説明

ニモジピン医薬組成物

放出調節固体製剤は、ニモジピンを含む複数の小カプセルまたは小球を含み、使用環境にさらされたときに40%を超えるニモジピンが12時間以内に放出され、6時間以内にTmaxに至る。製剤は、即時放出用のニモジピンを含む非コーティング小球1の第1集合、および持続放出用のニモジピンを含むコーティング小球2の第2集合を有するカプセル4であってよい。コーティング小カプセル3の別の集合があってよい。

【発明の詳細な説明】
【背景技術】
【0001】
序論
ニモジピンは、薬物のジヒドロピリミジンクラスのメンバーであり、カルシウムチャンネルブロッカーとして知られる薬剤のクラスに属する。平滑筋細胞の収縮過程はカルシウムイオンに依存し、カルシウムイオンはゆっくりとしたイオン性の膜貫通の流れとして脱分極の間にこれらの細胞に入る。ニモジピンはこれらの細胞へのカルシウムイオン移動を抑制し、それゆえ血管平滑筋の収縮を抑制する。
【0002】
ニモジピンは、破裂性頭蓋内桑実状動脈瘤に起因するくも膜下出血の患者において、彼らの発作後の神経学的状態にかかわらず虚血性障害の発生率および重症度を減少させることによって、神経学的転帰の改善に適応される。正確な作用様式は明らかではない。ハント・ヘス段階I〜III(Hunt and Hess Grades I〜III)の患者において、ニモジピンは(くも膜下出血)SAHにおける脳梗塞および不良転帰の危険性を著しく減少させる。ハント・ヘス段階IVおよびV(Hunt and Hess Grades IV and V)の患者において、ニモジピンは回復を早める一方で、不良な神経学的状態のSAH患者において重度の身体障害および植物的生存(vegetative survival)を減少させる。
【0003】
ニモジピンは黄色結晶性物質であり、実質的に水に不溶性である。限定的な溶解度のために、現在ニモジピンは軟質ゲルカプセルとしてのみ入手可能であり、各カプセルは30mg用量を含む。ニモジピンはチトクロムP450 3A4アイソザイムの基質であり、それによって広範囲に、予備全身的に(presystemically)代謝されるため、およそ18%の相対的バイオアベイラビリティーをもたらし、相対的に高用量の投与計画(regime)が必要となる。限定的な安定性のために、1つまたは2つの30mgの大型軟質ゲルカプセルが最大で1日6回まで投与されるが、これは非常に不便であり、低コンプライアンスをもたらす。
【0004】
さらなる困難は、くも膜下出血を示す多くの患者が様々に日常生活を困難にされ、経鼻胃管を通じて栄養を取る必要があることである。そのような患者は嚥下することができないため、軟質ゲルカプセルの内容物を注入し、栄養管を通じて薬物溶液を摂取するために介護人が必要となるが、この過程は最大で1日6回まで繰り返さなければならない。
【0005】
ニモジピン薬物溶液を経鼻胃管を通じて投与する必要性を克服するために、多くの介護人が薬物を静脈内に投与することによってこの不便を回避しようとした。ニモジピンはカルシウムチャンネルブロッカーであるため、高用量、可変用量にて、潜在的に致死的な結果を伴う低血圧を誘発する可能性が非常に現実的である。静脈内にニモジピンを投与された多数の患者が死亡したことが注目された。そのような死亡を考慮して、FDAは投与エラーに関して黒色の枠付きの警告文を出してきた。
【0006】
現在のくも膜下出血の効能に加えて、血液脳関門を通過し、脳血管系に入ることができる高度に親油性のカルシウムチャンネルブロッカーとして、ニモジピンは、単独または他の治療的活性物質と組み合わせて、認識促進を含む多数の他の脳内活性を有し得、神経因性疼痛を減少させ、脳卒中を軽減し、群発性頭痛または片頭痛を治療または予防し、パーキンソン病を含む神経変性疾患を予防または治療する。さらに、モルヒネと組み合わせて、ニモジピンは痛みを減少させるために必要なモルヒネの濃度を減少させるのみならず、痛みの減少の持続期間を延ばすことも示されてきた。薬物が最大で1日6回まで投与される必要があり、低血圧を誘発する潜在的に致死的な性質を有するならば、上記の潜在的効能はいずれも魅力的ではない。
【0007】
それゆえ、これらの問題の少なくともいくつかを克服するであろうニモジピンの製剤が必要である。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
発明の記載
本発明では、ニモジピンを含む複数の小カプセルまたは小球を含み、使用環境にさらされたときに40%を超えるニモジピンが12時間以内に放出され、6時間以内にTmaxに至る放出調節固体製剤が提供される。
【課題を解決するための手段】
【0009】
製剤は、ニモジピンを含む小球または小カプセルの第1集合およびニモジピンを含む小球または小カプセルの第2集合を含んでよい。
【0010】
第1集合は、即時放出用のニモジピンを含む固体小カプセルまたは小球を含んでよい。
【0011】
第2集合は、離型剤でコーティングされた小カプセルを含んでよい。1つの場合では、第2集合は少なくとも12時間にわたってニモジピンを放出する小カプセルを含む。あるいは、またはさらに、第2集合は24時間にわたってニモジピンを放出する小カプセルを含む。
【0012】
1つの実施態様では、製剤は少なくとも0〜12時間にわたってニモジピンを放出する離型剤でコーティングされた小カプセルを含む第1亜集合、および少なくとも12〜24時間にわたってニモジピンを放出する第2亜集合を含む。
【0013】
好ましい実施態様では、ニモジピンは微粉化形態にある。
【0014】
1つの場合では、15%未満のニモジピンが1時間以内に放出される。30%未満のニモジピンが4時間以内に放出されてよい。35%未満のニモジピンが6時間以内に放出されてよい。
【0015】
1つの実施態様では、製剤は1日1回投与に適切である。この場合、血漿濃度は24時間中の75%の時間において5〜20ng/mlの範囲内にあり、好ましくは、血漿濃度は24時間中の75%の時間において7.5〜15ng/mlの範囲内にある。
【0016】
放出調節製剤は、90mg〜450mgのニモジピン、典型的には約360mgのニモジピンを含んでよい。
【0017】
本発明の1つの態様では、使用環境にさらされたときに40%を超えるニモジピンが6時間以内に放出され、4時間以内にTmaxに至る、ニモジピンを含む放出調節固体製剤を提供する。
【0018】
1つの実施態様では、製剤は1日2回投与に適切である。この場合、血漿濃度は12時間の75%の時間において5〜20ng/mlの範囲内にあり、好ましくは、血漿濃度は12時間の75%の時間において7.5〜15ng/mlの範囲内にある。
【0019】
放出調節製剤は、45mg〜210mgのニモジピン、典型的には約180mgのニモジピンを含んでよい。
【0020】
1つの態様では、本発明は使用環境にさらされたときに50%を超えるニモジピンが12時間以内に放出され、6時間以内にTmaxに至る、ニモジピンを含む放出調節固体製剤を提供する。1つの実施態様では、実質的に全ての残存するニモジピンが12〜24時間の間に放出される。製剤は、ニモジピンを含む固体小カプセルを含んでよい。製剤は、小カプセルの1以上の集合を含んでよく、その集合の少なくとも1つは離型剤でコーティングされた小カプセルを含む。製剤は1日1回投与に適切である。1つの場合では、血漿濃度は24時間中の75%の時間において7.5ng/ml〜15ng/mlの範囲内にある。放出調節製剤は90mg〜450mgのニモジピンを含んでよい。
【0021】
1つの場合では、医薬有効成分はNOドナー共役ニモジピンである。
【0022】
1つの実施態様では、製剤はくも膜下出血を治療または予防するために用いられる。
【0023】
別の実施態様では、製剤は脳卒中または一過性虚血を治療または予防するために用いられる。
【0024】
別の実施態様では、製剤はアルツハイマー病および血管性認知症を含みこれに限定されない他の認知症を治療または予防するために用いられる。
【0025】
別の実施態様では、製剤は神経因性疼痛を治療または予防するために用いられる。
