説明

ニューロパシーおよび関連障害の治療のための方法および組成物

【解決課題】本発明は、1−アリール−3−アザビシクロ[3.1.0]ヘキサンを使用して、痛覚過敏、異痛症、および感覚異常(parasthesia)などの神経障害に関連する症状の治療のための新規の組成物および方法を提供する。
【解決手段】薬学的組成物中での1−アリール−3−アザビシクロ[3.1.0]ヘキサンの使用ならびに哺乳動物における神経障害および関連する症状の治療方法に関する。本発明に従った治療の影響を受けやすい患者には、糖尿病性神経障害、疱疹後神経痛、三叉神経痛、慢性腰部痛、坐骨神経痛、特発性および外傷後ニューロパシー、HIV関連神経痛、その他多くの神経障害および関連症状を罹患した患者が含まれる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、神経障害および神経障害に関連する症状(神経因性疼痛が含まれる)の治療のための組成物および方法に関する。
【背景技術】
【0002】
神経障害は、その病因が複雑であることが多く、ニューロパシーを罹患した個体は複数且つ様々な不都合な症状を示す。神経障害に伴う最も一般的且つ重篤な不都合な症状は、一般に「神経因性疼痛」と呼ばれる症候群である。神経因性疼痛は特徴づけられており、異なる神経学的特徴および感覚的特徴によって急性の侵害受容性疼痛(例えば、火傷または外科的切開に起因する疼痛)と区別され、標準的な侵害受容性疼痛治療では効果がない。
【0003】
神経障害を特徴づける異なる神経学的特徴および感覚的特徴には、異痛症(衣類の接触などの無害の刺激に対する疼痛反応),痛覚過敏(疼痛刺激に対する増強されたか異常な感受性)、感覚異常(打診痛、灼熱、刺痛、またはくすぐり感などの異常な感覚)、知覚過敏(天然刺激に対する増強された感覚)、および知覚異常(通常の刺激によって生じる不快感)が含まれる。これらの種々の「疼痛」症状は、神経障害患者間で発症が異なり、持続性または発作性を呈し得る。
【0004】
神経障害は、最も一般的には、末梢神経系および/または中枢神経系に直接または間接的に影響を及ぼす損傷または病理発生に起因する。中枢神経系のウイルス感染から四肢の切断までの範囲にわたる多様な傷害によって起こり得るこれらの基礎的な病原性の変化により、ニューロパシーは、一般に、末梢神経系および/または中枢神経系における異常な体性感覚の処理(processing)に関連する。ニューロパシーに伴う感覚症状は、典型的には、傷害受容性疼痛と質が異なり、刺激に対する過大もしくは不適切な応答または灼熱、灼熱、乱切痛、打診痛、刺すような痛み(piercing)、引裂くような痛み(lacerating)、または電気ショック様感覚応答などの異なる感覚などの異なる感覚を生じる。これらの異常な感覚容態を、一般に、「神経因性疼痛」というが、侵害受容性疼痛と比較して異なる神経障害症状である。
【0005】
神経障害は、神経因性疼痛と別の多数の共存症状(例えば、鬱病、不眠症、疲労、気分障害、心的障害後ストレス、自閉症、および/または精神的および/または肉体的機能の喪失)を伴い得る。神経因性疼痛に起因し得るか、誘発され得るか、続発し得る神経障害の他の症状には、体性ストレス症状(血圧、心拍数、および呼吸の増加など)が含まれる。
【0006】
神経障害の別の異なる態様は、付帯症状が慢性化することであり、しばしば、数週間、3〜6ヶ月まで、またはそれを超える。従って、神経障害性容態は、患者に生活の質および機能の持続的喪失を強いる。慢性神経因性疼痛に加えて、ニューロパシー患者についての種々の慢性で続発性の影響(心臓病リスクの増加、免疫低下、罹患リスクの増加、精神障害の持続が含まれる)が十分に報告されている。ニューロパシー患者で疼痛身体部位の保護および不使用も頻繁に起こり、これが、他の不都合な結果(筋力低下または筋萎縮、筋肉の緊張または痙攣、腱および靭帯の短縮または柔軟性の喪失ならびに関連する機能喪失(例えば、可動域の減少)、ならびに骨折リスクの増加に関連する骨の脆弱化など)を招き得る。
【0007】
ニューロパシーに関する多数の根本にある原因が存在する一方で、ニューロパシーは、ほとんどの場合、末梢神経系および/または中枢神経系への直接的傷害または損傷によって引き起こされる。ニューロパシーならびにニューロパシーに関連する障害および症状の例示的形態には、糖尿病性ニューロパシー、末梢神経障害、遠位対称性多発ニューロパシー、疱疹後神経痛、三叉神経痛、アルコール中毒症関連ニューロパシー、HIV感覚性ニューロパシー、坐骨神経痛、脊髄損傷、脳卒中後ニューロパシー、多発性硬化症、パーキンソン病、特発性または外傷後ニューロパシー、単神経炎、癌関連ニューロパシー、末梢神経外傷、神経切離、手根管損傷、一定の慢性腰部痛形態、ファブリー病に関連するニューロパシー、血管炎性ニューロパシー、ギラン・バレー症候群に関連するニューロパシー、および絞扼性ニューロパシーが含まれる。この広範囲にわたり、ニューロパシーは、世界中の膨大な患者に影響を及ぼし、年間医療費は数十億ドルに達し、生産性が失われる。例えば、世界中で1億5000万人と推定される糖尿病患者のうち、この巨大な患者手段の50%までが糖尿病性ニューロパシーを罹患している。
【0008】
ニューロパシーの症状は、ほとんどの場合、傷害によって引き起こされるが、増悪性(precipitating)傷害は、神経系に対する直接的損傷を含む必要はない。多くの症例では、ニューロパシーの増悪因子は直接的である。例えば、神経は、腫瘍によって浸潤されるか圧迫され、瘢痕組織によって絞扼され、または感染によって炎症を起こし得る。したがって、多数の直接的傷害、疾患、および容態により、神経障害(食事または吸収の障害、ビタミン欠乏症、重金属中毒、複合性局所疼痛症候群、線維筋痛、ワレンベルグ症候群、結合組織病、神経叢照射(plexus irradiation)、局所性照射(ischemic irradiation)、脊髄出血、癒合不全(dyscraphism)、腫瘍圧迫(tumor compression)、動静脈奇形(arteriovenuous malformation)、梅毒性脊髄炎、脊髄交連切開、くも膜炎、神経根引き抜き損傷、椎間板脱性圧迫(prolapsed disk compression)、腰部および頸部の疼痛、反射性交感神経性萎縮症(reflex sympathic dystrophy)、開胸術後の痛み、乳房切除後の痛み、幻肢症候群、および種々の他の慢性疼痛症候群が含まれる)を発症し得る。
【0009】
神経因性疼痛が通常の疼痛(すなわち、侵害受容性疼痛または全身性疼痛として分類される正常な適応した疼痛反応)と異なる疼痛現象を示す。神経因性疼痛および侵害受容性疼痛はいくつかの共通の特徴を有し得るが、その診断および治療が異なることは十分に認識されている。上記の際立った特徴に加えて、侵害受容性疼痛は、典型的には、急性外傷(例えば、捻挫、骨折、靭帯損傷、火傷、および切傷)から生じ、損傷組織中またはその周囲で生じ、通常、一旦原因傷害が減少し、損傷組織が治癒すると消散する。したがって、侵害受容性疼痛は、典型的には、侵害受容器(組織傷害に関連する刺激に応答する感覚ニューロン)によって媒介される急性疼痛症状を含む。侵害受容性疼痛はまた、一般に、自己限定的であり、進行中の(current)組織の傷害または損傷のシグナル伝達によって生物学的機能を崩御するのに役立つ。対照的に、神経因性疼痛およびニューロパシーの他の関連症状は、典型的には、数ヵ月または数年持続し、損傷組織の見かけ上の治癒をはるかに超える。
【0010】
ほとんどの神経障害が慢性であることが治療を複雑にしている。この状況において、最も顕著で複雑な状態は、神経障害および関連症状(神経因性疼痛が含まれる)を治療および管理するために長期間の投薬または他の介入が必要であることである。
【0011】
神経障害のための現在の薬物療法は、薬物の選択、有効性、および副作用に関して厳しく制限されている。現在実施されている神経障害の治療には、多様な作用機構を有する種々の化合物(アミトリプチリン、カルバマゼピン、フェニトイン、メキシレチン、ニューロンチン、ガバペンチン、およびデュロキセチンなど)の使用が含まれる。ニューロパシー治療のために現在使用されているこれらおよび他の薬物は、しばしば、ニューロパシーの症状の治療には有効性が低く、一般に、副作用を伴う。現在のニューロパシー薬の有効性/安全性プロフィールは、典型的には、ニューロパシー症状を管理するために必要であるが、長期使用で特に問題があり得る。
【0012】
より侵襲性の高い神経障害の治療には、硬膜外脊髄刺激、脳深部刺激、神経切除術、および根切断術が含まれる。これらの各方法は、治療がある程度しか成功しておらず、時折、例えば、求心路遮断による痛みが増大したニューロパシー患者のために試みられている。
【0013】
神経障害の治療薬の利用可能な用品は、多数の鎮痛薬および侵害受容性疼痛治療のために通常使用される他の化合物と根本的に異なる。ニューロパシー症状の管理のために使用される種々の薬物群は、侵害受容性疼痛治療において一般的に処方されず、有効性も認識されていない。同様に、侵害受容性疼痛は一般にオピオイドおよび他の従来の鎮痛薬(非ステロイド性抗炎症薬(NSAIDS)およびCOX−2インヒビターなど)に対して十分に応答するのに対して、神経因性疼痛およびニューロパシーの他の症状は、一般に、侵害受容性疼痛治療のためのこれらの従来の薬物レジメンに対して不応答であるか不十分に応答する。NSAIDS(例えば、イブプロフェン、アセトアミノフェン、アスピリン、およびセレコキシビド(celecoxibid))およびオピオイド(例えば、モルヒネ、オキシモルホン、およびコデイン)を使用した治療に対する神経障害の難治性は、十分に報告されている(Max,et al.,Clin.And Pharm.Therapy,43:363;Max,et al.,Neurology 38:1427,(1988))。
【0014】
上記を考慮して、神経障害および関連する不都合な容態(神経因性疼痛が含まれる)の治療のための別の組成物および方法が当該分野で重要であり、その要求が満たされていない。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0015】
発明の例示的実施形態のまとめ
したがって、本発明の目的は、哺乳動物被験体の神経障害および関連する容態を治療または予防するための新規且つ改良された組成物および方法を提供することである。
【0016】
本発明は、哺乳動物にお哺乳動物におけるニューロパシーおよび神経障害に伴う関連する症状(感覚異常、異痛症、痛覚過敏、およびしばしば神経因性疼痛と呼ばれるニューロパシーの他の感覚症状が含まれるが、これらに限定されない)の治療のための新規且つ驚くほどに有効な組成物および方法を提供することにより、これらの目的を達成し、さらなる目的および利点を満たす。本発明の方法および組成物は、哺乳動物被験体におけるニューロパシーの1つまたは複数の症状を緩和するのに十分な有効量の1−アリール−3−アザビシクロ[3.1.0]ヘキサンを使用する手順、化合物、または処方物に関する。
【課題を解決するための手段】
【0017】
より詳細な実施形態では、神経障害の治療のための本発明の組成物および方法は、フェニル/アリール環上に少なくとも1つの置換基を有する1−アリール−3−アザビシクロ[3.1.0]ヘキサンを含む有効量の化合物または処方物を使用する。
【0018】
例示的実施形態では、ニューロパシーおよび関連する症状の治療のための本発明の方法および組成物は、以下の式I:
【化1】

式I
(式中、
Arは、アリール環上に少なくとも1つの置換基を有するフェニルまたは他の芳香族基であり、Rは、例えば、水素、C1〜6アルキル、ハロ(C1〜6)アルキル、C3〜9シクロアルキル、C1〜5アルコキシ(C1〜6)アルキル、カルボキシ(C1〜3)アルキル、C1〜3アルカノイル、カルバメート、ハロ(C1〜3)アルコキシ(C1〜6)アルキル、C1〜3アルキルアミノ(C1〜6)アルキル、およびジ(C1〜3)アルキルアミノ(C1〜6)アルキル、シアノ(C1〜6)アルキル、メチル、エチル、トリフルオロメチル、トリフルオロエチル、および2−メトキシエチルから選択される)によって少なくとも一部が特徴づけられるアリール環上に少なくとも1つの置換基を有する新規の1−アリール−3−アザビシクロ[3.1.0]ヘキサンを使用する。
【0019】
一定の詳細な実施形態では、神経障害および/または関連する症状の治療のための本発明の化合物および処方物は、「3」位に窒素と会合した水素の代わりにアザ置換基を有する1−アリール−3−アザビシクロ[3.1.0]ヘキサンを含む。
【0020】
本発明の他の詳細な実施形態では、神経障害および/または関連する症状の治療のための本発明の化合物および処方物は、アリール環上に少なくとも1つの置換基および「3」位の窒素上にアザ置換基を有する1−アリール−3−アザビシクロ[3.1.0]ヘキサンを含む。
【0021】
さらなる詳細な実施形態では、神経障害および/または関連する症状の治療のための本発明の化合物および処方物は、フェニル/アリール環上に2つまたはそれを超える置換基を有する1−アリール−3−アザビシクロ[3.1.0]ヘキサンを含む。
【0022】
他の詳細な実施形態では、神経障害および/または関連する症状の治療のための本発明の化合物および処方物は、「3」位に窒素上の「アザ置換基」と組み合わせた、アリール環上に複数の置換基を有する1−アリール−3−アザビシクロ[3.1.0]ヘキサンを含む。
【0023】
本発明の方法および組成物を使用した治療の影響を受ける哺乳動物被験体には、神経因性疼痛症候群を罹患しており、そして/または1つまたは複数の神経因性疼痛関連症状を示すヒトおよび他の哺乳動物被験体が含まれるが、これらに限定されない。これらの治療標的群内の被験体は、例えば、糖尿病性ニューロパシー、糖尿病性末梢神経障害、遠位対称性多発ニューロパシー、疱疹後神経痛、三叉神経痛、アルコール中毒症に続発する疼痛、坐骨神経痛、脳卒中後疼痛、多発性硬化症、帯状疱疹、特発性または外傷後ニューロパシーおよび単神経炎、HIV関連神経因性疼痛、癌、手根管症候群、ファブリー病に関連するニューロパシー、血管炎性ニューロパシー、ギラン・バレー症候群に関連するニューロパシー、食事または吸収の障害、脊髄損傷、慢性腰部痛、医原的に誘導されたニューロパシー(iatrogenic−induced neuropathies)、ビタミン欠乏症、重金属中毒、複合性局所疼痛症候群、線維筋痛、末梢神経外傷、絞扼性ニューロパシー、神経切離、ワレンベルグ症候群、結合組織病、神経叢照射、局所性照射、脊髄出血、癒合不全、腫瘍圧迫、動静脈奇形、梅毒性脊髄炎、脊髄交連切開、くも膜炎、神経根引き抜き損傷、椎間板脱性圧迫、腰部および頸部の疼痛、反射性交感神経性萎縮症、幻肢症候群、ならびに他の慢性および消耗性疼痛症候群に関連する神経因性疼痛を示す患者が含まれる。
【0024】
これらおよび他の被験体を、有効量の1−アリール−3−アザビシクロ[3.1.0]ヘキサンの投与によって有効に治療して、被験体の神経障害の1つまたは複数の症状を緩和する。本発明の治療方法および処方物は、種々の形態の1−アリール−3−アザビシクロ[3.1.0]ヘキサン(薬学的に許容可能な塩、鏡像異性体、多形体、溶媒和物、水和物、および/またはプロドラッグまたはその組み合わせが含まれる)を使用することができる。
【0025】
本発明のさらなる態様内で、哺乳動物被験体における神経障害に関連する1つまたは複数の症状を緩和するために、1−アリール−3−アザビシクロ[3.1.0]ヘキサンを組み合わせて処方するか調和的に投与する有効量の1−アリール−3−アザビシクロ[3.1.0]ヘキサンおよび1つまたは複数の他の活性成分(active agents)を使用する組み合わせ処方物および方法、または1−アリール−3−アザビシクロ[3.1.0]ヘキサンを調和的に投与する調和的非薬物治療方法を提供する。この文脈における例示的組み合わせ処方物および調和的治療方法は、神経障害に伴う症状の治療のための1つまたは複数の従来の薬物または非薬物治療方法(アミトリプチリン、カルバマゼピン、フェニトイン、メキシレチン、ニューロンチン、ガバペンチン、デュロキセチン、バクロフェン、トラマドール、抗不整脈薬、抗癲癇薬、抗痙攣薬、カプサイシンクリーム、膜安定剤、N−メチル−D−アスパラギン酸受容体(NMDA)アンタゴニスト、手術、経皮電気的神経刺激、硬膜外脊髄刺激、神経切除術、根切断術、後根入口帯損傷、声帯切除術、視床切除術、および神経焼灼が含まれるが、これらに限定されない)と組み合わせて1−アリール−3−アザビシクロ[3.1.0]ヘキサンを使用する。
【0026】
本発明の上記目的およびさらなる目的、特徴、態様、および利点を、以下の詳細な説明でさらに例示および説明する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0027】
本発明の例示的実施形態の詳細な説明
本発明は、哺乳動物被験体(ヒトが含まれる)における神経障害に関連する症状の治療および/または予防のための新規の組成物および方法を提供する。本発明の治療および予防のための処方物ならびに方法は、哺乳動物被験体に投与した場合、被験体の神経障害、神経障害の1つまたは複数の症状または容態を有効に治療または予防する有効量の1−アリール−3−アザビシクロ[3.1.0]ヘキサンを使用する。
【0028】
種々の実施形態では、本発明の方法は、以下の式I:
【化2】

式I
(式中、
Arは、アリール環上に少なくとも1つの置換基を任意選択的に有するフェニルまたは他の芳香族基であり、Rは、Hであるか、例えば、水素、C1〜6アルキル、ハロ(C1〜6)アルキル、C3〜9シクロアルキル、C1〜5アルコキシ(C1〜6)アルキル、カルボキシ(C1〜3)アルキル、C1〜3アルカノイル、カルバメート、ハロ(C1〜3)アルコキシ(C1〜6)アルキル、C1〜3アルキルアミノ(C1〜6)アルキル、およびジ(C1〜3)アルキルアミノ(C1〜6)アルキル、シアノ(C1〜6)アルキル、メチル、エチル、トリフルオロメチル、トリフルオロエチル、および2−メトキシエチルから選択される任意選択的なアザ置換基である)によって少なくとも一部が特徴づけられる1つまたは複数のアリール置換および/またはアザ置換された1−アリール−3−アザビシクロ[3.1.0]ヘキサンを使用する。
【0029】
本明細書中で使用される、構造記号表示「Ar」は、フェニルまたは他の芳香族基を示す。芳香族基は、4n+2個の電子(すなわち、6、10、14個などのπ電子)の環状共役系を示す。単環系、二環系、または三環系飽和複素環は、1、2、または3つの環からなり、且つO、N、またはSから選択される少なくとも1つのヘテロ原子を含む環系を示し、この環系は単結合のみを含む。単環系、二環系、または三環系の部分的に飽和した複素環は、1、2、または3つの環からなり、且つO、N、またはSから選択される少なくとも1つのヘテロ原子を含む環系を示し、環系が方向環系でない場合、少なくとも1つの二重結合を含む。単環系、二環系、または三環系の芳香族複素環は、1、2、または3つの環からなり、且つO、N、またはSから選択される少なくとも1つのヘテロ原子を含む芳香環を示す。本明細書中で使用される、用語「フェニル」は、1つの芳香環を有する単環系の炭素環系をいう。シクロヘキサン環またはシクロペンタン環にフェニル基を融合することもできる。本発明のフェニル基および芳香族基を、任意選択的に置換することができる。
【0030】
本発明のこの態様内で使用するためのアリール置換1−アリール−3−アザビシクロ[3.1.0]ヘキサンの例示的集合を、以下の表1に示す。これらの各例示的化合物では、アザ置換基が存在しないが(すなわち、「3」位で窒素に会合した水素が保持されている)、例示されたアリール置換基を下記のアザ置換基と組み合わせて、本明細書中に記載の神経症および関連する症状の治療の候補としての「二置換」化合物を得ることができる。
【0031】
【表1】

【0032】
本発明の一定の例示的実施形態では、ニューロパシーおよび関連する症状の治療に有効な組成物および方法は、(±)−1−(4−メチルフェニル)−3−アザビシクロ[3.1.0]ヘキサン塩酸塩(ビシファジンHCl)、ビシファジンの鏡像異性体、ビシファジンの他の塩、ビシファジンのプロドラッグ、ビシファジンの多形体、水和物、および溶媒和物、またはビシファジンの上記形態の任意の組み合わせから選択されるアリール置換された1−アリール−3−アザビシクロ[3.1.0]ヘキサンを使用する。より詳細な実施形態では、ビシファジン塩酸塩を、本発明の治療処方物および治療方法で使用する。ビシファジンHCl(ラセミ1−(p−トイル)−3−アザビシクロ[3.1.0]ヘキサン塩酸塩とも呼ばれる((±)−1−(4−メチルフェニル)−3−アザビシクロ[3.1.0]ヘキサン塩酸塩)は、米国特許第4,231,935号および米国特許第4,196,120号(それぞれ本明細書中で参考として援用される)中で非麻薬性鎮痛薬として記載されている。以下に構造式IIによって(遊離塩基として)示されるビシファジンは、「ランダル−セリット」試験(急性炎症性疼痛)の動物モデル)で強力且つ有効であることが報告されている(例えば、Epstein et al.,J.Med.Chem.24(5):481,1981;Epstein et al.,NIDA Res.Monogr.pp.93−98,1982を参照のこと)。アヘン薬(例えば、モルヒネおよびコデイン)およびNSAID(例えば、アスピリン)の両方(急性疼痛の治療で使用される化合物)はまた、このモデルで有効である。このモデルでは、炎症性疼痛を、酵母抽出物のラットの足底面への注射によって発症させる。これらの研究と一致して、ビシファジンは、ヒトにおける侵害受容性疼痛の治療で鎮痛作用を有することが確認された。特に、ビシファジンは、コデインおよびトラマドール(これら2つは侵害受容性疼痛の治療(歯科手術後の疼痛の軽減)のために一般的に使用される)として有効であることが報告されている(Czobor P.,et al.,2003);(Czobor P.,et al.,2004)。
【化3】

式ii
【0033】
ビシファジンHClはまた、多形体形態AおよびBで示す少なくとも2つの多形結晶形態で存在する(例えば、米国特許出願第10/702,397号(本明細書中で参考として援用される)に記載)。ビシファジン塩酸塩の他の多形体形態が存在し得、同様に、神経障害および/または関連する症状の治療のための本発明の方法および組成物内での使用のための候補である。
【0034】
多形体には、化学構造が同一であるが、内部構造が異なる化合物が含まれる。さらに、多数の薬学的に活性な有機化合物は、均一に結晶化されて第2の外来分子(特に、溶媒分子)に組み込まれ、主要な薬学的に活性な化合物の結晶構造になり、偽多形体を形成する。第2の分子が溶媒分子である場合、偽多形体を溶媒和物ということもできる。これらのさらなる全ビシファジン形態は、同様に、本発明の抗失禁(anti−incontinence)法および組成物内で有用である。
【0035】
ビシファジンHClの多形体形態Aを、例えば、米国特許第4,231,935号および米国特許第4,196,120号(それぞれ本明細書中で参考として援用される)に開示の方法によって形成することができる。多形体形態Bを、例えば、米国特許出願第10/702,397号、関連国際出願PCT/US2003/035099号(国際公開番号WO04/043920号)、および優先権主張される米国特許仮出願第60/424,982号(それぞれ参考として援用される)に開示の方法によって形成することができる。例えば、多形体Bを、運動エネルギーの適用および結晶化技術によって多形体Aから形成することができる。1つの実施形態では、煽動(agitating)、撹拌、磨砕(grinding)、または粉砕の形態の運動エネルギーを多形体形態Aの純粋な組成物または形態AおよびBの混合物に、特に、選択された温度(例えば、約−200℃〜約50℃、別の実施形態では、約−200℃〜約35℃、さらなる実施形態では、約−200℃〜約0℃)で適用することができる。別の実施形態では、多形体Bを、所定の温度条件下で加熱および冷却して多形体Bを形成することにより、多形体A溶液から結晶化することができる。選択された条件下で、ビシファジンの純粋な多形体Aまたはビシファジンの多形体AおよびBの混合物を処理して、例えば、濃縮量の多形体Bを含む所望の組成物(例えば、少なくとも約10重量%、約10〜20重量%、20〜35重量%、35〜50重量%、50〜70重量%、重量70〜85%、85〜95重量%、および95〜99重量%またはそれを超える(重量)の範囲のビシファジン多形体Bを含む組成物)を得ることができる。
【0036】
ビシファジンHClの多形体を、その赤外線スペクトルおよび/またはそのX線粉末回折パターンによって特徴づけることができる。上記で援用された米国特許出願第10/702,397号に記載のように、ラセミビシファジン塩酸塩の多形体形態AおよびBのX線粉末回折(XRPD)分析を、CuKa照射を使用したShimadzu XRD−6000X線粉末回折計を使用して行った。ビシファジンを、結晶粉末として装置にロードした。装置は、高精度焦点X線管を具備していた。管の電圧およびアンペア数を、それぞれ、40kVおよび40mAに設定した。発散および拡散スリットを1°に設定し、受信スリットを0.15mmに設定した。回折電磁波を、NaIシンチレーション検出器によって検出した。3/分(0.4秒/0.02°ステップ)で2.5から40°2θまでのθ−θ連続スキャンを使用した。シリコン標準を分析して、装置のアラインメントをチェックした。データを回収し、XRD−6000 v.4.1を使用して分析した。
【0037】
ラセミビシファジン塩酸塩の多形体形態AのX線粉末回折パターンを、「d」スペーシングに関して示し、相対強度(I)を以下(s=強い、m=中程度、w=弱い、v=非常に、d=拡散)の通りとし、これらの用語を以下の表2に示し、ビシファジンの形態BのX線粉末回折パターンを以下の表3に示す。
【0038】
【表2】

