説明

ナビゲーション装置

【課題】ETCカードの有効期限切れに起因する事故を防止できるナビゲーション装置を提供する。
【解決手段】ETC車載機1に挿入されたETCカード2の有効期限を該ETC車載機から取得するための接続インタフェース部21と、現在時刻を検出する現在時刻検出部(位置情報検出部23)と、現在時刻検出部で検出された現在時刻とETC車載機から接続インタフェース部を介して取得したETCカードの有効期限とを比較し、ETCカードの有効期限が切れている場合は期限切れを通知するメッセージを生成し、所定期間内に切れる場合は期限切れを予告するメッセージを生成するナビゲーション処理部25と、ナビゲーション処理部で生成されたメッセージを出力する出力部26を備えている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、ユーザを目的地まで誘導案内するナビゲーション装置に関し、特にETC(Electronic Toll Collection System;ETCは財団法人道路システム高度化推進機構の登録商標)と連係して誘導案内する技術に関する。
【背景技術】
【0002】
ETCは、路上に設置された路上機、双方向無線通信により高速道路等といった有料道路の料金収受を行うETC車載機、および、それを決済するための料金決済用情報が記憶されたETCカード(ICカード)から構成されている。ETCによる料金決済は、ETC車載機にETCカードを挿入した状態で利用可能である。このETCカードはクレジットカードと同様に有効期限がある。有効期限切れのETCカードをETC車載機に挿入したまま料金所等に設置されているETCレーンを通過しようとすると、ETCレーンに設置されている開閉バーが開かずに、衝突等による事故を起こす可能性がある。
【0003】
このような問題を解決するための装置として、例えば特許文献1は、ICカードの有効期限を把握することができる車両用通信装置を開示している。この車両用通信装置は、ETC車載機とナビゲーション装置と接続することにより、ETCカードの有効期限とナビゲーション装置で算出される現在時刻を比較し、ETCカードが有効期限切れの場合、その内容をユーザに知らせるようにしたものである。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2006−079330号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、上述した特許文献1に開示された車両用通信装置では、ユーザに対してETCカードの有効期限切れを単に知らせるだけである。そこで、有効期限が切れたETCカードまたはまもなく切れるETCカードがETC車載機に挿入されている場合に、ETCカードの有効期限に応じた誘導案内を行い、ETCレーンに設置されている開閉バーが開かないことに起因する衝突等の事故を防止できるナビゲーション装置の開発が望まれている。
【0006】
この発明は、上述した要請に応えるためになされたものであり、その課題は、ETCカードの有効期限切れに起因する事故を防止できるナビゲーション装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
この発明は、上記課題を解決するために、ETC車載機に挿入されたETCカードの有効期限を該ETC車載機から取得するための接続インタフェース部と、現在時刻を検出する現在時刻検出部と、現在時刻検出部で検出された現在時刻とETC車載機から接続インタフェース部を介して取得したETCカードの有効期限とを比較し、ETCカードの有効期限が切れている場合は期限切れを通知するメッセージを生成し、所定期間内に切れる場合は期限切れを予告するメッセージを生成するナビゲーション処理部と、ナビゲーション処理部で生成されたメッセージを出力する出力部を備えている。
【発明の効果】
【0008】
この発明によれば、ETCカードの有効期限が切れている場合は期限切れを通知するメッセージを生成し、まもなく切れる場合は期限切れを予告するメッセージを生成して出力するように構成したので、ETCカードの有効期限切れに起因する事故を防止できる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【図1】この発明の実施の形態1に係るナビゲーション装置の構成を示すブロック図である。
【図2】この発明の実施の形態1に係るナビゲーション装置に接続されるETC車載機で行われる有効期限検出処理を示すフローチャートである。
【図3】この発明の実施の形態1に係るナビゲーション装置で行われる有効期限切れ告知処理を示すフローチャートである。
【図4】この発明の実施の形態1に係るナビゲーション装置で行われる入れ替え催促処理を示すフローチャートである。
【図5】この発明の実施の形態1に係るナビゲーション装置で行われるルート案内処理を示すフローチャートである。
【図6】この発明の実施の形態1に係るナビゲーション装置で行われるルート探索を説明するための図である。
【図7】この発明の実施の形態1に係るナビゲーション装置で表示される画面例を示す図である。
【図8】この発明の実施の形態1に係るナビゲーション装置で表示される他の画面例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、この発明の実施の形態を、図面を参照しながら詳細に説明する。
実施の形態1.
