説明

ニッケ粉又はニッケル合金粉及びその製造方法

【課題】簡単な製造方法によって製造できる、平均一次粒子径が50nm以上1μm以下の粒子が三次元的に連結したニッケル粉又はニッケル合金粉の金属粉とその製造方法を提供することにある。
【解決手段】少なくともニッケル塩を含むニッケル塩水溶液と、少なくとも水素化ホウ素化合物を含む水溶液である還元剤水溶液を反応させる工程により、ニッケル及びホウ素を含む沈殿物を生成させ、この沈殿物を分離及び洗浄工程を経た後、5×10Pa以下の減圧下で70度C以上1,000度C以下の温度で加熱する工程を備える製造方法である。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、平均一次粒子径が50nm以上1μm以下の粒子が三次元的に連結したニッケル粉又はニッケル合金粉とその製造方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
導電性を有するニッケル等の微粉末は、混練性やペースト性状が優秀で、また薄層化が可能であることから、導電性フィラーとして、塗料、樹脂、ゴム、ペースト、接着剤やインクなど幅広い用途に使用されている。
【0003】
ニッケル粉の製造方法の物理的方法として、金属を機械的に粉砕する方法、溶融金属を噴霧冷却するアトマイズ法などがあるが、いずれも微粉末を得るのは難しい。金属を加熱蒸発させ、金属蒸気を凝集させ、金属微粉末を合成するアーク放電法などもあるが、設備が高価で生産性が低いという問題点があった。
【0004】
化学的方法としては、加熱揮発させた金属塩を還元する気相法があるが、これも設備が高価で生産性が低いという問題点があった。また、塩基性炭酸ニッケルや水酸化ニッケルを還元剤により還元する液相法(特許文献1及び特許文献2)では、これら難溶性のニッケル塩を還元する場合、還元反応に要する時間が長くなるという問題があった。
【0005】
また、物理的方法、化学的方法である気相法、液相法では、ナノ粒子が三次元的に連結したニッケル系金属粉の合成は困難であった。
【0006】
一方、金属塩の水溶液に還元剤を添加して還元する湿式還元法では、ニッケル粉は、通常、球状、楕円形、あるいは、フレーク状をしており、多量に添加しないと上記材料に安定した導電性を付与することができなかった。
【0007】
多量の添加は、ニッケル粉によるコストアップだけでなく、上記材料例えば樹脂やゴムの性能を著しく低下させたり、接着性を低下させたり、塗膜にクラックを生じさせるなど副作用的弊害が大きい。
【0008】
これら問題点を解決するために、特許文献3では、連鎖状の金属粉が提案されている。特許文献4では、ニッケルとアルミニウムの合金から製造するスポンジニッケルが提案されている。
【特許文献1】特開昭53−095165号公報
【特許文献2】特開平05−051610号公報
【特許文献3】特開2004−332047号公報
【特許文献4】特開2001−192701号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
しかしながら、連鎖状のニッケル粉の製造には、3価チタンイオン、4価チタンイオンなど特殊な還元剤が必要で、また前記チタンイオンの錯化剤が必要となる場合もある。また、スポンジニッケルの製造では、ニッケルとアルミニウムの合金から合金粉末を作製し、300度Cから800度Cの温度に保持して均質化し、次いで、合金粉末をアルカリ水溶液に投入して、アルミニウムを溶出させるという多数の工程からなり、決して簡単な製造方法ではない。
【0010】
本発明の目的は、簡単な製造方法によって製造できる、平均一次粒子径が50nm以上1μm以下の粒子が三次元的に連結したニッケル粉又はニッケル合金粉の金属粉とその製造方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本発明は、少なくともニッケル塩を含む水溶液と、少なくとも水素化ホウ素化合物を含む還元剤水溶液を反応させる還元反応工程と、生成した沈殿物を分離する沈殿分離工程と、分離した沈殿物を減圧下で加熱する減圧加熱工程を備える、平均一次粒子径が50nm以上1μm以下の粒子が三次元的に連結したニッケル粉又はニッケル合金粉とその製造方法に関するものである。
