説明

ネジ型ポンプ

【課題】循環液の流路に配置する循環ポンプの単純構造で低騒音、ケーシング厚み寸法の小形薄型化を図る。
【解決手段】前記ケーシングに円筒型ネジポンプ室に流入させる吸込口と、前記循環液流路内から前記循環液を流出させる吐出口とを備えた循環ポンプケーシング内に形成する液体流路に螺状の溝を刻んだネジ形回転子を内臓する円筒型ネジポンプ室と駆動部室に分離する隔壁部を平面位置配置し、隔壁部を挟んで磁石の吸引力による液体流路ポンプ室のネジ形回転子の一端に設けたカップリング部材に駆動モータの回転を伝達する。ネジ形回転子に刻んだ螺状の溝と円筒型ネジポンプ室の内壁の間にポンプ水路を形成し前記ネジ形回転子の回転に伴い円筒型ネジポンプ室に循環液を吸込口から流入し、吐出口からポンプ室外へ流出する。

【発明の詳細な説明】
【利用分野】
【0001】
本発明は、モータ内蔵形の流体ポンプ及びこの流体ポンプを備えた冷却装置並びに通信機器、電子機器、デスクトップ形パーソナルコンピュータ、ノート形パーソナルコンピュータの水冷式冷却用循環小型ポンプに関する。
【背景技術】
従来例として、遠心型ポンプはポンプの駆動部モーターとポンプ室が構造的に厚みが嵩張る構成でパソコン等に供する水冷式冷却用の超小型ポンプ特願平11−309317、特開2003−172287、特開2001−132699などがある。
【発明が解決しようとする課題】
【0002】
通信機器、電子機器の大容量化に伴い演算装置(CPU)の高速化等作動時に発生する熱量が多くなってきている。装置の発熱量が増大し放熱構造も従来の空冷式に合わせて水冷による放熱構造が重要となってきた。
【0003】
従来の軸封装置では、流体が流路に流れ吸い込まれる吸入口と、流れ吐き出される吐出口の位置向きが規制されていた。
液体が流液路に流れ込む吸入口と、流れ吐き出される吐出口の向きをポンプの厚さ寸法内にして薄型にしているが駆動部モーター部の厚さ寸法とポンプ構造部の厚さ寸法が重なり薄型化には限界がある。
【発明が解決するための手段】
【0004】
本発明の請求項1のネジ型ポンプは、ケーシング内に流体が流通する流路を内部に有し前記流路に筒状のポンプ室が設けられ前記ポンプ室には流体が流れこむ吸込口と、前記流体が放出される吐出口が設けられ、前記ポンプ室内に丸棒状の外周に螺旋の溝を有するネジ状の回転子が配置され、前記回転子の両端には回転自在に軸受が設けられて、前記ポンプ室内の内壁と前記回転子ネジ状の外周螺旋の溝で回転移動する回転流路が構成される。
【0005】
前記回転子の軸受の一方に回転子と一体となって回転を伝達する非接触回転磁気カプラーAとモータとモータ軸の一端にモータ軸と一体で回転する非接触回転磁気カプラーBから構成される磁気カプラーユニットを分離する隔壁で連通を分断した軸封装置を設けたネジポンプにおいて、前記回転子の回転により前
【0006】
記回転流路が螺旋の進み角により液体を吸い込み送り出す吐出口の位置が同一平面もしくは略同一平面に設けることにより、ネジポンプの厚さ寸法はネジ形状部のモジュールの寸法を従来の形状より小さい薄型にすることができ、駆動部モーター部の厚さ寸法とポンプ構造部の厚さ寸法を小さく同一平面もしくは略同一平面に配置することでポンプの厚さ寸法内に小型の薄型の構造にすることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0007】
本発明を、冷却装置に適用した第1の実施例を図1、図2を参照しながら説明する。図3は小型のネジポンプ1を概略的に示す外観斜視図である、図4は電子装置2を概略的に示す斜視図で電子装置2内には、装置冷却ファン3、発熱体CPU4を搭載した電子基板部5と冷却ユニット6、制御装置7が配置されている。
【0008】
冷却ユニット6はネジポンプ1、受熱部8、放熱部9とから構成されている、冷却ユニット6には接続するチューブ10、11、12を備える、前記チューブ10、11、12は、内径が2〜4mmの可撓性を有する細管から構成されている。ネジポンプ1、チューブ10、受熱部8、チューブ11、放熱部9、チューブ12からなる循環サイクルには、粘度が低い流体冷媒、例えば防錆性のある冷却水を使用した循環サイクルを構築する。