【0011】
図1は、この発明の実施の形態1に係るナビゲーション装置の構成を示すブロック図である。このナビゲーション装置には、ETC車載機1が接続されている。まず、ETC車載機1について説明する。ETC車載機1は、ETCカードコネクタ11、ETCカード制御部12、ETCアンテナ13、ETCアンテナ制御部14、ETC処理部15および外部インタフェース部16を備えている。
【0012】
ETCカードコネクタ11には、ETCカード2が挿入される。このETCカードコネクタ11に挿入されたETCカード2は、ETCカード制御部12と電気的に接続される。ETCカード制御部12は、ETCカードコネクタ11に挿入されたETCカード2に格納されている料金決済用情報を読み取る。この料金決済用情報には、ETCカード2の有効期限情報が含まれる。ETCカード制御部12で読み取られた料金決済用情報は、ETC処理部15に送られる。
【0013】
ETCアンテナ13は、ETCアンテナ制御部14からの制御に従って、ETC路上機3との間で料金収受のための無線通信を行う。このETCアンテナ13は、ETC路上機3から送信された電波を電気信号に変換することにより得られた受信信号を、ETCアンテナ制御部14に送る。また、ETCアンテナ13は、ETCアンテナ制御部14から電気信号として送られてくる送信信号を、電波に変換してETC路上機3に送信する。
【0014】
ETCアンテナ制御部14は、上述したように、ETCアンテナ13を制御する。すなわち、ETCアンテナ制御部14は、ETC処理部15から送られてくる送信データを、送信信号としてETCアンテナ13に送るとともに、ETCアンテナ13から送られてくる受信信号を、受信データとしてETC処理部15に送る。
【0015】
ETC処理部15は、ETC車載機1の全体を制御する。例えば、ETC処理部15は、ETCカード制御部12から送られてくる料金決済用情報を外部インタフェース部16に送る。また、ETC処理部15は、料金収受のための種々の処理を実行し、この処理結果に基づいてETCアンテナ制御部14を制御する。さらに、ETC処理部15は、ナビゲーション装置の接続の有無を検出する。
【0016】
外部インタフェース部16は、ナビゲーション装置との間で行われる信号の送受を制御する。この外部インタフェース部16は、例えば、ETC処理部15から送られてくる料金決済用情報を、ナビゲーション装置に送る。
【0017】
次に、ナビゲーション装置の詳細を説明する。ナビゲーション装置は、接続インタフェース部21、入力部22、位置情報検出部23、地図情報取得部24、ナビゲーション処理部25および出力部26を備えている。
【0018】
接続インタフェース部21は、ETC車載機1との間で行われる信号の送受を制御する。この接続インタフェース部21は、例えば、ETC車載機1から送られてくる料金決済用情報を受け取り、ナビゲーション処理部25に送る。
【0019】
入力部22は、例えばリモートコントローラ(リモコン)、タッチパネルまたは操作キーなどの少なくとも1つから構成されており、各種情報をナビゲーション装置に入力するために使用される。例えば、この入力部22からは、ルート探索時の目的地または経由地などを表す情報が入力される。入力部22から入力された情報はナビゲーション処理部25に送られる。
【0020】
位置情報検出部23は、この発明の現在時刻検出部に対応する。この位置情報検出部23は、例えばGPS(Global Positioning System)衛星から送信されるGPS信号を受信するGPS受信機から構成されており、受信したGPS信号に基づき自己の現在位置および現在時刻を検出し、それぞれ現在位置情報および現在時刻情報としてナビゲーション処理部25に送る。
【0021】
地図情報取得部24は、図示しない地図情報記憶部に格納されている地図情報またはネットワーク上のサイトから通信により地図情報を取得する。この地図情報取得部24で取得された地図情報は、ナビゲーション処理部25に送られる。
【0022】
ナビゲーション処理部25は、例えばマイクロコンピュータから構成されており、ナビゲーション装置としての種々の機能を実現するための処理を実行する。例えば、ナビゲーション処理部25は、入力部22を用いて入力された経由地を通って目的地までのルートを、地図情報取得部24で取得された地図情報に基づき探索し、この探索したルート上の通過ポイント(例えば、有料道路のインターチェンジまたはランプに設けられた料金所など)への到着予想時刻を算出する。このナビゲーション処理部25における処理結果は、出力部26に送られる。
【0023】
