説明

ニードルヘッド

【課題】ニードルヘッド、プローブ構成体でのその使用、及び複数の電子部品を電気的に接触させるための方法を提供する。
【解決手段】ニードルヘッド(1)が、下面(111)を備えた本体(11)と、下面(111)から突出しているニードル電極(12)と、下面(111)に配置された複数の出口(13)とを具備する。チャネル(15)が、入口(14)から出口(13)へと媒体を運ぶために、本体の入口(14)と出口(13)との間に配置されている。この手段によって、ニードルヘッド(1)の下面(111)の下の近いところに配置された電子部品が、電子部品のテスト中、テスト環境を与える媒体に直接触れさせられる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本出願は、2010年7月14日に出願された欧州特許出願10007235.4の優先権を主張し、この開示内容全体が、参照としてここに含まれる。
【0002】
本発明は、ニードルヘッド、プローブ構成体でのその使用、及び複数の電子部品を電気的に接触させる方法に関する。
【背景技術】
【0003】
従来技術のセンサは、しばしば、半導体チップ上に集積センサとして設けられている。
【0004】
このようなセンサは、特許文献1に開示されているように、半導体チップ上に配置された湿度感知材料の層を使用した湿度センサであることができる。他のタイプのセンサは、例えば、金属酸化物の技術を使用するものであり、気体又は液体中のさまざまなタイプの物質を測定するのに適している。測定されることができる代表的な物質は、例えば、CO、CO、NO、揮発性有機化合物(VOC)、特に、いくつかのタイプの気体有機化合物、及び他のタイプの化合物である。
【0005】
半導体チップは、通常、ウェーハに製造され、各ウェーハは、数百以上のチップを有することができる。製造後、ウェーハは、例えば、特許文献2に開示されているように、これらチップを互いから分離するように切断されて、これらを適切なハウジングに置いて、既知の組成の流体に触れさせることによって各センサをそれぞれ校正する。
【0006】
校正プロセスを改良するために、半導体チップを分離するのに先立ってセンサを校正することが示唆され、これは、「ウェーハレベル」に対する校正(キャリブレーション)としても称される。このような校正ルーチンを実行するために、特許文献3は、校正されるセンサを含むウェーハを保持するためのチャックと、チャックの上にウェーハに面して配置されたふたと有する装置を開示している。このふたは、プローブヘッドが配置される開口を与える。プローブヘッドは、ふたに固定された平らなプレートと、その中心の開口との形態を有する。カンチレバーの形態のニードル電極は、プレートの下面に固定されている。チャックは、ふたに対して側方に動かされることができるので、ニードル電極は、校正測定を行うためにウェーハ上で適切なパッドに位置決めされることができる。ウェーハ上のセンサを校正環境に触れさせるために、ふたは、環状の供給ダクトと、ウェーハに面している複数の小さな開口とを有し、このふたは、この供給ダクトを介して供給される校正ガスを与えて、これら小さな開口から校正ガスを発出するように構成されている。
【0007】
しかし、プローブヘッドがふたの中央に位置され、ふたの開口内に固定されているので、校正ガスがこの領域に直接供給されることができない。一方、この領域は、ニードル電極によって測定が果される位置を示しているので、不運なことに、この位置は、校正ガスに直接触れさせることができない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【特許文献1】国際公開WO01/42776号
【特許文献2】国際公開WO01/40784号
【特許文献3】米国特許第7281405号
【発明の概要】
【0009】
それ故、本発明によって解決される問題は、現在調査されている電子部品に近接している測定環境を改良するための装置及び方法を提供することである。
【0010】
この問題は、独立請求項1の特徴に係るニードルヘッドによって、本発明の第1の態様に従って解決される。ニードルヘッドは、電子部品と電気的に接触するように設計されており、このニードルヘッドは、下面を備えた本体と、前記下面から突出しているニードル電極とを有する。さらに、前記下面に配置された複数の出口が設けられている。前記本体の入口と前記複数の出口との間のチャネルが、前記入口から前記複数の出口へと媒体を運ぶために設けられている。
【0011】
