもしくはCFで置換されていても良いC〜C−アルキル、または
(c)CF
であり;
は、
(a)H、または
(b)1以上のハロゲンもしくはCFで置換されていても良いC〜C−アルキル、または
(c)CF
であり;
は、HまたはC1−4アルキルであり;
およびRはそれぞれ独立に、
(a)H、
(b)−C〜C−アルキル−C〜C−パーフルオロアルキルまたは−O−C〜C−アルキル−C〜C−パーフルオロアルキル、
(c)ハロゲン、または
(d)1以上のハロゲンもしくはCFで置換されていても良い−C〜Cアルキル
であり;
、RおよびRはそれぞれ独立に、
(a)H、
(b)−O−C〜C−アルキル、−O−C〜C−アルケニル、−O−C〜C−アルキニル[これらはいずれも、1以上のハロゲンまたはCFで置換されていても良い。]、
(c)−C〜C−アルキル−C〜C−パーフルオロアルキルもしくは−O−C〜C−アルキル−C〜C−パーフルオロアルキル、
(d)−O−フェニルまたは−O−C〜C−アルキル−フェニル[フェニルは、i)ハロゲン、ii)−CN、iii)−NO、iv)CF、v)−OR、vi)−NR、vii)−C0−4アルキル−CO−OR、viii)−(C0−4アルキル)−CO−N(R)(R)、ix)およびx)C1−10アルキル[1以上の前記アルキル炭素は、−NR、C(O)−O−もしくは−N(R)−C(O)−N(R)−に置き換わっていても良い。]から選択される1〜3個の置換基で置換されていても良い。]、または
(e)ハロゲン、−ORまたはフェニル[フェニルは、i)ハロゲン、ii)−CN、iii)−NO、iv)CF、v)ピラゾリル、vi)−OR、vii)−NR、viii)C0−4アルキル−CO−OR、ix)−(C0−4アルキル)−CO−N(R)(R)およびx)−C1−10アルキル1以上の前記アルキル炭素は−NR、C(O)−O−または−N(R)−C(O)−N(R)−によって置き換わっていても良い。]から選択される1〜3個の置換基で置換されていても良い。]
である。
【0012】
本発明はさらに、下記式IIIによって示される化合物またはそれの医薬塩を包含するものである。
【0013】
【化5】

式中、R〜Rはそれぞれ、上記で定義の通りである。
【0014】
第1の態様において本発明は、Rが、H以外であり、オルト位で結合している、化学式(I)によって表される化合物またはこの医薬として許容される塩を提供する。
【0015】
この第1の態様の1実施形態では、本発明は、Rが置換されていても良いフェニルである化合物またはこの医薬として許容される塩を提供する。
【0016】
この第1の態様の第2の実施形態では、本発明は、Rが置換されていても良い−O−C〜C−アルキルである化合物またはこの医薬として許容される塩を提供する。
【0017】
この第1の態様の第3の実施形態では、本発明は、Rが−O−C〜C−アルキル−フェニルであり、フェニルが置換されていても良い化合物またはこの医薬として許容される塩を提供する。
【0018】
この第1の態様の別の実施形態では、本発明は、Rがハロゲンである化合物またはこの医薬として許容される塩を提供する。
【0019】
この第1の態様のさらに別の実施形態では、本発明は、Rがハロゲンである化合物またはこの医薬として許容される塩を提供する。
【0020】
この第1の態様のさらに別の実施形態では、本発明は、RおよびRがハロゲンである化合物またはこの医薬として許容される塩を提供する。
【0021】
この第1の態様のさらに別の実施形態では、本発明は、R、RおよびRがハロゲンである化合物またはこの医薬として許容される塩を提供する。
【0022】
この第1の態様のさらに別の実施形態では、本発明は、Rが−O−C〜C−アルキル−C〜C−パーフルオロアルキルである化合物またはこの医薬として許容される塩を提供する。
【0023】
この第1の態様のさらに別の実施形態では、本発明は、Rが置換されていても良い−O−C〜C−アルケニルである化合物またはこの医薬として許容される塩を提供する。
【0024】
第2の態様において本発明は、Rが、H以外であり、オルト位で結合している化学式(II)によって表される化合物またはこの医薬として許容される塩を提供する。
【0025】
この第2の態様の1実施形態では、本発明は、Rが置換されていても良いフェニルである化合物またはこの医薬として許容される塩を提供する。
【0026】
この第2の態様の第2の実施形態では、本発明は、Rが−O−C〜C−アルキル−フェニルであり、フェニルが置換されていても良い化合物またはこの医薬として許容される塩を提供する。
【0027】
この第2の態様の第3の実施形態では、本発明は、Rが置換されていても良い−O−C〜C−アルケニルである化合物またはこの医薬として許容される塩を提供する。
【0028】
この第2の態様の第4の実施形態では、本発明は、Rが置換されていても良い−O−C〜C−アルキルである化合物またはこの医薬として許容される塩を提供する。
【0029】
この第2の態様の別の実施形態では、本発明は、Rがハロゲンである化合物またはこの医薬として許容される塩を提供する。
【0030】
この第2の態様のさらに別の実施形態では、本発明は、Rがハロゲンである化合物またはこの医薬として許容される塩を提供する。
【0031】
この第2の態様のさらに別の実施形態では、本発明は、RおよびRがハロゲンである化合物またはこの医薬として許容される塩を提供する。
【0032】
この第2の態様のさらに別の実施形態では、本発明は、R、RおよびRがハロゲンである化合物またはこの医薬として許容される塩を提供する。
【0033】
この第2の態様のさらに別の実施形態では、本発明は、Rが−O−C〜C−アルキル−C〜C−パーフルオロアルキルである化合物またはこの医薬として許容される塩を提供する。
【0034】
第3の態様において本発明は、Rが、H以外であり、オルト位で結合している化学式(III)によって表される化合物またはこの医薬として許容される塩を提供する。
【0035】
この第3の態様の1実施形態では、本発明は、Rが置換されていても良いフェニルである化合物またはこの医薬として許容される塩を提供する。
【0036】
この第3の態様の第2の実施形態では、本発明は、Rが置換されていても良い−O−C〜C−アルキルである化合物またはこの医薬として許容される塩を提供する。
【0037】
この第3の態様の第3の実施形態では、本発明は、Rが−O−C〜C−アルキル−フェニルであり、フェニルが置換されていても良い化合物またはこの医薬として許容される塩を提供する。
【0038】
この第3の態様の第4の実施形態では、本発明は、Rが置換されていても良い−O−C〜C−アルケニルである化合物またはこの医薬として許容される塩を提供する。
【0039】
この第3の態様の別の実施形態では、本発明は、Rがハロゲンである化合物またはこの医薬として許容される塩を提供する。
【0040】
この第3の態様のさらに別の実施形態では、本発明は、Rがハロゲンである化合物またはこの医薬として許容される塩を提供する。
【0041】
この第3の態様のさらに別の実施形態では、本発明は、RおよびRがハロゲンである化合物またはこの医薬として許容される塩を提供する。
【0042】
この第3の態様のさらに別の実施形態では、本発明は、R、RおよびRがハロゲンである化合物またはこの医薬として許容される塩を提供する。
【0043】
この第3の態様のさらに別の実施形態では、本発明は、Rが−O−C〜C−アルキル−C〜C−パーフルオロアルキルである化合物またはこの医薬として許容される塩を提供する。
【0044】
本明細書で使用される場合、「アルキル」ならびにアルコキシ、アルカノイル、アルケニルおよびアルキニルなどの接頭語「アルク」を有する他の基は、直鎖または分岐あるいはそれらの組合せであることができる炭素鎖を意味する。アルキル基の例には、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、sec−およびtert−ブチル、ペンチル、ヘキシルおよびヘプチルなどがある。「アルケニル」、「アルキニル」などの用語には、少なくとも1個の不飽和C−C結合を有する炭素鎖が含まれる。
【0045】
「C0−4アルキル」または「C〜C−アルキル」という用語は、4、3、2、1または0個の炭素原子を有するアルキルを含む。炭素原子を持たないアルキルとは、そのアルキルが末端基である場合には水素原子置換基であり、そのアルキルが架橋基である場合には直接結合である。
【0046】
別段にて具体的に記載がない限り、「アミン」という用語は、C0−6アルキルで置換された1級、2級および3級アミンを含む。
【0047】
別段にて具体的に記載がない限り、「カルボニル」という用語は、そのカルボニルが末端である場合にはC1−6アルキル置換基を含む。
【0048】
「ハロゲン」という用語は、フッ素、塩素、臭素およびヨウ素原子を含む。
【0049】
「置換されていても良い」という用語は、置換および未置換の両方を含む。従って例えば、置換されていても良いフェニルとは、ペンタフルオロフェニル環またはフェニル環を表すことができ得る。さらに、例えばアルキル−フェニルなどの置換されていても良い複数の部分は、そのアルキル基およびフェニル基が置換されていても良いことを意味する。複数の部分の一つのみが置換されていても良い場合、それは具体的に、「フェニルがハロゲンで置換されていても良い−O−C〜C−アルキル−フェニル」などと称される。
【0050】
本明細書に記載の化合物は1以上の二重結合を有しても良いことから、シス/トランス異性体ならびに他の立体配座異性体を生じる場合がある。本発明は、具体的に別段の断りがない限り、そのような可能な異性体の全てならびにそのような異性体の混合物を含む。指定の部位が単結合のみを有する場合、必要な水素が存在することは明らかである。その部位が二重結合である場合、シス/トランス異性体が形成され、これらは本発明に包含される。
【0051】
本明細書に記載の化合物は、1以上の不斉中心を有することができることから、ジアステレオ異性体および光学異性体を生じる場合がある。本発明は、このような可能な全てのジアステレオ異性体ならびにこれらのラセミ混合物、これらの実質的に純粋な分割エナンチオマー、全ての可能な幾何異性体ならびにこれらの医薬として許容される塩を含む。上記化学式は、ある位置での確定的な立体化学を示さずに表示されている。本発明は、上記化学式の全ての立体異性体およびこれらの医薬として許容される塩を含む。さらに、立体異性体の混合物ならびに単離された具体的な立体異性体も含まれる。このような化合物を製造するのに用いられる合成手順の途上において、あるいは当業者に知られているラセミ化法もしくはエピマー化法の使用において、このような手段の生成物は、立体異性体の混合物であり得る。
【0052】
「医薬として許容される塩」という用語は、医薬として許容される無毒性の、塩基または酸から製造される塩を指す。本発明の化合物が酸性である場合、これの相当する塩は簡便には、無機塩基および有機塩基などの医薬として許容される無毒性塩基から製造することができる。このような無機塩基から誘導される塩には、アルミニウム、アンモニウム、カルシウム、銅(第二および第一銅)、第二鉄、第一鉄、リチウム、マグネシウム、マンガン(第二および第一マンガン)、カリウム、ナトリウム、亜鉛などの塩などがある。特に好ましいものは、アンモニウム塩、カルシウム塩、マグネシウム塩、カリウム塩およびナトリウム塩である。医薬として許容される有機無毒性塩基から誘導される塩には、1級、2級および3級アミン類、ならびに環状アミンおよび天然および合成置換アミン類などの置換アミン類の塩などがある。塩を形成することができる他の医薬として許容される有機無毒性塩基には、イオン交換樹脂などがあり、例えばアルギニン、ベタイン、カフェイン、コリン、N,N′−ジベンジルエチレンジアミン、ジエチルアミン、2−ジエチルアミノエタノール、2−メチルアミノエタノール、エタノールアミン、エチレンジアミン、N−エチルモルホリン、N−エチルピペリジン、グルカミン、グルコサミン、ヒスチジン、ヒドラバミン、イソプロピルアミン、リジン、メチルグルカミン、モルホリン、ピペラジン、ピペリジン、ポリアミン樹脂類、プロカイン、プリン類、テオブロミン、トリエチルアミン、トリメチルアミン、トリプロピルアミンおよびトロメタミンなどがある。
【0053】
本発明の化合物が塩基性である場合、この相当する塩は簡便には、無機酸および有機酸などの医薬として許容される無毒性酸から製造することができる。このような酸には例えば、酢酸、ベンゼンスルホン酸、安息香酸、カンファースルホン酸、クエン酸、エタンスルホン酸、フマル酸、グルコン酸、グルタミン酸、臭化水素酸、塩酸、イセチオン酸、乳酸、マレイン酸、リンゴ酸、マンデル酸、メタンスルホン酸、粘液酸、硝酸、パモ酸、パントテン酸、リン酸、コハク酸、硫酸、酒石酸、p−トルエンスルホン酸などがある。特に好ましいものは、クエン酸、臭化水素酸、塩酸、マレイン酸、リン酸、硫酸および酒石酸である。
【0054】
本発明は、本発明の化合物のプロドラッグをその範囲に含む。このようなプロドラッグは、インビボで容易に必要な化合物に変換可能な本発明の化合物の官能基誘導体である。従って、本発明の治療方法では、「投与する」という用語は、具体的に開示されている化合物または具体的に開示されてはいないが患者への投与後にインビボで指定の化合物に変換される化合物であって、記載の各種状態を治療することを包含するものとする。好適なプロドラッグ誘導体の選択および製造における従来の方法は、例えばバンガードの編著(Design of Prodrugs, ed., H. Bundgaard, Elsevier, 1985)に記載されている。これら化合物の代謝物には、生物環境に本発明の化合物を導入した時点で生成させる活性化学種が含まれる。
【0055】
本発明の医薬組成物は、有効成分としての式I、IIもしくはIIIによって表される化合物(またはこの医薬として許容される塩)、医薬として許容される担体および適宜に1以上の別の治療薬もしくは補助剤を含む。このような別の治療薬には、例えば、i)オピエート作働薬もしくは拮抗薬、ii)カルシウムチャンネル拮抗薬、iii)5HT受容体作働薬もしくは拮抗薬、iv)ナトリウムチャンネル拮抗薬、v)NMDA受容体作働薬もしくは拮抗薬、vi)COX−2選択的阻害薬、vii)NK1拮抗薬、viii)非ステロイド系抗炎症薬(「NSAID」)、ix)選択的セロトニン再取り込み阻害薬(「SSRR」)および/または選択的セロトニンおよびノルエピネフリン再取り込み阻害薬(「SSNRI」)、x)三環系抗鬱薬、xi)ノルエピネフリン調節剤、xii)リチウム、xiii)バルプロエートおよびxiv)ニューロンティン(ガバペンチン)などがある。この組成物には、経口、直腸、局所および非経口(皮下、筋肉および静脈など)投与に好適な組成物などがある。ただし、所定の場合で最も好適な経路は、特定の宿主、ならびに有効成分が投与される状態の性質および重度によって決まる。前記医薬組成物は簡便には、単位製剤で提供することができ、製薬業界で公知のいずれかの方法によって製造することができる。
【0056】
本発明の化合物および組成物は、慢性、内臓性、炎症性および神経障害性の疼痛症候群の治療および予防において有用である。本発明の化合物および組成物は、急性疼痛、片頭痛、頭痛および片頭痛などの他の状態の治療および予防においても有用である。これらは、外傷性神経損傷、神経圧迫、ヘルペス後神経痛、三叉神経痛および糖尿病性神経症から生じる疼痛の治療および予防において有用である。本発明の化合物および組成物は、慢性腰痛、幻肢痛、慢性骨盤痛、神経腫痛、複合局所疼痛症候群、慢性関節痛および関連する神経痛、ならびに癌、化学療法、HIVおよびHIV治療誘発神経症に関連する疼痛の治療および予防においても有用である。本発明の化合物は、局所麻酔薬としても利用可能である。本発明の化合物は、過敏性腸症候群および関連する障害ならびにクローン病の治療および予防において有用である。
【0057】
本発明の化合物は、癲癇ならびに部分および全身強直発作の治療および予防における臨床用途を有する。これらは、卒中もしくは神経外傷によって引き起こされる虚血状態下での神経保護ならびに多発性硬化症の治療においても有用である。本発明の化合物は、双極性障害および不整頻脈の治療および予防において有用である。
【0058】
本発明の化合物を予防的に有効な用量レベルで投与して、上記の状態を予防したり、ナトリウムチャンネル活性に関連する他の状態を予防することが可能であることは明らかである。
【0059】
局所使用には、本発明の化合物を含むクリーム、軟膏、ゼリー、液剤または懸濁液を用いることができる。口内洗剤および含嗽剤も、本発明に関しての局所使用の範囲に含まれる。
【0060】
炎症性および神経障害性疼痛の治療においては、約0.01mg/kg/日〜約140mg/kg/日、あるいは約0.5mg〜約7g/患者/日の用量レベルが有用である。例えば炎症性疼痛は、化合物約0.01mg〜約75mg/kg/日または約0.5mg〜約3.5g/患者/日の投与によって効果的に治療することができる。神経障害性疼痛は、化合物約0.01mg〜約125mg/kg/日または約0.5mg〜約5.5g/患者/日の投与によって効果的に治療することができる。
【0061】
担体材料と組み合わせて単一製剤を製造することができる有効成分の量は、治療対象の宿主および特定の投与形態に応じて変わる。例えば、ヒトへの経口投与用の製剤は簡便には、適切かつ簡便な量の担体材料(組成物全体の約5〜約95%で変動し得る。)と配合して有効成分約0.5mg〜約5gを含むことができる。単位制剤は、通常、有効成分を約1mg〜約1000mg含み、代表的には25mg、50mg、100mg、200mg、300mg、400mg、500mg、600mg、800mgまたは1000mgである。
【0062】
しかしながら、特定の患者における具体的な用量レベルは、各種要素によって決まることは明らかである。そのような患者関連の要素には、患者の年齢、体重、全身の健康、性別および食事などがある。他の要素には、投与の時刻および経路、排泄速度、併用薬剤および治療を受ける疾患の重度などがある。
【0063】
実際、式I、IIおよびIIIによって表される化合物またはこの医薬として許容される塩は、従来の医薬配合法に従って、医薬担体との直接混合中に有効成分として組み合わせることができる。担体は、例えば経口または非経口(静脈投与など)などの投与に望ましい剤型に応じて、多様な形態を取ることができる。すなわち、本発明の医薬組成物は、それぞれ所定量の有効成分を含むカプセル、カシェ剤または錠剤などの経口投与に好適な別個の単位として提供することができる。さらに前記組成物は、粉剤として、粒剤として、液剤として、水系液体中の懸濁液として、非水系液として、水中油型乳濁液として、または油中水型乳濁液として提供することができる。上記の一般的な製剤に加えて、式I、IIおよびIIIによって表される化合物またはこの医薬として許容される塩は、徐放手段および/または徐放投与機器によって投与することもできる。前記組成物は、いずれかの製薬方法によって製造することができる。通常、そのような方法には、1以上の必要な成分を構成する担体と有効成分を組み合わせる段階がある。通常、前記組成物は、有効成分を液体担体もしくは微粉砕固体担体またはその両方と均一かつ十分に混合することにより製造される。次に簡便に、取得物を所望の形状に成形することができる。
【0064】
このように、本発明の医薬組成物は、医薬として許容される担体および式I、IIおよび/またはIIIの化合物もしくは医薬として許容される塩を含むことができる。式I、IIおよびIIIの化合物またはこの医薬として許容される塩は、1以上の治療活性な化合物と組み合わせて、医薬組成物中に含めることもできる。
【0065】
使用される医薬担体は、例えば固体、液体または気体であることができる。固体担体の例には、乳糖、石膏、ショ糖、タルク、ゼラチン、寒天、ペクチン、アカシア、ステアリン酸マグネシウムおよびステアリン酸などがある。液体担体の例としては、糖シロップ、落花生油、オリーブ油および水がある。気体担体の例には、二酸化炭素および窒素などがある。
【0066】
経口製剤用の組成物を製造する場合、簡便な医薬媒体を用いることができる。例えば、水、グリコール類、油類、アルコール類、香味剤、保存剤、着色剤などを用いて、懸濁液、エリキシル剤および液剤などの経口液体製剤を形成することができる。一方、デンプン類、糖類、微結晶セルロース、希釈剤、造粒剤、潤滑剤、結合剤および崩壊剤などの担体を用いて、粉剤、カプセルおよび錠剤などの経口固体製剤を形成することができる。投与が容易であることから、錠剤およびカプセルが、固体医薬担体を用いる好ましい経口単位製剤である。適宜に、錠剤を標準的な水系もしくは非水系法によって被覆することができる。
【0067】
本発明の組成物を含む錠剤は、適宜に1以上の補助製剤または補助剤とともに圧縮または成形することで製造することができる。圧縮錠は、好適な機械で、適宜に結合剤、潤滑剤、不活性希釈剤、界面活性剤または分散剤と混合して、粉末もしくは顆粒などの自由に流動する形の有効成分を圧縮することで製造することができる。すりこみ錠は、好適な機械で、不活性液体希釈剤で湿らせた粉末化合物の混合物を成形することで製造することができる。望ましくは各錠剤には、有効成分約0.1mg〜約500mgを含有させ、各カシェ剤またはカプセルには、有効成分約0.1〜約500mgを含有させる。かくして、錠剤、カシェ剤またはカプセルは簡便に、有効成分0.1mg、1mg、5mg、25mg、50mg、100mg、200mg、300mg、400mgまたは500mgを含み、1日1回、2回または3回で1個もしくは2個の錠剤、カシェ剤またはカプセルが服用される。
【0068】
非経口投与に好適な本発明の医薬組成物は、活性化合物の水中の溶液または懸濁液として製造することができる。例えば、ヒドロキシプロピルセルロースなどの好適な界面活性剤を含有させることができる。グリセリン、液体ポリエチレングリコール類および油中のそれらの混合物中で、分散液を製造することもできる。さらに保存剤を含有させて、微生物の有害な増殖を防止することができる。
【0069】
注射用途に好適な本発明の医薬組成物には、無菌の水系液剤または分散液などがある。さらに前記組成物は、無菌注射液剤もしくは分散液などの即時調製用の無菌粉剤の形態であることができる。いずれの場合も、最終的な注射形態は無菌であるべきであり、容易に注射できるような有効な流動性を有するものでなければならない。前記医薬組成物は、製造および保存の条件下で安定でなければならない。そこで好ましくは、細菌および真菌などの微生物の汚染活動に対して防腐しなければならない。担体は、例えば、水、エタノール、多価アルコール(例:グリセリン、プロピレングリコールおよび液体ポリエチレングリコール)、植物油およびそれらの好適な混合物を含む溶媒または分散媒体であることができる。
【0070】
本発明の医薬組成物は、例えばエアロゾル、クリーム、軟膏、ローションおよび散粉剤などの局所使用に好適な形態であることができる。さらに前記組成物は、経皮機器での使用に好適な形態であることができる。それらの製剤は、式I、IIまたはIIIによって表される化合物またはこの医薬として許容される塩を用いて、従来の処理方法によって製造することができる。例として、約5重量%〜約10重量%の前記化合物とともに親水性材料および水を混合することで所望の粘度のクリームまたは軟膏を製造することで、クリームや軟膏の調製を行う。
【0071】
本発明の医薬組成物は、担体が固体である直腸投与に好適な形態であることができる。その混合物が単位用量坐剤を形成することが好ましい。好適な担体には、カカオバターおよび当業界で一般的に使用される他の材料などがある。坐剤は簡便には、軟化もしくは溶融させた担体と前記組成物を混合し、次に鋳型で冷却および成型することで形成することができる。
【0072】
上記の担体成分に加えて、上記の医薬製剤は適宜に、希釈剤、緩衝剤、香味剤、結合剤、表面活性剤、増粘剤、潤滑剤および保存剤(酸化防止剤など)などの1以上の別の担体成分を含むことができる。さらに、他の補助剤を含有させて、所期の被投与者の血液と等張の製剤とすることができる。式I、IIまたはIIIによって表される化合物またはこの医薬として許容される塩を含む組成物は、粉末または液体濃縮物の形態で製造することもできる。
【0073】
本発明の化合物および医薬組成物は、ナトリウムチャンを遮断することが認められている。従って本発明の1態様は、有効量の本発明の化合物を投与することによる、例えば急性疼痛、慢性疼痛、内臓痛、炎症性疼痛および神経傷害性疼痛などの神経ナトリウムチャンネルの遮断によって改善され得る病気の哺乳動物における治療である。「哺乳動物」という用語は、ヒトならびに例えばイヌ、ネコ、ウマ、ブタおよびウシなどの他の動物を含む。従って、ヒト以外の哺乳動物の治療とは、上記の状態に相当するヒト以外の哺乳動物での臨床的状態の治療を指すことは明らかである。
【0074】
さらに前述のように、本発明の化合物は1以上の治療活性化合物と併用することができる。特に、本発明の化合物は、有利には、i)オピエート作働薬もしくは拮抗薬、ii)カルシウムチャンネル拮抗薬、iii)5HT受容体作働薬もしくは拮抗薬、iv)ナトリウムチャンネル拮抗薬、v)N−メチル−D−アスパラギン酸(NMDA)受容体作働薬もしくは拮抗薬、vi)COX−2選択的阻害薬、vii)ニューロキニン受容体1(NK1)拮抗薬、viii)非ステロイド系抗炎症薬(NSAID)、ix)選択的セロトニン再取り込み阻害薬(SSRI)および/または選択的セロトニンおよびノルエピネフリン再取り込み阻害薬(SSNRI)、x)三環系抗鬱薬、xi)ノルエピネフリン調節剤、xii)リチウム、xiii)バルプロエートおよびxiv)ニューロンティン(ガバペンチン)と併用することができる。
【0075】
本明細書で使用される略称は、下記の表に示した意味を有する。下記の表にない略称は、具体的に別段の断りがない限り、それについて一般的に使用される意味を有するものである。
【0076】
【表1】


