説明

ナビゲーション装置、ナビゲーション方法、及びナビゲーションプログラム

【課題】フォーマットが異なる地図情報も利用して地図情報の更新を容易且つ迅速に行うことができる、ナビゲーション装置等を提供すること。
【解決手段】ナビゲーション装置10は、地図情報を記憶する地図情報DB41と、地図情報を受信する通信部20と、地図情報のフォーマットを変換するための変換用アプリケーション42aを、変換前後のフォーマットの組み合わせ毎に記憶する変換用アプリケーション記憶部42と、通信部20が受信した地図情報のフォーマットと地図情報DB41が記憶している地図情報のフォーマットとの組み合わせに対応する変換用アプリケーション42aを選択し、当該変換用アプリケーション42aにより通信部20が受信した地図情報のフォーマットを地図情報DB41が記憶している地図情報のフォーマットに変換し、当該変換後の地図情報に基づき、地図情報DB41が記憶している地図情報を更新する地図情報更新部31とを備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ナビゲーション装置、ナビゲーション方法、及びナビゲーションプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、リンクデータや施設データ等を含む地図情報を記憶し、当該地図情報に基づき経路案内等を行うナビゲーション装置が用いられている。このナビゲーション装置においては、例えば道路が新設されたり、あるいは施設が廃止等された場合、これらの変化に応じて対応する地図情報を更新する必要が生じる。
【0003】
このため、例えばDVDやUSBメモリ等の記憶媒体に記憶された新バージョンの地図情報に基づいてナビゲーション装置の地図情報を更新したり、双方向通信可能な無線通信を利用してサービスセンタから新バージョンの地図情報を取得すること等が知られている。さらに、地図データ管理センタから通信衛星を介して配信された最新の地図データを受信することにより車載器の地図データを更新し、あるいは他車両の車載器から車車間通信を利用して最新の地図データを取得することにより自車両の車載器の地図データを更新するナビゲーション装置が提案されている(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2007−93260号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、カーナビゲーション装置では、そのカーナビゲーション装置のメーカ毎に異なるフォーマットの地図情報が用いられており、地図情報を更新するためにはその地図情報と同じフォーマットの地図情報を用いる必要があった。このため、上述の如き従来の装置では、自車両が利用している地図情報のフォーマットと同一のフォーマットの地図情報が通信衛星を介して配信されるか、あるいは同一のフォーマットの地図情報を利用している他車両が車車間通信可能な範囲内に存在しない限り地図情報の更新を行うことができず、タイムリーに地図情報の更新を行えない可能性があった。
【0006】
本発明は、上記に鑑みてなされたものであって、フォーマットが異なる地図情報も利用して、地図情報の更新を容易且つ迅速に行うことができる、ナビゲーション装置、ナビゲーション方法、及びナビゲーションプログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上述した課題を解決し、目的を達成するために、請求項1に記載のナビゲーション装置は、地図情報を記憶する地図情報記憶手段と、地図情報を受信する受信手段と、地図情報のフォーマットを変換するための変換用アプリケーションを、変換前後のフォーマットの組み合わせ毎に記憶する変換用アプリケーション記憶手段と、前記受信手段が受信した地図情報に基づき、前記地図情報記憶手段が記憶している地図情報を更新する、地図情報更新手段と、を備え、前記地図情報更新手段は、前記受信手段が受信した地図情報のフォーマットと、前記地図情報記憶手段が記憶している地図情報のフォーマットとが異なる場合、当該受信手段が受信した地図情報のフォーマットと当該地図情報記憶手段が記憶している地図情報のフォーマットとの組み合わせに対応する変換用アプリケーションを前記変換用アプリケーション記憶手段に記憶されている前記変換用アプリケーションの中から選択し、当該選択した変換用アプリケーションにより当該受信手段が受信した地図情報のフォーマットを当該地図情報記憶手段が記憶している地図情報のフォーマットに変換し、当該フォーマット変換後の地図情報に基づき、当該地図情報記憶手段が記憶している地図情報を更新する。
【0008】
