ニードルキャップイジェクターを備えた放射線遮蔽シリンジ
本発明は、放射性医薬品シリンジ、およびこのシリンジの少なくとも一部分の周りに配置された放射線シールド(101)を含む放射線遮蔽シリンジアセンブリに関する。この放射線シールドは、シリンジのニードルからニードルキャップ(125)を除去する際に使用者を支援するため(すなわち、注入を実施するため)のニードルキャップイジェクター(155)を含み得る。例えば、いくつかの実施形態では、使用者は、このニードルキャップイジェクターを押しつけ/押し、シリンジのニードルからこのニードルキャップを離脱する。上記放射線シールドおよびニードルキャップイジェクターは、ニードルキャップがシリンジのニードルから除去され得、その一方、使用者は、シリンジ内の放射性医薬品から発せられる放射線への所望されない曝露から遮蔽されるように設計され得る。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
(発明の分野)
本発明は、一般に、放射性物質を遮蔽するための放射線遮蔽デバイスに、そしてより詳細には、付随するニードルを有するシリンジ中に含まれる放射性医薬品を安全に取り扱うために用いられる放射線遮蔽デバイスに関する。
【背景技術】
【0002】
(背景)
核医学は、種々の研究、診断および治療適用のために放射性物質(例えば、放射性同位元素)を用いる医学の部門である。放射性製薬学は、特定の手順における使用のために放射性物質を適合するために1つ以上の放射性物質をその他の物質と組み合わせることにより、種々の放射性医薬品(すなわち、放射活性医薬品)を生成する。
【0003】
放射性同位元素および液体放射性医薬品を含む溶液が、放射性医薬品の調製および使用の間の種々の時間で、シリンジ内に含まれることは一般的である。例えば、放射性同位元素含有溶出液(例えば、放射性同位元素発生機から得られたテクネチウム−99を含む溶液)は、しばしば、その溶出液から特定の放射性医薬品の用量を調製するためにシリンジによって汲み上げられる。同様に、シリンジは、患者に液体放射性医薬品の用量を注入するために用いられ得る。これらシリンジは、しばしば、ニードル(例えば、皮下ニードル)を含み、これは、コンテナの隔膜シールおよび/または放射性医薬品注入を受ける患者の皮膚を貫通するために用いられ得る。偶発的なニードル突き刺し損傷を防ぐために、これらシリンジのニードルは、一般に、シリンジに離脱可能に取り付けられる保護ニードルキャップによって覆われている。
【0004】
放射線曝露はまた、放射性物質を含むシリンジを頻繁に取り扱う者にとって危険である。放射性物質を含むシリンジは、一般に、このシリンジを取り扱う者への放射線曝露を低減するように放射線シールド内に配置される。これら放射線シールドは、鉛、タングステン、劣化ウラン、または類似の高密度物質を含む。放射線シールドは、一般に、シリンジの外筒を収容する空洞を規定する管状の遮蔽本体を含む。例えば、いくつかの放射線シールドの本体は、シリンジ外筒の側面の周りを周縁方向に、ほぼその長さに亘って延びるスリーブ(例えば、断面が実質的に円形)である。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
多くの放射線シールドが、放射性物質のシリンジ中への吸引および/またはシリンジからの放射性物質の注射の間で用いられる。放射性物質の吸引および/または注入を容易にするために、ニードル(そして恐らくニードルに接続する外筒の比較的小さな部分)は、遮蔽本体の前端部にある開口部を通って上記空洞の外部まで延び、その結果、ニードルの先端部は、放射線シールドの外部まで延び、そして隔膜でシールされたコンテナまたは被験体の皮膚を貫通し得る。不幸なことに、シリンジ中の放射性物質によって発せられた放射線は、その開口部を通って逃れ得る。さらに、使用者は、シリンジから保護ニードルキャップを外している間、彼らの手を、その開口部に緊密に近接して配置し得る。それ故、使用者は、所望されずに、遮蔽本体の前端部にある開口部を通って放射線シールドを逃れる放射線に曝され得る。
【課題を解決するための手段】
【0006】
(要旨)
本発明は、特定の実施形態で、ニードルキャップイジェクターを装備した放射線遮蔽シリンジ、および放射線遮蔽シリンジからニードルキャップのを取り外す方法に関する。本発明の特定の例示の局面は以下に提示される。これらの局面は、本発明がとり得る特定の形態の簡単な要旨を読者に単に提供するために提示され、しかもこれらの局面は、本発明の範囲を制限することは意図されないことが理解されるべきである。実際、本発明は、以下に提示されないかも知れない種々の特徴および局面を包含し得る。
【0007】
本発明の1つの局面は、シリンジ、放射線シールド、ニードルキャップ、およびニードルキャップイジェクターを含む放射線遮蔽アセンブリに関する。このアセンブリのシリンジは、放射性物質を含むための外筒およびこの外筒の1つの端部にあるニードルの両方を含む。このニードルキャップは、上記シリンジに離脱可能に取り付けられ、そしてこのニードルの少なくとも先端部を覆う。このアセンブリの放射線シールドは、その中に規定された空洞、およびこの空洞中に延びる少なくとも1つの開口部を有する。このシリンジの外筒の少なくとも一部分は、上記放射線シールドの空洞内に位置決めれさ、そして上記ニードルの少なくとも先端部を含む上記シリンジの少なくとも一部分は、上記放射線シールド中の開口部を通って上記放射線シールドの外部まで突出する。このアセンブリのニードルキャップイジェクターは、上記シリンジからニードルキャップを選択的に離脱するために利用され得る。このニードルキャップイジェクターは、上記遮蔽シールドから離れた開口部の軸方向投影内のすべての位置によって規定される放射線曝露のゾーンの外側に位置する係合表面を有する係合部材を含む。このニードルキャップイジェクターは、上記ニードルキャップが上記シリンジから、上記係合表面への離脱力の手動付与により離脱され得るように配列される。例えば、人は、上記ニードルキャップを上記シリンジから、上記放射線シールドの外側に位置されるニードルキャップイジェクターの一部分に力を手動で付与することにより離脱し得る。人は、上記ニードルから上記ニードルキャップを離脱するために上記遮蔽シールド中の開口部から十分遠隔にある上記アセンブリの構造物に必要な力を付与し得るので、上記放射線遮蔽シリンジアセンブリは、ヒトの放射線への曝露を制限するために利用され得る。
【0008】
本発明の別の局面は、シリンジのための放射線シールドに関する。この放射線シールドは、放射線遮蔽物質(例えば、鉛、タングステン、タングステン−含浸プラスチックなど)から作製される本体を有する。シリンジ外筒の少なくとも一部分を受容するためにこのシールド内側に規定される空洞がある。この放射線シールドの前端部に規定される開口部がまたあり、これを通り、シリンジニードルの少なくとも先端部は、シリンジが放射線シールド内にあるときに突出する。上記放射線シールドの本体は、人がニードルキャップイジェクターに力を付与するときシリンジからニードルキャップを離脱するために利用され得るニードルキャップエジェクターを支持する。このニードルキャップイジェクターは、人が放射線シールドの開口部から遠隔にいる位置でニードルキャップを離脱するために必要な力を付与し得るように配列され得、それによって、放射線への不必要な曝露を潜在的に低減する。
【0009】
本発明のなお別の局面は、シリンジおよびこのシリンジの少なくとも一部分の周りに配置された放射線シールドを含む放射線遮蔽アセンブリを用いる方法に関する。この方法では、力(例えば使用者によって付与される)が、放射線シールドの放射線遮蔽物質がエジェクターとシリンジの外筒との間に位置されながら一方で上記シリンジアセンブリのニードルキャップイジェクター対して奏される。この力を奏することに起因して、ニードルキャップは、シリンジのニードルから離脱される。
【0010】
本発明の種々の局面に関係して上記に記載の特徴の種々の改良点が存在する。さらなる特徴もまた、同様にこれらの種々の局面に取り込まれ得る。これらの改良点およびさらなる特徴は、個々に、または任意の組み合わせで存在し得る。例えば、1つ以上の示される実施形態に関連して以下で論議される種々の特徴は、単独または組み合わせて本発明の上記に記載の局面のいずれかに取り込まれ得る。ここで再び、上記で提示される簡単な要旨は、読者に、請求項に記載の主題に対する制限なくして、本発明の特定の局面および文脈を親しませることのみが意図される。
【発明を実施するための最良の形態】
【0011】
(例示の実施形態の詳細な説明)
本発明の1つ以上の特定の実施形態が以下に示される。これら実施形態の簡潔な説明を提供する努力において、実際の履行のすべての特徴は、本明細書には説明されないかも知れない。任意の実際の履行の進展において、任意の工業技術または設計プロジェクトにおけるように、多くの履行に特有の決定が、システム関連およびビジネス関連の制約の遵守のような、履行毎に変動し得る、進展者の特有の目的を達成するためになされなければならない。さらに、このような進展努力は複雑かつ時間を浪費し得るが、それにもかかわらず、本開示の利益を有する当業者にとって、設計、製作、および製造の慣用の事業活動であり得る。
【0012】
ここで、図面、最初に図1〜3を参照して、本発明の放射線シールドの1つの実施形態は、一般に、101で指定される。この放射線シールド101は、1つ以上の放射性物質120(例えば、放射性同位元素含有溶出液のような、またはそれを含む放射性医薬品)を含むシリンジ103との使用のために適している。この放射線シールド101は、例えば、それが鉛、劣化ウラン、タングステン、または別の適切に放射線に密な物質の1つ以上を含むことによって、放射線を吸収するように構築された実質的に管状の放射線遮蔽本体105を備える。この遮蔽本体105は、その中に規定される、図3〜4Cに示されるアセンブリ111を形成するように空洞内にシリンジ103の外筒109の少なくとも一部分を受容するための空洞107を有する。
【0013】
図面中に示される放射線シールド101の本体105は、実質的に上記外筒の全長に沿って上記シリンジ外筒109の側面の周りで周縁方向に延びるスリーブを形成するような形状である。より詳細には、本体105は、示された実施形態ではこれもまたほぼ管状であるシリンジ外筒109を受容するために適切なほぼ管状の空洞107を規定する管状であり得る。この本体105は、使用者が片手に放射線シールド101を保持し得るようなサイズである。この本体105はまた、使用者の手(片手または両手)が、この放射線シールド101を片手または両手に保持する間、空洞107中で発せられる放射線から遮蔽され得るような形状であり、かつ配列される。当業者は、この本体を作製する特定の物質(単数または複数)を考慮し、そして空洞107中に含まれるべき放射性材料(単数または複数)の特徴を考慮して放射線遮蔽の所望のレベルを提供するための本体105の厚みを選択する方法を知っている。さらに、この本体105は、本発明の範囲から逸脱することなく示されるのとは異なった形態であり得る。
【0014】
