説明

ニューロパチーを治療するための方法および組成物

内因性NT−3またはGDNF遺伝子の発現を調節することによって、ニューロパチーを治療するための方法および組成物を本明細書で開示する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
本出願は、2009年2月4日に出願された米国仮出願第61/206,770号の利益を主張し、その開示は、参照によりその全体が本明細書に組み込まれる。
【0002】
連邦支援による研究下でなされた発明に対する権利の記載
非適用。
【0003】
本開示は、遺伝子発現の分野にある。
【背景技術】
【0004】
多くの疾病および状態は、例えば、筋萎縮性側索硬化症(ALS、ルーゲーリック病としても知られている)、パーキンソン病、網膜変性、シャルコーマリーツース(CMT)病、神経因性疼痛、および化学療法誘発ニューロパチーを含むニューロパチーに由来する。さらに、ニューロパチー(例えば、神経因性疼痛)は、神経挫滅および脊髄損傷等の神経組織の外傷に由来する可能性がある。神経再生を促す治療は、これらの状態の症状に有利であろう。
【0005】
例えば、糖尿病性ニューロパチーは、糖尿病に起因する神経障害の群である。糖尿病を患う人々は、長期間、全身の神経の損傷を経験する可能性がある。ニューロパチーは、痺れ感、場合によっては、手、腕、足、および脚に疼痛および脱力を引き起こす。これらの神経学的疾患は、消化管、心臓、および性器を含む全ての臓器系でも起こり得る。糖尿病を患う人々は、常に神経疾患に罹る可能性があるが、糖尿病を長く患うほど、危険性も大きくなる。パーキンソン病(PD)では、患者は、黒質におけるドーパミン分泌ニューロンの損失を経験する。PD患者は、振戦、四肢硬直、無動、および動作緩慢、ならびに不安定および転倒を招く可能性がある姿勢反射障害に罹患する。網膜変性と関連する疾病には、糖尿病性網膜症、網膜色素変性、および加齢性黄斑変性症(AMD)が含まれる。これらの疾病は、失明を招く可能性があり、AMDは、米国における成人の法的盲の主要原因である。
【0006】
神経変性状態の治療の選択肢は、現在限られている。例えば、糖尿病性ニューロパチーは、現在、主に糖尿病性状態自体をコントロールすることによって治療されている。米国特許出願公開第2005/0267061号明細書は、VEGF−A発現を調節する亜鉛フィンガー転写因子を使用するニューロパチーの治療について記載する。米国特許第7,253,273号明細書は、神経因性疼痛の治療のために、Nav1.8、TrkA、およびVR1を標的とした亜鉛フィンガータンパク質を開示する。PDの治療は、症状管理に関係する。最も広範に使用される治療形態はL−Dopaであるが、外因性L−Dopaの使用は、内因性L−Dopa産生の減少を引き起こし、最終的には逆効果となる。
【0007】
いくつかの集団が、神経栄養性分子自体の投与が神経変性を改善する助けとなり得ることを報告している。例えば、Schratzberger et al.(2001)J.Clin.Inv.107,1083−1092は、血管内皮増殖因子(VEGF)の遺伝子導入は、ラット実験モデルにおいて軸索および脱髄の損失を特徴とする糖尿病性ニューロパチーを逆行させる場合もあることを示した。加えて、Isner et al.(2001)Hum Gene Ther.10;12(12):1593−4、Sondell et al.(2000)European J.Neurosciences 12:4243−4254、Sondell(1999)J.Neurosciences 19(14):5731−5740を参照されたい。
【0008】
神経向性因子であるNT−3は、ニューロンの生存、成長、および分化の促進において機能すると示されているが、一方でNT−3欠乏は、末梢神経系に機能障害をもたらす。NT−3の欠乏は、実験用の糖尿病性ラットにおけるニューロパチーとも関係している。NT−3cDNAの遺伝子導入は、多様なニューロパチーの動物モデルにおいて、ニューロパチーに対する前臨床効果を示しているが、NT−3cDNAまたはNT−3タンパク質の使用と関連する潜在的な問題のため、NT−3に基づく治療は診療所で使用されていない。NT−3タンパク質の直接使用は、その短い半減期、乏しい生物学的利用率、および用量を制限する毒性によって制限される。Pradat et al.(2001)Hum.Gene Ther.12:2237−2249、Young et al.(2001)Restor Neurol.Neurosci.18:167−175、Mata et al.(2006)Expert Opin Biol.Ther.6:499−507を参照されたい。加えて、NT−3cDNAの遺伝子導入は、NT−3タンパク質の過剰産生を招き得、望まれない毒性をもたらし得る。
【0009】
ドーパミンニューロン、線条体ニューロン、運動ニューロン、および視細胞等の神経細胞の多くの異なる種類に対して強力な生存因子であることが示されている別の神経栄養因子は、グリア細胞株由来神経栄養因子(GDNF)である。例えば、Airaksinen et al.(2002)Nature Rev Neurosci.3:384−394を参照されたい。しかしながら、グリア細胞株由来神経栄養因子(GDNF)の注入を受けているパーキンソン病の患者の第2相研究において、総合的な症状改善は観察されなかった。例えば、Lang(2006)Ann Neurol 59:459−466を参照されたい。さらに、Langらは、GDNFの注入が、恐らくタンパク質の高用量の不正確な送達に起因する重大な副作用(例えば、GDNFおよび内因性GDNFの両方に対して反応する中和抗体の産出)をもたらしたと報告した。
【0010】
したがって、糖尿病性ニューロパチー、神経因性疼痛、およびニューロンの損失もしくは死滅、または損傷したニューロンを再生できないことを特徴とする多様な神経変性状態等のニューロパチーの治療のための組成物および方法が未だに必要とされている。
【発明の概要】
【0011】
神経変性疾患(例えば、パーキンソン病)、糖尿病性ニューロパチー、および神経因性疼痛等のニューロパチーを治療するための方法および組成物が本明細書に開示される。特に、ニューロパチーを治療するために、NT−3およびGDNF等の内因性の向神経性因子を調節するための方法および組成物が記載される。
【0012】
したがって、一態様では、NT−3またはGDNFの発現を調節する改変された亜鉛フィンガータンパク質が提供される。改変された亜鉛フィンガータンパク質とは、認識ヘリックスが事前選択された標的部位に結合するように変化された、天然に存在しない亜鉛フィンガータンパク質である。本明細書に記載される亜鉛フィンガータンパク質のいずれも、1個、2個、3個、4個、5個、6個以上の亜鉛フィンガーを含むことができ、各亜鉛フィンガーは、選択された配列(例えば、遺伝子)内の標的亜部位に結合する認識へリックスを有する。特定の実施形態では、亜鉛フィンガータンパク質は、表1または2に示される認識ヘリックスの1つ以上を有する。
【0013】
ある特定の実施形態では、本明細書に記載される亜鉛フィンガータンパク質(ZFP)を、融合タンパク質の一部として、調節ドメイン(または機能ドメイン)と機能的連鎖状態に配置することができる。ZFPとの融合のために活性化ドメインまたは抑制ドメインのいずれか一方を選択することによって、そのような融合タンパク質は、遺伝子発現を活性化するか、または抑制するかのどちらか一方のために使用することができる。例えば、本明細書に記載されるNT−3またはGDNF標的ZFPおよび転写活性化ドメイン(例えば、VP16)を含む融合タンパク質は、それぞれ、内因性NT−3またはGDNF発現を上方調節するために使用することができる。
【0014】
さらに別の態様では、本明細書に記載される亜鉛フィンガータンパク質のいずれかをコードするポリヌクレオチドが提供される。
【0015】
さらに、核酸および/またはZFP(もしくはZFPを含む融合タンパク質)を含有する薬学的組成物も提供される。例えば、ある特定の組成物は、調節配列と操作可能に連結され、医薬的に許容可能な担体または希釈剤と併用される、本明細書に記載されるZFPの1つをコードする配列を備える核酸を含み、調節配列は、細胞内で核酸の発現を可能にする。タンパク質に基づく組成物には、本明細書に開示されるZFPおよび医薬的に許容可能な担体または希釈剤が含まれる。
【0016】
さらに別の態様では、本明細書に記載されるタンパク質、ポリヌクレオチド、および/または組成物のいずれかを含む単離細胞も提供される。いくつかの実施形態において、細胞は幹細胞である。
【0017】
別の態様では、神経変性を治療および/または予防するための方法、ならびに本明細書に開示される組成物を使用して神経再生を促すための方法が本明細書で提供される。ある特定の実施形態では、方法には、糖尿病性ニューロパチーの治療が含まれる。他の実施形態では、方法には、パーキンソン病の治療が含まれる。他の実施形態では、方法には、網膜変性の治療が含まれる。ウイルスベクター、非ウイルスベクター(例えば、プラスミド)、および/またはその組み合わせを使用して、ポリヌクレオチドおよび/またはタンパク質を送達することができる。いくつかの実施形態では、ポリヌクレオチドおよび/またはタンパク質は、それらを必要とする対象に投与される幹細胞内にある。
【0018】
さらに別の態様では、嗜癖行動を治療または予防するための方法が本明細書で提供される。ある特定の実施形態では、方法には、アルコール依存症の治療が含まれ、他の実施形態では、方法には、薬物依存症の治療が含まれる。
【0019】
これらおよび他の態様は、全体の開示を考慮して、当業者には容易に明らかである。
【図面の簡単な説明】
【0020】
【図1】パネルAおよびBは、本明細書に記載される例示的な亜鉛フィンガータンパク質融合構築体を示す。図1Aは、NT−3またはGDNF ZFPおよびNF−kBからのp65転写活性化ドメインを含む融合タンパク質を示す概略図である。融合タンパク質はまた、アミノ酸配列PKKKRKV(配列番号1)を含むSV40ラージT抗原、およびアミノ酸配列DYKDDDDK(配列番号2)を含むFLAGエピトープタグ(Flag)からの核局在化シグナル(NLS)も含む。図1Bは、11971の6フィンガー(1F〜6F)の各々の認識ヘリックス、ならびに各フィンガーによって認識される標的ヌクレオチドトリプレットを含む11971と指定されるNT−3 ZFP−TFを示す。図1Cは、17248と指定されるGDNFZFP−TF示す。フィンガー設計は、各フィンガーのアルファヘリックスの「−1」から「+6」の位置において、アミノ酸残基の同一性を示す。
【0021】
【図2A】パネルAおよびBは、NT−3標的ZFP−TFを使用した、ヒト初代骨格筋(SKMC)細胞中のNT−3発現を示すグラフである。図2Aは、10〜50の感染効率で、ZFP−TF11971−p65をコードするレンチウイルスベクターを形質導入したヒトSKMC細胞内の、ヒトグリセルアルデヒド−3−リン酸デヒドロゲナーゼ(GAPDH)mRNAに正規化した、NT−3全mRNA(hNT3、薄灰色)、ならびにその代替転写物1A(hNT3−1A、白色)および1B(hNT3−1B、濃灰色)の活性化を示す。
【0022】
【図2B】図2Bは、レンチウイルスベクターの不在(「偽」)時に形質導入した細胞と比較して、ZFP−TF11971−p65(「11971」としてグラフ上で示される)をコードするレンチウイルスベクターを形質導入したヒトSKMC細胞からのNT−3タンパク質分泌の増加を示す。
【0023】
【図3】パネルAおよびBは、ラットSKMC細胞中のNT−3発現を示すグラフである。図3Aは、10〜50の感染効率で、ZFP−TF11971−p65をコードするレンチウイルスベクターを形質導入したラットSKMC細胞内の、ラットGAPDH mRNAに正規化した、NT−3mRNAの活性化を示す。図3Bは、ZFP−TF11971−p65をコードするレンチウイルスベクターを形質導入したラットSKMC細胞からのNT−3タンパク質分泌の増加を示す。11971は、緑色蛍光タンパク質(「GFP」)対照非形質導入細胞(「偽」)と比較して、11971−p65を指す。
【0024】
【図4A】パネルAおよびBは、以下のプラスミド注入を受けた糖尿病性ラットの3つの実験群:偽治療としてpVAX−1ベクターを受けた「ベクターのみ」の群、NT−3標的ZFP11971をコードするpVAXベクターを受けた「NT3」の群、および亜鉛フィンガー転写因子SB509を活性化するVEGF−AをコードするpVAXベクターを受けた「SB509」の群における神経伝導速度(m/秒)を示すグラフである。日齢および体重が一致したラットを、非糖尿病性対照として使用した。棒グラフは、注入された(左)肢および注入されていない(右)肢に関する、群平均+/−標準偏差としての感覚神経伝導速度(SNCV)(A)および運動神経伝導速度(MNCV)(B)データを示す。図4Aは感覚神経伝導速度を示す。
【図4B】図4Bは運動神経伝導速度を示す。
【0025】
【図5】パネルAおよびBは、ラット初代線条体ニューロンにおけるGDNFの活性化を示すグラフである。図5Aは、ラットベータアクチンmRNAに正規化した、GDNF mRNA(rGDNF)の活性化を示す。ラット線条体ニューロン細胞は、10までの感染効率で、ZFP−TF14172−p65をコードするレンチウイルスベクターまたは緑色蛍光タンパク質(GFP)対照を形質導入した。図5Bは、10までの感染効率で、ZFP−TF14172−p65をコードするレンチウイルスベクターまたはGFPを形質導入したラット線条体ニューロンの上清におけるGDNFタンパク質分泌の増加を示す。GFPをコードするレンチウイルスベクターを、対照として使用した。
【0026】
【図6】緑色蛍光タンパク質(GFP)または空プラスミド(偽)をトランスフェクトした細胞と比較した、ZFP発現プラスミドをトランスフェクトしたヒト293LTV細胞中のヒトGDNF遺伝子の活性化を示すグラフである。GDNFおよびベータアクチンmRNAレベルは、リアルタイムPCRで決定され、相対的なGDNFレベルは、GDNFとベータアクチン(GDNF/ACTB)との間の割合として表された。
【0027】
【図7】緑色蛍光タンパク質(GFP)ベクターをトランスフェクトした細胞または偽トランスフェクトした細胞と比較した、ZFP発現ベクターをトランスフェクトしたアカゲザルRF6A細胞中のアカゲザルGDNF遺伝子の活性化を示すグラフである。18Sに対するGDNFmRNAレベルが示される。
【0028】
【図8】パネルAおよびBは、AAV GFPベクター(対照)またはAAV GDNF−ZFP−TF16655(GDNF活性化)のいずれか一方を注入された6−OHDA病変ラットにおける前肢の無動を示すグラフである。図8Aは、1週間後の6−OHDA病変の結果を示し、図8Bは、2週間後の6−OHDA病変の結果を示す。
【0029】
【図9】AAV GFPベクター(対照)またはAAV GDNF−ZFP−TF16655(GDNF活性化)のいずれか一方を注入された6−OHDA病変ラットにおける、「通路タスク」行動試験を使用した感覚運動怠慢の結果を示すグラフである。