また、請求項2に記載のナビゲーション装置は、請求項1に記載のナビゲーション装置において、前記変換用アプリケーション記憶手段は、前記変換用アプリケーションを、変換前後の各フォーマットと中間フォーマットとの組み合わせ毎に記憶し、前記地図情報更新手段は、前記受信手段が受信した地図情報のフォーマットと、前記地図情報記憶手段が記憶している地図情報のフォーマットとが異なる場合、当該受信手段が受信した地図情報のフォーマットと前記中間フォーマットとの組み合わせに対応する変換用アプリケーションと、前記中間フォーマットと当該地図情報記憶手段が記憶している地図情報のフォーマットとの組み合わせに対応する変換用アプリケーションとを選択し、当該選択した変換用アプリケーションにより、前記受信手段が受信した地図情報のフォーマットを前記中間フォーマットを介して前記地図情報記憶手段が記憶している地図情報のフォーマットに変換する。
【0009】
また、請求項3に記載のナビゲーション装置は、請求項1又は2に記載のナビゲーション装置において、前記地図情報記憶手段は、地点情報を含む地図情報を記憶し、前記受信手段は、地点情報を含む地図情報を受信し、前記地図情報更新手段は、前記受信手段が受信した地図情報のフォーマットと、前記地図情報記憶手段が記憶している地図情報のフォーマットとが異なる場合、前記選択した変換用アプリケーションにより、当該受信手段が受信した地図情報に含まれる地点情報のフォーマットのみを前記地図情報記憶手段が記憶している地図情報に含まれる地点情報のフォーマットに変換し、当該フォーマット変換後の地点情報に基づき、前記地図情報記憶手段が記憶している地図情報に含まれる地点情報を更新する。
【0010】
また、請求項4に記載のナビゲーション方法は、地図情報を地図情報記憶手段に記憶させる地図情報記憶ステップと、地図情報を受信する受信ステップと、地図情報のフォーマットを変換するための変換用アプリケーションを、変換前後のフォーマットの組み合わせ毎に変換用アプリケーション記憶手段に記憶させる変換用アプリケーション記憶ステップと、前記受信ステップで受信した地図情報に基づき、前記地図情報記憶手段に記憶されている地図情報を更新する、地図情報更新ステップと、を含み、前記地図情報更新ステップにおいて、前記受信ステップで受信した地図情報のフォーマットと、前記地図情報記憶手段に記憶されている地図情報のフォーマットとが異なる場合、当該受信ステップで受信した地図情報のフォーマットと当該地図情報記憶手段に記憶されている地図情報のフォーマットとの組み合わせに対応する変換用アプリケーションを前記変換用アプリケーション記憶手段に記憶されている前記変換用アプリケーションの中から選択し、当該選択した変換用アプリケーションにより当該受信ステップで受信した地図情報のフォーマットを当該地図情報記憶手段に記憶されている地図情報のフォーマットに変換し、当該フォーマット変換後の地図情報に基づき、当該地図情報記憶手段に記憶されている地図情報を更新する。
【0011】
また、請求項5に記載のナビゲーションプログラムは、請求項4に記載の方法をコンピュータに実行させる。
【発明の効果】
【0012】
請求項1に記載のナビゲーション装置、請求項4に記載のナビゲーション方法、及び請求項5に記載のナビゲーションプログラムによれば、受信手段が受信した地図情報のフォーマットと、地図情報記憶手段が記憶している地図情報のフォーマットとが異なる場合、受信手段が受信した地図情報のフォーマットと地図情報記憶手段が記憶している地図情報のフォーマットとの組み合わせに対応する変換用アプリケーションを変換用アプリケーション記憶手段に記憶されている変換用アプリケーションの中から選択し、当該選択した変換用アプリケーションにより受信手段が受信した地図情報のフォーマットを地図情報記憶手段が記憶している地図情報のフォーマットに変換し、フォーマット変換後の地図情報に基づき、地図情報記憶手段が記憶している地図情報を更新するので、フォーマットの異なる地図情報も利用して、地図情報記憶手段に記憶されている地図情報を容易且つ迅速に更新することができる。
【0013】
また、請求項2に記載のナビゲーション装置によれば、地図情報更新手段は、受信手段が受信した地図情報のフォーマットと、地図情報記憶手段が記憶している地図情報のフォーマットとが異なる場合、受信手段が受信した地図情報のフォーマットと中間フォーマットとの組み合わせに対応する変換用アプリケーションと、中間フォーマットと地図情報記憶手段が記憶している地図情報のフォーマットとの組み合わせに対応する変換用アプリケーションとを選択し、当該選択した変換用アプリケーションにより、受信手段が受信した地図情報のフォーマットを中間フォーマットを介して地図情報記憶手段が記憶している地図情報のフォーマットに変換する。これにより、新しいフォーマットが開発された場合には、新しいフォーマットと既存の他の全フォーマットとの間の変換用アプリケーションを開発する必要は無く、その新しいフォーマットと中間フォーマット間の変換用アプリケーションのみを開発するだけで、中間フォーマットを介して他の全ての既存のフォーマットと新しいフォーマットとの間のフォーマット変換が可能となり、変換用アプリケーションの開発コストを低減することができる。