【0026】
さらなる実施態様では、製剤は神経変性疾患を治療または予防するために用いられる。神経変性疾患は、下肢静止不能症候群としてのパーキンソン病であってよい。
【0027】
別の実施態様では、製剤は筋萎縮性側索硬化症を治療するために用いられる。
【0028】
さらなる実施態様では、製剤はハンチントン病を治療するために用いられる。
【0029】
別の実施態様では、製剤は群発性頭痛を治療または予防するために用いられる。
【0030】
さらなる実施態様では、製剤は片頭痛を治療または予防するために用いられる。
【0031】
別の実施態様では、製剤は双極性障害を治療または予防するために用いられる。
【0032】
別の実施態様では、製剤は統合失調症を治療または予防するために用いられる。
【0033】
さらなる実施態様では、製剤は子癇前症(preemclampsia)を治療または予防するために用いられる。
【0034】
さらなる実施態様では、製剤はてんかんを治療または予防するために用いられる。
【0035】
別の実施態様では、製剤はメニエール病を治療または予防するために用いられる。製剤は、めまいを治療または予防するために用いられてよい。
【0036】
1つの実施態様では、製剤はニモジピンまたはそのNOドナー共役、および1以上の他の医薬有効成分を含む単層小カプセルである。
【0037】
1つの実施態様では、ゲル化剤またはカプセル化剤は、動物または非動物由来のゼラチンである。
【0038】
別の実施態様では、ゲル化剤またはカプセル化剤はアルギン酸塩、ペクチン、カラゲナンなどを含みこれらに限定されない非ゼラチン物質である。
【0039】
別の実施態様では、製剤は2層小カプセルである。コアおよびシェルは同一の医薬有効成分を含んでよい。あるいはコアは1以上の有効成分を含み、シェルは1以上の異なった有効成分を含む。1つの場合では、コア製剤は制御放出であり、シェルは即時放出である。別の場合では、コア製剤は制御放出であり、シェルは制御放出である。
【0040】
1つの実施態様では、2層小カプセルは制御放出ポリマーまたは材料でコーティングされている。
【0041】
1つの態様では、製剤は硬ゼラチンカプセルに充填された少なくとも1つの小カプセル集合を含む。
【0042】
別の態様では、製剤は小袋に充填された少なくとも1つの小カプセル集合を含む。
【0043】
製剤は、広径シリンジまたは管送達に適合するユニットの中に含まれる少なくとも1つの小カプセル集合を含んでよい。
【0044】
別の態様では、製剤はスプリンクルの形態にある少なくとも1つの小カプセル集合を含む。
【0045】
少なくとも1つの小カプセル集合は、滑沢剤としての油中に懸濁されてよい。
【0046】
1つの場合では、製剤は直腸投与用または膣投与用の坐剤として製剤化された少なくとも1つの小カプセル集合を含む。
【0047】
製剤は、頬側送達用に製剤化された少なくとも1つの小カプセル集合を含んでよい。
【0048】
製剤は、生体接着性ポリマーストリップに含まれる少なくとも1つの小カプセル集合を含んでよい。
【0049】
別の場合では、製剤は舌下送達用に製剤化された少なくとも1つの小カプセル集合を含む。
【0050】
少なくとも1つの小カプセル集合は、生体接着性ポリマーストリップに含まれてよい。
【0051】
さらなる場合では、製剤はスプリンクル形態に含まれる少なくとも1つの小カプセル集合を含む。
【0052】
小カプセルは崩壊剤を含んでよい。
【0053】
小カプセルは粘膜接着剤または生体接着剤を含んでよい。
【0054】
小カプセルは透過促進剤を含んでよい。
【0055】
小カプセルは矯味剤を含んでよい。
【0056】
1つの実施態様では、製剤は小球を含む。
【図面の簡単な説明】
【0057】
本発明は、添付する図を参照として、例としてのみ与えられるその実施態様の下記の説明からより明らかに理解されるであろうが、図の説明は下記の通りである。
【0058】
【図1】図1は、24時間にわたるニモジピン固体小球からの2つのバッチの平均の溶解特性を図示する。特性は、小球の3つの異なる集合の混合からの30mgのニモジピンの放出を表す:非コーティングの5mg、15%重量増加シュアリース(Surelease(登録商標))コーティングの6mgおよび30%重量増加シュアリース(Surelease(登録商標))コーティングの19mg。この製剤特性は、ニモジピンの1日1回投与に適している;
【図2】図2は、24時間にわたるニモジピン固体小球からの2つのバッチの平均の溶解特性を図示する。特性は、小球の2つの異なる集合の混合からの30mgのニモジピンの放出を表す:非コーティングの9mgおよび20%重量増加シュアリース(Surelease(登録商標))コーティングの21mg。この製剤特性は、ニモジピンの1日2回投与に適している;
【図3】図3は、24時間にわたるニモジピン固体小球からの2つのバッチの平均の溶解特性を図示する。特性は、小球の2つの異なる集合の混合からの30mgのニモジピンの放出を表す:非コーティングの9mgおよび15%重量増加シュアリース(Surelease(登録商標))コーティングの21mg。この製剤特性は、ニモジピンの1日2回投与に適している;
【図4】図4は、24時間にわたるニモジピン固体小球からの6つのバッチの平均の溶解特性を図示する。特性は、小球の3つの異なる集合の混合からの180mgのニモジピンの放出を表す:非コーティングの14.9mg、7.5%重量増加シュアリース(Surelease(登録商標))コーティングの35.6mgおよび30%重量増加シュアリース(Surelease(登録商標))コーティングの130.5mg。この製剤特性は、ニモジピンの1日1回投与に適している;
【図5】図5は、30mgの3層ニモジピン非コーティング小カプセルの2つのバッチの平均からの溶解特性を図示する。特性は、コア製剤が本質的に持続放出であることを示す;
【図6】図6は、24時間にわたる30mgの3層ニモジピン小カプセルの2つのバッチの平均からの溶解特性を図示する。3層小カプセルはオイドラギットRS(Eudragit(登録商標)RS)およびオイドラギットRL(Eudragit(登録商標)RL)混合での6.5%重量増加コーティングのものであって、図4に示したように、そのような3層小カプセルに固有の、外側の制御放出、さらには固有の内側の持続放出を提供した;
【図7】図7は、24時間にわたる30mgの3層ニモジピン小カプセルの2つのバッチの平均からの溶解特性を図示する。3層小カプセルはオイドラギットRS(Eudragit(登録商標)RS)およびオイドラギットRL(Eudragit(登録商標)RL)混合での13.5%重量増加コーティングのものであって、図4に示したように、そのような3層小カプセルに固有の、外側の制御放出、さらには固有の内側の持続放出を提供した;
【図8】図8は、24時間にわたる試験製剤(図4のような180mgのニモジピン)対6x30mgのニモトップ(Nimotop(商標))についての薬物動態血漿特性を図示する。薬物動態試験は、20人の健常男子志願者の平均を表し、血漿濃度はng/mlにて測定している。この製剤特性は、1日1回または1日2回投与に適している;および
【図9】図9は、微粉化ニモジピンをカプセル化している個々の固体、ゼラチンベース非コーティング小球1の集合を模式的に図示する。図示している例では、可変の重量増加シュアリース(Surelease(登録商標))ポリマーコーティング小球の2つの集合があり、2は第1の低重量増加シュアリース(Surelease(登録商標))コーティング小球を表し、3は第2の高重量増加シュアリース(Surelease(登録商標))コーティング小球を表す。個々の非コーティング小球1、低重量増加シュアリース(Surelease(登録商標))コーティング小球2および高重量増加シュアリース(Surelease(商標))コーティング小球3は、混合され、最終剤形、この場合2キャップの硬ゼラチンカプセル4に充填されている。;
【発明を実施するための形態】
【0059】
詳細な記載