【0030】
【図10】AAV GFPベクター(対照)またはAAV GDNF−ZFP−TF16655(GDNF活性化)のいずれか一方を注入された6−OHDA病変ラットにおけるアンフェタミン誘発性回転行動を示すグラフである。
【0031】
【図11】パネルAおよびBは、AAV1GDNF−ZFP−TF14172もしくは16655または対照ベクターを注入されたラットからのラット線条体組織において、ELISAで測定されるGDNFタンパク質発現を示すグラフである。図11Aは、GDNF−ZFP−TF14172を担持するAAVベクターを受けたラットにおける結果を示す。図11Bは、対照AAVベクターまたはGDNF−ZFP−TF16655を担持するAAVベクターを注入された6−OHDAで治療されたラットにおける結果を示す。
【0032】
【図12】異なるZFP TF構築体をトランスフェクトした293T細胞中のNT−3タンパク質分泌を示すグラフである。構築体は、1つの(11971−p65)または2つの(11971−2xp65および23570−2xp65)p65活性化ドメインのいずれか一方を含有した。対照は、プラスミドをコードするGFP(GFP)または空ベクター(pcDNA)のいずれか一方であった。
【0033】
【図13】緑色蛍光タンパク質(GFP)発現プラスミドをトランスフェクトした細胞と比較した、ZFP発現プラスミドをトランスフェクトしたヒト293LTV細胞中のヒトGDNF遺伝子の活性化を示すグラフである。GDNFおよびベータアクチンmRNAレベルは、リアルタイムPCRで決定され、相対的なGDNFレベルは、GDNFとベータアクチン(GDNF/ACTB)との間の割合として表された。
【0034】
【図14】緑色蛍光タンパク質(GFP)ベクターをトランスフェクトした細胞または偽トランスフェクトした細胞と比較した、ZFP発現ベクターをヌクレオフェクトしたアカゲザルLLC−MK2細胞中のアカゲザルGDNF遺伝子の活性化を示すグラフである。18Sに対するGDNF mRNAレベルが示される。
【0035】
【図15】パネルAおよびBは、インビボのラット特異GDNF ZFP TFの活性を示す。図15Aは、ZFP−TF−14172構築体を眼下注入された正常ラットにおけるGDNF発現の刺激を示す。図15Bは、ZFP−TF−16655構築体を注入されたRCSラットにおける錐体機能の維持を示す。
【発明を実施するための形態】
【0036】
糖尿病性ニューロパチー、パーキンソン病、シャルコーマリーツース病、網膜変性、嗜癖行動、化学療法誘発ニューロパチー等のニューロパチー状態を治療するための組成物および方法が本明細書に開示される。特に、亜鉛フィンガータンパク質(ZFP)を含む転写因子を調節するNT−3およびGDNF、ならびにそのようなタンパク質を利用する方法が、ニューロパチーの治療の使用に提供される。これらは、改変された亜鉛フィンガータンパク質、すなわち、所定の核酸標的配列に結合する天然に存在しないタンパク質を含む。
【0037】
概論
本明細書で開示される方法の実践、ならびに組成物の調製と使用は、特に指示がない限り、分子生物学、生化学、クロマチン構造および分析、計算化学、細胞培養、DNA、および関連分野における従来の技術において、当技術分野の技術範囲内である。これらの技術は、文献で完全に説明される。例えば、Sambrook et al.MOLECULAR CLONING:A LABORATORY MANUAL,Second edition,Cold Spring Harbor Laboratory Press,1989 and Third edition,2001、Ausubel et al.,CURRENT PROTOCOLS IN MOLECULAR BIOLOGY,John Wiley & Sons,New York,1987 and periodic updates、the series METHODS IN ENZYMOLOGY,Academic Press,San Diego、Wolffe,CHROMATIN STRUCTURE AND FUNCTION,Third edition,Academic Press,San Diego,1998、METHODS IN ENZYMOLOGY,Vol.304,“Chromatin”(P.M.Wassarman and A.P.Wolffe,eds.),Academic Press,San Diego,1999、およびMETHODS IN MOLECULAR BIOLOGY,Vol.119,“Chromatin Protocols”(P.B.Becker,ed.)Humana Press,Totowa,1999を参照されたい。
【0038】
定義
「核酸」、「ポリヌクレオチド」、および「オリゴヌクレオチド」という用語は、交換可能に使用され、線状または環状コンフォメーションで、一本鎖または二本鎖形態の、デオキシリボヌクレオチドポリマーまたはリボヌクレオチドポリマーを指す。本開示については、これらの用語をポリマーの長さに関する限定と解釈すべきではない。これらの用語は、天然ヌクレオチドの公知の類似体、ならびに塩基、糖、および/またはリン酸(ホスホロチオエート主鎖)部分内で修飾されるヌクレオチドを包含することができる。一般に、特定のヌクレオチドの類似体は、同一の塩基対形成特異性を有し、すなわち、Aの類似体は、Tと塩基対を形成する。
【0039】
「ポリペプチド」、「ペプチド」、および「タンパク質」という用語は、アミノ酸残基のポリマーを指すために交換可能に使用される。この用語は、1つ以上のアミノ酸が、対応する天然に存在するアミノ酸の化学的類似体または修飾誘導体である、アミノ酸ポリマーにも適用される。
【0040】
「結合」は、高分子間(例えば、タンパク質と核酸との間)の配列特異的で非共有結合的な相互作用を指す。結合相互作用の全ての構成要素は、相互作用が全体として配列特異的である限り(例えば、DNA主鎖中のリン酸残基との接触する)、配列特異的である必要はない。そのような相互作用は、一般に、10-6-1以下の解離定数(Kd)によって特徴付けられる。「親和性」は、結合の強さを指す。高い結合親和性は、低いKdと関連している。
【0041】
「結合タンパク質」は、別の分子に非共有結合的に結合することが可能なタンパク質である。結合タンパク質は、例えば、DNA分子(DNA結合タンパク質)、RNA分子(RNA結合タンパク質)、および/またはタンパク質分子(タンパク質結合タンパク質)に結合することができる。タンパク質結合タンパク質の場合においては、それは、それ自体に結合する(その結果、ホモ二量体、ホモ三量体等を形成する)ことができる、および/または異なるタンパク質または複数のタンパク質の1つ以上の分子に結合することができる。結合タンパク質は、2種類以上の結合活性を有することができる。例えば、亜鉛フィンガータンパク質は、DNA結合、RNA結合、およびタンパク質結合活性を有する。
【0042】
「亜鉛フィンガーDNA結合タンパク質」(または結合ドメイン)は、タンパク質、または構造が亜鉛イオンの配位によって安定化される結合ドメイン内のアミノ配列の領域である、1つ以上の亜鉛フィンガーによって配列特異的な様式でDNAを結合するより大きなタンパク質内のドメインである。亜鉛フィンガーDNA結合タンパク質という用語は、しばしば、亜鉛フィンガータンパク質またはZFPとして略記される。
【0043】
亜鉛フィンガー結合ドメインは、例えば、天然に存在する亜鉛フィンガータンパク質の認識へリックス領域の改変(1つ以上のアミノ酸を変化させる)を介して、所定のヌクレオチド配列に結合されるように「改変」することができる。したがって、改変された亜鉛フィンガータンパク質は、天然に存在しないタンパク質である。亜鉛フィンガータンパク質を改変するための方法の非制限的な例は、設計および選択である。設計された亜鉛フィンガータンパク質は、天然に存在しないタンパク質であり、その設計/組成物は、主として合理的基準によってもたらされる。設計のための合理的基準には、置換規則の適用、ならびに既存のZFP設計および結合データの情報を格納したデータベース中の情報を処理するためのコンピュータアルゴリズムの適用が含まれる。例えば、米国特許第6,140,081号、同第6,453,242号、および同第6,534,261号明細書を参照されたく、国際公開第98/53058号、国際公開第98/53059号、国際公開第98/53060号、国際公開第02/016536号、および国際公開第03/016496も参照されたい。
【0044】
「選択された」亜鉛フィンガータンパク質は、天然には見出されないタンパク質であり、その産生は、ファージディスプレイ、相互作用トラップ、またはハイブリッド選択等の実験的プロセスによって主にもたらされる。例えば、米国第5,789,538号、米国特許第5,925,523号、米国特許第6,007,988号、米国特許第6,013,453号、米国特許第6,200,759号明細書、国際公開第95/19431号、国際公開第96/06166号、国際公開第98/53057号、国際公開第98/54311号、国際公開第00/27878号、国際公開第01/60970号、国際公開第01/88197号、および国際公開第02/099084を参照されたい。
【0045】
「配列」という用語は、任意の長さのヌクレオチド配列を指し、それは、DNAもしくはRNAであってもよく、線状、環状、または分岐状であってもよく、一本鎖もしくは二本鎖のいずれか一方であってもよい。「ドナー配列」という用語は、ゲノム内に挿入されるヌクレオチド配列を指す。ドナー配列は、任意の長さ、例えば、2〜10,000(またはそれらの間もしくはそれらを超える任意の整数)長のヌクレオチド、好ましくは、約100〜1,000(またはそれらの間の任意の整数)長のヌクレオチド、より好ましくは、約200〜500長のヌクレオチドであってもよい。
【0046】
「クロマチン」は、細胞ゲノムを含む核タンパク質構造である。細胞クロマチンは、核酸、主にDNA、ならびに、ヒストンおよび非ヒストン染色体タンパク質を含むタンパク質を含む。真核細胞クロマチンの大半は、ヌクレオソームの形態で存在し、そこでは、ヌクレオソームコアが、それぞれ2つのヒストンH2A、H2B、H3、およびH4を含む八量体と会合した約150塩基対のDNAを含み、リンカーDNA(生物に応じて変化する長さ)がヌクレオソームコアの間に延在する。1分子のヒストンH1は、一般にリンカーDNAと会合する。本開示に関して、「クロマチン」という用語は、原核性および真核性の両方の全ての種類の細胞核タンパク質を包含するように意図されている。細胞クロマチンは、染色体およびエピソームクロマチンの両方を含む。
【0047】
「染色体」は、細胞のゲノムの全てまたは一部を含むクロマチン錯体である。細胞のゲノムは、しばしば、その細胞のゲノムを含む全染色体の集合である、その核型によって特徴付けられる。細胞のゲノムは、1つ以上の染色体を含むことができる。
【0048】
「エピソーム」は、細胞の染色体核型の一部ではない核酸を含む、複製する核酸、核タンパク質錯体、または他の構造である。エピソームの例には、プラスミドおよびある特定のウイルスゲノムが挙げられる。
【0049】
「標的部位」または「標的配列」は、結合にとって十分な条件が存在すれば、結合分子が結合する核酸の一部を規定する核酸配列である。多様なNT−3標的ZFPに対する例示的な標的部位は、表2および3に示される。
【0050】
「外来」分子は、通常は細胞内に存在しないが、1つ以上の遺伝学的、生化学的、または他の方法によって細胞内に導入することができる分子である。「通常は細胞内に存在」は、細胞の特定の発生段階および環境条件に対して決定される。したがって、例えば、筋の胚発生中のみ存在する分子は、成体筋細胞に関しては外来分子である。同様に、熱ショックによって誘導される分子は、非熱ショック細胞に対して外来分子である。外来分子は、例えば、機能不全型内在性分子の機能型または正常機能型内在性分子の機能不全型を含むことができる。
【0051】
外来分子は、とりわけ、コンビナトリアルケミストリープロセスによって生成されるもの等の小分子、または、タンパク質、核酸、糖質、脂質、糖タンパク質、リポタンパク質、多糖、上記の分子の任意の修飾誘導体、または上記の分子の1つ以上を含む任意の錯体等の高分子であってもよい。核酸にはDNAおよびRNAが含まれ、それは一本または二本鎖であってもよく、線状、分岐状、または環状であってもよく、任意の長さであってもよい。核酸には、二重鎖を形成する能力のあるもの、ならびに三重鎖形成核酸が含まれる。例えば、米国特許第5,176,996号および同第5,422,251号明細書を参照されたい。タンパク質には、DNA結合タンパク質、転写因子、クロマチンリモデリング因子、メチル化DNA結合タンパク質、ポリメラーゼ、メチラーゼ、デメチラーゼ、アセチラーゼ、デアセチラーゼ、キナーゼ、ホスファターゼ、インテグラーゼ、リコンビナーゼ、リガーゼ、トポイソメラーゼ、ジャイレース、およびヘリカーゼが含まれるが、これらに限定されない。
【0052】
外来分子は、内在性分子と同一の種類の分子、例えば、外来タンパク質または核酸であってもよい。例えば、外来核酸は、感染ウイルスゲノム、細胞中に導入されたプラスミドもしくはエピソーム、または細胞内に通常存在しない染色体を含むことができる。細胞中に外来分子を導入するための方法が当業者に知られており、脂質媒介導入(すなわち、中性およびカチオン性脂質を含むリポソーム)、エレクトロポレーション、直接注入、細胞融合、微粒子銃、リン酸カルシウム共沈、DEAE−デキストラン媒介導入、およびウイルスベクター媒介導入を含むが、これらに限定されない。外来分子はまた、内在性分子と同一の種類の分子であってもよいが、細胞が由来する種とは異なる種に由来する。例えば、ヒトの核酸配列は、マウスまたはハムスターに本来由来する細胞株中に導入され得る。
【0053】
対照的に、「内在性」分子は、特定の環境条件下で特定の発生段階にある特定の細胞内に通常存在するものである。例えば、内在性核酸は、染色体、ミトコンドリア、クロロプラストもしくは他の細胞小器官のゲノム、または天然に存在するエピソーム核酸を含むことができる。さらなる内在性分子には、タンパク質、例えば、転写因子および酵素が含まれてもよい。
【0054】
「融合」分子は、2つ以上のサブユニット分子が、好ましくは共有結合的に連結された分子である。サブユニット分子は、同一の化学種類の分子であってもよいか、または異なる化学種類の分子であってもよい。第1の種類の融合分子の例には、融合タンパク質(例えば、ZFPDNA結合ドメインと1つ以上の活性化ドメインとの間の融合物)、および融合核酸(例えば、上記に記載される融合タンパク質をコードする核酸)が挙げられるが、これらに限定されない。第2の種類の融合分子の例には、三重鎖形成核酸とポリペプチドとの間の融合物、および副溝結合剤と核酸との間の融合が挙げられるが、これらに限定されない。
【0055】
細胞中の融合タンパク質の発現は、細胞に融合タンパク質を送達すること、または細胞に融合タンパク質をコードするポリヌクレオチドを送達することによってもたらされてもよく、ポリヌクレオチドが転写され、転写物が翻訳されて、融合タンパク質を生成する。トランススプライシング、ポリペプチド開裂、およびポリペプチド連結はまた、細胞中のタンパク質の発現に関与することができる。細胞へのポリヌクレオチドおよびポリペプチドの送達の方法が本開示の他所で提示される。