【0039】
【表3】

【0040】
表2および表3は、それぞれ粒子サイズが減少したビシファジン塩酸塩形態AおよびBのピーク位置のXRPDパターンを示す。これらの表中の結果は、粒子サイズが減少した形態Aおよび形態B間のXRPDパターンの相違を証明している。しかし、このパターン中に所与の角度でビシファジン塩酸塩の多形体形態Bを同定する重要なピークが存在し、典型的には、このピークはその粒子サイズと無関係に多形体形態BのXRPDパターン中に存在する。2θ(°)として示し、単独または任意の特徴的な組み合わせでこれらの主なピークが存在し、CuKa照射を使用してビシファジン多形体形態Bを形態Aと区別するこれらの角度は、5.08、10.07、20.16、25.17、および30.43である。
【0041】
Ever−Glo mid/far IR源、レンジ拡大(extended range)臭化カリウム(KBr)ビームスプリッタ、および重水素化硫酸トリグリシン(DTGS)検出器を具備したMagna−IR 860(登録商標)フーリエ変換赤外線(FT−IR)分光光度計(Thomas Nicolet)を使用して、各サンプルについての赤外線スペクトルを得た。分光光度計により、所与の波長で各サンプルの赤外光バンドの強度を測定した。サンプリングのために拡散反射アクセサリー(Collector(商標)、Thermo Spectra−Tech)を使用した。各スペクトルは、4cm−1のスペクトル分解能で400〜4000cm−1を回収した256の同時付加スキャン(co−added scans)を示す。サンプル調製物は、多形体形態Aまたは形態Bのいずれかに結晶を含む粉末サンプルを直径13mmのカップに入れることおよびすりガラススライドを使用して材料を平らにすることからなる。バックグラウンドデータセットを、アラインメントミラーを使用して適所に得た。反射率Rは、所与の波数でのサンプルの光度/バックグラウンド組の光度の比である。相互に対する2つのデータセット(サンプルおよびバックグラウンドの光度)の比を得ることによって、Log1/R(R=反射率)スペクトルを得た。表4に示すように、乾燥結晶粉末としての多形体Aまたはラセミビシファジン塩酸塩の赤外線スペクトルは、この多形体を特徴づける主要ピークを示した。表5に示すように、乾燥結晶粉末としての多形体Bまたはラセミビシファジン塩酸塩の赤外線スペクトルは、この多形体を特徴づける主要ピークを示した。
【0042】
【表4】

【0043】
【表5】

【0044】
表4および表5は、それぞれ、ビシファジン塩酸塩の多形体形態Aおよび多形体形態Bに関する赤外線ピークの位置の完全なパターンを提供する。しかし、このパターン内にビシファジン塩酸塩の多形体形態Bに関連し、この多形体を個別または任意の特徴的な組み合わせで特徴づけるのに十分な一定の重要なピークが存在する。波数(cm−1)で示したこれらのピークは以下である:2108、891、856、719、および660。
【0045】
本発明の範囲内のニューロパシーおよび関連する症状の治療のためのビシファジン処方物は、化合物の任意の結晶多形体または無定形の形態またはその混合物を含み得る。例示的実施形態では、神経障害を示す哺乳動物被験体を治療するための有効な治療投薬形態は、本質的に純粋なビシファジンHCl多形体「形態A」(すなわち、総ビシファジン存在量の90〜95重量%の濃度の形態Aを含む)、本質的に純粋な「形態B」、または多形体形態AおよびBの任意の混合物を含む。一定の実施形態では、組成物は、約10%〜98%の多形体形態Bを含み得る。他の実施形態では、処方物中に約50%を超える多形体B、約75%を超える多形体B、または約90%を超える多形体Bが存在し得る。
【0046】
さらなる実施形態では、1つまたは複数のビシファジンの単離した(+)または(−)鏡像異性体を、ニューロパシーおよび関連する症状を治療するための本発明の方法および組成物内で使用する。ビシファジンの(+)および(−)鏡像異性体ならびに本質的に純粋な各鏡像異性体の組成物を得るためのこれらの鏡像異性体の分割方法は、Epstein et al.(J.Med.Chem.24(5):481.1981;NIDA Res.Monogr.pp.93−98,1982)によって報告されている。米国特許第4,131,611号、米国特許第4,118,417号、米国特許第4,196,120号、米国特許第4,231,935号、および米国特許第4,435,419号(それぞれ本明細書中で参考として援用される)も参照のこと。例示的実施形態では、神経障害を示す哺乳動物被験体の治療のための治療投薬形態は、本質的に純粋な(+)ビシファジン(すなわち、総ビシファジン存在量の90〜95重量%の濃度の(+)鏡像異性体を含む)、本質的に純粋な(−)ビシファジン、またはビシファジンの(+)および(−)鏡像異性体形態の任意のラセミ混合物を含む。一定の実施形態では、組成物は、約10%〜98%の(+)または(−)ビシファジンを含み得る。他の実施形態では、処方物中に約50%を超える(+)または(−)ビシファジン、約75%を超える(+)または(−)ビシファジン、または約90%を超える(+)または(−)ビシファジンが存在し得る。
【0047】
他の詳細な実施形態では、神経障害および/または関連する症状の治療のための本発明の組成物および方法は、「3」位の窒素上に「アゾ」置換基を有する1−アリール−3−アザビシクロ[3.1.0]ヘキサンを使用する。関連する実施形態では、アリール環上に少なくとも1つの置換基を有し、さらに、「3」位の窒素上にアザ置換基を有する二置換1−アリール−3−アザビシクロ[3.1.0]ヘキサンは、本発明の組成物および方法で主に示す。本明細書中で使用される、用語「アザ置換基」および「アザ置換された」は、以下で例示されるように、通常は「3」位の窒素に結合した水素が異なるアザ置換基に置換された1−アリール−3−アザビシクロ[3.1.0]ヘキサンをいう。
【0048】
「二置換」1−アリール−3−アザビシクロ[3.1.0]ヘキサンを使用する神経障害および/または関連する症状を治療するための例示的組成物および方法内で、組成物および方法は、アザ置換基と同様に、すなわち、以下の式III:
【化4】


式III
(式中、
Rは、例えば、C1〜6アルキル、ハロ(C1〜6)アルキル、C3〜9シクロアルキル、C1〜5アルコキシ(C1〜6)アルキル、カルボキシ(C1〜3)アルキル、C1〜3アルカノイル、カルバメート、ハロ(C1〜3)アルコキシ(C1〜6)アルキル、C1〜3アルキルアミノ(C1〜6)アルキル、およびジ(C1〜3)アルキルアミノ(C1〜6)アルキル、シアノ(C1〜6)アルキル、メチル、エチル、トリフルオロメチル、トリフルオロエチル、および2−メトキシエチルから選択され、Rは、例えば、ハロゲン、C1〜3アルキル、C2〜4アルケニル、C2〜4アルキニル、ハロ(C1〜3)アルキル、シアノ、ヒドロキシ、C3〜5シクロアルキル、C1〜3アルコキシ、C1〜3アルコキシ(C1〜3)アルキル、カルボキシ(C1〜3)アルキル、C1〜3アルカノイル、ハロ(C1〜3)アルコキシ、ニトロ、アミノ、C1〜3アルキルアミノ、およびジ(C1〜3)アルキルアミノ、メチル、エチル、フルオロ、クロロ、トリフルオロメチル、シアノ、ニトロ、およびトリフルオロメトキシから選択される)
によって特徴づけられる、アリール環上に少なくとも1つの置換基を有する化合物を含むか使用する。
【0049】
他の例示的実施形態では、神経障害および/または関連する症状の治療のための本発明の方法および組成物内で使用するための二置換(アリールおよびアザ置換)化合物は、以下の式IV:
【化5】

式IV
(式中、
Rは、例えば、C1〜6アルキル、ハロ(C1〜6)アルキル、C3〜9シクロアルキル、C1〜5アルコキシ(C1〜6)アルキル、カルボキシ(C1〜3)アルキル、C1〜3アルカノイル、カルバメート、ハロ(C1〜3)アルコキシ(C1〜6)アルキル、C1〜3アルキルアミノ(C1〜6)アルキル、およびジ(C1〜3)アルキルアミノ(C1〜6)アルキル、シアノ(C1〜6)アルキル、メチル、エチル、トリフルオロメチル、トリフルオロエチル、および2−メトキシエチルから選択される)によって少なくとも一部が特徴づけられる。この式は、ビシファジンで見出されるのと同一の位置でアリール環上のメチル置換基を示している。
【0050】
神経障害および/または関連する症状の治療のための本発明の方法および組成物内で使用するための二置換1−アリール−3−アザビシクロ[3.1.0]ヘキサンの例示的集団を、以下の表6に示す。これらの各例示的化合物では、示すように、3位で窒素に結合した水素を、異なるアザ置換基と置換している。
【0051】
【表6】

【0052】
神経障害および/または関連する症状の治療のための本発明の方法および組成物内で使用するためのアリール置換およびアザ置換1−アリール−3−アザビシクロ[3.1.0]ヘキサンは、任意の種々の形態(本明細書中に開示の化合物の薬学的に許容可能な活性塩、溶媒和物、水和物、多形体、および/またはプロドラッグまたはその任意の組み合わせが含まれる)で有用である。
【0053】
さらなる詳細な実施形態では、神経障害および/または関連する症状の治療のための本発明の方法および組成物は、アリール環上に2つまたはそれを超える置換基を有する1−アリール−3−アザビシクロ[3.1.0]ヘキサンを使用する。より詳細な態様では、神経障害および/または関連する症状の治療のための本発明の方法および組成物内で使用するためのこれらの多(multiply)アリール置換化合物は、以下の式V:
【化6】

式V
(式中、RおよびRは、独立して、例えば、ハロゲン、C1〜3アルキル、C2〜4アルケニル、C2〜4アルキニル、ハロ(C1〜3)アルキル、シアノ、ヒドロキシ、C3〜5シクロアルキル、C1〜3アルコキシ、C1〜3アルコキシ(C1〜3)アルキル、カルボキシ(C1〜3)アルキル、C1〜3アルカノイル、ハロ(C1〜3)アルコキシ、ニトロ、アミノ、C1〜3アルキルアミノ、およびジ(C1〜3)アルキルアミノ、メチル、エチル、フルオロ、クロロ、トリフルオロメチル、シアノ、およびトリフルオロメトキシである)によって少なくとも一部が特徴づけられる。
【0054】
1つの例示的実施形態では、神経障害および/または関連する症状の治療のための本発明の方法および組成物は、1−(3,4−ジクロロフェニル)−3−アザビシクロ[3.1.0]ヘキサンのラセミ形態または鏡像異性体形態を含む多アリール置換アザビシクロ[3.1.0]ヘキサンを使用する。この化合物のラセミ形態は、米国特許第4,435,419号(本明細書中で参考として援用される)に記載されていた。この化合物およびその鏡像異性体形態、鏡像異性体形態の分割プロセス、ならびに化合物の治療上の使用に関するさらなる説明は、米国特許第4,196,120号、米国特許第4,231,935号、米国特許第6,204,284号、米国特許第6,372,919号、米国特許出願第10/466,457号、米国特許出願第10/920,748号、米国特許第6,659,887号、米国特許第6,716,868号、米国特許出願第10/764,371号、米国特許出願第10/764,373号、米国特許出願第10/764,375(それぞれ本明細書中で参考として援用される)に記載されている。以下に例示されるように、ラセミ(±)−1−(3,4−ジクロロフェニル)−3−アザビシクロ[3.1.0]ヘキサンならびにその各(+)および(−)鏡像異性体形態により、神経障害および/または関連する症状の治療のための本発明の方法および組成物内で使用するための有用な候補化合物が得られる。
【0055】
以下にさらに記載するように、神経障害および/または関連する症状の治療のための本発明の方法および組成物内で使用するための新規の多アリール置換候補化合物も提供する。本発明の例示的実施形態として作製および特徴づけられているこれらの新規の多アリール置換候補化合物には、以下が含まれる(表7)。
【0056】
【表7】

【0057】
表7で同定された例示的な多アリール置換化合物は例示であり、複数のアリール置換基を含む本発明の修飾物を他の置換基を含むように変化させることができ、置換基には、本明細書中に記載のように相互に組み合わされているか、「アザ置換基」とさらに組み合わせて神経障害および/または関連する症状の治療のための本発明の方法および組成物内で使用するためのなおさらなる候補化合物が得られるなおさらなる置換基(すなわち、アリール環上の3つまたはそれを超える置換基)が含まれ得ると理解される。例えば、本発明の一定の実施形態は、アリール環上複数の置換基(例えば、複数のクロロ置換基によって例示される)を有し、「3」位の窒素上で「アザ置換基」と組み合わせた1−(3,4−ジクロロフェニル)−3−アザビシクロ[3.1.0]ヘキサンの例示的集団由来の化合物を使用する。神経障害および/または関連する症状の治療のための本発明の方法および組成物内で候補化合物として有用なこれらのアザ置換1−(3,4−ジクロロフェニル)−3−アザビシクロ[3.1.0]ヘキサンには、以下の例示的化合物が含まれ、これらの化合物を、例示的実施形態として作製および特徴づけた(表8)。本発明の化合物を塩酸塩として示しているのに対し、本発明が本明細書中に記載の化合物の全形態(遊離塩基形態ならびに全ての薬学的に許容可能な塩、多形体、溶媒和物、水和物、およびプロドラッグが含まれる)を含むと理解される。
【0058】
【表8】

【0059】
本発明の関連する態様内では、アリール環上に1つまたは複数の置換基を有し、任意選択的にアザ置換基と組み合わせた1−アリール−3−アザビシクロ[3.1.0]ヘキサンの鏡像異性体形態を、神経障害および/または関連する症状の治療のための本発明の方法および組成物内で使用する。一定の実施形態では、本発明の方法および組成物は、開示の化合物の鏡像異性体、ジアステレオマー、および他の立体異性体形態(ラセミ形態、分割形態、およびその混合物が含まれる)を使用する。本発明は、全てのこのような形態(全てのラセミ形態、分割形態、およびその混合物が含まれる)を含む。本発明の方法および組成物内の活性化合物の鏡像異性体形態を、当業者に周知の方法(結晶化、ガス−液体クロマトグラフィまたは液体クロマトグラフィ、鏡像異性体特異的試薬を使用した1つの鏡像異性体の選択的反応(例えば、酵素的酸化または還元)ならびにその後の修飾および未修飾の鏡像異性体の分離、キラル環境(例えば、キラル支持体(例えば、結合したキラルリガンド内またはキラル溶媒の存在下でのシリカ))でのガス−液体クロマトグラフィまたは液体クロマトグラフィが含まれるが、これらに限定されない)によって分離することができるジアステレオマー塩または複合体の形成が含まれるが、これらに限定されない)にしたがって分割および単離することができる。あるいは、特異的鏡像異性体を、光学活性試薬、基質、触媒、もしくは溶媒を使用した非対称合成または非対称変換による一方の鏡像異性体の他方の鏡像異性体への変換によって合成することができる。本明細書中に記載の化合物がオレフィン二重結合または幾何学的非対称の他の中心を含む場合、他で特定しない限り、EおよびZ幾何異性体の両方が含まれることが意図される。全ての互変異性体も本発明に含まれることが意図される。例示的実施形態として分割および特徴づけられた本発明内で使用するためのアリール環上に1つまたは複数の置換基を有する1−アリール−3−アザビシクロ[3.1.0]ヘキサンには、以下が含まれる(表9)。
【0060】
【表9】


【0061】
上記のように、一定の実施形態では、神経障害および/または関連する症状の治療のための本発明の方法および組成物は、上記化合物の薬学的に許容可能な酸付加塩および塩基付加塩を使用する。適切な酸付加塩を、非毒性塩を形成する酸から形成する。例えば、塩酸塩、臭化水素酸塩、ヨウ化水素酸塩、硫酸塩、硫化水素塩、硝酸塩、リン酸塩、およびリン酸水素である。薬学的に許容可能な付加塩の例には、無機および有機酸付加塩が含まれる。薬学的に許容可能な塩には、金属塩(ナトリウム塩、カリウム塩、およびセシウムなど)、アルカリ土類金属塩(カルシウム塩およびマグネシウム塩など)、有機アミン塩(トリエチルアミン塩、ピリジン塩、ピコリン塩、エタノールアミン塩、トリエタノールアミン塩、ジシクロヘキシルアミン塩、およびN,N’−ジベンジルエチレンジアミン塩など)、有機酸塩(酢酸塩、クエン酸塩、乳酸塩、コハク酸塩、酒石酸塩、マレイン酸塩、フマル酸塩、マンデル酸塩、酢酸塩、ジクロロ酢酸塩、トリフルオロ酢酸塩、およびギ酸塩など)、スルホン酸塩(メタンスルホン酸塩、ベンゼンスルホン酸塩、およびp−トルエンスルホン酸塩など)、およびアミノ酸塩(アルギン酸塩、アスパラギン酸塩、グルタミン酸塩、酒石酸塩、およびグルコン酸塩など)が含まれるが、これらに限定されない。適切な塩基塩を、非毒性塩を形成する塩基から形成する。例は、アルミニウム塩、カルシウム塩、リチウム塩、マグネシウム塩、カリウム塩、ナトリウム塩、亜鉛塩、およびジエタノールアミン塩である。
【0062】
他の詳細な実施形態では、神経障害および/または関連する症状の治療のための本発明の方法および組成物は、上記開示化合物のプロドラッグを使用する。プロドラッグは、in vivoで活性な親薬物を放出する任意の共有結合キャリアであると見なされる。本発明内で有用なプロドラッグの例には、置換基としてヒドロキシルアルキルまたはアミノアルキルを有するエステルまたはアミドが含まれる。これらを、上記の化合物の無水コハク酸などの無水物との反応によって調製することができる。
【0063】
本明細書中に開示の化合物はまた、上記化合物のin vivo代謝産物(in vivoで本発明の前駆化合物の投与または代謝産物自体の形態での直接投与後のいずれかで生成される)を使用した神経障害および/または関連する症状の治療のための本発明の方法および組成物を含むと理解される。このような産物は、例えば、主に酵素過程による投与化合物の酸化、還元、加水分解、アミド化、およびエステル化などに起因し得る。したがって、本発明は、上記の化合物を哺乳動物被験体にその代謝産物を得るのに十分な時間接触させる工程を含む過程によって産生された化合物を使用した、神経障害および/または関連する症状の治療のための本発明の方法および組成物を含む。このような産物を、典型的には、放射性標識した本発明の化合物の調製、検出可能な用量で代謝されるのに十分な時間の動物(ラット、マウス、モルモット、サル、またはヒトなど)への腹腔内投与、および尿、血液、または他の生体サンプルからのその変換産物の単離によって同定する。
【0064】
本明細書中に開示の発明はまた、1つまたは複数の原子を異なる原子量または質量数を有する原子と置換することによって同位体標識した上記化合物を使用した、神経障害および/または関連する症状の治療のための本発明の方法および組成物を含むと理解される。開示の化合物に組み込むことができる同位体の例には、水素、炭素、窒素、酸素、リン、フッ素、および塩素の同位体(それぞれ、H、H、13C、14C、15N、18O、17O、31P、32P、35S、18F、および36Clなど)が含まれる。
【0065】
神経障害および/または関連する症状の治療のための本発明の方法および組成物内での使用のための1−アリール−3−アザビシクロ[3.1.0]ヘキサンには、本明細書中に記載のアリールおよび/またはアザ置換、二置換、および多アリール置換1−アリール−3−アザビシクロ[3.1.0]ヘキサン、同様に、制限されないが、全ての「抗神経障害活性」1−アリール−3−アザビシクロ[3.1.0]ヘキサン(すなわち、被験体における神経障害または神経障害に関連する1つまたは複数の症状の治療または予防に十分な量での哺乳動物被験体への投与後に有効な全ての化合物)、同様に、これらの化合物の薬学的に許容可能な塩、多形体、鏡像異性体、溶媒和物、水和物、および/またはプロドラッグ、および上記化合物または上記の異なる化学的形態の全ての組み合わせが含まれる。本明細書中で使用される場合、プロドラッグには、「キャリア」としての第2の化合物または化学的部分と共有結合した本明細書中に記載の任意の1−アリール−3−アザビシクロ[3.1.0]ヘキサンが含まれ、このキャリアは、in vivoで活性な1−アリール−3−アザビシクロ[3.1.0]ヘキサンを放出する。プロドラッグの例には、例えば、置換基としてヒドロキシアルキルまたはアミノアルキルを使用した本明細書中に記載の任意の化合物(式I〜Vの任意のいずれかに示す化合物が含まれる)のエステルまたはアミドが含まれる。このプロドラッグを、親1−アリール−3−アザビシクロ[3.1.0]ヘキサンの無水コハク酸などの無水物との反応によって調製することができる。
【0066】
本発明内で使用するための1−アリール−3−アザビシクロ[3.1.0]ヘキサンには、上記化合物のin vivo代謝産物も含まれると理解される。このような産物は、例えば、主に酵素過程による投与化合物の酸化、還元、加水分解、アミド化、およびエステル化などに起因し得る。したがって、本発明は、本明細書中に記載の1−アリール−3−アザビシクロ[3.1.0]ヘキサンを、1−アリール−3−アザビシクロ[3.1.0]ヘキサンの代謝産物を得るのに十分な時間哺乳動物内の生理学的区画に曝露することによって産生された代謝的に処理された化合物を含む方法および処方物を含む。このような産物を、放射性標識した1−アリール−3−アザビシクロ[3.1.0]ヘキサンの調製、哺乳動物被験体への投与(例えば、代謝が起こるのに十分な期間の腹腔内投与)、および被験体の尿、血液、または他の生体サンプルからの投与した化合物の代謝変換産物の単離によって容易に同定することができる。
【0067】
本発明はまた、種々の公知の臨床用途および診断用途のために本発明の1−アリール−3−アザビシクロ[3.1.0]ヘキサンを検出可能な標識部分で標識する関連方法および組成物を含むと理解される。例えば、1−アリール−3−アザビシクロ[3.1.0]ヘキサンを、1つまたは複数の原子を異なる原子量または質量数を有する原子と置換することによって同位体標識することができる。開示の化合物に組み込むことができる同位体の例には、水素、炭素、窒素、酸素、リン、フッ素、および塩素の同位体(それぞれ、2H、3H、13C、14C、15N、18O、17O、31P、32P、35S、18F、および36Clなど)が含まれる。この文脈における他の有用な標識部分には、任意の検出可能な化学的部分(例えば、従来のフルオロフォア、化学発光物質、および酵素(例えば、アルカリホスファターゼ、ペルオキシダーゼ、およびβ−ガラクトシダーゼ))が含まれ得る。酵素標識を、対応する発色性基質の付加および得られた色または蛍光シグナルの検出によって容易に検出可能である。
【0068】
上記のように、神経障害および/または関連する症状の治療または予防のための本発明の方法および組成物内での使用のための1−アリール−3−アザビシクロ[3.1.0]ヘキサンは、その活性な薬学的に許容可能な酸付加塩および塩基付加塩で有用である。適切な酸付加塩を、非毒性塩を形成する酸から形成する。例は、塩酸塩、臭化水素酸塩、ヨウ化水素酸塩、硫酸塩、硫化水素塩、硝酸塩、リン酸塩、およびリン酸水素である。薬学的に許容可能な付加塩の例には、無機および有機酸付加塩が含まれ、これらには、金属塩(ナトリウム塩、カリウム塩、およびセシウムなど)、アルカリ土類金属塩(カルシウム塩およびマグネシウム塩など)、有機アミン塩(トリエチルアミン塩、ピリジン塩、ピコリン塩、エタノールアミン塩、トリエタノールアミン塩、ジシクロヘキシルアミン塩、およびN,N’−ジベンジルエチレンジアミン塩など)、有機酸塩(酢酸塩、クエン酸塩、乳酸塩、コハク酸塩、酒石酸塩、マレイン酸塩、フマル酸塩、マンデル酸塩、酢酸塩、ジクロロ酢酸塩、トリフルオロ酢酸塩、およびギ酸塩など)、スルホン酸塩(メタンスルホン酸塩、ベンゼンスルホン酸塩、およびp−トルエンスルホン酸塩など)、およびアミノ酸塩(アルギン酸塩、アスパラギン酸塩、グルタミン酸塩、酒石酸塩、およびグルコン酸塩など)が含まれるが、これらに限定されない。適切な塩基塩を、非毒性塩を形成する塩基から形成する。例は、アルミニウム塩、カルシウム塩、リチウム塩、マグネシウム塩、カリウム塩、ナトリウム塩、亜鉛塩、およびジエタノールアミン塩である。
【0069】
神経障害および/または関連する症状の治療のための本発明の方法および組成物内での使用のための種々の1−アリール−3−アザビシクロ[3.1.0]ヘキサンを、種々の公知の合成方法に従うか、さらなる以前に開示されていない下記の方法によって生成することができる。
【0070】
アリール置換3−アザビシクロ[3.1.0]ヘキサンの利用可能な合成方法は限られている。ビシファジン塩酸塩は、米国特許第4,131,611号、米国特許第4,196,120号、米国特許第4,231 ,935号、およびEpstein et al.,J.Med.Chem.24:481,1981に記載のように以前に生成されている。ビシファジン塩酸塩の例示的な以前の合成方法を、以下のスキームAに概説する。
【化7】