図3〜4Cに示されるシリンジ103は、シリンジ外筒109の前端部に(例えば、ルアー接続で)取り付けられたニードル121(図4A)を有する従来のシリンジである。図4Aには示されるが、その他の図では省略されている放射性物質120(例えば、放射性医薬品)は、シリンジ外筒109中に含まれる。保護ニードルキャップ125はシリンジ103に取り付けられ(例えば、シリンジ外筒109の前部に)、その結果、ニードルキャップは、ニードル121の少なくとも先端部を覆う。図面に示されるニードルキャップ125は、その中にニードルを受容するための開放端部、およびこのニードルキャップの反対の端部にある閉鎖端部を有するほぼ漏斗形状のシースを備える。このニードルキャップの開放端部には軸方向に面する表面131がある。図面に示される実施形態では、このニードルキャップ125は、その開放端部で半径方向の外方に延び、このニードルキャップの開放端部でほぼ平坦に軸方向に面する表面131を生じる環状フランジ133を有する。しかし、このフランジ133は、本発明のためには必要ではない。ニードルキャップ125がニードル121の上の配置され、そしてこのニードルキャップの開放端部がシリンジ103に取り付けられるとき、ニードルは、ニードルキャップの保護シース内に完全に囲われる。当業者に公知であるように、ニードルキャップがシリンジ103に離脱可能に取り付けられる種々の方法がある。このニードルキャップは、本発明の範囲から逸脱することなく、このニードルキャップがそれを押しシリンジから離すことにことりにより解放され得、そして種々の位置(例えば、シリンジ外筒で、ニードルで、ニードルをシリンジ外筒に接続するために用いられる接続部材で、など)でシリンジに取り付けられ得る実質的に任意の取り付けシステムを用い得る。例えば、この接続は、ニードルキャップ125のシリンジ103との締まりばめによってであり得る。図面に示されるニードルキャップ125とは異なる形態を有するニードルキャップが、本発明の範囲から逸脱することなく用いられ得る。
【0015】
放射線シールド101の本体105は、その中に規定される開口部141を有し、上記開口部を通ってシリンジ103の外筒109中への物質の送達(例えば、ニードルを通ってシリンジ外筒中に放射性医薬品の吸引)のために、そして/または開口部を通り空洞の外部113へのシリンジの外筒中に含まれる物質の送達(例えば、ニードルを用いる放射性医薬品の注入の間)のためにニードル121がその前端部で空洞107から突出することを可能にする。図3〜4Cに示されるように、ニードル121の少なくとも先端部そして恐らくはシリンジ外筒109の前部を含むシリンジ103の前部は、この開口部141を通って空洞107の外部113まで突出し、その結果、ニードルの先端部は、シリンジからニードルキャップ125を取り除くことによって剥き出され得る。さらに、ニードル121の先端部が剥き出された後、ニードルは、シリンジ103が、放射線シールド101内に残したままで、残る一方で(例えば、供給コンテナの)隔膜シールを貫通するか、または患者の皮膚を貫通するために用いられ得る。
【0016】
図1〜4Cに示される実施形態では、放射線シールド101の本体105は、その中に規定される、その後部で空洞107中に延びる別の開口部143を有する。シリンジ外筒109中にスライド可能に受容されるシリンジプランジャー147は、この外筒の内側から放射線シールド101の外部113まで後部開口部143を通って延び、その結果、使用者は、プランジャーにアクセスし得、放射性物質をシリンジ103中に吸引し、そして/または放射性物質をシリンジから駆逐する。プランジャー147、または少なくともその一部分は、1つ以上の放射線遮蔽物質(示されず)を含み得、後部開口部143を通って空洞107中に発せられる放射線の逃避をブロックする。
【0017】
放射性物質を含むシリンジ103が空洞107中にあるとき、この空洞中に発せられた放射線について実質的に遮断されない経路があり、前部開口部141を通って放射線シールド101を逃れる。それ故、開口部141に隣接する増加した放射線の脅威がある。放射線は、ほぼ直線状の経路に沿って進むので、外筒109中に含まれる放射性物質に対して(放射線に実質的に透明である目的物を無視する)視界の見通し線(direct line)を有する開口部に隣接するすべての点を含むゾーンZ1は、増加した放射線の脅威のゾーンを表す。このゾーンZ1は、上記開口部から離れて、放射線がある距離を伝搬した後、放射線の減衰および/または分散のために比較的安全である距離まで延びる。このゾーンZ1の形状は、開口部141の形状およびシリンジ外筒109の形状に依存する。示される実施形態では、例えば、この開口部141は実質的に円形であり、そして外筒109は実質的に円筒形であり、ゾーンZ1は、シリンジ外筒109の少なくとも一部分まで視界の見通し線を有し、しかも、開口部141から離れて延びるときに広がる空洞107/シリンジ外筒の長手方向軸151と同軸に整列された円錐または円錐台形状を有する。
【0018】
放射線への曝露の脅威は、開口部141において、およびこの開口部から短距離離れて空洞107/シリンジ外筒109の長手方向軸151に沿って最大である。例えば、この長手軸方向軸151に沿った開口部141の軸方向投影内のこの開口部に隣接するすべての点を含むように規定されるゾーンZ2は、ゾーンZ1のエッジより大きい放射線脅威にほぼ対応する。示される実施形態では、例えば、ゾーンZ2内の位置は、実質的に全体のシリンジ外筒109に対する、そしてそれ故、直接の見通し線を有するので、その中の実質量の放射性物質に対する視界の見通し線を有し、その一方、ゾーンZ1のエッジにある位置は、シリンジ外筒109の小部分に対し視界の見通し線を有するに過ぎない。
【0019】
図4Aに示されるように、ニードルキャップ125は、開口部141でシリンジ外筒109に接続され得る。換言すれば、このニードルキャップ125(およびシリンジ103との接続部を作製するニードルキャップの部分)は、ゾーンZ1内に、そしてより詳細にはZ2内に、そしてなおより詳細には、放射線シールド101の前部開口部141の正面に位置される。それ故、このニードルキャップ125は、最大の放射線に曝される領域中に位置される。
【0020】
小量の放射性物質がシリンジ中の外筒109の前方に存在し得ることが理解される。例えば、放射性流体の少なくともいくらかの残渣が、ニードル121を通じて外筒109中に吸引された後にこのニードルに残る可能性がある。さらに、いくらかの放射性物質が、ニードル121をシリンジ外筒109に接続する形成物中に存在し得る。シリンジ外筒109の前方のシリンジ103中に位置決めされ得る所定量の物質は、上記シリンジ外筒中に含まれ得る量よりは顕著に少ないことが認識される。それ故、外筒中で発せられるより、シリンジ中の外筒109の前方にある任意の放射性物質によって発せられる実質的により少ない放射線がある。従って、シリンジ外筒109の前方のシリンジ103中の物質により発せられる放射線への曝露は、上記シリンジ外筒中のより大きな量の物質によって発せられる放射線への曝露ほど重要ではない。
【0021】
放射線シールド101は、イジェクターの係合部材157の係合表面への離脱力の手動付与に際し、シリンジ103からニードルキャップ125を離脱するよう作動可能であるニードルキャップイジェクター155を含む。図1〜4Cに示されるニードルキャップイジェクター155には、放射線シールド101の本体105が付随する(例えば、それに取り付けられる)。係合部材157は、開口部141から遠隔に位置され、その結果、使用者は、彼または彼女の手または指を上記開口部近くに置くことなしに、上記係合部材に離脱力を付与し得る。例えば、係合部材157は、空洞107/シリンジ外筒109の長手方向軸151から間隔を置かれてもよく、放射線曝露の可能性を低減する。より詳細には、係合部材157は、長軸方向軸151に沿った開口部141の軸方向突出を含むゾーンZ2の外側に位置され得る。なおより詳細には、係合部材157は、シリンジ外筒109の少なくとも一部分への視界の見通し線があるゾーンZ1の外側に位置され得る。同様に、係合部材157は、遮蔽本体105の一部分と半径方向に対向した関係(例えば、図3に示されるように、空洞107の外部113上の放射線シールド101の本体105と並んで)に位置され得る。さらに、係合部材157は、上記放射線シールドの本体105が、上記係合部材とシリンジ外筒109との間にあるように位置決めされ得る。前述の特徴のいくつかはその他を含む。前述から、これら特徴の各々が、人が彼または彼女の指をニードルキャップをシリンジから引くために放射線シールドの開口部の正面に配置することによりニードルキャップを除去した先行技術の実施より放射線曝露の見地からの改良を表すことがまた理解される。
【0022】
図1〜4Cに示される特定のニードルキャップイジェクター155は、放射線遮断本体105によって形成される放射線シールド101の外部側壁に1つの端部で固定されるリーフスプリング161を備える。この実施形態では、係合部材157は、このリーフスプリングのループ部分167の頂点のほぼ近傍にリーフスプリング161のセグメントを備える。係合表面は、係合部材157の半径方向の外方に面する表面である(これは、図4Aにおけるように配向されるとき上部表面である)。開口部141から遠隔にある(例えば、ゾーンZ1およびZ2の外側)係合表面のその他の位置は、本発明の範囲内である。スプリング161は、空洞107の外部113から、放射線遮蔽本体105中の小穴163を通って上記空洞の前方端部中に延びる。このスプリング161の自由端部165は、上記ニードルキャップが空洞107中のシリンジ103に取り付けられるとき、ニードルキャップ125の近傍に位置決めされる。穴163は、放射線が上記開口部を通って放射線シールド101を逃れる可能性を減少するために比較的狭くてもよい。この穴163はまた、空洞107/シリンジ外筒109の長手方向軸151に対してほぼ斜めであるように配向されたスロットとしての形態であり得、これはまた、上記スロットを通る放射線シールド101からの放射線の逃避を制限し得る。図4Aに示されるように、例えば、穴163は、空洞107に対して、この穴163を通る、上記空洞の外部113からシリンジ外筒109までの視界の見通し線が実質的にないような形態でかつ配列され得る。1つの特定の実施形態では、例えば、スプリング161のための穴163は、放射線シールド101の前端部に位置され得、そしてこの放射線シールドの外部113から、空洞107/シリンジ外筒109の長手方向軸151と、鋭角A1(例えば、約10〜約60゜の範囲にある)を形成するように配向された軸にほぼ沿って斜めに、前端部開口部141に向かって内方に延びる。
【0023】
スプリング161は第1の形態に付勢され(図4A)、そこでは、ニードルキャップ125は、シリンジ103に取り付けられたままであり得る。例えば、スプリング161の自由端部165は、図4Aに示されるように、この第1の形態にあるニードルキャップ125に隣接して位置決めされ得る。スプリング161の自由端部165は、ニードルキャップ125の軸方向に面する表面131に隣接して位置決めされる。スプリング161は、示される実施形態の第1の形態においてニードルキャップ125を係合しないけれども、このスプリングの自由端部165が、本発明の範囲から逸脱することなくこの第1の形態においてニードルキャップ125と接触することが可能であることが認識される。この第1の形態では、スプリング161は、最初、本体に対するその接続部で本体105から半径方向に離れて延び得、そして次に穴163の中へ半径方向の内方に戻り、それによって、このスプリングのループ部分167を形成する。
【0024】
