説明

ナルトレキソンからの塩酸ナルメフェンの調製

大規模の工業用途に特によく適しており、高収率を得るためおよび高純度のナルメフェン塩酸塩をもたらすために効率的であることが判明した、ナルトレキソンから塩酸ナルメフェンを生成する方法。
【化3】


【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ウィッティヒ反応により、ナルトレキソン[17−(シクロプロピルメチル)−4,5−α−エポキシ−3,14−ジヒドロキシ−モルフィナン−6−オン]から塩酸ナルメフェン[17−(シクロプロピルメチル)−4,5−α−エポキシ−6−メチレンモルフィナン−3,14−ジオール塩酸塩]を生成する、改善された方法に関する。本出願に開示された方法は、大規模の工業用途に特によく適しており、高収率を得るためおよび高純度のナルメフェン塩酸塩をもたらすために効率的であることが判明した。
【背景技術】
【0002】
ナルメフェンは、投与されたオピオイド作動薬およびオピオイド系に由来する内因性作動薬の両方の薬理作用を阻害できる、既知のオピオイド受容体拮抗薬である。拮抗薬としてのナルメフェンの臨床有用性は、しばしば観察される中枢神経系および呼吸器系の抑制を含むこれらのオピオイド作動薬の作用を、迅速に(および選択的に)低減するその能力から生じる。
【0003】
ナルメフェンは、本来、アルコール依存症の管理で使用するための塩酸塩として開発され、患者がアルコールへの渇望を覚える場合、10から40mgの摂取用量で十分な効果が認められた(Karhuvaaraら、Alcohol. Clin. Exp. Res.、(2007年)、第31巻、第7号、1179〜1187ページ)。加えて、ナルメフェンは、また、病的賭博および買い物依存症などの他の依存症の治療に対しても研究されてきた。これらの開発計画において当該薬物を試験する中で、ナルメフェンは、例えば親溶液(parental solution)の形態(Revex(商標))で使用されている。
【0004】
ナルメフェンは、アヘン拮抗薬のナルトレキソンとかなり構造が似ているアヘン誘導体である。ナルトレキソンと比較したナルメフェンの利点としては、半減期がより長いこと、経口バイオアベイラビリティがより高いこと、および用量依存性の肝毒性が見られないことが挙げられる。
【0005】
ナルメフェンは、ナルトレキソンの6位のケトン基がメチレン(CH)基に置換されている点でナルトレキソンとは構造的に異なり、μ−オピオイド受容体に対する結合親和性が著しく増大している。ナルメフェンは、また、他のオピオイド受容体(κおよびδ受容体)に対する親和性も高く、3種の受容体タイプの全てをブロックする能力のため、「万能拮抗薬」として知られている。
【0006】
ナルメフェンは、ウィッティヒ反応によりナルトレキソンから生成できる。ウィッティヒ反応は、合成によるオレフィン調整のための当技術分野の範囲でよく知られた方法であり(Georg Wittig、Ulrich Schollkopf(1954年)、「Uber Triphenyl-phosphin-methylene als olefinbildende Reagenzien I」、Chemische Berichte 87:1318)、有機合成で広く用いられている。
【0007】
ウィッティヒ反応における手順は、2つのステップに分けることができる。第1のステップでは、適当なホスホニウム塩を塩基で処理することで、リンイリドが調製される。第2のステップでは、イリドをカルボニル基を含有する基質と反応させ、所望のアルケンが得られる。
【0008】
ウィッティヒ反応によるナルメフェンの調製は、以前に、HahnおよびFishman(J. Med. Chem. 1975年、18、259〜262ページ)により開示されている。彼らの方法では、ナルトレキソンを、DMSO中で臭化メチルトリフェニルホスホニウムを水素化ナトリウム(NaH)と処理して調製されるメチレントリフェニルホスホランのイリドと反応させる。この手順によるナルメフェンの調製では、約60当量の過剰のイリドが採用される。
【0009】
工業用途目的に関しては、HahnおよびFishmanにより開示された方法には大過剰のイリドを使用する欠点があり、その結果、純粋な形態のナルメフェンを得ることができるまでに、非常に大量のリンの副生成物を除去しなければならない。さらに、イリドを調製するために使用するNaHは可燃性が高く、工業規模では取り扱いが難しい。DMSO中でのNaHの使用は、望ましくない暴走反応を生じさせることもまた当業者によりよく知られている。HahnおよびFishmanにより記載されたウィッティヒ反応の手順は、ナルメフェンを遊離塩基形態で与える。遊離塩基は、最終的にクロマトグラフィーにより単離されるが、工業用途では理想的ではあり得ない。
【0010】