出力部26は、例えば表示装置および音声出力装置から構成されており、ナビゲーション処理部25から処理結果として送られてくるメッセージを表示装置に表示するとともに、音声出力装置から音声で出力する。
【0024】
次に、上記のように構成されるナビゲーション装置の動作を説明する。まず、このナビゲーション装置に接続されるETC車載機1で行われる動作のうち、ETCカード2の有効期限を検出してナビゲーション装置へ送る有効期限検出処理を、図2に示すフローチャートを参照しながら説明する。なお、ETCカード2の有効期限は個人情報であり、通常は暗号化されているが、ナビゲーション装置との間で行われるデータの収受については、インタフェース仕様等により取り決められるものとする。
【0025】
有効期限検出処理では、まず、カード挿入検知処理が行われる(ステップST11)。すなわち、ETCカード制御部12は、ETCカード2がETCカードコネクタ11に挿入されたか否かを検知する。次いで、カード情報読み取り処理が行われる(ステップST12)。すなわち、ETCカード制御部12は、上記ステップST11において、ETCカード2がETCカードコネクタ11に挿入されたことを検知した場合に、ETCカード2に格納されている料金決済用情報を読み取ってETC処理部15に送る。
【0026】
次いで、カード有効期限検出処理が行われる(ステップST13)。すなわち、ETC処理部15は、ETCカード制御部12から送られてきた料金決済用情報を参照してETCカード2の有効期限を検出する。次いで、ナビゲーション装置が接続されているかどうかが調べられる(ステップST14)。すなわち、ETC処理部15は、ナビゲーション装置から外部インタフェース部16を介して所定のデータを取得できるかどうかを調べることにより、ナビゲーション装置が接続されているかどうかを調べる。
【0027】
このステップST14において、ナビゲーション装置が接続されていることが判断されると、ナビゲーション装置へカード有効期限が通知される(ステップST15)。すなわち、ETC処理部15は、ステップST13で検出したETCカード2の有効期限を、有効期限情報として外部インタフェース部16を介してナビゲーション装置に送る。その後、有効期限検出処理は終了する。一方ステップST14において、ナビゲーション装置が接続されていないことが判断されると、ナビゲーション装置に対するカード有効期限の通知は行われず、有効期限検出処理は終了する。
【0028】
次に、実施の形態1に係るナビゲーション装置で行われる動作のうち、カード有効期限切れをユーザに告知する有効期限切れ告知処理を、図3に示すフローチャートを参照しながら説明する。
【0029】
有効期限切れ告知処理では、まず、ETC接続があるかどうかが調べられる(ステップST21)。すなわち、ナビゲーション処理部25は、ETC車載機1から接続インタフェース部21を介して所定のデータを取得できるかどうかを調べることにより、ETC車載機1が接続されているかどうかを調べる。このステップST21において、ETC接続がないことが判断されると、有効期限切れ告知処理は終了する。
【0030】
一方、ステップST21において、ETC接続があることが判断されると、次いで、カード有効期限が取得される(ステップST22)。すなわち、ナビゲーション処理部25は、ETC車載機1から接続インタフェース部21を介して、ETCカード2の有効期限情報を取得する。次いで、現在時刻が取得される(ステップST23)。すなわち、ナビゲーション処理部25は、位置情報検出部23から現在時刻情報を取得する。
【0031】
次いで、カード有効期限切れであるかどうかが調べられる(ステップST24)。すなわち、ナビゲーション処理部25は、ステップST22で取得したETCカード2の有効期限情報によって示される有効期限と、ステップST23で取得した現在時刻情報によって示される現在時刻とを比較し、ETCカード2の有効期限が切れているかどうかを調べる。
【0032】
このステップST24において、カード有効期限切れであることが判断されると、ユーザ告知(期限切れの通知)が行われる(ステップST25)。すなわち、ナビゲーション処理部25は、期限切れを通知するメッセージを生成して出力部26に送る。これにより、出力部26は、期限切れを通知するメッセージを表示装置に表示するとともに、音声出力装置から音声で出力する。その後、有効期限切れ告知処理は終了する。
【0033】