このスプリング161は、係合表面157への離脱力の付与により、この第1の形態とは異なる第2の形態(図4C)に弾性的に変形可能である。示される実施形態では、例えば、この離脱力は、(例えば、図4Bに示されるように、遮蔽本体105の側面に対してスプリング161の係合部材157を締め付けることにより)半径方向の内方に向けられ得、上記スプリングのループ部分167を、上記遮蔽本体に対して少なくともある程度平坦にする。使用者が係合部材157を係合する場所(例えば、彼または彼女の親指がこの係合部材と接触する場所)が、この実施形態では、この係合表面をほぼ規定することが注記される。スプリング161のループ部分167の平坦化は、このスプリングの自由端部165を本体105の側面中の穴163から外にさらに遠く、そして放射線シールド101の前部の開口部141を通って移動するようにする。スプリング161は、ニードルキャップ125を係合し、そしてこのスプリングがその第1の形態からその第2の形態まで移動するとき、それをシリンジ103から離脱する。例えば、スプリング161は、その自由端部165がニードルキャップ125の軸方向に面する表面131を係合し、そしてこのニードルキャップを、上記スプリングがその第第1の形態からその第2の形態まで移動するとき、ニードル121がはずれる方向にシリンジ103から離して押すように配列され得る。
【0025】
本発明による放射線シールド101を用いる方法の1つの実施形態では、空のシリンジ103が、上記放射線シールドの空洞107中に配置される。放射性物質(例えば、放射性医薬品)は、ニードル121の先端部をこの放射性物質のリザーバー(図示されていない)中に挿入すること、そして次にプランジャー147を外筒109の後部に向けて引くことによりシリンジ103の中へ吸引される。所望の量の放射性物質がシリンジ外筒109中に含まれるとき、ニードルキャップ125がシリンジ103に取り付けられ、ニードルキャップ125の保護シース中にニードル121の先端部を囲う。その中に含まれる放射性物質を目標(例えば、別のコンテナまたは患者)に送達するためにシリンジ103を用いる時間であるとき、人は、ニードルキャップ125をシリンジからニードルキャップアクチュエーター155の係合部材157に離脱力を付与することにより離脱する。人は、片手に放射線シールド101を保持し得、そして同じ手を用いて係合部材157に離脱力を付与する。
【0026】
図4A〜4C中に描写される実施形態に示されるように、例えば、人は、放射線シールド101を、彼または彼女の親指がリーフスプリング161に隣接するように保持し得る。人は次に、彼または彼女の親指を用いて、リーフスプリング161のループ部分167を遮蔽本体105に向かって半径方向の内方に押し得る。この行為は、リーフスプリング161のループ部分167を平坦にし、それをその第1の形態からその第2の形態に向かって移動する。リーフスプリング161をこのように変形することにより、使用者は、リーフスプリング161の自由端部165を遮蔽本体105の側面中の穴163からより遠くに延ばし、そしてニードルキャップ125に向かって移動する。リーフスプリング161の自由端部165は、好ましくは、ニードルキャップ125の開放端部でフランジ133と係合し、そしてなおより好ましくは、(図4Bに示されるように)軸方向に面する表面131を係合する。リーフスプリング161がその第2の形態に向かってより遠くに変形されるとき、リーフスプリング161の自由端部165は、ニードルキャップ125をシリンジ103から、例えば、図4Cに示されるように、シリンジ外筒109から離してこのニードルキャップを押すことにより離脱し得る。ニードルキャップ125は、一旦ニードルキャップイジェクター155によって解放されると、ニードル121からはずれ得る。
【0027】
このようにニードルキャップ125を離脱するためにニードルキャップイジェクター155を用いることにより、使用者は、このニードルキャップを放射線シールド101の前部にある開口部141から遠隔である位置から離脱し得る。同様に、人は、好ましくは、開口部141に隣接し、かつ空洞107/シリンジ外筒109の長手方向軸151に沿った開口部の軸方向投影内のすべての点を含むゾーンZ2中に彼または彼女の手を置くことなく、そしてより好ましくは、開口部141を通るシリンジ外筒109の少なくとも一部分に対する見通し線があるゾーンZ1中に彼または彼女の手を置くことなく、そしてなおより好ましくは、上記キャップの除去の間に放射線シールド101の本体105と半径方向に対向する関係にある位置から、シリンジ103からニードルキャップ125を離脱し得る。同様に、放射線シールド101の本体105は、ニードルキャップ125の除去の間に、使用者の手とシリンジ外筒109との間に位置決めされ得る。ニードルキャップ125の除去の後、シリンジ103は、シリンジ外筒109の内容物を従来のシリンジと同じ様式で、患者に、別のコンテナ、任意のその他の目標物に送達するために用いられ得る。
【0028】
本発明の放射線シールド201の別の実施形態は、図5〜7に示される。特に記載のない限り、この放射線シールド201は、上記に記載の放射線シールド101と実質的に同じ様式で構築および作動される。この放射線シールド201は、スライドボタンで起動されるニードルキャップイジェクター255を含む。このスライドボタン271(広く「係合部材」および「アクチュエーター」)は、放射線シールド201の外部上の本体105と並んで位置決めされる。このスライドボタン271は、以下により詳細に記載されるように、シリンジ103からニードルキャップ125を離脱するために離脱力が付与され得る係合表面257を規定する。この係合表面257は、上記放射線シールドの前部にある開口部141から遠隔に位置される。例えば、この係合表面257は、空洞107/シリンジ外筒109の長手方向軸151から間隔を置かれ得、放射線曝露の可能性を低減する。より好ましくは、この係合表面257は、開口部141に隣接し、そしてこの開口部の軸方向投影内の点を含むゾーンZ2の外側に位置され得る。なおより詳細には、この係合表面257は、シリンジ外筒109の少なくとも一部分への視界の見通し線があるゾーンZ1の外側に位置され得る。同様に、この係合表面257は、遮蔽本体105の一部分と半径方向に対向する関係に(例えば、図5に示されるように、空洞107の外部113上の遮蔽本体の側面に隣接して)位置され得る。
【0029】
放射線シールド201の本体105中には長手軸方向に延びるスロット273がある。さらに、このスロット273は、放射線シールド201の本体105の内表面中で長手方向に延びる溝275中に開く。溝275は、スロット273から放射線シールド201の前端部まで延びる。ニードルキャップ離脱アーム277は、この溝275中にスライド可能に取り付けられ、そしてスロット273を通ってスライドボタン271に接続され(例えば、任意の適切なファスナー、接着剤、溶接などで(図示されず))、その結果、このスライドボタンとアームは、ユニットとして一緒に動く。
【0030】
スライドボタン271とアーム277は、スロット273に沿って、ニードルキャップ125がシリンジ103に取り付けられたままであり得る第1の位置(図6A)から前方に第2の位置(図6B)まで長軸方向に移動可能である。アーム277は、このアームが、スライドボタン271およびアームが、それらの第1の位置からそれらの第2の位置まで移動されるとき、シリンジ103からニードルキャップ125を離脱し得るように位置決めかつ配列される。アーム277の前端部279は、図6A〜6Bに示されるように半径方向の内方に延び、このアームによるニードルキャップ125の係合を容易にする。例えば、アーム277の前端部279は、ニードルキャップ125の最大の直径がシリンジ外筒109の直径より小さい場合でさえ、ニードルキャップ125(例えば、このニードルキャップの開放端部上の軸方向に面する表面131)を係合するように適合される。このアームの前端部が半径方向の内方に延びるか否かにかかわらず、用いられるニードルキャップのタイプはまた、アームによるニードルキャップの係合を容易にするように選択され得る。例えば、より大きな直径のニードルキャップ(図示されず)が用いられ得、その結果、ニードルキャップ(例えば、ニードルキャップの開放端部にあるフランジ)は、このアームとの接触を容易にするに十分な量半径方向の外方に延びる。前述を考慮して、当業者は、上記アームおよび/またはニードルキャップの前端部を、アームがニードルキャップの所望の部分にそれがその第1の位置からその第2の位置に向かって移動するとき接触するように適合し得る。
【0031】
スライドボタン271およびアーム277はまた、それらの第1の位置に向かって付勢され得る。図7に示されるように、例えば、付勢部材(例えば、スライドボタン271が前方に移動するときスロット273中で圧縮されるよう位置決めされるスプリング281)が、このスロット中に位置決めされ得、スライドボタンおよびアームを付勢し、それらの第1の位置に向かって移動させる。この付勢力は、付勢部材281が、使用者がスライドボタン271およびアーム277をそれらの第1の位置からそれらの第2の位置に向かってスライドした後、それらの第1の位置にそれらを戻して駆動するに十分な力を有するように選択され得る。
【0032】
スライドボタンニードルキャップイジェクター255は、スロット273を通って空洞107中に発せられる放射線の逃避を防ぐように構築され得る。図7に示されるように、スライドボタン271および/またはニードルキャップ離脱アーム277は、それらが、それらの第1の位置と第2の位置との間を前後に動くとき、それらがスロット273を連続的に覆うような形態であり得る。好ましくは、スライドボタン271および/またはニードルキャップ離脱アーム277は、それらが位置決めされ得るスロット273中の可能な限り後方から、それらが位置決めされ得る上記スロット中で可能な限り前方までそれらが移動されるのようにスロット273を連続的に覆うような形態である。スライドボタン271および/またはニードルキャップ離脱アーム277は、適切な放射線遮蔽材料から構築され得、空洞107中で発せられる放射線が、スロット273を通って放射線シールド201から逃れること防ぐ。
【0033】
放射線シールド201の作動の間に、使用者は、離脱力をスライドボタン271の係合部材257に付与し、このスライドボタンおよび離脱アーム277をそれらの第2の位置に向かって前方に移動される。離脱アーム277が前方に移動するとき、それは、ニードルキャップ125を、このニードルキャップをニードル121がはずれる方向にシリンジ外筒109から離して押すことによりシリンジ103から離脱させる。このアーム277およびニードルキャップ125は、図6Aでは、このアームが第1の位置にあるとき既に接触しているとして描写されているが、このアームは、このアームがその第2の位置に向かう移動を開始した後まで、ニードルキャップと係合しないかも知れないことが認識される。ニードルキャップ125が離脱されるとき、使用者は、彼または彼女の手を、放射線曝露がより大きく影響する領域(例えば、ゾーンZ1、Z2)から離れて維持し得る(上記に記載される放射線シールド101について提示されたのと同じ様式で)。さらに、スライドボタン271および/またはニードルキャップ離脱アーム277は、スロット273を覆い、そしてそれによって、使用者を、そうでなければこのスロットを通って放射線シールド201を逃れ得る放射線から保護する。ニードルキャップ125が、シリンジ103から離脱された後、使用者は、スライドボタン271を解放し得る。スライドボタン271の解放は、付勢部材281がスイライドボタン271およびニードルキャップ離脱アーム277を、それらの第1の位置に自動的に戻るように移動させることを可能にする。ニードルキャップ125の除去の後、シリンジ103は、患者、別のコンテナ、または別の目的物にシリンジ外筒の内容物を送達するために用いられ得る。
【0034】