【0014】
また、請求項3に記載のナビゲーション装置によれば、地図情報更新手段は、受信手段が受信した地図情報のフォーマットと、地図情報記憶手段が記憶している地図情報のフォーマットとが異なる場合、変換用アプリケーション記憶手段に記憶されている変換用アプリケーションの中から選択した変換用アプリケーションにより、受信手段が受信した地図情報に含まれる地点情報のフォーマットのみを地図情報記憶手段が記憶している地図情報に含まれる地点情報のフォーマットに変換し、当該フォーマット変換後の地点情報に基づき、地図情報記憶手段が記憶している地図情報に含まれる地点情報を更新するので、ノードデータやリンクデータ等と比較してフォーマット変換を行いやすい地点情報についてのみ、確実且つ容易にフォーマット変換を行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【図1】実施の形態に係るナビゲーションシステムを例示するブロック図である。
【図2】地図情報更新処理のフローチャートである。
【図3】変換用アプリケーションを用いた地点情報のフォーマット変換を示した概念図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下、本発明に係るナビゲーション装置、ナビゲーション方法、及びナビゲーションプログラムの実施の形態について図面を参照しつつ詳細に説明する。ただし、この実施の形態によって本発明が限定されるものではない。
【0017】
(構成)
最初に、実施の形態に係るナビゲーション装置の構成について説明する。図1は、本実施の形態に係るナビゲーションシステム1を例示するブロック図である。図1に示すように、ナビゲーション装置10は例えば車両2(図1では車両2A、B、C)に搭載され、通信部20、制御部30、及びデータ記録部40を備えている。
【0018】
(構成−通信部)
通信部20は、地図情報を受信する受信手段である。この通信部20は、例えば地図情報を配信する地図情報配信センタ3とネットワーク4を介して通信を行ったり、他車両2(図1では、自車両2を車両2Aとした場合、車両2Bや車両2C)との間で車車間通信を行うものであり、公知の無線通信装置を用いることができる。
【0019】
(構成−制御部)
制御部30は、ナビゲーション装置10を制御する制御手段であり、具体的には、CPU、当該CPU上で解釈実行される各種のプログラム(OSなどの基本制御プログラムや、OS上で起動され特定機能を実現するアプリケーションプログラムを含む)、及びプログラムや各種のデータを格納するためのRAMの如き内部メモリを備えて構成されるコンピュータである。特に、本実施の形態に係るナビゲーションプログラムは、任意の記録媒体又はネットワークを介してナビゲーション装置10にインストールされることで、制御部30の各部を実質的に構成する。
【0020】
この制御部30は、機能概念的に、地図情報更新部31を備えている。地図情報更新部31は、通信部20が受信した地図情報に基づき、データ記録部40が記憶している地図情報を更新する、地図情報更新手段である。この制御部30によって実行される処理の詳細については後述する。
【0021】
(構成−データ記録部)
データ記録部40は、ナビゲーション装置10の動作に必要なプログラム及び各種のデータを記録する記録手段である。このデータ記録部40は、例えば、外部記憶装置としてのハードディスク(図示省略)の如き磁気的記録媒体を用いて構成されている。ただし、ハードディスクに代えてあるいはハードディスクと共に、フラッシュメモリの如き半導体型記憶媒体、又はDVDやブルーレイディスクの如き光学的記録媒体を含む、その他の任意の記録媒体を用いることができる。
【0022】
このデータ記録部40は、地図情報データベース41(以下、データベースをDBと略記する)、及び変換用アプリケーション記憶部42を備えている。
【0023】