経口薬物放出調節型は、どこで、いつまたはどのように薬物が最初に腸に放出され、その後血流に放出され、その所望の標的、またはそれが作用するであろう胃腸管に沿った局所的部位に達することを制御する方法の提供を可能にする。全体的に見て、即時放出型と比較すると、放出調節システムは定常状態放出または患者が最も危険なときと同時に起こる放出を通じて、より良い疾患管理を保証するはずであり、患者にとってより便利なのは、1日当たりの投与回数がより少なく、副作用がより弱いため、より良い疾患管理を保証するはずである。そのような剤形の必要性に基づいて、多数の放出調節システムが当業者によって開発されてきた。
【0060】
今日までに、最も調節された放出型は、異なる形状およびサイズの様々な小丸薬、丸薬または粒子型の開発に基づいており、活性薬物でコーティングされ、または活性薬物を取り込み、放出特性を変化させる多数のポリマーのいずれか1つでコーティングされている。そのようなコーティングは、pH変化、水溶液にさらされる時間、または細菌への露出を含む異なった環境によって分解される。一度外層が損なわれると、内側の薬物は、水性環境に可溶性である場合、溶解し始め、腸細胞内腔中に拡散し始めるであろう。溶解および放出の速度は、外側ポリマーシェルを通じた胃液および腸液の流入およびコア内の薬物の固有の水溶解度によって主に制御される。
【0061】
薬物の溶解度はその溶解についての主要な要因であるため、限定的な溶解度を示す薬物は現存する放出調節型への製剤化がより困難である。それ自体、低溶解度を示す薬物は現存する放出調節型によって十分に提供されてこなかった。ニモジピンは低水溶性で、高度に親油性の薬物であり、現在の投与型は油および界面活性剤を用いて最初に可溶化され、次いで大型軟質ゲルカプセル型へカプセル化される必要がある。大型軟質ゲルカプセル型は、放出調節ポリマーまたは類似の制御放出製剤でのコーティングに適していない。従って、制御放出システムについての技術分野では、血漿濃度ピークまたはトラフを予防し、安定した治療的血漿濃度が24時間中維持されることを保証するであろうニモジピンが必要である。本発明は、24時間にわたって持続放出を可能にし、1日1回または1日2回投与を可能にする制御放出小カプセルまたは小球ニモジピン製剤の開発を詳述する。さらに、本発明は様々な範囲の病状にわたる潜在的治療薬として、新規の制御放出組み合わせ製剤の開発を可能にする。
【0062】
シームレス小カプセル形成の原理は、1以上の異なった溶液の表面張力の利用であり、溶液は特定の直径を有する開口部またはノズルを通じて放出され、特定周波数および重力流にさらされた場合、球形を形成し、冷却空気流に入り、または冷却もしくは硬化溶液および外側シェル溶液に入る場合、ゲル化または凝固する。これはシームレス小球の形成を簡単に記載する。
【0063】
先行技術によると、コア溶液は主に疎水性溶液または懸濁液である。外側シェル溶液は、いずれかのゲル形成剤であり得、通常はゼラチンベースであるが、制御放出を可能にするポリマーまたは他の材料も含んでよい。しかしながら、親水性溶液も、親水性コア溶液と外側シェルの直接的接触を回避しうる中間体溶液の存在によってカプセル化されうる。単一開口部を有するノズルで、微粉化薬物のシェル/コア混合懸濁液の小カプセルまたはビーズが処理されうる。2つの開口部(中心および外側)を有するノズルで、疎水性溶液がカプセル化されうる。1以上の開口部を有するノズルで、様々な適用のためのシームレス小カプセルが処理されうる(米国特許第5,882,680号および第6,312,942号を参照のこと)。Globexカプセル化装置を含むInotech、ITASによって開発された技術などの他のカプセル化技術が用いられてよい。
【0064】
多粒子シームレス小カプセル用の米国特許第5,882,680号のような上記の製造工程方法を用いることによって、ニモジピン多粒子シームレス小カプセルが製造された。完成したニモジピンシームレス小カプセルは、好ましくは1.00〜3.00mmの平均直径を有し、特に我々の国際公開2006/035417A号に記載したように1.50〜1.80mmの範囲の平均直径を有する。
【0065】
得られる1層、2層または3層小カプセルまたは小球はさらに処理されてよく、下層の小カプセルまたは小球コアからの活性医薬有効成分の放出を調節する様々な制御放出ポリマーでコーティングされてよい。以前の発明に従って、薬物の入った小カプセルは速度制御ポリマーでコーティングされ、標的溶解速度を達成する。ポリマーが膨張し、透過性を持つため、これらの小カプセルから放出される薬物は拡散制御であり、GIT内での制御放出を可能にする。適切な溶解特性を達成するために、下記のパラメータを考慮する必要がある−効率的な工程/条件、薬物溶解度/粒子サイズ、小カプセル表面積、小カプセル直径およびコーティングポリマー適合性。
【0066】
さらに、特定の半固体コア製剤は、単独で、またはシェル、制御放出シェルおよび/もしくは制御放出シェルコーティングと共に制御放出をもたらしうる。
【0067】
制御放出ポリマー−膜制御剤形
本発明の放出調節製剤は、膜制御製剤としても提供されうる。本開示の膜制御製剤は、急速放出コアを調製することによって製造されうるが、急速放出コアは液体、半固体または固体であり得、ゼラチンシェルによってカプセル化され、シェルを機能性コーティングでコーティングする。膜制御コーティングの存在下または非存在下で、コアは、液体、半固体または固体であろうと、それ自身、小カプセルからの医薬品の放出速度を制御するように製剤化されうる。膜制御剤形の詳細は下記で提供される。
【0068】
本発明の特定の実施態様では、多重小カプセル膜制御製剤にて医薬品は提供される。医薬有効成分は液体、半固体または固体物質として製剤化され得、溶解度、透過性または溶解速度を増強し、2層または3層小カプセルのコアとして利用され、さらにシェルを含み、混和性コアおよびシェル成分を分離する付加的な間の緩衝層を有しまたは有しない。小カプセルの直径は、0.5〜約5.0mmの範囲であってよい。同一の有効成分または1以上の他の有効成分の付加的な医薬品が、流動層コーターまたはパンコーティングシステムを用いて溶液または懸濁液から噴霧されうる。
【0069】
小カプセルからの製剤放出の位置を制御するために、様々な遅延放出および/または持続放出ポリマー材料が、膜コーティングとして小カプセルに適用される。ポリマー材料は、水溶性および水不溶性ポリマーの両方を含む。可能な水溶性ポリマーは、ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン、メチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロースもしくはポリエチレングリコール、および/またはその混合物を含み、これらに限定されない。
【0070】
可能な水不溶性ポリマーは、エチルセルロース、セルロースアセテート、セルロースプロピオネート、セルロースアセテートプロピオネート、セルロースアセテートブチレート、セルロースアセテートフタレート、セルローストリアセテート、ポリ(メチルメタクリレート)、ポリ(エチルメタクリレート)、ポリ(ブチルメタクリレート)、ポリ(イソブチルメタクリレート)、およびポリ(ヘキシルメタクリレート)、ポリ(イソデシルメタクリレート)、ポリ(ラウリルメタクリレート)、ポリ(フェニルメタクリレート)、ポリ(メチルアクリレート)、ポリ(イソプロピルアクリレート)、ポリ(イソブチルアクリレート)、ポリ(オクタデシルアクリレート)、ポリ(エチレン)、低密度ポリ(エチレン)、高密度ポリ(エチレン)、ポリ(エチレンオキシド)、ポリ(エチレンテレフタラート)、ポリ(ビニルイソブチルエーテル)、ポリ(ビニルアセテート)、ポリ(ビニルクロライド)、もしくはポリウレタン、ならびに/またはその混合物を含み、これらに限定されない。
【0071】