本発明のなお別の実施形態は、図8〜9Bに示される。この実施形態では、従来の放射性医薬品シリンジ103が、従来の放射線シールド301に装填される。ニードルキャップ391は、上記に記載されるニードルキャップ125と同じ様式でシリンジ103に取り付けられる。しかし、このニードルキャップ391は、このニードルキャップの管状本体395に固定されているアーム393を備えるニードルキャップイジェクター355を含む。アーム393は、ニードルキャップの本体395から、放射線シールド301の前部にある開口部141から遠隔である位置まで延びる。例えば、アーム393は、開口部141に隣接し、そして空洞107/シリンジ外筒109の軸に沿ったこの開口部の軸方向投影内の点を含むゾーンZ2の外側である位置まで、そしてより好ましくは、開口部141を通るシリンジ外筒の少なくとも一部分までの視界の見通し線を有する点を含むゾーンZ1の外側である位置まで、そしてなおより好ましくは、放射線シールド301の本体105と半径方向に対向する関係(例えば、並んで)にある位置まで延び得る。図8〜9Bに示されるように、アーム393は、それがその開放端部でニードルキャップの管状本体395に固定され得、そして放射線シールド301の前エッジの周りでニードルキャップ391の開放端部から、そして次に、この放射線シールドの本体105の側面に沿いかつ隣接して後方に延び得るような形態かつサイズである。
【0035】
アーム393は、(示されるように)ニードルキャップ391の本体395と一体に形成され得る。あるいは、このアーム393は、ニードルキャップの製造の後、通常のニードルキャップの管状本体395に結合(そうでなければ固定)され得る。
【0036】
開口部141から遠隔であるアーム393の部分は、使用者が、離脱力をアームの係合部材357に付与し得、この開口部から遠隔である位置から、シリンジ103からニードルキャップ391を離脱するように位置決めかつ配列され得る。この実施形態では、アーム393の後方セグメントが、係合部材357を規定する。図9Bに示されるように、例えば、アーム393の遠隔部分は、使用者が、片手の親指または指でアームの係合部材357を押し、その一方、同じ手で放射線シールド301を保持し得るように位置決めかつ配列され得る。
【0037】
いずれの場合でも、使用の間、使用者は、離脱力をアーム393の係合部材357に付与し、それによって、このアームを放射線シールド301の前端部に向けて押す。この離脱力は、アーム393を通ってニードルキャップ391の本体395に移され、これは、それによって、シリンジ301から離脱される。その間ずっと、使用者は、彼または彼女の手を放射線曝露がより大きく影響する領域から外に維持し得る。特に、使用者は、彼または彼女の手を、開口部141から遠隔に維持しながら、好ましくは彼または彼女の手を空洞107/シリンジ外筒109の長手方向軸151から半径方向に間隔を置くことを維持しながら、そしてより好ましくは彼または彼女の手を、上記開口部に隣接し、かつ上記長手方向軸151に沿った上記開口部の軸方向投影内の点を含むゾーンZ2の外に維持しながら、そしてなおより好ましくは、彼または彼女の手を、開口部141を通るシリンジ外筒109の一部分への視界の見通し線を有する点を含むゾーンZ1の外に維持しながら、そしてなおより好ましくは、彼または彼女の手を、放射線シールド301の本体105と半径方向に対向する関係に維持しながら、ニードルキャップ391を除去し得る。使用者は、彼また彼女の手を、放射線シールド301の本体105が、使用者の手とシリンジ外筒109との間にあるような位置に維持し得る。ニードルキャップ391が除去された後、シリンジ103は、シリンジ外筒の内容物を、患者、別のコンテナ、または別の目的物に送達するために用いられ得る。
【0038】
本発明の要素またはその好ましい実施形態を導入するとき、冠詞「a」、「an」、「the」、「said」は、これら要素の1つ以上があることを意味することが意図される。用語「包含し」、「含み」、および「有する」は、含まれることが意図され、そして列挙された要素の他にさらなる要素が存在し得ることを意味する。
【0039】
種々の変更が、本発明の範囲を逸脱することなく上記の構築および方法でなされ得るので、上記の説明に含まれ、そして添付の図面に示されるすべての事項は、制限する意味ではなく例示として解釈されるべきである。
【図面の簡単な説明】
【0040】
【図1】図1は、放射性医薬品シリンジのための放射線シールドの1つの実施形態の斜視図である。
【図2】図2は、放射線シールドの長手方向断面図である。
【図3】図3は、放射性医薬品を含むシリンジ上の図1〜2の放射線シールドを含む放射線遮蔽シリンジアセンブリの斜視図である。
【図4A】図4Aは、ニードルキャップが、放射線シールドのニードルキャップイジェクターを用いてシリンジから離脱される順序を示す、放射線遮蔽シリンジアセンブリの断片的長手方向断面図である。
【図4B】図4Bは、ニードルキャップが、放射線シールドのニードルキャップイジェクターを用いてシリンジから離脱される順序を示す、放射線遮蔽シリンジアセンブリの断片的長手方向断面図である。
【図4C】図4Cは、ニードルキャップが、放射線シールドのニードルキャップイジェクターを用いてシリンジから離脱される順序を示す、放射線遮蔽シリンジアセンブリの断片的長手方向断面図である。
【図5】図5は、放射線遮蔽シリンジアセンブリの別の実施形態の斜視図である。
【図6A】図6Aは、スライド機構がニードルキャップをシリンジから離脱するために用いられる順序を示す、図5に示される放射線遮蔽シリンジアセンブリの長手方向断面図である。
【図6B】図6Bは、スライド機構がニードルキャップをシリンジから離脱するために用いられる順序を示す、図5に示される放射線遮蔽シリンジアセンブリの長手方向断面図である。
【図7】図7は、図6A−6Bのスライト機構の一部分の拡大詳細図である。
【図8】図8は、一体形キャップイジェクターを有するニードルキャップを含む放射線遮蔽シリンジアセンブリの別の実施形態の斜視図である。
【図9A】図9Aは、図8に示されるニードルキャップがシリンジから離脱される順序を示す長手方向断面図である。
【図9B】図9Bは、図8に示されるニードルキャップがシリンジから離脱される順序を示す長手方向断面図である。
【0041】
対応する参照文字は、図面を通じて対応するパーツを示す。
【技術分野】
【0001】
(発明の分野)
本発明は、一般に、放射性物質を遮蔽するための放射線遮蔽デバイスに、そしてより詳細には、付随するニードルを有するシリンジ中に含まれる放射性医薬品を安全に取り扱うために用いられる放射線遮蔽デバイスに関する。
【背景技術】
【0002】
(背景)
核医学は、種々の研究、診断および治療適用のために放射性物質(例えば、放射性同位元素)を用いる医学の部門である。放射性製薬学は、特定の手順における使用のために放射性物質を適合するために1つ以上の放射性物質をその他の物質と組み合わせることにより、種々の放射性医薬品(すなわち、放射活性医薬品)を生成する。
【0003】
放射性同位元素および液体放射性医薬品を含む溶液が、放射性医薬品の調製および使用の間の種々の時間で、シリンジ内に含まれることは一般的である。例えば、放射性同位元素含有溶出液(例えば、放射性同位元素発生機から得られたテクネチウム−99を含む溶液)は、しばしば、その溶出液から特定の放射性医薬品の用量を調製するためにシリンジによって汲み上げられる。同様に、シリンジは、患者に液体放射性医薬品の用量を注入するために用いられ得る。これらシリンジは、しばしば、ニードル(例えば、皮下ニードル)を含み、これは、コンテナの隔膜シールおよび/または放射性医薬品注入を受ける患者の皮膚を貫通するために用いられ得る。偶発的なニードル突き刺し損傷を防ぐために、これらシリンジのニードルは、一般に、シリンジに離脱可能に取り付けられる保護ニードルキャップによって覆われている。
【0004】
放射線曝露はまた、放射性物質を含むシリンジを頻繁に取り扱う者にとって危険である。放射性物質を含むシリンジは、一般に、このシリンジを取り扱う者への放射線曝露を低減するように放射線シールド内に配置される。これら放射線シールドは、鉛、タングステン、劣化ウラン、または類似の高密度物質を含む。放射線シールドは、一般に、シリンジの外筒を収容する空洞を規定する管状の遮蔽本体を含む。例えば、いくつかの放射線シールドの本体は、シリンジ外筒の側面の周りを周縁方向に、ほぼその長さに亘って延びるスリーブ(例えば、断面が実質的に円形)である。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
多くの放射線シールドが、放射性物質のシリンジ中への吸引および/またはシリンジからの放射性物質の注射の間で用いられる。放射性物質の吸引および/または注入を容易にするために、ニードル(そして恐らくニードルに接続する外筒の比較的小さな部分)は、遮蔽本体の前端部にある開口部を通って上記空洞の外部まで延び、その結果、ニードルの先端部は、放射線シールドの外部まで延び、そして隔膜でシールされたコンテナまたは被験体の皮膚を貫通し得る。不幸なことに、シリンジ中の放射性物質によって発せられた放射線は、その開口部を通って逃れ得る。さらに、使用者は、シリンジから保護ニードルキャップを外している間、彼らの手を、その開口部に緊密に近接して配置し得る。それ故、使用者は、所望されずに、遮蔽本体の前端部にある開口部を通って放射線シールドを逃れる放射線に曝され得る。
【課題を解決するための手段】
【0006】
(要旨)
本発明は、特定の実施形態で、ニードルキャップイジェクターを装備した放射線遮蔽シリンジ、および放射線遮蔽シリンジからニードルキャップのを取り外す方法に関する。本発明の特定の例示の局面は以下に提示される。これらの局面は、本発明がとり得る特定の形態の簡単な要旨を読者に単に提供するために提示され、しかもこれらの局面は、本発明の範囲を制限することは意図されないことが理解されるべきである。実際、本発明は、以下に提示されないかも知れない種々の特徴および局面を包含し得る。
【0007】
本発明の1つの局面は、シリンジ、放射線シールド、ニードルキャップ、およびニードルキャップイジェクターを含む放射線遮蔽アセンブリに関する。このアセンブリのシリンジは、放射性物質を含むための外筒およびこの外筒の1つの端部にあるニードルの両方を含む。このニードルキャップは、上記シリンジに離脱可能に取り付けられ、そしてこのニードルの少なくとも先端部を覆う。このアセンブリの放射線シールドは、その中に規定された空洞、およびこの空洞中に延びる少なくとも1つの開口部を有する。このシリンジの外筒の少なくとも一部分は、上記放射線シールドの空洞内に位置決めれさ、そして上記ニードルの少なくとも先端部を含む上記シリンジの少なくとも一部分は、上記放射線シールド中の開口部を通って上記放射線シールドの外部まで突出する。このアセンブリのニードルキャップイジェクターは、上記シリンジからニードルキャップを選択的に離脱するために利用され得る。このニードルキャップイジェクターは、上記遮蔽シールドから離れた開口部の軸方向投影内のすべての位置によって規定される放射線曝露のゾーンの外側に位置する係合表面を有する係合部材を含む。このニードルキャップイジェクターは、上記ニードルキャップが上記シリンジから、上記係合表面への離脱力の手動付与により離脱され得るように配列される。例えば、人は、上記ニードルキャップを上記シリンジから、上記放射線シールドの外側に位置されるニードルキャップイジェクターの一部分に力を手動で付与することにより離脱し得る。人は、上記ニードルから上記ニードルキャップを離脱するために上記遮蔽シールド中の開口部から十分遠隔にある上記アセンブリの構造物に必要な力を付与し得るので、上記放射線遮蔽シリンジアセンブリは、ヒトの放射線への曝露を制限するために利用され得る。