【0071】
この合成スキームは、3工程での2−ブロモ−2−(p−トリル)−アセテートの調製から開始される。ジメチル−1−(4−メチルフェニル)−1,3−シクロプロパンジカルボキシレートを、アクリル酸メチルとのブロモエステル反応から調製する。ジエステルを二価酸に変換し、尿素を使用して濃縮して、1−(p−トリル)−1,2−シクロペンタンジカルボキシミドを生成する。次いで、1−(p−トリル)−1−シクロペンタンジカルボキシミドを、ビトライドによってアミンに還元し、塩酸塩に変換して、ビシファジン塩酸塩を得る。
【0072】
米国特許第4,118,417号は、以下の合成スキームBに例示のS−(−)−1−(1−ナフチル)エチルアミンを使用した(+)−1−(p−メチルフェニル)−1,2−シクロペンタンジカルボン酸の分割、(+)−ビシファジンへのその変換を開示している。(−)−ビシファジンはまた、対応する(−)−1−(p−メチルフェニル)−1,2−シクロペンタンジカルボン酸から生成可能であると報告されている。
【化8】

【0073】
ビシファジンおよび他の置換1−アリール−3−アザビシクロ[3.1.0]ヘキサンを生成するためのさらなる方法および組成物。以下の反応スキーム1は、公知のメチル2−ブロモ−2−p−トリルアセテートまたはメチル2−クロロ−2−p−トリルアセテートからのビシファジンの例示的過程を一般的に記載している。酢酸ブロモまたは酢酸をアクリロニトリルと反応させてメチル2−シアノ−1−p−トリルシクロプロパンカルボキシレートを生成し、次いで、水素化アルミニウムリチウム(LAH)または水素化アルミニウムナトリウム(SAH)またはZnClを含むNaBH4などの還元剤によってアミノアルコールに還元する。SOClまたはPOClでのアミノアルコールの環状化により、1−(4−メチルフェニル)−3−アザビシクロ[3.1.0]ヘキサンが得られる。SOClまたはPOClでの置換4−アミノブタン−1−オールのピロリジン環系への環状化は、Armarego et al.,J.Chem.Soc.[Section C:Organic] .19:3222−9,1971およびSzalacke et alの特許出願PL 120095 B2,CAN 99:158251によって報告されていた。塩化オキサリル、亜リン酸トリブロミド、トリフェニル亜リン酸ジブロミド、臭化オキサリルを、同一目的のために使用することができる。反応スキーム1Aに示すように、メチル2−ブロモ−2−p−トリルアセテートまたはメチル2−クロロ−2−p−トリルアセテートを、p−メチルベンゾイルアルデヒドまたはメチル−2−p−トリルアセテートから合成することができる。
【化9】



【化10】

【0074】
以下の反応スキーム2は、本発明の所望の化合物または中間体へのメチル2−シアノ−1−p−トリルシクロプロパンカルボキシレートの変換のための別の例示的過程を示す。シアノエステルの加水分解によってカリウム塩が得られ、次いで、シアノ酸に変換することができる。Vilsmaier et al.,Tetrahedron 45:3683−3694,1989に概説した手順に従ったLAHまたはLiAlH(OMe)での2−シアノ−1−p−トリルシクロプロパンカルボン酸の還元および環状化により、ビシファジンが生成される。さらに、シアノ−1−p−トシルシクロプロパンカルボン酸を水素化し、アミドに環状化し、次いで、ビシファジンに還元することができる。
【化11】

【0075】
以下の反応スキーム3は、メチル2−シアノ−1−p−トリルシクロプロパンカルボキシレートを本発明の所望の化合物または中間体に変換するための別の例示的過程を開示する。メチル2−シアノ−1−p−トリルシクロプロパンカルボキシレートを還元し、1−p−トリル−3−アザ−ビシクロ[3.1.0]ヘキサン−2−オンに環状化し、次いで、ビシファジンに還元する(Marazzo et al.,Arkivoc v:156−169,2004)。
【化12】

【0076】
以下の反応スキーム4は、ビシファジン調製のための別の例示的過程を提供する。2−p−トリルアセトニトリルの(±)−エピクロロヒドリンとの反応により、副生成物の1つとしてトランス異性体を伴って収率65%の2−(ヒドロキシメチル)−1−p−トリルシクロプロパンカルボニトリル(85%シス)が得られる(Cabadio et al.,Fr.Bollettino Chimico Farmaceutico 117:331−42,1978;Mouzin et al,.Synthesis 4:304−305,1978)。次いで、メチル2−シアノ−1−p−トリルシクロプロパンカルボキシレートを、ZnClを伴うLAH、SAH、またはNaBHなどの還元剤または触媒的水素化によってアミノアルコールに還元することができる。SOClまたはPOClでのアミノアルコールの環状化により、1−(4−メチルフェニル)−3−アザビシクロ[3.1.0]ヘキサンが得られる。SOClまたはPOClによる置換4−アミノブタン−1−オールのピロリジン環系への環状化は、以前に報告されている(Armarego et al.,J.Chem.Soc.[Section C:Organic] 19:3222−9,1971および特許出願PL 120095 B2,CAN 99:158251)。
【化13】

【0077】
反応スキーム5により、(1R,5S)−(+)−1−(4−メチルフェニル)−3−アザビシクロ[3.1.0]ヘキサン塩酸塩または(+)−ビシファジンが得られる。スキーム4に記載のものと同一の過程において出発物質として(S)−(+)−エピクロロヒドリンを使用して、1Rキラリティを示す最終産物を確実に得る(Cabadio et al.,Fr.Bollettino Chimico Farmaceutico 117:331−42,1978)。
【化14】

【0078】
反応スキーム6は、(1S,5R)−(−)−1−(4−メチルフェニル)−3−アザビシクロ[3.1.0]ヘキサン塩酸塩または(−)−ビシファジンを調製するための例示的過程を提供する。スキーム4に記載のものと同一の過程において出発物質として(R)−(−)−エピクロロヒドリンを使用して、1Sキラリティを示す最終産物を確実に得る(Cabadio et al.,Fr.Bollettino Chimico Farmaceutico 117:331−42,1978)。
【化15】

【0079】
反応スキーム7は、酸化および環状化反応を介して2−(ヒドロキシメチル)−1−p−トリルシクロプロパンカルボニトリルを本発明の所望の化合物または中間体に変換するための別の例示的過程を提供する。キラル出発材料である(+)−エピクロロヒドリンまたは(−)−エピクロロヒドリンを使用して、同一の反応順序によって対応する(+)−または(−)−ビシファジンを得る。
【化16】

【0080】
反応スキーム8は、置換および環状化反応を介してエピクロロヒドリンを本発明の所望の化合物または中間体に変換するための別の例示的過程を提供する。メチル 2−p−トリルアセテートのエピクロロヒドリンとの反応により、主生成物として所望のシス異性体のメチル2−(ヒドロキシメチル)−1−p−トリルシクロプロパンカルボキシレートが得られる。アルコールを、OR基(−O−メシレート、−O−トシレート、−O−ノシレート、−O−ブロシレート、−0−トリフルオロメタンスルホネートなど)に変換する。次いで、ORを、第一級アミンNH(式中、Rは3,4−ジメトキシ−ベンジル基などの窒素保護基または他の公知の保護基である)に置換する。窒素保護基は当業者に周知であり、例えば、"Nitrogen Protecting Groups in Organic Synthesis",John Wiley and sons,New York,N.Y.,1981,Chapter 7;"Nitrogen Protecting Groups in Organic Chemistry",Plenum Press,New York,N.Y.,1973,Chapter 2を参照のこと。T.W.Green and P.G.M.Wuts in "Protective Groups in Organic Chemistry,3rd edition" John Wiley & Sons,Inc.New York,N.Y.,1999も参照のこと。窒素保護基がもはや必要でなくなった場合、当該分野で周知の方法によって除去することができる。この置換反応後、環状化反応を行ってアミドを得て、次いで、LAHなどの還元剤によってアミンに還元する。最後に、保護基を除去してビシファジンを得る。出発物質としてキラル(S)−(+)−エピクロロヒドリンを使用し、同一の反応順序によって(1R,5S)−(+)−1−(4−メチルフェニル)−3−アザビシクロ[3.1.0]ヘキサン塩酸塩または(+)−ビシファジンが得られる。同様に、(R)−(−)−エピクロロヒドリンの使用により、(1S,5R)−(−)−1−(4−メチルフェニル)−3−アザビシクロ[3.1.0]ヘキサン塩酸塩または(−)−ビシファジンが得られる。
【化17】

【0081】
反応スキーム9は、ジオールを本発明の所望の化合物または中間体に変換するための別の例示的過程を提供する。ジエステルの還元によってジオールが得られ、次いで、OR基(−O−メシレート、−O−トシレート、−O−ノシレート、−O−ブロシレート、−0−トリフルオロメタンスルホネートなど)に変換する。次いで、ORを、第一級アミンNH(式中、Rは3,4−ジメトキシ−ベンジル基などの窒素保護基または当該分野で公知の他の保護基(例えば、アリルアミン、tert−ブチルアミン)である)に置換する。窒素保護基がもはや必要でなくなった場合、当業者に公知の方法によって除去することができる。
【化18】

【0082】
反応スキーム10は、1−p−トシル−3−アザ−ビシクロ[3.1.0]ヘキサンを(+)−および(−)−ビシファジンへに分割するための例示的過程を提供する。酒石酸塩によるアミンの分割は、一般に、当業者に公知である。例えば、O,O−ジベンゾイル−2R,3R−酒石酸(塩化ベンゾイルを使用したL(+)−酒石酸のアシル化によって作製)を含むジクロロエタン/メタノール/水を使用して、ラセミメタンフェタミンを、収率80〜95%、光学純度85〜98%で分割することができる(Synthetic Communications 29:4315−4319,1999)。
【化19】

【化20】

【0083】
本発明内の化合物の鏡像異性体を、スキーム12に示すように調製することができる。
【化21】

【0084】
あるいは、本発明の化合物の鏡像異性体を、スキーム11に例示のアルキル化反応条件を使用して、スキーム13に示すように調製することができる。
【化22】

【0085】
神経障害および/または関連する症状の治療のための本発明の方法および組成物内での使用のためのさらなる置換1−アリール−3−アザビシクロ[3.1.0]ヘキサンを生成するために、以下に、3−アザビシクロ[3.1.0]ヘキサンのアルキル化の一般的手順を示す。3−アザビシクロ[3.1.0]ヘキサン(1当量)を含む無水DMF(15mL)を含む撹拌溶液に、ジイソプロピルエチルアミン(DIPEA)(1.3当量)を添加した。反応混合物を室温で20分間撹拌し、次いで、反応混合物にハロゲン化アルキル(1.3当量)を添加し、次いで、室温で2時間撹拌し、TLCによって分析した。未反応の出発物質が残存する場合、反応物を50℃に加温し、一晩保持した。反応物を、高真空下で還元し、ジクロロメタン(20mL)に溶解し、水(20mL)で洗浄した。混合物を、相分離カートリッジに通した。有機物を回収し、2gシリカゲルカートリッジで濾過し、画分をTLCによってモニタリングした。所望の生成物を含む画分を合わせ、還元し、H−NMRによって分析した。以下の化合物を、上記の一般的手順に従うことによって調製する。
【0086】
3−メチル−l:p−トリル−3−アザ−ビシクロ[3.1.0]ヘキサンの合成。0.6871g(収率:51%)。化合物を、核磁気共鳴(NMR)によって分析して、得られた構造を確認し、得られたNMRデータを以下に列挙する。
H NMR(300MHz,δ−DMSO)δ7.10−7.03(m,4H,ArH),3.28(d,1H,J=8.5Hz,NCH),3.07(d,1H,J=8.8Hz,NCH),2.55(d,1H,J=8.4Hz,NCH),2.47(dd,1H,J=8.8Hz,5.1Hz,NCH),2.37(s,3H,NCH),2.30(s,3H,ArCH),1.65(m,1H,CHCH),1.38(t,1H,J=4.0Hz,CHCH),0.77(dd,1H,J=8.1Hz,4.4Hz,CHCH
【0087】
3−エチル−1−p−トリル−3−アザ−ビシクロ[3.1.0]ヘキサンの合成。1.0324g(収率:72%)。
H NMR(300MHz,δ−DMSO)δ7.11−7.04(m,4H,ArH),3.35(d,1H,J=8.4Hz,NCH),3.12(d,1H,J=8.5Hz,NCH),2.56−2.43(m,4H,2×NCH,CHCH),2.32(s,3H,NCH),1.66(m,1H,CHCH),1.39(t,1H,J=4.4Hz,CHCH),1.09(t,3H,J=7.4Hz,CHCH),0.78(dd,1H,J=7.7Hz,4.0Hz,CHCH
【0088】
3−プロピル−1−p−トリル−3−アザ−ビシクロ[3.1.0]ヘキサンの合成。0.9284g(収率:60%)。
H NMR(300MHz,δ−DMSO)δ7.11−7.04(m,4H,ArH),3.34(d,1H,J=8.4Hz,NCH),3.12(d,1H,J=8.9Hz,NCH),2.55(d,1H,J=8.5Hz,NCH),2.44(m,3H,NCH,CHCHCH),2.32(s,3H,ArCH),1.66(m,1H,CHCH),1.50(m,2H,CHCHCH),1.39(t,1H,J=4.3Hz,CHCH),0.90(t,3H,J=7.4Hz,CHCH),0.77(dd,1H,J=7.7Hz,4.1Hz,CHCH
【0089】
3−イソプロピル−1−p−トリル−3−アザ−ビシクロ[3.1.0]ヘキサンの合成。0.6645g(収率:43%)。
H NMR(300MHz,δ−DMSO)δ7.76−7.05(m,4H,ArH),3.38(d,1H,J=8.5Hz,NCH),3.15(d,1H,J=8.8Hz),2.62(d,1H,J=8.4Hz,NCH),2.52(dd,1H,J=8.8Hz,3.7Hz,NCH),2.47(m,1H,NCH),2.32(s,3H,ArCH),1.66(m,1H,CHCH),1.37(t,1H,J=4.0Hz,NCH),1.07(dd,6H,J=3.7Hz,6.7Hz,((CHCH),0.76(dd,1H,J=8.1Hz,4.1Hz,CHCH
【0090】
3−イソブチル−1−p−トリル−3−アザ−ビシクロ[3.1.0]ヘキサンの合成。0.8059g(収率:49%)。
H NMR(300MHz,δ−DMSO)δ7.25−7.05(m,4H,ArH),3.30(d,1H,J=8.4Hz,NCH),3.08(d,1H,J=8.5Hz,NCH),2.51(d,1H,J=8.1Hz,NCH),2.45(dd,1H,J=8.4Hz,3.6Hz,NCH),2.34(s,3H,ArCH),2.23(d,2H,J=7.0Hz),NCHCH),1.74(m,1H,CHCH(CH),1.65(m,1H,CHCH),1.43(t,1H,J=4.1Hz,CHCH),0.89(d,6H,J=6.7Hz,CH(CH),0.74(dd,1H,J=8.1Hz,3.7Hz,CHCH
【0091】
3−(2−メトキシエチルV1−p−トリル−3−アザ−ビシクロ[3.1.0]ヘキサンの合成。0.092g(収率:5%)。
H NMR(300MHz,δ−DMSO)δ71.4−7.02(m,4H,ArH),3.46(t,3H,J=5.7Hz,NCHCHOCH),3.34(s,3H,OCH),3.12(d,1H,J=8.5Hz,NCH),2.67(t,2H,J=5.9Hz,NCHCH)CH),2.60(d,1H,J=8.4Hz,NCH),2.50(dd,1H,J=8.8Hz,5.1Hz,NCH),2.31(s,3H,ArCH),1.63(m,1H,CHCH),1.40(t,1H,J=4.1Hz,CHCH),0.76(dd,1H,J=8.0Hz,4.4Hz,CHCH
【0092】
1−p−トリル−3−トリフルオロメチル−3−アザ−ビシクロ[3.1.0]ヘキサンの合成。ビシファジン(遊離塩基)(1g、4.77mmol)およびジブロモジフルオロメタン(0.87mL、9.54mmol)を含むDMSO(10mL)の撹拌溶液に、テトラキス(ジメチルアミノ)エチレン(2.4mL、10.5mmol)を室温で滴下した。完全な添加後、反応物を室温で一晩撹拌した。反応混合物を濾過して、固体の副生成物を除去した。濾過物を、酢酸エチル(50mL)と飽和重炭酸ナトリウム溶液(50mL)との間で分配し、有機物を回収し、硫酸マグネシウムで乾燥させ、濾過し、還元した。粗残渣を、カラムクロマトグラフィ[SiO(30g):(90 EtOAc:8 MeOH:2 NHOH)]によって精製して、黄色オイルとして所望の物質を得た(0.6050g(53%))。
H NMR(300MHz,δ−DMSO)δ7.16−7.06(m,4H,ArH),3.97(t,1H,J=6.3Hz,NCH),3.78(s,3H,NCH),2.34(s,3H,ArCH),1.87(m,1H,CHCH),1.19(t,1H,J=5.5Hz,CHCH),0.87(m,1H,CHCH
【0093】
1−p−トリル−3−(2,2,2−トリフルオロエチル)−3−アザ−ビシクロ[3.1.0]ヘキサンの合成。ビシファジン(2g、9.54mmol)、トリエチルアミン(1.33mL、9.54mmol)、および2,2,2−トリフルオロエチルトリクロロメタンスルホネート(0.7mL、4.4mmol)のトルエン(20mL)溶液を加熱還流し、TLCによって完全な変換が認められるまで、この温度で保持した。反応混合物を、酢酸エチル(50mL)と飽和重炭酸ナトリウム溶液(50mL)との間で分配した。有機物を単離し、硫酸マグネシウムで乾燥させ、濾過し、還元した。粗残渣を、カラムクロマトグラフィ[SiO(30g):(90 EtOAc:8 MeOH:2 NHOH)]によって精製して、黄色オイルとして所望の物質を得た(0.9149g(75%))。
H NMR(300MHz,δ−DMSO)7.26−7.05(m,4H,ArH),3.44(d,1H,J=8.1Hz,NCH),3.23−3.08(m,3H,CHCF,NCH),2.90(d,1H,J=8.1Hz,NCH),2.84(dd,1H,J=8.1Hz,4.1Hz,NCH),2.37(s,3H,ArCH),1.71(m,1H,CHCH),1.38(t,1H,J=4.4Hz,CHCH),0.83(dd,1H,J=7.7Hz,4.0Hz,CHCH
【0094】
一般的な塩酸塩形成手順。遊離塩基(1mol当量)の無水ジエチルエーテル(5mL)を含む撹拌溶液に、1M HClを含むエーテル(5mol当量)を滴下した。完全な添加後、反応混合物を、氷浴温度で30分間撹拌した。得られた固体を濾過によって単離し、冷ジエチルエーテル(5mL)で洗浄した。単離した固体を絶乾し、H−NMR、13C−NMR、およびMSによって分析した。
【0095】
3−メチル−1−p−トリル−3−アザ−ビシクロ[3.1.0]ヘキサン塩酸塩の合成。
H NMR(300MHz,δ−DMSO)δ11.36(s,1H,NHCl),7.20−7.12(m,4H,ArH),3.86(dd,1H,J=11.0Hz,5.1Hz,NCH),3.60(dd,1H,J=11.1Hz,5.2Hz,NCH),3.53−3.43(m,2H,2×NCH),2.80(s,3H,NCH),2.28(s,3H,ArCH),2.07(m,1H,CHCH),1.81(t,1H,J=5.2Hz,CHCH),1.02(t,1H,J=7.4Hz,CHCH);13C NMR(75MHz,δ−DMSO)δ136.0,135.7,128.9,126.5,58.5,55.9,29.9,23.O,20.5,15.2;MS(m/z)188(MH,100)
【0096】
3−エチル−1−p−トリル−3−アザ−ビシクロ[3.1.0]ヘキサン塩酸塩の合成。
H NMR(300MHz,δ−DMSO)δ1.06(s,1H,NHCl),3.92(dd,1H,J=11.0Hz,5.1Hz,NCH),3.64(dd,1H,J=11.0Hz,5.5Hz,NCH),3.50−3.39(m,2H,2×NCH),3.20(m,2H,NCHCH),2.29(s,3H,ArCH),2.09(m,1H,CHCH),1.81(m,1H,CHCH),1.29(t,3H,J=7.4Hz,NCHCH),1.02(t,1H,J=6.6Hz,CHCH);13C NMR(75MHz,δ−DMSO)δ=136.1,135.7,128.9,126.4,56.7,54.2,49.4,29.5,22.5,20.5,15.5,10.4;MS(m/z)202(MH,100)
【0097】
3−プロピル−1−p−トリル−3−アザ−ビシクロ[3.1.0]ヘキサン塩酸塩の合成。
H NMR(300MHz,δ−DMSO)δ11.13(s,1H,NHCl),7.34−7.14(m,4H,ArH),3.90(dd,1H,J=11.1Hz,5.2Hz,NCH),3.63(dd,1H,J=11.0Hz,5.5Hz,NCH),3.52−3.39(m,2H,2×NCH),3.07(m,2H,NCHCHCH),2.29(s,3H,ArCH),2.08(m,1H,CHCH),1.84(m,1H,CHCH),1.76(m,2H,NCHCHCH),1.01(t,1H,J=6.6Hz,CHCH),0.89(t,3H,J=7.3Hz,NCHCHCH);13C NMR(75MHz,δ−DMSO)δ136.9,136.5,129.7,127.3,57.9,56.7,55.5,30.4,23.4,21.3,19.1,16.3,11.7;MS(m/z)216(MH,100)
【0098】
3−イソプロピル−1−p−トリル−3−アザ−ビシクロ[3.1.0]ヘキサン塩酸塩の合成。
H NMR(300MHz,δ−DMSO)δ11.01(s,1H,NHCl),7.21−7.14(m,4H,ArH),3.91(dd,1H,J=11.0Hz,5.5Hz,NCH),3.61(dd,1H,J=11.0Hz,5.5Hz,NCH),3.54−3.34(m,3H,2×NCH,NCH(CH),2.29(s,3H,ArCH),2.10(m,1H,CHCH),1.90(t,1H,J=5.5Hz,CHCH),1.36(t,6H,J=7.0Hz,NCH(CH),0.98(t,1H,J=6.2Hz,CHCH);13C NMR(75MHz,S−DMSO)δ136.5,135.9,129.1,126.7,58.3,56.3,53.6,22.9,20.8,18.7,18.6,15.9;MS(m/z)216(MH,100)
【0099】
3−イソブチル−1−p−トリル−3−アザ−ビシクロ[3.1.0]ヘキサン塩酸塩の合成。
H NMR(300MHz,δ−DMSO)δ10.67(s,1H,NHCl),7.21−7.14(m,4H,ArH),4.01(dd,1H,J=11.0Hz,5.5Hz,NCH),3.73(dd,1H,J=11.1Hz,5.6Hz,NCH),3.52(m,2H,2×NCH),3.05(t,2H,J=5.6Hz,CHCH(CH),2.29(s,3H,ArCH),2.08(m,2H,CHCH(CH,CHCH),2.00(t,1H,J=7.0Hz,CHCH),1.00(d,7H,J=3.3Hz,NCHCH(CH,CHCH);13C NMR(75MHz,δ−DMSO)δ=144.5,144.1,137.2,134.9,70.5,66.5,64.1,38.2,33.4,31.1.29.3,28.9,24.1;MS(m/z)230(MH,100)

【0100】
3−(2−メトキシエチル)−1−p−トリル−3−アザ−ビシクロ[3.1.0]ヘキサン塩酸塩の合成。
H NMR(300MHz,δ−DMSO)δ7.21−7.14(m,4H,ArH),3.90(dd,1H,J=11.0Hz,5.2Hz,NCH),3.78(m,2H,NCHCHOCH),3.67(dd,1H,J=11.0Hz,5.1Hz,NCH),3.54(m,2H,2×NCH),3.41(m,2H,NCHCHOCH),3.31(s,3H,NCHCHOCH),2.29(s,3H,ArCH),2.09(m,1H,CHCH),1.75(t,1H,J=5.9Hz,CHCH),1.02(t,1H,J=6.6Hz,CHCH);13C NMR(75MHz,δ−DMSO)δ144.4,144.2,137.2,134.9,75.2,66.4,66.4,63.9,61.8,37.9,30.9,28.8,23.6;MS(m/z)232(MH,100)
【0101】
1−p−トリル−3−トリフルオロメチル−3−アザ−ビシクロ[3.1.0]ヘキサン塩酸塩の合成。
H NMR(300MHz,δ−DMSO)δ7.14(s,4H,ArH),3.94−3.49(m,4H,4×NCH),2.28(s,3H,ArCH),2.01(m,1H,CHCH),1.09(t,1H,J=5.2Hz,CHCH),0.89(t,1H,J=4.8Hz,CHCH);13C NMR(75MHz,δ−DMSO)δ155.5,151.7,145.4,143.6,137.2,134.7,60.8,60.3,57.7,57.2,38.8,38.2,31.8,31.3,28.8,26.4,26.3;MS(m/z)242(MH,5)
【0102】
1−p−トリル−3−(2,2,2−トリフルオロエチル)−3−アザ−ビシクロ[3.1.0]ヘキサン塩酸塩の合成。
H NMR(300MHz,δ−DMSO)δ7.18−7.12(m,4H,ArH),4.01(m,2H,2×NCH),3.75(m,1H,NCH),2.51(m,3H,NCHCF,NCH),2.28(s,3H,ArCH),2.00(m,1H,CHCH),1.70(m,1H,CHCH),0.96(m,1H,CHCH);13C NMR(75MHz,δ−DMSO)δ145.32,143.79,137.21,134.82,67.26,64.41,61.95,61.56,61.13,60.71,38.61,31.70,28.85;MS(m/z)256(MH,100)
【0103】
神経障害および/または関連する症状の治療または予防のための本発明の方法および組成物内での使用のためのさらなる化合物(上記の多アリール置換および/またはアザ置換化合物が含まれる)を生成するために、下記のように、さらなる合成方法および中間体を本明細書中に示す。
【化23】

