説明

ノイズフィルタ回路、デッドタイム回路、遅延回路、およびその方法、ならびに、サーマルヘッドドライバ、サーマルヘッド、制御回路、電子機器、および印刷システム

【課題】 簡易な構造を有するノイズフィルタ回路等を提供する。
【解決手段】 ノイズフィルタ回路(10;60;80;100)は、入力信号(IN)に基づく信号を入力する第1のインバータ回路(12;62;82;102)と、入力信号(IN)に基づく信号を入力する第2のインバータ回路(14;64;84;104)と、第1および第2のインバータ回路(12、14;62、64;82、84;102、104)からの信号に基づく信号を、セット信号(S)及びリセット信号(R)として入力するラッチ回路(16;66;86;106)と、を備える。第1および第2のインバータ回路(12、14;62、64;82、84;102、104)のそれぞれは、第1および第2の導電型のトランジスタを含み、第1および第2の導電型のトランジスタの一方の能力は、第1および第2の導電型のトランジスタの他方の能力より低い。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ノイズフィルタ回路、デッドタイム回路、遅延回路、およびその方法、ならびに、サーマルヘッドドライバ、サーマルヘッド、制御回路、電子機器、および印刷システム等に関する。
【背景技術】
【0002】
幾つかの電子機器は、信号に含まれるノイズを除去するために、ノイズフィルタ回路を備えることができる(たとえば、特許文献1)。また、電子機器又はそれに含まれる回路(たとえば、特許文献1に開示されるノイズフィルタ回路)は、信号を遅延させるために、遅延回路を備えることもできる(たとえば、特許文献2)。あるいは、電子機器は、駆動回路を備えることもでき、駆動回路を貫通する電流を防止するために、デッドタイム回路を備えることもできる(たとえば、特許文献3)。
【特許文献1】特開2003−163583号公報(図1)
【特許文献2】特開平07−022921号公報(図2、図1)
【特許文献3】特開2005−261091号公報(図8、図1)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
一般に、電子機器又はそれに含まれる回路(たとえば、ノイズフィルタ回路、デッドタイム回路、および遅延回路)は、簡易な構造を有することが望ましい。しかしながら、簡易な構造を有する回路を設計することは、当業者にとって困難である。
本発明に従う複数の形態のうち少なくとも1つの形態において、簡易な構造を有する回路が提供される。当業者は、(必要に応じて、本明細書およびそれに添付される図面(および、場合によって技術常識)を参照することによって、)本発明に従う各形態によって提供される少なくとも1つのさらなる利点を容易に理解することができるであろう。
【課題を解決するための手段】
【0004】
以下に、本発明に従う複数の形態を例示する。以下に例示される複数の形態において、添付の図面で示される参照符号は、本発明を容易に理解するために用いられている。したがって、当業者は、本発明が、参照符号によって不当に限定されないことを留意すべきである。
【0005】
本発明に従う第1の形態は、ノイズフィルタ回路(10;60;80;100)に関係する。たとえば、ノイズフィルタ回路(10;60;80;100)は、入力信号(IN)に基づく信号を入力する第1のインバータ回路(12;62;82;102)と、入力信号(IN)に基づく信号を入力する第2のインバータ回路(14;64;84;104)と、第1および第2のインバータ回路(12、14;62、64;82、84;102、104)からの信号に基づく信号を、セット信号(S)及びリセット信号(R)として入力するラッチ回路(16;66;86;106)と、を備える。
第1および第2のインバータ回路(12、14;62、64;82、84;102、104)のそれぞれは、第1および第2の導電型のトランジスタを含み、第1および第2の導電型のトランジスタの一方の能力は、第1および第2の導電型のトランジスタの他方の能力より低い。
本発明に従う第1の形態において、簡易な構造を有するノイズフィルタ回路(10;60;80;100)を提供することができる。また、ノイズフィルタ回路(10;60;80;100)は、連続ノイズを除去することができる。
【0006】
本発明に従う第1形態において、たとえば、第1および第2のインバータ回路(12、14;62、64)の一方(12;62)は、P型のトランジスタとN型のトランジスタとを含み、P型のトランジスタの能力は、N型のトランジスタの能力より低く、第1および第2のインバータ回路(12、14;62、64)の他方(14;64)は、P型のトランジスタとN型のトランジスタとを含み、P型のトランジスタの能力は、N型のトランジスタの能力より低い。
第1のインバータ回路(12;62)および第2のインバータ回路(14;64)の双方は、同じインバータ回路(N型のトランジスタと比べて、P型のトランジスタの能力が低いインバータ回路)を備えることができ、その結果、ノイズフィルタ回路(10;60)の遅延量(d1、d2)のばらつきを小さくすることが可能となる。また、第1のインバータ回路(12;62)および第2のインバータ回路(14;64)の双方は、P型のトランジスタの能力が低いインバータ回路を備えるので、ノイズフィルタ回路(10;60)は、より小さいチップサイズを有する。
【0007】
本発明に従う第1の形態において、たとえば、第1および第2のインバータ回路(12、14;82、84)の一方(12;82)は、P型のトランジスタとN型のトランジスタとを含み、N型のトランジスタの能力は、P型のトランジスタの能力より低く、第1および第2のインバータ回路(12、14;82、84)の他方(14;84)は、P型のトランジスタとN型のトランジスタとを含み、N型のトランジスタの能力は、P型のトランジスタの能力より低い。
第1のインバータ回路(12;82)および第2のインバータ回路(14;84)の双方は、同じインバータ回路(P型のトランジスタと比べて、N型のトランジスタの能力が低いインバータ回路)を備えることができ、その結果、ノイズフィルタ回路(10;80)の遅延量(d3、d4)のばらつきを小さくすることが可能となる。
【0008】
本発明に従う第1の形態において、たとえば、第1および第2のインバータ回路(12、14;102、104)の一方(12;102)は、P型のトランジスタとN型のトランジスタとを含み、N型のトランジスタの能力は、P型のトランジスタの能力より低く、第1および第2のインバータ回路(12、14;102、104)の他方(14;104)は、P型のトランジスタとN型のトランジスタとを含み、P型のトランジスタの能力は、N型のトランジスタの能力より低い。
第1のインバータ回路(62)および第2のインバータ回路(64)の他方(12;104)は、P型のトランジスタの能力が低いインバータ回路を備えるので、ノイズフィルタ回路(10;100)は、より小さいチップサイズを有する。
【0009】
本発明に従う第2の形態は、入力信号(IN)を入力する第1の遅延回路(121)と、入力信号(IN)と第1の遅延回路(121)からの信号(INd)とを入力する論理積回路(122)と、入力信号(IN)と第1の遅延回路(121)からの信号(INd)とを入力する論理和回路(123)と、論理積回路(122)からの信号に基づく信号と論理和回路(123)からの信号に基づく信号とを、セット信号(S)及びリセット信号(R)として入力するラッチ回路(126)と、を備えるノイズフィルタ回路(120)に関係する。
たとえば、ノイズフィルタ回路(120)は、論理積回路(122)からの信号を入力する第2の遅延回路(124)と、論理和回路(123)からの信号を入力する第3の遅延回路(125)と、をさらに備える。
第2および第3の遅延回路(124、125)のそれぞれは、インバータ回路(124−1、125−1)を備える。インバータ回路(124−1、125−1)のそれぞれは、第1および第2の導電型のトランジスタを含み、第1および第2の導電型のトランジスタの一方の能力は、第1および第2の導電型のトランジスタの他方の能力より低い。ラッチ回路(126)は、論理積回路(122)からの信号に基づく信号と、論理和回路(123)からの信号に基づく信号とを、第2および第3の遅延回路(124、125)を介して入力する。
本発明に従う第2の形態において、ノイズフィルタ回路(120)は、連続ノイズ(131−1、131−2;132−1、132−2)を除去することができる。
【0010】
本発明に従う第3の形態は、デッドタイム回路(140;150;170;190)に関係する。デッドタイム回路(140;150;170;190)は、入力信号(IN)に基づく信号を入力する第1のインバータ回路(142;152;172;192)と、入力信号(IN)に基づく信号を入力する第2のインバータ回路(144;154;174;194)と、を備える。
第1および第2のインバータ回路(142、144;152、154;172、174;192、194)のそれぞれは、第1および第2の導電型のトランジスタを含み、第1および第2の導電型のトランジスタの一方の能力は、第1および第2の導電型のトランジスタの他方の能力より低い。
第1および第2のインバータ回路(142、144;152、154;172、174;192、194)からの信号の組み合わせは、デッドタイムを形成する。
本発明に従う第3の形態において、簡易な構造を有するデッドタイム回路(140;150;170;190)を提供することができる。
【0011】
本発明に従う第3の形態において、たとえば、デッドタイム回路(140;150;170;190)は、第1のインバータ回路(142;152;172;192)からの信号に基づく信号を入力する第1の波形整形回路(146;156;176;196)と、第2のインバータ回路(144;154;174;194)からの信号に基づく信号を入力する第2の波形整形回路(148;158;178;198)と、をさらに備えることができる。
第1および第2の波形整形回路(146、148;156、158;176、178;196、198)からの信号(OUT1、OUT2)の組み合わせが、デッドタイムを形成する。
【0012】
本発明に従う第3の形態において、たとえば、第1および第2のインバータ回路(142、144;152、154)の一方(142;152)は、P型のトランジスタとN型のトランジスタとを含み、P型のトランジスタの能力は、N型のトランジスタの能力より低く、第1および第2のインバータ回路(142、144;152、154)の他方(144;154)は、P型のトランジスタとN型のトランジスタとを含み、P型のトランジスタの能力は、N型のトランジスタの能力より低い。
第1のインバータ回路(142;152)および第2のインバータ回路(144;154)の双方は、同じインバータ回路(N型のトランジスタと比べて、P型のトランジスタの能力が低いインバータ回路)を備えることができ、その結果、デッドタイム回路(140;150)のデッドタイム(dt1、dt2)のばらつきを小さくすることが可能となる。また、第1のインバータ回路(142;152)および第2のインバータ回路(144;154)の双方は、P型のトランジスタの能力が低いインバータ回路を備えるので、デッドタイム回路(140;150)は、より小さいチップサイズを有する。
【0013】
本発明に従う第3の形態において、たとえば、第1および第2のインバータ回路(142、144;172、174)の一方(142;172)は、P型のトランジスタとN型のトランジスタとを含み、N型のトランジスタの能力は、P型のトランジスタの能力より低く、第1および第2のインバータ回路(142、144;172、174)の他方(144;174)は、P型のトランジスタとN型のトランジスタとを含み、N型のトランジスタの能力は、P型のトランジスタの能力より低い。
第1のインバータ回路(142;172)および第2のインバータ回路(144;174)の双方は、同じインバータ回路(P型のトランジスタと比べて、N型のトランジスタの能力が低いインバータ回路)を備えることができ、その結果、デッドタイム回路(140;170)のデッドタイム(dt3、dt4)のばらつきを小さくすることが可能となる。
【0014】
本発明に従う第3の形態において、たとえば、第1および第2のインバータ回路(142、144;192、194)の一方(142;192)は、P型のトランジスタとN型のトランジスタとを含み、N型のトランジスタの能力は、P型のトランジスタの能力より低く、第1および第2のインバータ回路(142、144;192、194)の他方(142;194)は、P型のトランジスタとN型のトランジスタとを含み、P型のトランジスタの能力は、N型のトランジスタの能力より低い。
第1のインバータ回路(142;192)および第2のインバータ回路(144;194)の他方(142;194)は、P型のトランジスタの能力が低いインバータ回路を備えるので、デッドタイム回路(140;190)は、より小さいチップサイズを有する。
【0015】
本発明に従う第4の形態は、遅延回路(210;220;290)に関係する。たとえば、遅延回路(210;220;290)は、入力信号(IN)に基づく信号を入力するインバータ回路(212)を備える。
インバータ回路(212)は、複数のインバータ回路(222−1、222−2、222−3、222−N;292−1、292−N、292−1’、292−N’)を含み、複数のインバータ回路(222−1、222−2、222−3、222−N;292−1、292−N、292−1’、292−N’)のそれぞれは、第1および第2の導電型のトランジスタを含み、第1および第2の導電型のトランジスタの一方の能力は、第1および第2の導電型のトランジスタの他方の能力より低い。
本発明に従う第4の形態において、簡易な構造を有する遅延回路(210;220;290)を提供することができる。
【0016】
本発明に従う第4の形態において、たとえば、複数のインバータ回路(222−1、222−2、222−3、222−N)は、直列接続される。複数のインバータ回路(222−1、222−2、222−3、222−N)のそれぞれにおいて能力が低い導電型に関して、能力が低い導電型のすべてが、同種の導電型である(たとえば、図22)。
遅延回路(210;220)は、複数のインバータ回路(222−1、222−2、222−3、222−N)の間に、直列接続される非反転型の波形整形回路を、さらに備えることができる(たとえば、図24)。
【0017】
本発明に従う第4の形態において、たとえば、複数のインバータ回路(222−1、222−2、222−3)は、直列接続される。複数のインバータ回路(222−1、222−2、222−3)は、偶数の連続するインバータ回路(222−1、222−2)と、次の1つのインバータ回路(222−3)と、を含む。偶数の連続するインバータ回路(222−1、222−2)のそれぞれにおいて能力が低い導電型に関して、異種の導電型が交互に連続する。偶数の連続するインバータ回路(222−1、222−2)の最後のインバータ回路(222−2)において能力が低い導電型は、次の1つのインバータ回路(222−3)において能力が低い導電型と異なる。遅延回路(210;220)は、異種の導電型が交互に連続する偶数のインバータ回路(222−1、222−2)と、次の1つのインバータ回路(222−3)と間に、直列接続される反転型の波形整形回路を、さらに備える(たとえば、図26)。
【0018】
本発明に従う第4の形態において、たとえば、複数のインバータ回路(222−1、222−2、222−3)は、直列接続される。複数のインバータ回路(222−1、222−2、222−3)は、偶数の連続するインバータ回路(222−1、222−2)と、次の1つのインバータ回路(222−3)と、を含む。偶数の連続するインバータ回路(222−1、222−2)のそれぞれにおいて能力が低い導電型に関して、異種の導電型が交互に連続する。偶数の連続するインバータ回路(222−1、222−2)の最後のインバータ回路(222−2)において能力が低い導電型は、次の1つのインバータ回路(222−3)において能力が低い導電型と同じである。遅延回路(210;220)は、異種の導電型が交互に連続する偶数のインバータ回路(222−1、222−2)と、次の1つのインバータ回路(222−3)と間に、直列接続される非反転型の波形整形回路を、さらに備える(たとえば、図26の変形例)。
【0019】