ニードルヘッドを通して媒体の供給を実行すること、及びテスト下で少なくとも1つの電子部品に媒体を直接流出させることによって、テスト環境が改良される。この結果、よりいっそう正確なテスト結果が生成されることができ、また、テストが校正ルーチンとして実行されるならば、このような改良されたテスト環境もまた、電子部品の動作を改良し、動作中に電子部品の測定された信号を解釈するようにより正確な校正パラメータが生成され、使用される。テスト下の電子部品は、ガスの出口がテストされる電子部品の直近でニードルヘッドに配置されているという理由のために、このようなガスで直接充填されるので、例えば、電子部品が触れさせられる十分なガスの濃度を含むことができるテスト環境が、改良される。電子部品は、好ましくは、センサであることができるが、テスト環境に触れさせられる必要がある他の電子部品であってもよいことが言及される。テスト環境にこのような電子部品を触れさせる理由は、構成要素をテストする、又は、例えば、構成要素を校正することができるからである。テスト環境を確立するために使用される媒体は、電子部品が動作中に触れさせられると予期される気体又は液体のような媒体であることができる。
【0012】
このようなニードルヘッドは、効果的には、パネルと、このようなパネル中のチャネルと、パネルの下面に配置された少なくとも1つの出口とを備えたプローブ構成体に組み込まれることができ、チャネルに供給された媒体は、パネルの出口を通ってチャネルから発出することができる。このような構成体では、ウェーハもまた、その周囲で媒体に触れさせられることができるので、大部分の領域が測定の信頼性及び正確さにとって有益なテスト環境に触れさせられる。このような実施の形態では、前記パネル中のチャネルは、ニードルヘッド中のチャネルに接続されることができ、パネルを介してニードルヘッドに媒体を供給する。代わって、媒体は、パネルの外部の他の手段によってニードルヘッドに供給されることができる。プローブ構成体の他の実施の形態では、パネル中のこれらチャネル及びニードルヘッドが接続されるので、ニードルヘッドから発出する媒体がパネルを介して供給される。しかし、媒体は、ウェーハの周囲をまた媒体に触れさせるために、パネルそれ自体からさらに発出する必要がないことができる。このような効果もまた、他の媒体電源供給手段によって達成されることができる。
【0013】
本発明の他の態様によれば、複数の電子部品を電気的に接触させるための方法が提供され、電子部品を含むウェーハは、ニードルヘッドと同様に提供される。ニードルヘッドの入口には、電子部品が触れさせられる媒体が供給される。複数のこれら電子部品は、複数のニードル電極によってそれぞれ同時に接触される。ニードル電極でアクセス可能な信号が、好ましくは、複数の電子部品に対して同時に測定される。電子部品が、ニードルヘッドを通して伝達された媒体によって衝突されたとき、これらの信号が測定される。
【0014】
この方法によって、テスト又は校正ルーチンが、複数の電子部品に対して同時に実行されることができ、かくして、製造プロセスにおける時間を実質的に節約する。
【0015】
他の効果的な実施の形態が従属請求項に規定される。装置に関してのみ参照される、又は請求項に規定される実施の形態は、方法に関して開示されているとみなすことができ、逆もまたみなすことができることが言及される。
【0016】
本発明のいくつかの実施の形態が、一例によって、添付図面を参照して説明される。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【図1】図1は、本発明の一実施の形態に係るウェーハプローバの断面を概略的に示す図である。
【図2】図2は、回路基板及びパネルと相互に作用する、本発明の一実施の形態に係るニードルヘッドの断面図である。
【図3】図3は、本発明の一実施の形態に係るニードルヘッドの斜視図である。
【図4】図4は、図3のニードルヘッドの下面の平面図である。
【図5】図5は、図3に係るニードルヘッドの切断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
図では、同一又は同様の構成要素が、全ての図にわたって同じ参照符号で示される。
【0019】
図1は、電子部品をテストと校正との少なくとも一方をするための、特に、センサをテストと校正との少なくとも一方をするための装置の断面図である。特に、この装置は、湿度センサを校正するために使用されることができる。湿度センサは、空気中又は他の気体中の水分量を検出するために使用されることができる。
【0020】
これらセンサが共通のウェーハ中に配置されている間に校正されるという理由のために、このような装置もまた一般的に「ウェーハプローバ」と呼ばれる。従って、校正測定は、センサがウェーハを例えば測定される物質の量がわかっている気体の形態の流体に触れさせることによって、ウェーハに組み立てられている間に行われる。まずウェーハを切断して、センサを取り付けて、そして、これらを校正するのではなく、センサは初期段階で校正される。これは多くのセンサを迅速に校正し、かつ、さらなる製造工程からうまく動作しないセンサを取り除くことを可能にする。さらに、これは、多くのセンサを校正するために少量の校正流体のみを必要とする。
