説明

ネットワークの状態監視方式

【課題】送信元ノードで各ノードの遅延時間を取得し、取得した遅延時間が正常か異常かを自動認識することにより、送信元ノードで異常なノードを検出できるようにする。
【解決手段】送信元ノードから各中継ノードを介して宛先ノードへテストパケットを送信し、中継ノードにおいて測定された自ノードの中継遅延時間がテストパケットに付加され、宛先ノードにおいて受信したテストパケットの宛先を送信元ノードに指定してテスト応答パケットして折り返し送信し、このテスト応答パケットを受信した送信元ノードにおいて受信したテスト応答パケットから各ノードの中継遅延時間を抽出し、送信元ノードに設けた異常状態検出部により、前記抽出した前記各ノードの前記中継遅延時間から異常なノードを検出する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ネットワークの状態監視を行い、障害箇所の特定を行う状態監視方式に関する。
【背景技術】
【0002】
ネットワークの状態監視を行う方法として、特許文献1ではデータ交換を行うネットワークを用い、任意の送信元ノードから任意の中継ノードを介して任意の宛先ノードへ向けてテストパケットを送信し、ネットワークの状態を把握する。テストパケットを受信した中継ノードや宛先ノードは、通過した時点のアドレスと通過時刻をテストパケットに順次記録する。送信したテストパケットを受信した送信元ノードは、テストパケットに記録さされたデータから各ノードが必要とする所要時間を把握し表示できるようにして、ネットワークの状態のデータを記憶装置に記憶することによって、ネットワークの各ノード間の混雑状況を把握できる。
【0003】
また、特許文献2では、送信したテストパケットを受信した中継ノードや宛先ノードは、テストパケットに通過時刻を記録せず、通過時刻を記録した通過通知パケットを生成し、送信元ノードに送信する。送信元ノードは、各ノードから送信された通過通知パケットを受信し、通過通知パケットに記録されたデータから、テストパケットの伝送経過時間、ノード間伝送時間を正確に把握することによって、ネットワークの各ノード間の混雑状況を把握できる。
【0004】
ここで、特許文献1と特許文献2の方法では、各ノードの時刻が異なっていた場合、正確にテストパケットのノード間伝送時間を把握することができない。そこで、特許文献3では、中継ノードでテストパケットを受信した時刻と送信した時刻の差分をとることで遅延時間を算出し、テストパケットに各ノードの遅延時間を記録することで、各ノード間が時刻同期していなくても、ネットワークの各ノード間の混雑状況を把握できる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開平2−7273号公報(図及びその説明)
【特許文献2】特開平10−93563号公報(図及びその説明)
【特許文献3】特表2000−507779号(図及びその説明)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、特許文献3では、テストパケットの送信元ノードへのリターンがないため、送信元ノードでネットワークの状態監視を行うことができない。通常、ネットワークに接続されるノードは、送信元ノードから遠方に配置されているため、送信元ノードでネットワークの状態を監視する必要がある。
【0007】
また、前記従来技術では、テストパケットの遅延時間は計測できても、ユーザパケットやその他ネットワーク監視用パケットの遅延時間を計測できない。通常、ユーザパケットより優先度の高いネットワーク監視用パケットは、各ノードでユーザパケットより優先されて、送信、中継されるため、ユーザパケットよりも遅延時間が短くなる。さらに、ユーザパケットにおいても優先度に差異がある場合、遅延時間が優先度の違いによって異なる可能性があるため、従来技術では優先度毎にパケットの遅延時間を計測することはできな
かった。
【0008】
さらに、取得した遅延時間が正常か異常かを自動認識する手段がないため、ネットワークで過渡的に発生した障害を即座に検出できないという、問題があった。
【0009】
この発明は、前述のような実情に鑑みてなされたもので、送信元ノードで各ノードの遅延時間を取得し、取得した遅延時間が正常か異常かを自動認識することにより、送信元ノードで異常なノードを検出できるようにすることを目的とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0010】
この発明に係るネットワークの状態監視方式は、複数の中継ノードを介して送信元ノードと宛先ノードとの間で通信を行うネットワークの状態を監視するネットワークの状態監視方式であって、前記送信元ノードから前記各中継ノードを介して前記宛先ノードへテストパケットを送信し、前記中継ノードにおいて測定された自ノードの中継遅延時間が前記テストパケットに付加され、前記宛先ノードにおいて受信した前記テストパケットの宛先を前記送信元ノードに指定してテスト応答パケットして折り返し送信し、このテスト応答パケットを受信した送信元ノードにおいて前記受信したテスト応答パケットから前記各ノードの中継遅延時間を抽出し、前記送信元ノードに設けた異常状態検出部により、前記抽出した前記各ノードの前記中継遅延時間から異常なノードを検出するものである。
【発明の効果】
【0011】
この発明は、複数の中継ノードを介して送信元ノードと宛先ノードとの間で通信を行うネットワークの状態を監視するネットワークの状態監視方式であって、前記送信元ノードから前記各中継ノードを介して前記宛先ノードへテストパケットを送信し、前記中継ノードにおいて測定された自ノードの中継遅延時間が前記テストパケットに付加され、前記宛先ノードにおいて受信した前記テストパケットの宛先を前記送信元ノードに指定してテスト応答パケットして折り返し送信し、このテスト応答パケットを受信した送信元ノードにおいて前記受信したテスト応答パケットから前記各ノードの中継遅延時間を抽出し、前記送信元ノードに設けた異常状態検出部により、前記抽出した前記各ノードの前記中継遅延時間から異常なノードを検出するので、送信元ノードで中継及び宛先の各ノードの遅延時間を取得し、取得した遅延時間が正常か異常かを自動認識することにより、送信元ノードで異常なノードを検出できる効果がある。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【図1】この発明の実施の形態1を示す図で、ネットワークの構成例を示す図である。
【図2】この発明の実施の形態1を示す図で、テストパケット(ノード#0)のパケットフォーマットの一例を示す図である。
【図3】この発明の実施の形態1を示す図で、テストパケット(ノード#m)のパケットフォーマットの一例を示す図である。
【図4】この発明の実施の形態1を示す図で、テスト応答パケットのパケットフォーマットの一例を示す図である。
【図5】この発明の実施の形態1を示す図で、優先度を付加したテストパケット、テスト応答パケットのパケットフォーマットの一例を示す図である。
【図6】この発明の実施の形態1を示す図で、ノードの内部構成の一例をブロック図で示す図である。
【図7】この発明の実施の形態1を示す図で、状態監視データベースの一例を示す図である。
【図8】この発明の実施の形態1を示す図で、異常ノードを特定する方法を示す概念図の一例を示す図である。
【図9】この発明の実施の形態1を示す図で、過渡的な異常ノードを特定する方法を示す概念図の一例を示す図である。
【図10】この発明の実施の形態1を示す図で、過渡的な異常ノードを特定する方法を示す概念図の一例を示す図である。
【図11】この発明の実施の形態2を示す図で、ネットワークの他の構成例を示す図である。
【図12】この発明の実施の形態2を示す図で、テストパケットのパケットフォーマットの一例を示す図である。
【図13】この発明の実施の形態2を示す図で、テスト応答パケットのパケットフォーマットの一例を示す図である。
【図14】この発明の実施の形態3を示す図で、ネットワークの更に他の構成例を示す図である。
【図15】この発明の実施の形態3を示す図で、テストパケットのパケットフォーマットの一例を示す図である。
【図16】この発明の実施の形態3を示す図で、テスト応答パケットのパケットフォーマットの一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
実施の形態1.