上記ステップST24において、カード有効期限切れではないことが判断されると、次いで、所定期間内にカード有効期限切れになるかどうかが調べられる(ステップST26)。すなわち、ナビゲーション処理部25は、ステップST22で取得した有効期限情報によって示されるETCカード2の有効期限と、ステップST23で取得した現在時刻情報によって示される現在時刻とを比較し、ETCカード2の有効期限がまもなく切れるかどうかを調べる。このステップST26において、所定期間内にカード有効期限切れにならないことが判断されると、有効期限切れ告知処理は終了する。
【0034】
一方、ステップST26において、所定期間内にカード有効期限切れになることが判断されると、次いで、ユーザ告知(期限切れの予告)が行われる(ステップST27)。すなわち、ナビゲーション処理部25は、期限切れを予告するメッセージを生成して出力部26に送る。これにより、出力部26は、期限切れを予告するメッセージを表示装置に表示するとともに、音声出力装置から音声で出力する。その後、有効期限切れ告知処理は終了する。
【0035】
なお、ユーザへのカード有効期限切れを予告するタイミング、例えば何日前からカード有効期限切れを予告するかについては、ナビゲーション装置において設定可能に構成することができる。
【0036】
次に、実施の形態1に係るナビゲーション装置で行われる動作のうち、カード有効期限切れ時に他のETCカード2に入れ替えることを促す入れ替え催促処理を、図4に示すフローチャートを参照しながら説明する。
【0037】
入れ替え催促処理では、まず、ETC接続があるかどうかが調べられる(ステップST31)。このステップST31の処理は、上述したステップST21の処理と同じである。このステップST31において、ETC接続がないことが判断されると、入れ替え催促処理は終了する。一方、ステップST31において、ETC接続があることが判断されると、次いで、カード有効期限が取得される(ステップST32)。このステップST32の処理は、上述したステップST22の処理と同じである。
【0038】
次いで、現在時刻が取得される(ステップST33)。このステップST33の処理は、上述したステップST23の処理と同じである。次いで、カード有効期限切れであるかどうかが調べられる(ステップST34)。このステップST34の処理は、上述したステップST24の処理と同じである。このステップST34において、カード有効期限切れでないことが判断されると、入れ替え催促処理は終了する。
【0039】
一方、ステップST34において、カード有効期限切れであることが判断されると、ユーザ告知(カード入れ替え通知)が行われる(ステップST35)。すなわち、ナビゲーション処理部25は、ETCカード2の入れ替えを促すメッセージを生成して出力部26に送る。これにより、出力部26は、カード入れ替えを通知するメッセージを表示装置に表示するとともに、音声出力装置から音声で出力する。
【0040】
次いで、カード入れ替え検出処理が行われる(ステップST36)。すなわち、ナビゲーション処理部25は、ETC車載機1からから送られてくる料金決済用情報を参照してETCカード2が入れ替えられたかどうかを検出する。そして、ETCカード2が入れ替えられたことが検出された場合に、シーケンスはステップST32に戻り、その入れ替えられたETCカード2に対するカード有効期限取得処理が行われる。
【0041】
次に、実施の形態1に係るナビゲーション装置で行われる動作のうち、探索されたルート上の通過ポイントへの到着予想時刻とカード有効期限とに基づき適切なメッセージを出力するルート案内処理を、図5に示すフローチャートを参照しながら説明する。
【0042】
ルート案内処理では、まず、目的地および経由地が入力される(ステップST41)。すなわち、ユーザは入力部22を用いて目的地および経由地を入力する。入力部22は、入力された目的地および経由地をナビゲーション処理部25に送る。なお、経由地を入力するか否かは任意である。
【0043】
次いで、ルート探索が行われる(ステップST42)。すなわち、ナビゲーション処理部25は、図6に示すように、位置情報検出部23から取得した現在位置情報によって示される現在位置を出発地Sとし、ステップST41で入力された(経由地が入力された場合は、その経由地を経由して)目的地Gに至るルートを探索する。図6に示すR1〜R5は通過ポイントであり、例えば有料道路のインターチェンジまたはランプといった乗り降り可能な地点を示している。通常、ナビゲーション装置におけるルート探索は、「有料優先探索」または「一般優先探索」などといった道路の種別に応じて行われる。図6においては、白矢印は、有料優先探索が行われた場合のルートを示している。
【0044】