地図情報DB41は、地図情報を記憶する地図情報記憶手段である。「地図情報」は、例えば地点情報(各地点の位置、各地点の種別、各地点の名称等)、リンクデータ(リンク番号、接続ノード番号、道路座標、道路種別、車線数、走行規制等)、ノードデータ(ノード番号、座標)、地物データ(信号機、道路標識、ガードレール、建物等)、対象地物データ(交差点、一時停止線、踏切、カーブ、ETC料金所、高速出口等)、地形データ、地図をディスプレイに表示するための地図表示データ等を含んで構成されている。
【0024】
変換用アプリケーション記憶部42は、地図情報のフォーマットを変換するための変換用アプリケーション42aを記憶する変換用アプリケーション記憶手段である。ここで、「フォーマット」とは、地図情報DB41に記憶されている地図情報に含まれる各種データの保存形式のことを意味する。また、フォーマットには、例えばナビゲーション装置10の各メーカ毎に異なるフォーマットの他、中間フォーマットも含まれるものとする。なお中間フォーマットとは、各フォーマットに含まれるデータ項目を包含するフォーマットであり、各フォーマットで記憶されている、地点に関する名称、位置、電話番号等の情報や、道路に関するリンク情報、ノード情報等をまとめて記憶するフォーマットである。異なるフォーマット間の新しい組み合わせに対応した新たな変換用アプリケーション42aが開発された場合、その新たは変換用アプリケーション42aは例えば地図情報配信センタ3から配信され、通信部20を介して変換用アプリケーション記憶部42に記憶される。
【0025】
特に本実施の形態では、変換用アプリケーション記憶部42は、変換用アプリケーション42aを、変換前後の各フォーマットと中間フォーマットとの組み合わせ毎に記憶している。すなわち、例えば変換前後の各フォーマットとして、P社のナビゲーション装置10で用いる地図情報のフォーマットP、Q社のナビゲーション装置10で用いる地図情報のフォーマットQ、及びR社のナビゲーション装置10で用いる地図情報のフォーマットRが有る場合、変換用アプリケーション記憶部42には、フォーマットPと中間フォーマット間の変換用アプリケーション42a、フォーマットQと中間フォーマット間の変換用アプリケーション42a、及びフォーマットRと中間フォーマット間の変換用アプリケーション42aが記憶される。これにより、新しいフォーマットが開発された場合には、新しいフォーマットと既存の他の全フォーマットとの間の変換用アプリケーションを開発する必要は無く、その新しいフォーマットと中間フォーマット間の変換用アプリケーションのみを開発するだけで、中間フォーマットを介して他の全ての既存のフォーマットと新しいフォーマットとの間のフォーマット変換が可能となる。すなわち、変換用アプリケーションの開発コストを低減することができる。
【0026】
(処理−地図情報更新処理)
次に、このように構成されたナビゲーション装置10によって実行される地図情報更新処理について説明する。図2は地図情報更新処理のフローチャートである(以下の各処理の説明ではステップを「S」と略記する)。この地図情報更新処理は、例えば、ナビゲーション装置10に電源が投入された後に実行される。
【0027】
地図情報更新処理が開始されると、地図情報更新部31は、通信部20を介して地図情報を受信するための接続先を検索する(SA1)。例えば地図情報更新部31は、通信部20を介して、インターネット上の地図情報配信センタ3を検索し、あるいは車車間通信により通信可能な他車両2のナビゲーション装置10を検索する。
【0028】
この際、地図情報更新部31が、自車両2の地図情報DB41に記憶されている地図情報よりも新しいバージョンの地図情報を有している接続先を検索するようにしてもよい。また、自車両2の変換用アプリケーション記憶部42に記憶されている変換用アプリケーション42aによって変換可能なフォーマットの地図情報を有している接続先を検索するようにしてもよい。また、接続可能な接続先が複数存在する場合には、地図情報DB41に記憶されている地図情報のフォーマットに変換し易いフォーマットの地図情報を有する接続先を選択するようにしてもよい。この場合、変換前後のフォーマットの組み合わせ毎にフォーマットの変換の容易さを特定するための情報を格納したテーブルを予めデータ記録部40に記憶させておき、地図情報更新部31がこのテーブルを参照することにより、最も変換が容易なフォーマットの地図情報を有する接続先を選択するようにしてもよい。
【0029】
続いて、地図情報更新部31は、接続が確立されたか否かを判定する(SA2)。その結果、接続が確立されていない場合(SA2、No)、地図情報を更新することができないものとし、地図情報更新部31は地図情報更新処理を終了する。
【0030】
一方、接続が確立された場合(SA2、Yes)、地図情報更新部31は、通信部20に、接続が確立された接続先から地図情報を受信させる(SA3)。