【0008】
本発明の別の局面は、シリンジのための放射線シールドに関する。この放射線シールドは、放射線遮蔽物質(例えば、鉛、タングステン、タングステン−含浸プラスチックなど)から作製される本体を有する。シリンジ外筒の少なくとも一部分を受容するためにこのシールド内側に規定される空洞がある。この放射線シールドの前端部に規定される開口部がまたあり、これを通り、シリンジニードルの少なくとも先端部は、シリンジが放射線シールド内にあるときに突出する。上記放射線シールドの本体は、人がニードルキャップイジェクターに力を付与するときシリンジからニードルキャップを離脱するために利用され得るニードルキャップエジェクターを支持する。このニードルキャップイジェクターは、人が放射線シールドの開口部から遠隔にいる位置でニードルキャップを離脱するために必要な力を付与し得るように配列され得、それによって、放射線への不必要な曝露を潜在的に低減する。
【0009】
本発明のなお別の局面は、シリンジおよびこのシリンジの少なくとも一部分の周りに配置された放射線シールドを含む放射線遮蔽アセンブリを用いる方法に関する。この方法では、力(例えば使用者によって付与される)が、放射線シールドの放射線遮蔽物質がエジェクターとシリンジの外筒との間に位置されながら一方で上記シリンジアセンブリのニードルキャップイジェクター対して奏される。この力を奏することに起因して、ニードルキャップは、シリンジのニードルから離脱される。
【0010】
本発明の種々の局面に関係して上記に記載の特徴の種々の改良点が存在する。さらなる特徴もまた、同様にこれらの種々の局面に取り込まれ得る。これらの改良点およびさらなる特徴は、個々に、または任意の組み合わせで存在し得る。例えば、1つ以上の示される実施形態に関連して以下で論議される種々の特徴は、単独または組み合わせて本発明の上記に記載の局面のいずれかに取り込まれ得る。ここで再び、上記で提示される簡単な要旨は、読者に、請求項に記載の主題に対する制限なくして、本発明の特定の局面および文脈を親しませることのみが意図される。
【発明を実施するための最良の形態】
【0011】
(例示の実施形態の詳細な説明)
本発明の1つ以上の特定の実施形態が以下に示される。これら実施形態の簡潔な説明を提供する努力において、実際の履行のすべての特徴は、本明細書には説明されないかも知れない。任意の実際の履行の進展において、任意の工業技術または設計プロジェクトにおけるように、多くの履行に特有の決定が、システム関連およびビジネス関連の制約の遵守のような、履行毎に変動し得る、進展者の特有の目的を達成するためになされなければならない。さらに、このような進展努力は複雑かつ時間を浪費し得るが、それにもかかわらず、本開示の利益を有する当業者にとって、設計、製作、および製造の慣用の事業活動であり得る。
【0012】
ここで、図面、最初に図1〜3を参照して、本発明の放射線シールドの1つの実施形態は、一般に、101で指定される。この放射線シールド101は、1つ以上の放射性物質120(例えば、放射性同位元素含有溶出液のような、またはそれを含む放射性医薬品)を含むシリンジ103との使用のために適している。この放射線シールド101は、例えば、それが鉛、劣化ウラン、タングステン、または別の適切に放射線に密な物質の1つ以上を含むことによって、放射線を吸収するように構築された実質的に管状の放射線遮蔽本体105を備える。この遮蔽本体105は、その中に規定される、図3〜4Cに示されるアセンブリ111を形成するように空洞内にシリンジ103の外筒109の少なくとも一部分を受容するための空洞107を有する。
【0013】
図面中に示される放射線シールド101の本体105は、実質的に上記外筒の全長に沿って上記シリンジ外筒109の側面の周りで周縁方向に延びるスリーブを形成するような形状である。より詳細には、本体105は、示された実施形態ではこれもまたほぼ管状であるシリンジ外筒109を受容するために適切なほぼ管状の空洞107を規定する管状であり得る。この本体105は、使用者が片手に放射線シールド101を保持し得るようなサイズである。この本体105はまた、使用者の手(片手または両手)が、この放射線シールド101を片手または両手に保持する間、空洞107中で発せられる放射線から遮蔽され得るような形状であり、かつ配列される。当業者は、この本体を作製する特定の物質(単数または複数)を考慮し、そして空洞107中に含まれるべき放射性材料(単数または複数)の特徴を考慮して放射線遮蔽の所望のレベルを提供するための本体105の厚みを選択する方法を知っている。さらに、この本体105は、本発明の範囲から逸脱することなく示されるのとは異なった形態であり得る。
【0014】
図3〜4Cに示されるシリンジ103は、シリンジ外筒109の前端部に(例えば、ルアー接続で)取り付けられたニードル121(図4A)を有する従来のシリンジである。図4Aには示されるが、その他の図では省略されている放射性物質120(例えば、放射性医薬品)は、シリンジ外筒109中に含まれる。保護ニードルキャップ125はシリンジ103に取り付けられ(例えば、シリンジ外筒109の前部に)、その結果、ニードルキャップは、ニードル121の少なくとも先端部を覆う。図面に示されるニードルキャップ125は、その中にニードルを受容するための開放端部、およびこのニードルキャップの反対の端部にある閉鎖端部を有するほぼ漏斗形状のシースを備える。このニードルキャップの開放端部には軸方向に面する表面131がある。図面に示される実施形態では、このニードルキャップ125は、その開放端部で半径方向の外方に延び、このニードルキャップの開放端部でほぼ平坦に軸方向に面する表面131を生じる環状フランジ133を有する。しかし、このフランジ133は、本発明のためには必要ではない。ニードルキャップ125がニードル121の上の配置され、そしてこのニードルキャップの開放端部がシリンジ103に取り付けられるとき、ニードルは、ニードルキャップの保護シース内に完全に囲われる。当業者に公知であるように、ニードルキャップがシリンジ103に離脱可能に取り付けられる種々の方法がある。このニードルキャップは、本発明の範囲から逸脱することなく、このニードルキャップがそれを押しシリンジから離すことにことりにより解放され得、そして種々の位置(例えば、シリンジ外筒で、ニードルで、ニードルをシリンジ外筒に接続するために用いられる接続部材で、など)でシリンジに取り付けられ得る実質的に任意の取り付けシステムを用い得る。例えば、この接続は、ニードルキャップ125のシリンジ103との締まりばめによってであり得る。図面に示されるニードルキャップ125とは異なる形態を有するニードルキャップが、本発明の範囲から逸脱することなく用いられ得る。
【0015】
放射線シールド101の本体105は、その中に規定される開口部141を有し、上記開口部を通ってシリンジ103の外筒109中への物質の送達(例えば、ニードルを通ってシリンジ外筒中に放射性医薬品の吸引)のために、そして/または開口部を通り空洞の外部113へのシリンジの外筒中に含まれる物質の送達(例えば、ニードルを用いる放射性医薬品の注入の間)のためにニードル121がその前端部で空洞107から突出することを可能にする。図3〜4Cに示されるように、ニードル121の少なくとも先端部そして恐らくはシリンジ外筒109の前部を含むシリンジ103の前部は、この開口部141を通って空洞107の外部113まで突出し、その結果、ニードルの先端部は、シリンジからニードルキャップ125を取り除くことによって剥き出され得る。さらに、ニードル121の先端部が剥き出された後、ニードルは、シリンジ103が、放射線シールド101内に残したままで、残る一方で(例えば、供給コンテナの)隔膜シールを貫通するか、または患者の皮膚を貫通するために用いられ得る。
【0016】
図1〜4Cに示される実施形態では、放射線シールド101の本体105は、その中に規定される、その後部で空洞107中に延びる別の開口部143を有する。シリンジ外筒109中にスライド可能に受容されるシリンジプランジャー147は、この外筒の内側から放射線シールド101の外部113まで後部開口部143を通って延び、その結果、使用者は、プランジャーにアクセスし得、放射性物質をシリンジ103中に吸引し、そして/または放射性物質をシリンジから駆逐する。プランジャー147、または少なくともその一部分は、1つ以上の放射線遮蔽物質(示されず)を含み得、後部開口部143を通って空洞107中に発せられる放射線の逃避をブロックする。
【0017】
放射性物質を含むシリンジ103が空洞107中にあるとき、この空洞中に発せられた放射線について実質的に遮断されない経路があり、前部開口部141を通って放射線シールド101を逃れる。それ故、開口部141に隣接する増加した放射線の脅威がある。放射線は、ほぼ直線状の経路に沿って進むので、外筒109中に含まれる放射性物質に対して(放射線に実質的に透明である目的物を無視する)視界の見通し線(direct line)を有する開口部に隣接するすべての点を含むゾーンZ1は、増加した放射線の脅威のゾーンを表す。このゾーンZ1は、上記開口部から離れて、放射線がある距離を伝搬した後、放射線の減衰および/または分散のために比較的安全である距離まで延びる。このゾーンZ1の形状は、開口部141の形状およびシリンジ外筒109の形状に依存する。示される実施形態では、例えば、この開口部141は実質的に円形であり、そして外筒109は実質的に円筒形であり、ゾーンZ1は、シリンジ外筒109の少なくとも一部分まで視界の見通し線を有し、しかも、開口部141から離れて延びるときに広がる空洞107/シリンジ外筒の長手方向軸151と同軸に整列された円錐または円錐台形状を有する。
【0018】
放射線への曝露の脅威は、開口部141において、およびこの開口部から短距離離れて空洞107/シリンジ外筒109の長手方向軸151に沿って最大である。例えば、この長手軸方向軸151に沿った開口部141の軸方向投影内のこの開口部に隣接するすべての点を含むように規定されるゾーンZ2は、ゾーンZ1のエッジより大きい放射線脅威にほぼ対応する。示される実施形態では、例えば、ゾーンZ2内の位置は、実質的に全体のシリンジ外筒109に対する、そしてそれ故、直接の見通し線を有するので、その中の実質量の放射性物質に対する視界の見通し線を有し、その一方、ゾーンZ1のエッジにある位置は、シリンジ外筒109の小部分に対し視界の見通し線を有するに過ぎない。
【0019】
図4Aに示されるように、ニードルキャップ125は、開口部141でシリンジ外筒109に接続され得る。換言すれば、このニードルキャップ125(およびシリンジ103との接続部を作製するニードルキャップの部分)は、ゾーンZ1内に、そしてより詳細にはZ2内に、そしてなおより詳細には、放射線シールド101の前部開口部141の正面に位置される。それ故、このニードルキャップ125は、最大の放射線に曝される領域中に位置される。
【0020】
小量の放射性物質がシリンジ中の外筒109の前方に存在し得ることが理解される。例えば、放射性流体の少なくともいくらかの残渣が、ニードル121を通じて外筒109中に吸引された後にこのニードルに残る可能性がある。さらに、いくらかの放射性物質が、ニードル121をシリンジ外筒109に接続する形成物中に存在し得る。シリンジ外筒109の前方のシリンジ103中に位置決めされ得る所定量の物質は、上記シリンジ外筒中に含まれ得る量よりは顕著に少ないことが認識される。それ故、外筒中で発せられるより、シリンジ中の外筒109の前方にある任意の放射性物質によって発せられる実質的により少ない放射線がある。従って、シリンジ外筒109の前方のシリンジ103中の物質により発せられる放射線への曝露は、上記シリンジ外筒中のより大きな量の物質によって発せられる放射線への曝露ほど重要ではない。
