説明

ナビゲーション装置

【課題】通常時にはその全高を低く抑えつつ、ディスク再生時にはディスクの収納に必要な高さを確保できるナビゲーション装置を提供すること。
【解決手段】筐体内の裏面にディスクメディアを垂直に立設した状態で支持するターンテーブルを具備したディスク装置を備え、該ディスク装置は前記筐体の裏面の下端部に回動自在に固定された蓋体によって覆われており、蓋体は前記筐体に回動自在に固定された第1蓋体と、該第1蓋体の上端部に下端部がスライド自在に取り付けられた第2蓋体と、から構成され、前記ディスク装置にディスクメディアが支持された際には、前記第2蓋体を上方にスライドさせることにより、前記蓋体で前記ディスクメディアを覆うことを可能とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明はナビゲーション装置に係り、特にディスクメディアを読み取るディスクドライブ装置を備えたナビゲーション装置において、その外形をディスクサイズより小さくすることを可能にしたナビゲーション装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来より、車に搭載して映像や音声によって運転者に経路案内を行うナビゲーション装置が知られている。特に近年はテレビジョン放送の視聴や音楽CDの再生、DVDの鑑賞なども一つのナビゲーション装置によって行うことが可能となっており、複合型メディア装置としてその需要はますます高まっている。
【0003】
ナビゲーション装置に搭載されるディスクドライブ装置は、ディスク駆動機構等の小型化に伴って小型化が著しく進んでいる。しかしながら、依然としてディスクドライブ装置は使用する記録媒体としてのディスクメディアのサイズよりも大きいのが一般的である。
【0004】
通常、ディスクドライブ装置においてディスクメディアは装置内部に設けられたディスク収納領域に収納された状態でデータの記録または再生が行われる。従って、ディスクドライブ装置はディスク全体を収納できる大きさのディスク収納領域を設ければならないという制約からディスクサイズを越える小型化が困難となっている。そのため、ディスクドライブ装置を縦型に内蔵することで薄型化を図ったナビゲーション装置についても、装置全体の高さはディスクサイズより低くすることができないという問題点があった。
【0005】
この点、ディスクドライブ装置の小型化や信頼性および操作性の向上の要求に対処するために様々な構成が考えられている。例えば、下記特許文献1には使用時には十分なディスク収納領域を確保し、非使用時には使用する記録媒体ディスクの外径サイズに影響されず、筐体をコンパクトにすることができるようにして携帯性を高めたディスクドライブ装置が開示されている。このディスクドライブ装置によれば、筐体は固定部及び伸縮部によって構成され、伸縮部を固定部に対して伸縮するようにし、伸縮部が伸長することによって筐体内にディスク収納領域を確保している。筐体はディスク収納領域からディスクを出し入れするための蓋体を有し、この蓋体は伸縮部の伸長動作の完了後に開状態となることが示されている。
【特許文献1】特開2000−187973号公報(段落[0007]〜[0009]、 HYPERLINK "http://www6.ipdl.ncipi.go.jp/Tokujitu/tjitemdrw.ipdl?N0000=234&N0500=4E#N/;%3e7%3e;8?%3e%3e///&N0001=34&N0552=9&N0553=000003" \t "tjitemdrw" 図1)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
ところで、車のダッシュボード上に載置されるタイプの車載用ナビゲーション装置においては、ディスクメディアの高さを確保しようとすると運転者の視界を妨げるという問題があった。また、最近では車に搭載して使用するだけでなく携帯して持ち運べるタイプのナビゲーション装置も登場しており、その小型化は早急の課題である。
【0007】
