ネットワーク分割方法、装置およびプログラム
【課題】ネットワーク分割を各部分ネットワーク間の交流トラヒックを考慮して高速に実現できるネットワーク分割方法、装置およびプログラムを提供する。
【解決手段】ネットワーク分割部3は、交流トラヒックが最大となるノードペアの一方を一方側の部分ネットワークに所属させ、ノードペアの他方を他方側の部分ネットワークに所属させた後、ネットワーク上の他の各ノードを、部分ネットワーク間の交流トラヒックが最大となるように、前記いずれかの部分ネットワークNWpに順次に所属させることでネットワークNWを2分割する。このような2分割処理を、ネットワークNWが予定数の部分ネットワークNWpに分割されるまで、各部分ネットワークに対して繰り返すことで、ネットワークNWを予定数の部分ネットワークNWpに分割する。
【解決手段】ネットワーク分割部3は、交流トラヒックが最大となるノードペアの一方を一方側の部分ネットワークに所属させ、ノードペアの他方を他方側の部分ネットワークに所属させた後、ネットワーク上の他の各ノードを、部分ネットワーク間の交流トラヒックが最大となるように、前記いずれかの部分ネットワークNWpに順次に所属させることでネットワークNWを2分割する。このような2分割処理を、ネットワークNWが予定数の部分ネットワークNWpに分割されるまで、各部分ネットワークに対して繰り返すことで、ネットワークNWを予定数の部分ネットワークNWpに分割する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ネットワークを複数の部分ネットワークに分割する方法、装置およびプログラムに係り、特に、部分ネットワーク間の交流トラヒックに注目してネットワークを分割する方法、装置およびプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
非特許文献1には、無線マルチホップネットワークにおいて、ルーチングの効率化、無線リソース利用の効率化などを図ることを目的として、ネットワーク分割を行う手法が提案されている。
【0003】
非特許文献2には、並列ネットワークシミュレーションにおいて、各プロッセサ負荷の均等化、プロッセサ間通信量の削減を目的として、ネットワーク分割を行う手法が提案されている。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0004】
【非特許文献1】A. A. Abbasi and M. Younis, "A survey on clustering algorithms for wireless sensor networks," Elsevier Computer Communications, vol. 30, pp. 2826-2841, June 2007.
【非特許文献2】P. Peschlow, T. Honecker, and P. Martini, "A flexible dynamic partitioning algorithm for optimistic distributed simulation," Proc. of IEEE PADS'07, pp. 219-228, 2007.
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
非特許文献1では、ネットワーク分割によって生成される各部分ネットワークの大きさを均等化できるが、各部分ネットワーク間の交流トラヒックを考慮したネットワーク分割を実現できない。
【0006】
非特許文献2では、ネットワーク分割によって生成される各部分ネットワーク間の交流トラヒックを考慮したネットワーク分割を高速に実現できない。
【0007】
本発明の目的は、上記した従来技術の課題を解決し、ネットワーク分割を各部分ネットワーク間の交流トラヒックを考慮して高速に実現できるネットワーク分割方法、装置およびプログラムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記の目的を達成するために、本発明のネットワーク分割方法は、分割対象のネットワークにおいて、交流トラヒックが最大となるノードペアの一方を一方側の部分ネットワークに所属させ、ノードペアの他方を他方側の部分ネットワークに所属させる第1ステップと、一方側の部分ネットワークへの所属が決まっているノードを隣接ノードとする未所属ノードと他方側の部分ネットワークとの交流トラヒック、および前記他方側の部分ネットワークへの所属が決まっているノードを隣接ノードとする未所属ノードと一方側の部分ネットワークとの交流トラヒックを比較し、交流トラヒックが最大となる未所属ノードを、その隣接ノードと同じ部分ネットワークに所属させる第2ステップと、ネットワーク上の全てのノードの所属が確定するまで、前記第2ステップを繰り返させる第3ステップと、ネットワークが予定数の部分ネットワークに分割されるまで、前記各部分ネットワークを分割対象のネットワークと見なして前記第1ないし第3ステップを繰り返させる第4ステップとを含む。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、ネットワークを、各部分ネットワーク間の交流トラヒックが最大化または最小化されるように、複数の部分ネットワークに分割できるようになる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【図1】本発明のネットワーク分割方法、装置およびプログラムの一実施形態に係る機能ブロック図である。
【図2】ネットワークが本発明により複数の部分ネットワークに順次に分割される様子を模式的に表現した図である。
【図3】本発明に係るネットワーク分割方法の第1実施形態(交流トラヒックの最大化)の手順を示したフローチャートである。
【図4】第1実施形態における所属ネットワークの決定方法を示したフローチャートである。
【図5】ネットワーク分割の手順を模式的に示した図(その1)である。
【図6】ネットワーク分割の手順を模式的に示した図(その2)である。
【図7】ネットワーク分割の手順を模式的に示した図(その3)である。
【図8】ネットワーク分割の手順を模式的に示した図(その4)である。
【図9】ネットワーク分割の手順を模式的に示した図(その5)である。
【図10】ネットワーク分割の手順を模式的に示した図(その6)である。
【図11】ネットワーク分割の手順を模式的に示した図(その7)である。
【図12】ネットワーク分割の手順を模式的に示した図(その8)である。
【図13】ネットワーク分割の手順を模式的に示した図(その9)である。
【図14】本発明に係るネットワーク分割方法の第2実施形態(交流トラヒックの最小化)の手順を示したフローチャートである。
【図15】第2実施形態における所属ネットワークの決定方法を示したフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、図面を参照して本発明の実施の形態について詳細に説明する。図1は、本発明のネットワーク分割方法、装置およびプログラムの一実施形態に係る機能ブロック図であり、図2は、ネットワークが複数の部分ネットワークに順次に分割される様子を模式的に表現した図である。
【0012】
本発明では、部分ネットワーク間の交流トラヒックが最大化または最小化されるように、ネットワークNWが予定数の部分ネットワークNWpに分割されるが、ここでは初めに、部分ネットワーク間の交流トラヒックが最大化されるようにネットワークNWが分割される場合を例にして説明する。
【0013】
図1において、入力インターフェース1には、分割対象となるネットワークNWのトポロジ情報および各ネットワークノード間のトラヒック量がネットワーク情報として予め入力される。交流トラヒック算出部2は、前記ネットワーク情報に基づいて、ネットワークNW上の各ノードペア間の交流トラヒックや部分ネットワークNWp間の交流トラヒックを算出する。
【0014】