本発明に従う第4の形態において、たとえば、複数のインバータ回路(222−1、222−2、222−3、222−4)は、直列接続される。複数のインバータ回路(222−1、222−2、222−3、222−4)は、奇数の連続するインバータ回路(222−1、222−2、222−3)と、次の1つのインバータ回路(222−4)と、を含む。奇数の連続するインバータ回路(222−1、222−2、222−3)のそれぞれにおいて能力が低い導電型に関して、異種の導電型が交互に連続する。奇数の連続するインバータ回路(222−1、222−2、222−3)の最後のインバータ回路(222−3)において能力が低い導電型は、次の1つのインバータ回路(222−4)において能力が低い導電型と同じである。遅延回路(210;220)は、異種の導電型が交互に連続する奇数のインバータ回路(222−1、222−2、222−3)と、次の1つのインバータ回路(222−4)と間に、直列接続される非反転型の波形整形回路を、さらに備える(たとえば、図28)。
【0020】
本発明に従う第4の形態において、たとえば、複数のインバータ回路(222−1、222−2、222−3、222−4)は、直列接続される。複数のインバータ回路(222−1、222−2、222−3、222−4)は、奇数の連続するインバータ回路(222−1、222−2、222−3)と、次の1つのインバータ回路(222−4)と、を含む。奇数の連続するインバータ回路(222−1、222−2、222−3)のそれぞれにおいて能力が低い導電型に関して、異種の導電型が交互に連続する。奇数の連続するインバータ回路(222−1、222−2、222−3)の最後のインバータ回路(222−3)において能力が低い導電型は、次の1つのインバータ回路(222−4)において能力が低い導電型と異なる。遅延回路(210;220)は、異種の導電型が交互に連続する奇数のインバータ回路(222−1、222−2、222−3)と、次の1つのインバータ回路(222−4)と間に、直列接続される反転型の波形整形回路を、さらに備える(たとえば、図28の変形例)。
【0021】
本発明に従う第4の形態において、たとえば、遅延回路(210;290)は、インバータ回路(212)からの信号に基づく信号を入力する波形整形回路(214;224)を、さらに備える。複数のインバータ回路(292−1、292−1’)は、並列接続された第1および第2のインバータ回路(292−1;292−1’)を含む。波形整形回路(214;224)は、ラッチ回路である(たとえば、図29、図31)。
【0022】
本発明に従う第4の形態において、たとえば、遅延回路(210;290)は、第1のインバータ回路(292−1)に直列接続された第1の反転型の波形整形回路(292−2)と、第1の反転型の波形整形回路(292−2)に直列接続された第1の次の1つのインバータ回路(292−N)と、第2のインバータ回路(292−1’)に直列接続された第2の反転型の波形整形回路(292−2’)と、第2の反転型の波形整形回路(292−2’)に直列接続された第2の次の1つのインバータ回路(292−N’)と、第1のインバータ回路(292−1)の前段、第1の次の1つのインバータ回路(292−N)の後段、第2のインバータ回路(292−1’)の前段、または、第2の次の1つのインバータ回路(292−N’)の後段のいずれか1つに、直列接続された第3のインバータ回路(293)と、をさらに備える。第1のインバータ回路(292−1)において能力が低い導電型は、第1の次の1つのインバータ回路(292−N)において能力が低い導電型と同じである。第2のインバータ回路(292−1’)において能力が低い導電型は、第2の次の1つのインバータ回路(292−N’)において能力が低い導電型と同じである(たとえば、図29、図31)。
【0023】
本発明に従う第4の形態において、たとえば、遅延回路(210;290)は、第1のインバータ回路(292−1)に直列接続された第1の反転型の波形整形回路と、第1の反転型の波形整形回路に直列接続された第1の次の1つのインバータ回路(292−N)と、第2のインバータ回路(292−1’)に直列接続された第2の反転型の波形整形回路(292−2’)と、第2の反転型の波形整形回路(292−2’)に直列接続された第2の次の1つのインバータ回路(292−N’)と、第1のインバータ回路(292−1)の前段、第1の次の1つのインバータ回路(292−N)の後段、第2のインバータ回路(292−1’)の前段、または、第2の次の1つのインバータ回路(292−N’)の後段のいずれか1つに、直列接続された第3のインバータ回路(293)と、をさらに備える。第1のインバータ回路(292−1)は、第1の偶数の連続するインバータ回路で構成される。第1の偶数の連続するインバータ回路のそれぞれにおいて能力が低い導電型に関して、異種の導電型が交互に連続する。第1の偶数の連続するインバータ回路の最後のインバータ回路において能力が低い導電型は、第1の次の1つのインバータ回路(222−N)において能力が低い導電型と同じである。第2のインバータ回路(292−1’)は、第2の偶数の連続するインバータ回路で構成される。第2の偶数の連続するインバータ回路のそれぞれにおいて能力が低い導電型に関して、異種の導電型が交互に連続する。第2の偶数の連続するインバータ回路の最後のインバータ回路において能力が低い導電型は、第2の次の1つのインバータ回路(222−N’)において能力が低い導電型と同じである(たとえば、図29または図31の変形例)。
【0024】
本発明に従う第4の形態において、たとえば、遅延回路(210;290)は、第1のインバータ回路(292−1)に直列接続された第1の非反転型の波形整形回路と、第1の非反転型の波形整形回路に直列接続された第1の次の1つのインバータ回路(292−N)と、第2のインバータ回路(292−1’)に直列接続された第2の非反転型の波形整形回路(292−2’)と、第2の非反転型の波形整形回路(292−2’)に直列接続された第2の次の1つのインバータ回路(292−N’)と、第1のインバータ回路(292−1)の前段、第1の次の1つのインバータ回路(292−N)の後段、第2のインバータ回路(292−1’)の前段、または、第2の次の1つのインバータ回路(292−N’)の後段のいずれか1つに、直列接続された第3のインバータ回路(293)と、をさらに備える。第1のインバータ回路(292−1)は、第1の偶数の連続するインバータ回路で構成される。第1の偶数の連続するインバータ回路のそれぞれにおいて能力が低い導電型に関して、異種の導電型が交互に連続する。第1の偶数の連続するインバータ回路の最後のインバータ回路において能力が低い導電型は、第1の次の1つのインバータ回路(222−N)において能力が低い導電型と異なる。第2のインバータ回路(292−1’)は、第2の偶数の連続するインバータ回路で構成される。第2の偶数の連続するインバータ回路のそれぞれにおいて能力が低い導電型に関して、異種の導電型が交互に連続する。第2の偶数の連続するインバータ回路の最後のインバータ回路において能力が低い導電型は、第2の次の1つのインバータ回路(222−N’)において能力が低い導電型と異なる(たとえば、図29または図31の変形例)。
【0025】
本発明に従う第4の形態において、たとえば、遅延回路(210;290)は、第1のインバータ回路(292−1)に直列接続された第1の反転型の波形整形回路と、第1の反転型の波形整形回路に直列接続された第1の次の1つのインバータ回路(292−N)と、第2のインバータ回路(292−1’)に直列接続された第2の反転型の波形整形回路(292−2’)と、第2の反転型の波形整形回路(292−2’)に直列接続された第2の次の1つのインバータ回路(292−N’)と、第1のインバータ回路(292−1)の前段、第1の次の1つのインバータ回路(292−N)の後段、第2のインバータ回路(292−1’)の前段、または、第2の次の1つのインバータ回路(292−N’)の後段のいずれか1つに、直列接続された第3のインバータ回路(293)と、をさらに備える。第1のインバータ回路(292−1)は、第1の奇数の連続するインバータ回路で構成される。第1の奇数の連続するインバータ回路のそれぞれにおいて能力が低い導電型に関して、異種の導電型が交互に連続する。第1の奇数の連続するインバータ回路の最後のインバータ回路において能力が低い導電型は、第1の次の1つのインバータ回路(222−N)において能力が低い導電型と同じである。第2のインバータ回路(292−1’)は、第2の奇数の連続するインバータ回路で構成される。第2の奇数の連続するインバータ回路のそれぞれにおいて能力が低い導電型に関して、異種の導電型が交互に連続する。第2の奇数の連続するインバータ回路の最後のインバータ回路において能力が低い導電型は、第2の次の1つのインバータ回路(222−N’)において能力が低い導電型と同じである(たとえば、図29または図31の変形例)。
【0026】
本発明に従う第4の形態において、たとえば、遅延回路(210;290)は、第1のインバータ回路(292−1)に直列接続された第1の非反転型の波形整形回路と、第1の非反転型の波形整形回路に直列接続された第1の次の1つのインバータ回路(292−N)と、第2のインバータ回路(292−1’)に直列接続された第2の非反転型の波形整形回路(292−2’)と、第2の非反転型の波形整形回路(292−2’)に直列接続された第2の次の1つのインバータ回路(292−N’)と、第1のインバータ回路(292−1)の前段、第1の次の1つのインバータ回路(292−N)の後段、第2のインバータ回路(292−1’)の前段、または、第2の次の1つのインバータ回路(292−N’)の後段のいずれか1つに、直列接続された第3のインバータ回路(293)と、をさらに備える。第1のインバータ回路(292−1)は、第1の奇数の連続するインバータ回路で構成される。第1の奇数の連続するインバータ回路のそれぞれにおいて能力が低い導電型に関して、異種の導電型が交互に連続する。第1の奇数の連続するインバータ回路の最後のインバータ回路において能力が低い導電型は、第1の次の1つのインバータ回路(222−N)において能力が低い導電型と異なる。第2のインバータ回路(292−1’)は、第2の奇数の連続するインバータ回路で構成される。第2の奇数の連続するインバータ回路のそれぞれにおいて能力が低い導電型に関して、異種の導電型が交互に連続する。第2の奇数の連続するインバータ回路の最後のインバータ回路において能力が低い導電型は、第2の次の1つのインバータ回路(222−N’)において能力が低い導電型と異なる(たとえば、図29または図31の変形例)。
【0027】
本発明に従う第1および第2の形態において、ノイズフィルタ回路(10;60;80;100;120)は、たとえば、サーマルヘッドドライバ(290)、サーマルヘッド(320)、電子機器(340、354、355、356、357、358)、および、印刷システム(350)に適用することができる。
したがって、サーマルヘッドドライバ(290)、サーマルヘッド(320)、電子機器(340、354、355、356、357、358)、および、印刷システム(350)を低コストで提供することができる。
【0028】
本発明に従う第3の形態において、デッドタイム回路(140;150;170;190)は、たとえば、制御回路(370)および電子機器(340、354、355、356、357、358)に適用することができる。
したがって、制御回路(370)および電子機器(340、354、355、356、357、358)を低コストで提供することができる。
【0029】
本発明に従う第4の形態において、遅延回路(210;220;290;290)は、たとえば、ノイズフィルタ回路(120)、サーマルヘッドドライバ(380)および電子機器(340、354、355、356、357、358)に適用することができる。
したがって、ノイズフィルタ回路(120)、サーマルヘッドドライバ(380)および電子機器(340、354、355、356、357、358)を低コストで提供することができる。
【0030】
本発明に従う第5の形態は、ノイズフィルタ方法(10;60;80;100)に関係すえる。たとえば、ノイズフィルタ方法(10;60;80;100)は、入力信号(IN)を準備すること、入力信号(IN)に基づく信号の立ち上がり時間または立ち下がり時間のいずれか一方のみが長い第1の信号を、第1のインバータ回路(12;62;82;102)において生成すること、入力信号(IN)に基づく信号の立ち上がり時間または立ち下がり時間のいずれか一方のみが長い第2の信号を、第2のインバータ回路(14;64;84;104)において生成すること、および第1および第2の信号に基づく信号を、セット信号(S)及びリセット信号(R)としてラッチ回路(16;66;86;106)に入力すること、を含む。
本発明に従う第5の形態において、ノイズフィルタ方法(10;60;80;100)を実施するノイズフィルタ回路は、簡易な構造を有する。
【0031】
本発明に従う第6の形態は、入力信号(IN)を準備すること、入力信号(IN)を遅延させること、入力信号(IN)と遅延された信号(INd)とを論理積回路(122)に入力すること、入力信号(IN)と遅延された信号(INd)とを論理和回路(123)に入力すること、および、論理積回路(122)からの信号に基づく信号と論理和回路(123)からの信号に基づく信号とを、セット信号(S)及びリセット信号(R)としてラッチ回路(126)に入力すること、を含むノイズフィルタ方法(120)に関係する。
ノイズフィルタ方法(120)はさらに、たとえば、論理積回路(122)からの信号に基づく信号の立ち上がり時間または立ち下がり時間のいずれか一方のみが長い第1の信号を生成(124−1)すること、および、論理和回路(123)からの信号に基づく信号の立ち上がり時間または立ち下がり時間のいずれか一方のみが長い第2の信号を生成(125−1)すること、を含む。
本発明に従う第6の形態において、ノイズフィルタ方法(120)を実施するノイズフィルタ回路は、簡易な構造を有する。
【0032】
本発明に従う第7の形態は、デッドタイム方法(140;150;170;190)に関係する。たとえば、デッドタイム方法(140;150;170;190)は、入力信号(IN)を準備すること、入力信号(IN)に基づく信号の立ち上がり時間または立ち下がり時間のいずれか一方のみが長い第1の信号を第1のインバータ回路(142;152;172;192)において生成すること、および、入力信号(IN)に基づく信号の立ち上がり時間または立ち下がり時間のいずれか一方のみが長い第2の信号を第1のインバータ回路(142;152;172;192)において生成すること、を含む。
生成(146、148;156、158;176、178;196、198)された第1および第2の信号の組み合わせは、デッドタイムを形成する。
本発明に従う第7の形態において、デッドタイム方法(140;150;170;190)を実施するデッドタイム回路は、簡易な構造を有する。
【0033】
本発明に従う第8の形態は、遅延方法(210;220)に関係する。たとえば、遅延方法(210;220)は、入力信号(IN)を準備すること、入力信号(IN)に基づく信号の立ち上がり時間または立ち下がり時間のいずれか一方のみが長い第1の信号を第1のインバータ回路(212;222−1)において生成すること、および、前記第1の信号に基づく信号の立ち上がり時間または立ち下がり時間のいずれか一方のみが長い第2の信号を第2のインバータ回路(212;222−2)において生成すること、を含む。
本発明に従う第8の形態において、遅延方法(210;220)を実施する遅延回路は、簡易な構造を有する。
【0034】
本発明に従う第9の形態は、遅延方法(210;290)に関係する。たとえば、遅延方法(210;290)は、入力信号(IN)を準備すること、前記入力信号(IN)に基づく信号の立ち上がり時間または立ち下がり時間のいずれか一方のみが長い第1の信号を第1のインバータ回路(212;292−1)において生成すること、前記入力信号(IN)に基づく信号の立ち上がり時間または立ち下がり時間のいずれか一方のみが長い第2の信号を第2のインバータ回路(212;292−1’)において生成すること、および、前記生成(122;292−1、292−1’)された第1および第2の信号をラッチ回路(294)に入力して、波形整形すること、を含む。
本発明に従う第9の形態において、遅延方法(210;290)を実施する遅延回路は、簡易な構造を有する。
【0035】
当業者は、上述した本発明に従う各形態が、本発明の精神を逸脱することなく、変形され得ることを容易に理解できるであろう。たとえば、本発明に従うある形態を構成する少なくとも1つの要素は、本発明に従う他の形態に加えることができる。代替的に、本発明に従うある形態を構成する少なくとも1つの要素は、本発明に従う他の形態を構成する少なくとも1つの要素に組み替えることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0036】
以下に、添付の図面を参照しながら、本発明に従う複数の実施形態を説明する。以下に説明する各実施形態は、本発明を容易に理解するために用いられている。したがって、当業者は、本発明が、以下に説明される各実施形態によって不当に限定されないことを留意すべきである。
【0037】
1. ノイズフィルタ回路
1.1 ノイズフィルタ回路の動作原理
図1は、本発明に従うノイズフィルタ回路の概略ブロック図を示す。