US4,535,157もまた、ウィッティヒ反応の使用によるナルメフェンの調製を記載している。その中に開示されている方法では、溶媒としてテトラヒドロフラン(THF)を使用し、塩基としてカリウムtert−ブトキシド(KO−t−Bu)を使用して、メチレントリフェニルホスホランのイリドの調製が行われる。約3当量のイリドが記載されている手順で採用される。
【0011】
US4,535,157に開示されている手順は、NaHと大量のイリドの使用を回避しているが、当該方法にはまだ、工業規模での適用性を制限するいくつかの欠点がある。特に、ウィッティヒ反応において溶媒としてTHFを使用することは、THFの水との混和性の理由で不利である。水と混和性ではない溶媒を用いて再抽出を複数回行わないかぎり、水性液による後処理中に、最終生成物(ナルメフェン)の多くが水相中で失われる可能性がある。
【0012】
さらに、US4,535,157に記載されている方法では、ウィッティヒ反応の副生成物の酸化ホスフィンを除去するために、複数回の精製ステップが行われる。これらの精製ステップには大量の溶媒が必要であり、工業規模で反応を運転する場合、共に不経済であり必要な労力が多大である。HahnおよびFishmanにより記載されたウィッティヒ反応の手順(上記参照)の場合と同様に、US4,535,157に開示されているウィッティヒ反応の手順でも、ナルメフェンが遊離塩基としてまた生じ、その結果、単離されたナルメフェン塩基から最終的な医薬用塩の形態、すなわち塩酸塩を調製するために、さらなるステップが必要である。
【0013】
US4,751,307もまた、ウィッティヒ反応を用いたナルメフェンの調製を記載している。アニソール(メトキシベンゼン)を溶媒として使用し、KO−t−Buを塩基として使用して合成が実施される方法が開示されている。この反応では、約4当量のメチレントリフェニルホスホランのイリドが採用された。生成物は、酸性pHにおける水中での抽出により単離され、次に塩基性pHにおいて析出し、ナルメフェンが塩基として得られる。
【0014】
遊離塩基としてのナルメフェンの単離手順は簡略化されるにもかかわらず、そこにはいくつかの不利がまだある。本発明の発明者らは、US4,751,307に開示されている方法を繰り返し、副生成物の酸化ホスフィンの除去が十分ではないことを見出した。これらの不純物は塩基性化中にナルメフェンと共沈し、本明細書の実施例2で例示したように、まだリンの副生成物で汚染されその結果化学的純度が低い生成物を生じる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0015】
したがって、ウィッティヒ反応によりナルメフェンを生成する方法を改善する、当分野内での必要性がある。特に、ウィッティヒ反応におけるTHFなどの水と混和する溶媒の使用を回避し、最終的な医薬用塩の形態への変換に適する純粋な形態でナルメフェンを簡単に単離できる、大工業規模に容易く適用できる方法に対する必要性がある。
【課題を解決するための手段】
【0016】
本発明の発明者らは、工業規模に適用でき、純度の高いナルメフェンを塩酸塩としてもたらす、改善されたナルメフェンの調製方法を開発することにより、この目標に応えた。
【0017】
本発明は、リンイリドの形成およびイリドとナルトレキソンとの間の後続反応の両方で2−メチルテトラヒドロフラン(MTHF)が使用されるウィッティヒ反応において、ナルトレキソンからナルメフェンを調製する方法に関する。
【0018】
さらなる態様では、本発明はまた、本明細書に記載された方法で得られる塩酸ナルメフェンを含む医薬組成物にも関する。
【発明を実施するための形態】
【0019】
本発明は、ナルトレキソン[17−(シクロプロピルメチル)−4,5−α−エポキシ−3,14−ジヒドロキシ−モルフィナン−6−オン]から17−(シクロプロピルメチル)−4,5−α−エポキシ−6−メチレンモルフィナン−3,14−ジオール塩酸塩(塩酸ナルメフェン)を生成するための、改善された方法に関する。
【0020】
本発明の発明者らは、2−メチルテトラヒドロフラン(MTHF)を溶媒として使用すると、ナルメフェンを調製するための高効率のウィッティヒプロセスへとつながることを見出した。実のところ、ウィッティヒ反応におけるMTHFの使用は、効率的な反応につながるだけではなく、MTHFの固有特性によって、形成された生成物の単離がより簡単になる。プロセス全体、ならびに所望される医薬用塩の形態および純度での最終生成物の後続の単離は、後続の別のステップにおいて塩基を単離し、塩酸塩の調製を行うことなく、一段階の手順で行うことができる。
【0021】
MTHFは、十分な溶媒和性と溶解特性を有する極性で非プロトン性の環状エーテル溶媒であるが、例えばTHFとは異なり、MTHFは水と部分的にだけ混和できる。したがって、MTHFは、最終生成物を単離するための反応後の相分離を起こすために、トルエンなどの他の溶媒の添加を必要としないので、THFのような溶媒よりも優れている。それ故、ウィッティヒ反応の水性液による後処理中のMTHF使用によって、水相中での生成物の損失が非常に限定されるまたはごくわずかなので、水相の再抽出が不必要なものとなる。