以下、本発明の実施の形態1に係るネットワークの状態監視方式を図1〜図10に基づいて説明する。
本実施の形態1は、ネットワークの状態を監視する通信装置である送信元ノードから、中継装置である各中継ノードを介して、受信装置である宛先ノードへ、テストパケットを送信し、各中継ノード、宛先ノードにおいて、中継遅延時間を測定し、測定した中継遅延時間をテスト応答パケットに追加し、送信元ノードにおいて、テスト応答パケットを受信し、テスト応答パケットから各ノードの中継遅延時間を抽出し、抽出した各ノードの中継遅延時間から異常なノードを異常状態検出部により即座に検出するネットワークの状態監視方式を例示するものである。なお、この実施の形態1によりこの発明が限定されるものではない。
【0014】
図1は、本実施の形態に係わるネットワークの構成例を示す図で、例として、通信状態を監視する送信元ノードをノード(#0)1、宛先ノードをノード(#n)2とした場合の各ノードの中継遅延時間を取得する動作についての説明図である。
【0015】
図2は、実施の形態1において、送信元ノード(#0)1が送信したテストパケットのパケットフォーマットの一例を示す説明図である。
【0016】
図3は、実施の形態1において、中継ノード(#m)3が中継したテストパケットのパケットフォーマットの一例を示す説明図である。
【0017】
図4は、実施の形態1において、宛先ノード(#n)2が折り返したテスト応答パケットのパケットフォーマットの一例を示す説明図である。
【0018】
図5は、実施の形態1において、優先度を付加したパケットフォーマットの一例を示す説明図である。
【0019】
図6は、実施の形態1において、送信元ノードを事例としたノードの内部構成をブロック図で例示する図である。
【0020】
図7は、実施の形態1において、状態監視データベース部の一例を示す説明図である。
【0021】
図8は、実施の形態1において、取得した中継遅延時間から異常が発生したノードを検出する動作について説明する。
【0022】
図9、図10は、実施の形態1において、取得した中継遅延時間から過渡的に異常が発生したノードを検出する動作について説明する。
【0023】
次に図1〜6において、通信状態を監視する送信元ノードから各ノードの中継遅延時間を取得する動作について説明する。
【0024】
図1において、ネットワークの状態を監視する送信元ノード(#0)1は、図2に示してあるように宛先アドレス(#n)及び送信元アドレス(#0)を有するテストパケットに識別子5を
付加したテストパケット(2-<0>)4を、宛先ノード(#n)2に対して送信する。
送信元ノード(#0)1から送信されたテストパケット(2-<0>)4は、最初の中継ノード(#1)、次の中継ノード(#2)(図示省略)、・・・を経て、中継ノード(#m)3が、直前の中継
ノード(#m-1)(図示省略)からテストパケット(2-<m-1>)6を受信する。
【0025】
テストパケット(2-<m-1>)6を受信した中継ノード(#m)3は、送信元ノード(#0)1で付
加されたテストパケット識別子5により、受信したパケットがテストパケットであること
を認識し、次段の中継ノードにテストパケットを送信する時間Tm7とテストパケット(2-<m-1>)6を受信した時間Rm8との差分を求めることにより、自ノードにおける中継遅延時
間(#m)9を中継ノード(#m)3において算出し、中継ノード(#m)3において、図3に示すように、テストパケット(2-<m-1>)6にノード番号(#m)10と中継遅延時間(#m)9をテストパケット(2-<m-1>)6に付加し、テストパケット(2-<m>)11を生成し、次段の中継ノードへ送信する。上述の中継ノード(#m)3における全動作を、中継する全てのノード(m=1〜n-1)で実施する。
【0026】
テストパケット(2-<n-1>)15を受信した宛先ノード(#n)2は、宛先アドレス(#n)12
とテストパケット識別子11とから、自ノード宛てのテストパケットであることを認識し、テスト応答パケット13を生成する。
宛先ノード(#n)2では、テスト応答パケット13を送信する時間Tn14とテストパケット(2-<n-1>)15を受信した時間Rm16との差分を求めることにより、自ノードにおける
中継遅延時間(#n)17を算出し、テスト応答パケット(2-<n>)13に自ノードのノード番
号(#n)18と前記算出した自ノードにおける中継遅延時間(#n)17をテスト応答パケット13に付加する。また、前記テスト応答パケット(2-<n>)13の宛先アドレス20に、前