ネットワーク分割部3は、交流トラヒックが最大となるノードペアの一方を一方側の部分ネットワークに所属させ、ノードペアの他方を他方側の部分ネットワークに所属させた後、ネットワーク上の他の各ノードを、部分ネットワーク間の交流トラヒックが最大となるように、前記いずれかの部分ネットワークNWpに順次に所属させることで、図2(a)に示したようにネットワークNWを2分割する。そして、このような2分割処理を、前記ネットワークNWが予定数の部分ネットワークNWpに分割されるまで、同図(b),(c)のように各部分ネットワークに対して繰り返すことで、前記ネットワークNWが最終的に予定数の部分ネットワークNWpに分割される。
【0015】
図3は、本発明の第1実施形態に係るネットワーク分割方法の手順を示したフローチャートであり、主に前記ネットワーク分割部3の動作を示している。
【0016】
ステップS1では、分割対象のネットワークNWの中から、交流トラヒックが最大となるノードペア[Na,Nb]が抽出される。この交流トラヒックは、発ノードと着ノードとの関係にあるノードペアに限定して算出されるものではなく、あるトラヒックが発ノードから複数の中継ノードを経由して着ノードに到達する場合、経路上の全てのノードのペアについて、そのトラヒック量が交流トラヒックとして算出される
【0017】
ステップS2では、一方のノードペアNaが一方側の部分ネットワークNMp0に所属する中心ノードに設定され、他方のノードペアNbが他方側の部分ネットワークNMp1に所属する中心ノードに設定される。ステップS3では、部分ネットワークNMp0,NMp1間の交流トラヒックが最大化されるように、ネットワーク上の全てのノードについて、その所属ネットワークが前記2つの部分ネットワークNMp0,NMp1のいずれかに順次に決定される。
【0018】
図4は、前記ステップS3における所属ネットワークの決定方法を示したフローチャートである。
【0019】
ステップS301では、一方側の部分ネットワークNMp0への所属が決定しているノードを隣接ノードとする全ての未所属ノード、および他方側の部分ネットワークNMp1への所属が決定しているノードを隣接ノードとする全ての未所属ノードが抽出される。ここでは、図5に示したように、一方側の部分ネットワークNMp0への所属が決定している中心ノードNaに隣接する2つの未所属ノードN1,N2、および他方側の部分ネットワークNMp1への所属が決定している中心ノードNbに隣接する2つの未所属ノードN3,N4が抽出される。
【0020】
ステップS302では、図6に示したように、各未所属ノードの交流トラヒックとして、ノードN1,N2を、その隣接ノードNaと同じ部分ネットワークNMp0に所属させた場合の部分ネットワークNMp1との交流トラヒックQ1,Q2、およびノードN3,N4を、その隣接ノードNbと同じ部分ネットワークNMp1に所属させた場合の部分ネットワークNMp0との交流トラヒックQ3,Q4が、それぞれ算出される。
【0021】
ステップS303では、前記各交流トラヒックQ1,Q2,Q3,Q4が比較され、交流トラヒックが最大となるノードについて、その所属先が隣接ノードと同じに決定される。ここでは、ノードN1と部分ネットワークNMp1との交流トラヒックQ1が最大値を示したものとし、図7に示したように、ノードN1の所属先が部分ネットワークNMp0に決定されたものとして説明を続ける。
【0022】
なお、交流トラヒックが最大値を示す未所属ノードが複数存在する場合は、全ての未所属ノードとの交流トラヒックの総和をそれぞれ算出し、この総和が最大となる未所属ノードのみを隣接ノードと同じ部分ネットワークに所属させる。
【0023】
図3へ戻り、ステップS4では、ネットワークNW上の全てのノードについて、その所属先の部分ネットワークの決定が完了したか否かが判定される。ここでは、未だ完了していないと判定されるのでステップS3へ戻り、上記の各処理が繰り返される。
【0024】
すなわち、ステップS301では、図8に示したように、部分ネットワークNMp0への所属が決定しているノードNa,N1を隣接ノードとする全ての未所属ノードN2,N5,N6、および部分ネットワークNMp1への所属が決定しているノードNbに隣接する全ての未所属ノードN3,N4が抽出される。
【0025】
ステップS302では、各未所属ノードをその隣接ノードと同じ部分ネットワークに所属させた場合の交流トラヒックとして、ノードN2,N5,N6を部分ネットワークNMp0に所属させた場合の部分ネットワークNMp1との交流トラヒックQ1,Q2,Q3、およびノードN3,N4を部分ネットワークNMp1に所属させた場合の部分ネットワークNMp0との交流トラヒックQ4,Q5が、それぞれ算出される。
【0026】
ステップS303では、前記各交流トラヒックQ1,Q2,Q3,Q4,Q5が比較され、交流トラヒックが最大となるノードの所属先が、その隣接ノードと同じに決定される。ここでは、ノードN4と部分ネットワークNMp0との交流トラヒックQ5が最大値を示したものとし、図9に示したように、ノードN4の所属先が部分ネットワークNMp1に決定されたものとして説明を続ける。
【0027】
図3へ戻り、ステップS4では、ネットワークNW上の全てのノードについて、その所属先のネットワークの決定が完了したか否かが判定される。ここでも、未だ完了していないと判定されるのでステップS3へ戻り、上記の各処理が繰り返される。
【0028】
すなわち、図10に示したように、部分ネットワークNMp0への所属が決定しているノードNa,N1を隣接ノードとする全ての未所属ノードN2,N5,N6、および部分ネットワークNMp1への所属が決定しているノードNb,N4に隣接する全ての未所属ノードN3,N7,N8の中から、交流トラヒックが最大となる未所属ノードの所属先が、その隣接ノードと同じ部分ネットワークに決定される。
【0029】
なお、前記ステップS3において、図11に一例を示したように、一方側の部分ネットワークNMp0に所属するノードNdを隣接ノードとするノードN12が、他方側の部分ネットワークNMp1に所属するノードNeをも隣接ノードとする場合は、以下のようにして所属先の部分ネットワークが決定される。
【0030】
本実施形態では、当該時点において、部分ネットワークNMp0への所属が決定しているノードNc,Ndを隣接ノードとする未所属ノードN11,N12と部分ネットワークNMp1との交流トラヒックQ1,Q3、部分ネットワークNMp1への所属が決定しているノードNe,Nfを隣接ノードとする未所属ノードN12,N13と部分ネットワークNMp0との交流トラヒックQ4,Q2が比較される。
【0031】
そして、例えばノードN12と部分ネットワークNMp1との交流トラヒックQ3が最大値を示せば、当該注目ノードN12の所属ネットワークが部分ネットワークNMp0に決定される。また、ノードN12と部分ネットワークNMp0との交流トラヒックQ4が最大値を示せば、当該ノードN12の所属ネットワークが部分ネットワークNMp1に決定される。
【0032】
図3へ戻り、以上のようにして、ネットワークNW上の全てのノードの所属先が部分ネットワークNMp0,NMp1のいずれかに決定されるとステップS5へ進み、所属先ネットワークの見直しが実施される。
【0033】
ここでは、図12(a)に一例を示したように、一方側の部分ネットワークNMp0に所属するノードNcと他方側の部分ネットワークNMp1に所属するノードNdとが隣接関係にあるとき、同図(b)に示したように、ノードNdの所属先を一方側の部分ネットワークNMp0に変更することにより部分ネットワーク間の交流トラヒックが増加するならば、前記ノードNdの所属先が一方側の部分ネットワークNMp0に変更される。
【0034】
同様に、同図(c)に示したように、ノードNcの所属先を他方側の部分ネットワークNMp1に変更することにより、部分ネットワーク間の交流トラヒックが増加するならば、前記ノードNcの所属先が他方側の部分ネットワークNMp1に変更される。本実施形態では、このような所属ネットワークの見直しが、互いに異なる部分ネットワークに所属して隣接関係にある全てのノードペアに対して行われる。
【0035】