次いで、各通過ポイントへの到着予測時刻が算出される(ステップST43)。すなわち、ナビゲーション処理部25は、ステップST42で算出したルート上の通過ポイントへの到着予想時刻を算出する。次いで、カード有効期限が取得される(ステップST44)。すなわち、ナビゲーション処理部25は、ETC車載機1から接続インタフェース部21を介して、ETCカード2の有効期限情報を取得する。
【0045】
次いで、到着予想時刻と有効期限とが比較される(ステップST45)。すなわち、ナビゲーション処理部25は、1つの通過ポイントに対し、ステップST43で算出した到着予想時刻とステップST44で取得した有効期限情報によって示される有効期限とを比較する。次いで、有効期限切れであるかどうかが調べられる(ステップST46)。すなわち、ナビゲーション処理部25は、ステップST45における比較結果に基づき、当該通過ポイントにおいて、ETCカード2の有効期限が切れているかどうかを調べる。
【0046】
このステップST46において、有効期限切れであることが判断されるとユーザ告知が行われる(ステップST47)。すなわち、ナビゲーション処理部25は、当該通過ポイントにおいて有効期限内であるか否かをユーザに告知する。具体的には、通過ポイントへの到着予想時刻がETCカード2の有効期限内であるか否かを表すメッセージを生成して出力部26に送る。これにより、当該通過ポイントを通過する時にETCカード2は有効期限内であるか否かを通知するメッセージを表示装置に表示するとともに、音声出力装置から音声で出力する。一方、ステップST46において、有効期限切れでないことが判断されると、ステップST47の処理はスキップされる。
【0047】
次いで、全通過ポイントにおける比較が終了したかどうかが調べられる(ステップST48)。このステップST48において、全通過ポイントにおける比較が終了していないことが判断されると、シーケンスはステップST45に戻り、次の通過ポイントに対して到着予想時刻と有効期限とが比較され、以下、上述した処理が繰り返し実行される。この繰り返し実行の中で、ステップST48において、全通過ポイントにおける比較が終了したことが判断されると、ルート案内処理は終了する。
【0048】
図6(a)は、有料優先探索ルートに対して、各通過ポイントの通過予想時刻を算出した結果、有料道路の各通過ポイントの通過予想時刻がカード有効期限切れ以降であることが明らかな場合を示している。この場合、有料道路を通るルートではなく一般道路(黒矢印)を通るルートを再探索し、ルートを引き直すことができる。
【0049】
図6(b)は、有料優先探索ルートに対して、各通過ポイントにおける通過予測時刻を算出した結果、途中まで(R3とR4との間まで)は有効期限内に有料道路を通過することは可能であるが、それ以降は有効期限が切れる場合を示している。この場合、有効期限内に一般道路(黒矢印)へ降りるルートを再探索し、ルートを引き直すことができる。
【0050】
図6(c)は、有料優先探索ルートに対して、各通過ポイントにおける通過予測時刻を算出した結果、有効期限内に有料道路を通過することが可能と判断した状態を示している。この場合、有料道路を通るルートが探索される。
【0051】
なお、ナビゲーション処理部25は、ルート探索機能を用いて探索したルート上の通過ポイントへの到着予想時刻を算出し、この算出した通過ポイントへの到着予想時刻とETC車載機1から接続インタフェース部21を介して取得した有効期限情報によって示されるETCカード2の有効期限とを比較し、通過ポイントへの到着予想時刻にETCカード2の有効期限が切れる場合は、その旨を表すメッセージを生成するとともに、ETC車載機1を使用せずに有料道路を通行するか否かを問い合わせるように構成できる。図7は、この場合に、出力部26の表示装置に表示される画面例を示す図であり、ETCカード2の有効期限切れのため、例えば「ETCを使用せずに有料道路を通行しますか?」または「現金支払で有料道路を通行しますか?」などといったメッセージを表示し、現金支払などといった他の方法をユーザへ告知する画面例を示す。ユーザは、このメッセージに応答して、「YES」または「NO」ボタンを押すことにより、いずれかを選択することができる。
【0052】
また、ナビゲーション処理部25は、ルート探索機能を用いて探索したルート上の通過ポイントへの到着予想時刻を算出し、この算出した通過ポイントへの到着予想時刻とETC車載機1から接続インタフェース部21を介して取得した有効期限情報によって示されるETCカード2の有効期限とを比較し、通過ポイントへの到着予想時刻にETCカード2の有効期限が切れる場合は、その旨を表すメッセージを生成するとともに、ETC車載機1を使用せずかつ有料道路を通行せずに、一般道路を通行するか否かを問い合わせるように構成できる。図8は、この場合に、出力部26の表示装置に表示される画面例を示す図であり、ETCカード2の有効期限切れのため、例えば「一般道路を通るルートを探索しますか?」というメッセージを表示し、一般道路探索を促す画面例を示す。ユーザは、このメッセージに応答して、「YES」または「NO」ボタンを押すことにより、いずれかを選択することができる。