【0022】
本発明による方法では、メチルトリフェニルホスホニウム塩を2−メチルテトラヒドロフラン(MTHF)および適当な塩基と混合して、メチレントリフェニルホスホランのイリドを得ることにより、ウィッティヒ反応を行い得る。
【0023】
【化1】

【0024】
あらかじめ形成されたイリドを、引き続きナルトレキソンと「その場で」反応させると、ナルメフェンおよび酸化トリフェニルホスフィン(TPPO)が得られる。
【0025】
【化2】

【0026】
したがって、本発明の1つの実施形態は、ウィッティヒ反応の基本原理を用いてナルメフェンを調製する方法に関し、当該方法には、
a)メチルトリフェニルホスホニウム塩などの適当なホスホニウム塩をMTHFおよび適当な塩基と混合することにより、メチレントリフェニルホスホランのようなメチレンリンイリドなどのリンイリドを調製するステップ、および
b)ナルメフェンを得るために、ナルトレキソンおよびMTHFを含む混合物を、ステップa)で得られた混合物に添加するステップ
が含まれる。
【0027】
ステップa)およびb)は同一の容器内で同時に行ってもよく、またはステップa)およびb)は連続して行ってもよいことが想定される。
【0028】
好ましい実施形態では、ステップa)で使用されるホスホニウム塩は、塩化物、臭化物またはヨウ化物などのハロゲン化メチルトリフェニルホスホニウムであり、より好ましくは臭化メチルトリフェニルホスホニウム(MTPPB)である。
【0029】
ホスホニウム塩、好ましくはMTPPBは、通常ステップb)で添加されるナルトレキソンに対して過剰にあるMTHF中に懸濁される。メチルトリフェニルホスホニウム塩のナルトレキソンに対する典型的なモル比の範囲は、約1:1から約4:1であり、より好ましくは約3:1である。
【0030】
ステップa)で使用される、MTHFのメチルトリフェニルホスホニウム塩、好ましくはMTPPBに対する量(v/w)は、約1:1から約4:1であり、好ましくは約2:1である。
【0031】
メチルトリフェニルホスホニウム塩は、ステップb)の試薬としてイリドを得るために、塩基、好ましくはKO−t−Buを用いて処理される。好ましい実施形態では、塩基は、メチルトリフェニルホスホニウム塩に対して等モル量で使用される。
【0032】
ステップa)で使用される塩基のナルトレキソンに対するモル比は、約1:1から約4:1であり、好ましくは約3:1である。
【0033】
ステップa)で得られた生成混合物は、適切には少なくとも1時間、より好ましくは約2時間撹拌する。
【0034】
ステップb)では、ナルトレキソンをMTHF中の無水固形物または無水溶液として、a)で得られたイリドを含む混合物に添加する。
【0035】
好ましい実施形態では、MTHF中のナルトレキソンの無水溶液が、あらかじめ形成されたイリドに添加される。MTHFのナルトレキソンに対する量(v/w)は、例えば約3:1から約5:1までの範囲または約4:1などの、約2:1から約6:1の範囲にあり得る。
【0036】
ステップb)で得られたナルトレキソンを含む混合物を、次にナルトレキソンのナルメフェンへの変換を完了するために、例えば、約2時間から16時間、約2時間から10時間または約2時間から5時間などの、少なくとも1時間適切に撹拌する。典型的には、これは、5時間以内で実質的に完了する。
【0037】
反応全体[すなわち、ステップa)およびステップb)]は、例えば、20℃から25℃の間の温度などの、約5℃から約50℃の範囲の温度で実施され得る。
【0038】
純粋なナルメフェンを得るために、ウィッティヒ反応中および後処理中に形成された(TPPOなどの)副生成物の酸化ホスフィンからナルメフェンを分離する必要がある。本発明の方法は、それ故、
1)副生成物の酸化ホスフィン(TPPOおよび関連する化合物)を効率的および選択的に除去すること、および
2)生成物を直接反応混合物から単離することを可能にし、単独のステップでこれを所望される医薬用塩の形態(すなわち、ナルメフェンHCl)へ変換すること
に特に適応していたという点でも、また有利である。
【0039】
したがって、最終生成物(ナルメフェンHCl)の損失をもたらす、(先行技術の方法ではよく当てはまる)別個の塩形成ステップを、行う必要はない。
【0040】
その上、ナルメフェンの遊離塩基ではなく塩酸塩としての単離は、塩酸塩が所望される医薬用塩の形態にあるので、操作上の観点からも好都合である。本発明の方法による塩の形成では、化学的純度が高度に改善されていることもまた分かった。実際、不純物は、母液中に選択的に溶解されたままであり、それ故、生成物の高純度の形態での単離が可能になる。
【0041】
本発明の方法では、ウィッティヒ反応および塩形成のステップが組み合わされるので、ナルトレキソンからのナルメフェンHClの収率は、卓越している。
【0042】
本発明は、したがって、