ただし、図13(a)に一例を示したように、ノードペアNc,Ndは、互いに異なる部分ネットワークに所属して隣接関係にあるものの、同図(b)に示したように、ノードNdの所属先を部分ネットワークNWp0に変更してしまうと、ノードNfは、自身が所属する部分ネットワークNWp1内に隣接ノードを持てなくなって孤立し、部分ネットワークNWp1内の他のノードと通信する際でも、必ず他の部分ネットワークNWp0を中継しなければならなくなってしまう。すなわち、ノードNfは実質的に部分ネットワークNWp1を構成できなくなる。
【0036】
このような場合、本実施形態では同図(c)に示したように、ノードNdと共に前記孤立ノードNfも同時に、その所属先を部分ネットワークNWp0に変更することにより、ネットワーク内でのノードの孤立化を防止するようにしている。
【0037】
ただし、このように複数ノードNd,Nfの所属ネットワークを同時に変更する処理は、ノードNd,Nfが変更前の部分ネットワークNWp1に所属しているときの部分ネットワークNWp0との交流トラヒックよりも、部分ネットワークNWp0に所属させたときの部分ネットワークNWp1との交流トラヒックの方が増加する場合に限定され、それ以外の場合には、ノードペアNc,Ndに関する所属先の見直しは見送られる。
【0038】
図3へ戻り、ステップS6では、ネットワークNWが予定の部分ネットワーク数まで分割されたか否かが判定される。分割数が不足していればステップS1へ戻り、各部分ネットワークNWp0,NWp1を新たに分割対象と見なし、分割数が予定数に達するまで上記の2分割処理が繰り返される。
【0039】
なお、上記の実施形態では、部分ネットワーク間の交流トラヒックが最大化されるように各ネットワークノードの所属先を順次に決定することでネットワークが分割されたが、本発明はこれのみに限定されるものではなく、部分ネットワーク間の交流トラヒックが最小化されるように各ネットワークノードの所属先を順次に決定することでネットワークが分割されるようにしても良い。
【0040】
図14,15は、ネットワークNWを部分ネットワーク間の交流トラヒックが最小化されるように分割する第2実施形態の手順を示したフローチャートであり、ステップS1aでは、分割対象のネットワークNWの中から、交流トラヒックが最小となるノードペア[Na,Nb]が抽出される。
【0041】
ステップS2では、一方のノードペアNaが一方側の部分ネットワークNMp0に所属する中心ノードに設定され、他方のノードペアNbが他方側の部分ネットワークNMp1に所属する中心ノードに設定される。ステップS3aでは、ネットワーク上の全てのノードについて、その所属ネットワークが、部分ネットワーク間の交流トラヒックが最小化されるように、前記2つの部分ネットワークNMp0,NMp1のいずれかに順次に決定される。
【0042】
ステップS4では、ネットワークNW上の全てのノードについて、その所属先の部分ネットワークの決定が完了したか否かが判定され、完了するまではステップS3へ戻って上記の各処理が繰り返される。
【0043】
ネットワークNW上の全てのノードの所属先が部分ネットワークNMp0,NMp1のいずれかに決定されるとステップS5aへ進み、所属先ネットワークの見直しが、部分ネットワーク間の交流トラヒックが最小化するように実施される。ステップS6では、ネットワークNWが予定の部分ネットワーク数まで分割されたか否かが判定される。分割数が不足していればステップS1aへ戻り、各部分ネットワークNWp0,NWp1を新たに分割対象と見なし、分割数が予定数に達するまで上記の2分割処理が繰り返される。
【0044】
なお、前記図11を参照して説明したように、一方側の部分ネットワークNMp0に所属するノードNdを隣接ノードとするノードN12が、他方側の部分ネットワークNMp1に所属するノードNeをも隣接ノードとする場合は、例えばノードN12と部分ネットワークNMp1との交流トラヒックQ3が最小値を示せば、当該注目ノードN12の所属ネットワークが部分ネットワークNMp0に決定される。また、ノードN12と部分ネットワークNMp0との交流トラヒックQ4が最小値を示せば、当該ノードN12の所属ネットワークが部分ネットワークNMp1に決定される。
【0045】
同様に、前記図12を参照して説明したように、一方側の部分ネットワークNMp0に所属するノードNcと他方側の部分ネットワークNMp1に所属するノードNdとが隣接関係にあるとき、同図(b)に示したように、ノードNdの所属先を一方側の部分ネットワークNMp0に変更することにより部分ネットワーク間の交流トラヒックが減少するならば、前記ノードNdの所属先が一方側の部分ネットワークNMp0に変更される。
【0046】
同様に、同図(c)に示したように、ノードNcの所属先を他方側の部分ネットワークNMp1に変更することにより、部分ネットワーク間の交流トラヒックが減少するならば、前記ノードNcの所属先が他方側の部分ネットワークNMp1に変更される。
【0047】
ただし、図13(b)に示したように、ノードNdの所属先を部分ネットワークNWp0に変更してしまうと、ノードNfは、自身が所属する部分ネットワークNWp1内に隣接ノードを持てなくなって孤立する場合は、同図(c)に示したように、ノードNdと共に前記孤立ノードNfも同時に、その所属先を部分ネットワークNWp0に変更することにより、ネットワーク内でのノードの孤立化を防止するようにしている。
【0048】
ただし、このように複数ノードNd,Nfの所属ネットワークを同時に変更する処理は、ノードNd,Nfが変更前の部分ネットワークNWp1に所属しているときの部分ネットワークNWp0との交流トラヒックよりも、部分ネットワークNWp0に所属させたときの部分ネットワークNWp1との交流トラヒックの方が減少する場合に限定され、それ以外の場合には、ノードペアNc,Ndに関する所属先の見直しは見送られる。
【0049】
上記の各実施形態に係るネットワーク分割方法および装置は、前記各フローチャートで説明した処理をコンピュータが実行可能な言語で記述されたプログラムとしても実現できる。このようなネットワーク分割プログラムは、光学式の記録媒体を介して、または有線、無線のネットワークを介してコンピュータの記憶領域にインストールし、これをCPUが順次に読み取ることで実行される。
【符号の説明】
【0050】
1…入力インターフェース,2…交流トラヒック算出部,3…ネットワーク分割部
【技術分野】
【0001】
本発明は、ネットワークを複数の部分ネットワークに分割する方法、装置およびプログラムに係り、特に、部分ネットワーク間の交流トラヒックに注目してネットワークを分割する方法、装置およびプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
非特許文献1には、無線マルチホップネットワークにおいて、ルーチングの効率化、無線リソース利用の効率化などを図ることを目的として、ネットワーク分割を行う手法が提案されている。
【0003】
非特許文献2には、並列ネットワークシミュレーションにおいて、各プロッセサ負荷の均等化、プロッセサ間通信量の削減を目的として、ネットワーク分割を行う手法が提案されている。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0004】
【非特許文献1】A. A. Abbasi and M. Younis, "A survey on clustering algorithms for wireless sensor networks," Elsevier Computer Communications, vol. 30, pp. 2826-2841, June 2007.
【非特許文献2】P. Peschlow, T. Honecker, and P. Martini, "A flexible dynamic partitioning algorithm for optimistic distributed simulation," Proc. of IEEE PADS'07, pp. 219-228, 2007.