冷却ユニット6には前記発熱体CPU4に密着するように受熱部8を配置し前記発熱体CPU4の熱を効率よく伝達する。
【0009】
前記ネジポンプ1の構成を図1、図2及び図3を参照しながら説明する。
ネジポンプ1は、流体が吸い込まれる流入口13と流体を送り出す円筒状のポンプ室14と流体が放出される吐出口15が備えられた本体ケース16と、流体を吸い込み押し出す回転子17、回転子17は外周にネジ状溝18が刻み込まれ、円筒状のポンプ室14の壁とネジ状溝18の隙間に回転流路がつくられる前記回転子17において軸の一方の軸端A19に磁気カプラA20を固定し前記回転子17が回転自在に嵌合するポンプ室14の軸受部21を設け回転子17の軸端A19近傍を支持する、前記回転子17を均衡に回転自在に嵌合するように軸端B22を支持する軸受部23を設けたケース密閉フタ24でポンプ室14が水密な流路を構成される。
【0010】
ポンプ室14の軸受部21近傍の外周壁25を隔て磁気カプラB26が非接触で回転自在に配置し、ポンプ室14の外周の磁気カプラB26の回転が磁気カプラA20に従動し前記回転子17に回転動力が伝達される。
【0011】
磁気カプラB26には小型モータ27の軸28に結合させ、この小型モータ27の回転動力が磁気カプラB26と磁気カプラA20の磁気カップリングで前記回転子17に回転動力を伝達する、回転子17が回転すると回転子17の外周に刻まれたネジ状溝18の谷部とポンプ室14の円筒壁29で構成される回転体流路30がネジ状溝18の進み角に従い回転流路30内の流体を押し出し吐出口15から放出し流入口13から流体が流れ込み循環ポンプ作用が構築される。
【0012】
ネジポンプ1の吐出口11にチューブ10の一端を装着固定し、チューブ10のもう一端に前記発熱体CPU4上に配置した受熱部8に繋ぎ、受熱部8からチューブ11に装着しチューブ11から放熱部9に繋ぎ、放熱部9からチューブ12に繋ぎ、チューブ12からネジポンプ1の流入口13に繋ぐ。
【0013】
放熱部9で冷却された冷媒液がネジポンプ1により発熱体CPU4の熱を吸熱した受熱部8に流入し、受熱部8の熱交換をして発熱体CPU4の冷却を促し、且つ熱を受けた液体はチューブ11により放熱部9へ送られ熱交換をして液体は冷却され再びチューブ12から流入口13に送られネジポンプ1で吐出口11から送りだされ冷媒液が循環サイクルをする。
【0014】
ネジポンプ1の小型モータ27を制御するように、放熱部8及び受熱部9のうちのどちらか一方の温度に基づいて駆動を制御する駆動制御装置7を構成しても良い。本発明に係る冷却装置は、ノート形パーソナルコンピュータ或いは他の電子機器に搭載しても良い。
【発明の効果】
【0015】
以上の説明から明らかなように、本発明のネジポンプは、ケーシングに設けられた流入口及び流出口を、ロータの軸部外周に設けられたねじ溝と円筒状内壁面で構成されるポンプ室により流体が押し出されるので流体の流量を定量的に的確な制御が出来る。上述の如くロータの軸部のねじ溝とその外周を覆う円筒状ポンプ室の構成でケーシングの厚み寸法を小さくすることができる。
【0016】
また、本発明の上記ネジポンプを備えた冷却装置は、装置全体の小形化を図ることができる。
更に、本発明のノート形パーソナルコンピュータは、上記冷却装置を内部に搭載すれば、装置の大形化を招くことなく演算装置を効率良く冷却することができる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【図1】本発明による実施例電子装置の構造斜視図
【図2】本発明による実施例放熱システム図
【図3】本発明の構造斜視図
【図4】本発明の断面図
【符号の説明】
【0018】
1 ネジポンプ
2 電子装置
3 冷却用ファン
4 CPU
5 電子基板部
6 冷却ユニット
7 制御装置
8 受熱部
9 放熱部
10 チューブ
11 チューブ
12 チューブ
13 流入口
14 ポンプ室
15 吐出口
16 ケース本体
17 回転子
18 ネジ状溝
19 軸端A
20 磁気カプラーA
21 軸受部
22 軸端B
23 軸受部
24 ケース密閉フタ外周壁
25 外周壁
26 磁気カプラB
27 小型モータ
28 軸
29 円筒壁
30 流路
31 Oリング