【0104】
1−(3,4−ジクロロフェニル)−3−オキサ−ビシクロ[3.1.0]ヘキサン−2,4−ジオンの合成。
【化24】

1−(3,4−ジクロロフェニル)シクロプロパン−1,2−ジカルボン酸(J.Med.Chem.1981,24481−490)(28.3 g)を含む塩化アセチル(142ml)の撹拌溶液を、3時間加熱還流し、室温に冷却し、蒸発させた。オイルを、トルエン(100m)に溶解し、蒸発乾燥させた。次いで、これをさらに2回繰り返し、その後に半固体をヘキサン(100ml)中で粉砕(triturate)した。固体を濾過して取り出し、ヘキサンで洗浄し、窒素雰囲気下で吸引乾燥させて、褐色固体(収量=26.7g(101%))を得た。
H NMR(300MHz,CDCl)δ7.52−7.46(m,2H,ArH),7.27−7.24(m,1H,ArH),3.35−3.30(m,1H,CH),2.13−2.10(m,1H,CH),1.97−1.95(m,1H,CH)
【0105】
2−(tert−ブチルカルバモイル)−2−(3,4−ジクロロフェニル)シクロプロパンカルボン酸の合成
【化25】


無水1−(3,4−ジクロロフェニル)−3−オキサ−ビシクロ[3.1.0]ヘキサン−2,4−ジオン(26.7g)を含むテトラヒドロフラン(THF)(365ml)の撹拌溶液に、20℃未満に温度を保持しながらtert−ブチルアミン(23ml)を添加した。次いで、懸濁液を室温で1時間撹拌し、この時点で、薄層クロマトグラフィ(TLC)(50%酢酸エチルのヘキサン溶液)が完全の完了を示した。溶媒を蒸発させて除去し、得られた粘性塊を、次の反応の粗物質として使用した。
【0106】
3−tert−ブチル−1−(3,4−ジクロロフェニル)−3−アザ−ビシクロ[3.1.0]ヘキサン−2,4−ジオンの合成
【化26】

2−(tert−ブチルカルバモイル)−2−(3,4−ジクロロフェニル)シクロプロパンカルボン酸および酢酸ナトリウム(4.3g)を含む無水酢酸(145ml)の撹拌懸濁液を、4時間加熱還流し、この時点でTLC(50%酢酸エチルのヘキサン溶液)が反応の完了を示したので、溶媒を蒸発させて除去し、オイルをシリカ(49.7g)に吸収させた。次いで、生成物を、カラムクロマトグラフィ[SiO(503.7g):(10%EtOAcのヘキサン溶液)]で精製して、黄色オイルとして所望の物質を得た(収量23.7g(73%))。
H NMR(300MHz,CDCl)δ7.52−7.46(m,2H,ArH),7.23−7.20(m,1H,ArH),2.64−2.60(m,1H,CH),1.72−1.66(m,2H,CH),1.52(s,9H,Bu
【0107】
3−tert−ブチル−1−(3,4−ジクロロフェニル)−3−アザ−ビシクロ[3.1.0]ヘキサン−2−オンの合成
【化27】

5℃の3−tert−ブチル−1−(3,4−ジクロロフェニル)−3−アザ−ビシクロ[3.1.0]ヘキサン−2,4−ジオン(23.7g)を含むTHF(395ml)の撹拌溶液に、5℃未満に温度を保持しながらボランのTHF(1M、304ml)溶液を添加した。次いで、溶液を2時間加熱還流し、この時点で、TLC(20%酢酸エチルのヘキサン溶液)は反応の完了を示した。溶液を0℃に冷却し、10℃未満に温度を保持しながら希HCl(6M、400ml)の添加によって反応を停止させた。THFを蒸発させて除去し、白色固体を濾過して取り出し、45℃の真空下で一晩乾燥させ、17.0g(75%)の所望の生成物を得た。
H NMR(300MHz,CDCl)δ7.71(d,1H,J=2.4Hz,ArH),7.57(d,1H,J=8.4Hz,ArH),7.36(dd,1H,J=8.4Hz,J=2.4Hz,ArH),4.86(br s,2H,CH),3.69−3.63(m,1H,CH),3.46−3.43(m,1H,CH),2.37−2.31(m,1H,CH),1.45−1.42(m,1H,CH),1.32(s,9H,Bu)MS(m/z)299(MH,100)
【0108】
3−tert−ブチル−1−(3,4−ジクロロフェニル)−3−アザ−ビシクロ[3.1.0]ヘキサンの合成
【化28】

3−tert−ブチル−1−(3,4−ジクロロフェニル)−3−アザ−ビシクロ[3.1.0]ヘキサン−2−オン(15.1g)を含むTHF(270ml)の撹拌溶液に、20℃のボランのTHF(1M、203ml)溶液を添加した。次いで、溶液を16時間加熱還流し、この時点で、TLC(20%酢酸エチルのヘキサン溶液)が反応の完了を示したので、溶液を室温に冷却し、20℃のボランのTHF(1M、130ml)溶液のさらなる部分を添加した。次いで、溶液を加熱還流し、24時間保持した。TLCが約50%の反応を示したので、溶液を0℃に冷却し、10℃未満に温度を保持しながら希HCl(6M、400ml)の添加によって反応を停止させた。THFを蒸発させて除去し、白色固体を濾過して取り出し、水溶液を酢酸エチル(3×250ml)で抽出した。水溶液を、NaOH(5M、500ml)で塩基性化し、生成物をエーテル(3×200ml)で抽出し、乾燥させ(MgSO)、蒸発させて無色オイルを得た(収量5.9g(41%))。粗3−tert−ブチル−1−(3,4−ジクロロフェニル)−3−アザ−ビシクロ[3.1.0]ヘキサンを、マレイン酸(2.3g)のメタノール(11.5ml)溶液に添加し、−20℃で一晩保存した。固体を濾過して取り出し、メタノール(2.5ml)で洗浄し、45℃の真空下で一晩乾燥させて、1−(3,4−ジクロロ−フェニル)−3−tert−ブチル−3−アザ−ビシクロ[3.1.0]−ヘキサンマレイン酸塩(1.1g(5%))を得た。
H NMR(300MHz,CDCl)δ7.31−7.19(m,2H,ArH),6.95−6.91(m,1H,ArH),3.28(d,1H,J−8.4Hz,CH),3.10(d,1H,J=8.4Hz,CH),2.48−2.40(m,4H,CH),1.68−1.62(m,1H,CH),1.47−1.33(m,5H,CH),0.92−0.87(m,3H,CH),0.77−0.74(m,1H,CH)MS(m/z)284(M,100)

【0109】
1−(3,4−ジクロロ−フェニル)−3−n−ブチル−3−−アザ−ビシクロ[3.1.0]ヘキサンの合成
【化29】

1−(3,4−ジクロロフェニル)−3−アザ−ビシクロ[3.1.0]ヘキサン−2,4−ジオン)(15.8g)を含むN,N−ジメチルホルムアミド(DMF)(63ml)の撹拌溶液に、20℃未満の温度を保持しながら水素化ナトリウム(60重量%を含むオイル、2.5g)を添加した。次いで、懸濁液を室温で20分間撹拌し、その後に1−ブロモブタン(9.9ml)を添加した。次いで、溶液を室温で24時間撹拌し、この時点で、TLC(20%酢酸エチルのヘキサン溶液)は反応の完了を示した。溶液の反応を水(500ml)で停止させ、エーテル(2×250ml)で抽出し、抽出物を水(2×250ml)、飽和ブライン(2×250ml)で洗浄し、乾燥させ(MgSO)、蒸発させ、15.6gの3−ブチル−1−(3,4−ジクロロフェニル)−3−アザ−ビシクロ[3.1.0]ヘキサン−2,4−ジオン(81%)を得た。イミド(3−ブチル−1−(3,4−ジクロロフェニル)−3−アザ−ビシクロ[3.1.0]ヘキサン−2,4−ジオン)を、THF(310ml)に溶解し、5℃未満に温度を保持しながらボランのTHF(1M、225ml)溶液を添加した。次いで、溶液を4時間加熱還流し、この時点で、TLC(20%酢酸エチルのヘキサン溶液)は反応の完了を示した。溶液を0℃に冷却し、10未満に温度を保持しながら希HCl(6M、200ml)を添加することによって反応を停止させた。次いで、溶液をエーテル(2×200ml)で抽出し、水溶液を水酸化ナトリウム(5M、480ml)で塩基性化し、エーテル(3×150ml)で抽出し、抽出物を合わせ、乾燥させ(MgSO)、蒸発させて、3.2gの粗物質を得た。オイルを、HClを含むエーテル(2M、20ml)に添加し、−20℃で一晩保存し、得られた固体を濾過して取り出し、エーテル(2×10ml)で洗浄した。TLC(20%酢酸エチルのヘキサン溶液)が2つの成分を示したので、固体を固体KCOでpH10に塩基性化した水(50ml)に溶解し、エーテル(3×100ml)で抽出した。抽出物を乾燥させ(MgSO)、蒸発させた。次いで、生成物を、クロマトグラフィ[SiO(22.7g):(25%EtOAcのヘキサン溶液)]によって精製して、黄色オイルとして所望の物質(0.7g(5%))を得た。
H NMR(300MHz,CDCl)δ7.16−7.06(m,4H,ArH),3.97(t,1H,J=6.3Hz,NCH),3.78(s,3H,NCH),2.34(s,3H,ArCH),1.87(m,1H,CHCH),1.19(t,1H,J=5.5Hz,CHCH),0.87(m,1H,CHCH)MS(m/z)188(MH,100)
【0110】
2−(プロピルカルバモイル)−2−(3,4−ジクロロフェニル)シクロプロパンカルボン酸の合成
【化30】

1−(3,4−ジクロロフェニル)−3−オキサ−ビシクロ[3.1.0]ヘキサン−2,4−ジオン(12.8g)を含むTHF(175ml)の撹拌溶液に、20℃未満に温度を保持しながらn−プロピルアミン(8.6ml)を添加した。次いで、懸濁液を室温で1時間撹拌し、この時点で、TLC(50%酢酸エチルのヘキサン溶液)は反応の完了を示した。溶媒を蒸発させて除去し、得られた粘性塊を、次の反応の粗物質として使用した。
【0111】
3−プロピル−1−(3,4−ジクロロフェニル)−3−アザ−ビシクロ[3.1.0]ヘキサン−2,4−ジオンの合成
【化31】

上記のアミド2−(プロピルカルバモイル)−2−(3,4−ジクロロフェニル)シクロプロパンカルボン酸および酢酸エチル(4.1g)を含む無水酢酸(68ml)の撹拌懸濁液を4時間加熱還流し、この時点で、TLC(50%酢酸エチルのヘキサン溶液)が反応の完了を示したので、溶媒を蒸発させて除去し、オイルをシリカ(14.4g)に吸収させた。生成物を、カラムクロマトグラフィ[SiO(147.2g):(20%EtOAcのヘキサン溶液)]によって精製して、黄色オイルとして所望の物質4.6g(3工程で31%)を得た。
【0112】
1−(3,4−ジクロロ−フェニル)−3−n−プロピル−3−アザ−ビシクロ[3.1.0]ヘキサン塩酸塩の合成
【化32】

5℃の3−プロピル−1−(3,4−ジクロロフェニル)−3−アザ−ビシクロ[3.1.0]ヘキサン−2,4−ジオン(4.6g)を含むTHF(92ml)の撹拌溶液に、5℃未満に温度を保持しながらボランのTHF(1M、69ml)溶液を添加した。次いで、溶液を4時間加熱還流し、この時点で、TLC(20%酢酸エチルのヘキサン溶液)は反応の完了を示した。溶液を0℃に冷却し、10℃未満に温度を保持しながら希HCl(6M、250ml)の添加することによって反応を停止させた。THFを蒸発させて除去し、水溶液をエーテル(2×250ml)で抽出した。水溶液をNaOH(5M、250ml)で塩基性化し、生成物をエーテル(2×150ml)で抽出し、乾燥させ(MgSO)、蒸発させて、無色オイル(2.3g(17%))を得た。オイルをエーテル(30ml)に溶解し、HClのエーテル(2M、30ml)溶液を添加した。次いで、懸濁液を、−20℃で一晩保存した。固体を濾過して取り出し、エーテル(20ml)で洗浄し、40℃の真空下で一晩乾燥させた(収量=1.3g(50%))。
H NMR(300MHz,CDCl)δ12.56(br s,1H,NH),7.66−7.55(m,1H,ArH),7.26(s,1H,ArH),7.02−6.99(m,1H,ArH),4.12−4.10(m,1H,CH),4.09−3.90(m,1H,CH),3.18−3.01(m,4H,CH),2.40−2.36(m,1H,CH),2.02−1.98(m,3H,CH),1.18−0.95(m,4H,CH)MS(m/z)270(MH,100)
【0113】
1−(3,4−ジクロロ−フェニル)−3−メチル−3−アザ−ビシクロ−[3.1.0]ヘキサンのキラル分離
【化33】

ラセミ1−(3,4−ジクロロ−フェニル)−2−オキソ−3−メチル−3−アザ−ビシクロ−[3.1.0]ヘキサン(0.75g)溶液を、メタノール(10mL)を使用して調製した。次いで、溶液をCHIRALCEL(登録商標)OD−H 5μmカラムに注入し、275nmでUVモニタリング、流速60mL/分、移動相:95:5 CO/MeOH+2%DEAによって定組成溶離を開始した。ピークを個別に回収し、減圧下で濃縮乾燥させて、第1の溶離鏡像異性体および第2の溶離鏡像異性体として所望の溶離物を得た。

SFC分離方法:
カラム:250×20mm CHIRALCEL(登録商標)OD−H 5μm
移動相:95:5 CO/MeOH+2%DEA
流速:60ml/分
検出:UV275nm
温度:15℃
出口側圧力:150bar

HPLC分析法を、回収した画分の純度を調節するように構築した。
HPLC分析法:
カラム:250×4.6mm CHIRALCEL(登録商標)OD−H 5μm
移動相:98:2:0.1 n−ヘキサン/2−PrOH /DEA
流速:0.5ml/分
検出:DAD 250nm
温度:25℃
【0114】
1−(3,4−ジクロロ−フェニル)−3−メチル−3−アザ−ビシクロ[3.1.0]−ヘキサン塩酸塩の第1の溶離鏡像異性体の合成
第1の溶離物である1−(3,4−ジクロロ−フェニル)−3−メチル−3−アザ−ビシクロ[3.1.0]−ヘキサン(117mg)を含むエーテル(5ml)の撹拌溶液に、HClのエーテル(2M、5ml)溶液を添加した。次いで、懸濁液を、−20℃で一晩保存した。固体を濾過して取り出し、エーテル(5ml)で洗浄し、真空下で一晩乾燥させた(収量=57.8mg(43%))。
H NMR(300MHz,CDCl)δ12.85(s,1H,NH),7.43−7.03(m,3H,ArH),4.16−3.97(m,1H,CH),3.31−2.93(m,3H,CH),2.35(s,1H,CH),2.05(s,1H,CH),1.57(s,3H,CH)MS(m/z)242(MH,100)
【0115】
1−(3,4−ジクロロ−フェニル)−3−メチル−3−アザ−ビシクロ[3.1.0]−ヘキサン塩酸塩の第2の溶離鏡像異性体の合成
エーテル(5ml)中に溶解した第2の溶離物である1−(3,4−ジクロロ−フェニル)−3−メチル−3−アザ−ビシクロ[3.1.0]−ヘキサン(143mg)の撹拌溶液に、HClのエーテル(2M、5ml)溶液を添加した。次いで、懸濁液を、−20℃で一晩保存した。固体を濾過して取り出し、エーテル(5ml)で洗浄し、真空下で一晩乾燥させた(収量=59.4mg(36%))。
H NMR(300MHz,CDCl)δ12.85(s,1H,NH),7.43−7.03(m,3H,ArH),4.16−3.97(m,1H,CH),3.31−2.93(m,3H,CH),2.35(s,1H,CH),2.05(s,1H,CH),1.57(s,3H,CH)MS(m/z)242(MH,100)
【0116】
以下の説明は、本発明の化合物を生成するための例示的合成方法を示し、これらは、上記の一般的合成スキーム14を例証する。
【0117】
N−メチルブロモマレイミドの合成
【化34】

無水ブロモマレイン酸(aldrich)(52.8g、0.298mol)のジエチルエーテル(250mL)溶液を、5℃に冷却した。2MのメチルアミンのTHF(298mL、0.596mol、2当量)を1時間にわたって滴下し、反応物を、10℃未満の温度を保持しながらさらに30分間撹拌した。得られた沈殿物を濾過し、ジエチルエーテル(2×100mL)で洗浄し、30分間風乾し、次いで、無水酢酸(368mL)中に懸濁し、酢酸エチル(12.2g、0.149mol、0.5当量)を添加した。反応物を60℃で2時間加熱し、次いで、溶媒を真空下で除去した。残渣をDCM(500mL)に取り出し、飽和重炭酸ナトリウム溶液(2×500mL)および水(2×300mL)で洗浄した。有機物をMgSO(89g)で乾燥させ、濾過し、真空下で還元した。得られたオイルを、トルエン(4×100mL)と共沸して、ベージュ色の固体としてN−メチルブロモマレイミドを得た(41.4g、73%)。
H NMR(300MHz,CDCl)δ6.95(1H,s,CH),3.07(3H,s,CHN)
【0118】
N−メチル−(3−クロロ−4−フルオロフェニル)マレイミドの合成
【化35】

N−メチルブロモマレイミド(20.3g、0.107mol)、3−クロロ−4−フルオロベンゼンボロン酸(20.5g、0.117mol、1.1当量)、フッ化セシウム(35.8g、0.235mol、2.2当量)、および1,1’−ビス−ジフェニルホスフィノフェロセンパラジウムクロリド(4.3g、0.005mol、5 mol%)を、1,4−ジオキサン中に懸濁し、室温で1時間撹拌し、40℃で2時間加熱した。反応物を濾過し、溶媒を真空下で除去した。暗褐色の残渣をDCM(100mL)に取り出し、シリカ(100g)で濾過し、1.5LのDCMで溶離した。溶媒を真空下で除去し、得られた固体をヘキサン(100mL)でスラリーにし、濾過した。ケーキをさらなるヘキサン部分(100mL)で洗浄し、乾燥させて、淡橙色固体としてN−メチル−(3−クロロ−4−フルオロフェニル)マレイミドを得た(19.0g、74%)。
H NMR(300MHz,CDCl)8.04−8.01(1H,dd,J=6.9,2.1Hz,ArH),7.86−7.81(1H,m,ArH),7.22−7.19(1H,t,J=9Hz,ArH),6.71(1H,s,CH),3.07(3H,s,CH);MS(m/z)239[MH](60),241(20)
【0119】
1−(3−クロロ−4−フルオロフェニル)−3−メチル−3−アザ−ビシクロ[3.1.0]ヘキサン−2,4−ジオンの合成
【化36】

塩化トリメチルスルホキソニウム(2.5g、0.019mol、1.2当量)および水素化ナトリウム(0.8gの鉱物油の60%分散液、0.019mol、1.2当量)を、THF(180mL)に懸濁し、2.5時間加熱還流した(66℃)。反応物を50℃に冷却し、N−メチル−(3−クロロ−4−フルオロフェニル)マレイミド(6)(3.8g、0.016mol、1当量)のTHF(20mL)溶液を一度に添加した。反応物を50℃で2時間加熱し、室温に冷却した。IMS(5mL)を添加して任意の未反応水素化ナトリウムの反応を停止させ、溶媒を真空下で除去した。残渣をDCM(150mL)に取り出し、水(4×150mL)で洗浄し、MgSO(32g)で乾燥させ、濾過し、溶媒を真空下で除去した。反応物を、カラムクロマトグラフィ(60gシリカ、4:1 ヘキサン:酢酸エチル(500mL)で溶離)によって生成した。溶媒を真空下で除去して、淡黄色固体として1−(3−クロロ−4−フルオロフェニル)−3−メチル−3−アザ−ビシクロ[3.1.0]ヘキサン−2,4−ジオンを得た(1.6g、40%)。
H NMR(300MHz,CDCl)7.45−7.43(1H,dd,J=6.6,2.1Hz,ArH),7.30−7.27(1H,m,ArH),7.16−7.10(1H,t,J=8.7Hz,ArH),2.91(3H,s,CH),2.74−2.70(1H,dd,J=8.1,3.9Hz,CH),1.87−1.84(1H,t,J=4.2Hz,CH),1.81−1.76(1H,dd,J=8.1,4.8Hz,CH)
【0120】
1−(3−クロロ−4−フルオロフェニル)−3−メチル−3−アザ−ビシクロ[3.1.0]ヘキサンの合成
【化37】

