ネットワークデバイスに対する設定情報の設定を制御する制御装置
【課題】設定処理中における設定情報の一時的な重複を回避して、設定情報の一括した設定を可能にする。
【解決手段】複数のネットワークデバイスのそれぞれの開始前設定値を取得する手段と、複数のネットワークデバイスのそれぞれの完了後設定値を取得する手段と、完了後設定値が重複しているか否かの判定を行う手段と、値が重複していないと判定された場合、第一のネットワークデバイスの開始前設定値と第二のネットワークデバイスの完了後設定値とが同一であるときに、第一のネットワークデバイスと第二のネットワークデバイスとが同一の重複グループに属するように、重複グループの作成を行う手段と、重複グループに属する各ネットワークデバイスに対して、設定指示を送信する送信順序を決定する手段と、決定された送信順序に従って、設定指示を送信する手段と、を備える。
【解決手段】複数のネットワークデバイスのそれぞれの開始前設定値を取得する手段と、複数のネットワークデバイスのそれぞれの完了後設定値を取得する手段と、完了後設定値が重複しているか否かの判定を行う手段と、値が重複していないと判定された場合、第一のネットワークデバイスの開始前設定値と第二のネットワークデバイスの完了後設定値とが同一であるときに、第一のネットワークデバイスと第二のネットワークデバイスとが同一の重複グループに属するように、重複グループの作成を行う手段と、重複グループに属する各ネットワークデバイスに対して、設定指示を送信する送信順序を決定する手段と、決定された送信順序に従って、設定指示を送信する手段と、を備える。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ネットワークデバイスに対して設定情報を設定する技術に関する。
【背景技術】
【0002】
通信ネットワークを介したデータ通信(ネットワーク通信)を行うことが可能な機器であるネットワークデバイスには、ネットワーク通信を行うために必要となる種々の設定情報が設定される。例えば、特許文献1には、ネットワークデバイスに対する設定情報の設定が、通信ネットワークを介して、即ち、通信ネットワークに接続された他の機器(例えば、管理計算機)からの指示に基づいて行われる技術が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特許第3622733号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ネットワークデバイスに対する設定情報の設定が通信ネットワークを介して行われる場合、管理計算機は、一つの設定処理の中で複数のネットワークデバイスのそれぞれに対して指示を出すことにより、複数のネットワークデバイスのそれぞれに対して設定情報を一括して設定することができる。
【0005】
ここで、設定情報には、各ネットワークデバイス間で重複しないように設定されるべき情報がある。その一例として、IP(Internet Protocol)アドレスが挙げられる。IPアドレスが複数のネットワークデバイス間で重複した場合、その重複したIPアドレスが設定されたネットワークデバイスは、他の機器とネットワーク通信できなくなる。
【0006】
複数のネットワークデバイスに対して設定情報を一括して設定する場合、それぞれのネットワークデバイスに設定されることとなる設定情報が互いに重複していなくとも、設定処理を行っている中で、設定情報が一時的に重複してしまうことがある。例えば、二つのネットワークデバイス間で、それぞれに設定されているIPアドレスを相互に交換する場合等である。このような場合、管理計算機は、IPアドレスが重複した時点でそれら二つのネットワークデバイスとネットワーク通信できなくなるため、設定処理を継続することができなくなってしまう。即ち、設定処理が正常に完了すれば二つのネットワークデバイスに設定されるIPアドレスは重複しないにもかかわらず、IPアドレスの重複を解消できないまま設定処理を途中で終了しなければならなくなる。
【0007】
そこで、本発明の目的は、設定処理中における設定情報の一時的な重複を回避して、設定情報の一括した設定を可能にすることである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明に従う制御装置は、複数のネットワークデバイスのそれぞれにおいて設定される設定項目であって、前記ネットワークデバイス間でユニークに設定されるべき設定項目を一括して設定する制御を行う制御装置であって、前記複数のネットワークデバイスのそれぞれにおいて設定されている前記設定項目の開始前設定値を各ネットワークデバイスから取得する開始前設定値取得手段と、前記複数のネットワークデバイスのそれぞれの前記設定項目に設定されることとなる複数の完了後設定値を取得する完了後設定値取得手段と、前記複数の完了後設定値の中で、値が重複しているか否かの完了後重複判定を行う判定手段と、前記完了後重複判定において値が重複していないと判定された場合、前記複数のネットワークデバイスのうちの第一のネットワークデバイスの前記開始前設定値と前記第一のネットワークデバイス以外の第二のネットワークデバイスの前記完了後設定値とが同一であるときに、前記第一のネットワークデバイスと前記第二のネットワークデバイスとが同一の重複グループに属するように、前記複数のネットワークデバイスのうちのいずれか二以上の組み合わせである前記重複グループの作成を行う重複グループ作成手段と、前記重複グループ作成手段により作成された重複グループに属する各ネットワークデバイスに対して、前記完了後設定値を設定するための設定指示を送信する送信順序を決定する送信順序決定手段と、前記重複グループに属する各ネットワークデバイスに対して、前記送信順序決定手段が決定した送信順序に従って、前記設定指示を送信する指示送信手段と、を備える。
【0009】
本発明に係る好適な実施形態では、前記送信順序決定手段は、前記重複グループに属するネットワークデバイスの前記開始前設定値のいずれとも異なる前記完了後設定値が設定されるネットワークデバイスである新規情報設定デバイスが前記重複グループに含まれる場合、前記送信順序決定手段は、前記新規情報設定デバイスに対する設定指示の送信順位が最先となり、且つ前記第一のネットワークデバイスに対する設定指示が前記第二のネットワークデバイスに対する設定指示よりも先に送信されるように、前記重複グループに対する送信順序を決定してもよい。
【0010】
本発明に係る好適な実施形態では、前記送信順序決定手段は、前記重複グループに属するネットワークデバイスの前記開始前設定値のいずれとも異なる前記完了後設定値が設定されるネットワークデバイスが前記重複グループに含まれない場合、前記送信順序決定手段は、前記重複グループに属するネットワークデバイスのうちから選択した選択デバイスに対して、前記複数のネットワークデバイスのそれぞれに設定されている前記設定項目の値のいずれとも異なり、且つ前記重複グループに属するネットワークデバイスの前記完了後設定値のいずれとも異なる値を設定する設定指示の送信順位が最先となり、且つ前記第一のネットワークデバイスに対する設定指示が前記第二のネットワークデバイスに対する設定指示よりも先となり、且つ前記選択デバイスに対して、前記選択デバイスの前記完了後設定値を設定する設定指示の送信順位が最後となるように、前記重複グループに対する送信順序を決定してもよい。
【0011】
本発明に係る好適な実施形態では、前記設定項目が複数種類あり、各設定項目には優先度が付与されており、前記開始前設定値取得手段は、前記複数のネットワークデバイスのそれぞれにおいて前記複数種類の設定項目ごとに設定されているそれぞれの開始前設定値を各ネットワークデバイスから取得し、前記完了後設定値取得手段は、前記複数のネットワークデバイスのそれぞれにおいて、前記複数種類の設定項目ごとに設定されることとなるそれぞれの完了後設定値を取得し、前記判定手段は、前記設定項目の種類ごとに前記完了後重複判定を行い、前記重複グループ作成手段は、前記設定項目の種類ごとに前記重複グループの作成を行い、前記送信順序決定手段は、前記複数種類の設定項目のうち最も高い優先度が付与されている設定項目について前記送信順序の決定を行い、前記送信指示は、各ネットワークデバイスにおける前記複数種類の設定項目に対して、それぞれの前記完了後設定値を設定することの指示であってもよい。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【図1】本実施形態に係る計算機システムの構成例を示す図である。
【図2】第一の重複ケースの一例を示す図である。
【図3】第二の重複ケースの一例を示す図である。
【図4】図3の例における重複を回避するための送信順序を示す図である。
【図5】第三の重複ケースの一例を示す図である。
【図6】退避情報値による重複回避方法を説明する図である。
【図7】一括設定管理テーブルの一例を示す図である。
【図8】重複確認用リストの一例を示す図である。
【図9】本実施形態に係る一括設定処理のフローチャートである。
【図10】第一の重複ケースに該当するか否かを判定する処理のフローチャートである。
【図11】一時的な重複を回避するための処理のフローチャートである。
【図12】重複グループを作成する処理のフローチャートである。
【図13】一括設定プログラムが表示する画面の一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、図面を参照しながら本発明の実施形態について詳細に説明する。
【0014】
図1は、本実施形態に係る計算機システムの構成例を示す図である。
【0015】
複数のネットワークデバイス(以下、単に「デバイス」という)1と、管理計算機2とが、通信ネットワーク3(例えば、LAN(Local Area Network))を介して接続されている。通信ネットワーク3は、例えば、複数のサブネットワーク4から構成される。通信ネットワーク3が複数のサブネットワーク4から構成される場合は、デバイス1は、いずれか一つのサブネットワーク4に接続される。
【0016】
デバイス1は、通信ネットワーク3を介して、通信ネットワーク3に接続された他の機器とデータ通信することが可能なネットワーク機器である。デバイス1には、例えば、プリンタやストレージデバイスや汎用的なコンピュータその他の通信ネットワーク3に接続する機能を有するあらゆる機器が含まれる。デバイス1には、例えば、ネットワークI/F(インタフェース)11が備えられる。ネットワークI/F11は、通信ネットワーク3を介したデータ通信(ネットワーク通信)を行うための装置である。尚、ネットワークI/F11は、必ずしもデバイス1の内部に備えられなくともよい。例えば、デバイス1は、デバイス1の外部に備えられたネットワークI/F11と外部接続され、その外部接続されたネットワークI/F11を利用することで、ネットワーク通信を行うこともできる。
【0017】
デバイス1(デバイス1が利用するネットワークI/F11)には、ネットワーク通信を行うために必要となる種々の設定情報が設定される。このネットワーク通信に関する設定情報の中には、各デバイス1間でユニークに(つまり、各デバイス1間で重複しないように)設定されるべき情報がある。各デバイス1間でユニークに設定される設定情報としては、例えば、IPアドレスや、デバイス名(デバイス1に割り当てられる名称)等がある。以下の説明では、ネットワーク通信に関する設定情報であって、各デバイス1間でユニークに設定されるべき設定情報のことを、「設定情報」と呼ぶこととする。また、特に、設定情報の項目を指し示す場合は「設定情報項目」との用語を用い、設定情報の値を指し示す場合は「設定情報値」との用語を用いることとする。デバイス1への設定情報の設定は、例えば、デバイス1に備えられたユーザI/Fを介して行われたり、通信ネットワーク3を介して、即ち、通信ネットワーク3に接続された管理計算機2からの指示に基づいて行われたりする。
【0018】
管理計算機2は、通信ネットワーク3を介して、デバイス1に対して設定情報の設定を行うコンピュータである。例えば、管理計算機2は、デバイス1から必要な情報(例えば、そのデバイス1に現在設定されている設定情報値やそのデバイス1の機種情報等)の取得を行う。また、管理計算機2は、デバイス1から取得した情報を出力してその情報を管理計算機2のユーザへ提示し、デバイス1に対して新たに設定する設定情報値の入力を管理計算機2のユーザから受け付ける。更に、管理計算機2は、設定情報を設定することの指示(以下、「設定指示」)をデバイス1へ送信することにより、デバイス1に対して設定情報を設定する。設定指示には、その設定指示の送信先となるデバイス1に対して新たに設定することとなる設定情報値(例えば、管理計算機2のユーザが指定した設定情報値)が、パラメータとして含められる。尚、管理計算機2は、一回の設定指示の送信により、デバイス1に対して複数種類の設定情報を設定することもできる。この場合の設定指示には、複数の設定情報値(複数の設定情報項目のそれぞれに新たに設定することとなる設定情報値)が含められる。
【0019】
管理計算機2には、例えば、CPU21や、メモリ22や、入出力部24や、ネットワークI/F25等が備えられる。CPU21は、メモリ22に記憶されている各種のプログラムを実行する演算処理装置である。メモリ22は、いわゆる内部記憶装置である。メモリ22には、例えば、図示しないOS(Operating System)や一括設定プログラム23等の各種のプログラムや、各種のプログラムが実行される際に利用される種々の情報等が記憶される。入出力部24は、管理計算機2がユーザに提供するユーザI/Fである。入出力部24は、例えば、管理計算機2のユーザからの入力を受け付けたり、管理計算機2が行った処理の結果を出力して管理計算機2のユーザへその結果を通知したりする。入出力部14としては、例えば、ディスプレイやキーボードやマウス等が採用される。ネットワークI/F25は、デバイス1に備えられるネットワークI/F11と同様、通信ネットワーク3に接続された他の機器とネットワーク通信を行うための装置である。
【0020】
本実施形態に係る管理計算機2は、複数のデバイス1のそれぞれに対して一又は複数種類の設定情報を一括して設定することができる。この複数のデバイス1に対する一括した設定情報の設定(以下、「一括設定」)を行う処理(以下、「一括設定処理」)は、例えば、管理計算機2のCPU21が、メモリ22に記憶されている一括設定プログラム23を実行することにより行われる。一括設定処理では、一括設定の対象とされたデバイス1(設定情報の設定が行われることとなるデバイス1)のそれぞれに対して設定指示が送信される。そして、設定指示を受信したデバイス1から順番に、設定情報の設定が行われることになる。以下の説明では、一括設定プログラム23を主語として記述している説明文は、実際にはその一括設定プログラム23を実行するCPU21によって処理が行われることを意味するものとする。
【0021】
一括設定処理において、一括設定プログラム23は、設定情報(即ち、各デバイス1間でユニークに設定されるべき設定情報)が、各デバイス1間で重複して設定されないようにする。具体的には、一括設定プログラム23は、設定指示を各デバイス1へ送信する前に、一括設定処理が行われることによってデバイス1間における設定情報の重複が発生するか否かを判定する。そして、一括設定プログラム23は、設定指示の重複が発生する或いは発生する可能性があると判定した場合に、その重複へ対処する処理を行う。設定情報の重複への対処処理として、一括設定プログラム23は、例えば、一括設定処理の実行を中止(設定指示を送信することなく終了)するか、或いはその重複を回避するための処理を行う。