【0077】
【表2】

【0078】
下記のインビトロおよびインビボアッセイを、本発明の化合物の生理活性の評価に用いた。
【0079】
化合物評価(インビトロアッセイ)
ナトリウムチャンネル阻害薬の確認は、ナトリウムイオンが作働薬変性チャンネルを透過した時に細胞脱分極を引き起こすナトリウムチャンネルの能力に基づいたものである。阻害薬の非存在下では、作働薬変性チャンネルのナトリウムイオンへの曝露によって、細胞脱分極が起こる。ナトリウムチャンネル阻害薬は、作働薬変性ナトリウムチャンネルを通るナトリウムイオンの運動によって引き起こされる細胞脱分極を防止する。膜電位の変化を、供与体であるクマリン(CCDMPE)および受容体であるオキサノール(DiSBAC(3))という2種類の化合物を用いる電圧感受性蛍光共鳴エネルギー伝達(FRET)色素対を用いて測定することができる。オキサノールは親油性アニオンであり、膜電位に従って膜を横切って分布する。ナトリウムチャンネル作働薬の存在下であるが、ナトリウムの非存在下では、細胞内部は外部に対して負であり、オキサノールが膜の表面側単分子層で蓄積し、クマリンの励起によってFRETが起こる。ナトリウムを加えることで膜の脱分極が起こり、これによって細胞の内側へのオキサノールの再分布が生じて、結果的にFRETが減少する。こうして、膜脱分極後には、比の変化(供与体/受容体)が大きくなる。ナトリウムチャンネル阻害薬の存在下では、細胞脱分極は起こらないことから、オキサノールの分布およびおよびFRETは未変化のままである。
【0080】
PN1ナトリウムチャンネルで安定にトランスフェクションされた細胞(HEK−PN1)を、細胞約140000個/ウェルの密度でポリリジン被覆96ウェルプレートで増殖させた。培地を吸引し、細胞をPBS緩衝液で洗浄し、10μM CC−DMPE/0.02%プルロン酸(pluronic acid)100μLとともにインキュベートした。25℃で45分間インキュベートした後、培地を除去し、細胞を緩衝液で2回洗浄した。細胞を20μMベラトリジン、20nMブレベトキシン−3および被験サンプルを含むDiSBAC(3)/TMA緩衝液100μLとともにインキュベートした。暗所にて25℃で45分間インキュベートした後、プレートをVIPR装置に入れ、CC−DMPEおよびDiSBAC(3)の両方の蛍光発光を10秒間記録した。この時点で生理食塩水緩衝液100μLをウェルに加えて、ナトリウム依存性細胞脱分極を確認し、両方の色素の蛍光発光をさらに20秒間記録した。生理食塩水緩衝液を加える前では、CC−DMPE/DiSBAC(3)の比は1である。阻害薬の非存在下では、生理食塩水緩衝液を添加した後の比は>1.5である。ナトリウムチャンネルが公知の標準化合物または被験化合物のいずれかによって完全に阻害されると、この比は1のままである。従って、蛍光比における濃度依存性の変化をモニタリングすることで、ナトリウムチャンネル阻害薬の活性を力価測定することができる。
【0081】
電気生理学的アッセイ(インビトロアッセイ)
細胞調製:PN1ナトリウムチャンネルサブタイプを安定に発現するHEK−293細胞系を社内で得た。細胞を、0.5mg/mLのG418、50単位/mLのペニシリン/ストレプトマイシンおよび1mL熱失活ウシ胎仔血清1mLとともに、MEM増殖培地(Gibco)にて37℃および10%COで培養した。電気生理的記録を行うため、細胞をポリ−D−リジンで被覆した35mm皿で平板培養した。
【0082】
全細胞記録:PN1ナトリウムチャンネルサブタイプを安定に発現するHEK−293を、EPC−9増幅器およびパルス(Pulse)ソフトウェア(HEKA Electronics, Lamprecht, Germany)を用いる全細胞電圧クランプ(Hamill et. al., Pfluegers Archives 391: 85-100 (1981))によって調べた。実験は室温で行った。電極を抵抗が2〜4MΩとなるまで先端熱加工した。直列抵抗補償によって電圧誤差を低減し、EPC−9の内臓回路機構を用いて容量アーチファクトを相殺した。データは50kHzで取得し、7〜10kHzでフィルター処理した。浴溶液は、40mM NaCl、120mM NMDGCl、1mM KCl、2.7mM CaCl、0.5mM MgCl、10mM NMDGHEPES、pH7.4からなり、内部(ピペット)溶液は110mMメタンスルホン酸Cs、5mM NaCl、20mM CsCl、10mM CsF、10mM BAPTA(四Cs塩)、10mM CsHEPES、pH7.4を含むものとした。
【0083】
下記のプロトコールを用いて、チャンネルの休止状態および失活状態における化合物の定常状態アフィニティ(それぞれ、KおよびK)を計算した。
【0084】
1)保持電位−90mVから脱分極電圧−60mV〜+50mVまでの8msの試験パルスを用いて、電流−電圧関係(IV曲線)を得た。IV曲線のピーク近くの電圧(代表的には−10または0mV)を、実験の残りを通じて試験パルス電圧として用いた。
【0085】
2)−120mV〜−10mVの範囲の電位までの10sコンディショニングパルス後の8ms試験パルス時に活性化した電流を測定することで、定常状態失活(利用能)曲線を得た。
【0086】
3)チャンネルの20〜50%が失活している保持電位で化合物を加え、2秒間の間隔での8msの試験パルス中にナトリウムチャンネルの遮断をモニタリングした。
【0087】
4)化合物が平衡となった後、化合物存在下での定常状態非働化の電圧依存性を、上記のプロトコール2)に従って測定した。チャンネルの休止状態を遮断する化合物は、全ての保持電位からの試験パルス時に誘発される電流を低下させるが、主として非働化状態を遮断する化合物は定常状態非働化曲線の中央点をシフトさせる。負の保持電位での最大電流(Imax)および対照および化合物存在下での定常状態非働化曲線(ΔV)の中央点における差を用いて、下記の式によってKおよびKを計算した。
【0088】
【数1】