記テストパケット(2-<n-1>)15の送信元アドレス(#0)19をコピーし、送信元アドレス
21に前記テストパケット(2-<n-1>)15の宛先アドレス(#n)12をコピーする。さらに
、図4(a)に示すように、前記テストパケットにおけるテストパケット識別子11を、前記テスト応答パケット13におけるテスト応答識別子22に置き換えることにより、テスト応答パケット(2-<n>)13を生成し、送信元ノード(#0)1宛に折り返し送信する。
【0027】
宛先ノード(#n)2から送信元ノード(#0)1に至る各中継ノード(#n-1)・・・(#1)では、テスト応答パケット(2-<n>)13を受信した場合、テスト応答識別子22からテスト応答
パケットであることを認識し、テスト応答パケット(2-<n>)13を加工することなく、そ
れぞれ次段のノードへ折り返し転送する。
【0028】
ここで、折り返し時の各ノードでの中継遅延時間をも取得したい場合は、前記宛先ノード(#n)2において、テストパケット識別子11を前記テスト応答識別子22に置き換えることなく図4(b)に例示してあるように、テストパケット識別子11のままでテスト応答パケットとして折り返し送信することにより、折り返し時の中継遅延時間も取得可能と
なる。
【0029】
また、折り返し時の各ノードでの遅延時間のみを取得したい場合は、テストパケット識別子11に折り返しのみ測定する専用の識別子を付加することにより折り返し時のみの中継遅延時間を測定し、前記同様の送受時間差である遅延時間のみをテスト応答パケットに付加した図4(c)に例示のテスト応答パケットとすることも可能である。
【0030】
ここで、図5に例示してあるように、送信元ノード(#0)1は、前記テストパケットに付加されるノード中継時の優先制御に使用される優先度23を変更することにより、前記中継ノード、及び、前記宛先ノードにて各優先度におけるパケットの中継遅延時間も測定可能とする。
【0031】
図6に示すように、送信元ノード(#0)1は、パケット送受信部24、テストパケット検出部25、テストパケット生成機能部26、テストパケット制御部27、状態監視データベース部28、異常状態検出部29、及び表示部/記憶部30を有している。
送信元ノード(#0)1は、パケット送受信部24で前記テスト応答パケット(2-<n>)13
を受信し、テストパケット検出部25にて自ノード(#0)宛のテストパケット識別子11やテスト応答パケット識別子22から、各ノードの遅延時間を収集したテスト応答パケットであることを認識する。各ノードの遅延時間を収集したテスト応答パケットであることがテストパケット検出部25にて認識されると、テストパケット制御部27にて、テスト応答パケット(2-<n>)13から、パケットの伝送方向(行き、帰り)、各ノードのノード番号(#1〜#n)、パケットの優先度23、各ノードの遅延時間を抽出し、これら抽出したデータ
を状態監視データベース部28に保存する。前記抽出したデータを保存した状態監視データベース部28のデータベースの一例を図7に示す。
【0032】
次に図6〜10によって、取得した中継遅延時間から異常が発生したノードを検出する動作について説明する。
【0033】
図6において、異常状態検出部29は、状態監視データベース部28から遅延時間を参照し、異常ノードとして検出するための中継遅延時間の閾値を決定する。例えば、3σ(
σ:標準偏差)を自動算出し、図8に示すように、閾値31として設定する。これにより
、設定された閾値31を超えた、ノード#mは異常ノードとして検出され、表示部/記憶
部30に保存される。ここで、閾値の設定は手動で設定しても構わない。
【0034】
図9、図10に示すように、定期的にテストパケットを送信することにより、定期的に各ノードの中継遅延時間を取得し、取得した中継遅延時間から各ノード毎の中継遅延時間の異常値と判定する閾値を自動算出することにより、定常的な異常ノードだけでなく、過渡的な異常ノードも検出可能である。ここで、閾値の設定は手動で設定しても構わない。
【0035】
このようにして、送信元ノードは、テストパケットを送信することにより、パケット伝送の各方向(行き、帰り)、各ノード、各優先度毎に中継遅延時間を把握でき、さらに、異常ノードを検出する中継遅延時間の閾値を自動算出、もしくは手動設定することにより、一回のテストパケットの送信だけで、異常ノードを即座に検出することが可能となる。さらに、定期的にテストパケットを送信し、閾値を取得した中継遅延時間から自動算出、もしくは手動設定することにより、定常的な異常ノードだけでなく、過渡的に発生する異常も即座に検出可能となる。
【0036】
実施の形態2.