【0022】
設定情報が重複するケースとしては、幾つかのケース(例えば、以下の三種類のケース)が考えられる。一括設定プログラム23は、重複するそれぞれのケースごとに、そのケースに適した対処処理(一括設定処理の実行の中止、或いは重複を回避する処理)を行う。以下、図2〜図6を参照して、本実施形態で考慮する三つの重複ケース、及び、それぞれのケースにおける一括設定プログラム23が行う対処処理の説明を行う。尚、図2〜図6では、デバイス1に設定される設定情報の項目(設定情報項目)を、IPアドレスとしている。また、図中の“IP1”、“IP2”等は、IPアドレスの値(設定情報値)を示している。また、設定情報値同士を結ぶ矢印は、そのデバイス1が設定指示を受信して設定情報値が変更されたことを示している。一方、設定情報値同士を結ぶ点線は、設定情報値が変更されていないことを示している。
【0023】
図2は、第一の重複ケースの一例を示す図である。
【0024】
第一の重複ケースは、一括設定処理が完了した後において設定情報が重複するケースである。図2の例は、一括設定処理の開始前の設定情報値(以下、「開始前情報値」)がそれぞれ、デバイスAが“IP1”、デバイスBが“IP2”、デバイスCが“IP3”であり、一括設定処理によりデバイスAには“IP4”が、デバイスBには“IP3”がそれぞれ設定される場合を示している(デバイスCは、一括設定の対象とされていないため、その設定情報値は“IP3”のままである)。この場合、一括設定が行われることにより、デバイスBとデバイスCとの両方に設定情報値“IP3”が設定されることになる。即ち、一括設定処理の完了後に設定情報値の重複が発生し、第一の重複ケースに該当することとなる。
【0025】
第一の重複ケースに該当するかどうかの判断は、管理計算機2の監視下にある全てのデバイス1(管理計算機2がネットワーク通信することができるデバイス1)を対象として行われる。即ち、一括設定プログラム23は、監視下にある全てのデバイス1のそれぞれの一括設定処理完了後の設定情報値(以下、「完了後情報値」)を参照し、それらに重複が発生するか否かを調べることにより、第一の重複ケースに該当するか否かを判断する。尚、一括設定プログラム23は、監視下にあるデバイス1のうち、一括設定の対象となるデバイス1(同図の例では、デバイスA及びデバイスB)については、デバイス1に対して新たに設定することとなる設定情報値(本実施形態では、ユーザから指定された設定情報値)を完了後情報値として参照することができる。また、一括設定プログラム23は、監視下にあるデバイス1のうち、一括設定の対象とならないデバイス1(同図の例では、デバイスC)については、デバイス1に対して既に設定されている設定情報値(デバイス1から取得した設定情報値)を完了後情報値として参照することができる。
【0026】
第一の重複ケースに該当するものと判定された場合は、一括設定プログラム23は、一括設定処理の実行を中止する。なぜなら、新たに設定することとなる設定情報(完了後情報値)が変更されない限り、デバイス1間の設定情報の重複を回避することができないからである。
【0027】
図3は、第二の重複ケースの一例を示す図である。
【0028】
第二の重複ケース及び後述する第三の重複ケースは、どちらも、設定情報が一括設定処理の完了後には重複しないが一括設定処理中に重複するケース(つまり、設定情報が一時的に重複するケース)である。このうち、第二の重複ケースは、重複の発生が、設定情報の設定が行われるデバイス1の順序(即ち、設定指示が送信されるデバイス1の順序)に依存するケースである。図3の例は、開始前情報値がそれぞれ、デバイスAが“IP1”、デバイスBが“IP2”、デバイスCが“IP3”であり、一括設定処理によりデバイスAには “IP2”が、デバイスBには“IP3”が、デバイスCには“IP4”がそれぞれ設定される場合を示している(即ち、デバイスAの設定情報値が“IP1”から“IP2”へ、デバイスBの設定情報値が“IP2”から“IP3”へ、デバイスCの設定情報値が“IP3”から“IP4”へ、それぞれ変更される場合を示している)。このように、或るデバイス1(例えば、デバイスA)の完了後情報値と他のデバイス1(デバイスB)の開始前情報値とが同一(本例では、“IP2”で同一)である場合、上記の両デバイス1(デバイスA及びデバイスB)が、第二の重複ケースに該当することとなる。なぜなら、デバイスAに対して先に設定指示を送信すれば(先にデバイスAの設定情報値を“IP2”へ変更すれば)重複が発生するが、デバイスBに対して先に設定指示を送信すれば(即ち、デバイスBの設定情報値を“IP3”へ変更してからデバイスAの設定情報値を“IP2”へ変更すれば)重複の発生を回避できるからである。尚、デバイスAの開始前情報値とデバイスBの完了後情報値とは、同一とならないことが前提となる(これらも同一の場合は、後述する第三の重複ケースに該当することとなる)。図3の例では、更に、デバイスB及びデバイスCも、第二の重複ケースに該当するため、実際には、デバイスA、デバイスB及びデバイスCが全体として、第二の重複ケースに該当することとなる。以下、第二の重複ケースに該当するデバイス1の組み合わせを「第二の重複グループ」と呼ぶこととする。同様に、後述する第三の重複ケースに該当するデバイス1の組み合わせを「第三の重複グループ」と呼ぶこととする。尚、第二の重複グループ及び第三の重複グループの両者を包括して指し示す場合は、単に「重複グループ」と呼ぶこととする。図3の例では、デバイスA、デバイスB及びデバイスCが、第二の重複グループに属することとなる。
【0029】
第二の重複ケースに該当するものと判定された場合(即ち、一括設定の対象となるデバイス1のうちのいずれか複数から第二の重複グループが形成される場合)は、一括設定プログラム23は、第二の重複グループに属するデバイス1に関して、設定情報の重複が発生しない設定指示の送信順序を決定する。一括設定プログラム23は、決定された送信順序通りに設定指示を送信することにより、デバイス1間の設定情報の一時的な重複を回避する。
【0030】
一括設定プログラム23は、例えば、次のようにして、一時的な重複が発生しない設定指示の送信順序を決定することができる。即ち、まず、一括設定プログラム23は、第二の重複グループに属するデバイス1の中から、その完了後情報値が、どのデバイス1の開始前情報値とも異なるデバイス1(即ち、いずれのデバイス1にも未だ設定されていない新しい設定情報値が設定されるデバイス1であり、以下、「新規情報値設定デバイス」)を検出する。図3の例では、デバイスC(どのデバイス1にも未だ設定されていない“IP4”が設定されるデバイス1)が、新規情報値設定デバイスに該当する。一括設定プログラム23は、この検出した新規情報値設定デバイスを、最先に設定指示を送信するデバイス1(即ち、設定指示が送信される順番(送信順番)が1番のデバイス1)と決定する。なぜなら、新規情報値設定デバイスに設定されることとなる設定情報値は、一括設定処理の開始前においていずれのデバイス1にも設定されておらず、新規情報値設定デバイスの設定情報値を先に変更したとしても、一時的な重複は発生しないからである。
【0031】
次に、一括設定プログラム23は、その完了後情報値が、上記送信順番が1番のデバイス1(デバイスC)の開始前情報値(本例では、“IP3”)と同一であるデバイス1(本例では、デバイスB)を検出する。一括設定プログラム23は、この検出したデバイス1(デバイスB)を、新規情報値設定デバイスの次に設定指示を送信するデバイス1(即ち、送信順番が2番のデバイス1)と決定する。なぜなら、新規情報値設定デバイスの設定情報値が変更されると、その新規情報値設定デバイスの開始前情報値(“IP3”)は、どのデバイス1にも設定されていない設定情報値(以下、「空き情報値」)となり、いずれかのデバイス1へこの空き情報値が設定されたとしても、一時的な重複は発生しないからである。
【0032】
更に、上記と同様、一括設定プログラム23は、その完了後情報値が、上記送信順番が2番のデバイス1(デバイスB)の開始前情報値(本例では、“IP2”)と同一であるデバイス1(本例では、デバイスA)を検出し、その検出したデバイス1を、送信順番が2番のデバイス1(デバイスB)の次に設定指示を送信するデバイス1(即ち、送信順番が3番のデバイス1)と決定する。
【0033】
第二の重複グループに属するデバイス1が更に存在する場合は、一括設定プログラム23は、その他のデバイス1についても上記と同様の方法で送信順番を決定する。以上により、第二のグループに属するデバイス1に関する、設定情報の重複が発生しない設定指示の送信順序が決定される。図3の例であれば、一括設定プログラム23は、図4に示したような順序(デバイスC→デバイスB→デバイスAの順序)で設定指示を送信することにより、一時的な重複を回避することができる。
【0034】
図5(図5A、図5B)は、第三の重複ケースの一例を示す図である。
【0035】
一時的に重複するケースのうち、第三の重複ケースは、重複の発生が、設定指示を送信する順序に依存しないケース(即ち、デバイス1に対する設定情報の設定をどのような順序で行ったとしても一時的な重複が発生するケース)である。図5の例では、デバイスCの情報設定値が“IP3”から“IP1”へ変更される点以外は、図3の例と同じである。即ち、図5の例では、デバイスAには、デバイスBに設定されていた設定情報値(“IP2”)が設定され、デバイスBには、デバイスCに設定されていた設定情報値(“IP3”)が設定され、デバイスCには、デバイスAに設定されていた設定情報値(“IP1”)が設定される。このように、複数のデバイス1(本例では、デバイスA、デバイスB及びデバイスC)に設定されるそれぞれの設定情報値(本例では、“IP1”、“IP2”及び“IP3”)が、その複数のデバイス1間で循環している場合(即ち、新規情報値設定デバイスが存在しない場合)は、第三の重複ケースに該当することとなる。なぜなら、新規情報値設定デバイスが存在しないため、デバイス1に対する設定情報の設定をどのような順序で行ったとしても、空き情報値を作り出すことができず、一時的な重複が発生するからである。図5A及び図5Bのいずれの場合も、それぞれの図に示すように、一時的な重複が発生する。
【0036】
第三の重複ケースに該当するものと判定された場合(即ち、一括設定の対象となるデバイス1のうちのいずれか複数から第三の重複グループが形成される場合)は、一括設定プログラム23は、所定の設定情報値である退避情報値を利用することにより、一時的な重複を回避する。退避情報値としては、例えば、監視下にある全てのデバイス1におけるそれぞれの開始前情報値及び完了後情報値のいずれとも異なる設定情報値が採用される。退避情報値は、退避情報値が利用される時点で監視下にある全てのデバイス1のそれぞれに設定されている設定情報値のいずれとも異なり、かつ、退避情報値が利用される第三の重複グループに属するデバイス1のそれぞれの完了後情報値のいずれとも異なる設定情報値であればよい。退避情報値は、例えば、ユーザが、一括設定処理を開始する前に予め管理計算機2へ設定することができる。尚、退避情報値は、それが設定されるデバイス1が正常に動作し得るようなある程度適切な値とされる必要がある。例えば、設定情報項目がIPアドレスである場合は、退避情報値は、それが設定されるデバイス1が属するサブネットワーク4に割り振られているIPアドレスとされる必要がある。退退避情報値を利用した一時的な重複の回避方法(以下、「退避情報値による重複回避方法」)については、図6を参照して説明する。
【0037】
図6は、退避情報値による重複回避方法を説明する図である。
【0038】
図6における、各デバイス1の開始前情報値及び完了後情報値は、図5のものと同じである。図6の例では、退避情報値として“IP4”が採用されている。
【0039】
退避情報値による重複回避方法は、次の通りである。即ち、まず、第三の重複グループに属するいずれかのデバイス1(本例では、デバイスA)に対して、退避情報値(“IP4”)が設定される(図中(1))。これにより、空き情報値が作成される。即ち、退避情報値が設定されたデバイス1(デバイスA)の開始前情報値(本例では、“IP1”)が、空き情報値となる。空き情報値が作り出された後は、第二の重複ケースと同様、その空き情報値が設定されるデバイス1から順番に設定情報の設定が行われる。即ち、まず、空き情報値となっている“IP1”が、デバイスCへ設定される(図中(2))。これにより、デバイスCの開始前情報値(“IP3”)が、空き情報値となる。その後、この空き情報値となっている“IP3”が、デバイスBへ設定される(図中(3))。これにより、デバイスBの開始前情報値(“IP2”)が、空き情報値となる。最後に、退避情報が設定されたデバイス1(デバイスA)へ本来設定されるべき設定情報値(本例では、“IP2”)が設定される(図中(4))。以上の方法が採用されることにより、第三の重複ケースに該当する場合でも、一時的な重複を回避できるようになる。
【0040】
上記退避情報値による重複回避方法を採用するために、一括設定プログラム23は、第三の重複グループに属するデバイス1に関して、設定指示の送信順序及びその設定指示の内容(どの設定情報値に設定するかといった指示内容)を決定する。図6の例の場合であれば、一括設定プログラム23は、デバイスA(“IP4”を設定)→デバイスC(“IP1”を設定)→デバイスB(“IP3”を設定)→デバイスA(“IP2”を設定)のように、設定指示の送信順序及び指示内容を決定する(矢印によるデバイス1の並びが送信順序を、括弧内が指示内容をそれぞれ示している)。
【0041】
次に、図7及び図8を参照して、一括設定プログラム23が一括設定処理において利用するテーブル等(一括設定管理テーブル5及び重複確認用リスト6)の説明を行う。一括設定管理テーブル5及び重複確認用リスト6は、例えば、管理計算機2のメモリ22に記憶される。
【0042】
図7は、一括設定管理テーブル5の一例を示す図である。
【0043】
デバイス管理テーブル5は、一括設定プログラム23が、一括設定処理において、設定情報の重複が発生するか否かの判定(重複グループの作成を含む)や重複への対処処理(設定指示の送信順序や指示内容の決定等)を行う際に利用するテーブルである。一括設定管理テーブル5には、例えば、管理計算機2の監視下にあるデバイス1ごとに、例えば、デバイスID51やサブネット情報52や設定対象情報53や設定情報値54等が記録される。
【0044】
デバイスID51は、そのデバイス1(そのデバイス1が利用するネットワークI/F11)を一意に特定するための識別子である。デバイスID51としては、例えば、MAC(Media Access Control)アドレス等が採用される。サブネット情報52は、そのデバイス1が属するサブネットワーク4を示す情報である。本実施形態では、サブネット情報52として、例えばサブネットワーク4Aであれば“subA”等のように、サブネットワーク4を直接示す情報が採用されているが、サブネットワーク4を間接的に導き出すことができる情報(例えば、サブネットマスク等)が採用されてもよい。設定対象情報53は、そのデバイス1が一括設定の対象とされているかどうかを示す情報である。例えば、そのデバイス1が一括設定の対象とされている場合は、設定対象情報53の値が“YES”とされる。一方、そのデバイス1が一括設定の対象とされていない場合は、設定対象情報53の値が“NO”とされる。