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
非特許文献1では、ネットワーク分割によって生成される各部分ネットワークの大きさを均等化できるが、各部分ネットワーク間の交流トラヒックを考慮したネットワーク分割を実現できない。
【0006】
非特許文献2では、ネットワーク分割によって生成される各部分ネットワーク間の交流トラヒックを考慮したネットワーク分割を高速に実現できない。
【0007】
本発明の目的は、上記した従来技術の課題を解決し、ネットワーク分割を各部分ネットワーク間の交流トラヒックを考慮して高速に実現できるネットワーク分割方法、装置およびプログラムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記の目的を達成するために、本発明のネットワーク分割方法は、分割対象のネットワークにおいて、交流トラヒックが最大となるノードペアの一方を一方側の部分ネットワークに所属させ、ノードペアの他方を他方側の部分ネットワークに所属させる第1ステップと、一方側の部分ネットワークへの所属が決まっているノードを隣接ノードとする未所属ノードと他方側の部分ネットワークとの交流トラヒック、および前記他方側の部分ネットワークへの所属が決まっているノードを隣接ノードとする未所属ノードと一方側の部分ネットワークとの交流トラヒックを比較し、交流トラヒックが最大となる未所属ノードを、その隣接ノードと同じ部分ネットワークに所属させる第2ステップと、ネットワーク上の全てのノードの所属が確定するまで、前記第2ステップを繰り返させる第3ステップと、ネットワークが予定数の部分ネットワークに分割されるまで、前記各部分ネットワークを分割対象のネットワークと見なして前記第1ないし第3ステップを繰り返させる第4ステップとを含む。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、ネットワークを、各部分ネットワーク間の交流トラヒックが最大化または最小化されるように、複数の部分ネットワークに分割できるようになる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【図1】本発明のネットワーク分割方法、装置およびプログラムの一実施形態に係る機能ブロック図である。
【図2】ネットワークが本発明により複数の部分ネットワークに順次に分割される様子を模式的に表現した図である。
【図3】本発明に係るネットワーク分割方法の第1実施形態(交流トラヒックの最大化)の手順を示したフローチャートである。
【図4】第1実施形態における所属ネットワークの決定方法を示したフローチャートである。
【図5】ネットワーク分割の手順を模式的に示した図(その1)である。
【図6】ネットワーク分割の手順を模式的に示した図(その2)である。
【図7】ネットワーク分割の手順を模式的に示した図(その3)である。
【図8】ネットワーク分割の手順を模式的に示した図(その4)である。
【図9】ネットワーク分割の手順を模式的に示した図(その5)である。
【図10】ネットワーク分割の手順を模式的に示した図(その6)である。
【図11】ネットワーク分割の手順を模式的に示した図(その7)である。
【図12】ネットワーク分割の手順を模式的に示した図(その8)である。
【図13】ネットワーク分割の手順を模式的に示した図(その9)である。
【図14】本発明に係るネットワーク分割方法の第2実施形態(交流トラヒックの最小化)の手順を示したフローチャートである。
【図15】第2実施形態における所属ネットワークの決定方法を示したフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、図面を参照して本発明の実施の形態について詳細に説明する。図1は、本発明のネットワーク分割方法、装置およびプログラムの一実施形態に係る機能ブロック図であり、図2は、ネットワークが複数の部分ネットワークに順次に分割される様子を模式的に表現した図である。
【0012】
本発明では、部分ネットワーク間の交流トラヒックが最大化または最小化されるように、ネットワークNWが予定数の部分ネットワークNWpに分割されるが、ここでは初めに、部分ネットワーク間の交流トラヒックが最大化されるようにネットワークNWが分割される場合を例にして説明する。
【0013】
図1において、入力インターフェース1には、分割対象となるネットワークNWのトポロジ情報および各ネットワークノード間のトラヒック量がネットワーク情報として予め入力される。交流トラヒック算出部2は、前記ネットワーク情報に基づいて、ネットワークNW上の各ノードペア間の交流トラヒックや部分ネットワークNWp間の交流トラヒックを算出する。
【0014】
ネットワーク分割部3は、交流トラヒックが最大となるノードペアの一方を一方側の部分ネットワークに所属させ、ノードペアの他方を他方側の部分ネットワークに所属させた後、ネットワーク上の他の各ノードを、部分ネットワーク間の交流トラヒックが最大となるように、前記いずれかの部分ネットワークNWpに順次に所属させることで、図2(a)に示したようにネットワークNWを2分割する。そして、このような2分割処理を、前記ネットワークNWが予定数の部分ネットワークNWpに分割されるまで、同図(b),(c)のように各部分ネットワークに対して繰り返すことで、前記ネットワークNWが最終的に予定数の部分ネットワークNWpに分割される。
【0015】
図3は、本発明の第1実施形態に係るネットワーク分割方法の手順を示したフローチャートであり、主に前記ネットワーク分割部3の動作を示している。
【0016】
ステップS1では、分割対象のネットワークNWの中から、交流トラヒックが最大となるノードペア[Na,Nb]が抽出される。この交流トラヒックは、発ノードと着ノードとの関係にあるノードペアに限定して算出されるものではなく、あるトラヒックが発ノードから複数の中継ノードを経由して着ノードに到達する場合、経路上の全てのノードのペアについて、そのトラヒック量が交流トラヒックとして算出される
【0017】
ステップS2では、一方のノードペアNaが一方側の部分ネットワークNMp0に所属する中心ノードに設定され、他方のノードペアNbが他方側の部分ネットワークNMp1に所属する中心ノードに設定される。ステップS3では、部分ネットワークNMp0,NMp1間の交流トラヒックが最大化されるように、ネットワーク上の全てのノードについて、その所属ネットワークが前記2つの部分ネットワークNMp0,NMp1のいずれかに順次に決定される。
【0018】
図4は、前記ステップS3における所属ネットワークの決定方法を示したフローチャートである。
【0019】
ステップS301では、一方側の部分ネットワークNMp0への所属が決定しているノードを隣接ノードとする全ての未所属ノード、および他方側の部分ネットワークNMp1への所属が決定しているノードを隣接ノードとする全ての未所属ノードが抽出される。ここでは、図5に示したように、一方側の部分ネットワークNMp0への所属が決定している中心ノードNaに隣接する2つの未所属ノードN1,N2、および他方側の部分ネットワークNMp1への所属が決定している中心ノードNbに隣接する2つの未所属ノードN3,N4が抽出される。
【0020】
ステップS302では、図6に示したように、各未所属ノードの交流トラヒックとして、ノードN1,N2を、その隣接ノードNaと同じ部分ネットワークNMp0に所属させた場合の部分ネットワークNMp1との交流トラヒックQ1,Q2、およびノードN3,N4を、その隣接ノードNbと同じ部分ネットワークNMp1に所属させた場合の部分ネットワークNMp0との交流トラヒックQ3,Q4が、それぞれ算出される。
【0021】
ステップS303では、前記各交流トラヒックQ1,Q2,Q3,Q4が比較され、交流トラヒックが最大となるノードについて、その所属先が隣接ノードと同じに決定される。ここでは、ノードN1と部分ネットワークNMp1との交流トラヒックQ1が最大値を示したものとし、図7に示したように、ノードN1の所属先が部分ネットワークNMp0に決定されたものとして説明を続ける。
【0022】
なお、交流トラヒックが最大値を示す未所属ノードが複数存在する場合は、全ての未所属ノードとの交流トラヒックの総和をそれぞれ算出し、この総和が最大となる未所属ノードのみを隣接ノードと同じ部分ネットワークに所属させる。