c)(i)塩化アンモニウム(NHCl)を含む水溶液を、ステップb)で得られた混合物と混合する、または
(ii)酸もしくは酸を含有する溶液を、ステップb)で得られた混合物と混合する、または
(iii)ケトンをステップb)で得られた混合物と混合する、または
(iv)上記のステップ(i)、(ii)および(iii)の組合せを実行し、次に
(v)任意選択で水で希釈するというステップ、
d)ステップc)で得られた有機相を分離するステップ、
e)任意選択で、d)で得られた混合物を水で洗浄し、有機相を分離するステップ、
f)ステップd)またはe)で得られた有機相を真空下で濃縮し、揮発分を除去するステップ、
g)ステップf)で得られた残渣を、1つまたは複数の適当な有機溶媒で希釈するステップ、
h)塩化水素(HCl)をステップg)で得られた混合物に添加するステップ、
i)生成した固形物を単離するステップ、
j)任意選択で、ステップi)で得られた固形物を、1つまたは複数の適当な溶媒で再スラリー化し、固形物を単離するステップ、および
k)任意選択で、最終固形物を乾燥させるステップ
が含まれる、上記のステップb)で得られたナルメフェンを単離する方法にも、また関する。
【0043】
ステップc)の1つの実施形態では、ステップb)で得られた反応混合物は、温度を30℃未満に維持しながら、塩化アンモニウム(NHCl)溶液で適切にクエンチされる。通常、塩化アンモニウムは、ステップa)で使用される塩基に対して等モル量で使用される。
【0044】
ステップc)の1つのさらなる実施形態では、ステップb)で得られた反応混合物は、酸で処理される。前記酸は、好ましくは、氷酢酸または氷酢酸のMTHF中溶液である。1つの実施形態では、前記酸は、氷酢酸である。別の実施形態では、前記酸は、MTHF中の氷酢酸である。
【0045】
ステップc)の別の実施形態では、ステップb)で得られた反応混合物は、ケトンで処理される。前記ケトンは、好ましくはアセトンである。
【0046】
さらなる実施形態では、ステップb)で得られた反応混合物は、ステップc)(i)、c)(ii)およびc)(iii)の組合せを実行して処理される。
【0047】
混合物は、任意選択でさらに水で希釈し、塩(ステップc)(v))を完全に溶解してもよい。結果として得られる混合物は、この時、分離され得る有機相および水相の2つの相を含有している(ステップd)。単離された有機相は、次に、任意選択で再度水で洗浄して分離してもよい(ステップe)。
【0048】
分離された有機相(ステップdまたはe)はナルメフェンを含有し、真空下で濃縮され、残渣を残し得る(ステップf)。
【0049】
ステップf)で得られた最終残渣は、適当な有機溶媒に溶解され得る(ステップg)。適当な溶媒は、酸化トリフェニルホスフィンおよび関連する酸化ホスフィンを溶液中に保持することができ、ナルメフェンの塩酸塩の調製、ならびにこの析出を可能にするものである。適当な溶媒としては、ハロゲン化炭化水素、アルコール、エーテル、ケトン、エステルおよび芳香族炭化水素が挙げられる。好ましい溶媒は、アセトン、酢酸エチル、MTHF、2−プロパノール、トルエンもしくはジクロロメタン、またはこれらの組合せである。好ましくは、ジクロロメタンが使用される。
【0050】
有機溶液は、次に塩化水素(HCl)で処理され、ナルメフェンを塩酸塩として析出させる(ステップh)。酸を、気体または塩酸の濃厚水溶液として添加することができる。塩酸を使用する場合、HClの濃度は、通常、水中で約30%から約37%であり、より好ましくは水中で約37%である。
【0051】
塩酸塩の形成は、激しく撹拌された状態で、約0℃から約40℃の範囲の温度、好ましくは20〜30℃の温度で行われる。
【0052】
生成物は、酸の添加中に晶出する。酸化ホスフィンが結晶性生成物中に取り込まれると考えられるので、例えば、約1時間から約5時間の間または約1時間から約3時間の間などの、少なくとも1時間の間撹拌下で懸濁液を維持するのが好都合である。
【0053】
次に生成した固形物は、例えば、ろ別、ならびにハロゲン化炭化水素、アルコール、エーテル、ケトン、エステルまたは芳香族炭化水素などの適当な溶媒で生成物を洗浄することにより、単離され得る(ステップi)。好ましい溶媒は、アセトン、酢酸エチル、MTHF、2−プロパノール、トルエンもしくはジクロロメタン、またはこれらの組合せである。好ましくは、ジクロロメタンが使用される。
【0054】
必要な場合、副生成物の酸化ホスフィンをさらに除去するために、生成物を上記に列記した溶媒から選択される適当な溶媒中で再スラリー化し、次に塩酸ナルメフェンをろ別し、上記で言及したような適当な溶媒で洗浄してもよい(ステップj)。この最後のステップに好ましい溶媒は、ジクロロメタンである。生成物は、例えば真空下で最終的に乾燥させてもよい。
【0055】
本発明の方法により得られたナルメフェンHClは、二水和物などの医薬製剤により適する形態に変換することができる。上記したウィッティヒプロセスにより調製されるナルメフェンHClは、本明細書の実施例5に記載したように、水溶液からの再結晶化により、ナルメフェンHCl二水和物に変換され得る。