【0045】
設定情報値54には、一括設定処理の開始前においてそのデバイス1に設定されている設定情報値(開始前情報値)と、一括設定処理によって新たに設定されることとなる設定情報値(完了後情報値)とが含まれる。また、例えば、一括設定処理において複数種類の設定情報が一括して設定される場合(複数の設定情報項目が一括設定の対象とされる場合)は、一括設定の対象とされている設定情報項目ごとにその設定情報値54(開始前情報値及び完了後情報値)が記憶される。図7は、二つの設定情報項目(IPアドレス及びデバイス名)のそれぞれについて設定情報値54が記憶されている例を示している。一括設定プログラム23は、図7の一括設定管理テーブル5を利用することで、複数のデバイス1のそれぞれに対して、IPアドレス及びデバイス名の両方を一括して設定することができる。
【0046】
尚、一括設定の対象とされない設定情報項目に関する設定情報値54が、一括設定管理テーブル5に含まれてもよい。また、一括設定の対象とされる設定情報項目が、デバイス1ごとに異なってもよい。一括設定の対象とされない設定情報項目については、例えば、その旨を示す情報(本例では、“NULL”)が、その設定情報項目に関する完了後情報値に記録される。
【0047】
また、或る設定情報項目(例えば、IPアドレス)に関しては、デバイス1によっては、自動的に割り当てられた値が設定(以下、「自動設定」)される場合(例えば、ネットワーク通信に用いられるプロトコルとしてDHCP(Dynamic Host Configuration Protocol)が採用される場合等)がある。例えば、図7の例では、設定情報値54が“自動”となっている設定情報項目(即ち、デバイスID51が“dev4”であるデバイス1のIPアドレス)が、自動設定される設定情報項目(以下、「自動設定項目」)である。自動設定項目を有するデバイス1に対して設定指示を送信する際は、一括設定プログラム23は、その自動設定項目に関する完了後情報値をその設定指示に含める必要はない。
【0048】
図8は、重複確認用リスト6の一例を示す図である。
【0049】
重複確認用リスト6は、一括設定プログラム23が、第一の重複ケースに該当するかどうかの判断を行う際に利用するリストである。例えば、重複確認用リスト6は、一括設定の対象とされている設定情報項目ごとに作成される。重複確認用リスト6には、管理計算機2の監視下にある全てのデバイス1のそれぞれの完了後情報値(一括設定の対象とされているデバイス1であれば新たに設定することとなる設定情報値、一括設定の対象とされていないデバイス1であれば既に設定されている設定情報値)が記録される。同一の設定情報値が重複確認用リスト6中に複数記録された場合に、第一の重複ケースに該当するものと判定される。
【0050】
以下、図9〜図12を参照して、一括設定プログラム23が行う一括設定処理の詳細を説明する。
【0051】
図9は、本実施形態に係る一括設定処理のフローチャートである。
【0052】
まず、一括設定プログラム23は、管理計算機2の監視下にあるデバイス1のそれぞれから、現在設定されている設定情報値(設定情報項目が複数ある場合は、それぞれに関する設定情報値)を取得する(S101)。一括設定プログラム23は、この取得した設定情報値をそれぞれのデバイス1に対応する開始前情報値として、一括設定管理テーブル5に記録する。尚、一括設定プログラム23は、S101の処理において、現在設定されている設定情報値とともにデバイスID51やサブネット情報52をも各デバイス1から取得して、それらを一括設定管理テーブル5に記録してもよい。また、S101の処理は、この一括設定処理が開始される前に、予め行われてもよい。
【0053】
次に、一括設定プログラム23は、一括設定の対象とされるデバイス1を示す情報及びそれぞれのデバイス1に設定することとなる設定情報値(一括設定の対象とされる設定情報項目が複数ある場合は、それぞれに関する設定情報値)の入力をユーザから受け付ける(S102)。一括設定プログラム23は、ユーザから指定された一括設定の対象とされる各デバイス1について、一括設定管理テーブル5における設定対象情報53を“YES”とする。また、一括設定プログラム23は、ユーザから指定された設定情報値を、一括設定の対象とされるそれぞれのデバイス1に対応する完了後情報値として、一括設定管理テーブル5に記録する。
【0054】
次に、一括設定プログラム23は、第一の重複ケースに該当するか否かを判定する処理を行う(S103)。この処理の詳細については、後に図10で説明する。
【0055】
その後、一括設定プログラム23は、S103の処理の結果(即ち、第一の重複ケースに該当するか否か)を判定する(S104)。
【0056】
第一の重複ケースに該当すると判定された場合は(S104:NO)、一括設定プログラム23は、その旨のエラーメッセージを入出力部24に表示して(S107)、一括設定処理を終了する。
【0057】
一方、第一の重複ケースに該当しないと判定された場合は(S104:YES)、一括設定プログラム23は、一時的な重複を回避するための処理を行う(S105)。S105では、第二の重複ケース或いは第三の重複ケースに該当すると判定された場合に、一時的な重複を回避するための設定指示の送信順序及び指示内容が決定される。この処理の詳細については、後に図11で説明する。
【0058】
尚、複数の設定情報項目が一括設定の対象とされるときは、S105で決定される設定指示の送信順序が、設定情報項目ごとに異なってしまう場合がある。例えば、IPアドレスとデバイス名の二つの設定情報項目が一括設定の対象とされたときに、IPアドレスの一時的な重複を回避するためには、デバイスA→デバイスB→デバイスCの送信順序で設定指示を送信する必要があるが、デバイス名の一時的な重複を回避するためには、デバイスC→デバイスB→デバイスAの送信順序で設定指示を送信する必要があるというような場合等である。このような場合、一括設定プログラム23は、例えば、複数の設定情報項目のそれぞれに予め付与された優先度に基づいて、設定指示の送信時に実際に採用する送信順序を決定することができる。具体的には、一括設定プログラム23は、送信順序が決定された複数の設定情報項目(例えば、IPアドレスとデバイス名)のそれぞれの優先度を比較して、優先度が最も高い設定情報項目(例えば、IPアドレス)に関して決定された送信順序(例えば、デバイスA→デバイスB→デバイスC)を、設定指示の送信時に実際に採用する送信順序と決定することができる。このように決定した場合は、IPアドレスについて一時的な重複が回避されることとなる。
【0059】
尚、一括設定の対象とされる複数の設定情報項目にIPアドレスが含まれる場合は、IPアドレスを最も高い優先度とすることが望まれる。なぜなら、設定指示を送信するためには、デバイス1と管理計算機2とがユニキャストで通信できる必要があるが、IPアドレスが一時的にでも重複すると、その後、管理計算機2は、その重複したIPアドレスが設定されたデバイス1とユニキャストで通信できなくなり、そのデバイス1に対して設定指示を送信できなくなるからである。逆に、IPアドレスについて一時的な重複を回避しておけば、他の設定情報項目が一時的に重複したとしても一括設定処理を正常に完了させられる可能性が高い。一括設定処理が正常に完了すれば、他の設定情報項目の一時的な重複は、最終的には解消していることになる。
【0060】
その後、一括設定プログラム23は、S105で決定された設定指示の送信順序及び指示内容に従って(重複グループが作成されないことにより送信順序が決定されない場合は、任意の送信順序で)、各デバイス1に対して設定指示を送信する(S106)。これにより、ユーザから指定された設定情報値(完了後情報値)が、一括設定の対象とされた各々のデバイス1に設定される。
【0061】
図10は、第一の重複ケースに該当するか否かを判定する処理のフローチャートである。
【0062】
まず、一括設定プログラム23は、一括設定管理テーブル5に登録されているデバイス1(管理計算機2の監視下にあるデバイス1)の中から、一つのデバイス1を選択する(S201)。以下、図10の説明において、S201で選択されたデバイス1を「対象デバイス1」と呼ぶ。
【0063】
次に、一括設定プログラム23は、一括設定管理テーブル5に登録されている設定情報項目の中から、一つの設定情報項目を選択する(S202)。以下、図10の説明において、S202で選択された設定情報項目を「対象項目」と呼ぶ。
【0064】
その後、一括設定プログラム23は、S202で選択した設定情報項目(対象項目)が、対象デバイス1に設定可能な項目であるか否かを判定する(S203)。この判定は、例えば、対象デバイス1に関する機種情報に基づいて行われる。例えば、一括設定プログラム23は、機種ごとに設定可能な設定情報項目が記録されたテーブル等を、予め保持しておくことができる。管理計算機2は、一括設定処理を行う前に或いは一括設定処理中に、各デバイス1からそれぞれの機種情報を取得することができる。
【0065】
対象項目が対象デバイス1に設定できない項目である場合は(S203:NO)、一括設定プログラム23は、S204〜S207の処理を行わずに、S208の処理を行う。
【0066】
一方、対象項目が対象デバイス1に設定可能な項目である場合は(S203:YES)、一括設定プログラム23は、対象デバイス1が一括設定の対象とされているか否かを判定する(S204)。この判定は、例えば、一括設定管理テーブル5における設定対象情報53が参照されることにより行われる。具体的には、対象デバイス1の設定対象情報53として“YES”が記録されていれば、対象デバイス1は、一括設定の対象とされていると判定され、“NO”が記録されていれば、対象デバイス1は、一括設定の対象とされていないと判定される。
【0067】
対象デバイス1が一括設定の対象とされていない場合は(S204:NO)、一括設定プログラム23は、対象項目に関する対象デバイス1の開始前情報値を重複確認用リスト6へ記録する(S207)。なぜなら、この場合は、対象デバイス1の対象項目に関する設定情報値54は、一括設定処理が行われても変更されない(開始前情報値がそのまま完了後情報値となる)からである。
【0068】
一方、対象デバイス1が設定変更の対象とされている場合は(S204:YES)、一括設定プログラム23は、対象デバイス1について対象項目が一括設定の対象とされているか否かを判定する(S205)。この判定は、例えば、対象項目に関する対象デバイス1の完了後情報値が参照されることにより行われる。具体的には、完了後情報値として例えば“NULL”が記録されていれば、対象項目は、一括設定の対象とされていないと判定される。
【0069】
対象項目が一括設定の対象とされていない場合は(S205:NO)、一括設定プログラム23は、対象項目に関する対象デバイス1の開始前情報値を重複確認用リスト6へ記録する(S207)。S204:NOの場合と同様、この場合も、対象デバイス1の対象項目に関する設定情報値54は、一括設定処理が行われても変更されない(開始前情報値がそのまま完了後情報値となる)からである。
【0070】
一方、対象項目が一括設定の対象とされている場合は(S205:YES)、一括設定プログラム23は、対象項目に関する対象デバイス1の完了後情報値を重複確認用リスト6へ記録する(S206)。なぜなら、この場合は、対象デバイス1の対象項目に関する設定情報値54は、一括設定処理によって開始前情報値から完了後情報値へ変更されるからである。
【0071】
一括設定プログラム23は、デバイス管理テーブル5に登録されている全ての設定情報項目についてS202〜S207の処理を繰返して行う(S208)。
【0072】
また、一括設定プログラム23は、デバイス管理テーブル5に登録されている全てのデバイス1についてS201〜S208の処理を繰返して行う(S209)。
【0073】
その後、一括設定プログラム23は、作成された重複確認用リスト6を参照して、第一の重複ケースに該当するか否かを判定する(S210)。具体的には、一括設定プログラム23は、作成された重複確認用リスト6中に同一の設定情報値が複数記録されているかどうかを調べる。上述したように、同一の設定情報値が重複確認用リスト6中に複数記録された場合に、第一の重複ケースに該当するものと判定される。
【0074】
図11は、一時的な重複を回避するための処理のフローチャートである。
【0075】
図11の処理は、設定情報項目ごとに行われる。以下、図11及び図12の説明において、図11及び図12の処理において対象としている設定情報項目を「対象項目」と呼ぶ。図11の処理は、一括設定の対象とされた全て又は一部の設定情報項目について行われてもよいし、最も優先度の高い設定情報項目についてのみ行われてもよい。また、例えば、図11の処理のうちの一部の処理(例えば、S301の処理)が、全て又は一部の設定情報項目について行われ、図11の処理のうちの上記一部以外の処理(例えば、S302〜S308の処理)が、最も優先度の高い設定情報項目についてのみ行われてもよい。複数の設定情報項目について図11の処理が行われ、複数の設定情報項目間で異なった設定指示の送信順序が決定された場合は、上述したように、その中の一つの送信順序が、実際に採用される送信順序として決定される。
【0076】
まず、一括設定プログラム23は、重複グループを作成する処理を行う(S301)。この処理の詳細については、後に図12で説明する。
【0077】
次に、一括設定プログラム23は、S301において重複グループが作成されたかどうかを判定する(S302)。
【0078】
重複グループが作成されなかった場合は(S302:NO)、一括設定プログラム23は、S303〜S307の処理を行わずに、図9のS106の処理を行う。この場合は、一時的な重複が発生する可能性がないため、設定指示の送信順序は決定されず、任意の送信順序で送信指示が送信されることになる。尚、設定指示の指示内容は、通常通りの内容(即ち、退避情報値を設定することを示す内容を含まず、各デバイス1に対してユーザから指定された完了後情報値を設定することを示す内容)とされる。
【0079】
一方、重複グループが作成された場合は(S302:YES)、一括設定プログラム23は、S301で作成された重複グループのうちの一つを選択する(S303)。
【0080】
次に、一括設定プログラム23は、S303で選択された重複グループについて、一時的な重複を回避するための設定指示の送信順序及び送信内容を決定する(S304)。即ち、S303で選択された重複グループが第二の重複グループである場合は、一括設定プログラム23は、図3で説明した方法に従って、S303で選択された重複グループに属するデバイス1に関する、送信指示の送信順序を決定する。尚、第二の重複グループに属するデバイス1に関する、設定指示の指示内容は、通常通りの内容(各デバイス1に対してユーザから指定された完了後情報値を設定することを示す内容)とされる。一方、S303で選択された重複グループが第三の重複グループである場合は、一括設定プログラム23は、図6で説明した方法(退避情報値による重複回避方法)に従って、S303で選択された重複グループに属するデバイス1に関する、送信指示の送信順序及び指示内容を決定する。
【0081】