ボラン(1M複合体のTHF溶液、31.5mL、0.032mol、5当量)を0℃未満に冷却し、0℃未満を保持しながら(7)(1.6g、0.006mol)のTHF(30mL)溶液を滴下した。反応物を室温に15分間加温し、次いで、2.5時間加熱還流した(67℃)。反応物を0℃未満に冷却し、6M HCl(14mL、0℃未満に温度を保持する)の滴下によって反応を停止させた。溶媒を真空下で除去し、得られた白色残渣を、5M NaOH(50mL)とジエチルエーテル(50mL)との間で分配した。水相を、さらなる50mLのジエチルエーテルで再抽出し、次いで、合わせた有機物を水(3×75mL)で洗浄し、MgSO(14g)で乾燥させ、濾過し、溶媒を真空下で除去して、白色オイルを得た。2M HClのジエチルエーテル(12mL)溶液を添加し、反応物を0℃未満に冷却してHCl塩を沈殿させた。固体をHCl/エーテル(3×6mL)で洗浄して、淡黄色固体として1−(3−クロロ−4−フルオロフェニル)−3−メチル−3−アザ−ビシクロ[3.1.0]ヘキサンを得た(774mg、収率47%)。
H NMR(300MHz,CDCl)12.74(1H,br−s,NH),7.26−7.24(1H,m,ArH),7.15−7.04(2H,m,ArH),4.12−4.06(1H,dd,J=10.8,5.4Hz,CH),3.96−3.90(1H,dd,J=11.1,5.1Hz,CH),3.36−3.30(1H,m,CH),3.24−3.18(1H,t,J=9.3Hz,CH),2.91(3H,s,CH),2.29−2.26(1H,dd,J=6.9,4.8Hz,CH),2.03−1.97(1H,q,J=4.2Hz,CH),1.22−1.17(1H,m,CH);MS(m/z)226[MH](100),228[MH+2
【0121】
上記合成スキームに関して、そうでなければ、相違を特定しない場合に本明細書中で使用される場合、Arは、アリール環上の複数のフェニル基または他の芳香族基を示し、Rは、例えば、水素、C1〜6アルキル、ハロ(C1〜6)アルキル、C3〜9シクロアルキル、C1〜5アルコキシ(C1〜6)アルキル、カルボキシ(C1〜3)アルキル、C1〜3アルカノイル、カルバメート、ハロ(C1〜3)アルコキシ(C1〜6)アルキル、C1〜3アルキルアミノ(C1〜6)アルキル、およびジ(C1〜3)アルキルアミノ(C1〜6)アルキル、シアノ(C1〜6)アルキル、メチル、エチル、トリフルオロメチル、トリフルオロエチル、および2−メトキシエチルから選択される。
【0122】
本発明(本明細書中に開示の新規の化合物および合成方法が含まれる)をさらに説明する目的のために、一例として以下の用語および定義を提供する。
【0123】
本明細書中で使用される、用語「ハロゲン」は、臭素、塩素、フッ素、またはヨウ素をいう。1つの実施形態では、ハロゲンは塩素である。別の実施形態では、ハロゲンは臭素である。
【0124】
本明細書中で使用される、用語「ヒドロキシ」は、−OHまたは−−Oをいう。
【0125】
本明細書中で使用される、用語「アルキル」は、1〜20個の炭素原子、しばしば、1〜7個の炭素原子、一定の実施形態では、1〜4個の炭素原子を含む直鎖または分岐鎖の脂肪族基をいう。この定義は、アルコキシ基、アルカノイル基、およびアラルキル基のアルキル部分にも適用される。1つの実施形態では、アルキルは、メチル基である。
【0126】
用語「アルコキシ」には、酸素原子と共有結合したアルキル基、アルケニル基、およびアルキニル基が含まれる。1つの実施形態では、アルコキシ基は、1〜4個の炭素原子を含む。アルコキシ基の例には、メトキシ基、エトキシ基、イソプロピルオキシ基、プロポキシ基、ブトキシ基、およびペントキシ基が含まれるが、これらに限定されない。置換アルコキシ基の実施形態には、ハロゲン化アルコキシ基が含まれる。さらなる実施形態では、アルコキシ基を、アルケニル基、アルキニル基、ハロゲン基、ヒドロキシル基、アルキルカルボニルオキシ基、フェニルカルボニルオキシ基、アルコキシカルボニルオキシ基、フェニルオキシカルボニルオキシ基、カルボキシレート基、アルキルカルボニル基、フェニルカルボニル基、アルコキシカルボニル基、アミノカルボニル基、アルキルアミノカルボニル基、ジアルキルアミノカルボニル基、アルキルチオカルボニル基、アルコキシl基、ホスフェート基、ホスホナト基、ホスフィナト基、シアノ基、アミノ基(アルキルアミノ基、ジアルキルアミノ基、フェニルアミノ基、ジフェニルアミノ基、およびアルキルフェニルアミノ基が含まれる)、アシルアミノ基(アルキルカルボニルアミノ基、フェニルカルボニルアミノ基、カルバモイル基、およびウレイド基)、アミジノ基、イミノ基、スルフヒドリル基、アルキルチオ基、フェニルチオ基、チオカルボキシレート基、サルフェート基、アルキルスルフィニル基、スルホナト基、スルファモイル基、スルホンアミド基、ニトロ基、トリフルオロメチル基、シアノ基、アジド基、ヘテロシクリル基、アルキルフェニル基、または芳香族部分またはヘテロ芳香族部分などの基と置換することができる。例示的ハロゲン置換アルコキシ基には、フルオロメトキシ基、ジフルオロメトキシ基、トリフルオロメトキシ基、クロロメトキシ基、ジクロロメトキシ基、およびトリクロロメトキシ基が含まれるが、これらに限定されない。
【0127】
本明細書中で使用される、用語「ニトロ」は、単独または組み合わせで、−−NO基をいう。
【0128】
本明細書中で使用される、用語「アミノ」は、−NRR’基(式中、RおよびR’は、独立して、水素、アルキル、フェニル、アルコキシ、またはヘテロフェニルであり得る)をいう。本明細書中で使用される、用語「アミノアルキル」は、「アミノ」と比較してより詳細に選択され、−−NRR’基(式中、RおよびR’は、独立して、水素または(C〜C)アルキルであり得る)をいう。
【0129】
本明細書中で使用される、用語「トリフルオロメチル」は、−−CFをいう。
【0130】
本明細書中で使用される、用語「トリフルオロメトキシ」は、−−OCFをいう。
【0131】
本明細書中で使用される、用語「シクロアルキル」は、任意選択的に置換することができる3〜7個の炭素原子を含む飽和環状炭化水素環系をいう。例示的実施形態には、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、およびシクロヘキシルが含まれるが、これらに限定されない。一定の実施形態では、シクロアルキル基は、シクロプロピルである。別の実施形態では、(シクロアルキル)アルキル基は、環部分に3〜7個の炭素原子を含み、アルキル部分に1〜4個の炭素原子を含む。一定の実施形態では、(シクロアルキル)アルキル基は、シクロプロピルメチルである。アルキル基は、ハロゲン、ヒドロキシ、およびアミノからなる群から選択される1〜3個の置換基と任意選択的に置換される。
【0132】
本明細書中で使用される、用語「アルカノイル」は、それぞれ、−−C(O)−アルキル基および−O−C(O)−アルキル基をいい、それぞれ任意選択的に2〜5個の炭素原子を含む。アルカノイル基およびアルカノイルオキシ基の特定の実施形態は、それぞれ、アセチルおよびアセトオキシである。
【0133】
本明細書中で単独または組み合わせて使用される用語、「アロイル」は、芳香族カルボン酸由来のフェニルラジカル(任意選択的に置換された安息香酸またはナフトエ酸など)をいう。
【0134】
本明細書中で使用される、用語「アラルキル」は、アルキル基(しばしば、1〜4個の炭素原子を含む)を介して4−ピリジニル環に結合したフェニル基をいう。例示的なアラルキル基は、ベンジルである。
【0135】
本明細書中で使用される、用語「ニトリル」または「シアノ」は、−−CN基をいう。
【0136】
本明細書中で使用される、用語「ピロリジン−1−イル」は、構造:
【化38】