しかしながら、ナビゲーション装置の主機能である経路案内機能に関しては、地図データをHDD(ハードディスクドライブ)やフラッシュメモリなどの内部記憶装置に記憶して適宜読み出すようにすればよいが、その他音楽CDや映画鑑賞用DVDの再生に関しては外部ディスクメディアを読み取らなければならず、ディスク読み取り部を設けることが必要になる。この点、ナビゲーション装置は視覚的方法をもってユーザに経路を案内するものであるため、液晶パネル等の表示部を備えることが不可欠であり、本体とディスプレイとが一体にされたナビゲーション装置の場合、ディスクドライブを設けられるのは液晶パネルが設けられた面の裏側に限定される。しかし、例えば上記特許文献1に開示された発明はディスクドライブを収納する筐体そのものが伸縮する構成であるから、本体に表示パネルを備えるナビゲーション装置にそのまま適用することは困難である。また伸縮部が駆動手段によって伸縮し、ディスクメディアを覆う蓋体とは別の部材として形成するものであるから、部品数が増加し、コストが高くなる問題もある。
【0008】
本願の発明者らは上記問題点を解決するため種々検討を重ねた結果、ディスクを収納するときにのみ延伸させられるディスクカバーをナビゲーション装置の裏側に設けることで、通常は装置の小型化を図りつつ、ナビゲーション使用時には装置の高さを低くして運転手の視界を妨げることをなくし、ディスク再生時にはディスクを収納するに十分なスペースを確保できることに想到し、本願発明を完成するに至ったものである。
【0009】
すなわち、本願発明は上記問題点を解決することを目的とし、ナビゲーション装置の高さをディスクサイズの高さよりも低く抑えつつ、比較的簡単な構成で、ディスクを収納する際にはそのスペースを確保する手段を備えたナビゲーション装置を提供することを目的とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上記目的を達成するために、本願の請求項1に係るナビゲーション装置の発明は、
ナビゲーション画面等を表示する表示パネルと、ナビゲーションを行うための制御プログラム及び地図データが記憶された内部記憶装置と、前記表示パネル及び前記内部記憶装置が収納された所定高さの筐体と、を備え、前記筐体の高さがディスクメディアの直径より低いナビゲーション装置において、
前記筐体内の裏面には前記ディスクメディアを垂直に立設した状態で支持するターンテーブルを具備したディスク装置を備え、該ディスク装置は前記筐体内の裏面の下端部に回動自在に固定された蓋体によって覆われており、
前記蓋体は、前記筐体に回動自在に固定された第1蓋体と、該第1蓋体の上端部に下端部がスライド自在に取り付けられた第2蓋体と、から構成され、
前記ディスク装置に前記ディスクメディアが支持された際には、前記第2蓋体を上方にスライドさせることにより、前記蓋体で前記ディスクメディアを覆うことが可能であることを特徴とする。
【0011】
さらに請求項2に係る発明は、請求項1に係るナビゲーション装置において、前記第2蓋体の他端部は、前記ターンテーブルに支持された前記ディスクメディアの端部を覆うように鉤状に屈曲していることを特徴とする。
【0012】
さらに請求項3に係る発明は、請求項1に係るナビゲーション装置において、前記第1蓋体には上下方向に延在する溝が設けられ、前記第2蓋体の一端部近傍には前記溝内に移動自在に固定されたスライド部材が設けられ、前記溝の両端部及びその中間部には前記スライド部材の移動を規制する規制手段が設けられていることを特徴とする。
【発明の効果】
【0013】
本発明は上記構成を備えることにより、以下に示すような優れた効果を奏するものである。すなわち、本願の請求項1に係る発明によれば、ナビゲーション装置は筐体に回動自在に固定された蓋体を備え、該蓋体は回動自在に固定された第1蓋体と、該第1蓋体の上端部に下端部がスライド自在に取り付けられた第2蓋体とから構成されており、ディスク装置にディスクメディアを装着した後、第2蓋体を上方にスライドさせることにより、前記蓋体で前記ディスクメディアを覆うことが可能となる。このような構成を備えることで、ディスク未装着状態においては筐体の高さをディスクメディアの高さより低くすることができ、一方ディスクを装着するときには第2蓋体をスライドさせて延伸し、ディスクメディアを収納するために必要なスペースを確保することができる。
【0014】
さらに、請求項2に係る発明によれば、第2蓋体の上端部はディスクメディアの端部を覆うように鉤状に屈曲しているから、ディスクメディアの端部及び情報記録面を完全にカバーすることができ、誤ってユーザが読み取り中のディスクメディアに接触して怪我をしたり、ディスクメディアを破損させたりというような危険を回避することができる。
【0015】
