説明

ネットワークシステム、画像投影装置、プログラム

【課題】参加者に適切な画像データを送信することができるネットワークシステムを提供すること。
【解決手段】画像投影装置100は第1の送信手段により送信された投影用画像データと紐付け情報とを記憶する記憶手段35と、記憶手段に記憶された投影用画像データを投影する画像投影手段32と、画像投影手段により投影された投影用画像データの取得要求を前記第2の端末から受信したとき、記憶手段に記憶されている紐付け情報に含まれる画像識別情報を含めた元画像データの取得要求を前記第1の端末に送信する取得要求送信手段36と、前記取得要求送信手段で送信した取得要求に基づいた元画像データを前記第1の端末から受信する元画像受信手段36と、元画像受信手段で受信した元画像データを前記第2の端末に送信する元画像送信手段37と、を有する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
画像データから生成された画像を投影する画像投影装置と、一台以上の端末とがネットワークを介して接続されたネットワークシステムに関する。
【背景技術】
【0002】
プロジェクタは、画像を拡大して投影することができることから、説明者などが同じ画像を複数の人に提示する、オフィスでの会議、各種プレゼンテーション、教育現場などの様々な状況で使われている。
【0003】
また、プロジェクタは高機能化が進み、表示機能以外に様々な機能を搭載するようになっており、特に、ネットワークを介して他の情報機器と連携して実現する機能が充実してきている。例えば、ネットワークとの接続機能を有するプロジェクタは、ネットワークを介して接続されたPC(Personal Computer)からの操作や画像ファイルを受信して、画像ファイルをデコードした画像を投影することができる。このようなプロジェクタには、ユーティリティソフトが付属しているのが一般的である。PCはこのユーティリティソフトを利用することで、プロジェクタとの無線接続を簡単に行なうことや、所定のフォーマットの画像ファイルをファイル変換することができる。よって、機能が充実してもプロジェクタの使い勝手を向上させることができる。
【0004】
例えば、プロジェクタがJPEG形式の画像ファイルに対応している場合、ネットワークを介して接続されたPCはユーティリティソフトを利用して、PCに記憶されている画像ファイルをプロジェクタが対応するJPEG形式の画像ファイルに変換しプロジェクタに送信する。また、PCのユーティリティソフトは必要であればプロジェクタが投影可能なフォーマット、解像度、色階調、圧縮率に画像ファイルを変換する。
【0005】
プロジェクタでなくPCで行うのは、プロジェクタに搭載されているメモリ容量やCPUの処理性能が一般的なPCよりも低く、また、受け付け可能な画像ファイルの解像度がPCで扱える解像度よりも低い場合があるためである。このため、PCはユーティリティソフトを利用して、PCに記憶されている画像ファイルからプロジェクタが対応可能な画像ファイルを生成し、プロジェクタに送信する必要がある。
【0006】
ここで、プロジェクタが、投影中の画像ファイルを参加者のPCに送信する技術が知られている(例えば、特許文献1参照。)。特許文献1には、リアルタイムに投影している画像をキャプチャして画像ファイルとして参加者のPCに送信するプロジェクタが開示されている。参加者のPCはブラウザで画像ファイルを表示することができる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながら、プロジェクタが参加者のPCに送信する画像ファイルは、説明者がPCに記憶している画像ファイルと異なっているという問題がある。
【0008】
図1は、参加者のPCに送信される画像ファイルと説明者がPCに記憶している画像ファイルの関係を説明する図の一例である。
(1)説明者のPCはユーティリティソフトを利用して送信前に元の画像ファイルを投影用の画像ファイルに送信する。
(2)説明者のPCは、投影用の画像ファイルをプロジェクタに送信する。送信により、元の画像ファイルと投影用の画像ファイルの対応情報は失われてしまう。
(3)プロジェクタは、投影用の画像ファイルをデコードして投影する。
(4)参加者が、参加者のPCを操作して投影中の画像をキャプチャする。
(5)プロジェクタは、参加者のPCに画像ファイルを送信する。
(6)この後、この参加者はPCを利用して画像ファイルを印刷するなど、利用することができる。
【0009】
しかしながら、この画像ファイルは投影用の画像ファイルに変換されているので、印刷物もプロジェクタに最適化された低画質のものになるという問題がある。
【0010】
本発明は、上記課題に鑑み、参加者に適切な画像データを送信することができるネットワークシステムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0011】
請求項1に係る発明は、画像データを投影する画像投影装置と、第1の端末と第2の端末とがネットワークを介して接続されたネットワークシステムであって、前記第1の端末は、元画像データを記憶する元画像データ記憶手段と、前記元画像データ記憶手段に記憶された元画像データから、該元画像データよりも情報量を削減した投影用画像データを生成する投影用画像生成手段と、前記投影用画像データの生成に用いられた元画像データを識別するための画像識別情報と前記第1の端末を特定するための端末識別情報とが紐付けされた紐付け情報を生成する紐付け情報生成手段と、前記投影用画像生成手段で生成された投影用画像データと、該投影用画像データに基づいて前記紐付け情報生成手段で生成された紐付け情報とを前記画像投影装置に送信する第1の送信手段と、前記画像投影装置から前記元画像データ記憶手段に記憶されている元画像データの取得要求を受信したとき、該取得要求に含まれる画像識別情報に基づいた元画像データを前記元画像データ記憶手段から読み出す元画像データ読み出し手段と、前記元画像データ読み出し手段が読み出した元画像データを前記画像投影装置に送信する第2の送信手段と、を有し、前記第2の端末は、前記画像投影装置により投影されている画像データの取得要求を前記画像投影装置に送信し、該取得要求に基づいて前記画像投影装置が前記第1の端末から取得した元画像データを前記画像投影装置から取得する画像取得手段と、を有し、前記画像投影装置は、前記第1の送信手段により送信された投影用画像データと紐付け情報とを記憶する記憶手段と、前記記憶手段に記憶された投影用画像データを投影する画像投影手段と、前記画像投影手段により投影された投影用画像データの取得要求を前記第2の端末から受信したとき、前記記憶手段に記憶されている紐付け情報に含まれる画像識別情報を含めた元画像データの取得要求を前記第1の端末に送信する取得要求送信手段と、前記取得要求送信手段で送信した取得要求に基づいた元画像データを前記第1の端末から受信する元画像受信手段と、前記元画像受信手段で受信した元画像データを前記第2の端末に送信する元画像送信手段と、を有する。
【発明の効果】
【0012】
参加者に適切な画像データを送信することができるネットワークシステムを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【図1】参加者のPCに送信される画像ファイルと説明者がPCに記憶している画像ファイルの関係を説明する図の一例である。
【図2】本実施形態の画像投影システムの概略を模式的に説明する図の一例である。
【図3】画像投影システムのシステム構成図の一例である。
【図4】プロジェクタのハードウェア構成図の一例を示す。
【図5】発表者端末又は参加者端末のハードウェア構成図の一例である。
【図6】プロジェクタ、発表者端末、及び、参加者端末の機能ブロック図の一例である。
【図7】紐付け情報の一例を示す図である。
【図8】履歴情報の一例を示す図である。
【図9】プロジェクタ、参加者端末及び発表者端末の動作手順を示すシーケンス図の一例である。
【図10】プロジェクタ選択画面、投影画像ファイル選択画面の一例を示す図である。
【図11】プロジェクタが投影した画像の一例を示す図である。
【図12】参加者端末の表示装置に表示される画像情報入力画面の一例を示す図である。
【図13】プロジェクタの動作手順を示すフローチャート図の一例である。
【図14】元画像ファイルと投影用画像ファイル、及び、取得された画像を説明する図の一例である。
【図15】画像投影システムによる画像ファイルの配信を模式的に説明する図の一例である。
【図16】履歴情報の作成手順を示すフローチャート図の一例である。
【図17】プロジェクタの動作手順を示すフローチャート図の一例である。
【図18】画像投影システムによる画像ファイルの配信を模式的に説明する図の一例である。
【図19】プロジェクタの動作手順を示すフローチャート図の一例である。
【図20】プロジェクタの動作手順を示すフローチャート図の一例である。
【図21】参加者端末の表示装置に表示される画像情報入力画面の一例を示す図である。
【図22】プロジェクタの動作手順を示すフローチャート図の一例である。
【図23】プロジェクタ、発表者端末、及び、参加者端末の機能ブロック図の一例である。
【図24】履歴作成部が履歴情報を作成する手順を示すフローチャート図の一例である。
【図25】履歴情報の一例を示す図である。
【図26】プロジェクタの動作手順を示すフローチャート図の一例を示す。
【図27】参加者端末の表示装置に表示される拡大問い合わせ画面の一例を示す図である。
【図28】プロジェクタ、発表者端末、及び、参加者端末の機能ブロック図の一例である。
【図29】参加者端末が元画像ファイルを取得する際のシーケンス図の一例である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、本発明を実施するための一実施形態について図面を参照しながら説明する。
図2は、本実施形態の画像投影システムの概略を模式的に説明する図の一例である。本実施形態の画像投影システム300は、参加者の端末が投影用の画像ファイルでなく、発表者が投影した元の画像ファイルを取得できる点に特徴の一つがある。以下、全体的な取得手順を説明する。
(1)発表者の端末はユーティリティソフトを利用して送信前に元の画像ファイルを投影用の画像ファイルに変換する。ユーティリティソフトは元の画像ファイルと投影用の画像ファイルを例えば同じファイル名にして、別のフォルダにそれぞれの画像ファイルを格納するなどして、両者を対応させておく。
(2)発表者の端末は、投影用の画像ファイルの画像IDと、発表者端末のIPアドレス、及び、配布可否フラグを対応づけた紐付け情報を作成する。そして、紐付け情報と投影用の画像ファイルをプロジェクタ100に送信する。
(3)プロジェクタ100は、受信した紐付け情報を保存する。
(4)プロジェクタ100は、投影用の画像ファイルをデコードして投影する。
(5)プロジェクタ100は、投影した画像ファイルの投影履歴を記録する。図ではAさんの画像ファイルを3つ投影したという投影履歴が記録されている。投影履歴には、画像ファイル毎に操作情報(拡大表示等)や表示時間等が登録されている。
(6)参加者は、印刷や保存しておきたい画像データを見つけると、参加者の端末を操作して投影中の画像のキャプチャをプロジェクタ100に要求する。
(7)プロジェクタ100は、紐付け情報を参照してキャプチャ要求された投影用の画像ファイルを送信した発表者端末を特定する。
(8)プロジェクタ100は、元の画像ファイルを取得する場合、元の画像ファイルを記憶している発表者端末から元の画像ファイルを取得する。
(9)プロジェクタ100は、キャプチャを要求した参加者端末に元の画像ファイルを送信する。
(10)この後、この参加者は端末を利用して元の画像ファイルを印刷するなど、利用することができる。元の画像ファイルは投影用に変換されていないので、高品質な印刷物が得られる。
【0015】
