説明

ナノ粒子の製造方法およびナノ粒子の製造装置

本発明によって、純金属、2以上の金属の合金、凝集物の混合物、またはシェル構造を有する粒子とすることができるナノ粒子が、気相において製造される。装置から出ていくガスの温度が低いため、金属ナノ粒子をポリマーのような感温材料と混合することも可能である。本発明の製造方法は経済的であり、工業的規模での製造に適している。本発明の第一の実施態様は、プリントエレクトロニクスにおいて用いられるインク用の金属ナノ粒子の製造である。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、請求項1のプリアンブルに係る、ナノ粒子の製造方法に関する。
【0002】
本発明は、請求項12のプリアンブルに係る、斯かる方法のための装置に関する。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0003】
本発明に係る製造方法の特徴は、請求項1の特徴部分に規定されている。
【0004】
本発明に係る製造装置の特徴は、請求項12の特徴部分に規定されている。
【0005】
本発明に係る製造方法および製造装置によって、ナノ粒子の製造が可能となり、ナノ粒子は、純金属、2以上の金属の合金、凝集物の混合物、またはシェル構造を有する粒子であってもよい。
【図面の簡単な説明】
【0006】
以下、本発明の実施態様およびそれらの利点は、図を参照して記述する。
【図1】図1は、一の実施態様に係る装置を表す。
【図2】図2は、第2の実施態様に係る装置を表す。
【図3】図3は、一の実施態様により製造されたナノ粒子を表す。
【図4】図4は、第2の実施態様により製造されたナノ粒子を表す。
【図5】図5は、フィルター材料の表面上に、第3の実施態様により製造されたナノ粒子を表す。
【発明を実施するための形態】
【0007】
ある実施態様によれば、その製造過程の低温のために、金属ナノ粒子をポリマー等の感温材料と混合することも可能となる。その製造方法は経済的であり、工業的規模での製造に適している。そのような製造方法は、例えば、以下の用途に用いることができる:プリントエレクトロニクスにおいて用いられるインクのための金属ナノ粒子の製造および光学部品の活物質のための金属ナノ粒子の製造。
【0008】
一の実施態様に係る製造方法では、誘導加熱において交流電流がコイルに供給され、それがコイルの内側に変動磁場を誘起する。その変動磁場は、次々と金属片内に渦電流を誘起する。その金属の抵抗がその渦電流に対抗し、それらのエネルギーの一部を熱に変換する。実際には、そのエネルギーはその金属にのみ伝わるため、その加熱は効率的である。その熱産生の効率は、その物質の抵抗、その比透磁率、加熱される部分の大きさ、および交流電流の周波数に依存する。
【0009】
図1および2は、誘導加熱を用いたナノ粒子の製造装置を構築するための2つの選択方法を示している。
【0010】
図1に示された選択方法では、不活性ガスが下部から、例えば、ガラス管1に供給され、その内側は高温耐熱性の、例えば、セラミックである、熱シールド3が、セラミック支持構造2の頂部に設けられている。金属またはグラファイトからなる気化容器4が、熱シールドの内側に設けられ、その気化容器内には順に気化される金属が配置されている。容器に隣接するガラス管の外側の誘導コイルが、その気化容器を加熱する。熱シールドが、コイルを熱放射から保護する。熱シールドに加えて、ガラス管内を移動する低温の不活性ガスのフローが、装置の他の部分の過熱を防ぐ。
【0011】
本願では、ガスフローについて、「低温」という用語は、金属蒸気の温度よりも実質的に低い温度を意味する。温度スケールでは、「低温」とは、例えば、150℃よりも低い温度、または、例えば、0〜100℃の範囲の温度を意味することがある。実際の適用に非常に好適な範囲のバリエーションの一つは、15〜35℃である。もちろん、上述したものよりも低い温度を用いてもよいし、ある用途においては、より高い温度の場合もある。
【0012】
その一部について、気化容器4の温度は、例えば、2300℃となることがあり、混合段階における金属蒸気の温度も容易に1500℃より高くなることがある。したがって、金属蒸気と「低温の」ガスフローとの温度差は、1000℃よりも大きく、多くの場合は1500℃よりも大きい。
【0013】