図1に示されるノイズフィルタ回路10は、入力信号(IN)に基づく信号を入力する第1および第2のインバータ回路12、14と、第1および第2のインバータ回路12、14からの信号に基づく信号を、セット信号(S)及びリセット信号(R)として入力するラッチ回路16と、を備える。
【0038】
第1のインバータ回路12は、入力信号(IN)に基づく信号(たとえば、入力信号(IN)が反転された信号(IN’))を反転し、それを出力する。第1のインバータ回路12は、第1および第2の導電型のトランジスタを含み、第1および第2の導電型のトランジスタの一方の能力(電流駆動能力)は、第1および第2の導電型のトランジスタの他方の能力より低い。第1のインバータ回路12は、たとえば、CMOSトランジスタで構成される。
【0039】
第2のインバータ回路14は、入力信号(IN)に基づく信号(たとえば、入力信号(IN)そのもの)を反転し、それを出力する。第2のインバータ回路14は、第1および第2の導電型のトランジスタを含み、第1および第2の導電型のトランジスタの一方の能力は、第1および第2の導電型のトランジスタの他方の能力より低い。第2のインバータ回路14は、たとえば、CMOSトランジスタで構成される。
【0040】
ラッチ回路16は、第1のインバータ回路12からの信号に基づく信号(たとえば、第1のインバータ回路12からの信号そのもの)をセット信号(S)として、入力する。ラッチ回路16はさらに、第2のインバータ回路14からの信号に基づく信号(たとえば、第2のインバータ回路14からの信号そのもの)をリセット信号(R)として、入力する。ラッチ回路16は、セット信号(S)およびリセット信号(R)のタイミングに応じて、2つの出力のレベル(Q、Q_)を記憶する。ラッチ回路16は、2つの出力のレベル(Q、Q_)のいずれか1つ(たとえば、Q)を出力することができる。
なお、本明細書において、記号「Q_」は、記号「Q」の上にバーを付したものを表し(図1参照)、Qの反転を意味する。
【0041】
図2は、図1に示されるノイズフィルタ回路10の動作を理解するためのタイミング図を示す。
図2に例として示される入力信号(IN)は、ノイズを含まない周期性の矩形波を用いて表されている。また、図2に示される2つのインバータ出力信号(INV_OUT(1)、INV_OUT(2))のいずれか、または、双方は、第1および第2のインバータ回路12、14の出力のいずれか、または、双方に対応する。
上述のとおり、第1および第2のインバータ回路12、14のそれぞれは、第1および第2の導電型のトランジスタを含み、第1および第2の導電型のトランジスタの一方の能力は、第1および第2の導電型のトランジスタの他方の能力より低い。
【0042】
図2に示される1つのインバータ出力信号(INV_OUT(1))の立ち下がり時間(矢印22参照)は、そのインバータ出力信号(INV_OUT(1))の立ち上がり時間(矢印24参照)と比べて短く、無視することができる。また、図2に示されるもう1つのインバータ出力信号(INV_OUT(2))の立ち上がり時間(矢印28参照)は、そのインバータ出力信号(INV_OUT(2))の立ち下がり時間(矢印26参照)と比べて短く、無視することができる。
なお、図2に示される入力信号(IN)の立ち上がり時間および立ち下がり時間は、第1または第2のインバータ回路12、14の遅延量と比べて短く、無視することができる。
【0043】
1.2 ノイズフィルタ回路の動作(その1)
図3は、図1に示されるノイズフィルタ回路10の動作を理解するためのタイミング図を示す。
なお、図3において、図3の上側に示されるインバータ出力信号(INV_OUT(1))は、たとえば、図1に示される第2のインバータ回路14に対応し、図3の下側に示されるインバータ出力信号(INV_OUT(1))は、たとえば、図1に示される第1のインバータ回路12に対応する。
【0044】
図3に例として示される入力信号(IN)は、入力信号(IN)のHIGH側またはLOW側のパルス幅よりも小さいパルス幅を有する第1および第2のノイズ(矢印31、32参照)を含む。また、図3の上側に示されるインバータ出力信号(INV_OUT(1))は、第1および第2のノイズ(31、32)を有する入力信号(IN)が反転された信号を表す。
加えて、図3に示される入力信号’(IN’)は、第1および第2のノイズ(31、32)を有する入力信号(IN)が反転された信号を表す。また、図3の下側に示されるインバータ出力信号(INV_OUT(1))は、入力信号’(IN’)が反転された信号を表す。
【0045】
図3において、入力信号(IN)に含まれる第1のノイズ(31)は、上側のインバータ出力信号(INV_OUT(1))に含まれるノイズ(矢印33参照)、入力信号’(IN’)に含まれるノイズ(矢印31’参照)、および、下側のインバータ出力信号(INV_OUT(1))に含まれるノイズ(矢印35参照)に対応する。また、入力信号(IN)に含まれる第2のノイズ(32)は、上側のインバータ出力信号(INV_OUT(1))に含まれるノイズ(矢印34参照)、入力信号’(IN’)に含まれるノイズ(矢印32’参照)、および、下側のインバータ出力信号(INV_OUT(1))に含まれるノイズ(矢印36参照)に対応する。
【0046】
図3において、点線37は、ラッチ回路16のリセット信号(R)およびセット信号(S)に対する入力閾値を表す。なお、図3における入力閾値37は、セット信号(S)およびリセット信号(R)に対して同じ閾値であるが、リセット信号(R)およびセット信号(S)に対して、相互に異なる閾値であってもよい。
【0047】
図3に示されるように、入力信号(IN)が反転されたインバータ出力信号(INV_OUT(1))において、立ち上がり時間(24)が、立ち下がり時間と比べて十分に長い場合、ノイズ(34)は、入力閾値37を超えない。したがって、ラッチ回路16は、ノイズ(34)を無視することが可能となる。
【0048】
さらに、図3に示されるように、入力信号’(IN’)が反転されたインバータ出力信号(INV_OUT(1))において、立ち上がり時間(24)が、立ち下がり時間と比べて十分に長い場合、ノイズ(35)は、入力閾値37を超えない。したがって、ラッチ回路16は、ノイズ(35)を無視することが可能となる。
【0049】
このように、たとえば、図3の上側に示されるインバータ出力信号(INV_OUT(1))と、図3の下側に示されるインバータ出力信号(INV_OUT(1))との組み合わせは、リセット信号(R)およびセット信号(S)を形成することができる。結果として、ラッチ回路16は、ノイズ(33、36)も無視することが可能となる。
【0050】
従来のノイズフィルタ回路は、たとえば、特許文献1(特開2003−163583号公報)の図1に開示され、入力信号とラッチ回路との間に、遅延回路、NAND回路およびOR回路が配置される。一方、図1に示すように、本発明に従うノイズフィルタ回路10は、遅延回路、NAND回路およびOR回路の代わりに、簡易な構造を有する第1および第2のインバータ回路12、14を備えることができる。
【0051】
図3に示される入力信号(IN)に含まれる第1のノイズ(31)が、たとえば、後述する図13に示されるような連続ノイズ(131−1、131−2)である場合、その連続ノイズも、入力閾値37を超えない。同様に、図3に示される入力信号(IN)に含まれる第2のノイズ(32)が、連続ノイズである場合でも、そのノイズは、入力閾値37を超えない。したがって、本発明に従うノイズフィルタ回路10は、連続ノイズを除去することができる。これに対し、後述するように、従来のノイズフィルタ回路は、連続ノイズを除去することができないこともある。
【0052】
1.3 ノイズフィルタ回路の動作(その2)
図4は、図1に示されるノイズフィルタ回路10の動作を理解するためのもう1つのタイミング図を示す。
なお、図4において、図4の上側に示されるインバータ出力信号(INV_OUT(2))は、たとえば、図1に示される第1のインバータ回路12に対応し、図4の下側に示されるインバータ出力信号(INV_OUT(2))は、たとえば、図1に示される第2のインバータ回路14に対応する。
【0053】
図4に示される入力信号(IN)および入力信号’(IN’)は、図3に示される入力信号(IN)および入力信号’(IN’)である。
図4の上側に示されるインバータ出力信号(INV_OUT(2))は、入力信号(IN)が反転された信号を表し、図4の下側に示されるインバータ出力信号(INV_OUT(2))は、入力信号’(IN’)が反転された信号を表す。
【0054】
図4に示されるように、入力信号(IN)が反転されたインバータ出力信号(INV_OUT(2))において、立ち下がり時間(26)が、立ち上がり時間と比べて十分に長い場合、ノイズ(43)は、入力閾値37を超えない。したがって、ラッチ回路16は、ノイズ(43)を無視することが可能となる。
【0055】
さらに、図4に示されるように、入力信号’(IN’)が反転されたインバータ出力信号(INV_OUT(2))において、立ち下がり時間(26)が、立ち上がり時間と比べて十分に長い場合、ノイズ(46)は、入力閾値37を超えない。したがって、たとえば、ラッチ回路16は、ノイズ(46)を無視することが可能となる。
【0056】
このように、たとえば、図4の上側に示されるインバータ出力信号(INV_OUT(2))と、図4の下側に示されるインバータ出力信号(INV_OUT(2))との組み合わせは、セット信号(S)およびリセット信号(R)を形成することができる。結果として、ラッチ回路16は、ノイズ(44、45)も無視することが可能となる。
【0057】
1.4 ノイズフィルタ回路の動作(その3)
図5は、図1に示されるノイズフィルタ回路10の動作を理解するためのさらなるタイミング図を示す。
なお、図5において、図5の上側に示されるインバータ出力信号(INV_OUT(2))は、たとえば、図1に示される第1のインバータ回路12に対応し、図5の下側に示されるインバータ出力信号(INV_OUT(1))は、たとえば、図1に示される第2のインバータ回路14に対応する。
【0058】
図5に示される入力信号(IN)は、図3に示される入力信号(IN)である。
図5の上側に示されるインバータ出力信号(INV_OUT(2))は、入力信号(IN)が反転された信号、すなわち、図4の上側に示されるインバータ出力信号(INV_OUT(2))である。
図5の下側に示されるインバータ出力信号(INV_OUT(1))は、入力信号(IN)が反転された信号、すなわち、図3の上側に示されるインバータ出力信号(INV_OUT(1))である。
図5に示されるインバータ出力信号’(INV_OUT(1)’)は、図5の下側に示されるインバータ出力信号(INV_OUT(1))が反転され、波形整形された信号を表す。
【0059】
図5に示されるように、入力信号(IN)が反転されたインバータ出力信号(INV_OUT(2))において、立ち下がり時間(26)が、立ち上がり時間と比べて十分に長い場合、ノイズ(43)は、ラッチ回路16の入力閾値37を超えない。したがって、ラッチ回路16は、ノイズ(43)を無視することが可能となる。
【0060】
さらに、図5に示されるように、入力信号(IN)が反転されたインバータ出力信号(INV_OUT(1))において、上がり時間(24)が、立ち下がり時間と比べて十分に長い場合、ノイズ(34)は、インバータ出力信号(INV_OUT(1))を反転する回路の入力閾値52を超えない。
したがって、インバータ出力信号(INV_OUT(1))が反転され、波形整形されたインバータ出力信号’(INV_OUT(1)’)は、ノイズ(34)を含まない(矢印34’参照)。結果として、ラッチ回路16は、ノイズ(34)を無視することが可能となる。
【0061】
このように、たとえば、図5の上側に示されるインバータ出力信号(INV_OUT(2))と、図5に示されるインバータ出力信号’(INV_OUT(1)’)との組み合わせは、セット信号(S)およびリセット信号(R)を形成することができる。結果として、ラッチ回路16は、ノイズ(44、33)も無視することが可能となる。
【0062】
図5において、インバータ出力信号(INV_OUT(1))を反転する回路の入力閾値52は、ラッチ回路16の入力閾値37対して、同じ閾値であるが、異なる閾値であってもよい。
なお、図1に示されたラッチ回路16のセット信号(S)およびリセット信号(R)の組み合わせは、図3〜図5に示されたタイミング図で表されるが、これらの各タイミング図に限定されるものではない。
たとえば、図3の下側に示されるインバータ出力信号(INV_OUT(1))と、図に示されていないが、図4の下側に示されるインバータ出力信号(INV_OUT(2))が反転される信号との組み合わせは、セット信号(S)およびリセット信号(R)を形成することができる。また、図に示されていないが、図5の上側に示されるインバータ出力信号(INV_OUT(2))が反転される信号と、図3の上側に示されるインバータ出力信号(INV_OUT(1))との組み合わせも、セット信号(S)およびリセット信号(R)を形成することができる。
【0063】
1.5 ノイズフィルタ回路の第1の実施形態
図6は、図1に示されるノイズフィルタ回路10の具体例を示す。
図6に示されるノイズフィルタ回路60は、入力信号(IN)に基づく信号を入力する第1および第2のインバータ回路62、64と、第1および第2のインバータ回路62、64からの信号に基づく信号を入力するラッチ回路66と、を備える。
【0064】
第1のインバータ回路62は、第3のインバータ回路61を介して、入力信号(IN)を入力する。
第3のインバータ回路61は、入力信号(IN)を反転し、それを出力する。
第1のインバータ回路62は、第3のインバータ回路61からの信号、すなわち、入力信号(IN)が反転された信号(IN’)を入力する。第1のインバータ回路62はさらに、入力信号’(IN’)を反転し、それを出力する。
【0065】
第1のインバータ回路62は、PおよびNの型のトランジスタ(CMOSトランジスタ)を含み、P型のトランジスタの能力は、N型のトランジスタの能力より低い。
P型のトランジスタのチャネル長およびチャネル幅がそれぞれLpおよびWpであり、N型のトランジスタのチャネル長およびチャネル幅がそれぞれLnおよびWnであると想定する。たとえば、Wp/Lpを2〜3倍したものが、Wn/Lnより小さい場合、P型のトランジスタのON抵抗は、N型のトランジスタのON抵抗より高い。このように、第1のインバータ回路62において、P型のトランジスタの能力は、N型のトランジスタの能力より低い。なお、電子の移動度は、正孔の移動度よりも大きいため、Wp/Lp=Wn/Lnの場合、一般に、N型のトランジスタの能力は、P型のトランジスタの能力の2〜3倍である。
【0066】
第2のインバータ回路64は、入力信号(IN)を反転し、それを出力する。第2のインバータ回路64は、PおよびNの型のトランジスタ(CMOSトランジスタ)を含む。第2のインバータ回路64において、P型のトランジスタの能力は、N型のトランジスタの能力より低い。
【0067】
ラッチ回路66は、第1のインバータ回路62からの信号をセット信号(S)として、入力する。ラッチ回路66はさらに、第2のインバータ回路64からの信号をリセット信号(R)として、入力する。ラッチ回路66は、セット信号(S)およびリセット信号(R)のタイミングに応じて、2つの出力のレベル(Q、Q_)の一方(Q_)を、第4のインバータ回路67を介して出力する。ラッチ回路66は、NOR型ラッチ回路で構成される。
【0068】
第4のインバータ回路67は、ラッチ回路66からの信号(Q_)を反転し、それを出力する。第4のインバータ回路67からの信号は、ノイズフィルタ回路60の出力信号(OUT)を形成する。
【0069】
図7は、図6に示されるノイズフィルタ回路60の動作を理解するためのタイミング図を示す。
図7において、符号IN、61(IN’)、62(S)、64(R)、66(Q_)、および67(OUT)は、それぞれ、入力信号、第3のインバータ回路61からの信号(入力信号’)、第1のインバータ回路62からの信号(セット信号)、第2のインバータ回路64からの信号(リセット信号)、ラッチ回路66からの信号(ラッチ信号)、および、第4のインバータ回路67からの信号(出力信号)を表す。
なお、図3の上側に示されるインバータ出力信号(INV_OUT(1))は、図7に示される第2のインバータ回路64からの信号(R)に対応し、図3の下側に示されるインバータ出力信号(INV_OUT(1))は、図7に示される第1のインバータ回路62からの信号(S)に対応する。
【0070】
図7に示されるように、ノイズフィルタ回路60は、入力閾値37を超えないセット信号(62(S))に含まれるノイズ(71)を除去できる。なお、セット信号(62(S))に含まれるノイズ(71)のパルス幅が、第1の遅延量d1を超えない限り、ノイズ(71)は、入力閾値37を超えない。したがって、ノイズフィルタ回路60は、第1の遅延量d1より小さいパルス幅を有するノイズ(71)、すなわち第1の遅延量d1より小さいパルス幅を有するHIGH側のノイズ(31)を除去できる。
