説明

ネットワーク制御装置、表示装置及びネットワーク制御方法

【課題】操作対象装置を操作できるようになるまでの待機時間をより少なくすることを目的とする。
【解決手段】ネットワーク制御装置100は、操作対象装置を操作するためのユーザインタフェースの画像データを含む画面制御情報を記憶する画面制御情報記憶部113と、ネットワークとの間で情報を送受信する第1通信部122及び第2通信部123と、画像データを、第1通信部122又は第2通信部123を介して、表示装置に送信する処理、表示装置から、画像データに基づくユーザインタフェースにおいて発生したイベントを受信する処理、及び、受信されたイベントを操作対象装置に転送する処理、を行う転送処理部119と、を備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ネットワークを介して操作対象装置を制御するネットワーク制御装置、表示装置及びネットワーク制御方法に関する。
【背景技術】
【0002】
デジタル放送受信装置の普及に伴い、家庭での映像記録もデジタル化が進み、HDD(Hard Disk Drive)レコーダ及びDVD(Digital Versatile Disc)レコーダ等の映像記録再生装置を、デジタル放送受信装置とネットワークで相互に接続し、デジタル映像信号の送受、記録及び再生等を行うシステムを容易に構築できるようになっている。
【0003】
デジタル放送受信装置では、従来のアナログ放送受信装置に比べて、ソフトウェアによって制御されている部分が多くなるため、OS(Operating System)を導入するのが一般的である。このため、デジタル放送受信装置は、電源をONにした後、OSが起動し、ディスプレイが表示可能になるまでに、一定の時間を必要とする。このことは映像記録再生装置にもあてはまり、OSが立ち上がり、操作可能となるまでには、待ち時間が発生する。
【0004】
特許文献1に記載された記録再生装置は、消費電力の少ない低消費電力モードの他、ハードディスクドライブへの電力供給を行ったまま待機するクイック起動モードを備えることで、ユーザがこの装置を操作することができるようになるまでの時間を短縮している。
また、特許文献2に記載された放送受信装置も、省電力なモードであるスタンバイモードと、スタンバイモードよりも電力の供給される要素が多いクイック起動モードを備えることで、ユーザがこの装置を操作することができるようになるまでの時間を短縮している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2007−115295号公報
【特許文献2】特開2009−088737号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、特許文献1及び2に記載された技術でも、クイック起動モードから装置の起動が完了するまでは、待ち時間となる。また、クイック起動モードよりも省電力なモードから復帰する際、及び、電源がOFFからONにされた際には、ユーザが装置を操作することができるようになるまでに長い待機時間が発生する。
【0007】
そこで、本発明は、操作対象装置を操作できるようになるまでの待機時間をより少なくすることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の一態様に係るネットワーク制御装置は、操作対象装置を操作するためのユーザインタフェースの画像データを含む画面制御情報を記憶する画面制御情報記憶部と、ネットワークとの間で情報を送受信する通信部と、前記画像データを、前記通信部を介して、前記ネットワークに接続された表示装置に送信する第1送信処理、前記表示装置から、前記画像データに基づくユーザインタフェースにおいて発生したイベントを受信する第1受信処理、及び、前記受信されたイベントを、前記通信部を介して、前記操作対象装置に転送する第1転送処理、を行う転送処理部と、を備えることを特徴とする。
【発明の効果】
【0009】
本発明の一態様によれば、操作対象装置を操作できるようになるまでの待機時間をより少なくすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【図1】実施の形態1に係るネットワークシステムの構成を概略的に示す概略構成図である。
【図2】実施の形態1におけるネットワーク制御装置の構成を概略的に示すブロック図である。
【図3】実施の形態1における放送受信装置の構成を概略的に示すブロック図である。
【図4】実施の形態1における映像記録再生装置の構成を概略的に示すブロック図である。
【図5】実施の形態1における遠隔操作装置の構成を概略的に示すブロック図である。
【図6】実施の形態1に係るネットワークシステムにおける処理の一例を示すシーケンス図である。
【図7】実施の形態1におけるネットワーク制御装置の処理を示すフローチャートである。
【図8】実施の形態2に係るネットワークシステムの構成を概略的に示す概略構成図である。
【図9】実施の形態2における放送受信装置の構成を概略的に示すブロック図である。
【図10】実施の形態2に係るネットワークシステムにおける処理の一例を示すシーケンス図である。
【図11】実施の形態2における放送受信装置の処理を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0011】
実施の形態1.
図1は、ネットワークシステム100の構成を概略的に示す概略構成図である。実施の形態1に係るネットワークシステム100は、ネットワーク制御装置110と、表示装置の一つとしての放送受信装置130と、操作対象装置としての映像記録再生装置150と、表示装置の一つとしての遠隔操作装置170とを備える。ネットワーク制御装置110、放送受信装置130及び映像記録再生装置150は、第1ネットワーク190に接続されている。ネットワーク制御装置110及び遠隔操作装置170は、第2ネットワーク191に接続されている。本実施の形態においては、第1ネットワーク190は、有線LAN(Local Area Network)であるが、これに限定されない。第2ネットワーク191は、無線LANであるが、これに限定されない。
【0012】
図2は、ネットワーク制御装置110の構成を概略的に示すブロック図である。ネットワーク制御装置110は、記憶部111と、制御部116と、第1通信部122と、第2通信部123と、内部バス124とを備える。
【0013】
記憶部111は、ネットワーク制御装置110での処理に必要な情報を記憶する。本実施の形態では、記憶部111は、フレーム記憶部112と、画面制御情報記憶部113と、一時情報記憶部114とを備える。
フレーム記憶部112は、ユーザインタフェースで用いられるビットマップデータを展開するメモリである。
画面制御情報記憶部113は、映像記録再生装置150を操作するためのユーザインタフェースの画像データであるビットマップデータ、当該ビットマップデータを用いて表示されたユーザインタフェースにおいて発生するイベント、及び、当該イベントに対応して遷移するユーザインタフェースの画像データを示す遷移情報を含む画面制御情報を記憶する。ここで、映像記録再生装置150を操作するためのユーザインタフェースは、映像記録再生装置150が、ユーザからの操作の入力を受け付けるために使用するユーザインタフェースと同じものであることが望ましい。
一時情報記憶部114は、制御部116が処理を行う際に一時的に必要な一時情報を記憶する。本実施の形態においては、例えば、映像記録再生装置150がユーザインタフェースを提供できない状態である間に入力されたイベントを時系列順に示すイベント発生情報が記憶される。
【0014】
制御部116は、装置状態監視部117と、装置管理部118と、転送処理部119と、受信処理部120とを備える。