なお、以下では、元の画像ファイルを元画像ファイル、投影用の画像ファイルを投影用画像ファイルという。また、画像データと画像ファイルを区別せず、画像ファイルには画像データが含まれるものとする。
【0016】
〔構成例〕
図3は、画像投影システム300のシステム構成図の一例を示す。画像投影システム300では、一台以上の参加者端末80、発表者端末90及びプロジェクタ100がネットワーク101を介して接続されている。プロジェクタ100と接続された端末の1つ以上は発表者が操作する端末であるが、発表者と参加者の関係は適宜切り替わることがあるため、固定とは限らない。以下、説明のため、発表者が使用する端末を発表者端末90、参加者が使用する端末を参加者端末80という。
【0017】
ネットワークは、社内LAN、広域LAN(WAN)、IP−VNP(Virtual Private Network)、インターネットVPN、又は、インターネットなどであるが、これらが組み合わされたネットワーク等、参加者端末80がプロジェクタ100と通信可能であればよい。一部に電話回線を含んでいてもよく、また、有線接続か無線接続は問わない。
【0018】
発表者端末90は、自機の記憶領域に記憶された元画像ファイルを加工することで投影用画像ファイルを作成し、ネットワークを介してプロジェクタ100に送信する。プロジェクタ100は、ネットワークを介して発表者端末90から送信された画像ファイルを、スクリーンなどの投影面に映し出す。
【0019】
参加者、発表者、及び、プロジェクタ100は、会議室など一つの共通の空間に存在している。参加者及び発表者は肉眼で投影された画像を見ることができ、また、プロジェクタ100に接近してプロジェクタを操作することができる。参加者は、参加者端末80を操作して、プロジェクタ100が投影している画像の画像ファイルをプロジェクタ100から取得することができる。
【0020】
なお、プロジェクタ100の処理能力を補うため、ネットワークにサーバを接続しておく構成形態もある。この場合、プロジェクタ100の映像出力I/Fはサーバに接続される。サーバは、発表者端末90及び参加者端末80と通信して、発表者端末90から画像ファイルを取得したり、画像ファイルを参加者端末80に配信する。
【0021】
図4は、プロジェクタ100のハードウェア構成図の一例を示す。プロジェクタ100は、CPU16により全体が制御され、CPU16に投影データメモリ14、プログラムメモリ15、投影部18、ユーザI/F17、無線LANI/F11、有線LANI/F12、VideoI/F13が接続されている。接続形態は一例であってCPU等が互いにバスで接続されていてもよい。
【0022】
ユーザI/Fは、ユーザがプロジェクタ100に対して行う操作を受け付ける操作部と、ユーザに対し機器の状態を通知する表示部とを有する。操作部は、キーボードやスイッチ、タッチパネル、音声入力装置などである。表示部は、LEDランプ、液晶などである。
【0023】
投影部18は、投射・集光のレンズ、ランプやミラーなどを有する。なお、この投影部18の光学系には、以下のようなタイプがあるが、どのような光学系を採用しても本実施形態の特徴部は影響されない。 まず、光源にはライトバルブ、LED、レーザ光等がある。また、光を面に投射するための偏向光学素子としては、DLP(Digital Light Processing)やLCOS(Liquid crystal on silicon)及びMEMSミラーを利用する方法が知られている。
【0024】
有線LAN I/FはEthernet(登録商標)等によりLANと接続するためのインターフェースである。 無線LAN I/Fは、IEEE802.11a/b/g/n等の規格にしたがい無線でLANと接続するためのインターフェースである。USBメモリから画像ファイルを読み出すためのUSBI/Fを有していてもよい。
【0025】
投影データメモリ14は投影用画像ファイルを記憶するためのメモリである。投影データメモリ14は、例えばDRAM、FeRAM(Ferroelectric RAM)、MRAM(Magnetoresistive RAM)等の高速なメモリで構成される。
【0026】
プログラムメモリ15はプロジェクタ100のCPUが実行するプログラム19を格納するメモリである。プログラムメモリ15は、フラッシュメモリなどのROMで構成される。プロジェクタ100はプログラム19に記述された処理により各種制御を実現する。プログラム19は記憶媒体20に記憶された状態や、不図示のサーバからネットワークを介して配信される。
【0027】
VideoI/F13は、不図示のPC(Personal Computer)からビデオ信号を入力するためのインタフェースである。ビデオ信号のインタフェースは種々あるが、例えばアナログ信号用のD-sub、S-VIDEO、デジタル信号用のHDMI、IEEE1394、DVI、DisplayPort 等が知られている。なお、本実施形態のプロジェクタ100は、ネットワーク経由で画像ファイルを受信するので原則的にVideoI/F13は使用しない。この点で、PCのVideoI/Fとプロジェクタ100のVideoI/F13を直接、接続して端末の表示部に表示される画面をプロジェクタ100が投影する形態とは異なっている。
【0028】
図5は、発表者端末90又は参加者端末80のハードウェア構成図の一例である。発表者端末90又は参加者端末80には、汎用的なPCを用いることができる。PC以外にも、携帯電話、スマートフォン、タブレットPC、PDA等が発表者端末90又は参加者端末80となりうる。発表者端末90又は参加者端末80はCPU23により全体が制御され、CPU23には外部記憶装置21、メモリ22、ユーザI/F24、表示装置27、無線LANI/F25、及び、有線LANI/F26を有する。
【0029】
外部記憶装置21は例えばハードディスクドライブやソリッドステートドライブなど大容量の不揮発メモリである。必ずしも発表者端末90又は参加者端末80と一体である必要はなく、ネットワークに接続されたNAS(Network Attached Storage)でもよい。外部記憶装置21にはCPUが実行するためのプログラム28、元画像ファイル及び投影用画像ファイルが記憶されることがある。
【0030】
また、メモリ22は、RAM及びROMを区別せずに図示したもので、RAMには外部記憶装置21のプログラムが読み出され、CPUはRAMにアクセスしてプログラムを実行する。発表者端末90又は参加者端末80が実行するプログラムの1つはユーティリティソフトである。ユーティリティソフトは、プロジェクタ100のメーカ(又はメーカと一体の第三者)が開発したものであり、プロジェクタ100と一体に流通するか、プロジェクタ100のライセンスを有するユーザであればサーバからダウンロードできるようになっている。プロジェクタ100はユーティリティソフトを検出したり、認証することで、発表者端末90又は参加者端末80がプロジェクタ100と通信することを許可する。
【0031】
ユーザI/Fは、ユーザが発表者端末90又は参加者端末80に対して行う操作を受け付ける、キーボードやポインティングデバイス(マウス、トラックボール、タッチパッド)、タッチパネル、音声入力装置などである。表示装置27は所定の解像度や色数等の画面情報を生成する機能とディスプレイの機能を含む。デスクトップPCの場合、ディスプレイの機能が一体とは限らない。なお、ディスプレイは、液晶、有機EL、又は、デジタルペーパ等である。
【0032】
有線LAN I/F及び無線LAN I/Fについてはプロジェクタ100と同様なので説明を省略する。
【実施例1】
【0033】
図6は、本実施例のプロジェクタ100、発表者端末90、及び、参加者端末80の機能ブロック図の一例を示す。
【0034】
発表者端末90は、投影画像生成部42、紐付け情報生成部43、画像ファイル送信部44、及び、画像記憶部45を有する。これらの機能は、発表者端末90のハードウェアとCPUが実行するプログラム(ユーティリティソフト)が協働することで実現される。
【0035】
<発表者端末>
・画像記憶部45には元画像ファイルが記憶されている。また、元画像ファイルから生成された投影用画像ファイルが一時的に、又は、元画像ファイルと共に記憶されることがある。
・投影画像生成部42は、発表者が投影用に指示した元画像ファイルから、プロジェクタ100が扱える態様の投影用画像ファイルを生成する。プロジェクタ100が扱える態様の投影用画像ファイルの形式は、発表者端末90がプロジェクタ100に問い合わせることで取得できる。または、発表者が発表者端末90に設定することもできる。
【0036】
プロジェクタ100が画像ファイルを扱えるか否かは、画像ファイルのフォーマットにより制限されることが多い。また、ピクセル数やファイルサイズが極端に大きい画像ファイルは、扱えるとしても動作が遅くなったり送信に時間がかかるなど不都合が多い。このため、投影画像生成部42は、絶対的な条件として画像ファイルのフォーマットをプロジェクタ100が扱えるものに変換し、画像ファイルのファイルサイズが所定値未満になるように画像ファイルのファイルサイズを低減する処理を行う。
【0037】
以下、このような画像ファイルの変換を区別することなく投影用変換という。投影用変換は画像ファイルの低品質化をもたらすことが一般的である。投影用画像ファイルを作成する必要がない場合もある。
【0038】
例えば、プロジェクタ100が扱える投影用画像ファイルのフォーマットがJPEGで、画像記憶部45に記憶された元画像ファイルのフォーマットがBMPの場合、投影画像生成部42はBMPからJPEGにフォーマットを変換する。
【0039】
また、プロジェクタ100が扱える投影用画像ファイルの画像サイズがWXGA(1,280×800)、XGA(1,024×768)、SVGA(800×600)、VGA(640×480)であり、画像記憶部45に記憶された元画像ファイルの画像サイズがSXGA (1280×1024)の場合、投影画像生成部42は、最も近い画像サイズである例えばWXGA(1,280×800)に変換する。または、投影時の画像サイズを統一するため、決まった解像度(例えば、SVGA)に変換してもよい。画像ファイルの画像サイズを低下させる方法として、バイリニア法、バイキュービック法などがある。投影用画像ファイルが生成されても元画像ファイルは削除されない。
【0040】
なお、画像サイズを低下させるだけでなく、投影画像生成部42は高解像度化してもよい。こうすることで、低画素数の画像ファイルを高解像度化して投影することができる。画像ファイルを高解像度化させる方法として、バイキュービック法、ニアレストネイバー法などがある。
【0041】
また、ピクセル数やファイルサイズが所定値以上の場合、元画像ファイルのファイルサイズを小さくする。具体的には、圧縮率を大きくする、色階調を低減する等の方法がある。圧縮率の変更は、JPEGやPDFなどのフォーマットで可能である。また、色階調の変更は、例えば、1画素の色数をRGB各8ビットから4ビットに変更することをいう。
【0042】
なお、圧縮率について、JPEGではファイルヘッダに圧縮率が記述されている場合はそれを利用して、圧縮率が低過ぎることを検出し、圧縮率を大きくすることで元画像ファイルを圧縮する。これにより、ファイルサイズを低減できる。また、元の圧縮率自体に関係なく、ファイルサイズが所定値未満になるように元画像ファイルを圧縮してもよい。
【0043】
なお、投影画像生成部42は、投影用画像ファイルと元画像ファイルを対応づけて画像記憶部45に記憶する。元画像ファイルと投影用画像ファイルは、それぞれ一意の画像IDにより識別される。画像IDはファイル名とは別にユーティリティソフトが付与してもよいし、ファイル名を画像IDとしてもよい。ファイル名を画像IDとした場合、ファイルシステムにより同じフォルダ内では一意性が保証される。本実施例では簡単のため、ファイル名を画像IDとする。
【0044】