次に、一括設定プログラム23は、退避情報値が不足していないかどうかを判定する(S305)。この判定は、一時的な重複を回避するために退避情報値が利用される場合、即ち、S303で選択された重複グループが第三の重複グループである場合に行われる。例えば、ユーザが指定した退避情報値(適切なもの)の数が、一時的な重複を回避するために必要とされる退避情報値の数に満たなかったときは、退避情報値が不足しているものと判定される。
【0082】
退避情報が不足している場合は(S305:YES)、一括設定プログラム23は、その旨のエラーメッセージを入出力部24に表示して(S308)、一括設定処理を終了する。
【0083】
一括設定プログラム23は、S301で作成された全ての重複グループについてS303〜S305の処理を繰返して行う(S306)。
【0084】
その後、一括設定プログラム23は、一括設定の対象とされるデバイス1全体の送信順序を決定する(S307)。即ち、S304では、S301で作成されたそれぞれの重複グループ内における送信順序(重複グループに属するデバイス1間の送信順序)が決定されたが、S307では、複数の重複グループ間の送信順序が決定される。また、いずれの重複グループにも属さないデバイス1がある場合は、それらのデバイス1をも含めた送信順序が決定される。重複グループ間の送信順序やいずれの重複グループにも属さないデバイス1をも含めた送信順序は、任意に決定される。なぜなら、重複グループ内の送信順序がS304で決定された送信順序である限り、一時的な重複を回避することが可能だからである。例えば、デバイスA及びデバイスBが属する重複グループAと、デバイスC及びデバイスDが属する重複グループBと、重複グループA及び重複グループBのいずれにも属さないデバイスEとがあった場合、S307では、重複グループAと重複グループBとデバイスEとの間の送信順序が決定される。例えば、この送信順序が、デバイスE→重複グループA→重複グループBのように決定された場合、S304において、重複グループA内の送信順序がデバイスA→デバイスBと、重複グループB内の送信順序がデバイスC→デバイスDと、それぞれ決定されていれば、全体の送信順序は、デバイスE→デバイスA→デバイスB→デバイスC→デバイスDとなる。尚、いずれの重複グループにも属さないデバイス1については、重複グループに属するデバイス1よりも先に設定指示が送信されるのがよい。尚、図9の説明における「S105で決定された設定指示の送信順序」とは、このS307で決定された全体の送信順序のことを指している。
【0085】
図12は、重複グループを作成する処理のフローチャートである。
【0086】
まず、一括設定プログラム23は、一括設定管理テーブル5に登録されている一括設定の対象とされたデバイス1(設定対象情報53が“YES”であるデバイス1)の中から、一つのデバイス1を選択する(S401)。以下、図12の説明において、S401で選択されたデバイス1を「対象デバイス1」と呼ぶ。
【0087】
次に、一括設定プログラム23は、対象デバイス1について対象項目が一括設定の対象とされているか否かを判定する(S402)。この判定は、図10におけるS205と同様にして行われる。
【0088】
対象デバイス1について対象項目が一括設定の対象とされていない場合は(S402:NO)、一括設定プログラム23は、S403〜S408の処理を行わずに、S409の処理を行う。
【0089】
一方、対象デバイス1について対象項目が一括設定の対象とされている場合は(S402:YES)、一括設定プログラム23は、一括設定管理テーブル5に登録されている一括設定の対象とされたデバイス1の中から、対象デバイス1以外の一つのデバイス1を選択する(S403)。以下、図12の説明において、S403で選択されたデバイス1を「比較用デバイス1」と呼ぶ。
【0090】
次に、一括設定プログラム23は、比較用デバイス1について対象項目が一括設定の対象とされているか否かを判定する(S404)。この判定は、図10におけるS205と同様にして行われる。
【0091】
比較用デバイス1について対象項目が一括設定の対象とされていない場合は(S404:NO)、一括設定プログラム23は、S405〜S407の処理を行わずに、S408の処理を行う。
【0092】
一方、比較用デバイス1について対象項目が一括設定の対象とされている場合は(S404:YES)は、一括設定プログラム23は、対象デバイス1の開始前情報値と比較用デバイス1の完了後情報値とが同一か否かを判定する(S405)。
【0093】
対象デバイス1の開始前情報値と比較用デバイス1の完了後情報値とが同一である場合は(S405:YES)、一括設定プログラム23は、対象デバイス1と比較用デバイス1とが同一の重複グループに属するものと決定する(S407)。
【0094】
一方、対象デバイス1の開始前情報値と比較用デバイス1の完了後情報値とが異なる場合は(S405:NO)、一括設定プログラム23は、対象デバイス1の完了後情報値と比較用デバイス1の開始前情報値とが同一か否かを判定する(S406)。
【0095】
対象デバイス1の完了後情報値と比較用デバイス1の開始前情報値とが同一である場合は(S406:YES)、一括設定プログラム23は、対象デバイス1と比較用デバイス1とが同一の重複グループに属するものと決定する(S407)。
【0096】
一括設定プログラム23は、一括設定の対象とされた全てのデバイス1(対象デバイス1を除く)についてS403〜S407の処理を繰返して行う(S408)。
【0097】
一括設定プログラム23は、一括設定の対象とされた全てのデバイス1についてS401〜S408の処理を繰返して行う(S409)。
【0098】
以上が、一括設定プログラム23が行う一括設定処理の説明である。このような処理が行われることにより、複数のデバイス1のそれぞれに対する設定情報の設定が一括して行われる際に、各デバイス1間でユニークに設定されるべき設定情報が、各一括設定処理の完了後及び一括設定処理中において、デバイス1間で重複して設定されないようにすることができる。
【0099】
図13は、一括設定プログラム23が表示する画面7の一例を示す図である。
【0100】
この画面7は、例えば、図9におけるS102において、ユーザから所定の情報の入力を受け付ける際に表示される。ユーザは、画面7に示される情報を参照して、一括設定の対象とされるデバイス1を示す情報やそれぞれのデバイス1に設定することとなる設定情報値等の所定の情報の入力を行うことができる。また、ユーザは、この画面7を参照することで、一括設定処理が正常に行われたかどうかを確認することもできる。画面7には、例えば、管理計算機2の監視下にあるデバイス1ごとに、現在設定されている設定情報値(図13の例では、デバイス名74、IPアドレス75)や、ユーザが指定した設定情報値が正常に設定されたかどうかを示す処理ステータス73等が表示される。
【0101】
上述した本発明の実施形態は、本発明の説明のための例示であり、本発明の範囲をそれらの実施形態にのみ限定する趣旨ではない。本発明は、その要旨を逸脱することなく、その他の様々な態様でも実施することができる。
【符号の説明】
【0102】
1…デバイス、2…管理計算機、3…通信ネットワーク、4…サブネットワーク、5…一括設定管理テーブル、6…重複確認用リスト。
【技術分野】
【0001】
本発明は、ネットワークデバイスに対して設定情報を設定する技術に関する。
【背景技術】
【0002】
通信ネットワークを介したデータ通信(ネットワーク通信)を行うことが可能な機器であるネットワークデバイスには、ネットワーク通信を行うために必要となる種々の設定情報が設定される。例えば、特許文献1には、ネットワークデバイスに対する設定情報の設定が、通信ネットワークを介して、即ち、通信ネットワークに接続された他の機器(例えば、管理計算機)からの指示に基づいて行われる技術が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特許第3622733号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ネットワークデバイスに対する設定情報の設定が通信ネットワークを介して行われる場合、管理計算機は、一つの設定処理の中で複数のネットワークデバイスのそれぞれに対して指示を出すことにより、複数のネットワークデバイスのそれぞれに対して設定情報を一括して設定することができる。
【0005】
ここで、設定情報には、各ネットワークデバイス間で重複しないように設定されるべき情報がある。その一例として、IP(Internet Protocol)アドレスが挙げられる。IPアドレスが複数のネットワークデバイス間で重複した場合、その重複したIPアドレスが設定されたネットワークデバイスは、他の機器とネットワーク通信できなくなる。
【0006】
複数のネットワークデバイスに対して設定情報を一括して設定する場合、それぞれのネットワークデバイスに設定されることとなる設定情報が互いに重複していなくとも、設定処理を行っている中で、設定情報が一時的に重複してしまうことがある。例えば、二つのネットワークデバイス間で、それぞれに設定されているIPアドレスを相互に交換する場合等である。このような場合、管理計算機は、IPアドレスが重複した時点でそれら二つのネットワークデバイスとネットワーク通信できなくなるため、設定処理を継続することができなくなってしまう。即ち、設定処理が正常に完了すれば二つのネットワークデバイスに設定されるIPアドレスは重複しないにもかかわらず、IPアドレスの重複を解消できないまま設定処理を途中で終了しなければならなくなる。
【0007】
そこで、本発明の目的は、設定処理中における設定情報の一時的な重複を回避して、設定情報の一括した設定を可能にすることである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明に従う制御装置は、複数のネットワークデバイスのそれぞれにおいて設定される設定項目であって、前記ネットワークデバイス間でユニークに設定されるべき設定項目を一括して設定する制御を行う制御装置であって、前記複数のネットワークデバイスのそれぞれにおいて設定されている前記設定項目の開始前設定値を各ネットワークデバイスから取得する開始前設定値取得手段と、前記複数のネットワークデバイスのそれぞれの前記設定項目に設定されることとなる複数の完了後設定値を取得する完了後設定値取得手段と、前記複数の完了後設定値の中で、値が重複しているか否かの完了後重複判定を行う判定手段と、前記完了後重複判定において値が重複していないと判定された場合、前記複数のネットワークデバイスのうちの第一のネットワークデバイスの前記開始前設定値と前記第一のネットワークデバイス以外の第二のネットワークデバイスの前記完了後設定値とが同一であるときに、前記第一のネットワークデバイスと前記第二のネットワークデバイスとが同一の重複グループに属するように、前記複数のネットワークデバイスのうちのいずれか二以上の組み合わせである前記重複グループの作成を行う重複グループ作成手段と、前記重複グループ作成手段により作成された重複グループに属する各ネットワークデバイスに対して、前記完了後設定値を設定するための設定指示を送信する送信順序を決定する送信順序決定手段と、前記重複グループに属する各ネットワークデバイスに対して、前記送信順序決定手段が決定した送信順序に従って、前記設定指示を送信する指示送信手段と、を備える。
【0009】
本発明に係る好適な実施形態では、前記送信順序決定手段は、前記重複グループに属するネットワークデバイスの前記開始前設定値のいずれとも異なる前記完了後設定値が設定されるネットワークデバイスである新規情報設定デバイスが前記重複グループに含まれる場合、前記送信順序決定手段は、前記新規情報設定デバイスに対する設定指示の送信順位が最先となり、且つ前記第一のネットワークデバイスに対する設定指示が前記第二のネットワークデバイスに対する設定指示よりも先に送信されるように、前記重複グループに対する送信順序を決定してもよい。
【0010】
本発明に係る好適な実施形態では、前記送信順序決定手段は、前記重複グループに属するネットワークデバイスの前記開始前設定値のいずれとも異なる前記完了後設定値が設定されるネットワークデバイスが前記重複グループに含まれない場合、前記送信順序決定手段は、前記重複グループに属するネットワークデバイスのうちから選択した選択デバイスに対して、前記複数のネットワークデバイスのそれぞれに設定されている前記設定項目の値のいずれとも異なり、且つ前記重複グループに属するネットワークデバイスの前記完了後設定値のいずれとも異なる値を設定する設定指示の送信順位が最先となり、且つ前記第一のネットワークデバイスに対する設定指示が前記第二のネットワークデバイスに対する設定指示よりも先となり、且つ前記選択デバイスに対して、前記選択デバイスの前記完了後設定値を設定する設定指示の送信順位が最後となるように、前記重複グループに対する送信順序を決定してもよい。
【0011】
本発明に係る好適な実施形態では、前記設定項目が複数種類あり、各設定項目には優先度が付与されており、前記開始前設定値取得手段は、前記複数のネットワークデバイスのそれぞれにおいて前記複数種類の設定項目ごとに設定されているそれぞれの開始前設定値を各ネットワークデバイスから取得し、前記完了後設定値取得手段は、前記複数のネットワークデバイスのそれぞれにおいて、前記複数種類の設定項目ごとに設定されることとなるそれぞれの完了後設定値を取得し、前記判定手段は、前記設定項目の種類ごとに前記完了後重複判定を行い、前記重複グループ作成手段は、前記設定項目の種類ごとに前記重複グループの作成を行い、前記送信順序決定手段は、前記複数種類の設定項目のうち最も高い優先度が付与されている設定項目について前記送信順序の決定を行い、前記送信指示は、各ネットワークデバイスにおける前記複数種類の設定項目に対して、それぞれの前記完了後設定値を設定することの指示であってもよい。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【図1】本実施形態に係る計算機システムの構成例を示す図である。
【図2】第一の重複ケースの一例を示す図である。
【図3】第二の重複ケースの一例を示す図である。
【図4】図3の例における重複を回避するための送信順序を示す図である。
【図5】第三の重複ケースの一例を示す図である。
【図6】退避情報値による重複回避方法を説明する図である。
【図7】一括設定管理テーブルの一例を示す図である。
【図8】重複確認用リストの一例を示す図である。
【図9】本実施形態に係る一括設定処理のフローチャートである。
【図10】第一の重複ケースに該当するか否かを判定する処理のフローチャートである。
【図11】一時的な重複を回避するための処理のフローチャートである。
【図12】重複グループを作成する処理のフローチャートである。
【図13】一括設定プログラムが表示する画面の一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、図面を参照しながら本発明の実施形態について詳細に説明する。
【0014】
図1は、本実施形態に係る計算機システムの構成例を示す図である。
【0015】
複数のネットワークデバイス(以下、単に「デバイス」という)1と、管理計算機2とが、通信ネットワーク3(例えば、LAN(Local Area Network))を介して接続されている。通信ネットワーク3は、例えば、複数のサブネットワーク4から構成される。通信ネットワーク3が複数のサブネットワーク4から構成される場合は、デバイス1は、いずれか一つのサブネットワーク4に接続される。