【0056】
本開示に関して、「遺伝子」は、そのような調節配列がコードおよび/または転写配列に隣接しているかに関わらず、遺伝子産物(以下を参照)をコードするDNA領域、ならびに遺伝子産物の産生を調節する全てのDNA領域を含む。したがって、遺伝子には、プロモーター配列、ターミネータ、リポソーム結合部位および内部リポソーム侵入部位等の翻訳調節配列、エンハンサー、サイレンサ、インスレーター、境界エレメント、複製起点、マトリックス付着部位、ならびに遺伝子座制御領域が含まれるが、これらに限定されない。
【0057】
「遺伝子発現」は、遺伝子産物への遺伝子に含まれる情報の変換を指す。遺伝子産物は、遺伝子の直接転写産物(例えば、mRNA、tRNA、rRNA、アンチセンスRNA、リボザイム、構造RNA、もしくは任意の他の種類のRNA)、またはmRNAの翻訳によって産生されるタンパク質であってもよい。遺伝子産物には、キャッピング、ポリアデニル化、メチル化、および編集等のプロセスによって修飾されたRNA、および、例えば、メチル化、アセチル化、リン酸化、ユビキチン化、ADPリボシル化、ミリスチリル化、およびグリコシル化によって修飾されたタンパク質も含まれる。
【0058】
遺伝子発現の「調節」は、遺伝子の活性の変化を指す。発現の調節には、遺伝子活性化および遺伝子抑制が含まれてもよいが、これらに限定されない。
【0059】
「真核」細胞には、真菌細胞(酵母等)、植物細胞、動物細胞、哺乳類細胞、およびヒト細胞(例えば、T−細胞)が含まれるが、これらに限定されない。
【0060】
「作動的連結」および「作動的に連結」(または「作動可能に連結」という用語は、2つ以上の構成要素(配列要素等)の並列に関連して交換可能に使用され、その中で両方の構成要素が正常に機能し、かつ構成要素の少なくとも1つが、他の構成要素の少なくとも1つに対して発揮される機能を媒介することができる可能性を許すように各構成要素が配置される。図示として、プロモーター等の転写調節配列は、転写調節配列が1つ以上の転写調節因子の存在または非存在に応じてコード配列の転写レベルを制御する場合に、コード配列に作動的に連結される。転写調節配列は、一般的に、コード配列とシスで作動的に連結されるが、それに直接隣接している必要はない。例えば、エンハンサーは、それらが隣接していなくても、コード配列に作動的に連結される転写調節配列である。
【0061】
融合ポリペプチドに関して、「作動的に連結」という用語は、構成要素の各々が、そのように連結されていない場合に、それが果たすであろう他の構成要素に連動して同一の機能を実行するという事実を指すことができる。例えば、ZFP DNA結合ドメインが活性化ドメインに融合される融合ポリペプチドに関して、ZFP DNA結合ドメインおよび活性化ドメインは、融合ポリペプチドにおいて、ZEP DNA結合ドメイン部分がその標的部位および/またはその結合部位に結合することができる一方で、活性化ドメインが遺伝子発現を上方調節することができる場合に、作動的連結状態にある。
【0062】
タンパク質、ポリペプチド、または核酸の「機能的断片」は、その配列が、完全長タンパク質、ポリペプチド、または核酸と同一でないが、完全長タンパク質、ポリペプチド、または核酸と同一の機能を保持するタンパク質、ポリペプチド、または核酸である。機能的断片は、対応する天然分子より多い、少ない、または同一の残基数を有することができる、および/または1つ以上のアミノ酸またはヌクレオチド置換を含有することができる。核酸(例えば、コード機能、別の核酸をハイブリッド形成する能力)の機能を決定するための方法が、当技術分野でよく知られている。同様に、タンパク質機能を決定するための方法がよく知られている。例えば、ポリペプチドのDNA結合機能を、例えば、フィルター結合、電気泳動移動度シフト、または免疫沈降アッセイによって決定することができる。DNA開裂を、ゲル電気泳動によってアッセイすることができる。上記のAusubelらを参照されたい。別のタンパク質と相互作用するタンパク質の能力を、例えば、共免疫沈降、ツーハイブリッドアッセイ、または遺伝的相補性および生化学的相補性の両方の相補性によって決定することができる。例えば、Fields et al.(1989)Nature 340:245−246、米国特許第5,585,245号、およびPCT国際公開第98/44350号を参照されたい。
【0063】
「ニューロパチー」という用語には、神経組織の中枢および末梢神経系組織の変性が含まれるが、これらに限定されない神経組織の任意の病変または異常が含まれる。中枢および末梢神経系組織には、眼の杆体および錐体等の分化したニューロンを含む任意のニューロンの任意の部分が含まれるが、これらに限定されない。したがって、ニューロパチーを特徴とする状態の非限定的な例には、筋萎縮性側索硬化症(ALS、ルーゲーリック病としても知られている)、パーキンソン病、アルツハイマー病、糖尿病性ニューロパチー、網膜変性、シャルコーマリーツース(CMT)病、神経因性疼痛、化学療法誘発ニューロパチー、外傷(脳または脊髄)等が挙げられる。用語には、アルコールまたは薬物依存症等の嗜癖行動も含まれる。他のニューロパチー(神経変性)状態が当業者に知られている。
【0064】
DNA結合ドメイン
NT−3遺伝子またはGDNF遺伝子の標的部位に特異的に結合するDNA結合ドメインを含む組成物が本明細書に記載される。本明細書で開示される組成物および方法で、任意のDNA結合ドメインを使用することができる。
【0065】
ある特定の実施形態では、DNA結合ドメインは、亜鉛フィンガータンパク質を含む。好ましくは、亜鉛フィンガータンパク質は天然に存在せず、それは選択する標的部位に結合するように改変される。例えば、Beerli et al.(2002)Nature Biotechnol.20:135−141、Pabo et al.(2001)Ann.Rev.Biochem.70:313−340、Isalan et al.(2001)Nature Biotechnol.19:656−660、Segal et al.(2001)Curr.Opin.Biotechnol.12:632−637、Choo et al.(2000)Curr.Opin.Struct.Biol.10:411−416、米国特許第6,453,242号、同第6,534,261号、同第6,599,692号、同第6,503,717号、同第6,689,558号、同第7,030,215号、同第6,794,13号、同第7,067,317号、同第7,262,054号、同第7,070,934号、同第7,361,635号、同第7,253,273号明細書、ならびに米国特許出願公開第2005/0064474号、同第2007/0218528号、同第2005/0267061号明細書を参照されたく、これらは全て、参照によりその全体が本明細書に組み込まれる。
【0066】
改変された亜鉛フィンガー結合ドメインは、天然に存在する亜鉛フィンガータンパク質と比較して、新規の結合特異性を有することができる。改変方法には、合理的設計および多様な種類の選択が含まれるが、これらに限定されない。合理的設計には、例えば、三重(または四重)ヌクレオチド配列および個々の亜鉛フィンガーアミノ酸配列を含むデータベースを使用することが含まれ、各三重または四重ヌクレオチド配列は、特定の三重または四重配列と結合する亜鉛フィンガーの1つ以上のアミノ酸配列に関連する。例えば、譲受人共通の米国特許第6,453,242号および同第6,534,261号明細書を参照されたく、これらは参照によりその全体が本明細書に組み込まれる。
【0067】
ファージディスプレイおよび2ハイブリッド法を含む例示的な選択方法は、米国特許第5,789,538号、同第5,925,523号、同第6,007,988号、同第6,013,453号、同第6,410,248号、同第6,140,466号、同第6,200,759号、および同第6,242,568号明細書、ならびに国際公開第98/37186号、国際公開第98/53057号、国際公開第00/27878号、国際公開第01/88197号、および英国第2,338,237号に開示される。加えて、亜鉛フィンガー結合ドメインに対する結合特異性の強化は、例えば、譲受人共通の国際公開第02/077227号に記載されている。
【0068】
加えて、これらおよび他の参考文献に開示される、亜鉛フィンガードメインおよび/または多フィンガーの亜鉛フィンガータンパク質は、例えば、5個以上のアミノ酸長のリンカーを含む、任意の好適なリンカー配列を使用して共に連結され得る。また、6個以上のアミノ酸長の例示的なリンカー配列に関して、米国特許第6,479,626号、同第6,903,185号、および同第7,153,949号明細書も参照されたい。本明細書に記載されるタンパク質は、タンパク質の個々の亜鉛フィンガー間の好適なリンカーの任意の組み合わせを含み得る。加えて、亜鉛フィンガー結合ドメインに対する結合特異性の強化は、例えば、譲受人共通の国際公開第02/077227号に記載されている。
【0069】
標的部位の選択、融合タンパク質(および同一物をコードするポリヌクレオチド)の設計および構築のためのZFPおよび方法が当業者に知られており、米国特許第6,140,0815号、同第789,538号、同第6,453,242号、同第6,534,261号、同第5,925,523号、同第6,007,988号、同第6,013,453号、同第6,200,759号明細書、国際公開第95/19431号、国際公開第96/06166号、国際公開第98/53057号、国際公開第98/54311号、国際公開第00/27878号、国際公開第01/60970号、国際公開第01/88197号、国際公開第02/099084号、国際公開第98/53058号、国際公開第98/53059号、国際公開第98/53060号、国際公開第02/016536号、および国際公開第03/016496号に詳しく記載される。
【0070】
加えて、これらおよび他の参考文献に開示される、亜鉛フィンガードメインおよび/または多フィンガーの亜鉛フィンガータンパク質は、例えば、5個以上のアミノ酸長のリンカーを含む、任意の好適なリンカー配列を使用して共に連結し得る。また、6個以上のアミノ酸長の例示的なリンカー配列に関して、第6,479,626号、米国特許同第6,903,185号、および同第7,153,949号明細書も参照されたい。本明細書に記載されるタンパク質は、タンパク質の個々の亜鉛フィンガー間の好適なリンカーの任意の組み合わせを含み得る。
【0071】
あるいは、DNA結合ドメインは、ヌクレアーゼに由来し得る。例えば、I−SceI、I−CeuI、PI−PspI,PI−Sce、I−SceIV、I−CsmI、I−PanI、I−SceII、I−PpoI、I−SceIII、I−CreI、I−TevI、I−TevII、およびI−TevIII等のホーミングエンドヌクレアーゼおよびメガヌクレアーゼの認識配列が知られている。また、米国特許第5,420,032号、米国特許第6,833,252号明細書、Belfort et al.(1997)Nucleic Acids Res.25:3379-3388、Dujon et al.(1989)Gene 82:115-118、Perler et al.(1994)Nucleic Acids Res.22,1125-1127、Jasin(1996)Trends Genet.12:224-228、Gimble et al.(1996)J.Mol.Biol.263:163-180、Argast et al.(1998)J.Mol.Biol.280:345-353、およびニューイングランドバイオラボ社カタログも参照されたい。加えて、ホーミングエンドヌクレアーゼおよびメガヌクレアーゼのDNA結合特異性を、非天然の標的部位に結合するよう改変することができる。例えば、Chevalier et al.(2002)Molec.Cell 10:895−905、Epinat et al.(2003)Nucleic Acids Res.31:2952−2962、Ashworth et al.(2006)Nature 441:656−659、Paques et al.(2007)Current Gene Therapy 7:49−66、米国特許出願公開第2007/0117128号明細書を参照されたい。
【0072】
いくつかの実施形態では、DNA結合ドメインは、植物病原菌キサントモナスに由来するTALエフェクターから改変されたドメインである(Boch et al,(2009)Science 29Oct2009(10.1126/science.117881)、ならびにMoscou and Bogdanove,(2009)Science 29Oct2009(10.1126/science.1178817を参照)。
【0073】
一実施形態では、DNA結合ドメインは、NT−3遺伝子の標的部位に(配列特異的な様式で)結合し、NT−3の発現を調節する改変された亜鉛フィンガータンパク質である。別の実施形態では、DNA結合ドメインは、GDNF遺伝子の標的部位に(配列特異的な様式で)結合し、GDNFの発現を調節する改変された亜鉛フィンガータンパク質である。選択されたNT−3またはGDNFの標的部位に結合するZFPは、典型的に少なくとも1個の亜鉛フィンガーを含むが、複数の亜鉛フィンガー(例えば、2個、3個、4個、5個、6個以上のフィンガー)が含まれてもよい。通常ZFPは、少なくとも3個のフィンガーを含む。ある特定のZFPは、4個または6個のフィンガーを含む。3個のフィンガーを含むZFPは、典型的に9個または10個のヌクレオチドを含む標的部位を認識し、4個のフィンガーを含むZFPは、典型的に12〜14個のヌクレオチドを含む標的部位を認識し、一方で、6個のフィンガーを有するZFPは、18〜21個のヌクレオチドを含む標的部位を認識する。ZFPはまた、そのドメインが転写活性化または抑制ドメインであり得る、1つ以上の調節ドメインを含む融合タンパク質であってもよい。
【0074】
NT−3およびGDNF標的ZFPの特定の例は、表1ならびに2に開示される。この表の第一の列は、ZFPに対する内部参照名(番号)である。「F」はフィンガーを指し、「F」に続く番号は、どの亜鉛フィンガー(例えば、「F1」はフィンガー1を指す)かを参照する。
【表1】

【0075】
全てのNT−3タンパク質に対する標的部位は、GGAGCCATCTGGCCGGGT(配列番号20)である。この配列は、5395482で始まり5394399で終わるヒト染色体12のプラス鎖で見出される(Homo sapiens Genome(build35.1),NCBIを参照)。この配列はまた、1560986で始まり15609069で終わるラット染色体4のマイナス鎖で見出される(Rattus norvegicus Genome(RGCS v3.4),NCBIを参照)。
【0076】
表2は、GDNF標的ZFPの特定の例を示す。
【表2】

【0077】