【0023】
図3へ戻り、ステップS4では、ネットワークNW上の全てのノードについて、その所属先の部分ネットワークの決定が完了したか否かが判定される。ここでは、未だ完了していないと判定されるのでステップS3へ戻り、上記の各処理が繰り返される。
【0024】
すなわち、ステップS301では、図8に示したように、部分ネットワークNMp0への所属が決定しているノードNa,N1を隣接ノードとする全ての未所属ノードN2,N5,N6、および部分ネットワークNMp1への所属が決定しているノードNbに隣接する全ての未所属ノードN3,N4が抽出される。
【0025】
ステップS302では、各未所属ノードをその隣接ノードと同じ部分ネットワークに所属させた場合の交流トラヒックとして、ノードN2,N5,N6を部分ネットワークNMp0に所属させた場合の部分ネットワークNMp1との交流トラヒックQ1,Q2,Q3、およびノードN3,N4を部分ネットワークNMp1に所属させた場合の部分ネットワークNMp0との交流トラヒックQ4,Q5が、それぞれ算出される。
【0026】
ステップS303では、前記各交流トラヒックQ1,Q2,Q3,Q4,Q5が比較され、交流トラヒックが最大となるノードの所属先が、その隣接ノードと同じに決定される。ここでは、ノードN4と部分ネットワークNMp0との交流トラヒックQ5が最大値を示したものとし、図9に示したように、ノードN4の所属先が部分ネットワークNMp1に決定されたものとして説明を続ける。
【0027】
図3へ戻り、ステップS4では、ネットワークNW上の全てのノードについて、その所属先のネットワークの決定が完了したか否かが判定される。ここでも、未だ完了していないと判定されるのでステップS3へ戻り、上記の各処理が繰り返される。
【0028】
すなわち、図10に示したように、部分ネットワークNMp0への所属が決定しているノードNa,N1を隣接ノードとする全ての未所属ノードN2,N5,N6、および部分ネットワークNMp1への所属が決定しているノードNb,N4に隣接する全ての未所属ノードN3,N7,N8の中から、交流トラヒックが最大となる未所属ノードの所属先が、その隣接ノードと同じ部分ネットワークに決定される。
【0029】
なお、前記ステップS3において、図11に一例を示したように、一方側の部分ネットワークNMp0に所属するノードNdを隣接ノードとするノードN12が、他方側の部分ネットワークNMp1に所属するノードNeをも隣接ノードとする場合は、以下のようにして所属先の部分ネットワークが決定される。
【0030】
本実施形態では、当該時点において、部分ネットワークNMp0への所属が決定しているノードNc,Ndを隣接ノードとする未所属ノードN11,N12と部分ネットワークNMp1との交流トラヒックQ1,Q3、部分ネットワークNMp1への所属が決定しているノードNe,Nfを隣接ノードとする未所属ノードN12,N13と部分ネットワークNMp0との交流トラヒックQ4,Q2が比較される。
【0031】
そして、例えばノードN12と部分ネットワークNMp1との交流トラヒックQ3が最大値を示せば、当該注目ノードN12の所属ネットワークが部分ネットワークNMp0に決定される。また、ノードN12と部分ネットワークNMp0との交流トラヒックQ4が最大値を示せば、当該ノードN12の所属ネットワークが部分ネットワークNMp1に決定される。
【0032】
図3へ戻り、以上のようにして、ネットワークNW上の全てのノードの所属先が部分ネットワークNMp0,NMp1のいずれかに決定されるとステップS5へ進み、所属先ネットワークの見直しが実施される。
【0033】
ここでは、図12(a)に一例を示したように、一方側の部分ネットワークNMp0に所属するノードNcと他方側の部分ネットワークNMp1に所属するノードNdとが隣接関係にあるとき、同図(b)に示したように、ノードNdの所属先を一方側の部分ネットワークNMp0に変更することにより部分ネットワーク間の交流トラヒックが増加するならば、前記ノードNdの所属先が一方側の部分ネットワークNMp0に変更される。
【0034】
同様に、同図(c)に示したように、ノードNcの所属先を他方側の部分ネットワークNMp1に変更することにより、部分ネットワーク間の交流トラヒックが増加するならば、前記ノードNcの所属先が他方側の部分ネットワークNMp1に変更される。本実施形態では、このような所属ネットワークの見直しが、互いに異なる部分ネットワークに所属して隣接関係にある全てのノードペアに対して行われる。
【0035】
ただし、図13(a)に一例を示したように、ノードペアNc,Ndは、互いに異なる部分ネットワークに所属して隣接関係にあるものの、同図(b)に示したように、ノードNdの所属先を部分ネットワークNWp0に変更してしまうと、ノードNfは、自身が所属する部分ネットワークNWp1内に隣接ノードを持てなくなって孤立し、部分ネットワークNWp1内の他のノードと通信する際でも、必ず他の部分ネットワークNWp0を中継しなければならなくなってしまう。すなわち、ノードNfは実質的に部分ネットワークNWp1を構成できなくなる。
【0036】
このような場合、本実施形態では同図(c)に示したように、ノードNdと共に前記孤立ノードNfも同時に、その所属先を部分ネットワークNWp0に変更することにより、ネットワーク内でのノードの孤立化を防止するようにしている。
【0037】
ただし、このように複数ノードNd,Nfの所属ネットワークを同時に変更する処理は、ノードNd,Nfが変更前の部分ネットワークNWp1に所属しているときの部分ネットワークNWp0との交流トラヒックよりも、部分ネットワークNWp0に所属させたときの部分ネットワークNWp1との交流トラヒックの方が増加する場合に限定され、それ以外の場合には、ノードペアNc,Ndに関する所属先の見直しは見送られる。
【0038】
図3へ戻り、ステップS6では、ネットワークNWが予定の部分ネットワーク数まで分割されたか否かが判定される。分割数が不足していればステップS1へ戻り、各部分ネットワークNWp0,NWp1を新たに分割対象と見なし、分割数が予定数に達するまで上記の2分割処理が繰り返される。
【0039】
なお、上記の実施形態では、部分ネットワーク間の交流トラヒックが最大化されるように各ネットワークノードの所属先を順次に決定することでネットワークが分割されたが、本発明はこれのみに限定されるものではなく、部分ネットワーク間の交流トラヒックが最小化されるように各ネットワークノードの所属先を順次に決定することでネットワークが分割されるようにしても良い。
【0040】
図14,15は、ネットワークNWを部分ネットワーク間の交流トラヒックが最小化されるように分割する第2実施形態の手順を示したフローチャートであり、ステップS1aでは、分割対象のネットワークNWの中から、交流トラヒックが最小となるノードペア[Na,Nb]が抽出される。
【0041】
ステップS2では、一方のノードペアNaが一方側の部分ネットワークNMp0に所属する中心ノードに設定され、他方のノードペアNbが他方側の部分ネットワークNMp1に所属する中心ノードに設定される。ステップS3aでは、ネットワーク上の全てのノードについて、その所属ネットワークが、部分ネットワーク間の交流トラヒックが最小化されるように、前記2つの部分ネットワークNMp0,NMp1のいずれかに順次に決定される。
【0042】
ステップS4では、ネットワークNW上の全てのノードについて、その所属先の部分ネットワークの決定が完了したか否かが判定され、完了するまではステップS3へ戻って上記の各処理が繰り返される。
【0043】
ネットワークNW上の全てのノードの所属先が部分ネットワークNMp0,NMp1のいずれかに決定されるとステップS5aへ進み、所属先ネットワークの見直しが、部分ネットワーク間の交流トラヒックが最小化するように実施される。ステップS6では、ネットワークNWが予定の部分ネットワーク数まで分割されたか否かが判定される。分割数が不足していればステップS1aへ戻り、各部分ネットワークNWp0,NWp1を新たに分割対象と見なし、分割数が予定数に達するまで上記の2分割処理が繰り返される。
【0044】