また、ノイズフィルタ回路60は、第2の遅延量d2より小さいパルス幅を有するリセット信号(64(R))に含まれるノイズ(72)、すなわち第2の遅延量d2より小さいパルス幅を有するLOW側のノイズ(32)を除去できる。好ましくは、第1の遅延量d1は、第2の遅延量d2と等しい。
なお、図7に示される第3および第4のインバータ回路61、67のそれぞれの出力信号(IN’、OUT)の立ち下がり時間および立ち上がり時間は、十分に短く、無視することができる。
【0071】
上述のとおり、従来のノイズフィルタ回路において、たとえば、入力信号とラッチ回路との間に、遅延回路、NAND回路およびOR回路が配置される。
遅延回路は、たとえば、少なくとも2つのインバータ回路(たとえば、2つのP型のトランジスタと2つのN型のトランジスタ)で構成することができる。NAND回路は、たとえば、2つのP型のトランジスタと2つのN型のトランジスタで構成することができる。OR回路は、たとえば、NOR回路(たとえば、2つのP型トランジスタと2つのN型のトランジスタ)と、1つのインバータ回路(たとえば、1つのP型トランジスタと1つのN型のトランジスタ)とで、構成することができる。
図6に示されるノイズフィルタ回路60は、遅延回路、NAND回路およびOR回路の代わりに、第3、第1、および第2のインバータ回路61、62、64(たとえば、3つのP型のトランジスタと3つのN型のトランジスタ)を備えることができる。このように、図6に示されるノイズフィルタ回路60は、簡易な構造を有する。したがって、ノイズフィルタ回路60は、従来のノイズフィルタ回路と比較して、小さいチップサイズを有することが可能となる。
【0072】
図7に示される第1の遅延量d1は、(第1のインバータ回路62のP型のトランジスタのON抵抗と、第1のインバータ回路62とラッチ回路66との間の容量(ラッチ回路66のセット信号側のゲート容量と、第1のインバータ回路62のドレイン容量と、配線などによる寄生容量との総和容量)とで決定される)時定数と、ラッチ回路66のセット信号側の入力閾値37と、によって決定される。
第2の遅延量d2は、(第2のインバータ回路64のP型のトランジスタのON抵抗と、第2のインバータ回路64とラッチ回路66との間の容量(ラッチ回路66のリセット信号側のゲート容量と、第2のインバータ回路64のドレイン容量と、配線などによる寄生容量との総和容量)とで決定される)時定数と、ラッチ回路66のリセット信号側の入力閾値37と、によって決定される。
【0073】
第1のインバータ回路62および第2のインバータ回路64の双方は、同じインバータ回路(N型のトランジスタと比べて、P型のトランジスタの能力が低いインバータ回路)を備えることができ、その結果、遅延量(d1、d2)のばらつきを小さくすることが可能となる。
また、CMOSトランジスタの能力を低くする場合において、P型のトランジスタの能力を所定量POだけ小さくするために必要なP型のトランジスタのチャネル長Lp’は、N型のトランジスタの能力を所定量POだけ小さくするために必要なN型のトランジスタのチャネル長Ln’より短い。したがって、第1のインバータ回路62および第2のインバータ回路64の双方が、P型のトランジスタの能力が低いインバータ回路を備える場合(ノイズフィルタ回路の第1の実施形態)、より小さいチップサイズを有するノイズフィルタ回路を提供することが可能となる。
【0074】
なお、図7に示される入力信号(IN)に含まれる第1のノイズ(31)が、連続ノイズである場合、セット信号(62(S))に含まれるノイズ(71)も、連続ノイズになる。しかしながら、セット信号(62(S))に含まれる連続ノイズは、入力閾値37を超えない。同様に、図7に示される入力信号(IN)に含まれる第2のノイズ(32)が、連続ノイズである場合でも、リセット信号(64(R))に含まれる連続ノイズは、入力閾値37を超えない。したがって、本発明に従うノイズフィルタ回路60は、連続ノイズを除去することができる。
【0075】
1.5.1 ノイズフィルタ回路の第1の実施形態の変形例
図6において、たとえば、ラッチ回路66は、2つの出力のレベル(Q、Q_)の一方(Q_)を出力するが、ラッチ回路66は、2つの出力のレベル(Q、Q_)の他方(Q)を出力してもよい。この場合、ノイズフィルタ回路60は、第4のインバータ回路67を省略することができる。
また、図6において、たとえば、ラッチ回路66は、第1および第2のインバータ回路62、64からの信号を、それぞれ、セット信号およびリセット信号として入力するが、ラッチ回路66は、第1および第2のインバータ回路62、64からの信号の組み合わせを変更して、それぞれ、リセット信号およびセット信号として入力してもよい。言い換えれば、図6において、第3のインバータ回路61は、入力信号(IN)と第1のインバータ回路62との間に配置されるが、第3のインバータ回路61は、入力信号(IN)と第2のインバータ回路64との間に配置されてもよい。この場合、ノイズフィルタ回路60は、第4のインバータ回路67を省略することができる。
さらに、図6において、たとえば、第1および第2のインバータ回路62、64のそれぞれと、ラッチ回路66との間に、独立したキャパシタを配置してもよい。この場合、第1および第2の遅延量d1、d2は、独立したキャパシタの容量に応じて、多くなる。したがって、ノイズフィルタ回路60は、より長いパルス幅を持つノイズも除去することが可能となる。
【0076】
1.6 ノイズフィルタ回路の第2の実施形態
図8は、図1に示されるノイズフィルタ回路10のもう1つの具体例を示す。
図8に示されるノイズフィルタ回路80は、入力信号(IN)に基づく信号を入力する第1および第2のインバータ回路82、84と、第1および第2のインバータ回路82、84からの信号に基づく信号を入力するラッチ回路86と、を備える。
【0077】
第1のインバータ回路82は、入力信号(IN)を反転し、それを出力する。第1のインバータ回路82において、N型のトランジスタの能力は、P型のトランジスタの能力より低い。
【0078】
第2のインバータ回路84は、第3のインバータ回路81を介して、入力信号(IN)を入力する。すなわち、第2のインバータ回路84は、入力信号(IN)が反転された信号(IN’)を入力する。第2のインバータ回路84はさらに、入力信号’(IN’)を反転し、それを出力する。第2のインバータ回路84において、N型のトランジスタの能力は、P型のトランジスタの能力より低い。
【0079】
ラッチ回路86は、第1のインバータ回路82からの信号をセット信号(S)として、入力する。ラッチ回路86はさらに、第2のインバータ回路84からの信号をリセット信号(R)として、入力する。ラッチ回路86は、セット信号(S)およびリセット信号(R)のタイミングに応じて、2つの出力のレベル(Q、Q_)の一方(Q_)を出力する。ラッチ回路86は、NAND型ラッチ回路で構成される。ラッチ回路86からの信号は、ノイズフィルタ回路80の出力信号(OUT)を形成する。
【0080】
図9は、図8に示されるノイズフィルタ回路80の動作を理解するためのタイミング図を示す。
図9において、符号IN、81(IN’)、82(S)、84(R)、および86(Q_)(OUT)は、それぞれ、入力信号、第3のインバータ回路81からの信号(入力信号’)、第1のインバータ回路82からの信号(セット信号)、第2のインバータ回路84からの信号(リセット信号)、および、ラッチ回路86からの信号(ラッチ信号)(出力信号)を表す。
なお、図4の上側に示されるインバータ出力信号(INV_OUT(2))は、図9に示される第1のインバータ回路82からの信号(S)に対応し、図4の下側に示されるインバータ出力信号(INV_OUT(2))は、図9に示される第2のインバータ回路84からの信号(R)に対応する。
【0081】
図9に示されるように、ノイズフィルタ回路80は、第1の遅延量d3より小さいHIGH側のノイズ(31)を除去できる。また、ノイズフィルタ回路80は、第2の遅延量d4より小さいLOW側のノイズ(32)を除去できる。好ましくは、第1の遅延量d3は、第2の遅延量d4と等しい。
なお、図9に示される第3のインバータ回路81の出力信号(IN’)の立ち下がり時間および立ち上がり時間は、十分に短く、無視することができる。
【0082】
第1のインバータ回路82および第2のインバータ回路84の双方は、同じインバータ回路(P型のトランジスタと比べて、N型のトランジスタの能力が低いインバータ回路)を備えることができ、その結果、遅延量(d3、d4)のばらつきを小さくすることが可能となる。
【0083】
なお、図9に示される入力信号(IN)に含まれる第1のノイズ(31)が、連続ノイズである場合でも、セット信号(82(S))に含まれる連続ノイズは、入力閾値37を超えない。同様に、図9に示される入力信号(IN)に含まれる第2のノイズ(32)が、連続ノイズである場合でも、リセット信号(84(R))に含まれる連続ノイズは、入力閾値37を超えない。したがって、本発明に従うノイズフィルタ回路80は、連続ノイズを除去することができる。
【0084】
1.6.1 ノイズフィルタ回路の第2の実施形態の変形例
図8において、たとえば、ラッチ回路86は、2つの出力のレベル(Q、Q_)の一方(Q_)を出力するが、ラッチ回路86は、2つの出力のレベル(Q、Q_)の他方(Q)を出力してもよい。この場合、ノイズフィルタ回路80は、第4のインバータ回路67を備えることができる。
また、図8において、たとえば、第3のインバータ回路81は、入力信号(IN)と第2のインバータ回路84との間に配置されるが、第3のインバータ回路81は、入力信号(IN)と第1のインバータ回路82との間に配置されてもよい。この場合、ノイズフィルタ回路80は、第4のインバータ回路67を備えることができる。
さらに、図8において、たとえば、第1および第2のインバータ回路82、84のそれぞれと、ラッチ回路86との間に、独立したキャパシタを配置してもよい。
【0085】
1.7 ノイズフィルタ回路の第3の実施形態
図10は、図1に示されるノイズフィルタ回路10のさらなる具体例を示す。
図10に示されるノイズフィルタ回路100は、入力信号(IN)に基づく信号を入力する第1および第2のインバータ回路102、104と、第1および第2のインバータ回路102、104からの信号に基づく信号を入力するラッチ回路106と、を備える。
【0086】
第1のインバータ回路102は、入力信号(IN)を反転し、それを出力する。第1のインバータ回路102において、P型のトランジスタの能力は、N型のトランジスタの能力より低い。
第2のインバータ回路104は、入力信号(IN)を反転し、それを出力する。第2のインバータ回路104において、N型のトランジスタの能力は、P型のトランジスタの能力より低い。
【0087】
ラッチ回路106は、第1のインバータ回路102からの信号をセット信号(S)として、入力する。
ラッチ回路106はさらに、第2のインバータ回路104からの信号を第3のインバータ回路105を介して入力する。すなわち、ラッチ回路106は、第2のインバータ回路104からの信号が反転され、波形整形された信号を、リセット信号(R)として、入力する。
ラッチ回路106は、セット信号(S)およびリセット信号(R)のタイミングに応じて、2つの出力のレベル(Q、Q_)の一方(Q_)を出力する。ラッチ回路106は、NAND型ラッチ回路で構成される。ラッチ回路106からの信号は、ノイズフィルタ回路100の出力信号(OUT)を形成する。
【0088】
図11は、図10に示されるノイズフィルタ回路100の動作を理解するためのタイミング図を示す。
図11において、符号IN、102(S)、104、105(R)、および106(Q_)(OUT)は、それぞれ、入力信号、第1のインバータ回路102からの信号(セット信号)、第2のインバータ回路104からの信号、第3のインバータ回路105からの信号(リセット信号)、および、ラッチ回路106からの信号(ラッチ信号)(出力信号)を表す。
なお、図5に示されるインバータ出力信号(INV_OUT(2))は、図10に示される第1のインバータ回路102からの信号(S)に対応し、図5に示されるインバータ出力信号’(INV_OUT(1)’)は、図10に示される第2のインバータ回路104からの信号が反転された信号(R)、すなわち、図10に示される第3のインバータ回路105からの信号(R)に対応する。
【0089】
図11に示されるように、ノイズフィルタ回路100は、第1の遅延量d5より小さいHIGH側のノイズ(31)を除去できる。また、ノイズフィルタ回路100は、第2の遅延量d6より小さいLOW側のノイズ(32)を除去できる。好ましくは、第1の遅延量d5は、第2の遅延量d6と等しい。
なお、図11に示される第3のインバータ回路105の出力信号(R)の立ち下がり時間および立ち上がり時間は、十分に短く、無視することができる。
【0090】
第2のインバータ回路104のみが、P型のトランジスタの能力が低いインバータ回路を備える場合(ノイズフィルタ回路の第3の実施形態)、ノイズフィルタ回路の第1の実施形態より大きいが、ノイズフィルタ回路の第2の実施形態より小さいチップサイズを有するノイズフィルタ回路を提供することが可能となる。
【0091】
なお、図11に示される入力信号(IN)に含まれる第1のノイズ(31)が、連続ノイズである場合でも、セット信号(102(S))に含まれる連続ノイズは、入力閾値37を超えない。また、図11に示される入力信号(IN)に含まれる第2のノイズ(32)が、連続ノイズである場合でも、第2のインバータ回路104から信号に含まれる連続ノイズは、第3のインバータ回路105の入力閾値52を超えない。したがって、本発明に従うノイズフィルタ回路100は、連続ノイズを除去することができる。
【0092】
1.7.1 ノイズフィルタ回路の第3の実施形態の変形例
図10において、たとえば、ラッチ回路106は、2つの出力のレベル(Q、Q_)の一方(Q_)を出力するが、ラッチ回路106は、2つの出力のレベル(Q、Q_)の他方(Q)を出力してもよい。この場合、ノイズフィルタ回路100は、第4のインバータ回路67を備えることができる。
また、図10において、たとえば、第3のインバータ回路105は、第2のインバータ回路104とラッチ回路106(NAND型ラッチ回路)との間に配置されるが、第3のインバータ回路105は、第1のインバータ回路102とラッチ回路106との間に配置されてもよい。この場合、ラッチ回路106は、NOR型ラッチ回路(図6中のラッチ回路66)で構成することができ、ノイズフィルタ回路80は、第4のインバータ回路67を備えることができる。
さらに、図8において、たとえば、第1および第2のインバータ回路82、84のそれぞれと、ラッチ回路86との間に、独立したキャパシタを配置してもよい。
【0093】
1.8 ノイズフィルタ回路の第4の実施形態
従来のノイズフィルタ回路は、たとえば、特許文献1(特開2003−163583号公報)の図1に開示され、入力信号とラッチ回路との間に、遅延回路、NAND回路およびOR回路が配置される。
従来のノイズフィルタ回路において、NAND回路とラッチ回路との間、および、OR回路とラッチ回路との間のそれぞれに、図10に示される第2および第3のインバータ回路104、105(遅延回路)を挿入することで、本発明に従うノイズフィルタ回路120(第4の実施形態)が構成される。
【0094】
図12は、本発明に従うノイズフィルタ回路120の具体例を示す。
図12に示されるノイズフィルタ回路120は、入力信号(IN)を入力する第1の遅延回路121と、入力信号(IN)と第1の遅延回路121からの信号(INd)とを入力するNAND回路122およびOR回路123と、NAND回路122からの信号を入力する第2の遅延回路124と、OR回路123からの信号を入力する第3の遅延回路125と、第2および第3の遅延回路124、125からの信号を、セット信号(S)及びリセット信号(R)として入力するラッチ回路126と、を備える。
【0095】
遅延回路121は、入力信号(IN)を入力し、入力信号(IN)を第1の所定の遅延量D1だけ遅延させ、それを出力する。遅延回路121は、たとえば、偶数個のインバータ回路が直列接続された回路(たとえば、特許文献2(特開平07−022921号公報)の図2または図1に開示される遅延回路)で構成される。
好ましくは、遅延回路121は、後述の遅延回路(たとえば、図22に示されるインバータ回路220にインバータ回路が組み合わされた回路)で、構成される。
【0096】
NAND回路(論理積回路)122は、入力信号(IN)と、第1の遅延回路121からの信号(INd)と、を入力する。NAND回路122は、これらの2つの信号(IN、INd)の論理演算(NAND)を実行し、その結果を出力する。具体的には、NAND回路122は、2つの信号(IN、INd)の双方がHIGHを示すときのみ、LOWを出力し、その他の場合には、HIGHを出力する。