以下、実施の形態2を図11〜13によって説明する。
実施の形態1では、中継ノードにおいて、ノード番号と中継遅延時間を追加記録してい
くため、テストパケット中継時、追加記録のための処理時間が付加される可能性があり、正確な中継遅延時間を計測できないという問題がある。そこで、実施の形態2では、実施の形態1にて、テストパケットにノード番号や遅延時間を記録する方法ではなく、各ノード毎にテスト応答パケットを送信することで、追加記録のための処理時間をなくし、正確な中継遅延時間の取得が可能となる。なお、送信元ノードで中継遅延時間を抽出し、異常ノードを検出する方法は、実施の形態1と同様のため、省略する。
【0037】
図11において、ネットワークの状態を監視する送信元ノード(#0)102は、図12に示すテストパケット(行き)100をテストパケットの識別子105をパケットに付加し、宛先ノード(#n)103に対して送信する。
【0038】
テストパケット(行き)100を受信した中継ノード(#m)104は、テストパケット識別子105により、受信したパケットがテストパケットであることを認識し、テストパケット(行き)100を送信した時間Tm106とテストパケット(行き)100を受信した時間Rm107の差分を求めることにより、中継遅延時間(#m)108を算出する。
【0039】
さらに、中継ノード(#m)104は、図13に示すように、宛先アドレス(#0)114がテストパケット(行き)100の送信元アドレス(#0)111で、送信元アドレス(#m)115が自ノード(#m)104で、テスト応答パケット識別子と自ノード(#m)での中継遅延時間(#m)108とを付加したテスト応答パケット(2-<m>)109を生成し、折り返し送信する。
上述の中継ノード(#m)104の全動作を、中継する全ての中継ノード(m=1〜n-1)で実施する。
ここで、テストパケット(行き)100は、中継ノードではデータが加工されることなく、宛先ノード(#n)103に到達するまで、そのまま転送される。
【0040】
テストパケット(行き)100を受信した宛先ノード(#n)103は、宛先アドレス(#n)110とテストパケット識別子105とから、自ノード宛てのテストパケットであることを認識し、テストパケット(帰り)101の宛先アドレス112にテストパケット(行き)100の送信元アドレス(#0)111をコピーして宛先アドレス(#0)112とし、テストパケット(帰り)101の送信元アドレス113にテストパケット(行き)100の宛先アドレス(#n)110をコピーして送信元アドレス(#n)113。さらに、図12に示すように、テストパケット(行き)100のテストパケット識別子105を、テストパケット(帰り)101ではテスト応答識別子117に置き換えることにより、テストパケット(帰り)101を生成し送信する。
【0041】
さらに、宛先ノード(#n)103は、テストパケット(帰り)101を送信した時間(Tn)118とテストパケット(行き)100を受信した時間(Rn)119の差分を求めることにより、中継遅延時間(#n)を算出する。また、宛先アドレスがテストパケット(行き)100の送信元アドレス(#0)111であると共に、送信元アドレスが自ノード(#n)103であり、しかもテスト応答パケット識別子と求めた中継遅延時間(#n)とを付加したテスト応答パケット(2-<n>)121を生成し、折り返し送信する。なお、テスト応答パケット(2-<n>)121のパケットフォーマットは、前記テスト応答パケット(2-<m>)109(図13参照)と同一である。
【0042】
テストパケット(帰り)101と各ノード毎のテスト応答パケット121(図11参照)を受信した各中継ノード(#m)104は、テスト応答識別子116、117から、テスト応答パケットであることを認識し、テストパケット(帰り)101とテスト応答パケット121を加工することなく、転送する。
【0043】
ここで、折り返し時の各ノードの中継遅延時間を取得したい場合は、前記宛先ノード(#
n)103で、テストパケット(帰り)にテスト応答パケット識別子117として帰り測定専用の識別子を付加して送信することにより、折り返し時の中継遅延時間も取得可能となる。この場合、テストパケット(帰り)を受信した各中継ノード(#m)104は、テスト応答パケット識別子から、帰りも測定する必要があることを認識し、前述と同様の方法で中継遅延時間を測定し、テストパケット(帰り)の宛先アドレス114、送信元アドレス115と同一で、測定した中継遅延時間を付加したテスト応答パケットを生成し、折り返し送信する。
【0044】
また、折り返し時の遅延時間のみを取得したい場合は、前述の実施の形態1の場合と同様に、テストパケット識別子105に折り返しのみ測定する専用の識別子を付加することにより、折り返し時のみの中継遅延時間を測定して折り返し送信すればよい。
【0045】
さらに、実施の形態1同様、図12に示すように、送信元ノード(#0)102は、テストパケット(行き)100に付加されるノード中継時の優先制御に使用される優先度122を変更することにより、前記中継ノード、及び、前記宛先ノードにて各優先度におけるパケットの中継遅延時間も測定可能である。
【0046】
ここで、実施の形態1では1個のテストパケットで全ノードの中継遅延時間を測定可能であったが、本実施の形態では、各ノードがテスト応答パケットを送信するため、一時的にネットワークの負荷が上がるという問題がある。そこで、各ノード毎にランダム、もしくは一定時間の待ち時間経過後にテスト応答パケットを送信することにより、負荷を低減することも可能である。ここで、例えば、待ち時間を各ノード番号から自動算出される値とすることで、ネットワークの負荷を低減可能である。
【0047】
実施の形態3.
以下、実施の形態3を図14〜図16によって説明する。
実施の形態2では、実施の形態1と比較し、ノード毎にテスト応答パケットを送信するため、ネットワークの負荷が上がるという問題があった。そこで、本実施の形態3では、ノード毎にテスト応答パケットを送信するのではなく、宛先ノードが各ノードの中継遅延時間を収集することにより、ネットワークの負荷を低減することが可能となる。なお、送信元ノードで中継遅延時間を抽出し、異常ノードを検出する方法は、実施の形態1、2と同様のため、省略する。また、テストパケット(行き)、テストパケット(帰り)のパケットの中継方法や生成方法についても、実施の形態2と同様のため、省略する。
【0048】