【0012】
本発明の減圧加熱工程における減圧度は、5×10Pa以下であり、かつ加熱温度は、70度C以上1,000度C以下である。
【発明の効果】
【0013】
本発明の、平均一次粒子径が50nm以上1μm以下の粒子が三次元的に連結したニッケル粉又はニッケル合金粉の製造方法は、プロセスが簡単で、かつ、ニッケル塩が効率よく還元されるため、収率が高く経済的である。また、本発明のニッケル粉又はニッケル合金粉は、ナノ粒子が三次元的に連結しているため、例えば、導電性フィラーとして、塗料、樹脂、ゴム、ペースト、接着剤やインクなど幅広い用途に使用することができる。また、本発明のニッケル系金属粉は、スポンジ状ニッケル触媒としても期待できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0014】
本発明の製造方法は、少なくともニッケル塩を含むニッケル塩水溶液と、少なくとも水素化ホウ素化合物を含む水溶液である還元剤水溶液を反応させる工程により、ニッケル及びホウ素を含む沈殿物を生成させ、この沈殿物を分離及び洗浄工程を経た後、5×10Pa以下の減圧下で70度C以上1,000度C以下の温度で加熱する工程により、一次粒子径が50nm以上1μm以下の粒子が融着して三次元的に連結した構造を有するニッケル粉又はニッケル合金粉の製造方法である。
【0015】
本発明において、ニッケル塩とは、水に溶解しニッケルイオンを生成するニッケル化合物のことを指す。例えば、硫酸ニッケル、塩化ニッケル、硝酸ニッケル、酢酸ニッケル、アミド硫酸ニッケルなどが挙げられる。また、これらニッケル塩の2種以上のものを混合して用いてもよい。
【0016】
ニッケルとともに還元されるニッケル以外の元素を含む化合物を添加してもよい。例えば、添加しうる元素としてはCo、Fe、W、Cr、Mn、V、Cu、Zn、Mo、Pd、Sn、Re、P等ニッケルとともに還元される元素の化合物であればよい。添加量はとくに限定されないが、元素比で50%以下であればよい。過剰に添加すると三次元的に連結した構造が得られないことがある。
【0017】
本発明において、水素化ホウ素化合物は、還元効率を上げるために、水素化ホウ素ナトリウム、水素化ホウ素カリウムからなる群から選ばれる少なくとも1つであることが好ましい。水素化ホウ素化合物の使用量は、ニッケルイオン1molに対して0.2mol以上5mol以下であることが、還元効率の点でより好ましい。5molよりも多く使用しても差し支えないが、経済的でない。
【0018】
本発明において、錯化剤は、収率を向上させるために、ニッケル塩を含む水溶液、水素化ホウ素化合物を含む還元剤水溶液の少なくとも一方に添加することが好ましい。錯化剤は、ニッケルイオンと錯体を形成するもので、酢酸、マロン酸、酒石酸、クエン酸、りんご酸、乳酸、プロピオン酸、ギ酸、酪酸、アクリル酸、ポリアクリル酸等のカルボン酸、もしくはその塩、アンモニア、塩化アンモニウム、硫酸アンモニウム等のアンモニウム塩、エチレンジアミン、EDTA等のアミン化合物、ヘキサメタリン酸、ピロリン酸等のリン酸塩化合物、グリシン、グルタミン酸等のアミノ酸、チオグリコール酸等のチオール化合物等が挙げられ、2種以上同時に用いてもよい。これらの化合物はpH調整剤、緩衝剤としても作用するため好ましい。
【0019】
さらにニッケル塩水溶液、または還元剤水溶液、またはその双方にpH調整、及び緩衝作用を目的として、ホウ酸、リン酸、炭酸、塩酸、硫酸、フッ酸、硝酸、酢酸並びにそれらの塩類等を添加することもできる。
【0020】
またニッケル塩水溶液、または還元剤水溶液、またはその双方に界面活性剤など添加することもできる。
【0021】
また還元剤水溶液は、還元剤の自己分解を防ぐために、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、アンモニア水等の塩基性化合物を添加し、pHを7以上にすることが好ましい。