【0021】
ほぼ円筒状のチャック7は、このようなウェーハ8の支持体として機能する。ウェーハ8は、基本的に動作の準備ができているが、まだ校正され、切断され、適用可能にパッケージされる必要のある2次元行列のセンサを有する。ウェーハ8は、チャック7の平らな上面に置かれている。チャック7には、選択的に、チャックの上面で終わっている吸引ダクト(図示されない)が設けられることができ、当業者に知られているように、チャック7に固定されているウェーハ8を保持するために使用される。
【0022】
動作中、それぞれ、チャック7の上に装填された(1つ又は複数の)ウェーハ8には、チャック7の上側に面してパネル21が配置されている。パネル21の底面213とチャック又はウェーハ8の上面との間には、小さなギャップが設けられている。
【0023】
ニードルヘッド1は、パネル21の開口214に配置され、パネル21に緊密に接続されることができる。ニードル電極12は、ニードルヘッド1の本体11の下面111から突出している。本明細書中において「突出している」(emerging)とは、ニードル電極がウェーハ8に面している方向に本体11の全ての要素を必ずしも突き出しているとは限らないことを意味する。後に説明されるいくつかの実施の形態によれば、本体の下面は、ニードル電極が穿孔している平らな面を含む要素から構築されることができるのであれば、ニードル電極は、ニードルヘッドの下面を構築しているこのような要素から、及びこのような要素に対して突出している。これらニードル電極は、これらの先端がウェーハ8上のセンサチップのパッドと接触することができるように配置されている。
【0024】
パネル21は、ウェーハ8上のセンサをテスト又は校正環境に触れさせるために、ウェーハ8に媒体を案内するためのチャネル2111を有する。この理由のために、この図には示されないリザーバからの気体が、この図には示されない適切な供給構造体を介してチャネル2111に供給されることができる。いったんチャネル2111に入ると、気体は、パネル21の底面213に配置された複数の出口から発出することができる。これら出口は、ニードルヘッド1の開口214と、チャック7上の中央のウェーハ8のエッジを示しているパネル21中の実質的な周囲エッジとの間で、パネル21に径方向に配置されることができる。出口それ自体は図1には示されないが、これらの位置は、ウェーハから発出して、ウェーハ8に向かって下に流出する気体を示す垂直な矢印によって示される。
【0025】
パネル21の水平方向のチャネル2111は、ニードルヘッド1の水平方向のチャネル15とアライメント(整列)されている。アライメント目的のために、パネル21の開口214の水平方向の出口が、その側面112のところでニードルヘッド1の水平方向の入口14とアライメントされており、この結果、2つのチャネル2111、15が接続されている。これは、ウェーハ8に向かってパネル21の垂直方向の出口から発出するだけでなく、ニードルヘッド1のチャネル15に流入するチャネル2111に供給される気体をもたらす。一般的に、ニードルヘッドの入口の数は、1つに限定されない。複数の入口が配置され、これらが、適切であると考えられるようなニードルヘッドのチャネルに接続されることができる。
【0026】
ニードルヘッド1の下面111は、ニードルヘッド1のチャネル15と接続された、図には示されない複数の出口を有する。結果として、チャネル15に供給された気体は、ニードルヘッド1の下面111から発出して、図1に矢印で示されるように、ウェーハ8を乾燥させる(蒸発する)。この手段によって、ニードルヘッド1の下に位置されたセンサを気体に直接触れさせること(露出)が、走査/テスト/校正中により正確な結果をもたらすように達成されることができる。
【0027】
図1の特定のニードルヘッド1では、気体がこのような開口から流出するのを防ぐために、ニードルヘッド1の上側のところで開口を閉じるための栓16が設けられている。代わって、このような開口は、パネル21を通して供給される気体の代わりにニードルヘッドの上部から供給される気体のための入口として使用されることができる。
【0028】
パネルは、適切な支持構造体に装着されることができる。パネルとニードルヘッドとの少なくとも一方を加熱と冷却との少なくとも一方をするための手段が設けられることができる。このような加熱/冷却手段は、パネルとニードルヘッドとの少なくとも一方を出る前に、媒体の温度を調節するように機能する。ニードル電極は、ニードルヘッドに結合されるか接合される適切な鉛によって外部の世界に電子的に接続されることができる。
