ナルトレキソンの徐放型配合物
ナルトレキソンまたは薬剤として許容しうるその塩の徐放型経口投与形態が供給される。前記経口投与形態は、他の化合物と投与されてよい。前記経口投与形態を投与することにより、副作用を軽減してよく、前記副作用は、体重減少治療に少なくとも部分的に起因する副作用であってよい。前記経口投与形態を投与して、体重減少状態を治療してよい。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本出願は2006年6月5日に出願された米国仮特許出願第60/811251号、および2006年8月29日に出願された米国仮特許出願第60/841114号の利益を主張し、その両方の内容の全てはここに含まれる。
【0002】
本発明は、徐放型オピオイドレセプターアンタゴニストを含む医薬組成物、ならびにその投与および使用に関する。
【背景技術】
【0003】
肥満は西洋社会で主要な健康問題である。米国で約9300万人の大人が過重体重または肥満であると見積もられている。疫学的研究によれば、過体重および肥満の程度が増加することは、寿命が減少することの重要な予兆であることが示されてきている。肥満は多くの健康問題を、独立に、および他の疾患と関連して両方で引き起こす、または加速させる。肥満に関連する医学問題は、深刻で生命を脅かすものであるが、高血圧;2型糖尿病;血漿インスリン濃度の上昇;インスリン抵抗性;脂質異常症;過剰脂質;子宮内膜癌、乳癌、前立腺癌、および結腸癌;変形性関節症;閉塞性睡眠時無呼吸のような呼吸合併症;胆石症;胆石;動脈硬化;心臓疾患;異常心拍;ならびに心不整脈(Kopelman, P. G., Nature 404, 635-643 (2000))を含む。さらに肥満は、早死に、ならびに卒中、心筋梗塞、うっ血性心不全、冠状動脈性心臓病および突然死による死亡および発病に関連する。
【0004】
肥満はしばしば、食事の摂取を減らすことにより、または運同レベルを増加させることにより、それゆえ患者のエネルギーの支出を増大させることにより体重を減らすよう、患者を励ますことにより治療される。体重の5%から10%の持続的な喪失は、糖尿病および高血圧のような肥満に関連する共疾病率を改善すること、ならびに変形性関節症、睡眠時無呼吸、および心臓肺機能不全のような肥満関連状態の改善につながることが示されている。
【0005】
ナルトレキソン(Naltrexone)は、化学名17-(シクロプロピルメチル)-4,5α- エポキシ-3,14-ジヒドロキシモルヒナン-6-オン、化学構造は以下に示すが、アルコール依存症およびオピオイド依存症の管理に元々使用されているオピオイドレセプターアンタゴニストである。
【化1】
【0006】
経口投与のためのナルトレキソンは、例えば商標名REVIA(登録商標)(50mg)およびDEP ADE(登録商標)(25mg、50mgおよび100mg)で、塩酸塩であるナルトレキソンヒドロクロリドとして種々の供給源から数年にわたって市販されている。経口ナルトレキソンの現在の改良形態は、72時間ごとに1度のように、まれに服用されるときでさえ有効である即時放出型配合物である。例えば、ナルトレキソンヒドロクロリドのDEP ADE(登録商標)ブランドの標識は、ナルトレキソンが長期的な薬剤効果(24時間から72時間)を有する潜在的オピオイドアンタゴニストであり、毎日1回50mgの服用を推薦することを示している。ナルトレキソンヒドロクロリド50mgが、静脈注射で投与されるヘロイン25mgの医薬効果を24時間にわたって阻害することを、臨床研究が示していることをDEP ADE(登録商標)標識は開示している。ナルトレキソンヒドロクロリドの投与量を倍加することにより48時間の阻害が、ナルトレキソンヒドロクロリドの投与量を倍加することにより約72時間の阻害がもたらされることが、他のデータにより示唆されていることをDEP ADE(登録商標)標識は、示し続けている。それゆえ、経口投与後、血清濃度のピークに急速に(およそ1時間のTmax)到達するにも関わらず、ナルトレキソンの即時放出型形態は相対的に長く効果が持続する。
【0007】
経口ナルトレキソンの即時放出型形態の長期持続効果を使用して、1日1回以下、例えば1日おき、または3日おきの服用頻度を用いることで患者のコンプライアンスを促進してよい。例えば、DEP ADE(登録商標)標識により、服用レジメンに対する柔軟なアプローチを使用して、コンプライアンスを向上させてよいことが示される。そして、DEP ADE(登録商標)標識により、平日の毎日にナルトレキソンヒドロクロリド50mg、土曜日に100mgを患者は受け取ってよく、あるいは1日おきに100mgを、または2日おきに150mgを患者は受け取ってよいことが開示される。DEPADE(登録商標)標識により、以下の投与レジメンを使用した文献において報告された臨床研究が言及される:月曜に100mg、水曜に100mg、および金曜に150mg。そして、即時放出型経口形態により、アルコールまたはオピオイドを不正使用する誘惑がより小さいであろうとき(例えば1週間の間)に一度に、相対的に大きい投与量のナルトレキソンを、患者はとり、誘惑がより大きいであろうとき(例えば1週間以降)まで効果が継続することができる。
【0008】
7日から10日以上の間オピオイドを摂取していないことが知られる患者におけるプラセボ対照試験での苦情を顕著に増大させることは示されていなかったことが、ナルトレキソンが、DEP ADE(登録商標)標識により示される。即時放出型経口形態ナルトレキソンを25mgまたは50mg投与量、最初に投与することにより患者母集団の一部が吐き気を報告したにもかかわらず、それらの患者が耐性を増大させるにつれ、吐き気がおさまる事がしばしばある。DEP ADE(登録商標)標識により、アルコール依存症を伴い、ナルトレキソン受け取るおよそ570個体オープン標識安全性研究において、患者の2%またはそれ以上で、以下の新たに開始された副作用が発生した:吐き気 (10%)、頭痛(7%)、めまい(4%)、不安(4%)、疲労(4%)、不眠(3%)、嘔吐(3%)、不安(2%)、傾眠(2%)。最初の25mg投与後、10週間の間毎日50mgの投与量を含む、ナルトレキソンの10週間オープン標識安全性研究において、アルコール依存症の参加者のうち、18患者(15%)により中程度から重度の吐き気が報告された(O'Malley, S.S. J. Clin. Psychopharmacol. 2000 Feb;20(l):69-76)。中程度から重度の吐き気を経験した18患者のうち8人は治療を中止し、5被験者で1週間以内に、4被験者で2週間以内に吐き気は消散し、1被験者で10週間の間を通して吐き気が断続的に継続した。著者らは、中程度から重度の吐き気を、治療の間におけるより貧弱な治療コンプライアンスおよび重度の飲酒に関連付けた。
【0009】
複数の患者が即時放出型経口形態ナルトレキソン25mgまたは50mg投与量の投与による副作用を経験する一方、副作用は相対的に短期間の間に納まることがしばしばあり、多くの患者が顕著に高い経口投与、例えば100mgまたは150mgに耐性であることができるようであった。1ヶ月に1回注射可能なナルトレキソンの形態は、アルコール依存症を治療するための商標名VIVITROL(登録商標)として市販されている。VIVITROL(登録商標)を最初に注射した後、患者は吐き気を催すかもしれないこと;これらの吐き気の発作は、注射後数日中に緩和し、治まる傾向があること、ならびに患者は後に続く注射では吐き気を催すことが少なくなる傾向にあることが、患者に忠告されるべきであることが、VIVITROL(登録商標)の処方情報により示される。
【0010】
米国特許公報2004/0254208 A1号は、ナルトレキソンを、体重を減少させる効果のための他の化合物と組み合わせて使用することを開示しているが、その組み合わせに関する特定の副作用は全く開示していない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0011】
【特許文献1】米国仮特許出願第60/811251号
【特許文献2】米国仮特許出願第60/841114号
【特許文献3】米国特許公報2004/0254208 A1号
【特許文献4】米国特許仮出願番号第60/865,157号
【0012】
【非特許文献1】Kopelman, P. G., Nature 404, 635-643 (2000)
【非特許文献2】O'Malley, S.S. J. Clin. Psychopharmacol. 2000 Feb;20(l):69-76
【非特許文献3】United States Pharmacopeia 24th edition (2000) (USP 24), pp. 1941-1943
【非特許文献4】Validation of a High Performance Liquid Chromatographic Method Using Tandem Mass Spectrometry Lithium Heparinized Plasma
【非特許文献5】Remington: The Science and Practice of Pharmacy (20th ed, Lippincott Williams & Wilkens Publishers (2003)
【非特許文献6】Sheftell FD, Feleppa M, Tepper SJ, Rapoport AM, Ciannella L, Bigal ME. Assessment of adverse events associated with triptans-methods of assessment influence the results. Headache: The Journal of Head and Face Pain 44 (10), 978-982
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0013】
発明の概要
ナルトレキソンと、ブプロピオンおよび/またはフルオキセチンの共投与に関する副作用が、予想外に高頻度で発生することは、現在問題点として同定されている。例えば、以下で詳細に記載される臨床試験の間、即時放出型ナルトレキソンとブプロピオンの共投与に関する中程度の副作用が発生する頻度は30.7%であった。この副作用の頻度は、即時放出型ナルトレキソン単独またはブプロピオン単独の投与に関する副作用の典型的な頻度に基づき予測されるよりも顕著に高いものであった。
【課題を解決するための手段】
【0014】
ある実施態様において、この問題に解決をもたらす徐放型ナルトレキソン配合物が現在開発されている。
【0015】
ある実施態様では、少なくとも1つの副作用における軽減をもたらすための徐放型ナルトレキソン配合物を含み、即時放出型ナルトレキソン配合物および第二の化合物の共投与に前記副作用が関する、経口投与形態が提供される。ある実施態様において、第二の化合物は、ブプロピオンまたはフルオキセチンのような、モノアミン再摂取インヒビターを含む。他の実施態様では、例えば体重減少をもたらす、および/または体重増加を阻害するように、徐放型ナルトレキソン配合物を被験者に投与することを含む、ナルトレキソンを投与する方法が提供される。
【0016】
他の実施態様では、投与後、以下から選択されるものを少なくとも1つ含む、in vivo血漿濃度プロフィールを提供するために効果的な徐放型ナルトレキソン配合物を含む、経口単位投与形態が提供される:
(a) REVIA(登録商標)即時放出型ナルトレキソンヒドロクロリドのナルトレキソンCmaxの約80%またはそれより小さいナルトレキソンCmax、ならびにREVIA(登録商標)即時放出型ナルトレキソンヒドロクロリドのナルトレキソンAUClastの約80%から約125%の範囲であるナルトレキソンAUClast;および
(b) REVIA(登録商標)即時放出型ナルトレキソンヒドロクロリドの6-βナルトレキソールCmaxの約80%またはそれより小さい6-βナルトレキソールCmax、ならびにREVIA(登録商標)即時放出型ナルトレキソンヒドロクロリドの6-βナルトレキソールAUClastの約80%から約125%の範囲である6-βナルトレキソールAUClast。
【0017】
他の実施態様では、ナルトレキソンまたは薬剤として許容しうるその塩、および徐放型担体組成物を含む経口投与形態が提供され、前記経口投与形態は、約4時間の間に約90%より小さいナルトレキソンまたは薬剤として許容しうるその塩のin vitro放出速度を提供する。
【0018】
他の実施態様では、ここに記載される徐放型ナルトレキソン配合物を投与する方法が提供される。例えば、ある実施態様では、以下から選択されるものを少なくとも1つ含む、in vivo血漿濃度プロフィールを提供するために効果的な量の徐放型ナルトレキソン配合物を被験者に投与することを含む、ナルトレキソンを投与する方法が提供される:
(a) REVIA(登録商標)即時放出型ナルトレキソンヒドロクロリドのナルトレキソンCmaxの約80%またはそれより小さいナルトレキソンCmax、ならびにREVIA(登録商標)即時放出型ナルトレキソンヒドロクロリドのナルトレキソンAUClastの約80%から約125%の範囲であるナルトレキソンAUClast;および
(b) REVIA(登録商標)即時放出型ナルトレキソンヒドロクロリドの6-βナルトレキソールCmaxの約80%またはそれより小さい6-βナルトレキソールCmax、ならびにREVIA(登録商標)即時放出型ナルトレキソンヒドロクロリドの6-βナルトレキソールAUClastの約80%から約125%の範囲である6-βナルトレキソールAUClast。
【発明の効果】
【0019】
ある実施態様では、ここに記載される徐放型ナルトレキソン配合物は、例えば体重減少をもたらす、および/または体重増加を阻害するように、体重関連状態を治療するために有効であるように、被験者に投与される。
【0020】
これらの、および他の実施態様が以下でより詳細に記載される。
【図面の簡単な説明】
【0021】
【図1】ポリエチレンオキシドを含む徐放型ナルトレキソン5mg錠剤の溶解プロフィールを示す。
【図2】ヒドロキシプロピルメチルセルロースを含む徐放型ナルトレキソン5mg錠剤の溶解プロフィールを示す。
【図3】ヒドロキシプロピルメチルセルロースを含む徐放型ナルトレキソン5mg錠剤の溶解プロフィールを示す。
【図4】ナルトレキソンIRを受け取る被験者におけるナルトレキソンの個別血漿濃度経時曲線を示す。
【図5】ナルトレキソンSRを受け取る被験者におけるナルトレキソンの個別血漿濃度経時曲線を示す。
【図6】ナルトレキソンIRを受け取る被験者における6-βナルトレキソールの個別血漿濃度経時曲線を示す。
【図7】ナルトレキソンSRを受け取る被験者における6-βナルトレキソールの個別血漿濃度経時曲線を示す。
【図8A】2つの時間尺度にわたる、ナルトレキソンSR(丸)またはナルトレキソンIR(四角)を受け取る被験者におけるナルトレキソンの平均血漿濃度経時曲線を示す。
【図8B】2つの時間尺度にわたる、ナルトレキソンSR(丸)またはナルトレキソンIR(四角)を受け取る被験者におけるナルトレキソンの平均血漿濃度経時曲線を示す。
【図9A】2つの時間尺度にわたる、ナルトレキソンSR(丸)またはナルトレキソンIR(四角)を受け取る被験者における6-βナルトレキソールの平均血漿濃度経時曲線を示す。
【図9B】2つの時間尺度にわたる、ナルトレキソンSR(丸)またはナルトレキソンIR(四角)を受け取る被験者における6-βナルトレキソールの平均血漿濃度経時曲線を示す。
【図10】UKU副作用評定尺度を使用する吐き気および嘔吐を報告する被験者の母集団を示す図表である。
【図11】ブプロピオンSRと組み合わせてナルトレキソンIR(丸)を、またはブプロピオンSRと組み合わせてナルトレキソンSR(四角)を受け取る被験者におけるナルトレキソンの平均血漿濃度を示す。
【図12】ブプロピオンSRと組み合わせてナルトレキソンIR(丸)を、またはブプロピオンSRと組み合わせてナルトレキソンSR(四角)を受け取る被験者における6-βナルトレキソールの平均血漿濃度を示す。
【図13】ブプロピオンSRと組み合わせてナルトレキソンIR(丸)を、またはブプロピオンSRと組み合わせてナルトレキソンSR(四角)を受け取る被験者におけるナルトレキソンの平均トラフ血漿濃度を示す。
【図14】ブプロピオンSRと組み合わせてナルトレキソンIR(丸)を、またはブプロピオンSRと組み合わせてナルトレキソンSR(四角)を受け取る被験者における6-βナルトレキソールの平均トラフ血漿濃度を示す。
【図15】ナルトレキソンSR(丸)と組み合わせて、またはナルトレキソンIR(四角)と組み合わせてブプロピオンSRを受け取る被験者におけるブプロピオンの平均血漿濃度を示す。
【図16】ナルトレキソンSR(丸)と組み合わせて、またはナルトレキソンIR(四角)と組み合わせてブプロピオンSRを受け取る被験者におけるブプロピオン代謝物ヒドロキシブプロピオンの平均血漿濃度を示す。
【図17】ナルトレキソンSR(丸)と組み合わせて、またはナルトレキソンIR(四角)と組み合わせてブプロピオンSRを受け取る被験者におけるブプロピオン代謝物トレオヒドロキシブプロピオンの平均血漿濃度を示す。
【図18】ナルトレキソンSR(丸)と組み合わせて、またはナルトレキソンIR(四角)と組み合わせてブプロピオンSRを受け取る被験者におけるブプロピオン代謝物エリスロヒドロキシブプロピオンの平均血漿濃度を示す。
【発明を実施するための形態】
【0022】
好ましい実施態様の詳細な記述
種々の実施態様により、徐放型ナルトレキソン配合物を含む経口投与形態が提供される。第二の化合物と徐放型ナルトレキソン配合物を共投与することにより、第二の化合物と即時放出型ナルトレキソン配合物の共投与に比べて、少なくとも1つの副作用における軽減が提供されてよい。第二の化合物は、ブプロピオンまたは薬剤として許容しうるその塩、あるいはフルオキセチンまたは薬剤として許容しうるその塩のような、モノアミン再摂取インヒビターであってよい。前記なくとも1つの副作用は、吐き気を含んでよい。
【0023】
徐放型ナルトレキソン配合物により、ナルトレキソンCmaxおよび/または前記ナルトレキソンCmaxの約80%またはそれより小さい6-βナルトレキソールCmax、ならびに/あるいはREVIA(登録商標)即時放出型ナルトレキソンヒドロクロリドの6-βナルトレキソールCmaxが提供されてよい。徐放型ナルトレキソン配合物により、ナルトレキソンAUClastおよび/または前記ナルトレキソンAUClastの約80%から約125%の範囲である6-βナルトレキソールAUClast、ならびに/あるいはEVIA(登録商標)即時放出型ナルトレキソンヒドロクロリドの6-βナルトレキソールAUClastが提供されてよい。
【0024】
定義
「ナルトレキソン」の語は、ナルトレキソンの遊離塩基、(水和物および無水物形態、例えば、ナルトレキソンヒドロクロリド二水和物、および無水ナルトレキソンヒドロクロリドを含む)薬剤として許容しうるナルトレキソン塩、ナルトレキソン代謝物、ナルトレキソン異性体、ナルトレキソンプロドラッグ、ならびにこれらの混合物を一般的な意味で指すために使用されてよい。ここで「ナルトレキソン」の語は、文脈が明確に他の物を示さない限り、全てのそのような形態を包含するものとして理解されるであろう。
【0025】
「薬剤として許容しうる塩」の語は、投与される生物に明確な炎症をもたらさず、化合物の生物学的活性および特性を無効にしない化合物の配合物を指す。塩酸、臭化水素酸、硫酸、硝酸、リン酸、メタンスルホン酸、エタンスルホン酸、p-トルエンスルホン酸、サリチル酸などのような酸と化合物を反応させることにより、塩基性化合物の薬剤塩を取得することができる。例えば、ナルトレキソンヒドロクロリドはナルトレキソンの薬剤として許容しうる塩である。化合物を塩基と反応させ、アンモニウム塩のような塩、ナトリウム塩またはカリウム塩のようなアルカリ金属塩、カルシウム塩またはマグネシウム塩のようなアルカリ土類金属塩、ジシクロヘキシルアミン、N-メチル-D-グルカミン、トリス(ヒドロキシメチル)メチルアミンのような有機塩基の塩、ならびにアルギニン、リジンなどのアミノ酸を有するそれらの塩を形成させ、酸性化合物の薬剤塩を取得することができる。
【0026】
「経口投与形態」の語は、当業者に理解されるような通常の意味を有するものとして使用され、それゆえ、非限定的な例として、ヒトに投与できる形態にある薬剤または薬剤群の配合物を含む。本発明の例示的な実施態様は、錠剤、コア、カプセル、カプレット、および遊離粉末(loose powder)のような経口投与形態を第一に対象として記載されているが、溶液および懸濁液のような他の適切な投与形態もまた考慮される。
【0027】
「徐放」の語は、当業者に理解されるような通常の意味を有するものとして使用され、それゆえ、非限定的な例として、長期間にわたる投与形態からの薬物の制御された放出を含む。例えば、複数の実施態様において、徐放型投与形態は、比較される即時放出型形態よりも実質的に長い放出速度、例えば即時放出型形態の放出速度の125% よりも長い放出速度を有するものである。
【0028】
「即効」の語は、当業者に理解されるような通常の意味を有するものとして使用され、それゆえ、非限定的な例として、投与後相対的に短い期間における投与形態からの薬剤の放出を含む。ナルトレキソンヒドロクロリドの即効投与形態の例は、REVIA(登録商標)即時放出型ナルトレキソンヒドロクロリドおよびDEPADE(登録商標)即時放出型ナルトレキソンヒドロクロリドを含む。複数の実施態様において、即効投与形態は、REVIA(登録商標)即時放出型ナルトレキソンヒドロクロリドおよびDEPADE(登録商標)即時放出型ナルトレキソンヒドロクロリドのうち1つまたはそれ以上に対して125%以下である放出速度を有するものである。REVIA(登録商標)即時放出型ナルトレキソンヒドロクロリドは、50mg投与形態であってよい。DEPADE(登録商標)即時放出型ナルトレキソンヒドロクロリドは、25mg、50mgまたは100mg投与形態であってよい。ここで、即時放出型配合物はREVIA(登録商標)即時放出型ナルトレキソンヒドロクロリドを指してよい。複数の実施態様において、即時放出型配合物の投与量は、ここで記載される徐放型投与量と実質的に同一である一方、別の実施態様では同一ではない。