をいう。
【0137】
本明細書中で使用される、用語「モルホリノ」は、構造:
【化39】

をいう。
【0138】
本明細書中で使用される、用語「ジアルキルアミノ」は、同一または異なり得るアルキル基が結合したアミノ基をいう。
【0139】
本明細書中で使用される、用語「アルケニル」は、1〜3個の二重結合を有する2〜10個の炭素原子の直鎖または分岐アルケニル基をいう。例示的実施形態には、エテニル、1−プロペニル、2−プロペニル、1−メチルエテニル、1−ブテニル、2−ブテニル、3−ブテニル、2−メチル−2−プロペニル、1−ペンテニル、2−ペンテニル、4−ペンテニル、3−メチル−2−ブテニル、1−ヘキセニル、2−ヘキセニル、1−ヘプテニル、2−ヘプテニル、1−オクテニル、2−オクテニル、1,3−オクタジエニル、2−ノネニル、1,3−ノナジエニル、2−デセニルなどが含まれる。
【0140】
本明細書中で使用される、用語「アルキニル」は、1〜3個の三重結合を有する2〜10個の炭素原子の直鎖または分岐アルキニル基をいう。例示的アルキニルには、エチニル、1−プロピニル、2−プロピニル、1−ブチニル、2−ブチニル、3−ブチニル、1−ペンチニル、2−ペンチニル、4−ペンチニル、1−オクチニル、6−メチル−1−ヘプチニル、および2−デシニルが含まれる。
【0141】
用語「ヒドロキシアルキル」は、単独または組み合わせて、1つまたは複数の水素原子、しばしば、1個の水素原子がヒドロキシル基に置換された、前に定義したアルキル基をいう。例には、ヒドロキシメチル、ヒドロキシエチル、および2−ヒドロキシエチルが含まれる。
【0142】
本明細書中で使用される、用語「アミノアルキル」は、−−NRR’基(式中、RおよびR’は、独立して、水素または(C〜C)アルキルであり得る)をいう。
【0143】
用語「アルキルアミノアルキル」は、アルキル基を介して結合したアルキルアミノ基(すなわち、一般構造−−アルキル−NH−アルキルまたは−アルキル−N(アルキル)(アルキル)を有する基)をいう。このような基には、モノ−およびジ−(C〜Cアルキル)アミノC〜Cアルキル(各アルキルは同一でも異なっていてもよい)が含まれるが、これらに限定されない。
【0144】
用語「ジアルキルアミノアルキル」は、アルキル基に結合したアルキルアミノ基をいう。例には、N,N−ジメチルアミノメチル、N,N−ジメチルアミノエチル、およびN,N−ジメチルアミノプロピルなどが含まれるが、これらに限定されない。用語「ジアルキルアミノアルキル」には、架橋アルキル部分が任意選択的に置換された基も含まれる。
【0145】
用語「ハロアルキル」は、1つまたは複数のハロ基と置換されたアルキル基(例えば、クロロメチル、2−ブロモエチル、3−ヨードプロピル、トリフルオロメチル、ペルフルオロプロピル、および8−クロロノニルなど)をいう。
【0146】
本明細書中で使用される、用語「カルボキシアルキル」は、置換基−−R’−−COOH(式中、R’はアルキレンである)をいい、カルボアルコキシアルキルは、−−R’−−COOR(式中、R’およびRは、それぞれ、アルキレンおよびアルキルである)をいう。一定の実施形態では、アルキルは、1〜6個の炭素原子の飽和直鎖または分岐鎖の炭化水素ラジカル(メチル、エチル、n−プロピル、イソプロピル、n−ブチル、t−ブチル、n−ペンチル、2−メチルペンチル、およびn−ヘキシルなど)をいう。アルキレンは、基が2価であること以外はアルキルと同一である。
【0147】
用語「アルコキシアルキル」は、アルコキシ基で置換されたアルキレン基をいう。例えば、メトキシエチル(CHOCHCH−−)およびエトキシメチル(CHCHOCH−−)は共にCアルコキシアルキル基である。
【0148】
本明細書中で使用される、用語「カルボキシ」は、式−−COOH基を示す。
【0149】
用語「アルカノイルアミノ」は、−C(O)−−基の後に−N(H)−−基を含むアルキル基、アルケニル基、またはアルキニル基(例えば、アセチルアミノ、プロパノイルアミノ、およびブタノイルアミノなど)をいう。
【0150】
用語「カルボニルアミノ」は、−−NR−CO−−CH−R’(式中、RおよびR’は、水素または(C〜C)アルキルから独立して選択することができる)をいう。
【0151】
本明細書中で使用される、用語「カルバモイル」は、−−0−−C(O)NHをいう。
【0152】
本明細書中で使用される、用語「カルバミル」は、窒素元素がカルボニルに直接結合した官能基(すなわち、−−NRC(=O)R’または−−C(=O)NRR’(式中、RおよびR’は、水素、アルキル、置換アルキル、アルケニル、置換アルケニル、アルコキシ、シクロアルキル、フェニル、ヘテロシクロ、またはヘテロフェニルであり得る)など)をいう。
【0153】
用語「アルキルスルホニルアミノ」は、−−NHS(O)(式中、Rは、上記定義のアルキルである)をいう。
【0154】
一定の詳細な実施形態では、神経障害および/または関連する症状の治療または予防のための本発明の方法および組成物は、フェニル/アリール環上に少なくとも1つの置換基を有する1−アリール−3−アザビシクロ[3.1.0]ヘキサンを含む有効量の化合物または処方物を使用する。
【0155】
別の実施形態では、神経障害および/または関連する症状の治療または予防のための本発明の方法および組成物は、フェニル/アリール環上に2つまたはそれを超える置換基を有する1−アリール−3−アザビシクロ[3.1.0]ヘキサンを使用する。
【0156】
他の詳細な実施形態では、神経障害および/または関連する症状の治療または予防のための本発明の方法および組成物は、「3」位の窒素上にアザ置換基を有する1−アリール−3−アザビシクロ[3.1.0]ヘキサンを使用する。
【0157】
本発明のさらに詳細な実施形態では、神経障害および/または関連する症状の治療または予防のための本発明の方法および組成物は、アリール環上に少なくとも1つの置換基を有し、且つ「3」位の窒素上にアザ置換基を有する二置換1−アリール−3−アザビシクロ[3.1.0]ヘキサンを使用する。
【0158】
神経障害および/または関連する症状の治療または予防のための本発明の方法および組成物内での使用に有用な1−アリール−3−アザビシクロ[3.1.0]ヘキサンには、本明細書中に記載の置換および二置換1−アリール−3−アザビシクロ[3.1.0]ヘキサン化合物、ならびに、制限されないが、これらの化合物の活性な薬学的に許容可能な塩、多形体、溶媒和物、水和物、および/またはプロドラッグまたはその組み合わせが含まれる。
【0159】
本発明の方法および組成物は、哺乳動物被験体における神経障害に関連する種々の症状および容態の治療および/または予防に有効である。広範な哺乳動物被験体(ヒト被験体が含まれる)は、本発明の処方物および方法を使用した治療に影響を受ける。これらの被験体には、以下の障害、容態、および/または症状のいずれか1つまたは組み合わせを罹患したヒトおよび他の哺乳動物被験体が含まれるが、これらに限定されない:糖尿病性ニューロパシー、糖尿病性末梢神経障害(遠位対称性多発ニューロパシーが含まれる)、疱疹後神経痛,三叉神経痛、アルコール中毒症に関連するニューロパシー、坐骨神経痛,脳卒中後疼痛、多発性硬化症、帯状疱疹、特発性または外傷後ニューロパシーおよび単神経炎、HIV関連ニューロパシー、癌、手根管症候群、ファブリー病に関連するニューロパシー、血管炎性ニューロパシー、ギラン・バレー症候群に関連するニューロパシー、慢性腰部痛、医原的に誘導されたニューロパシー(例えば、抗腫瘍薬であるタキソールおよびパクリタキセルおよび一定の抗レトロウイルス薬によって誘導される)、食事または吸収の障害、脊髄損傷、ビタミン欠乏症、重金属中毒、複合性局所疼痛症候群、線維筋痛、末梢神経外傷、絞扼性ニューロパシー、神経切離、ワレンベルグ症候群、結合組織病、神経叢照射、局所性照射、脊髄出血、癒合不全、腫瘍圧迫、動静脈奇形、梅毒性脊髄炎、脊髄交連切開、くも膜炎、神経根引き抜き損傷、椎間板脱性圧迫、腰部および頸部の疼痛、反射性交感神経性萎縮症、幻肢症候群,多の慢性神経障害性の症候群、容態、および症状。
【0160】
上記のように、ニューロパシーに関連する主な有害な症状は、神経因性疼痛であり、これは、典型的には、末梢神経系および/または中枢神経系における異常な体性感覚の処理に関連する。侵害受容性疼痛と対照的に、神経因性疼痛は、頻繁に、事実上「灼熱」、「電気的」、「打診痛」、および「乱切痛」と説明される。さらに、侵害受容性疼痛が、(例えば、ヒスタミンブラジキニン、物質Pなどによる)末梢A−δおよびC−ポリモーダル疼痛受容体の刺激によって媒介されるのに対して、神経因性疼痛は、典型的には、少なくとも一部が末梢神経および/または中枢神経の損傷または病理学的変化に起因する。神経の病理学的変化の例には、末梢神経または中枢神経の感作の延長、神経系の抑制機能の中枢神経感作関連損傷、および体性神経系と交感神経系との間の異常な相互作用が含まれる。
【0161】
「神経因性疼痛」として特徴づけることができる、且つ本発明の処方物および方法を使用して治療または予防することができる神経障害症状には、例えば、異痛症(無害の刺激に対する疼痛反応)、触覚性異痛症(通常の無害の刺激に対する疼痛反応)、痛覚過敏(疼痛刺激に対する増強されたか異常な感受性)、熱痛覚過敏(無害の温度に対する過大な疼痛反応)、機械的痛覚過敏(通常の無害の身体の動きに対する過大な疼痛反応)、感覚異常(打診痛、灼熱、刺痛、またはくすぐり感などの異常な感覚)、知覚過敏(天然刺激に対する増強された感覚)、および知覚異常(通常の刺激によって生じる不快感)が含まれる。
【0162】
神経損傷後に末梢神経が変性し始め、この変性が損傷部位から開始され、神経末端に進行すると現在考えられている。この過程は、しばしばワーラー変性と呼ばれ、動物モデル(神経傷害性容態の有用なモデルとして当該分野で広く受け入れられており、哺乳動物(ヒトが含まれる)におけるニューロパシーに関連する症状の治療に有効な薬物の選択および特徴づけのための脊髄神経結紮(チャン)モデル)で広く特徴づけられている。変性中、軸索原形質が段階的に崩壊し、軸索鞘は断片化する。シュワン細胞およびマクロファージは、ミエリン破片(debris)を貪食する。この過程は、一連の公知および未知のサイトカインおよび成長因子(インターフェロン、腫瘍壊死因子−α(TNFα)、神経成長因子(NGF)、およびインターロイキンが含まれる)の分泌を活性化する。これらのサイトカインおよび成長因子は、多数の末梢細胞におけるアポトーシスの誘導ならびに神経細胞および末梢細胞の両方の再生に必要な栄養因子の産生などによって隣接組織および遠位組織の両方の構造および機能に影響を及ぼす。
【0163】
神経損傷動物における痛覚過敏の発症は、「損傷発射」のような初期電気生理学的事象から生じると考えられる。損傷発射は、カルシウムの神経流入を変化させてタンパク質キナーゼAおよびCならびに細胞外調節キナーゼ(extracellular regulated kinase)(ERK)などのキナーゼを活性化し、損傷部位での増殖、走化性、および他の細胞活性化ならびに細胞体での生理学的変化を生じ、標的由来成長因子およびサイトカインを含む逆行性損傷シグナル(retrograde injury signal)などの事象を媒介する。これらの事象は、神経損傷後数時間から数ヵ月生じ得、それにより、この過程の持続中は疼痛および過敏症が生じる。C線維の感作に起因する原発性痛覚過敏は、損傷領域内に直ちに生じる。後角ニューロンの感作に起因する続発性痛覚過敏は、損傷周辺の非損傷領域で生じる。
【0164】
神経損傷後にシュワン細胞および侵襲性マクロファージによって産生された神経成長因子(NGF)および腫瘍壊死因子−α(TNF−α)などの栄養因子は、痛覚過敏の発症に相関する。したがって、これらおよび他の成長因子およびサイトカインの内因性レベル、全身レベル、または局所レベルの変化は、しばしば、本発明の方法および組成物に従った治療に影響を受ける被験体を選択するか、患者毎に本発明の治療を管理またはカスタマイズするための診断指標として有用である。興味深いことに、NGFおよびTNF−αの両方はまた、損傷神経に正の再生効果を有するが、非損傷神経および損傷神経の両方に疼痛を生じさせ、それにより、非損傷動物において熱痛覚過敏および機械的異痛症を生じる。ヒトで類似の応答が認められる。
【0165】
上記のように、全身性侵害受容性疼痛の治療に有効な鎮痛薬(NSAIDおよびアヘン薬が含まれる)は、神経因性疼痛にほとんど効果がない(The Lancet,353:1959−1966,1999)。例えば、モルヒネは侵害受容性疼痛に強い鎮痛効果を示すが、神経因性疼痛に対して顕著な/十分な緩和活性を示さない。実際、モルヒネ療法に対する耐性により、本発明の方法および組成物を使用した治療に影響を受けるニューロパシー関連疼痛を有する被験体を区別する有用な診断指標が得られる(例えば、Crosby et al.,J.Pain Symptom Manage.19(l):35−9.2000;Chen et al.,J.Neurophvsiol.87:2726−2733,2002;Shir et al.,Harefuah 118(8):452−4,1990(それぞれ本明細書中で参考として援用される)を参照のこと)。したがって、本発明の一定の態様では、本明細書中の組成物および方法は、疼痛症状がオピオイド治療および侵害受容性疼痛治療に有効な他のクラスの鎮痛薬(NSAIDなど)を使用した治療によって不十分に軽減される個体における神経障害治療に向けられている。この文脈では、本発明の組成物および方法を使用した治療に影響を受ける神経障害を示す患者は、しばしば、偽薬処置被験体または他の適切なコントロール被験体と比較して、侵害受容性疼痛治療薬(例えば、アヘン薬またはNSAID)の投与後にその疼痛症状の重症度または頻度が50%未満軽減される。一定の場合、患者は、類似の疼痛症状を示すコントロール被験体と比較して、侵害受容性疼痛薬の投与後の疼痛症状の重症度または頻度が30%、20%、または10%未満軽減されるか、軽減が測定不可能である。
【0166】
ニューロパシーに関連する感覚症状の明確な病因を考慮して、ビシファジンおよび他の1−アリール−3−アザビシクロ[3.1.0]ヘキサンについての本明細書中に記載の活性および使用は、当業者が成功すると妥当な期待をもって予想することができなかったであろう。本明細書中の開示は、ビシファジンおよび他の1−アリール−3−アザビシクロ[3.1.0]ヘキサンが他の哺乳動物(ヒトが含まれる)における薬物および治療方法の有効性を妥当に予想するか有効性に相関すると当業者によって広く受け入れられている動物モデルにおいて神経因性疼痛の症状を緩和するのに強力且つ有効であるという最初の発見および報告を明らかにしている。特に、本発明の方法および組成物を、脊髄神経結紮(チャン)モデルで試験し、その有効性を証明した(例えば、Bennett,G.J.,Chung,J.M.,Honore,M.,and Seltzer,Z."Models of Neuropathic Pain.In:Current Protocols in Neuroscience"(J.N.Crawley,CR.Gerfen,M.A.Rogawski,D.R.Sibley,P.Skolnick,and S.Wray,eds.)pp.9.14.1−9.14.16.John Wiley & Sons,New York(2003);Morrow,TJ."Animal Models of Painful Diabetic Neuropathy:The STZ rat model." In:Current Protocols in Neuroscience(J.N.Crawley,CR.Gerfen,M.A.Rogawski,D.R.Sibley,P.Skolnick,and S.Wray,eds.)pp.9.18.1−9.18.11.John Wiley & Sons,New York(2004)(それぞれ本明細書中で参考として援用される)を参照のこと)。ニューロパシーに関連する症状(熱痛覚過敏および機械的痛覚過敏が含まれる)をモデル化した十分に許容される評価項目を使用した、広範に受け入れられている神経因性疼痛モデル(すなわち、脊髄神経結紮モデルおよびSTZ 糖尿病誘導性モデル)に基づいた本明細書中に開示の所見は、下記のように、本発明の方法および組成物が哺乳動物被験体においてニューロパシーに関連する症状(神経因性疼痛が含まれる)の治療に有効であることを証明する。
【0167】
神経障害および/または関連する症状の治療または予防のための本発明の方法および組成物は、一般に、任意選択的に1つまたは複数の他のさらなる成分(生理学的に適合可能なキャリア、緩衝液、賦形剤、および防腐剤など)と共に配合した有効量の上記1−アリール−3−アザビシクロ[3.1.0]ヘキサンを使用する。本明細書中で使用される、用語「1−アリール−3−アザビシクロ[3.1.0]ヘキサン」には、本明細書中に記載の化合物の多様な集団によって例示される神経障害および/または関連する症状の治療または予防に有用なこの基の全ての活性且つ有効なメンバーならびにこれらの開示の化合物の全ての活性な誘導体、鏡像異性体、塩、多形体、溶媒和物、水和物、および/またはプロドラッグが含まれる。本明細書中の治療組成物および方法内での使用のために選択された1−アリール−3−アザビシクロ[3.1.0]ヘキサンは、以下に示す有用且つ商業的に実行可能な投薬量で治療に有効であり、哺乳動物被験体で許容され、受け入れられない有害な副作用を生じない。より詳細な実施形態では、本発明の化合物、組成物、および方法は、受け入れられない有害な副作用を生じることなく本明細書中で同定された1つまたは複数の神経障害性容態および/または関連する症状(これらの神経障害性容態および/または関連する症状の任意の組み合わせが含まれる)を緩和するのに治療的に有効である。一定の実施形態では、本発明の治療方法および組成物は、ニューロパシーのための現在の代替薬物治療に関連する1つまたは複数の副作用を回避または軽減しながら、神経障害性容態または症状を有効に治療および/または予防する。この文脈では、神経障害および/または関連する症状を治療するための本発明の方法および組成物により、しばしば、ニューロパシーの代替薬物治療または代替非薬物治療に伴って認められる1つまたは複数の副作用(鎮静、呼吸障害、睡眠障害、めまい、運動機能の喪失、見当識障害、記憶喪失、および他の認識機能障害、気分障害、便秘、口内乾燥、低血圧、体重増加、発疹、消化不良、心臓機能の問題、依存症および/または自閉症、他の副作用が含まれるが、これらに限定されない)が軽減または消失する。
【0168】
本発明の方法および組成物内での使用のための1−アリール−3−アザビシクロ[3.1.0]ヘキサンを、薬学的に許容可能なキャリアおよび/または種々の賦形剤、ビヒクル(vehicle)、安定剤、緩衝液、防腐剤などと共に任意選択的に配合することができる。本発明のこれらの態様内で操作可能な化合物を、周知の方法(下記の種々の動物モデルが含まれる)を使用して、種々の例示的候補化合物のうちから容易に選択することができる。これらのおよび他の方法を使用して、本明細書中に記載の化合物の至適な投薬量および組み合わせを選択、同定、および決定することができる。本発明の治療方法および組成物内で、神経障害および/または関連する症状の治療または予防のために組成物または方法で使用するために選択された1−アリール−3−アザビシクロ[3.1.0]ヘキサンを、「有効量」、「治療量」、または「有効用量」で治療にて使用するために処方する。これらの用語は、哺乳動物被験体において所望の薬理学的効果または治療効果を誘発する(典型的には、被験体における神経障害および/または神経障害に関連する1つまたは複数の症状の発症、頻度、または重症度を測定可能に軽減する)のに十分な本明細書中に記載の化合物の有効量または有効用量を集合的に説明している。一定の実施形態では、神経障害(例えば、神経因性疼痛の1つまたは複数の症状によって特徴づけられる神経障害)を治療するために本発明の化合物を投与する場合、化合物の有効量は、神経障害に関連する1つまたは複数の症状(例えば、1つまたは複数の神経因性疼痛症状)の発症をin vivoで遅延または消失させるのに十分な量であろう。あるいは、治療に有効な処方物および投薬量を、神経障害の1つまたは複数の症状の発症、頻度、または重症度を減少させる投与処方物/投薬量(例えば、1つまたは複数の神経因性疼痛症状の頻度または強度の減少)によって決定することができる。この文脈で有効量の1−アリール−3−アザビシクロ[3.1.0]ヘキサンにより、典型的には、標的にした神経障害性容態または障害に関連する1つまたは複数の症状の性質もしくは重症度、発症、頻度、および/または持続時間が検出可能に治療的に軽減する。本発明の1−アリール−3−アザビシクロ[3.1.0]ヘキサン組成物(その薬学的に有効な塩、溶媒和物、水和物、多形体、またはプロドラッグが含まれる)の治療有効量および投与方式を、当業者は、しばしば、日常的な臨床的要因または患者特異的要因に基づいて容易に決定する。
【0169】
あるいは、神経障害および/または関連する症状の治療または予防のための本発明の方法および組成物の有効性を、種々の数値評価およびスケール採点システム(神経疼痛スケール、数値採点スケール、視覚アナログスケール、フェース疼痛スケール、簡便疼痛質問表、マックギル疼痛質問表、または一次痛評価ツール(これらの全ての臨床採点システムは周知であり、神経障害治療の臨床的有効性の予想について当該分野で広く受け入れられている)が含まれるが、これらに限定されない)によって証明することができる。例えば、1〜10の神経障害性疼痛スケールを使用して、本発明の化合物および方法の有効性を、治療期間にわたる痛みの患者評価の数値の減少によって証明することができる。この減少は、スケール上の少なくとも1点からスケール上の9点への減少またはその間の任意の値の減少であり得る。この文脈における1−アリール−3−アザビシクロ[3.1.0]ヘキサンの治療有効量および投与方式を、当業者は、しばしば、日常的な臨床的要因または患者特異的要因に基づいて容易に決定するであろう。
【0170】
種々の他の公知の送達系、デバイス、および方法を同様に使用することができるが、神経障害および/または関連する症状の治療または予防のための本発明の1−アリール−3−アザビシクロ[3.1.0]ヘキサンおよび関連処方物の適切な投与経路には、経口、口腔、鼻腔、エアゾール、局所、経皮、粘膜、注射、遅延放出、制御放出が含まれるが、これらに限定されない。有用な注射用送達方法には、静脈内注射、筋肉内注射、腹腔内注射、脊髄内注射、鞘内注射、脳室内注射、動脈内注射、および皮下注射が含まれるが、これらに限定されない。
【0171】
哺乳動物被験体に適切な1−アリール−3−アザビシクロ[3.1.0]ヘキサンの有効単位投薬量は、約1〜1200mg、50〜1000mg、75〜900mg、100〜800mg、または150〜600mgの範囲であり得る。一定の実施形態では、有効単位投薬量を、例えば、10〜25mg、30〜50mg、75〜100mg、100〜150mg、150〜250mg、または250〜500mgのより狭い範囲内で選択する。これらおよび他の有効な単位投薬量を、例えば、1日、1週間、または1月あたり1〜5回または2〜3回の投与を含む投与方式において、単回用量または複数回用量で毎日、毎週、または毎月投与することができる。例示的実施形態では、10〜25mg、30〜50mg、75〜100mg、100〜200(予想される投薬量強度(dosage strength))mg、または250〜500mgの投薬量を、1日あたり1回、2回、3回、または4回投与する。より詳細な実施形態では、50〜75mg、100〜150mg、150〜200mg、250〜400mg、または400〜600mgの投薬量を、1日あたり1回、2回、または3回投与する。別の実施形態では、投薬量を、体重に基づいて計算し、例えば、約0.5mg/kg〜約30mg/kg/日、1mg/kg〜約15mg/kg/日、1mg/kg〜約10mg/kg/日、2mg/kg〜約20mg/kg/日、2mg/kg〜約10mg/kg/日、または3mg/kg〜約15mg/kg/日の量で投与することができる。
【0172】
有効量の1−アリール−3−アザビシクロ[3.1.0]ヘキサンを含む本発明の組成物の送達量、送達のタイミング、および送達様式を、日常的に、個体に基づいて、体重、年齢、性別、および個体の容態に基づいて、症状の発症パターン、投与が予防的または治療的のいずれであるかなどの要因に応じて調整し、薬物の送達、吸収、薬物動態学(半減期および有効性が含まれる)を達成するための公知の他の要因に基づいて調整する。本発明の化合物についての有効用量または複数回用量での治療方式を、日常的に、本明細書中に記載のように、被験体における神経障害の1つまたは複数の症状(例えば、1つまたは複数の神経因性疼痛症状)を実質的に予防または緩和するのに必要且つ十分な最小投与方式に近づける。したがって、本発明の処方物および方法にしたがって1−アリール−3−アザビシクロ[3.1.0]ヘキサンを投与した後、試験被験体は、偽薬処置したか他の適切なコントロール被験体と比較して、標的にしたニューロパシーに関連する1つまたは複数の症状を10%、20%、30%、50%、またはそれを超える減少、75〜90%または95%またはそれを超える減少を示す。
【0173】
本発明のさらなる態様内で、組み合わせ処方物および調和的投与方法を提供する。これらは、有効量の1つまたは複数の1−アリール−3−アザビシクロ[3.1.0]ヘキサン(その薬学的に有効な鏡像異性体、塩、溶媒和物、水和物、多形体、またはプロドラッグが含まれる)および1−アリール−3−アザビシクロ[3.1.0]ヘキサンと組み合わせて配合するか調和的に投与される1つまたは複数のさらなる活性成分を使用する。それにより、哺乳動物被験体において標的にした神経障害性容態の1つまたは複数の症状を調整、緩和、治療、または予防するのに有効な組み合わせ処方物または調和的投与が得られる。この文脈における例示的組み合わせ処方物および調和的治療方法は、ニューロパシーを治療するための1つまたは複数のさらなるまたは補助的治療薬または方法(例えば、1つまたは複数の以下のニューロパシー治療薬および方法:NSAID(アスピリン、イブプロフェン、およびCOX−2インヒビターが含まれるが、これらに限定されない)、合成および天然アヘン薬(オキシコドン、メペリジン、モルヒネ、およびコデインが含まれるが、これらに限定されない)、メキシレチン、バクロフェン、トラマドール、抗不整脈薬、抗痙攣薬(例えば、ラモトリジ、ガバペンチン、バルプロ酸、トピラメート、ファモトジン(famotodine)、フェノバルビタール、ジフェニルヒダントイン、フェニトイン、メフェニトイン、エトトイン、メフォバルビタール、プリミドン、カルバマゼピン、エトスクシミドエトスクシミド、メトスクシミド、フェンスクシミド、トリメタジオン、ベンゾジアゼピン(ジアゼパムなど)、フェナセミド、アセトゾールアミド、プロガビド、クロナゼパム、ジバルプロックス・ナトリウム、硫酸マグネシウム注射、メタルビタール、パラメタジオン、フェニトインナトリウム、バルプロ酸ナトリウム、クロバザム、スルチアム、ジランチン、ジフェニラン(diphenylan)、およびL−5−ヒドロキシトリプトファン)、カプサイシンクリーム、膜安定剤(例えば、リドカイン)、N− メチル−D−アスパラギン酸受容体(NMDA)アンタゴニスト(ケタミンなど)、手術、経皮電気的神経刺激、硬膜外脊髄刺激、神経切除術、根切断術、後根入口帯損傷、声帯切除術、視床切除術、および神経焼灼)と組み合わせて1−アリール−3−アザビシクロ[3.1.0]ヘキサンを使用する。
【0174】
本発明の調和的ニューロパシー治療方法を実施するために、本明細書中に記載の1−アリール−3−アザビシクロ[3.1.0]ヘキサンを、上記の1つまたは複数の二次的または補助的治療薬または方法と共に、調和的治療プロトコールにおいて同時または連続的に投与する。調和的投与を、いずれかの順序で同時または連続的に行うことができ、調和的投与には、たった1つまたは両方(または複数の)活性治療薬が個別および/または集合的にその生物活性を示す間の時間が存在し得る。全てのこのような調和的治療方法の特徴的な態様は、1−アリール−3−アザビシクロ[3.1.0]ヘキサンが本明細書中に記載の少なくともいくつかの検出可能な治療活性を示し、そして/または好ましい臨床応答を誘発し、この臨床応答は二次治療薬によって得られる二次臨床応答と組み合わせても組み合わせなくてもよいことである。しばしば、本明細書中で意図される二次治療薬との1−アリール−3−アザビシクロ[3.1.0]ヘキサンの調和的投与により、1−アリール−3−アザビシクロ[3.1.0]ヘキサンのいずれかまたは両方および/または二次治療薬のみによって誘発される治療応答を超える増強された治療応答が得られる。
【0175】
本発明内の1−アリール−3−アザビシクロ[3.1.0]ヘキサンの薬学的投薬形態には、1つまたは複数のさらなる賦形剤または添加物(結合剤、充填剤、潤滑剤、乳化剤、懸濁剤、甘味料、香味物質、防腐剤、緩衝液、湿潤剤、崩壊剤、発泡剤 、および他の従来の賦形剤および添加物が含まれる)がさらに含まれ得る。したがって、神経障害の治療のための本発明の組成物には、以下の任意の1つまたは組み合わせが含まれ得る:薬学的に許容可能なキャリアまたは賦形剤、他の薬剤、医薬品、佐剤、緩衝液、防腐剤、希釈剤、および当業者に公知の種々の他の薬学的添加および薬剤。これらのさらなる処方添加物および薬剤は、しばしば、生物学的に不活性であり、有害な副作用または活性成分との相互作用を生じることなく患者に投与することができる。
【0176】
必要に応じて、本発明の1−アリール−3−アザビシクロ[3.1.0]ヘキサンを、遅延放出キャリア(親水性遅延放出ポリマーなど)の使用によって制御放出形態で投与することができる。この文脈における例示的制御放出剤には、粘性範囲が約100cps〜約100,000cpsのヒドロキシプロピルメチルセルロースが含まれるが、これらに限定されない。
【0177】
本発明の1−アリール−3−アザビシクロ[3.1.0]ヘキサンおよび関連組成物を、しばしば、任意選択的にキャリアまたは他の添加物と組み合わせた経口投薬形態で処方および投与する。薬学的処方物テクノロジーに共通の適切なキャリアには、微結晶性セルロース、ラクトース、スクロース、フルクトース、グルコース、デキストロース、または他の糖、二塩基性リン酸カルシウム、硫酸カルシウム、セルロース、メチルセルロース、セルロース誘導体、カオリン、マンニトール、ラクチトール、マルチトール、キシリトール、ソルビトール、または他の糖アルコール、乾燥デンプン、デキストリン、マルトデキストリン、または他の多糖、イノシトール、またはその混合物が含まれるが、これらに限定されない。本発明で使用するための例示的単位経口投薬形態には、錠剤が含まれる。この錠剤を、経口単位投薬形態の調製で使用することができる薬学的経口単位投薬形態の任意の従来の調製方法によって調製することができる。錠剤などの経口投薬単位形態は、1つまたは複数の従来のさらなる処方成分(放出修飾剤(release modifying agent)、流動促進剤、圧縮助剤(compression aides)、崩壊剤、潤滑剤、結合剤、香味物質、香味増強剤(flavor enhancers)、甘味料および/または防腐剤が含まれるが、これらに限定されない)を含み得る。適切な潤滑剤には、ステアリン酸、ステアリン酸マグネシウム、タルク、ステアリン酸カルシウム、硬化植物油、安息香酸ナトリウム、ロイシンカルボワックス、ラウリル硫酸マグネシウム、コロイド状二酸化ケイ素、およびモノステアリン酸グリセリルが含まれる。適切な流動促進剤には、コロイド状シリカ、ヒュームド二酸化ケイ素(fumed silicon dioxide)、シリカ、タルク、ヒュームドシリカ(fumed silica)、ギプス、およびモノステアリン酸グリセリルが含まれる。コーティングのために使用することができる物質には、ヒドロキシプロピルセルロース、酸化チタン、タルク、甘味料、および着色剤が含まれる。上記発泡剤および崩壊剤は、当業者に公知の急速に崩壊する錠剤の処方で有用である。これらは、典型的には、口内で1分未満、しばしば、30秒未満で崩壊する。発泡剤は、典型的には、有機酸と炭酸塩または重炭酸塩との対(couple)を意味する。
【0178】
本発明のさらなる組成物は、当該分野で公知の種々の吸入器または鼻送達形態のいずれかで調製および投与される1−アリール−3−アザビシクロ[3.1.0]ヘキサンを含む。患者の上顎洞または肺胞中にエアゾール化1−アリール−3−アザビシクロ[3.1.0]ヘキサン処方物を沈積させることができるデバイスには、定量吸入器、噴霧器、乾燥粉末発生器、噴射器(sprayer)などが含まれる。全身に有効な薬物の肺送達に適切な方法および組成物は、当該分野で周知である。例えば、鼻内噴霧または点鼻薬としての投与のためのキャリアが液体である適切な処方物は、1−アリール−3−アザビシクロ[3.1.0]ヘキサンおよびさらなる有効成分または非活性成分の水溶液または油性溶液を含み得る。
【0179】
鼻腔内送達により、有効量の化合物の鼻への投与後にこのような化合物を血流に直接通過させることが可能であり、生成物を肺内に沈積させる必要はない。さらに、鼻腔内送達は、中枢神経系への活性化合物の直接または増強された送達を行うことができる。鼻腔内投与および肺投与のために、液体エアゾール処方物は、しばしば、分散剤および/または生理学的に許容可能な希釈剤と組み合わせた本明細書中に記載の1−アリール−3−アザビシクロ[3.1.0]ヘキサンを含む。あるいは、乾燥粉末エアゾール処方物は、微粉化固体形態の本発明の化合物および乾燥粉末粒子を容易に分散させるための分散剤を含み得る。液体または乾燥粉末エアソール処方物のいずれかを使用して、処方物は、エアゾール化用量が鼻腔または肺の粘膜に確実に到達するように小さな液体または固体粒子にエアゾール化しなければならない。用語「エアゾール粒子」は、標的にした粘膜または肺胞膜への鼻腔内または肺分布のために十分に小さい粒子の直径(例えば、約2〜5ミクロン)を得るの適切な液体または固体粒子を説明するために本明細書中で使用される。他の検討材料には、送達デバイスの構築、処方物中のさらなる成分、および粒子の特性が含まれる。薬物の鼻腔内投与または肺投与のこれらの態様は当該分野で周知であり、処方物の操作、エアゾール化手段、および送達デバイスの構築は、当業者の能力の範囲内である。
【0180】
哺乳動物の神経障害の治療のための1−アリール−3−アザビシクロ[3.1.0]ヘキサンの局所投与のための本発明のなおさらなる組成物および方法を提供する。局所用組成物は、皮膚または粘膜許容可能なキャリア(エアゾールスプレー、粉末、皮膚パッチ、スティック、顆粒、クリーム、ペースト、ゲル、ローション、シロップ、軟膏、含浸スポンジ、綿アプリケーターの形態が含まれる)中に組み込まれているか、水溶液、非水溶液、水中油滴型乳濁液、または油中水滴型乳濁液中の溶液または懸濁液として1−アリール−3−アザビシクロ[3.1.0]ヘキサンおよび任意の他の活性成分または比活性成分を含み得る。これらの局所用組成物は、局所用組成物または送達デバイス中に組み込むべき水、他の溶媒、または液体の一部に溶解または分散された1−アリール−3−アザビシクロ[3.1.0]ヘキサンを特徴とし得る。当業者に公知の皮膚浸透増強剤の添加によって経皮投与を強化することができる。このような投薬形態に適切な処方物に、一般的に使用される賦形剤(特に、長期間(例えば、24時間)にわたって薬物吸収を持続するための手段(構造またはマトリックス))を組み込む。
【0181】
非経口投与のための神経障害の治療のための1−アリール−3−アザビシクロ[3.1.0]ヘキサンのなおさらなる処方物(抗酸化剤、緩衝液、静菌薬、および/または処方物を哺乳動物被験体の血液と等張にする溶質を任意選択的に含み得る水性および非水性滅菌注射液ならびに懸濁剤および/または増粘剤を含み得る水性および非水性滅菌懸濁液が含まれる)を提供する。処方物は、単位用量または複数回用量の容器中に存在し得る。本発明のこれらおよび他の処方物はまた、非経口投与後の持続放出のためのポリマーを含み得る。即時調合注射液、乳濁液、および懸濁液を、前述の種類の滅菌粉末、顆粒、および錠剤から調製することができる。例示的単位投薬処方物は、有効成分の1日量または1日単位、上記の1日部分用量(subdose)、またはその適切な画分を含むものである。
【0182】
他の詳細な実施形態では、1−アリール−3−アザビシクロ[3.1.0]ヘキサン組成物を、送達のために、例えば、コアセルベーション技術または界面重合によって調製されたマイクロカプセル、微粒子、またはミクロスフェア(例えば、それぞれ、ヒドロキシメチルセルロースまたはゼラチンカプセルおよびポリ(メチルメタクリレート)マイクロカプセル)、コロイド状薬物送達系(例えば、リポソーム、アルブミンミクロスフェア、マイクロエマルジョン、ナノ粒子、およびナノカプセル)またはマクロエマルジョン中にカプセル化することができる。
【0183】
本発明の医薬品(pharmaceutical agent)および処方物は、典型的には、滅菌可能であるか容易に滅菌可能であり、生物学的に不活性であり、容易に投与される。
【0184】
以下の実施例は、本発明の一定の実施形態を例証しており、本開示を制限すると解釈すべきではない。これらの実施例に示す証拠は、本明細書中に記載の1−アリール−3−アザビシクロ[3.1.0]ヘキサンが哺乳動物におけるニューロパシーおよび関連する症状(神経因性疼痛が含まれる)の治療で有効であることを証明する。
【0185】
(実施例)
ビシファジンを、2つの当該分野で受け入れられている神経因性疼痛モデル(脊髄神経結紮によって生じた神経因性疼痛のモデル(Kim,et al.,1992)およびストレプトゾトシン(STZ)誘導性糖尿病ラットモデル(Morrow,T.J.,2004))で試験した。脊髄神経結紮モデルでは(以下の実施例1にさらに詳述する)、ラットに、術後3週間にわたりビシファジンまたはモルヒネを経口投与した。60分後、非損傷足(図1、パネルB)と比較したラットの損傷した足(図1、パネルA)を引かせるのに必要な量に基づいて機械的痛覚過敏を測定した。図1で認められるように、パネルAでは、ビシファジンによって圧力が統計的に有意に増加し、ラットは賦形剤と比較して耐えることができた。さらに、ビシファジンは、これに関してモルヒネよりも強力であった。実際、この神経因性疼痛モデルにおいてビシファジンと等価な効果を得るために必要なモルヒネの量は、ほぼ致死量であった。ビシファジンの神経障害に関連する症状を緩和する能力を図2にさらに証明し、この図は、非損傷(図2、パネルB)足と比較した損傷(図2、パネルA)足に対する熱刺激の適用に対するラットの感受性に基づいた熱痛覚過敏応答を示す。ビシファジンが非損傷足において熱の適用に対する圧力の閾値または応答のいずれかに影響を及ぼさないという所見(図1、パネルB;図2、パネルB)は、チャンモデルによって証明されたビシファジンによって生じた痛覚脱失が薬物による動物の衰弱に起因しないことを示す。動物の圧力量も増加させたビシファジンは、STZ糖尿病性ニューロパシーモデルにおいて損傷足を耐えさせることができた(例えば、以下の実施例3、図5を参照のこと)。この図では、動物の機械的圧力に対する感受性の増加を、コントロール(非STZ処置)ラットと比較した引き下げの誘発のために適用した力の量の減少と共に例証する。ビシファジンは、これらの糖尿病ラットで耐えられた圧力量をコントロール動物で得た値に近い値に修復することができる。(図5)。
【実施例1】
【0186】
実施例1 ビシファジンは、脊髄神経結紮モデルにおいて触覚性痛覚過敏および熱痛覚過敏を有効に減少させる
ラット中の脊髄神経の強い結紮は、痛覚過敏、異痛症、および自発痛に関連し、それにより、ヒトにおける末梢神経因性疼痛についての認められたモデルが得られる。手順開始時点で体重218〜260gの雄Sprague−DawleyラットRj:SD(IOPS Han)を麻酔し(ナトリウムペントバルビタール40mg/kg i.p.)、L4−S2レベルでの切開を行って、左L5およびL6脊髄神経を露呈し、次いで、Kim and Chung(Pain,50:355−363,1992)に最初に記載のように、脊髄後根神経節の遠位且つ坐骨神経への入口の前を強く結紮した(4−0絹縫合)。次いで、創傷を縫合し、ラットにクラモキシル(100mg/kg s.c.)をi.m.注射し、回復させた。手術から4週間後、慢性疼痛状態が完全に組み込まれ、ラットに、非損傷後足および損傷後足の両方に触覚性刺激および熱刺激を連続的に行った。
【0187】
罹患足(神経損傷部位と同側)が、ワイヤーメッシュ観察ケージによって足底面(足蹠の間)に対して垂直に適用した段階的刺激(4.0〜148.1mNの範囲のフォンフライフィラメント)から引き下げた圧力の記録によって評価したところ、上記手順により、左後足に機械的(触覚性)異痛症が生じる。足引き下げ閾値(paw withdrawal threshold)(PWT)を、Chaplan et al.,1994に記載のように、刺激強度の連続的増加および減少ならびにディクソンノンパラメトリック検定を使用した引き下げデータの分析によって決定した。
【0188】
正常なラットおよび偽手術ラット(神経を隔離したが結紮せず)は、少なくとも148.1mN(15gと同等)の圧力で応答することなく足を引き下げる。脊髄神経結紮ラットは、罹患足へのたった4.0mN(0.41gと同等)の圧力で応答する。ラットは、ラットが運動機能障害(例えば、足の引き摺りまたは下垂)を示さず、且つそのPWTが39.2mN(4.0gと同等)未満であった場合に限り、研究に含める。手術から3週間後、ラットを、s.c.注射によって試験化合物またはコントロール希釈剤(PBS)で処置し、その後7日間毎日PWTを決定した。有効量の本明細書中に記載の1−アリール−3−アザビシクロ[3.1.0]ヘキサン試験化合物で処置したラットで認められたPWT値は、コントロール動物で認められたPWT値と比較して、ある程度増加する。
【0189】
触覚性刺激について、動物を、グリッドフロア上の逆にしたアクリル製のプラスチック箱(18×11.5×l3cm)に置いた。次いで、電子フォンフライプローブ(Bioseb,model 1610)の先端を、力を増加させながら非損傷後足および損傷後足に押し付け、力によって誘導された足引き下げを自動で記録した。この手順を3回行い、後足あたりの平均的な力を計算した。
【0190】
熱刺激について、装置(Model 7200,Ugo Basile,Italy)は、高設ガラスフロア上に置いた個別のアクリル製プラスチック箱(17×11×13cm)からなる。次いで、ラットを箱に入れ、10分間自由に馴化させた。移動式赤外線放射源(96±10mW/cm)を、非損傷後足および損傷後足に集中させ、足引き下げ潜伏期を自動で記録した。組織損傷を予防するために、熱源を45秒後に自動でオフにした。
【0191】
手術から2週間後に挙動試験を行った。薬物治療を受ける前に、全動物に触覚性刺激を行い、その疼痛応答に基づいて、適合した処置群に割り当てた。群あたり8匹のラットを研究し、試験を、盲検で行った。
【0192】
試験の60分前にp.o.投与した表示の用量のビシファジンを評価し、ビヒクルコントロール群と比較した。基準物質として使用したモルヒネ(128mg/kg p.o.)を、同一の実験条件下で投与した。
【0193】
データを、対応のあるおよび対応のないスチューデントt検定を使用した処置群および賦形剤コントロール群の損傷足の応答の比較によってデータを分析した。
【0194】
図1および2で証明するように、ビシファジンは、慢性神経因性疼痛のチャンモデルあにおいて機械的痛覚過敏および熱痛覚過敏を有効に抑制した。賦形剤処置ラット(白抜きのバー)は、機械的圧力(図1、パネルA)または熱刺激(図2、パネルA)の適用後の損傷部位における足の引き下げ閾値が有意に減少した。これらの図の比較により、モルヒネがほぼ致死量で侵害受容応答の閾値が有意に増加したことが示される(斜線のバー)。図に示すように、50mg/kg POビシファジンにより、賦形剤処置した損傷足と比較して、足の引き下げの誘導に必要な力が有意に増加した。さらに、全試験用量(12.5〜100mg/kg)のビシファジンにより、熱刺激に応答した足引き下げ潜伏期が有意に増加した。この効果の規模は、ほぼ致死量のモルヒネ(128mg/kg PO)の規模とほぼ同等であった。
【実施例2】
【0195】
実施例2 1−(3,4−ジクロロフェニル)−3−アザビシクロ[3.1.0]ヘキサンは、脊髄神経結紮モデルにおいて触覚性痛覚過敏および熱痛覚過敏を有効に減少させる
本実施例では、別の例示的な置換1−アリール−3−アザビシクロ[3.1.0]ヘキサンを、神経因性疼痛の(チャン)モデルにおけるニューロパシー関連症状を緩和する能力について評価した。本研究では、上記の多アリール置換化合物である1−(3,4−ジクロロフェニル)−3−アザビシクロ[3.1.0]ヘキサンを、実施例1中の上記手順にしたがってアッセイした。表示の用量の1−(3,4−ジクロロフェニル)−3−アザビシクロ[3.1.0]ヘキサンを、試験60分前にp.o.で試験動物に投与し、賦形剤コントロール群と比較した。実施例1に記載のように、データを、対応のあるおよび対応のないスチューデントt検定を使用して、処置群および賦形コントロール群の損傷足の応答の比較によって分析した。
【0196】
図3および4でそれぞれ証明するように、1−(3,4−ジクロロフェニル)−3−アザビシクロ[3.1.0]ヘキサンは、神経因性疼痛のチャンモデルにおいて触覚性異痛症を強く抑制し、試験被験体において熱痛覚過敏を用量依存性に抑制した。ビヒクル処置ラット(白抜きのバー)は、機械的圧力(図3、パネルA)または熱刺激(図4、パネルA)の適用後の損傷部位における足の引き下げ閾値が有意に減少した。1−(3,4−ジクロロフェニル)−3−アザビシクロ[3.1.0]ヘキサンの被験体への投与により、賦形剤処置した損傷足と比較して足の引き下げの誘導に必要な力が有意に増加し、熱刺激に応答して足引き下げの潜伏期が有意に増加した。図3のパネルBおよび図4のパネルB(非損傷側に応答)は、効果が動物の衰弱に起因しないことを証明している。
【実施例3】
【0197】
実施例3 ビシファジンは、ストレプトゾトシン誘導性糖尿病ラットモデルにおける神経障害症状を緩和する
手順始時点で体重218〜260gの雄Sprague−DawleyラットRj:SD(IOPS Han)を、糖尿病の誘導研究に含めた。これらを、賦形剤コントロール群とストレプトゾトシン処置群に分けた。ラットを、温度(19.5〜24.5℃)および相対湿度(45〜65%)を制御した12時間の明暗サイクルの室に収容し、濾過した真水およびペレット化した実験用固形飼料を研究を通して自由に与えた。
【0198】
0日目に、ストレプトゾトシン(STZ;75mg/kg)のラットへの腹腔内注射によって糖尿病が誘導された。23日目に、STZ投与ラットにおける糖尿病の存在を確認するために、血糖ストリップを使用して高血糖を測定した。血糖値が250mg/l未満の動物を、さらなる調査に使用しなかった。
【0199】
さらなる調査に含めるのに有用であることが見出された動物に、表示用量のビシファジンを経口投与し、60分後に侵害受容閾値を試験した。侵害受容閾値を、機械的侵害受容刺激を使用して評価した(足圧力試験)。侵害受容応答(発声または足の引き下げ)に到達するまで、動物の後足への圧力を増加させた。疼痛閾値(接触圧力(g))を、両後足で測定した。
【0200】
結果を、各侵害受容閾値から計算した各群についての接触圧力(g)(両後足について得た侵害受容閾値の平均値)における侵害受容閾値(平均±SEM)として示す。ビシファジン処置群および賦形剤処置糖尿病群の間の統計的有意性を、一元配置分散分析後の残差分散を使用して、クルスカル−ウォリスの検定によって決定した(p<0.05)。
【0201】
図5で示したデータによって証明されるように、ビシファジンは、糖尿病性ニューロパシーラットの機械的痛覚過敏が減少させる。STZを用いたラットにおいて糖尿病が誘導された23日後に、糖尿病が有意に発症したラットに、賦形剤またはビシファジンのいずれかを経口投与し、60分後にその侵害受容閾値を決定した。ビヒクルで処置したラットは、侵害受容応答(足引き下げまたは鳴き声)の誘発に必要な足圧力が有意に減少した。対照的に、12.5および25 mg/kgビシファジンで処置した糖尿病ラット(黒塗りのバー)は、ビヒクル処置糖尿病動物(白抜きのバー)と比較して、侵害受容閾値が有意に(P<0.05)増加した。
【実施例4】
【0202】
実施例4 慢性収縮損傷モデル
神経障害および/または関連する症状の治療のための本発明の方法および組成物の有向性を証明するための別の有用なモデルは、慢性収縮損傷モデルである。このモデルでは、ラットに片側末梢痛覚過敏を神経結紮によって引き起こさせる(Bennett,et al.,Pain,33:87− 107,1988)。Sprague−Dawleyラット(250〜350g)をペントバルビタールナトリウムで麻酔し、共通の坐骨神経を、大腿二頭筋を通した鈍的切開によって大腿中央に露呈させる。坐骨神経の三分岐に対して近位の神経切片(約7mm)は組織が存在せず、これを酸化クロムの腸用縫合糸にて4つの位置を結紮し、縫合糸を、結紮間に約1mmの間隔をあけて結んだ。切片を層状に閉じ、動物を回復させた。熱痛覚過敏を、足引き下げ試験を使用して測定する(Hargreaves,et al.,Pain,32:77−88,1988)。試験を行うために、動物を高設ガラスフロア上で馴化し、放射熱源を、皮膚損傷を予防するために20秒カットオフのガラスフロアによって足底中央(坐骨神経領域)に向けた。両後足における引き下げ反射の潜伏期を、記録する。
【0203】
神経を結紮した足は、非操作または偽操作足と比較して足引き下げ潜伏期が短い。試験化合物に対する応答を、経口投与後の異なる時点で評価し、化合物の効果の発生および持続時間を決定する。試験実施時に、ラット群に賦形剤または試験化合物のいずれかを毎日3回を5日間経口投与する。足引き下げ潜伏期を、最初の毎日の投与の10分前および投与から2または3時間後に毎日測定することができる。化合物の有効性を、賦形剤処置群と比較した痛覚過敏の平均減少率として計算する。化合物の有効性を、統計的に有意な痛覚過敏の減少率が得られる最小有効量(MED)(mg/kg/日)として示すことができる。抗痛覚過敏の有効率を、以下のように計算することができる:2(賦形剤群の平均−化合物群の平均)(賦形剤群の平均)×100。本明細書中に記載の活性な1−アリール−3−アザビシクロ[3.1.0]ヘキサン化合物で処置した動物は、コントロール動物と比較して、痛覚過敏の検出可能な増加を示す。
【実施例5】
【0204】
実施例5 ニューロパシーが誘導された部分的坐骨神経モデル
神経障害および/または関連する症状の治療のための本発明の方法および組成物の有効性を証明するための別の有用なモデルは、ラットで神経障害性痛覚過敏を引き起こす神経因性疼痛の部分的坐骨神経モデルである(Seltzer et al.,Pain,43:205−218,1990)。左坐骨神経の部分的結紮を、エンフルラン/O吸入麻酔下で行う。麻酔誘導後、ラットの左大腿の毛を剃り、小さな切開によって大腿の上部に坐骨神経を露呈させ、後部二頭筋半腱様神経を共通の坐骨神経から分岐した位置のすぐ遠位の転子(trocanther)付近の部位を取り囲む結合組織を慎重に除去する。7−0絹縫合糸を、湾曲した逆カッティングの3/8ミニニードルで神経に挿入し、神経の厚さの1/3〜1/2背側が結紮内に保持されるように強く結紮する。創傷を、一重の筋肉用縫合糸(7−0絹)およびミッシェルクリップで閉じた。術後、創傷部位に抗生物質粉末をまぶす。偽処置ラットに、坐骨神経を操作しないこと以外は同一の外科的手順を受けさせる。術後、動物を秤量し、麻酔から回復するまで加温パッド上に置く。次いで、動物を、挙動試験を開始するまでそのホームケージに戻す。
【0205】
試験化合物に対する応答を、経口投与後の異なる時間で評価して、化合物の効果の発生および持続時間を決定する。試験実施時に、ラット群に賦形剤または試験化合物のいずれかを毎日3回を5日間経口投与する。足引き下げ潜伏期を、最初の毎日の投与の10分前および投与から2または3時間後に毎日測定することができる。
【0206】
動物を、Stein,1988に記載のように、無痛覚計(Model 7200,Ugo Basile,Italy)を使用した有害な機械的刺激に対する後足引き下げ閾値の決定によって、有害な機械的刺激に対する応答について評価する。後足に適用することができる最大重量を250gに設定し、終点を、足の完全な引き下げとする。
【実施例6】
【0207】
実施例6 機械的異痛症のための挙動試験
神経障害および/または関連する症状の治療のための本発明の方法および組成物の有効性を証明するための他の有用なモデルは、異痛症の挙動評価のための別のプロトコールを使用する。試験動物(上記実施例に記載の試験動物など)を、足蹠の足底面のフォンフライ刺激に対する後足引き下げ応答の決定によって、非有害機械的刺激に対する感受性について試験することもできる(Igarashi et al.,Spine 25:2975−80,2000)。ラットを、吊した6mm細線格子上に存在するように馴化し、その足蹠の足底面をフォンフライフィラメントで刺激した。手術3日前に、動物を馴化させて動物を動きおよび足のつつきに慣れさせた。
【0208】
試験化合物に対する応答を、経口投与後の異なる時点で評価し、化合物の効果の発生および持続時間を決定する。試験実施時に、ラット群に賦形剤または試験化合物のいずれかを毎日3回を5日間経口投与する。足引き下げ潜伏期を、最初の毎日の投与の10分前および投与から2または3時間後に毎日測定することができる。
【0209】
足引き下げ潜伏期を、フィラメントを使用して測定する。それぞれが2〜3秒間隔にて全部で2回の適用についてフィラメントがちょうどたわむまでに1〜15gの力が足表面に適用されるようにフィラメントを較正し、敏感化(sensitization)を回避するために位置をかえる。所与のフィラメントの2回の適用のいずれかの後にラットがその足を引き下げない場合、次のより堅いフィラメントを同一様式で試験する。ラットがその足を引き下げた場合、次に軟らかいフィラメントでの応答がないことを確実にすることによって、測定値を検証する。第1の反応についての正の応答を生じるフィラメントの力(g)を記録する。5分後、同一の手順を再度行う。動物を試験手順に適応させて、動物が正常な応答を示すことを検証するために、実験開始の3日前にベースライン試験を行う。ラットがその足を引き下げる場合、この力(g)を第2の反応として記録する。正の反応を示す動物を、5g未満のフィラメントの力(g)に応答する動物として同定する。試験化合物で処置した動物は、圧力に対する感受性が増加し、正常な反応に近づく。
【実施例7】
【0210】
実施例7 ピン痛覚試験
神経障害および/または関連する症状の治療のための本発明の方法および組成物の有効性を証明するための別の有用なモデルは、ピン痛覚試験として公知である。このモデルでは、ラットを、直径約1cmの穴を有する上げ底のワイヤーメッシュフロア上に設置した透明なプラスチック製のケージ内に収容する。安全ピンの先端を、皮膚が窪むが突き抜けないように底側のかかとの皮膚押し付ける。ピンでの突き刺しに対する正常な応答は、非常に小さな振幅および短期間の防衛的引き下げ反射である。神経損傷後、応答は、振幅および持続時間が増加し、動物は、刺激部位を頻繁になめる。
【0211】
試験化合物に対する応答を、経口投与後の異なる時点で評価し、化合物の効果の発生および持続時間を決定する。試験実施時に、ラット群に賦形剤または試験化合物のいずれかを毎日3回を5日間経口投与する。反応を、最初の毎日の投与の10分前および投与から2または3時間後に毎日測定することができる。
【0212】
引き下げの振幅および/または持続時間の減少は、試験化合物の有効性を示す。
【実施例8】
【0213】
実施例8 冷感異痛症試験
神経障害および/または関連する症状の治療のための本発明の方法および組成物の有効性を証明するための別の有用なモデルは、冷感異痛症試験として公知である。1つのこのような方法では(Bennett,et al.,Pain,31:87−107,1988)、ラットを、その下方に水を循環させることによって4℃に冷却した金属プレート上に20分間置く。動物の症状を示す足が床に触れた時点で起こる防衛的引き下げ反射の回数および持続時間を測定する。これらの値を、30℃に加温した金属フロアを使用して得た値と比較することができる。
【0214】
試験化合物に対する有効性を、経口投与後の異なる時点で評価することによって決定し、それにより、化合物の効果の発生および持続時間を決定することができる。試験実施時に、ラット群に賦形剤または試験化合物のいずれかを毎日3回を5日間経口投与する。反応を、最初の毎日の投与の10分前および投与から2または3時間後に毎日測定することができる。
【0215】
引き下げ前の時間の増加および/または症状を示す足の引き下げの持続時間の減少は、試験化合物の有効性を示す。
【0216】
上記発明を、明確に理解することを目的とした例示として詳述しているが、当業者は、一定の変更形態および修正形態を添付の特許請求の範囲の範囲内で実施することができ、これらは、例証として示し、本発明を制限しないと理解する。この文脈では、本発明は、本明細書中に開示の特定の処方物、過程、および材料に制限されず、したがって、処方物、工程段階、および材料はいくらか変化し得る。また、本明細書中で使用した専門用語を、特定の実施形態のみを説明するために使用し、特許請求の範囲内に具体化した発明を制限することを意図しない。種々の刊行物および他の参考文献の情報を、説明を省略するために上記開示内で引用している。これらの各参考文献は、その全体が全ての目的のために本明細書中で参考として援用される。しかし、本明細書中で考察した種々の刊行物を、本願の出願日前の開示のみを目的として援用し、本発明者らは、先行発明に基づいてこのような開示に先行するための権利を留保することに留意すべきである。
【0217】
リファレンス