【0016】
デバイス1は、通信ネットワーク3を介して、通信ネットワーク3に接続された他の機器とデータ通信することが可能なネットワーク機器である。デバイス1には、例えば、プリンタやストレージデバイスや汎用的なコンピュータその他の通信ネットワーク3に接続する機能を有するあらゆる機器が含まれる。デバイス1には、例えば、ネットワークI/F(インタフェース)11が備えられる。ネットワークI/F11は、通信ネットワーク3を介したデータ通信(ネットワーク通信)を行うための装置である。尚、ネットワークI/F11は、必ずしもデバイス1の内部に備えられなくともよい。例えば、デバイス1は、デバイス1の外部に備えられたネットワークI/F11と外部接続され、その外部接続されたネットワークI/F11を利用することで、ネットワーク通信を行うこともできる。
【0017】
デバイス1(デバイス1が利用するネットワークI/F11)には、ネットワーク通信を行うために必要となる種々の設定情報が設定される。このネットワーク通信に関する設定情報の中には、各デバイス1間でユニークに(つまり、各デバイス1間で重複しないように)設定されるべき情報がある。各デバイス1間でユニークに設定される設定情報としては、例えば、IPアドレスや、デバイス名(デバイス1に割り当てられる名称)等がある。以下の説明では、ネットワーク通信に関する設定情報であって、各デバイス1間でユニークに設定されるべき設定情報のことを、「設定情報」と呼ぶこととする。また、特に、設定情報の項目を指し示す場合は「設定情報項目」との用語を用い、設定情報の値を指し示す場合は「設定情報値」との用語を用いることとする。デバイス1への設定情報の設定は、例えば、デバイス1に備えられたユーザI/Fを介して行われたり、通信ネットワーク3を介して、即ち、通信ネットワーク3に接続された管理計算機2からの指示に基づいて行われたりする。
【0018】
管理計算機2は、通信ネットワーク3を介して、デバイス1に対して設定情報の設定を行うコンピュータである。例えば、管理計算機2は、デバイス1から必要な情報(例えば、そのデバイス1に現在設定されている設定情報値やそのデバイス1の機種情報等)の取得を行う。また、管理計算機2は、デバイス1から取得した情報を出力してその情報を管理計算機2のユーザへ提示し、デバイス1に対して新たに設定する設定情報値の入力を管理計算機2のユーザから受け付ける。更に、管理計算機2は、設定情報を設定することの指示(以下、「設定指示」)をデバイス1へ送信することにより、デバイス1に対して設定情報を設定する。設定指示には、その設定指示の送信先となるデバイス1に対して新たに設定することとなる設定情報値(例えば、管理計算機2のユーザが指定した設定情報値)が、パラメータとして含められる。尚、管理計算機2は、一回の設定指示の送信により、デバイス1に対して複数種類の設定情報を設定することもできる。この場合の設定指示には、複数の設定情報値(複数の設定情報項目のそれぞれに新たに設定することとなる設定情報値)が含められる。
【0019】
管理計算機2には、例えば、CPU21や、メモリ22や、入出力部24や、ネットワークI/F25等が備えられる。CPU21は、メモリ22に記憶されている各種のプログラムを実行する演算処理装置である。メモリ22は、いわゆる内部記憶装置である。メモリ22には、例えば、図示しないOS(Operating System)や一括設定プログラム23等の各種のプログラムや、各種のプログラムが実行される際に利用される種々の情報等が記憶される。入出力部24は、管理計算機2がユーザに提供するユーザI/Fである。入出力部24は、例えば、管理計算機2のユーザからの入力を受け付けたり、管理計算機2が行った処理の結果を出力して管理計算機2のユーザへその結果を通知したりする。入出力部14としては、例えば、ディスプレイやキーボードやマウス等が採用される。ネットワークI/F25は、デバイス1に備えられるネットワークI/F11と同様、通信ネットワーク3に接続された他の機器とネットワーク通信を行うための装置である。
【0020】
本実施形態に係る管理計算機2は、複数のデバイス1のそれぞれに対して一又は複数種類の設定情報を一括して設定することができる。この複数のデバイス1に対する一括した設定情報の設定(以下、「一括設定」)を行う処理(以下、「一括設定処理」)は、例えば、管理計算機2のCPU21が、メモリ22に記憶されている一括設定プログラム23を実行することにより行われる。一括設定処理では、一括設定の対象とされたデバイス1(設定情報の設定が行われることとなるデバイス1)のそれぞれに対して設定指示が送信される。そして、設定指示を受信したデバイス1から順番に、設定情報の設定が行われることになる。以下の説明では、一括設定プログラム23を主語として記述している説明文は、実際にはその一括設定プログラム23を実行するCPU21によって処理が行われることを意味するものとする。
【0021】
一括設定処理において、一括設定プログラム23は、設定情報(即ち、各デバイス1間でユニークに設定されるべき設定情報)が、各デバイス1間で重複して設定されないようにする。具体的には、一括設定プログラム23は、設定指示を各デバイス1へ送信する前に、一括設定処理が行われることによってデバイス1間における設定情報の重複が発生するか否かを判定する。そして、一括設定プログラム23は、設定指示の重複が発生する或いは発生する可能性があると判定した場合に、その重複へ対処する処理を行う。設定情報の重複への対処処理として、一括設定プログラム23は、例えば、一括設定処理の実行を中止(設定指示を送信することなく終了)するか、或いはその重複を回避するための処理を行う。
【0022】
設定情報が重複するケースとしては、幾つかのケース(例えば、以下の三種類のケース)が考えられる。一括設定プログラム23は、重複するそれぞれのケースごとに、そのケースに適した対処処理(一括設定処理の実行の中止、或いは重複を回避する処理)を行う。以下、図2〜図6を参照して、本実施形態で考慮する三つの重複ケース、及び、それぞれのケースにおける一括設定プログラム23が行う対処処理の説明を行う。尚、図2〜図6では、デバイス1に設定される設定情報の項目(設定情報項目)を、IPアドレスとしている。また、図中の“IP1”、“IP2”等は、IPアドレスの値(設定情報値)を示している。また、設定情報値同士を結ぶ矢印は、そのデバイス1が設定指示を受信して設定情報値が変更されたことを示している。一方、設定情報値同士を結ぶ点線は、設定情報値が変更されていないことを示している。
【0023】
図2は、第一の重複ケースの一例を示す図である。
【0024】
第一の重複ケースは、一括設定処理が完了した後において設定情報が重複するケースである。図2の例は、一括設定処理の開始前の設定情報値(以下、「開始前情報値」)がそれぞれ、デバイスAが“IP1”、デバイスBが“IP2”、デバイスCが“IP3”であり、一括設定処理によりデバイスAには“IP4”が、デバイスBには“IP3”がそれぞれ設定される場合を示している(デバイスCは、一括設定の対象とされていないため、その設定情報値は“IP3”のままである)。この場合、一括設定が行われることにより、デバイスBとデバイスCとの両方に設定情報値“IP3”が設定されることになる。即ち、一括設定処理の完了後に設定情報値の重複が発生し、第一の重複ケースに該当することとなる。
【0025】
第一の重複ケースに該当するかどうかの判断は、管理計算機2の監視下にある全てのデバイス1(管理計算機2がネットワーク通信することができるデバイス1)を対象として行われる。即ち、一括設定プログラム23は、監視下にある全てのデバイス1のそれぞれの一括設定処理完了後の設定情報値(以下、「完了後情報値」)を参照し、それらに重複が発生するか否かを調べることにより、第一の重複ケースに該当するか否かを判断する。尚、一括設定プログラム23は、監視下にあるデバイス1のうち、一括設定の対象となるデバイス1(同図の例では、デバイスA及びデバイスB)については、デバイス1に対して新たに設定することとなる設定情報値(本実施形態では、ユーザから指定された設定情報値)を完了後情報値として参照することができる。また、一括設定プログラム23は、監視下にあるデバイス1のうち、一括設定の対象とならないデバイス1(同図の例では、デバイスC)については、デバイス1に対して既に設定されている設定情報値(デバイス1から取得した設定情報値)を完了後情報値として参照することができる。
【0026】
第一の重複ケースに該当するものと判定された場合は、一括設定プログラム23は、一括設定処理の実行を中止する。なぜなら、新たに設定することとなる設定情報(完了後情報値)が変更されない限り、デバイス1間の設定情報の重複を回避することができないからである。
【0027】
図3は、第二の重複ケースの一例を示す図である。
【0028】
第二の重複ケース及び後述する第三の重複ケースは、どちらも、設定情報が一括設定処理の完了後には重複しないが一括設定処理中に重複するケース(つまり、設定情報が一時的に重複するケース)である。このうち、第二の重複ケースは、重複の発生が、設定情報の設定が行われるデバイス1の順序(即ち、設定指示が送信されるデバイス1の順序)に依存するケースである。図3の例は、開始前情報値がそれぞれ、デバイスAが“IP1”、デバイスBが“IP2”、デバイスCが“IP3”であり、一括設定処理によりデバイスAには “IP2”が、デバイスBには“IP3”が、デバイスCには“IP4”がそれぞれ設定される場合を示している(即ち、デバイスAの設定情報値が“IP1”から“IP2”へ、デバイスBの設定情報値が“IP2”から“IP3”へ、デバイスCの設定情報値が“IP3”から“IP4”へ、それぞれ変更される場合を示している)。このように、或るデバイス1(例えば、デバイスA)の完了後情報値と他のデバイス1(デバイスB)の開始前情報値とが同一(本例では、“IP2”で同一)である場合、上記の両デバイス1(デバイスA及びデバイスB)が、第二の重複ケースに該当することとなる。なぜなら、デバイスAに対して先に設定指示を送信すれば(先にデバイスAの設定情報値を“IP2”へ変更すれば)重複が発生するが、デバイスBに対して先に設定指示を送信すれば(即ち、デバイスBの設定情報値を“IP3”へ変更してからデバイスAの設定情報値を“IP2”へ変更すれば)重複の発生を回避できるからである。尚、デバイスAの開始前情報値とデバイスBの完了後情報値とは、同一とならないことが前提となる(これらも同一の場合は、後述する第三の重複ケースに該当することとなる)。図3の例では、更に、デバイスB及びデバイスCも、第二の重複ケースに該当するため、実際には、デバイスA、デバイスB及びデバイスCが全体として、第二の重複ケースに該当することとなる。以下、第二の重複ケースに該当するデバイス1の組み合わせを「第二の重複グループ」と呼ぶこととする。同様に、後述する第三の重複ケースに該当するデバイス1の組み合わせを「第三の重複グループ」と呼ぶこととする。尚、第二の重複グループ及び第三の重複グループの両者を包括して指し示す場合は、単に「重複グループ」と呼ぶこととする。図3の例では、デバイスA、デバイスB及びデバイスCが、第二の重複グループに属することとなる。
【0029】
第二の重複ケースに該当するものと判定された場合(即ち、一括設定の対象となるデバイス1のうちのいずれか複数から第二の重複グループが形成される場合)は、一括設定プログラム23は、第二の重複グループに属するデバイス1に関して、設定情報の重複が発生しない設定指示の送信順序を決定する。一括設定プログラム23は、決定された送信順序通りに設定指示を送信することにより、デバイス1間の設定情報の一時的な重複を回避する。
【0030】
一括設定プログラム23は、例えば、次のようにして、一時的な重複が発生しない設定指示の送信順序を決定することができる。即ち、まず、一括設定プログラム23は、第二の重複グループに属するデバイス1の中から、その完了後情報値が、どのデバイス1の開始前情報値とも異なるデバイス1(即ち、いずれのデバイス1にも未だ設定されていない新しい設定情報値が設定されるデバイス1であり、以下、「新規情報値設定デバイス」)を検出する。図3の例では、デバイスC(どのデバイス1にも未だ設定されていない“IP4”が設定されるデバイス1)が、新規情報値設定デバイスに該当する。一括設定プログラム23は、この検出した新規情報値設定デバイスを、最先に設定指示を送信するデバイス1(即ち、設定指示が送信される順番(送信順番)が1番のデバイス1)と決定する。なぜなら、新規情報値設定デバイスに設定されることとなる設定情報値は、一括設定処理の開始前においていずれのデバイス1にも設定されておらず、新規情報値設定デバイスの設定情報値を先に変更したとしても、一時的な重複は発生しないからである。
【0031】
次に、一括設定プログラム23は、その完了後情報値が、上記送信順番が1番のデバイス1(デバイスC)の開始前情報値(本例では、“IP3”)と同一であるデバイス1(本例では、デバイスB)を検出する。一括設定プログラム23は、この検出したデバイス1(デバイスB)を、新規情報値設定デバイスの次に設定指示を送信するデバイス1(即ち、送信順番が2番のデバイス1)と決定する。なぜなら、新規情報値設定デバイスの設定情報値が変更されると、その新規情報値設定デバイスの開始前情報値(“IP3”)は、どのデバイス1にも設定されていない設定情報値(以下、「空き情報値」)となり、いずれかのデバイス1へこの空き情報値が設定されたとしても、一時的な重複は発生しないからである。
【0032】
更に、上記と同様、一括設定プログラム23は、その完了後情報値が、上記送信順番が2番のデバイス1(デバイスB)の開始前情報値(本例では、“IP2”)と同一であるデバイス1(本例では、デバイスA)を検出し、その検出したデバイス1を、送信順番が2番のデバイス1(デバイスB)の次に設定指示を送信するデバイス1(即ち、送信順番が3番のデバイス1)と決定する。
【0033】
第二の重複グループに属するデバイス1が更に存在する場合は、一括設定プログラム23は、その他のデバイス1についても上記と同様の方法で送信順番を決定する。以上により、第二のグループに属するデバイス1に関する、設定情報の重複が発生しない設定指示の送信順序が決定される。図3の例であれば、一括設定プログラム23は、図4に示したような順序(デバイスC→デバイスB→デバイスAの順序)で設定指示を送信することにより、一時的な重複を回避することができる。
【0034】
図5(図5A、図5B)は、第三の重複ケースの一例を示す図である。
【0035】
一時的に重複するケースのうち、第三の重複ケースは、重複の発生が、設定指示を送信する順序に依存しないケース(即ち、デバイス1に対する設定情報の設定をどのような順序で行ったとしても一時的な重複が発生するケース)である。図5の例では、デバイスCの情報設定値が“IP3”から“IP1”へ変更される点以外は、図3の例と同じである。即ち、図5の例では、デバイスAには、デバイスBに設定されていた設定情報値(“IP2”)が設定され、デバイスBには、デバイスCに設定されていた設定情報値(“IP3”)が設定され、デバイスCには、デバイスAに設定されていた設定情報値(“IP1”)が設定される。このように、複数のデバイス1(本例では、デバイスA、デバイスB及びデバイスC)に設定されるそれぞれの設定情報値(本例では、“IP1”、“IP2”及び“IP3”)が、その複数のデバイス1間で循環している場合(即ち、新規情報値設定デバイスが存在しない場合)は、第三の重複ケースに該当することとなる。なぜなら、新規情報値設定デバイスが存在しないため、デバイス1に対する設定情報の設定をどのような順序で行ったとしても、空き情報値を作り出すことができず、一時的な重複が発生するからである。図5A及び図5Bのいずれの場合も、それぞれの図に示すように、一時的な重複が発生する。