【0029】
「放出速度」の語は、当業者に理解されるような通常の意味を有するものとして使用され、それゆえ、非限定的な例として、in vitroまたはin vivo試験により定義される、単位時間当たり放出される活性成分の量に関する特徴を含む。in vitro放出速度は、United States Pharmacopeia 24th edition (2000) (USP 24), pp. 1941-1943に従って実施される「標準溶解試験」により測定され、軸回転速度100rpmで、そこに記載された装置2、および水である溶解媒体を37 °Cで使用し、あるいは実質的にそれに同等である他の試験条件を使用する。
【0030】
「薬物動態プロフィール」の語は、当業者に理解されるような通常の意味を有するものとして使用され、それゆえ、非限定的な例として、被験者に薬物を投与した後、長期にわたって薬物の血漿濃度を測定する結果である曲線の特徴を含む。それゆえ薬物動態プロフィールは、適切な患者母集団に投与される際に、特定の薬剤または投与形態の薬物動態を特徴づけるために使用することができる、薬物動態パラメータ、または一組のパラメータ群を含む。血漿濃度の経時曲線下の面積(AUC)、および投与後の最大血漿濃度(Cmax)を含む、種々の薬物動態パラメータが当業者に知られている。AUClastは、投与時間から測定可能な濃度が持続する時間までの血漿濃度の経時曲線下の面積を示す。当業者に既知の種々のやり方、例えば単独投与または定常状態で薬物動態パラメータを測定してよい。薬物動態パラメータ(例えばCmax)のうち1つまたは複数における差異が、2つの配合物の間の薬物動態差異を示してよい。
【0031】
例えばここで説明される実施例に記載されるような、当業者に知られ、受け入れられる臨床試験方法を使用して、参照標準に対する比較により、薬物動態パラメータを測定してよいことを、当業者は理解するであろう。患者ごとに薬物の動態は変動する可能性があるので、そのような臨床試験は、一般に複数の患者、および結果のデータの適切な統計解析(典型的には90%信頼性のANOVA)を含む。薬物動態パラメータの比較は、当業者が理解するように、投与量調節基準に基づく。
【0032】
ここで記載される徐放型ナルトレキソン配合物に関する種々の実施態様において、参照標準は即時放出型ナルトレキソン配合物である。薬物動態パラメータを測定する際に参照標準として使用するために適切な即時放出型ナルトレキソン配合物は、REVIA(登録商標)即時放出型ナルトレキソンヒドロクロリドとして広く市販されている汎用即時放出型ナルトレキソン配合物、またはREVIA(登録商標)ブランドのナルトレキソンヒドロクロリドに実質的に類似した薬物動態パラメータを有する即時放出型ナルトレキソン配合物であることを、当業者は理解するであろう。米国政府は処方薬を標識するやり方を規制しており、それゆえここでREVIA(登録商標)ブランドのナルトレキソンヒドロクロリドの語は当業者に既知で、固定され明確な意味を有する。
【0033】
ナルトレキソンおよび第二の化合物の共投与
複数の実施態様において、第二の化合物とともに即時放出型ナルトレキソンを共投与することが、少なくとも1つの副作用に関連してよいことが認識される。少なくとも1つの副作用は、即時放出型ナルトレキソンおよび第二の化合物を別々に投与することにより、予測されるよりもより重篤で、より継続し、および/またはより発生頻度が高くあってよい。複数の実施態様において第二の化合物は、化学レセプター誘発帯(CTZ) および/または嘔吐中枢においてナルトレキソン誘導効果を強化し、それによりナルトレキソンを投与することに関する副作用を強化する可能性があると考えられる。副作用が一般に、ナルトレキソンを単独で投与した際に耐性であることに特徴づけられてよい一方、強化される副作用がより耐性が低いことに特徴づけられてよい。
【0034】
第二の化合物とともに徐放型ナルトレキソンを共投与することにより、第二の化合物とともに即時放出型ナルトレキソンを共投与することに比較して、少なくとも1つの副作用の軽減をもたらしてよい。前記軽減は、少なくとも1つの副作用の重篤度、継続性、および/または発生頻度の軽減を含んでよい。複数の場合、例えば個々の患者を含んで、そのような軽減を、即時放出型の既知の副作用に照らして、当業者が予測するであろう副作用と比較してよく、それゆえ、そのような副作用の軽減から恩恵を受けるために、即時放出型からの副作用を患者が実際に経験する必要はない。いかなる理論に制限されることを望まないが、前記少なくとも1つの副作用における軽減は、即時放出型ナルトレキソンを投与することに関するナルトレキソンまたはその代謝物の血中濃度に比較して、徐放型ナルトレキソンを投与することに関するナルトレキソンまたはその代謝物の血中濃度のより低いピークの結果であってよい。より長い期間にわたって溶解する徐放型のナルトレキソンにより、脳の最後野における化学レセプター誘発帯および嘔吐中枢(VC)に対する興奮、アンタゴニズム、および/または阻害の軽減がもたらされてよい。さらに、徐放型経口投与は、胃のオピオイドレセプターにより取り込まれることが可能な低濃度となってよい。
【0035】
複数の実施態様において、少なくとも1つの副作用は第一に、第二の化合物の投与に関わるものである。徐放型ナルトレキソンを共投与することにより、少なくとも1つの副作用を軽減することができる。他の実施態様において、前記少なくとも1つの副作用は第一に、即時放出型ナルトレキソンの投与に関わるものである。徐放型ナルトレキソンにより、即時放出型配合物に比較して少なくとも1つの副作用における軽減をもたらすことができ、そして徐放型ナルトレキソンを第二の化合物とともに共投与されてよい。さらに別の実施態様において、前記少なくとも1つの副作用は第一に、第二の化合物および即時放出型ナルトレキソンの組み合わせに関わるものである。前記組み合わせにかかわる副作用の型は、ナルトレキソン単独投与に関連して、および/または第二の化合物単独投与によるものであってよい。副作用の重篤度、継続性、および/または発生頻度は、即時放出型ナルトレキソンおよび第二の化合物の別々の投与から予測されるよりも、即時放出型ナルトレキソンが第二の化合物と共投与されるときにより大きくてよい。徐放型ナルトレキソンおよび第二の化合物を共投与することにより、即時放出型ナルトレキソンおよび第二の化合物を共投与することに比べて、前記少なくとも1つの副作用において軽減をもたらすことができる。
【0036】
前記即時放出型ナルトレキソンは、REVIA(登録商標)即時放出型ナルトレキソンヒドロクロリドを含んでよい。即時放出型ナルトレキソンにおけるナルトレキソンの投与量は、徐放型ナルトレキソンにおける投与量よりも実質的に小さくてよい。ある実施態様において、即時放出型ナルトレキソンは、徐放型担体組成物を実質的に含まないものである。
【0037】
前記第二の化合物は、抗うつ剤を含んでよい。前記第二の化合物は、モノアミン再摂取インヒビターおよび/またはモノアミンモジュレーターを含んでよい。モノアミンは、ノルエピネフェリン、ドーパミン、および/またはセロトニンを含んでよい。前記第二の化合物は、ドーパミン再摂取インヒビターおよび/またはドーパミンモジュレーターを含んでよい。ドーパミンモジュレーションは、セロトニンモジュレーションの効果であってよい。前記第二の化合物は、選択的セロトニン再摂取インヒビターおよび/またはセロトニンモジュレーターを含んでよい。前記第二の化合物は、外側髄板網様体における化学レセプター誘発帯(CTZ) および/または嘔吐中枢に作用する化合物を含んでよい。前記第二の化合物は、ブプロピオンまたは薬剤として許容しうるその塩、ならびに/あるいはフルオキセチンまたは薬剤として許容しうるその塩を含んでよい。薬剤として許容しうる塩は、塩酸塩を含んでよい。前記第二の化合物は、徐放型配合物であってよい。
【0038】
徐放型ナルトレキソンは、経口投与形態で提供されてよい。複数の実施態様において、経口投与形態はまた第二の化合物を含んでよい一方、他の実施態様においては含まなくてよい。
【0039】
第二の化合物と即時放出型ナルトレキソンまたは徐放型ナルトレキソンの共投与は、ナルトレキソンおよび第二の化合物の両方を含む経口投与形態を含んでよい。前記共投与は、ナルトレキソンおよび第二の化合物を、別々だが実質的に同時に投与することを含んでよい。前記共投与は、ナルトレキソンおよび第二の化合物を、異なる時間(例えば異なる服用スケジュール)で投与するが、第一の閾値より上のナルトレキソンまたはナルトレキソン代謝物濃度、ならびに第二の閾値より上の第二の化合物または第二の化合物の代謝物を血漿が同時に含むような投与を含んでよい。これらの閾値は最低の検知レベル(例えば、ゼロ)であってよい。例えばナルトレキソン配合物のin vivoのTmaxまたは溶解速度が、第二の化合物のものと実質的に異なっているならば、後者の共投与が適切であってよい。
【0040】
前記少なくとも1つの副作用は、化学レセプター誘発帯(CTZ) および/または嘔吐中枢に関する効果を含んでよい。複数の実施態様において、前記少なくとも1つの副作用は、吐き気、吐気、眩暈、胃の不調、めまい、および嘔吐のうち1つまたは複数を含む。前記少なくとも1つの副作用は、不安、緊張感、頭痛、睡眠障害、くしゃみ、鼻閉、筋肉痛、性的機能または欲求の低下、視力障害、のどの渇き、耳なり、脱力、疲労感、皮膚発疹、混乱、気分の変化、幻覚、重度の下痢、および呼吸困難のうち1つまたは複数を含んでよい。
【0041】
前記少なくとも1つの副作用は、体重減少治療に関わるものであってよい。前記体重減少治療は、例えば非定型抗精神病薬、抗うつ剤、モノアミン再摂取インヒビター、モノアミンモジュレーター、ノルエピネフェリン再摂取インヒビター、ドーパミン再摂取インヒビターおよび/またはニコチン性アンタゴニストのうち1つまたは複数の投与を含んでよい。前記体重減少治療は、ブプロピオンまたは薬剤として許容しうるその塩、ならびに/あるいはフルオキセチンまたは薬剤として許容しうるその塩の投与を含んでよい。前記体重減少治療は、ナルトレキソンの投与を含んでよい。複数の実施態様において、徐放型ナルトレキソン投与形態は、体重減少治療の1つまたは複数の非ナルトレキソン活性成分に部分的に、または全体的に、原因がある1つまたは複数の副作用を軽減させる結果をもたらす。複数の実施態様において、徐放型ナルトレキソン投与形態は、体重減少治療のナルトレキソン活性成分に部分的に、または全体的に、原因がある1つまたは複数の副作用を軽減させる結果をもたらす。
【0042】
徐放型ナルトレキソン配合物の薬物動態プロフィール
複数の実施態様において、徐放型ナルトレキソン配合物は、即時放出型ナルトレキソン配合物(例えばREVIA(登録商標)即時放出型ナルトレキソンヒドロクロリド)と薬物動態的に異なる薬物動態プロフィールを提供する。薬物動態的差異は、即時放出型および徐放型ナルトレキソン配合物に関するCmax値の間の違いによるものであってよい。徐放型ナルトレキソン配合物は、即時放出型ナルトレキソン配合物(例えばREVIA(登録商標)即時放出型ナルトレキソンヒドロクロリド)のナルトレキソンCmaxおよび/または6-βナルトレキソールCmaxの約80%またはそれ以下であるナルトレキソンCmaxおよび/または6-βナルトレキソールCmaxを提供してよい。
【0043】
複数の実施態様において、徐放型ナルトレキソン配合物は、即時放出型ナルトレキソン配合物(例えばREVIA(登録商標)即時放出型ナルトレキソンヒドロクロリド)のナルトレキソンAUClastおよび/または6-βナルトレキソールAUClastに実質的に類似した(例えば約80%から約125%の)ナルトレキソンAUClastおよび/または6-βナルトレキソールAUClastを提供する。
【0044】
複数の実施態様において、即時放出型ナルトレキソン配合物のナルトレキソン投与量は、徐放型ナルトレキソン配合物のナルトレキソン投与量と実質的に同じである。即時放出型および徐放型ナルトレキソン配合物のCmax値が異なる複数の実施態様において、徐放型ナルトレキソン配合物のナルトレキソン投与量は、徐放型ナルトレキソン配合物のナルトレキソンAUClastおよび/または6-βナルトレキソールAUClastに実質的に類似した(例えば約80%から約125%の)ナルトレキソンAUClastおよび/または6-βナルトレキソールAUClastを提供する投与量として同定される。
【0045】
前記薬物動態プロフィールは、前記投与形態により生み出される効果および/または副作用の軽減に関係してよい。例えば、徐放型ナルトレキソン配合物は、実質的に類似したナルトレキソンおよび/または6-βナルトレキソールAUClastにより、即時放出型ナルトレキソン配合物に比較して、実質的に類似したまたは改善した有効性を生み出してよい。別の例として、徐放型ナルトレキソン配合物は、より低いナルトレキソンおよび/または6-βナルトレキソールCmaxにより、即時放出型ナルトレキソン配合物に比較して、副作用の軽減を提供してよい。
【0046】
薬物動態プロフィールを、徐放型ナルトレキソン経口投与形態を受け取った患者母集団の血漿を解析し、それを即時放出型ナルトレキソン配合物を受け取った同程度の患者母集団と比較することにより、適切な臨床試験方法論および統計解析を使用して測定することができる。
【0047】
複数の実施態様において、薬物動態特性は一回薬物投与後であり、別の態様では定常状態におけるものである。一回投与測定のために、徐放型ナルトレキソンを含む組成物の一回投与を患者に提供してよく、薬物動態プロフィールを測定するために、前記組成物の投与に対して異なる時間において、前記患者から血漿検体を収集してよい。定常状態における測定のために、徐放型ナルトレキソンを含む経口投与形態を投与することを含む、複数の日にわたる投与レジメンを患者に提供してよい。そして定常状態の間に、特定の投与量に対すて異なる時間において、前記患者から血漿検体を収集してよい。複数の実施態様において、数時間および数日にわたる投与量の投与に対して、血中レベルのピーク値および底値が予想される特定の時間における、血漿ナルトレキソンおよび/またはナルトレキソン代謝物(例えば6-βナルトレキソール)濃度プロフィールを、観察し、プロフィールが定常状態に達したときを決定することにより、定常状態を決定することができる。例えば、in vivo血漿ナルトレキソンおよび/または活性ナルトレキソン代謝物(例えば6-βナルトレキソール)濃度を、日によって濃度が顕著に変動することがもうなくなるまで、数日にわたって、投与後1時間に測定してよい。別の実施態様において、定常状態を、投与レジメンが開始した後、特定の日数として見積もってもよい。例えば、定常状態を、投与レジメンが開始した後、6日として見積もってもよい。複数の実施態様において、定常状態は、投与後、薬物の半減期の約5倍にわたると見積もられる。
【0048】
血漿を適切な方法で解析してよい。複数の実施態様において、患者から血液を収集する。いずれかの適切な量の血液を回収してよい。その後血液サンプルを、血漿から赤血球が分離し始めるまで、遠心してよい。複数の実施態様において、ここでその全文が参照して取り込まれる「Validation of a High Performance Liquid Chromatographic Method Using Tandem Mass Spectrometry Lithium Heparinized Plasma」の表題である解析有効性確認法により、ナルトレキソンおよび/またはナルトレキソン代謝物解析を実行してよい。
【0049】
上記の薬物動態パラメータを測定するために、in vivoナルトレキソンおよび/または活性ナルトレキソン代謝物(例えば6-βナルトレキソール)濃度を、ナルトレキソン投与に関して種々の時間間隔で測定してよい。複数の実施態様において、24時間の間に少なくとも10回、これらの濃度を測定してよい。
【0050】
複数の実施態様において、患者母集団は、ここに記載されるような徐放型ナルトレキソン経口投与形態の投与を含む投与レジメンを実行し、報告される薬物動態パラメータは、複数の患者における薬物動態パラメータの平均である。各患者に対するパラメータを計算し、その後複数の患者で平均することにより、平均値を取得してよい。複数の実施態様において、前記平均値は、最小二乗算術平均または最小二乗幾何平均を含む。複数の実施態様において、交差研究により薬物動態パラメータを取得する。
【0051】
治療の方法
複数の実施態様において、徐放型ナルトレキソン配合物は、経口投与形態として提供および/または処方される。経口投与形態は、上記の第二の化合物も含んでよい。ある実施態様において、ここに記載される経口投与形態は、1つまたは複数の体重関連状態の治療に有効である。体重関連状態は、約25 kg/m2以上、約30 kg/m2以上、または約18.5 kg/m2以下の肥満度指数(body-mass index)により特徴づけられる状態を含んでよい。体重関連状態は、肥満を含んでよい。体重関連状態は、薬物の投与により引き起こされる、または引き起こされることが予想されるものであってよい。ここに記載される経口投与形態は、体重減少、体重増加の阻害、および/または体重増加の少なくとも部分的な逆転に有効である(例えば、引き起こす)ものであってよい。
【0052】
前記経口投与形態は、分配され、自己投与のために患者に提供され、または患者に投与されてよい。患者は、過剰体重または肥満であってよい。患者は、約20 kg/m2以上、約25 kg/m2以上、または約30 kg/m2以上の肥満度指数(BMI)を有していてよい。患者は、肥満であってよい。患者は、糖尿病に罹患していてよい。
【0053】
ここに記載される徐放型経口投与形態は、即時放出型配合物と実質的に同等の、またはよりよい効率で提供されてよい。徐放型経口投与形態は、即時放出型配合物に比較して、軽減する副作用に関係していてよい。複数の実施態様において、ここに記載される経口投与形態の投与は、治療(例えば、体重減少治療および/またはナルトレキソン治療)に対する患者のコンプライアンスを改善する結果となってよい。
【0054】
複数の実施態様において、本発明の方法は、少なくとも1つの副作用を罹患する患者、ならびに/あるいは、体重減少治療(例えばブプロピオンの投与を含む体重減少治療)および/または即時放出型ナルトレキソン配合物(例えばREVIA(登録商標)即時放出型ナルトレキソンヒドロクロリド)を伴う治療に関係する、少なくとも1つの副作用に特に敏感である患者を同定すること、ならびにここで記載されるような徐放型ナルトレキソン投与形態を患者に提供または投与することを含む。
【0055】
使用の方法は、ここで記載されるものを含む適切な送達経路または方法のいずれかにより、その必要にある哺乳類に治療上有効量の徐放型投与形態を投与する工程を含むことができる。特定の患者に対して所望の治療反応を達成するために有効な量のナルトレキソンを投与するために、治療上の投与形態である化合物の実際の投与レベルを変動してよい
【0056】
投与量
特定の患者に対する、ここで記載されるような徐放型投与形態の特定の投与レベルは、遺伝子構造、体重、健康全般、食事、投与の時間および経路、他の薬剤との組み合わせ、および治療される特定の状態を含む種々の要素、ならびにその重篤度のいずれかに依存する可能性があることが理解されるであろう。複数の実施態様において、徐放型投与形態のナルトレキソンの投与量は、経口投与形態が投与される頻度に基づいて、少なくとも部分的に決定される。即時放出型配合物(例えばREVIA(登録商標)即時放出型ナルトレキソンヒドロクロリド)より頻度を多く、より頻度を少なく、または実質的に同一の頻度で、徐放型経口投与形態を投与してよい。
【0057】
複数の実施態様において、ナルトレキソンを含む徐放型経口投与形態により、約4mgから約50mgの範囲、または、約10mgから約25mgの範囲である、ナルトレキソン遊離塩基同等量である投与量が提供される。経口投与形態は、約4mg、約8mg、約12mg、約16mg、約32mg、または約48mgのナルトレキソンを含んでよい。患者の体重に基づいて、特定の投与量を選択してよい。共投与される他の化合物の同一性、投与量、および/または投与計画に基づいて、特定の投与量を選択してよい。約0.75mg/kgから約10mg/kgの範囲、例えば2mg/kg(体重kgにつき薬物mgを基準とする)である、ナルトレキソン遊離塩基同等量である投与量が提供されるように、ヒトに対する投与に適切な単位投与形態を設定してよい。薬物動態プロフィールにより、少なくとも部分的に、投与量を決定してよい。例えば、即時放出型ナルトレキソン経口投与形態のAUClastに実質的に類似したAUClastを提供するために十分である、徐放型ナルトレキソン経口投与形態を投与してよい。
【0058】
ここで記載される徐放型投与形態を、付加用量を伴い、または伴わずに、1日に1回、2回、またはそれ以上の回数で投与してよい。複数の実施態様において、1日あたりの投与回数は一定(例えば1日1回)である。他の実施態様において、1日あたりの投与回数は変動する。投与回数は、投与形態の有効性、観察される副作用、外部要因(例えば他の薬物の変化)、あるいは前記投与形態が投与される時間の長さに依存して変化してよい。
【0059】