さらに、請求項3に係る発明によれば、第2蓋体は第1蓋体の溝に沿ってスライドさせることができ、当該溝の両端部及びその中間部に規制手段が設けられる。したがって所望の位置に第2蓋体を係止することができ、ディスクや蓋体の破損を防ぐことができる。また、ユーザとしてもスライド位置を容易に決定することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0016】
以下、図面を参照して本発明の最良の実施形態を説明する。但し、以下に示す実施形態は、本発明の技術思想を具体化するためのナビゲーション装置を例示するものであって、本発明をこのナビゲーション装置に特定することを意図するものではなく、特許請求の範囲に含まれるその他の実施形態のものも等しく適応し得るものである。
【実施例1】
【0017】
図1は実施例におけるナビゲーション装置の前方斜視図、図2は図1のA−A線断面図である。ナビゲーション装置10は筐体21とその裏側に設けられた蓋体22とを備えており、図2から明らかなように蓋体22は筐体21にヒンジ機構を介して回動自在に固定されて、蓋体22の開閉が可能である。なお、図1及び図2では裏面の蓋体22は閉じた状態となっている。筐体21はその前面に液晶パネル等からなる表示部25を備え、タッチパネルを用いることで操作手段としても機能する。さらに筐体21の前面下部には複数の操作キーを備え、表示部25の表示に従いナビゲーション装置を操作する。筐体21の内部には制御板26が設けられている。制御板26にはRAM、ROMなどが搭載されており、これに記憶された制御プログラムによって全体の動作を制御する。なお、ナビゲーションプログラムや経路案内に用いられる地図データなどは、図示していないHDD又はフラッシュメモリなどの内部記憶装置に記憶され適宜読み出される。経路案内画像やディスクメディアから読み取った映像等は表示部25に出力され、音声による経路案内はスピーカ(図示省略)に出力される。
【0018】
この筐体21には、さらに筐体21と蓋体22の中間に位置するようにターンテーブル27が設けられている。ターンテーブル27は蓋体22を開いたときに筐体裏面に露出するように設けられており、支軸29は筐体21の高さHの中心位置Mよりやや上方に位置している。これは蓋体22を延伸することでディスクメディアの収納領域を確保する構成とし、装置全体の高さを低くしているため、ディスクメディア収納領域の中心位置が装置の中心位置からズレるためである。CDやDVDなどディスクメディアの中心孔はこのターンテーブル27の支軸29に嵌め込まれ、図示しないピックアップ装置によって記録面が走査されて情報が読み出される。読み出された情報は制御板26を介して表示部25に出力されて映像や音声が表示される。
【0019】
蓋体22は、第1蓋体22Aと第2蓋体22Bとに分かれており、第1蓋体22Aは筐体21にヒンジ機構を介して連結され、第2蓋体22Bは第1蓋体22Aと所定のスライド機構によって連結されている。第1蓋体22Aはヒンジ機構との連結部から立設される厚肉部22A1と、略中央部付近に設けられた段部を介して厚肉部22A1と一体形成された薄肉部22A2とから形成されている。第2蓋体22Bは第1蓋体22Aの薄肉部22A2と重なり合うようにして薄肉部22B2が形成され、第1蓋体22Aの外壁上端にと右折するように設けられた段部を介して厚肉部22B1が形成されている。第1蓋体22Aの薄肉部22A2と第2蓋体22Bの薄肉部22B2の両厚みを合わせると、第2蓋体22Bの厚肉部22B1の厚みとほぼ同じになるようになされている。第2蓋体22Bの上端部は、筐体21の高さ位置で内側に90度折り曲げられて延設され、さらに垂下方向に90度折り曲げられ、鉤状となっている。このように形成することでターンテーブル27にディスクメディアが収容されたときに、ディスクメディアの上端及び記録面を覆うことができる。
【0020】
図3は第1蓋体22Aと第2蓋体22Bとの連結構造の一例を説明するための分解斜視図である。図3に示すように第2蓋体22Bの薄肉部22B2の外側面の下端部近傍には、左右一対の係合部材23が互いに所定間隔をおいて外方に突出するようにして設けられている。係合部材23は、薄肉部22B2の外側面から外方に立設された柱状部23Aと、柱状部23Aの端部に垂直に設けられたフランジ23Bとからなっている。フランジ23Bは可撓性のある材質で形成された円板からなり、係合部材23全体として鋲状になっている。
【0021】