図14において、ネットワークの状態を監視する送信元ノード(#0)202は、図15に示すテストパケット(行き)200をテストパケットの識別子205をパケットに付加し、宛先ノード(#n)203に対して送信する。
【0049】
テストパケット(行き)200を受信した中継ノード(#m)204は、テストパケット識別子205により、受信したパケットがテストパケットであることを認識し、テストパケット(行き)200を送信した時間(Tm)206とテストパケット(行き)200を受信した時間(Rm)207との差分を求めることにより、中継遅延時間(#m)208を算出する。ここで、テストパケット(行き)200は、中継ノードではデータが加工されることなく、宛先ノード(#n)203に到達するまで、そのまま転送される。
【0050】
テストパケット(行き)200を受信した宛先ノード(#n)203は、宛先アドレス(#n)210とテストパケット識別子205から、自ノード宛てのテストパケットであることを認識し、テストパケット(帰り)201の宛先アドレス212にテストパケット(行き)200の送信元アドレス(#0)211をコピーして宛先アドレス(#0)212とすると共に、送信元アドレス213にテストパケット(行き)200の宛先アドレス(#n)210をコピーして送信元アドレス(#n)213し、さらに、図15(b)に示すように、テストパケット(行き)200のテストパケット識別子205を、テストパケット(帰り)201ではテスト応答識別子217に置き換えることにより、テストパケット(帰り)201を生成し、折り返し送信する。
【0051】
さらに、宛先ノード(#n)203は、テストパケット(帰り)201を送信した時間(Tn)218とテストパケット(行き)100を受信した時間(Rn)219との差分を求めることにより、中継遅延時間(#n)222を算出する。また、宛先ノード(#n)203は、宛先アドレスがテストパケット(行き)200の送信元アドレス211で、送信元アドレスが自ノード(#n)204で、自ノード番号(#n)203とテスト応答パケット識別子221と求めた中継遅延時間(#n)222とを付加したテスト応答パケット(2-<n>)220を生成し、折り返し送信する。
【0052】
テストパケット(帰り)201を受信した中継ノード(#m)204はテスト応答パケット識別子217でテスト応答パケットであることを認識し、テストパケット(帰り)201を加工することなく、転送される。
【0053】
またテスト応答パケット(2-<m+1>)230を受信した中継ノード(#m)204はテスト応
答パケット識別子221でテスト応答パケットであることを認識し、テストパケット(行
き)200の中継時に算出した中継遅延時間(#m)208と自ノード番号(#m)204とをテ
スト応答パケット(2-<m+1>)230に付加してテスト応答パケット(2-<m>)240を生成し、この生成したテスト応答パケット(2-<m>)240を送信元ノード202宛に転送する。
【0054】
ここで、折り返し時の各ノードの中継遅延時間も取得したい場合は、テストパケット(
行き)200のテストパケット識別子205に行き帰り測定専用の識別子を付加すること
により、折り返し(帰り)時の中継遅延時間も取得可能となる。この場合、宛先ノード(#n)203では、テストパケット(行き)200のテストパケット識別子205から、帰りも測定する必要があることを認識し、テストパケット(帰り)201のテスト応答パケット識別子217に帰り測定専用の識別子を付加し送信することで、折り返し時の中継遅延時間も取得可能となる。テストパケット(帰り)201を受信した中継ノード(#m)204では、テストパケット(帰り)201のテスト応答パケットの識別子217から、帰りも測定する必要があることを認識し、中継遅延時間を測定する。テスト応答パケット(2-<m+1>)230
を受信した中継ノード(#m)204はテスト応答パケット識別子221でテスト応答パケットであることを認識し、テストパケット(行き)200とテストパケット(帰り)の中継時に算出した中継遅延時間(#m)208、248と自ノード番号(#m)204をテスト応答パケット(2-<m+1>)230に付加し、テスト応答パケット(2-<m>)240を生成し、送信元ノード(#0)202宛に転送する。
図16に中継ノード(#m)204でのテスト応答パケット(2-<m>)240の事例を示す。
図16(a)は、テスト応答パケット(2-<m>)240の例を、行きのみ中継遅延時間を
取得する場合について、図16(b)は、テスト応答パケット(2-<m>)240の例を、折
り返し(帰り)時も中継遅延時間を取得する場合について、それぞれ例示してある。
【0055】
また、折り返し時の遅延時間のみを取得したい場合は、テストパケット(行き)のテストパケット識別子205に帰りのみ測定専用の識別子を付加することにより、折り返し(帰
り)時のみの中継遅延時間を取得可能となる。この場合、中継ノード(#m)204では、テ
ストパケット(行き)の中継時には中継遅延時間を測定せず、テストパケット(行き)200を受信した宛先ノード(#n)203では、テストパケット(行き)200のテストパケット識別子205から、帰りのみ測定する必要があることを認識し、テストパケット(帰り)201のテスト応答パケット識別子217に帰り測定専用の識別子を付加し送信することで、折り返し時のみの中継遅延時間を取得可能となる。
【0056】
さらに、実施の形態1、2同様、図15に示すように、送信元ノード(#0)202は、テストパケット(行き)200に付加されるノード中継時の優先制御に使用される優先度260を変更することにより、前記中継ノード、及び、前記宛先ノードにて各優先度におけるパケットの中継遅延時間も測定可能である。
【0057】
このようにして、実施の形態2において、各ノードがテスト応答パケットを送信することにより、ネットワークの負荷が上がるという問題に対し、本実施の形態では、テストパケットとテスト応答パケットの2回フレームのみで、全ノードの中継遅延時間を即座に取得でき、ネットワークの負荷が上げることなく、かつ、正確な中継遅延時間を取得可能となる。
【0058】
なお、図1〜図16において、各図中、同一符号は同一または相当部分を示す。
【0059】
前述の実施の形態1〜3の特徴は以下の通りである。
特徴1:ネットワークの状態を監視する状態監視方式であって、ネットワークの状態を監視する通信装置(以下、「送信元ノード」と記す)から各中継装置(以下、「中継ノード」