装置状態監視部117は、第1ネットワーク190及び第2ネットワーク191に接続されている他の装置の状態を監視する。例えば、装置状態監視部117は、UPnP(Universal Plug and Play)等の規格に基づいて、特定のパケットを第1ネットワーク190に接続されている他の装置に送り、その応答を取得することにより、当該他の装置の状態を監視する。また、装置状態監視部117は、例えば、受信処理部120が、第1通信部122を介して、起動処理中であることを示すユーザインタフェースの画面データ等、起動処理中であることを示す情報を他の装置から取得した場合には、当該他の装置が起動処理中であると判断する。
【0015】
装置管理部118は、装置状態監視部117における監視結果に従って、映像記録再生装置150を管理する処理を行う。
例えば、装置管理部118は、映像記録再生装置150がユーザインタフェースを提供できない状態である場合には、転送処理部119に、画面制御情報記憶部113に記憶されている画面制御情報を用いて、映像記録再生装置150がユーザから指示の入力を受け付けるためのユーザインタフェースの画面データを生成させる。そして、装置管理部118は、転送処理部119に、この画面データを、放送受信装置130及び遠隔操作装置170の少なくとも何れか一方に送信する処理を行わせる。さらに、装置管理部118は、転送処理部119が第1通信部122又は第2通信部を介してイベントを取得した場合には、転送処理部119から、このイベントを受け取る。そして、装置管理部118は、受け取ったイベントを、時系列順に、イベント発生情報として一時情報記憶部114に記憶させる。そして、転送処理部119は、映像記録再生装置150の起動完了等、映像記録再生装置150がユーザインタフェースを提供することができる状態となった後に、イベント発生情報を参照して、受信処理部120に、時系列に従ってイベントを転送する処理を行わせる。
【0016】
また、装置管理部118は、映像記録再生装置150がユーザインタフェースを提供できる状態である場合には、受信処理部120が第1通信部122を介してユーザインタフェースの画面データを取得すると、この画面データを受信処理部120より受け取る。そして、装置管理部118は、転送処理部119に、第2通信部123を介して、受け取った画面データを遠隔操作装置170へ転送させる。装置管理部118は、転送処理部119が第2通信部を介してイベントを取得すると、このイベントを転送処理部119から受け取る。そして、装置管理部118は、受信処理部120に、第1通信部122を介して、このイベントを映像記録再生装置150へ転送させる。
【0017】
また、装置管理部118は、第1ネットワーク190に接続されている映像記録再生装置150の画面制御情報を取得する処理を行う。例えば、操作管理部118は、映像記録再生装置150が第1ネットワーク190に初めて接続された場合等に、この映像記録再生装置150から、映像記録再生装置150が用いるユーザインタフェースの画像データであるビットマップデータ、当該ビットマップデータを用いて表示されたユーザインタフェースにおいて発生するイベント、及び、当該イベントに対応して遷移する画面の画像データを示す遷移情報を取得し、これらを画面制御情報として画面制御情報記憶部113に記憶させる。このような画面制御情報を取得する処理は、ユーザの操作に従って行ってもよく、また、特定のコマンドを映像記録再生装置150に送ることにより、映像記録再生装置150からこれらの情報を取得して、画面制御情報としてもよい。さらに、装置管理部118は、映像記録再生装置150から送信される画面データ、放送受信装置130から送信されるイベント、及び、イベントが行われた後に映像記録再生装置150から送信される画面データを監視することで、画面制御情報を取得してもよい。
【0018】
転送処理部119は、装置管理部118からの指示に応じて、画面制御情報記憶部113に記憶されている画面制御情報を用いて、映像記録再生装置150がユーザから指示の入力を受け付けるためのユーザインタフェースの画面データを生成する。そして、転送処理部119は、生成された画面データを、第1通信部122及び第2通信部123の少なくとも何れか一方を介して、放送受信装置130及び遠隔操作装置170の少なくとも何れか一方に送信する処理を行う。
また、転送処理部119は、第1通信部122又は第2通信部123を介して、放送受信装置130又は遠隔操作装置170から、イベントを取得した場合には、取得されたイベントを装置管理部118に与える。また、転送処理部119は、画面制御情報を参照して、受け取ったイベントにより画面が遷移する場合には、遷移先の画面の画面データを生成し、第1通信部122又は第2通信部123を介して、放送受信装置130及び遠隔操作装置170の少なくとも何れか一方に送信する処理を行う。
【0019】
受信処理部120は、第1通信部122を介して、第1ネットワーク190に接続されている映像記録再生装置150から画面データを取得すると、取得された画面データを装置管理部118に与える。
また、受信処理部120は、装置管理部118からの指示に応じて、第1通信部122を介して、イベント発生情報を参照し、時系列に従ってイベントを送信する処理を行う。
【0020】
第1通信部122は、第1ネットワーク190との間で情報を送受信する。
第2通信部123は、第2ネットワーク191との間で情報を送受信する。
【0021】
以上に記載されたネットワーク制御装置110は、例えば、CPU(Central Processing Unit)と、半導体メモリ等の記憶装置と、通信ネットワークに接続するためのNIC(Network Interface Card)等の通信装置とを備えた組込みシステムで実現できる。
例えば、記憶部111は、CPUが記憶装置を利用することにより実現でき、制御部116は、記憶装置に記憶されている所定のプログラムをCPUで実行することで実現でき、第1通信部122及び第2通信部123は、CPUが通信装置を利用することで実現できる。
このように、ネットワーク制御装置110を組込みシステムで実現することにより、ネットワーク制御装置110は、大きな改造を施すことなく、組込み用CPU基板を利用することができる。このため、低消費電力の組込み用CPU基板を用いることにより、常に起動させていても、電力消費を最小限に抑えることができる。
なお、本実施の形態においては、制御部116の転送処理部119及び受信処理部120は、オープンソースソフトウェアとして公開されているVNC(Virtual Network Computing)のパッケージを用いることで、容易に実装可能である。ここで、転送処理部119は、VNCサーバに対応し、受信処理部120は、VNCクライアントに対応する。ここで、VNCについては、特開2005−284195号公報に詳述されている。
【0022】
図3は、放送受信装置130の構成を概略的に示すブロック図である。放送受信装置130は、放送信号処理部131と、出力部132と、入力部133と、記憶部134と、制御部138と、通信部142と、内部バス143とを備える。
【0023】
放送信号処理部131は、図示しないアンテナ等で受信された放送信号から、映像データ及び音声データを復調して、出力部132に与える。
出力部132は、ディスプレイ等の表示部と、スピーカ等の音声出力部とを備える。出力部132は、放送信号処理部131から与えられた映像データ及び音声データに基づいて、映像及び音声を出力する。また、出力部132は、制御部138からの制御に応じて、記憶部134に展開されているビットマップデータに基づいて、ユーザインタフェースの画面を表示する。
入力部133は、ユーザからの指示の入力を受け付ける。
【0024】
記憶部134は、放送受信装置130での処理に必要な情報を記憶する。本実施の形態では、記憶部134は、フレーム記憶部135を備える。フレーム記憶部135は、ユーザインタフェースで用いられるビットマップデータを展開するメモリである。
制御部138は、統括制御部139と、受信処理部140とを備える。