【0022】
本発明において、ニッケル塩水溶液と還元剤水溶液との反応方法は、とくに限定されるものではないが、後述する反応温度の制御しやすさ、還元反応の制御しやすさという点で、ニッケル塩水溶液に還元剤水溶液を100mL/分以下の速度で滴下する方法が好ましい。
【0023】
本発明において、反応温度は特に限定されず、好ましくは水溶液の融点以上沸点以下、より好ましくは50度C以上であることが収率の向上のために好ましい。
【0024】
反応溶液からの沈殿物の分離方法は、ろ過、デカンテーョン、遠心分離、磁気選鉱等、特に限定されない。沈殿物は精製水による1回以上の洗浄を行うことが好ましい。
【0025】
反応液から分離・洗浄した沈殿物は、乾燥させないまま減圧加熱する。好ましくは、ろ過した沈殿物を減圧加熱炉に投入し、5×10MPa未満の減圧下で70度C以上1,000度C未満の温度で加熱する。この範囲であると、平均一次粒子径が50nm以上1μm以下の粒子が三次元的に連結した構造のニッケル粉又はニッケル合金粉が得られる。
【0026】
本発明の製造方法で作製されたニッケル粉又はニッケル合金粉は、ニッケルの含有量が、75重量%以上であり、ホウ素の含有量が、0.1重量%以上20重量%以下である。
【0027】
以下、実施例によって、本発明を詳細に説明する。各実施例及び比較例で作製したニッケル粉又はニッケル合金粉の諸物性は、下記の方法で測定した。
(1)走査型電子顕微鏡(SEM)観察
日立サイエンスシステムズ製の低真空型電子顕微鏡“SEMEDX3TTypeN”を用いた。
(2)ホウ素含有量
島津製作所製の高周波プラズマ発光分析装置“ICPS−8000”を用いた。
(3)元素分析
日立サイエンスシステムズ製の低真空型電子顕微鏡“SEMEDX3TTypeN”を用いた。
【実施例1】
【0028】
水素化ホウ素ナトリウム0.38g及び水酸化ナトリウム1.00gを精製水に溶解して100mLとし、還元剤水溶液とした。該還元剤水溶液のpHは12であった。次に、硫酸ニッケル(2)六水和物2.63g及び酒石酸カリウムナトリウム四水和物(ロッシェル塩)1.41gを精製水に溶解して100mLとし、ニッケル塩水溶液を得た。この水溶液を75度Cに加熱して攪拌した。
75度Cに保ち攪拌しているニッケル塩水溶液に、還元剤水溶液を10分かけて滴下したところ黒色の沈殿が生じた。さらに75度Cを保ち1時間攪拌した後、上澄み液をデカンテーションによって取り除いた後、精製水100mLを加えて超音波を当てて洗浄した。次いで吸引ろ過により沈殿を分離し、さらに精製水100mLを用いて洗浄、吸引して黒色の粉末を得た。この粉末を乾燥させないまま、2×10Pa未満の減圧下150度Cで2時間加熱したところ、灰色の平均1次粒子径が50nm以上1μm以下の粒子が三次元的に連結したニッケル合金粉0.67gが得られた。該ニッケル合金粉のSEM写真を図1に示す。ICP発光分析の結果、該ニッケル合金粉のホウ素含有量は4.6重量パーセントであった。
【実施例2】
【0029】
水素化ホウ素ナトリウム0.38gを精製水に溶解して100mLとし、還元剤水溶液とした。該還元剤水溶液のpHは10であった。次に、硫酸ニッケル(2)六水和物2.63gを精製水に溶解して100mLとし、ニッケル塩水溶液を得た。この水溶液を室温(23度C)で攪拌した。
室温で攪拌しているニッケル塩水溶液に、還元剤水溶液を10分かけて滴下したところ黒色の沈殿が生じた。さらに1時間攪拌した後、上澄み液をデカンテーションによって取り除いた後、精製水100mL加えて超音波を当てて洗浄した。次いで吸引ろ過により沈殿を分離し、さらに精製水100mLを用いて洗浄、吸引して黒色の粉末を得た。この粉末を乾燥させないまま、2×10Pa未満の減圧下150度Cで2時間加熱したところ、灰色の平均1次粒子径が50nm以上1μm以下の粒子が三次元的に連結したニッケル合金粉0.34gが得られた。該ニッケル合金粉のホウ素含有量は3.4重量パーセントであった。
【実施例3】
【0030】