と記す)を介して、受信装置(以下、「宛先ノード」と記す)へテストパケットを送信し、
前記中継ノードにおいて、各ノードの中継遅延時間をテストパケットに付加し、前記宛先ノードにおいて、送信元ノードへテストパケットを折り返し(以下、「テスト応答パケッ
ト」と記す)、送信元ノードにおいて、宛先ノードで折り返されたテスト応答パケットを
受信し、テスト応答パケットから各ノードの中継遅延時間を抽出し、抽出した各ノードの中継遅延時間から異常なノードを検出する手段を具備することを特徴とする状態監視方式。
特徴2:前記特徴1において、前記送信元ノードは、前記テストパケットの送信時に、テストパケットであることを各ノードが識別できるようテストパケット識別子を付加することを特徴とする。
特徴3:前記特徴1〜2において、前記中継ノードは、前記テストパケット識別子から、テストパケットを受信したことを認識し、前記テストパケットの中継時に、中継ノードの中継遅延時間を前記テストパケットに付加することを特徴とする。
特徴4:前記特徴1〜2において、前記中継ノードは、前記テストパケット識別子から、中継遅延時間を付加する必要がない識別子の場合は、テストパケットを加工することなく転送することを特徴とする。
特徴5:前記特徴1〜4において、前記宛先ノードは、前記テストパケットの折り返し時に、前記テストパケットの宛先アドレスを前記テスト応答パケットの送信元アドレスにコピーし、前記テストパケットの送信元アドレスを前記テスト応答パケットの宛先アドレスにコピーする。
特徴6:前記特徴1〜5において、前記宛先ノードは、前記テストパケットの送信時に、宛先ノードの中継遅延時間を前記テスト応答パケットに付加することを特徴とする。
特徴7:前記特徴1〜6において、前記送信元ノードは、前記テストパケットに付加されるノード中継時の優先制御に使用される優先度を変更し、前記中継ノード、及び、前記宛先ノードにて各優先度におけるパケットの中継遅延時間を測定することを特徴とする。
特徴8:前記特徴1〜7において、前記送信元ノードは、定期的にテストパケットを送信することにより、定期的に各ノードの中継遅延時間を取得し、取得した中継遅延時間から各ノード毎の中継遅延時間の異常値と判定する閾値を自動算出、もしくは手動設定することにより、定常的な異常だけでなく、過渡的な異常も検出可能である。
特徴9:ネットワークの状態を監視する状態監視方式であって、送信元ノードから各中継ノードを介して、宛先ノードへテストパケットを送信し、テストパケットを受信した前記各中継ノード、前記宛先ノードは、中継遅延時間を付加したテスト応答パケットを前記送信元ノードへ送信し、前記送信元ノードは前記各中継ノード、前記宛先ノードから送信さ
れたテスト応答パケットを受信し、テスト応答パケットから各ノードの中継遅延時間を抽出し、抽出した各ノードの中継遅延時間から異常なノードを検出する手段を具備することを特徴とする状態監視方式。
特徴10:前記特徴9において、前記各中継ノード、前記宛先ノードは、ランダム、もしくは一定時間の待ち時間経過後にテスト応答パケットを送信することにより、ネットワークの負荷を低減する手段を具備することを特徴とする。
特徴11:ネットワークの状態を監視する状態監視方式であって、送信元ノードから各中継ノードを介して、宛先ノードへテストパケットを送信し、テストパケットを受信した前記各中継ノード、前記宛先ノードは中継遅延時間を算出し、前記宛先ノードはテスト応答パケットに宛先ノードの中継遅延時間を付加し送信し、テスト応答パケットを受信した各中継ノードは、テストパケット受信時に算出した中継遅延時間をテスト応答パケットに付加し送信し、前記送信元ノードはテスト応答パケットを受信し、テスト応答パケットから各ノードの中継遅延時間を抽出し、抽出した各ノードの中継遅延時間から異常なノードを検出する手段を具備することを特徴とする状態監視方式。
特徴12:ネットワークの状態監視を行う場合に、各ノード間が時刻同期していなくても、送信元ノードで各ノードの遅延時間を正確に計測でき、さらに、パケットの優先度毎に遅延時間を計測でき、かつ、取得した遅延時間が正常か異常かを自動認識することにより、送信元ノードでネットワークの状態を即座に把握でき、障害箇所の特定を行う状態監視方法を得ることを特徴とする。
特徴13:ネットワークの状態を監視する送信元ノードから各中継ノードを介して、宛先ノードへテストパケットを送信し、中継ノード、宛先ノードにおいて、中継遅延時間を測定し、測定した中継遅延時間をテスト応答パケットに追加し、送信元ノードにおいて、テスト応答パケットを受信し、テスト応答パケットから各ノードの中継遅延時間を抽出し、抽出した各ノードの中継遅延時間から異常なノードを即座に検出する手段を具備することを特徴とする。
特徴14:各ノードの遅延時間を正確に計測でき、さらに、パケットの優先度毎に遅延時間を計測でき、かつ、取得した遅延時間が正常か異常かを自動認識することにより、ネットワークの障害箇所を即座に特定することができることを特徴とする。
特徴15:ネットワークの状態を監視する送信元ノードから各中継ノードを介して、宛先ノードへテストパケットを送信し、中継ノード、宛先ノードにおいて、中継遅延時間を測定し、測定した中継遅延時間をテスト応答パケットに追加し、送信元ノードにおいて、テスト応答パケットを受信し、テスト応答パケットから各ノードの中継遅延時間を抽出し、抽出した各ノードの中継遅延時間から異常なノードを自動検出することを特徴とする。
特徴16:複数の中継ノードを介して送信元ノードと宛先ノードとの間で通信を行うネットワークの状態を監視するネットワークの状態監視方式であって、前記送信元ノードから前記各中継ノードを介して前記宛先ノードへテストパケットを送信し、前記中継ノードにおいて測定された自ノードの中継遅延時間が前記テストパケットに付加され、前記宛先ノードにおいて受信した前記テストパケットの宛先を前記送信元ノードに指定してテスト応答パケットして折り返し送信し、このテスト応答パケットを受信した送信元ノードにおいて前記受信したテスト応答パケットから前記各ノードの中継遅延時間を抽出し、前記送信元ノードに設けた異常状態検出部により、前記抽出した前記各ノードの前記中継遅延時間から異常なノードを検出するネットワークの状態監視方式。
特徴17:前記特徴16において、前記送信元ノードにおいて、前記テストパケットであることを前記各ノードが識別できるよう前記テストパケットにテストパケット識別子を付加して送信することを特徴とする。