オイドラギット(EUDRAGIT(登録商標))ポリマー(エボニック(Evonik)から入手可能)は、アクリレートおよび/またはメタクリレートに基づくポリマーラッカー物質である。有効成分および水に対して自由に透過性がある適切なポリマーは、オイドラギットRL(EUDRAGIT(登録商標)RL)である。有効成分および水に対してわずかに透過性がある適切なポリマーは、オイドラギットRS(EUDRAGIT(登録商標)RS)である。有効成分および水に対してわずかに透過性があり、pH依存性の透過性を示す他の適切なポリマーは、オイドラギットL(EUDRAGIT(登録商標)L)、オイドラギットS(EUDRAGIT(登録商標)S)、およびオイドラギットE(EUDRAGIT(登録商標)E)を含み、これらに限定されない。
【0072】
オイドラギットRL(EUDRAGIT(登録商標)RL)およびRSは、低含有量の四級アンモニウム基を有するアクリル酸エステルおよびメタクリル酸エステルのコポリマーを含むアクリル樹脂である。アンモニウム基は塩として存在し、ラッカーフィルムの透過性を生じる。オイドラギットRL(EUDRAGIT(登録商標)RL)およびRSは、それぞれ自由に透過性があり(RL)、わずかに透過性があり(RS)、pH非依存性である。ポリマーは水および消化液中で、pH非依存性様式にて膨張する。膨張状態では、それらは水および溶解した活性化合物に対して透過性がある。
【0073】
オイドラギットL(EUDRAGIT(登録商標)L)は、メタクリル酸およびメタクリル酸メチルエステルから合成されるアニオン性ポリマーである。それは酸および純水に不溶性である。それは中性から弱アルカリ条件で可溶性となる。オイドラギットL(EUDRAGIT(登録商標)L)の透過性は、pH依存性である。pH5.0以上では、ポリマーはますます透過性となる。
【0074】
膜制御剤形を含む様々な実施態様では、ポリマー材料はメタクリル酸コポリマー、アンモニオメタクリレートコポリマー、またはその混合物を含む。オイドラギットS(EUDRAGIT(登録商標)S)およびオイドラギットL(EUDRAGIT(登録商標)L)(エボニック(Evonik))などのメタクリル酸コポリマーは、本発明の制御放出製剤における使用に適切である。これらのポリマーは、胃耐性および腸溶性ポリマーである。それらのポリマーフィルムは、純水および希酸に不溶性である。それらは、カルボン酸の含有量に依存して、より高いpHで溶解する。オイドラギットS(EUDRAGIT(登録商標)S)およびオイドラギットL(EUDRAGIT(登録商標)L)は、ポリマーコーティングでの単一成分として、またはいずれかの比での組み合わせにて用いられうる。ポリマーの組み合わせを用いることによって、ポリマー材料はオイドラギットL(EUDRAGIT(登録商標)L)およびオイドラギットS(EUDRAGIT(登録商標)S)が別々に溶解するpHの間で溶解性を示しうる。
【0075】
膜コーティングは、少なくとも1つの医薬的に許容される水溶性ポリマーの主成分(すなわち、全ポリマー含有量の50%を越える成分)、および任意に少なくとも1つの医薬的に許容される水不溶性ポリマーの副成分(すなわち、全ポリマー含有量の50%未満の成分)を含むポリマー材料を含みうる。あるいは、膜コーティングは、少なくとも1つの医薬的に許容される水不溶性ポリマーの主成分(すなわち、全ポリマー含有量の50%を越える成分)、および任意に少なくとも1つの医薬的に許容される水溶性ポリマーの副成分(すなわち、全ポリマー含有量の50%未満の成分)を含むポリマー材料を含みうる。
【0076】
アミノメタクリレートコポリマーはいずれかの所望の比にて組み合わせられ得、比は薬物放出の速度を変化させるように変更されうる。例えば、90:10のオイドラギットRS(EUDRAGIT(登録商標)RS):オイドラギットRL(EUDRAGIT(登録商標)RL)の比が用いられうる。あるいは、オイドラギットRS(EUDRAGIT(登録商標)RS):オイドラギットRL(EUDRAGIT(登録商標)RL)の比は約100:0〜約80:20、もしくは約100:0〜約90:10、またはその間のいずれかの比でありうる。そのような製剤では、低透過性ポリマーのオイドラギットRS(EUDRAGIT(登録商標)RS)は、一般的にポリマー材料の大部分を含むであろうが、より可溶性のRLは、溶解するとギャップを作ることを可能にし、それを通じて溶質がコアに入り得、溶解した医薬有効成分が制御様式にて逃げる。
【0077】
薬物の放出における所望の遅延を達成するために、ポリマー材料内でアミノメタクリレートコポリマーは、メタクリル酸コポリマーと組み合わせられうる。約99:1〜約20:80の範囲のアンモニオメタクリレートコポリマー(例えば、オイドラギットRS(EUDRAGIT(登録商標)RS))とメタクリル酸コポリマーの比が用いられうる。2つの型のポリマーが同一のポリマー材料にも組み合わせられ得、またはコアに適用される別々の被膜として提供されうる。
【0078】
上記で議論したオイドラギット(EUDRAGIT(登録商標))ポリマーに加えて、他の腸溶性、またはpH依存性ポリマーが用いられうる。そのようなポリマーは、フタレート基、ブチレート基、スクシネート基、および/またはメリテート基を含みうる。そのようなポリマーは、セルロースアセテートフタレート、セルロースアセテートスクシネート、セルロース水素フタレート、セルロースアセテートトリメリテート、ヒドロキシプロピルメチルセルロースフタレート、ヒドロキシプロピルメチルセルロースアセテートスクシネート、デンプンアセテートフタレート、アミロースアセテートフタレート、ポリビニルアセテートフタレート、およびポリビニルブチレートフタレートを含み、これらに限定されない。
【0079】
シュアリース(Surelease(登録商標))は、水性エチルセルロース分散液であるが、フィルム形成ポリマー;可塑剤および安定剤の特有の組み合わせである。持続放出および矯味適用のために設計されているため、シュアリース(Surelease(登録商標))は使い易く、エチルセルロースを放出速度制御ポリマーとして用いる、完全に水性のコーティングシステムである。該分散液は、相対的にpH非感受性の再現可能な特性を伴う薬物放出速度を調整するための柔軟性を提供する。
【0080】
薬物放出の主な方法は、シュアリース(Surelease(登録商標))分散液膜を通じた拡散により、フィルムの厚さによって直接的に制御される。適用されるシュアリース(Surelease(登録商標))の量の増加または減少は、放出の速度を容易に変化させうる。
【0081】
シュアリース(Surelease(登録商標))分散液については、再現可能な薬物放出特性は、開発からスケールアップおよび生産工程までを通じて一貫して正確である。さらなる情報は、カラコン社(Colorcon Inc)のウェブサイト、www.Colorcon.comで見られうる。加えて、さらに広範囲の制御放出ポリマーが用いられてよい。
【0082】
さらに、代替の制御放出可能化ポリマーまたは他の物質が、単独で、またはオイドラギット(Eudragit(登録商標))およびシュアリース(Surelease(登録商標))ポリマーを含み、これらに限定されない上述のポリマーなどのポリマーと組み合わせて用いられてよい。あるいは、制御放出材料またはポリマーのいずれかの混合が利用されてよい。
【0083】
コーティング膜は、ポリマー材料の透過性を増加させる少なくとも1つの可溶性賦形剤をさらに含みうる。適切には、少なくとも1つの可溶性賦形剤は、可溶性ポリマー、界面活性剤、アルカリ金属塩、有機酸、糖、および糖アルコールの中から選択される。そのような可溶性賦形剤は、ポリビニルピロリドン、ポリエチレングリコール、塩化ナトリウム、ラウリル硫酸ナトリウムおよびポリソルベートなどの界面活性剤、酢酸、アジピン酸、クエン酸、フマル酸、グルタル酸、リンゴ酸、コハク酸、および酒石酸などの有機酸、デキストロース、フルクトース、グルコース、ラクトース、およびスクロースなどの糖、ラクチトール、マルチトール、マンニトール、ソルビトール、およびキシリトールなどの糖アルコール、キサンタンガム、デキストリン、ならびにマルトデキストリンを含み、これらに限定されない。いくつかの実施態様では、可溶性賦形剤としてポリビニルピロリドン、マンニトール、および/またはポリエチレングリコールが用いられうる。少なくとも1つの可溶性賦形剤は、ポリマーの全乾燥重量に基づいて、重量で約1%〜約20%の範囲の量にて用いられうる。コーティング工程はいずれかの適切な方法によって行われ得、例えば、GLATT、ACCELACOTA、Diosnaおよび/またはHICOATER処理装置などの穿孔パンシステムを用いることによって行われうる。