統括制御部139は、放送受信装置130での処理を統括的に制御する。
受信処理部140は、通信部142を介して、映像記録再生装置150又はネットワーク制御装置110から画面データを受け取ると、この画面データに含まれているビットマップデータをフレーム記憶部135に展開する。そして、受信処理部140は、出力部132に、フレーム記憶部135に展開されているビットマップデータを用いて、ユーザインタフェースを表示させる。そして、受信処理部140は、出力部132に表示されたユーザインタフェースにおいて、ユーザが入力部133を介して操作を行うことで、イベントが発生されると、発生されたイベントを、通信部142を介して、映像記録再生装置150及びネットワーク制御装置110の少なくとも何れか一方に送信する処理を行う。
通信部142は、第1ネットワーク190との間で情報を送受信する。
【0025】
以上に記載された放送受信装置130における、制御部138と、記憶部134と、通信部142とは、例えば、CPUと、半導体メモリ等の記憶装置と、通信ネットワークに接続するためのNIC等の通信装置とを備えた組込みシステムで実現できる。
例えば、記憶部134は、CPUが記憶装置を利用することにより実現でき、制御部138は、記憶装置に記憶されている所定のプログラムをCPUで実行することで実現でき、通信部142は、CPUが通信装置を利用することで実現できる。
なお、本実施の形態においては、制御部138の受信処理部120は、VNCのパッケージを用いることで、容易に実装可能である。受信処理部120は、VNCクライアントに対応する。
また、入力部133は、放送受信装置130に設けられた操作デバイス又はリモートコントローラにより実現することができる。
【0026】
図4は、映像記録再生装置150の構成を概略的に示すブロック図である。映像記録再生装置150は、映像処理部151と、出力IF部152と、記憶部153と、制御部154と、通信部158と、内部バス159とを備える。
【0027】
映像処理部151は、例えば、HDD、DVD及びBD(Blu−ray Disk)等の記録媒体から、映像データ及び音声データを読み出す。そして、映像処理部151は、制御部154の指示に応じて、読み出した映像データ及び音声データを、出力IF部152から出力し、又は、通信部158から送信する処理を行う。本実施の形態においては、映像データ及び音声データは、放送受信装置130に出力又は送信される。
【0028】
出力IF部152は、外部の装置に映像データ及び音声データを含む出力データを出力するためのインターフェースである。
記憶部153は、映像記録再生装置150での処理に必要な情報を記憶する。
制御部154は、統括制御部155と、転送処理部156とを備える。
統括制御部155は、映像記録再生装置での処理を統括的に制御する。
転送処理部156は、記憶部153に記憶されているビットマップデータ等の情報に基づいて、ユーザから指示の入力を受け付けるためのユーザインタフェースの画面データを生成する。そして、転送処理部156は、この画面データを、通信部158を介して、ネットワーク制御装置110及び放送受信装置130の少なくとも何れか一方に送信する処理を行う。
また、転送処理部156は、通信部158を介して、ネットワーク制御装置110又は放送受信装置130から、イベントを取得した場合には、取得されたイベントに応じた処理を行う。例えば、転送処理部156は、受信されたイベントにより画面が遷移する場合には、遷移先の画面の画面データを生成し、通信部158を介して、ネットワーク制御装置110及び放送受信装置130の少なくとも何れか一方に、この画面データを送信する処理を行う。また、転送処理部156は、例えば、取得されたイベントが、映像処理部151の制御を必要とする場合には、指示されたイベントを統括制御部155に与える。このようなイベントが与えられた統括制御部155は、与えられたイベントに対応する制御を実行する。
通信部158は、第1ネットワーク190との間で情報を送受信する。
【0029】
以上に記載された映像記録再生装置150における、制御部154と、記憶部153と、通信部158とは、例えば、CPUと、半導体メモリ等の記憶装置と、通信ネットワークに接続するためのNIC等の通信装置とを備えた組込みシステムで実現できる。
例えば、記憶部153は、CPUが記憶装置を利用することにより実現でき、制御部158は、記憶装置に記憶されている所定のプログラムをCPUで実行することで実現でき、通信部158は、CPUが通信装置を利用することで実現できる。
なお、本実施の形態においては、制御部154の転送処理部156は、VNCのパッケージを用いることで、容易に実装可能である。転送処理部156は、VNCサーバに対応する。
【0030】
図5は、遠隔操作装置170の構成を概略的に示すブロック図である。遠隔操作装置170は、表示部171と、入力部172と、記憶部173と、制御部176と、通信部180と、内部バス181とを備える。
【0031】
表示部171は、画面を表示する。
入力部172は、ユーザからの指示の入力を受け付ける。
記憶部173は、遠隔操作装置170での処理に必要な情報を記憶する。本実施の形態では、記憶部173は、フレーム記憶部174を備える。
フレーム記憶部174は、ユーザインタフェースで用いられるビットマップデータを展開するメモリである。
制御部176は、統括制御部177と、受信処理部178とを備える。
統括制御部177は、遠隔操作装置170での処理を統括的に制御する。
受信処理部178は、通信部180を介して、ネットワーク制御装置110から画面データを受け取ると、この画面データに含まれているビットマップデータをフレーム記憶部174に展開する。そして、受信処理部178は、表示部171に、フレーム記憶部174に展開されているビットマップデータを用いて、ユーザインタフェースを表示させる。そして、受信処理部178は、表示部171に表示されているユーザインタフェースにおいて、入力部172を介してイベントが発生されると、発生されたイベントを、通信部180を介して、ネットワーク制御装置110に送信する処理を行う。
通信部180は、第2ネットワーク191との間で情報を送受信する。
【0032】
以上に記載された遠隔操作装置170における、制御部176と、記憶部173と、通信部180とは、例えば、CPUと、半導体メモリ等の記憶装置と、通信ネットワークに接続するためのNIC等の通信装置とを備えた組込みシステムで実現できる。
例えば、記憶部173は、CPUが記憶装置を利用することにより実現でき、制御部176は、記憶装置に記憶されている所定のプログラムをCPUで実行することで実現でき、通信部180は、CPUが通信装置を利用することで実現できる。
なお、本実施の形態においては、制御部176の受信処理部178は、VNCのパッケージを用いることで、容易に実装可能である。受信処理部178は、VNCクライアントに対応する。
また、入力部172は、放送受信装置130に設けられた操作ボタン又は表示部171と一体に形成されたタッチパネル等により実現することができる。
なお、遠隔操作装置170は、専用のリモートコントロール装置であってもよく、また、スマートフォン又はタブレット等の携帯端末であってもよい。
【0033】
図6は、ネットワークシステム100における処理の一例を示すシーケンス図である。図6に示されているシーケンスでは、ネットワーク制御装置110、放送受信装置130、映像記録再生装置150及び遠隔操作装置170の全てが起動を完了し、処理を行うことができるようになっているものとする。
【0034】
映像記録再生装置150の転送処理部156は、記憶部153に記憶されているビットマップデータ等の情報に基づいて、ユーザから指示の入力を受け付けるためのユーザインタフェースの画面データを生成する(S10)。そして、転送処理部156は、通信部158を介して、生成された画面データを放送受信装置130及びネットワーク制御装置110に送信する処理を行う(S11a、S11b)。