一の実施態様では、金属ナノ粒子の製造装置は、不活性ガスがガラス管1に供給され、その内側に、熱シールド3と気化容器4とがセラミック支持体2上に設けられるような方法で動作する。その気化容器は誘導により加熱される。
【0014】
図2に示された選択方法では、不活性ガスが下部から、選択方法1と同様に、例えば、ガラス管1に供給される。上で述べた内容とは異なり、不活性キャリアガスフロー3が、セラミック支持構造2内にも供給される。セラミック熱シールドは、二層材料からなるシールドに置換され、これにより気化容器4の外側表面上において、2000℃を超える温度差を許容する。熱シールドの最奥部は、多孔質グラファイトフェルト5からなり、それは非常に低い熱伝導性を有し、高温に十分に耐える。熱シールドの外側の層6は、石英ガラスまたはセラミック材料のいずれかから製造される。外側の層の役割は、低温のガスフローとキャリアガスフローとを互いに分離することである。熱シールドのいずれの部分も導電性ではなくてもよい。
【0015】
一の実施態様では、図2の装置は、不活性ガスをガラス管1に供給するような方法により金属ナノ粒子の製造に用いられる。ガスフローは、ガスフローと共に容器4から気化した金属を運び、セラミック支持体2内にも供給される。二層熱シールドの内部の部分5は、熱をほとんど伝えない材料からなる一方、外側の部分6は、フローの早過ぎる混合を防ぐ。気化容器は、図1の実施態様と同様に誘導により加熱される。
【0016】
二層熱シールドの上部は、フローバッフルとしての役割も果たし、キャリアガスと低温フローとを互いに効率的に混合する。その部分の形状は、3次元フロー測定およびCFD計算により最適化される。内側では、熱シールドは、気化容器の放射熱がその内側の表面を加熱するような形状であり、したがって、装置への金属蒸気の損失を低減する。加えて、熱シールドの内側の部分の形状によって、キャリアガスフローは、気化容器に効率的に誘導される。
【0017】
二層熱シールドにより、オーブンの温度はかなり上昇され得、その場合、図1の実施態様と比べて粒子の質量収率が相応に上がる。より高い温度であれば、より幅広い範囲の金属を製造することができる。加えて、図2の実施態様では、キャリアガスフローを変更することにより、粒子の質量収率を調節することができる。
【0018】
どちらの選択方法でも、気化した金属は、乱流した低温のガスフローと混合したときにナノ粒子を形成する。混合速度と、大きな温度差とが粒子の成長を制限する。加えて、形成された全ての粒子は、装置において、ほぼ同一の温度履歴と遅延時間とを有する。熱放射により、装置の壁の温度は、ガスの温度よりも高い。この理由としては、熱泳動により粒子が壁から離れて、装置への損失を防ぐからである。装置に供給されるガスが不活性であるため、粒子は酸化されない。実際には、不純物は、基礎材料として用いられる金属にのみ由来し、そのため粒子の純度は、レーザーアブレーション法により製造される粒子の純度に相当する。
【0019】
その方法の最も有利な点は、ガスの温度が低いことであり、これにより、例えば、希釈過剰と、関連した冷却とがなくとも、核生成ゾーンの直後の従来のフィルターにおいて、製造された粒子の捕集が可能となる。このようにして製造されたナノ粒子は、非常に均質である。その製造手法は、金属合金で構成されるナノ粒子の製造にも好適である。これらの優れた結果は、図3および4にも見られる。
【0020】
図3は、透過型電子顕微鏡(TEM)を用いて撮影された製造された銀粒子の画像を示している。典型的な粒径は、約10〜20nmであり、粒子の個数濃度に依存する。
【0021】
図4は、製造されたSn−Bi合金粒子のTEM画像を示している。
【0022】
低温であることにより、感熱材料を用いた気相における粒子の被覆が可能となる。試験では、銀ナノ粒子が、例えば、L−ロイシンとPAAとを用いて被覆された。図5Aは、フィルター上に捕集された被覆粒子を示している。その一部について、図5Bは、L−ロイシンが銀粒子から150℃で蒸発したときの銀粒子を示しており、その銀粒子は、フィルターの表面上に残った。
【0023】
図5Aは、フィルターのSEM画像であり、フィルター上に、感熱性のα−アミノ酸(L−ロイシン)により被覆された銀粒子が捕集された。図5Bは、フィルター中の銀粒子のSEM画像である。L−ロイシンは、図5Aのフィルター3を150℃で3時間加熱することにより、除去される。
【0024】