特徴18:前記特徴17において、前記各中継ノードは、前記テストパケットを受信すると当該受信したテストパケットの前記テストパケット識別子を判別し、前記テストパケットを受信したことをそれぞれ認識した場合は、それぞれ前記テストパケットの中継時に前記自ノードの中継遅延時間を前記テストパケットに付加して送信することを特徴とする。特徴19:前記特徴17において、前記各中継ノードは、前記テストパケットを受信する
と当該受信したテストパケットの前記テストパケット識別子を判別し、前記受信したテストパケットの前記テストパケット識別子が前記自ノードの中継遅延時間を付加する必要がない識別子の場合は、前記受信したテストパケットを加工することなく転送することを特徴とする。
特徴20:前記特徴15〜19の何れか一において、前記宛先ノードは、前記テストパケットを前記テスト応答パケットとして折り返し送信するときに、前記テストパケットの宛先アドレスを前記テスト応答パケットの送信元アドレスにコピーし、前記テストパケットの送信元アドレスを前記テスト応答パケットの宛先アドレスにコピーすることを特徴とする。
特徴21:前記特徴15〜20の何れか一において、前記宛先ノードは、前記テストパケットを前記テスト応答パケットとして折り返し送信するときに、前記宛先ノードの中継遅延時間を前記テスト応答パケットに付加することを特徴とする。
特徴22:前記特徴15〜21の何れか一において、前記送信元ノードは、前記テストパケットに付加されるノード中継時の優先制御に使用される優先度を変更し、前記中継ノード、及び、前記宛先ノードにて各優先度におけるパケットの中継遅延時間を測定することを特徴とする。
特徴23:前記特徴15〜22の何れか一において、前記送信元ノードは、定期的に前記テストパケットを送信することにより、定期的に前記各ノードの中継遅延時間を取得し、取得した中継遅延時間から各ノード毎の中継遅延時間の異常と判定する閾値を自動算出して設定、もしくは手動で設定することにより、定常的な異常及び過渡的な異常を検出することを特徴とする。
特徴24:複数の中継ノードを介して送信元ノードと宛先ノードとの間で通信を行うネットワークの状態を監視するネットワークの状態監視方式であって、前記送信元ノードから前記各中継ノードを介して、前記宛先ノードへテストパケットを送信し、前記テストパケットを受信した前記各中継ノード及び前記宛先ノードは、それぞれ自ノードの中継遅延時間を付加したテスト応答パケットを前記送信元ノードへ送信し、前記各中継ノード及び前記宛先ノードから送信された前記テスト応答パケットを受信した前記送信元ノードは、受信したテスト応答パケットから前記各ノードの前記中継遅延時間を抽出し、前記送信元ノードに設けた異常状態検出部により、前記抽出した前記各ノードの前記中継遅延時間から異常なノードを検出するネットワークの状態監視方式。
特徴25:前記特徴24において、前記各中継ノード、前記宛先ノードは、ランダム、もしくは一定時間の待ち時間経過後にテスト応答パケットを送信することを特徴とする。
特徴26:複数の中継ノードを介して送信元ノードと宛先ノードとの間で通信を行うネットワークの状態を監視するネットワークの状態監視方式であって、前記送信元ノードから前記各中継ノードを介して、前記宛先ノードへテストパケットを送信し、前記テストパケットを受信した前記各中継ノード、前記宛先ノードはそれぞれ自ノードの中継遅延時間を算出し、前記宛先ノードはテスト応答パケットに前記宛先ノードの中継遅延時間を付加して折り返し送信し、前記テスト応答パケットを受信した前記各中継ノードは、前記テストパケットの受信時に算出した自ノードの中継遅延時間を前記テスト応答パケットに付加して送信し、このテスト応答パケットを受信した送信元ノードにおいて前記受信したテスト応答パケットから前記各ノードの中継遅延時間を抽出し、前記送信元ノードに設けた異常状態検出部により、前記抽出した前記各ノードの前記中継遅延時間から異常なノードを検出するネットワークの状態監視方式。
【符号の説明】
【0060】
1 送信元ノード(#0)、
2 宛先ノード(#n)、
3 中継ノード(#m)、
4 テストパケット(2-<0>)、
5 テストパケット識別子、
6 テストパケット(2-<m-1>)、
7 中継ノードにテストパケットを送信する時間Tm、
8 テストパケット(2-<m-1>)6を受信した時間Rm、
9 中継遅延時間(#m)9、
10 ノード番号(#m)、
11 テストパケット(2-<m>)、
12 宛先アドレス(#n)、
13 テスト応答パケット、
14 テスト応答パケット13を送信する時間Tn、
15 テストパケット(2-<n-1>)、
16 テストパケット(2-<n-1>)15を受信した時間Rm、
17 中継遅延時間(#n)、
18 ノード番号(#n)、
19 送信元アドレス(#0)、
20 宛先アドレス、
21 送信元アドレス、
22 テスト応答識別子、
23 優先度、
24 パケット送受信部、
25 テストパケット検出部、
26 テストパケット生成機能部、
27 テストパケット制御部、
28 状態監視データベース部、
29 異常状態検出部、
30 表示部/記憶部、
31 閾値、
100 テストパケット(行き)、
101 テストパケット(帰り)、
102 送信元ノード(#0)、
103 宛先ノード(#n)、
104 中継ノード(#m)、
105 テストパケット識別子、
106 テストパケット(行き)100を送信した時間Tm、
107 テストパケット(行き)100を受信した時間Rm、
108 中継遅延時間(#m)、
109 テスト応答パケット(2-<m>)、
110 宛先アドレス(#n)、
111 送信元アドレス(#0)、
112 宛先アドレス(#0)、
113 送信元アドレス(#n)、
114 宛先アドレス(#0)、
115 送信元アドレス(#m)、
116 テスト応答識別子、
117 テスト応答識別子、
118 テストパケット(帰り)101を送信した時間(Tn)、
119 テストパケット(行き)100を受信した時間(Rn)、
120 テスト応答パケット(2-<n>)、
121 テスト応答パケット、
200 テストパケット(行き)、
201 テストパケット(帰り)、
202 送信元ノード(#0)、
203 宛先ノード(#n)、
204 中継ノード(#m)、
205 テストパケット識別子、
206 テストパケット(行き)200を送信した時間(Tm)、
207 テストパケット(行き)200を受信した時間(Rm)、
208 中継遅延時間(#m)、
210 宛先アドレス(#n)、