【0097】
OR回路(論理和回路)123は、入力信号(IN)と、第1の遅延回路121からの信号(INd)と、を入力する。OR回路123は、これらの2つの信号(IN、INd)の論理演算(OR)を実行し、その結果を出力する。具体的には、NAND回路122は、2つの信号(IN、INd)の少なくとも1つがHIGHを示すとき、HIGHを出力し、その他の場合には、LOWを出力する。
【0098】
第2の遅延回路124は、NAND回路122からの信号を入力する。
第2の遅延回路124は、図10に示される第2および第3のインバータ回路104、105と同様の機能を有する。すなわち、第2の遅延回路124は、NAND回路122からの信号を反転し、それを出力する初段のインバータ回路124−1を有する。第2の遅延回路124はさらに、初段のインバータ回路124−1からの信号を反転し、それを出力する次段のインバータ回路124−2を有する。初段のインバータ回路124−1において、P型のトランジスタの能力は、N型のトランジスタの能力より低い。次段のインバータ回路124−2からの信号は、第2の遅延回路124の出力信号を形成する。
【0099】
第3の遅延回路125は、OR回路125からの信号を入力する。
第3の遅延回路125は、OR回路125からの信号を反転し、それを出力する初段のインバータ回路125−1を有する。第3の遅延回路125はさらに、初段のインバータ回路125−1からの信号を反転し、それを出力する次段のインバータ回路125−2を有する。初段のインバータ回路125−1において、P型のトランジスタの能力は、N型のトランジスタの能力より低い。次段のインバータ回路125−2からの信号は、第2の遅延回路125の出力信号を形成する。
【0100】
ラッチ回路126は、第2の遅延回路124からの信号をセット信号(S)として、入力する。ラッチ回路126はさらに、第3の遅延回路124からの信号をリセット信号(R)として、入力する。ラッチ回路126は、セット信号(S)およびリセット信号(R)のタイミングに応じて、2つの出力のレベル(Q、Q_)の一方(Q_)を出力する。ラッチ回路126は、NAND型ラッチ回路で構成される。ラッチ回路126からの信号は、ノイズフィルタ回路120の出力信号(OUT)を形成する。
【0101】
図13は、図12に示されるノイズフィルタ回路120および従来のノイズフィルタ回路の動作を理解するためのタイミング図を示す。
図13において、符号IN、121(INd)、122(NAND)、123(OR)、124−1(INV)、124−2(S)、125−1(INV)、125(R)、および126(Q_)(OUT)は、それぞれ、入力信号、第1の遅延回路121からの信号、NAND回路122からの信号、OR回路123からの信号、第2の遅延回路124の初段のインバータ回路124−1からの信号、第2の遅延回路124の次段のインバータ回路124−2からの信号(セット信号)、第3の遅延回路125の初段のインバータ回路125−1からの信号、第3の遅延回路125の次段のインバータ回路125−2からの信号(リセット信号)、および、ラッチ回路126からの信号(ラッチ信号)(出力信号)を表す。
なお、図13において、符号PriorArt(OUT)は、従来のノイズフィルタ回路からの出力信号を表す。
【0102】
図13に示される入力信号(IN)は、HIGH側の連続ノイズ131−1、131−2と、LOW側の連続ノイズ132−1、132−2と、を含む。
図13において、HIGH側の連続ノイズ131−1、131−2の間隔Diが、第1の遅延回路121の遅延量D1と、連続ノイズの先頭ノイズ131−1のパルス幅Dpとの和より小さい場合(Di<D1+Dp)、NAND回路122は、HIGH側の連続ノイズに対応するノイズ133を有する。
また、LOW側の連続ノイズ132−1、132−2の間隔Diが、第1の遅延回路121の遅延量D1と、連続ノイズの先頭ノイズ132−1のパルス幅Dpとの和より小さい場合(Di<D1+Dp)、OR回路123は、LOW側の連続ノイズに対応するノイズ134を有する。
【0103】
このような場合、従来のノイズフィルタ回路において、NAND回路122からの信号そのものおよびOR回路123からの信号そのものは、ラッチ回路のセット信号およびリセット信号を構成していた。したがって、従来のノイズフィルタ回路の出力信号(PriorArt(OUT))は、HIGHおよびLOW側の連続ノイズに起因するノイズ135、136を有する。
【0104】
従来のノイズフィルタ回路とは対照的に、本発明に従うノイズフィルタ回路120において、NAND回路122からの信号を入力する第2の遅延回路124からの信号、および、OR回路123からの信号を入力する第3の遅延回路126からの信号は、ラッチ回路126のセット信号およびリセット信号を構成する。したがって、ノイズフィルタ回路120の出力(126(Q_)(OUT))は、HIGHおよびLOW側の連続ノイズに起因するノイズ135、136を有しない。
【0105】
第2の遅延回路124の初段のインバータ回路124−1からの信号(124−1(INV))は、HIGH側の連続ノイズに対応するノイズ137を有するが、ノイズ137は、次段のインバータ回路124−2の入力閾値139を超えない。したがって、ノイズ137は、第2の遅延回路125によって、除去することが可能となる。
また、第3の遅延回路125の初段のインバータ回路125−1からの信号(125−1(INV))は、LOW側の連続ノイズに対応するノイズ138を有するが、ノイズ138は、次段のインバータ回路125−2の入力閾値139を超えない。したがって、ノイズ138は、第3の遅延回路125によって、除去することが可能となる。
なお、好ましくは、第2の遅延回路124の遅延量D2は、第3の遅延回路125の遅延量D3と等しい。
【0106】
図12に示される初段のインバータ回路124−1、125−1のそれぞれの出力信号(124−1(INV)、125−1(INV))において、立ち上がり時間は、立ち下がり時間と比べて十分に長い。
また、図12に示される次段のインバータ回路124−2、125−2のそれぞれの出力信号(124−2(S)、125−2(R))の立ち下がり時間および立ち上がり時間は、十分に短く、無視することができる。
【0107】
1.8.1 ノイズフィルタ回路の第4の実施形態の変形例
図12において、たとえば、第2の遅延回路124の次段のインバータ回路124−2を省略し、第3の遅延回路125の次段のインバータ回路125−2を省略し、Q_を出力するNAND型ラッチ回路126の代わりにQを出力するNOR型ラッチ回路が配置されてもよい。
また、図12において、たとえば、初段のインバータ回路124−1と次段のインバータ回路124−2との間、および/または、初段のインバータ回路125−1と次段のインバータ回路125−2との間に、独立したキャパシタが配置されてもよい。
【0108】
2. デッドタイム回路
2.1 デッドタイム回路の構成
図14は、本発明に従うデッドタイム回路の概略ブロック図を示す。
図14に示されるデッドタイム回路140は、入力信号(IN)に基づく信号を入力する第1および第2のインバータ回路142、144と、第1のインバータ回路142からの信号に基づく信号を入力する第1の波形整形回路146と、第2のインバータ回路144からの信号に基づく信号を入力する第2の波形整形回路148と、を備える。
なお、たとえば、小チップ化を優先させる場合、デッドタイム回路140は、第1および第2の波形整形回路146、148を省略してもよい。
【0109】
第1のインバータ回路142は、入力信号(IN)に基づく信号(たとえば、入力信号(IN)が反転された信号(IN’))を反転し、それを出力する。第1のインバータ回路142は、第1および第2の導電型のトランジスタを含み、第1および第2の導電型のトランジスタの一方の能力は、第1および第2の導電型のトランジスタの他方の能力より低い。第1のインバータ回路142は、たとえば、CMOSトランジスタで構成される。
【0110】
第2のインバータ回路144は、入力信号(IN)に基づく信号(たとえば、入力信号(IN)そのもの)を反転し、それを出力する。第2のインバータ回路144は、第1および第2の導電型のトランジスタを含み、第1および第2の導電型のトランジスタの一方の能力は、第1および第2の導電型のトランジスタの他方の能力より低い。第2のインバータ回路144は、たとえば、CMOSトランジスタで構成される。
【0111】
第1の波形整形回路146は、第1のインバータ回路142からの信号(たとえば、第1のインバータ回路142からの信号そのもの)の波形を整形し、それを出力する。
第2の波形整形回路148は、第2のインバータ回路144からの信号(たとえば、第2のインバータ回路144からの信号そのもの)の波形を整形し、それを出力する。
第1および第2の波形整形回路146、146からの信号(OUT1、OUT2)の組み合わせは、デッドタイムを形成する。
なお、第1および第2の波形整形回路146、148が省略される場合、第1および第2のインバータ回路142、144からの信号の組み合わせが、デッドタイムを形成する。
【0112】
2.2 デッドタイム回路の第1の実施形態
図15は、図14に示されるデッドタイム回路140の具体例を示す。
図15に示されるデッドタイム回路150は、入力信号(IN)に基づく信号を入力する第1および第2のインバータ回路152、154と、第1のインバータ回路152からの信号に基づく信号を入力する第1の波形整形回路156と、第2のインバータ回路154からの信号に基づく信号を入力する第2の波形整形回路158と、を備える。
なお、デッドタイム回路150は、第1および第2の波形整形回路156、158を省略してもよい。
【0113】
第1のインバータ回路152は、第3のインバータ回路151を介して、入力信号(IN)を入力する。言い換えれば、第1のインバータ回路152は、第3のインバータ回路151からの信号、すなわち、入力信号(IN)が反転された信号(IN’)を入力する。第1のインバータ回路152はさらに、入力信号’(IN’)を反転し、それを出力する。
なお、第1のインバータ回路152は、PおよびNの型のトランジスタ(CMOSトランジスタ)を含む。第1のインバータ回路152において、P型のトランジスタの能力は、N型のトランジスタの能力より低い。
【0114】
第2のインバータ回路154は、入力信号(IN)を反転し、それを出力する。第2のインバータ回路154は、PおよびNの型のトランジスタ(CMOSトランジスタ)を含む。第2のインバータ回路154において、P型のトランジスタの能力は、N型のトランジスタの能力より低い。
【0115】
第1の波形整形回路156は、第1のインバータ回路152からの信号の波形を整形する第4のインバータ回路156−1を有する。第1の波形整形回路156はさらに、第4のインバータ回路156−1からの信号を反転する第5のインバータ回路156−2を有する。
【0116】
第2の波形整形回路158は、第2のインバータ回路154からの信号の波形を整形する。図15において、第2の波形整形回路158は、第6のインバータ回路158で構成される。
【0117】
図16は、図15に示されるデッドタイム回路150の動作を理解するためのタイミング図を示す。
図16において、符号IN、151(IN’)、152、154、156−1、156−2(OUT1)、および158(OUT2)は、それぞれ、入力信号、第3のインバータ回路151からの信号(入力信号’)、第1のインバータ回路152からの信号、第2のインバータ回路154からの信号、第4のインバータ回路156−1からの信号、第5のインバータ回路156−2からの信号(出力信号1)、および、第6のインバータ回路158からの信号(出力信号2)を表す。
【0118】
図16に示されるように、図15のデッドタイム回路150に入力される入力信号(IN)は、矩形信号を有する。
図16に示されるように、図15に示される第1および第2のインバータ回路152、154のそれぞれの出力信号において、立ち上がり時間(矢印164参照)は、立ち下がり時間(矢印162参照)と比べて十分に長い。
図16に示されるように、図15に示される第3、第4、第5および第6のインバータ回路151、156−1、156−2、158のそれぞれの出力信号において、立ち下がり時間および立ち上がり時間は、十分に短く、無視することができる。
【0119】
図16において、点線167は、第1および第2の波形整形回路156、158の入力閾値を表す。なお、第1および第2の波形整形回路156、158の入力閾値167は、第1および第2のインバータ回路152、154の電源電圧VDDの1/2に設定されるが、第1および第2の波形整形回路156、158に対して、相互に異なる閾値であってもよい。
【0120】
図16に示されるように、図15のデッドタイム回路150からの出力信号1および2(OUT1、OUT2)の組み合わせは、組み合わせの両者が入力信号(IN)の位相と比べて同じ位相を有して、デッドタイム(dt1、dt2)を形成することができる。出力信号1および2(OUT1、OUT2)の組み合わせは、互いに、同じ位相を有し、たとえば、後述する図37の駆動回路370に適用することができる。なお、第1および第2の波形整形回路156、158が省略される場合、第1および第2のインバータ回路152、154からの信号の組み合わせは、組み合わせの一方のみが入力信号(IN)の位相と比べて同じ位相を有して、デッドタイムを形成する。第1および第2のインバータ回路152、154からの信号の組み合わせは、互いに逆の位相を有し、たとえば、図示しないレベルシフタ回路に適用することができる。
図16に示される第1のデッドタイムdt1は、(第1のインバータ回路152のP型のトランジスタのON抵抗と、第1のインバータ回路152と第1の波形整形回路156との間の容量(第4のインバータ回路156−1のゲート容量と、第1のインバータ回路152のドレイン容量と、配線などによる寄生容量との総和容量)とで決定される)時定数と、第1の波形整形回路156の入力閾値167と、によって決定される。
図16に示される第2のデッドタイムdt2は、(第2のインバータ回路154のP型のトランジスタのON抵抗と、第2のインバータ回路154と第2の波形整形回路158との間の容量(第6のインバータ回路158のゲート容量と、第2のインバータ回路154のドレイン容量と、配線などによる寄生容量との総和容量)とで決定される)時定数と、第2の波形整形回路158の入力閾値167と、によって決定される。
好ましくは、第1のデッドタイムdt1は、第2のデッドタイムdt2と等しい。
【0121】
従来のデッドタイム回路は、たとえば、特許文献3(特開2005−261091号公報)の図8または図1に開示され、複数の種類の回路素子で構成される。
これに対し、図15に示されるデッドタイム回路150は、第1〜第6のインバータ回路で構成され、簡易な構造を有する。したがって、デッドタイム回路150は、従来のデッドタイム回路と比較して、小さいチップサイズを有することが可能となる。
【0122】
第1のインバータ回路152および第2のインバータ回路154の双方は、同じインバータ回路(N型のトランジスタと比べて、P型のトランジスタの能力が低いインバータ回路)を備えることができ、その結果、デッドタイム(dt1、dt2)のばらつきを小さくすることが可能となる。
また、第1のインバータ回路152および第2のインバータ回154の双方が、P型のトランジスタの能力が低いインバータ回路を備える場合(デッドタイム回路の第1の実施形態)、より小さいチップサイズを有するデッドタイム回路を提供することが可能となる。
【0123】
2.2.1 デッドタイム回路の第1の実施形態の変形例
図15において、たとえば、第1の波形整形回路156は、2つのインバータ回路156−1、156−2で構成されるが、1つのインバータ回路156−1だけで、構成してもよい。言い換えれば、インバータ回路156−2を省略してもよい。この場合、インバータ回路156−1からの信号およびインバータ回路158からの信号の組み合わせは、組み合わせの一方のみが入力信号(IN)の位相と比べて同じ位相を有して、デッドタイムを形成する。
また、図15において、たとえば、第1および第2の波形整形回路156、158の入力閾値167は、VDD/2に設定されるが、第1の波形整形回路156の入力閾値を高くし、かつ、第2の波形回路158の入力閾値を高く設定してもよい。この場合、第1および第2のデッドタイムdt1、dt2は、変更される入力閾値に応じて、多くなる。
さらに、図15において、第1のインバータ回路152と第1の波形整形回路156との間、および、第2のインバータ回路154と第2の波形整形回路158との間に、独立したキャパシタを配置してもよい。この場合、第1および第2のデッドタイムdt1、dt2は、独立したキャパシタの容量に応じて、多くなる。