【0035】
このような画面データを受信した放送受信装置130では、受信処理部140が、通信部142より画面データを受け取る。そして、受信処理部140は、この画面データに含まれているビットマップデータをフレーム記憶部135に展開する。受信処理部140は、出力部132に、フレーム記憶部135に展開されているビットマップデータを用いて、ユーザインタフェースを表示させる(S12)。
【0036】
また、映像記録再生装置150から画面データを受信したネットワーク制御装置110では、装置管理部118が、受信処理部120から画面データを受け取る。そして、装置管理部118は、転送処理部119に、受信された画面データを転送するように指示する。このような指示を受けた転送処理部119は、第2通信部123を介して、受信された画面データを遠隔操作装置170に転送する(S13)。
【0037】
画面データを受信した遠隔操作装置170では、受信処理部178が、通信部180より画面データを受け取る。そして、受信処理部178は、この画面データに含まれているビットマップデータをフレーム記憶部174に展開する。受信処理部178は、表示部171に、フレーム記憶部174に展開されているビットマップデータを用いて、ユーザインタフェースを表示させる(S14)。
遠隔操作装置170の入力部172が、表示部171に表示されたユーザインタフェースにおいて、入力部172を介してユーザが操作を行うことにより、イベントが発生すると(S15)、受信処理部178は、発生されたイベントを、通信部180を介して、ネットワーク制御装置110に送信する処理を行う(S16)。
【0038】
イベントを受信したネットワーク制御装置110では、装置管理部118が、転送処理部119からイベントを受け取る。そして、装置管理部118は、受信処理部120に、このイベントを転送するように指示する。このような指示を受けた受信処理部120は、第1通信部122を介して、このイベントを映像記録再生装置150へ転送する(S17)。
【0039】
このようなイベントを受信した映像記録再生装置150では、転送処理部156が、通信部158からイベントを受け取り、このイベントに対応する処理を実行する(S18)。
【0040】
以上に記載したシーケンスでは、ユーザが遠隔操作装置170を用いてイベントを発生させた場合を示したが、例えば、ユーザが放送受信装置130を用いてイベントを発生させてもよい。このような場合には、放送受信装置130の受信処理部140が、発生されたイベントを、通信部142を介して映像記録再生装置150に送信する処理を行う。
また、ネットワーク制御装置110の装置管理部118は、ステップS11bで受信される画面データ、ステップS16で受信されるイベント、及び、例えば、ステップS18で、イベントに応じて、映像記録再生装置150から遷移する画面の画面データが送られてきた場合には、この画面データを監視することで、映像記録再生装置150の画面制御情報を取得することができる。
【0041】
図7は、映像記録再生装置150がユーザインタフェースを提供することができない状態である場合におけるネットワーク制御装置110の処理を示すフローチャートである。図7では、映像記録再生装置150が起動処理中で、ユーザインタフェースを提供することができない状態であるものとする。
【0042】
ネットワーク制御装置110の装置状態監視部117は、映像記録再生装置150の状態を監視し、映像記録再生装置150が起動処理中であると判断した場合(ステップS20:Yes)には、装置管理部118は、ステップS21の処理に進む。
【0043】
ステップS21では、転送処理部119は、装置管理部118からの指示に応じて、映像記録再生装置150がユーザからの指示の入力を受け付けるためのユーザインタフェースの画面データを生成する(S21)。例えば、この画面データは、映像記録再生装置150の起動完了直後に、ユーザから指示の入力を受け付けるためのユーザインタフェースに対応する。
【0044】
転送処理部119は、ステップS21で生成された画面データを、第1通信部122及び第2通信部123の少なくとも何れか一方を用いて、放送受信装置130及び遠隔操作装置170の少なくとも何れか一方に送信する処理を行う(S22)。例えば、装置状態監視部117は、放送受信装置130の状態も監視しており、放送受信装置130の電源がOFFになっている場合には、転送処理部119は、この画面データを放送受信装置130に送信する処理を行わなくてもよい。また、例えば、装置状態監視部117が、遠隔操作装置170の状態も監視し、遠隔操作装置170の電源がOFFになっている場合には、転送処理部119は、この画面データを遠隔操作装置170に送信する処理を行わなくてもよい。
【0045】
装置管理部118は、転送処理部119が第1通信部122又は第2通信部123を介して、イベントを取得したか否かを確認する(S23)。そして、装置管理部118は、イベントが取得されていない場合(ステップS23:No)には、ステップS24の処理に進み、イベントが取得されている場合(ステップS23:Yes)には、ステップS25の処理に進む。
【0046】
ステップS24では、装置管理部118は、装置状態監視部117での監視結果を参照して、映像記録再生装置150が起動完了済みであるか否かを確認する。そして、装置管理部118は、起動完了済である場合(ステップS24:Yes)には、処理を終了し、起動完了済ではない場合(ステップS24:No)、言い換えると、起動処理中である場合には、ステップS23の処理に戻る。
【0047】
ステップS25では、装置管理部118は、ステップS23で受信されたイベントを、時系列順に、イベント発生情報として一時情報記憶部114に記憶させる。
【0048】
次に、装置管理部118は、装置状態監視部117での監視結果を参照して、映像記録再生装置150が起動完了済みであるか否かを確認する(S26)。そして、装置管理部118は、起動完了済である場合(ステップS26:Yes)には、ステップS27の処理に進み、起動完了済ではない場合(ステップS26:No)、言い換えると、起動処理中である場合には、ステップS23の処理に戻る。ここで、映像記録再生装置150は、起動が完了すると、ユーザインタフェースを提供することができる状態になる。
【0049】
ステップS27では、装置管理部118は、一時情報記憶部114に記憶されているイベント発生情報を参照して、受信処理部120に、第1通信部122を介して、時系列に従って、イベントを映像記録再生装置150へ送信する処理を行わせる。ここで、通常VNCでは、マウス及びキーボードイベントは、VNCサーバ側に送られ、VNCサーバ側で操作が実行されることになる。キーボードイベントについては、VNCビューワ側で押されたキーが、また、マウスイベントについては、押されたボタンとボタンが押された画面上の位置がVNCサーバに送られる。従って、時系列にイベントを記憶しておけば、記憶したイベントを、映像記録再生装置150の起動完了後に、ネットワーク制御装置110が映像記録再生装置150へ送ることにより、一連の操作が行われる。但し、イベントに対応して、ユーザインタフェースの画面を変更する必要があるため、状態遷移とビットマップデータとの対応関係を示す遷移情報が、画面制御情報に含まれている。
【0050】
以上のように、本実施の形態によれば、映像記録再生装置150がユーザインタフェースを提供することができない状態である場合でも、ネットワーク制御装置110が映像記録再生装置150ユーザインタフェースを提供することで、ユーザは、映像記録再生装置150の起動完了前に操作を行うことができる。また、このようなユーザインタフェースは、遠隔操作装置170にも送られるため、例えば、放送受信装置150の側に映像記録再生装置150が配置されていない場合でも、遠隔操作装置170の画面を見ながら、映像記録再生装置150の操作を行うことができる。
【0051】
実施の形態2.