【0029】
湿度発生器は、既知の明確な湿度を有する気体を用意して、このような気体をチャネル2111に供給するために使用されることができ、代わって、図1の装置全体が、例えば、気候制御されたキャビネットで、既知の湿度の気体を含むチャンバに置かれることができ、もしくは、ガスの組成が、予め知られていなくてもよい。
【0030】
チャック7及びパネル21は、x並びにy方向に互いに対して移動されることができる。スタンドのテスト装置を実行する場合には、チャック7又はチャック7を運ぶための他の手段が、パネル21に対して移動可能であることができる。このような位置決め装置は、水平方向であるx方向並びにy方向に沿ってチャック7の位置を正確に位置決めすることができる。x方向は、図1に矢印によって示され、また、y方向は、図の平面に垂直である。選択的に、パネル21及びチャック7は、2つの部分をわずかに隔てるために、x−y−位置決め装置が、チャック7を移動させる間、z−方向に沿って互いに移動可能であることができる。x−y−位置決め装置は、代わって、チャック7を運ぶロボットアームを有することができる。ロボットアームは、ニードルヘッド1に対してチャック7を移動させるために、及び、ウェーハ8を積んだり降ろしたりするためにチャック7をニードルヘッド1から離れた搬送位置にもたらすために使用されることができる。ニードルヘッド1のニードル電極12をそれぞれのセンサと接触させるために、パネル11又はニードルヘッド1は、適切なz−位置決め装置に再び装着されることができる。位置決め装置は、制御ユニットによって制御されることができる。制御ユニットは、ニードルヘッドによってウェーハ上の各センサと接触するように構成されたウェーハプローバのx−アクチュエータ、y−アクチュエータ及びz−アクチュエータの動作を制御する。制御ユニットは、ニードルヘッドによって接触されるセンサを動作させるために、及び、例えば、各センサと一体化されたメモリデバイスに校正データを格納することによって同様に校正をするために、回路とソフトウェアとの少なくとも一方をさらに含むことができる。校正されるセンサが湿度センサである場合には、制御ユニットは、湿度発生器の動作を制御することができ、この湿度発生器は、基本的に、所定のレベルの湿度を含むまで、所定の量の気体に湿度を加えることと湿度を除去することとの少なくとも一方をする装置である。
【0031】
図1に係るウェーハプローバは、チャック7を所定の温度に加熱と冷却との少なくとも一方をするための手段を付加的に与えることができ、かくして、チャック7の上部に配置されたウェーハ8の温度を実質的に制御する。
【0032】
図2は、本発明の他の実施の形態に係るニードルヘッド1の断面を示している。図1のニードルヘッドとは対照的に、このニードルヘッド1は、回路基板6に直接装着され、鉛(図示されない)によってこの回路基板に電気的に接続されている。さらに、図2のニードルヘッド1は、好ましくは金属で、特にアルミニウムでできたフレーム113と、3つのセラミック層を含む層状のニードルホルダ114とを有する。上部層1143は、好ましくは、上部層1143のセラミック材料に押圧されたニードル電極(図示されない)を保持している。中間層1142は、フレームとして設計されており、上部層1143と平らな底部層1141との間にチャンバ1144を規定することによって、底部層1141に対するスペーサとして機能することができる。底部層1141は、ニードル電極がこの中に突出する複数のボアを有し、ニードル電極は、代表的に、これらボアに固定されない。代わりに、ニードル電極は、これらボアを通って延び、底部層1141の下面111からわずかに突出することができる。これらは、ウェーハ8上のパッドと接触するために必要とされるx方向に所定の可撓性を示すことができ、一方、これらボアは、ニードル電極の過度の側方への動きを防ぐことができる。
【0033】
さらに、底部層1141は、ウェーハが触れさせられる媒体の出口を含む。媒体は、パネル21中のチャネル2111を介してニードルヘッド1に供給される。図2のパネル21は、スラブ211と、スラブ211のためのエンクロージャ212とを有する。チャネル2111は、スラブ211とエンクロージャ212との間に形成されている。パネル21の開口214は、ニードルヘッド1を保持するように提供されている。チャネル2111は、開口214の出口2121のところで終わっている。ニードルヘッド1中のチャネル15は、これらの入口14がチャネル2111の出口2121とアライメントされているので、パネル21のチャネル2111によって供給された媒体が、ニードルヘッド1のチャネル15に入る。ニードルヘッド1のチャネル15に入ったとき、媒体は、ニードルホルダ114の上部層1143のアパーチャ11431を通ってチャンバ1144へと進行し、ニードルヘッド1の下面111の出口(図示されない)、即ち底部層1143の下面111からニードルヘッド1を出る。