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米国特許仮出願第60/424,982号
米国特許出願第10/466,457号
米国特許出願第10/702,397号
米国特許出願第10/764,371号
米国特許出願第10/764,373号
米国特許出願第10/764,375号
米国特許出願第10/920,748号
米国特許第4,118,417号
米国特許第4,196,120号
米国特許第4,435,419号
米国特許第4,131,611号
米国特許第4,231,935号
米国特許第6,204,284号
米国特許第6,372,919号
米国特許第6,659,887号
米国特許第6,716,868号
PCT/US2003/035099(国際公開番号WO04/043920号)

Szalackeらの特許公開PL 120095 B2,CAN 99:158251
【図面の簡単な説明】
【0218】
【図1】図1のパネルAは、(±)−1−(4−メチルフェニル)−3−アザビシクロ[3.1.0]ヘキサン塩酸塩(ビシファジンHCl)がチャンの神経因性疼痛モデルにおいて機械的痛覚過敏を抑制することを証明する実験結果のグラフである。ビクフィファジン(Bicfifadine)は、機械的痛覚過敏の遮断において致死量付近のモルヒネと同様の有効性を示す。ビシファジンが非損傷足における痛覚閾値に影響を及ぼさなかったことを示すデータ(パネルB)によって示されるように、このモデルにおける神経障害症状の治療についてのビシファジンの有効性は特異的である。*、**;賦形剤群との有意差はそれぞれP<0.05、0.01(スチューデントt検定)。
【図2】図2のパネルAは、(±)−1−(4−メチルフェニル)−3−アザビシクロ[3.1.0]ヘキサン塩酸塩(ビシファジンHCl)がチャンの神経因性疼痛モデルにおいて熱痛覚過敏を抑制することを証明する実験結果のグラフである。ビクフィファジン(Bicfifadine)は、機械的痛覚過敏の遮断において致死量付近のモルヒネと同様の有効性を示す。ビシファジンが非損傷足における痛覚閾値に影響を及ぼさなかったことを示すデータ(パネルB)によって示されるように、このモデルにおける神経障害症状の治療についてのビシファジンの有効性は特異的である。*、**;賦形剤群との有意差はそれぞれP<0.05、0.01(スチューデントt検定)。
【図3】図3のパネルAは、1−(3,4−ジクロロフェニル)−3−アザビシクロ[3.1.0]ヘキサンがチャンの神経因性疼痛モデルにおいて機械的痛覚過敏を抑制することを証明する実験結果のグラフである。化合物が非損傷足における痛覚閾値に影響を及ぼさなかったことを示すデータ(パネルB)によって示されるように、このモデルにおける神経障害症状の治療についての1−(3,4−ジクロロフェニル)−3−アザビシクロ[3.1.0]ヘキサンの有効性は特異的である。*、**;賦形剤群との有意差はそれぞれP<0.05、0.01(スチューデントt検定)。
【図4】図4のパネルAは、1−(3,4−ジクロロフェニル)−3−アザビシクロ[3.1.0]ヘキサンがチャンの神経因性疼痛モデルにおいて熱痛覚過敏を抑制することを証明する実験結果のグラフである。化合物が非損傷足における痛覚閾値に影響を及ぼさなかったことを示すデータ(パネルB)によって示されるように、このモデルにおける神経障害症状の治療についての1−(3,4−ジクロロフェニル)−3−アザビシクロ[3.1.0]ヘキサンの有効性は特異的である。*、**;賦形剤群との有意差はそれぞれP<0.05、0.01(スチューデントt検定)。
【図5】図5は、ビシファジンがニューロパシーのストレプトゾトシン(STZ)誘導性糖尿病ラットモデルにおいて神経障害症状(機械的痛覚過敏)を有効に緩和することを証明する実験結果のグラフである。*;賦形剤群との有意差はP<0.05(スチューデントt検定)。
【図1A】

【図1B】

【図2A】

【図2B】

【図3A】

【図3B】

【図4A】

【図4B】


【特許請求の範囲】
【請求項1】
哺乳動物被験体の神経障害を予防または治療する方法であって、有効量の式I:
【化1】


式I
(式中、
Arは、アリール環上に少なくとも1つの置換基を有するフェニルまたは他の芳香族基であり、Rは、水素、C1〜6アルキル、ハロ(C1〜6)アルキル、C3〜9シクロアルキル、C1〜5アルコキシ(C1〜6)アルキル、カルボキシ(C1〜3)アルキル、C1〜3アルカノイル、カルバメート、ハロ(C1〜3)アルコキシ(C1〜6)アルキル、C1〜3アルキルアミノ(C1〜6)アルキル、およびジ(C1〜3)アルキルアミノ(C1〜6)アルキル、シアノ(C1〜6)アルキル、メチル、エチル、トリフルオロメチル、トリフルオロエチル、および2−メトキシエチルから選択される)の化合物を前記被験体に投与する工程を含む、方法。
【請求項2】
前記化合物が、ビシファジン、ビシファジンの鏡像異性体、ビシファジンの塩、ビシファジンのプロドラッグ、ビシファジンの多形体、水和物、および溶媒和物、ならびにその組み合わせから選択される、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記化合物がビシファジン塩酸塩である、請求項2に記載の方法。
【請求項4】
前記化合物がビシファジンの(+)鏡像異性体を含む、請求項2に記載の方法。
【請求項5】
前記化合物を、ビシファジンの(−)鏡像異性体を実質的に含まない処方物で投与する、請求項4に記載の方法。
【請求項6】
前記化合物がビシファジンの(−)鏡像異性体を含む、請求項2に記載の方法。
【請求項7】
前記化合物を、ビシファジンの(+)鏡像異性体を実質的に含まない処方物で投与する、請求項6に記載の方法。
【請求項8】
前記化合物がビシファジンの多形体B形態を含む、請求項2に記載の方法。
【請求項9】
前記化合物を、ビシファジンの多形体A形態を実質的に含まない処方物で投与する、請求項8に記載の方法。
【請求項10】
前記化合物が、
【化2】

、ならびにその薬学的に許容可能な活性塩、溶媒和物、水和物、多形体、鏡像異性体、およびプロドラッグからなる群から選択される、請求項1に記載の方法。
【請求項11】
前記化合物が、
【化3】

、ならびにその薬学的に許容可能な活性塩、溶媒和物、水和物、多形体、鏡像異性体、およびプロドラッグからなる群から選択される、請求項1に記載の方法。
【請求項12】
哺乳動物被験体の神経障害を予防または治療する方法であって、有効量の式III:
【化4】


式III
(式中、
Rは、C1〜6アルキル、ハロ(C1〜6)アルキル、C3〜9シクロアルキル、C1〜5アルコキシ(C1〜6)アルキル、カルボキシ(C1〜3)アルキル、C1〜3アルカノイル、カルバメート、ハロ(C1〜3)アルコキシ(C1〜6)アルキル、C1〜3アルキルアミノ(C1〜6)アルキル、およびジ(C1〜3)アルキルアミノ(C1〜6)アルキル、シアノ(C1〜6)アルキル、メチル、エチル、トリフルオロメチル、トリフルオロエチル、および2−メトキシエチルから選択され、
は、ハロゲン、C1〜3アルキル、C2〜4アルケニル、C2〜4アルキニル、ハロ(C1〜3)アルキル、シアノ、ヒドロキシ、C3〜5シクロアルキル、C1〜3アルコキシ、C1〜3アルコキシ(C1〜3)アルキル、カルボキシ(C1〜3)アルキル、C1〜3アルカノイル、ハロ(C1〜3)アルコキシ、ニトロ、アミノ、C1〜3アルキルアミノ、およびジ(C1〜3)アルキルアミノ、メチル、エチル、フルオロ、クロロ、トリフルオロメチル、シアノ、ニトロ、およびトリフルオロメトキシから選択される)の化合物を前記被験体に投与する工程を含む、方法。
【請求項13】
前記化合物が、
【化5】


、ならびにその薬学的に許容可能な活性塩、溶媒和物、水和物、多形体、鏡像異性体、およびプロドラッグからなる群から選択される、請求項12に記載の方法。
【請求項14】
哺乳動物被験体の神経障害を予防または治療する方法であって、有効量の式IV:
【化6】


式IV
(式中、
Rは、C1〜6アルキル、ハロ(C1〜6)アルキル、C3〜9シクロアルキル、C1〜5アルコキシ(C1〜6)アルキル、カルボキシ(C1〜3)アルキル、C1〜3アルカノイル、カルバメート、ハロ(C1〜3)アルコキシ(C1〜6)アルキル、C1〜3アルキルアミノ(C1〜6)アルキル、およびジ(C1〜3)アルキルアミノ(C1〜6)アルキル、シアノ(C1〜6)アルキル、メチル、エチル、トリフルオロメチル、トリフルオロエチル、および2−メトキシエチルから選択される)の化合物を前記被験体に投与する工程を含む、方法。
【請求項15】
前記化合物が、
【化7】

、ならびにその薬学的に許容可能な活性塩、溶媒和物、水和物、多形体、鏡像異性体、およびプロドラッグからなる群から選択される、請求項14に記載の方法。
【請求項16】
哺乳動物被験体における神経障害に起因する1つまたは複数の症状を予防または治療する方法であって、有効量の1−アリール−3−アザビシクロ[3.1.0]ヘキサンを前記被験体に投与する工程を含む、方法。
【請求項17】
前記1−アリール−3−アザビシクロ[3.1.0]ヘキサンが、ビシファジン、ビシファジンの鏡像異性体、ビシファジンの塩、ビシファジンのプロドラッグ、ビシファジンの多形体、水和物、および溶媒和物、ならびにその組み合わせから選択される、請求項16に記載の方法。
【請求項18】
前記1−アリール−3−アザビシクロ[3.1.0]ヘキサンがビシファジン塩酸塩である、請求項17に記載の方法。
【請求項19】
哺乳動物被験体における神経障害に起因する1つまたは複数の症状を予防または治療する方法であって、有効量の式V:
【化8】


式V
(式中、RおよびRは、ハロゲン、C1〜3アルキル、C2〜4アルケニル、C2〜4アルキニル、ハロ(C1〜3)アルキル、シアノ、ヒドロキシ、C3〜5シクロアルキル、C1〜3アルコキシ、C1〜3アルコキシ(C1〜3)アルキル、カルボキシ(C1〜3)アルキル、C1〜3アルカノイル、ハロ(C1〜3)アルコキシ、ニトロ、アミノ、C1〜3アルキルアミノ、およびジ(C1〜3)アルキルアミノ、メチル、エチル、フルオロ、クロロ、トリフルオロメチル、シアノ、およびトリフルオロメトキシからそれぞれ選択される)の化合物を前記被験体に投与する工程を含む、方法。
【請求項20】
前記化合物が、
【化9】

、ならびにその薬学的に許容可能な塩、鏡像異性体、多形体、溶媒和物、水和物、およびプロドラッグからなる群から選択される、請求項19に記載の方法。
【請求項21】
前記化合物が、1−(3,4−ジクロロフェニル)−3−メチル−3−アザ−ビシクロ[3.1.0]ヘキサン、またはその薬学的に許容可能な塩、多形体、溶媒和物、水和物、もしくはプロドラッグである、請求項19に記載の方法。
【請求項22】
前記化合物が、その対応する(−)鏡像異性体を実質的に含まない(+)−1−(3,4−ジクロロフェニル)−3−メチル−3−アザ−ビシクロ[3.1.0]ヘキサン、またはその薬学的に許容可能な塩、多形体、溶媒和物、水和物、もしくはプロドラッグである、請求項19に記載の方法。
【請求項23】
前記化合物が、その対応する(+)鏡像異性体を実質的に含まない(−)−1−(3,4−ジクロロフェニル)−3−メチル−3−アザ−ビシクロ[3.1.0]ヘキサン、またはその薬学的に許容可能な塩、多形体、溶媒和物、水和物、もしくはプロドラッグである、請求項19に記載の方法。
【請求項24】
前記化合物が、1−(3,4−ジクロロフェニル)−3−エチル−3−アザ−ビシクロ[3.1.0]ヘキサン、またはその薬学的に許容可能な塩、多形体、溶媒和物、水和物、もしくはプロドラッグである、請求項19に記載の方法。
【請求項25】
前記化合物が、その対応する(−)鏡像異性体を実質的に含まない(+)−1−(3,4−ジクロロフェニル)−3−エチル−3−アザ−ビシクロ[3.1.0]ヘキサン、またはその薬学的に許容可能な塩、多形体、溶媒和物、水和物、もしくはプロドラッグである、請求項19に記載の方法。
【請求項26】
前記化合物が、その対応する(+)鏡像異性体を実質的に含まない(−)−1−(3,4−ジクロロフェニル)−3−エチル−3−アザ−ビシクロ[3.1.0]ヘキサン、またはその薬学的に許容可能な塩、多形体、溶媒和物、水和物、もしくはプロドラッグである、請求項19に記載の方法。
【請求項27】
前記化合物が、1−(3,4−ジクロロフェニル)−3−プロピル−3−アザ−ビシクロ[3.1.0]ヘキサン、またはその薬学的に許容可能な塩、鏡像異性体、多形体、溶媒和物、水和物、もしくはプロドラッグである、請求項19に記載の方法。
【請求項28】
前記化合物が、1−(3,4−ジクロロフェニル)−3−ブチル−3−アザ−ビシクロ[3.1.0]ヘキサン、またはその薬学的に許容可能な塩、鏡像異性体、多形体、溶媒和物、水和物、もしくはプロドラッグである、請求項19に記載の方法。
【請求項29】
前記化合物が、1−(3,4−ジクロロフェニル)−3−イソブチル−3−アザ−ビシクロ[3.1.0]ヘキサン、またはその薬学的に許容可能な塩、鏡像異性体、多形体、溶媒和物、水和物、もしくはプロドラッグである、請求項19に記載の方法。
【請求項30】
前記化合物が、1−(3,4−ジクロロフェニル)−3−イソプロピル−3−アザ−ビシクロ[3.1.0]ヘキサン、またはその薬学的に許容可能な塩、鏡像異性体、多形体、溶媒和物、水和物、もしくはプロドラッグである、請求項19に記載の方法。
【請求項31】
前記化合物が、1−(3,4−ジクロロフェニル)−3−シクロプロピル−3−アザ−ビシクロ[3.1.0]ヘキサン、またはその薬学的に許容可能な塩、鏡像異性体、多形体、溶媒和物、水和物、もしくはプロドラッグである、請求項19に記載の方法。
【請求項32】
前記化合物が、3−tert−ブチル−1−(3,4−ジクロロフェニル)−3−アザ−ビシクロ[3.1.0]ヘキサン、またはその薬学的に許容可能な塩、鏡像異性体、多形体、溶媒和物、水和物、もしくはプロドラッグである、請求項19に記載の方法。
【請求項33】
前記化合物が、
【化10】