【0089】
【数2】

【0090】
化合物が休止状態に影響しなかった場合、Kは下記式を用いて計算した。
【0091】
【数3】

【0092】
ラットホルマリン足試験(インビボアッセイ)
50μLホルマリン注射(5%)によって喚起される行動的応答を阻害する能力について、化合物を評価した。雄スプレーグドーリーラット(Charles River、200〜250g)の左後足に金属バンドを取り付け、各ラットをプラスチック製円筒(直径15cm)内で60分間にわたりバンドに馴致させた。ホルマリン負荷の前(局所)または後(全身)のいずれかで、ラットに媒体または被験化合物を投与した。局所投与の場合、化合物はエタノール、PEG400および生理食塩水の1:4:5媒体(EPEGS)で調製して、左後足の背側表面に皮下注射し、5分後にホルマリンを注射した。全身投与の場合、化合物は、EPEGS媒体またはTween80(10%)/無菌水(90%)媒体のいずれかで調製し、静脈注射(ホルマリンから15分後に横尾静脈から)または経口投与(ホルマリンの60分前)によって投与した。自動侵害受容分析装置(UCSD Anesthesiology Research, San Diego, CA)を用いて60分間にわたり連続的に、ひるみ動作の数をカウントした。対応のないt検定で早期(0〜10分)または後期(11〜60分)で検出された総ひるみ動作を比較することで、統計的有意差を求めた。
【0093】
ラットCFAモデルを用いたインビボアッセイ
左後足の足底表面に完全フロイントアジュバント(CFA:ヒト型結核菌、シグマ(Sigma);オイル/生理食塩水(1:1)乳濁液に懸濁;マイコバクテリウム0.5mg/mL)0.2mLを注射することで、片側炎症を誘発した。この用量のCFAによって、有意な後足の腫れが生じたが、動物は実験の経過全体にわたり、正常な身づくろい行動および体重増加を示した。ランダール−セリット試験、反復測定ANOVAとそれに続くダネットのポストホック試験を用いて、組織損傷の3日後に機械的痛覚過敏を評価した。
【0094】
SNL:機械的異痛症(インビボアッセイ)
神経損傷前および神経損傷から2週間後に、上下パラダイムを用いる較正フォンフレイフィラメントで触覚胃痛症を評価した。針金メッシュの床を有するプラスチック製ケージに動物を入れ、各試験セッションに先だって15分間馴致させた。50%応答閾値を求めるため、8秒間にわたり、あるいは引き込み応答が生じるまで、中央足底表面にフォンフレイフィラメント(0.4〜28.8gの強度範囲にわたる)を当てた。陽性応答後、刺激を徐々に弱くして試験を行った。刺激に対する応答がなかった場合は、徐々に強くなる刺激を行った。初期閾値交差後、試験セッション当たり刺激提供回数4回/動物で、この手順を繰り返した。被験化合物の経口投与から1時間および2時間後に、機械的感受性を評価した。
【0095】
本発明に記載の化合物は、上記のインビトロアッセイで約<0.1μM〜<約50μMのナトリウムチャンネル遮断活性を示した。有利には、これらのin vitroアッセイで前記化合物は<5μMのナトリウムチャンネル遮断活性を示す。より有利には、これらのインビトロアッセイで前記化合物は<1μMのナトリウムチャンネル遮断活性を示す。さらに有利には、これらのインビトロアッセイで前記化合物は<0.5μMのナトリウムチャンネル遮断活性を示す。さらに有利には、これらのインビトロアッセイで前記化合物は<0.1μMのナトリウムチャンネル遮断活性を示す。
【0096】
本発明の化合物は、下記に提供される一般図式ならびに実施例で提供されるに従って製造することができる。下記の図式および実施例は、本発明の範囲を説明するものであるが、それを限定するものではない。
【0097】
別段の具体的な断りがない限り、実験手順は以下の条件で行った。操作はいずれも室温もしくは環境温度、すなわち18〜25℃の範囲の温度で行った。溶媒留去は、60℃以下の浴温で、ロータリーエバポレータを用いて減圧下(600〜4000パスカル;4.5〜30mmHg)にて行った。反応の経過は薄層クロマトグラフィー(TLC)によって追跡し、反応時間は例示のみを目的として示してある。融点は未補正であり、「d」は分解を示す。示した融点は、記載の方法に従って製造された材料について得たものである。一部の製造においては、多形によって、異なる融点を有する材料が単離される場合がある。全ての最終生成物の構造および純度は、TLC、質量スペクトル分析、核磁気共鳴(NMR)スペクトル測定または微量分析データのうち1以上の方法によって確認したものである。収率が記載されている場合、これは例示のみを目的としたものである。NMRデータがある場合、そのデータは、指定の溶媒を用いて300MHz、400MHzまたは500MHzで測定した、内部標準としてのテトラメチルシラン(TMS)に対するppmで与えられる主要な特徴的プロトンについてのデルタ(δ)値の形で示してある。シグナルの形状に関して使用される従来の略称は、s(一重線)、d(二重線)、t(三重線)、m(多重線)、br(広い)などである。さらに、「Ar」は芳香環のシグナルを表す。化学記号はその通常の意味を有する。以下の略称も用いた;v(容量)、w(重量)、b.p.(沸点)、m.p.(融点)、L(リットル)、mL(ミリリットル)、g(グラム)、mg(ミリグラム)、mol(モル)、mmol(ミリモル)、eq(当量)。
【0098】
合成方法
本発明の化合物は、下記で提供される図式ならびに参考例および実施例で提供される手順に従って製造することができる。置換基は、別段の定義がある場合、あるいは当業者には明らかである場合を除き、上記各式の場合と同じである。
【0099】
本発明の新規化合物は、当業者には公知の技術(例えば、Advanced Organic Chemistry, March, 4th Ed., John Wiley and Sons, New York, NY, 1992; Advanced Organic Chemistry, Carey and Sundberg, Vol. A and B, 3rd Ed., Plenum Press, Inc., New York, NY, 1990; Protective groups in Organic Synthesis, Green and Wuts, 2nd Ed., John Wiley and Sons, New York, NY, 1991; Comprehensive Organic Transformations, Larock, VCH Publishers, Inc., New York, NY, 1988; Handbook of Heterocyclic Chemistry, Katritzky and Pozharskii, 2nd Ed., Pergamon, New York, NY, 2000ならびにそれらに引用の参考文献)を用いて容易に合成することができる。本発明の化合物のための原料は、商業的入手先(例えば、Aldrich Chemical Co. (Milwaukee, WI); Sigma Chemical Co. (St. Louis, MO); Lancaster Synthesis (Windham, N. H.) ; Ryan Scientific (Columbia, S. C.) ; Maybridge (Cornwall, UK) ; Matrix Scientific (Columbia, S. C.) ; Arcos, (Pittsburgh, PA) and Trans World Chemicals (Rockville, MD)など)から容易に入手可能な化学的前駆体の標準的な合成変換を用いて製造することができる。
【0100】
前記化合物の合成に関して本明細書に記載の手順では、保護基操作の1以上の段階ならびに再結晶、蒸留、カラムクロマトグラフィー、フラッシュクロマトグラフィー、薄層クロマトグラフィー(TLC)、ラジアルクロマトグラフィーおよび高圧クロマトグラフィー(HPLC)などの精製段階が行われる場合がある。生成物は、プロトンおよびカーボン−13核磁気共鳴(Hおよび13C NMR)、赤外線および紫外線スペクトル測定(IRおよびUV)、X線結晶測定、元素分析ならびにHPLC−質量分析(LC−MS)などの化学業界において公知の各種方法を用いて特性決定することができる。保護基操作、精製、構造同定および定量の方法は、化学合成の当業者には公知のものである。
【0101】
適切な溶媒は、反応物のうちの一つまたは全てを少なくとも部分的に溶解し、反応物や生成物と好ましくない相互作用を行わないものである。好適な溶媒は、芳香族炭化水素(例:トルエン、キシレン)、ハロゲン化溶媒(例:塩化メチレン、クロロホルム、四塩化炭素、クロロベンゼン類)、エーテル類(例:ジエチルエーテル、ジイソプロピルエーテル、tert−ブチルメチルエーテル、ジグライム、テトラヒドロフラン、ジオキサン、アニソール)、ニトリル類(例:アセトニトリル、プロピオニトリル)、ケトン類(例:2−ブタノン、ジチル(dithyl)ケトン、tert−ブチルメチルケトン)、アルコール類(例:メタノール、エタノール、n−プロパノール、イソ−プロパノール、n−ブタノール、t−ブタノール)、ジメチルホルムアミド(DMF)、ジメチルスルホキシド(DMSO)および水である。2種類以上の溶媒の混合物を用いることもできる。好適な塩基は、水酸化リチウム、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化バリウムおよび水酸化カルシウムなどのアルカリ金属水酸化物、アルカリ土類金属水酸化物;水素化リチウム、水素化ナトリウム、水素化カリウムおよび水素化カルシウムなどのアルカリ金属水素化物およびアルカリ土類金属水素化物;リチウムアミド、ナトリウムアミドおよびカリウムアミドなどのアルカリ金属アミド;炭酸リチウム、炭酸ナトリウム、炭酸セシウム、炭酸水素ナトリウムおよび炭酸水素セシウムなどのアルカリ金属炭酸塩およびアルカリ土類金属炭酸塩;ナトリウムメトキシド、ナトリウムエトキシド、カリウムtert−ブトキシドおよびマグネシウムエトキシドなどのアルカリ金属アルコキシドおよびアルカリ土類金属アルコキシド;メチルリチウム、n−ブチルリチウム、sec−ブチルリチウム、t−ブチルリチウム、フェニルリチウムなどのアルカリ金属アルキル、アルキルマグネシウムハライド類、トリメチルアミン、トリエチルアミン、トリイソプロピルアミン、N,N−ジイソプロピルエチルアミン、ピペリジン、N−メチルピペリジン、モルホリン、N−メチルモルホリン、ピリジン、コリジン類、ルチジン類および4−ジメチルアミノピリジンなどの有機塩基;およびDBUおよびDABCOなどの二環式アミン類である。
【0102】
前述のように、経口製剤用の組成物を製造するに当たり、通常の医薬媒体を用いることができる。例えば、懸濁液、エリキシル剤および液剤などの経口液体製剤の場合には、水、グリコール類、オイル類、アルコール類、香味剤、保存剤、着色剤などを用いることができる。あるいは粉剤、カプセルおよび錠剤などの経口固体製剤の場合、デンプン類、糖類、微結晶セルロース、希釈剤、造粒剤、潤滑剤、結合剤、崩壊剤などの担体を含ませることができる。投与が容易であることから、錠剤およびカプセルが、固体医薬担体を用いる最も有利な経口単位製剤を代表するものである。望ましくは錠剤は、標準的な水系または非水系法によってコーティングすることができる。上記の一般的な製剤に加えて、本発明の化合物および組成物の投与においては、徐放手段および/または送達機器を用いることもできる。
【0103】
適切であれば、当業者には利用可能な標準的な官能基変換技術を用いて、上記の図式に記載の化合物に存在する官能基をさらに操作することで、本発明に記載の所望の化合物を得ることが可能であることは明らかである。
【0104】
当業者には明らかである他の変形態様または修正は、本発明の範囲および内容に包含される。本発明は、添付の特許請求の範囲に記載のもの以外には、限定されるものではない。
【0105】
【化6】