投影用画像ファイルと元画像ファイルを対応づけるとは、一方の画像IDが定まれば他方の画像IDも一意に定まることをいう。本実施例では投影用画像ファイルの画像IDを元画像ファイルと同じままにして、2つのファイルを別のフォルダに格納する。これにより、投影用画像ファイルの画像IDが分かれば元画像ファイルの画像IDが分かる。なお、投影用画像ファイルの画像IDと元画像ファイルの画像IDを変えた場合は、両者の対応をテーブルなどに記録しておく。
【0045】
・紐付け情報生成部43は、投影用画像ファイルの画像IDと自機(発表者端末)のIPアドレスを対応づける紐付け情報を生成する。紐付け情報は投影用画像ファイルと共にプロジェクタ100に送信される。プロジェクタ100は、紐付け情報により、投影用画像ファイルを送信した発表者端末90を特定できる。
【0046】
また、紐付け情報生成部43は、発表者の設定を受け付けて、紐付け情報に配布可否フラグを登録する。配布可否フラグは、発表者が元画像ファイルの配布を許可するか否かが設定されるフラグである。
【0047】
・画像ファイル送信部44は、投影用画像ファイル又は元画像ファイルをプロジェクタに送信する。また、プロジェクタ100から元画像ファイルの要求を受け付けた場合、画像ファイル送信部44は、投影用画像ファイルの画像IDに対応づけられた元画像ファイルを画像記憶部45から読み出す。そして、プロジェクタ100に送信する。
【0048】
<参加者端末>
参加者端末80は、画像情報受付部52及び画像取得部51を有する。この機能は、参加者端末80のハードウェアとCPUが実行するプログラム(ユーティリティソフト)が協働することで実現される。
・画像情報受付部52は、参加者から元画像ファイルを特定するための画像情報(資料ID、必要であればプロジェクタのIPアドレス)を受け付ける。なお、資料IDは投影用画像ファイルの画像IDと同じか、プロジェクタが投影用画像ファイルの画像IDを特定できるものである。
・画像取得部51は、プロジェクタ100が投影している投影用画像ファイルの元画像ファイルを、プロジェクタ100から取得する。
【0049】
<プロジェクタ>
プロジェクタ100は、紐付け情報記憶部30、画像投影部32、投影画像記憶部35、操作受付部31、履歴作成部33、履歴情報記憶部34、元画像取得部36、及び、元画像送信部37を有する。これらの機能は、プロジェクタ100のハードウェアとCPUが実行するプログラムが協働することで実現される。
・紐付け情報記憶部30には、紐付け情報が記憶される。
・操作受付部31は、ユーザからの拡大操作などを受け付ける。また、操作受付部31は、参加者端末80から元画像ファイルの取得要求を受け付ける。
・投影画像記憶部35は、自機が取得した画像ファイルを記憶し、取得した紐付け情報を紐付け情報記憶部30に記憶する。投影画像記憶部35は、静的な画像ファイルの記憶手段としてだけの機能でなく、紐付け情報や履歴情報に基づく制御を行う。また、投影用画像ファイルに対し画像処理を行う画像処理部38を有する。
・画像投影部32は、投影画像記憶部35に記憶されている画像ファイルを投影部18に出力して投影する。画像ファイルは、JPEG、PDFなどの所定のフォーマットで送信されるので、画像投影部32はこれをデコードしてビットマップデータに変換して投影データメモリ14に記憶し、投影部18に投影させる。
・履歴作成部33は、投影用画像ファイルの投影履歴、及び、操作の履歴を記録した履歴情報を作成する。
・元画像取得部36は、紐付け情報にて画像IDに対応付けられたIPアドレスの発表者端末90に元画像ファイルを要求し、発表者端末90から元画像ファイルを取得する。
・元画像送信部37は、元画像取得部36が取得した元画像ファイルを参加者端末80に配信する。
【0050】
〔紐付け情報等について〕
<紐付け情報>
図7は紐付け情報の一例を示す。発表者端末90は、1つのレコードとして紐付け情報を生成して投影用画像ファイルと共にプロジェクタ100に送信する。プロジェクタ100は、過去の所定数のレコードを例えば紐付け情報記憶部30に記憶しておく。紐付け情報は、例えば、「投影用画像ファイルの画像ID」「発表者端末のIPアドレス」及び「配布可否フラグ」の各項目を有する。
【0051】
「投影用画像ファイルの画像ID」は、発表者端末90から受信した投影用画像ファイルを一意に特定するための画像IDである。発表者端末90が複数ある場合、投影用画像ファイルの画像IDが重複する可能性があるが、発表者端末90のIPアドレスは一意なのでプロジェクタ100は画像IDにより投影用画像ファイルを一意に特定できる。
【0052】
「発表者端末のIPアドレス」は、投影用画像ファイルを送信した発表者端末90のIPアドレスである。発表者端末90を一意に識別するための識別子であれば、MACアドレスやユーザ名などでもよい。例えば、「発表者端末のIPアドレス」をみると二種類のIPアドレスが登録されていることから、発表者が二人いたことが分かる。
【0053】
「配布可否フラグ」は、参加者端末80へ画像ファイルの配信の可否を示すフラグである。例えば「00」は元画像ファイルも投影用画像ファイルも許可されていることを、「01」は投影用画像ファイルなら配信が許可されていることを、「10」は元画像ファイル及び投影用画像ファイルの配信が許可されていないことを、それぞれ示す。配布可否は発表者が発表者端末90にて設定することができる。
【0054】
<履歴情報>
図8は、履歴情報の一例を示す。履歴情報は、例えば「投影用画像ファイルの画像ID」「表示開始時刻」「表示終了時刻」及び「操作履歴」の各項目を有する。
【0055】
「投影用画像ファイルの画像ID」は、発表者端末90から送信された投影画像ファイルの画像IDである。
【0056】
「表示開始時刻」はプロジェクタ100が投影画像ファイルの投影を開始した時刻であり、「表示終了時刻」はプロジェクタ100が投影用画像ファイルの投影を終了した時刻である。両者の差から1つの投影用画像ファイルの表示時間が算出される。
【0057】
「操作履歴」はプロジェクタ100に対する操作内容である。操作内容には、プロジェクタ100のユーザI/Fが受け付けた操作の内容が記憶される。操作内容には例えば、投影される画像の拡大、縮小、輝度調整などがある。操作された時刻情報を登録してもよい。なお、参加者端末80又は発表者端末90からネットワークを介して操作コマンドがプロジェクタ100に送信される場合もある。この場合は、操作内容に操作コマンドを送信した参加者端末80又は発表者端末90のIPアドレスが登録される。
【0058】
〔通信について〕
プロジェクタ100、発表者端末90及び参加者端末80は、上記のように有線又は無線LANにより通信するが、LAN内の通信ではイーサネット(登録商標)が使用されることが多い。イーサネット(登録商標)では、有線LANI/F又は無線LANI/Fが、ARP等のプロトコルにより各機器のMACアドレス及びIPアドレスを取得している。イーサネット(登録商標)より上層には、パケットの分解と再構築を行うIP層、通信制御を行うTCP層、データを処理するアプリケーション層がある。IP層とTCP層は、例えばOSが提供するTCP/IPプロトコルスタックにより処理され、IP層で使用されるIPヘッダには送信元と送信先のIPアドレスが含まれ、TCP層で使用されるTCPヘッダには送信元ポート番号と送信先ポート番号が含まれる。TCP/IPプロトコルスタックは、このポート番号により受信したデータを受け渡すアプリケーションソフトを決定する。
【0059】
本実施形態ではプロジェクタ100、発表者端末90及び参加者端末80がどのようなアプリケーションソフトを用いて通信してもよい。例えば、ブラウザやファイル転送ソフトであればアプリケーション層のプロトコルとしてHTTPやFTPにより通信することができる。SMBは、ネットワーク越しのファイルを共有するためのプロトコルであるが、参加者端末80からOSやファイル管理ソフトによりIPアドレスを指定してプロジェクタ100にファイルの転送を要求できる(SMBの下位層はTCP/IPでなくNetBIOSになる)。また、RPCプロトコルを使用して、プロセス間通信により画像ファイルの送信と受信を実現することもできる。
【0060】
〔動作手順〕
<投影までの動作>
図9は、プロジェクタ100、参加者端末80及び発表者端末90の動作手順を示すシーケンス図の一例である。なお、発表者端末90、参加者端末80のプログラムは予め互いのIPアドレスを特定(取得)している。
s1.0:発表者は、発表者端末90を操作して画像を投影する操作を行う。
図10(a)は発表者端末90の表示装置27に表示されるプロジェクタ選択画面の一例を示す図である。発表者端末90のプログラムは検出されたプロジェクタ100のIPアドレス又はプロジェクタ名を表示する。図示するように複数のIPアドレス又はプロジェクタ名が表示されることもある。この画面には「プロジェクタを指定してください」というメッセージ301が表示されており、発表者はこの中から予め既知のプロジェクタを選択する。これにより、発表者端末90が投影用画像ファイルを送信するプロジェクタ100が特定される。
【0061】
図10(b)は発表者端末90の表示装置27に表示される投影画像ファイル選択画面の一例を示す図である。発表者が画像ファイルを投影したいと考えた場合、発表者は「投影する画像ファイル指定してください」というメッセージ401が表示された投影画像ファイル選択画面を発表者端末90に表示させる。
【0062】
発表者は、元画像ファイルを選択するためユーザI/Fを操作して参照ボタン402を押下する。発表者端末90のプログラムはフォルダのツリー構造及び各フォルダの元画像ファイルのファイル名を表示装置27に表示する。発表者はこれを見て送信する元画像ファイルを決定する。発表者が送信対象に指定した元画像ファイルのファイル名は、ファイル名欄403に表示される。また、好ましくは、発表者端末90のプログラムは元画像ファイルのサムネイル404をファイル名と共に表示する。
【0063】
また、投影画像ファイルの選択画面には、「配信可」「投影用は可」「不可」のラジオボタン405が表示される。発表者はこのラジオボタン405の選択により、元画像ファイル又は投影用画像ファイルの配布可否を設定できる。「配信可」では元画像ファイル及び投影用画像ファイルの配信が許可され、「投影用は可」では投影用画像ファイルのみ配信が許可され、「不可」では元画像ファイル及び投影用画像ファイルの配信が禁止される。
【0064】
発表者が送信ボタン406を押下すると投影画像生成部42は投影対象の元画像ファイルの指定及び配布可否の設定を受け付ける。
【0065】
s1.1:投影画像生成部42は、プロジェクタ(例えば投影画像記憶部35)に投影可能なファイルフォーマット、画像サイズ等を問い合わせる。
s1.2:プロジェクタ100は投影可能なファイルフォーマットや画像サイズ、ファイルサイズを投影画像生成部42に送信する。すなわち、プロジェクタ100は下記のような情報を送信する。
ファイルフォーマット:JPEG、BMP
画像サイズ(最大):640×480
ファイルサイズ:1Mバイト
s1.3:投影画像生成部42は元画像ファイルを投影可能なファイルフォーマット、画像サイズ及びファイルサイズに変換する。これにより、投影用画像ファイルが生成され、画像記憶部45には元画像ファイルと投影用画像ファイルとが対応づけて記憶される。
s1.4:次に、投影画像生成部42は、紐付け情報生成部43に紐付け情報の生成を要求する。要求の際、投影画像生成部42は紐付け情報生成部43に投影用画像ファイルの画像ID、配布可否の設定を通知する。紐付け情報生成部43はこれらと自機(発表者端末)のIPアドレスを用いて、紐付け情報を生成する。
s1.5:投影画像生成部42は、紐付け情報を取得する。
s1.6:投影画像生成部42は、投影用画像ファイル及び紐付け情報を画像ファイル送信部44に送出する。
s1.7:画像ファイル送信部44は、投影用画像ファイル及び紐付け情報をプロジェクタ100に送信する。
s1.8:投影用画像ファイル及び紐付け情報を受信した投影画像記憶部35は、履歴作成部33に履歴情報の作成を要求する。要求の際、投影画像記憶部35は紐付け情報を履歴作成部33に通知する。