【0034】
フレーム113の内部とニードルヘッド1の出口との間の媒体の流れのよりよい理解のために、図5が参照される。図5は、切断面図における同様のニードルヘッド1を示している。この図では、その3つの層1141、1142、1143を備えたニードルホルダ114が、フレーム113の装着プラットフォーム1132に装着されている。3つの層1141、1142、1143は、チャンバ1144を規定している。特に、上部層1143のアパーチャ11431が、フレーム113とニードルヘッド114との間に媒体のためのインターフェイスを構築していることが明確になる。図5はまた、媒体がニードルヘッド1を出るための底部層1141中の出口13を示している。この実施の形態では、ニードルヘッド1は、パネル21に装着されている。
【0035】
図2の実施の形態では、ニードルヘッド1のフレーム113は、その上部に中央開口を有する。このような開口は、この位置で媒体をフレーム113から出すためではなく、代わって、ニードルホルダ114を通してニードルヘッド1に媒体の完全な出口をなすために、栓によって閉じられる。しかし、代わりの実施の形態では、フレーム113の側壁1131中の入口14は、例えば、栓によって、閉じられることができるか、これらの側壁1131にさらに設けられず、この結果、中央開口は、媒体のための入口14として機能することができる。このような場合には、媒体は、ニードルヘッド1の上部から供給されることができる。しかし、パネル21のチャネル2111は、パネル21(図示されない)中の出口へ媒体を送るためになおも機能することができる。
【0036】
図3は、図2に導入されたのと同様のニードルヘッド1の本発明の実施の形態によるニードルヘッド1の斜視図を示している。再び、ニードルヘッド1は、基本的に矩形の形状であり、フレーム113とニードルホルダ114とを有し、ニードルホルダ114は、3つの層1141、1142、1143を有する。図3から見られることができるように、フレームは、ボアの形態である2つの入口14を有し、媒体がニードルヘッド1の内部チャネル構造体に入るのを可能にするために、一方のボアのみがその側壁1131に示されるボアの形態で2つの入口を有する。
【0037】
底部層1141は、基本的に、さまざまな目的のために機能する孔が散在されている平らな下面111を有する。底部層1141の外周のこれら孔は、ニードルホルダ114の層をフレーム113に装着させるように機能する。2列で互いに平行に配置された細長い孔は、ニードルヘッド1に供給された媒体のための出口13として機能する。さらに、ニードル電極が底部層1141を通り抜けて、かつニードルヘッド1の下面111から突出しているべき複数のボア(図示されない)がある。効果的には、各ニードル電極は、前記下面111で別個のニードルボアに配置されている。好ましい実施の形態では、複数のニードルボアと複数の出口とを合わせた領域が、下面11の3分の1未満の領域を覆っている。
【0038】
図3に係るニードルヘッド1の下面111の平面図である図4では、ニードル電極12のためのボアが、小さなドットによって示される。この実施の形態では、底部層1141中の個々のボアが、各ニードル電極12に割り当てられる。このような配置は、z方向に圧縮されたとき、ニードル電極12を絶縁する(分離する)ように最もよく機能する。しかし、共通のボアが、複数のニードル電極に対して、特に、同じ電子部品と接触する全てのニードル電極に対して機能することができるいくつかの実施の形態があることができる。
【0039】
図4では、1対の2つのニードル電極が、ニードル電極12のサブグループ121を形成しており、このサブグループ121は、ウェーハ8上の1つのセンサと接触するように配置されている。同じサブグループ121の電極12は、互いに近接して、特に、ニードルヘッド1の他のニードル電極12によりも互いに近接して配置されている。サブグループ121のニードル電極12は、ウェーハに設けられた電子部品の接触パッドが適切に接触されることができるように配置されている。これらサブグループ121のうち8つは、列の形態で互いに近接して配置されている。同じ列のサブグループ121は、グループ122を形成している。同じグループ122に属しているサブグループ121は、ニードルヘッド1の他のサブグループ121への距離よりも小さい隣接しているサブグループ121への距離を有する。