ある実施態様において、徐放型ナルトレキソン投与形態は、ここで記載される第二の化合物をさらに含んでよい。第二の化合物は、適切な投与量のいずれかで存在してよい。ある実施態様において、第二の化合物は、ブプロピオンまたは薬剤として許容しうるその塩を含む。ブプロピオンまたは薬剤として許容しうるその塩は、徐放型(SR)配合物であってよい。ある実施態様において、投与形態は、ナルトレキソンおよびブプロピオンの両方を、例えば、2006年11月9日に提出された米国特許仮出願番号第60/865,157号に記載された三重層錠剤の形態で含む。適切な単位投与形態の例は、三重層が、例えば約4mgのナルトレキソンSRおよび約90mgのブプロピオンSR;約8mgのナルトレキソンSRおよび約90mgのブプロピオンSR;または約12mgのナルトレキソンSRおよび約90mgのブプロピオンSRを含むものを含む。ある実施態様において、例えば、約16mg、約32mg、または約48mgのナルトレキソン、ならびに約360mgのブプロピオンまたは薬剤として許容しうるその塩を1日投与量で、1日2回、2個の錠剤として、投与形態を投与してよい。ある実施態様において、別々に、例えば互いに約1時間以内に共投与される分離した投与形態で、第二の化合物(例えばブプロピオンまたは薬剤として許容しうるその塩)およびナルトレキソンを投与する。ある実施態様において、分離した投与形態を、ほぼ同時に投与する。
【0060】
配合物
経口投与形態は、ナルトレキソンおよび徐放型担体を含んでよい。徐放型担体は、非限定的な例として、即時放出型配合物(例えばREVIA(登録商標)即時放出型ナルトレキソンヒドロクロリド)と比較して、配合物からのナルトレキソンの放出速度を延長するために有効な量で医薬配合物中に含む成分を含む。徐放型担体は、遅延賦形剤としてここで言及されてよい。徐放型担体の例は、ヒドロキシプロピルメチルセルロース(HPMC)、ポリエチレンオキシド、ポリアクリレートコポリマー、アクリレートとメタクリレートとのコポリマー、メタクリレートポリマー、アクリレートとメタクリレートとのコポリマー、アンモニウム基を有するアクリレートとメタクリレートとのコポリマー、マレイン酸無水物とメチルビニルエーテルとのコポリマー、ヒドロキシプロピルエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、メチルセルロース、ヒドロキシメチルメタクリレート、マルトデキストリン、天然ゴム、およびキサンタンゴムを含む。複数の実施態様において、徐放型担体組成物は、ヒドロキシプロピルメチルセルロースおよびポリオキシエチレンのうち少なくとも1つを含む。徐放型担体組成物は、他の適切な成分とともに、1つまたは複数の徐放型担体を含んでよい。
【0061】
複数の実施態様において、ナルトレキソンを含む経口投与形態は、即時放出型配合物(例えばREVIA(登録商標)即時放出型ナルトレキソンヒドロクロリド)と薬物動態的に異なる投与形態にするために十分な量の徐放型担体組成物を含む。例えば、即時放出型配合物に対して、ナルトレキソンCmaxおよび/または6-βナルトレキソールCmaxを(例えば即時放出型ナルトレキソンの約80%またはそれ以下であるナルトレキソンCmaxおよび/または6-βナルトレキソールCmaxに)減少させるように、放性担体組成物の量および型を選択してよい。
【0062】
徐放型担体組成物の量は、約2時間以内に、約90%より小さい、または約80%より小さいナルトレキソンのin vitro放出速度を提供するために有効であってよい。徐放型担体組成物の量は、約4時間以内に、約98%より小さいナルトレキソンのin vitro放出速度を提供するために有効であってよい。徐放型担体組成物の量は、約1時間以内に、約80%、または約70%より小さいナルトレキソンのin vitro放出速度を提供するために有効であってよい。上記の標準溶解試験により、in vitro放出速度を決定する。
【0063】
代表的な徐放型担体材料の記載を、ここでその全文が参照して取り込まれるRemington: The Science and Practice of Pharmacy (20th ed, Lippincott Williams & Wilkens Publishers (2003))に発見することができる。当業者は、ここで提供される詳細な案内により知らされる通常の実験を使用して、徐放型担体組成物を配合することができる。
【0064】
ここで記載される投与形態を、種々の賦形剤、結合剤、担体、崩壊剤、コーティングなどを含むよう配合してよい。適切な補助剤を添加した後、ここで記載される医薬組成物と1つまたはそれ以上の固形賦形剤を混合し、得られる混合物を任意にすりつぶし、および顆粒の混合物を処理することにより医薬調製物を取得することができ、使用するために適切な種々の形態、例えばピル、錠剤、粉末、顆粒、糖衣錠、カプセル、液体、スプレー、ゲル、シロップ、スラリー、懸濁物などとして、治療される患者による経口摂取のために、大容量または単位投与形態で医薬組成物を取得することができる。種々の単位投与形態の例が、ここに記載される;非限定的な例は、ピル、錠剤、ゲルカップなどを含む。適切な賦形剤の例は以下に列記され、その中のいくつかは、特定の溶解特性を有するものとして上述される。治療上の使用のために薬剤として許容しうる担体または希釈剤は、医薬分野でよく知られており、例えばここでその全文が参照して取り込まれるRemington:「The Science and Practice of Pharmacy 」(2003)に記載されている。ここで「担体」材料または「賦形剤」の語は、それ自体は治療剤ではなく、被験者に対して治療剤を送達するために、担体、希釈剤、アジュバント、結合剤、および/またはビヒクルとして使用される、あるいは取り扱いまたは貯蔵特性を改善するため、あるいは組成物の投与単位の配合物を、経口投与に適するカプセルまたは錠剤のような具体的な品目にすることを可能にする、または容易にするために医薬組成物に添加される物質のいずれかを意味する可能性がある。賦形剤は、非限定的な例として、希釈剤、崩壊剤、結合剤、接着剤、湿潤剤、ポリマー、滑剤、流動促進剤、不愉快な味または臭気を封入するまたは対抗するために添加される物質、芳香剤、染料、香料、ならびに組成物の外観を改善するために添加される物質を含む。流動促進剤は、コロイド状二酸化ケイ素、タルク、コーンスターチ、DL-ロイシン、ナトリウムラウリルサルフェート、ならびに、マグネシウム、カルシウム、およびナトリウムステアレートのうち1つまたはそれ以上であってよい。希釈剤は、ラクトース、デンプン、マンニトール、デキストロース、微結晶セルロース、二塩基カルシウムフォスフェート、カルシウムサルフェ
ート二水和物、カルシウムラクテート三水和物、デキストレート、イノシトール、加水分解シリアル固形物、アミロース、粉末セルロース、カルシウムカーボネート、グリシン、またはベントナイトのうち1つまたはそれ以上であってよい。許容しうる賦形剤は、ラクトース、スクロース、デンプン粉末、トウモロコシデンプンまたはその誘導体、アルカン酸のセルロースエステル、セルロースアルキルエステル、タルク、ステアリン酸、マグネシウムステアレート、マグネシウムオキシド、リン酸および硫酸のナトリウムおよびカルシウム塩、ゼラチン、アカシアゴム、ナトリウムアルギネート、ポリビニルピロリジン、ならびに/あるいはポリビニルアルコール、生理食塩水、デキストロース、マンニトール、ラクトース、レシチン、アルブミン、ナトリウムグルタメート、システインヒドロクロリドなどを含む。ソフトゼラチンカプセルに適切な賦形剤の例は、植物油、ワックス、脂肪、半固体および液体ポリオールを含む。溶液およびシロップを調製するために適切な賦形剤は、制限なく、水、ポリオール、スクロース、転化糖およびグルコースを含む。医薬組成物はさらに、保存剤、可溶化剤、安定化剤、湿潤剤、乳化剤、甘味料、着色剤、調味料、バッファー、コーティング剤、または酸化防止剤を含むことができる。水、あるいはゴマ油、ピーナッツ、または綿実油のような天然植物油のようなビヒクル、あるいはエチルオレエートのような合成脂肪ビヒクルなど中にある活性成分の溶解または懸濁が望ましくあってよい。バッファー、保存剤、酸化防止剤などを、受け入れられる薬務に従って取り込むことができる。化合物をまた、マイクロカプセル化形態で作製することもできる。望まれれば、吸着増強調製物(例えば、リポソーム)を利用することができる。当業者は、ここで提供される詳細な案内により知らされる通常の実験により、前記の成分のうち1つまたはそれ以上を含む徐放型投与形態を配合することができる。
【0065】
キット
複数の実施態様において、本発明はキットに関する。キットは、徐放型ナルトレキソンを含む1つまたはそれ以上の単位投与形態を含んでよい。単位投与形態は、経口配合物であってよい。単位投与形態は、錠剤を含んでよい。キットは、複数の単位投与形態を含んでよい。
【0066】
キットは、情報を含んでよい。情報は、医薬の製造、使用、または販売を規制する政府機関により規定される形態であってよく、その通知は、ヒトまたは動物へ投与するための薬物の形態を、機関が承認したことを反映するものである。そのような情報は、例えば、処方薬に対して米国食品医薬品局により承認された標識、または承認された製品挿入物であってよい。併用可能な医薬担体中に配合される本発明の徐放型ナルトレキソン配合物を含む投与形態をまた、調製し、適切な容器に設置し、および表示される状態の治療に対して標識してもよい。
【0067】
前記情報は、約4mg、約8mg、約12mg、約16mg、約32mg、または約48mgの投与量で単位投与形態を投与する指示を含んでよい。これらの指示を種々の方法で提供してよい。前記情報は、単位投与形態をいつ投与するかについての指示を含んでよい。例えば、前記情報は、他の医薬または食事の投与に対して単位投与形態をいつ投与するかについての指示を含んでよい。
【0068】
前記情報は、可読媒体上に提供されてよい。前記可読媒体は、標識を含んでよい。前記キットは、商業上の販売に適する医薬パッケージを含んでよい。前記キットは、容器を含んでよい。前記容器は、例えば、紙またはボール紙製の箱、ガラスまたはプラスチック製の瓶またはジャー、(例えば、異なる容器に設置するための錠剤の「詰め替え」を固定するための)再封入可能なバック、あるいは治療計画によりパックから搾り出すための、個々の投与量を有するブリスターパックから作られる、当業者に既知の伝統的な形状または形態のいずれかであってよい。使用される容器は、関係する実際の投与形態に依存する可能性があり、例えば一般的に液体懸濁物を保持するために伝統的なボール紙製の箱は使用されないであろう。単一包装で1個以上の容器を一緒に使用して、単一投与形態を市販することができることが望ましい。例えば、錠剤を瓶中に含み、そして瓶を箱に含んでよい。
【0069】
前記情報を、例えば以下のようにして容器に結合することができる:
個々で記載される投与形態を含む瓶に固着した、標識(例えば前記処方標識または別々の標識)に記載される;
単一投与形態を含む箱の内側のように、記載される包装の挿入物として容器の内側に含まれる;あるいは
例えば、ひも、コードまたは他の線状のもの、ストラップまたはつなぐタイプの器具を介して瓶の首に固定された指示カードとして、縛られ、または貼られることによるものとしてつなぎとめられる。前記情報を、単位投与形態またはブリスターパックまたはブリスターカード上に直接印刷してよい。
【実施例】
【0070】
以下の実施例は非限定的であり、種々の発明の範囲うち単に代表的なものである。
【0071】
実施例1
一連の徐放型ナルトレキソン(5mg)配合物を調製した。各徐放型配合物は、「共通賦形剤」を含んだ。共通賦形剤のための配合物を表1に示す。表2に示す配合物は、徐放型担体または遅延賦形剤として、ヒドロキシプロピルメチルセルロースを含んだ。表3に示す配合物は、遅延賦形剤として、ポリエチレンオキシドを含んだ。
【0072】
共通賦形剤を作製するために、表1に列記した成分を、ケイ(Key)KG-5高せん断グラニュレータ(Key International, Englishtown, NJ)中に設置し、10%ヒドロキシプロピルセルロース(HPC)溶液で粒状化した。前記粒状化物を、2.71%の最終LODに室温で乾燥し、その後20メッシュふるいを通して選別した。
【0073】
ナルトレキソン配合物を製造するために、TURBULAミキサーを使用して、流動促進剤としてコロイド状二酸化ケイ素、放出延長ポリマー(例えばHPMCまたはポリエチレンオキシド(PolyOx)、ならびに共通賦形剤を活性医薬成分(API)と混合した。マグネシウムステアレートを、最終配合物に滑剤として添加した。
【0074】
5Kpハーネス(harness)を有する錠剤を圧縮し、錠剤の崩壊特性を測定した。使用した条件下で、前記5Kp錠剤は、USP水中で30分間以内に崩壊しなかった。したがって、カーバープレス(Carver press)に4分の1円形標準凹面用具を使用して、より高いハーネスを有する錠剤を9Kpまで圧縮した。
【0075】
を9Kpまで圧縮した錠剤を生産し、錠剤の特性を表4に列記した。
【0076】
【表1】
【0077】
【表2】
【0078】
【表3】
【0079】
【表4】
【0080】
以下の実施例は、上記の徐放型ナルトレキソン配合物の溶解プロフィールを記載する。
【0081】
実施例2
前記錠剤に対する溶解測定を、100rpmで、10メッシュバスケットを使用して完了した。サンプルを、280nmのλmaxで紫外線-可視光(UV-VIS)を使用して解析した。HPMC配合物またはPolyOx配合物に対する活性医薬成分(API)の溶解データを、それぞれ表5および表6に示す。HPMC配合物またはPolyOx配合物に対する活性医薬成分(API)の溶解データをまた、それぞれ図1および図2にも示す。
【0082】
【表5】
【0083】
【表6】
【0084】
実施例3
ここでその全文が参照して取り込まれる、2006年11月9日に提出された米国特許仮出願番号第60/865,157号に記載された三重層錠剤を作製するための一般方法にしたがって、表7から表9に列記される成分を使用して、徐放型ナルトレキソン三重層錠剤を作製した。徐放型ナルトレキソン配合物を、以下の成分と組み合わせて作製した。
【表7】
【0085】
そして、徐放型ナルトレキソン配合物は、10% HPMCを含む。ブプロピオン混合物を、以下の成分と組み合わせて作製してよい。
【表8】
【0086】
不活性層混合物を、以下の成分と組み合わせて作製した。
【表9】
【0087】
前記徐放型ナルトレキソン配合物、ブプロピオン混合物、および不活性層混合物を使用して、各錠剤が662.00mgであったように不活性層の反対側にナルトレキソンおよびブプロピオン層を有する150個の錠剤を形成した。錠剤はそれぞれ、11.94mgのナルトレキソン(13.22mgのナルトレキソンヒドロクロリド)を含んだ。
【0088】
錠剤のナルトレキソンの溶解データを表10に示す。溶解データを、図3にも表示する。
【表10】
【0089】
即時放出型ナルトレキソンおよび徐放型ナルトレキソンの単一中心二重盲検を、40人の健康で肥満したボランティアに対して実行した。
【0090】
被験者は、1対1の割合で、ナルトレキソン徐放型配合物または即時放出型配合物を受け取るようにランダム化された。被験者に、40mgのSR(徐放型)ナルトレキソンおよび36mgのIR(即時放出型)ナルトレキソンを投与した。被験者は、2連の期間のうち1回において徐放型配合物および即時放出型配合物を受け取るようにランダムに指定された:被験者の半分は、期間1で徐放型配合物を受け取った後、期間2で即時放出型配合物を受け取った;残りの被験者は、逆の順序で治療薬を受け取った。
【0091】
各期間における研究試薬の投与は、5日間の洗浄期間により分離された。連続血液サンプルを、投与前、ならびに投与の0.167、0.33、0.5、0.67、0.83、1、1.25、1.5、2、3、4、6、8、10、12、16、24、36、48、60、および72時間後に収集した。有効なLCMS/MS法により、ナルトレキソンおよび6-βナルトレキソールの濃度について、サンプルを解析した。自発的に収集された副作用に加えて、UKU副作用評定尺度(Side Effect Rating Scale)により評定された被験者を使用して、副作用の情報を収集した。尺度は、投与前、投与後8、24、72時間に処理された。
【0092】
濃度-時間データを、直接WinNonlin (Version 5.0, Pharsight Corporation)に取り込んだ。血管外投入に対するモデル200を使用したWinNonlinを使用する、無隔壁法により、データを解析した。
【0093】
データ要約および薬物動態解析の前に、BLLOQ(定量の下限以下)であった濃度-時間データを計算から排除した。計画された(通常の)サンプリング時間により、データを要約した。偏差が有意であると考えられれば、実際のサンプリング時間を使用した。
【0094】
各患者および各治療に対して、ナルトレキソンおよび6-βナルトレキソールの濃度に関して、以下の薬物動態パラメータを見積もった:
Cmax = 測定最大濃度
Tmax = 最大濃度に到達する時間
Ke = 対数線形回帰により見積もられる、最終速度定数
AUC(0-t) = 時間0から、定量化可能濃度(Ct)を有する最終サンプルの時間までの、線形台数公式により算出される、濃度経時曲線下の面積
AUC(0-∞) = AUC(0-t) + Ct/Keとして算出される、時間0から無限大まで外挿される、濃度経時曲線下の面積
T1/2 = Ln(2)/Keとして算出される、最終半減期。
【0095】
AUCを使用して、薬物吸収の程度を記載する。吸収の速度は、CmaxおよびTmaxにより特徴づけられる。KeおよびT1/2は、多くの物質に対して排泄過程により支配される、最終フェーズにおける動態を記載する。薬物動態パラメータを、全ての場合に対して見積もった。
【0096】
図4および図5はそれぞれ、ナルトレキソンIRを受け取る被験者における、およびナルトレキソンSRを受け取る被験者における、ナルトレキソンの個々の血漿濃度経時曲線を示す。図6および図7はそれぞれ、ナルトレキソンIRを受け取る被験者における、およびナルトレキソンSRを受け取る被験者における、6-βナルトレキソールの個々の血漿濃度経時曲線を示す。
【0097】
図8Aは、ナルトレキソンSR(丸)またはナルトレキソンIR(四角)を受け取る被験者における平均血漿濃度経時曲線を示す。図8Bは、全血漿濃度経時曲線を示す。曲線下の面積が両方の状態の間で匹敵しうる間にわたり、ナルトレキソンSRを受け取る患者よりも、ナルトレキソンIRを受け取る患者に対して、ナルトレキソンCmaxはより高い。これらの結果は、表11において標準化され定量化された投与量である。
【0098】
【表11】
【0099】
図9Aは、ナルトレキソンSR(丸)またはナルトレキソンIR(四角)を受け取る被験者における6-βナルトレキソールの平均血漿濃度経時曲線を示す。図9Bは、全血漿濃度経時曲線を示す。曲線下の面積が両方の状態の間で匹敵しうる間にわたり、ナルトレキソンSRを受け取る患者よりも、ナルトレキソンIRを受け取る患者に対して、6-βナルトレキソールCmaxはより高い。これらの結果は、表11において標準化され定量化された投与量である。
【0100】
表12は、ナルトレキソンSRを受け取る患者、およびナルトレキソンIRを受け取る患者により報告される副作用を提供する。それぞれの治療条件に対する患者に渡り、副作用を解析した。これらの結果を、表13に要約する。ナルトレキソンSRを受け取る個人は、ナルトレキソンIRを受け取る個人よりも、副作用を報告する傾向がより少なく(45%対48%)、また1つ以上の副作用を傾向がより少なかった(13%対23%)。
【0101】
【表12】
【0102】
【表13】
【0103】
図10は、UKU副作用評定尺度を使用する吐き気および嘔吐を報告する被験者の母集団を示す図表である。ナルトレキソンSRを受け取る個人は、ナルトレキソンIRを受け取る個人よりも、重篤な吐き気(スコア2またはそれ以上)を報告する傾向がより少なかった
【0104】
UKU副作用評定尺度を使用して報告される副作用の発生率が、自己報告よりも典型的には高いことを当業者は理解する。患者は、副作用を報告するよう促されたときに、副作用をより報告する傾向にあることが報告されている(Sheftell FD, Feleppa M, Tepper SJ, Rapoport AM, Ciannella L, Bigal ME. Assessment of adverse events associated with triptans-methods of assessment influence the results. Headache: The Journal of Head and Face Pain 44 (10), 978-982)。それゆえ、この実施例で使用された方法により取得された副作用の発生率は、実施例5に記載された方法により取得された副作用の発生率と直接比較されうるものではない。
【0105】
実施例5
ランダム化二重盲検並行多投与研究により、ナルトレキソンSR/ブプロピオンSR組み合わせ製品の薬物動態を、ナルトレキソンIR/ブプロピオンSR組み合わせ製品と比較した。
【0106】
ナルトレキソンSR/ブプロピオンSR群:各カプセルは、(実施例1に従って調整される)2.5個の5mgミニ錠剤の徐放型ナルトレキソン、および1個の90mgブプロピオンHCl SR錠剤(カプセルあたりナルトレキソンSR 12.5mg/ブプロピオンSR 90mgの総投与量)を含み、7日間にわたり、ナルトレキソンSR 37.5mg/ブプロピオンSR 270mgの1日総投与量に漸増させた。
【0107】
ナルトレキソンIR/ブプロピオンSR群:各カプセルは、1個の12mg徐放型ナルトレキソンHCl IR錠剤、および1個の90mgブプロピオンHCl SR錠剤(カプセルあたりナルトレキソンIR 12mg/ブプロピオンSR 90mgの総投与量)を含み、7日間にわたり、ナルトレキソンIR 36mg/ブプロピオンSR 270mgの1日総投与量に漸増させた。ナルトレキソンIR配合物を、REVIA(登録商標)ブランドのナルトレキソンヒドロクロリドに実質的に類似した薬物動態プロフィールを有するように配合した。
【0108】
健康で肥満したボランティアは、2種類の薬物投与のうち1種類をランダムに受け取った。総計60人の被験者が登録を予想され、59人の被験者が研究を完遂した。