、ならびにその薬学的に許容可能な塩、多形体、鏡像異性体、溶媒和物、水和物、およびプロドラッグからなる群から選択される、請求項19に記載の方法。
【請求項34】
前記化合物が、1−(3−クロロ−4−フルオロフェニル)−3−メチル−3−アザ−ビシクロ[3.1.0]ヘキサン、またはその薬学的に許容可能な塩、鏡像異性体、多形体、溶媒和物、水和物、もしくはプロドラッグである、請求項19に記載の方法。
【請求項35】
前記化合物が、1−(3,4ジフルオロフェニル)−3−メチル−3−アザ−ビシクロ[3.1.0]ヘキサン、またはその薬学的に許容可能な塩、鏡像異性体、多形体、溶媒和物、水和物、もしくはプロドラッグである、請求項19に記載の方法。
【請求項36】
前記化合物が、3−メチル−1−(ナファレン(naphalen)−2−イル)−3−アザ−ビシクロ[3.1.0]ヘキサン、またはその薬学的に許容可能な塩、鏡像異性体、多形体、溶媒和物、水和物、もしくはプロドラッグである、請求項19に記載の方法。
【請求項37】
前記化合物が、1−(2,4ジフルオロフェニル)−3−メチル−3−アザ−ビシクロ[3.1.0]ヘキサン、またはその薬学的に許容可能な塩、鏡像異性体、多形体、溶媒和物、水和物、もしくはプロドラッグである、請求項19に記載の方法。
【請求項38】
前記化合物が、1−(3−フルオロ-4-メチルフェニル)−3−メチル−3−アザ−ビシクロ[3.1.0]ヘキサン、またはその薬学的に許容可能な塩、鏡像異性体、多形体、溶媒和物、水和物、もしくはプロドラッグである、請求項19に記載の方法。
【請求項39】
前記化合物が、1−(4−フルオロ−3−メチルフェニル)−3−メチル−3−アザ−ビシクロ[3.1.0]ヘキサン、またはその薬学的に許容可能な塩、鏡像異性体、多形体、溶媒和物、水和物、もしくはプロドラッグである、請求項19に記載の方法。
【請求項40】
前記化合物が、1−(3−クロロ−4−ニトロフェニル)−3−メチル−3−アザ−ビシクロ[3.1.0]ヘキサン、またはその薬学的に許容可能な塩、鏡像異性体、多形体、溶媒和物、水和物、もしくはプロドラッグである、請求項19に記載の方法。
【請求項41】
前記化合物が、1−(5−クロロ−2,4−ジニトロフェニル)−3−メチル−3−アザ−ビシクロ[3.1.0]ヘキサン、またはその薬学的に許容可能な塩、鏡像異性体、多形体、溶媒和物、水和物、もしくはプロドラッグである、請求項19に記載の方法。
【請求項42】
前記化合物が、1−(2,4−ジクロロフェニル)−3−メチル−3−アザ−ビシクロ[3.1.0]ヘキサン、またはその薬学的に許容可能な塩、鏡像異性体、多形体、溶媒和物、水和物、もしくはプロドラッグである、請求項19に記載の方法。
【請求項43】
前記化合物が、1−(3−クロロ−4−フルオロフェニル)−3−メチル−3−アザ−ビシクロ[3.1.0]ヘキサン、またはその薬学的に許容可能な塩、鏡像異性体、多形体、溶媒和物、水和物、もしくはプロドラッグである、請求項19に記載の方法。
【請求項44】
前記有効量が約1〜約600mgを含む、請求項1、請求項2、請求項11、請求項12、請求項13、請求項14、請求項15、請求項16、請求項19、請求項20、または請求項33のいずれか1項に記載の方法。
【請求項45】
前記有効量が約25〜約200mgを含む、請求項1、請求項2、請求項11、請求項12、請求項13、請求項14、請求項15、請求項16、請求項19、請求項20、または請求項33のいずれか1項に記載の方法。
【請求項46】
前記方法が、前記被験体の神経傷害性疼痛スケール(Neuropathic Pain Scale)を約10未満の値に減少させるのに有効である、請求項1、請求項2、請求項11、請求項12、請求項13、請求項14、請求項15、請求項16、請求項19、請求項20、または請求項33のいずれか1項に記載の方法。
【請求項47】
前記方法が、前記被験体の神経傷害性疼痛スケールの値を少なくとも1減少させるのに有効である、請求項1、請求項2、請求項11、請求項12、請求項13、請求項14、請求項15、請求項16、請求項19、請求項20、または請求項33のいずれか1項に記載の方法。
【請求項48】
非ステロイド性抗炎症薬、COX−2インヒビター、合成および天然アヘン薬、メキシレチン、バクロフェン、トラマドール、抗不整脈薬、抗痙攣薬、カプサイシンクリーム、膜安定剤(例えば、リドカイン)、N−メチル−D−アスパラギン酸受容体(NMDA)アンタゴニスト、手術、経皮電気的神経刺激、硬膜外脊髄刺激、神経切除術、根切断術、後根入口帯損傷、声帯切除術、視床切除術、および神経焼灼からなる群から選択される1つまたは複数の二次的な治療薬または治療方法を被験体に調和的に供する工程をさらに含む、請求項1に記載の方法。
【請求項49】
非ステロイド性抗炎症薬、COX−2インヒビター、合成および天然アヘン薬、メキシレチン、バクロフェン、トラマドール、抗不整脈薬、抗痙攣薬、カプサイシンクリーム、膜安定剤(例えば、リドカイン)、N−メチル−D−アスパラギン酸受容体(NMDA)アンタゴニスト、手術、経皮電気的神経刺激、硬膜外脊髄刺激、神経切除術、根切断術、後根入口帯損傷、声帯切除術、視床切除術、および神経焼灼からなる群から選択される1つまたは複数の二次的な治療薬または治療方法を被験体に調和的に供する工程をさらに含む、請求項2に記載の方法。
【請求項50】
非ステロイド性抗炎症薬、COX−2インヒビター、合成および天然アヘン薬、メキシレチン、バクロフェン、トラマドール、抗不整脈薬、抗痙攣薬、カプサイシンクリーム、膜安定剤(例えば、リドカイン)、N−メチル−D−アスパラギン酸受容体(NMDA)アンタゴニスト、手術、経皮電気的神経刺激、硬膜外脊髄刺激、神経切除術、根切断術、後根入口帯損傷、声帯切除術、視床切除術、および神経焼灼からなる群から選択される1つまたは複数の二次的な治療薬または治療方法を被験体に調和的に供する工程をさらに含む、請求項10に記載の方法。
【請求項51】
非ステロイド性抗炎症薬、COX−2インヒビター、合成および天然アヘン薬、メキシレチン、バクロフェン、トラマドール、抗不整脈薬、抗痙攣薬、カプサイシンクリーム、膜安定剤(例えば、リドカイン)、N−メチル−D−アスパラギン酸受容体(NMDA)アンタゴニスト、手術、経皮電気的神経刺激、硬膜外脊髄刺激、神経切除術、根切断術、後根入口帯損傷、声帯切除術、視床切除術、および神経焼灼からなる群から選択される1つまたは複数の二次的な治療薬または治療方法を被験体に調和的に供する工程をさらに含む、請求項11に記載の方法。
【請求項52】
非ステロイド性抗炎症薬、COX−2インヒビター、合成および天然アヘン薬、メキシレチン、バクロフェン、トラマドール、抗不整脈薬、抗痙攣薬、カプサイシンクリーム、膜安定剤(例えば、リドカイン)、N−メチル−D−アスパラギン酸受容体(NMDA)アンタゴニスト、手術、経皮電気的神経刺激、硬膜外脊髄刺激、神経切除術、根切断術、後根入口帯損傷、声帯切除術、視床切除術、および神経焼灼からなる群から選択される1つまたは複数の二次的な治療薬または治療方法を被験体に調和的に供する工程をさらに含む、請求項12に記載の方法。
【請求項53】
非ステロイド性抗炎症薬、COX−2インヒビター、合成および天然アヘン薬、メキシレチン、バクロフェン、トラマドール、抗不整脈薬、抗痙攣薬、カプサイシンクリーム、膜安定剤(例えば、リドカイン)、N−メチル−D−アスパラギン酸受容体(NMDA)アンタゴニスト、手術、経皮電気的神経刺激、硬膜外脊髄刺激、神経切除術、根切断術、後根入口帯損傷、声帯切除術、視床切除術、および神経焼灼からなる群から選択される1つまたは複数の二次的な治療薬または治療方法を被験体に調和的に供する工程をさらに含む、請求項13に記載の方法。
【請求項54】
非ステロイド性抗炎症薬、COX−2インヒビター、合成および天然アヘン薬、メキシレチン、バクロフェン、トラマドール、抗不整脈薬、抗痙攣薬、カプサイシンクリーム、膜安定剤(例えば、リドカイン)、N−メチル−D−アスパラギン酸受容体(NMDA)アンタゴニスト、手術、経皮電気的神経刺激、硬膜外脊髄刺激、神経切除術、根切断術、後根入口帯損傷、声帯切除術、視床切除術、および神経焼灼からなる群から選択される1つまたは複数の二次的な治療薬または治療方法を被験体に調和的に供する工程をさらに含む、請求項14に記載の方法。
【請求項55】
非ステロイド性抗炎症薬、COX−2インヒビター、合成および天然アヘン薬、メキシレチン、バクロフェン、トラマドール、抗不整脈薬、抗痙攣薬、カプサイシンクリーム、膜安定剤(例えば、リドカイン)、N−メチル−D−アスパラギン酸受容体(NMDA)アンタゴニスト、手術、経皮電気的神経刺激、硬膜外脊髄刺激、神経切除術、根切断術、後根入口帯損傷、声帯切除術、視床切除術、および神経焼灼からなる群から選択される1つまたは複数の二次的な治療薬または治療方法を被験体に調和的に供する工程をさらに含む、請求項15に記載の方法。
【請求項56】
非ステロイド性抗炎症薬、COX−2インヒビター、合成および天然アヘン薬、メキシレチン、バクロフェン、トラマドール、抗不整脈薬、抗痙攣薬、カプサイシンクリーム、膜安定剤(例えば、リドカイン)、N−メチル−D−アスパラギン酸受容体(NMDA)アンタゴニスト、手術、経皮電気的神経刺激、硬膜外脊髄刺激、神経切除術、根切断術、後根入口帯損傷、声帯切除術、視床切除術、および神経焼灼からなる群から選択される1つまたは複数の二次的な治療薬または治療方法を被験体に調和的に供する工程をさらに含む、請求項16に記載の方法。
【請求項57】
非ステロイド性抗炎症薬、COX−2インヒビター、合成および天然アヘン薬、メキシレチン、バクロフェン、トラマドール、抗不整脈薬、抗痙攣薬、カプサイシンクリーム、膜安定剤(例えば、リドカイン)、N−メチル−D−アスパラギン酸受容体(NMDA)アンタゴニスト、手術、経皮電気的神経刺激、硬膜外脊髄刺激、神経切除術、根切断術、後根入口帯損傷、声帯切除術、視床切除術、および神経焼灼からなる群から選択される1つまたは複数の二次的な治療薬または治療方法を被験体に調和的に供する工程をさらに含む、請求項19に記載の方法。
【請求項58】
非ステロイド性抗炎症薬、COX−2インヒビター、合成および天然アヘン薬、メキシレチン、バクロフェン、トラマドール、抗不整脈薬、抗痙攣薬、カプサイシンクリーム、膜安定剤(例えば、リドカイン)、N−メチル−D−アスパラギン酸受容体(NMDA)アンタゴニスト、手術、経皮電気的神経刺激、硬膜外脊髄刺激、神経切除術、根切断術、後根入口帯損傷、声帯切除術、視床切除術、および神経焼灼からなる群から選択される1つまたは複数の二次的な治療薬または治療方法を被験体に調和的に供する工程をさらに含む、請求項20に記載の方法。
【請求項59】
非ステロイド性抗炎症薬、COX−2インヒビター、合成および天然アヘン薬、メキシレチン、バクロフェン、トラマドール、抗不整脈薬、抗痙攣薬、カプサイシンクリーム、膜安定剤(例えば、リドカイン)、N−メチル−D−アスパラギン酸受容体(NMDA)アンタゴニスト、手術、経皮電気的神経刺激、硬膜外脊髄刺激、神経切除術、根切断術、後根入口帯損傷、声帯切除術、視床切除術、および神経焼灼からなる群から選択される1つまたは複数の二次的な治療薬または治療方法を被験体に調和的に供する工程をさらに含む、請求項33に記載の方法。
【請求項60】
哺乳動物被験体の神経障害を予防または治療するための組成物であって、式I:
【化11】


式I
(式中、
Arは、アリール環上に少なくとも1つの置換基を有するフェニルまたは他の芳香族基であり、Rは、水素、C1〜6アルキル、ハロ(C1〜6)アルキル、C3〜9シクロアルキル、C1〜5アルコキシ(C1〜6)アルキル、カルボキシ(C1〜3)アルキル、C1〜3アルカノイル、カルバメート、ハロ(C1〜3)アルコキシ(C1〜6)アルキル、C1〜3アルキルアミノ(C1〜6)アルキル、およびジ(C1〜3)アルキルアミノ(C1〜6)アルキル、シアノ(C1〜6)アルキル、メチル、エチル、トリフルオロメチル、トリフルオロエチル、および2−メトキシエチルから選択される)の化合物ならびに非ステロイド性抗炎症薬、COX−2インヒビター、合成および天然アヘン薬、メキシレチン、バクロフェン、トラマドール、抗不整脈薬、抗痙攣薬、カプサイシンクリーム、膜安定剤(例えば、リドカイン)、およびN−メチル−D−アスパラギン酸受容体(NMDA)アンタゴニストからなる群から選択される1つまたは複数の二次治療薬を含む、組成物。
【請求項61】
哺乳動物被験体の神経障害を予防または治療するための組成物であって、ビシファジン、ビシファジンの鏡像異性体、ビシファジンの塩、ビシファジンのプロドラッグ、ビシファジンの多形体、水和物、溶媒和物、およびその組み合わせからなる群から選択される第1の治療薬、ならびに
非ステロイド性抗炎症薬、COX−2インヒビター、合成および天然アヘン薬、メキシレチン、バクロフェン、トラマドール、抗不整脈薬、抗痙攣薬、カプサイシンクリーム、膜安定剤(例えば、リドカイン)、およびN−メチル−D−アスパラギン酸受容体(NMDA)アンタゴニストからなる群から選択される1つまたは複数の二次治療薬を含む、組成物。
【請求項62】
哺乳動物被験体の神経障害を予防または治療するための組成物であって、
【化12】

、ならびにその薬学的に許容可能な活性塩、溶媒和物、水和物、多形体、鏡像異性体、およびプロドラッグからなる群から選択される第1の治療化合物、ならびに
非ステロイド性抗炎症薬、COX−2インヒビター、合成および天然アヘン薬、メキシレチン、バクロフェン、トラマドール、抗不整脈薬、抗痙攣薬、カプサイシンクリーム、膜安定剤(例えば、リドカイン)、およびN−メチル−D−アスパラギン酸受容体(NMDA)アンタゴニストからなる群から選択される1つまたは複数の二次治療薬を含む、組成物。
【請求項63】
哺乳動物被験体の神経障害を予防または治療するための組成物であって、
【化13】

、ならびにその薬学的に許容可能な活性塩、溶媒和物、水和物、多形体、鏡像異性体、およびプロドラッグからなる群から選択される第1の治療化合物、ならびに
非ステロイド性抗炎症薬、COX−2インヒビター、合成および天然アヘン薬、メキシレチン、バクロフェン、トラマドール、抗不整脈薬、抗痙攣薬、カプサイシンクリーム、膜安定剤(例えば、リドカイン)、およびN−メチル−D−アスパラギン酸受容体(NMDA)アンタゴニストからなる群から選択される1つまたは複数の二次治療薬を含む、組成物。
【請求項64】
哺乳動物被験体の神経障害を予防または治療するための組成物であって、式III:
【化14】


式III
(式中、
Rは、C1〜6アルキル、ハロ(C1〜6)アルキル、C3〜9シクロアルキル、C1〜5アルコキシ(C1〜6)アルキル、カルボキシ(C1〜3)アルキル、C1〜3アルカノイル、カルバメート、ハロ(C1〜3)アルコキシ(C1〜6)アルキル、C1〜3アルキルアミノ(C1〜6)アルキル、およびジ(C1〜3)アルキルアミノ(C1〜6)アルキル、シアノ(C1〜6)アルキル、メチル、エチル、トリフルオロメチル、トリフルオロエチル、および2−メトキシエチルから選択され、
は、ハロゲン、C1〜3アルキル、C2〜4アルケニル、C2〜4アルキニル、ハロ(C1〜3)アルキル、シアノ、ヒドロキシ、C3〜5シクロアルキル、C1〜3アルコキシ、C1〜3アルコキシ(C1〜3)アルキル、カルボキシ(C1〜3)アルキル、C1〜3アルカノイル、ハロ(C1〜3)アルコキシ、ニトロ、アミノ、C1〜3アルキルアミノ、およびジ(C1〜3)アルキルアミノ、メチル、エチル、フルオロ、クロロ、トリフルオロメチル、シアノ、ニトロ、およびトリフルオロメトキシから選択される)の化合物ならびに非ステロイド性抗炎症薬、COX−2インヒビター、合成および天然アヘン薬、メキシレチン、バクロフェン、トラマドール、抗不整脈薬、抗痙攣薬、カプサイシンクリーム、膜安定剤(例えば、リドカイン)、およびN−メチル−D−アスパラギン酸受容体(NMDA)アンタゴニストからなる群から選択される1つまたは複数の二次治療薬を含む、組成物。
【請求項65】
哺乳動物被験体の神経障害を予防または治療するための組成物であって、
【化15】

、ならびにその薬学的に許容可能な活性塩、溶媒和物、水和物、多形体、鏡像異性体、およびプロドラッグからなる群から選択される第1の治療化合物、ならびに
非ステロイド性抗炎症薬、COX−2インヒビター、合成および天然アヘン薬、メキシレチン、バクロフェン、トラマドール、抗不整脈薬、抗痙攣薬、カプサイシンクリーム、膜安定剤(例えば、リドカイン)、およびN−メチル−D−アスパラギン酸受容体(NMDA)アンタゴニストからなる群から選択される1つまたは複数の二次治療薬を含む、組成物。
【請求項66】
哺乳動物被験体の神経障害を予防または治療するための組成物であって、式IV:
【化16】


式IV
(式中、
Rは、C1〜6アルキル、ハロ(C1〜6)アルキル、C3〜9シクロアルキル、C1〜5アルコキシ(C1〜6)アルキル、カルボキシ(C1〜3)アルキル、C1〜3アルカノイル、カルバメート、ハロ(C1〜3)アルコキシ(C1〜6)アルキル、C1〜3アルキルアミノ(C1〜6)アルキル、およびジ(C1〜3)アルキルアミノ(C1〜6)アルキル、シアノ(C1〜6)アルキル、メチル、エチル、トリフルオロメチル、トリフルオロエチル、および2−メトキシエチルから選択される)の化合物ならびに非ステロイド性抗炎症薬、COX−2インヒビター、合成および天然アヘン薬、メキシレチン、バクロフェン、トラマドール、抗不整脈薬、抗痙攣薬、カプサイシンクリーム、膜安定剤(例えば、リドカイン)、およびN−メチル−D−アスパラギン酸受容体(NMDA)アンタゴニストからなる群から選択される1つまたは複数の二次治療薬を含む、組成物。
【請求項67】
哺乳動物被験体の神経障害を予防または治療するための組成物であって、
【化17】

、ならびにその薬学的に許容可能な活性塩、溶媒和物、水和物、多形体、鏡像異性体、およびプロドラッグからなる群から選択される第1の治療化合物、ならびに
非ステロイド性抗炎症薬、COX−2インヒビター、合成および天然アヘン薬、メキシレチン、バクロフェン、トラマドール、抗不整脈薬、抗痙攣薬、カプサイシンクリーム、膜安定剤(例えば、リドカイン)、およびN−メチル−D−アスパラギン酸受容体(NMDA)アンタゴニストからなる群から選択される1つまたは複数の二次治療薬を含む、組成物。
【請求項68】
哺乳動物被験体の神経障害を予防または治療するための組成物であって、
1−アリール−3−アザビシクロ[3.1.0]ヘキサンまたはその薬学的に許容可能な活性塩、溶媒和物、水和物、多形体、鏡像異性体、もしくはプロドラッグを含む第1の治療化合物、および
非ステロイド性抗炎症薬、COX−2インヒビター、合成および天然アヘン薬、メキシレチン、バクロフェン、トラマドール、抗不整脈薬、抗痙攣薬、カプサイシンクリーム、膜安定剤(例えば、リドカイン)、およびN−メチル−D−アスパラギン酸受容体(NMDA)アンタゴニストからなる群から選択される1つまたは複数の二次治療薬を含む、組成物。
【請求項69】
哺乳動物被験体の神経障害を予防または治療するための組成物であって、式V:
【化18】

式V
(式中、
およびRは、ハロゲン、C1〜3アルキル、C2〜4アルケニル、C2〜4アルキニル、ハロ(C1〜3)アルキル、シアノ、ヒドロキシ、C3〜5シクロアルキル、C1〜3アルコキシ、C1〜3アルコキシ(C1〜3)アルキル、カルボキシ(C1〜3)アルキル、C1〜3アルカノイル、ハロ(C1〜3)アルコキシ、ニトロ、アミノ、C1〜3アルキルアミノ、およびジ(C1〜3)アルキルアミノ、メチル、エチル、フルオロ、クロロ、トリフルオロメチル、シアノ、およびトリフルオロメトキシからそれぞれ選択される)の第1の治療化合物、ならびに
非ステロイド性抗炎症薬、COX−2インヒビター、合成および天然アヘン薬、メキシレチン、バクロフェン、トラマドール、抗不整脈薬、抗痙攣薬、カプサイシンクリーム、膜安定剤(例えば、リドカイン)、およびN−メチル−D−アスパラギン酸受容体(NMDA)アンタゴニストからなる群から選択される1つまたは複数の二次治療薬を含む、組成物。
【請求項70】
哺乳動物被験体の神経障害を予防または治療するための組成物であって、
【化19】

、ならびにその薬学的に許容可能な塩、鏡像異性体、多形体、溶媒和物、水和物、およびプロドラッグからなる群から選択される第1の治療化合物、ならびに
非ステロイド性抗炎症薬、COX−2インヒビター、合成および天然アヘン薬、メキシレチン、バクロフェン、トラマドール、抗不整脈薬、抗痙攣薬、カプサイシンクリーム、膜安定剤(例えば、リドカイン)、およびN−メチル−D−アスパラギン酸受容体(NMDA)アンタゴニストからなる群から選択される1つまたは複数の二次治療薬を含む、組成物。
【請求項71】
哺乳動物被験体の神経障害を予防または治療するための組成物であって、
【化20】

、ならびにその薬学的に許容可能な塩、多形体、鏡像異性体、溶媒和物、水和物、およびプロドラッグからなる群から選択される第1の治療化合物、ならびに
非ステロイド性抗炎症薬、COX−2インヒビター、合成および天然アヘン薬、メキシレチン、バクロフェン、トラマドール、抗不整脈薬、抗痙攣薬、カプサイシンクリーム、膜安定剤(例えば、リドカイン)、およびN−メチル−D−アスパラギン酸受容体(NMDA)アンタゴニストからなる群から選択される1つまたは複数の二次治療薬を含む、組成物。

【図5】
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【公表番号】特表2009−502941(P2009−502941A)
【公表日】平成21年1月29日(2009.1.29)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−524102(P2008−524102)
【出願日】平成18年7月25日(2006.7.25)
【国際出願番号】PCT/US2006/029014
【国際公開番号】WO2007/014264
【国際公開日】平成19年2月1日(2007.2.1)
【出願人】(505166502)ディオーブイ ファーマシューティカル,インク. (5)
【Fターム(参考)】