一方、第1蓋体22Aの薄肉部22A2には、係合部材23がスライド自在に係合するスライド溝24が形成されている。スライド溝24は内側と外側とで幅の異なる溝を形成しており、小径溝24Aと小径溝24Aより幅広に形成された大径溝24Bとに分かれている。小径溝24Aは第1蓋体22Aの内側面に開口し、溝の下端に若干幅広に形成されたホール部24Ahが形成されている。小径溝24Aの幅は係合部材23の柱状部23Aがスライド移動しうる幅を有し、ホール部24Ahはフランジ23Bを嵌め込むために十分な大きさで形成されている。
【0022】
大径溝24Bは小径溝24Aと外側の面に小径溝24Aに連通して開口しており、溝の上下端及び中間部にはやや幅広に形成された円形の規制部24C1〜24C3が形成されている。大径溝24Bはその幅が係合部材23のフランジ23Bの直径よりやや小さく、規制部24C1〜24C3の直径はフランジ23Bの直径より大きく形成されている。
【0023】
第1蓋体22Aと第2蓋体22Bとを薄肉部22A2、22B2が向かい合うように重ね合わせると、係合部材23のフランジ23Bが小径溝24Aの下端に位置するホール部24Ahに当接し、フランジ23Bは可撓性を有するために撓み変形してホール部24Ahを通り抜ける。ホール部24Ahを通り抜けたフランジ23Bは元の形状に戻り、そのまま大径溝24B下端の規制部24C3に係合する。フランジ23Bの直径は小径溝24Aの幅より大きいから、分離する方向に引張ってもフランジ23Bの縁が衝突して容易に通り抜けできなくなるので、第1蓋体22Aと第2蓋体22Bとが固定される。
【0024】
フランジ23Bは規制部24C3に係合し、大径溝24Bの幅はフランジ23Bの直径よりやや小さく形成されているから、外力を加えない限り第2蓋体22Bの縦方向の移動は規制される。ここで第2蓋体22Bを例えば上方向に移動させようとすると、フランジ23Bは僅かに撓み変形して大径溝24Bに入り込み、同時に係合部材23の柱状部23Aも小径溝24Aに沿ってスライドするように移動する。そのまま押し込まれるとフランジ23Bは中間に位置する規制部24C2に到達し、再び元の形状に戻って規制部24C2に係合する。
【0025】
このように係合部材23とスライド溝24とを用いることによって、蓋体22のスライド延伸が可能となるとともに、スライド溝24に規制部24C1〜24C3を設けることで所定位置以外の位置、例えば大径溝24Bの規制部と規制部の中間で係止することを防止できる。
【0026】
なお図3においてはスライド溝24の大径溝24Bは第1蓋体22Aの外壁表面に開口するようになされているが、内部に装着したディスクメディアを十分にカバーするためにも別の部材によって開口部分を覆うことが好ましい。または第1蓋体22Aを小径溝24Aが形成される第1層、大径溝24Bが形成される第2層、これらを覆う外壁層というように多層構造になるように形成してもよい。
【0027】
次に図4及び図5を参照してナビゲーション装置10にディスクメディアを装着する操作手順について説明する。なお図4は蓋体を開いた状態の、図5はディスクメディアを装着した後蓋体を閉じた状態の図1におけるA−A線断面図である。
【0028】
ディスクメディア28を装着するために、まず矢印xの方向に第2蓋体22Bをスライド延伸させる。このとき、上述したとおり第1蓋体22Aのスライド溝24にはスライド部材23が係合する規制部24C1〜24C3が溝の上下端及び中間の3箇所において設けられ、スライド部材23をいずれの規制部に係合させるかによって第2蓋体22Bは3段階からその位置を決められる。ここでは上端に位置する規制部24C1にスライド部材23が係合するように第2蓋体22Bをスライドさせる。
【0029】
そしてヒンジ機構を矢印yの方向に回動させ、蓋体22を開く。蓋体22を開くと蓋体22の内部に設けられたターンテーブル27が露出し、ターンテーブル27の支軸29にディスクメディア28を嵌め込むことができるようになるので、図4に示すようにしてディスクメディア28をターンテーブル27に固定する。
【0030】
その後蓋体22を閉じる手順に移り、ヒンジ機構を矢印y方向に回動させる。最上端まで持ち上げられた第2蓋体22Bの鉤状端部は、図4に破線で示したようにターンテーブル27に装着されたディスクメディア28に接触することなく、ディスク上方の位置に到達する。
【0031】