【0124】
2.3 デッドタイム回路の第2の実施形態
図17は、図14に示されるデッドタイム回路140のもう1つの具体例を示す。
図17に示されるデッドタイム回路170は、入力信号(IN)に基づく信号を入力する第1および第2のインバータ回路172、174と、第1のインバータ回路172からの信号に基づく信号を入力する第1の波形整形回路176と、第2のインバータ回路174からの信号に基づく信号を入力する第2の波形整形回路178と、を備える。
なお、デッドタイム回路170は、第1および第2の波形整形回路176、178を省略してもよい。
【0125】
第1のインバータ回路172は、第3のインバータ回路171を介して、入力信号(IN)を入力する。第1のインバータ回路172はさらに、入力信号’(IN’)を反転し、それを出力する。第1のインバータ回路172は、PおよびNの型のトランジスタ(CMOSトランジスタ)を含む。第1のインバータ回路172において、N型のトランジスタの能力は、P型のトランジスタの能力より低い。
【0126】
第2のインバータ回路174は、入力信号(IN)を反転し、それを出力する。第2のインバータ回路174は、PおよびNの型のトランジスタ(CMOSトランジスタ)を含む。第2のインバータ回路174において、N型のトランジスタの能力は、P型のトランジスタの能力より低い。
【0127】
第1の波形整形回路176は、第1のインバータ回路172からの信号の波形を整形する第4のインバータ回路176−1を有する。第1の波形整形回路176はさらに、第4のインバータ回路176−1からの信号を反転する第5のインバータ回路176−2を有する。
第2の波形整形回路178は、第2のインバータ回路174からの信号の波形を整形する。図17において、第2の波形整形回路178は、第6のインバータ回路178で構成される。
【0128】
図18は、図17に示されるデッドタイム回路170の動作を理解するためのタイミング図を示す。
図18において、符号IN、171(IN’)、172、174、176−1、176−2(OUT1)、および178(OUT2)は、それぞれ、入力信号、第3のインバータ回路171からの信号(入力信号’)、第1のインバータ回路172からの信号、第2のインバータ回路174からの信号、第4のインバータ回路176−1からの信号、第5のインバータ回路176−2からの信号(出力信号1)、および、第6のインバータ回路178からの信号(出力信号2)を表す。
【0129】
図18に示されるように、図17に示される第1および第2のインバータ回路152、154のそれぞれの出力信号において、立ち上がり時間(矢印184参照)は、立ち下がり時間(矢印182参照)と比べて十分に長い。
図18に示されるように、図17のデッドタイム回路170からの出力信号1および2(OUT1、OUT2)の組み合わせは、組み合わせの両者が入力信号(IN)の位相と比べて同じ位相を有して、デッドタイム(dt3、dt4)を形成することができる。好ましくは、第1のデッドタイムdt3は、第2のデッドタイムdt4と等しい。なお、第1および第2の波形整形回路176、178が省略される場合、第1および第2のインバータ回路172、174からの信号の組み合わせは、組み合わせの一方のみが入力信号(IN)の位相と比べて同じ位相を有して、デッドタイムを形成する。
【0130】
図17に示されるデッドタイム回路170は、簡易な構造を有する。したがって、デッドタイム回路170は、従来のデッドタイム回路と比較して、小さいチップサイズを有することが可能となる。
【0131】
第1のインバータ回路172および第2のインバータ回路174の双方は、同じインバータ回路(P型のトランジスタと比べて、N型のトランジスタの能力が低いインバータ回路)を備えることができ、その結果、デッドタイム(dt3、dt4)のばらつきを小さくすることが可能となる。
【0132】
2.3.1 デッドタイム回路の第2の実施形態の変形例
図17において、たとえば、第1の波形整形回路176は、2つのインバータ回路177−1、176−2で構成されるが、1つのインバータ回路176−1だけで、構成してもよい。
また、図17において、たとえば、第1および第2の波形整形回路176、178の入力閾値167は、VDD/2に設定されるが、第1の波形整形回路176の入力閾値を低くし、かつ、第2の波形回路178の入力閾値を低く設定してもよい。
さらに、図17において、第1のインバータ回路172と第1の波形整形回路176との間、および、第2のインバータ回路174と第2の波形整形回路178との間に、独立したキャパシタを配置してもよい。
【0133】
2.4 デッドタイム回路の第3の実施形態
図19は、図14に示されるデッドタイム回路140のさらなる具体例を示す。
図19に示されるデッドタイム回路190は、入力信号(IN)に基づく信号を入力する第1および第2のインバータ回路192、194と、第1のインバータ回路192からの信号に基づく信号を入力する第1の波形整形回路196と、第2のインバータ回路194からの信号に基づく信号を入力する第2の波形整形回路198と、を備える。
なお、デッドタイム回路190は、第1および第2の波形整形回路196、198を省略してもよい。
【0134】
第1のインバータ回路192は、入力信号(IN)を反転し、それを出力する。第1のインバータ回路192は、PおよびNの型のトランジスタ(CMOSトランジスタ)を含む。第1のインバータ回路192において、N型のトランジスタの能力は、P型のトランジスタの能力より低い。
第2のインバータ回路194は、入力信号(IN)を反転し、それを出力する。第2のインバータ回路194は、PおよびNの型のトランジスタ(CMOSトランジスタ)を含む。第2のインバータ回路194において、P型のトランジスタの能力は、N型のトランジスタの能力より低い。
【0135】
第1の波形整形回路196は、第1のインバータ回路192からの信号の波形を整形する第3インバータ回路196−1を有する。第1の波形整形回路196はさらに、第3のインバータ回路196−1からの信号を反転する第4のインバータ回路196−2を有する。
第2の波形整形回路198は、第2のインバータ回路194からの信号の波形を整形する第5のインバータ回路198−1を有する。第2の波形整形回路198はさらに、第5のインバータ回路198−1からの信号を反転する第6のインバータ回路198−2を有する。
【0136】
図20は、図19に示されるデッドタイム回路190の動作を理解するためのタイミング図を示す。
図20において、符号IN、192、194、196−1、196−2(OUT1)、198−1、および198−2(OUT2)は、それぞれ、入力信号、第1のインバータ回路192からの信号、第2のインバータ回路194からの信号、第3のインバータ回路196−1からの信号、第4のインバータ回路196−2からの信号(出力信号1)、第5のインバータ回路198−1からの信号(出力信号1)、および、第6のインバータ回路198−2からの信号(出力信号2)を表す。
【0137】
図20に示されるように、図19に示される第1のインバータ回路192の出力信号において、立ち下がり時間(184)は、立ち上がり時間(182)と比べて十分に長い。
図20に示されるように、図19に示される第2のインバータ回路194の出力信号において、立ち上がり時間(164)は、立ち下がり時間(162)と比べて十分に長い。
図20に示されるように、図19のデッドタイム回路190からの出力信号1および2(OUT1、OUT2)の組み合わせは、組み合わせの両者が入力信号(IN)の位相と比べて逆の位相を有して、デッドタイム(dt5、dt6)を形成することができる。好ましくは、第1のデッドタイムdt5は、第2のデッドタイムdt6と等しい。なお、第1および第2の波形整形回路196、198が省略される場合、第1および第2のインバータ回路192、194からの信号の組み合わせは、組み合わせの両者が入力信号(IN)の位相と比べて逆の位相を有して、デッドタイムを形成する。
【0138】
図19に示されるデッドタイム回路190は、簡易な構造を有する。したがって、デッドタイム回路190は、従来のデッドタイム回路と比較して、小さいチップサイズを有することが可能となる。
また、第2のデッドタイム回路194のみが、P型のトランジスタの能力が低いインバータ回路を備える場合(デッドタイム回路の第3の実施形態)、デッドタイム回路の第1の実施形態より大きいが、デッドタイム回路の第2の実施形態より小さいチップサイズを有するデッドタイム回路を提供することが可能となる。
【0139】
2.4.1 デッドタイム回路の第3の実施形態の変形例
図19において、たとえば、第1の波形整形回路196は、2つのインバータ回路196−1、196−2で構成されるが、1つのインバータ回路196−1だけで、構成してもよい。
また、図19において、たとえば、第2の波形整形回路198は、2つのインバータ回路198−1、198−2で構成されるが、1つのインバータ回路198−1だけで、構成してもよい。
さらに、図19において、たとえば、第1および第2の波形整形回路196、198の入力閾値167は、VDD/2に設定されるが、第1の波形整形回路196の入力閾値を低くし、かつ、第2の波形回路198の入力閾値を高く設定してもよい。
加えて、図19において、第1のインバータ回路192と第1の波形整形回路196との間、および、第2のインバータ回路194と第2の波形整形回路198との間に、独立したキャパシタを配置してもよい。
【0140】
3. 遅延回路
3.1 遅延回路の構成
図21は、本発明に従う遅延回路の概略ブロック図を示す。
図21に示される遅延回路210は、入力信号(IN)に基づく信号を入力するインバータ回路212と、インバータ回路212からの信号に基づく信号を入力する波形整形回路214と、を備える。
なお、たとえば、小チップ化を優先させる場合、遅延回路210は、波形整形回路214を省略してもよい。言い換えれば、図示しない次段の回路が、インバータ回路212からの信号に基づく信号の波形を整形してもよい。
【0141】
インバータ回路212は、複数のインバータ回路を含み、初段のインバータ回路は、入力信号(IN)に基づく信号(たとえば、入力信号(IN)そのもの)を反転し、それを出力する。次段のインバータ回路は、前段のインバータ回路からの信号に基づく信号(たとえば、初段のインバータ回路からの信号そのもの)を反転し、それを出力する。インバータ回路212に含まれる複数のインバータ回路のそれぞれは、第1および第2の導電型のトランジスタを含み、第1および第2の導電型のトランジスタの一方の能力は、第1および第2の導電型のトランジスタの他方の能力より低い。インバータ回路212に含まれる複数のインバータ回路のそれぞれは、たとえば、CMOSトランジスタで構成される。
波形整形回路214は、インバータ回路212からの信号(たとえば、インバータ回路212からの信号そのもの)の波形を整形し、それを出力する。
【0142】
なお、本発明者は、たとえば、インバータ回路(一方の能力が他方の能力より低い)と波形整形回路との組み合わせ(たとえば、図12および図13に示される第2の遅延回路124およびその遅延量D2を参照)を利用することで、遅延回路を構成可能であることを認識した。
【0143】
3.2 遅延回路の第1の実施形態
図22は、図21に示される遅延回路210の具体例を示す。
図22に示される遅延回路220は、入力信号(IN)に基づく信号を入力する後段のインバータ回路222−Nと、後段のインバータ回路222−Nからの信号に基づく信号を入力する波形整形回路224と、を備える。
なお、たとえば、遅延回路220は、波形整形回路224を省略してもよい。
【0144】
後段のインバータ回路222−Nは、前段のインバータ回路222−1、222−2、222−3を介して、入力信号(IN)を入力する。言い換えれば、インバータ回路222−Nは、インバータ回路222−3からの信号、すなわち、入力信号(IN)が3回反転された信号(IN’’’)を入力する。
なお、後段および前段のインバータ回路222−N、222−1、222−2、222−3のそれぞれは、PおよびNの型のトランジスタ(CMOSトランジスタ)を含む。後段および前段のインバータ回路222−N、222−1、222−2、222−3のそれぞれにおいて、P型のトランジスタの能力は、N型のトランジスタの能力より低い。
【0145】
図22において、複数のインバータ回路222−1、222−2、222−3、222−Nは、直列接続される。複数のインバータ回路(222−1、222−2、222−3、222−N)のそれぞれにおいて能力が低い導電型に関して、能力が低い導電型のすべてが、同種のP型である。
【0146】
波形整形回路224は、後段のインバータ回路222−Nからの信号の波形を整形する。図22において、波形整形回路224は、最終段のインバータ回路224で構成される。
なお、後述の図23に示されるように、最終段のインバータ回路224からの信号(出力信号)は、入力信号(IN)の位相と比べて逆の位相を有する。したがって、波形整形回路224からの信号が、入力信号(IN)の位相と比べて同じ位相を有するように、波形整形回路224は、非反転型の波形整形回路(偶数個のインバータ回路)で構成してもよい。
【0147】
図23は、図22に示される遅延回路220の動作を理解するためのタイミング図を示す。
図23において、符号IN、222−1、222−2、222−3、222−N、および224(OUT)は、それぞれ、入力信号、前段のインバータ回路222−1、222−2、222−3、後段のインバータ回路222−N、および、最終段のインバータ回路224からの信号(出力信号)を表す。
【0148】
図23に示されるように、図22の遅延回路220に入力される入力信号(IN)は、矩形信号を有する。
図23に示されるように、図22に示される前段および後段のインバータ回路222−1、222−2、222−3、222−Nのそれぞれの出力信号において、立ち上がり時間(矢印234参照)は、立ち下がり時間(矢印232参照)と比べて十分に長い。
図23に示されるように、図22に示される最終段のインバータ回路224の出力信号において、立ち下がり時間および立ち上がり時間は、十分に短く、無視することができる。
【0149】
図23において、点線237は、インバータ回路222−2、222−3、222−Nの入力閾値を表し、点線239は、波形整形回路224の入力閾値を表す。
インバータ回路222−2、222−3、222−Nのそれぞれにおいて、P型のトランジスタの能力は、N型のトランジスタの能力より低いので、インバータ回路222−2、222−3、222−Nの入力閾値237は、インバータ回路222−1、222−2、222−3の電源電圧VDDの1/2より低く設定される。波形整形回路224の入力閾値239は、たとえば、インバータ回路222−Nの電源電圧VDDの1/2に設定されるが、異なる閾値であってもよい。
【0150】
図23に示されるように、図22の遅延回路220からの出力信号(OUT)は、入力信号(IN)がLOWからHIGHに変化するとき、遅延量(D1’(=d’’+d’))を有し、さらに、入力信号(IN)がHIGHからLOWに変化するとき、遅延量(D2’(=2d’’))を有する。
【0151】
従来の遅延回路は、たとえば、特許文献2(特開平07−022921号公報)の図2または図1に開示され、インバータ回路と独立したキャパシタとの複数の組み合わせで構成される。また、もう1つの従来の遅延回路は、図示しないが、図26の説明において比較例として後述するように、複数のインバータ回路のそれぞれにおいて、PおよびNの双方の型のトランジスタの能力が低い。
図22に示される遅延回路220は、独立したキャパシタを備えない場合であっても、インバータ回路222−1、222−2、222−3、222−N自身で、遅延を生じさせることが可能となる。また、インバータ回路222−1、222−2、222−3、222−Nにおいて、PまたはNの何れか一方のみの型のトランジスタの能力が低いので、ゲート面積を小さくすることが可能となる。したがって、遅延回路220は、簡易な構造を有し、従来の遅延回路と比較して、小さいチップサイズを有することが可能となる。
【0152】
前段および後段のインバータ回路222−1、222−2、222−3、222−Nのすべては、同じインバータ回路(N型のトランジスタと比べて、P型のトランジスタの能力が低いインバータ回路)を備えることができ、その結果、遅延量(D1’、D2’)のばらつきを小さくすることが可能となる。
また、前段および後段のインバータ回路222−1、222−2、222−3、222−Nのすべてが、P型のトランジスタの能力が低いインバータ回路を備える場合(遅延回路の第1の実施形態)、より小さいチップサイズを有する遅延回路を提供することが可能となる。
【0153】
3.2.1 遅延回路の第1の実施形態の変形例