図8は、実施の形態2に係るネットワークシステム200の構成を概略的に示す概略構成図である。実施の形態2に係るネットワークシステム200は、放送受信装置230と、映像記録再生装置150と、遠隔操作装置170とを備える。実施の形態2に係るネットワークシステム200は、放送受信装置230において、実施の形態1に係るネットワークシステム100と異なっている。
実施の形態1では、ネットワーク制御装置110が設けられているが、実施の形態2では、ネットワーク制御装置110が設けられていない。実施の形態1においてネットワーク制御装置110が行う処理は、実施の形態2では、放送受信装置230で行われる。
【0052】
図9は、放送受信装置230の構成を概略的に示すブロック図である。放送受信装置230は、放送信号処理部131と、出力部132と、入力部133と、記憶部234と、制御部238と、第1通信部240aと、第2通信部240bと、内部バス143とを備える。実施の形態2における放送受信装置230は、記憶部234及び制御部238の構成の点、並びに、第1通信部240a及び第2通信部240bが設けられている点において、実施の形態1における放送受信装置130と異なっている。
【0053】
記憶部234は、放送受信装置230での処理に必要な情報を記憶する。本実施の形態では、記憶部234は、フレーム記憶部235と、画面制御情報記憶部244と、一時情報記憶部245とを備える。
フレーム記憶部235は、ユーザインタフェースで用いられるビットマップデータを展開するメモリである。
画面制御情報記憶部244は、映像記録再生装置150のユーザインタフェースで用いられる画像データであるビットマップデータ、当該ビットマップデータを用いて表示されたユーザインタフェースにおいて発生するイベント、及び、当該イベントにより遷移する画像データを示す遷移情報を含む画面制御情報を記憶する。
一時情報記憶部245は、制御部238が処理を行う際に一時的に必要な一時情報を記憶する。本実施の形態においては、例えば、映像記録再生装置150がインターフェースを提供できない状態である間に発生されたイベントを時系列順に示すイベント発生情報が記憶される。
【0054】
制御部238は、統括制御部239と、装置状態監視部246と、装置管理部247と、転送処理部248と、受信処理部249とを備える。
統括制御部239は、放送受信装置230での処理を統括的に制御する。
装置状態監視部246は、第1ネットワーク190及び第2ネットワーク191に接続されている他の装置の状態を監視する。例えば、装置状態監視部246は、UPnP等の規格に基づいて、特定のパケットを他の装置に送り、その応答を取得することにより、他の装置の状態を監視する。また、装置状態監視部246は、例えば、受信処理部249が、第1通信部240aを介して、他の装置から、起動処理中であることを示すユーザインタフェースの画面データ等、起動処理中であることを示す情報を取得した場合には、他の装置が起動処理中であると判断する。
【0055】
装置管理部247は、装置状態監視部246における監視結果に従って、映像記録再生装置150を管理する処理を行う。
例えば、装置管理部247は、映像記録再生装置150がユーザインタフェースを提供できない状態である場合には、転送処理部248に、画面制御情報記憶部244に記憶されている画面制御情報を用いて、映像記録再生装置150がユーザから指示の入力を受け付けるためのユーザインタフェースの画面データを生成させる。そして、装置管理部247は、転送処理部248に、この画面データを遠隔操作装置170に送信する処理を行わせる。また、装置管理部247は、受信処理部249に、この画面データに含まれているビットマップデータをフレーム記憶部235に展開させ、このビットマップデータを用いて、ユーザインタフェースを出力部132に表示させる。さらに、装置管理部247は、転送処理部248又は受信処理部249から、ユーザインタフェースにおいて発生されたイベントを取得して、時系列順に、イベント発生情報として一時情報記憶部245に記憶させる。そして、転送処理部248は、映像記録再生装置150の起動完了後、イベント発生情報を参照して、受信処理部249に、時系列に従ってイベントを転送させる。
【0056】
また、装置管理部247は、映像記録再生装置150がユーザインタフェースを提供できる状態である場合には、受信処理部249が第1通信部240aを介してユーザインタフェースの画面データを取得すると、この画面データを受信処理部249より受け取る。そして、装置管理部247は、転送処理部248に、第2通信部240bを介して、受け取った画面データを遠隔操作装置170へ転送させる。また、装置管理部247は、受信処理部249に、この画面データに含まれているビットマップデータをフレーム記憶部235に展開させ、このビットマップデータを用いて、ユーザインタフェースを出力部132に表示させる。さらに、装置管理部247は、受信処理部249に、第1通信部240aを介して、ユーザインタフェースを介して入力されたイベントを映像記録再生装置150に送信する処理を行わせる。
【0057】
また、装置管理部247は、映像記録再生装置150の画面制御情報を取得する処理を行う。この処理は、実施の形態1における装置管理部118が行っている処理と同様である。
【0058】
転送処理部248は、装置管理部247からの指示に応じて、画面制御情報記憶部113に記憶されている画面制御情報を用いて、映像記録再生装置150の起動完了等、映像記録再生装置150がユーザインタフェースを提供することができる状態になった後にユーザから指示の入力を受け付けるためのユーザインタフェースの画面データを生成する。そして、転送処理部248は、装置管理部247からの指示に応じて、生成された画面データを、第2通信部240bを介して、遠隔操作装置170に送信する処理を行う。また、転送処理部248は、第2通信部240bを介して遠隔操作装置170からイベントを取得した場合には、取得されたイベントを装置管理部247に与える。さらに、転送処理部248は、装置管理部247からの指示に応じて、画面制御情報を参照して、遷移先の画面の画面データを生成する。そして、転送処理部248は、転送処理部248の指示に応じて、第2通信部240bを介して、この画面データを遠隔操作装置170に送信する処理を行う。
【0059】
受信処理部249は、第1通信部240aを介して、映像記録再生装置150から画面データを受け取ると、この画面データを装置管理部247に与えるとともに、この画面データに含まれているビットマップデータをフレーム記憶部235に展開する。そして、受信処理部249は、出力部132に、フレーム記憶部235に展開されているビットマップデータを用いて、ユーザインタフェースを表示させる。そして、受信処理部249は、出力部132に表示されているユーザインタフェースにおいて、入力部133を介してユーザが操作を行うことにより、イベントが発生されると、発生されたイベントを、第1通信部240aを介して、映像記録再生装置150に送信する処理を行う。また、受信処理部249は、装置管理部247からの指示に応じて、装置管理部247から与えられたイベントを、第1通信部240aを介して、映像記録再生装置150に送信する処理を行う。