s1.9:履歴作成部33は履歴情報に投影用画像ファイルの画像ID、表示開始時刻を登録して、履歴情報を生成する。新たな履歴情報を生成する際、それまで表示していた投影用画像ファイルの履歴情報の「表示終了時刻」に現在時刻を登録する。
s2.0:履歴作成部33は履歴情報を履歴情報記憶部34に記憶する。
s2.1:履歴情報記憶部34は記憶結果を履歴作成部33に送出する。
s2.2:履歴作成部33は履歴情報の生成結果を投影画像記憶部35に送出する。
s2.3:プロジェクタの投影画像記憶部35は、画像投影部32に投影用画像ファイルを送出すると共に、画像の投影を要求する。これにより、画像投影部32は投影用画像ファイルをデコードしてスクリーン等に投影する。このように画像投影部32は、最後に送信された投影用画像ファイルを表示する。
【0066】
なお、投影画像記憶部35は投影用画像ファイルの資料IDとIPアドレスを投影部18に送出しておく。画像投影部32はプロジェクタ100のIPアドレスと資料IDを画像と一緒に表示する。これにより、参加者は元画像ファイルを取得する場合に、要求先のプロジェクタのIPアドレスと資料IDを知ることができる。
s2.4:画像投影部32は投影結果を投影画像記憶部35に送出する。
s2.5:投影画像記憶部35は投影結果を画像ファイル送信部44に送出する。
s2.6:画像ファイル送信部44は投影結果を投影画像生成部42に送出する。
s2.7:投影画像生成部42は、投影結果を発表者に通知する。
【0067】
図11は、プロジェクタ100が投影した画像の一例を示す図である。投影用画像ファイルが可視光により可視化され、また、画像の下部に接続先IPアドレス及び資料IDが表示されている。接続先IPアドレスは、プロジェクタ100のIPアドレスである。資料IDはプロジェクタ100が投影用画像ファイルを一意に識別するための識別子である。資料IDは例えば投影用画像ファイルの画像IDでもよいし、図示するように日付と投影用画像ファイルの連番を組み合わせたものでもよい。後者の場合、プロジェクタ100は資料IDと画像IDとの対応関係を記憶している。
【0068】
<投影後のプロジェクタの動作>
参加者や発表者が投影された画像を見て、見づらいためにプロジェクタ100のユーザI/Fを操作して、例えば拡大する操作を行う場合がある。本実施例のプロジェクタ100はこの操作を履歴情報に記録する。
【0069】
s3.0:まず、投影機器操作者(参加者又は発表者のいずれでもよい)がプロジェクタ100のユーザI/Fを操作して画像を拡大させる。
s3.1:操作受付部31は、操作内容を投影画像記憶部35に通知する。
s3.2:投影画像記憶部35は、操作内容と現在投影している投影用画像ファイルの画像IDを履歴作成部33に通知する。
s3.3:履歴作成部33は、画像IDにより履歴情報のレコードを特定し、操作内容を履歴情報記憶部34に記録する。
s3.4:履歴情報記憶部34は記憶結果を履歴作成部33に送出する。
s3.5:履歴作成部33は履歴情報の生成結果を投影画像記憶部35に送出する。
s3.6:投影画像記憶部(画像処理部38)は投影用画像ファイルに対し拡大処理を施す。この拡大処理はデジタルズームと呼ばれる処理で、投影用画像ファイルの所定範囲をトリミングして投影機器操作者が指定した拡大の程度に基づき、画素を補間することで投影用画像ファイルを拡大する。
s3.7:投影画像記憶部35は、画像投影部32に拡大された投影用画像ファイルを送出すると共に、画像の投影を要求する。画像投影部32は、最後に送信された投影用画像ファイルに代えて、最後に送信された投影用画像ファイルを拡大した画像を表示する。なお、拡大されても、投影用画像ファイルの画像IDには変更がないので、投影用画像ファイルの履歴情報の「表示終了時刻」には現在時刻は登録されない。
s3.8:画像投影部32は投影結果を投影画像記憶部35に送出する。
s3.9:投影画像記憶部35は投影結果を操作受付部31に送出する。
【0070】
<参加者端末による元画像ファイルの取得>
参加者が、プロジェクタ100が投影している元画像ファイルを取得したいと考えた場合、参加者は参加者端末80を使用して元画像ファイルを取得することができる。
s4.11:参加者は、参加者端末80を操作して元画像ファイルを取得する操作を行う。参加者端末80のプログラムは、発表者端末90と同様に検出したプロジェクタ100のIPアドレスによりプロジェクタ100と接続している。または、参加者が、プロジェクタ100が投影しているIPアドレスを入力して参加者端末80とプロジェクタ100を接続する。
【0071】
図12(a)は、参加者端末80の表示装置27に表示される画像情報入力画面の一例を示す図である。画像情報入力画面には「取得したい発表資料のIDを指定してください」というメッセージ501が表示されている。参加者は、プロジェクタ100が投影している資料IDを目視して、ユーザI/Fを使いID入力欄502に資料IDを入力する。参加者が決定ボタン503を押下すると、画像情報受付部52は資料IDを受け付ける。
【0072】
s4.12:画像情報受付部52は画像取得部51に資料IDを送出すると共に、元画像ファイルの取得を要求する。
s4.13:画像取得部51は、プロジェクタ100の操作受付部31に資料IDを送出して、元画像ファイルの送信を要求する。
s4.14:操作受付部31は、資料IDを投影画像記憶部35に送出すると共に、発表者端末90のIPアドレスを要求する。
s4.15:投影画像記憶部35は資料IDを画像IDに変換して、紐付け情報にて画像IDに対応づけられた発表者端末90のIPアドレスを読み出す。投影画像記憶部35は、紐付け情報を参照してこの画像IDの元画像ファイルの配布が許可されているか否かを判定する。
s4.16:操作受付部31は発表者端末90のIPアドレスを投影画像記憶部35から取得する。
s4.17:操作受付部31は、発表者端末90のIPアドレスと画像IDを元画像取得部36に送出して、元画像ファイルの取得を要求する。
s4.18:元画像取得部36は、発表者端末90のIPアドレスを指定して発表者端末90の画像ファイル送信部44に画像IDを送信し、元画像ファイルを要求する。
s4.19:画像ファイル送信部44は、画像IDに基づき画像記憶部45から元画像ファイルを読み出す。
s4.20:画像ファイル送信部44は、元画像ファイルを元画像取得部36に送信する。
s4.21:元画像取得部36は、元画像ファイルを操作受付部31に送出する。
s4.22:操作受付部31は、元画像ファイルを元画像送信部37に送出する。
s4.221〜s4.222:元画像送信部37は元画像ファイルを参加者端末80に送信する。元画像送信部37は、例えば、元画像ファイルを含むHTMLを生成し参加者端末80に送信する。または、元画像ファイルそのものを送信してもよい。
s4.23:元画像送信部37は元画像ファイルの送信結果を操作受付部31に通知する。
s4.24:操作受付部31は、元画像ファイルの送信完了を画像取得部51に通知する。
s4.25:画像取得部51は元画像ファイルの受信を画像情報受付部52に通知する。
s4.26:画像情報受付部52は、元画像ファイルを受信したこと参加者に通知する。
【0073】
図12(b)は、参加者端末80の表示装置27に表示された元画像ファイルの画像例を示す図である。参加者端末80の例えばブラウザは元画像ファイルを表示する。これにより、参加者はプロジェクタ100が投影した画像の元画像ファイルを取得できた。したがって、参加者は投影のために画質が低下する前の画像ファイルを使用して印刷等することができる。
【0074】
<元画像の差し替え時のフローチャート図>
図13は、プロジェクタ100の動作手順を示すフローチャート図の一例を示す。図9のステップS4.13〜s4.26の処理手順を説明するものである。
【0075】
まず、プロジェクタ100の操作受付部31は、元画像ファイルの配信要求を受信する(S10)。
【0076】
投影画像記憶部35は画像IDにより特定される紐付け情報を読み出す(S20)。
【0077】
投影画像記憶部35は、紐付け情報に登録された配布可否フラグを参照し、元画像ファイルの配信又は投影用画像ファイルの配信が許可されているか否かを判定する(S30)。
【0078】
元画像ファイルの配信が許可されている場合、投影画像記憶部35は紐付け情報から発表者端末90のIPアドレスを特定する(S40)。
そして、元画像取得部36は発表者端末90から元画像ファイルを取得する(S50)。元画像送信部37は元画像ファイルを参加者端末80に送信する(S60)。
【0079】
元画像ファイルの配信は許可されていないが、投影用画像ファイルの配信は許可されている場合、投影画像記憶部35は投影用画像ファイルを読み出す(S70)。このように、投影用画像ファイルを送信する場合、発表者端末90から投影用画像ファイルを取得する必要はない。
【0080】
元画像送信部37は投影用画像ファイルを参加者端末80に送信する(S80)。
【0081】
元画像ファイルの配信も投影用画像ファイルの配信も禁止されている場合、元画像送信部37は配信不可を参加者端末80に送信する(S90)。
【0082】
以上のように、参加者は、元画像ファイルを取得でき、元画像ファイルが取得できない場合は投影用画像ファイルを取得できる可能性がある。
【0083】
図14は元画像ファイルと投影用画像ファイル、及び、取得された画像を説明する図の一例である。
【0084】
図14(a)はステップS60により参加者が元画像ファイルを取得した例を、図14(b)はステップS70により参加者が投影用画像ファイルを取得した例を、図14(c)はステップS90により参加者が元画像ファイルと投影用画像ファイルのどちらも取得できなかった例を、それぞれ示す。
【0085】
図14(a)(b)の中央に示すように投影用画像ファイルは投影用変換されているため、元画像ファイルよりも画質が劣化したり、画像サイズが小さくなったりしている。したがって、図14(a)の右図のように元画像ファイルを取得すれば高画質な画像ファイルが得られる。
【0086】
一方、図14(b)の右図のように、元画像ファイルを取得できなくても投影用画像ファイルを取得できれば、画像の内容を理解することが可能になる。この時、取得された画像ファイルが投影用画像ファイルであることを参加者に通知することが好適である。
【0087】
また、図14(c)に示す「要求した画像ファイルは取得できません」のメッセージにより、参加者は画像ファイルを取得できないことを把握できる。
【0088】
このように、本実施例の画像投影システム200は、元画像ファイルを参加者に配信できるので、参加者は高画質な資料を入手して印刷等することができる。また、参加者端末80が取得する画像ファイルを柔軟に制御することができる。
【実施例2】
【0089】
本実施例では履歴情報に基づき元画像ファイルを配信するか否かを制御する画像投影システム300について説明する。
【0090】
実施例1で説明したように、プロジェクタ100は履歴情報を作成しているが、履歴情報には表示開始時刻と表示終了時刻が登録されている。ここで、表示されている時間が長い投影用画像ファイルは参加者や発表者にとって重要な画像ファイルの可能性が高い。また、重要でない画像ファイルであれば参加者にとって元画像ファイルでなく投影用画像ファイルで十分な場合も多いと考えられる。
【0091】
そこで、本実施例のプロジェクタ100は、履歴情報の表示開始時刻と表示終了時刻を利用して、表示時間の長い投影用画像ファイルは元画像ファイルを参加者端末80に配信し、そうでない投影用画像ファイルはそのまま投影用画像ファイルを参加者端末80に配信する。
【0092】
図15は、本実施例の画像投影システム300による画像ファイルの配信を模式的に説明する図の一例である。図15(a)は投影履歴を模式的に示す図で、2番目の投影用画像ファイルは表示時間が例えば1分以上であったとする。
【0093】