32 Oリング
33 Oリング
34 取付台

【特許請求の範囲】
【請求項1】
流体の吸入口と吐出口を有するケーシングと、前記ケーシング内に回転軸と一体で回転する一本のネジ回転子を収容配置し、前記ネジ回転子と一体で回転する前記回転軸の両端に回転自在に支持する軸受部とネジ回転子軸の一端に一体となって回転を伝達する非接触の回転磁気カプラー1と、モータとモータ軸の一端にモータ軸と一体で回転する非接触の回転磁気カプラー2と、前記回転磁気カプラー1と前記回転磁気カプラー2から構成された磁気カプラーユニットを分離する隔壁で連通を分断する軸封装置を設けた円筒状のポンプ室のネジポンプにおいて、前記ケーシングの流体の吸入口と吐出口と円筒状のポンプ室とネジ回転子軸と動力モータ軸の回転軸中心が平面的に配置したことを特徴としたネジ型ポンプ。
【請求項2】
流体の吸入口と吐出口を有するケーシングと、前記ケーシング内に回転軸と一体で回転する一本のネジ回転子を収容配置し、前記ネジ回転子と一体で回転する前記回転軸の両端に回転自在に支持する軸受部とネジ回転子軸の一端に一体となって回転を伝達する非接触回転磁気カプラー1とモータとモータ軸の一端にモータ軸と一体で回転する非接触回転磁気カプラー2と前記回転磁気カプラー1と前記回転磁気カプラー2から構成された磁気カプラーユニットを分離する隔壁で連通を分断する軸封装置を設けた円筒状のポンプ室のネジポンプにおいて、前記磁気カプラーユニットの前記ネジ回転子軸の一端に一体となって回転を伝達する前記非接触回転磁気カプラー1には外周が櫛の歯状に磁気誘導金属が設けられ、前記モータ軸の一端にモータ軸と一体で回転する非接触回転磁気カプラー2には永久磁石回転カプラーを設けたことを特徴とするネジポンプ。
【請求項3】
流体の吸入口と吐出口を有するケーシングと、前記ケーシング内に回転軸と一体で回転する一本のネジ回転子を収容配置し、前記ネジ回転子と一体で回転する前記回転軸の両端に回転自在に支持する軸受部とネジ回転子軸の一端に一体となって回転を伝達する非接触回転磁気カプラー1と、モータとモータ軸の一端にモータ軸と一体で回転する非接触回転磁気カプラー2と、前記回転磁気カプラー1と前記回転磁気カプラー2から構成された磁気カプラーユニットを分離する隔壁で連通を分断する軸封装置を設けたネジポンプにおいて、前記磁気カプラーユニットのネジ回転子軸の一端に一体となって回転を伝達する非接触回転磁気カプラー1には外周にNS磁極を着磁された永久磁石回転カプラーを設け前記モータ軸の一端にモータ軸と一体で回転する非接触回転磁気カプラー2には磁気誘導金属或いは永久磁石回転カプラーを設けたことを特徴とするネジポンプ。
【請求項4】
循環液体の吸入口と吐出口を有するケーシングと、前記ケーシング内に回転軸と一体となって回転する一本のネジ回転子を収容して前記ネジ回転子軸に回転を伝達するモータのロータ永久磁石を固定し隔壁で分離しポンプ室と連通しない円筒隔壁の外周モータのステータ設け回転磁界を発生するコイルを配置した分離型モータを設けたネジポンプにおいて前記ケーシングの液体の吸入口と吐出口と円筒状のポンプ室とネジ回転子軸と動力モータ軸の回転軸中心が平面的に配置された前記ケーシング内に円筒状のポンプ室と1つ或いは複数の螺旋溝を設けたネジ回転子と前記ネジ回転子の軸部一端に円周に磁極が外周に着磁された永久磁石を設けたことを特徴とするネジポンプ。
【請求項5】
前記ネジ回転子軸に固定される請求項1、請求項2、の非接触回転カプラー1若しくは請求項3請求項4の金属部磁石部に循環液が直接触れないように防錆皮膜またはプラスチックで覆いしたことを特徴とする請求項1、請求項2、請求項3、請求項4記載のネジポンプ。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2006−300042(P2006−300042A)
【公開日】平成18年11月2日(2006.11.2)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−147264(P2005−147264)
【出願日】平成17年4月19日(2005.4.19)
【出願人】(594110985)有限会社小永 (1)
【Fターム(参考)】