【0056】
したがって、本発明のさらなる態様は、ナルメフェンHCl二水和物を得るための方法に関し、この方法には、
(1)上記したステップi、jまたはkで得られた塩酸ナルメフェンと水を混合するステップ、
(2)混合物を加熱して、実質的に均一な溶液を得るステップ、
(3)任意選択で、ステップ(2)で得られた溶液から揮発分を除去するステップ、
(4)ステップ(2)または(3)で得られた溶液を冷却し、次に溶液にナルメフェンHClの種結晶を入れるステップ、および
(5)生成した固形物を単離するステップ
が含まれ得る。
【0057】
本発明において、用語「実質的に均一な溶液」は、目に見える不溶物質がない液体混合物を意味することを意図している。
【0058】
ステップ1)で使用される水などの水溶液の量は、例えば、塩酸ナルメフェン1グラム当たり約1mlから約2mlの水分、または塩酸ナルメフェン1グラム当たり約1.5mlの水分などの、塩酸ナルメフェン1グラム当たり約0.9mlから約4mlの水分の範囲を取り得る。
【0059】
懸濁液は、実質的に均一な溶液が得られるまで加熱し得る。ステップ2)における加熱は、例えば、約50℃から約90℃または約70℃から約85℃などの、約50℃から約100℃の温度が得られるように実施し得る。
【0060】
有機揮発分の極微量が存在する場合、次にステップ3)において部分真空を適用して、これを除去することができる。
【0061】
ステップ2)またはステップ3)のいずれかより得られた溶液は、ステップ4)に進む前に、異物を除去するために任意選択で(例えば、0.65μmのカートリッジを通して)ろ過してもよい。
【0062】
ステップ4)では、溶液は、例えば、40℃から約50℃の間などの、40℃から60℃の間の温度に冷却し、ナルメフェンHClの種結晶が入れられ得る。好ましくは、ナルメフェンHCl二水和物が、晶結剤として使用される。
【0063】
本発明では、用語「種結晶を入れる(種付け)」は、生成物の析出を起こすための、少量の結晶性固体の添加を意味することを意図している。
【0064】
ステップ4)で添加される種晶の量は、例えば、ナルメフェンHClの種晶/ステップ1)で添加されたナルメフェンHClが、約1/1000(w/w)からの種晶または1/200からの種晶であるなど、ナルメフェンHClの種晶/ステップ1)で添加されたナルメフェンHClが、約1/2000(w/w)からでもよい。
【0065】
急速な冷却および激しい撹拌は、すでに形成された結晶のさらなる成長を阻止し、明瞭で狭いサイズ範囲にあり、比較的小さい粒子サイズの生成物を得るのに役立つ。種結晶を入れるときの温度から単離するときの温度への冷却は、数時間かけて、好ましくは1時間以内に行い得る。したがって、ステップ4)で得られる種結晶入り混合物は、形成された固形物をステップ5)に従って単離する前に、
(4’)混合物を、約45分以上の時間をかけて、約0〜5℃の温度にさらに冷却するステップ、および
(4”)生成した混合物を、約45分以上の間、約0〜5℃の温度に維持するステップ
を含む急冷手順を、適切に受け得る。
【0066】
ステップ5)で形成された固形物は、生成物の水中における溶解度を最小にし、収率を上げるために、約0〜20℃の範囲内、より好ましくは0〜5℃の範囲の温度で単離され得る。固形物は、ろ過により単離され、適当な溶媒で洗浄され得る。洗浄するための適当な溶媒としては、水、水と有機溶媒の混合物および純粋な有機溶媒が挙げられる。好ましくは水が使用され、さらなる実施形態では、あらかじめ冷却された水が好ましい。有機溶媒が使用される場合、クラス2または3の溶媒が好ましく、より具体的にはアセトンが好ましい。
【0067】
生成物は、40℃未満の温度、より好ましくは25〜35℃の温度範囲において、真空下で適切に乾燥され得る。
【0068】
得られた生成物は、典型的には、例えば、少なくとも99%の化学的純度または少なくとも99.5%の化学的純度などの、少なくとも98%の化学的純度となろう。この文脈での用語、化学的純度とは、当技術分野内の通常の意味であり、化学的純度は、例えばHPLCによって決定され得る。
【0069】
本発明は、また、本方法によって得られる塩酸ナルメフェンを含む医薬組成物にも関する。医薬組成物には、さらに、少なくとも1つの薬学的に許容され得る添加剤、担体および/または希釈剤を含めることができ、経口投与のための錠剤などの固形の剤形にすることができる。
【0070】