図15(b)は参加者端末80に配信される画像ファイルを模式的に示す図である。参加者が例えば3つとも画像ファイルの配信を要求したとする。プロジェクタ100は、履歴情報を参照して、1番目の画像ファイルは表示時間が短いので投影用画像ファイルを配信すると判定する。2番目の画像ファイルは表示時間が長いので元画像ファイルを配信すると判定する。3番目の画像ファイルは表示時間が短いので投影用画像ファイルを配信すると判定する。このような判定により、参加者端末80は2番目の画像ファイルだけ元画像ファイルを取得する。
【0094】
したがって、本実施例の画像投影システム300は、重要性の高い画像ファイルのみ選択的に高画質な画像ファイルを配信できる。また、重要性の低い画像ファイルは投影用画像ファイルを送信するので、ネットワークの負荷を低減できる。
【0095】
図16は、履歴情報の作成手順を示すフローチャート図の一例である。このフローチャート図は、図9のs1.9の処理を詳細に説明するものである。よって、投影画像記憶部35はすでに投影用画像ファイルを生成しており、履歴作成部33は投影用画像ファイルの画像IDを取得している(S110)。
【0096】
履歴作成部33は、投影用画像ファイルの画像IDに対応づけて、現在時刻を表示開始時刻に登録する(S120)。これにより、履歴情報は例えば次のようになる。
画像ID:2.jpg
表示開始時刻:23:00
次に、履歴作成部33は現在、画像投影部32が投影している画像があるか否かを判定する(S130)。投影中の画像があるか否かは投影画像記憶部35により管理されている。
【0097】
投影中の画像がない場合(S130のNo)、履歴作成部33は表示終了時刻を登録できないので、処理を終了する。
【0098】
投影中の画像がある場合(S130のYes)、履歴作成部33は投影中の投影用画像ファイルの画像IDに対応づけて現在時刻を表示終了時刻に登録する(S140)。こうすることで、表示時間を確定することができる。
これにより、履歴情報は例えば次のようになる。
画像ID:1.jpg
表示終了時刻:23:00
図17は、プロジェクタ100の動作手順を示すフローチャート図の一例を示す。図17は、図9のステップS4.13〜s4.26の処理手順を説明するものである。処理手順は図13と同様だがステップS22の処理が異なっている。
【0099】
まず、プロジェクタ100の操作受付部31は、元画像ファイルの配信要求を受信する(S10)。
【0100】
投影画像記憶部35は画像IDにより特定される紐付け情報と履歴情報を読み出す(S15)。
【0101】
次に投影画像記憶部35は、履歴情報の表示開始時刻と表示終了時刻から表示時間を計算し、表示時間が例えば1分以上か否かを判定する(S22)。ここで、画像投影部32が投影中であるため、表示終了時刻が記録されていない投影用画像ファイルの場合、投影画像記憶部35は現在時刻までの表示時間を算出する。
【0102】
表示時間が1分以上の場合(S22のYes)、投影画像記憶部35は元画像ファイルを配信候補に決定する(S23)。
【0103】
表示時間が1分以上でない場合(S22のNo)、投影画像記憶部35は投影用画像ファイルを配信候補に決定する(S24)。
【0104】
さて、画像ファイルが重要であると判明しても、発表者が設定した配布可否は有効なので、以降、図13と同様に判定される。
【0105】
投影画像記憶部35は、紐付け情報に登録された配布可否フラグを参照し、元画像ファイルの配信又は投影用画像ファイルの配信が許可されているか否かを判定する(S30)。
【0106】
元画像ファイルが配信候補でかつ元画像ファイルの配信が許可されている場合、投影画像記憶部35は紐付け情報から発表者端末90のIPアドレスを特定する(S40)。
そして、元画像取得部36は発表者端末90から元画像ファイルを取得する(S50)。元画像送信部37は元画像ファイルを参加者端末80に送信する(S60)。
【0107】
元画像ファイルが配信候補でかつ投影用画像ファイルの配信は許可されている(元画像ファイルの配信は許可されていない)場合、又は、投影用画像ファイルが配信候補でかつ投影用画像ファイルの配信は許可されている場合、投影画像記憶部35は投影用画像ファイルを読み出す(S70)。元画像送信部37は投影用画像ファイルを参加者端末80に送信する(S80)。
【0108】
配信候補の画像ファイルに関係なく、元画像ファイルの配信も投影用画像ファイルの配信も禁止されている場合、元画像送信部37は配信不可を参加者端末80に送信する(S90)。
【0109】
以上説明したように、本実施例の画像投影システムは、配布可否の設定に従いながら、重要度の高いと判定された投影用画像ファイルの元画像ファイルの配信要求に対してのみ、元画像ファイルを配信することができる。
【実施例3】
【0110】
実施例2では、配信要求された投影用画像ファイルが重要か否かにより元画像ファイルを配信するか否かを制御した。しかし、参加者は、重要でなくても見づらかった投影用画像ファイルを参加者端末80で確認したいと考える場合がある。
【0111】
そこで、本実施例のプロジェクタ100は、履歴情報の操作履歴を利用して、操作履歴により見づらかったと判定される投影用画像ファイルは元画像ファイルを参加者端末80に配信し、そうでない投影用画像ファイルはそのまま投影用画像ファイルを参加者端末80に配信する。ここで、見づらかったと判定される投影用画像ファイルは、例えば操作履歴に「拡大」が記録されているものをいう。
【0112】
図18は、本実施例の画像投影システム300による画像ファイルの配信を模式的に説明する図の一例である。図18(a)は履歴情報を模式的に示す図で、2番目の投影用画像ファイルに拡大の操作履歴が記録されていたとする。
【0113】
図18(b)は参加者端末80に配信される画像ファイルを模式的に示す図である。参加者が例えば3つとも画像ファイルの配信を要求したとする。プロジェクタ100は、履歴情報を参照して、1番目の画像ファイルは拡大の操作履歴がないので投影用画像ファイルを配信すると判定する。2番目の画像ファイルは拡大の操作履歴があるので元画像ファイルを配信すると判定する。3番目の画像ファイルは拡大の操作履歴がないので投影用画像ファイルを配信すると判定する。このような判定により、参加者端末80は2番目の画像ファイルだけ元画像ファイルを取得する。
【0114】
したがって、本実施例の画像投影システム300は、参加者が見づらかった画像ファイルのみ高画質な画像ファイルを配信できる。また、見づらくない画像ファイルは投影用画像ファイルを送信するので、ネットワークの負荷を低減できる。
【0115】
図19は、プロジェクタ100の動作手順を示すフローチャート図の一例を示す。図19は、図9のステップS4.13〜s4.26の処理手順を説明するものである。処理手順は図13と同様だがステップS21の処理が異なっている。
【0116】
まず、プロジェクタ100の操作受付部31は、元画像ファイルの配信要求を受信する(S10)。
【0117】
投影画像記憶部35は画像IDにより特定される紐付け情報と履歴情報を読み出す(S15)。
【0118】
次に投影画像記憶部35は、履歴情報に拡大の操作履歴があるか否かを判定する(S21)。
【0119】
拡大の操作履歴がある場合(S21のYes)、投影画像記憶部35は元画像ファイルを配信候補に決定する(S23)。
【0120】
拡大の操作履歴がない場合(S21のNo)、投影画像記憶部35は投影用画像ファイルを配信候補に決定する(S24)。
【0121】
画像ファイルが見づらい場合でも、発表者が設定した配布可否は有効なので、以降、図13と同様に判定される。
【0122】
投影画像記憶部35は、紐付け情報に登録された配布可否フラグを参照し、元画像ファイルの配信又は投影用画像ファイルの配信が許可されているか否かを判定する(S30)。
【0123】
元画像ファイルが配信候補でかつ元画像ファイルの配信が許可されている場合、投影画像記憶部35は紐付け情報から発表者端末90のIPアドレスを特定する(S40)。
そして、元画像取得部36は発表者端末90から元画像ファイルを取得する(S50)。元画像送信部37は元画像ファイルを参加者端末80に送信する(S60)。
【0124】
元画像ファイルが配信候補でかつ投影用画像ファイルの配信は許可されている(元画像ファイルの配信は許可されていない)場合、又は、投影用画像ファイルが配信候補でかつ投影用画像ファイルの配信は許可されている場合、投影画像記憶部35は投影用画像ファイルを読み出す(S70)。元画像送信部37は投影用画像ファイルを参加者端末80に送信する(S80)。
【0125】
配信候補の画像ファイルに関係なく、元画像ファイルの配信も投影用画像ファイルの配信も禁止されている場合、元画像送信部37は配信不可を参加者端末80に送信する(S90)。
【0126】
以上説明したように、本実施例の画像投影システムは、配布可否の設定に従いながら、見づらいと判定された投影用画像ファイルの元画像ファイルの配信要求に対してのみ、元画像ファイルを配信することができる。
【実施例4】
【0127】
実施例2,3では配信要求された投影用画像ファイルが重要か否か、又は、見づらいか否か、に応じてプロジェクタ100が配信する画像ファイルを制御した。しかしながら、重要でない又は見づらくもない画像ファイルであれば、配信する必要がない場合もある。
【0128】
そこで、本実施例では、重要でない又は見づらくない画像ファイルは、配信しない画像投影システムについて説明する。
【0129】
図20は、プロジェクタ100の動作手順を示すフローチャート図の一例を示す。図20は、図9のステップS4.13〜s4.26の処理手順を説明するものである。処理手順は図17と同様だがステップS22でNoと判定された場合の処理が異なっている。
【0130】
まず、プロジェクタ100の操作受付部31は、元画像ファイルの配信要求を受信する(S10)。
【0131】
投影画像記憶部35は画像IDにより特定される紐付け情報と履歴情報を読み出す(S15)。
【0132】
次に投影画像記憶部35は、履歴情報の表示開始時刻と表示終了時刻から表示時間を計算し、表示時間が例えば1分以上か否かを判定する(S22)。
【0133】
表示時間が1分以上の場合(S22のYes)、投影画像記憶部35は元画像ファイルを配信候補に決定する(S23)。
【0134】
表示時間が1分以上でない場合(S22のNo)、投影画像記憶部35は何ら画像ファイルを配信しないと決定する(S90)。こうすることで、重要でない画像ファイルは配信を抑制できる。
【0135】
以降の処理は、実施例2,3と同様である。すなわち、投影画像記憶部35は、紐付け情報に登録された配布可否フラグを参照し、元画像ファイルの配信又は投影用画像ファイルの配信が許可されているか否かを判定する(S30)。
【0136】
元画像ファイルが配信候補でかつ元画像ファイルの配信が許可されている場合、投影画像記憶部35は紐付け情報から発表者端末90のIPアドレスを特定する(S40)。
そして、元画像取得部36は発表者端末90から元画像ファイルを取得する(S50)。元画像送信部37は元画像ファイルを参加者端末80に送信する(S60)。
【0137】
元画像ファイルが配信候補でかつ投影用画像ファイルの配信は許可されている(元画像ファイルの配信は許可されていない)場合、投影画像記憶部35は投影用画像ファイルを読み出す(S70)。元画像送信部37は投影用画像ファイルを参加者端末80に送信する(S80)。
【0138】
配信候補の画像ファイルに関係なく、元画像ファイルの配信も投影用画像ファイルの配信も禁止されている場合、元画像送信部37は配信不可を参加者端末80に送信する(S90)。
【0139】
なお、実施例3に本実施例を適用した場合、S22がS21になるだけなので、説明を省略する。
【0140】
<参加者に問い合わせる場合>