【0036】
第三の重複ケースに該当するものと判定された場合(即ち、一括設定の対象となるデバイス1のうちのいずれか複数から第三の重複グループが形成される場合)は、一括設定プログラム23は、所定の設定情報値である退避情報値を利用することにより、一時的な重複を回避する。退避情報値としては、例えば、監視下にある全てのデバイス1におけるそれぞれの開始前情報値及び完了後情報値のいずれとも異なる設定情報値が採用される。退避情報値は、退避情報値が利用される時点で監視下にある全てのデバイス1のそれぞれに設定されている設定情報値のいずれとも異なり、かつ、退避情報値が利用される第三の重複グループに属するデバイス1のそれぞれの完了後情報値のいずれとも異なる設定情報値であればよい。退避情報値は、例えば、ユーザが、一括設定処理を開始する前に予め管理計算機2へ設定することができる。尚、退避情報値は、それが設定されるデバイス1が正常に動作し得るようなある程度適切な値とされる必要がある。例えば、設定情報項目がIPアドレスである場合は、退避情報値は、それが設定されるデバイス1が属するサブネットワーク4に割り振られているIPアドレスとされる必要がある。退退避情報値を利用した一時的な重複の回避方法(以下、「退避情報値による重複回避方法」)については、図6を参照して説明する。
【0037】
図6は、退避情報値による重複回避方法を説明する図である。
【0038】
図6における、各デバイス1の開始前情報値及び完了後情報値は、図5のものと同じである。図6の例では、退避情報値として“IP4”が採用されている。
【0039】
退避情報値による重複回避方法は、次の通りである。即ち、まず、第三の重複グループに属するいずれかのデバイス1(本例では、デバイスA)に対して、退避情報値(“IP4”)が設定される(図中(1))。これにより、空き情報値が作成される。即ち、退避情報値が設定されたデバイス1(デバイスA)の開始前情報値(本例では、“IP1”)が、空き情報値となる。空き情報値が作り出された後は、第二の重複ケースと同様、その空き情報値が設定されるデバイス1から順番に設定情報の設定が行われる。即ち、まず、空き情報値となっている“IP1”が、デバイスCへ設定される(図中(2))。これにより、デバイスCの開始前情報値(“IP3”)が、空き情報値となる。その後、この空き情報値となっている“IP3”が、デバイスBへ設定される(図中(3))。これにより、デバイスBの開始前情報値(“IP2”)が、空き情報値となる。最後に、退避情報が設定されたデバイス1(デバイスA)へ本来設定されるべき設定情報値(本例では、“IP2”)が設定される(図中(4))。以上の方法が採用されることにより、第三の重複ケースに該当する場合でも、一時的な重複を回避できるようになる。
【0040】
上記退避情報値による重複回避方法を採用するために、一括設定プログラム23は、第三の重複グループに属するデバイス1に関して、設定指示の送信順序及びその設定指示の内容(どの設定情報値に設定するかといった指示内容)を決定する。図6の例の場合であれば、一括設定プログラム23は、デバイスA(“IP4”を設定)→デバイスC(“IP1”を設定)→デバイスB(“IP3”を設定)→デバイスA(“IP2”を設定)のように、設定指示の送信順序及び指示内容を決定する(矢印によるデバイス1の並びが送信順序を、括弧内が指示内容をそれぞれ示している)。
【0041】
次に、図7及び図8を参照して、一括設定プログラム23が一括設定処理において利用するテーブル等(一括設定管理テーブル5及び重複確認用リスト6)の説明を行う。一括設定管理テーブル5及び重複確認用リスト6は、例えば、管理計算機2のメモリ22に記憶される。
【0042】
図7は、一括設定管理テーブル5の一例を示す図である。
【0043】
デバイス管理テーブル5は、一括設定プログラム23が、一括設定処理において、設定情報の重複が発生するか否かの判定(重複グループの作成を含む)や重複への対処処理(設定指示の送信順序や指示内容の決定等)を行う際に利用するテーブルである。一括設定管理テーブル5には、例えば、管理計算機2の監視下にあるデバイス1ごとに、例えば、デバイスID51やサブネット情報52や設定対象情報53や設定情報値54等が記録される。
【0044】
デバイスID51は、そのデバイス1(そのデバイス1が利用するネットワークI/F11)を一意に特定するための識別子である。デバイスID51としては、例えば、MAC(Media Access Control)アドレス等が採用される。サブネット情報52は、そのデバイス1が属するサブネットワーク4を示す情報である。本実施形態では、サブネット情報52として、例えばサブネットワーク4Aであれば“subA”等のように、サブネットワーク4を直接示す情報が採用されているが、サブネットワーク4を間接的に導き出すことができる情報(例えば、サブネットマスク等)が採用されてもよい。設定対象情報53は、そのデバイス1が一括設定の対象とされているかどうかを示す情報である。例えば、そのデバイス1が一括設定の対象とされている場合は、設定対象情報53の値が“YES”とされる。一方、そのデバイス1が一括設定の対象とされていない場合は、設定対象情報53の値が“NO”とされる。
【0045】
設定情報値54には、一括設定処理の開始前においてそのデバイス1に設定されている設定情報値(開始前情報値)と、一括設定処理によって新たに設定されることとなる設定情報値(完了後情報値)とが含まれる。また、例えば、一括設定処理において複数種類の設定情報が一括して設定される場合(複数の設定情報項目が一括設定の対象とされる場合)は、一括設定の対象とされている設定情報項目ごとにその設定情報値54(開始前情報値及び完了後情報値)が記憶される。図7は、二つの設定情報項目(IPアドレス及びデバイス名)のそれぞれについて設定情報値54が記憶されている例を示している。一括設定プログラム23は、図7の一括設定管理テーブル5を利用することで、複数のデバイス1のそれぞれに対して、IPアドレス及びデバイス名の両方を一括して設定することができる。
【0046】
尚、一括設定の対象とされない設定情報項目に関する設定情報値54が、一括設定管理テーブル5に含まれてもよい。また、一括設定の対象とされる設定情報項目が、デバイス1ごとに異なってもよい。一括設定の対象とされない設定情報項目については、例えば、その旨を示す情報(本例では、“NULL”)が、その設定情報項目に関する完了後情報値に記録される。
【0047】
また、或る設定情報項目(例えば、IPアドレス)に関しては、デバイス1によっては、自動的に割り当てられた値が設定(以下、「自動設定」)される場合(例えば、ネットワーク通信に用いられるプロトコルとしてDHCP(Dynamic Host Configuration Protocol)が採用される場合等)がある。例えば、図7の例では、設定情報値54が“自動”となっている設定情報項目(即ち、デバイスID51が“dev4”であるデバイス1のIPアドレス)が、自動設定される設定情報項目(以下、「自動設定項目」)である。自動設定項目を有するデバイス1に対して設定指示を送信する際は、一括設定プログラム23は、その自動設定項目に関する完了後情報値をその設定指示に含める必要はない。
【0048】
図8は、重複確認用リスト6の一例を示す図である。
【0049】
重複確認用リスト6は、一括設定プログラム23が、第一の重複ケースに該当するかどうかの判断を行う際に利用するリストである。例えば、重複確認用リスト6は、一括設定の対象とされている設定情報項目ごとに作成される。重複確認用リスト6には、管理計算機2の監視下にある全てのデバイス1のそれぞれの完了後情報値(一括設定の対象とされているデバイス1であれば新たに設定することとなる設定情報値、一括設定の対象とされていないデバイス1であれば既に設定されている設定情報値)が記録される。同一の設定情報値が重複確認用リスト6中に複数記録された場合に、第一の重複ケースに該当するものと判定される。
【0050】
以下、図9〜図12を参照して、一括設定プログラム23が行う一括設定処理の詳細を説明する。
【0051】
図9は、本実施形態に係る一括設定処理のフローチャートである。
【0052】
まず、一括設定プログラム23は、管理計算機2の監視下にあるデバイス1のそれぞれから、現在設定されている設定情報値(設定情報項目が複数ある場合は、それぞれに関する設定情報値)を取得する(S101)。一括設定プログラム23は、この取得した設定情報値をそれぞれのデバイス1に対応する開始前情報値として、一括設定管理テーブル5に記録する。尚、一括設定プログラム23は、S101の処理において、現在設定されている設定情報値とともにデバイスID51やサブネット情報52をも各デバイス1から取得して、それらを一括設定管理テーブル5に記録してもよい。また、S101の処理は、この一括設定処理が開始される前に、予め行われてもよい。
【0053】
次に、一括設定プログラム23は、一括設定の対象とされるデバイス1を示す情報及びそれぞれのデバイス1に設定することとなる設定情報値(一括設定の対象とされる設定情報項目が複数ある場合は、それぞれに関する設定情報値)の入力をユーザから受け付ける(S102)。一括設定プログラム23は、ユーザから指定された一括設定の対象とされる各デバイス1について、一括設定管理テーブル5における設定対象情報53を“YES”とする。また、一括設定プログラム23は、ユーザから指定された設定情報値を、一括設定の対象とされるそれぞれのデバイス1に対応する完了後情報値として、一括設定管理テーブル5に記録する。
【0054】
次に、一括設定プログラム23は、第一の重複ケースに該当するか否かを判定する処理を行う(S103)。この処理の詳細については、後に図10で説明する。
【0055】
その後、一括設定プログラム23は、S103の処理の結果(即ち、第一の重複ケースに該当するか否か)を判定する(S104)。
【0056】
第一の重複ケースに該当すると判定された場合は(S104:NO)、一括設定プログラム23は、その旨のエラーメッセージを入出力部24に表示して(S107)、一括設定処理を終了する。
【0057】
一方、第一の重複ケースに該当しないと判定された場合は(S104:YES)、一括設定プログラム23は、一時的な重複を回避するための処理を行う(S105)。S105では、第二の重複ケース或いは第三の重複ケースに該当すると判定された場合に、一時的な重複を回避するための設定指示の送信順序及び指示内容が決定される。この処理の詳細については、後に図11で説明する。
【0058】
尚、複数の設定情報項目が一括設定の対象とされるときは、S105で決定される設定指示の送信順序が、設定情報項目ごとに異なってしまう場合がある。例えば、IPアドレスとデバイス名の二つの設定情報項目が一括設定の対象とされたときに、IPアドレスの一時的な重複を回避するためには、デバイスA→デバイスB→デバイスCの送信順序で設定指示を送信する必要があるが、デバイス名の一時的な重複を回避するためには、デバイスC→デバイスB→デバイスAの送信順序で設定指示を送信する必要があるというような場合等である。このような場合、一括設定プログラム23は、例えば、複数の設定情報項目のそれぞれに予め付与された優先度に基づいて、設定指示の送信時に実際に採用する送信順序を決定することができる。具体的には、一括設定プログラム23は、送信順序が決定された複数の設定情報項目(例えば、IPアドレスとデバイス名)のそれぞれの優先度を比較して、優先度が最も高い設定情報項目(例えば、IPアドレス)に関して決定された送信順序(例えば、デバイスA→デバイスB→デバイスC)を、設定指示の送信時に実際に採用する送信順序と決定することができる。このように決定した場合は、IPアドレスについて一時的な重複が回避されることとなる。
【0059】
尚、一括設定の対象とされる複数の設定情報項目にIPアドレスが含まれる場合は、IPアドレスを最も高い優先度とすることが望まれる。なぜなら、設定指示を送信するためには、デバイス1と管理計算機2とがユニキャストで通信できる必要があるが、IPアドレスが一時的にでも重複すると、その後、管理計算機2は、その重複したIPアドレスが設定されたデバイス1とユニキャストで通信できなくなり、そのデバイス1に対して設定指示を送信できなくなるからである。逆に、IPアドレスについて一時的な重複を回避しておけば、他の設定情報項目が一時的に重複したとしても一括設定処理を正常に完了させられる可能性が高い。一括設定処理が正常に完了すれば、他の設定情報項目の一時的な重複は、最終的には解消していることになる。
【0060】
その後、一括設定プログラム23は、S105で決定された設定指示の送信順序及び指示内容に従って(重複グループが作成されないことにより送信順序が決定されない場合は、任意の送信順序で)、各デバイス1に対して設定指示を送信する(S106)。これにより、ユーザから指定された設定情報値(完了後情報値)が、一括設定の対象とされた各々のデバイス1に設定される。
【0061】
図10は、第一の重複ケースに該当するか否かを判定する処理のフローチャートである。
【0062】
まず、一括設定プログラム23は、一括設定管理テーブル5に登録されているデバイス1(管理計算機2の監視下にあるデバイス1)の中から、一つのデバイス1を選択する(S201)。以下、図10の説明において、S201で選択されたデバイス1を「対象デバイス1」と呼ぶ。
【0063】
次に、一括設定プログラム23は、一括設定管理テーブル5に登録されている設定情報項目の中から、一つの設定情報項目を選択する(S202)。以下、図10の説明において、S202で選択された設定情報項目を「対象項目」と呼ぶ。
【0064】
その後、一括設定プログラム23は、S202で選択した設定情報項目(対象項目)が、対象デバイス1に設定可能な項目であるか否かを判定する(S203)。この判定は、例えば、対象デバイス1に関する機種情報に基づいて行われる。例えば、一括設定プログラム23は、機種ごとに設定可能な設定情報項目が記録されたテーブル等を、予め保持しておくことができる。管理計算機2は、一括設定処理を行う前に或いは一括設定処理中に、各デバイス1からそれぞれの機種情報を取得することができる。
【0065】
対象項目が対象デバイス1に設定できない項目である場合は(S203:NO)、一括設定プログラム23は、S204〜S207の処理を行わずに、S208の処理を行う。
【0066】
一方、対象項目が対象デバイス1に設定可能な項目である場合は(S203:YES)、一括設定プログラム23は、対象デバイス1が一括設定の対象とされているか否かを判定する(S204)。この判定は、例えば、一括設定管理テーブル5における設定対象情報53が参照されることにより行われる。具体的には、対象デバイス1の設定対象情報53として“YES”が記録されていれば、対象デバイス1は、一括設定の対象とされていると判定され、“NO”が記録されていれば、対象デバイス1は、一括設定の対象とされていないと判定される。