【0109】
1日目(0.5、1、2、4、6、8、10、および12時間)に血液を採取し、トラフサンプルを8日目および15日目に採取した。各被験者から血漿サンプルを採取し、ナルトレキソン、6-βナルトレキソール、ブプロピオン、ヒドロキシブプロピオン、トレオヒドロキシブプロピオン、およびエリスロヒドロキシブプロピオン濃度を測定した。血漿サンプルを、ナルトレキソンおよび6-βナルトレキソールに対する、SFBCi / アナハイム確認法を使用して解析した。濃度-時間データを、直接WinNonlin (Version 5.0, Pharsight Corporation)に取り込んだ。血管外投入に対するモデル200を使用したWinNonlinを使用する、無隔壁法により、データを解析した。
【0110】
データ要約および薬物動態解析の前に、BLLOQであった濃度-時間データを計算から排除した。計画された(通常の)サンプリング時間により、データを要約した。偏差が有意であると考えられれば、実際のサンプリング時間を使用した。
【0111】
ここで測定される薬物動態パラメータは、当業者に既知である。組み合わせ製品の投与に対する特定の間隔で、血漿を回収した。血漿を解析して、化合物(例えば、ナルトレキソン)の濃度を測定した。Cmaxは、投与後における化合物の最大血漿濃度を示す。Tmaxは、化合物の最大血漿濃度(Cmax)である時間を示す。AUCは、投与後の時間の関数として、濃度の曲線下の面積を示す。AUClastは、最後に測定しうる濃度の時間まで、投与の時間からの血漿濃度の曲線下の面積を示す。
【0112】
表14および図11では、ナルトレキソンSRおよびブプロピオンSR(SR/SR;四角)を受け取る被験者に対して、ナルトレキソンIRおよびブプロピオンSR(IR/SR;丸)を受け取る被験者における平均ナルトレキソン血漿濃度が比較される。12 (IR)または12.5 (SR)の漸増計画の最初に、ナルトレキソンを1回投与することにより、最初、定量の下限以下(BLLOQ)である、最初の24時間の間、血漿濃度が生産される。
【0113】
【表14】
【0114】
表15および図12では、ナルトレキソンSRおよびブプロピオンSR(四角)を受け取る被験者における平均6-βナルトレキソール血漿濃度に対して、ナルトレキソンIRおよびブプロピオンSR(丸)を受け取る被験者における平均6-βナルトレキソール血漿濃度が比較される。SR/SR処理に関する血漿濃度は、投与後最初の数時間の間、IR/SR処理に関する血漿濃度よりも低い。表16で報告されるように、SR/SR処理は、IR/SR処理に比較して、より低いCmaxであるが、類似したAUCに関係する。
【0115】
【表15】
【0116】
【表16】
【0117】
図13および図14では、ナルトレキソンSRおよびブプロピオンSR(四角)の治療を受け取る被験者におけるナルトレキソンおよび6-βナルトレキソールのトラフ血漿濃度に対して、ナルトレキソンIRおよびブプロピオンSR(丸)を受け取る被験者におけるナルトレキソンおよび6-βナルトレキソールのトラフ血漿濃度がそれぞれ比較される。ナルトレキソンに関して、8日目および15日目のトラフレベルは、IR群の1人の被験者、およびSR群の2人の被験者を例外として、最初BLLOQであった。6-βナルトレキソールに関して、8日目および15日目のトラフレベルは、治療群の間で類似している。
【0118】
表17および図15では、ナルトレキソンSRおよびブプロピオンSR(四角)の治療を受け取る被験者における平均ブプロピオン血漿濃度に対して、ナルトレキソンIRおよびブプロピオンSR(丸)を受け取る被験者における平均ブプロピオン血漿濃度が比較される。血漿濃度プロフィールは、治療条件の間で類似している。
【0119】
【表17】
【0120】
表18から20、および図16から18では、ナルトレキソンSRおよびブプロピオンSR(四角)の治療を受け取る被験者に対して、ナルトレキソンIRおよびブプロピオンSR(丸)を受け取る被験者におけるヒドロキシブプロピオン、トレオヒドロキシブプロピオン、およびエリスロヒドロキシブプロピオンのブプロピオン代謝物の平均血漿濃度が比較される。血漿濃度プロフィールは、治療条件の間で類似している。
【0121】
【表18】
【0122】
【表19】
【0123】
【表20】
【0124】
表21により、2種類の治療条件に対するブプロピオンおよびブプロピオン代謝物のAUClastおよびCmax値が報告される。これらの値は、両方の治療の間で類似している。
【0125】
【表21】
【0126】
この解析に、副作用列記、ならびに投与記録を使用した。集計表、質問(QA'd)にデータを記入し、その後副作用の頻度、種々の作用を報告する被験者のパーセンテージ、漸増計画における最初の投与から開始する時間および日数が要約される。この実施例の、促進されれない方法を使用して取得される副作用の発生率は、実施例4の方法を使用して取得される副作用の発生率と、直接比較されうるものではない。
【0127】
表22に示されるように、いずれかの副作用を報告する被験者のパーセンテージは、SR群およびIR群に対して、それぞれ26%および30%であった。GI関連副作用を報告する被験者のパーセンテージは、SR群およびIR群に対して、それぞれ10%および16%であり;類似のパーセンテージが、CNS関連副作用を報告する被験者に対して観察された。SR群(2/30、6.6%)よりも、IR群(6/30、20%)において、1つより多い副作用を、より多くの被験者が報告した。最後に、SR群(16.7%)と比較して、IR群(30.7%)において、重篤度が中程度またはより重度である副作用を、より多くの被験者が報告した。
【0128】
【表22】
【0129】
それゆえ、ブプロピオンと徐放型ナルトレキソンを受け取る群は、ブプロピオンと即効性ナルトレキソンを受け取る群よりも、より副作用を受ける傾向が少なかった。さらに、ブプロピオンと徐放型ナルトレキソンを受け取る群から報告される副作用は、即効性ナルトレキソン群から報告されるものよりも、より重篤度が低かった。
【0130】
4人の被験者が、研究から同意を取り下げた;副作用により研究を完遂しなかったとしてあげられる被験者はいない。これらの被験者は、提示された計算から除外されていない。4人の被験者のうち3人が副作用を報告したが、その副作用が報告された日に脱落した被験者はいなかった。被験者のうち3人はIRを受け取っており、4人目はSRを受け取っていた。
【0131】
1人の陶酔感の発生、および1人の胃けいれんの発生(両方とも中程度)を例外として、SR群における全ての副作用(n = 12)は、軽度なものであると報告された。ほとんどの副作用は、軽度なものであると報告された。5回のGI関連(嘔吐、胃痛、吐き気)副作用、および3回の中程度として記載されるCNS関連(頭痛、倦怠感)副作用が存在した。
【0132】
当業者であれば、無数のおよび種々の改変を、本発明の範囲から逸脱することなく行うことができることを理解するであろう。それゆえ、本発明の形態は、単に例示的なものであり、本発明の範囲を制限することを意図されないことが理解されるべきである。
【技術分野】
【0001】
本出願は2006年6月5日に出願された米国仮特許出願第60/811251号、および2006年8月29日に出願された米国仮特許出願第60/841114号の利益を主張し、その両方の内容の全てはここに含まれる。
【0002】
本発明は、徐放型オピオイドレセプターアンタゴニストを含む医薬組成物、ならびにその投与および使用に関する。
【背景技術】
【0003】
肥満は西洋社会で主要な健康問題である。米国で約9300万人の大人が過重体重または肥満であると見積もられている。疫学的研究によれば、過体重および肥満の程度が増加することは、寿命が減少することの重要な予兆であることが示されてきている。肥満は多くの健康問題を、独立に、および他の疾患と関連して両方で引き起こす、または加速させる。肥満に関連する医学問題は、深刻で生命を脅かすものであるが、高血圧;2型糖尿病;血漿インスリン濃度の上昇;インスリン抵抗性;脂質異常症;過剰脂質;子宮内膜癌、乳癌、前立腺癌、および結腸癌;変形性関節症;閉塞性睡眠時無呼吸のような呼吸合併症;胆石症;胆石;動脈硬化;心臓疾患;異常心拍;ならびに心不整脈(Kopelman, P. G., Nature 404, 635-643 (2000))を含む。さらに肥満は、早死に、ならびに卒中、心筋梗塞、うっ血性心不全、冠状動脈性心臓病および突然死による死亡および発病に関連する。
【0004】
肥満はしばしば、食事の摂取を減らすことにより、または運同レベルを増加させることにより、それゆえ患者のエネルギーの支出を増大させることにより体重を減らすよう、患者を励ますことにより治療される。体重の5%から10%の持続的な喪失は、糖尿病および高血圧のような肥満に関連する共疾病率を改善すること、ならびに変形性関節症、睡眠時無呼吸、および心臓肺機能不全のような肥満関連状態の改善につながることが示されている。
【0005】
ナルトレキソン(Naltrexone)は、化学名17-(シクロプロピルメチル)-4,5α- エポキシ-3,14-ジヒドロキシモルヒナン-6-オン、化学構造は以下に示すが、アルコール依存症およびオピオイド依存症の管理に元々使用されているオピオイドレセプターアンタゴニストである。
【化1】
【0006】
経口投与のためのナルトレキソンは、例えば商標名REVIA(登録商標)(50mg)およびDEP ADE(登録商標)(25mg、50mgおよび100mg)で、塩酸塩であるナルトレキソンヒドロクロリドとして種々の供給源から数年にわたって市販されている。経口ナルトレキソンの現在の改良形態は、72時間ごとに1度のように、まれに服用されるときでさえ有効である即時放出型配合物である。例えば、ナルトレキソンヒドロクロリドのDEP ADE(登録商標)ブランドの標識は、ナルトレキソンが長期的な薬剤効果(24時間から72時間)を有する潜在的オピオイドアンタゴニストであり、毎日1回50mgの服用を推薦することを示している。ナルトレキソンヒドロクロリド50mgが、静脈注射で投与されるヘロイン25mgの医薬効果を24時間にわたって阻害することを、臨床研究が示していることをDEP ADE(登録商標)標識は開示している。ナルトレキソンヒドロクロリドの投与量を倍加することにより48時間の阻害が、ナルトレキソンヒドロクロリドの投与量を倍加することにより約72時間の阻害がもたらされることが、他のデータにより示唆されていることをDEP ADE(登録商標)標識は、示し続けている。それゆえ、経口投与後、血清濃度のピークに急速に(およそ1時間のTmax)到達するにも関わらず、ナルトレキソンの即時放出型形態は相対的に長く効果が持続する。
【0007】
経口ナルトレキソンの即時放出型形態の長期持続効果を使用して、1日1回以下、例えば1日おき、または3日おきの服用頻度を用いることで患者のコンプライアンスを促進してよい。例えば、DEP ADE(登録商標)標識により、服用レジメンに対する柔軟なアプローチを使用して、コンプライアンスを向上させてよいことが示される。そして、DEP ADE(登録商標)標識により、平日の毎日にナルトレキソンヒドロクロリド50mg、土曜日に100mgを患者は受け取ってよく、あるいは1日おきに100mgを、または2日おきに150mgを患者は受け取ってよいことが開示される。DEPADE(登録商標)標識により、以下の投与レジメンを使用した文献において報告された臨床研究が言及される:月曜に100mg、水曜に100mg、および金曜に150mg。そして、即時放出型経口形態により、アルコールまたはオピオイドを不正使用する誘惑がより小さいであろうとき(例えば1週間の間)に一度に、相対的に大きい投与量のナルトレキソンを、患者はとり、誘惑がより大きいであろうとき(例えば1週間以降)まで効果が継続することができる。
【0008】
7日から10日以上の間オピオイドを摂取していないことが知られる患者におけるプラセボ対照試験での苦情を顕著に増大させることは示されていなかったことが、ナルトレキソンが、DEP ADE(登録商標)標識により示される。即時放出型経口形態ナルトレキソンを25mgまたは50mg投与量、最初に投与することにより患者母集団の一部が吐き気を報告したにもかかわらず、それらの患者が耐性を増大させるにつれ、吐き気がおさまる事がしばしばある。DEP ADE(登録商標)標識により、アルコール依存症を伴い、ナルトレキソン受け取るおよそ570個体オープン標識安全性研究において、患者の2%またはそれ以上で、以下の新たに開始された副作用が発生した:吐き気 (10%)、頭痛(7%)、めまい(4%)、不安(4%)、疲労(4%)、不眠(3%)、嘔吐(3%)、不安(2%)、傾眠(2%)。最初の25mg投与後、10週間の間毎日50mgの投与量を含む、ナルトレキソンの10週間オープン標識安全性研究において、アルコール依存症の参加者のうち、18患者(15%)により中程度から重度の吐き気が報告された(O'Malley, S.S. J. Clin. Psychopharmacol. 2000 Feb;20(l):69-76)。中程度から重度の吐き気を経験した18患者のうち8人は治療を中止し、5被験者で1週間以内に、4被験者で2週間以内に吐き気は消散し、1被験者で10週間の間を通して吐き気が断続的に継続した。著者らは、中程度から重度の吐き気を、治療の間におけるより貧弱な治療コンプライアンスおよび重度の飲酒に関連付けた。
【0009】
複数の患者が即時放出型経口形態ナルトレキソン25mgまたは50mg投与量の投与による副作用を経験する一方、副作用は相対的に短期間の間に納まることがしばしばあり、多くの患者が顕著に高い経口投与、例えば100mgまたは150mgに耐性であることができるようであった。1ヶ月に1回注射可能なナルトレキソンの形態は、アルコール依存症を治療するための商標名VIVITROL(登録商標)として市販されている。VIVITROL(登録商標)を最初に注射した後、患者は吐き気を催すかもしれないこと;これらの吐き気の発作は、注射後数日中に緩和し、治まる傾向があること、ならびに患者は後に続く注射では吐き気を催すことが少なくなる傾向にあることが、患者に忠告されるべきであることが、VIVITROL(登録商標)の処方情報により示される。
【0010】
米国特許公報2004/0254208 A1号は、ナルトレキソンを、体重を減少させる効果のための他の化合物と組み合わせて使用することを開示しているが、その組み合わせに関する特定の副作用は全く開示していない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0011】
【特許文献1】米国仮特許出願第60/811251号
【特許文献2】米国仮特許出願第60/841114号
【特許文献3】米国特許公報2004/0254208 A1号
【特許文献4】米国特許仮出願番号第60/865,157号
【0012】
【非特許文献1】Kopelman, P. G., Nature 404, 635-643 (2000)
【非特許文献2】O'Malley, S.S. J. Clin. Psychopharmacol. 2000 Feb;20(l):69-76
【非特許文献3】United States Pharmacopeia 24th edition (2000) (USP 24), pp. 1941-1943
【非特許文献4】Validation of a High Performance Liquid Chromatographic Method Using Tandem Mass Spectrometry Lithium Heparinized Plasma
【非特許文献5】Remington: The Science and Practice of Pharmacy (20th ed, Lippincott Williams & Wilkens Publishers (2003)
【非特許文献6】Sheftell FD, Feleppa M, Tepper SJ, Rapoport AM, Ciannella L, Bigal ME. Assessment of adverse events associated with triptans-methods of assessment influence the results. Headache: The Journal of Head and Face Pain 44 (10), 978-982
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0013】
発明の概要
ナルトレキソンと、ブプロピオンおよび/またはフルオキセチンの共投与に関する副作用が、予想外に高頻度で発生することは、現在問題点として同定されている。例えば、以下で詳細に記載される臨床試験の間、即時放出型ナルトレキソンとブプロピオンの共投与に関する中程度の副作用が発生する頻度は30.7%であった。この副作用の頻度は、即時放出型ナルトレキソン単独またはブプロピオン単独の投与に関する副作用の典型的な頻度に基づき予測されるよりも顕著に高いものであった。
【課題を解決するための手段】
【0014】
ある実施態様において、この問題に解決をもたらす徐放型ナルトレキソン配合物が現在開発されている。
【0015】
ある実施態様では、少なくとも1つの副作用における軽減をもたらすための徐放型ナルトレキソン配合物を含み、即時放出型ナルトレキソン配合物および第二の化合物の共投与に前記副作用が関する、経口投与形態が提供される。ある実施態様において、第二の化合物は、ブプロピオンまたはフルオキセチンのような、モノアミン再摂取インヒビターを含む。他の実施態様では、例えば体重減少をもたらす、および/または体重増加を阻害するように、徐放型ナルトレキソン配合物を被験者に投与することを含む、ナルトレキソンを投与する方法が提供される。
【0016】
他の実施態様では、投与後、以下から選択されるものを少なくとも1つ含む、in vivo血漿濃度プロフィールを提供するために効果的な徐放型ナルトレキソン配合物を含む、経口単位投与形態が提供される:
(a) REVIA(登録商標)即時放出型ナルトレキソンヒドロクロリドのナルトレキソンCmaxの約80%またはそれより小さいナルトレキソンCmax、ならびにREVIA(登録商標)即時放出型ナルトレキソンヒドロクロリドのナルトレキソンAUClastの約80%から約125%の範囲であるナルトレキソンAUClast;および
(b) REVIA(登録商標)即時放出型ナルトレキソンヒドロクロリドの6-βナルトレキソールCmaxの約80%またはそれより小さい6-βナルトレキソールCmax、ならびにREVIA(登録商標)即時放出型ナルトレキソンヒドロクロリドの6-βナルトレキソールAUClastの約80%から約125%の範囲である6-βナルトレキソールAUClast。
【0017】
他の実施態様では、ナルトレキソンまたは薬剤として許容しうるその塩、および徐放型担体組成物を含む経口投与形態が提供され、前記経口投与形態は、約4時間の間に約90%より小さいナルトレキソンまたは薬剤として許容しうるその塩のin vitro放出速度を提供する。
【0018】
他の実施態様では、ここに記載される徐放型ナルトレキソン配合物を投与する方法が提供される。例えば、ある実施態様では、以下から選択されるものを少なくとも1つ含む、in vivo血漿濃度プロフィールを提供するために効果的な量の徐放型ナルトレキソン配合物を被験者に投与することを含む、ナルトレキソンを投与する方法が提供される:
(a) REVIA(登録商標)即時放出型ナルトレキソンヒドロクロリドのナルトレキソンCmaxの約80%またはそれより小さいナルトレキソンCmax、ならびにREVIA(登録商標)即時放出型ナルトレキソンヒドロクロリドのナルトレキソンAUClastの約80%から約125%の範囲であるナルトレキソンAUClast;および
(b) REVIA(登録商標)即時放出型ナルトレキソンヒドロクロリドの6-βナルトレキソールCmaxの約80%またはそれより小さい6-βナルトレキソールCmax、ならびにREVIA(登録商標)即時放出型ナルトレキソンヒドロクロリドの6-βナルトレキソールAUClastの約80%から約125%の範囲である6-βナルトレキソールAUClast。
【発明の効果】
【0019】
ある実施態様では、ここに記載される徐放型ナルトレキソン配合物は、例えば体重減少をもたらす、および/または体重増加を阻害するように、体重関連状態を治療するために有効であるように、被験者に投与される。
【0020】
これらの、および他の実施態様が以下でより詳細に記載される。
【図面の簡単な説明】
【0021】
【図1】ポリエチレンオキシドを含む徐放型ナルトレキソン5mg錠剤の溶解プロフィールを示す。
【図2】ヒドロキシプロピルメチルセルロースを含む徐放型ナルトレキソン5mg錠剤の溶解プロフィールを示す。
【図3】ヒドロキシプロピルメチルセルロースを含む徐放型ナルトレキソン5mg錠剤の溶解プロフィールを示す。
【図4】ナルトレキソンIRを受け取る被験者におけるナルトレキソンの個別血漿濃度経時曲線を示す。
【図5】ナルトレキソンSRを受け取る被験者におけるナルトレキソンの個別血漿濃度経時曲線を示す。
【図6】ナルトレキソンIRを受け取る被験者における6-βナルトレキソールの個別血漿濃度経時曲線を示す。
【図7】ナルトレキソンSRを受け取る被験者における6-βナルトレキソールの個別血漿濃度経時曲線を示す。
【図8A】2つの時間尺度にわたる、ナルトレキソンSR(丸)またはナルトレキソンIR(四角)を受け取る被験者におけるナルトレキソンの平均血漿濃度経時曲線を示す。
【図8B】2つの時間尺度にわたる、ナルトレキソンSR(丸)またはナルトレキソンIR(四角)を受け取る被験者におけるナルトレキソンの平均血漿濃度経時曲線を示す。
【図9A】2つの時間尺度にわたる、ナルトレキソンSR(丸)またはナルトレキソンIR(四角)を受け取る被験者における6-βナルトレキソールの平均血漿濃度経時曲線を示す。