【0106】
図式1によれば、塩化メチレンまたはTHF中においてEDC[1−(3−ジメチルアミノプロピル)−3−エチルカルボジイミド)などの好適なカルボジイミドおよびジイソプロピルエチルアミン(DIEA)の存在下、HOBt(ヒドロキシベンゾトリアゾール)で活性化することによって、3−ブロモ安息香酸1をt−ブチルカルバゼートとカップリングさせて、保護ヒドラジド2を得る。カップリング形成のためにカルボン酸を活性化する他の好適な方法が多くある(March J., Advanced Organic Chemistry, 5th ed., John Wiley & Sons, New York, pp. 506-512 (2001)参照)。化合物2は、各種カップリング反応によって各種非対称ビフェニル中間体3に変換することができる。一つの種類には、トルエンなどの溶媒およびn−プロパノールなどの共溶媒などの溶媒中、トリフェニルホスフィンおよび炭酸ナトリウム水溶液とともに酢酸パラジウムなどのパラジウム触媒の存在下にて、ブロモ、ヨードまたはトリフ酸エステル化合物2をアリールボロン酸と反応させるスズキ反応がある(Suzuki et. al., Chem. Rev., 95, 2457, 1995参照)。各種アリールボロン酸は市販されているか、あるいは相当するアリールブロマイドまたはヨージドから、それを有機リチウム誘導体[Baldwin, J. E. et al., Tetrahedron Lett. 39, 707-710 (1998)]またはグリニャル試薬に変換してから、ホウ酸トリアルキルで処理することで簡便に製造することができる[Li, J. J. et al, J. Med. Chem, 38: 4570-4578 (1995)およびPiettre, S. R. et al. J. Med. Chem. 40, 4208-4221 (1997)]。これらのPd触媒カップリング反応では、アリールボロン酸に代わるものとして、ボロン酸アリールを用いることもできる[Giroux, A. et. al., Tetrahedron Lett., 38, 3841 (1997)]。ボロン酸エステルは、文献に記載の方法を用いて、アリールブロマイド、ヨージドおよびトリフルオロメタンスルホネートを用いて容易に製造することができる[Murata, M. et. al., J. Org. Chem. 65: 164-168 (2000)]。化合物3のBoc保護基を、標準的な条件(塩化メチレン中のトリフルオロ酢酸)によって脱離させてヒドラジド4のTFA塩を得て、それをNaOH水溶液で脱塩することができる。
【0107】
【化7】

【0108】
図式2では、5−ビフェニル−3−置換1,2,4−トリアゾール誘導体の製造方法について記載している(Francis et. al., Tetrahedron Lett., 28 (43), 5133-5136, 1987)。メタノール中にてナトリウムメトキシドなどの塩基とともに、ヒドラジド4を置換アミジンと反応させることで中間体5を得て、これを無希釈で加熱して(共溶媒なし)、トリアゾール6を得る。
【0109】
【化8】

【0110】
図式3では、置換がエステル、酸、アミドなどであることができる5−ビフェニル−3−置換−1,2,4−トリアゾール誘導体の製造方法が記載されている(Catarzi et. al., J. Med. Chem., 38, 2196-2201, (1995))。塩化メチレン中にてヒドラジド4をカルボエトキシ−S−メチル−チオホルムイミジウム・テトラフルオロボレートおよびトリエチルアミンと反応させることでオキサミドラゾネート7を得て、これを環化させてトリアゾールエステル8を得る。試薬であるカルボエトキシ−S−メチル−チオホルムイミジウム・テトラフルオロボレートは、塩化メチレン中にてエチル−2−チオオキサメートをトリメチルオキソニウム・テトラフルオロボレートと反応させることで製造される(Catarzi et. al., 上記)。エステル8は、メタノールなどの溶媒中、相当するアミン(この場合はアンモニア)とともにそれを加熱することで、各種アミドに変換することができる。
【0111】
【化9】

【0112】
図式4では、未置換3−トリアゾール環系の製造方法について記載している(Lin et. al, J. Org. Chem., 44 (23), 4160-4165, 1979)。図式1に記載の方法に従って、3−ブロモ安息香酸エチル10をアリールボロン酸と反応させて、ビフェニルエステル11を得る。エステル11は前形成ビフェニル中間体を提供し、これを前記の図式1〜3に記載の方法でさらに処理して、化合物4および関連する誘導体とすることができる。この図式4では、エステル11を標準的な条件下でアミド12に変換する。具体的には、エステル11を加水分解して相当する酸とし、次にこれをDMF中にてカルボニルジイミダゾール(CDI)で活性化し、その後酢酸アンモニウムの形でのアンモニアを加えて、アミド12を得る。ジメチルホルムアミドジメチルアセタール中のアミド12を加熱して中間体13を得て、これを酢酸中でヒドラジンとともに加熱すると、トリアゾール14が得られる。
【0113】
【化10】

【0114】
図式5では、アルキルハライドまたはトリフ酸エステルとともに、メタノールなどの溶媒中にてナトリウムメトキシドなどの塩基を用いることでトリアゾール6をアルキル化することで、互変異体生成物15および15′の混合物を得る。
【0115】
【化11】

【0116】
図式6では、標準的な条件下に(水酸化ナトリウム、メタノール)、トリアゾールエステル8を加水分解して酸16とすることができる。図式1に記載の各種条件下で、酸16をアミド17に変換することができる。この変法では、ジメチルホルムアミド(DMF)中にてカルボニルジイミダゾール(CDI)で酸16を活性化し、次にアミンを加えることで、アミド17を得る。
【0117】
【化12】

【0118】
図式7では、THFなどの非プロトン性溶媒中、水素化ホウ素リチウムおよびグリニャル試薬の混合物と反応させることで、トリアゾールエステル8を、主要生成物としての2級アルコール18に変換することができる。あるいは、水素化リチウムアルミニウム(LAH)、水素化アルミニウムジイソブチル(DIBAL−H)および水素化ホウ素ナトリウム(NaBH)などのいくつかの還元剤のいずれかによって、エステル8を還元して、1級アルコール20とすることができる。アルコール18または20は、多くの方法によってさらに誘導体化することができる。1例においては、クロム系試薬およびスウェルン型試薬(DMSOおよびオキサリルクロライド)などの各種酸化試薬によってアルコール18を酸化することで、ケトン19とすることができる。
【0119】
【化13】

【0120】
図式8に記載の方法に従い、塩化メチレン中にてジエチルアミノ硫黄トリフルオリド(DAST)と反応させることで、アルコール18をフッ化物誘導体21に変換することもできる。
【0121】
図式9によれば、図式1に記載の方法に従って、アミノ基がBoc基で保護されたブロモアニリン22およびアリールボロン酸を各種非対称ビフェニル中間体23に変換する。化合物23のBoc保護基を前述の方法に従って脱離させ、水中で亜硝酸ナトリウムおよびHClを用いる標準的な反応によってそれのジアゾニウム塩24に変換する。メタノールおよび水中でのイソシアノ酢酸メチルおよび酢酸ナトリウムの混合物に化合物24を加えることで、トリアゾールエステル25を得た。次に、図式1〜7に記載の方法を用いて、この主要中間体25を、各種の有用な誘導体に変換することができる。
【0122】
【化14】

【0123】
上記の図式1、4および9に記載のプロトコールに対する変法である図式10では、ボロン酸基またはボロン酸エステルを有するBoc保護アニリン26およびアリールブロマイド、ヨージドまたはトリフレートを、図式1に記載の方法に従って、各種非対称ビフェニル中間体23に変換する。
【0124】
下記の参考例は、本発明のある種の化合物の製造方法を提供するものである。
【0125】
(参考例1)
【0126】
【化15】

【0127】
3−[3−(2−トリフルオロメトキシフェニル)−フェニル]−1,2,4−トリアゾール
段階A:2−トリフルオロメトキシフェニルボロン酸
【0128】
【化16】

【0129】
1−ブロモ−2−トリフルオロメトキシベンゼン2g(9.5mmol)のテトラヒドロフラン(THF)(28mL)溶液を−78℃で攪拌しながら、それに1.7M t−ブチルリチウムのヘキサン溶液5.9mL(9.5mmol)を注意深く加えた。この反応混合物を−78℃で45分間攪拌した。その反応混合物に−78℃で、ホウ酸トリイソプロピル2.58mL(11.1mmol)を加え、次に混合物を16時間かけて徐々に昇温させて室温(RT)とした。反応混合物を水で希釈し、2N NaOH溶液で塩基性とした。混合物をEtOAcで洗浄した。水系分画を2N HCl溶液で酸性とし、室温で1時間攪拌した。反応混合物をEtOAcで抽出し、有機分画を水および飽和NaCl溶液(ブライン)で洗浄し、NaSOで脱水し、濾過した。濾液を濃縮して、標題化合物を白色固体として得た。H NMR(CDCl)(δ、ppm):7.96(dd、J=7.2、1.6Hz、1H)、7.53(ddd、J=9.1、7.3、1.8Hz、1H)、7.38(td、J=7.3、0.7Hz、1H)、7.28(d、J=8.2Hz、1H)、5.25(brs、2H)。MS(M+H):206.9。
【0130】
段階B:3−(2−トリフルオロメトキシフェニル)−安息香酸エチル
【0131】
【化17】

【0132】
3−ブロモ安息香酸エチル0.94g(4.58mmol)のトルエン(14.5mL)溶液に室温で、テトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(0)0.25g(0.218mmol)、2−トリフルオロメトキシフェニルボロン酸0.94g(4.58mmol)、2M炭酸ナトリウム水溶液2.22mL(4.45mmol)およびエタノール7mLを加えた。反応混合物を18時間加熱還流した。反応混合物を冷却し、酢酸エチルおよび水で希釈した。有機分画を分離し、飽和NaCl溶液(ブライン)で洗浄し、MgSOで脱水し、濾過した。濾液を濃縮して油状物を得て、これをクロマトグラフィーによって精製して(シリカ、順次で1%、5%、30%酢酸エチル:ヘキサン)、標題化合物を得た。H NMR(CDOD)(δ、ppm):8.02(s、1H)、7.97(dd、J=7.8、1.2Hz、1H)、7.60(dd、J=7.7、1.3Hz、1H)、7.50〜7.33(m、5H)、4.31(q、2H)、1.31(t、3H)。質量分析スペクトラム(ESI)m/e(M+1):311.2。
【0133】
段階C:3−(2−トリフルオロメトキシフェニル)−安息香酸
【0134】
【化18】

【0135】
3−(2−トリフルオロメトキシフェニル)−安息香酸エチル0.3g(4.19mmol)および1N NaOH溶液8.3mL(8.3mmol)のメタノール(12.5mL)溶液を、室温で18時間攪拌した。反応混合物を濃縮し、1N HCl溶液でpHを2に調節した。混合物を酢酸エチル(EtOAc)で抽出し、有機分画をMgSOで脱水し、濾過した。濾液を濃縮して、標題化合物を白色固体として得て、これをそれ以上精製せずに用いた。
【0136】
段階D:3−(2−トリフルオロメトキシフェニル)−ベンズアミド
【0137】
【化19】

【0138】
3−(2−トリフルオロメトキシフェニル)−安息香酸0.94g(3.36mmol)のDMF(17mL)溶液に、カルボニルジイミダゾール(CDI)0.55g(3.36mmol)を加え、反応液を室温で4時間攪拌した。その反応混合物に、酢酸アンモニウム2.6g(33.6mmol)を加え、反応混合物を室温で終夜攪拌した。反応混合物を、酢酸エチルと水との間で分配し、有機分画をブラインで洗浄し、MgSOで脱水し、濾過し、濾液を濃縮した。残留物を、クロマトグラフィーによって精製して(シリカ、順次で30%、50%EtOAc:ヘキサン)、標題化合物を得た。質量分析スペクトラム(ESI)m/e(M+1):282.2。
【0139】
段階E:3−[3−(2−トリフルオロメトキシフェニル)−フェニル]−1,2,4−トリアゾール
【0140】
【化20】

【0141】
3−(2−トリフルオロメトキシフェニル)−ベンズアミド0.137g(0.48mmol)のN,N−ジメチルホルムアミドジメチルアセタール(1mL)溶液を、120℃で2時間加熱し、その時点で反応液を減圧下に濃縮した。この取得物の酢酸(2.3mL)溶液に、ヒドラジン水和物0.028g(0.55mmol)を加え、反応混合物を90℃で2時間加熱した。反応混合物を濃縮し、EtOAcと飽和NaHCO溶液との間で分配した。有機分画をブラインで洗浄し、MgSOで脱水し、濾過し、濾液を濃縮した。残留物を、クロマトグラフィー(シリカ、順次で30:1、9:1、3:1CHCl:アセトン)によって精製して、標題化合物を得た。H NMR(CDOD)(δ、ppm):8.32(s、1H)、8.06(s、1H)、7.98(m、1H)、7.50(m、3H)、7.39(m、3H)。質量分析スペクトラム(ESI)m/e(M+1):306.1。
【0142】
(参考例2)
【0143】
【化21】

【0144】
5−メチル−3−[3−((2−トリフルオロメトキシ)フェニル)−フェニル]−1,2,4−トリアゾール
段階A:3−ブロモフェニルカルボニル−(N−t−ブトキシカルボニル)ヒドラジド
【0145】
【化22】

【0146】
3−ブロモ安息香酸1g(4.97mmol)、t−ブチルカルバゼート0.59g(4.52mmol)、EDC[1−(3−ジメチルアミノプロピル)−3−エチルカルボジイミド]0.95g(4.97mmol)、ヒドロキシベンゾトリアゾール(HOBt)0.67g(4.97mmol)およびジイソプロピルエチルアミン3.15mL(18.1mmol)のCHCl(23mL)溶液を、室温で18時間攪拌した。反応混合物をCHClで希釈し、1N HCl溶液、飽和NaHCO溶液およびブラインで洗浄した。溶液をMgSOで脱水し、濾過し、濾液を濃縮した。残留物をクロマトグラフィー(シリカ、順次で30:1、9:1、3:1CHCl:アセトン)によって精製して、標題化合物を得た。
【0147】
質量分析スペクトラム(ESI)m/e(M):314.0、(M+2):316.0。
【0148】
段階B:3−((2−トリフルオロメトキシ)フェニル)−フェニルヒドラジド
【0149】
【化23】

【0150】
2−トリフルオロメトキシフェニルボロン酸0.22g(1.07mmol)および3−ブロモフェニルカルボニル−N−t−ブトキシカルボニルヒドラジド0.32g(1.02mmol)のトルエン(5mL)およびn−プロパノール(2.5mL)溶液を、30分間攪拌した。その反応混合物に、酢酸パラジウム0.0007g(0.003mmol)、トリフェニルホスフィン0.0024g(0.009mmol)および2M炭酸ナトリウム水溶液0.61mL(1.2mmol)を加え、反応混合物を18時間加熱還流した。反応混合物を冷却し、EtOAcおよび水で希釈した。有機分画をMgSOで脱水し、濾過し、濾液を濃縮した。残留物をクロマトグラフィー(シリカ、順次で30:1、9:1 CHCl:アセトン)によって精製して保護ヒドラジドを得た。それをTFA 2.1mLおよびCHCl2.1mLの混合液に溶かした。反応混合物を2時間攪拌し、その時点でそれを濃縮し、CHClに溶かし、1N NaOH溶液で洗浄した。有機分画をMgSOで脱水し、濾過し、濾液を濃縮して、標題化合物を白色固体として得た。質量分析スペクトラム(ESI)m/e(M+1):297.1。
【0151】
段階C:5−メチル−3−[3−((2−トリフルオロメトキシ)フェニル)−フェニル]−1,2,4−トリアゾール
【0152】
【化24】