【0021】
放射線シールド101は、イジェクターの係合部材157の係合表面への離脱力の手動付与に際し、シリンジ103からニードルキャップ125を離脱するよう作動可能であるニードルキャップイジェクター155を含む。図1〜4Cに示されるニードルキャップイジェクター155には、放射線シールド101の本体105が付随する(例えば、それに取り付けられる)。係合部材157は、開口部141から遠隔に位置され、その結果、使用者は、彼または彼女の手または指を上記開口部近くに置くことなしに、上記係合部材に離脱力を付与し得る。例えば、係合部材157は、空洞107/シリンジ外筒109の長手方向軸151から間隔を置かれてもよく、放射線曝露の可能性を低減する。より詳細には、係合部材157は、長軸方向軸151に沿った開口部141の軸方向突出を含むゾーンZ2の外側に位置され得る。なおより詳細には、係合部材157は、シリンジ外筒109の少なくとも一部分への視界の見通し線があるゾーンZ1の外側に位置され得る。同様に、係合部材157は、遮蔽本体105の一部分と半径方向に対向した関係(例えば、図3に示されるように、空洞107の外部113上の放射線シールド101の本体105と並んで)に位置され得る。さらに、係合部材157は、上記放射線シールドの本体105が、上記係合部材とシリンジ外筒109との間にあるように位置決めされ得る。前述の特徴のいくつかはその他を含む。前述から、これら特徴の各々が、人が彼または彼女の指をニードルキャップをシリンジから引くために放射線シールドの開口部の正面に配置することによりニードルキャップを除去した先行技術の実施より放射線曝露の見地からの改良を表すことがまた理解される。
【0022】
図1〜4Cに示される特定のニードルキャップイジェクター155は、放射線遮断本体105によって形成される放射線シールド101の外部側壁に1つの端部で固定されるリーフスプリング161を備える。この実施形態では、係合部材157は、このリーフスプリングのループ部分167の頂点のほぼ近傍にリーフスプリング161のセグメントを備える。係合表面は、係合部材157の半径方向の外方に面する表面である(これは、図4Aにおけるように配向されるとき上部表面である)。開口部141から遠隔にある(例えば、ゾーンZ1およびZ2の外側)係合表面のその他の位置は、本発明の範囲内である。スプリング161は、空洞107の外部113から、放射線遮蔽本体105中の小穴163を通って上記空洞の前方端部中に延びる。このスプリング161の自由端部165は、上記ニードルキャップが空洞107中のシリンジ103に取り付けられるとき、ニードルキャップ125の近傍に位置決めされる。穴163は、放射線が上記開口部を通って放射線シールド101を逃れる可能性を減少するために比較的狭くてもよい。この穴163はまた、空洞107/シリンジ外筒109の長手方向軸151に対してほぼ斜めであるように配向されたスロットとしての形態であり得、これはまた、上記スロットを通る放射線シールド101からの放射線の逃避を制限し得る。図4Aに示されるように、例えば、穴163は、空洞107に対して、この穴163を通る、上記空洞の外部113からシリンジ外筒109までの視界の見通し線が実質的にないような形態でかつ配列され得る。1つの特定の実施形態では、例えば、スプリング161のための穴163は、放射線シールド101の前端部に位置され得、そしてこの放射線シールドの外部113から、空洞107/シリンジ外筒109の長手方向軸151と、鋭角A1(例えば、約10〜約60゜の範囲にある)を形成するように配向された軸にほぼ沿って斜めに、前端部開口部141に向かって内方に延びる。
【0023】
スプリング161は第1の形態に付勢され(図4A)、そこでは、ニードルキャップ125は、シリンジ103に取り付けられたままであり得る。例えば、スプリング161の自由端部165は、図4Aに示されるように、この第1の形態にあるニードルキャップ125に隣接して位置決めされ得る。スプリング161の自由端部165は、ニードルキャップ125の軸方向に面する表面131に隣接して位置決めされる。スプリング161は、示される実施形態の第1の形態においてニードルキャップ125を係合しないけれども、このスプリングの自由端部165が、本発明の範囲から逸脱することなくこの第1の形態においてニードルキャップ125と接触することが可能であることが認識される。この第1の形態では、スプリング161は、最初、本体に対するその接続部で本体105から半径方向に離れて延び得、そして次に穴163の中へ半径方向の内方に戻り、それによって、このスプリングのループ部分167を形成する。
【0024】
このスプリング161は、係合表面157への離脱力の付与により、この第1の形態とは異なる第2の形態(図4C)に弾性的に変形可能である。示される実施形態では、例えば、この離脱力は、(例えば、図4Bに示されるように、遮蔽本体105の側面に対してスプリング161の係合部材157を締め付けることにより)半径方向の内方に向けられ得、上記スプリングのループ部分167を、上記遮蔽本体に対して少なくともある程度平坦にする。使用者が係合部材157を係合する場所(例えば、彼または彼女の親指がこの係合部材と接触する場所)が、この実施形態では、この係合表面をほぼ規定することが注記される。スプリング161のループ部分167の平坦化は、このスプリングの自由端部165を本体105の側面中の穴163から外にさらに遠く、そして放射線シールド101の前部の開口部141を通って移動するようにする。スプリング161は、ニードルキャップ125を係合し、そしてこのスプリングがその第1の形態からその第2の形態まで移動するとき、それをシリンジ103から離脱する。例えば、スプリング161は、その自由端部165がニードルキャップ125の軸方向に面する表面131を係合し、そしてこのニードルキャップを、上記スプリングがその第第1の形態からその第2の形態まで移動するとき、ニードル121がはずれる方向にシリンジ103から離して押すように配列され得る。
【0025】
本発明による放射線シールド101を用いる方法の1つの実施形態では、空のシリンジ103が、上記放射線シールドの空洞107中に配置される。放射性物質(例えば、放射性医薬品)は、ニードル121の先端部をこの放射性物質のリザーバー(図示されていない)中に挿入すること、そして次にプランジャー147を外筒109の後部に向けて引くことによりシリンジ103の中へ吸引される。所望の量の放射性物質がシリンジ外筒109中に含まれるとき、ニードルキャップ125がシリンジ103に取り付けられ、ニードルキャップ125の保護シース中にニードル121の先端部を囲う。その中に含まれる放射性物質を目標(例えば、別のコンテナまたは患者)に送達するためにシリンジ103を用いる時間であるとき、人は、ニードルキャップ125をシリンジからニードルキャップアクチュエーター155の係合部材157に離脱力を付与することにより離脱する。人は、片手に放射線シールド101を保持し得、そして同じ手を用いて係合部材157に離脱力を付与する。
【0026】
図4A〜4C中に描写される実施形態に示されるように、例えば、人は、放射線シールド101を、彼または彼女の親指がリーフスプリング161に隣接するように保持し得る。人は次に、彼または彼女の親指を用いて、リーフスプリング161のループ部分167を遮蔽本体105に向かって半径方向の内方に押し得る。この行為は、リーフスプリング161のループ部分167を平坦にし、それをその第1の形態からその第2の形態に向かって移動する。リーフスプリング161をこのように変形することにより、使用者は、リーフスプリング161の自由端部165を遮蔽本体105の側面中の穴163からより遠くに延ばし、そしてニードルキャップ125に向かって移動する。リーフスプリング161の自由端部165は、好ましくは、ニードルキャップ125の開放端部でフランジ133と係合し、そしてなおより好ましくは、(図4Bに示されるように)軸方向に面する表面131を係合する。リーフスプリング161がその第2の形態に向かってより遠くに変形されるとき、リーフスプリング161の自由端部165は、ニードルキャップ125をシリンジ103から、例えば、図4Cに示されるように、シリンジ外筒109から離してこのニードルキャップを押すことにより離脱し得る。ニードルキャップ125は、一旦ニードルキャップイジェクター155によって解放されると、ニードル121からはずれ得る。
【0027】
このようにニードルキャップ125を離脱するためにニードルキャップイジェクター155を用いることにより、使用者は、このニードルキャップを放射線シールド101の前部にある開口部141から遠隔である位置から離脱し得る。同様に、人は、好ましくは、開口部141に隣接し、かつ空洞107/シリンジ外筒109の長手方向軸151に沿った開口部の軸方向投影内のすべての点を含むゾーンZ2中に彼または彼女の手を置くことなく、そしてより好ましくは、開口部141を通るシリンジ外筒109の少なくとも一部分に対する見通し線があるゾーンZ1中に彼または彼女の手を置くことなく、そしてなおより好ましくは、上記キャップの除去の間に放射線シールド101の本体105と半径方向に対向する関係にある位置から、シリンジ103からニードルキャップ125を離脱し得る。同様に、放射線シールド101の本体105は、ニードルキャップ125の除去の間に、使用者の手とシリンジ外筒109との間に位置決めされ得る。ニードルキャップ125の除去の後、シリンジ103は、シリンジ外筒109の内容物を従来のシリンジと同じ様式で、患者に、別のコンテナ、任意のその他の目標物に送達するために用いられ得る。
【0028】
本発明の放射線シールド201の別の実施形態は、図5〜7に示される。特に記載のない限り、この放射線シールド201は、上記に記載の放射線シールド101と実質的に同じ様式で構築および作動される。この放射線シールド201は、スライドボタンで起動されるニードルキャップイジェクター255を含む。このスライドボタン271(広く「係合部材」および「アクチュエーター」)は、放射線シールド201の外部上の本体105と並んで位置決めされる。このスライドボタン271は、以下により詳細に記載されるように、シリンジ103からニードルキャップ125を離脱するために離脱力が付与され得る係合表面257を規定する。この係合表面257は、上記放射線シールドの前部にある開口部141から遠隔に位置される。例えば、この係合表面257は、空洞107/シリンジ外筒109の長手方向軸151から間隔を置かれ得、放射線曝露の可能性を低減する。より好ましくは、この係合表面257は、開口部141に隣接し、そしてこの開口部の軸方向投影内の点を含むゾーンZ2の外側に位置され得る。なおより詳細には、この係合表面257は、シリンジ外筒109の少なくとも一部分への視界の見通し線があるゾーンZ1の外側に位置され得る。同様に、この係合表面257は、遮蔽本体105の一部分と半径方向に対向する関係に(例えば、図5に示されるように、空洞107の外部113上の遮蔽本体の側面に隣接して)位置され得る。
【0029】
放射線シールド201の本体105中には長手軸方向に延びるスロット273がある。さらに、このスロット273は、放射線シールド201の本体105の内表面中で長手方向に延びる溝275中に開く。溝275は、スロット273から放射線シールド201の前端部まで延びる。ニードルキャップ離脱アーム277は、この溝275中にスライド可能に取り付けられ、そしてスロット273を通ってスライドボタン271に接続され(例えば、任意の適切なファスナー、接着剤、溶接などで(図示されず))、その結果、このスライドボタンとアームは、ユニットとして一緒に動く。