【図9B】2つの時間尺度にわたる、ナルトレキソンSR(丸)またはナルトレキソンIR(四角)を受け取る被験者における6-βナルトレキソールの平均血漿濃度経時曲線を示す。
【図10】UKU副作用評定尺度を使用する吐き気および嘔吐を報告する被験者の母集団を示す図表である。
【図11】ブプロピオンSRと組み合わせてナルトレキソンIR(丸)を、またはブプロピオンSRと組み合わせてナルトレキソンSR(四角)を受け取る被験者におけるナルトレキソンの平均血漿濃度を示す。
【図12】ブプロピオンSRと組み合わせてナルトレキソンIR(丸)を、またはブプロピオンSRと組み合わせてナルトレキソンSR(四角)を受け取る被験者における6-βナルトレキソールの平均血漿濃度を示す。
【図13】ブプロピオンSRと組み合わせてナルトレキソンIR(丸)を、またはブプロピオンSRと組み合わせてナルトレキソンSR(四角)を受け取る被験者におけるナルトレキソンの平均トラフ血漿濃度を示す。
【図14】ブプロピオンSRと組み合わせてナルトレキソンIR(丸)を、またはブプロピオンSRと組み合わせてナルトレキソンSR(四角)を受け取る被験者における6-βナルトレキソールの平均トラフ血漿濃度を示す。
【図15】ナルトレキソンSR(丸)と組み合わせて、またはナルトレキソンIR(四角)と組み合わせてブプロピオンSRを受け取る被験者におけるブプロピオンの平均血漿濃度を示す。
【図16】ナルトレキソンSR(丸)と組み合わせて、またはナルトレキソンIR(四角)と組み合わせてブプロピオンSRを受け取る被験者におけるブプロピオン代謝物ヒドロキシブプロピオンの平均血漿濃度を示す。
【図17】ナルトレキソンSR(丸)と組み合わせて、またはナルトレキソンIR(四角)と組み合わせてブプロピオンSRを受け取る被験者におけるブプロピオン代謝物トレオヒドロキシブプロピオンの平均血漿濃度を示す。
【図18】ナルトレキソンSR(丸)と組み合わせて、またはナルトレキソンIR(四角)と組み合わせてブプロピオンSRを受け取る被験者におけるブプロピオン代謝物エリスロヒドロキシブプロピオンの平均血漿濃度を示す。
【発明を実施するための形態】
【0022】
好ましい実施態様の詳細な記述
種々の実施態様により、徐放型ナルトレキソン配合物を含む経口投与形態が提供される。第二の化合物と徐放型ナルトレキソン配合物を共投与することにより、第二の化合物と即時放出型ナルトレキソン配合物の共投与に比べて、少なくとも1つの副作用における軽減が提供されてよい。第二の化合物は、ブプロピオンまたは薬剤として許容しうるその塩、あるいはフルオキセチンまたは薬剤として許容しうるその塩のような、モノアミン再摂取インヒビターであってよい。前記なくとも1つの副作用は、吐き気を含んでよい。
【0023】
徐放型ナルトレキソン配合物により、ナルトレキソンCmaxおよび/または前記ナルトレキソンCmaxの約80%またはそれより小さい6-βナルトレキソールCmax、ならびに/あるいはREVIA(登録商標)即時放出型ナルトレキソンヒドロクロリドの6-βナルトレキソールCmaxが提供されてよい。徐放型ナルトレキソン配合物により、ナルトレキソンAUClastおよび/または前記ナルトレキソンAUClastの約80%から約125%の範囲である6-βナルトレキソールAUClast、ならびに/あるいはEVIA(登録商標)即時放出型ナルトレキソンヒドロクロリドの6-βナルトレキソールAUClastが提供されてよい。
【0024】
定義
「ナルトレキソン」の語は、ナルトレキソンの遊離塩基、(水和物および無水物形態、例えば、ナルトレキソンヒドロクロリド二水和物、および無水ナルトレキソンヒドロクロリドを含む)薬剤として許容しうるナルトレキソン塩、ナルトレキソン代謝物、ナルトレキソン異性体、ナルトレキソンプロドラッグ、ならびにこれらの混合物を一般的な意味で指すために使用されてよい。ここで「ナルトレキソン」の語は、文脈が明確に他の物を示さない限り、全てのそのような形態を包含するものとして理解されるであろう。
【0025】
「薬剤として許容しうる塩」の語は、投与される生物に明確な炎症をもたらさず、化合物の生物学的活性および特性を無効にしない化合物の配合物を指す。塩酸、臭化水素酸、硫酸、硝酸、リン酸、メタンスルホン酸、エタンスルホン酸、p-トルエンスルホン酸、サリチル酸などのような酸と化合物を反応させることにより、塩基性化合物の薬剤塩を取得することができる。例えば、ナルトレキソンヒドロクロリドはナルトレキソンの薬剤として許容しうる塩である。化合物を塩基と反応させ、アンモニウム塩のような塩、ナトリウム塩またはカリウム塩のようなアルカリ金属塩、カルシウム塩またはマグネシウム塩のようなアルカリ土類金属塩、ジシクロヘキシルアミン、N-メチル-D-グルカミン、トリス(ヒドロキシメチル)メチルアミンのような有機塩基の塩、ならびにアルギニン、リジンなどのアミノ酸を有するそれらの塩を形成させ、酸性化合物の薬剤塩を取得することができる。
【0026】
「経口投与形態」の語は、当業者に理解されるような通常の意味を有するものとして使用され、それゆえ、非限定的な例として、ヒトに投与できる形態にある薬剤または薬剤群の配合物を含む。本発明の例示的な実施態様は、錠剤、コア、カプセル、カプレット、および遊離粉末(loose powder)のような経口投与形態を第一に対象として記載されているが、溶液および懸濁液のような他の適切な投与形態もまた考慮される。
【0027】
「徐放」の語は、当業者に理解されるような通常の意味を有するものとして使用され、それゆえ、非限定的な例として、長期間にわたる投与形態からの薬物の制御された放出を含む。例えば、複数の実施態様において、徐放型投与形態は、比較される即時放出型形態よりも実質的に長い放出速度、例えば即時放出型形態の放出速度の125% よりも長い放出速度を有するものである。
【0028】
「即効」の語は、当業者に理解されるような通常の意味を有するものとして使用され、それゆえ、非限定的な例として、投与後相対的に短い期間における投与形態からの薬剤の放出を含む。ナルトレキソンヒドロクロリドの即効投与形態の例は、REVIA(登録商標)即時放出型ナルトレキソンヒドロクロリドおよびDEPADE(登録商標)即時放出型ナルトレキソンヒドロクロリドを含む。複数の実施態様において、即効投与形態は、REVIA(登録商標)即時放出型ナルトレキソンヒドロクロリドおよびDEPADE(登録商標)即時放出型ナルトレキソンヒドロクロリドのうち1つまたはそれ以上に対して125%以下である放出速度を有するものである。REVIA(登録商標)即時放出型ナルトレキソンヒドロクロリドは、50mg投与形態であってよい。DEPADE(登録商標)即時放出型ナルトレキソンヒドロクロリドは、25mg、50mgまたは100mg投与形態であってよい。ここで、即時放出型配合物はREVIA(登録商標)即時放出型ナルトレキソンヒドロクロリドを指してよい。複数の実施態様において、即時放出型配合物の投与量は、ここで記載される徐放型投与量と実質的に同一である一方、別の実施態様では同一ではない。
【0029】
「放出速度」の語は、当業者に理解されるような通常の意味を有するものとして使用され、それゆえ、非限定的な例として、in vitroまたはin vivo試験により定義される、単位時間当たり放出される活性成分の量に関する特徴を含む。in vitro放出速度は、United States Pharmacopeia 24th edition (2000) (USP 24), pp. 1941-1943に従って実施される「標準溶解試験」により測定され、軸回転速度100rpmで、そこに記載された装置2、および水である溶解媒体を37 °Cで使用し、あるいは実質的にそれに同等である他の試験条件を使用する。
【0030】
「薬物動態プロフィール」の語は、当業者に理解されるような通常の意味を有するものとして使用され、それゆえ、非限定的な例として、被験者に薬物を投与した後、長期にわたって薬物の血漿濃度を測定する結果である曲線の特徴を含む。それゆえ薬物動態プロフィールは、適切な患者母集団に投与される際に、特定の薬剤または投与形態の薬物動態を特徴づけるために使用することができる、薬物動態パラメータ、または一組のパラメータ群を含む。血漿濃度の経時曲線下の面積(AUC)、および投与後の最大血漿濃度(Cmax)を含む、種々の薬物動態パラメータが当業者に知られている。AUClastは、投与時間から測定可能な濃度が持続する時間までの血漿濃度の経時曲線下の面積を示す。当業者に既知の種々のやり方、例えば単独投与または定常状態で薬物動態パラメータを測定してよい。薬物動態パラメータ(例えばCmax)のうち1つまたは複数における差異が、2つの配合物の間の薬物動態差異を示してよい。
【0031】
例えばここで説明される実施例に記載されるような、当業者に知られ、受け入れられる臨床試験方法を使用して、参照標準に対する比較により、薬物動態パラメータを測定してよいことを、当業者は理解するであろう。患者ごとに薬物の動態は変動する可能性があるので、そのような臨床試験は、一般に複数の患者、および結果のデータの適切な統計解析(典型的には90%信頼性のANOVA)を含む。薬物動態パラメータの比較は、当業者が理解するように、投与量調節基準に基づく。
【0032】
ここで記載される徐放型ナルトレキソン配合物に関する種々の実施態様において、参照標準は即時放出型ナルトレキソン配合物である。薬物動態パラメータを測定する際に参照標準として使用するために適切な即時放出型ナルトレキソン配合物は、REVIA(登録商標)即時放出型ナルトレキソンヒドロクロリドとして広く市販されている汎用即時放出型ナルトレキソン配合物、またはREVIA(登録商標)ブランドのナルトレキソンヒドロクロリドに実質的に類似した薬物動態パラメータを有する即時放出型ナルトレキソン配合物であることを、当業者は理解するであろう。米国政府は処方薬を標識するやり方を規制しており、それゆえここでREVIA(登録商標)ブランドのナルトレキソンヒドロクロリドの語は当業者に既知で、固定され明確な意味を有する。
【0033】
ナルトレキソンおよび第二の化合物の共投与
複数の実施態様において、第二の化合物とともに即時放出型ナルトレキソンを共投与することが、少なくとも1つの副作用に関連してよいことが認識される。少なくとも1つの副作用は、即時放出型ナルトレキソンおよび第二の化合物を別々に投与することにより、予測されるよりもより重篤で、より継続し、および/またはより発生頻度が高くあってよい。複数の実施態様において第二の化合物は、化学レセプター誘発帯(CTZ) および/または嘔吐中枢においてナルトレキソン誘導効果を強化し、それによりナルトレキソンを投与することに関する副作用を強化する可能性があると考えられる。副作用が一般に、ナルトレキソンを単独で投与した際に耐性であることに特徴づけられてよい一方、強化される副作用がより耐性が低いことに特徴づけられてよい。
【0034】
第二の化合物とともに徐放型ナルトレキソンを共投与することにより、第二の化合物とともに即時放出型ナルトレキソンを共投与することに比較して、少なくとも1つの副作用の軽減をもたらしてよい。前記軽減は、少なくとも1つの副作用の重篤度、継続性、および/または発生頻度の軽減を含んでよい。複数の場合、例えば個々の患者を含んで、そのような軽減を、即時放出型の既知の副作用に照らして、当業者が予測するであろう副作用と比較してよく、それゆえ、そのような副作用の軽減から恩恵を受けるために、即時放出型からの副作用を患者が実際に経験する必要はない。いかなる理論に制限されることを望まないが、前記少なくとも1つの副作用における軽減は、即時放出型ナルトレキソンを投与することに関するナルトレキソンまたはその代謝物の血中濃度に比較して、徐放型ナルトレキソンを投与することに関するナルトレキソンまたはその代謝物の血中濃度のより低いピークの結果であってよい。より長い期間にわたって溶解する徐放型のナルトレキソンにより、脳の最後野における化学レセプター誘発帯および嘔吐中枢(VC)に対する興奮、アンタゴニズム、および/または阻害の軽減がもたらされてよい。さらに、徐放型経口投与は、胃のオピオイドレセプターにより取り込まれることが可能な低濃度となってよい。
【0035】
複数の実施態様において、少なくとも1つの副作用は第一に、第二の化合物の投与に関わるものである。徐放型ナルトレキソンを共投与することにより、少なくとも1つの副作用を軽減することができる。他の実施態様において、前記少なくとも1つの副作用は第一に、即時放出型ナルトレキソンの投与に関わるものである。徐放型ナルトレキソンにより、即時放出型配合物に比較して少なくとも1つの副作用における軽減をもたらすことができ、そして徐放型ナルトレキソンを第二の化合物とともに共投与されてよい。さらに別の実施態様において、前記少なくとも1つの副作用は第一に、第二の化合物および即時放出型ナルトレキソンの組み合わせに関わるものである。前記組み合わせにかかわる副作用の型は、ナルトレキソン単独投与に関連して、および/または第二の化合物単独投与によるものであってよい。副作用の重篤度、継続性、および/または発生頻度は、即時放出型ナルトレキソンおよび第二の化合物の別々の投与から予測されるよりも、即時放出型ナルトレキソンが第二の化合物と共投与されるときにより大きくてよい。徐放型ナルトレキソンおよび第二の化合物を共投与することにより、即時放出型ナルトレキソンおよび第二の化合物を共投与することに比べて、前記少なくとも1つの副作用において軽減をもたらすことができる。
【0036】
前記即時放出型ナルトレキソンは、REVIA(登録商標)即時放出型ナルトレキソンヒドロクロリドを含んでよい。即時放出型ナルトレキソンにおけるナルトレキソンの投与量は、徐放型ナルトレキソンにおける投与量よりも実質的に小さくてよい。ある実施態様において、即時放出型ナルトレキソンは、徐放型担体組成物を実質的に含まないものである。
【0037】
前記第二の化合物は、抗うつ剤を含んでよい。前記第二の化合物は、モノアミン再摂取インヒビターおよび/またはモノアミンモジュレーターを含んでよい。モノアミンは、ノルエピネフェリン、ドーパミン、および/またはセロトニンを含んでよい。前記第二の化合物は、ドーパミン再摂取インヒビターおよび/またはドーパミンモジュレーターを含んでよい。ドーパミンモジュレーションは、セロトニンモジュレーションの効果であってよい。前記第二の化合物は、選択的セロトニン再摂取インヒビターおよび/またはセロトニンモジュレーターを含んでよい。前記第二の化合物は、外側髄板網様体における化学レセプター誘発帯(CTZ) および/または嘔吐中枢に作用する化合物を含んでよい。前記第二の化合物は、ブプロピオンまたは薬剤として許容しうるその塩、ならびに/あるいはフルオキセチンまたは薬剤として許容しうるその塩を含んでよい。薬剤として許容しうる塩は、塩酸塩を含んでよい。前記第二の化合物は、徐放型配合物であってよい。
【0038】
徐放型ナルトレキソンは、経口投与形態で提供されてよい。複数の実施態様において、経口投与形態はまた第二の化合物を含んでよい一方、他の実施態様においては含まなくてよい。
【0039】
第二の化合物と即時放出型ナルトレキソンまたは徐放型ナルトレキソンの共投与は、ナルトレキソンおよび第二の化合物の両方を含む経口投与形態を含んでよい。前記共投与は、ナルトレキソンおよび第二の化合物を、別々だが実質的に同時に投与することを含んでよい。前記共投与は、ナルトレキソンおよび第二の化合物を、異なる時間(例えば異なる服用スケジュール)で投与するが、第一の閾値より上のナルトレキソンまたはナルトレキソン代謝物濃度、ならびに第二の閾値より上の第二の化合物または第二の化合物の代謝物を血漿が同時に含むような投与を含んでよい。これらの閾値は最低の検知レベル(例えば、ゼロ)であってよい。例えばナルトレキソン配合物のin vivoのTmaxまたは溶解速度が、第二の化合物のものと実質的に異なっているならば、後者の共投与が適切であってよい。
【0040】
前記少なくとも1つの副作用は、化学レセプター誘発帯(CTZ) および/または嘔吐中枢に関する効果を含んでよい。複数の実施態様において、前記少なくとも1つの副作用は、吐き気、吐気、眩暈、胃の不調、めまい、および嘔吐のうち1つまたは複数を含む。前記少なくとも1つの副作用は、不安、緊張感、頭痛、睡眠障害、くしゃみ、鼻閉、筋肉痛、性的機能または欲求の低下、視力障害、のどの渇き、耳なり、脱力、疲労感、皮膚発疹、混乱、気分の変化、幻覚、重度の下痢、および呼吸困難のうち1つまたは複数を含んでよい。
【0041】
前記少なくとも1つの副作用は、体重減少治療に関わるものであってよい。前記体重減少治療は、例えば非定型抗精神病薬、抗うつ剤、モノアミン再摂取インヒビター、モノアミンモジュレーター、ノルエピネフェリン再摂取インヒビター、ドーパミン再摂取インヒビターおよび/またはニコチン性アンタゴニストのうち1つまたは複数の投与を含んでよい。前記体重減少治療は、ブプロピオンまたは薬剤として許容しうるその塩、ならびに/あるいはフルオキセチンまたは薬剤として許容しうるその塩の投与を含んでよい。前記体重減少治療は、ナルトレキソンの投与を含んでよい。複数の実施態様において、徐放型ナルトレキソン投与形態は、体重減少治療の1つまたは複数の非ナルトレキソン活性成分に部分的に、または全体的に、原因がある1つまたは複数の副作用を軽減させる結果をもたらす。複数の実施態様において、徐放型ナルトレキソン投与形態は、体重減少治療のナルトレキソン活性成分に部分的に、または全体的に、原因がある1つまたは複数の副作用を軽減させる結果をもたらす。
【0042】
徐放型ナルトレキソン配合物の薬物動態プロフィール
複数の実施態様において、徐放型ナルトレキソン配合物は、即時放出型ナルトレキソン配合物(例えばREVIA(登録商標)即時放出型ナルトレキソンヒドロクロリド)と薬物動態的に異なる薬物動態プロフィールを提供する。薬物動態的差異は、即時放出型および徐放型ナルトレキソン配合物に関するCmax値の間の違いによるものであってよい。徐放型ナルトレキソン配合物は、即時放出型ナルトレキソン配合物(例えばREVIA(登録商標)即時放出型ナルトレキソンヒドロクロリド)のナルトレキソンCmaxおよび/または6-βナルトレキソールCmaxの約80%またはそれ以下であるナルトレキソンCmaxおよび/または6-βナルトレキソールCmaxを提供してよい。
【0043】
複数の実施態様において、徐放型ナルトレキソン配合物は、即時放出型ナルトレキソン配合物(例えばREVIA(登録商標)即時放出型ナルトレキソンヒドロクロリド)のナルトレキソンAUClastおよび/または6-βナルトレキソールAUClastに実質的に類似した(例えば約80%から約125%の)ナルトレキソンAUClastおよび/または6-βナルトレキソールAUClastを提供する。
【0044】
複数の実施態様において、即時放出型ナルトレキソン配合物のナルトレキソン投与量は、徐放型ナルトレキソン配合物のナルトレキソン投与量と実質的に同じである。即時放出型および徐放型ナルトレキソン配合物のCmax値が異なる複数の実施態様において、徐放型ナルトレキソン配合物のナルトレキソン投与量は、徐放型ナルトレキソン配合物のナルトレキソンAUClastおよび/または6-βナルトレキソールAUClastに実質的に類似した(例えば約80%から約125%の)ナルトレキソンAUClastおよび/または6-βナルトレキソールAUClastを提供する投与量として同定される。
【0045】
前記薬物動態プロフィールは、前記投与形態により生み出される効果および/または副作用の軽減に関係してよい。例えば、徐放型ナルトレキソン配合物は、実質的に類似したナルトレキソンおよび/または6-βナルトレキソールAUClastにより、即時放出型ナルトレキソン配合物に比較して、実質的に類似したまたは改善した有効性を生み出してよい。別の例として、徐放型ナルトレキソン配合物は、より低いナルトレキソンおよび/または6-βナルトレキソールCmaxにより、即時放出型ナルトレキソン配合物に比較して、副作用の軽減を提供してよい。
【0046】
薬物動態プロフィールを、徐放型ナルトレキソン経口投与形態を受け取った患者母集団の血漿を解析し、それを即時放出型ナルトレキソン配合物を受け取った同程度の患者母集団と比較することにより、適切な臨床試験方法論および統計解析を使用して測定することができる。
【0047】
複数の実施態様において、薬物動態特性は一回薬物投与後であり、別の態様では定常状態におけるものである。一回投与測定のために、徐放型ナルトレキソンを含む組成物の一回投与を患者に提供してよく、薬物動態プロフィールを測定するために、前記組成物の投与に対して異なる時間において、前記患者から血漿検体を収集してよい。定常状態における測定のために、徐放型ナルトレキソンを含む経口投与形態を投与することを含む、複数の日にわたる投与レジメンを患者に提供してよい。そして定常状態の間に、特定の投与量に対すて異なる時間において、前記患者から血漿検体を収集してよい。複数の実施態様において、数時間および数日にわたる投与量の投与に対して、血中レベルのピーク値および底値が予想される特定の時間における、血漿ナルトレキソンおよび/またはナルトレキソン代謝物(例えば6-βナルトレキソール)濃度プロフィールを、観察し、プロフィールが定常状態に達したときを決定することにより、定常状態を決定することができる。例えば、in vivo血漿ナルトレキソンおよび/または活性ナルトレキソン代謝物(例えば6-βナルトレキソール)濃度を、日によって濃度が顕著に変動することがもうなくなるまで、数日にわたって、投与後1時間に測定してよい。別の実施態様において、定常状態を、投与レジメンが開始した後、特定の日数として見積もってもよい。例えば、定常状態を、投与レジメンが開始した後、6日として見積もってもよい。複数の実施態様において、定常状態は、投与後、薬物の半減期の約5倍にわたると見積もられる。
【0048】