還元剤水溶液を22秒で滴下した以外、実施例1と同様の操作を行なったところ、灰色の平均1次粒子径が50nm以上1μm以下の粒子が三次元的に連結したニッケル合金粉0.45gが得られた。該ニッケル合金粉のホウ素含有量は4.2重量パーセントであった。
【実施例4】
【0031】
還元剤水溶液として、水素化ホウ素ナトリウム0.38g及び水酸化ナトリウム2.00gを精製水に溶解して100mLとしたもの(pH12)を用い、ニッケル塩水溶液として、硫酸ニッケル(2)六水和物5.26g及び酒石酸カリウムナトリウム四水和物1.41gを精製水に溶解して100mLとしたものを用いた以外、実施例1と同様の操作を行なったところ、灰色の平均1次粒子径が50nm以上1μm以下の粒子が三次元的に連結したニッケル合金粉1.27gが得られた。該ニッケル合金粉のホウ素含有量は1.8重量パーセントであった。
【実施例5】
【0032】
ニッケル塩水溶液として、硫酸ニッケル(2)六水和物2.63g及びグリシン0.38gを精製水に溶解して100mLとしたものを用いた以外、実施例1と同様の操作を行なったところ灰色の、灰色の平均1次粒子径が50nm以上1μm以下の粒子が三次元的に連結したニッケル合金粉0.67gが得られた。該ニッケル合金粉のSEM写真を図2に示す。該ニッケル合金粉のホウ素含有量は3.6重量パーセントであった。
【実施例6】
【0033】
ニッケル塩水溶液として、硫酸ニッケル(2)六水和物2.63g及びエチレンジアミン0.30gを精製水に溶解して100mLとしたものを用いた以外、実施例1と同様の操作を行なったところ、灰色の平均1次粒子径が50nm以上1μm以下の粒子が三次元的に連結したニッケル合金粉0.69gが得られた。該ニッケル合金粉のホウ素含有量は2.8重量パーセントであった。
【実施例7】
【0034】
ニッケル塩水溶液として、硫酸ニッケル(2)六水和物2.63g及び硫酸アンモニウム0.66gを精製水に溶解して100mLとしたもの(pH12)を用いた以外、実施例1と同様の操作を行なったところ、灰色の平均1次粒子径が50nm以上1μm以下の粒子が三次元的に連結したニッケル合金粉0.68gが得られた。該ニッケル合金粉のホウ素含有量は2.5重量パーセントであった。
【実施例8】
【0035】
ニッケル塩水溶液として、アミド硫酸ニッケル(2)四水和物3.23g及び酒石酸カリウムナトリウム四水和物1.41gを精製水に溶解して100mLとしたものを用いた以外、実施例1と同様の操作を行なったところ、灰色の平均1次粒子径が50nm以上1μm以下の粒子が三次元的に連結したニッケル合金粉0.66gが得られた。該ニッケル合金粉のホウ素含有量は1.2重量パーセントであった。
【実施例9】
【0036】
還元剤水溶液として、水素化ホウ素カリウム0.54g及び水酸化ナトリウム1.00gを精製水に溶解して100mLとしたもの(pH12.5)を用いた以外、実施例1と同様の操作を行なったところ、灰色の平均1次粒子径が50nm以上1μm以下の粒子が三次元的に連結したニッケル合金粉0.70gが得られた。該ニッケル合金粉のホウ素含有量は1.0重量パーセントであった。
【実施例10】
【0037】
ニッケル塩水溶液の代わりに、硫酸ニッケル(2)六水和物2.37g及び硫酸コバルト(2)七水和物0.28g及び酒石酸カリウムナトリウム四水和物1.41gを精製水に溶解して100mLとしたニッケル−コバルト塩水溶液を用いた以外、実施例1と同様の操作を行なったところ、灰色の平均1次粒子径が50nm以上1μm以下の粒子が三次元的に連結したニッケル合金粉0.74gが得られた。元素分析の結果、ニッケルとコバルトの元素比率は9:1であった。該ニッケル合金粉のホウ素含有量は4.0重量パーセントであった。
【実施例11】
【0038】
減圧加熱の減圧度を2×10Paとした以外、実施例1と同様の操作を行なったところ、灰色の平均1次粒子径が50nm以上1μm以下の粒子が三次元的に連結したニッケル合金粉0.72gが得られた。該ニッケル合金粉のホウ素含有量は4.7重量パーセントであった。
【実施例12】
【0039】