図22において、たとえば、前段のインバータ回路222−1、222−2、222−3は、3つのインバータ回路で構成されるが、遅延回路220の所望の遅延量に従って、前段のインバータ回路の数を増加または減少させてもよい。たとえば、前段のインバータ回路が9つの場合、遅延回路220の遅延量D1’は、4d’’+d’となり、D2’は、5d’’となる。
また、図22において、たとえば、前段および後段のインバータ回路222−1、222−2、222−3、222−Nのすべてが、P型のトランジスタの能力が低いインバータ回路を備えるが、N型のトランジスタの能力が低いインバータ回路(たとえば、図8の第1のインバータ回路82を参照)を備えてもよい。
さらに、図22において、たとえば、前段および後段のインバータ回路222−1、222−2、222−3、222−Nのそれぞれに、独立したキャパシタを配置してもよい。この場合、遅延量D1’、D2’は、独立したキャパシタの容量に応じて、多くなる。
加えて、図22において、インバータ回路224の出力信号(OUT)を反転させるために、インバータ224回路に接続されるインバータ回路を加えてもよい。
さらに、図22において、たとえば、波形形成回路224は、1つの入力閾値239を有するインバータ回路で構成されるが、2つの入力閾値を持つシュミット回路で構成してもよい。たとえば、シュミット回路は、LOWからHIGHへの変化を検出する第1の閾値をVDD/2より高く設定され、HIGHからLOWへの変化を検出する第2の閾値をVDD/2より低く設定される。この場合、遅延量D1’は、より長くなるとともに、シュミット回路本来の機能である、第1および第2の閾値の間の振幅ノイズも除去される。
【0154】
図24は、図22に示される遅延回路220の変形例を示す。
すなわち、図22において、インバータ回路222−1、222−2、222−3のそれぞれの後段に、偶数個のインバータ回路(非反転型の波形整形回路)を加えてもよい。
【0155】
図25は、図24に示される遅延回路220の動作を理解するためのタイミング図を示す。なお、加えられた偶数個のインバータ回路からの信号は、図25に示されていない。
図25において、点線257は、加えられた偶数個のインバータ回路のそれぞれの組における初段のインバータ回路の入力閾値を表し、これらの入力閾値は、たとえば、インバータ回路222−1、222−2、222−3の電源電圧VDDの1/2に設定される。
図25に示されるように、図24の遅延回路220からの出力信号(OUT)は、入力信号(IN)がLOWからHIGHに変化するとき、遅延量(D1’(=2d’))を有し、さらに、入力信号(IN)がHIGHからLOWに変化するとき、遅延量(D2’(=2d’))を有する。なお、図24に示される遅延回路220の遅延量(2d’)は、図22に示される遅延回路220の遅延量((d’’+d’)、(2d’’))より大きい。
なお、図24において、たとえば、加えられた偶数個のインバータ回路のそれぞれの組における初段のインバータ回路、および、波形形成回路224は、1つの入力閾値257、239を有するインバータ回路で構成されるが、2つの入力閾値を持つシュミット回路で構成してもよい。たとえば、シュミット回路は、LOWからHIGHへの変化を検出する第1の閾値をVDD/2より高く設定され、HIGHからLOWへの変化を検出する第2の閾値をVDD/2より低く設定される。この場合、遅延量D1’、D2’は、より長くなるとともに、シュミット回路本来の機能である、第1および第2の閾値の間の振幅ノイズも除去される。
また、図24において、波形整形回路224は、1個のインバータ回路(反転型の波形整形回路)で構成されるが、必要に応じて、非反転型の波形整形回路(偶数個のインバータ回路)で構成してもよい。
【0156】
図26は、図22に示される遅延回路220のもう1つの変形例を示す。
すなわち、図22において、インバータ回路222−2の後段に、奇数個のインバータ回路262(反転型の波形整形回路262)を加え、インバータ回路222−2、222−Nのそれぞれにおいて、N型のトランジスタの能力は、P型のトランジスタの能力より低くてもよい。言い換えれば、遅延回路220は、複数の単位回路で構成されてもよく、その単位回路は、P型のトランジスタの能力が低いインバータ回路222−1と、N型のトランジスタの能力が低いインバータ回路222−2と、反転型の波形整形回路262とを含む。
言い換えれば、図26において、複数のインバータ回路222−1、222−2、222−3は、直列接続される。複数のインバータ回路222−1、222−2、222−3は、偶数の連続するインバータ回路222−1、222−2と、次の1つのインバータ回路222−3と、を含む。偶数の連続するインバータ回路222−1、222−2のそれぞれにおいて能力が低い導電型に関して、異種のP型およびN型が交互に連続する。偶数の連続するインバータ回路222−1、222−2の最後のインバータ回路222−2において能力が低いN型は、次の1つのインバータ回路222−3において能力が低いP型と異なる。
なお、図26において、インバータ回路222−1、222−2、222−3、および222−Nのそれぞれの後段にキャパシタを加え、インバータ回路262および224の入力閾値が電源電圧VDDの1/2に設定される場合、たとえば、インバータ回路222−1、222−2、262、222−3、222−N、および224のゲート面積は、それぞれ、68[μm×μm]、125[μm×μm]、22[μm×μm]、68[μm×μm]、125[μm×μm]、および22[μm×μm]である。この実施例において、ゲート面積の合計は、430[μm×μm]である。一方、図26において、インバータ回路222−1、222−2、222−3、および222−Nのそれぞれの後段にキャパシタを加え、インバータ回路262を省略し、インバータ回路224(反転型の波形整形回路)を2つのインバータ回路224(非反転型の波形整形回路)で構成し、インバータ回路222−1、222−2、222−3、および222−Nのそれぞれにおいて、Pの型のトランジスタの能力が、他のインバータ回路224のP型のトランジスタの能力より低く、かつ、Nの型のトランジスタの能力が、他のインバータ回路224のN型のトランジスタの能力より低い場合、たとえば、インバータ回路222−1、222−2、262、222−3、222−N、224および224のゲート面積は、それぞれ、160[μm×μm]、160[μm×μm]、160[μm×μm]、160[μm×μm]、7[μm×μm]、および7[μm×μm]である。この比較例(従来の遅延回路)において、ゲート面積の合計は、654[μm×μm]である。このように、遅延回路220を構成するインバータ回路222−1、222−2、262、222−3および222−Nにおいて、PまたはNの何れか一方のみの型のトランジスタの能力が低い実施例は、PおよびNの双方の型のトランジスタの能力が低い比較例と比べて、たとえば、66%のゲート面積で、同じ遅延量を得ることができる。
【0157】
図27は、図26に示される遅延回路220の動作を理解するためのタイミング図を示す。
図27において、点線277は、インバータ回路222−2、222−Nの入力閾値を表し、点線279は、加えられたインバータ回路262の入力閾値を表す。
インバータ回路222−2、222−Nのそれぞれにおいて、N型のトランジスタの能力は、P型のトランジスタの能力より低いので、インバータ回路222−2、222−Nの入力閾値277は、インバータ回路222−1、222−3の電源電圧VDDの1/2より高く設定される。インバータ回路262の入力閾値は、たとえば、インバータ回路222−2の電源電圧VDDの1/2に設定される。
図27に示されるように、図26に示されるインバータ回路222−2、222−Nのそれぞれの出力信号において、立ち下がり時間(矢印272参照)は、立ち上がり時間(矢印274参照)と比べて十分に長い。
図27に示されるように、図26に示されるインバータ回路262の出力信号において、立ち下がり時間および立ち上がり時間は、十分に短く、無視することができる。
図27に示されるように、図26の遅延回路220からの出力信号(OUT)は、LOWからHIGHに変化するとき、遅延量(D1’(=d’’’+d’))を有し、さらに、HIGHからLOWに変化するとき、遅延量(D2’(=d’’’+d’))を有する。なお、図26に示される遅延回路220の遅延量(d’’’+d’)は、図22に示される遅延回路220の遅延量((d’’+d’)、(2d’’))、または、図24に示される遅延回路220の遅延量(2d’)より大きい。
なお、図26において、たとえば、加えられたインバータ回路262、および、波形形成回路224は、1つの入力閾値279、239を有するインバータ回路で構成されるが、2つの入力閾値を持つシュミット回路で構成してもよい。たとえば、シュミット回路は、LOWからHIGHへの変化を検出する第1の閾値をVDD/2より低く設定され、HIGHからLOWへの変化を検出する第2の閾値をVDD/2より高く設定される。この場合、遅延量D1’、D2’は、より長くなるとともに、シュミット回路本来の機能である、第1および第2の閾値の間の振幅ノイズも除去される。
また、図26において、たとえば、反転型の波形整形回路262を非反転型の波形整形回路に変更し、P型のトランジスタの能力が低いインバータ回路222−3をN型のトランジスタの能力が低いインバータ回路222−3に変更し、N型のトランジスタの能力が低いインバータ回路222−NをP型のトランジスタの能力が低いインバータ回路222−Nに変更してもよい。この場合、直列接続される複数のインバータ回路222−1、222−2、222−3は、偶数の連続するインバータ回路222−1、222−2と、次の1つのインバータ回路222−3と、を含む。偶数の連続するインバータ回路222−1、222−2の最後のインバータ回路222−2において能力が低いN型は、次の1つのインバータ回路222−3において能力が低いN型と同じである。
さらに、図26において、波形整形回路224は、1数個のインバータ回路(反転型の波形整形回路)で構成されるが、必要に応じて、非反転型の波形整形回路(偶数個のインバータ回路)で構成してもよい。
【0158】
図28は、図22に示される遅延回路220のさらなる変形例を示す。
すなわち、図22において、インバータ回路222−3の後段に、偶数個のインバータ回路(非反転型の波形整形回路)を加え、インバータ回路222−2において、N型のトランジスタの能力は、P型のトランジスタの能力より低く、インバータ回路222−Nの前段に、インバータ回路222−1、222−2と同等の機能を有するインバータ回路を加え、反転型の波形整形回路224を非反転型の波形整形回路224に変更してもよい。言い換えれば、遅延回路220は、複数の単位回路で構成されてもよく、その単位回路は、P型のトランジスタの能力が低いインバータ回路222−1と、N型のトランジスタの能力が低いインバータ回路222−2と、P型のトランジスタの能力が低いインバータ回路222−3と、非反転型の波形整形回路とを含む。
図28において、複数のインバータ回路222−1、222−2、222−3、222−4は、直列接続される。複数のインバータ回路222−1、222−2、222−3、222−4は、奇数の連続するインバータ回路222−1、222−2、222−3と、次の1つのインバータ回路222−4と、を含む。奇数の連続するインバータ回路222−1、222−2、222−3のそれぞれにおいて能力が低い導電型に関して、異種のP型、N型およびP型が交互に連続する。奇数の連続するインバータ回路222−1、222−2、222−3の最後のインバータ回路222−3において能力が低いP型は、次の1つのインバータ回路222−4において能力が低いP型と同じである。
このように、PまたはNのいずれか一方の型のトランジスタの能力が低いインバータ回路を多く備え、遅延回路220の遅延量を大きくすることができる。
なお、図28において、たとえば、非反転型の波形整形回路の初段のインバータ回路は、2つの入力閾値を持つシュミット回路で構成してもよい。
なお、図28において、たとえば、非反転型の波形整形回路を反転型の波形整形回路に変更し、P型のトランジスタの能力が低いインバータ回路222−4をN型のトランジスタの能力が低いインバータ回路222−4に変更し、N型のトランジスタの能力が低いインバータ回路222−5をP型のトランジスタの能力が低いインバータ回路222−5に変更し、P型のトランジスタの能力が低いインバータ回路222−NをN型のトランジスタの能力が低いインバータ回路222−Nに変更してもよい。この場合、直列接続される複数のインバータ回路222−1、222−2、222−3、222−4は、奇数の連続するインバータ回路222−1、222−2、222−3と、次の1つのインバータ回路222−4と、を含む。奇数の連続するインバータ回路222−1、222−2の最後のインバータ回路222−2において能力が低いP型は、次の1つのインバータ回路222−4において能力が低いN型と異なる。
また、図28において、波形整形回路224は、非反転型の波形整形回路で構成されるが、必要に応じて、反転型の波形整形回路(奇数個のインバータ回路)で構成してもよい。
【0159】
3.3 遅延回路の第2の実施形態
図29は、図21に示される遅延回路210のもう1つの具体例を示す。
図29に示される遅延回路290は、入力信号(IN)に基づく信号を入力する後段のインバータ回路292−N、292−N’と、後段のインバータ回路292−N、292−N’からの信号に基づく信号を入力する波形整形回路294と、を備える。
【0160】
後段のインバータ回路292−Nは、図29に示される後段のインバータ回路292−Nと同様の機能を有する。すなわち、後段のインバータ回路292−Nは、前段のインバータ回路292−1および波形整形回路292−2を介して、入力信号(IN)を入力する。図29において、前段の波形整形回路292−2は、インバータ回路292−2で構成される。
なお、後段および前段のインバータ回路292−N、292−1のそれぞれは、PおよびNの型のトランジスタ(CMOSトランジスタ)を含む。後段および前段のインバータ回路292−N、292−1のそれぞれにおいて、P型のトランジスタの能力は、N型のトランジスタの能力より低い。
【0161】
後段のインバータ回292−N’は、上述の後段のインバータ回路292−Nと比べて、以下の点のみ、異なり、その他は、同様の回路素子を有する。
後段および前段のインバータ回路292−N’、292−1’のそれぞれにおいて、N型のトランジスタの能力は、P型のトランジスタの能力より低い。すなわち、前段および後段のインバータ回路292−1、292−Nの双方は、P型のトランジスタの能力が低いインバータ回路を備える一方、前段および後段のインバータ回路292−1’、292−N’の双方は、N型のトランジスタの能力が低いインバータ回路を備える。
【0162】
波形整形回路294は、後段のインバータ回292−Nからの信号を入力し、さらに、中段のインバータ回路293を介して、後段のインバータ回292−N’からの信号を入力する。波形整形回路294は、ラッチ回路294で構成される。
ラッチ回路294は、後段のインバータ回292−N’からの信号が反転された信号をセット信号(S)として、入力する。ラッチ回路294はさらに、後段のインバータ回292−Nからの信号をリセット信号(R)として、入力する。ラッチ回路294は、セット信号(S)およびリセット信号(R)のタイミングに応じて、2つの出力のレベル(Q、Q_)の一方(Q)を出力する。ラッチ回路294は、NOR型ラッチ回路で構成される。ラッチ回路86からの信号は、遅延回路290の出力信号(OUT)を形成する。
【0163】
図30は、図29に示される遅延回路290の動作を理解するためのタイミング図を示す。
図30において、符号IN、292−N(R)、292−N’、293(S)、および294(OUT)は、それぞれ、入力信号、後段のインバータ回路292−N(リセット信号)、後段のインバータ回路292−N’、中段のインバータ回路293からの信号(セット信号)、および、ラッチ回路294からの信号(出力信号)を表す。
【0164】
図30において、点線307は、ラッチ回路294のリセット信号(R)に対する入力閾値、中段のインバータ回路293の入力閾値、および、ラッチ回路294のセット信号(S)に対する入力閾値を表す。なお、中段のインバータ回路293およびラッチ回路294の入力閾値237は、インバータ回路292−N、292−N’、293の電源電圧VDDの1/2に設定されるが、中段のインバータ回路293およびラッチ回路294の入力閾値237に対して、相互に異なる閾値であってもよい。
【0165】
図30に示されるように、図29の遅延回路290からの出力信号(OUT)は、LOWからHIGHに変化するとき、遅延量(D3’(=2d’))を有し、さらに、HIGHからLOWに変化するとき、遅延量(D4’(=2d’))を有する。
【0166】