被覆は、粒子の酸化と凝集による成長とを防ぐ。したがって、被覆された粒子は取り扱いと保存が容易である。加えて、被覆は、例えば、液体または固体媒体中の粒子の分散を容易にするのに用いることができる。
【0025】
その装置は必要とされるエネルギーが小さく、ガスフローも非常にリーズナブルである。粒子の製造は大気圧において行われ、そのため一般的なナノ粒子の製造において、高価な真空技術を用いる必要がない。その方法では、原料物質として高価で特別な化学物質も必要ない。加えて、誘導加熱は、機械工業において従来から広く用いられている技術である。したがって、その製造方法は、既存の技術を用いて工業的規模にまで極めて容易にスケールアップすることができる。
【0026】
これらの実施態様を用いることにより、第一段階において、プリントエレクトロニクスのためのインク用の金属ナノ粒子の製造がこのように可能である。例えば、スズ、ビスマス、銀、銅、およびアルミニウムが、この目的のために製造されてきた。上述した金属の合金も、かなり低い融点で、その技術を用いて製造されてきた。
【0027】
ナノの銀または銅を用いて被覆されたTiO粒子を、抗菌フィルターまたは抗菌性の表面のためにその方法を用いて製造することができる。
【0028】
その製造方法は、マグネシウムをドープしたアルミニウムナノ粒子の製造にも役立つ。この材料は、例えば、OLEDディスプレイの製造に用いることができる。
【0029】
他の可能な用途は、プリントセンサーの製造用のナノ材料の製造、金属ナノ粒子と導電性ポリマーとの組み合わせ、エネルギー貯蔵用および光学部品用のナノ複合材料の製造である。
【0030】
したがって、一の実施態様では、その方法は、少なくとも1種の金属を含むナノ粒子を製造するために実施され、その方法において少なくとも1種の金属が気化され、そしてその蒸気がガスフローと混合され、そのガスフローの温度はその蒸気の温度よりも低い。
【0031】
一の実施態様では、ガスフローは、単一のまたは複数の不活性ガスを含む。ガスフローの温度は、150℃未満とすることができ、0〜100℃の範囲であり、例えば、15〜35℃である。ガスフローの温度と金属蒸気の温度との温度差は、少なくとも1000℃であり、例えば、1500℃超である。
【0032】
これらの実施態様において、ガスフローは、蒸気をガスフローと混合するときには、好ましくは乱流である。
【0033】
一の実施態様では、気化は、コイルと導電性の気化容器とを用いた誘導加熱により行われ、誘導加熱において交流電流がコイルに供給され、それがコイルの内側に変動磁場を誘起する。変動磁場は、順に導電性の気化容器内に渦電流を誘起し、容器の抵抗が渦電流に対抗するときに、そのエネルギーが熱に変換される。この加熱はこのように効率的であり、実際にはエネルギーは気化容器にのみ伝わるため、その熱製造の効率は、容器の抵抗、容器の比透磁率、容器の大きさと形状、および交流電流の周波数に依存する。
【0034】
一の実施態様では、誘導加熱は、急激な温度勾配を作るために用いることができる。
【0035】
一の実施態様では、不活性ガスは下部から、例えば、ガラス管に供給され、その中には、例えば、セラミック支持構造の頂部に設けられた高温耐熱性のセラミック熱シールドがある。熱シールドの内側には気化容器が配置され、その容器の内側にはそれらの一部が気化する金属を配置して、その気化容器は高温耐熱性の金属、またはグラファイトからなる。容器に隣接するガラス管の外側では、誘導コイルが気化容器を加熱するのに対し、ガラス管内を移動する低温の不活性ガスのフローが装置の他の部分の過熱を防ぐと同時に熱シールドがコイルを熱放射から保護する。したがって、熱放射が装置の表面を加熱し、低温のガスフローよりも高温にするため、装置への損失が熱泳動の効果により低減される。
【0036】
一の実施態様では、高温の場合は、セラミック熱シールドは、二層材料から製造されたシールドに置き換えられ、それにより気化容器の外側表面における2000℃を超える温度差が可能となる。
【0037】
一の実施態様では、不活性ガスは熱シールドの内側と外側の両方に供給され、内側では不活性ガスはより高温になる。熱シールドの内側の部分は、例えば、多孔質のグラファイトフェルトとすることができ、その内側の部分の熱伝導性は、極めて低く、非常に高い温度に耐える。加えて、熱シールドの内側の部分の形状は、熱放射効果によりその表面の加熱を促進することに用いることができ、ガスの速度を変えることにより収率を調節する場合には、気化容器にガスフローを誘導することにも用いることができる。熱シールドの外側の層は、ガスに対して不透過性の材料から製造することができ、それにより高温のガスフローと低温のガスフローとが早く混合しない。