【0031】
続いて、地図情報更新部31は、通信部20が受信した地図情報のフォーマットと、地図情報DB41が記憶している地図情報のフォーマットとが同一か否かを判定する(SA4)。例えば、地図情報更新部31は、受信した地図情報のファイル名に付加されている拡張子や、フォーマットを識別するために地図情報に負荷されているマジックナンバー等に基づき、通信部20が受信した地図情報のフォーマットを特定し、そのフォーマットが地図情報DB41が記憶している地図情報のフォーマットとが同一か否かを判定する。
【0032】
その結果、通信部20が受信した地図情報のフォーマットと、地図情報DB41が記憶している地図情報のフォーマットとが同一である場合(SA4、Yes)、通信部20が受信した地図情報と地図情報DB41が記憶している地図情報とは完全に互換性があると考えられるので、地図情報更新部31は、通信部20が受信した地図情報に基づき、地図情報DB41が記憶している地図情報の全体を更新する(SA5)。
【0033】
一方、通信部20が受信した地図情報のフォーマットと、地図情報DB41が記憶している地図情報のフォーマットとが同一ではない場合(SA4、No)、地図情報更新部31は、通信部20が受信した地図情報のフォーマットと中間フォーマットとの組み合わせに対応する変換用アプリケーション42aと、中間フォーマットと地図情報DB41が記憶している地図情報のフォーマットとの組み合わせに対応する変換用アプリケーション42aとを、変換用アプリケーション記憶部42の中から選択する(SA6)。
【0034】
次に、地図情報更新部31は、SA6で選択した変換用アプリケーション42aにより、通信部20が受信した地図情報に含まれる地点情報のフォーマットのみを中間フォーマットを介して地図情報DB41が記憶している地図情報に含まれる地点情報のフォーマットに変換する(SA7)。すなわち、通信部20が受信した地図情報のフォーマットと、地図情報DB41が記憶している地図情報のフォーマットとが同一ではない場合、通信部20が受信した地図情報と地図情報DB41が記憶している地図情報とは完全には互換性を有していないと考えられるので、ノードデータやリンクデータ等と比較してフォーマットの変換が容易な地点情報のフォーマットのみを変換する。
【0035】
図3は、変換用アプリケーション42aを用いた地点情報のフォーマット変換を示した概念図である。この図3に示すように、地図情報更新部31は、通信部20が受信した地図情報のフォーマットと中間フォーマットとの組み合わせに対応する変換用アプリケーション42aにより、通信部20が受信した地図情報に含まれる地点情報のフォーマットをまず中間フォーマットに変換する。次に、中間フォーマットに変換された地点情報を、中間フォーマットと地図情報DB41が記憶している地図情報のフォーマットとの組み合わせに対応する変換用アプリケーション42aにより、地図情報DB41が記憶している地図情報に含まれる地点情報のフォーマットに変換する。
【0036】
図2に戻り、地図情報更新部31は、SA7でフォーマット変換をした後の地点情報に基づき、地図情報DB41が記憶している地図情報に含まれる地点情報を更新する(SA8)。
【0037】
SA5又はSA8の処理の後、地図情報更新部31は通信部20による接続先との通信接続を切断し(SA9)、地図情報更新処理を終了する。
【0038】
(効果)
このように本実施の形態によれば、通信部20が受信した地図情報のフォーマットと、地図情報DB41が記憶している地図情報のフォーマットとが異なる場合、通信部20が受信した地図情報のフォーマットと地図情報DB41が記憶している地図情報のフォーマットとの組み合わせに対応する変換用アプリケーション42aを変換用アプリケーション記憶部42に記憶されている変換用アプリケーション42aの中から選択し、当該選択した変換用アプリケーション42aにより通信部20が受信した地図情報のフォーマットを地図情報DB41が記憶している地図情報のフォーマットに変換し、フォーマット変換後の地図情報に基づき、地図情報DB41が記憶している地図情報を更新するので、フォーマットの異なる地図情報も利用して、地図情報DB41に記憶されている地図情報を容易且つ迅速に更新することができる。
【0039】