【0030】
スライドボタン271とアーム277は、スロット273に沿って、ニードルキャップ125がシリンジ103に取り付けられたままであり得る第1の位置(図6A)から前方に第2の位置(図6B)まで長軸方向に移動可能である。アーム277は、このアームが、スライドボタン271およびアームが、それらの第1の位置からそれらの第2の位置まで移動されるとき、シリンジ103からニードルキャップ125を離脱し得るように位置決めかつ配列される。アーム277の前端部279は、図6A〜6Bに示されるように半径方向の内方に延び、このアームによるニードルキャップ125の係合を容易にする。例えば、アーム277の前端部279は、ニードルキャップ125の最大の直径がシリンジ外筒109の直径より小さい場合でさえ、ニードルキャップ125(例えば、このニードルキャップの開放端部上の軸方向に面する表面131)を係合するように適合される。このアームの前端部が半径方向の内方に延びるか否かにかかわらず、用いられるニードルキャップのタイプはまた、アームによるニードルキャップの係合を容易にするように選択され得る。例えば、より大きな直径のニードルキャップ(図示されず)が用いられ得、その結果、ニードルキャップ(例えば、ニードルキャップの開放端部にあるフランジ)は、このアームとの接触を容易にするに十分な量半径方向の外方に延びる。前述を考慮して、当業者は、上記アームおよび/またはニードルキャップの前端部を、アームがニードルキャップの所望の部分にそれがその第1の位置からその第2の位置に向かって移動するとき接触するように適合し得る。
【0031】
スライドボタン271およびアーム277はまた、それらの第1の位置に向かって付勢され得る。図7に示されるように、例えば、付勢部材(例えば、スライドボタン271が前方に移動するときスロット273中で圧縮されるよう位置決めされるスプリング281)が、このスロット中に位置決めされ得、スライドボタンおよびアームを付勢し、それらの第1の位置に向かって移動させる。この付勢力は、付勢部材281が、使用者がスライドボタン271およびアーム277をそれらの第1の位置からそれらの第2の位置に向かってスライドした後、それらの第1の位置にそれらを戻して駆動するに十分な力を有するように選択され得る。
【0032】
スライドボタンニードルキャップイジェクター255は、スロット273を通って空洞107中に発せられる放射線の逃避を防ぐように構築され得る。図7に示されるように、スライドボタン271および/またはニードルキャップ離脱アーム277は、それらが、それらの第1の位置と第2の位置との間を前後に動くとき、それらがスロット273を連続的に覆うような形態であり得る。好ましくは、スライドボタン271および/またはニードルキャップ離脱アーム277は、それらが位置決めされ得るスロット273中の可能な限り後方から、それらが位置決めされ得る上記スロット中で可能な限り前方までそれらが移動されるのようにスロット273を連続的に覆うような形態である。スライドボタン271および/またはニードルキャップ離脱アーム277は、適切な放射線遮蔽材料から構築され得、空洞107中で発せられる放射線が、スロット273を通って放射線シールド201から逃れること防ぐ。
【0033】
放射線シールド201の作動の間に、使用者は、離脱力をスライドボタン271の係合部材257に付与し、このスライドボタンおよび離脱アーム277をそれらの第2の位置に向かって前方に移動される。離脱アーム277が前方に移動するとき、それは、ニードルキャップ125を、このニードルキャップをニードル121がはずれる方向にシリンジ外筒109から離して押すことによりシリンジ103から離脱させる。このアーム277およびニードルキャップ125は、図6Aでは、このアームが第1の位置にあるとき既に接触しているとして描写されているが、このアームは、このアームがその第2の位置に向かう移動を開始した後まで、ニードルキャップと係合しないかも知れないことが認識される。ニードルキャップ125が離脱されるとき、使用者は、彼または彼女の手を、放射線曝露がより大きく影響する領域(例えば、ゾーンZ1、Z2)から離れて維持し得る(上記に記載される放射線シールド101について提示されたのと同じ様式で)。さらに、スライドボタン271および/またはニードルキャップ離脱アーム277は、スロット273を覆い、そしてそれによって、使用者を、そうでなければこのスロットを通って放射線シールド201を逃れ得る放射線から保護する。ニードルキャップ125が、シリンジ103から離脱された後、使用者は、スライドボタン271を解放し得る。スライドボタン271の解放は、付勢部材281がスイライドボタン271およびニードルキャップ離脱アーム277を、それらの第1の位置に自動的に戻るように移動させることを可能にする。ニードルキャップ125の除去の後、シリンジ103は、患者、別のコンテナ、または別の目的物にシリンジ外筒の内容物を送達するために用いられ得る。
【0034】
本発明のなお別の実施形態は、図8〜9Bに示される。この実施形態では、従来の放射性医薬品シリンジ103が、従来の放射線シールド301に装填される。ニードルキャップ391は、上記に記載されるニードルキャップ125と同じ様式でシリンジ103に取り付けられる。しかし、このニードルキャップ391は、このニードルキャップの管状本体395に固定されているアーム393を備えるニードルキャップイジェクター355を含む。アーム393は、ニードルキャップの本体395から、放射線シールド301の前部にある開口部141から遠隔である位置まで延びる。例えば、アーム393は、開口部141に隣接し、そして空洞107/シリンジ外筒109の軸に沿ったこの開口部の軸方向投影内の点を含むゾーンZ2の外側である位置まで、そしてより好ましくは、開口部141を通るシリンジ外筒の少なくとも一部分までの視界の見通し線を有する点を含むゾーンZ1の外側である位置まで、そしてなおより好ましくは、放射線シールド301の本体105と半径方向に対向する関係(例えば、並んで)にある位置まで延び得る。図8〜9Bに示されるように、アーム393は、それがその開放端部でニードルキャップの管状本体395に固定され得、そして放射線シールド301の前エッジの周りでニードルキャップ391の開放端部から、そして次に、この放射線シールドの本体105の側面に沿いかつ隣接して後方に延び得るような形態かつサイズである。
【0035】
アーム393は、(示されるように)ニードルキャップ391の本体395と一体に形成され得る。あるいは、このアーム393は、ニードルキャップの製造の後、通常のニードルキャップの管状本体395に結合(そうでなければ固定)され得る。
【0036】
開口部141から遠隔であるアーム393の部分は、使用者が、離脱力をアームの係合部材357に付与し得、この開口部から遠隔である位置から、シリンジ103からニードルキャップ391を離脱するように位置決めかつ配列され得る。この実施形態では、アーム393の後方セグメントが、係合部材357を規定する。図9Bに示されるように、例えば、アーム393の遠隔部分は、使用者が、片手の親指または指でアームの係合部材357を押し、その一方、同じ手で放射線シールド301を保持し得るように位置決めかつ配列され得る。
【0037】
いずれの場合でも、使用の間、使用者は、離脱力をアーム393の係合部材357に付与し、それによって、このアームを放射線シールド301の前端部に向けて押す。この離脱力は、アーム393を通ってニードルキャップ391の本体395に移され、これは、それによって、シリンジ301から離脱される。その間ずっと、使用者は、彼または彼女の手を放射線曝露がより大きく影響する領域から外に維持し得る。特に、使用者は、彼または彼女の手を、開口部141から遠隔に維持しながら、好ましくは彼または彼女の手を空洞107/シリンジ外筒109の長手方向軸151から半径方向に間隔を置くことを維持しながら、そしてより好ましくは彼または彼女の手を、上記開口部に隣接し、かつ上記長手方向軸151に沿った上記開口部の軸方向投影内の点を含むゾーンZ2の外に維持しながら、そしてなおより好ましくは、彼または彼女の手を、開口部141を通るシリンジ外筒109の一部分への視界の見通し線を有する点を含むゾーンZ1の外に維持しながら、そしてなおより好ましくは、彼または彼女の手を、放射線シールド301の本体105と半径方向に対向する関係に維持しながら、ニードルキャップ391を除去し得る。使用者は、彼また彼女の手を、放射線シールド301の本体105が、使用者の手とシリンジ外筒109との間にあるような位置に維持し得る。ニードルキャップ391が除去された後、シリンジ103は、シリンジ外筒の内容物を、患者、別のコンテナ、または別の目的物に送達するために用いられ得る。
【0038】
本発明の要素またはその好ましい実施形態を導入するとき、冠詞「a」、「an」、「the」、「said」は、これら要素の1つ以上があることを意味することが意図される。用語「包含し」、「含み」、および「有する」は、含まれることが意図され、そして列挙された要素の他にさらなる要素が存在し得ることを意味する。
【0039】
種々の変更が、本発明の範囲を逸脱することなく上記の構築および方法でなされ得るので、上記の説明に含まれ、そして添付の図面に示されるすべての事項は、制限する意味ではなく例示として解釈されるべきである。
【図面の簡単な説明】
【0040】
【図1】図1は、放射性医薬品シリンジのための放射線シールドの1つの実施形態の斜視図である。
【図2】図2は、放射線シールドの長手方向断面図である。
【図3】図3は、放射性医薬品を含むシリンジ上の図1〜2の放射線シールドを含む放射線遮蔽シリンジアセンブリの斜視図である。
【図4A】図4Aは、ニードルキャップが、放射線シールドのニードルキャップイジェクターを用いてシリンジから離脱される順序を示す、放射線遮蔽シリンジアセンブリの断片的長手方向断面図である。
【図4B】図4Bは、ニードルキャップが、放射線シールドのニードルキャップイジェクターを用いてシリンジから離脱される順序を示す、放射線遮蔽シリンジアセンブリの断片的長手方向断面図である。
【図4C】図4Cは、ニードルキャップが、放射線シールドのニードルキャップイジェクターを用いてシリンジから離脱される順序を示す、放射線遮蔽シリンジアセンブリの断片的長手方向断面図である。
【図5】図5は、放射線遮蔽シリンジアセンブリの別の実施形態の斜視図である。
【図6A】図6Aは、スライド機構がニードルキャップをシリンジから離脱するために用いられる順序を示す、図5に示される放射線遮蔽シリンジアセンブリの長手方向断面図である。
【図6B】図6Bは、スライド機構がニードルキャップをシリンジから離脱するために用いられる順序を示す、図5に示される放射線遮蔽シリンジアセンブリの長手方向断面図である。
【図7】図7は、図6A−6Bのスライト機構の一部分の拡大詳細図である。
【図8】図8は、一体形キャップイジェクターを有するニードルキャップを含む放射線遮蔽シリンジアセンブリの別の実施形態の斜視図である。
【図9A】図9Aは、図8に示されるニードルキャップがシリンジから離脱される順序を示す長手方向断面図である。
【図9B】図9Bは、図8に示されるニードルキャップがシリンジから離脱される順序を示す長手方向断面図である。
【0041】
対応する参照文字は、図面を通じて対応するパーツを示す。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