なお、前記図11を参照して説明したように、一方側の部分ネットワークNMp0に所属するノードNdを隣接ノードとするノードN12が、他方側の部分ネットワークNMp1に所属するノードNeをも隣接ノードとする場合は、例えばノードN12と部分ネットワークNMp1との交流トラヒックQ3が最小値を示せば、当該注目ノードN12の所属ネットワークが部分ネットワークNMp0に決定される。また、ノードN12と部分ネットワークNMp0との交流トラヒックQ4が最小値を示せば、当該ノードN12の所属ネットワークが部分ネットワークNMp1に決定される。
【0045】
同様に、前記図12を参照して説明したように、一方側の部分ネットワークNMp0に所属するノードNcと他方側の部分ネットワークNMp1に所属するノードNdとが隣接関係にあるとき、同図(b)に示したように、ノードNdの所属先を一方側の部分ネットワークNMp0に変更することにより部分ネットワーク間の交流トラヒックが減少するならば、前記ノードNdの所属先が一方側の部分ネットワークNMp0に変更される。
【0046】
同様に、同図(c)に示したように、ノードNcの所属先を他方側の部分ネットワークNMp1に変更することにより、部分ネットワーク間の交流トラヒックが減少するならば、前記ノードNcの所属先が他方側の部分ネットワークNMp1に変更される。
【0047】
ただし、図13(b)に示したように、ノードNdの所属先を部分ネットワークNWp0に変更してしまうと、ノードNfは、自身が所属する部分ネットワークNWp1内に隣接ノードを持てなくなって孤立する場合は、同図(c)に示したように、ノードNdと共に前記孤立ノードNfも同時に、その所属先を部分ネットワークNWp0に変更することにより、ネットワーク内でのノードの孤立化を防止するようにしている。
【0048】
ただし、このように複数ノードNd,Nfの所属ネットワークを同時に変更する処理は、ノードNd,Nfが変更前の部分ネットワークNWp1に所属しているときの部分ネットワークNWp0との交流トラヒックよりも、部分ネットワークNWp0に所属させたときの部分ネットワークNWp1との交流トラヒックの方が減少する場合に限定され、それ以外の場合には、ノードペアNc,Ndに関する所属先の見直しは見送られる。
【0049】
上記の各実施形態に係るネットワーク分割方法および装置は、前記各フローチャートで説明した処理をコンピュータが実行可能な言語で記述されたプログラムとしても実現できる。このようなネットワーク分割プログラムは、光学式の記録媒体を介して、または有線、無線のネットワークを介してコンピュータの記憶領域にインストールし、これをCPUが順次に読み取ることで実行される。
【符号の説明】
【0050】
1…入力インターフェース,2…交流トラヒック算出部,3…ネットワーク分割部
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ネットワークを複数の部分ネットワークに分割するネットワーク分割方法において、
分割対象のネットワークにおいて、交流トラヒックが最大となるノードペアの一方を一方側の部分ネットワークに所属させ、ノードペアの他方を他方側の部分ネットワークに所属させる第1ステップと、
前記一方側の部分ネットワークへの所属が決まっているノードを隣接ノードとする未所属ノードと他方側の部分ネットワークとの交流トラヒック、および前記他方側の部分ネットワークへの所属が決まっているノードを隣接ノードとする未所属ノードと一方側の部分ネットワークとの交流トラヒックを比較し、交流トラヒックが最大となる未所属ノードを、その隣接ノードと同じ部分ネットワークに所属させる第2ステップと、
ネットワーク上の全てのノードの所属が確定するまで、前記第2ステップを繰り返させる第3ステップと、
前記ネットワークが予定数の部分ネットワークに分割されるまで、前記各部分ネットワークを分割対象のネットワークと見なして前記第1ないし第3ステップを繰り返させる第4ステップとを含むことを特徴とするネットワーク分割方法。
【請求項2】
前記第2ステップでは、前記一方側の部分ネットワークへの所属が決まっているノードおよび他方側の部分ネットワークへの所属が決まっているノードの双方に隣接する未所属ノードを、他方側の部分ネットワークとの交流トラヒックが最大となれば一方側の部分ネットワークに所属させ、一方側の部分ネットワークとの交流トラヒックが最大となれば他方側の部分ネットワークに所属させることを特徴とする請求項1に記載のネットワーク分割方法。
【請求項3】
前記第2ステップにおいて、一方側の部分ネットワークへの所属が決まっているノードを隣接ノードとする未所属ノードの中で、他方側の部分ネットワークとの交流トラヒックが最大となる未所属ノードが複数検出されると、当該複数の未所属ノードの中で、他の未所属ノードとの交流トラヒックの総和が最大となる未所属ノードを前記一方側の部分ネットワークに所属させることを特徴とする請求項1または2に記載のネットワーク分割方法。
【請求項4】
相互に隣接し、所属する部分ネットワークが互いに異なるノードペアについて、その一方が所属する部分ネットワークを変更することにより部分ネットワーク間の交流トラヒックが増加する場合、前記ノードペアの一方が所属する部分ネットワークを変更する第5ステップをさらに含むことを特徴とする請求項1ないし3のいずれかに記載のネットワーク分割方法。
【請求項5】
前記第5ステップでは、前記ノードペアの一方が所属する部分ネットワークを変更することにより、所属変更前の部分ネットワークにおいて、当該ネットワーク内に隣接ノードが存在しなくなる孤立ノードが発生する場合には、前記孤立ノードの所属する部分ネットワークも同時に変更されることを特徴とする請求項4に記載のネットワーク分割方法。
【請求項6】
前記所属する部分ネットワークを同時に変更されるノードペアの一方および孤立ノードについて、部分ネットワークの変更後における変更前の部分ネットワークとの交流トラヒックの総和が、変更前における変更後の部分ネットワークとの交流トラヒックの総和を下回ると、前記部分ネットワークの所属変更が行われないことを特徴とする請求項5に記載のネットワーク分割方法。
【請求項7】
ネットワークを複数の部分ネットワークに分割するネットワーク分割方法において、
分割対象のネットワークにおいて、交流トラヒックが最小となるノードペアの一方を一方側の部分ネットワークに所属させ、ノードペアの他方を他方側の部分ネットワークに所属させる第1ステップと、
前記一方側の部分ネットワークへの所属が決まっているノードを隣接ノードとする未所属ノードと他方側の部分ネットワークとの交流トラヒック、および前記他方側の部分ネットワークへの所属が決まっているノードを隣接ノードとする未所属ノードと一方側の部分ネットワークとの交流トラヒックを比較し、交流トラヒックが最小となる未所属ノードを、その隣接ノードと同じ部分ネットワークに所属させる第2ステップと、
ネットワーク上の全てのノードの所属が確定するまで、前記第2ステップを繰り返させる第3ステップと、
前記ネットワークが予定数の部分ネットワークに分割されるまで、前記各部分ネットワークを分割対象のネットワークと見なして前記第1ないし第3ステップを繰り返させる第4ステップとを含むことを特徴とするネットワーク分割方法。
【請求項8】
前記第2ステップでは、前記一方側の部分ネットワークへの所属が決まっているノードおよび他方側の部分ネットワークへの所属が決まっているノードの双方に隣接する未所属ノードを、他方側の部分ネットワークとの交流トラヒックが最小となれば一方側の部分ネットワークに所属させ、一方側の部分ネットワークとの交流トラヒックが最小となれば他方側の部分ネットワークに所属させることを特徴とする請求項7に記載のネットワーク分割方法。
【請求項9】
前記第2ステップにおいて、一方側の部分ネットワークへの所属が決まっているノードを隣接ノードとする未所属ノードの中で、他方側の部分ネットワークとの交流トラヒックが最小となる未所属ノードが複数検出されると、当該複数の未所属ノードの中で、他の未所属ノードとの交流トラヒックの総和が最小となる未所属ノードを前記一方側の部分ネットワークに所属させることを特徴とする請求項7または8に記載のネットワーク分割方法。
【請求項10】
相互に隣接し、所属する部分ネットワークが互いに異なるノードペアについて、その一方が所属する部分ネットワークを変更することにより部分ネットワーク間の交流トラヒックが減少する場合、前記ノードペアの一方が所属する部分ネットワークを変更する第5ステップをさらに含むことを特徴とする請求項7ないし9のいずれかに記載のネットワーク分割方法。