【0060】
第1通信部240aは、第1ネットワーク190との間で情報を送受信する。
第2通信部240bは、第2ネットワーク191との間で情報を送受信する。
【0061】
図10は、ネットワークシステム200における処理の一例を示すシーケンス図である。図10に示されているシーケンスでは、放送受信装置230、映像記録再生装置150及び遠隔操作装置170の全てが起動を完了し、処理を行うことができるようになっているものとする。
【0062】
映像記録再生装置150の転送処理部156は、記憶部153に記憶されているビットマップデータ等の情報に基づいて、ユーザから指示の入力を受け付けるためのユーザインタフェースの画面データを生成する(S30)。そして、転送処理部156は、通信部158を介して、生成された画面データを放送受信装置230に送信する処理を行う(S31)。
【0063】
このような画面データを受信した放送受信装置230では、受信処理部249が、第1通信部240aより画面データを受け取る。そして、受信処理部249は、この画面データを装置管理部247に与えるとともに、この画面データに含まれているビットマップデータをフレーム記憶部235に展開する。次に、受信処理部249は、フレーム記憶部235に展開されているビットマップデータを用いて、ユーザインタフェースを出力部132に表示させる(S32)。
【0064】
また、放送受信装置230の装置管理部247は、転送処理部248に、受信処理部249から受け取った画面データを転送するように指示する。このような指示を受けた転送処理部248は、第2通信部240bを介して、この画面データを遠隔操作装置170へ転送する(S33)。
【0065】
画面データを受信した遠隔操作装置170では、受信処理部178が、通信部180より画面データを受け取る。そして、受信処理部178は、この画面データに含まれているビットマップデータをフレーム記憶部174に展開する。受信処理部178は、表示部171に、フレーム記憶部174に展開されているビットマップデータを用いて、ユーザインタフェースを表示させる(S34)。
遠隔操作装置170の入力部172が、表示部171に表示されたユーザインタフェースにおいて、ユーザの操作を受け付けると(S35)、受信処理部178は、操作により発生されたイベントを、通信部180を介してネットワーク制御装置110へ送信する処理を行う(S36)。
【0066】
イベントを受信した放送受信装置230では、装置管理部247が、転送処理部248からイベントを受け取る。そして、装置管理部247は、受信処理部249に、このイベントを転送するように指示する。このような指示を受けた受信処理部249は、第1通信部240aを介して、このイベントを映像記録再生装置150へ転送する(S37)。
【0067】
このようなイベントを受信した映像記録再生装置150では、転送処理部156が、通信部158からイベントを受け取り、このイベントに対応する処理を実行する(S38)。
【0068】
以上に記載したシーケンスでは、ユーザが遠隔操作装置170を用いてイベントを発生させた場合を示したが、例えば、ユーザが放送受信装置230を用いてイベントを発生させてもよい。このような場合には、放送受信装置230の受信処理部249が、発生されたイベントを、第1通信部240aを介して、映像記録再生装置150に送信する処理を行う。
【0069】
図11は、映像記録再生装置150がユーザインタフェースを提供することができない状態である場合における放送受信装置230の処理を示すフローチャートである。図11では、映像記録再生装置150が起動処理中で、ユーザインタフェースを提供することができないものとする。
【0070】
放送受信装置230の装置状態監視部246は、映像記録再生装置150の状態を監視し、映像記録再生装置150が起動処理中であると判断した場合(ステップS40:Yes)には、装置管理部247は、ステップS41の処理に進む。
【0071】
ステップS41では、転送処理部248は、装置管理部247からの指示に応じて、映像記録再生装置150がユーザからの指示の入力を受け付けるためのユーザインタフェースの画面データを生成する。例えば、この画面データは、映像記録再生装置150の起動完了直後に、ユーザから指示の入力を受け付けるためのユーザインタフェースに対応する。
【0072】
受信処理部249は、装置管理部247からの指示に応じて、ステップS41で生成された画面データに含まれているビットマップデータをフレーム記憶部235に展開する。そして、受信処理部249は、出力部132に、フレーム記憶部235に展開されているビットマップデータを用いて、ユーザインタフェースを表示させる(S42)。
【0073】
転送処理部248は、ステップS41で生成された画面データを、第2通信部240bを介して、遠隔操作装置170に送信する処理を行う(S43)。
【0074】
装置管理部247は、イベントを受け取ったか否かを確認する(S44)。本実施の形態においては、イベントは、受信処理部249が入力部133から取得し、又は、転送処理部248が第2通信部240bから取得する。そして、装置管理部247は、イベントを受け取っていない場合(ステップS44:No)には、ステップS45の処理に進み、イベントを受け取っている場合(ステップS44:Yes)には、ステップS46の処理に進む。
【0075】
ステップS45では、装置管理部247は、装置状態監視部246での監視結果を参照して、映像記録再生装置150が起動完了済みであるか否かを確認する。そして、装置管理部247は、起動完了済である場合(ステップS45:Yes)には、処理を終了し、起動完了済ではない場合(ステップS45:No)、言い換えると、起動処理中である場合には、ステップS44の処理に戻る。
【0076】
ステップS46では、装置管理部247は、ステップS44で受け取ったイベントを、時系列順に、イベント発生情報として一時情報記憶部245に記憶させる。
【0077】
次に、装置管理部247は、装置状態監視部246での監視結果を参照して、映像記録再生装置150が起動完了済みであるか否かを確認する(S47)。そして、装置管理部247は、起動完了済である場合(ステップS47:Yes)には、ステップS48の処理に進み、起動完了済ではない場合(ステップS47:No)、言い換えると、起動処理中である場合には、ステップS44の処理に戻る。ここで、映像記録再生装置150は、起動が完了すると、ユーザインタフェースを提供することができる状態になる。
【0078】
ステップS48では、装置管理部247は、一時情報記憶部245に記憶されているイベント発生情報を参照して、受信処理部249に、第1通信部240aを介して、時系列に従ってイベントを映像記録再生装置150へ送信する処理を行わせる。
【0079】
以上のように、本実施の形態においては、映像記録再生装置150がユーザインタフェースを提供することができない状態である場合でも、放送受信装置230が映像記録再生装置150のユーザインタフェースを提供することで、ユーザは、映像記録再生装置150の起動完了前に操作を行うことができる。