放射線遮蔽アセンブリであって:
放射性物質を含むための外筒および該外筒の1つの端部に位置するニードルを備えるシリンジ;
該シリンジの該外筒の少なくとも一部分を受容するためのその中に規定された空洞を有する放射線遮蔽本体であって、その中に規定された該空洞への少なくとも1つの開口部を、該開口部を通して該空洞の外部へ該シリンジの該外筒の中にある放射性医薬品の送達のために有する本体;および
該放射線遮蔽本体によって支持されるニードルキャップイジェクターであって、該ニードルキャップイジェクターへの離脱力の手動付与に際し、該シリンジから該ニードルキャップを離脱するように作動可能であるニードルキャップイジェクター、を備える、アセンブリ。
【請求項2】
前記ニードルキャップイジェクターが、前記開口部から遠隔に位置する係合表面を有する係合部材を備え、該ニードルキャップイジェクターが、該係合表面への前記離脱力の付与に際し、前記シリンジから前記ニードルキャップを離脱させるよう作動可能である、請求項1に記載のアセンブリ。
【請求項3】
放射線曝露のゾーンが、前記放射線遮蔽本体から離れた前記開口部の軸方向投影内のすべての位置によって規定され、前記係合表面が、前記空洞の外部および第1のゾーンの外側に位置する、請求項2に記載のアセンブリ。
【請求項4】
前記係合表面が、前記放射線遮蔽本体の少なくとも一部分と半径方向で対向している、請求項3に記載のアセンブリ。
【請求項5】
前記係合表面が、前記放射線遮蔽本体に隣接して位置する、請求項4に記載のアセンブリ。
【請求項6】
前記ニードルキャップイジェクターが、該ニードルキャップイジェクターを、前記ニードルキャップが前記シリンジに取り付けられたままであり得る第1の位置に付勢するスプリングを備え、該スプリングが、該ニードルキャップを該シリンジから離脱させるために該第1の位置とは異なる第2の位置に弾性的に変形可能である、請求項1〜5のいずれか1項に記載のアセンブリ。
【請求項7】
前記スプリングの一部分が、前記係合部材および前記係合表面を規定し、該スプリングが、前記放射線遮蔽本体に1つの端部において接続され、そして前記開口部に位置決めされる自由端を有し、該スプリングが、前記ニードルキャップイジェクターの第1の位置で第1の形態に付勢され、該スプリングが、該係合表面への前記離脱力の付与により、該ニードルキャップイジェクターの第2の位置で第2の形態に弾性的に変形可能である、請求項6に記載のアセンブリ。
【請求項8】
前記遮蔽本体が該本体内に規定された穴を有し、前記スプリングが、該遮蔽本体の外部に接続され、そして該穴を通って延びる、請求項6に記載のアセンブリ。
【請求項9】
前記空洞および前記穴の各々が、長手方向軸を有し、該穴の長手方向軸が該空洞の長手方向軸に対して傾いている、請求項8に記載のアセンブリ。
【請求項10】
前記係合部材が、前記放射線遮蔽本体上にスライド可能に取り付けられたアクチュエーターを備える、請求項1に記載のアセンブリ。
【請求項11】
前記アクチュエーターを第1の位置に向かって付勢する付勢部材をさらに備え、該アクチュエーターが該付勢部材の付勢に対して前記ニードルを前記シリンジから離脱させるための第2の位置に手動で移動可能である、請求項10に記載のアセンブリ。
【請求項12】
前記アクチュエーターが、放射線遮蔽物質から作製される、請求項10または11に記載のアセンブリ。
【請求項13】
前記ニードルキャップイジェクターおよび放射線遮蔽本体が、人が該遮蔽本体を保持し、そして片手で前記係合表面に前記離脱力を付与し得るような形状および配列である、請求項1〜12のいずれか1項に記載のアセンブリ。
【請求項14】
シリンジおよび該シリンジの少なくとも一部分の周りに配置された放射線シールドを備える放射線遮蔽アセンブリを用いる方法であって:
該アセンブリのニードルキャップイジェクターに対して力を奏する工程であって、ここで、該放射線シールドの放射線遮蔽物質が、該奏する工程の間に該イジェクターと該シリンジの外筒との間に位置する、工程;および
該奏する工程に起因して該シリンジのニードルからニードルキャップを離脱させる工程、を包含する、方法。
【請求項15】
前記力が、前記シリンジの長手方向参照軸と平行でない力ベクトルを含む、請求項14に記載の方法。
【請求項16】
前記力が、前記シリンジの長手方向参照軸に実質的に垂直である力ベクトルを含む、請求項14に記載の方法。
【請求項17】
前記力が、前記シリンジの長手方向参照軸に実質的に平行である力ベクトルを含む、請求項14に記載の方法。
【請求項18】
前記力の少なくとも一部分を前記ニードルキャップに移す工程をさらに包含する、請求項14〜17のいずれか1項に記載の方法。
【請求項19】
前記イジェクターが、前記ニードルキャップと一体である、請求項14〜18のいずれか1項に記載の方法。
【請求項20】
前記離脱させる工程が、前記ニードルキャップの軸方向に面する表面の一部分のみを前記イジェクターと接触させることを包含する、請求項14〜19のいずれか1項に記載の方法。
【請求項1】
放射線遮蔽アセンブリであって:
放射性物質を含むための外筒および該外筒の1つの端部に位置するニードルを備えるシリンジ;
該シリンジの該外筒の少なくとも一部分を受容するためのその中に規定された空洞を有する放射線遮蔽本体であって、その中に規定された該空洞への少なくとも1つの開口部を、該開口部を通して該空洞の外部へ該シリンジの該外筒の中にある放射性医薬品の送達のために有する本体;および
該放射線遮蔽本体によって支持されるニードルキャップイジェクターであって、該ニードルキャップイジェクターへの離脱力の手動付与に際し、該シリンジから該ニードルキャップを離脱するように作動可能であるニードルキャップイジェクター、を備える、アセンブリ。
【請求項2】
前記ニードルキャップイジェクターが、前記開口部から遠隔に位置する係合表面を有する係合部材を備え、該ニードルキャップイジェクターが、該係合表面への前記離脱力の付与に際し、前記シリンジから前記ニードルキャップを離脱させるよう作動可能である、請求項1に記載のアセンブリ。
【請求項3】
放射線曝露のゾーンが、前記放射線遮蔽本体から離れた前記開口部の軸方向投影内のすべての位置によって規定され、前記係合表面が、前記空洞の外部および第1のゾーンの外側に位置する、請求項2に記載のアセンブリ。
【請求項4】
前記係合表面が、前記放射線遮蔽本体の少なくとも一部分と半径方向で対向している、請求項3に記載のアセンブリ。
【請求項5】
前記係合表面が、前記放射線遮蔽本体に隣接して位置する、請求項4に記載のアセンブリ。
【請求項6】
前記ニードルキャップイジェクターが、該ニードルキャップイジェクターを、前記ニードルキャップが前記シリンジに取り付けられたままであり得る第1の位置に付勢するスプリングを備え、該スプリングが、該ニードルキャップを該シリンジから離脱させるために該第1の位置とは異なる第2の位置に弾性的に変形可能である、請求項1〜5のいずれか1項に記載のアセンブリ。
【請求項7】
前記スプリングの一部分が、前記係合部材および前記係合表面を規定し、該スプリングが、前記放射線遮蔽本体に1つの端部において接続され、そして前記開口部に位置決めされる自由端を有し、該スプリングが、前記ニードルキャップイジェクターの第1の位置で第1の形態に付勢され、該スプリングが、該係合表面への前記離脱力の付与により、該ニードルキャップイジェクターの第2の位置で第2の形態に弾性的に変形可能である、請求項6に記載のアセンブリ。
【請求項8】
前記遮蔽本体が該本体内に規定された穴を有し、前記スプリングが、該遮蔽本体の外部に接続され、そして該穴を通って延びる、請求項6に記載のアセンブリ。
【請求項9】
前記空洞および前記穴の各々が、長手方向軸を有し、該穴の長手方向軸が該空洞の長手方向軸に対して傾いている、請求項8に記載のアセンブリ。
【請求項10】
前記係合部材が、前記放射線遮蔽本体上にスライド可能に取り付けられたアクチュエーターを備える、請求項1に記載のアセンブリ。
【請求項11】
前記アクチュエーターを第1の位置に向かって付勢する付勢部材をさらに備え、該アクチュエーターが該付勢部材の付勢に対して前記ニードルを前記シリンジから離脱させるための第2の位置に手動で移動可能である、請求項10に記載のアセンブリ。
【請求項12】
前記アクチュエーターが、放射線遮蔽物質から作製される、請求項10または11に記載のアセンブリ。
【請求項13】
前記ニードルキャップイジェクターおよび放射線遮蔽本体が、人が該遮蔽本体を保持し、そして片手で前記係合表面に前記離脱力を付与し得るような形状および配列である、請求項1〜12のいずれか1項に記載のアセンブリ。
【請求項14】
シリンジおよび該シリンジの少なくとも一部分の周りに配置された放射線シールドを備える放射線遮蔽アセンブリを用いる方法であって:
該アセンブリのニードルキャップイジェクターに対して力を奏する工程であって、ここで、該放射線シールドの放射線遮蔽物質が、該奏する工程の間に該イジェクターと該シリンジの外筒との間に位置する、工程;および
該奏する工程に起因して該シリンジのニードルからニードルキャップを離脱させる工程、を包含する、方法。
【請求項15】
前記力が、前記シリンジの長手方向参照軸と平行でない力ベクトルを含む、請求項14に記載の方法。
【請求項16】
前記力が、前記シリンジの長手方向参照軸に実質的に垂直である力ベクトルを含む、請求項14に記載の方法。
【請求項17】
前記力が、前記シリンジの長手方向参照軸に実質的に平行である力ベクトルを含む、請求項14に記載の方法。
【請求項18】
前記力の少なくとも一部分を前記ニードルキャップに移す工程をさらに包含する、請求項14〜17のいずれか1項に記載の方法。
【請求項19】
前記イジェクターが、前記ニードルキャップと一体である、請求項14〜18のいずれか1項に記載の方法。
【請求項20】
前記離脱させる工程が、前記ニードルキャップの軸方向に面する表面の一部分のみを前記イジェクターと接触させることを包含する、請求項14〜19のいずれか1項に記載の方法。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4A】
【図4B】
【図4C】
【図5】
【図6A】
【図6B】
【図7】
【図8】
【図9A】
【図9B】
【図2】
【図3】
【図4A】
【図4B】
【図4C】
【図5】
【図6A】
【図6B】
【図7】
【図8】
【図9A】
【図9B】
【公表番号】特表2009−526241(P2009−526241A)
【公表日】平成21年7月16日(2009.7.16)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−554551(P2008−554551)
【出願日】平成20年1月8日(2008.1.8)
【国際出願番号】PCT/US2008/000312
【国際公開番号】WO2008/086004
【国際公開日】平成20年7月17日(2008.7.17)
【出願人】(503102685)マリンクロット インコーポレイテッド (33)
【Fターム(参考)】
【公表日】平成21年7月16日(2009.7.16)
【国際特許分類】
【出願日】平成20年1月8日(2008.1.8)
【国際出願番号】PCT/US2008/000312
【国際公開番号】WO2008/086004
【国際公開日】平成20年7月17日(2008.7.17)
【出願人】(503102685)マリンクロット インコーポレイテッド (33)
【Fターム(参考)】
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