【0084】
放出における遅延または伸長を作り出すなどの放出の速度の変化は、多数の方法で達成されうる。機構は、腸内の局所的pHに依存または非依存であり得、所望の効果を達成するために局所的酵素活性にも依存しうる。放出調節製剤の例は当該技術分野で周知であり、例えば米国特許第3,845,770号;第3,916,899号;第3,536,809号;第3,598,123号;第4,008,719号;第5,674,533号;第5,059,595号;第5,591,767号;第5,120,548号;第5,073,543号;第5,639,476号;第5,354,556号;および第5,733,566号に記載されている。
【0085】
膜調節持続放出剤形については、半透過性膜が興味のある活性物質を含む製剤を包囲しうる。半透過性膜は、程度の差はあるが水および溶質の両方に対して透過性があるものを含む。この膜は、水不溶性および/または水溶性ポリマーを含み得、pH依存性および/またはpH非依存性の溶解度特性を示しうる。これらの型のポリマーは、以下で詳細に記載されている。一般的に、ポリマー膜の特性は、例えば膜の組成物によって決定されうるが、剤形からの放出の性質を決定するであろう。
【0086】
使用に適切な多数の調節剤形は、以下に記載されている。そのような型のより詳細な考察は、例えば「医薬制御放出技術のハンドブック(Handbook of Pharmaceutical Controlled Release Technology)」(D. L. Wise (ed.), Marcel Decker, Inc., New York (2000));そして、「制御薬物送達についての論文:原理、最適化、および適用(Treatise on Controlled Drug Delivery: Fundamentals、Optimization、and Applications)」(A. Kydonieus (ed.), Marcel Decker, Inc., New York, (1992))にも見られ、そのそれぞれの関連のある内容は、この目的のために参照することにより本明細書に援用されている。放出調節製剤の例は、膜調節、マトリックス、浸透圧、およびイオン交換システムを含み、これらに限定されない。上記で示唆したように、これらの全ては、単一ユニットまたは多重ユニット剤形の形態にありうる。
【0087】
pH依存性システムは、ヒトGITのpHが、胃(pH1〜2、消化の間に4まで増加する)から消化の部位での小腸(pH6〜7)まで連続的に増加し、遠位回腸にて7〜8まで増加するという一般的に認められている観点を利用する。pH感受性ポリマーの錠剤、カプセルまたは小丸薬へのコーティングは、遅延放出を提供し、胃液から活性薬物を保護する。ポリマーは大腸標的用に用いられるが、しかしながら、胃および小腸の近位部の低pH値に耐えることができるはずであり、末端回腸および好ましくは回盲部でのわずかにアルカリpHの中性で分解することもできるはずである。
【0088】
上記の小カプセル過程は様々な範囲の活性医薬品について多数の利点を示す一方で、潜在的な制限はコア製剤とシェル材料および/または必要である場合、緩衝層の適合性を含む。別の潜在的な制限は、低活性医薬品ペイロードは大型の、患者に不便な丸薬サイズをもたらすことである。さらに別の潜在的な制限は、制御放出はシェルまたはシェルコーティングの機能であり、それゆえ制限的でありうることである。さらに別の制限は、シェルとコアまたは緩衝層との間の可能な不適合性に関するが、これは不完全なカプセル化または不規則な形状の小カプセルをもたらす。さらに別の利点は、新規の、さもなければ不適合性の、多数の病状の潜在的な治療用の制御放出組み合わせ製剤を開発する可能性に関する。
【0089】
健康および疾患におけるカルシウム制御
カルシウムは脳機能を制御する広範囲な役割を有し、例えば可塑性、グルコース代謝、神経伝達物質合成および放出、軸索輸送ならびに神経樹状突起(claw)形成を行う。カルシウムイオンは遍在性のメッセンジャーであり、膜興奮をその後の細胞内分子応答と結びつける。カルシウム恒常性の変化は、高次脳機能に影響がありうる加齢の1態様である。
【0090】
ニモジピンは親油性を有するイソプロピルカルシウムチャンネルブロッカーであり、容易に血液脳関門を通過することができる。その主要な作用は、L型受容体に結合し、細胞膜の中を通ってカルシウムイオンを運搬する開口チャンネルの数を減少させ、それによって細胞へのカルシウムイオンの流入を制限することである。それは、抗血管収縮および血管拡張作用または細動脈を有する。
【0091】
本発明は、上記の小カプセル過程を通じて、単独の、または他の医薬的に活性な物質と組み合わせた小カプセルまたは小球過程に基づく制御放出ニモジピン製剤の開発を通じて提供された利点を十分に利用しようとしている。
【0092】
くも膜下出血
ニモジピンは、全ハント・ヘス段階(Hunt and Hess grades)[I〜V]を含むくも膜下出血の患者において、虚血性神経障害の重症度を減少させることが示されており、それは4時間毎に60ミリグラムを投与すると、96時間以内に惹起され、21日間継続される(トムソン・レポート、2005)。
【0093】
本発明は、くも膜下出血の治療用の1日1回または1日2回投与用ニモジピンの開発を可能にするであろう。1日6回ではなく1日1回治療の追加された便利さに加えて、小カプセル型は漏斗状の付属管の要、不要にかかわらず、いずれの場合にも経鼻胃管を通じた簡便な投与に適しているであろう。
【0094】
脳卒中/一過性虚血
本発明は、脳卒中の治療用または予防用の1日1回または1日2回投与持続放出ニモジピンの開発を可能にする。
【0095】
アルツハイマー病/認知症
実験的状況において、カルシウム流入の抑制は様々な範囲の損傷性の影響に対して神経細胞を保護しうるが、これはニモジピンが特に虚血および低酸素症に対する神経保護の可能性を有しうることを示唆する。ニモジピン結合部位の密度は海馬、尾状核、および大脳皮質の特定領域で特に高く、学習および記憶過程にて役割を有しうる。結合部位は神経細胞および脳血管細胞上に見られ、その作用は神経伝達および脳血流量の両方に影響しうる(Tedeschi, Cur Therap Res 1991; 50: 553-63)。
【0096】
他のカルシウムチャンネルブロッカーと異なり、ニモジピンは主に脳内で、低用量で、最も明白には局所血流量を決定する細動脈上でその抗血管収縮および抗虚血性効果を生じる。それはアセチルコリン放出などの他のカルシウム依存過程も調節し得、アルツハイマー病における機能の改善に潜在的に有効である(Baumel et al, 老年性認知症の診断および治療(Diagnosis and treatment of senile dementia). Berlin Heidelberg:Springer-Verlag, 1989:366-73)。
【0097】
本発明は、アルツハイマー病または他の型の認知症の治療用または予防用の、1日1回または1日2回投与制御放出ニモジピンの開発を可能にする。
【0098】
神経変性疾患
単一神経細胞は、シナプスと呼ばれる他の神経細胞との何千もの特異的結合を形成する。これらのシナプス結合の数、強度、および特異性は、最終的に脳機能を決定し、制御する。それ自体、発生の間どのようにシナプス結合性が確立されるのか、およびどのようにそれが生涯を通じて調節されるのかということは、健康な精神の維持または神経疾患もしくは神経変性疾患の発生の制御において重要である。本発明は、単独でパーキンソン病または下肢静止不能症候群などでこれに限定されない他の神経変性疾患の治療用のチャンネルブロッキングおよびカルシウムチャンネル調節活性をもたらす、新規の1日1回または1日2回投与制御放出ニモジピンの開発を可能にする。