本実施例では、重要でない又は見づらくない画像ファイルは、配信しないと説明したが、重要でない又は見づらくない画像ファイルを必要とするか否かを参加者が決定できる方が好ましいと考えられる。参加者にとって必要か否かは異なり、例えば、重要でなくても全ての画像ファイルを取得しておきたい参加者も存在するためである。
【0141】
このため、本実施例では参加者が元画像ファイルを要求する際に、参加者が、重要でない又は見づらくない画像ファイルを必要とするか否かを設定する。
【0142】
図21は、参加者端末80の表示装置27に表示される画像情報入力画面の一例を示す図である。図21において図12(a)と同一部には同一の符号を付しその説明は省略する。図21では、「画像ファイルが重要でない場合、又は、見づらくない場合も取得しますか?」というメッセージ504と「はい」又は「いいえ」を選択するラジオボタン505が表示されている。参加者は、重要でなくても又は見づらくなくても、配信要求する画像ファイルを取得しておきたいと考えれば「はい」を選択し、そうでなければ「いいえ」を選択する。「はい」又は「いいえ」の選択結果を以下、配信必要性情報という。配信必要性情報は、投影用画像ファイルの画像IDと共に、参加者端末80からプロジェクタ100に送信される。
【0143】
図22は、プロジェクタ100の動作手順を示すフローチャート図の一例を示す。図22は、図9のステップS4.13〜s4.26の処理手順を説明するものである。処理手順は図20と同様だがステップS22でNoと判定された場合の処理が異なっている。
【0144】
まず、プロジェクタ100の操作受付部31は、元画像ファイルの配信要求を受信する(S10)。
【0145】
投影画像記憶部35は画像IDにより特定される紐付け情報と履歴情報を読み出す(S15)。
【0146】
次に投影画像記憶部35は、履歴情報の表示開始時刻と表示終了時刻から表示時間を計算し、表示時間が例えば1分以上か否かを判定する(S22)。
【0147】
表示時間が1分以上の場合(S22のYes)、投影画像記憶部35は元画像ファイルを配信候補に決定する(S23)。
【0148】
表示時間が1分以上でない場合(S22のNo)、投影画像記憶部35は配信必要性情報を参照して配信が必要か否かを判定する(S26)。
【0149】
配信が必要と判定された場合(S26のYes)、投影画像記憶部35は元画像ファイルを配信候補に決定する(S23)。こうすることで、重要でない画像ファイルでも、配信要求された画像ファイルについて、元画像ファイルを配信候補にできる。処理はS30に進み、以降の処理は図20と同様であるので説明を省略する。
【0150】
配信が不要と判定された場合(S26のNo)、処理はS90に進み、以降の処理は本実施例の図20と同様である。こうすることで、重要でない画像ファイルは配信を抑制できる。
【0151】
また、実施例3に本実施例の図22の処理を適用した場合、S22がS21になるだけなので、説明を省略する。
【0152】
本実施例によれば、例えば、投影された画像が多数になる場合、プロジェクタ100は、発表内容の要点をしめす重要な部分のみを参加者端末80に配信することができる。参加者は、内容を簡単に把握することのできる配布資料を取得できる。また、投影された画像が少ない場合や、元画像ファイルを必要とする場合、参加者は、任意に元画像ファイルを取得することもできる。
【実施例5】
【0153】
実施例3では履歴情報に記録された拡大操作により、プロジェクタ100が配信する元画像ファイルと投影用画像ファイルのどちらを配信するかを制御した。本実施例ではさらに拡大操作の履歴がある場合に、拡大した画像データを参加者端末80に配信する画像投影システムについて説明する。
【0154】
拡大した画像データを参加者に提供することで、拡大された重要な箇所を元画像ファイルから生成して参加者端末80に提供することができる。
【0155】
図23は、本実施例のプロジェクタ100、発表者端末90、及び、参加者端末80の機能ブロック図の一例を示す。図23において図6と同一部には同一の符号を付しその説明は省略する。図23のプロジェクタ100は拡大問い合わせ部39を有する。拡大問い合わせ部39は、履歴情報に拡大操作が記録されている場合、元画像ファイルを拡大するか否かを参加者に問い合わせる。そして、参加者端末80から問い合わせ結果を受信して投影画像記憶部35に通知する。
【0156】
図24は、本実施例において履歴作成部33が履歴情報を作成する手順を示すフローチャート図の一例である。実施例1の図9のS3.0〜S3.9にて説明したように、履歴作成部33は、操作内容を履歴情報記憶部34に記録する。本実施例の履歴作成部33は、操作内容だけでなく拡大操作の拡大倍率を履歴情報に記憶する。
【0157】
まず、投影機器操作者(参加者又は発表者のいずれでもよい)がプロジェクタ100のユーザI/Fを操作して画像を拡大させる。操作倍率は、拡大のためのボタンを投影機器操作者が押した時間の長さ、数値などで入力した倍率などで決定される。また、投影機器操作者は画像の拡大中心を指定することができる。拡大中心は、(30,40)などの画像の左上コーナを原点とする座標で指定することができる。または、画像を例えば9〜16分割した場合の1つのセルを指定することでも指定できる。また、カメラを備えたプロジェクタ100では、投影機器操作者が投影画像を指先やレーザポインタで指し示した場所を拡大中心とすることができる。操作受付部31は拡大率と拡大中心を含む操作内容を投影画像記憶部35に送出する(S210)。投影画像記憶部35は、操作内容と現在投影している投影用画像ファイルの画像IDを履歴作成部33に通知する。
【0158】
履歴作成部33は、画像IDにより履歴情報のレコードを特定し、操作内容を履歴情報記憶部34に記録する(S220)。
【0159】
図25は、本実施例の履歴情報の一例を示す。図では投影用画像ファイルの画像IDが「1.jpg」の拡大という操作内容に対し、拡大率が「×4」、拡大中心が「(30,40)」と登録されている。
【0160】
なお、この後、投影画像記憶部(画像処理部38)が投影用画像ファイルに対し拡大処理を施すのは、実施例1と同様である。
【0161】
<元画像の差し替え時のフローチャート図>
図26は、プロジェクタ100の動作手順を示すフローチャート図の一例を示す。
【0162】
まず、プロジェクタ100の操作受付部31は、元画像ファイルの配信要求を受信する(S10)。
【0163】
投影画像記憶部35は画像IDにより特定される紐付け情報と履歴情報を読み出す(S15)。
【0164】
次に投影画像記憶部35は、履歴情報に拡大の操作履歴があるか否かを判定する(S21)。
【0165】
拡大の操作履歴がある場合(S21のYes)、投影画像記憶部35は、紐付け情報に登録された配布可否フラグを参照し、元画像ファイルの配信が許可されているか否かを判定する(S2101)。元画像ファイルの配信が許可されていない場合、拡大された元画像ファイルの配信も許可すべきでないためである。
【0166】
元画像ファイルの配信が許可されている場合(S2101のYes)、拡大問い合わせ部39は参加者に元画像ファイルを拡大するか否かを問い合わせる(S2102)。拡大問い合わせ部39は、例えばHTMLファイルを生成し、参加者端末80の画像情報受付部52に送信する。
【0167】
図27は、参加者端末80の表示装置27に表示される拡大問い合わせ画面の一例を示す図である。拡大問い合わせ画面には「資料IDID20110511p1には拡大履歴がありました。」というメッセージ601、拡大率及び拡大中心602が表示されている。参加者は、資料ID、拡大率、及び、拡大中心を確認して、拡大された元画像ファイルの配信を要求するか否かを判断する。参加者は「はい」「いいえ」のラジオボタン603で拡大された元画像ファイルの配信の有無を設定し、決定ボタン604を押下する。これにより、拡大された元画像ファイルの配信を要求するか否かを返信する。
【0168】
拡大問い合わせ部39は、問い合わせ結果に基づき、発表者端末90に拡大画像を要求するか否かを判定する(S2103)。
【0169】
参加者が拡大画像を要求しない場合(S2103のNo)、投影画像記憶部35は元画像ファイルを配信すると決定する(S2107)。配信候補でなく配信すると決定するのはすでに配布可否フラグを確認済だからである。
【0170】
参加者が拡大画像を要求する場合(S2103のYes)、元画像取得部36は、拡大された元画像ファイルを要求するため、画像IDと操作内容を発表者端末90に送信する(S2104)。これにより、発表者端末90は拡大率や拡大中心を取得できる。
【0171】
発表者端末90の投影画像生成部42は、操作内容を取得する(S2111)。
【0172】
投影画像生成部42は画像IDにより指定される元画像ファイルを画像記憶部45から読み出し、拡大処理を施す(S2112)。
【0173】
画像ファイル送信部44は、拡大された元画像ファイルをプロジェクタ100に送信する(S2113)。
【0174】
プロジェクタ100の元画像取得部36は、拡大された元画像ファイルを受信する(S2105)。そして、元画像送信部37は拡大された元画像ファイルを参加者端末80に送信する(S2106)。以上により、参加者端末80は特に重要な部分の拡大された元画像ファイルを取得できる。
【0175】
なお、ステップS21で、拡大の操作履歴がない場合(S21のNo)、投影画像記憶部35は投影画像ファイルを配信候補に決定し(S24)、以降の処理は実施例3と同様である。
【0176】
すなわち、投影画像記憶部35は、紐付け情報に登録された配布可否フラグを参照し、投影用画像ファイルの配信が許可されているか否かを判定する(S30)。
【0177】
投影用画像ファイルが配信候補でかつ投影用画像ファイルの配信は許可されている場合、投影画像記憶部35は投影用画像ファイルを読み出す(S70)。元画像送信部37は投影用画像ファイルを参加者端末80に送信する(S80)。
【0178】
投影用画像ファイルの配信が禁止されている場合、元画像送信部37は配信不可を参加者端末80に送信する(S90)。
【0179】
なお、ステップS21で、拡大の操作履歴がない場合(S21のNo)、投影画像記憶部35は実施例4のように元画像ファイルと投影画像ファイルのいずれも配信しないと決定してもよい。
【0180】
本実施例によれば、高解像度の元画像ファイルから、重要箇所を拡大するので、重要でかつ取得データ量を抑えた配布資料を作成することができる。
【実施例6】
【0181】
これまでの実施例では、参加者端末80がプロジェクタ100から元画像ファイルを取得したが、本実施例では、参加者端末80が発表者端末90から元画像ファイルを取得する画像投影システムについて説明する。
【0182】
図28は、本実施例のプロジェクタ100、発表者端末90、及び、参加者端末80の機能ブロック図の一例を示す。図28において図6と同一部には同一の符号を付しその説明は省略する。本実施例では、プロジェクタ100に元画像取得部36と元画像送信部37が不要になる。
・プロジェクタ100は、参加者端末80からの元画像ファイルの要求に従い、紐付け情報から画像IDに対応付けられたIPアドレスを読み出して参加者端末80に送信する。画像取得部51は、IPアドレスにより発表者端末90を特定し、投影用画像ファイルの画像IDを発表者端末90に送信して発表者端末90に元画像ファイルを要求する。また、発表者端末90から元画像ファイルを受信する。
【0183】
なお、紐付け情報の配布可否フラグにて元画像ファイルの配布が許可されていない場合、参加者端末80が発表者端末90に元画像ファイルを要求しても、発表者端末90が投影用画像ファイルを参加者端末80に送信する。または、投影用画像ファイルも参加者端末80に送信しない。したがって、参加者端末80が発表者端末90から元画像ファイルを要求する場合でも、紐付け情報は有効である。
【0184】