【0080】
実施の形態2においては、放送受信装置230の電源がOFFの状態となっている場合、又は、放送受信装置230の電源が省電力状態となっている場合には、制御部238、記憶部234、第1通信部240a及び第2通信部240bのみに電源を供給しておくか、又は、これらを高速に起動することができるようにしておくことにより、ユーザインタフェースを速やかに生成し、遠隔操作装置170にユーザインタフェースを表示させることができる。従って、これらを実現するための組込みシステムで用いられる組み込み用CPU基板は、低消費電力のものを選択するか、又は、高速に起動することができるものを選択する必要がある。この点、本実施の形態においては、ハードウェア構成から見た場合、一般に入手可能ないわゆるCPUボードをそのまま使用して組込みシステムとすることができるため、広範な仕様から選択可能で、また、CPU上で実行されるプログラムの負荷も大きなものになる構成ではないため、低消費電力化、高速起動化等種々の提案に対応するものを選んで導入することが可能となる。
【0081】
以上に記載された実施の形態1及び2において、録画予約等の操作を実行するにあっては、例えば、EPG(Electronic Program Guide)の表示等が必要になる場合がある。このような場合に対応するため、ネットワーク制御装置110の装置管理部118及び放送受信装置230の装置管理部247は、必要なデータを独自に取得するとともに、取得データに基づいてユーザインタフェースを生成することができるように構成されていることが望ましい。例えば、第1ネットワーク190に、インターネットに接続するためのインターネット接続装置であるルータを接続しておくことで、装置管理部118、247が、第1通信部122、240aを介して、必要なデータをインターネットからダウンロードすることができる。
【0082】
以上に記載された実施の形態1及び2においては、ネットワーク制御装置110の第2通信部123、及び、放送受信装置230の第2通信部240bは、無線NICにより実現することができるが、例えば、第2通信部123、240bを、無線アクセスポイントにより実現することもできる。第2通信部123、240bを、無線アクセスポイントにより実現することで、複数の携帯端末を同時に制御することができる等、幅広く無線による接続をサポートすることができる。
【0083】
以上に記載された実施の形態1及び2においては、有線の第1ネットワーク190と、無線の第2ネットワーク191とが用いられているが、これらの何れか一方だけが用いられていてもよい。特に、無線の第2ネットワークに、全ての装置が接続されているようにすることで、有線による配線等の煩わしい作業を行う必要がなくなる。
【0084】
以上に記載された実施の形態1及び2においては、映像記録再生装置150がユーザインタフェースを提供することができない状態である場合として、映像記録再生装置150が起動処理中である場合を挙げて説明したが、例えば、映像記録再生装置150の電源がOFFにされている場合、映像記録再生装置150が省電力モードになっている場合等も、映像記録再生装置150がユーザインタフェースを提供することができない状態である場合としてもよい。
【符号の説明】
【0085】
100,200:ネットワークシステム、 110:ネットワーク制御装置、 111:記憶部、 112:フレーム記憶部、 113:画面制御情報記憶部、 114:一時情報記憶部、 116:制御部、 117:装置状態監視部、 118:装置管理部、 119:転送処理部、 120:受信処理部、 122:第1通信部、 123:第2通信部、 124:内部バス、 130,230:放送受信装置、 131:放送信号処理部、 132:出力部、 133:入力部、 134,234:記憶部、 135,235:フレーム記憶部、 138:制御部、 139,239:統括制御部、 140:受信処理部、 142:通信部、 240a:第1通信部、 240b:第2通信部、 143:内部バス、 244:画面制御情報記憶部、 245:一時情報記憶部、 246:装置状態監視部、 247:装置管理部、 248:転送処理部、 249:受信処理部、 150:映像記録再生装置、 151:映像処理部、 152:出力IF部、 153:記憶部、 154:制御部、 155:統括制御部、 156:転送処理部、 158:通信部、 159:内部バス、 170:遠隔操作装置、 171:表示部、 172:入力部、 173:記憶部、 174:フレーム記憶部、 176:制御部、 177:統括制御部、 178:受信処理部、 180:通信部、 181:内部バス、 190:第1ネットワーク、 191:第2ネットワーク。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
操作対象装置を操作するためのユーザインタフェースの画像データを含む画面制御情報を記憶する画面制御情報記憶部と、
ネットワークとの間で情報を送受信する通信部と、
前記画像データを、前記通信部を介して、前記ネットワークに接続された表示装置に送信する第1送信処理、
前記表示装置から、前記画像データに基づくユーザインタフェースにおいて発生したイベントを受信する第1受信処理、及び、
前記受信されたイベントを、前記通信部を介して、前記操作対象装置に転送する第1転送処理、を行う転送処理部と、を備えること
を特徴とするネットワーク制御装置。
【請求項2】
前記操作対象装置の状態を監視する装置状態監視部をさらに備え、
前記操作対象装置がユーザインタフェースを提供することができない状態にあると前記装置状態監視部が判断した場合に、前記転送処理部は、前記第1送信処理、前記第1受信処理及び前記第1転送処理を行うこと
を特徴とする請求項1に記載のネットワーク制御装置。
【請求項3】
前記転送処理部が前記第1受信処理で受信したイベントを受け取り、当該受け取ったイベントを時系列順にイベント発生情報として前記記憶部に記憶させる装置管理部をさらに備え、
前記操作対象装置がユーザインタフェースを提供することができる状態にあると前記装置状態監視部が判断した場合に、前記転送処理部は、前記第1転送処理として、前記イベント発生情報に従って、時系列順に、前記イベントを前記操作対象装置に転送すること
を特徴とする請求項2に記載のネットワーク制御装置。
【請求項4】
前記通信部を介して、前記操作対象装置からユーザインタフェースの画像データを受信する第2受信処理を行う受信処理部をさらに備え、
前記転送処理部は、前記第2受信処理で受信された画像データを前記表示装置に送信する第2送信処理、及び、前記表示装置から、前記画像データに基づくユーザインタフェースにおいて発生したイベントを受信する第2受信処理、を行い、
前記受信処理部は、前記第2受信処理で受信されたイベントを前記操作対象装置に転送する第2転送処理を行うこと
を特徴とする請求項1から3の何れか一項に記載のネットワーク制御装置。
【請求項5】