特に、地図情報更新部31は、通信部20が受信した地図情報のフォーマットと、地図情報DB41が記憶している地図情報のフォーマットとが異なる場合、通信部20が受信した地図情報のフォーマットと中間フォーマットとの組み合わせに対応する変換用アプリケーション42aと、中間フォーマットと地図情報DB41が記憶している地図情報のフォーマットとの組み合わせに対応する変換用アプリケーション42aとを選択し、当該選択した変換用アプリケーション42aにより、通信部20が受信した地図情報のフォーマットを中間フォーマットを介して地図情報DB41が記憶している地図情報のフォーマットに変換する。これにより、新しいフォーマットが開発された場合には、新しいフォーマットと既存の他の全フォーマットとの間の変換用アプリケーションを開発する必要は無く、その新しいフォーマットと中間フォーマット間の変換用アプリケーションのみを開発するだけで、中間フォーマットを介して他の全ての既存のフォーマットと新しいフォーマットとの間のフォーマット変換が可能となり、変換用アプリケーションの開発コストを低減することができる。
【0040】
また、地図情報更新部31は、通信部20が受信した地図情報のフォーマットと、地図情報DB41が記憶している地図情報のフォーマットとが異なる場合、変換用アプリケーション記憶部42に記憶されている変換用アプリケーション42aの中から選択した変換用アプリケーション42aにより、通信部20が受信した地図情報に含まれる地点情報のフォーマットのみを地図情報DB41が記憶している地図情報に含まれる地点情報のフォーマットに変換し、当該フォーマット変換後の地点情報に基づき、地図情報DB41が記憶している地図情報に含まれる地点情報を更新するので、ノードデータやリンクデータ等と比較してフォーマット変換を行いやすい地点情報についてのみ、確実且つ容易にフォーマット変換を行うことができる。
【0041】
〔実施の形態に対する変形例〕
以上、本発明に係る実施の形態について説明したが、本発明の具体的な構成及び手段は、特許請求の範囲に記載した各発明の技術的思想の範囲内において、任意に改変及び改良することができる。以下、このような変形例について説明する。
【0042】
(解決しようとする課題や発明の効果について)
まず、発明が解決しようとする課題や発明の効果は、上述の内容に限定されるものではなく、発明の実施環境や構成の細部に応じて異なる可能性があり、上述した課題の一部のみを解決したり、上述した効果の一部のみを奏することがある。
【0043】
(変換用アプリケーション記憶部について)
上述の実施の形態では、変換用アプリケーション記憶部42は、変換用アプリケーション42aを、変換前後の各フォーマットと中間フォーマットとの組み合わせ毎に記憶していると説明したが、変換前後の各フォーマットの組み合わせ毎に、これらの各フォーマット間で直接フォーマット変換を行うの変換用アプリケーション42aを記憶するようにしてもよい。例えば、変換前後の各フォーマットとして、P社のナビゲーション装置10で用いる地図情報のフォーマットP、Q社のナビゲーション装置10で用いる地図情報のフォーマットQ、及びR社のナビゲーション装置10で用いる地図情報のフォーマットRが有る場合、変換用アプリケーション記憶部42に、フォーマットPとフォーマットQ間の変換用アプリケーション42a、フォーマットQとフォーマットR間の変換用アプリケーション42a、及びフォーマットPとフォーマットR間の変換用アプリケーション42aを記憶させるようにしてもよい。
【0044】
また、自車両2の変換用アプリケーション記憶部42に記憶されていない変換用アプリケーションを他車両2が有している場合、その変換用アプリケーションを車車間通信により他車両2から通信部20が取得するようにしてもよい。
【0045】
(地図情報更新処理について)
上述の実施の形態では、図2の地図情報更新処理において、通信部20が受信した地図情報のフォーマットと、地図情報DB41が記憶している地図情報のフォーマットとが同一ではない場合(SA4、No)、地図情報更新部31は地点情報のみを更新すると説明したが、これとは異なる処理を行うようにしてもよい。例えば、変換前後のフォーマットの各組み合わせと、地図情報のうち更新すべき情報を特定するための更新対象情報とを、相互に関連付けてデータ記録部40に記憶させておき、通信部20が受信した地図情報のフォーマットと、地図情報DB41が記憶している地図情報のフォーマットとの組み合わせに対応する更新対象情報に基づき、地図情報に含まれる特定の情報のみを地図情報更新部31が更新するようにしてもよい。
【符号の説明】
【0046】
1 ナビゲーションシステム
2 車両
3 地図情報配信センタ
4 ネットワーク
10 ナビゲーション装置
20 通信部
30 制御部
31 地図情報更新部
40 データ記録部
41 地図情報DB
42 変換用アプリケーション記憶部
42a 変換用アプリケーション

【特許請求の範囲】
【請求項1】
地図情報を記憶する地図情報記憶手段と、