これらのGDNF結合タンパク質のラット、ヒト、またはアカゲザルにおける標的部位に対する配列および位置は、表3に開示される。遺伝子位置は、以下のUCSCゲノムデータベース:ラット(2004年11月)、ヒト(2006年3月)、およびアカゲザル(2006年1月)を参照して示される。ZFP認識ヘリックスによって接触される標的部位におけるヌクレオチドは大文字で示され、非接触ヌクレオチドは小文字で示される。
【表3】

【0078】
融合タンパク質
本明細書に記載されるDNA結合タンパク質(例えば、ZFP)を含む融合タンパク質および異種調節(機能的)ドメイン(またはその機能的フラグメント)も提供される。一般的なドメインには、例えば、転写因子ドメイン(活性化剤、リプレッサー、共活性化剤、コリプレッサー)、サイレンサ、癌遺伝子(例えば、myc、jun、fos、myb、max、mad、rel、ets、bcl、myb、mosファミリーメンバー等)、DNA修復酵素ならびにそれらの関連する因子および修飾因子、クロマチン結合性タンパク質およびそれらの修飾因子(例えば、キナーゼ、アセチラーゼ、およびデアセチラーゼ)、ならびにDNA修飾酵素(例えば、メチルトランスフェラーゼ、トポイソメラーゼ、ヘリカーゼ、リガーゼ、キナーゼ、ホスファターゼ、ポリメラーゼ、エンドヌクレアーゼ)、ならびにそれらの関連する因子および修飾因子が含まれる。DNA結合ドメインならびにヌクレアーゼ開裂ドメインの融合に関する詳細ついて、米国特許出願公開第2005/0064474号、同第2006/0188987号、および同第2007/0218528号明細書を参照されたく、参照によりそれらの全体が本明細書に組み込まれる。
【0079】
活性化を達成するための好適なドメインには、HSV VP16活性化ドメイン(例えば、Hagmann et al.,J.Virol.71,5952−5962(1997)を参照)、核ホルモン受容体(例えば、Torchia et al.,Curr.Opin.Cell.Biol.10:373−383(1998)を参照)、核因子カッパBのp65サブユニット(Bitko and Barik,J.Virol.72:5610−5618(1998)およびDoyle and Hunt,Neuroreport8:2937−2942(1997))、Liu et al.,Cancer Gene Ther.5:3−28(1998))、またはVP64等の人工キメラ機能ドメイン(Seifpal et al.,EMBO J.11,4961−4968(1992))、ならびにデグロンドメイン(Molinari et al.,EMBO J.18:6439−6447(1999)およびSalghetti et al.,Proc.Natl.Acad.Sci.USA 97:3118−3123(2000))が含まれる。さらなる例示的な活性化ドメインには、p300、CBP、PCAF、SRC1PvALF、AtHD2A、およびERF−2が含まれるが、これらに限定されない。例えば、Robyr et al.(2000)Mol.Endocrinol.14:329−347、Collingwood et al.(1999)J.Mol.Endocrinol.23:255−275、Leo et al.(2000)Gene 245:1−11、Manteuffel−Cymborowska(1999)Acta Biochim.Pol.46:77−89、McKenna et al.(1999)J.Steroid Biochem.Mol.Biol.69:3−12、Malik et al.(2000)Trends Biochem.Sci.25:277−283、およびLemon et al.(1999)Curr.Opin.Genet.Dev.9:499−504を参照されたい。さらなる例示的な活性化ドメインには、OsGAI、HALF−1、C1、AP1、ARF−5、−6、−7、および−8、CPRF1、CPRF4、MYC−RP/GP、ならびにTRAB1が含まれるが、これらに限定されない。例えば、Ogawa et al.(2000)Gene 245:21−29、Okanami et al.(1996) Genes Cell 1:87−99、Goff et al.(1991)Genes Dev.5:298−309、Cho et al.(1999)Plant Mol.Biol.40:419−429、Ulmason et al.(1999)Proc.Natl.Acad.Sci.USA 96:5844−5849、Sprenger−Haussels et al.(2000)Plant J.22:1−8、Gong et al.(1999)Plant Mol.Biol.41:33−44、およびHobo et al.(1999)Proc.Natl.Acad.Sci.USA 96:15,348−15,353を参照されたい。
【0080】
DNA結合ドメインと機能ドメインとの間の融合タンパク質(または同一物をコードする核酸)の形成において、活性化ドメインと相互作用する活性化ドメインまたは分子のいずれか一方が、機能ドメインとして好適であることが、当業者には明らかである。基本的に、標的遺伝子に活性化錯体および/または活性化活性(例えば、ヒストンアセチル化等)を補充する能力のある任意の分子が、融合タンパク質の活性化ドメインとして有用である。融合分子において機能ドメインとしての使用に好適なISWI含有ドメインおよび/またはメチル結合ドメインタンパク質等の絶縁体ドメイン、局在化ドメイン、ならびにクロマチンリモデリングタンパク質が、例えば、譲受人共通の米国特許出願第2002/0115215号および同第2003/0082552号明細書、ならびに譲受人共通の国際公開第02/44376号に記載される。
【0081】
例示的な抑制ドメインには、KRAB、KOX、SID、MBD2、MBD3、DNMTファミリーのメンバー(例えば、DNMT1、DNMT3A、DNMT3B)、Rb、およびMeCP2が含まれるが、これらに限定されない。例えば、Bird et al.(1999)Cell 99:451−454、Tyler et al.(1999)Cell 99:443−446、Knoepfler et al.(1999)Cell 99:447−450、およびRobertson et al.(2000)Nature Genet.25:338−342を参照されたい。さらなる例示的な抑制ドメインには、ROM2およびAtHD2Aが含まれるが、これらに限定されない。例えば、Chem et al.(1996)Plant Cell 8:305−321、およびWu et al.(2000)Plant J.22:19−27を参照されたい。
【0082】
融合分子は、当業者によく知られているクローニング法および生化学的接合によって構築される。融合分子には、DNA結合ドメインおよび機能ドメイン(例えば、転写活性化または抑制ドメイン)が含まれる。融合分子には、核局在化シグナル(例えば、SV40媒体T抗原由来等)およびエピトープタグ(例えば、FLAGおよび血球凝集素等)も任意的に含まれる。融合タンパク質(およびそれらをコードする核酸)は、翻訳リーディングフレームが融合の成分間で維持されるように設計される。
【0083】
一方において機能ドメイン(またはその機能的フラグメント)のポリペプチド成分と、他方において非タンパク質DNA結合ドメイン(例えば、抗生物質、挿入剤、副溝結合剤、核酸)との間の融合は、当業者に知られている生化学的接合の方法によって構築される。例えば、Pierce Chemical Company(Rockford,IL)Catalogueを参照されたい。副溝結合剤とポリペプチドとの間に融合を起こすための方法および組成物が記載されている。Mapp et al.(2000)Proc.Natl.Acad.Sci.USA 97:3930−3935。
【0084】
ある特定の実施形態では、亜鉛フィンガータンパク質によって結合される標的部位は、細胞クロマチンの到達可能領域に存在する。例えば、同所有の国際公開01/83732に記載されるように、到達可能領域を決定することができる。標的部位が細胞クロマチンの到達可能領域に存在しない場合、譲受人共通の国際公開第01/83793号に記載されるように、1つ以上の到達可能領域を生成することができる。さらなる実施形態では、融合分子のDNA結合ドメインは、その標的部位が到達可能領域にあるかに関わらず、細胞クロマチンに結合する能力がある。例えば、そのようなDNA結合ドメインは、リンカーDNAおよび/またはヌクレオソームDNAに結合する能力がある。「パイオニア」DNA結合ドメインのこの型の例は、ある特定のステロイド受容体および肝細胞核因子3(HNF3)で見出される。Cordingley et al.(1987)Cell 48:261−270、Pina et al.(1990)Cell 60:719−731、およびCirillo et al.(1998)EMBO J.17:244−254。
【0085】
融合分子は、当業者に知られているように、医薬的に許容可能な担体で製剤化され得る。例えば、Remington’s Pharmaceutical Sciences,17th ed.,1985、および譲受人共通の国際公開第00/42219を参照されたい。
【0086】
融合分子の機能的成分/ドメインは、いったん融合分子がそのDNA結合ドメインを介して標的配列に結合すると、遺伝子の転写に影響を及ぼす能力のある多種多様の異なる成分のいずれかから選択されてもよい。したがって、機能的成分には、活性化剤、リプレッサー、共活性化剤、コリプレッサー、およびサイレンサ等の多様な転写因子ドメインが含まれてもよいが、これらに限定されない。
【0087】
さらなる例示的な機能ドメインは、例えば、譲受人共通の米国特許第6,534,261号明細書および米国特許出願公開第2002/0160940号明細書に開示される。
【0088】
送達
タンパク質(例えば、ZFP)、同一物をコードするヌクレオチド、ならびに本明細書に記載されるタンパク質および/またはポリヌクレオチドを含む組成物は、任意の好適な手段で標的細胞に送達され得る。好適な細胞には、真核および原核細胞ならびに/または細胞株が含まれるが、これらに限定されない。そのような細胞またはそのような細胞から生成された細胞株の非制限的な例には、COS、CHO(例えば、CHO−S、CHO−K1、CHO−DG44、CHO−DUXB11、CHO−DUKX、CHOK1SV)、VERO、MDCK、WI38、V79、B14AF28−G3、BHK、HaK、NS0、SP2/0−Ag14、HeLa、HEK293(例えば、HEK293−F、HEK293−H、HEK293−T)、およびperC6細胞、ならびにツマジロクサヨトウ(Sf)等の昆虫細胞、またはサッカロミセス、ピチア、およびシゾサッカロミセス等の真菌細胞が挙げられるが、これらに限定されない。ある特定の実施形態では、細胞株は、CHO−K1、MDCK、またはHEK293細胞株である。
【0089】
本明細書に記載される亜鉛フィンガータンパク質を含むタンパク質を送達する方法は、例えば、米国特許第6,453,242号、同第6,503,717号、同第6,534,261号、同第6,599,692号、同第6,607,882号、同第6,689,558号、同第6,824,978号、同第6,933,113号、同第6,979,539号、同第7,013,219号、および同第7,163,824号明細書に記載され、これらの全ての開示は、参照によりそれらの全体が本明細書に組み込まれる。
【0090】
本明細書に記載される亜鉛フィンガータンパク質はまた、亜鉛フィンガータンパク質の1つ以上をコードする配列を含有するベクターを使用して送達され得る。プラスミドベクター、レトロウイルスベクター、レンチウイルスベクター、アデノウイルスベクター、ポックスウイルスベクター、ヘルペスウイルスベクター、およびアデノ関連ウイルスベクター等を含むが、これらに限定されない任意のベクター系が使用され得る。また、米国特許第6,534,261号、同第6,607,882号、同第6,824,978号、同第6,933,113号、同第6,979,539号、同第7,013,219号、および同第7,163,824号明細書を参照されたく、参照によりそれらの全体が本明細書に組み込まれる。さらに、これらのベクターのうちのいずれかが、配列をコードする1つ以上の亜鉛フィンガータンパク質を含み得ることは明らかである。したがって、1つ以上のZFPが細胞中に導入される時、ZFPは、同一のベクターまたは異なるベクター上で担持され得る。複数のベクターが使用される時、各ベクターは、1つまたは複数のZFPをコードする配列を含み得る。
【0091】
従来のウイルスおよび非ウイルスに基づく遺伝子導入方法を使用して、改変されたZFPをコードする核酸を、細胞(例えば、哺乳類細胞)および標的組織に導入することができる。そのような方法を使用して、ZFPをコードする核酸を、細胞にインビトロ投与することもできる。ある特定の実施形態では、ZFPをコードする核酸は、インビボまたはエクスビボ遺伝子療法用途のために投与される。非ウイルスベクター送達システムには、DNAプラスミド、ネイキッド核酸、およびリポソームまたはポロキサマー等の送達媒体と錯体を形成した核酸が含まれる。ウイルスベクター送達システムには、細胞への送達後にエピソームまたは組み込まれたゲノムのいずれか一方を有する、DNAおよびRNAウイルスが含まれる。遺伝子療法手順の総説に関しては、Anderson,Science 256:808−813(1992)、Nabel and Felgner,TIBTECH 11:211−217(1993)、Mitani and Caskey,TIBTECH 11:162−166(1993)、Dillon,TIBTECH 11:167−175 (1993)、Miller,Nature 357:455−460(1992)、Van Brunt,Biotechnology 6(10):1149−1154(1988)、Vigne,Restorative Neurology and Neuroscience 8:35−36(1995)、Kremer and Perricaudet,British Medical Bulletin 51(1):31−44(1995)、Haddada et al.,in Current Topics in Microbiology and Immunology Doerfler and Bohm(eds.)(1995)、およびYu et al.,Gene Therapy 1:13−26(1994)を参照されたい。
【0092】
核酸の非ウイルス送達の方法には、エレクトロポレーション、リポフェクション、マイクロインジェクション、バイオリスティック、ビロソーム、リポソーム、免疫リポソーム、ポリカチオン、または脂質:核酸複合体、ネイキッドDNA、人工ビリオン、および薬剤により強化されたDNAの取り込みが含まれる。例えば、Sonitron 2000 system(Rich−Mar)を使用するソノポレーションも、核酸の送達に使用することができる。
【0093】