前記画面制御情報は、前記ユーザインタフェースにおいて発生するイベントと、当該イベントに対応して遷移するユーザインタフェースの画像データを示す遷移情報と、をさらに含み
前記転送処理部は、前記画面制御情報において、前記第1受信処理で受信されたイベントに対応して遷移するユーザインタフェースの画像データを特定し、前記通信部を介して、当該特定された画像データを前記表示装置に送信する処理を行うこと
を特徴とする請求項1から4の何れか一項に記載のネットワーク制御装置。
【請求項6】
前記ネットワークには、インターネットに接続するためのインターネット接続装置が接続されており、
前記装置管理部は、
前記通信部を介して、前記インターネットに接続し、ユーザインタフェースを構成するために必要な情報を取得すること
を特徴とする請求項2から4の何れか一項に記載のネットワーク制御装置。
【請求項7】
前記画像データとして、ビットマップデータを用いること
を特徴とする請求項1から6の何れか一項に記載のネットワーク制御装置。
【請求項8】
前記操作対象装置は、記憶媒体から映像データ及び音声データを読み出して、映像及び音声を再生する映像記録再生装置であり、
前記表示装置は、前記映像記録再生装置で再生された映像及び音声を出力する放送受信装置であること
を特徴とする請求項1から7の何れか一項に記載のネットワーク制御装置。
【請求項9】
前記操作対象装置は、記憶媒体から映像データ及び音声データを読み出して、映像及び音声を再生する映像記録再生装置であり、
前記表示装置は、画面を表示する表示部と、操作の入力を受け付ける入力部と、を備える携帯端末であること
を特徴とする請求項1から7の何れか一項に記載のネットワーク制御装置。
【請求項10】
前記ネットワークは、第1ネットワークと、第2ネットワークと、を含み、
前記通信部は、前記第1ネットワークとの間で情報を送受信する第1通信部と、前記第2ネットワークとの間で情報を送受信する第2通信部と、を含み、
前記映像記録再生装置は、前記第1ネットワークに接続され、
前記携帯端末は、前記第2ネットワークに接続されていること
を特徴とする請求項9に記載のネットワーク制御装置。
【請求項11】
前記第1ネットワークは、有線ネットワークであり、
前記第2ネットワークは、無線ネットワークであること
を特徴とする請求項10に記載のネットワーク制御装置。
【請求項12】
前記ネットワークは、無線ネットワークであること
を特徴とする請求項1から9の何れか一項に記載のネットワーク制御装置。
【請求項13】
操作対象装置を操作するためのユーザインタフェースの画像データを含む画面制御情報を記憶する画面制御情報記憶部と、
ネットワークとの間で情報を送受信する通信部と、
画面を表示する出力部と、
操作の入力を受け付ける入力部と、
前記画像データに基づくユーザインタフェースを前記出力部に表示させ、当該ユーザインタフェースにおいて、前記入力部を介して操作の入力を受け付けることで発生されたイベントを、前記通信部を介して、前記操作対象装置に転送する表示転送処理を行う転送処理部と、を備えること
を特徴とする表示装置。
【請求項14】
前記操作対象装置の状態を監視する装置状態監視部をさらに備え、
前記操作対象装置がユーザインタフェースを提供することができない状態にあると前記装置状態監視部が判断した場合に、前記転送処理部は、前記表示転送処理を行うこと
を特徴とする請求項13に記載の表示装置。
【請求項15】
前記発生されたイベントを時系列順にイベント発生情報として前記記憶部に記憶させる装置管理部をさらに備え、
前記操作対象装置がユーザインタフェースを提供することができる状態にあると前記装置状態監視部が判断した場合に、前記転送処理部は、前記表示転送処理として、前記イベント発生情報に従って、時系列順に、前記イベントを前記操作対象装置に転送すること
を特徴とする請求項14に記載の表示装置。
【請求項16】
前記転送処理部は、
前記画像データを、前記通信部を介して、前記ネットワークに接続された他の表示装置に送信する第1送信処理、
前記他の表示装置から、前記画像データに基づくユーザインタフェースにおいて発生したイベントを受信する第1受信処理、及び、
前記受信されたイベントを、前記通信部を介して、前記操作対象装置に転送する第1転送処理、を行う転送処理部と、を備えること
を特徴とする請求項13に記載の表示装置。
【請求項17】
前記操作対象装置の状態を監視する装置状態監視部をさらに備え、
前記操作対象装置がユーザインタフェースを提供することができない状態にあると前記装置状態監視部が判断した場合に、前記転送処理部は、前記第1送信処理、前記第1受信処理及び前記第1転送処理を行うこと
を特徴とする請求項16に記載の表示装置。
【請求項18】
前記転送処理部が前記第1受信処理で受信したイベントを受け取り、当該受け取ったイベントを時系列順にイベント発生情報として前記記憶部に記憶させる装置管理部をさらに備え、
前記操作対象装置がユーザインタフェースを提供することができる状態にあると前記装置状態監視部が判断した場合に、前記転送処理部は、前記第1転送処理として、前記イベント発生情報に従って、時系列順に、前記イベントを前記操作対象装置に転送すること
を特徴とする請求項17に記載の表示装置。
【請求項19】
前記通信部を介して、前記操作対象装置からユーザインタフェースの画像データを受信する第2受信処理を行う受信処理部をさらに備え、
前記転送処理部は、前記第2受信処理で受信された画像データを前記他の表示装置に送信する第2送信処理、及び、前記他の表示装置から、前記画像データに基づくユーザインタフェースにおいて発生したイベントを受信する第2受信処理、を行い、
前記受信処理部は、前記第2受信処理で受信されたイベントを前記操作対象装置に転送する第2転送処理を行うこと
を特徴とする請求項16から18の何れか一項に記載の表示装置。
【請求項20】
前記操作対象装置を操作するためのユーザインタフェースの画像データを含む画面制御情報を記憶する画面制御情報記憶部と、
前記ネットワークとの間で情報を送受信する通信部と、
制御部と、を備えるネットワーク制御装置が、前記ネットワークに接続された操作対象装置及び表示装置を制御するネットワーク制御方法であって、
前記制御部が、前記通信部を介して、前記表示装置に前記画像データを送信する第1送信過程と、
前記制御部が、前記表示装置から、前記画像データに基づくユーザインタフェースにおいて発生したイベントを受信する第1受信過程と、
前記制御部が、前記受信されたイベントを、前記通信部を介して、前記操作対象装置に転送する第1転送過程と、を有すること
を特徴とするネットワーク制御方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【公開番号】特開2013−55464(P2013−55464A)
【公開日】平成25年3月21日(2013.3.21)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−191616(P2011−191616)
【出願日】平成23年9月2日(2011.9.2)
【出願人】(000006013)三菱電機株式会社 (33,312)
【Fターム(参考)】