ニードル電極12のグループ122は、この例では、2つの列123で配置されている。各列123では、隣接しているグループ122は、細長い出口13によって互いに隔てられている。このような配置によって、校正又はテスト目的のためにセンサがニードル電極12によって接触される領域は、このようなテスト動作中に媒体に十分に触れさせることが達成される。これら出口13は、ニードル電極12に非常に近接して配置されている。同時に、ニードル電極12は、ニードル電極12がストレート形状をとることを可能にすることによって、上部層1143に固定されることができる。潜在的に損傷を引き起こしうるニードル電極12の過度の側方への動きは、ニードル電極12が側方にガイドされるボアによって防がれる。
【0040】
前記図のいずれかに係るニードルヘッドを備えたセンサを校正するために、校正される複数のセンサを含むウェーハ8は、チャック7に手動又は自動で配置される。湿度発生器は、既知の湿度レベルで気体を生成するために作動される。湿潤気体(fumid gas)は、チューブを通ってパネル21中のチャネル2111の構造体に供給される。チャネル2111を通るその通過中に、気体は、加熱/冷却手段によって所定の温度に熱運動され、この結果、ニードルヘッド1に到達したとき、気体は、実質的に所定の温度を、従って規定された相対湿度を示す。
【0041】
気体は、チャネル15、即ちニードルヘッド1に流入し、ニードルヘッド1の下面111で出口13から発出し、この結果、校正されるセンサがこのような気体に直接触れさせる。このような手段によって、所定の環境が、校正中により正確な校正結果をもたらすように与えられる。さらに、気体は、パネル21の下面に配置された出口2121を通ってパネル21自体から発出することができる。これら出口2121を供給するためのチャネル構造体は、ニードルヘッド1に気体を供給するために同じチャネル2111を有することができる。代わって、パネル中のそれぞれのチャネルは、パネル21の出口2121に気体を運ぶために使用されることができる。
【0042】
ウェーハ8が校正ガスに触れさせられている間、ニードルヘッド1が同時に全てのセンサを接触させるために十分なニードル電極12を与えるのであれば、ウェーハ8上のセンサは、好ましくは、全て同時に校正されることができる。代わって、センサは、x/y方向に互いに関連してチャック7及びパネル21を移動させることによって、連続して接触する。校正それ自身は、校正測定と、続いて、センサ自体中の校正データの記憶とを含むことができる。効果的には、校正データは、それを校正した直後にセンサに格納される。
【0043】
校正中、各センサの一般的な機能性が、同様にテストされることができ、また、うまく動作しないセンサは、ウェーハ8を切断した後に廃棄されることができる。ウェーハ8上のセンサの校正が完全であれば、ウェーハ8は、ウェーハプローバから手動又は自動で取り除かれ、個々のセンサを分離するために切断されることができる。
【0044】
上の例では、本発明は、効果的なアプリケーション、即ち湿度センサの校正に関する内容で説明されてきた。しかし、上に説明されるように、本発明はまた、流体中の物質を検出する他のタイプのセンサを校正するために使用されることができる。これは、特に、気体又は気体混合の構成の物質を検出するセンサに使用されることができ、その場合には、湿度発生器は、所定の比率の気体の混合物を用意するのに適した装置に置き換えられる。代表的な物質は、CO、CO、NO、揮発性有機化合物(VOC)、いくつかのタイプの気体有機化合物及び他のタイプの合成物である。
【0045】
本発明は、さらに、液体がニードルヘッド1の動作を果す限り、液体中で物質を測定するように構成されたセンサに使用されることができる。この場合、ウェーハプローバは、液体のバス中に配置されることができる。効果的には、流体中の物質を検出するセンサを校正するために使用されたとき、この装置には、ニードルヘッド及びパネルのチャネル構造体に校正流体をそれぞれ供給するのに適切な流体材料(fluid feed)が与えられることができる。
【0046】
ここに説明されたタイプの装置はまた、ウェーハ上の温度センサを校正するために使用されることができる。特に、温度制御されたパネル及び温度制御されたチャックを有することは、特に、パネル及びチャックが同じ温度を保つのであれば、ウェーハにかなり均一な温度分布を発生させる。ウェーハ上の温度センサを校正するために、ウェーハはチャックに置かれ、このような温度に触れさせられる。校正測定は、ニードルヘッドによって行われることができる。
【0047】