【0038】
その実施態様では、金属蒸気を低温のガスフローと乱流状態で混合した場合には、金属蒸気を急速に冷却することが可能である。それから形成されたナノ粒子は、互いに衝突する前に凝固し、凝固した結果、大きくならない。
【0039】
一の実施態様では、装置は通常の大気圧において動作し、それにより必要とされるポンプ用電力を低減するだけでなく、粒子からガスへの熱移動の速度も増大させる。
【0040】
装置外へのガスフローは低温を維持したままとすることもでき、そのため、粒子の混合と、粒子の捕集前の感熱材料を用いた粒子の被覆との両方が可能となる。
【0041】
一の実施態様では、装置は、少なくとも1種の金属を含むナノ粒子の製造のために実施され、少なくとも1種の金属から金属蒸気を生成するための気化容器4と、気化容器4を囲む熱シールド3とを具え、熱シールド3は、気化容器4と周囲との温度差を可能にする。熱シールド3には、少なくとも1つの開口部もあり、その開口部を通って金属蒸気が周囲に流れることができる。加えて、装置は、第一のガスフローを誘導する第一の流路を具え、第一のガスフローを熱シールド3を通って周囲に流れてきた金属蒸気と接触させ、金属蒸気と第一のガスフローとを混合する。この第一のガスフローは、したがって、上述した「低温の」ガスフローである。
【0042】
装置は、気化容器4を加熱するための誘導加熱デバイスを具えていてもよい。
【0043】
さらに、一の実施態様では、混合チャンバを具え、その混合チャンバ内に、熱シールド3を迂回した第一のガスフローと、熱シールド3の開口部から流れる金属蒸気とが、誘導されて混合される。図1および2において、混合チャンバは、装置の上部に位置する。
【0044】
さらに、一の実施態様では、装置は、第二の流路を具え、第二の流路は、第二のガスフローを気化容器4を囲む熱シールド3に誘導し、気化容器4を通って、第二のガスフローが熱シールド3の少なくとも1つの開口部から出ていくように誘導する。そのような一の実施態様が図2に示されている。
【0045】
本発明の実施態様は、請求の範囲内で広く変更することもできる。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
少なくとも1種の金属を含むナノ粒子の製造方法であって、
少なくとも1種の金属を気化する工程と、
その蒸気とガスフローとを混合する工程とを具え、
前記ガスフローの温度は前記蒸気の温度よりも低いことを特徴とする、ナノ粒子の製造方法。
【請求項2】
前記ガスフローが、単一のまたは複数の不活性ガスからなる、請求項1に記載の製造方法。
【請求項3】
前記ガスフローの温度が150℃よりも低く、0〜100℃の範囲の温度であり、例えば、15〜35℃である請求項1または2に記載の製造方法。
【請求項4】
前記ガスフローと金属蒸気との温度差が、少なくとも1000℃であり、例えば、1500℃超である、請求項1〜3のいずれかに記載の製造方法。
【請求項5】
前記ガスフローが、前記蒸気と前記ガスフローとを混合するときに乱流である、請求項1〜4のいずれかに記載の製造方法。
【請求項6】
気化が、コイルと導電性の気化容器とを用いた誘導加熱により行われ、
前記誘導加熱において、交流電流が前記コイルに供給され、前記コイルの内側に変動磁場を誘起し、
その一部について、前記変動磁場が、前記気化容器内に渦電流を誘起し、前記容器の抵抗が前記渦電流に対抗し、それらのエネルギーの一部が熱に変換され、
前記加熱が効率的であり、実際にはエネルギーは気化容器にのみ伝わり、前記熱製造の効率が前記容器の抵抗、前記容器の比透磁率、前記容器の大きさと形状、および前記交流電流の周波数に依存する、請求項1〜5のいずれかに記載の製造方法。
【請求項7】
誘導加熱が、急激な温度勾配を作るために用いられる、請求項6に記載の製造方法。
【請求項8】
前記不活性ガスが下部から、例えば、ガラス管に供給され、前記ガラス管の中には、例えば、セラミック支持構造の頂部に設けられたセラミック高温耐熱性熱シールドがあり、
気化容器が、前記熱シールドの内側に配置され、前記容器内に順に気化される金属が配置され、前記容器は高温耐熱性の金属またはグラファイトから製造され、