さらなる例示的な核酸送達システムには、Amaxa Biosystems(Cologne,Germany)、Maxcyte,Inc.(Rockville,Maryland)、BTX Molecular Delivery Systems(Holliston,MA)、およびCopernicus Therapeutics Inc,(例えば、米国特許第6,008,336号明細書を参照)により提供されるものが含まれる。リポフェクションは、例えば、米国特許第5,049,386号明細書、米国特許第4,946,787号明細書、および米国特許第4,897,355号明細書に記載されており、リポフェクション試薬は市販されている(例えば、Transfectam(登録商標)およびLipofectin(登録商標))。ポリヌクレオチドの効率的な受容体認識リポフェクションに好適な陽イオン性および中性脂肪には、Felgnerのそれら、国際公開第91/17424号、国際公開第91/16024号が含まれる。細胞(エクスビボ投与)または標的組織(インビボ投与)に送達することができる。
【0094】
免疫脂質錯体等の標的リポソームを含む脂質:核酸錯体の調製は、当業者によく知られている(例えば、Crystal,Science 270:404−410(1995)、Blaese et al.,Cancer Gene Ther.2:291−297(1995)、Behr et al.,Bioconjugate Chem.5:382−389(1994)、Remy et al.,Bioconjugate Chem.5:647−654(1994)、Gao et al.,Gene Therapy 2:710−722(1995)、Ahmad et al.,Cancer Res.52:4817−4820(1992)、米国特許第4,186,183号、同第4,217,344号、同第4,235,871号、同第4,261,975号、同第4,485,054号、同第4,501,728号、同第4,774,085号、同第4,837,028号、および同第4,946,787号明細書を参照)。
【0095】
改変されたZFPをコードする核酸の送達のためのRNAまたはDNAウイルスに基づくシステムの使用は、ウイルスに体内の特定の細胞を標的とさせ、ウイルスペイロードを核に輸送するための高度に進化したプロセスを利用する。ウイルスベクターは、患者に直接投与(インビボ)することができるか、またはインビトロで細胞を治療するために使用することができ、修飾された細胞が患者に投与される(エクスビボ)。ZFPの送達のための従来のウイルスに基づくシステムには、遺伝子送達のためのレトロウイルス、レンチウイルス、アデノウイルス、アデノ関連ウイルス、ワクチン、および単純ヘルペスウイルスベクターが含まれるが、これらに限定されない。宿主ゲノム内の組込みは、レトロウイルス、レンチウイルス、およびアデノ関連ウイルス遺伝子送達方法を使用して可能であり、しばしば、挿入された導入遺伝子の長期発現をもたらす。さらに、高い導入効率が、多くの異なる細胞型および標的組織で観察されている。
【0096】
レトロウイルスの向性は、外来のエンベロープタンパク質を組み込むことによって変更することができ、標的細胞の潜在的な標的群を拡張する。レンチウイルスベクターは、非分裂細胞を形質導入または感染させることが可能であり、典型的には高ウイルス価を産生する。レトロウイルス遺伝子送達システムの選択は、標的組織に依存する。レトロウイルスベクターは、最大6〜10kbの外来配列のパッケージング能力を有する、シス作用の長い末端反復から成る。最小限のシス作用LTRは、ベクターの複製およびパッケージングに十分であり、それらは、次いで、恒久的な導入遺伝子発現を提供するように治療遺伝子を標的細胞内に組み込むために使用される。広範囲にわたって使用されるレトロウイルスベクターには、マウス白血病ウイルス(MuLV)、テナガザル白血病ウイルス(GaLV)、サル免疫不全ウイルス(SIV)、ヒト免疫不全ウイルス(HIV)、およびその組み合わせに基づくものが含まれる。(例えば、Buchscher et al.,J.Virol.66:2731−2739(1992)、Johann et al.,J.Virol.66:1635−1640(1992)、Sommerfelt et al.,Virol.176:58−59(1990)、Wilson et al.,J.Virol.63:2374−2378(1989)、Miller et al.,J.Virol.65:2220−2224(1991)、PCT/US94/05700を参照)。
【0097】
一過性発現が好ましい用途では、アデノウイルスに基づくシステムを使用することができる。アデノウイルスに基づくベクターは、多くの細胞型において非常に高い導入効率があり、細胞分裂を必要としない。そのようなベクターを使用して、高力価および高レベルの発現が得られている。比較的単純なシステムにおいて、このベクターを多量に産生することができる。アデノ関連ウイルス(「AAV」)ベクターを使用して、例えば、核酸およびペプチドのインビトロ産生において、およびインビボおよびエクスビボ遺伝子治療手順(例えば、West et al.,Virology 160:38〜47(1987)、米国特許第4,797,368号、国際公開第93/24641号、Kotin,Human Gene Therapy 5:793〜801(1994)、Muzyczka,J.Clin.Invest.94:1351(1994)を参照)のために、細胞に標的核酸を形質導入することもできる。AAVベクターの構築は、米国特許第5,173,414号、Tratschin et al.,Mol.Cell.Biol.5:3251〜3260(1985)、Tratschin et al.,Mol.Cell.Biol.4:2072〜2081(1984)、Hermonat & Muzyczka,PNAS 81:6466〜6470(1984)、およびSamulski et al.,J.Virol.63:03822−3828(1989)を含む、多数の刊行物に記載される。
【0098】
現在、少なくとも6つのウイルスベクターアプローチが臨床試験における遺伝子導入に使用可能であり、それらは形質導入剤を生成するためにヘルパー細胞株に挿入された遺伝子による欠損ベクターの相補性を含むアプローチを利用する。
【0099】
pLASNおよびMFG−Sは、臨床試験で使用されているレトロウイルスベクターの例である(Dunber et al.,Blood 85:3048〜305(1995)、Kohn et al.,Nat.Med.1:1017〜102(1995)、Malech et al.,PNAS 94:22 12133〜12138(1997))。PA317/pLASNは、遺伝子治療試験で使用された最初の治療ベクターであった。(Blaese et al.,Science 270:475−480(1995))。MFG−Sパッケージされたベクターに対して、50%またはそれより大きい導入効率が観察されている。(Ellem et al.,Immunol Immunother.44(1):10−20(1997)、Dranoff et al.,Hum.Gene Ther.1:111−2(1997)。
【0100】
アデノ関連ウイルスベクター(rAAV)は、欠損および非病原性パルボウイルスアデノ関連2型ウイルスに基づく有望な代替遺伝子送達システムである。全てのベクターは、導入遺伝子発現カセットに隣接するAAV145bp逆方向末端反復のみを保持するプラスミドに由来する。形質導入細胞のゲノム内への組込みによる効率的な遺伝子導入および安定した導入遺伝子送達は、このベクター系の重要な特長である。(Wagner et al.,Lancet 351:9117 1702−3(1998),Kearns et al.,Gene Ther.9:748−55(1996))。AAV1〜AAV8を含む他のAVV血清型も本発明に従って使用することができる。
【0101】
複製欠損性アデノウイルスベクター(Ad)を高力価で産生することができ、多数の異なる細胞型を容易に感染させる。アデノウイルスベクターの大半は、導入遺伝子がAdE1a、E1b、および/またはE3遺伝子を置換し、その後、複製欠損性ベクターが、トランス内の消失遺伝子機能を供給するヒト293細胞で増殖するように改変される。Adベクターは、肝臓、腎臓、および筋肉で見出されるもの等の非分裂の分化した細胞を含む、複数の種類の組織をインビボで形質転換することができる。従来のAdベクターは、大きな担持能力を有する。臨床試験におけるAdベクターの使用の例には、筋肉内注入を用いる抗腫瘍免疫のポリヌクレオチド治療が挙げられた(Sterman et al.,Hum.Gene Ther.7:1083−9(1998))。臨床試験における遺伝子導入のためのアデノウイルスベクターの使用のさらなる例には、Rosenecker et al.,Infecton 24:1 5−10(1996)、Sterman et al.,Hum.Gene Ther.9:7 1083−1089(1998)、Welsh et al.,Hum.Gene Ther.2:205−18(1995)、Alvarez et al.,Hum.Gene Ther.5:597−613(1997)、Topf et al.,Gene Ther.5:507−513(1998)、Sterman et al.,Hum.Gene Ther.7:1083−1089(1998)が挙げられる。
【0102】
パッケージング細胞を使用して、宿主細胞を感染させることが可能なウイルス粒子を形成する。そのような細胞には、アデノウイルスをパッケージングする293細胞、およびレトロウイルスをパッケージングするψ2細胞またはPA317が含まれる。遺伝子治療で使用されるウイルスベクターは、通常、核酸ベクターをウイルス粒子中にパッケージングする産出細胞株によって生成される。これらのベクターには、典型的には、パッケージングおよびその後の宿主への組込みに必要とされる最小限のウイルス配列(適用可能な場合)、発現されるようにタンパク質をコードする発現カセットによって置換されている他のウイルス配列が含まれる。欠損しているウイルス機能は、パッケージングする細胞株によってトランスで提供される。例えば、遺伝子治療に使用するAAVベクターは、典型的には、宿主ゲノム内へのパッケージングおよび組込みに必要とされるAAVゲノムからの逆方向末端反復(ITR)配列のみを所有する。ウイルスDNAは、細胞株内にパッケージングされ、他のAAV遺伝子すなわち、repおよびcapをコードするが、ITR配列を欠失するヘルパープラスミドを含有する。この細胞株はまた、ヘルパーとしてアデノウイルスに感染する。このヘルパーウイルスは、ヘルパープラスミドから、AAVベクターの複製、およびAAV遺伝子の発現を促進する。このヘルパープラスミドは、ITR配列の欠失の結果、相当な量でパッケージングされない。アデノウイルスの汚染は、例えば、AAVよりも敏感であるアデノウイルスに対する熱処理によって減少することができる。
【0103】
多くの遺伝子治療用途において、遺伝子治療ベクターが高度の特異性で特定の細胞型に送達されることが望ましい。したがって、ウイルスの外表面上でウイルス外被タンパク質との融合タンパク質としてリガンドを発現することによって、ウイルスベクターを所定の細胞型に対する特異性を有するように修飾することができる。リガンドは、関心の細胞型上に存在することで知られている受容体に対する親和性を有するように選択される。例えば、Han et al.,Proc.Natl.Acad.Sci.USA 92:9747〜9751(1995)は、gp70に融合されたヒトヘレグリンを発現するように、モロニーマウス白血病ウイルスを修飾することができ、そのウイルスが、ヒト上皮成長因子受容体を発現するある特定のヒト乳癌細胞を感染させることを報告した。この原理は、細胞表面受容体に対して、標的細胞が受容体を発現し、ウイルスがリガンドを含む融合タンパク質を発現する、他のウイルス標的細胞対にまで及ぶことができる。例えば、実質的に任意の選択された細胞受容体に特異的結合親和性を有する抗体断片(例えば、FABまたはFv)を表示するように、線状ファージを改変することができる。上記の説明は、主にウイルスベクターに適用されるが、同一の原理を非ウイルスベクターに適用することができる。特異的標的細胞による取り込みを好む特異的な取り込み配列を含有するように、そのようなベクターを改変することができる。
【0104】
遺伝子治療ベクターは、下で説明するように、個々の患者への投与、典型的には、全身投与(例えば、静脈内、腹腔内、筋肉内、皮下、もしくは頭蓋内注入)または局所投与によって、インビボで送達することができる。あるいは、個々の患者から移植された細胞(例えば、リンパ球、骨髄穿刺液、組織生検)または万能ドナーの幹細胞等の細胞に、ベクターをエクスビボで送達することができ、その後、ベクターを組み込んだ細胞の選択後に、患者への細胞の再移植が続く。
【0105】
診断、研究のため、または遺伝子治療のためのエクスビボ細胞トランスフェクション(例えば、宿主生物にトランスフェクトした細胞の再注入を介して)が当業者によく知られている。好ましい実施形態では、細胞は、対象生物から単離され、ZFP核酸(遺伝子またはcDNA)をトランスフェクトし、対象生物(例えば、患者)内に戻って再注入される。エクスビボのトランスフェクションに好適な多様な細胞型は、当業者によく知られている(患者からの細胞の単離および培養方法についての説明は、例えば、Freshney et al.,Culture of Animal Cells,A Manual of Basic Technique(3rd ed.1994)、およびそこで引用される参考文献を参照)。
【0106】
一実施形態では、幹細胞は、細胞トランスフェクションおよび遺伝子治療のためのエクスビボ処置で使用される。幹細胞を使用する利点は、それらがインビトロで他の細胞型に分化することができるか、または、それらが骨髄に生着する哺乳動物(幹細胞のドナー等)に導入し得ることである。GM−CSF、IFN−γ、およびTNF−α等のサイトカインを使用して、CD34+細胞を臨床的に重要な免疫細胞型にインビトロで分化するための方法が知られている(Inaba et al.,J.Exp.Med.176:1693〜1702(1992)を参照)。
【0107】
幹細胞は、周知の方法を使用して、形質導入および分化のために単離される。例えば、幹細胞は、CD4+およびCD8+(T細胞)、CD45+(panB細胞)、GR−1(顆粒球)、およびIad(分化された抗原提示細胞)等の不要な細胞を結合する抗体を有する骨髄細胞をパンニングすることによって骨髄から単離される(Inaba et al.,J.Exp.Med.176:1693〜1702(1992)を参照)。
【0108】
治療的ZFP核酸を含有するベクター(例えば、レトロウイルス、アデノウイルス、リポソーム等)を、細胞の形質導入のために、生物にインビボで直接投与することもできる。あるいは、ネイキッドDNAを投与することができる。投与は、注射、注入、局所適用、およびエレクトロポレーションを含むが、これらに限定されない、血液細胞または組織細胞との最終的な接触内に分子を導入するために通常使用される経路のいずれかによる。そのような核酸を投与する好適な方法は、使用可能であり、かつ当業者にも知られており、1つ以上の経路を使用して特定の組成物を投与することができるが、特定の経路は、しばしば、別の経路よりも即時かつ有効な反応を提供することができる。