また、実施例1〜5において、プロジェクタ100は、参加者端末80からの画像ファイルの配信要求に対し、履歴情報を用いて元画像ファイル、投影用画像ファイル又は送信しない、のいずれかを制御していた。本実施例のように、参加者端末80が発表者端末90から直接、画像ファイルを取得する場合、プロジェクタ100はこの制御をできないので、プロジェクタ100は、例えば、履歴情報を用いて、IPアドレスと共に、
・発表者端末90から画像ファイルを取得する権利情報、
・投影用画像ファイルを取得する権利情報、
・画像ファイルを取得することができない権利情報、
のいずれかを参加者端末80に送信する。参加者端末80は、画像IDと共に権利情報を発表者端末90に送信する。発表者端末90はプロジェクタ100の権利情報に応じて、参加者端末80に送信する画像ファイルを元画像ファイル、投影用画像ファイル又は送信しない、のいずれかに制御できる。
【0185】
図29は、参加者端末80が元画像ファイルを取得する際のシーケンス図の一例を示す。なお、投影までの動作、投影後のプロジェクタ100の動作は実施例1と同様なので省略する。
【0186】
<参加者端末による元画像ファイルの取得>
参加者が、プロジェクタ100が投影している元画像ファイルを取得したいと考えた場合、参加者は参加者端末80を使用して元画像ファイルを取得することができる。
s5.11:参加者は、参加者端末80を操作して元画像ファイルを取得する操作を行う。参加者端末80のプログラムは、発表者端末90と同様に検出したプロジェクタ100のIPアドレスによりプロジェクタ100と接続している。または、参加者が、プロジェクタ100が投影しているIPアドレスを入力して参加者端末80とプロジェクタ100を接続する。
s5.12:画像情報受付部52は画像取得部51に資料IDを送出すると共に、元画像ファイルの取得を要求する。
s5.13:画像取得部51は、プロジェクタ100の操作受付部31に資料IDを送出して、この資料IDの元画像ファイルを記憶している発表者端末90のIPアドレスを要求する。
s5.14:操作受付部31は、資料IDを投影画像記憶部35に送出すると共に、発表者端末90のIPアドレスを要求する。
s5.15:投影画像記憶部35は資料IDを画像IDに変換して、紐付け情報にて画像IDに対応づけられた発表者端末90のIPアドレスを読み出す。投影画像記憶部35は、紐付け情報を参照してこの画像IDの元画像ファイルの配布が許可されているか否かを判定する。
s5.16:操作受付部31は発表者端末90のIPアドレスを投影画像記憶部35から取得する。
s5.17:操作受付部31は、発表者端末90のIPアドレスを画像取得部51に送信する。
s5.18:画像取得部51は、発表者端末90のIPアドレスを指定して発表者端末90の画像ファイル送信部44に画像IDを送信し、元画像ファイルを要求する。
s5.19:画像ファイル送信部44は、画像IDに基づき画像記憶部45から読み出した元画像ファイルを画像取得部51に送信する。
s5.20:画像取得部51は、元画像ファイルの取得結果を画像情報受付部52に通知する。
s5.21:画像情報受付部52は、元画像ファイルの取得結果を参加者に通知する。
【0187】
本実施例によれば、プロジェクタ100が元画像ファイルを発表者端末90から取得する必要がないので、プロジェクタ100の負荷を低減できる。
【符号の説明】
【0188】
11、25 無線LANI/F
12、26 有線LANI/F
13 VideoI/F
14 投影データメモリ
15 プログラムメモリ
16、23 CPU
17、24 ユーザI/F
18 投影部
21 外部記憶装置
22 メモリ
27 表示装置
80 参加者端末
90 発表者端末
100 プロジェクタ
300 画像投影システム
【先行技術文献】
【特許文献】
【0189】
【特許文献1】特開2010‐122263号公報

【特許請求の範囲】
【請求項1】
画像データを投影する画像投影装置と、第1の端末と第2の端末とがネットワークを介して接続されたネットワークシステムであって、
前記第1の端末は、元画像データを記憶する元画像データ記憶手段と、
前記元画像データ記憶手段に記憶された元画像データから、該元画像データよりも情報量を削減した投影用画像データを生成する投影用画像生成手段と、
前記投影用画像データの生成に用いられた元画像データを識別するための画像識別情報と前記第1の端末を特定するための端末識別情報とが紐付けされた紐付け情報を生成する紐付け情報生成手段と、
前記投影用画像生成手段で生成された投影用画像データと、該投影用画像データに基づいて前記紐付け情報生成手段で生成された紐付け情報とを前記画像投影装置に送信する第1の送信手段と、
前記画像投影装置から前記元画像データ記憶手段に記憶されている元画像データの取得要求を受信したとき、該取得要求に含まれる画像識別情報に基づいた元画像データを前記元画像データ記憶手段から読み出す元画像データ読み出し手段と、
前記元画像データ読み出し手段が読み出した元画像データを前記画像投影装置に送信する第2の送信手段と、を有し、
前記第2の端末は、
前記画像投影装置により投影されている画像データの取得要求を前記画像投影装置に送信し、該取得要求に基づいて前記画像投影装置が前記第1の端末から取得した元画像データを前記画像投影装置から取得する画像取得手段と、を有し、
前記画像投影装置は、
前記第1の送信手段により送信された投影用画像データと紐付け情報とを記憶する記憶手段と、
前記記憶手段に記憶された投影用画像データを投影する画像投影手段と、
前記画像投影手段により投影された投影用画像データの取得要求を前記第2の端末から受信したとき、前記記憶手段に記憶されている紐付け情報に含まれる画像識別情報を含めた元画像データの取得要求を前記第1の端末に送信する取得要求送信手段と、
前記取得要求送信手段で送信した取得要求に基づいた元画像データを前記第1の端末から受信する元画像受信手段と、
前記元画像受信手段で受信した元画像データを前記第2の端末に送信する元画像送信手段と、
を有するネットワークシステム。
【請求項2】
前記画像投影装置は、
投影された画像データの調整を、前記ネットワークを介さずに受け付けるユーザ操作受付手段と、
前記ユーザ操作受付手段が受け付けた操作内容を、操作対象の投影用画像データの画像識別情報に対応づけて記録した履歴情報を作成する履歴情報作成手段と、
を有する請求項1記載のネットワークシステム。
【請求項3】
前記履歴情報に予め定められた前記操作内容が記録されている場合、
前記取得要求送信手段は、紐付け情報にて画像識別情報に対応づけられた端末識別情報の前記第1の端末に元画像データの取得要求を送信し、
前記元画像受信手段は、前記取得要求送信手段で送信した取得要求に基づいた元画像データを前記第1の端末から受信し、
前記元画像送信手段は、元画像データを前記第2の端末に送信し、
前記履歴情報に予め定められた前記操作内容が記録されていない場合、
前記元画像送信手段は、画像識別情報で指定される前記記憶手段に記憶された投影用画像データを前記第2の端末に送信する、
ことを特徴とする請求項2記載のネットワークシステム。
【請求項4】
前記画像投影装置が、投影対象の投影用画像データを切り換える際、
前記履歴情報作成手段は、新たに投影される投影用画像データの画像識別情報が付与された前記履歴情報に表示開始タイミングを記録し、
投影が終了となる投影用画像データの画像識別情報が付与された前記履歴情報に表示終了タイミングを記録し、
前記履歴情報に記録された前記表示開始タイミングと前記表示終了タイミング、又は、前記表示開始タイミングと現在時刻から求められた表示時間が所定値以上の場合、
前記取得要求送信手段は、紐付け情報にて画像識別情報に対応づけられた前記端末識別情報の前記第1の端末に元画像データの取得要求を送信し、
前記元画像受信手段は、前記取得要求送信手段で送信した取得要求に基づいた元画像データを前記第1の端末から受信し
前記元画像送信手段は、元画像データを前記第2の端末に送信し、
前記表示時間が所定値以上でない場合、
前記元画像送信手段は、画像識別情報で指定される前記記憶手段に記憶された投影用画像データを前記第2の端末に送信する、
ことを特徴とする請求項2記載のネットワークシステム。
【請求項5】
前記画像投影装置は、前記履歴情報に予め定められた前記操作内容として拡大操作と拡大倍率が記録されている場合、
前記第2の端末に、拡大された元画像データの取得を要求するか否かを問い合わせる問い合わせ手段を有し、
前記問い合わせ手段が、拡大された元画像データの取得を要求するという応答を前記第2の端末から取得した場合、
前記取得要求送信手段は、紐付け情報にて画像識別情報に対応づけられた前記端末識別情報の前記第1の端末に、前記拡大倍率が含まれる元画像データの取得要求を送信し、
前記第1の端末の前記投影用画像生成手段は、元画像データを前記拡大倍率にて拡大した拡大元画像データを生成し、
前記第2の送信手段は、前記投影用画像生成手段が生成した拡大元画像データを前記画像投影装置に送信し、
前記元画像受信手段は、前記取得要求送信手段で送信した取得要求に基づいた拡大倍率にて拡大された拡大元画像データを前記第1の端末から受信し、
前記元画像送信手段は、拡大元画像データを前記第2の端末に送信し、
前記問い合わせ手段が、拡大された元画像データの取得を要求するという応答を前記第2の端末から取得しない場合、
前記取得要求送信手段は、紐付け情報にて画像識別情報に対応づけられた前記端末識別情報の前記第1の端末に元画像データの取得要求を送信し、
前記元画像受信手段は、前記取得要求送信手段で送信した取得要求に基づいた元画像データを前記第1の端末から受信し、
前記元画像送信手段は、元画像データを前記第2の端末に送信する、
ことを特徴とする請求項3記載のネットワークシステム。
【請求項6】
前記履歴情報に予め定められた前記操作内容が記録されていない場合、
前記元画像送信手段は、元画像データ及び投影用画像データのいずれも前記第2の端末に送信しない、
ことを特徴とする請求項3記載のネットワークシステム。
【請求項7】
前記表示時間が所定値以上でない場合、
前記元画像送信手段は、元画像データ及び投影用画像データのいずれも前記第2の端末に送信しない、
ことを特徴とする請求項4記載のネットワークシステム。
【請求項8】
前記第2の端末は、前記表示時間が所定値以上でない場合に元画像データの送信を要求するか否かの設定を受け付け、受け付けた設定内容を前記画像投影装置に送信し、
前記画像投影装置が、画像データの送信を要求しないという設定内容を受信した場合にのみ、
前記表示時間が所定値以上でない場合、前記元画像送信手段は、元画像データ及び投影用画像データのいずれも前記第2の端末に送信しない、
ことを特徴とする請求項7記載のネットワークシステム。
【請求項9】
前記紐付け情報生成手段は、元画像データを前記第2の端末に配信するか否かの配信設定を、投影用画像データの画像識別情報に対応づけて紐付け情報に登録し、
前記元画像取得手段は、紐付け情報の前記配信設定が元画像データの配信を許可している場合にのみ、元画像データの取得要求を前記第1の端末に送信し、
前記元画像送信手段は、元画像データを前記第2の端末に送信する、
ことを特徴とする請求項1〜8いずれか1項記載のネットワークシステム。
【請求項10】
前記紐付け情報生成手段は、元画像データ、及び、投影用画像データを前記第2の端末に配信するか否かの配信設定を、画像識別情報に対応づけて紐付け情報に登録し、
前記取得要求送信手段は、紐付け情報の前記配信設定が元画像データの配信を許可している場合には、前記記憶手段に記憶されている紐付け情報に含まれる画像識別情報を含めた元画像データの取得要求を前記第1の端末に送信し、
前記元画像受信手段は、前記取得要求送信手段で送信した取得要求に基づいた元画像データを前記第1の端末から受信し、
前記元画像送信手段は、元画像データを前記第2の端末に送信し、
前記取得要求送信手段は、紐付け情報の前記配信設定が投影用画像データの配信を許可している場合には、画像識別情報を含めた投影用画像データの取得要求を前記第1の端末に送信することなく、
前記元画像送信手段は、投影に使用された投影用画像データを前記第2の端末に送信する、