前記容器の位置のガラス管の外側の誘導コイルが前記気化容器を加熱するのに対し、前記不活性ガスの前記低温のフローが前記装置の他の部分の過熱を防ぐときに前記熱シールドが同時に前記コイルを保護し、かつ、
放射熱が前記装置の表面を加熱し、前記低温のガスフローよりも高温にし、装置への損失が熱泳動の効果により低減される、請求項6または7に記載の製造方法。
【請求項9】
高温の場合、前記セラミック熱シールドが、二層材料から製造されたシールドに置き換えられ、前記気化容器の外側表面における2000℃超の温度差が許容され、
前記不活性ガスが、前記熱シールドの内側と外側の両方に供給され、内側では前記不活性ガスが高温になり、
前記熱シールドの内側の部分が、多孔質のグラファイトフェルトであり、前記グラファイトフェルトの熱伝導性が、極めて低く、非常に高い温度に十分に耐え、
前記熱シールドの内側の部分の形状が、放射熱効果により前記内側表面の加熱を促進し、前記気化容器に前記ガスフローを誘導し、その場合には前記ガスの速度を変えることにより収率を調節することができ、
前記熱シールドの外側の層は、ガスに対して不透過性の材料から製造されており、高温のガスフローと低温のガスフローとが早過ぎる混合をしない、請求項6〜8のいずれかに記載の製造方法。
【請求項10】
前記金属蒸気を前記低温のガスフローと乱流状態で混合した場合に、前記金属蒸気が急速に冷却し、
その後、形成したナノ粒子が、互いに衝突する前に凝固し、凝固した結果、大きくならず、
大気圧における前記装置の動作が、必要とされるポンプ用電力を低減するだけでなく、前記粒子から前記ガスへの熱移動の速度も増大させる、請求項6〜9のいずれかに記載の製造方法。
【請求項11】
装置から出ていく前記ガスフローが低温であることで、そのため、前記粒子の混合と、前記粒子の捕集前の感熱材料を用いた前記粒子の被覆との両方が可能となる、請求項6〜10のいずれかに記載の製造方法。
【請求項12】
少なくとも1種の金属を含むナノ粒子の製造装置であって、
少なくとも1種の金属から金属蒸気を生成する気化容器(4)と、
前記気化容器(4)を囲む熱シールド(3)と、
第一の流路とを具え、
前記熱シールド(3)は、前記気化容器(4)とその周囲との温度差を許容し、前記熱シールド(3)は少なくとも1つの開口部を有し、その開口部を通って前記金属蒸気が前記周囲に流れることができ、
前記第一の流路は、第一のガスフローを誘導し、前記熱シールド(3)を通って、前記周囲に流れてきた前記金属蒸気と接触させ、前記金属蒸気と前記第一のガスフローとを混合することを特徴とする、ナノ粒子の製造装置。
【請求項13】
前記気化容器(4)を加熱する誘導加熱デバイスを具える、請求項12に記載の製造装置。
【請求項14】
混合チャンバを具え、前記混合チャンバ内に、前記熱シールド(3)を迂回した前記第一のガスフローと、前記熱シールド(3)の前記少なくとも1つの開口部から流れる金属蒸気とが、誘導されて混合される、請求項12または13に記載の製造装置。
【請求項15】
第二のガスフローを、前記気化容器(4)を囲む前記熱シールド(3)に誘導し、前記第二のガスフローが前記気化容器(4)を通って、前記熱シールド(3)の前記少なくとも1つの開口部から出ていくように誘導する第二の流路を具える、請求項12〜14のいずれかに記載の製造装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5A】
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【図5B】
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【公表番号】特表2013−510243(P2013−510243A)
【公表日】平成25年3月21日(2013.3.21)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−538372(P2012−538372)
【出願日】平成22年11月10日(2010.11.10)
【国際出願番号】PCT/FI2010/050906
【国際公開番号】WO2011/058227
【国際公開日】平成23年5月19日(2011.5.19)
【出願人】(511215207)テクノロジアン テュトキムスケスクス ヴェーテーテー (11)
【氏名又は名称原語表記】Teknologian tutkimuskeskus VTT
【Fターム(参考)】