【0153】
アセトアミジン・塩酸塩0.093g(0.98mmol)のエタノール(1.1mL)溶液に、25%ナトリウムメトキシド/メタノール溶液0.22mL(0.98mmol)を加え、反応混合物を30分間攪拌し、この時点でそれを濾過した。濾液に、3−((2−トリフルオロメトキシ)フェニル)−ブロモフェニルヒドラジド0.19g(0.66mmol)を加え、反応混合物を終夜攪拌した。反応混合物を濃縮し、クロマトグラフィー(シリカ、順次で3%、10%、30%メタノール:CHCl)によって精製して、白色固体を得た。この白色固体を30分間加熱して(無希釈)、融点とした。反応物を冷却して室温とし、CHClに溶かし、濃縮した。残留物を、クロマトグラフィー(シリカ、順次で3%、10%メタノール:CHCl)によって精製して、標題化合物を白色固体として得た。H NMR(CDOD)(δ、ppm):8.00(s、1H)、7.93(m、1H)、7.49〜7.34(m、6H)、2.41(s、3H)。質量分析スペクトラム(ESI)m/e(M+1):320.5。
【0154】
(参考例3)
【0155】
【化25】

【0156】
3−[3−((2−トリフルオロメトキシ)−フェニル)−フェニル]−1,2,4−トリアゾール−5−カルボキサミド
段階A:エチル−N−3−(2−トリフルオロメトキシ)−ベンゾイル−N−オキサミドラゾネート
【0157】
【化26】

【0158】
3−(2−トリフルオロメトキシフェニル)−ブロモフェニルヒドラジド(実施例9段階B)0.45g(1.54mmol)のCHCl(20mL)溶液に、カルボエトキシ−S−メチルチオホルミミジウムテトラフルオロボレート0.54g(2.3mmol)およびトリエチルアミン0.43mL(3.08mmol)を加え、反応液を還流温度で4時間攪拌した。反応混合物を冷却して室温とし、水で洗浄し、NaSOで脱水し、濾過し、濾液を濃縮して固体を得た。CHCl 2mLを加え、得られた固体生成物を濾過によって回収した。質量分析スペクトラム(ESI)m/e(M+1):396.1。
【0159】
段階B:5−エチル−3−[3−((2−トリフルオロメトキシ)−フェニル)−フェニル]−1,2,4−トリアゾール−5−カルボキシレート
【0160】
前記固体のエチル−N−3−(2−トリフルオロメトキシ)−ベンゾイル−N−オキサミドラゾネート(0.25g、0.616mmol)を、これの融点より高い油浴で20分間加熱した。冷却して室温とした後、残留物をCHClに溶かし、濃縮して、黄色固体を得た。それをクロマトグラフィー(シリカ、順次で10%、30%、50%EtOAc:ヘキサン)によって精製して、白色固体を得た。質量分析スペクトラム(ESI)m/e(M+1):378.1。
【0161】
段階C:3−[3−((2−トリフルオロメトキシ)−フェニル)−フェニル]−1,2,4−トリアゾール−5−カルボキサミド
【0162】
管中にて5−エチル−3−[3−((2−トリフルオロメトキシ)フェニル)−フェニル−1,2,4−トリアゾール−5−カルボキシレート0.13g(0.34mmol)のメタノール(2mL)溶液をアンモニアで飽和させた。管を密閉し、反応混合物を60℃で終夜加熱した。反応混合物を濃縮し、残留物をクロマトグラフィー(シリカ、順次で3%、10%、20%メタノール:CHCl)によって精製して、標題化合物を得た。H NMR(CDOD)(δ、ppm):8.10(s、1H)、8.02(m、1H)、7.54〜7.36(m、6H)。質量分析スペクトラム(ESI)m/e(M+1):349.2。
【0163】
(参考例4)
【0164】
【化27】

【0165】
1−[3−((2−(2,2,2−トリフルオロエトキシ)−フェニル)−フェニル]−1,2,4−トリアゾール−3−カルボキサミド
段階A:3−((2−(2,2,2−トリフルオロエトキシ)−フェニル)−アニリン
【0166】
【化28】

【0167】
2−トリフルオロエトキシフェニルブロマイド(実施例2段階A)1.0g(3.93mmol)のトルエン(39mL)溶液に、テトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(0)0.136g(0.118mmol)、3−アミノフェニルボロン酸0.56g(4.31mol)、2M炭酸ナトリウム溶液47mL(94.1mmol)およびエタノール8mLを加え、反応混合物を90℃で22時間加熱した。反応混合物を冷却して室温とし、水とEtOAcとの間で分配した。水系分画をEtOAcで抽出し、合わせた有機分画を水およびブラインで洗浄し、NaSOで脱水し、濾過し、濾液を濃縮した。残留物をクロマトグラフィー(シリカ、4:1ヘキサン:EtOAc)によって精製して、標題化合物を得た。質量分析スペクトラム(ESI)m/eM+1 268.1。
【0168】
段階B:メチル−1−[3−((2−(2,2,2−トリフルオロエトキシ)−フェニル)−フェニル]−1,2,4−トリアゾール−3−カルボキシレート
【0169】
【化29】

【0170】
3−((2−トリフルオロエトキシ)−フェニル)アニリン0.923g(3.45mmol)の1N HCl溶液(6mL)中溶液に0℃で、亜硝酸ナトリウム0.238g(3.45mmol)および水1mLを加え、反応混合物を20分間攪拌して、ジアゾニウム塩溶液を得た。イソシアノ酢酸メチル0.27g(2.76mmol)のメタノール(15mL)および水(2mL)溶液に0℃で、酢酸ナトリウム1.8g(22.08mmol)を加えた。その反応混合物に前記ジアゾニウム塩溶液を滴下し、反応混合物を0℃で1時間攪拌した。反応混合物をメタノールで希釈し、濃縮した。残留物をEtOAcおよび0.5N HCl溶液で希釈した。水層をEtOAcで抽出し、合わせた有機分画を5%NaHCO溶液、ブラインで洗浄し、NaSOで脱水し、濾過し、濾液を濃縮した。残留物をクロマトグラフィー(シリカ、1:1EtOAc:ヘキサン)によって精製して、標題化合物を得た。質量分析スペクトラム(ESI)m/eM+1 378.1。
【0171】
段階C:1−[3−((2−(2,2,2−トリフルオロエトキシ)−フェニル)−フェニル]−1,2,4−トリアゾール−3−カルボン酸
【0172】
【化30】

【0173】
メチル−1−[3−((2−トリフルオロエトキシ)−フェニル)−フェニル]−1,2,4−トリアゾール−3−カルボキシレート0.29g(0.769mmol)および1M NaOH水溶液2.2mL(2.2mmol)の溶液を、室温で18時間攪拌した。反応混合物を濃縮した。残留物を水で希釈し、1N HCl溶液でpHを2〜4に調節した。混合物をEtOAcで抽出し、合わせた有機分画をブラインで洗浄し、NaSOで脱水し、濾過し、濾液を濃縮して、標題化合物を得た。質量分析スペクトラム(ESI)m/eM+1 363.9。
【0174】
段階D:1−[3−((2−(2,2,2−トリフルオロエトキシ)−フェニル)−フェニル]−1,2,4−トリアゾール−3−カルボキサミド
1−[3−((2−トリフルオロエトキシ)フェニル)−フェニル]−1,2,4−トリアゾール−3−カルボン酸0.225g(0.619mmol)のDMF(3.1mL)溶液に、CDI 0.1g(0.19mmol)を加え、反応混合物を室温で4時間攪拌した。その反応混合物に、酢酸アンモニウム0.477g(6.19mmol)を加え、反応混合物を19時間攪拌した。反応混合物を水およびEtOAcで希釈し、水層をEtOAcで抽出した。合わせた有機分画をブラインで洗浄し、NaSOで脱水し、濾過し、濾液を濃縮した。残留物を、クロマトグラフィー(シリカ、1:1EtOAc:ヘキサン、1%メタノール:CHCl、10%メタノール:CHCl)によって精製して、標題化合物を得た。質量分析スペクトラム(ESI)m/eM+1 363.1。
【0175】
(参考例5)
【0176】
【化31】

【0177】
1−[3−((2−トリフルオロメトキシ)−フェニル)−フェニル]−1,2,4−トリアゾール−3−カルボキサミド
段階A:1−N−t−ブトキシカルボニルアミノ−3−ブロモベンゼン
【0178】
【化32】

【0179】
3−ブロモアニリン10g(58.13mmol)およびBocO 15.2g(69.75mmol)のトルエン(300mL)溶液を、70℃で終夜加熱した。反応混合物を濃縮し、EtOAcおよび0.5N HCl溶液で希釈した。有機分画を0.5N HCl溶液およびブラインで洗浄した。それをNaSOで脱水し、濾過し、濾液を濃縮した。残留物を、クロマトグラフィー(ヘキサン、順次で9:1ヘキサン:EtOAc)によって精製して、標題化合物を得た。
【0180】
段階B:1−N−t−ブトキシカルボニル−3−((2−トリフルオロメトキシ)−フェニル)アニリン
【0181】
【化33】

【0182】
参考例4段階Aに記載の手順に従って、1−N−t−ブトキシカルボニルアミノ−3−ブロモベンゼンを2−トリフルオロメトキシフェニルボロン酸とカップリングさせた。
【0183】
段階C:3−((2−トリフルオロメトキシ)−フェニル)アニリン
【0184】
【化34】

【0185】
1−N−t−ブトキシカルボニル−3−((2−トリフルオロメトキシ)−フェニル)アニリン0.977g(2.77mmol)のTFA(7mL)およびCHCl(7mL)溶液を、室温で1時間攪拌した。反応混合物を濃縮し、残留物を1N NaOH溶液およびEtOAcで希釈した。有機分画を1N NaOH溶液およびブラインで洗浄し、NaSOで脱水し、濾過し、濾液を濃縮して、標題化合物を得た。質量分析スペクトラム(ESI)m/eM+1 254.1。
【0186】
段階D:1−[3−((2−トリフルオロメトキシ)フェニル)−フェニル]−1,2,4−トリアゾール−3−カルボキサミド
参考例4に記載の手順に従って、標題化合物を3−((2−トリフルオロメトキシ)フェニル)アニリンから製造した。質量分析スペクトラム(ESI)m/eM+1 349.1。
【0187】
前記の手順に従って、下記の実施例化合物を製造したが、これらは本発明を説明するためのものであって、いかなる形態でも本発明の範囲を限定するものと解釈すべきではない。
【実施例1】
【0188】
【化35】

【0189】
5−[6−フルオロ−2′−(2,2,3,3,3−ペンタフルオロプロピルオキシ)ビフェニル−3−イル]2H−1,2,4−トリアゾール−3−カルボキサミド
質量分析スペクトラム(ESI)m/e(M+1):431.1。
【実施例2】
【0190】
【化36】

【0191】
5−[5−フルオロ−2′−(トリフルオロメトキシ)ビフェニル−3−イル]2H−1,2,4−トリアゾール−3−カルボキサミド
質量分析スペクトラム(ESI)m/e(M+1):367.0。
【実施例3】
【0192】
【化37】

【0193】
5−[5−フルオロ−2′−(2,2,3,3,3−ペンタフルオロプロピルオキシ)ビフェニル−3−イル]2H−1,2,4−トリアゾール−3−カルボキサミド
質量分析スペクトラム(ESI)m/e(M+1):431.0。
【実施例4】
【0194】
【化38】

【0195】
5−[4′−フルオロ−2′−(2,2,3,3,3−ペンタフルオロプロピルオキシ)ビフェニル−3−イル]2H−1,2,4−トリアゾール−3−カルボキサミド
質量分析スペクトラム(ESI)m/e(M+1):431.0。
【実施例5】
【0196】
【化39】

【0197】
5−[5′−フルオロ−2′−(2,2,3,3,3−ペンタフルオロプロピルオキシ)ビフェニル−3−イル]2H−1,2,4−トリアゾール−3−カルボキサミド
質量分析スペクトラム(ESI)m/e(M+1):431.1。
【実施例6】
【0198】
【化40】

【0199】
5−[2−フルオロ−2′−(トリフルオロメトキシ)ビフェニル−3−イル]2H−1,2,4−トリアゾール−3−カルボキサミド
質量分析スペクトラム(ESI)m/e(M+1):367.0。
【実施例7】
【0200】
【化41】

【0201】
5−[6−フルオロ−2′−(エトキシ)ビフェニル−3−イル]2H−1,2,4−トリアゾール−3−カルボキサミド
質量分析スペクトラム(ESI)m/e(M+1):381.1。
【実施例8】
【0202】
【化42】

【0203】
5−[2,6−ジフルオロ−2′−(トリフルオロメトキシ)ビフェニル−3−イル]2H−1,2,4−トリアゾール−3−カルボキサミド
質量分析スペクトラム(ESI)m/e(M+1):385.0。
【実施例9】
【0204】
【化43】

【0205】
5−[2′,6−ビス(トリフルオロメトキシ)ビフェニル−3−イル]2H−1,2,4−トリアゾール−3−カルボキサミド
質量分析スペクトラム(ESI)m/e(M+1):432.9。
【実施例10】
【0206】
【化44】

【0207】
5−[5′,6−ジフルオロ−2′−(トリフルオロメトキシ)ビフェニル−3−イル]2H−1,2,4−トリアゾール−3−カルボキサミド
質量分析スペクトラム(ESI)m/e(M+1):384.9。
【実施例11】
【0208】
【化45】

【0209】
5−[2′−(2,2,3,3,3−ペンタフルオロプロピルオキシ)ビフェニル−3−イル]2H−1,2,4−トリアゾール−3−カルボキサミド
質量分析スペクトラム(ESI)m/e(M+1):413.2。
【実施例12】
【0210】
【化46】

【0211】
5−[2,6−ジフルオロ−2′−(2,2,3,3,3−ペンタフルオロプロピルオキシ)ビフェニル−3−イル]2H−1,2,4−トリアゾール−3−カルボキサミド
【実施例13】
【0212】
【化47】

【0213】
5−[2,5′,6−トリフルオロ−2′−(2,2,3,3,3−ペンタフルオロプロピルオキシ)ビフェニル−3−イル]2H−1,2,4−トリアゾール−3−カルボキサミド
【実施例14】
【0214】
【化48】

【0215】
5−[5,6−ジフルオロ−2′−(トリフルオロメトキシ)ビフェニル−3−イル]2H−1,2,4−トリアゾール−3−カルボキサミド
質量分析スペクトラム(ESI)m/e(M+1):385.0。
【実施例15】
【0216】
【化49】

【0217】
5−[5,6−ジフルオロ−2′−(2,2,3,3,3−ペンタフルオロプロピルオキシ)ビフェニル−3−イル]2H−1,2,4−トリアゾール−3−カルボキサミド
【実施例16】
【0218】
【化50】