ことを特徴とする請求項9記載のネットワークシステム。
【請求項11】
前記画像投影装置は、
投影用画像データと共に、該投影用画像データの画像識別情報及び紐付け情報に含まれる前記端末識別情報を投影する、
ことを特徴とする請求項1〜10いずれか1項記載のネットワークシステム。
【請求項12】
元画像データを記憶する元画像データ記憶手段と、前記元画像データ記憶手段に記憶された元画像データから、該元画像データよりも情報量を削減した投影用画像データを生成する投影用画像生成手段と、投影用画像データの生成に用いられた元画像データを識別するための画像識別情報と該第1の端末を特定するための端末識別情報とが紐付けされた紐付け情報を生成する紐付け情報生成手段と、前記紐付け情報生成手段で生成された紐付け情報と前記投影用画像生成手段で生成された投影用画像データとを画像投影装置に送信する第1の送信手段と、画像投影装置から前記元画像データ記憶手段に記憶されている元画像データの取得要求を受信したとき、該取得要求に含まれる画像識別情報に基づいた元画像データを前記元画像データ記憶手段から読み出す元画像データ読み出し手段と、前記元画像データ読み出し手段が読み出した元画像データを画像投影装置に送信する第2の送信手段と、有する第1の端末、及び、
前記画像投影装置により投影されている画像データの取得要求を前記画像投影装置に送信し、該取得要求に基づいて前記画像投影装置が前記第1の端末から取得した元画像データを前記画像投影装置から取得する画像取得手段、を有する第2の端末と、
ネットワークを介して接続された画像投影装置であって、
前記第1の送信手段により送信された投影用画像データと紐付け情報とを記憶する記憶手段と、
前記記憶手段に記憶された投影用画像データを投影する画像投影手段と、
前記画像投影手段により投影された投影用画像データの取得要求を前記第2の端末から受信したとき、前記記憶手段に記憶されている紐付け情報に含まれる画像識別情報を含めた元画像データの取得要求を前記第1の端末に送信する取得要求送信手段と、
前記取得要求送信手段で送信した取得要求に基づいた元画像データを前記第1の端末から受信する元画像受信手段と、
前記元画像受信手段で受信した元画像データを前記第2の端末に送信する元画像送信手段と、を有する画像投影装置。
【請求項13】
投影された画像データの調整を、前記ネットワークを介さずに受け付けるユーザ操作受付手段と、
前記ユーザ操作受付手段が受け付けた操作内容を、操作対象の投影用画像データの画像識別情報に対応づけて記録した履歴情報を作成する履歴情報作成手段と、
を有する請求項12記載の画像投影装置。
【請求項14】
前記履歴情報に予め定められた前記操作内容が記録されている場合、
前記取得要求送信手段は、紐付け情報にて画像識別情報に対応づけられた端末識別情報の前記第1の端末に元画像データの取得要求を送信し、
前記元画像受信手段は、前記取得要求送信手段で送信した取得要求に基づいた元画像データを前記第1の端末から受信し、
前記元画像送信手段は、元画像データを前記第2の端末に送信し、
前記履歴情報に予め定められた前記操作内容が記録されていない場合、
前記元画像送信手段は、画像識別情報で指定される前記記憶手段に記憶された投影用画像データを前記第2の端末に送信する、
ことを特徴とする請求項13記載の画像投影装置。
【請求項15】
投影対象の投影用画像データを切り換える際、
前記履歴情報作成手段は、新たに投影される投影用画像データの画像識別情報が付与された前記履歴情報に表示開始タイミングを記録し、
投影が終了となる投影用画像データの画像識別情報が付与された前記履歴情報に表示終了タイミングを記録し、
前記履歴情報に記録された前記表示開始タイミングと前記表示終了タイミング、又は、前記表示開始タイミングと現在時刻から求められた表示時間が所定値以上の場合、
前記取得要求送信手段は、紐付け情報にて画像識別情報に対応づけられた前記端末識別情報の前記第1の端末に元画像データの取得要求を送信し、
前記元画像受信手段は、前記取得要求送信手段で送信した取得要求に基づいた元画像データを前記第1の端末から受信し
前記元画像送信手段は、元画像データを前記第2の端末に送信し、
前記表示時間が所定値以上でない場合、
前記元画像送信手段は、画像識別情報で指定される前記記憶手段に記憶された投影用画像データを前記第2の端末に送信する、
ことを特徴とする請求項13記載の画像投影装置。
【請求項16】
前記履歴情報に予め定められた前記操作内容として拡大操作と拡大倍率が記録されている場合、
前記第2の端末に、拡大された元画像データの取得を要求するか否かを問い合わせる問い合わせ手段を有し、
前記問い合わせ手段が、拡大された元画像データの取得を要求するという応答を前記第2の端末から取得した場合、
前記取得要求送信手段は、紐付け情報にて画像識別情報に対応づけられた前記端末識別情報の前記第1の端末に、前記拡大倍率が含まれる元画像データの取得要求を送信し、
前記第1の端末の前記投影用画像生成手段は、元画像データを前記拡大倍率にて拡大した拡大元画像データを生成し、
前記第2の送信手段は、前記投影用画像生成手段が生成した拡大元画像データを前記画像投影装置に送信し、
前記元画像受信手段は、前記取得要求送信手段で送信した取得要求に基づいた拡大倍率にて拡大された拡大元画像データを前記第1の端末から受信し、
前記元画像送信手段は、拡大元画像データを前記第2の端末に送信し、
前記問い合わせ手段が、拡大された元画像データの取得を要求するという応答を前記第2の端末から取得しない場合、
前記取得要求送信手段は、紐付け情報にて画像識別情報に対応づけられた前記端末識別情報の前記第1の端末に元画像データの取得要求を送信し、
前記元画像受信手段は、前記取得要求送信手段で送信した取得要求に基づいた元画像データを前記第1の端末から受信し、
前記元画像送信手段は、元画像データを前記第2の端末に送信する、
ことを特徴とする請求項14記載の画像投影装置。
【請求項17】
前記表示時間が所定値以上でない場合、
前記元画像送信手段は、元画像データ及び投影用画像データのいずれも前記第2の端末に送信しない、
ことを特徴とする請求項15記載の画像投影装置。
【請求項18】
前記履歴情報に予め定められた前記操作内容が記録されていない場合、
前記元画像送信手段は、元画像データ及び投影用画像データのいずれも前記第2の端末に送信しない、
ことを特徴とする請求項14記載の画像投影装置。
【請求項19】
元画像データを記憶する元画像データ記憶手段と、前記元画像データ記憶手段に記憶された元画像データから、該元画像データよりも情報量を削減した投影用画像データを生成する投影用画像生成手段と、投影用画像データの生成に用いられた元画像データを識別するための画像識別情報と該第1の端末を特定するための端末識別情報とが紐付けされた紐付け情報を生成する紐付け情報生成手段と、前記紐付け情報生成手段で生成された紐付け情報と前記投影用画像生成手段で生成された投影用画像データとを画像投影装置に送信する第1の送信手段と、画像投影装置から前記元画像データ記憶手段に記憶されている元画像データの取得要求を受信したとき、該取得要求に含まれる画像識別情報に基づいた元画像データを前記元画像データ記憶手段から読み出す元画像データ読み出し手段と、前記元画像データ読み出し手段が読み出した元画像データを画像投影装置に送信する第2の送信手段と、有する第1の端末、及び、
前記画像投影装置により投影されている画像データの取得要求を前記画像投影装置に送信し、該取得要求に基づいて前記画像投影装置が前記第1の端末から取得した元画像データを前記画像投影装置から取得する画像取得手段、を有する第2の端末と、
ネットワークを介して接続された画像投影装置に、
前記第1の送信手段により送信された投影用画像データと紐付け情報とを記憶する記憶手段から投影用画像データを読み出して投影する画像投影ステップと、
前記画像投影ステップにより投影された投影用画像データの取得要求を前記第2の端末から受信したとき、前記記憶手段に記憶されている紐付け情報に含まれる画像識別情報を含めた元画像データの取得要求を前記第1の端末に送信する取得要求送信ステップと、
前記取得要求送信手段で送信した取得要求に基づいた元画像データを前記第1の端末から受信する元画像受信ステップと、
前記元画像受信手段で受信した元画像データを前記第2の端末に送信する元画像送信ステップと、を実行させるプログラム。
【請求項20】
画像データを投影する画像投影装置と、第1の端末と第2の端末とがネットワークを介して接続されたネットワークシステムであって、
前記第1の端末は、元画像データを記憶する元画像データ記憶手段と、
前記元画像データ記憶手段に記憶された元画像データから、該元画像データよりも情報量を削減した投影用画像データを生成する投影用画像生成手段と、
前記投影用画像データの生成に用いられた元画像データを識別するための画像識別情報と前記第1の端末を特定するための端末識別情報とが紐付けされた紐付け情報を生成する紐付け情報生成手段と、
前記投影用画像生成手段で生成された投影用画像データと、該投影用画像データに基づいて前記紐付け情報生成手段で生成された紐付け情報とを前記画像投影装置に送信する第1の送信手段と、
前記第2の端末から前記元画像データ記憶手段に記憶されている元画像データの取得要求を受信したとき、該取得要求に含まれる画像識別情報に基づいた元画像データを前記元画像データ記憶手段から読み出す元画像データ読み出し手段と、
前記元画像データ読み出し手段が読み出した元画像データを前記第2の端末に送信する第2の送信手段と、を有し、
前記第2の端末は、
前記画像投影装置により投影されている画像データの紐付け情報の取得要求を前記画像投影装置に送信し、該取得要求に基づいて前記画像投影装置から送信される紐付け情報を取得する第1の取得手段と、
前記第1の取得手段で取得した紐付け情報に含まれる端末識別情報により特定される前記第1の端末に、紐付け情報に含まれる画像識別情報と画像データの取得要求とを送信し、該画像識別情報に基づいた元画像データを前記第1の端末から取得する第2の取得手段と、を有し、
前記画像投影装置は、
前記第1の送信手段により送信された投影用画像データと紐付け情報とを記憶する記憶手段と、
前記記憶手段に記憶された投影用画像データを投影する画像投影手段と、
前記画像投影手段により投影された投影用画像データの取得要求を前記第2の端末から受信したとき、前記記憶手段に記憶されている紐付け情報を前記第2の端末に送信する紐付け情報送信手段と、を有する
ネットワークシステム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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【図24】
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【図25】
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【図26】
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【図27】
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【図28】
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【図29】
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【公開番号】特開2013−41181(P2013−41181A)
【公開日】平成25年2月28日(2013.2.28)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−179073(P2011−179073)
【出願日】平成23年8月18日(2011.8.18)
【出願人】(000006747)株式会社リコー (37,907)
【Fターム(参考)】