【0109】
造血幹細胞にDNAを導入するための方法が、例えば、米国特許第5,928,638号明細書に開示される。導入遺伝子の造血幹細胞、例えば、CD34+細胞への導入に有用なベクターには、アデノウイルス35型が含まれる。
【0110】
導入遺伝子の免疫細胞(例えば、T細胞)への導入に好適なベクターには、非組込みレンチウイルスベクターが含まれる。例えば、Ory et al.(1996)Proc.Natl.Acad.Sci.USA 93:11382−11388、Dull et al.(1998)J.Virol.72:8463−8471、Zuffery et al.(1998)J.Virol.72:9873−9880、Follenzi et al.(2000)Nature Genetics 25:217−222を参照されたい。
【0111】
医薬的に許容可能な担体は、投与されている特定の組成物によって、ならびに組成物を投与するために使用される特定の方法によってある程度決定される。したがって、下で説明するように、使用可能な医薬組成物の多種多様の好適な製剤が存在する(例えば、Remington‘s Pharmaceutical Sciences,17th ed.,1989を参照)。
【0112】
上述のように、開示される方法および組成物には、原核細胞、真菌細胞、古細菌細胞、植物細胞、昆虫細胞、動物細胞、脊椎動物細胞、哺乳類細胞、およびヒト細胞が含まれるが、これらに限定されない、任意の種類の細胞で使用することができる。タンパク質発現に好適な細胞株が当業者に知られており、COS、CHO(例えば、CHO−S、CHO−K1、CHO−DG44、CHO−DUXB11)、VERO、MDCK、WI38、V79、B14AF28−G3、BHK、HaK、NS0、SP2/0−Ag14、HeLa、HEK293(例えば、HEK293−F、HEK293−H、HEK293−T)、perC6、昆虫細胞(ツマジロクサヨトウ(Sf)等)、および真菌細胞(サッカロミセス、ピチアおよびシゾサッカロミセス等)が含まれるが、これらに限定されない。これらの細胞株の子孫、変種、および誘導体を使用することもできる。
【0113】
キット
組成物(例えば、亜鉛フィンガータンパク質、亜鉛フィンガーをコードするタンパク質ポリヌクレオチド、融合タンパク質をコードする融合タンパク質および/またはポリヌクレオチド)の1つ以上を含むキットが、本明細書に記載される。ある特定の実施形態では、キットには、通常、亜鉛フィンガータンパク質(または同一物をコードするポリヌクレオチド)を含む1つ以上の容器が含まれる。キットには、本明細書に記載される方法(例えば、ニューロパチーの治療)のいずれかのために、タンパク質またはポリヌクレオチドの使用に関する指示、通常は書面での指示の好適なセットがさらに含まれ得る。キットには、任意の便利かつ適切なパッケージングが含まれる。指示には、通常、投与量、投薬スケジュール、および所望の使用法のための投与の経路についての情報が含まれる。容器は、単位用量、大量包装(例えば、複数用量包装)、または副次的単位用量であり得る。本発明のキット内に提供される指示は、典型的には、ラベルまたは添付文書(例えば、キット内に含まれる紙シート)上の書面での指示であるが、機械可読な指示(例えば、磁気または光学式記憶ディスクに保有される指示)も許容範囲である。
【0114】
用途
治療および研究用途を含むが、これらに限定されない、NT−3またはGDNFの調節が望ましい任意の用途のために、開示される組成物および方法を使用することができる。
【0115】
治療薬としてのNT−3活性化ZFP TF、またはNT−3活性化ZFP TFを含有する幹細胞を使用することができる疾病および状態には、糖尿病性ニューロパチー(DN)、化学療法誘発ニューロパチー、シャルコーマリーツース病、神経因性疼痛、脊髄損傷、パーキンソン病、網膜変性等が含まれるが、これらに限定されない。
【0116】
上述のように、VEGF活性化ZFP−TFは、糖尿病性ニューロパチーの治療のために現在試験されている。NT−3活性化転写因子(例えば、ZFP−TF)は、NT−3の活性化が、VEGF活性化に続く血管形成の誘導に関連する安全性の懸念を提起しない時に、これらのVEGF活性化ZFP−TFに対する代替物を提供する。同様に、化学療法を受ける癌患者は、しばしば、ニューロパチーを罹る。多くの癌において、VEGFの活性化は、癌の進行を促進し得る。したがって、NT−3 ZFP、またはNT−3 ZFPを含有する幹細胞は、糖尿病性ニューロパチーおよび化学療法誘発ニューロパチーのための代替治療を提供する。
【0117】
本明細書に記載されるZFP−TFまたはNT−3 ZFPを含有する幹細胞を使用してのNT−3の調節(活性化)を使用して、シャルコーマリーツース(CMT)病、足、下肢、手、前腕の筋肉の緩徐進行性変性を特徴とする一般的な遺伝性神経障害、ならびに肢、指、および爪先の軽度の感覚喪失を治療することができる。これらの疾病に対する治療剤はないが、最近のパイロット臨床研究は、NT−3の皮下注入が臨床的有益性を提供することができたことを示唆した。Sahenk et al.(2005)Neurology 65:681−9を参照されたい。NT−3に基づくZFP−TFアプローチは、生理学的に関連性のあるレベルでNT−3発現を誘発するその能力の結果、cDNAまたはタンパク質よりも有効であることを判明し得る。
【0118】
慢性疼痛とも見なされる神経因性疼痛は、神経、脊髄、または脳の損傷からもたらされる複雑な障害である。米国特許出願公開第2006/0040880号明細書には、VR1、NaV1.8、およびTrkAを標的としたZFP−TFで神経因性疼痛を治療する方法が記載される。近年、NT−3は、神経因性疼痛状態と関係するナトリウムチャンネル発現を著しく減少させたことが見出されており(例えば、Wilson−Gerwing et al.(2008)Exp Neurol.213(2):303−14.を参照)、NT−3が疼痛を調節することに関与することを示す。この関連で、NT−3活性化ZFP−TFを使用して、そのような治療を必要とする対象において神経因性疼痛を治療することができる。
【0119】
同様に、GDNF調節ZFP−TF、またはGDNF ZFP TFを含有する幹細胞を使用して、パーキンソン病、ハンチントン病、網膜変性、および筋萎縮性側索硬化症(ALS)を治療することができる。GDNFは、黒質におけるドーパミンニューロンにとって強力な栄養素であり、その損失がパーキンソン病を引き起こす。パーキンソン病の動物モデルにおけるGDNFの有効性は、GDNFタンパク質およびGDNF cDNAの過剰発現の両方で示されている。しかしながら、GDNFを使用した臨床試験は、パーキンソン病の患者に対する治療的有用性を示し損ね、それは、タンパク質の非常に高い用量の不正確な送達の結果であり得る(Lang et al.,2006、上記)。さらに、GDNF発現のより大きい生理学的レベルを誘導するGDNFのZFP活性化は、より優れた治療結果を提供する可能性がある。
【0120】
GDNF標的ZFP、またはGDNF標的ZFPを含有する幹細胞を使用して、ハンチントン病(HD)、線条体におけるGABA性中型有棘ニューロンの進行性喪失を伴う神経変性障害を治療することができる。GDNFは、興奮毒性障害に対して線条体ニューロンを保護するように示されており、線条体におけるアデノ関連ウイルス(AAV)媒介GDNF発現は、ラットHDモデルにおいて神経保護作用をもたらした。Kells et al.(2004)Mol.Ther.9:682−288を参照されたい。したがって、GDNFのZFP活性化を使用して、HD患者において、線条体ニューロン損失を予防または遅延するために内因性GDNFの産生を増加することができた。
【0121】
本明細書に記載されるGDNFおよび/またはNT−3の調節を使用して、網膜変性を治療または予防することができる。網膜変性には、はっきり異なる突然変異に起因する多くの異なる状態が含まれ、その全てが視細胞の喪失を招く。網膜変性と関連する疾病には、網膜色素変性、緑内障、加齢性黄斑変性症(AMD)、および尿病性網膜症が含まれるが、これらに限定されない。GDNFは、インビトロで単離された視細胞の生存を促進することを示しており、いくつかの研究は、GDNFタンパク質の眼内注入または遺伝子導入によるGDNFの高い発現が、網膜変性のモデルにおいて桿体細胞死を遅くすることを示している(Frasson et al.(1999)Invest Ophthalmol Vis.Sci.40:2724−2734、McGee et al.(2001)Mol. Ther.4:622−629)。したがって、視細胞を保護するために、GDNFの生理学的に関連性のあるレベルを誘導するように、GDNFのZFP活性化剤を眼内で送達することができる。最近の証拠は、AMDの治療のための網膜への幹細胞移植の可能性を示唆する(Idelson et al,(2009)Cell Stem Cell 5(4):396−408)。したがって、GDNFのZFP活性化剤を含有し、その後変性網膜内に移植された幹細胞は、この状態に関連する疾病のための実行可能な治療を表し得る。同様に、NT−3は、網膜神経節分化および生存を促進することが示されている(De La Rossa et al,(1994)Neuroscience 58:347−352)。したがって、ZFP TF標的NT−3は、眼内注入後に視細胞を保護し得る。
【0122】
筋萎縮性側索硬化症(ALS)の治療のために、本明細書に記載される亜鉛フィンガー転写因子を使用することができる。ALSは、運動ニューロンの損失に起因する進行性神経変性疾患である。GDNFは、運動ニューロンを保護することが示されており、AAV媒介GDNF過剰発現は、ALSのためのマウスモデルにおいて、神経保護的効果を示した(Wang et al.(2002)J.Neurosci.22:6920−6928)。重ねて、生理学的レベルのGDNFを提供する、GDNFを標的としたZFP、またはGDNFに特異的なZFPを含有する幹細胞を、ALS患者における運動ニューロンの生存を促進するために使用することができる。
【0123】
嗜癖行動の治療のために、本明細書に記載される組成物を使用することもできる。例えば、高GDNFレベルは、アルコールおよび薬物依存症の動物モデルにおいて、嗜癖行動を減少させることが示されている。Green−Sadan et al.(2005)Exp.Neurol.194:97−105を参照されたい。本明細書に記載されるGDNFのZFP活性化剤を使用して、内因性GDNFの発現を誘導し、アルコールおよび/または薬物依存症を治療することができる。
【実施例】
【0124】
実施例1:NT−3−ならびにGDNF標的亜鉛フィンガータンパク質転写因子(ZFP−TF)の設計および構築
NT−3またはGDNFを標的とした亜鉛フィンガータンパク質は、米国特許第6,534,261号明細書に記載されるように基本的に改変される。表1は、例示的な6フィンガーNT−3標的ZFPの認識ヘリックスを示す。表2は、例示的な6フィンガーGDNF標的ZFPの認識ヘリックスを示す。
【0125】
融合タンパク質が構築され、核局在化配列、NT−3遺伝子またはGDNF遺伝子を標的とした本明細書に記載される改変された亜鉛フィンガーDNA結合ドメイン、NF−kBのp65転写活性化ドメイン、およびFLAGエピトープタグを含んだ。図1Aを参照されたい。図1Bおよび1Cは、例示的なNT−3ならびにGDNF DNA結合ドメインを示す。
【0126】
実施例2:ヒト初代骨格筋細胞中のNT−3の活性化
筋肉内送達を介する糖尿病性ニューロパチーの治療のための、NT−3活性化ZFP−TF11971を使用する実行可能性を試験するために、以下の実験を実施した。
【0127】
Dull et al.(1998)J. Virol.72:8463−8471およびZufferey et al.(1998)J.Virol.72:9873−9880に記載されている、ウッドチャック肝炎ウイルス転写後調節要素(WPRE)およびポリ尿路(polyurine tract)を含有する自己不活性化HIV由来ベクターRRLを、CMVプロモーターの制御下で、適切な導入遺伝子発現カセット(NT−3標的ZFP−TF11971−p65またはGFP)を担持するように修飾した。基本的に、Tiscornia et al.(2006)Nat.Protoc.1:241−245に記載されている、4個のプラスミドを有する293T細胞の一過性トランスフェクション、特異的導入遺伝子発現(すなわち、ZFP TF11971−p65、またはGFP)のためのレンチウイルス転移ベクター、および3つの追加のパッケージング構築体pMDL、pREV、pVSV−G(インビトロゲン)で、製造業者の指示に従ってリポフェクタミン(商標)2000(インビトロゲン)を使用して、レンチウイルスベクターを調製した。トランスフェクションの16時間後に、トランスフェクション培地を成長培地に交換した。次に、さらに24時間および48時間培養し、3000rpmの回転数で10分間遠心分離した後、ウイルスを含有する培地を回収した。0.22μMのフィルターを通して上清を濾過し、28,000rpm回の回転数で2時間の超遠心分離法によって150倍に濃縮した。次に、ウイルスストックを小アリコートにし、−70℃で保存した。
【0128】
ウイルス調製の感染力価を以下のように決定した。まず最初に、連続的に希釈されたGFPウイルスを使用して、293T細胞を2日間感染させ、フローサイトメトリーを使用してGFP陽性細胞の割合を定量化し、感染力価を得た。リアルタイムPCRに基づくプロトコルでZFPウイルスの感染力価を決定し、ウイルス感染した293T細胞からの組み込まれたレンチウイルスのコピー数を測定した。簡潔に言うと、293T細胞を、連続的に希釈されたウイルスストック(ZFP and GFP)に2日間感染させた。次に、ゲノムDNAを調製し、記載したリアルタイム定量PCR(Taqman(登録商標))を使用して、プロウイルスDNAのレベルを決定した(Liu et al.(2001)J.Biol.Chem.276:11323−11334)。細胞ごとのプロウイルスDNAのコピー数をハウスキーピング遺伝子(例えば、アルブミン)の正常化によって得て、同一の試料において同様に定量PCRで決定した。
【0129】
プロウイルスDNAプライマー/プローブセット(CCAACGAAGACAAGATCTGC(配列番号61)、TCCTGCGTCGAGAGAGCT(配列番号62)、FAM−CGCCCGAACAGGGACCTGAAAGC−BHQ1(配列番号63))ならびにアルブミンプライマー/プローブセット(TGAAACATACGTTCCCAAAGAGTTT(配列番号64)、CTCTCCTTCTCAGAAAGTGTGCATAT(配列番号65)、FAM−TGCTGAAACATTCACCTTCCATGCAGA−BHQ1(配列番号66))を使用して、プロウイルスおよびアルブミンDNAをそれぞれ定量化した。次に、GFPウイルスに対する(感染力価)/(細胞ごとのプロウイルスDNAの数)の比率を使用して、ZFPウイルスストックの感染力価を細胞ごとのプロウイルスDNAのコピー数から計算した。