【0219】
5−[5,5′,6−トリフルオロ−2′−(2,2,3,3,3−ペンタフルオロプロピルオキシ)ビフェニル−3−イル]2H−1,2,4−トリアゾール−3−カルボキサミド
【実施例17】
【0220】
【化51】

【0221】
5−[6−フルオロ−2′−(アリルオキシ)ビフェニル−3−イル]2H−1,2,4−トリアゾール−3−カルボキサミド
質量分析スペクトラム(ESI)m/e(M+1):339.1。
【実施例18】
【0222】
【化52】

【0223】
5−[5′−フルオロ−2′−(アルキルオキシ)ビフェニル−3−イル]−2H−1,2,4−トリアゾール−3−カルボキサミド
質量分析スペクトラム(ESI)m/e(M+1):339.2。
【実施例19】
【0224】
【化53】

【0225】
5−[6−フルオロ−2′−(n−プロピルオキシ)ビフェニル−3−イル]2H−1,2,4−トリアゾール−3−カルボキサミド
質量分析スペクトラム(ESI)m/e(M+1):341.1。
【実施例20】
【0226】
【化54】

【0227】
5−[5′−フルオロ−2′−(n−プロピルオキシ)ビフェニル−3−イル]2H−1,2,4−トリアゾール−3−カルボキサミド
【実施例21】
【0228】
【化55】

【0229】
1−[6−フルオロ−2′−(2,2,3,3,3−ペンタフルオロプロピルオキシ)ビフェニル−3−イル]−1,2,4−トリアゾール−3−カルボキサミド
質量分析スペクトラム(ESI)m/e(M+1):430.9。
【実施例22】
【0230】
【化56】

【0231】
1−[2′−(2,2,3,3,3−ペンタフルオロプロピルオキシ)ビフェニル−3−イル]−1,2,4−トリアゾール−3−カルボキサミド
質量分析スペクトラム(ESI)m/e(M+1):413.0。
【実施例23】
【0232】
【化57】

【0233】
1−[5′フルオロ−2′−(2,2,3,3,3−ペンタフルオロプロピルオキシ)ビフェニル−3−イル]−1,2,4−トリアゾール−3−カルボキサミド
質量分析スペクトラム(ESI)m/e(M+1):431.0。
【実施例24】
【0234】
【化58】

【0235】
5−[2′−(フェニル)ビフェニル−3−イル]2H−1,2,4−トリアゾール−3−カルボキサミド
段階A:エチル−5−[3−ブロモフェニル]2H−1,2,4−トリアゾール−3−カルボキシレート
【0236】
【化59】

【0237】
参考例3に記載の手順に従って、標題化合物を3−ブロモ安息香酸エチルから製造した。
【0238】
段階B:2−トリメチルシリルエトキシメチル−5−[3−ブロモフェニル]−1,2,4−トリアゾール−3−カルボン酸エチル
【0239】
【化60】

【0240】
水素化ナトリウム(オイル中60%品)0.79g(19.8mmol)のTHF(15mL)中混合物に0℃で、5−[3−ブロモフェニル]2H−1,2,4−トリアゾール−3−カルボン酸エチル5.31g(18mmol)のTHF(80mL)溶液を滴下した。室温で10分間攪拌後、反応混合物を冷却して0℃とし、これにトリメチルシリルエトキシメチルクロライド(SEM−Cl)3g(18mmol)を滴下した。2時間攪拌後、反応混合物を水に投入し、酢酸エチルで抽出した。合わせた有機分画をブラインで洗浄し、脱水し(MgSO)、濾過し、濾液を濃縮した。残留物をクロマトグラフィー(シリカ、酢酸エチル:ヘキサン、10%から25%勾配)によって精製して、標題化合物を2種類の位置異性体の混合物として得た。
【0241】
段階C:2−トリメチルシリルエトキシメチル−5−[3−ブロモフェニル]−1,2,4−トリアゾール−3−カルボキサミド
【0242】
【化61】

【0243】
2−トリメチルシリルエトキシメチル−5−[3−ブロモフェニル]−1,2,4−トリアゾール−3−カルボン酸エチル4.39g(10.3mmol)の2Nアンモニア/メタノール溶液(10mL)中の溶液を、60℃で終夜攪拌した。反応混合物を濃縮して、標題化合物を得た。
【0244】
段階D:2−トリメチルシリルエトキシメチル−5−[3−(ピナコールボラニル)フェニル]−1,2,4−トリアゾール−3−カルボキサミド
【0245】
【化62】

【0246】
2−トリメチルシリルエトキシメチル−5−[3−ブロモフェニル]−1,2,4−トリアゾール−3−カルボキサミド7.1g(17.9mmol)およびピナコールボロン(4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボロラン)9.1g(35.8mmol)のDMSO(150mL)中混合物に室温で、酢酸カリウム7g(71.5mmol)を加え、反応液を窒素雰囲気にて40℃で15分間攪拌した。この反応混合物に、PdCl(dppf)2.92g(3.58mmol)を加え、反応混合物を95〜100℃で18時間攪拌した。反応混合物を冷却し、EtOAcと水との間で分配した。有機分画を水およびブラインで洗浄し、脱水し(MgSO)、濾過し、濾液を濃縮した。残留物をクロマトグラフィー(シリカ、酢酸エチル:ヘキサン、0%から25%勾配)によって精製して、標題化合物を得た。
【0247】
段階E:2−トリメチルシリルエトキシメチル−5−[2′−(フェニル)ビフェニル−3−イル]−1,2,4−トリアゾール−3−カルボキサミド
【0248】
【化63】

【0249】
2−トリメチルシリルエトキシメチル−5−[3−(ピナコールボラニル)フェニル]−1,2,4−トリアゾール−3−カルボキサミド0.0385g(0.082mmol)、2−ブロモビフェニル0.0297g(0.128mmol)、2M炭酸ナトリウム溶液0.128mL(0.255mmol)のトルエン(1.5mL)およびエタノール(0.5mL)中混合物に、Pd(PPh0.013g(0.011mmol)を加え、反応混合物を100℃で6時間攪拌した。反応混合物を冷却して室温とし、EtOAcと水との間で分配した。有機分画をブラインで洗浄し、脱水し(MgSO)、濾過し、濾液を濃縮した。残留物をクロマトグラフィー(シリカ、ヘキサン:EtOAc、0%から50%勾配)によって精製して、標題化合物を得た。
【0250】
段階F:5−[2′−(フェニル)ビフェニル−3−イル]2H−1,2,4−トリアゾール−3−カルボキサミド
【0251】
【化64】

【0252】
2−トリメチルシリルエトキシメチル−5−[2′−(フェニル)ビフェニル−3−イル]−1,2,4−トリアゾール−3−カルボキサミド0.035gのアセトニトリル(3mL)および50%HF水溶液(9mL)中の混合物を、室温で6時間攪拌した。反応混合物を濃縮し、残留物をクロマトグラフィー(シリカ、CHOH:CHCl 0%から5%勾配)によって精製して、標題化合物を得た。
【0253】
質量分析スペクトラム(ESI)m/e(M+1):341.2。
【実施例25】
【0254】
【化65】

【0255】
5−[2′−(2−フルオロフェニル)ビフェニル−3−イル]2H−1,2,4−トリアゾール−3−カルボキサミド
実施例24に記載の手順に従って、標題化合物を製造した。実施例24段階Dに記載の手順に従って、2′−フルオロ−2−ブロモビフェニルを、2−フルオロフェニルボロン酸および2−ブロモフェニルヨージドから製造した。
【0256】
質量分析スペクトラム(ESI)m/e(M+1):359.2。
【0257】
下記の実施例26〜33を、実施例24および25に記載の手順に従って製造した。
【実施例26】
【0258】
【化66】

【0259】
5−[2′−(3−フルオロフェニル)ビフェニル−3−イル]2H−1,2,4−トリアゾール−3−カルボキサミド
質量分析スペクトラム(ESI)m/e(M+1):359.2。
【実施例27】
【0260】
【化67】

【0261】
5−[2′−(4−フルオロフェニル)ビフェニル−3−イル]2H−1,2,4−トリアゾール−3−カルボキサミド
質量分析スペクトラム(ESI)m/e(M+1):359.2。
【実施例28】
【0262】
【化68】

【0263】
5−[6−フルオロ−2′−(3−フルオロフェニル)ビフェニル−3−イル]2H−1,2,4−トリアゾール−3−カルボキサミド
質量分析スペクトラム(ESI)m/e(M+1):377.2。
【実施例29】
【0264】
【化69】

【0265】
5−[5′−フルオロ−2′−(3−フルオロフェニル)ビフェニル−3−イル]2H−1,2,4−トリアゾール−3−カルボキサミド
質量分析スペクトラム(ESI)m/e(M+1):377.2。
【実施例30】
【0266】
【化70】

【0267】
5−[3′,5′−ジフルオロ−2′−(3−フルオロフェニル)ビフェニル−3−イル]2H−1,2,4−トリアゾール−3−カルボキサミド
質量分析スペクトラム(ESI)m/e(M+1):395.03。
【実施例31】
【0268】
【化71】

【0269】
5−[6−フルオロ−5′−フルオロ−2′−(3−フルオロフェニル)ビフェニル−3−イル]2H−1,2,4−トリアゾール−3−カルボキサミド
質量分析スペクトラム(ESI)m/e(M+1):395.23。
【実施例32】
【0270】
【化72】

【0271】
5−[6−フルオロ−3′,5′−ジフルオロ−2′−(3−フルオロフェニル)ビフェニル−3−イル]2H−1,2,4−トリアゾール−3−カルボキサミド
質量分析スペクトラム(ESI)m/e(M+1):413.16。
【実施例33】
【0272】
【化73】

【0273】
5−[6−フルオロ−4′−フルオロ−2′−(3−フルオロフェニル)ビフェニル−3−イル]2H−1,2,4−トリアゾール−3−カルボキサミド
質量分析スペクトラム(ESI)m/e(M+1):395.23。
【実施例34】
【0274】
【化74】

【0275】
5−[2′−(2−トリフルオロメチルフェニル)ビフェニル−3−イル]2H−1,2,4−トリアゾール−3−カルボキサミド
段階A:2−トリメチルシリルエトキシメチル−5−[2′−(ブロモ)ビフェニル−3−イル]−1,2,4−トリアゾール−3−カルボキサミド
【0276】
【化75】

【0277】
実施例24段階Eに記載の手順に従って、標題化合物を2−トリメチルシリルエトキシメチル−5−[3−(ピナコールボラニル)フェニル]−1,2,4−トリアゾール−3−カルボキサミド(実施例24段階D)および2−ブロモフェニルヨージドから製造した。
【0278】
段階B:2−トリメチルシリルエトキシメチル−5−[2′−(2−トリフルオロメチルフェニル)ビフェニル−3−イル]−1,2,4−トリアゾール−3−カルボキサミド
【0279】
【化76】

【0280】
前記実施例に記載のスズキ条件に従って、標題化合物を2−トリメチルシリルエトキシメチル−5−[2−(ブロモ)ビフェニル−3−イル]−1,2,4−トリアゾール−3−カルボキサミドおよび2−トリフルオロメチルフェニルボロン酸から製造した。
【0281】
段階C:5−[2′−(トリフルオロメチルフェニル)ビフェニル−3−イル]−1,2,4−トリアゾール−3−カルボキサミド
実施例24段階Fに記載の手順に従って、標題化合物を2−トリメチルシリルエトキシメチル−5−[2′−(2−トリフルオロメチルフェニル)ビフェニル−3−イル]−1,2,4−トリアゾール−3−カルボキサミドから製造した。
【0282】
質量分析スペクトラム(ESI)m/e(M+1):408.98。
【0283】
下記の実施例35〜42を、実施例24および34に記載の手順に従って製造した。
【実施例35】
【0284】
【化77】

【0285】
5−[2′−(3−トリフルオロメチルフェニル)ビフェニル−3−イル]2H−1,2,4−トリアゾール−3−カルボキサミド
質量分析スペクトラム(ESI)m/e(M+1):408.98。
【実施例36】
【0286】
【化78】

【0287】
5−[2′−(4−トリフルオロメチルフェニル)ビフェニル−3−イル]2H−1,2,4−トリアゾール−3−カルボキサミド
質量分析スペクトラム(ESI)m/e(M+1):408.98。
【実施例37】
【0288】
【化79】

【0289】
5−[2′−(2−トリフルオロメトキシフェニル)ビフェニル−3−イル]2H−1,2,4−トリアゾール−3−カルボキサミド
質量分析スペクトラム(ESI)m/e(M+1):424.9。
【実施例38】
【0290】
【化80】

【0291】
5−[2′−(3−トリフルオロメトキシフェニル)ビフェニル−3−イル]2H−1,2,4−トリアゾール−3−カルボキサミド
質量分析スペクトラム(ESI)m/e(M+1):425.2。
【実施例39】
【0292】
【化81】

【0293】
5−[2′−(4−トリフルオロメトキシフェニル)ビフェニル−3−イル]2H−1,2,4−トリアゾール−3−カルボキサミド
質量分析スペクトラム(ESI)m/e(M+1):425.3。
【実施例40】
【0294】
【化82】

【0295】
5−[2′−(3−カルボメトキシフェニル)ビフェニル−3−イル]2H−1,2,4−トリアゾール−3−カルボキサミド
質量分析スペクトラム(ESI)m/e(M+1):367.2(M−OCH)。
【実施例41】
【0296】
【化83】

【0297】
5−[2′−(4−カルボメトキシフェニル)ビフェニル−3−イル]2H−1,2,4−トリアゾール−3−カルボキサミド
質量分析スペクトラム(ESI)m/e(M+1):367.2(M−OCH)。
【実施例42】
【0298】
【化84】

【0299】
5−[2′−(2−フルオロ−4−トリフルオロメチルフェニル)ビフェニル−3−イル]2H−1,2,4−トリアゾール−3−カルボキサミド
質量分析スペクトラム(ESI)m/e(M+1):427.1。
【実施例43】
【0300】
【化85】

【0301】
5−[2′−(3,5−ジフルオロフェニル)ビフェニル−3−イル]2H−1,2,4−トリアゾール−3−カルボキサミド
質量分析スペクトラム(ESI)m/e(M+1):377.2。
【実施例44】
【0302】
【化86】

【0303】
5−[2′−(2,5−ジフルオロフェニル)ビフェニル−3−イル]2H−1,2,4−トリアゾール−3−カルボキサミド
質量分析スペクトラム(ESI)m/e(M+1):377.18。
【実施例45】
【0304】
【化87】

【0305】
5−[2′−(2,4−ジフルオロフェニル)ビフェニル−3−イル]2H−1,2,4−トリアゾール−3−カルボキサミド
質量分析スペクトラム(ESI)m/e(M+1):377.18。
【実施例46】
【0306】
【化88】