【請求項11】
前記第5ステップでは、前記ノードペアの一方が所属する部分ネットワークを変更することにより、所属変更前の部分ネットワークにおいて、当該ネットワーク内に隣接ノードが存在しなくなる孤立ノードが発生する場合には、前記孤立ノードの所属する部分ネットワークも同時に変更されることを特徴とする請求項10に記載のネットワーク分割方法。
【請求項12】
前記所属する部分ネットワークを同時に変更されるノードペアの一方および孤立ノードについて、部分ネットワークの変更後における変更前の部分ネットワークとの交流トラヒックの総和が、変更前における変更後の部分ネットワークとの交流トラヒックの総和を上回ると、前記部分ネットワークの所属変更が行われないことを特徴とする請求項11に記載のネットワーク分割方法。
【請求項13】
ネットワークを複数の部分ネットワークに分割するネットワーク分割プログラムにおいて、
分割対象のネットワークにおいて、交流トラヒックが最大となるノードペアの一方を一方側の部分ネットワークに所属させ、ノードペアの他方を他方側の部分ネットワークに所属させる第1ステップと、
前記一方側の部分ネットワークへの所属が決まっているノードを隣接ノードとする未所属ノードと他方側の部分ネットワークとの交流トラヒック、および前記他方側の部分ネットワークへの所属が決まっているノードを隣接ノードとする未所属ノードと一方側の部分ネットワークとの交流トラヒックを比較し、交流トラヒックが最大となる未所属ノードを、その隣接ノードと同じ部分ネットワークに所属させる第2ステップと、
ネットワーク上の全てのノードの所属が確定するまで、前記第2ステップを繰り返させる第3ステップと、
前記ネットワークが予定数の部分ネットワークに分割されるまで、前記各部分ネットワークを分割対象のネットワークと見なして前記第1ないし第3ステップを繰り返させる第4ステップとを、コンピュータに実行させるネットワーク分割プログラム。
【請求項14】
ネットワークを複数の部分ネットワークに分割するネットワーク分割プログラムにおいて、
分割対象のネットワークにおいて、交流トラヒックが最小となるノードペアの一方を一方側の部分ネットワークに所属させ、ノードペアの他方を他方側の部分ネットワークに所属させる第1ステップと、
前記一方側の部分ネットワークへの所属が決まっているノードを隣接ノードとする未所属ノードと他方側の部分ネットワークとの交流トラヒック、および前記他方側の部分ネットワークへの所属が決まっているノードを隣接ノードとする未所属ノードと一方側の部分ネットワークとの交流トラヒックを比較し、交流トラヒックが最小となる未所属ノードを、その隣接ノードと同じ部分ネットワークに所属させる第2ステップと、
ネットワーク上の全てのノードの所属が確定するまで、前記第2ステップを繰り返させる第3ステップと、
前記ネットワークが予定数の部分ネットワークに分割されるまで、前記各部分ネットワークを分割対象のネットワークと見なして前記第1ないし第3ステップを繰り返させる第4ステップとを、コンピュータに実行させるネットワーク分割プログラム。
【請求項15】
ネットワークを複数の部分ネットワークに分割するネットワーク分割装置において、
前記ネットワークのトポロジ情報および各ノード間のトラヒック量をネットワーク情報として取得する入力インターフェースと、
前記ネットワーク情報に基づいて、ネットワーク上の各ノードペア間の交流トラヒックを算出する交流トラヒック算出手段と、
前記交流トラヒックが最大となるノードペアの一方を一方側の部分ネットワークに所属させ、前記ノードペアの他方を他方側の部分ネットワークに所属させた後、ネットワーク上の他の各ノードを、部分ネットワーク間の交流トラヒックが最大となるように前記いずれかの部分ネットワークに順次に所属させることでネットワークを2分割するネットワーク分割手段とを具備し、
前記ネットワーク分割手段は、前記ネットワークが予定数の部分ネットワークに分割されるまで、各部分ネットワークに前記2分割を繰り返すことを特徴とするネットワーク分割装置。
【請求項16】
ネットワークを複数の部分ネットワークに分割するネットワーク分割装置において、
前記ネットワークのトポロジ情報および各ノード間のトラヒック量をネットワーク情報として取得する入力インターフェースと、
前記ネットワーク情報に基づいて、ネットワーク上の各ノードペア間の交流トラヒックを算出する交流トラヒック算出手段と、
前記交流トラヒックが最小となるノードペアの一方を一方側の部分ネットワークに所属させ、前記ノードペアの他方を他方側の部分ネットワークに所属させた後、ネットワーク上の他の各ノードを、部分ネットワーク間の交流トラヒックが最小となるように前記いずれかの部分ネットワークに順次に所属させることでネットワークを2分割するネットワーク分割手段とを具備し、
前記ネットワーク分割手段は、前記ネットワークが予定数の部分ネットワークに分割されるまで、各部分ネットワークに前記2分割を繰り返すことを特徴とするネットワーク分割装置。
【請求項1】
ネットワークを複数の部分ネットワークに分割するネットワーク分割方法において、
分割対象のネットワークにおいて、交流トラヒックが最大となるノードペアの一方を一方側の部分ネットワークに所属させ、ノードペアの他方を他方側の部分ネットワークに所属させる第1ステップと、
前記一方側の部分ネットワークへの所属が決まっているノードを隣接ノードとする未所属ノードと他方側の部分ネットワークとの交流トラヒック、および前記他方側の部分ネットワークへの所属が決まっているノードを隣接ノードとする未所属ノードと一方側の部分ネットワークとの交流トラヒックを比較し、交流トラヒックが最大となる未所属ノードを、その隣接ノードと同じ部分ネットワークに所属させる第2ステップと、
ネットワーク上の全てのノードの所属が確定するまで、前記第2ステップを繰り返させる第3ステップと、
前記ネットワークが予定数の部分ネットワークに分割されるまで、前記各部分ネットワークを分割対象のネットワークと見なして前記第1ないし第3ステップを繰り返させる第4ステップとを含むことを特徴とするネットワーク分割方法。
【請求項2】
前記第2ステップでは、前記一方側の部分ネットワークへの所属が決まっているノードおよび他方側の部分ネットワークへの所属が決まっているノードの双方に隣接する未所属ノードを、他方側の部分ネットワークとの交流トラヒックが最大となれば一方側の部分ネットワークに所属させ、一方側の部分ネットワークとの交流トラヒックが最大となれば他方側の部分ネットワークに所属させることを特徴とする請求項1に記載のネットワーク分割方法。
【請求項3】
前記第2ステップにおいて、一方側の部分ネットワークへの所属が決まっているノードを隣接ノードとする未所属ノードの中で、他方側の部分ネットワークとの交流トラヒックが最大となる未所属ノードが複数検出されると、当該複数の未所属ノードの中で、他の未所属ノードとの交流トラヒックの総和が最大となる未所属ノードを前記一方側の部分ネットワークに所属させることを特徴とする請求項1または2に記載のネットワーク分割方法。
【請求項4】
相互に隣接し、所属する部分ネットワークが互いに異なるノードペアについて、その一方が所属する部分ネットワークを変更することにより部分ネットワーク間の交流トラヒックが増加する場合、前記ノードペアの一方が所属する部分ネットワークを変更する第5ステップをさらに含むことを特徴とする請求項1ないし3のいずれかに記載のネットワーク分割方法。
【請求項5】
前記第5ステップでは、前記ノードペアの一方が所属する部分ネットワークを変更することにより、所属変更前の部分ネットワークにおいて、当該ネットワーク内に隣接ノードが存在しなくなる孤立ノードが発生する場合には、前記孤立ノードの所属する部分ネットワークも同時に変更されることを特徴とする請求項4に記載のネットワーク分割方法。
【請求項6】
前記所属する部分ネットワークを同時に変更されるノードペアの一方および孤立ノードについて、部分ネットワークの変更後における変更前の部分ネットワークとの交流トラヒックの総和が、変更前における変更後の部分ネットワークとの交流トラヒックの総和を下回ると、前記部分ネットワークの所属変更が行われないことを特徴とする請求項5に記載のネットワーク分割方法。
【請求項7】
ネットワークを複数の部分ネットワークに分割するネットワーク分割方法において、