血漿を適切な方法で解析してよい。複数の実施態様において、患者から血液を収集する。いずれかの適切な量の血液を回収してよい。その後血液サンプルを、血漿から赤血球が分離し始めるまで、遠心してよい。複数の実施態様において、ここでその全文が参照して取り込まれる「Validation of a High Performance Liquid Chromatographic Method Using Tandem Mass Spectrometry Lithium Heparinized Plasma」の表題である解析有効性確認法により、ナルトレキソンおよび/またはナルトレキソン代謝物解析を実行してよい。
【0049】
上記の薬物動態パラメータを測定するために、in vivoナルトレキソンおよび/または活性ナルトレキソン代謝物(例えば6-βナルトレキソール)濃度を、ナルトレキソン投与に関して種々の時間間隔で測定してよい。複数の実施態様において、24時間の間に少なくとも10回、これらの濃度を測定してよい。
【0050】
複数の実施態様において、患者母集団は、ここに記載されるような徐放型ナルトレキソン経口投与形態の投与を含む投与レジメンを実行し、報告される薬物動態パラメータは、複数の患者における薬物動態パラメータの平均である。各患者に対するパラメータを計算し、その後複数の患者で平均することにより、平均値を取得してよい。複数の実施態様において、前記平均値は、最小二乗算術平均または最小二乗幾何平均を含む。複数の実施態様において、交差研究により薬物動態パラメータを取得する。
【0051】
治療の方法
複数の実施態様において、徐放型ナルトレキソン配合物は、経口投与形態として提供および/または処方される。経口投与形態は、上記の第二の化合物も含んでよい。ある実施態様において、ここに記載される経口投与形態は、1つまたは複数の体重関連状態の治療に有効である。体重関連状態は、約25 kg/m2以上、約30 kg/m2以上、または約18.5 kg/m2以下の肥満度指数(body-mass index)により特徴づけられる状態を含んでよい。体重関連状態は、肥満を含んでよい。体重関連状態は、薬物の投与により引き起こされる、または引き起こされることが予想されるものであってよい。ここに記載される経口投与形態は、体重減少、体重増加の阻害、および/または体重増加の少なくとも部分的な逆転に有効である(例えば、引き起こす)ものであってよい。
【0052】
前記経口投与形態は、分配され、自己投与のために患者に提供され、または患者に投与されてよい。患者は、過剰体重または肥満であってよい。患者は、約20 kg/m2以上、約25 kg/m2以上、または約30 kg/m2以上の肥満度指数(BMI)を有していてよい。患者は、肥満であってよい。患者は、糖尿病に罹患していてよい。
【0053】
ここに記載される徐放型経口投与形態は、即時放出型配合物と実質的に同等の、またはよりよい効率で提供されてよい。徐放型経口投与形態は、即時放出型配合物に比較して、軽減する副作用に関係していてよい。複数の実施態様において、ここに記載される経口投与形態の投与は、治療(例えば、体重減少治療および/またはナルトレキソン治療)に対する患者のコンプライアンスを改善する結果となってよい。
【0054】
複数の実施態様において、本発明の方法は、少なくとも1つの副作用を罹患する患者、ならびに/あるいは、体重減少治療(例えばブプロピオンの投与を含む体重減少治療)および/または即時放出型ナルトレキソン配合物(例えばREVIA(登録商標)即時放出型ナルトレキソンヒドロクロリド)を伴う治療に関係する、少なくとも1つの副作用に特に敏感である患者を同定すること、ならびにここで記載されるような徐放型ナルトレキソン投与形態を患者に提供または投与することを含む。
【0055】
使用の方法は、ここで記載されるものを含む適切な送達経路または方法のいずれかにより、その必要にある哺乳類に治療上有効量の徐放型投与形態を投与する工程を含むことができる。特定の患者に対して所望の治療反応を達成するために有効な量のナルトレキソンを投与するために、治療上の投与形態である化合物の実際の投与レベルを変動してよい
【0056】
投与量
特定の患者に対する、ここで記載されるような徐放型投与形態の特定の投与レベルは、遺伝子構造、体重、健康全般、食事、投与の時間および経路、他の薬剤との組み合わせ、および治療される特定の状態を含む種々の要素、ならびにその重篤度のいずれかに依存する可能性があることが理解されるであろう。複数の実施態様において、徐放型投与形態のナルトレキソンの投与量は、経口投与形態が投与される頻度に基づいて、少なくとも部分的に決定される。即時放出型配合物(例えばREVIA(登録商標)即時放出型ナルトレキソンヒドロクロリド)より頻度を多く、より頻度を少なく、または実質的に同一の頻度で、徐放型経口投与形態を投与してよい。
【0057】
複数の実施態様において、ナルトレキソンを含む徐放型経口投与形態により、約4mgから約50mgの範囲、または、約10mgから約25mgの範囲である、ナルトレキソン遊離塩基同等量である投与量が提供される。経口投与形態は、約4mg、約8mg、約12mg、約16mg、約32mg、または約48mgのナルトレキソンを含んでよい。患者の体重に基づいて、特定の投与量を選択してよい。共投与される他の化合物の同一性、投与量、および/または投与計画に基づいて、特定の投与量を選択してよい。約0.75mg/kgから約10mg/kgの範囲、例えば2mg/kg(体重kgにつき薬物mgを基準とする)である、ナルトレキソン遊離塩基同等量である投与量が提供されるように、ヒトに対する投与に適切な単位投与形態を設定してよい。薬物動態プロフィールにより、少なくとも部分的に、投与量を決定してよい。例えば、即時放出型ナルトレキソン経口投与形態のAUClastに実質的に類似したAUClastを提供するために十分である、徐放型ナルトレキソン経口投与形態を投与してよい。
【0058】
ここで記載される徐放型投与形態を、付加用量を伴い、または伴わずに、1日に1回、2回、またはそれ以上の回数で投与してよい。複数の実施態様において、1日あたりの投与回数は一定(例えば1日1回)である。他の実施態様において、1日あたりの投与回数は変動する。投与回数は、投与形態の有効性、観察される副作用、外部要因(例えば他の薬物の変化)、あるいは前記投与形態が投与される時間の長さに依存して変化してよい。
【0059】
ある実施態様において、徐放型ナルトレキソン投与形態は、ここで記載される第二の化合物をさらに含んでよい。第二の化合物は、適切な投与量のいずれかで存在してよい。ある実施態様において、第二の化合物は、ブプロピオンまたは薬剤として許容しうるその塩を含む。ブプロピオンまたは薬剤として許容しうるその塩は、徐放型(SR)配合物であってよい。ある実施態様において、投与形態は、ナルトレキソンおよびブプロピオンの両方を、例えば、2006年11月9日に提出された米国特許仮出願番号第60/865,157号に記載された三重層錠剤の形態で含む。適切な単位投与形態の例は、三重層が、例えば約4mgのナルトレキソンSRおよび約90mgのブプロピオンSR;約8mgのナルトレキソンSRおよび約90mgのブプロピオンSR;または約12mgのナルトレキソンSRおよび約90mgのブプロピオンSRを含むものを含む。ある実施態様において、例えば、約16mg、約32mg、または約48mgのナルトレキソン、ならびに約360mgのブプロピオンまたは薬剤として許容しうるその塩を1日投与量で、1日2回、2個の錠剤として、投与形態を投与してよい。ある実施態様において、別々に、例えば互いに約1時間以内に共投与される分離した投与形態で、第二の化合物(例えばブプロピオンまたは薬剤として許容しうるその塩)およびナルトレキソンを投与する。ある実施態様において、分離した投与形態を、ほぼ同時に投与する。
【0060】
配合物
経口投与形態は、ナルトレキソンおよび徐放型担体を含んでよい。徐放型担体は、非限定的な例として、即時放出型配合物(例えばREVIA(登録商標)即時放出型ナルトレキソンヒドロクロリド)と比較して、配合物からのナルトレキソンの放出速度を延長するために有効な量で医薬配合物中に含む成分を含む。徐放型担体は、遅延賦形剤としてここで言及されてよい。徐放型担体の例は、ヒドロキシプロピルメチルセルロース(HPMC)、ポリエチレンオキシド、ポリアクリレートコポリマー、アクリレートとメタクリレートとのコポリマー、メタクリレートポリマー、アクリレートとメタクリレートとのコポリマー、アンモニウム基を有するアクリレートとメタクリレートとのコポリマー、マレイン酸無水物とメチルビニルエーテルとのコポリマー、ヒドロキシプロピルエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、メチルセルロース、ヒドロキシメチルメタクリレート、マルトデキストリン、天然ゴム、およびキサンタンゴムを含む。複数の実施態様において、徐放型担体組成物は、ヒドロキシプロピルメチルセルロースおよびポリオキシエチレンのうち少なくとも1つを含む。徐放型担体組成物は、他の適切な成分とともに、1つまたは複数の徐放型担体を含んでよい。
【0061】
複数の実施態様において、ナルトレキソンを含む経口投与形態は、即時放出型配合物(例えばREVIA(登録商標)即時放出型ナルトレキソンヒドロクロリド)と薬物動態的に異なる投与形態にするために十分な量の徐放型担体組成物を含む。例えば、即時放出型配合物に対して、ナルトレキソンCmaxおよび/または6-βナルトレキソールCmaxを(例えば即時放出型ナルトレキソンの約80%またはそれ以下であるナルトレキソンCmaxおよび/または6-βナルトレキソールCmaxに)減少させるように、放性担体組成物の量および型を選択してよい。
【0062】
徐放型担体組成物の量は、約2時間以内に、約90%より小さい、または約80%より小さいナルトレキソンのin vitro放出速度を提供するために有効であってよい。徐放型担体組成物の量は、約4時間以内に、約98%より小さいナルトレキソンのin vitro放出速度を提供するために有効であってよい。徐放型担体組成物の量は、約1時間以内に、約80%、または約70%より小さいナルトレキソンのin vitro放出速度を提供するために有効であってよい。上記の標準溶解試験により、in vitro放出速度を決定する。
【0063】
代表的な徐放型担体材料の記載を、ここでその全文が参照して取り込まれるRemington: The Science and Practice of Pharmacy (20th ed, Lippincott Williams & Wilkens Publishers (2003))に発見することができる。当業者は、ここで提供される詳細な案内により知らされる通常の実験を使用して、徐放型担体組成物を配合することができる。
【0064】
ここで記載される投与形態を、種々の賦形剤、結合剤、担体、崩壊剤、コーティングなどを含むよう配合してよい。適切な補助剤を添加した後、ここで記載される医薬組成物と1つまたはそれ以上の固形賦形剤を混合し、得られる混合物を任意にすりつぶし、および顆粒の混合物を処理することにより医薬調製物を取得することができ、使用するために適切な種々の形態、例えばピル、錠剤、粉末、顆粒、糖衣錠、カプセル、液体、スプレー、ゲル、シロップ、スラリー、懸濁物などとして、治療される患者による経口摂取のために、大容量または単位投与形態で医薬組成物を取得することができる。種々の単位投与形態の例が、ここに記載される;非限定的な例は、ピル、錠剤、ゲルカップなどを含む。適切な賦形剤の例は以下に列記され、その中のいくつかは、特定の溶解特性を有するものとして上述される。治療上の使用のために薬剤として許容しうる担体または希釈剤は、医薬分野でよく知られており、例えばここでその全文が参照して取り込まれるRemington:「The Science and Practice of Pharmacy 」(2003)に記載されている。ここで「担体」材料または「賦形剤」の語は、それ自体は治療剤ではなく、被験者に対して治療剤を送達するために、担体、希釈剤、アジュバント、結合剤、および/またはビヒクルとして使用される、あるいは取り扱いまたは貯蔵特性を改善するため、あるいは組成物の投与単位の配合物を、経口投与に適するカプセルまたは錠剤のような具体的な品目にすることを可能にする、または容易にするために医薬組成物に添加される物質のいずれかを意味する可能性がある。賦形剤は、非限定的な例として、希釈剤、崩壊剤、結合剤、接着剤、湿潤剤、ポリマー、滑剤、流動促進剤、不愉快な味または臭気を封入するまたは対抗するために添加される物質、芳香剤、染料、香料、ならびに組成物の外観を改善するために添加される物質を含む。流動促進剤は、コロイド状二酸化ケイ素、タルク、コーンスターチ、DL-ロイシン、ナトリウムラウリルサルフェート、ならびに、マグネシウム、カルシウム、およびナトリウムステアレートのうち1つまたはそれ以上であってよい。希釈剤は、ラクトース、デンプン、マンニトール、デキストロース、微結晶セルロース、二塩基カルシウムフォスフェート、カルシウムサルフェ
ート二水和物、カルシウムラクテート三水和物、デキストレート、イノシトール、加水分解シリアル固形物、アミロース、粉末セルロース、カルシウムカーボネート、グリシン、またはベントナイトのうち1つまたはそれ以上であってよい。許容しうる賦形剤は、ラクトース、スクロース、デンプン粉末、トウモロコシデンプンまたはその誘導体、アルカン酸のセルロースエステル、セルロースアルキルエステル、タルク、ステアリン酸、マグネシウムステアレート、マグネシウムオキシド、リン酸および硫酸のナトリウムおよびカルシウム塩、ゼラチン、アカシアゴム、ナトリウムアルギネート、ポリビニルピロリジン、ならびに/あるいはポリビニルアルコール、生理食塩水、デキストロース、マンニトール、ラクトース、レシチン、アルブミン、ナトリウムグルタメート、システインヒドロクロリドなどを含む。ソフトゼラチンカプセルに適切な賦形剤の例は、植物油、ワックス、脂肪、半固体および液体ポリオールを含む。溶液およびシロップを調製するために適切な賦形剤は、制限なく、水、ポリオール、スクロース、転化糖およびグルコースを含む。医薬組成物はさらに、保存剤、可溶化剤、安定化剤、湿潤剤、乳化剤、甘味料、着色剤、調味料、バッファー、コーティング剤、または酸化防止剤を含むことができる。水、あるいはゴマ油、ピーナッツ、または綿実油のような天然植物油のようなビヒクル、あるいはエチルオレエートのような合成脂肪ビヒクルなど中にある活性成分の溶解または懸濁が望ましくあってよい。バッファー、保存剤、酸化防止剤などを、受け入れられる薬務に従って取り込むことができる。化合物をまた、マイクロカプセル化形態で作製することもできる。望まれれば、吸着増強調製物(例えば、リポソーム)を利用することができる。当業者は、ここで提供される詳細な案内により知らされる通常の実験により、前記の成分のうち1つまたはそれ以上を含む徐放型投与形態を配合することができる。
【0065】
キット
複数の実施態様において、本発明はキットに関する。キットは、徐放型ナルトレキソンを含む1つまたはそれ以上の単位投与形態を含んでよい。単位投与形態は、経口配合物であってよい。単位投与形態は、錠剤を含んでよい。キットは、複数の単位投与形態を含んでよい。
【0066】
キットは、情報を含んでよい。情報は、医薬の製造、使用、または販売を規制する政府機関により規定される形態であってよく、その通知は、ヒトまたは動物へ投与するための薬物の形態を、機関が承認したことを反映するものである。そのような情報は、例えば、処方薬に対して米国食品医薬品局により承認された標識、または承認された製品挿入物であってよい。併用可能な医薬担体中に配合される本発明の徐放型ナルトレキソン配合物を含む投与形態をまた、調製し、適切な容器に設置し、および表示される状態の治療に対して標識してもよい。
【0067】
前記情報は、約4mg、約8mg、約12mg、約16mg、約32mg、または約48mgの投与量で単位投与形態を投与する指示を含んでよい。これらの指示を種々の方法で提供してよい。前記情報は、単位投与形態をいつ投与するかについての指示を含んでよい。例えば、前記情報は、他の医薬または食事の投与に対して単位投与形態をいつ投与するかについての指示を含んでよい。
【0068】
前記情報は、可読媒体上に提供されてよい。前記可読媒体は、標識を含んでよい。前記キットは、商業上の販売に適する医薬パッケージを含んでよい。前記キットは、容器を含んでよい。前記容器は、例えば、紙またはボール紙製の箱、ガラスまたはプラスチック製の瓶またはジャー、(例えば、異なる容器に設置するための錠剤の「詰め替え」を固定するための)再封入可能なバック、あるいは治療計画によりパックから搾り出すための、個々の投与量を有するブリスターパックから作られる、当業者に既知の伝統的な形状または形態のいずれかであってよい。使用される容器は、関係する実際の投与形態に依存する可能性があり、例えば一般的に液体懸濁物を保持するために伝統的なボール紙製の箱は使用されないであろう。単一包装で1個以上の容器を一緒に使用して、単一投与形態を市販することができることが望ましい。例えば、錠剤を瓶中に含み、そして瓶を箱に含んでよい。
【0069】
前記情報を、例えば以下のようにして容器に結合することができる:
個々で記載される投与形態を含む瓶に固着した、標識(例えば前記処方標識または別々の標識)に記載される;
単一投与形態を含む箱の内側のように、記載される包装の挿入物として容器の内側に含まれる;あるいは
例えば、ひも、コードまたは他の線状のもの、ストラップまたはつなぐタイプの器具を介して瓶の首に固定された指示カードとして、縛られ、または貼られることによるものとしてつなぎとめられる。前記情報を、単位投与形態またはブリスターパックまたはブリスターカード上に直接印刷してよい。
【実施例】
【0070】
以下の実施例は非限定的であり、種々の発明の範囲うち単に代表的なものである。
【0071】
実施例1
一連の徐放型ナルトレキソン(5mg)配合物を調製した。各徐放型配合物は、「共通賦形剤」を含んだ。共通賦形剤のための配合物を表1に示す。表2に示す配合物は、徐放型担体または遅延賦形剤として、ヒドロキシプロピルメチルセルロースを含んだ。表3に示す配合物は、遅延賦形剤として、ポリエチレンオキシドを含んだ。
【0072】
共通賦形剤を作製するために、表1に列記した成分を、ケイ(Key)KG-5高せん断グラニュレータ(Key International, Englishtown, NJ)中に設置し、10%ヒドロキシプロピルセルロース(HPC)溶液で粒状化した。前記粒状化物を、2.71%の最終LODに室温で乾燥し、その後20メッシュふるいを通して選別した。
【0073】
ナルトレキソン配合物を製造するために、TURBULAミキサーを使用して、流動促進剤としてコロイド状二酸化ケイ素、放出延長ポリマー(例えばHPMCまたはポリエチレンオキシド(PolyOx)、ならびに共通賦形剤を活性医薬成分(API)と混合した。マグネシウムステアレートを、最終配合物に滑剤として添加した。
【0074】
5Kpハーネス(harness)を有する錠剤を圧縮し、錠剤の崩壊特性を測定した。使用した条件下で、前記5Kp錠剤は、USP水中で30分間以内に崩壊しなかった。したがって、カーバープレス(Carver press)に4分の1円形標準凹面用具を使用して、より高いハーネスを有する錠剤を9Kpまで圧縮した。
【0075】
を9Kpまで圧縮した錠剤を生産し、錠剤の特性を表4に列記した。
【0076】
【表1】
【0077】
【表2】
【0078】
【表3】
【0079】
【表4】
【0080】
以下の実施例は、上記の徐放型ナルトレキソン配合物の溶解プロフィールを記載する。
【0081】
実施例2
前記錠剤に対する溶解測定を、100rpmで、10メッシュバスケットを使用して完了した。サンプルを、280nmのλmaxで紫外線-可視光(UV-VIS)を使用して解析した。HPMC配合物またはPolyOx配合物に対する活性医薬成分(API)の溶解データを、それぞれ表5および表6に示す。HPMC配合物またはPolyOx配合物に対する活性医薬成分(API)の溶解データをまた、それぞれ図1および図2にも示す。
【0082】
【表5】
【0083】
【表6】
【0084】
実施例3
ここでその全文が参照して取り込まれる、2006年11月9日に提出された米国特許仮出願番号第60/865,157号に記載された三重層錠剤を作製するための一般方法にしたがって、表7から表9に列記される成分を使用して、徐放型ナルトレキソン三重層錠剤を作製した。徐放型ナルトレキソン配合物を、以下の成分と組み合わせて作製した。
【表7】
【0085】
そして、徐放型ナルトレキソン配合物は、10% HPMCを含む。ブプロピオン混合物を、以下の成分と組み合わせて作製してよい。
【表8】
【0086】
不活性層混合物を、以下の成分と組み合わせて作製した。
【表9】
【0087】
前記徐放型ナルトレキソン配合物、ブプロピオン混合物、および不活性層混合物を使用して、各錠剤が662.00mgであったように不活性層の反対側にナルトレキソンおよびブプロピオン層を有する150個の錠剤を形成した。錠剤はそれぞれ、11.94mgのナルトレキソン(13.22mgのナルトレキソンヒドロクロリド)を含んだ。
【0088】
錠剤のナルトレキソンの溶解データを表10に示す。溶解データを、図3にも表示する。
【表10】
【0089】
即時放出型ナルトレキソンおよび徐放型ナルトレキソンの単一中心二重盲検を、40人の健康で肥満したボランティアに対して実行した。
【0090】
被験者は、1対1の割合で、ナルトレキソン徐放型配合物または即時放出型配合物を受け取るようにランダム化された。被験者に、40mgのSR(徐放型)ナルトレキソンおよび36mgのIR(即時放出型)ナルトレキソンを投与した。被験者は、2連の期間のうち1回において徐放型配合物および即時放出型配合物を受け取るようにランダムに指定された:被験者の半分は、期間1で徐放型配合物を受け取った後、期間2で即時放出型配合物を受け取った;残りの被験者は、逆の順序で治療薬を受け取った。
【0091】