固形の医薬製剤の調製方法は、当技術分野でよく知られている。例えば、Remington:The Science and Practice of Pharmacy、第21版、Lippincott Williams & Wilkins(2005年)を参照されたし。錠剤などの固形製剤は、活性成分を補助剤および/または希釈剤などの通常の担体と混合することで調製でき、続いて打錠機で混合物を圧縮する。補助剤および/または希釈剤の非制限的な例としては、コーンスターチ、ラクトース、滑石、ステアリン酸マグネシウム、ゼラチン、ラクトース、ゴムおよびこれらに類するものが挙げられる。着色剤、香料および保存剤などの他の任意の適切な補助剤または添加剤も、これらが活性成分と適合するならば、また使用してよい。したがって、本発明の医薬組成物は、典型的には、ナルメフェンHClの有効量、および1つまたは複数の薬学的に許容され得る担体を含む。
【0071】
本発明に従って得られるナルメフェンHCLは、例えば、経口または非経口的に任意の適切な方法で投与することができ、そのような投与のために、例えば、錠剤、カプセル剤、粉剤、シロップ剤もしくは液剤、または注射用分散液の形態などの任意の適切な形態で与えることができる。1つの実施形態では、医薬組成物は、ナルメフェンを治療有効量で含むことになろう。用語「治療有効量」は、有効反応(すなわち、研究者、獣医、医師または他の臨床医によって求められる、組織、系、動物もしくはヒトの生物学的または医学的反応)を生じさせるのに十分な、患者に投与される際の化合物または医薬組成物の量/用量を示す。「治療有効量」は、とりわけ治療される患者の疾患および疾患の重症度、ならびに年齢、体重、健康状態および反応に応じて変動しよう。さらに「治療有効量」は、本発明の化合物が1つまたは複数の化合物と組み合わされる場合、変動し得る。そのような場合、所与の化合物の量は、無効量などのより低い量になると思われる。
【0072】
好ましくは、単位剤形の医薬組成物におけるナルメフェンHClの量は、約10mgから約60mgなどの約10mgから約100mgの量であり、例えば、約10mgから約40mgまたは約20mgである。
【0073】
特に、本発明の医薬組成物は、アルコール依存症の治療に使用される可能性が想定される。別の実施形態では、本方法で得られるナルメフェンHClを含む組成物は、アルコール依存症の治療向けの医薬品の製造に使用することができる。
【0074】
別の実施形態では、本発明は、本方法で得られるナルメフェンHClまたはこの医薬組成物の治療有効量を、これを必要とする患者に投与することを含む、アルコール依存症を治療する方法に関する。
【0075】
用語「アルコール依存症」は、当業者に一般に知られている用語である。精神障害の診断および統計マニュアル(DSM−IVTR)の改訂第4版(Diagnostic and Statistical Manual of Mental Disorders、テキスト改訂第4版、American Psychiatric Publishing、2000年)では、用語「アルコール依存症」は、12カ月の同期間中に、アルコールに関連する7つの領域の生活障害の中で3つ以上が存在するものとして定義される。これらの障害としては、耐性、アルコールが中断または摂取量が減少した場合の離脱症候群のエビデンス、多くの時間をアルコールの消費に費やすことを伴う生活機能の潜在的障害、および身体的または精神的問題のエビデンスにもかかわらずアルコールの消費に戻ることなどが挙げられる。
【実施例1】
【0076】
臭化メチルトリフェニルホスホニウム(MTPPB、25.8Kg)を、2−メチルテトラヒドロフラン(MTHF、56リットル)に懸濁した。20〜25℃の範囲に温度を保ちながら、KO−t−Bu(8.8kg)を、不活性雰囲気下で1時間で少しずつ分けて投入した。懸濁液は黄色になり、さらに2時間撹拌した。ナルトレキソン(8.0Kg)のMTHF(32リットル)中の無水溶液を、次に20〜25℃で1時間かけて添加した。懸濁液を、撹拌下で数時間維持し、反応を完了させた。混合物を、次に塩化アンモニウム(4.2Kg)の水(30.4リットル)溶液で処理し、次にさらに水(30.4リットル)で希釈した。相を分離し、下層の水相を廃棄し、有機相を水(16リットル)で2回洗浄した。有機相を真空下で残渣まで濃縮し、次にジクロロメタン(40リットル)で希釈すると、澄明な液が得られた。濃塩酸水溶液(37%HCl,2リットル)を20〜25℃で1時間かけて添加した。懸濁液を同じ温度で少なくとも3時間撹拌し、次にろ過しジクロロメタン(8リットル)で洗浄し、次にアセトン(16リットル)で洗浄した。固形物を、次に20〜25℃で数時間ジクロロメタン(32リットル)に再懸濁させ、次にろ過し、ジクロロメタン(16リットル)で洗浄すると、9.20Kgの塩酸ナルメフェンが生じ、これは、7.76kgの塩酸ナルメフェン(HPLCによる純度99.7%)に相当した。モル収率89%
【0077】
HPLCのクロマトグラフ条件
カラム: Zorbax Eclipse XDB C−18、5μm、
150×4.6mmまたは同等なもの
移動相A: アセトニトリル/pH=2.3の緩衝液、10/90
移動相B: アセトニトリル/pH=2.3の緩衝液、45/55
緩衝液: オクタンスルホン酸ナトリウム1.1gを、水1Lに溶解する。
希HPOでpHを2.3に調整する。
カラム温度: 35℃