そして図5に示すように、第2蓋体22Bを矢印zの方向にスライドさせ、スライド部材23をスライド溝24の中間に位置する規制部24C2に係合させる。この状態での蓋体22の高さは筐体20のそれよりも高くなり、ディスクメディア28を収容するために必要な収納領域が確保されるとともにディスクメディア28は蓋体22によって完全に覆われた状態となる。上述のとおり第2蓋体22Bはその上端が鉤状に屈曲されており、水平面及び垂下面とによってディスクメディア28の上端及び裏面が囲われるから、ディスク端部及び記録面が露出することがない。したがって、ディスク読み取り中にユーザがディスクに接触してディスクを破損したりする危険を回避できるようになる。装着したディスクメディア28を取り出すときは、以上に示した操作を逆の手順で行えばよい。
【0032】
ナビゲーション装置10を車載用ナビゲーション装置として使用する際は、ダッシュボードの上の特に運転手の前方に設置して使用する。ダッシュボード上は運転時に自然に運転者の視界に入る位置であり、フロントガラスの前面位置にナビゲーション装置が設置されると、ナビゲーション装置を設置していない状態に比べて運転者の視界は悪くなる。とくに、ディスクメディアを読み取るためのディスクドライブ装置を備えたナビゲーション装置はディスク使用領域を確保するため少なくともディスクメディアの直径12cm以上の高さが必要になり、ダッシュボード上に12cm以上の高さがあるものが載置されると、視界は極めて悪くなる。
【0033】
この点、実施例におけるナビゲーション装置10の高さHは、ディスクメディアの直径より低くなされている。これは上述のとおり、ナビゲーション装置10の裏面に備えたターンテーブル27を覆う蓋体22が延伸可能になされ、ディスクメディア28を使用するときのみ蓋体22を延伸できるようにしてディスクメディア28の収容領域を確保しているためである。したがってディスクメディア28を使用しない場合は、蓋体22を収納でき、これにより装置の高さHをディスクメディア28の直径より低くして使用することができる。つまり、ディスクメディアを装着しない状態であれば、ナビゲーション装置全体を小さくすることができ、車のダッシュボード上に設置して運転の際のナビゲーション端末として使用する際に装置の高さが低くなり前方の視界が良好になる。また、ディスクメディアを装着しない限りは筐体21の大きさはディスクメディアの大きさにとらわれることなく、例えば表示部25の大きさや形状に合わせることができる。ディスクサイズにとらわれることなくデザインを決定できるという点で極めて有用である。
【0034】
なお上記の例では手動によって蓋体22の開閉及び延伸を行う例を説明したが、これらを自動制御で行うようになしてもよい。以下図を参照しつつ説明する。図6は実施例1の他の構成例を示す図である。
【0035】
まず第1蓋体22Aと第2蓋体22Bとを、制御板26の制御によって駆動するモータにより自動的に延伸動作を行うようにする。この場合第1蓋体22Aにピニオンギアを、第2蓋体22Bにラックを設け、ピニオンギアを第1蓋体22Aの下部に設置したモータによって駆動して第2蓋体22Bのスライド移動及びその位置決めを行う。またヒンジ機構の回動動作についてもモータにより行うようにし、図示しない開閉ボタンを押下することで蓋体22を開閉するよう構成する。
【0036】
さらに、図6に示すように第2蓋体22Bの鉤状端部の内側に赤外線センサ30を設け、30Aが赤外線信号を発信しこれを30Bが受信するようにする。すると図6に示すように鉤状端部内にディスクメディア28が収納されると、30Aが発信した赤外線信号はディスクメディア28によって遮断されて30Bに到達せず、赤外線センサ30がOFFの制御信号を出力する。
【0037】
ディスク未装着の状態で、かつ蓋体22が閉じた状態から開閉ボタンを押下すると、まず第2蓋体22Bが最上端に位置するまでスライド延伸され、最上端まで延伸されたのちヒンジ機構が回動されて蓋体22が開状態に到る。このようになせばディスクメディア28の装着・未装着に関わらずディスクメディア28に衝突することなく安全に蓋体22を開くことができる。そして蓋体22が開いた状態から開閉ボタンを押下すると、第2蓋体22Bは常に最上端に位置するまで延伸され、その後ヒンジ機構を内側に回動させるようにする。ディスクメディア28の上方に到達した第2蓋体22Bはそこからスライド下降するが、ディスクメディア28が装着されている場合第2蓋体22Bが下降する途中で赤外線センサ30が上記のようにしてディスクメディア28の存在を検知し、OFFの制御信号を出力する。制御板26はOFFの制御信号が出力されるとスライド機構に設けたモータを停止させ、これと同時に制御板26はヒンジ機構の回動を規制して蓋体22の開閉をロックする。