211 送信元アドレス(#0)、
212 宛先アドレス(#0)、
213 送信元アドレス、
217 テスト応答識別子217、
218 テストパケット(帰り)201を送信した時間(Tn)、
219 テストパケット(行き)100を受信した時間(Rn)、
220 テスト応答パケット(2-<n>)、
221 テスト応答パケット識別子、
222 中継遅延時間(#n)、
230 テスト応答パケット(2-<m+1>)、
240 テスト応答パケット(2-<m>)、
250 テスト応答パケット(2-<1>)、
260 優先度。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の中継ノードを介して送信元ノードと宛先ノードとの間で通信を行うネットワークの状態を監視するネットワークの状態監視方式であって、前記送信元ノードから前記各中継ノードを介して前記宛先ノードへテストパケットを送信し、前記中継ノードにおいて測定された自ノードの中継遅延時間が前記テストパケットに付加され、前記宛先ノードにおいて受信した前記テストパケットの宛先を前記送信元ノードに指定してテスト応答パケットして折り返し送信し、このテスト応答パケットを受信した送信元ノードにおいて前記受信したテスト応答パケットから前記各ノードの中継遅延時間を抽出し、前記送信元ノードに設けた異常状態検出部により、前記抽出した前記各ノードの前記中継遅延時間から異常なノードを検出するネットワークの状態監視方式。
【請求項2】
前記送信元ノードにおいて、前記テストパケットであることを前記各ノードが識別できるよう前記テストパケットにテストパケット識別子を付加して送信することを特徴とする請求項1に記載のネットワークの状態監視方式。
【請求項3】
前記各中継ノードは、前記テストパケットを受信すると当該受信したテストパケットの前記テストパケット識別子を判別し、前記テストパケットを受信したことをそれぞれ認識した場合は、それぞれ前記テストパケットの中継時に前記自ノードの中継遅延時間を前記テストパケットに付加して送信することを特徴とする請求項2に記載のネットワークの状態監視方式。
【請求項4】
前記各中継ノードは、前記テストパケットを受信すると当該受信したテストパケットの前記テストパケット識別子を判別し、前記受信したテストパケットの前記テストパケット識別子が前記自ノードの中継遅延時間を付加する必要がない識別子の場合は、前記受信したテストパケットを加工することなく転送することを特徴とする請求項2に記載のネットワークの状態監視方式。
【請求項5】
前記宛先ノードは、前記テストパケットを前記テスト応答パケットとして折り返し送信するときに、前記テストパケットの宛先アドレスを前記テスト応答パケットの送信元アドレスにコピーし、前記テストパケットの送信元アドレスを前記テスト応答パケットの宛先アドレスにコピーすることを特徴とする請求項1〜4の何れか一に記載のネットワークの状態監視方式。
【請求項6】
前記宛先ノードは、前記テストパケットを前記テスト応答パケットとして折り返し送信するときに、前記宛先ノードの中継遅延時間を前記テスト応答パケットに付加することを特徴とする請求項1〜5の何れか一に記載のネットワークの状態監視方式。
【請求項7】
前記送信元ノードは、前記テストパケットに付加されるノード中継時の優先制御に使用される優先度を変更し、前記中継ノード、及び、前記宛先ノードにて各優先度におけるパケットの中継遅延時間を測定することを特徴とする請求項1〜6の何れか一に記載のネットワークの状態監視方式。
【請求項8】
前記送信元ノードは、定期的に前記テストパケットを送信することにより、定期的に前記各ノードの中継遅延時間を取得し、取得した中継遅延時間から各ノード毎の中継遅延時間の異常と判定する閾値を自動算出して設定、もしくは手動で設定することにより、定常的な異常及び過渡的な異常を検出することを特徴とする請求項1〜7の何れか一に記載のネットワークの状態監視方式。
【請求項9】
複数の中継ノードを介して送信元ノードと宛先ノードとの間で通信を行うネットワーク
の状態を監視するネットワークの状態監視方式であって、前記送信元ノードから前記各中継ノードを介して、前記宛先ノードへテストパケットを送信し、前記テストパケットを受信した前記各中継ノード及び前記宛先ノードは、それぞれ自ノードの中継遅延時間を付加したテスト応答パケットを前記送信元ノードへ送信し、前記各中継ノード及び前記宛先ノードから送信された前記テスト応答パケットを受信した前記送信元ノードは、受信したテスト応答パケットから前記各ノードの前記中継遅延時間を抽出し、前記送信元ノードに設けた異常状態検出部により、前記抽出した前記各ノードの前記中継遅延時間から異常なノードを検出するネットワークの状態監視方式。
【請求項10】
前記各中継ノード、前記宛先ノードは、ランダム、もしくは一定時間の待ち時間経過後にテスト応答パケットを送信することを特徴とする請求項9に記載のネットワークの状態監視方式。
【請求項11】
複数の中継ノードを介して送信元ノードと宛先ノードとの間で通信を行うネットワークの状態を監視するネットワークの状態監視方式であって、前記送信元ノードから前記各中継ノードを介して、前記宛先ノードへテストパケットを送信し、前記テストパケットを受信した前記各中継ノード、前記宛先ノードはそれぞれ自ノードの中継遅延時間を算出し、前記宛先ノードはテスト応答パケットに前記宛先ノードの中継遅延時間を付加して折り返し送信し、前記テスト応答パケットを受信した前記各中継ノードは、前記テストパケットの受信時に算出した自ノードの中継遅延時間を前記テスト応答パケットに付加して送信し、このテスト応答パケットを受信した送信元ノードにおいて前記受信したテスト応答パケットから前記各ノードの中継遅延時間を抽出し、前記送信元ノードに設けた異常状態検出部により、前記抽出した前記各ノードの前記中継遅延時間から異常なノードを検出するネットワークの状態監視方式。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【公開番号】特開2012−134614(P2012−134614A)
【公開日】平成24年7月12日(2012.7.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−282926(P2010−282926)
【出願日】平成22年12月20日(2010.12.20)
【出願人】(000006013)三菱電機株式会社 (33,312)
【Fターム(参考)】