各期間における研究試薬の投与は、5日間の洗浄期間により分離された。連続血液サンプルを、投与前、ならびに投与の0.167、0.33、0.5、0.67、0.83、1、1.25、1.5、2、3、4、6、8、10、12、16、24、36、48、60、および72時間後に収集した。有効なLCMS/MS法により、ナルトレキソンおよび6-βナルトレキソールの濃度について、サンプルを解析した。自発的に収集された副作用に加えて、UKU副作用評定尺度(Side Effect Rating Scale)により評定された被験者を使用して、副作用の情報を収集した。尺度は、投与前、投与後8、24、72時間に処理された。
【0092】
濃度-時間データを、直接WinNonlin (Version 5.0, Pharsight Corporation)に取り込んだ。血管外投入に対するモデル200を使用したWinNonlinを使用する、無隔壁法により、データを解析した。
【0093】
データ要約および薬物動態解析の前に、BLLOQ(定量の下限以下)であった濃度-時間データを計算から排除した。計画された(通常の)サンプリング時間により、データを要約した。偏差が有意であると考えられれば、実際のサンプリング時間を使用した。
【0094】
各患者および各治療に対して、ナルトレキソンおよび6-βナルトレキソールの濃度に関して、以下の薬物動態パラメータを見積もった:
Cmax = 測定最大濃度
Tmax = 最大濃度に到達する時間
Ke = 対数線形回帰により見積もられる、最終速度定数
AUC(0-t) = 時間0から、定量化可能濃度(Ct)を有する最終サンプルの時間までの、線形台数公式により算出される、濃度経時曲線下の面積
AUC(0-∞) = AUC(0-t) + Ct/Keとして算出される、時間0から無限大まで外挿される、濃度経時曲線下の面積
T1/2 = Ln(2)/Keとして算出される、最終半減期。
【0095】
AUCを使用して、薬物吸収の程度を記載する。吸収の速度は、CmaxおよびTmaxにより特徴づけられる。KeおよびT1/2は、多くの物質に対して排泄過程により支配される、最終フェーズにおける動態を記載する。薬物動態パラメータを、全ての場合に対して見積もった。
【0096】
図4および図5はそれぞれ、ナルトレキソンIRを受け取る被験者における、およびナルトレキソンSRを受け取る被験者における、ナルトレキソンの個々の血漿濃度経時曲線を示す。図6および図7はそれぞれ、ナルトレキソンIRを受け取る被験者における、およびナルトレキソンSRを受け取る被験者における、6-βナルトレキソールの個々の血漿濃度経時曲線を示す。
【0097】
図8Aは、ナルトレキソンSR(丸)またはナルトレキソンIR(四角)を受け取る被験者における平均血漿濃度経時曲線を示す。図8Bは、全血漿濃度経時曲線を示す。曲線下の面積が両方の状態の間で匹敵しうる間にわたり、ナルトレキソンSRを受け取る患者よりも、ナルトレキソンIRを受け取る患者に対して、ナルトレキソンCmaxはより高い。これらの結果は、表11において標準化され定量化された投与量である。
【0098】
【表11】
【0099】
図9Aは、ナルトレキソンSR(丸)またはナルトレキソンIR(四角)を受け取る被験者における6-βナルトレキソールの平均血漿濃度経時曲線を示す。図9Bは、全血漿濃度経時曲線を示す。曲線下の面積が両方の状態の間で匹敵しうる間にわたり、ナルトレキソンSRを受け取る患者よりも、ナルトレキソンIRを受け取る患者に対して、6-βナルトレキソールCmaxはより高い。これらの結果は、表11において標準化され定量化された投与量である。
【0100】
表12は、ナルトレキソンSRを受け取る患者、およびナルトレキソンIRを受け取る患者により報告される副作用を提供する。それぞれの治療条件に対する患者に渡り、副作用を解析した。これらの結果を、表13に要約する。ナルトレキソンSRを受け取る個人は、ナルトレキソンIRを受け取る個人よりも、副作用を報告する傾向がより少なく(45%対48%)、また1つ以上の副作用を傾向がより少なかった(13%対23%)。
【0101】
【表12】
【0102】
【表13】
【0103】
図10は、UKU副作用評定尺度を使用する吐き気および嘔吐を報告する被験者の母集団を示す図表である。ナルトレキソンSRを受け取る個人は、ナルトレキソンIRを受け取る個人よりも、重篤な吐き気(スコア2またはそれ以上)を報告する傾向がより少なかった
【0104】
UKU副作用評定尺度を使用して報告される副作用の発生率が、自己報告よりも典型的には高いことを当業者は理解する。患者は、副作用を報告するよう促されたときに、副作用をより報告する傾向にあることが報告されている(Sheftell FD, Feleppa M, Tepper SJ, Rapoport AM, Ciannella L, Bigal ME. Assessment of adverse events associated with triptans-methods of assessment influence the results. Headache: The Journal of Head and Face Pain 44 (10), 978-982)。それゆえ、この実施例で使用された方法により取得された副作用の発生率は、実施例5に記載された方法により取得された副作用の発生率と直接比較されうるものではない。
【0105】
実施例5
ランダム化二重盲検並行多投与研究により、ナルトレキソンSR/ブプロピオンSR組み合わせ製品の薬物動態を、ナルトレキソンIR/ブプロピオンSR組み合わせ製品と比較した。
【0106】
ナルトレキソンSR/ブプロピオンSR群:各カプセルは、(実施例1に従って調整される)2.5個の5mgミニ錠剤の徐放型ナルトレキソン、および1個の90mgブプロピオンHCl SR錠剤(カプセルあたりナルトレキソンSR 12.5mg/ブプロピオンSR 90mgの総投与量)を含み、7日間にわたり、ナルトレキソンSR 37.5mg/ブプロピオンSR 270mgの1日総投与量に漸増させた。
【0107】
ナルトレキソンIR/ブプロピオンSR群:各カプセルは、1個の12mg徐放型ナルトレキソンHCl IR錠剤、および1個の90mgブプロピオンHCl SR錠剤(カプセルあたりナルトレキソンIR 12mg/ブプロピオンSR 90mgの総投与量)を含み、7日間にわたり、ナルトレキソンIR 36mg/ブプロピオンSR 270mgの1日総投与量に漸増させた。ナルトレキソンIR配合物を、REVIA(登録商標)ブランドのナルトレキソンヒドロクロリドに実質的に類似した薬物動態プロフィールを有するように配合した。
【0108】
健康で肥満したボランティアは、2種類の薬物投与のうち1種類をランダムに受け取った。総計60人の被験者が登録を予想され、59人の被験者が研究を完遂した。
【0109】
1日目(0.5、1、2、4、6、8、10、および12時間)に血液を採取し、トラフサンプルを8日目および15日目に採取した。各被験者から血漿サンプルを採取し、ナルトレキソン、6-βナルトレキソール、ブプロピオン、ヒドロキシブプロピオン、トレオヒドロキシブプロピオン、およびエリスロヒドロキシブプロピオン濃度を測定した。血漿サンプルを、ナルトレキソンおよび6-βナルトレキソールに対する、SFBCi / アナハイム確認法を使用して解析した。濃度-時間データを、直接WinNonlin (Version 5.0, Pharsight Corporation)に取り込んだ。血管外投入に対するモデル200を使用したWinNonlinを使用する、無隔壁法により、データを解析した。
【0110】
データ要約および薬物動態解析の前に、BLLOQであった濃度-時間データを計算から排除した。計画された(通常の)サンプリング時間により、データを要約した。偏差が有意であると考えられれば、実際のサンプリング時間を使用した。
【0111】
ここで測定される薬物動態パラメータは、当業者に既知である。組み合わせ製品の投与に対する特定の間隔で、血漿を回収した。血漿を解析して、化合物(例えば、ナルトレキソン)の濃度を測定した。Cmaxは、投与後における化合物の最大血漿濃度を示す。Tmaxは、化合物の最大血漿濃度(Cmax)である時間を示す。AUCは、投与後の時間の関数として、濃度の曲線下の面積を示す。AUClastは、最後に測定しうる濃度の時間まで、投与の時間からの血漿濃度の曲線下の面積を示す。
【0112】
表14および図11では、ナルトレキソンSRおよびブプロピオンSR(SR/SR;四角)を受け取る被験者に対して、ナルトレキソンIRおよびブプロピオンSR(IR/SR;丸)を受け取る被験者における平均ナルトレキソン血漿濃度が比較される。12 (IR)または12.5 (SR)の漸増計画の最初に、ナルトレキソンを1回投与することにより、最初、定量の下限以下(BLLOQ)である、最初の24時間の間、血漿濃度が生産される。
【0113】
【表14】
【0114】
表15および図12では、ナルトレキソンSRおよびブプロピオンSR(四角)を受け取る被験者における平均6-βナルトレキソール血漿濃度に対して、ナルトレキソンIRおよびブプロピオンSR(丸)を受け取る被験者における平均6-βナルトレキソール血漿濃度が比較される。SR/SR処理に関する血漿濃度は、投与後最初の数時間の間、IR/SR処理に関する血漿濃度よりも低い。表16で報告されるように、SR/SR処理は、IR/SR処理に比較して、より低いCmaxであるが、類似したAUCに関係する。
【0115】
【表15】
【0116】
【表16】
【0117】
図13および図14では、ナルトレキソンSRおよびブプロピオンSR(四角)の治療を受け取る被験者におけるナルトレキソンおよび6-βナルトレキソールのトラフ血漿濃度に対して、ナルトレキソンIRおよびブプロピオンSR(丸)を受け取る被験者におけるナルトレキソンおよび6-βナルトレキソールのトラフ血漿濃度がそれぞれ比較される。ナルトレキソンに関して、8日目および15日目のトラフレベルは、IR群の1人の被験者、およびSR群の2人の被験者を例外として、最初BLLOQであった。6-βナルトレキソールに関して、8日目および15日目のトラフレベルは、治療群の間で類似している。
【0118】
表17および図15では、ナルトレキソンSRおよびブプロピオンSR(四角)の治療を受け取る被験者における平均ブプロピオン血漿濃度に対して、ナルトレキソンIRおよびブプロピオンSR(丸)を受け取る被験者における平均ブプロピオン血漿濃度が比較される。血漿濃度プロフィールは、治療条件の間で類似している。
【0119】
【表17】
【0120】
表18から20、および図16から18では、ナルトレキソンSRおよびブプロピオンSR(四角)の治療を受け取る被験者に対して、ナルトレキソンIRおよびブプロピオンSR(丸)を受け取る被験者におけるヒドロキシブプロピオン、トレオヒドロキシブプロピオン、およびエリスロヒドロキシブプロピオンのブプロピオン代謝物の平均血漿濃度が比較される。血漿濃度プロフィールは、治療条件の間で類似している。
【0121】
【表18】
【0122】
【表19】
【0123】
【表20】
【0124】
表21により、2種類の治療条件に対するブプロピオンおよびブプロピオン代謝物のAUClastおよびCmax値が報告される。これらの値は、両方の治療の間で類似している。
【0125】
【表21】
【0126】
この解析に、副作用列記、ならびに投与記録を使用した。集計表、質問(QA'd)にデータを記入し、その後副作用の頻度、種々の作用を報告する被験者のパーセンテージ、漸増計画における最初の投与から開始する時間および日数が要約される。この実施例の、促進されれない方法を使用して取得される副作用の発生率は、実施例4の方法を使用して取得される副作用の発生率と、直接比較されうるものではない。
【0127】
表22に示されるように、いずれかの副作用を報告する被験者のパーセンテージは、SR群およびIR群に対して、それぞれ26%および30%であった。GI関連副作用を報告する被験者のパーセンテージは、SR群およびIR群に対して、それぞれ10%および16%であり;類似のパーセンテージが、CNS関連副作用を報告する被験者に対して観察された。SR群(2/30、6.6%)よりも、IR群(6/30、20%)において、1つより多い副作用を、より多くの被験者が報告した。最後に、SR群(16.7%)と比較して、IR群(30.7%)において、重篤度が中程度またはより重度である副作用を、より多くの被験者が報告した。
【0128】
【表22】
【0129】
それゆえ、ブプロピオンと徐放型ナルトレキソンを受け取る群は、ブプロピオンと即効性ナルトレキソンを受け取る群よりも、より副作用を受ける傾向が少なかった。さらに、ブプロピオンと徐放型ナルトレキソンを受け取る群から報告される副作用は、即効性ナルトレキソン群から報告されるものよりも、より重篤度が低かった。
【0130】
4人の被験者が、研究から同意を取り下げた;副作用により研究を完遂しなかったとしてあげられる被験者はいない。これらの被験者は、提示された計算から除外されていない。4人の被験者のうち3人が副作用を報告したが、その副作用が報告された日に脱落した被験者はいなかった。被験者のうち3人はIRを受け取っており、4人目はSRを受け取っていた。
【0131】
1人の陶酔感の発生、および1人の胃けいれんの発生(両方とも中程度)を例外として、SR群における全ての副作用(n = 12)は、軽度なものであると報告された。ほとんどの副作用は、軽度なものであると報告された。5回のGI関連(嘔吐、胃痛、吐き気)副作用、および3回の中程度として記載されるCNS関連(頭痛、倦怠感)副作用が存在した。
【0132】
当業者であれば、無数のおよび種々の改変を、本発明の範囲から逸脱することなく行うことができることを理解するであろう。それゆえ、本発明の形態は、単に例示的なものであり、本発明の範囲を制限することを意図されないことが理解されるべきである。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
少なくとも1つの副作用における軽減を提供するために配合される徐放型ナルトレキソン配合物を含み、即時放出型ナルトレキソン配合物および第二の化合物の共投与に前記副作用が関する、経口投与形態。
【請求項2】
前記第二の化合物が、モノアミン再摂取インヒビターを含む、請求項1に記載の経口投与形態。
【請求項3】
前記第二の化合物が、ブプロピオンまたは薬剤として許容しうるその塩を含む、請求項1または2に記載の経口投与形態。
【請求項4】
前記第二の化合物が、フルオキセチンまたは薬剤として許容しうるその塩を含む、請求項1または2に記載の経口投与形態。
【請求項5】
前記少なくとも1つの副作用における軽減が、重篤度、継続性、または少なくとも1つの副作用を体験する可能性のうち1つまたはそれ以上における軽減を含む、請求項1から4のいずれか一項に記載の経口投与形態。
【請求項6】
前記少なくとも1つの副作用が、吐き気を含む、請求項1から5のいずれか一項に記載の経口投与形態。
【請求項7】
前記徐放型ナルトレキソン配合物が、約4mgから約50mgの範囲である量のナルトレキソンを含む単位投与形態である、請求項1から6のいずれか一項に記載の経口投与形態。
【請求項8】
前記徐放型ナルトレキソン配合物が、約10mgから約25mgの範囲である量のナルトレキソンを含む単位投与形態である、請求項1から6のいずれか一項に記載の経口投与形態。
【請求項9】
前記徐放型ナルトレキソン配合物が、約4mg、約8mg、約12mg、約16mg、約32mg、または約48mgのナルトレキソンを含む単位投与形態である、請求項1から6のいずれか一項に記載の経口投与形態。
【請求項10】
前記徐放型ナルトレキソン配合物が、1日あたり1回またはそれ以上の投与に適する単位投与形態である、請求項1から9のいずれか一項に記載の経口投与形態。
【請求項11】
前記単位投与形態が、1日あたり2回またはそれ以上の投与に適する、請求項10に記載の経口投与形態。
【請求項12】
前記第二の化合物をさらに含む、請求項1から11のいずれか一項に記載の経口投与形態。
【請求項13】
前記第二の化合物が、ブプロピオンまたは薬剤として許容しうるその塩を含む、請求項12に記載の経口投与形態。
【請求項14】
前記ブプロピオンまたは薬剤として許容しうるその塩が、徐放型配合物である、請求項13に記載の経口投与形態。
【請求項15】
前記徐放型ナルトレキソン配合物が、単位投与形態にあり;前記単位投与形態が、約4mg、約8mg、または約12mgである量のナルトレキソンを含み;前記単位投与形態が約90mgである量のブプロピオンまたは薬剤として許容しうるその塩を含む、請求項14に記載の経口投与形態。
【請求項16】
前記第二の化合物が、フルオキセチンまたは薬剤として許容しうるその塩を含む、請求項12に記載の経口投与形態。
【請求項17】
投与後に、
(a) REVIA(登録商標)即時放出型ナルトレキソンヒドロクロリドのナルトレキソンCmaxの約80%またはそれより小さいナルトレキソンCmax、およびREVIA(登録商標)即時放出型ナルトレキソンヒドロクロリドのナルトレキソンAUClastの約80%から約125%の範囲であるナルトレキソンAUClast;ならびに
(b) REVIA(登録商標)即時放出型ナルトレキソンヒドロクロリドの6-βナルトレキソールCmaxの約80%またはそれより小さい6-βナルトレキソールCmax、およびREVIA(登録商標)即時放出型ナルトレキソンヒドロクロリドの6-βナルトレキソールAUClastの約80%から約125%の範囲である6-βナルトレキソールAUClast
より選択されるものの少なくとも1つを含む、in vivo血漿濃度プロフィールを提供するために効果的である量の徐放型担体組成物を含む、請求項1から16のいずれか一項に記載の経口投与形態。
【請求項18】
前記徐放型担体組成物が、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、ポリオキシエチレン、ポリアクリレート、アクリレートとメタクリレートとのコポリマー、メタクリレートポリマー、アクリレートとメタクリレートとのコポリマー、アンモニウム基を有するアクリレートとメタクリレートとのコポリマー、マレイン酸無水物とメチルビニルエーテルとのコポリマー、ヒドロキシプロピルエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、メチルセルロース、ヒドロキシメチルメタクリレート、マルトデキストリン、天然ゴム、およびキサンタンゴムのうち少なくとも1つを含む、請求項17に記載の経口投与形態。
【請求項19】
前記徐放型担体組成物が、ヒドロキシプロピルメチルセルロースおよびポリオキシエチレンのうち少なくとも1つを含む、請求項17に記載の経口投与形態。
【請求項20】
投与後に、
(a) REVIA(登録商標)即時放出型ナルトレキソンヒドロクロリドのナルトレキソンCmaxの約80%またはそれより小さいナルトレキソンCmax、およびREVIA(登録商標)即時放出型ナルトレキソンヒドロクロリドのナルトレキソンAUClastの約80%から約125%の範囲であるナルトレキソンAUClast;ならびに
(b) REVIA(登録商標)即時放出型ナルトレキソンヒドロクロリドの6-βナルトレキソールCmaxの約80%またはそれより小さい6-βナルトレキソールCmax、およびREVIA(登録商標)即時放出型ナルトレキソンヒドロクロリドの6-βナルトレキソールAUClastの約80%から約125%の範囲である6-βナルトレキソールAUClast
より選択されるものの少なくとも1つを含む、in vivo血漿濃度プロフィールを提供するために効果的である徐放型ナルトレキソン配合物を含む、経口単位投与形態。
【請求項21】
約4mgから約50mgの範囲である量のナルトレキソンを含む、請求項20に記載の経口単位投与形態。
【請求項22】
約10mgから約25mgの範囲である量のナルトレキソンを含む、請求項20に記載の経口単位投与形態。
【請求項23】
約4mg、約8mg、約12mg、約16mg、約32mg、または約48mgのナルトレキソンを含む、請求項20に記載の経口単位投与形態。
【請求項24】
ナルトレキソンまたは薬剤として許容しうるその塩、ならびに徐放型担体組成物を含み、約1時間以内に、約80%より小さい、ナルトレキソンまたは薬剤として許容しうるその塩のin vitro放出速度を提供する、経口投与形態。
【請求項25】
前記in vitro放出速度が、約1時間以内で約70%より小さい、請求項24に記載の経口投与形態。
【請求項26】
前記徐放型担体組成物が、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、ポリオキシエチレン、ポリアクリレート、アクリレートとメタクリレートとのコポリマー、メタクリレートポリマー、アクリレートとメタクリレートとのコポリマー、アンモニウム基を有するアクリレートとメタクリレートとのコポリマー、マレイン酸無水物とメチルビニルエーテルとのコポリマー、ヒドロキシプロピルエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、メチルセルロース、ヒドロキシメチルメタクリレート、マルトデキストリン、天然ゴム、およびキサンタンゴムのうち少なくとも1つを含む、請求項24または25に記載の経口投与形態。
【請求項27】
前記徐放型担体組成物が、ヒドロキシプロピルメチルセルロースおよびポリオキシエチレンのうち少なくとも1つを含む、請求項24または25に記載の経口投与形態。
【請求項28】
前記ナルトレキソン塩が、ナルトレキソンヒドロクロリドを含む、請求項24から27のいずれか一項に記載の経口投与形態。
【請求項29】
被験者に投与するために適する医薬の製造における、請求項1から28のいずれか一項に記載の経口投与形態の使用。
【請求項30】
前記医薬が、体重減少をもたらす、および/または体重増加を阻害するために効果的な量で供給される、請求項29に記載の使用。
【請求項31】