【0067】
対象デバイス1が一括設定の対象とされていない場合は(S204:NO)、一括設定プログラム23は、対象項目に関する対象デバイス1の開始前情報値を重複確認用リスト6へ記録する(S207)。なぜなら、この場合は、対象デバイス1の対象項目に関する設定情報値54は、一括設定処理が行われても変更されない(開始前情報値がそのまま完了後情報値となる)からである。
【0068】
一方、対象デバイス1が設定変更の対象とされている場合は(S204:YES)、一括設定プログラム23は、対象デバイス1について対象項目が一括設定の対象とされているか否かを判定する(S205)。この判定は、例えば、対象項目に関する対象デバイス1の完了後情報値が参照されることにより行われる。具体的には、完了後情報値として例えば“NULL”が記録されていれば、対象項目は、一括設定の対象とされていないと判定される。
【0069】
対象項目が一括設定の対象とされていない場合は(S205:NO)、一括設定プログラム23は、対象項目に関する対象デバイス1の開始前情報値を重複確認用リスト6へ記録する(S207)。S204:NOの場合と同様、この場合も、対象デバイス1の対象項目に関する設定情報値54は、一括設定処理が行われても変更されない(開始前情報値がそのまま完了後情報値となる)からである。
【0070】
一方、対象項目が一括設定の対象とされている場合は(S205:YES)、一括設定プログラム23は、対象項目に関する対象デバイス1の完了後情報値を重複確認用リスト6へ記録する(S206)。なぜなら、この場合は、対象デバイス1の対象項目に関する設定情報値54は、一括設定処理によって開始前情報値から完了後情報値へ変更されるからである。
【0071】
一括設定プログラム23は、デバイス管理テーブル5に登録されている全ての設定情報項目についてS202〜S207の処理を繰返して行う(S208)。
【0072】
また、一括設定プログラム23は、デバイス管理テーブル5に登録されている全てのデバイス1についてS201〜S208の処理を繰返して行う(S209)。
【0073】
その後、一括設定プログラム23は、作成された重複確認用リスト6を参照して、第一の重複ケースに該当するか否かを判定する(S210)。具体的には、一括設定プログラム23は、作成された重複確認用リスト6中に同一の設定情報値が複数記録されているかどうかを調べる。上述したように、同一の設定情報値が重複確認用リスト6中に複数記録された場合に、第一の重複ケースに該当するものと判定される。
【0074】
図11は、一時的な重複を回避するための処理のフローチャートである。
【0075】
図11の処理は、設定情報項目ごとに行われる。以下、図11及び図12の説明において、図11及び図12の処理において対象としている設定情報項目を「対象項目」と呼ぶ。図11の処理は、一括設定の対象とされた全て又は一部の設定情報項目について行われてもよいし、最も優先度の高い設定情報項目についてのみ行われてもよい。また、例えば、図11の処理のうちの一部の処理(例えば、S301の処理)が、全て又は一部の設定情報項目について行われ、図11の処理のうちの上記一部以外の処理(例えば、S302〜S308の処理)が、最も優先度の高い設定情報項目についてのみ行われてもよい。複数の設定情報項目について図11の処理が行われ、複数の設定情報項目間で異なった設定指示の送信順序が決定された場合は、上述したように、その中の一つの送信順序が、実際に採用される送信順序として決定される。
【0076】
まず、一括設定プログラム23は、重複グループを作成する処理を行う(S301)。この処理の詳細については、後に図12で説明する。
【0077】
次に、一括設定プログラム23は、S301において重複グループが作成されたかどうかを判定する(S302)。
【0078】
重複グループが作成されなかった場合は(S302:NO)、一括設定プログラム23は、S303〜S307の処理を行わずに、図9のS106の処理を行う。この場合は、一時的な重複が発生する可能性がないため、設定指示の送信順序は決定されず、任意の送信順序で送信指示が送信されることになる。尚、設定指示の指示内容は、通常通りの内容(即ち、退避情報値を設定することを示す内容を含まず、各デバイス1に対してユーザから指定された完了後情報値を設定することを示す内容)とされる。
【0079】
一方、重複グループが作成された場合は(S302:YES)、一括設定プログラム23は、S301で作成された重複グループのうちの一つを選択する(S303)。
【0080】
次に、一括設定プログラム23は、S303で選択された重複グループについて、一時的な重複を回避するための設定指示の送信順序及び送信内容を決定する(S304)。即ち、S303で選択された重複グループが第二の重複グループである場合は、一括設定プログラム23は、図3で説明した方法に従って、S303で選択された重複グループに属するデバイス1に関する、送信指示の送信順序を決定する。尚、第二の重複グループに属するデバイス1に関する、設定指示の指示内容は、通常通りの内容(各デバイス1に対してユーザから指定された完了後情報値を設定することを示す内容)とされる。一方、S303で選択された重複グループが第三の重複グループである場合は、一括設定プログラム23は、図6で説明した方法(退避情報値による重複回避方法)に従って、S303で選択された重複グループに属するデバイス1に関する、送信指示の送信順序及び指示内容を決定する。
【0081】
次に、一括設定プログラム23は、退避情報値が不足していないかどうかを判定する(S305)。この判定は、一時的な重複を回避するために退避情報値が利用される場合、即ち、S303で選択された重複グループが第三の重複グループである場合に行われる。例えば、ユーザが指定した退避情報値(適切なもの)の数が、一時的な重複を回避するために必要とされる退避情報値の数に満たなかったときは、退避情報値が不足しているものと判定される。
【0082】
退避情報が不足している場合は(S305:YES)、一括設定プログラム23は、その旨のエラーメッセージを入出力部24に表示して(S308)、一括設定処理を終了する。
【0083】
一括設定プログラム23は、S301で作成された全ての重複グループについてS303〜S305の処理を繰返して行う(S306)。
【0084】
その後、一括設定プログラム23は、一括設定の対象とされるデバイス1全体の送信順序を決定する(S307)。即ち、S304では、S301で作成されたそれぞれの重複グループ内における送信順序(重複グループに属するデバイス1間の送信順序)が決定されたが、S307では、複数の重複グループ間の送信順序が決定される。また、いずれの重複グループにも属さないデバイス1がある場合は、それらのデバイス1をも含めた送信順序が決定される。重複グループ間の送信順序やいずれの重複グループにも属さないデバイス1をも含めた送信順序は、任意に決定される。なぜなら、重複グループ内の送信順序がS304で決定された送信順序である限り、一時的な重複を回避することが可能だからである。例えば、デバイスA及びデバイスBが属する重複グループAと、デバイスC及びデバイスDが属する重複グループBと、重複グループA及び重複グループBのいずれにも属さないデバイスEとがあった場合、S307では、重複グループAと重複グループBとデバイスEとの間の送信順序が決定される。例えば、この送信順序が、デバイスE→重複グループA→重複グループBのように決定された場合、S304において、重複グループA内の送信順序がデバイスA→デバイスBと、重複グループB内の送信順序がデバイスC→デバイスDと、それぞれ決定されていれば、全体の送信順序は、デバイスE→デバイスA→デバイスB→デバイスC→デバイスDとなる。尚、いずれの重複グループにも属さないデバイス1については、重複グループに属するデバイス1よりも先に設定指示が送信されるのがよい。尚、図9の説明における「S105で決定された設定指示の送信順序」とは、このS307で決定された全体の送信順序のことを指している。
【0085】
図12は、重複グループを作成する処理のフローチャートである。
【0086】
まず、一括設定プログラム23は、一括設定管理テーブル5に登録されている一括設定の対象とされたデバイス1(設定対象情報53が“YES”であるデバイス1)の中から、一つのデバイス1を選択する(S401)。以下、図12の説明において、S401で選択されたデバイス1を「対象デバイス1」と呼ぶ。
【0087】
次に、一括設定プログラム23は、対象デバイス1について対象項目が一括設定の対象とされているか否かを判定する(S402)。この判定は、図10におけるS205と同様にして行われる。
【0088】
対象デバイス1について対象項目が一括設定の対象とされていない場合は(S402:NO)、一括設定プログラム23は、S403〜S408の処理を行わずに、S409の処理を行う。
【0089】
一方、対象デバイス1について対象項目が一括設定の対象とされている場合は(S402:YES)、一括設定プログラム23は、一括設定管理テーブル5に登録されている一括設定の対象とされたデバイス1の中から、対象デバイス1以外の一つのデバイス1を選択する(S403)。以下、図12の説明において、S403で選択されたデバイス1を「比較用デバイス1」と呼ぶ。
【0090】
次に、一括設定プログラム23は、比較用デバイス1について対象項目が一括設定の対象とされているか否かを判定する(S404)。この判定は、図10におけるS205と同様にして行われる。
【0091】
比較用デバイス1について対象項目が一括設定の対象とされていない場合は(S404:NO)、一括設定プログラム23は、S405〜S407の処理を行わずに、S408の処理を行う。
【0092】
一方、比較用デバイス1について対象項目が一括設定の対象とされている場合は(S404:YES)は、一括設定プログラム23は、対象デバイス1の開始前情報値と比較用デバイス1の完了後情報値とが同一か否かを判定する(S405)。
【0093】
対象デバイス1の開始前情報値と比較用デバイス1の完了後情報値とが同一である場合は(S405:YES)、一括設定プログラム23は、対象デバイス1と比較用デバイス1とが同一の重複グループに属するものと決定する(S407)。
【0094】
一方、対象デバイス1の開始前情報値と比較用デバイス1の完了後情報値とが異なる場合は(S405:NO)、一括設定プログラム23は、対象デバイス1の完了後情報値と比較用デバイス1の開始前情報値とが同一か否かを判定する(S406)。
【0095】
対象デバイス1の完了後情報値と比較用デバイス1の開始前情報値とが同一である場合は(S406:YES)、一括設定プログラム23は、対象デバイス1と比較用デバイス1とが同一の重複グループに属するものと決定する(S407)。
【0096】
一括設定プログラム23は、一括設定の対象とされた全てのデバイス1(対象デバイス1を除く)についてS403〜S407の処理を繰返して行う(S408)。
【0097】
一括設定プログラム23は、一括設定の対象とされた全てのデバイス1についてS401〜S408の処理を繰返して行う(S409)。
【0098】
以上が、一括設定プログラム23が行う一括設定処理の説明である。このような処理が行われることにより、複数のデバイス1のそれぞれに対する設定情報の設定が一括して行われる際に、各デバイス1間でユニークに設定されるべき設定情報が、各一括設定処理の完了後及び一括設定処理中において、デバイス1間で重複して設定されないようにすることができる。
【0099】
図13は、一括設定プログラム23が表示する画面7の一例を示す図である。
【0100】
この画面7は、例えば、図9におけるS102において、ユーザから所定の情報の入力を受け付ける際に表示される。ユーザは、画面7に示される情報を参照して、一括設定の対象とされるデバイス1を示す情報やそれぞれのデバイス1に設定することとなる設定情報値等の所定の情報の入力を行うことができる。また、ユーザは、この画面7を参照することで、一括設定処理が正常に行われたかどうかを確認することもできる。画面7には、例えば、管理計算機2の監視下にあるデバイス1ごとに、現在設定されている設定情報値(図13の例では、デバイス名74、IPアドレス75)や、ユーザが指定した設定情報値が正常に設定されたかどうかを示す処理ステータス73等が表示される。
【0101】
上述した本発明の実施形態は、本発明の説明のための例示であり、本発明の範囲をそれらの実施形態にのみ限定する趣旨ではない。本発明は、その要旨を逸脱することなく、その他の様々な態様でも実施することができる。
【符号の説明】
【0102】
1…デバイス、2…管理計算機、3…通信ネットワーク、4…サブネットワーク、5…一括設定管理テーブル、6…重複確認用リスト。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数のネットワークデバイスのそれぞれにおいて設定される設定項目であって、前記ネットワークデバイス間でユニークに設定されるべき設定項目を一括して設定する制御を行う制御装置であって、
前記複数のネットワークデバイスのそれぞれにおいて設定されている前記設定項目の開始前設定値を各ネットワークデバイスから取得する開始前設定値取得手段と、
前記複数のネットワークデバイスのそれぞれの前記設定項目に設定されることとなる複数の完了後設定値を取得する完了後設定値取得手段と、
前記複数の完了後設定値の中で、値が重複しているか否かの完了後重複判定を行う判定手段と、
前記完了後重複判定において値が重複していないと判定された場合、前記複数のネットワークデバイスのうちの第一のネットワークデバイスの前記開始前設定値と前記第一のネットワークデバイス以外の第二のネットワークデバイスの前記完了後設定値とが同一であるときに、前記第一のネットワークデバイスと前記第二のネットワークデバイスとが同一の重複グループに属するように、前記複数のネットワークデバイスのうちのいずれか二以上の組み合わせである前記重複グループの作成を行う重複グループ作成手段と、
前記重複グループ作成手段により作成された重複グループに属する各ネットワークデバイスに対して、前記完了後設定値を設定するための設定指示を送信する送信順序を決定する送信順序決定手段と、
前記重複グループに属する各ネットワークデバイスに対して、前記送信順序決定手段が決定した送信順序に従って、前記設定指示を送信する指示送信手段と、を備える制御装置。
【請求項2】
前記送信順序決定手段は、前記重複グループに属するネットワークデバイスの前記開始前設定値のいずれとも異なる前記完了後設定値が設定されるネットワークデバイスである新規情報設定デバイスが前記重複グループに含まれる場合、
前記送信順序決定手段は、前記新規情報設定デバイスに対する設定指示の送信順位が最先となり、
且つ前記第一のネットワークデバイスに対する設定指示が前記第二のネットワークデバイスに対する設定指示よりも先に送信されるように、前記重複グループに対する送信順序を決定する、請求項1記載の制御装置。
【請求項3】
前記送信順序決定手段は、前記重複グループに属するネットワークデバイスの前記開始前設定値のいずれとも異なる前記完了後設定値が設定されるネットワークデバイスが前記重複グループに含まれない場合、