分割対象のネットワークにおいて、交流トラヒックが最小となるノードペアの一方を一方側の部分ネットワークに所属させ、ノードペアの他方を他方側の部分ネットワークに所属させる第1ステップと、
前記一方側の部分ネットワークへの所属が決まっているノードを隣接ノードとする未所属ノードと他方側の部分ネットワークとの交流トラヒック、および前記他方側の部分ネットワークへの所属が決まっているノードを隣接ノードとする未所属ノードと一方側の部分ネットワークとの交流トラヒックを比較し、交流トラヒックが最小となる未所属ノードを、その隣接ノードと同じ部分ネットワークに所属させる第2ステップと、
ネットワーク上の全てのノードの所属が確定するまで、前記第2ステップを繰り返させる第3ステップと、
前記ネットワークが予定数の部分ネットワークに分割されるまで、前記各部分ネットワークを分割対象のネットワークと見なして前記第1ないし第3ステップを繰り返させる第4ステップとを含むことを特徴とするネットワーク分割方法。
【請求項8】
前記第2ステップでは、前記一方側の部分ネットワークへの所属が決まっているノードおよび他方側の部分ネットワークへの所属が決まっているノードの双方に隣接する未所属ノードを、他方側の部分ネットワークとの交流トラヒックが最小となれば一方側の部分ネットワークに所属させ、一方側の部分ネットワークとの交流トラヒックが最小となれば他方側の部分ネットワークに所属させることを特徴とする請求項7に記載のネットワーク分割方法。
【請求項9】
前記第2ステップにおいて、一方側の部分ネットワークへの所属が決まっているノードを隣接ノードとする未所属ノードの中で、他方側の部分ネットワークとの交流トラヒックが最小となる未所属ノードが複数検出されると、当該複数の未所属ノードの中で、他の未所属ノードとの交流トラヒックの総和が最小となる未所属ノードを前記一方側の部分ネットワークに所属させることを特徴とする請求項7または8に記載のネットワーク分割方法。
【請求項10】
相互に隣接し、所属する部分ネットワークが互いに異なるノードペアについて、その一方が所属する部分ネットワークを変更することにより部分ネットワーク間の交流トラヒックが減少する場合、前記ノードペアの一方が所属する部分ネットワークを変更する第5ステップをさらに含むことを特徴とする請求項7ないし9のいずれかに記載のネットワーク分割方法。
【請求項11】
前記第5ステップでは、前記ノードペアの一方が所属する部分ネットワークを変更することにより、所属変更前の部分ネットワークにおいて、当該ネットワーク内に隣接ノードが存在しなくなる孤立ノードが発生する場合には、前記孤立ノードの所属する部分ネットワークも同時に変更されることを特徴とする請求項10に記載のネットワーク分割方法。
【請求項12】
前記所属する部分ネットワークを同時に変更されるノードペアの一方および孤立ノードについて、部分ネットワークの変更後における変更前の部分ネットワークとの交流トラヒックの総和が、変更前における変更後の部分ネットワークとの交流トラヒックの総和を上回ると、前記部分ネットワークの所属変更が行われないことを特徴とする請求項11に記載のネットワーク分割方法。
【請求項13】
ネットワークを複数の部分ネットワークに分割するネットワーク分割プログラムにおいて、
分割対象のネットワークにおいて、交流トラヒックが最大となるノードペアの一方を一方側の部分ネットワークに所属させ、ノードペアの他方を他方側の部分ネットワークに所属させる第1ステップと、
前記一方側の部分ネットワークへの所属が決まっているノードを隣接ノードとする未所属ノードと他方側の部分ネットワークとの交流トラヒック、および前記他方側の部分ネットワークへの所属が決まっているノードを隣接ノードとする未所属ノードと一方側の部分ネットワークとの交流トラヒックを比較し、交流トラヒックが最大となる未所属ノードを、その隣接ノードと同じ部分ネットワークに所属させる第2ステップと、
ネットワーク上の全てのノードの所属が確定するまで、前記第2ステップを繰り返させる第3ステップと、
前記ネットワークが予定数の部分ネットワークに分割されるまで、前記各部分ネットワークを分割対象のネットワークと見なして前記第1ないし第3ステップを繰り返させる第4ステップとを、コンピュータに実行させるネットワーク分割プログラム。
【請求項14】
ネットワークを複数の部分ネットワークに分割するネットワーク分割プログラムにおいて、
分割対象のネットワークにおいて、交流トラヒックが最小となるノードペアの一方を一方側の部分ネットワークに所属させ、ノードペアの他方を他方側の部分ネットワークに所属させる第1ステップと、
前記一方側の部分ネットワークへの所属が決まっているノードを隣接ノードとする未所属ノードと他方側の部分ネットワークとの交流トラヒック、および前記他方側の部分ネットワークへの所属が決まっているノードを隣接ノードとする未所属ノードと一方側の部分ネットワークとの交流トラヒックを比較し、交流トラヒックが最小となる未所属ノードを、その隣接ノードと同じ部分ネットワークに所属させる第2ステップと、
ネットワーク上の全てのノードの所属が確定するまで、前記第2ステップを繰り返させる第3ステップと、
前記ネットワークが予定数の部分ネットワークに分割されるまで、前記各部分ネットワークを分割対象のネットワークと見なして前記第1ないし第3ステップを繰り返させる第4ステップとを、コンピュータに実行させるネットワーク分割プログラム。
【請求項15】
ネットワークを複数の部分ネットワークに分割するネットワーク分割装置において、
前記ネットワークのトポロジ情報および各ノード間のトラヒック量をネットワーク情報として取得する入力インターフェースと、
前記ネットワーク情報に基づいて、ネットワーク上の各ノードペア間の交流トラヒックを算出する交流トラヒック算出手段と、
前記交流トラヒックが最大となるノードペアの一方を一方側の部分ネットワークに所属させ、前記ノードペアの他方を他方側の部分ネットワークに所属させた後、ネットワーク上の他の各ノードを、部分ネットワーク間の交流トラヒックが最大となるように前記いずれかの部分ネットワークに順次に所属させることでネットワークを2分割するネットワーク分割手段とを具備し、
前記ネットワーク分割手段は、前記ネットワークが予定数の部分ネットワークに分割されるまで、各部分ネットワークに前記2分割を繰り返すことを特徴とするネットワーク分割装置。
【請求項16】
ネットワークを複数の部分ネットワークに分割するネットワーク分割装置において、
前記ネットワークのトポロジ情報および各ノード間のトラヒック量をネットワーク情報として取得する入力インターフェースと、
前記ネットワーク情報に基づいて、ネットワーク上の各ノードペア間の交流トラヒックを算出する交流トラヒック算出手段と、
前記交流トラヒックが最小となるノードペアの一方を一方側の部分ネットワークに所属させ、前記ノードペアの他方を他方側の部分ネットワークに所属させた後、ネットワーク上の他の各ノードを、部分ネットワーク間の交流トラヒックが最小となるように前記いずれかの部分ネットワークに順次に所属させることでネットワークを2分割するネットワーク分割手段とを具備し、
前記ネットワーク分割手段は、前記ネットワークが予定数の部分ネットワークに分割されるまで、各部分ネットワークに前記2分割を繰り返すことを特徴とするネットワーク分割装置。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【公開番号】特開2012−244575(P2012−244575A)
【公開日】平成24年12月10日(2012.12.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−115756(P2011−115756)
【出願日】平成23年5月24日(2011.5.24)
【出願人】(000208891)KDDI株式会社 (2,700)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成24年12月10日(2012.12.10)
【国際特許分類】
【出願日】平成23年5月24日(2011.5.24)
【出願人】(000208891)KDDI株式会社 (2,700)
【Fターム(参考)】
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