【0130】
ベクターをLonza Walkersville,Inc(Walkersville,MD)から購入したヒト初代骨格筋細胞内に導入し、製造業者によって推奨される通りに維持した。
【0131】
A.NT−3 mRNA発現の分析
ヒトNT−3 mRNA発現を以下のように分析した。製造業者の推奨に従って、ハイピュアRNAアイソレーションキット(ロシュダイアグノスティックス)またはRNeasy(商標)キット(Qiagen,Valencia,CA)のいずれか一方を使用して全RNAを単離した。Liu et al.(2001)J.Biol.Chem.276:11323−11334に記載のように、ABI7700SDS機(Perkin−Elmer)で、96のウェルフォーマット内のTaqman(登録商標)化学を使用してリアルタイム定量RT−PCRを実行した。使用されたTaqman(登録商標)プライマーおよびプローブが以下に記載される。
【0132】
hNT−3
hNT3−743F GATAAACACTGGAACTCTCAGTGCAA(配列番号67)
hNT3−827R GCCAGCCCACGAGTTTATTGT(配列番号68)
hNT3−776P FAM−CAAACCTACGTCCGAGCACTGACTTCAGA−BHQ1(配列番号69)
【0133】
hNT3−1A
hNT3−1AF,AGCCAGGATAATGATGAGATCTTACA(配列番号70)
hNT3−1AR,GGAGATAAGCGAGAAATATCACATAAAA(配列番号71)
hNT3−1APro,FAM−TGAACAAGGTGATGTCCA−BHQ1(配列番号72)
【0134】
hNT3−1B
hNT3−1BF,TCGACGTCCCTGGAAACG(配列番号73)
hNT3−1BR,ACATAAAACAAGATGGACATCACCTT(配列番号74)
hNT3−1BPro,FAM−TGCCATGGTTACTTTTGCCACGATCTTACA−BHQ1(配列番号75)
【0135】
hGAPDH
hGAPDH−For,CCATGTTCGTCATGGGTGTGA(配列番号76)
hGAPDH−Rev,CATGGACTGTGGTCATGAGT(配列番号77)
hGAPDH−Pro,FAM−TCCTGCACCACCAACTGCTTAGCA−TAMRA(配列番号78)
【0136】
2つの代替プロモーター、プロモーターAおよびBでNT−3の転写を誘発し、2つの代替的に開始した転写物、転写物1Aおよび1Bをもたらす。転写物1Bは、NT−3タンパク質を発現する細胞内で主に発現される。
【0137】
図2Aに示されるように、ZFP−TF11971は、ヒトSKMC細胞内におけるNT−3転写物1Bの発現を優先的に促進した。
【0138】
B.NT−3タンパク質発現分析
48時間の蓄積期間後(すなわち、新鮮培地を細胞に塗布してから48時間後)に、分泌NT−3タンパク質レベルを培地中で決定した。製造業者の指示に従って、NT−3Emax(登録商標)ImmunoAssay System(Promega,Madison,WI)を使用して、培地のアリコート(200μl)をアッセイした。
【0139】
図2Bに示されるように、NT標的ZFP−TF11971−p65で治療された細胞は、偽形質導入した細胞よりも多くのNT−3タンパク質を産生した。
【0140】
これらの結果は、改変されたZFP−TF11971−p65が、ヒト骨格筋細胞中のmRNAおよびタンパク質レベルの両方において、NT−3を活性化する能力があることを示した。骨格筋は多くの感覚および運動ニューロンで神経支配されるため、ZFP−TF媒介NT−3活性化による骨格筋においてNT−3発現を促進することは、局所の神経系に有益な効果につながる可能性がある。
【0141】
実施例3:ラット初代骨格筋細胞におけるNT−3の活性化
ラット初代骨格筋細胞において、NT−3標的ZFP−TFがNT−3発現を調節する能力を同様に分析した。Hellsten et al.(1997)J.Physiol.504:695−704に記載のように、特に、ラット初代骨格筋細胞を調製した。簡潔に言えば、21日齢のラット胚の後肢から筋肉組織を切開し、0.1%(w/v)のブドウ糖を含有するリン酸緩衝生理食塩水中の0.1%(w/v)のコラゲナーゼおよび0.2%(w/v)のトリプシンで、37℃で30分間消化した。消化した組織を成長培地(10%のウマ血清を含有するDMEM(インビトロゲン)および2mM Lグルタミン)中に再懸濁した。10mlのピペットを用いて、機械的粉砕で細胞を解離した。1000rpmの回転数で5分間の遠心分離後、細胞ペレットを成長培地中に再懸濁した。細胞懸濁液を100μMのナイロンメッシュを通して濾過し、培養フラスコ内で45分間インキュベートした。未付着の筋芽細胞を回収し、0.1%(w/v)のゼラチン被覆プレート内に維持した。
【0142】
ラット骨格筋細胞を、11971−p65またはGFPをコードレンチウイルスベクターに、10〜50の感染効率で2日間感染させた。次に、細胞および培地を、それぞれ、NT−3 mRNA発現およびNT−3タンパク質分析のために回収した。実施例2に記載のように、NT−3タンパク質レベルを同様に分析した。
ラットNT−3 mRNA発現レベルのTaqman(登録商標)分析に関して、以下のプライマーであった。
rNT3 778F 5’− TGTGACAGTGAGAGCCTGTGG(配列番号79)
rNT3 846R 5’−TGTAACCTGGTGTCCCCGAA(配列番号80)
rNT3 800P 5’−FAM−TGACCGACAAGTCCTCAGCCATTGAC−BHQ1(配列番号81)
rGAPDH−For,CCCATGTTTGTGATGGGTGTG(配列番号82)
rGAPDH−Rev,ATCCTGCACCACCAACTGCTTAGC(配列番号83)
rGAPDH−Pro,FAM−ATCCTGCACCACCAACTGCTTAGC−TAMRA(配列番号84)
【0143】
図3Aおよび3Bに示されるように、NT−3標的ZFP−TFをコードするレンチウイルスベクターの形質導入は、NT−3 mRNA(図3A)およびNT−3タンパク質レベル(図3B)の両方を確実に増加させた。したがって、ZFP−TF11971−p65は、ラット初代骨格筋細胞内でNT−3遺伝子発現を活性化した。
【0144】
実施例4:NT−3標的ZFP−TFによる神経伝導速度の保護
ストレプトゾトシン誘発糖尿病性ニューロパチーの確立されたラットモデルにおいて、ニューロパチーに対するNT−3標的ZFP−TFの有効性も同様に試験した。
【0145】
NT−3活性化剤ZFP−TF11971−p65をコードするプラスミドベクター、およびVEGF活性化剤SB509を構築し、ここで、それぞれを、NT3、SB509と称する。SB509は糖尿病性ラットにおける神経伝導速度(NCV)の保護において有効であることが以前に示されている。例えば、Price et al.(2006)Diabetes 55:1847−1854を参照されたい。
【0146】
5%のポロキサマー188(BASF,Washington,NJ)の2mg/ml、150mmol/lのNaCl、および2mmol/lのTrisの濃度、pH8.0で、ベクター対照(トランス遺伝子なし)とともに両ベクターを製剤化した。
【0147】
ストレプトゾトシン(STZ)の腹腔内注入(55mg/kg)を介して、成人雄ウィスター系ラット(250〜300g、Charles River,UK)に糖尿病を誘発させた。血糖値が15mmol/l未満のラットはこの研究から除外した。日齢および体重が一致したラットを非糖尿病性対照として使用した。STZ糖尿病性ラットは、STZの2、4、および6週間後に、それらの左腓腹筋/ヒラメ筋の2つの部位間に分割された筋肉内注入(250μgの11971、SB509、またはベクターのみの対照のいずれか)を受けた。日齢および体重が一致したラットを非糖尿病性対照(1群につきn=8)として使用した。
【0148】
STZ治療の8週間後、ラットをイソフルレンで麻酔し、2つの部位(坐骨切痕およびアキレス腱)における刺激に応じて筋電図を足底筋から記録した。筋電図を、パワーラブ4刺激装置(1.5〜5.0、2msパルス)に接続する優れた経皮電極を介して引き出し、ABIスコープソフトウェアでパワーラブ4に記録した。2組のM波の間の潜時差を計算し、運動神経伝導速度(MNCV)を計算するために、2つの刺激ポイント(エクスビボで測定された)の間の神経間隔を関連付けた。H反射の潜時差を使用して、同様に感覚神経伝導速度(SNCV)を計算した。左側(注入)および右側(非注入)の両方に対してNCVを測定した。SNCVおよびMNCVデータは、群平均+/−標準偏差として表される。臨界実験は、左側NCV対右側NCVの比較であり、対T試験によって行われた。
【0149】
表4に示されるように、STZ治療は、体重の減少および血漿ブドウ糖レベルの増加によって示される、糖尿病の進行を招く。どの治療群も糖尿病のこれらの指標の変化をもたらさなかった。
【表4】

【0150】
図4に示されるように、両方のNT−3標的ZFP−TFは、感覚(図4A)および運動(図4B)神経伝導速度の両方を保護した。さらに、図4に示されるように、治療された側のNCVは、治療されていない側よりもはるかに高かった(n=10、SNCV、p=0.0027、MNCV、p=0.00004)。この効果は、陽性対照SB509の効果と類似しており、治療された側におけるNCV改善もまた観察された(n=9、SNCV、p=0.0014、MNCV、p=0.0002)。空ベクター対照を伴っては、NCVにおける効果は観察されなかった(n=9、SNCV、p=0.59、MNCV、p=0.19)。これらのデータは、糖尿病性ニューロパチーのラットモデルにおける感覚および運動神経伝導速度の両方を保護することにおけるNT−3標的ZFP−TFの有効性を示した。
【0151】
実施例5:内因性GDNFの活性化
本明細書に記載されるGDNF標的ZFPを、以下のようにラット、ヒト、およびアカゲザル由来細胞において評価した。
【0152】
A.ラット線条体ニューロン培養
18日齢の胎性スプラーグ/ドーリーラットラット線条体細胞を購入し、供給業者によって提案されるように調製した。簡潔に言えば、線条体組織をNeuroPapain(商標)を用いて30℃で30分間治療し、その後粉砕した。次に、B27(インビトロゲン)およびGlutamax(商標)で捕捉した神経基礎培地(インビトロゲン)中の、新たに被覆されたポリ−D−リジン(シグマ)6ウェルプレート上に、1ウェルにつき320,000細胞の密度で細胞を播種した。5%のCO2中で、37℃で3日間のインキュベート後、媒体の半分を新たな媒体に取り換え、さらに3〜4日間培養物を遷延した。
【0153】
培養ラット線条体細胞は、GDNFZFP−TF14172またはGFPを有するレンチウイルスに感染効率(MOI)10〜20で感染した。感染から48〜72時間後、ロシュ社のハイピュアRNAアイソレーションキットおよびTaqman(登録商標)7300リアルタイムPCRによって分析されたRNAを使用して、全RNAを感染した細胞から浄化した。GDNFおよびアクチンレベルを決定するために使用されたプライマーは、ラットGDNF:Rn00569510_m1齧歯類GDNF遺伝子発現アッセイ(Applied Biosystems)およびラットACTB:4352931E ACTB遺伝子発現アッセイ(Applied Biosystems)であった。
【0154】
加えて、培養ニューロンにおける分泌されたGDNFのレベルを以下のように決定した。簡潔に言えば、細胞上清を回収し、以下をわずかに修正して、GDNF Emax Immunoassay System(Promega)を使用してELISAに供した:使用された96ウェルプレートは、白色のFluoroNunc(商標)/LumiNunc(商標)プレートであり、セイヨウワサビペルオキシダーゼ検出試薬は、PierceのSupersignal west femto maximum sensitivity substrateであった。加えて、ブロックバッファを各試料に添加して1X最終濃度にした。
【0155】
図5Aおよび5Bに示されるように、ラット線条体細胞へのGDNF−ZFP14172の投与は、内因性GDNF発現を活性化し(図5A)、培養液中にGDNFタンパク質分泌を増加させた(図5B)。
【0156】
B.ヒト293LTV細胞
10%のFBSで捕捉したDMEMを用いて、ヒト293LTV細胞を培養した。1ウェルにつき1E5細胞の密度で、24ウェルプレート内に細胞を播種し、翌日、15961、17248、17276、および17287とした、ZFP−TFをコードするプラスミドDNAをトランスフェクトした。GFPをコードするプラスミドもまた、ベクター対照として含んだ。製造業者のプロトコルを使用して、FuGENE(登録商標)6試薬(Roche Applied Biosiences)でトランスフェクションを実行した。遺伝子発現分析をトランスフェクションの48時間後に実行した。特に、RocheのハイピュアRNAアイソレーションキットを使用して全RNAを浄化し、Taqman(登録商標)7300リアルタイムPCRを用いる遺伝子発現分析ために使用した。GDNFおよびアクチンレベルを決定するために使用されたプライマーは、ヒトGDNF:Hs00181185_m1またはHs01055329_m1遺伝子発現アッセイ(Applied Biosystems)およびヒトACTB:4352935E(Applied Biosystems)であった。
【0157】
図6に示されるように、本明細書に記載されるGDNF標的ZFPは、ヒトGDNF発現を活性化する。
【0158】
C.アカゲザルRF6A細胞
非必須アミノ酸、ピルビン酸ナトリウム、および10%のFBSで捕捉したMEMでアカゲザルRF6A細胞を維持した。SF溶液およびEH100プログラムを使用するAmaxa社の96ウェルシャトルを使用して、GDNF−ZFP 15961および17248(2E5細胞につき600ng)をコードするプラスミドDNAをフクレオフェクトした。以下のように、トランスフェクション後、48時間遺伝子発現分析を実行した。RocheのハイピュアRNAアイソレーションキットで全RNAを浄化し、TaqMan(登録商標)7300リアルタイムPCRを用いる遺伝子発現分析のために使用した。GDNFおよび18Sレベルを決定するために使用されたプライマー/プローブセットは、
h−rh−GDNF RT−Forward:CAAATGGCAGTGCTTCCTAGAAG(配列番号87)
h−rh−GDNF RT−Reverse:AGTTAAGACACAACCCCGGTTTT(配列番号88)
h−rh−GDNF RT−Probe:TGCAGCTGCCAACCCAGAGAATTCC(配列番号89)
18s RT−Forward:TTCCGATAACGAACGAGACTCT(配列番号90)
18s RT−Reverse:TGGCTGAACGCCACTTGTC(配列番号91)
18s RT−Probe TAACTAGTTACGCGACCCCCGAG(配列番号92)であった。
【0159】