前記送信順序決定手段は、前記重複グループに属するネットワークデバイスのうちから選択した選択デバイスに対して、前記複数のネットワークデバイスのそれぞれに設定されている前記設定項目の値のいずれとも異なり、且つ前記重複グループに属するネットワークデバイスの前記完了後設定値のいずれとも異なる値を設定する設定指示の送信順位が最先となり、
且つ前記第一のネットワークデバイスに対する設定指示が前記第二のネットワークデバイスに対する設定指示よりも先となり、
且つ前記選択デバイスに対して、前記選択デバイスの前記完了後設定値を設定する設定指示の送信順位が最後となるように、前記重複グループに対する送信順序を決定する、請求項1記載の制御装置。
【請求項4】
前記設定項目が複数種類あり、各設定項目には優先度が付与されており、
前記開始前設定値取得手段は、前記複数のネットワークデバイスのそれぞれにおいて前記複数種類の設定項目ごとに設定されているそれぞれの開始前設定値を各ネットワークデバイスから取得し、
前記完了後設定値取得手段は、前記複数のネットワークデバイスのそれぞれにおいて、前記複数種類の設定項目ごとに設定されることとなるそれぞれの完了後設定値を取得し、
前記判定手段は、前記設定項目の種類ごとに前記完了後重複判定を行い、
前記重複グループ作成手段は、前記設定項目の種類ごとに前記重複グループの作成を行い、
前記送信順序決定手段は、前記複数種類の設定項目のうち最も高い優先度が付与されている設定項目について前記送信順序の決定を行い、
前記送信指示は、各ネットワークデバイスにおける前記複数種類の設定項目に対して、それぞれの前記完了後設定値を設定することの指示である、請求項1〜3のいずれか1項に記載の制御装置。
【請求項5】
複数のネットワークデバイスのそれぞれにおいて設定される設定項目であって、前記ネットワークデバイス間でユニークに設定されるべき設定項目を一括して設定する制御を行う制御方法であって、
前記複数のネットワークデバイスのそれぞれにおいて設定されている前記設定項目の開始前設定値を各ネットワークデバイスから取得し、
前記複数のネットワークデバイスのそれぞれの前記設定項目に設定されることとなる複数の完了後設定値を取得し、
前記複数の完了後設定値の中で、値が重複しているか否かの完了後重複判定を行い、
前記完了後重複判定において値が重複していないと判定された場合、前記複数のネットワークデバイスのうちの第一のネットワークデバイスの前記開始前設定値と前記第一のネットワークデバイス以外の第二のネットワークデバイスの前記完了後設定値とが同一であるときに、前記第一のネットワークデバイスと前記第二のネットワークデバイスとが同一の重複グループに属するように、前記複数のネットワークデバイスのうちのいずれか二以上の組み合わせである前記重複グループの作成を行い、
前記作成された重複グループに属する各ネットワークデバイスに対して、前記完了後設定値を設定するための設定指示を送信する送信順序を決定し、
前記重複グループに属する各ネットワークデバイスに対して、前記決定された送信順序に従って、前記設定指示を送信する、制御方法。
【請求項6】
複数のネットワークデバイスのそれぞれにおいて設定される設定項目であって、前記ネットワークデバイス間でユニークに設定されるべき設定項目を一括して設定する制御を行う制御プログラムであって、
前記複数のネットワークデバイスのそれぞれにおいて設定されている前記設定項目の開始前設定値を各ネットワークデバイスから取得し、
前記複数のネットワークデバイスのそれぞれの前記設定項目に設定されることとなる複数の完了後設定値を取得し、
前記複数の完了後設定値の中で、値が重複しているか否かの完了後重複判定を行い、
前記完了後重複判定において値が重複していないと判定された場合、前記複数のネットワークデバイスのうちの第一のネットワークデバイスの前記開始前設定値と前記第一のネットワークデバイス以外の第二のネットワークデバイスの前記完了後設定値とが同一であるときに、前記第一のネットワークデバイスと前記第二のネットワークデバイスとが同一の重複グループに属するように、前記複数のネットワークデバイスのうちのいずれか二以上の組み合わせである前記重複グループの作成を行い、
前記作成された重複グループに属する各ネットワークデバイスに対して、前記完了後設定値を設定するための設定指示を送信する送信順序を決定し、
前記重複グループに属する各ネットワークデバイスに対して、前記決定された送信順序に従って、前記設定指示を送信する、制御プログラム。
【請求項7】
複数のネットワークデバイスのそれぞれにおいて設定される設定項目であって、前記ネットワークデバイス間でユニークに設定されるべき設定項目を一括して設定する制御を行う制御プログラムが記録された記録媒体であって、
前記複数のネットワークデバイスのそれぞれにおいて設定されている前記設定項目の開始前設定値を各ネットワークデバイスから取得し、
前記複数のネットワークデバイスのそれぞれの前記設定項目に設定されることとなる複数の完了後設定値を取得し、
前記複数の完了後設定値の中で、値が重複しているか否かの完了後重複判定を行い、
前記完了後重複判定において値が重複していないと判定された場合、前記複数のネットワークデバイスのうちの第一のネットワークデバイスの前記開始前設定値と前記第一のネットワークデバイス以外の第二のネットワークデバイスの前記完了後設定値とが同一であるときに、前記第一のネットワークデバイスと前記第二のネットワークデバイスとが同一の重複グループに属するように、前記複数のネットワークデバイスのうちのいずれか二以上の組み合わせである前記重複グループの作成を行い、
前記作成された重複グループに属する各ネットワークデバイスに対して、前記完了後設定値を設定するための設定指示を送信する送信順序を決定し、
前記重複グループに属する各ネットワークデバイスに対して、前記決定された送信順序に従って、前記設定指示を送信する、制御プログラムが記録された記録媒体。
【請求項1】
複数のネットワークデバイスのそれぞれにおいて設定される設定項目であって、前記ネットワークデバイス間でユニークに設定されるべき設定項目を一括して設定する制御を行う制御装置であって、
前記複数のネットワークデバイスのそれぞれにおいて設定されている前記設定項目の開始前設定値を各ネットワークデバイスから取得する開始前設定値取得手段と、
前記複数のネットワークデバイスのそれぞれの前記設定項目に設定されることとなる複数の完了後設定値を取得する完了後設定値取得手段と、
前記複数の完了後設定値の中で、値が重複しているか否かの完了後重複判定を行う判定手段と、
前記完了後重複判定において値が重複していないと判定された場合、前記複数のネットワークデバイスのうちの第一のネットワークデバイスの前記開始前設定値と前記第一のネットワークデバイス以外の第二のネットワークデバイスの前記完了後設定値とが同一であるときに、前記第一のネットワークデバイスと前記第二のネットワークデバイスとが同一の重複グループに属するように、前記複数のネットワークデバイスのうちのいずれか二以上の組み合わせである前記重複グループの作成を行う重複グループ作成手段と、
前記重複グループ作成手段により作成された重複グループに属する各ネットワークデバイスに対して、前記完了後設定値を設定するための設定指示を送信する送信順序を決定する送信順序決定手段と、
前記重複グループに属する各ネットワークデバイスに対して、前記送信順序決定手段が決定した送信順序に従って、前記設定指示を送信する指示送信手段と、を備える制御装置。
【請求項2】
前記送信順序決定手段は、前記重複グループに属するネットワークデバイスの前記開始前設定値のいずれとも異なる前記完了後設定値が設定されるネットワークデバイスである新規情報設定デバイスが前記重複グループに含まれる場合、
前記送信順序決定手段は、前記新規情報設定デバイスに対する設定指示の送信順位が最先となり、
且つ前記第一のネットワークデバイスに対する設定指示が前記第二のネットワークデバイスに対する設定指示よりも先に送信されるように、前記重複グループに対する送信順序を決定する、請求項1記載の制御装置。
【請求項3】
前記送信順序決定手段は、前記重複グループに属するネットワークデバイスの前記開始前設定値のいずれとも異なる前記完了後設定値が設定されるネットワークデバイスが前記重複グループに含まれない場合、
前記送信順序決定手段は、前記重複グループに属するネットワークデバイスのうちから選択した選択デバイスに対して、前記複数のネットワークデバイスのそれぞれに設定されている前記設定項目の値のいずれとも異なり、且つ前記重複グループに属するネットワークデバイスの前記完了後設定値のいずれとも異なる値を設定する設定指示の送信順位が最先となり、
且つ前記第一のネットワークデバイスに対する設定指示が前記第二のネットワークデバイスに対する設定指示よりも先となり、
且つ前記選択デバイスに対して、前記選択デバイスの前記完了後設定値を設定する設定指示の送信順位が最後となるように、前記重複グループに対する送信順序を決定する、請求項1記載の制御装置。
【請求項4】
前記設定項目が複数種類あり、各設定項目には優先度が付与されており、
前記開始前設定値取得手段は、前記複数のネットワークデバイスのそれぞれにおいて前記複数種類の設定項目ごとに設定されているそれぞれの開始前設定値を各ネットワークデバイスから取得し、
前記完了後設定値取得手段は、前記複数のネットワークデバイスのそれぞれにおいて、前記複数種類の設定項目ごとに設定されることとなるそれぞれの完了後設定値を取得し、
前記判定手段は、前記設定項目の種類ごとに前記完了後重複判定を行い、
前記重複グループ作成手段は、前記設定項目の種類ごとに前記重複グループの作成を行い、
前記送信順序決定手段は、前記複数種類の設定項目のうち最も高い優先度が付与されている設定項目について前記送信順序の決定を行い、
前記送信指示は、各ネットワークデバイスにおける前記複数種類の設定項目に対して、それぞれの前記完了後設定値を設定することの指示である、請求項1〜3のいずれか1項に記載の制御装置。
【請求項5】
複数のネットワークデバイスのそれぞれにおいて設定される設定項目であって、前記ネットワークデバイス間でユニークに設定されるべき設定項目を一括して設定する制御を行う制御方法であって、
前記複数のネットワークデバイスのそれぞれにおいて設定されている前記設定項目の開始前設定値を各ネットワークデバイスから取得し、
前記複数のネットワークデバイスのそれぞれの前記設定項目に設定されることとなる複数の完了後設定値を取得し、
前記複数の完了後設定値の中で、値が重複しているか否かの完了後重複判定を行い、
前記完了後重複判定において値が重複していないと判定された場合、前記複数のネットワークデバイスのうちの第一のネットワークデバイスの前記開始前設定値と前記第一のネットワークデバイス以外の第二のネットワークデバイスの前記完了後設定値とが同一であるときに、前記第一のネットワークデバイスと前記第二のネットワークデバイスとが同一の重複グループに属するように、前記複数のネットワークデバイスのうちのいずれか二以上の組み合わせである前記重複グループの作成を行い、
前記作成された重複グループに属する各ネットワークデバイスに対して、前記完了後設定値を設定するための設定指示を送信する送信順序を決定し、
前記重複グループに属する各ネットワークデバイスに対して、前記決定された送信順序に従って、前記設定指示を送信する、制御方法。
【請求項6】
複数のネットワークデバイスのそれぞれにおいて設定される設定項目であって、前記ネットワークデバイス間でユニークに設定されるべき設定項目を一括して設定する制御を行う制御プログラムであって、
前記複数のネットワークデバイスのそれぞれにおいて設定されている前記設定項目の開始前設定値を各ネットワークデバイスから取得し、
前記複数のネットワークデバイスのそれぞれの前記設定項目に設定されることとなる複数の完了後設定値を取得し、
前記複数の完了後設定値の中で、値が重複しているか否かの完了後重複判定を行い、
前記完了後重複判定において値が重複していないと判定された場合、前記複数のネットワークデバイスのうちの第一のネットワークデバイスの前記開始前設定値と前記第一のネットワークデバイス以外の第二のネットワークデバイスの前記完了後設定値とが同一であるときに、前記第一のネットワークデバイスと前記第二のネットワークデバイスとが同一の重複グループに属するように、前記複数のネットワークデバイスのうちのいずれか二以上の組み合わせである前記重複グループの作成を行い、
前記作成された重複グループに属する各ネットワークデバイスに対して、前記完了後設定値を設定するための設定指示を送信する送信順序を決定し、
前記重複グループに属する各ネットワークデバイスに対して、前記決定された送信順序に従って、前記設定指示を送信する、制御プログラム。
【請求項7】
複数のネットワークデバイスのそれぞれにおいて設定される設定項目であって、前記ネットワークデバイス間でユニークに設定されるべき設定項目を一括して設定する制御を行う制御プログラムが記録された記録媒体であって、
前記複数のネットワークデバイスのそれぞれにおいて設定されている前記設定項目の開始前設定値を各ネットワークデバイスから取得し、
前記複数のネットワークデバイスのそれぞれの前記設定項目に設定されることとなる複数の完了後設定値を取得し、
前記複数の完了後設定値の中で、値が重複しているか否かの完了後重複判定を行い、
前記完了後重複判定において値が重複していないと判定された場合、前記複数のネットワークデバイスのうちの第一のネットワークデバイスの前記開始前設定値と前記第一のネットワークデバイス以外の第二のネットワークデバイスの前記完了後設定値とが同一であるときに、前記第一のネットワークデバイスと前記第二のネットワークデバイスとが同一の重複グループに属するように、前記複数のネットワークデバイスのうちのいずれか二以上の組み合わせである前記重複グループの作成を行い、
前記作成された重複グループに属する各ネットワークデバイスに対して、前記完了後設定値を設定するための設定指示を送信する送信順序を決定し、
前記重複グループに属する各ネットワークデバイスに対して、前記決定された送信順序に従って、前記設定指示を送信する、制御プログラムが記録された記録媒体。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【公開番号】特開2012−200017(P2012−200017A)
【公開日】平成24年10月18日(2012.10.18)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−143878(P2012−143878)
【出願日】平成24年6月27日(2012.6.27)
【分割の表示】特願2008−10395(P2008−10395)の分割
【原出願日】平成20年1月21日(2008.1.21)
【出願人】(000002369)セイコーエプソン株式会社 (51,324)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成24年10月18日(2012.10.18)
【国際特許分類】
【出願日】平成24年6月27日(2012.6.27)
【分割の表示】特願2008−10395(P2008−10395)の分割
【原出願日】平成20年1月21日(2008.1.21)
【出願人】(000002369)セイコーエプソン株式会社 (51,324)
【Fターム(参考)】
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