検出: 230nmにおけるUV
流量: 1.2ml/分
注入量: 10μl
分析時間: 55分
【0078】
【表1】

【実施例2】
【0079】
US4,751,307に記載されている手順を繰り返し、ナルトレキソン10gから出発して、ナルメフェン8.5gを得た。単離した生成物は、HNMRで判定したとき、15モル%を上回る副生成物の酸化ホスフィンの存在を示した。
【実施例3】
【0080】
臭化メチルトリフェニルホスホニウム(MTPPB、112.9g)を、2−メチルテトラヒドロフラン(MTHF、245ml)に懸濁した。温度を20〜25℃の範囲に保ち、KO−t−Bu(38.7g)を、不活性雰囲気下で1時間で少しずつ分けて投入した。懸濁液を、2時間撹拌した。ナルトレキソン(35g)のMTHF(144ml)中の無水溶液を、次に20〜25℃で1時間かけて添加した。懸濁液を撹拌下で終夜維持した。混合物を、次に氷酢酸(17.7g)のMTHF中溶液で処理した。水を、次に添加し、pHを9〜10に調整した。相を分離し、下層の水相を廃棄し、有機相を水で2回洗浄した。有機相を真空下で残渣まで濃縮し、次にジクロロメタン(175ml)で希釈すると、澄明な液が得られた。濃塩酸水溶液(37%HCl,10.1g)を20〜25℃で1時間かけて添加した。懸濁液を撹拌し、次にろ過し、ジクロロメタンおよびアセトンで洗浄した。生成物を乾燥させると、38.1gのナルメフェンHClが生じた。
【実施例4】
【0081】
実施例3を繰り返したが、オレフィン化が完結した後のウィッティヒ反応混合物は、アセトンで処理し、次に塩化アンモニウムの水溶液で処理した。相分離後に、ジクロロメタンを使用して洗浄、蒸留および希釈を行い、37%HClを使用して生成物を塩酸塩として析出した。固形物をろ過し、乾燥させると、37.6gのナルメフェンHClが生じた。
【実施例5】
【0082】
ナルメフェンHClからのナルメフェンHCl二水和物の調製
ナルメフェンHCl(7.67Kg、純度99.37%、検定成績93.9%)および水(8.6リットル)を適当な反応器に投入した。基質が完全に溶解するまで、懸濁液を最大80℃まで加熱した。真空を次に適用し、有機溶媒を除去した。生成した溶液を、0.65μmのカートリッジに通してろ過し、次に、反応器および配管系をすすぐために使用した後の水(2.1リットル)で希釈した。溶液を50℃まで冷却し、ナルメフェンHCl二水和物の晶結剤を7g添加した。混合物を、激しく撹拌し1時間かけて0〜5℃に冷却し、次にさらに1時間撹拌下に維持した。固形物をろ別し、アセトンで洗浄した。湿った生成物を、真空下で25℃で乾燥させると、5.4KgのナルメフェンHCl二水和物が得られた(純度99.89%、KF8.3%、収率69%)。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
2−メチルテトラヒドロフラン(MTHF)が、リンイリドの形成および前記イリドとナルトレキソンの間の後続反応の両方において使用されるウィッティヒ反応において、ナルトレキソンからナルメフェンを調製する方法。
【請求項2】
a)メチルトリフェニルホスホニウム塩を、MTHFおよび適当な塩基と混合することにより、リンイリドを調製するステップ、および
b)ナルトレキソンおよびMTHFを含む混合物を、ステップa)で得られた混合物に添加するステップ
を含む、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
ステップa)およびb)が、同一の容器内で同時に行われる、またはステップa)およびb)が連続して行われる、請求項2に記載の方法。
【請求項4】
メチルトリフェニルホスホニウム塩が、臭化メチルトリフェニルホスホニウム(MTPPB)、塩化メチルトリフェニルホスホニウムまたはヨウ化メチルトリフェニルホスホニウムの中から選択される、請求項1から3のいずれか一項に記載の方法。
【請求項5】
MTHFの前記メチルトリフェニルホスホニウム塩に対する量(v/w)が、約1:1から約4:1、好ましくは約2:1で、前記MTHFおよび前記メチルトリフェニルホスホニウム塩が混合される、請求項1から4のいずれか一項に記載の方法。
【請求項6】
ステップa)で添加される前記塩基が、カリウムtert−ブトキシド(KO−t−Bu)である、請求項1から5のいずれか一項に記載の方法。
【請求項7】
前記KO−t−Buが、メチルトリフェニルホスホニウム塩に対して等モル量で添加される、請求項6に記載の方法。
【請求項8】
ステップa)で得られた前記混合物が、ステップb)の前に、少なくとも1時間、より好ましくは2時間撹拌される、請求項1から7のいずれか一項に記載の方法。
【請求項9】
ステップb)で使用される前記ナルトレキソンが、MTHF中の無水固形物または無水溶液として添加される、請求項1から8のいずれか一項に記載の方法。
【請求項10】
MTHFのナルトレキソンに対する量(v/w)が、例えば約3:1から約5:1または約4:1などの、約2:1から約6:1である、請求項9に記載の方法。