【0038】
図5に示すような状態、すなわちディスクメディア28が装着され、スライド部材23Bが中間に位置する規制部24C2に係合している状態からヒンジ機構を回動させて蓋体22を開くと、第2蓋体22Bの鉤状端部がディスクメディア28の端部に引っ掛かり、ディスクメディア28を破損する危険性があるが、上記のとおりディスクメディア28が収納されているときは赤外線センサ30がOFFの制御信号を出力して蓋体22がロックされるため、このような危険を回避することが可能となる。また赤外線センサ30がディスクメディア28を検知した段階でスライド下降を停止するため、上記の規制部24C2のようにスライド機構の中間位置で係止させるための規制手段を設ける必要がなくなる。
【0039】
なお上記の例では開く動作を行うときは常に第2蓋体22Bを最上端まで延伸するようにしたが、ディスクメディアが装着されていない場合には蓋体22を延伸させずにそのまま開いても問題はないので、赤外線センサから検知信号が出力されているときのみ第2蓋体22Bを延伸するように構成してもよい。
【産業上の利用可能性】
【0040】
上記の発明によれば、ディスクサイズにこだわらないデザインが可能になり、さらには装置の高さを低く抑えることができるから、車のダッシュボード上に設置したときであっても前方の視野を妨げることがないナビゲーション装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0041】
【図1】実施例におけるナビゲーション装置の前方斜視図である。
【図2】ディスク未装着状態の図1におけるA−A線断面図である。
【図3】スライド機構を説明するための分解斜視図である。
【図4】蓋体を開いた状態の図1におけるA−A線断面図である。
【図5】ディスク装着状態の図1におけるA−A線断面図である。
【図6】実施例1の他の構成例を示す図である。
【符号の説明】
【0042】
10 ナビゲーション装置
21 筐体
22 蓋体
22A 第1蓋体
22B 第2蓋体
23 スライド部材
24 スライド溝
24C1〜24C3 規制手段
25 表示部
26 制御板
27 ターンテーブル
28 ディスクメディア
29 支軸
30 赤外線センサ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ナビゲーション画面等を表示する表示パネルと、ナビゲーションを行うための制御プログラム及び地図データが記憶された内部記憶装置と、前記表示パネル及び前記内部記憶装置が収納された所定高さの筐体と、を備え、前記筐体の高さがディスクメディアの直径より低いナビゲーション装置において、
前記筐体内の裏面には前記ディスクメディアを垂直に立設した状態で支持するターンテーブルを具備したディスク装置を備え、該ディスク装置は前記筐体の裏面の下端部に回動自在に固定された蓋体によって覆われており、
前記蓋体は、前記筐体に回動自在に固定された第1蓋体と、該第1蓋体の上端部に下端部がスライド自在に取り付けられた第2蓋体と、から構成され、
前記ディスク装置に前記ディスクメディアが支持された際には、前記第2蓋体を上方にスライドさせることにより、前記蓋体で前記ディスクメディアを覆うことが可能であることを特徴とするナビゲーション装置。
【請求項2】
前記第2蓋体の他端部は、前記ターンテーブルに支持された前記ディスクメディアの端部を覆うように鉤状に屈曲していることを特徴とする請求項1に記載のナビゲーション装置。
【請求項3】
前記第1蓋体には上下方向に延在する溝が設けられ、前記第2蓋体の一端部近傍には前記溝内に移動自在に固定されたスライド部材が設けられ、前記溝の両端部及びその中間部には前記スライド部材の移動を規制する規制手段が設けられていることを特徴とする請求項1に記載のナビゲーション装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2008−203038(P2008−203038A)
【公開日】平成20年9月4日(2008.9.4)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−38300(P2007−38300)
【出願日】平成19年2月19日(2007.2.19)
【出願人】(000001889)三洋電機株式会社 (18,308)
【出願人】(000214892)三洋電機コンシューマエレクトロニクス株式会社 (1,582)
【Fターム(参考)】