【0307】
5−[2′−(3,4−ジフルオロフェニル)ビフェニル−3−イル]2H−1,2,4−トリアゾール−3−カルボキサミド
質量分析スペクトラム(ESI)m/e(M+1):377.0。
【実施例47】
【0308】
【化89】

【0309】
5−[2′−(3,4,5−トリフルオロフェニル)ビフェニル−3−イル]2H−1,2,4−トリアゾール−3−カルボキサミド
質量分析スペクトラム(ESI)m/e(M+1):396.15。
【実施例48】
【0310】
【化90】

【0311】
5−[2′−(2,3,4−トリフルオロフェニル)ビフェニル−3−イル]2H−1,2,4−トリアゾール−3−カルボキサミド
質量分析スペクトラム(ESI)m/e(M+1):396.2。
【実施例49】
【0312】
【化91】

【0313】
5−[2′−(3−ジメチルアミノフェニル)ビフェニル−3−イル]2H−1,2,4−トリアゾール−3−カルボキサミド
質量分析スペクトラム(ESI)m/e(M+1):384.3。
【実施例50】
【0314】
【化92】

【0315】
5−[2′−(4−ジメチルアミノフェニル)ビフェニル−3−イル]2H−1,2,4−トリアゾール−3−カルボキサミド
質量分析スペクトラム(ESI)m/e(M+1):383.9。
【実施例51】
【0316】
【化93】

【0317】
5−[2′−(3−シアノフェニル)ビフェニル−3−イル]2H−1,2,4−トリアゾール−3−カルボキサミド
質量分析スペクトラム(ESI)m/e(M+1):366.18。
【実施例52】
【0318】
【化94】

【0319】
5−[2′−(3−(ピラゾール−1−イル)フェニル)ビフェニル−3−イル]2H−1,2,4−トリアゾール−3−カルボキサミド
質量分析スペクトラム(ESI)m/e(M+1):408.17。
【実施例53】
【0320】
【化95】

【0321】
5−[6−フルオロ−2′−(4−ジメチルアミノフェニル)ビフェニル−3−イル]2H−1,2,4−トリアゾール−3−カルボキサミド
段階A:2−トリメチルシリルエトキシメチル−5−[3−ブロモ−6−フルオロフェニル]−1,2,4−トリアゾール−3−カルボキサミド
【0322】
【化96】

【0323】
実施例24に記載の手順に従って、標題化合物を製造した。
【0324】
段階B:2−トリメチルシリルエトキシメチル−5−[2′−(ヒドロキシ)ビフェニル−3−イル]−1,2,4−トリアゾール−3−カルボキサミド
【0325】
【化97】

【0326】
実施例24段階Eに記載の手順に従って、標題化合物を2−トリメチルシリルエトキシメチル−5−[3−(ピナコールボラニル)フェニル]−1,2,4−トリアゾール−3−カルボキサミド(実施例24段階D)および2−ブロモフェニルヨージドから製造した。
【0327】
段階C:2−トリメチルシリルエトキシメチル−5−[2′−(トリフルオロメチルスルホニルオキシフェニル)ビフェニル−3−イル]−1,2,4−トリアゾール−3−カルボキサミド
【0328】
【化98】

【0329】
2−トリメチルシリルエトキシメチル−5−[2′−(ヒドロキシ)ビフェニル−3−イル]−1,2,4−トリアゾール−3−カルボキサミド0.2g(0.467mmol)およびジイソプロピルエチルアミン0.106mL(0.61mmol)のアセトニトリル(10mL)溶液に0℃で、N−フェニルトリフルオロメタンスルホンアミド0.217g(0.61mmol)を加え、反応混合物を室温で18時間攪拌した。反応混合物を濃縮し、残留物をクロマトグラフィー(シリカ、CHOH:CHCl、0%から6%勾配、次に6%CHOH:CHCl)によって精製した。
【0330】
段階D:5−[6−フルオロ−2′−(4−ジメチルアミノフェニル)ビフェニル−3−イル]2H−1,2,4−トリアゾール−3−カルボキサミド
【0331】
【化99】

【0332】
最初に標準的なスズキカップリング条件下でトリメチルシリルエトキシメチル−5−[2′−(トリフルオロメチルフェニル)ビフェニル−3−イル]−1,2,4−トリアゾール−3−カルボキサミドを4−ジメチルアミノフェニルボロン酸とカップリングさせることで、標題化合物を製造した。次に、トリメチルシリルエトキシメチル保護基を、実施例24段階Fに記載の方法に従って脱離させた。
【0333】
質量分析スペクトラム(ESI)m/e(M+1):402。
【0334】
実施例53に記載の手順に従って、下記の実施例54〜56を製造した。
【実施例54】
【0335】
【化100】

【0336】
5−[6−フルオロ−2′−(4−トリフルオロメトキシフェニル)ビフェニル−3−イル]2H−1,2,4−トリアゾール−3−カルボキサミド
質量分析スペクトラム(ESI)m/e(M+1):443.0。
【実施例55】
【0337】
【化101】

【0338】
5−[6−フルオロ−2′−(3、5−ジフルオロフェニル)ビフェニル−3−イル]2H−1,2,4−トリアゾール−3−カルボキサミド
質量分析スペクトラム(ESI)m/e(M+1):395.18。
【実施例56】
【0339】
【化102】

【0340】
5−[6−フルオロ−2′−(3,4,5−トリフルオロフェニル)ビフェニル−3−イル]2H−1,2,4−トリアゾール−3−カルボキサミド
質量分析スペクトラム(ESI)m/e(M+1):412.8。
【実施例57】
【0341】
【化103】

【0342】
5−[6−フルオロ−5′−2′−(2,2,3,3,4,4,4−ヘプタフルオロブチルオキシ)ビフェニル−3−イル]2H−1,2,4−トリアゾール−3−カルボキサミド
質量分析スペクトラム(ESI)m/e(M+1):481.2。
【実施例58】
【0343】
【化104】

【0344】
5−[5′−フルオロ−2′−(2,2,3,3,4,4,4−ヘプタフルオロブチルオキシ)ビフェニル−3−イル]2H−1,2,4−トリアゾール−3−カルボキサミド
質量分析スペクトラム(ESI)m/e(M+1):481.4。
【実施例59】
【0345】
【化105】

【0346】
5−[6−フルオロ−2′−(n−ブチルオキシ)ビフェニル−3−イル]2H−1,2,4−トリアゾール−3−カルボキサミド
質量分析スペクトラム(ESI)m/e(M+1):355.3。
【実施例60】
【0347】
【化106】

【0348】
5−[5′−フルオロ−2′−(2,2,3,3,4,4,4−ヘプタフルオロブチルオキシ)ビフェニル−3−イル]2H−1,2,4−トリアゾール−3−カルボン酸
5−[5′−フルオロ−2′−(2,2,3,3,4,4,4−ヘプタフルオロブチルオキシ)ビフェニル−3−イル]2H−1,2,4−トリアゾール−3−カルボン酸エチル(参考例3段階Bに記載の手順に従って製造)0.1g(0.196mmol)のメタノール(1.4mL)溶液に、1N NaOH水溶液0.59mL(0.59mmol)を加え、反応混合物を室温で23時間攪拌した。反応混合物のpHを1N HCl溶液でpH=4〜5に調節し、混合物をEtOAcで抽出した。有機分画を脱水し(NaSO)、濾過し、濾液を濃縮した。残留物をクロマトグラフィー(シリカ、CHCl:アセトン9:1、次にCHOH:CHCl 1%から10%の直線勾配)によって精製して、標題化合物を得た。
【0349】
質量分析スペクトラム(ESI)m/e(M+1):482.1。
【0350】
参考例3段階Bに記載の手順に従って、下記の実施例61〜63を製造した。
【実施例61】
【0351】
【化107】

【0352】
5−[5′−フルオロ−2′−(2,2,3,3,3−ペンタフルオロプロピルオキシ)ビフェニル−3−イル]2H−1,2,4−トリアゾール−3−カルボキシレート
質量分析スペクトラム(ESI)m/e(M+1):432.1。
【実施例62】
【0353】
【化108】

【0354】
5−[5′−フルオロ−2′−(2,2,3,3,4,4,4−ヘプタフルオロブチルオキシ)ビフェニル−3−イル]2H−1,2,4−トリアゾール−3−カルボキシレート
質量分析スペクトラム(ESI)m/e(M+1):482.3。
【実施例63】
【0355】
【化109】

【0356】
5−[6−フルオロ−2′−(n−ブチルオキシ)ビフェニル−3−イル]2H−1,2,4−トリアゾール−3−カルボキシレート
質量分析スペクトラム(ESI)m/e(M+1):356.2。
【0357】
実施例53に記載の手順に従って、下記の実施例64〜65を製造した。
【実施例64】
【0358】
【化110】

【0359】
5−[2′−(4−フルオロベンジルオキシ)ビフェニル−3−イル]2H−1,2,4−トリアゾール−3−カルボキサミド
段階A:2−トリメチルシリルエトキシメチル−5−[2′−(4−フルオロベンジルオキシ)ビフェニル−3−イル]−1,2,4−トリアゾール−3−カルボキサミド
【0360】
【化111】

【0361】
2−トリメチルシリルエトキシメチル−5−[2′−(ヒドロキシ)ビフェニル−3−イル]−1,2,4−トリアゾール−3−カルボキサミド(実施例53に記載の手順に従って製造)0.05g(0.122mmol)のDMSO(4mL)溶液に、炭酸セシウム0.16g(0.488mmol)を加え、反応混合物を室温で20分間攪拌した。この反応混合物に、4−フルオロベンジルブロマイド0.025mL(0.244mmol)を加え、反応混合物を80℃で18時間加熱した。反応混合物を水とEtOAcとの間で分配した。有機分画を水およびブラインで洗浄し、脱水し(MgSO)、濾過した。濾液を濃縮し、残留物をクロマトグラフィー(シリカ、EtOAc:ヘキサン、3:10)によって精製して標題化合物を得た。
【0362】
段階B:5−[2′−(4−フルオロベンジルオキシ)ビフェニル−3−イル]2H−1,2,4−トリアゾール−3−カルボキサミド
前述の手順に従って、標題化合物を2−トリメチルシリルエトキシメチル−5−[2′−(4−フルオロベンジルオキシ)ビフェニル−3−イル]−1,2,4−トリアゾール−3−カルボキサミドから製造した。質量分析スペクトラム(ESI)m/e(M+1):389.21。
【0363】
実施例64に記載の手順に従って、下記の実施例65〜72を製造した。
【実施例65】
【0364】
【化112】

【0365】
5−[6−フルオロ−2′−(2,4,5−トリフルオロベンジルオキシ)ビフェニル−3−イル]2H−1,2,4−トリアゾール−3−カルボキサミド
質量分析スペクトラム(ESI)m/e(M+1):443.31。
【実施例66】
【0366】
【化113】

【0367】
5−[6−フルオロ−2′−(2,4−ジフルオロベンジルオキシ)ビフェニル−3−イル]2H−1,2,4−トリアゾール−3−カルボキサミド
質量分析スペクトラム(ESI)m/e(M+1):425.35。
【実施例67】
【0368】
【化114】

【0369】
5−[6−フルオロ−2′−(2,5−ジフルオロベンジルオキシ)ビフェニル−3−イル]2H−1,2,4−トリアゾール−3−カルボキサミド
質量分析スペクトラム(ESI)m/e(M+1):425.35。
【実施例68】
【0370】
【化115】

【0371】
5−[2′−(2,4,5−トリフルオロベンジルオキシ)ビフェニル−3−イル]2H−1,2,4−トリアゾール−3−カルボキサミド
質量分析スペクトラム(ESI)m/e(M+1):424.91。
【実施例69】
【0372】
【化116】

【0373】
5−[2′−(2,5−ジフルオロベンジルオキシ)ビフェニル−3−イル]2H−1,2,4−トリアゾール−3−カルボキサミド
質量分析スペクトラム(ESI)m/e(M+1):406.99。
【実施例70】
【0374】
【化117】

【0375】
5−[2′−(2,4−ジフルオロベンジルオキシ)ビフェニル−3−イル]2H−1,2,4−トリアゾール−3−カルボキサミド
質量分析スペクトラム(ESI)m/e(M+1):407.16。
【実施例71】
【0376】
【化118】

【0377】
5−[2′−(2−フルオロベンジルオキシ)ビフェニル−3−イル]2H−1,2,4−トリアゾール−3−カルボキサミド
質量分析スペクトラム(ESI)m/e(M+1):389.21。
【実施例72】
【0378】
【化119】

【0379】
5−[2′−(ベンジルオキシ)ビフェニル−3−イル]2H−1,2,4−トリアゾール−3−カルボキサミド
質量分析スペクトラム(ESI)m/e(M+1):371.0。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
下記式(I)または(II)によって表される化合物または該化合物の医薬として許容される塩。
【化1】