【0099】
鬱病/双極性障害(Bipolar)
補助的なニモジピンが、一部の脳血管疾患の患者における鬱病の改善に加えられてよい。また、双極性障害の患者はニモジピンで満足のいく結果を経験したが、ニモジピンは彼女の妊娠の間用いられた(トムソン・レポート、2005)。
【0100】
本発明は、鬱病または双極性障害の治療用の1日1回または1日2回投与制御放出ニモジピンの開発を可能にする。
【0101】
群発性頭痛/片頭痛
ニモジピンは、60〜120ミリグラムの全1日用量にて、群発性頭痛の治療において効果的である(トムソン・レポート、2005)。
【0102】
本発明は、群発性頭痛または片頭痛の対症療法用または予防用の1日1回または1日2回投与制御放出ニモジピンの開発を可能にする。
【0103】
筋萎縮性側索硬化症
筋萎縮性側索硬化症(ALS)は、運動ニューロンの変性に起因する進行性の、致死的な神経変性疾患である。原因は未知のままである一方で、グルタミン酸塩および活性酸素種の役割は無視することができない。ALS用に認可された唯一の薬物はリルゾールであり、グルタミン酸塩の放出を減少させることによって運動ニューロンへの損傷を減少させると信じられている。マウスにおけるさらなる研究において、リルゾールがニモジピンと組み合わせられた場合に劇的な利点を示した。
【0104】
本発明は、ALSの治療用または予防用の1日1回または1日2回投与制御放出ニモジピンの開発を可能にする。
【0105】
ハンチントン病
ハンチントン病は、脳の選択領域における神経細胞死をもたらすハンチントン病遺伝子の、トリヌクレオチド反復伸長に起因する希有な遺伝性神経障害で、末期疾患である。それは運動障害、認知症および精神障害によって特徴付けられる。神経細胞変性は主に前頭葉、基底核、および尾状核にて発生する。潜在的な治療は、ニモジピンを含む。
【0106】
本発明は、単独でのハンチントン病の治療用または予防用の1日1回または1日2回投与制御放出ニモジピンの開発を可能にする。
【0107】
子癇前症(Preemclampsia)
ニモジピンは、妊娠中の非常に高い血圧の治療用に用いられてきた(Duley and Henderson-Smart, Cochrane Database Syst Rev. 2002;CD001449)。
【0108】
本発明は、子癇前症(preemclampsia)の治療用または予防用の1日1回または1日2回投与制御放出ニモジピンの開発を可能にする。
【0109】
メニエール病
ニモジピンは、第1の医学的管理が失敗したメニエール病の患者において研究された。3分の2の患者において、めまいおよび聴覚の改善または安定化の制御の成功が観察された(Lassen et al., American Journal of Otology, 1996; 17(4):577-580)。
【0110】
本発明は、メニエール病の治療用の1日1回または1日2回投与制御放出ニモジピンの開発を可能にする。
【0111】
投与型
多重小カプセルまたは小球型は、1つの有効成分と異なった制御放出コーティング、あるいは異なった有効成分と単一または多重制御放出コーティングの組み合わせが、様々なサイズの硬ゼラチンカプセルに充填されることを可能にする。硬ゼラチンカプセルは、液体製剤または粉末製剤も含んでよい。さらに、小カプセルまたは小球は、不活性賦形剤または他の医薬有効成分を含む小丸薬または丸薬型に圧縮されてよい。
【0112】
現在の小カプセルおよび小球型の利点は、それらが投与の簡便さをもたらす柔軟性のある型であることである。ニモジピンまたはニモジピンを含む組み合わせ製剤によって治療される可能性を有する多くの病気における共通の問題は、患者が嚥下障害を経験することである。これは患者が脳卒中もしくは心的外傷後に日常生活を困難にされ、経鼻胃管を通じて栄養を取るために起こり得、または患者が嚥下障害を経験しうるパーキンソン病などの特定の神経変性疾患において起こりうる。
【0113】
1つの投与しやすい型では、本発明は小カプセルまたは小球が小袋に充填されうることを可能にし、小袋の内容物は軟らかい食物、または実際は飲み物にまかれてよく、スプーンフィーディング、ドリンキングによって、またはストローを通じて患者に投与される。この投与型は、嚥下障害を嫌いまたは有する小児科または老年科に適している。さらに、小袋内容物は日常生活を困難にされた患者への投与用に経鼻胃管への付属物に注がれてよい。別の型は内容物を経鼻胃管へ連結されてよいシリンジへ予備充填することである。
【0114】
さらに別の投与型は坐剤型であり、膣または直腸投与に適している。この型は、作用の急激な発生が緊急に必要であるが、嚥下することができない可能性がある患者への投与を含む多数の利点を有する。
【0115】
さらに、小カプセルまたは小球は、バッカルまたは舌下投与用の型に組み込まれてよい。そのような型は、ヒドロゲルまたは口内もしくは舌下で急速に分解しうる型を含む生体接着性分解性フィルムを含んでよい。さらに、この型は作用の速やかな発生の必要性、または嚥下することができない患者に適している。
【0116】
制御放出ニモジピン
非コーティング小カプセル
適切な量の微粉化ニモジピン、ゼラチンおよびソルビトールを水に加え、80℃まで加熱し、均一な溶液が得られるまで継続的に撹拌する。次いで米国特許第5,882,680号に記載された製造工程方法を用いて、適切な流速および振動周波数で溶液を固体小球に加工する。得られる小球を、油中で冷却する。冷却した小球を収集し、残油を除去するために遠心し、オーブン内で一晩乾燥させる。ニモジピン多粒子シームレス小カプセルを製造した。完成したニモジピンシームレス小カプセルは、1.50〜1.80mmの範囲の平均直径を有した。
【表1】

【0117】
コーティング小カプセル
一部の非コーティング小カプセルは、Diosna Minilabを用いて可能となる標準ボトムスプレー流動層コーティングを用いて、シュアリース(Surelease(登録商標))でコーティングされ、12時間または24時間放出特性を提供する。
【0118】
1つの場合では、コーティングは7.5%重量増加シュアリース(Surelease(登録商標))などの低重量増加シュアリース(Surelease(登録商標))であり、典型的には:40℃x24時間硬化させる。溶解特性は、得られる小カプセルを0.3%SDS水溶液中に置き、100rpmで撹拌し、HPLCで24時間にわたって分析することによって得られる。
【0119】
別の場合では、コーティングは30%重量増加シュアリース(Surelease(登録商標))などの高重量増加シュアリース(Surelease(登録商標))であり、典型的には:40℃x24時間硬化させる。溶解特性は、得られる小カプセルを0.3%SDS水溶液中に置き、100rpmで撹拌し、HPLCで24時間にわたって分析することによって得られる。
【0120】
最終剤形
非コーティング小球およびコーティング小球の1以上の集合を混合し、最終剤形に充填する。
【0121】
さらに詳細には、図9は微粉化ニモジピンをカプセル化している個々の固体、ゼラチンベース非コーティング小球1の集合を模式的に図示する。図示している例では、可変の重量増加シュアリース(Surelease(登録商標))ポリマーコーティング小球の2つの集合があり、2は第1の低重量増加シュアリース(Surelease(登録商標))コーティング小球を表し、3は第2の高重量増加シュアリース(Surelease(登録商標))コーティング小球を表す。個々の非コーティング小球1、低重量増加シュアリース(Surelease(登録商標))コーティング小球2および高重量増加シュアリース(Surelease(登録商標))コーティング小球3は、混合され、最終剤形、この場合2キャップの硬ゼラチンカプセル4に充填されている。
【0122】