地図情報を受信する受信手段と、
地図情報のフォーマットを変換するための変換用アプリケーションを、変換前後のフォーマットの組み合わせ毎に記憶する変換用アプリケーション記憶手段と、
前記受信手段が受信した地図情報に基づき、前記地図情報記憶手段が記憶している地図情報を更新する、地図情報更新手段と、を備え、
前記地図情報更新手段は、前記受信手段が受信した地図情報のフォーマットと、前記地図情報記憶手段が記憶している地図情報のフォーマットとが異なる場合、当該受信手段が受信した地図情報のフォーマットと当該地図情報記憶手段が記憶している地図情報のフォーマットとの組み合わせに対応する変換用アプリケーションを前記変換用アプリケーション記憶手段に記憶されている前記変換用アプリケーションの中から選択し、当該選択した変換用アプリケーションにより当該受信手段が受信した地図情報のフォーマットを当該地図情報記憶手段が記憶している地図情報のフォーマットに変換し、当該フォーマット変換後の地図情報に基づき、当該地図情報記憶手段が記憶している地図情報を更新する、
ナビゲーション装置。
【請求項2】
前記変換用アプリケーション記憶手段は、前記変換用アプリケーションを、変換前後の各フォーマットと中間フォーマットとの組み合わせ毎に記憶し、
前記地図情報更新手段は、前記受信手段が受信した地図情報のフォーマットと、前記地図情報記憶手段が記憶している地図情報のフォーマットとが異なる場合、当該受信手段が受信した地図情報のフォーマットと前記中間フォーマットとの組み合わせに対応する変換用アプリケーションと、前記中間フォーマットと当該地図情報記憶手段が記憶している地図情報のフォーマットとの組み合わせに対応する変換用アプリケーションとを選択し、当該選択した変換用アプリケーションにより、前記受信手段が受信した地図情報のフォーマットを前記中間フォーマットを介して前記地図情報記憶手段が記憶している地図情報のフォーマットに変換する、
請求項1に記載のナビゲーション装置。
【請求項3】
前記地図情報記憶手段は、地点情報を含む地図情報を記憶し、
前記受信手段は、地点情報を含む地図情報を受信し、
前記地図情報更新手段は、前記受信手段が受信した地図情報のフォーマットと、前記地図情報記憶手段が記憶している地図情報のフォーマットとが異なる場合、前記選択した変換用アプリケーションにより、当該受信手段が受信した地図情報に含まれる地点情報のフォーマットのみを前記地図情報記憶手段が記憶している地図情報に含まれる地点情報のフォーマットに変換し、当該フォーマット変換後の地点情報に基づき、前記地図情報記憶手段が記憶している地図情報に含まれる地点情報を更新する、
請求項1又は2に記載のナビゲーション装置。
【請求項4】
地図情報を地図情報記憶手段に記憶させる地図情報記憶ステップと、
地図情報を受信する受信ステップと、
地図情報のフォーマットを変換するための変換用アプリケーションを、変換前後のフォーマットの組み合わせ毎に変換用アプリケーション記憶手段に記憶させる変換用アプリケーション記憶ステップと、
前記受信ステップで受信した地図情報に基づき、前記地図情報記憶手段に記憶されている地図情報を更新する、地図情報更新ステップと、を含み、
前記地図情報更新ステップにおいて、前記受信ステップで受信した地図情報のフォーマットと、前記地図情報記憶手段に記憶されている地図情報のフォーマットとが異なる場合、当該受信ステップで受信した地図情報のフォーマットと当該地図情報記憶手段に記憶されている地図情報のフォーマットとの組み合わせに対応する変換用アプリケーションを前記変換用アプリケーション記憶手段に記憶されている前記変換用アプリケーションの中から選択し、当該選択した変換用アプリケーションにより当該受信ステップで受信した地図情報のフォーマットを当該地図情報記憶手段に記憶されている地図情報のフォーマットに変換し、当該フォーマット変換後の地図情報に基づき、当該地図情報記憶手段に記憶されている地図情報を更新する、
ナビゲーション方法。
【請求項5】
請求項4に記載の方法をコンピュータに実行させるナビゲーションプログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【公開番号】特開2012−93492(P2012−93492A)
【公開日】平成24年5月17日(2012.5.17)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−239577(P2010−239577)
【出願日】平成22年10月26日(2010.10.26)
【出願人】(000100768)アイシン・エィ・ダブリュ株式会社 (3,717)
【Fターム(参考)】