【請求項11】
ステップb)で得られた混合物が、例えば、約2時間から約16時間、約2時間から約10時間または約2時間から約5時間などの、少なくとも1時間撹拌される、請求項1から10のいずれか一項に記載の方法。
【請求項12】
c)
(i)塩化アンモニウム(NHCl)を含む水溶液を、ステップb)で得られた混合物と混合する、または
(ii)酸もしくは酸を含有する溶液を、ステップb)で得られた混合物と混合する、または
(iii)ケトンをステップb)で得られた混合物と混合する、または
(iv)上記ステップ(i)、(ii)および(iii)の組合せを実行し、次に
(v)任意選択で水で希釈する
ことから成るステップ、
d)ステップc)で得られた有機相を分離するステップ、
e)任意選択で、c)で得られた有機相を水で洗浄し、有機相を分離するステップ、
f)ステップd)またはe)で得られた有機相を真空下で濃縮して、揮発分を除去するステップ、
g)ステップf)で得られた残渣を、1つまたは複数の適当な有機溶媒中で希釈するステップ、
h)塩化水素(HCl)をステップg)で得られた混合物に添加するステップ、
i)生成した固形物を単離するステップ、
j)任意選択で、ステップi)で得られた固形物を、1つまたは複数の適当な溶媒を使用して再スラリー化し、固形物を単離するステップ、および
k)任意選択で、最終固形物を乾燥させるステップ
を含む、請求項1から11のいずれか一項に記載のステップb)で得られるナルメフェンを単離する方法。
【請求項13】
ステップg)、i)および/またはステップj)で使用される前記有機溶媒が、ハロゲン化炭化水素、アルコール、エーテル、ケトン、エステルおよび芳香族炭化水素から成る群、またはこれらの組合せから選択される、請求項12に記載の方法。
【請求項14】
ステップg)、i)および/またはステップJ)における前記有機溶媒が、アセトン、酢酸エチル、MTHF、2−プロパノール、トルエン、ジクロロメタンまたはこれらの組合せから選択される、請求項12または13のいずれか一項に記載の方法。
【請求項15】
ステップg)、i)および/またはステップj)における前記有機溶媒が、ジクロロメタンおよび/またはアセトンである、請求項12から14のいずれか一項に記載の方法。
【請求項16】
ステップh)における塩化水素(HCl)が、気体または濃厚水溶液として添加される、請求項12から15のいずれか一項に記載の方法。
【請求項17】
ステップh)におけるHClの濃度が、水中で約30%から約37%であり、より好ましくは水中で37%である、請求項12から16のいずれか一項に記載の方法。
【請求項18】
塩化水素(HCl)が、ステップh)において、激しく撹拌された状態で、約0℃から約40℃の範囲、好ましくは20℃から30℃の範囲に含まれる温度で添加される、請求項12から17のいずれか一項に記載の方法。
【請求項19】
ステップh)で得られた前記混合物が、例えば、約1時間から約5時間の間または約1時間から約3時間の間などの、少なくとも1時間撹拌される、請求項12から18のいずれか一項に記載の方法。
【請求項20】
得られたナルメフェンHClが、水溶液中での再結晶化により、ナルメフェンHCl二水和物に変換される、請求項1から19のいずれか一項に記載の方法。
【請求項21】
請求項1から20のいずれか一項に記載の方法によって得られる塩酸ナルメフェンを含む、医薬組成物。
【請求項22】
塩酸ナルメフェンが二水和物形態にある、請求項21に記載の医薬組成物。
【請求項23】
少なくとも1つの薬学的に許容され得る添加剤、担体および/または希釈剤をさらに含む、請求項21または22に記載の医薬。
【請求項24】
錠剤などの経口投与のための固体剤形を取る、請求項22または23のいずれか一項に記載の医薬組成物。
【請求項25】
請求項1から21のいずれか一項に記載の方法によって得られる塩酸ナルメフェンを治療有効量で含む、請求項22から24のいずれか一項に記載の医薬組成物。
【請求項26】
請求項1から20のいずれか一項に記載の方法によって得られる塩酸ナルメフェンを、約10mgから約60mg、約10mgから約40mgまたは約20mgなどの、約10mgから約100mgの量で含む、請求項22から25のいずれか一項に記載の医薬組成物。

【公表番号】特表2012−527489(P2012−527489A)
【公表日】平成24年11月8日(2012.11.8)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−512208(P2012−512208)
【出願日】平成22年5月21日(2010.5.21)
【国際出願番号】PCT/DK2010/050110
【国際公開番号】WO2010/136039
【国際公開日】平成22年12月2日(2010.12.2)
【出願人】(591143065)ハー・ルンドベック・アクチエゼルスカベット (129)
【Fターム(参考)】