24時間ニモジピン溶解データは第4表に示し、溶解特性は図4に図示する。
【実施例1】
【0123】
実施例1−ニモジピンQD1製剤
上記の製造工程を用いて、5mgの非コーティング、6mgの15%重量増加、19mgの30%重量増加シュアリース(Surelease)の混合からニモジピンQD1製剤(30mg)を調製し、40℃x24時間硬化させた。溶解特性は、得られる小カプセルを0.3%SDS水溶液中に置き、100rpmで撹拌し、HPLCで24時間にわたって分析することによって得られる。
【0124】
第1表−ニモジピンQD1製剤(30mg)の放出−5mgの非コーティング、6mgの15%重量増加、19mgの30%重量増加シュアリース(Surelease)の混合、40℃x24時間硬化。溶解特性は、得られる小カプセルを0.3%SDS水溶液中に置き、100rpmで撹拌し、HPLCで24時間にわたって分析することによって得られる。放出特性は図1に図示している。
【表2】

【実施例2】
【0125】
実施例2−ニモジピンBID1製剤
上記の製造工程を用いて、9mgの非コーティング、21mgの15%重量増加シュアリース(Surelease)の混合からニモジピンBID1製剤(30mg)を調製し、40℃x24時間硬化させた。溶解特性は、得られる小カプセルを0.3%SDS水溶液中に置き、100rpmで撹拌し、HPLCで24時間にわたって分析することによって得られる。
【0126】
第2表−ニモジピンBID1製剤(30mg)の放出−9mgの非コーティング、21mgの15%重量増加シュアリース(Surelease)の混合、40℃x24時間硬化。溶解特性は、得られる小カプセルを0.3%SDS水溶液中に置き、100rpmで撹拌し、HPLCで24時間にわたって分析することによって得られる。放出特性は図2に図示している。
【表3】

【実施例3】
【0127】
実施例3−ニモジピンBID1製剤
上記の製造工程を用いて、9mgの非コーティング、21mgの20%重量増加シュアリース(Surelease)の混合からニモジピンBID1製剤(30mg)を調製し、40℃x24時間硬化させた。溶解特性は、得られる小カプセルを0.3%SDS水溶液中に置き、100rpmで撹拌し、HPLCで24時間にわたって分析することによって得られる。
【0128】
第3表−ニモジピンBID1製剤(30mg)の放出−9mgの非コーティング、21mgの20%重量増加シュアリース(Surelease)の混合、40℃x24時間硬化。溶解特性は、得られる小カプセルを0.3%SDS水溶液中に置き、100rpmで撹拌し、HPLCで24時間にわたって分析することによって得られる。放出特性は図3に図示している。
【表4】

【実施例4】
【0129】
実施例4−ニモジピンQD1製剤
上記の製造工程を用いて、14.9mgの非コーティング、35.6mgの7.5%重量増加シュアリース(Surelease(登録商標))、130.5mgの30%重量増加シュアリース(Surelease(登録商標))の混合からニモジピンQD1製剤(30mg)を調製し、40℃x24時間硬化させた。溶解特性は、得られる小カプセルを0.3%SDS水溶液中に置き、100rpmで撹拌し、HPLCで24時間にわたって分析することによって得られる。個々の非コーティング小球1、低重量増加シュアリース(Surelease(登録商標))コーティング小球2および高重量増加シュアリース(Surelease(商標))コーティング小球3を混合し、最終剤形、この場合、図9に図示したように2キャップの硬ゼラチンカプセル4に充填されている。
【0130】
第4表−ニモジピンQD製剤(180mg)の放出−14.9mgの非コーティング、35.6mgの7.5%重量増加シュアリース(Surelease(登録商標))、130.5mgの30%重量増加シュアリース(Surelease(登録商標))の混合、40℃x24時間硬化。溶解特性は、得られる小カプセルを0.3%SDS水溶液中に置き、100rpmで撹拌し、HPLCで24時間にわたって分析することによって得られる。放出特性は図4に図示している。
【表5】

【実施例5】
【0131】
実施例5−制御放出ニモジピンの人体研究
試験製剤−実施例4のような180mgのニモジピンを含む単一カプセルを健常男子志願者に投与した。結果を24時間にわたって、6x30mgのニモジピン−ニモトップ(Nimotop(商標))の既知の製剤の投与に対して比較した。薬物動態試験は20人の健常男子志願者の平均を表し、血漿濃度はng/mlにて測定した。
【0132】
図8は、24時間にわたる実施例4のような試験製剤(180mgのニモジピン)対6x30mgのニモトップ(Nimotop(商標))についての薬物動態血漿特性を図示する。薬物動態試験は20人の健常男子志願者の平均を表し、血漿濃度はng/mlにて測定している。
【0133】
この製剤特性は、1日1回または1日2回投与に適している。
【実施例6】
【0134】
実施例6:制御放出3層ニモジピン小カプセル
適切な量のニモジピンをPEG400に加え、加熱し、ニモジピンが完全に溶解するまで撹拌する。次いで溶液を処理して3中心ノズルの中央ノズルに流し、加熱したゲルシレ(gelucire)を中間ノズルに通過させ、溶融ゼラチン/ソルビトール溶液を外側ノズルに通過させる。3つの溶液は、各流れの3中心ノズルを適切な流速および振動周波数で通過する。得られる3層小カプセルを、油中で冷却させる。冷却した小球を収集し、残油を除去するために遠心し、オーブン内で一晩乾燥させる。得られる小カプセルを6.5%または13.5%重量増加50:50オイドラギットRS(Eudragit(登録商標)RS)/オイドラギットRL(Eudragit(登録商標)RL)でさらにコーティングし、24時間放出特性を提供する。非コーティング3層ニモジピンの24時間溶解データは第5表に示し、関連する溶解特性は図5に図示する。ニモジピン3層製剤6.5%重量増加50:50オイドラギットRS/RL(Eudragit RS/RL)の24時間溶解データは第6表に示し、関連する溶解特性は図7に図示する。ニモジピン3層製剤13.5%重量増加50:50オイドラギットRS/RL(Eudragit RS/RL)の24時間溶解データは第7表に示し、関連する溶解特性は図7に図示する。
【表6】

【0135】
第5表 ニモジピン3層製剤非コーティング(30mg)−0.3%SDS水溶液中、100rpmで撹拌、HPLCで24時間にわたり分析。放出特性は図5に図示している。
【表7】

【0136】
第6表 ニモジピン3層製剤6.5%重量増加50:50オイドラギットRS/RL(Eudragit RS/RL)(30mg)−40℃x24時間硬化、0.3%SDS水溶液中、100rpmで撹拌、HPLCで24時間にわたり分析。放出特性は図6に図示している。
【表8】

【0137】
第7表 ニモジピン3層製剤13.5%重量増加50:50オイドラギットRS/RL(Eudragit RS/RL)(30mg)−40℃x24時間硬化、0.3%SDS水溶液中、100rpmで撹拌、HPLCで24時間にわたり分析。放出特性は図7に図示している。
【表9】

【実施例7】
【0138】
実施例6:制御放出ニモジピン(バイオアベイラビリティー増強用のビタミンEを有する)
適切な量の微粉化ニモジピン、ゼラチン、ソルビトールおよびビタミンEを水に加え、80℃まで加熱し、均一な溶液になるまで継続的に撹拌する。次いで、適切な流速および振動周波数で溶液を固体小球に加工する。得られる小球を、油中で冷却する。冷却した小球を収集し、残油を除去するために遠心し、オーブン内で一晩乾燥させる。得られる小カプセルをシュアリース(Surelease(登録商標))を用いてさらにコーティングし、12時間または24時間放出特性を提供する。
【表10】

【0139】
本発明は上記の実施態様に限定されず、詳細に変化してよい。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ニモジピンを含む複数の小カプセルまたは小球を含み、使用環境にさらされたときに40%を超えるニモジピンが12時間以内に放出され、6時間以内にTmaxに至る、放出調節固体製剤。