減圧加熱の温度を100度Cとした以外、実施例1と同様の操作を行なったところ、灰色の平均1次粒子径が50nm以上1μm以下の粒子が三次元的に連結したニッケル合金粉0.68gが得られた。該ニッケル合金粉のホウ素含有量は4.5重量パーセントであった。
【0040】
(比較例1)
実施例1において、減圧加熱の温度を50度Cとした以外、実施例1と同様の操作を行なったが、黒色の粉末が得られた。該粉末をSEMで観察した結果、50nm以下の粒子の凝集物であった。
【0041】
(比較例2)
実施例1において、減圧せず大気圧下150度Cで2時間加熱した以外、実施例1と同様の操作を行なったが黒色の粉末が得られた。該粉末をSEMで観察した結果、50nm以下の粒子の凝集物であった。
【産業上の利用可能性】
【0042】
本発明の、平均一次粒子径が50nm以上1μm以下の粒子が三次元的に連結したニッケル粉又はニッケル合金粉の製造方法は、プロセスが簡単で、かつ、ニッケル塩が効率よく還元されるため、収率が高く経済的である。また、本発明のニッケル粉又はニッケル合金粉は、ナノ粒子が三次元的に連結しているため、例えば、導電性フィラーとして、塗料、樹脂、ゴム、ペースト、接着剤やインクなど幅広い用途に使用することができる。また、本発明のニッケル粉又はニッケル合金粉は、スポンジ状ニッケル触媒としても期待できる。
【図面の簡単な説明】
【0043】
【図1】実施例1のニッケル合金粉のSEM写真
【図2】実施例5のニッケル合金粉のSEM写真

【特許請求の範囲】
【請求項1】
少なくともニッケル塩を含む水溶液と、少なくとも水素化ホウ素化合物を含む還元剤水溶液を反応させる還元反応工程と、生成した沈殿物を分離する沈殿分離工程と、分離した沈殿物を減圧下で加熱する減圧加熱工程を備える、平均一次粒子径が50nm以上1μm以下の粒子が三次元的に連結したニッケル粉又はニッケル合金粉の製造方法。
【請求項2】
ニッケル塩は、塩化ニッケル、硫酸ニッケル、硝酸ニッケル、酢酸ニッケル、アミド硫酸ニッケルからなる群から選ばれる少なくとも1つである請求項1に記載のニッケル粉又はニッケル合金粉の製造方法。
【請求項3】
ニッケル塩を含む水溶液は、さらに、Co、Fe、W、Cr、Mn、V、Cu、Zn、Mo、Pd、Sn、Reから選ばれる少なくとも1つの塩を含む水溶液である請求項1又は2に記載のニッケル粉又はニッケル合金粉の製造方法。
【請求項4】
水素化ホウ素化合物は、水素化ホウ素ナトリウム、水素化ホウ素カリウムからなる群から選ばれる少なくとも1つである請求項1から3のいずれかに記載のニッケル粉又はニッケル合金粉の製造方法。
【請求項5】
前記減圧加熱工程における減圧度は、5×10Pa以下であり、かつ加熱温度は、70度C以上1,000度C以下である請求項1から4のいずれかに記載のニッケル粉又はニッケル合金粉の製造方法。
【請求項6】
ニッケル塩を含む水溶液、水素化ホウ素化合物を含む還元剤水溶液の少なくとも一方は、錯化剤を含む請求項1から5のいずれかに記載のニッケル粉又はニッケル合金粉の製造方法。
【請求項7】
水素化ホウ素化合物を含む水溶液のpHは、7以上である請求項1から6のいずれかに記載のニッケル粉又はニッケル合金粉の製造方法。
【請求項8】
請求項1から7のいずれかに記載の製造方法で製造したニッケル粉又はニッケル合金粉。
【請求項9】
ホウ素の含有率は、0.1重量%以上20重量%以下である請求項8又は9に記載のニッケル又はニッケル合金粉。

【図1】
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【図2】
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【公開番号】特開2009−13482(P2009−13482A)
【公開日】平成21年1月22日(2009.1.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−178114(P2007−178114)
【出願日】平成19年7月6日(2007.7.6)
【出願人】(391059399)株式会社アイ.エス.テイ (102)
【Fターム(参考)】