[式中、
は、
(a)H、
(b)C〜C−アルキル、C〜C−アルケニル、C〜C−アルキニル[これらはいずれも、1以上の次の置換基:NR、COOH、CONRで置換されていても良い。]、または
(c)−C(=O)R、COOR、CONR
であり;
は、
(a)H、
(b)1以上のハロゲンもしくはCFで置換されていても良いC〜C−アルキル、または
(c)CF
であり;
は、
(a)H、または
(b)1以上のハロゲンもしくはCFで置換されていても良いC〜C−アルキル、または
(c)CF
であり;
は、HまたはC1−4アルキルであり;
およびRはそれぞれ独立に、
(a)H、
(b)−C〜C−アルキル−C〜C−パーフルオロアルキルまたは−O−C〜C−アルキル−C〜C−パーフルオロアルキル、
(c)ハロゲン、または
(d)1以上のハロゲンもしくはCFで置換されていても良い−C〜Cアルキル
であり;
、RおよびRはそれぞれ独立に、
(a)H、
(b)−O−C〜C−アルキル、−O−C〜C−アルケニル、−O−C〜C−アルキニル[これらはいずれも、1以上のハロゲンまたはCFで置換されていても良い。]、
(c)−C〜C−アルキル−C〜C−パーフルオロアルキルもしくは−O−C〜C−アルキル−C〜C−パーフルオロアルキル、
(d)−O−フェニルまたは−O−C〜C−アルキル−フェニル[フェニルは、i)ハロゲン、ii)−CN、iii)−NO、iv)CF、v)−OR、vi)−NR、vii)−C0−4アルキル−CO−OR、viii)−(C0−4アルキル)−CO−N(R)(R)、ix)およびx)C1−10アルキル[1以上の前記アルキル炭素は、−NR、C(O)−O−もしくは−N(R)−C(O)−N(R)−に置き換わっていても良い。]から選択される1〜3個の置換基で置換されていても良い。]、または
(e)ハロゲン、−ORまたはフェニル[フェニルは、i)ハロゲン、ii)−CN、iii)−NO、iv)CF、v)ピラゾリル、vi)−OR、vii)−NR、viii)C0−4アルキル−CO−OR、ix)−(C0−4アルキル)−CO−N(R)(R)およびx)−C1−10アルキル[1以上の前記アルキル炭素は−NR、C(O)−O−または−N(R)−C(O)−N(R)−によって置き換わっていても良い。]から選択される1〜3個の置換基で置換されていても良い。]
である。]
【請求項2】
が、H以外であり、オルト位で結合している、化学式(I)によって表される請求項1に記載の化合物または該化合物の医薬として許容される塩。
【請求項3】
が置換されていても良い−O−C〜C−アルキルである請求項2に記載の化合物または該化合物の医薬として許容される塩。
【請求項4】
が置換されていても良いフェニルである請求項2に記載の化合物または該化合物の医薬として許容される塩。
【請求項5】
が−O−C〜C−アルキル−フェニルであり、フェニルが置換されていても良い請求項2に記載の化合物または該化合物の医薬として許容される塩。
【請求項6】
が置換されていても良い−O−C〜C−アルケニルである請求項2に記載の化合物または該化合物の医薬として許容される塩。
【請求項7】
がハロゲンである請求項2に記載の化合物または該化合物の医薬として許容される塩。
【請求項8】
がハロゲンである請求項2に記載の化合物または該化合物の医薬として許容される塩。
【請求項9】
およびRがハロゲンである請求項2に記載の化合物または該化合物の医薬として許容される塩。
【請求項10】
、RおよびRがハロゲンである請求項2に記載の化合物または該化合物の医薬として許容される塩。
【請求項11】
が−O−C〜C−アルキル−C〜C−パーフルオロアルキルである請求項2に記載の化合物または該化合物の医薬として許容される塩。
【請求項12】
がH以外であって、オルト位で結合している化学式(II)によって表される請求項1に記載の化合物または該化合物の医薬として許容される塩。
【請求項13】
が置換されていても良い−O−C〜C−アルキルである請求項12に記載の化合物または該化合物の医薬として許容される塩。
【請求項14】
が置換されていても良いフェニルである請求項12に記載の化合物または該化合物の医薬として許容される塩。
【請求項15】
が−O−C〜C−アルキル−フェニルであり、フェニルが置換されていても良い請求項12に記載の化合物または該化合物の医薬として許容される塩。
【請求項16】
が置換されていても良い−O−C〜C−アルケニルである請求項12に記載の化合物または該化合物の医薬として許容される塩。
【請求項17】
がハロゲンである請求項12に記載の化合物または該化合物の医薬として許容される塩。
【請求項18】
がハロゲンである請求項12に記載の化合物または該化合物の医薬として許容される塩。
【請求項19】
およびRがハロゲンである請求項12に記載の化合物または該化合物の医薬として許容される塩。
【請求項20】
、RおよびRがハロゲンである請求項12に記載の化合物または該化合物の医薬として許容される塩。
【請求項21】
が−O−C〜C−アルキル−C〜C−パーフルオロアルキルである請求項12に記載の化合物または該化合物の医薬として許容される塩。
【請求項22】
下記式IIIによって表される化合物または該化合物の医薬として許容される塩。
【化2】

[式中、R〜Rはそれぞれ、請求項1で定義の通りである。]
【請求項23】
が、H以外であり、オルト位で結合している請求項22に記載の化合物または該化合物の医薬として許容される塩。
【請求項24】
が置換されていても良い−O−C〜C−アルキルである請求項23に記載の化合物または該化合物の医薬として許容される塩。
【請求項25】
が置換されていても良いフェニルである請求項23に記載の化合物または該化合物の医薬として許容される塩。
【請求項26】
が−O−C〜C−アルキル−フェニルであり、フェニルが置換されていても良い請求項23に記載の化合物または該化合物の医薬として許容される塩。
【請求項27】
が置換されていても良い−O−C〜C−アルケニルである請求項23に記載の化合物または該化合物の医薬として許容される塩。
【請求項28】
がハロゲンである請求項23に記載の化合物または該化合物の医薬として許容される塩。
【請求項29】
がハロゲンである請求項23に記載の化合物または該化合物の医薬として許容される塩。
【請求項30】
およびRがハロゲンである請求項23に記載の化合物または該化合物の医薬として許容される塩。
【請求項31】
、RおよびRがハロゲンである請求項23に記載の化合物または該化合物の医薬として許容される塩。
【請求項32】
が−O−C〜C−アルキル−C〜C−パーフルオロアルキルである請求項23に記載の化合物または該化合物の医薬として許容される塩。
【請求項33】
下記式によって表される化合物。
【化3】







【請求項34】
治療上有効量の請求項1に記載の化合物または該化合物の医薬として許容される塩ならびに医薬として許容される担体を含む医薬組成物。
【請求項35】
i)オピエート作働薬、ii)オピエート拮抗薬、iii)カルシウムチャンネル拮抗薬、iv)5HT受容体作働薬、v)5HT受容体拮抗薬、vi)ナトリウムチャンネル拮抗薬、vii)NMDA受容体作働薬、viii)NMDA受容体拮抗薬、ix)COX−2選択的阻害薬、x)NK1拮抗薬、xi)非ステロイド系抗炎症薬、xii)選択的セロトニン再取り込み阻害薬、xiii)選択的セロトニンおよびノルエピネフリン再取り込み阻害薬、xiv)三環系抗鬱薬、xv)ノルエピネフリン調節剤、xvi)リチウム、xvii)バルプロエートおよびxviii)ニューロンティンからなる群から選択される第2の治療薬をさらに含む請求項34に記載の医薬組成物。
【請求項36】
疼痛の治療または予防方法であって、そのような処置を必要とする患者に対して、治療上有効量もしくは予防上有効量の請求項1に記載の化合物または該化合物の医薬として許容される塩を投与する段階を有する方法。
【請求項37】
慢性、内臓性、炎症性および/または神経傷害性の疼痛症候群の治療または予防方法であって、そのような処置を必要とする患者に対して、治療上有効量もしくは予防上有効量の請求項1に記載の化合物または該化合物の医薬として許容される塩を投与する段階を有する方法。
【請求項38】
外傷性神経損傷、神経の圧迫もしくは絞扼、ヘルペス後神経痛、三叉神経痛、糖尿病性神経症、癌および/または化学療法の結果として生じるかそれに関連する疼痛の治療または予防方法であって、そのような処置を必要とする患者に対して、治療上有効量もしくは予防上有効量の請求項1に記載の化合物または該化合物の医薬として許容される塩を投与する段階を有する方法。
【請求項39】
慢性腰痛の治療または予防方法であって、そのような処置を必要とする患者に対して、治療上有効量もしくは予防上有効量の請求項1に記載の化合物または該化合物の医薬として許容される塩を投与する段階を有する方法。
【請求項40】
幻肢痛の治療または予防方法であって、そのような処置を必要とする患者に対して、治療上有効量もしくは予防上有効量の請求項1に記載の化合物または該化合物の医薬として許容される塩を投与する段階を有する方法。
【請求項41】
HIV誘発およびHIV治療誘発神経症、慢性骨盤痛、神経腫痛、複合局所疼痛症候群、慢性関節痛および/または関連する神経痛の治療または予防方法であって、そのような処置を必要とする患者に対して、治療上有効量もしくは予防上有効量の請求項1に記載の化合物または該化合物の医薬として許容される塩を投与する段階を有する方法。
【請求項42】
局所麻酔の投与方法であって、そのような処置を必要とする患者に対して、治療上有効量もしくは予防上有効量の請求項1に記載の化合物または該化合物の医薬として許容される塩を投与する段階を有する方法。
【請求項43】
過敏性大腸症候群および/またはクローン病の治療または予防方法であって、そのような処置を必要とする患者に対して、治療上有効量もしくは予防上有効量の請求項1に記載の化合物または該化合物の医薬として許容される塩を投与する段階を有する方法。
【請求項44】
癲癇および/または部分性および全身性強直発作の治療または予防方法であって、そのような処置を必要とする患者に対して、治療上有効量もしくは予防上有効量の請求項1に記載の化合物または該化合物の医薬として許容される塩を投与する段階を有する方法。
【請求項45】
卒中または神経外傷によって引き起こされる虚血状態下での神経保護方法であって、そのような処置を必要とする患者に対して、治療上有効量もしくは予防上有効量の請求項1に記載の化合物または該化合物の医薬として許容される塩を投与する段階を有する方法。
【請求項46】
多発性硬化症の治療または予防方法であって、そのような処置を必要とする患者に対して、治療上有効量もしくは予防上有効量の請求項1に記載の化合物または該化合物の医薬として許容される塩を投与する段階を有する方法。
【請求項47】
双極性障害の治療または予防方法であって、そのような処置を必要とする患者に対して、治療上有効量もしくは予防上有効量の請求項1に記載の化合物または該化合物の医薬として許容される塩を投与する段階を有する方法。
【請求項48】
頻脈性不整脈の治療または予防方法であって、そのような処置を必要とする患者に対して、治療上有効量もしくは予防上有効量の請求項1に記載の化合物または該化合物の医薬として許容される塩を投与する段階を有する方法。
【請求項49】
片頭痛、頭痛および/または片頭痛の治療または予防方法であって、そのような処置を必要とする患者に対して、治療上有効量もしくは予防上有効量の請求項1に記載の化合物または該化合物の医薬として許容される塩を投与する段階を有する方法。
【請求項50】
治療上有効量の請求項22に記載の化合物または該化合物の医薬として許容される塩ならびに医薬として許容される担体を含む医薬組成物。
【請求項51】
i)オピエート作働薬、ii)オピエート拮抗薬、iii)カルシウムチャンネル拮抗薬、iv)5HT受容体作働薬、v)5HT受容体拮抗薬、vi)ナトリウムチャンネル拮抗薬、vii)NMDA受容体作働薬、viii)NMDA受容体拮抗薬、ix)COX−2選択的阻害薬、x)NK1拮抗薬、xi)非ステロイド系抗炎症薬、xii)選択的セロトニン再取り込み阻害薬、xiii)選択的セロトニンおよびノルエピネフリン再取り込み阻害薬、xiv)三環系抗鬱薬、xv)ノルエピネフリン調節剤、xvi)リチウム、xvii)バルプロエートおよびxviii)ニューロンティンからなる群から選択される第2の治療薬をさらに含む請求項49に記載の医薬組成物。
【請求項52】
疼痛の治療または予防方法であって、そのような処置を必要とする患者に対して、治療上有効量もしくは予防上有効量の請求項22に記載の化合物または該化合物の医薬として許容される塩を投与する段階を有する方法。
【請求項53】
慢性、内臓性、炎症性および/または神経傷害性の疼痛症候群の治療または予防方法であって、そのような処置を必要とする患者に対して、治療上有効量もしくは予防上有効量の請求項22に記載の化合物または該化合物の医薬として許容される塩を投与する段階を有する方法。
【請求項54】
外傷性神経損傷、神経の圧迫もしくは絞扼、ヘルペス後神経痛、三叉神経痛、糖尿病性神経症、癌および/または化学療法の結果として生じる疼痛の治療または予防方法であって、そのような処置を必要とする患者に対して、治療上有効量もしくは予防上有効量の請求項22に記載の化合物または該化合物の医薬として許容される塩を投与する段階を有する方法。
【請求項55】
慢性腰痛の治療または予防方法であって、そのような処置を必要とする患者に対して、治療上有効量もしくは予防上有効量の請求項22に記載の化合物または該化合物の医薬として許容される塩を投与する段階を有する方法。
【請求項56】
幻肢痛の治療または予防方法であって、そのような処置を必要とする患者に対して、治療上有効量もしくは予防上有効量の請求項22に記載の化合物または該化合物の医薬として許容される塩を投与する段階を有する方法。
【請求項57】
HIV誘発およびHIV治療誘発神経症、慢性骨盤痛、神経腫痛、複合局所疼痛症候群、慢性関節痛および/または関連する神経痛の治療または予防方法であって、そのような処置を必要とする患者に対して、治療上有効量もしくは予防上有効量の請求項22に記載の化合物または該化合物の医薬として許容される塩を投与する段階を有する方法。
【請求項58】
局所麻酔の投与方法であって、そのような処置を必要とする患者に対して、治療上有効量もしくは予防上有効量の請求項22に記載の化合物または該化合物の医薬として許容される塩を投与する段階を有する方法。
【請求項59】
過敏性大腸症候群および/またはクローン病の治療または予防方法であって、そのような処置を必要とする患者に対して、治療上有効量もしくは予防上有効量の請求項22に記載の化合物または該化合物の医薬として許容される塩を投与する段階を有する方法。
【請求項60】
癲癇および/または部分性および全身性強直発作の治療または予防方法であって、そのような処置を必要とする患者に対して、治療上有効量もしくは予防上有効量の請求項22に記載の化合物または該化合物の医薬として許容される塩を投与する段階を有する方法。
【請求項61】
卒中または神経外傷によって引き起こされる虚血状態下での神経保護方法であって、そのような処置を必要とする患者に対して、治療上有効量もしくは予防上有効量の請求項22に記載の化合物または該化合物の医薬として許容される塩を投与する段階を有する方法。
【請求項62】
多発性硬化症の治療または予防方法であって、そのような処置を必要とする患者に対して、治療上有効量もしくは予防上有効量の請求項22に記載の化合物または該化合物の医薬として許容される塩を投与する段階を有する方法。
【請求項63】
双極性障害の治療または予防方法であって、そのような処置を必要とする患者に対して、治療上有効量もしくは予防上有効量の請求項22に記載の化合物または該化合物の医薬として許容される塩を投与する段階を有する方法。
【請求項64】
頻脈性不整脈の治療または予防方法であって、そのような処置を必要とする患者に対して、治療上有効量もしくは予防上有効量の請求項22に記載の化合物または該化合物の医薬として許容される塩を投与する段階を有する方法。
【請求項65】
片頭痛、頭痛および/または片頭痛の治療または予防方法であって、そのような処置を必要とする患者に対して、治療上有効量もしくは予防上有効量の請求項22に記載の化合物または該化合物の医薬として許容される塩を投与する段階を有する方法。

【公表番号】特表2007−510741(P2007−510741A)
【公表日】平成19年4月26日(2007.4.26)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−539729(P2006−539729)
【出願日】平成16年11月5日(2004.11.5)
【国際出願番号】PCT/US2004/037280
【国際公開番号】WO2005/047270
【国際公開日】平成17年5月26日(2005.5.26)
【出願人】(390023526)メルク エンド カムパニー インコーポレーテッド (924)
【氏名又は名称原語表記】MERCK & COMPANY INCOPORATED
【Fターム(参考)】