装置が温度センサの校正に使用されれば、物質センサの校正に使用されるような流体材料を与える必要がない。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
電子部品と電気的に接触するニードルヘッドであって、
下面を備えた本体と、
前記下面から突出しているニードル電極と、
前記下面に配置された複数の出口と、
前記本体の入口と前記複数の出口との間の、前記入口から前記複数の出口へと媒体を運ぶためのチャネルとを具備するニードルヘッド。
【請求項2】
前記ニードル電極は、前記下面の複数のニードルボアに配置され、
前記複数のニードルボアは、前記下面に前記複数の出口から離れた複数の開口を形成している請求項1のニードルヘッド。
【請求項3】
各ニードル電極は、前記下面で別個のニードルボアに配置され、
前記複数のニードルボアと前記複数の出口とを合わせた領域が、前記下面の3分の1未満の領域を覆っている請求項2のニードルヘッド。
【請求項4】
前記ニードル電極は、それぞれの電子部品と接触するように設計された各サブグループを含む複数のサブグループで配置され、
前記複数のサブグループは、グループで配置され、
前記グループは、少なくとも1列で配置され、
前記複数の出口の1つは、同じ列の各2つの隣接しているグループの間に配置されている請求項1ないし3のいずれか1のニードルヘッド。
【請求項5】
各出口は、細長い孔によって形成されている請求項1ないし4のいずれか1のニードルヘッド。
【請求項6】
前記入口は、前記本体の側面に配置されている請求項1ないし5のいずれか1のニードルヘッド。
【請求項7】
前記本体は、この本体の少なくとも側壁を形成している金属でできたフレームを有し、
前記少なくとも1つの入口は、前記側壁に配置されている請求項1ないし6のいずれか1のニードルヘッド。
【請求項8】
前記本体は、
前記複数の出口と前記複数のニードルボアとを含み、前記本体の前記下面を形成している底部層と、
前記ニードル電極を保持するための上部層とを備えた層状のニードルホルダを具備し、
前記上部層は、前記チャネルの一部を形成しているアパーチャを含む請求項2ないし7のいずれか1のニードルヘッド。
【請求項9】
フレームの形態の中間層が、前記上部層及び底部層と一緒にチャンバを形成するように、前記底部層と前記上部層との間に配置され、
前記上部層、底部層及び中間層は、セラミックスでできている請求項8のニードルヘッド。
【請求項10】
下面を備えたパネルと、
媒体を運ぶための、前記パネル中のチャネルと、
前記パネルの前記下面に配置され、前記チャネルに接続された少なくとも1つの出口と、
前記パネルの開口に配置された請求項1ないし9のいずれか1のニードルヘッドとを具備するプローブ構成体。
【請求項11】
下面を備えたパネルと、
媒体を運ぶための、前記パネル中のチャネルと、
前記パネルの開口に配置された請求項1ないし9のいずれか1のニードルヘッドとを具備し、
前記パネルの前記チャネルは、前記ニードルヘッドの前記チャネルに接続されているプローブ構成体。
【請求項12】
前記パネルの前記下面に配置され、かつ前記パネルの前記チャネルと接続されている少なくとも1つの出口を具備する請求項11のプローブ構成体。
【請求項13】
前記パネルの前記チャネルは、前記ニードルヘッドの前記チャネルに接続されている請求項10のプローブ構成体。
【請求項14】
前記パネルの前記開口の出口と、
前記ニードルヘッドの前記本体の側面に配置された入口とを具備し、
前記開口の出口及び前記側面のところの入口は、互いにアライメントされている請求項10ないし13のいずれか1のプローブ構成体。
【請求項15】
前記パネルと前記ニードルヘッドとの少なくとも一方に加熱と冷却との少なくとも一方をするための手段を具備する請求項10ないし14のいずれか1のプローブ構成体。
【請求項16】
複数の電子部品を電気的に接触させる方法であって、
前記複数の電子部品を含むウェーハを用意することと、
請求項1ないし9のいずれか1のニードルヘッドを用意することと、
前記ニードルヘッドの前記入口を前記媒体に供給することと、
前記複数の電子部品を複数のニードル電極にそれぞれ同時に接触させることと、
前記ニードル電極でアクセス可能な信号を測定することとを具備する方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2012−21988(P2012−21988A)
【公開日】平成24年2月2日(2012.2.2)
【国際特許分類】
【外国語出願】
【出願番号】特願2011−154684(P2011−154684)
【出願日】平成23年7月13日(2011.7.13)
【出願人】(509225328)ゼンジリオン・アーゲー (4)
【Fターム(参考)】