【符号の説明】
【0053】
1 ETC車載機、2 ETCカード、3 ETC路上機、11 ETCカードコネクタ、12 ETCカード制御部、13 ETCアンテナ、14 ETCアンテナ制御部、15 ETC処理部、16 外部インタフェース部、21 接続インタフェース部、22 入力部、23 位置情報検出部、24 地図情報取得部、25 ナビゲーション処理部、26 出力部。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ETC車載機に挿入されたETCカードの有効期限を該ETC車載機から取得するための接続インタフェース部と、
現在時刻を検出する現在時刻検出部と、
前記現在時刻検出部で検出された現在時刻と前記ETC車載機から前記接続インタフェース部を介して取得したETCカードの有効期限とを比較し、ETCカードの有効期限が切れている場合は期限切れを通知するメッセージを生成し、所定期間内に切れる場合は期限切れを予告するメッセージを生成するナビゲーション処理部と、
前記ナビゲーション処理部で生成されたメッセージを出力する出力部
とを備えたナビゲーション装置。
【請求項2】
ナビゲーション処理部は、現在時刻検出部で検出された現在時刻とETC車載機から接続インタフェース部を介して取得したETCカードの有効期限とを比較し、ETCカードの有効期限が切れている場合、または、所定期間内に切れる場合は、他のETCカードへの入れ替えを促すメッセージを生成する
ことを特徴とする請求項1記載のナビゲーション装置。
【請求項3】
ナビゲーション処理部は、ルート探索機能を用いて探索したルート上の通過ポイントへの到着予想時刻を算出し、該算出した通過ポイントへの到着予想時刻とETC車載機から接続インタフェース部を介して取得したETCカードの有効期限とを比較し、通過ポイントへの到着予想時刻がETCカードの有効期限内であるか否かを表すメッセージを生成する
ことを特徴とする請求項1記載のナビゲーション装置。
【請求項4】
ナビゲーション処理部は、ルート探索機能を用いて探索したルート上の通過ポイントへの到着予想時刻を算出し、該算出した通過ポイントへの到着予想時刻とETC車載機から接続インタフェース部を介して取得したETCカードの有効期限とを比較し、通過ポイントへの到着予想時刻にETCカードの有効期限が切れる場合は、ルート探索機能を用いて一般道路を通るルートを探索し、有効期限内である場合は、有料道路を通るルートを探索する
ことを特徴とする請求項1記載のナビゲーション装置。
【請求項5】
ナビゲーション処理部は、ルート探索機能を用いて探索したルート上の通過ポイントへの到着予想時刻を算出し、該算出した通過ポイントへの到着予想時刻とETC車載機から接続インタフェース部を介して取得したETCカードの有効期限とを比較し、通過ポイントへの到着予想時刻にETCカードの有効期限が切れる場合は、その旨を表すメッセージを生成するとともに、ETC車載機を使用せずに有料道路を通行するか否かを問い合わせる
ことを特徴とする請求項1記載のナビゲーション装置。
【請求項6】
ナビゲーション処理部は、ルート探索機能を用いて探索したルート上の通過ポイントへの到着予想時刻を算出し、該算出した通過ポイントへの到着予想時刻とETC車載機から接続インタフェース部を介して取得したETCカードの有効期限とを比較し、通過ポイントへの到着予想時刻にETCカードの有効期限が切れる場合は、その旨を表すメッセージを生成するとともに、ETC車載機を使用せずかつ有料道路を通行せずに、一般道路を通行するか否かを問い合わせる
ことを特徴とする請求項1記載のナビゲーション装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2010−244467(P2010−244467A)
【公開日】平成22年10月28日(2010.10.28)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−95006(P2009−95006)
【出願日】平成21年4月9日(2009.4.9)
【出願人】(000006013)三菱電機株式会社 (33,312)
【Fターム(参考)】