図7に示されるように、本明細書に記載されるGDNF標的ZFPは、アカゲザルGDNF発現を活性化する。
【0160】
実施例6:GDNF−ZFPのインビボ分析
6−ヒドロキシドーパミン(6−OHDA)モデルのラットGDNFタンパク質レベルおよび行動データを以下のようにアッセイした。convection−enhanced delivery(CED)法を使用して、成人ラット(1つの群につきn=6)の線条体(1つの線条体につき10μL)にAAVベクター(GFPまたはGDNF−ZFP TF)を注入し、線条体内のベクター分布を最大にした。ベクター送達の4週間後、0.2%のアスコルビン酸塩を含む20μLの無菌生理食塩水中で懸濁した10μgの6−OHDAを、CED法によって右線条体に注入した。ラットを6−OHDA注入の3週間後に安楽死させた。
【0161】
3つの異なる行動評価、前肢無動、感覚運動怠慢、および回転行動を用いて、6−OHDA注入後に機能試験に取りかかった。
【0162】
A.前肢無動
基本的に、Schallert et al.(2000)Neuropharmacology 39:777に記載のように、標準の「円筒」試験を使用して前肢無動を評価した。簡潔に言えば、ラットを垂直円筒内に個別に配置し、それらが新しい環境を探索する時の、円筒の壁上のそれらの左および右前肢の配置を計数する。6−OHDA注入の後8日および14日後に、最初の20回の前肢配置を評価した。
【0163】
図8Aおよび8Bに示されるように、6−OHDA投与の8日(図8A)および14日(図8B)後において、AV−GFPで治療されたラットは右前肢の偏りを示した一方で、AAV−16655で治療されたラットは偏りが少なかった。14日目で、AAV−16655で治療されたラット(628%の右前肢)は、AAV2−GFPで治療されたラット(837%、Mann−Whitney P<0.05)よりも著しく小さい偏りであった。
【0164】
B.感覚運動怠慢
Fitzsimmons et al.(2006)Behav Brain Res 169:352に記載のように、「通路タスク」を使用して感覚運動怠慢を評価し、通路の左側または右側からの食物の回収を監視した。6−OHDA投与の9日後に、最初の20回の食物回収を記録した。
【0165】
図9に示されるように、6−OHDA投与を受けて、ほとんどのラットが左側(反対側)感覚運動怠慢を示した。6−OHDA投与の9日後の評価は、GFP対照ラットが右に偏り、6匹のラットのうちの5匹が通路の右側からのみ食物を摂取することを示した。AAV−16655ベクターで治療されたラットは、通路の右側から食物を選択する偏りがその時間の66±11%のみと少なく、AAV2−GFP対照(Mann−Whitney P<0.05)と比較して有意な効果があった。
【0166】
C.回転行動
アンフェタミンは、ドーパミンニューロンの末端からのドーパミンの放出を誘導する。ドーパミンニューロンの片側病変は、ラットが病変した側に向かって回転することを引き起こすドーパミンにおける大きな不均衡を引き起こす。したがって、Oiwa et al.(2003) Neurosurg 98:136に記載のように、5mg/kgのD−アンフェタミンの腹腔内投与を受けて誘導される回転数を計数するために、自動ロータメーターを使用してアンフェタミン誘発性回転行動を評価した。6−OHDA投与の15日間後、アンフェタミン注入後1時間ラットを評価した。
【0167】
AAV2−16655での治療は、AAV2−GFPで治療されたラットと比較して、6−OHDA投与の2週間後に回転行動の範囲において著しい減少をもたらした。AAV−16655は、対照AAV2−GFPラットの10.6±2.0と比較して、2.0±0.6rpmの回転のみを示すこれらのラットに高い保護レベルを与えた。図10を参照されたい。
【0168】
D.GDNF発現
GDNFZFP−TFを受けたラットおよび対照ラットにおけるGDNFタンパク質の濃度も同様に、市販のキット(Promega Corporation,Madison,WI)を用いて決定した。14172の対照AAV1およびAAV2GFPベクターまたはAAV1およびAAV2ベクターならびにGFPを対流強化送達(CED)法で注入し、注入の3週間後に完全な線条体を切開した。加えて、AAV−16655を注入され、6−OHDAで治療された、行動面で試験したラットの各半球から完全な線条体を切開した。線条体組織を液体窒素内でスナップ冷凍し、プロテアーゼ阻害剤(Mini Complete,Roche,Palo Alto,CA)で捕捉した300uLの溶解バッファ(Tropix,Applied Biosciences,Foster City,CA)中で、モデル100Fisher Science Dismembratorを均質化し、次に、13,000rpmの回転数で、4℃で15分間遠心分離した。GDNFに特異的な抗体で被覆したウェルに、標準、キット対照または試料を二重に添加した。
【0169】
5時間のインキュベート後、ウェルを徹底的に洗浄し、一晩インキュベートするために放置した各ウェルに、GDNFに対して酵素結合したポリクローナル抗体を添加した。次に、プレートを洗浄し、ペルオキシダーゼ標識二次抗体とともに2時間インキュベートした。次に、基質溶液(Supersignal、Pierce,Milwaukee,WI)を各ウェルに添加し、5分間のインキュベート後にプレートを解読した。相対発光量(RLU)として表されるFlx800マイクロプレートリーダー(Biotek,Winooski,VT)で化学ルミネッセンスを測定した。次に、標準曲線を参照して組織抽出物(pg/mL)中のGDNFの濃度を計算した。
【0170】
図11Aおよび11Bに示されるように、ZFP−TFで治療された全てのラットは、線条体組織中に、対照ラットよりも多くのGDNFタンパク質を有した。
【0171】
実施例7:代替の活性化ドメインによって改善されたNT−3タンパク質活性化
製造業者の指示通りに、Lipofectamine2000(インビトロゲン)によって、11971ZFP(11971−p65)と連結した1つのp65ドメインを含有する、または11971ZFP(11971−2x p65)もしくは23570ZFP(23570−2x p65)と連結した2つのp65ドメインを含有する0.5ugのプラスミドで、HEK293T細胞を過渡的にトランスフェクトした。48時間後に、培地中で分泌したNT−3タンパク質レベルを決定した。製造業者の指示に従って、NT−3 Emax ImmunoAssay System(Promega,Madison,WI)を使用して、培地のアリコート(200ul)をアッセイした。対照には、GFP発現プラスミドを伴うトランスフェクションおよび空ベクター(pcDNA)が含まれる。
【0172】
図12に示されるように、p65活性化ドメイン(11971−2x p65または23570−2xp65)の2つのコピーを含有するZFP候補で治療された細胞は、11971−p65をトランスフェクトした細胞よりも少なくとも10倍以上のNT−3タンパク質を産出した。したがって、p65活性化ドメインのコピーは、NT−3活性化を誘発するために、単一のp65ドメインよりもより効率的に作動する。結果は、11971または23570ZFPによる堅調なNT−3活性化を確証した。
【0173】
実施例8:ヒト293LTV細胞中のヒトGDNFの活性化
図13は、緑色蛍光タンパク質(GFP)発現プラスミドをトランスフェクトした細胞と比較して、Fugene(登録商標)6(Roche)を使用してZFP発現プラスミドをトランスフェクトしたヒト293LTV細胞中のヒトGDNF遺伝子活性化を示すグラフである。上の実施例5に記載のように、リアルタイムPCRによってGDNFおよびベータアクチンmRNAレベルを決定し、GDNFとベータアクチン(GDNF/ACTB)との間の割合として相対的なGDNFレベルを表した。この結果は、GDNF特異的ZFPによるGDNF活性化を示す。
【0174】
実施例9:アカゲザルLLC−MK2細胞中のアカゲザルGDNF発現の活性化
10%のFBSで捕捉したOpti−MEM(インビトロゲン)中でLLC−MK2細胞を維持し、プログラムA−23を使用するAmaxaのsingle cuvette nucleofection technology(Lonza AG)を使用してフクレオフェクトした。全RNAを48時間後に抽出し、実施例5に記載のプライマーを伴ってリアルタイムPCRを実行した。図14は、緑色蛍光タンパク質(GFP)ベクターまたは偽トランスフェクトした細胞をトランスフェクトした細胞と比較して、ZFP発現ベクターをフクレオフェクトしたアカゲザルLLC−MK2細胞中のアカゲザルGDNF遺伝子の活性化を示す。18Sに対するGDNFレベルを示す。このデータは、これらのZFP発現ベクターが、アカゲザル細胞中のGDNF発現を誘導する能力があること示す。
【0175】
実施例10:インビボでの眼内のラットGDNFの刺激
ラットGDNF活性化剤(AAV ZFP TF−14172)およびGFP対照(AAV−GFP)をコードするAAV−2ベクターを正常ラットの網膜下腔に注入した。注入の6週間後、RNAを眼杯から単離し、リアルタイムRT−PCRでGDNF mRNAのレベルを測定した。AAV−GFPを注入した眼と比較して、AAV2 ZFP TF−14172を注入した眼において、GDNF mRNAレベルで5倍までの増加を観察し(図15を参照)、GDNF特異的ZFPのインビボでの活性を示した。
【0176】
実施例11:RCSラットにおける錐体機能の維持
生後21日齢(P21)で、RCS(Royal College of Surgeon)ラットにAAV−GFPまたはAAV−16655の網膜下注入を行った。RCSラットは、ヒトにおいて常染色体劣性網膜色素変性症を引き起こすMertk遺伝子内で突然変異を担持する。P60で、網膜電図(ERG)を実行し、杆体および錐体視細胞の機能を評価した。4cd−s/m2の刺激強度で、AAV−GFP(p=0.0006)を注入した眼において51.9±26.0μVであったことと比較して、AAV−16655を注入した眼において平均暗順応b波振幅は97.9±54.3μVであり、杆体機能の維持を示唆した(図15を参照)。25cd−s/m2の刺激強度で、平均明順応b波振幅は、AAV−GFP(p=0.0058)を注入した眼において37.7±10.8μVであったことと比較して、AAV−16655を注入した眼において62.5±36.9であり、錐体機能の維持を示唆した。
【0177】
本明細書で言及された全ての特許、特許出願、および刊行物は、参照によりそれらの全体が組み込まれる。
【0178】
理解の明瞭化を目的とした図示および例のために、本開示を多少詳しく提供したが、本開示の精神または範囲から逸脱することなく、多様な変更および修正を実施することができることは当業者には明らかである。したがって、前述の説明および例を限定的であると見なすべきではない。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
NT−3またはGDNFの発現を調節する亜鉛フィンガータンパク質であって、表1または2の列に示される認識ヘリックスを含む、亜鉛フィンガータンパク質。
【請求項2】
請求項1に記載の亜鉛フィンガータンパク質および機能ドメインを含む、融合タンパク質。
【請求項3】
前記機能ドメインは、活性化ドメインまたは抑制ドメインである転写調節ドメインである、請求項2に記載の融合タンパク質。
【請求項4】
請求項1に記載の亜鉛フィンガータンパク質または請求項2もしくは3に記載の融合タンパク質をコードする、ポリヌクレオチド。
【請求項5】
請求項1に記載の亜鉛フィンガータンパク質、請求項2もしくは3に記載の融合タンパク質、または請求項4に記載のポリヌクレオチドを含む、薬学的組成物。
【請求項6】
請求項1に記載の亜鉛フィンガータンパク質、請求項2もしくは3に記載の融合タンパク質、請求項4に記載のポリヌクレオチド、または請求項5に記載の薬学的組成物を含む、単離細胞。
【請求項7】
前記細胞は幹細胞である、請求項6に記載の単離細胞。
【請求項8】
ニューロパチーを特徴とする状態を治療または予防する方法であって、
NT−3またはGDNF発現を活性化する亜鉛フィンガータンパク質を、それを必要とする対象に投与することを含む、方法。
【請求項9】
ニューロパチーを特徴とする状態の治療または予防における、NT−3またはGDNF発現を活性化する、亜鉛フィンガータンパク質の使用。
【請求項10】
前記亜鉛フィンガータンパク質は、ポリヌクレオチドとして投与される、請求項8に記載の方法または請求項9に記載の使用。
【請求項11】
前記ポリヌクレオチドは、非ウイルスベクターまたはウイルスベクターに担持される、請求項10に記載の方法または使用。
【請求項12】
前記亜鉛フィンガータンパク質は、それを必要とする対象に投与される幹細胞中に存在する、請求項8〜11のいずれかに記載の方法または使用。
【請求項13】
前記状態は、網膜変性の結果であるか、または嗜癖行動と関連する、糖尿病性ニューロパチー、パーキンソン病、化学療法誘発ニューロパチー、シャルコーマリーツース病である、請求項8〜12のいずれかに記載の方法または使用。
【請求項14】
前記亜鉛フィンガータンパク質は、請求項1に記載の亜鉛フィンガータンパク質、請求項2もしくは3に記載の融合タンパク質、請求項4に記載のポリヌクレオチド、または請求項5に記載の薬学的組成物を含む、請求項8〜13のいずれかに記載の方法または使用。

【図1】
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【図2A】
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【図2B】
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【図3】
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【図4A】
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【図4B】
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【図5A】
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【図5B】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【公表番号】特表2012−516697(P2012−516697A)
【公表日】平成24年7月26日(2012.7.26)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−549158(P2011−549158)
【出願日】平成22年2月4日(2010.2.4)
【国際出願番号】PCT/US2010/000316
【国際公開番号】WO2010/090744
【国際公開日】平成22年8月12日(2010.8.12)
【出願人】(302043837)サンガモ バイオサイエンシズ インコーポレイテッド (11)
【Fターム(参考)】