【請求項2】
ニモジピンを含む小球または小カプセルの第1集合およびニモジピンを含む小球または小カプセルの第2集合を含む、請求項1記載の放出調節製剤。
【請求項3】
第1集合が即時放出用のニモジピンを含む固体小カプセルまたは小球を含む、請求項2記載の製剤。
【請求項4】
第2集合が離型剤でコーティングされた小カプセルを含む、請求項2または請求項3記載の製剤。
【請求項5】
第2集合が少なくとも12時間にわたってニモジピンを放出する小カプセルを含む、請求項4記載の製剤。
【請求項6】
第2集合が24時間にわたってニモジピンを放出する小カプセルを含む、請求項4または請求項5記載の製剤。
【請求項7】
少なくとも0〜12時間にわたってニモジピンを放出する離型剤でコーティングされた小カプセルを含む第1亜集合、および少なくとも12〜24時間にわたってニモジピンを放出する第2亜集合を含む、請求項6記載の製剤。
【請求項8】
ニモジピンが微粉化形態にある、請求項1〜請求項7のいずれかに記載の製剤。
【請求項9】
15%未満のニモジピンが1時間以内に放出される、請求項1〜請求項8のいずれかに記載の製剤。
【請求項10】
30%未満のニモジピンが4時間以内に放出される、請求項1〜請求項9のいずれかに記載の製剤。
【請求項11】
35%未満のニモジピンが6時間以内に放出される、請求項1〜請求項10のいずれかに記載の製剤。
【請求項12】
製剤が1日1回投与に適切である、請求項1〜請求項11のいずれかに記載の放出調節製剤。
【請求項13】
血漿濃度が24時間中の75%の時間において5〜20ng/mlの範囲内にある、請求項12記載の放出調節製剤。
【請求項14】
血漿濃度が24時間中の75%の時間において7.5〜15ng/mlの範囲内にある、請求項12または請求項13記載の放出調節製剤。
【請求項15】
90mg〜450mgのニモジピンを含む、請求項1〜請求項14のいずれかに記載の放出調節製剤。
【請求項16】
約360mgのニモジピンを含む、請求項15記載の放出調節製剤。
【請求項17】
使用環境にさらされたときに40%を超えるニモジピンが6時間以内に放出され、4時間以内にTmaxに至る、ニモジピンを含む放出調節固体製剤。
【請求項18】
製剤が1日2回投与に適切な、請求項1〜請求項11のいずれかに記載の放出調節製剤。
【請求項19】
血漿濃度が12時間の75%の時間において5〜20ng/mlの範囲内にある、請求項18記載の放出調節製剤。
【請求項20】
血漿濃度が12時間の75%の時間において7.5〜15ng/mlの範囲内にある、請求項18または請求項19記載の放出調節製剤。
【請求項21】
45mg〜210mgのニモジピンを含む、請求項8〜請求項14のいずれかに記載の放出調節製剤。
【請求項22】
約180mgのニモジピンを含む、請求項21記載の放出調節製剤。
【請求項23】
製剤がくも膜下出血を治療または予防するために用いられる、請求項1〜請求項22のいずれかに記載の調節製剤。
【請求項24】
製剤が脳虚血を治療または予防するために用いられる、請求項1〜請求項22のいずれかに記載の調節製剤。
【請求項25】
製剤が脳卒中または一過性虚血を治療または予防するために用いられる、請求項1〜請求項22のいずれかに記載の調節製剤。
【請求項26】
製剤が神経変性疾患を治療または予防するために用いられる、請求項1〜請求項22のいずれかに記載の調節製剤。
【請求項27】
神経変性疾患がパーキンソン病である、請求項26記載の調節製剤。
【請求項28】
神経変性疾患が下肢静止不能症候群である、請求項27記載の調節製剤。
【請求項29】
製剤が筋萎縮性側索硬化症を治療するために用いられる、請求項1〜請求項22のいずれかに記載の調節製剤。
【請求項30】
製剤がハンチントン病を治療するために用いられる、請求項1〜請求項22のいずれかに記載の調節製剤。
【請求項31】
製剤が群発性頭痛を治療または予防するために用いられる、請求項1〜請求項22のいずれかに記載の調節製剤。
【請求項32】
製剤が片頭痛を治療または予防するために用いられる、請求項1〜請求項22のいずれかに記載の調節製剤。
【請求項33】
製剤が双極性障害を治療または予防するために用いられる、請求項1〜請求項22のいずれかに記載の調節製剤。
【請求項34】
製剤が統合失調症を治療または予防するために用いられる、請求項1〜請求項22のいずれかに記載の調節製剤。
【請求項35】
製剤が子癇前症(preemclampsia)を治療または予防するために用いられる、請求項1〜請求項22のいずれかに記載の調節製剤。
【請求項36】
製剤がメニエール病を治療または予防するために用いられる、請求項1〜請求項22のいずれかに記載の調節製剤。
【請求項37】
製剤がめまいを治療または予防するために用いられる、請求項1〜請求項22のいずれかに記載の調節製剤。
【請求項38】
製剤がてんかんを治療または予防するために用いられる、請求項1〜請求項22のいずれかに記載の調節製剤。
【請求項39】
製剤が硬ゼラチンカプセルに充填された少なくとも1つの小カプセル集合を含む、請求項1〜請求項38のいずれかの調節製剤。
【請求項40】
製剤が小袋に充填された少なくとも1つの小カプセル集合を含む、請求項1〜請求項38のいずれかの調節製剤。
【請求項41】
製剤が広径シリンジまたは管送達に適合するユニットの中に含まれる少なくとも1つの小カプセル集合を含む、請求項1〜請求項38のいずれかの調節製剤。
【請求項42】
製剤がスプリンクルの形態にある少なくとも1つの小カプセル集合を含む、請求項1〜請求項38のいずれかの調節製剤。
【請求項43】
少なくとも1つの小カプセル集合が滑沢剤としての油中に懸濁される、請求項1〜請求項38のいずれかの調節製剤。
【請求項44】
製剤が直腸投与用または膣投与用の坐剤として製剤化された少なくとも1つの小カプセル集合を含む、請求項1〜請求項38のいずれかの調節製剤。
【請求項45】
製剤が頬側送達用に製剤化された少なくとも1つの小カプセル集合を含む、請求項1〜請求項38のいずれかの調節製剤。
【請求項46】
製剤が生体接着性ポリマーストリップに含まれる少なくとも1つの小カプセル集合を含む、請求項45の調節製剤。
【請求項47】
製剤が舌下送達用に製剤化された少なくとも1つの小カプセル集合を含む、請求項1〜請求項38のいずれかの調節製剤。
【請求項48】
少なくとも1つの小カプセル集合が生体接着性ポリマーストリップに含まれる、請求項47の調節製剤。
【請求項49】
製剤がスプリンクル形態に含まれる少なくとも1つの小カプセル集合を含む、請求項1〜請求項38のいずれかの調節製剤。
【請求項50】
小カプセルが崩壊剤を含む、請求項1〜請求項49のいずれかの調節製剤。
【請求項51】
小カプセルが粘膜接着剤または生体接着剤を含む、請求項1〜請求項50のいずれかの調節製剤。
【請求項52】
小カプセルが透過促進剤を含む、請求項1〜請求項51のいずれかの調節製剤。
【請求項53】
小カプセルが矯味剤を含む、請求項1〜請求項52のいずれかの調節製剤。
【請求項54】
製剤が小球を含む、前述のいずれかの請求項に記載の放出調節製剤。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公表番号】特表2010−526053(P2010−526053A)
【公表日】平成22年7月29日(2010.7.29)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−504994(P2010−504994)
【出願日】平成20年5月1日(2008.5.1)
【国際出願番号】PCT/IE2008/000051
【国際公開番号】WO2008/132710
【国際公開日】平成20年11月6日(2008.11.6)
【出願人】(509276490)シグモイド・ファーマ・リミテッド (9)
【氏名又は名称原語表記】Sigmoid Pharma Limited
【Fターム(参考)】