前記医薬が、前記第二の化合物との共投与に適する、請求項29または30に記載の使用。
【請求項32】
前記第二の化合物が、ブプロピオンまたは薬剤として許容しうるその塩を含む、請求項31に記載の使用。
【請求項33】
前記徐放型ナルトレキソン配合物が、単位投与形態にあり;前記単位投与形態が、約4mg、約8mg、または約12mgのナルトレキソンを含み;前記単位投与形態が約90mgの量のブプロピオンまたは薬剤として許容しうるその塩を含む、請請求項32に記載の使用。
【請求項34】
前記第二の化合物が、フルオキセチンまたは薬剤として許容しうるその塩を含む、請求項31に記載の使用。
【請求項35】
(a) REVIA(登録商標)即時放出型ナルトレキソンヒドロクロリドのナルトレキソンCmaxの約80%またはそれより小さいナルトレキソンCmax、およびREVIA(登録商標)即時放出型ナルトレキソンヒドロクロリドのナルトレキソンAUClastの約80%から約125%の範囲であるナルトレキソンAUClast;ならびに
(b) REVIA(登録商標)即時放出型ナルトレキソンヒドロクロリドの6-βナルトレキソールCmaxの約80%またはそれより小さい6-βナルトレキソールCmax、およびREVIA(登録商標)即時放出型ナルトレキソンヒドロクロリドの6-βナルトレキソールAUClastの約80%から約125%の範囲である6-βナルトレキソールAUClast
より選択されるものの少なくとも1つを含む、in vivo血漿濃度プロフィールを提供するために効果的である量で医薬が提供される、前記医薬を製造するための徐放型ナルトレキソン配合物の使用。
【請求項36】
体重減少をもたらす、および/または体重増加を阻害するために効果的な量で、前記医薬が供給される、請求項35に記載の使用。
【請求項37】
前記医薬が、前記第二の化合物との共投与に適する、請求項35または36に記載の使用。
【請求項38】
前記第二の化合物が、モノアミン再摂取インヒビターを含む、請求項37に記載の使用。
【請求項39】
ナルトレキソンの即時放出型形態と組み合わせる前記モノアミン再摂取インヒビターの投与が、前記徐放型ナルトレキソン配合物の投与により軽減される少なくとも1つの副作用を結果的にもたらす、請求項38に記載の使用。
【請求項40】
前記モノアミン再摂取インヒビターが、ブプロピオンまたは薬剤として許容しうるその塩を含む、請求項38または39に記載の使用。
【請求項41】
前記徐放型ナルトレキソン配合物が、単位投与形態にあり;前記単位投与形態が、約4mg、約8mg、または約12mgのナルトレキソンを含み;前記単位投与形態が約90mgの量のブプロピオンまたは薬剤として許容しうるその塩を含む、請請求項40に記載の使用。
【請求項42】
前記モノアミン再摂取インヒビターが、フルオキセチンまたは薬剤として許容しうるその塩を含む、請求項38または39に記載の使用。
【請求項43】
被験者に請求項1から28のいずれか一項に記載の経口投与形態を投与することを含む、ナルトレキソンを投与する方法。
【請求項44】
体重減少をもたらす、および/または体重増加を阻害するために効果的なやり方で被験者に徐放型ナルトレキソンを投与することを含む、請求項43に記載の方法。
【請求項45】
被験者に第二の化合物を投与することをさらに含む、請求項43または44に記載の方法。
【請求項46】
前記第二の化合物が、ブプロピオンまたは薬剤として許容しうるその塩を含む、請求項45に記載の方法。
【請求項47】
前記徐放型ナルトレキソン配合物が、単位投与形態にあり;前記単位投与形態が、約4mg、約8mg、または約12mgのナルトレキソンを含み;前記単位投与形態が約90mgの量のブプロピオンまたは薬剤として許容しうるその塩を含む、請請求項46に記載の方法。
【請求項48】
前記第二の化合物が、フルオキセチンまたは薬剤として許容しうるその塩を含む、請求項45に記載の使用。
【請求項49】
(a) REVIA(登録商標)即時放出型ナルトレキソンヒドロクロリドのナルトレキソンCmaxの約80%またはそれより小さいナルトレキソンCmax、およびREVIA(登録商標)即時放出型ナルトレキソンヒドロクロリドのナルトレキソンAUClastの約80%から約125%の範囲であるナルトレキソンAUClast;ならびに
(b) REVIA(登録商標)即時放出型ナルトレキソンヒドロクロリドの6-βナルトレキソールCmaxの約80%またはそれより小さい6-βナルトレキソールCmax、およびREVIA(登録商標)即時放出型ナルトレキソンヒドロクロリドの6-βナルトレキソールAUClastの約80%から約125%の範囲である6-βナルトレキソールAUClast
より選択されるものの少なくとも1つを含む、in vivo血漿濃度プロフィールを提供するために効果的である量で被験者に徐放型ナルトレキソン配合物を投与することを含む、ナルトレキソンを投与する方法。
【請求項50】
体重減少をもたらす、および/または体重増加を阻害するために効果的なやり方で被験者に徐放型ナルトレキソンを投与することを含む、請求項49に記載の方法。
【請求項51】
被験者に第二の化合物を投与することをさらに含む、請求項49または50に記載の方法。
【請求項52】
前記第二の化合物が、モノアミン再摂取インヒビターを含む、請求項51に記載の使用。
【請求項53】
ナルトレキソンの即時放出型形態と組み合わせる前記モノアミン再摂取インヒビターの投与が、前記徐放型ナルトレキソン配合物の投与により軽減される少なくとも1つの副作用を結果としてもたらす、請求項52に記載の使用。
【請求項54】
前記モノアミン再摂取インヒビターが、ブプロピオンまたは薬剤として許容しうるその塩を含む、請求項52または53に記載の使用。
【請求項55】
前記徐放型ナルトレキソン配合物が、単位投与形態にあり;前記単位投与形態が、約4mg、約8mg、または約12mgのナルトレキソンを含み;前記単位投与形態が約90mgの量のブプロピオンまたは薬剤として許容しうるその塩を含む、請請求項54に記載の方法。
【請求項56】
前記モノアミン再摂取インヒビターが、フルオキセチンまたは薬剤として許容しうるその塩を含む、請求項52に記載の使用。
【請求項1】
少なくとも1つの副作用における軽減を提供するために配合される徐放型ナルトレキソン配合物を含み、即時放出型ナルトレキソン配合物および第二の化合物の共投与に前記副作用が関する、経口投与形態。
【請求項2】
前記第二の化合物が、モノアミン再摂取インヒビターを含む、請求項1に記載の経口投与形態。
【請求項3】
前記第二の化合物が、ブプロピオンまたは薬剤として許容しうるその塩を含む、請求項1または2に記載の経口投与形態。
【請求項4】
前記第二の化合物が、フルオキセチンまたは薬剤として許容しうるその塩を含む、請求項1または2に記載の経口投与形態。
【請求項5】
前記少なくとも1つの副作用における軽減が、重篤度、継続性、または少なくとも1つの副作用を体験する可能性のうち1つまたはそれ以上における軽減を含む、請求項1から4のいずれか一項に記載の経口投与形態。
【請求項6】
前記少なくとも1つの副作用が、吐き気を含む、請求項1から5のいずれか一項に記載の経口投与形態。
【請求項7】
前記徐放型ナルトレキソン配合物が、約4mgから約50mgの範囲である量のナルトレキソンを含む単位投与形態である、請求項1から6のいずれか一項に記載の経口投与形態。
【請求項8】
前記徐放型ナルトレキソン配合物が、約10mgから約25mgの範囲である量のナルトレキソンを含む単位投与形態である、請求項1から6のいずれか一項に記載の経口投与形態。
【請求項9】
前記徐放型ナルトレキソン配合物が、約4mg、約8mg、約12mg、約16mg、約32mg、または約48mgのナルトレキソンを含む単位投与形態である、請求項1から6のいずれか一項に記載の経口投与形態。
【請求項10】
前記徐放型ナルトレキソン配合物が、1日あたり1回またはそれ以上の投与に適する単位投与形態である、請求項1から9のいずれか一項に記載の経口投与形態。
【請求項11】
前記単位投与形態が、1日あたり2回またはそれ以上の投与に適する、請求項10に記載の経口投与形態。
【請求項12】
前記第二の化合物をさらに含む、請求項1から11のいずれか一項に記載の経口投与形態。
【請求項13】
前記第二の化合物が、ブプロピオンまたは薬剤として許容しうるその塩を含む、請求項12に記載の経口投与形態。
【請求項14】
前記ブプロピオンまたは薬剤として許容しうるその塩が、徐放型配合物である、請求項13に記載の経口投与形態。
【請求項15】
前記徐放型ナルトレキソン配合物が、単位投与形態にあり;前記単位投与形態が、約4mg、約8mg、または約12mgである量のナルトレキソンを含み;前記単位投与形態が約90mgである量のブプロピオンまたは薬剤として許容しうるその塩を含む、請求項14に記載の経口投与形態。
【請求項16】
前記第二の化合物が、フルオキセチンまたは薬剤として許容しうるその塩を含む、請求項12に記載の経口投与形態。
【請求項17】
投与後に、
(a) REVIA(登録商標)即時放出型ナルトレキソンヒドロクロリドのナルトレキソンCmaxの約80%またはそれより小さいナルトレキソンCmax、およびREVIA(登録商標)即時放出型ナルトレキソンヒドロクロリドのナルトレキソンAUClastの約80%から約125%の範囲であるナルトレキソンAUClast;ならびに
(b) REVIA(登録商標)即時放出型ナルトレキソンヒドロクロリドの6-βナルトレキソールCmaxの約80%またはそれより小さい6-βナルトレキソールCmax、およびREVIA(登録商標)即時放出型ナルトレキソンヒドロクロリドの6-βナルトレキソールAUClastの約80%から約125%の範囲である6-βナルトレキソールAUClast
より選択されるものの少なくとも1つを含む、in vivo血漿濃度プロフィールを提供するために効果的である量の徐放型担体組成物を含む、請求項1から16のいずれか一項に記載の経口投与形態。
【請求項18】
前記徐放型担体組成物が、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、ポリオキシエチレン、ポリアクリレート、アクリレートとメタクリレートとのコポリマー、メタクリレートポリマー、アクリレートとメタクリレートとのコポリマー、アンモニウム基を有するアクリレートとメタクリレートとのコポリマー、マレイン酸無水物とメチルビニルエーテルとのコポリマー、ヒドロキシプロピルエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、メチルセルロース、ヒドロキシメチルメタクリレート、マルトデキストリン、天然ゴム、およびキサンタンゴムのうち少なくとも1つを含む、請求項17に記載の経口投与形態。
【請求項19】
前記徐放型担体組成物が、ヒドロキシプロピルメチルセルロースおよびポリオキシエチレンのうち少なくとも1つを含む、請求項17に記載の経口投与形態。
【請求項20】
投与後に、
(a) REVIA(登録商標)即時放出型ナルトレキソンヒドロクロリドのナルトレキソンCmaxの約80%またはそれより小さいナルトレキソンCmax、およびREVIA(登録商標)即時放出型ナルトレキソンヒドロクロリドのナルトレキソンAUClastの約80%から約125%の範囲であるナルトレキソンAUClast;ならびに
(b) REVIA(登録商標)即時放出型ナルトレキソンヒドロクロリドの6-βナルトレキソールCmaxの約80%またはそれより小さい6-βナルトレキソールCmax、およびREVIA(登録商標)即時放出型ナルトレキソンヒドロクロリドの6-βナルトレキソールAUClastの約80%から約125%の範囲である6-βナルトレキソールAUClast
より選択されるものの少なくとも1つを含む、in vivo血漿濃度プロフィールを提供するために効果的である徐放型ナルトレキソン配合物を含む、経口単位投与形態。
【請求項21】
約4mgから約50mgの範囲である量のナルトレキソンを含む、請求項20に記載の経口単位投与形態。
【請求項22】
約10mgから約25mgの範囲である量のナルトレキソンを含む、請求項20に記載の経口単位投与形態。
【請求項23】
約4mg、約8mg、約12mg、約16mg、約32mg、または約48mgのナルトレキソンを含む、請求項20に記載の経口単位投与形態。
【請求項24】
ナルトレキソンまたは薬剤として許容しうるその塩、ならびに徐放型担体組成物を含み、約1時間以内に、約80%より小さい、ナルトレキソンまたは薬剤として許容しうるその塩のin vitro放出速度を提供する、経口投与形態。
【請求項25】
前記in vitro放出速度が、約1時間以内で約70%より小さい、請求項24に記載の経口投与形態。
【請求項26】
前記徐放型担体組成物が、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、ポリオキシエチレン、ポリアクリレート、アクリレートとメタクリレートとのコポリマー、メタクリレートポリマー、アクリレートとメタクリレートとのコポリマー、アンモニウム基を有するアクリレートとメタクリレートとのコポリマー、マレイン酸無水物とメチルビニルエーテルとのコポリマー、ヒドロキシプロピルエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、メチルセルロース、ヒドロキシメチルメタクリレート、マルトデキストリン、天然ゴム、およびキサンタンゴムのうち少なくとも1つを含む、請求項24または25に記載の経口投与形態。
【請求項27】
前記徐放型担体組成物が、ヒドロキシプロピルメチルセルロースおよびポリオキシエチレンのうち少なくとも1つを含む、請求項24または25に記載の経口投与形態。
【請求項28】
前記ナルトレキソン塩が、ナルトレキソンヒドロクロリドを含む、請求項24から27のいずれか一項に記載の経口投与形態。
【請求項29】
被験者に投与するために適する医薬の製造における、請求項1から28のいずれか一項に記載の経口投与形態の使用。
【請求項30】
前記医薬が、体重減少をもたらす、および/または体重増加を阻害するために効果的な量で供給される、請求項29に記載の使用。
【請求項31】
前記医薬が、前記第二の化合物との共投与に適する、請求項29または30に記載の使用。
【請求項32】
前記第二の化合物が、ブプロピオンまたは薬剤として許容しうるその塩を含む、請求項31に記載の使用。
【請求項33】
前記徐放型ナルトレキソン配合物が、単位投与形態にあり;前記単位投与形態が、約4mg、約8mg、または約12mgのナルトレキソンを含み;前記単位投与形態が約90mgの量のブプロピオンまたは薬剤として許容しうるその塩を含む、請請求項32に記載の使用。
【請求項34】
前記第二の化合物が、フルオキセチンまたは薬剤として許容しうるその塩を含む、請求項31に記載の使用。
【請求項35】
(a) REVIA(登録商標)即時放出型ナルトレキソンヒドロクロリドのナルトレキソンCmaxの約80%またはそれより小さいナルトレキソンCmax、およびREVIA(登録商標)即時放出型ナルトレキソンヒドロクロリドのナルトレキソンAUClastの約80%から約125%の範囲であるナルトレキソンAUClast;ならびに
(b) REVIA(登録商標)即時放出型ナルトレキソンヒドロクロリドの6-βナルトレキソールCmaxの約80%またはそれより小さい6-βナルトレキソールCmax、およびREVIA(登録商標)即時放出型ナルトレキソンヒドロクロリドの6-βナルトレキソールAUClastの約80%から約125%の範囲である6-βナルトレキソールAUClast
より選択されるものの少なくとも1つを含む、in vivo血漿濃度プロフィールを提供するために効果的である量で医薬が提供される、前記医薬を製造するための徐放型ナルトレキソン配合物の使用。
【請求項36】
体重減少をもたらす、および/または体重増加を阻害するために効果的な量で、前記医薬が供給される、請求項35に記載の使用。
【請求項37】
前記医薬が、前記第二の化合物との共投与に適する、請求項35または36に記載の使用。
【請求項38】
前記第二の化合物が、モノアミン再摂取インヒビターを含む、請求項37に記載の使用。
【請求項39】
ナルトレキソンの即時放出型形態と組み合わせる前記モノアミン再摂取インヒビターの投与が、前記徐放型ナルトレキソン配合物の投与により軽減される少なくとも1つの副作用を結果的にもたらす、請求項38に記載の使用。
【請求項40】
前記モノアミン再摂取インヒビターが、ブプロピオンまたは薬剤として許容しうるその塩を含む、請求項38または39に記載の使用。
【請求項41】
前記徐放型ナルトレキソン配合物が、単位投与形態にあり;前記単位投与形態が、約4mg、約8mg、または約12mgのナルトレキソンを含み;前記単位投与形態が約90mgの量のブプロピオンまたは薬剤として許容しうるその塩を含む、請請求項40に記載の使用。
【請求項42】
前記モノアミン再摂取インヒビターが、フルオキセチンまたは薬剤として許容しうるその塩を含む、請求項38または39に記載の使用。
【請求項43】
被験者に請求項1から28のいずれか一項に記載の経口投与形態を投与することを含む、ナルトレキソンを投与する方法。
【請求項44】
体重減少をもたらす、および/または体重増加を阻害するために効果的なやり方で被験者に徐放型ナルトレキソンを投与することを含む、請求項43に記載の方法。
【請求項45】
被験者に第二の化合物を投与することをさらに含む、請求項43または44に記載の方法。
【請求項46】
前記第二の化合物が、ブプロピオンまたは薬剤として許容しうるその塩を含む、請求項45に記載の方法。
【請求項47】
前記徐放型ナルトレキソン配合物が、単位投与形態にあり;前記単位投与形態が、約4mg、約8mg、または約12mgのナルトレキソンを含み;前記単位投与形態が約90mgの量のブプロピオンまたは薬剤として許容しうるその塩を含む、請請求項46に記載の方法。
【請求項48】
前記第二の化合物が、フルオキセチンまたは薬剤として許容しうるその塩を含む、請求項45に記載の使用。
【請求項49】
(a) REVIA(登録商標)即時放出型ナルトレキソンヒドロクロリドのナルトレキソンCmaxの約80%またはそれより小さいナルトレキソンCmax、およびREVIA(登録商標)即時放出型ナルトレキソンヒドロクロリドのナルトレキソンAUClastの約80%から約125%の範囲であるナルトレキソンAUClast;ならびに
(b) REVIA(登録商標)即時放出型ナルトレキソンヒドロクロリドの6-βナルトレキソールCmaxの約80%またはそれより小さい6-βナルトレキソールCmax、およびREVIA(登録商標)即時放出型ナルトレキソンヒドロクロリドの6-βナルトレキソールAUClastの約80%から約125%の範囲である6-βナルトレキソールAUClast
より選択されるものの少なくとも1つを含む、in vivo血漿濃度プロフィールを提供するために効果的である量で被験者に徐放型ナルトレキソン配合物を投与することを含む、ナルトレキソンを投与する方法。
【請求項50】
体重減少をもたらす、および/または体重増加を阻害するために効果的なやり方で被験者に徐放型ナルトレキソンを投与することを含む、請求項49に記載の方法。
【請求項51】
被験者に第二の化合物を投与することをさらに含む、請求項49または50に記載の方法。
【請求項52】
前記第二の化合物が、モノアミン再摂取インヒビターを含む、請求項51に記載の使用。
【請求項53】
ナルトレキソンの即時放出型形態と組み合わせる前記モノアミン再摂取インヒビターの投与が、前記徐放型ナルトレキソン配合物の投与により軽減される少なくとも1つの副作用を結果としてもたらす、請求項52に記載の使用。
【請求項54】
前記モノアミン再摂取インヒビターが、ブプロピオンまたは薬剤として許容しうるその塩を含む、請求項52または53に記載の使用。
【請求項55】
前記徐放型ナルトレキソン配合物が、単位投与形態にあり;前記単位投与形態が、約4mg、約8mg、または約12mgのナルトレキソンを含み;前記単位投与形態が約90mgの量のブプロピオンまたは薬剤として許容しうるその塩を含む、請請求項54に記載の方法。
【請求項56】
前記モノアミン再摂取インヒビターが、フルオキセチンまたは薬剤として許容しうるその塩を含む、請求項52に記載の使用。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8A】
【図8B】
【図9A】
【図9B】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8A】
【図8B】
【図9A】
【図9B】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【公表番号】特表2009−539837(P2009−539837A)
【公表日】平成21年11月19日(2009.11.19)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−514317(P2009−514317)
【出願日】平成19年5月31日(2007.5.31)
【国際出願番号】PCT/US2007/013030
【国際公開番号】WO2007/145863
【国際公開日】平成19年12月21日(2007.12.21)
【出願人】(505401698)オレキシジェン・セラピューティクス・インコーポレーテッド (13)
【Fターム(参考)】
【公表日】平成21年11月19日(2009.11.19)
【国際特許分類】
【出願日】平成19年5月31日(2007.5.31)
【国際出願番号】PCT/US2007/013030
【国際公開番号】WO2007/145863
【国際公開日】平成19年12月21日(2007.12.21)
【出願人】(505401698)オレキシジェン・セラピューティクス・インコーポレーテッド (13)
【Fターム(参考)】
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