図29に示される遅延回路290は、簡易な構造を有する。したがって、遅延回路290は、従来の遅延回路と比較して、小さいチップサイズを有することが可能となる。
【0167】
3.3.1 遅延回路の第3の実施形態の変形例
図29において、たとえば、中段のインバータ回路293は、後段のインバータ回路292−N’とラッチ回路294との間に配置されるが、後段のインバータ回路292−Nとラッチ回路294との間に配置されてもよい。この場合、ラッチ回路294は、NAND型ラッチで構成される。
また、図29において、インバータ回路292−2、292−2’、293のそれぞれは、2つの入力閾値を持つシュミット回路で構成してもよい。
【0168】
図31は、図29に示される遅延回路290の変形例を示す。
すなわち、図29において、インバータ回路293は、292−N’と波形整形回路294との間に配置されるが、入力信号(IN)とインバータ回路292−1’との間に配置し、インバータ回路292−1’、292−N’のそれぞれにおいて、P型のトランジスタの能力は、N型のトランジスタの能力より低くしてもよい。言い換えれば、遅延回路290において、PまたはNのいずれか一方の型のトランジスタの能力が低いインバータ回路のすべてが、P型のトランジスタの能力が低いインバータ回路292−1、292−N、292−1’、292−N’で構成される。この場合、遅延回路290の遅延量(D3’、D4’)のばらつきを小さくすることが可能となる。また、図31の遅延回路290は、より小さいチップサイズを有することが可能となる。
なお、図31において、インバータ回路292−2、292−2’のそれぞれは、2つの入力閾値を持つシュミット回路で構成してもよい。
【0169】
図29または図31において、遅延回路290は、並列接続された第1および第2のインバータ回路292−1、292−1’を含む。遅延回路290は、第1のインバータ回路292−1に直列接続された第1の反転型の波形整形回路292−2と、第1の反転型の波形整形回路292−2に直列接続された第1の次の1つのインバータ回路292−Nと、第2のインバータ回路292−1’に直列接続された第2の反転型の波形整形回路292−2’と、第2の反転型の波形整形回路292−2’に直列接続された第2の次の1つのインバータ回路292−N’と、第1のインバータ回路292−1の前段、第1の次の1つのインバータ回路292−Nの後段、第2のインバータ回路292−1’の前段、または、第2の次の1つのインバータ回路292−N’の後段のいずれか1つに、直列接続された第3のインバータ回路293と、をさらに備える。第1のインバータ回路292−1において能力が低い導電型は、第1の次の1つのインバータ回路292−Nにおいて能力が低い導電型と同じである。第2のインバータ回路292−1’において能力が低い導電型は、第2の次の1つのインバータ回路292−N’において能力が低い導電型と同じである。
【0170】
なお、図29または図31において、たとえば、第1のインバータ回路292−1は、第1の偶数の連続するインバータ回路で構成され(たとえば、図26のインバータ回路222−1、222−2)、第2のインバータ回路292−1’は、第2の偶数の連続するインバータ回路で構成されてもよい。ただし、第1および第2の偶数の連続するインバータ回路のそれぞれにおいて能力が低い導電型に関して、異種の導電型が交互に連続する。また、第1および第2の偶数の連続するインバータ回路の最後のインバータ回路において能力が低い導電型は、第1および第2の次の1つのインバータ回路において能力が低い導電型と同じである。
【0171】
また、図29または図31において、たとえば、第1のインバータ回路292−1は、第1の偶数の連続するインバータ回路で構成され(たとえば、図26のインバータ回路222−1、222−2)、第2のインバータ回路292−1’は、第2の偶数の連続するインバータ回路で構成され、第1および第2の反転型の波形整形回路292−2、波形整形回路292−2’は、非反転型の波形回路に変更されてもよい。ただし、第1および第2の偶数の連続するインバータ回路のそれぞれにおいて能力が低い導電型に関して、異種の導電型が交互に連続する。また、第1および第2の偶数の連続するインバータ回路の最後のインバータ回路において能力が低い導電型は、第1および第2の次の1つのインバータ回路において能力が低い導電型と異なる。
【0172】
さらに、図29または図31において、たとえば、第1のインバータ回路292−1は、第1の奇数の連続するインバータ回路で構成され(たとえば、図28のインバータ回路222−1、222−2、222−3)、第2のインバータ回路292−1’は、第2の奇数の連続するインバータ回路で構成されてもよい。ただし、第1および第2の偶数の連続するインバータ回路のそれぞれにおいて能力が低い導電型に関して、異種の導電型が交互に連続する。また、第1および第2の偶数の連続するインバータ回路の最後のインバータ回路において能力が低い導電型は、第1および第2の次の1つのインバータ回路において能力が低い導電型と同じである。
【0173】
加えて、図29または図31において、たとえば、第1のインバータ回路292−1は、第1の奇数の連続するインバータ回路で構成され(たとえば、図28のインバータ回路222−1、222−2、222−3)、第2のインバータ回路292−1’は、第2の偶数の連続するインバータ回路で構成され、第1および第2の反転型の波形整形回路292−2、波形整形回路292−2’は、非反転型の波形回路に変更されてもよい。ただし、第1および第2の偶数の連続するインバータ回路のそれぞれにおいて能力が低い導電型に関して、異種の導電型が交互に連続する。また、第1および第2の偶数の連続するインバータ回路の最後のインバータ回路において能力が低い導電型は、第1および第2の次の1つのインバータ回路において能力が低い導電型と異なる。
【0174】
4. サーマルヘッドドライバ、サーマルヘッド、電子機器、および印刷システム
4.1 サーマルヘッド
図32は、本発明に従うサーマルヘッドの概略ブロック図を示す。
図32に示されるサーマルヘッド320は、セラミック板322の上に、複数のサーマル抵抗素子(広義には発熱素子、発熱抵抗体)が形成されている。図32において、セラミック板322の長辺の1つの縁部に、画素の間隔に合わせて複数のサーマル抵抗素子が配列されている。複数のサーマル抵抗素子の一端には、電源電圧VHが供給されている。この電源電圧は、サーマルヘッド320(セラミック板322)の外部から供給される、例えば24Vや18Vといった高電圧である。また、サーマルヘッド320は、第1〜第M(Mは2以上の整数)のサーマルヘッドドライバ330−1、330−2、…、330−Mを含む。複数のサーマル抵抗素子の他端には、第1〜第Mのサーマルヘッドドライバ330−1、330−2、…、330−Mの出力が電気的に接続される。
【0175】
第1〜第Mのサーマルヘッドドライバ330−1、330−2、…、330−Mの各サーマルヘッドドライバは、サーマル抵抗素子に接続される出力ドライバの出力を例えば接地電源電圧に設定することで、該サーマル抵抗素子に電流を流す(駆動する)ことができる。
【0176】
4.2 サーマルヘッドドライバ
図33は、図32に示される各サーマルヘッドドライバ330の具体例を示す。
図33に示されるサーマルヘッドドライバ330は、入力部に、ノイズフィルタ回路332−1、332−2、332−3、332−4を備える。ノイズフィルタ回路332−1、332−2、332−3、332−4は、上述のノイズフィルタ回路(たとえば、図8に示されるノイズフィルタ回路80)で、構成される。
ノイズフィルタ回路332−1、332−2、332−3、332−4は、小さいチップサイズを有することが可能であり、したがって、小型なサーマルヘッドドライバを低コストで提供することができる。
【0177】
サーマルヘッドドライバ330は、複数のドライバブロックDB〜DB(Nは2以上の整数)を含む。ドライバブロックDB(1≦j≦N、jは整数)は、出力ドライバODと、ラッチLTと、フリップフロップDFFとを含むことができる。
【0178】
サーマルヘッドドライバ330には、クロック信号CLK、シリアルデータSI、ラッチ信号LATおよびストローブ信号STBが、ノイズフィルタ回路332−1、332−2、332−3、332−3を介して、入力される。画素データは、シリアルデータSIとして、クロック信号CLKに同期してシリアルに入力される。ラッチ信号LATは、ラッチLT〜LTに1ライン分の画素データを取り込むための信号である。ストローブ信号STBは、ドライバブロックDB〜DBに供給される。
【0179】
ドライバブロックDB〜DBのフリップフロップDFF〜DFFは、シリアルデータSIとして入力される画素データがシフト方向SDRにシフトされるシフトレジスタを構成する。シフトレジスタを構成する各フリップフロップは、クロック信号CLKの変化タイミングに同期して、前段のフリップフロップの出力を取り込むと共に、フリップフロップに取り込んだデータを出力する。
【0180】
ラッチLTは、ラッチ信号LATが例えばHレベルのとき、フリップフロップDFFに取り込んだデータをラッチ(保持)する。ラッチLTにラッチされたデータは、出力制御回路OCに入力される。出力制御回路OCは、出力ドライバODの出力制御を行う出力制御信号cntを生成する。
【0181】
出力ドライバODは、N型金属酸化膜半導体(Metal Oxide Semiconductor:MOS)トランジスタ(以下、単にMOSトランジスタと略す)により構成される。このMOSトランジスタのドレインが、ドライバ出力DOjとなる。ドライバブロックDB〜DBの出力ドライバOD〜ODを構成するMOSトランジスタのソースには、接地電源電圧GNDが供給される。出力ドライバODを構成するMOSトランジスタのゲートには、出力制御回路OCからの出力制御信号cntが供給される。図33では、出力制御信号cntにより、出力ドライバODを構成するMOSトランジスタのソース・ドレイン間が電気的に導通することで、ドライバ出力DOjが接地電源電圧GNDに設定される。
【0182】
出力制御回路OCは、ストローブ信号STBと、ドライバブロックDBに対応した画素データ(ラッチLTにラッチされた画素データ)とに基づいて、出力制御信号cntを生成する。
【0183】
4.2.1 変形例
サーマルヘッドドライバ330以外の制御回路(たとえば、液晶ドライバ)も、入力部に、上述のノイズフィルタ回路を備えることができる。
【0184】
4.3 電子機器
図34は、図32に示されるサーマルヘッド320を備えるサーマルプリンタの具体例の主要部分のみの縦断面図を示す。
プリンタ装置340内には、感熱紙がロール紙342としてセットされる用に構成されている。ロール紙342の印刷対象部分は、所与の紙送り機構(紙送り手段)により1ラインずつ紙送り方向343の方向に送り出される。そして、この印刷対象部分は、ハウジング344内で印刷ヘッド345の方に導かれる。印刷ヘッド345は、図32のサーマルヘッド320を搭載する。ロール紙342の印刷対象部分が、印刷ヘッド345およびプラテン346の間を通過する際に、印刷ヘッド345により該印刷対象部分に所定の印刷が行われる。
【0185】
紙送り機構は、印刷対象部分を更に紙送り方向343に送り出し、カッター347によりロール紙342が切断されて、切断後の用紙がレシート348として取り出し可能となる。
【0186】
またハウジング344内には、印刷ヘッド345の前段に、用紙エンドセンサ349が設けられており、ロール紙342が紙送り方向343に送られる際にロール紙342の端を検知できる。
【0187】
4.3.1 変形例
サーマルプリンタ340以外の電子機器(たとえば、液晶装置)も、上述のノイズフィルタ回路を含む制御回路を備えることができる。
【0188】
4.4 印刷システム
図35は、図32に示されるサーマルヘッド320を含む印刷システムの具体例を示す。
図35に示される印刷システム350は、ホストコンピュータ352(広義には制御部)と、レシート348等を発行するプリンタ装置354とを含む。ホストコンピュータ352は、本体355と、表示装置356と、キーボード357と、ポインティングデバイスとしてのマウス358とを含む。
プリンタ装置354は、たとえば、図34に示されるプリンタ装置340で構成される。
【0189】
図36は、図35に示されるホストコンピュータ352の概略ブロック図を示す。
ホストコンピュータ352では、CPU(Central Processing Unit)361に、バスライン362を介して、プログラムデータ等が格納されたROM(Read Only Memory)363、データ処理の作業エリアや印刷データがバッファリングされるRAM(Random Access Memory)364、プリンタ装置354に印刷データや印刷コマンド等を送信する通信インタフェース365、表示装置356を駆動制御して表示データに対応する文字等を表示させるディスプレイコントローラ366、キーボード357から入力キーに対応するキー信号を取り込むキーボードコントローラ367、マウス358とのデータ等のやり取りを制御するマウスコントローラ368が接続されている。また、プリンタ装置354は、通信インタフェース365からの印刷データ等を受信する通信インタフェース369を含む。
【0190】
CPU361は、ROM363又はRAM364に格納されたプログラムに従って所定の印刷処理を実行し、印刷データをRAM364に展開したり、RAM364の印刷データを、通信インタフェース365を介してプリンタ装置354に転送したりすることができる。
【0191】
4.4.1 変形例
印刷システム350以外のシステムも、上述のノイズフィルタ回路を含む電子機器を備えることができる。
【0192】
5. デッドタイム回路の適用例
図37は、本発明に従うデッドタイム回路の適用例を示す。
図37に示される駆動回路370は、デッドタイム回路372と、出力回路374と、を備える。
【0193】
デッドタイム回路372は、上述のデッドタイム回路(たとえば、図15で構成されるデッドタイム回路150)で構成することができる。
出力回路374は、たとえば、PおよびNの型のトランジスタ374(CMOSトランジスタ)で構成され、CMOSトランジスタ374において、P型のトランジスタの能力は、N型のトランジスタの能力と同等である。
デッドタイム回路372からの第1の信号(たとえば、図16の156−2(OUT1))は、CMOSトランジスタ374のN型のトランジスタのゲートに接続され、デッドタイム回路372からの第2の信号(たとえば、図16の158(OUT2))は、CMOSトランジスタ374のP型のトランジスタのゲートに接続される。図37において、デッドタイム回路372からの第1の信号および第2の信号は、互いに、同じ位相を有する。
【0194】
デッドタイム回路372のデットタイムを用いることで、CMOSトランジスタ374のPおよびNの型のトランジスタが同時にONすることを回避することができる。したがって、デッドタイム回路372は、出力回路374を貫通する電流を防止することができる。
なお、上述のデッドタイム回路は、駆動回路370以外の制御回路(たとえば、レベルシフタ回路、スイッチドキャパシタ回路、昇圧回路など)、電子機器、システムなどにも、適用することができる。
【0195】
6. 遅延回路の適用例
図38は、本発明に従う遅延回路の適用例を示す。
図38に示されるサーマルヘッドドライバ380は、図33に示されるサーマルヘッドドライバ330に、M個の遅延回路382−1〜382−Mを備える。図38において、ノイズフィルタ回路332−1、332−2、332−3、332−4は、省略してもよい。
遅延回路382−1、382−(N−1)のそれぞれは、上述の遅延回路(たとえば、図26に示される遅延回路260)で構成することができる。遅延回路382−1、382−(N−1)によって、ストローブ信号STBは、徐々に遅延し、ストローブ信号STBおよび遅延されたストローブ信号STB−1〜STB−Mは、対応するドライバブロックDB〜DBに入力される。したがって、ドライバ出力DO1〜DONは、対応する遅延回路382に応じて時間差を有し、その結果、発生するサージ電圧を抑えることができる。
【0196】
また、図12に示される遅延回路121も、上述の遅延回路(たとえば、図26に示される遅延回路260)で構成することができる。
本発明に従う遅延回路は、サーマルヘッドドライバ380およびノイズフィルタ回路120以外の制御回路、電子機器、システムなどにも、適用することができる。
【0197】
当業者は、上述した本発明に従う各実施形態が、本発明の精神を逸脱することなく、(場合によって技術常識を参照することによって、)変形され得ることを容易に理解できるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0198】
【図1】本発明に従うノイズフィルタ回路の概略ブロック図。
【図2】図1に示されるノイズフィルタ回路10の動作を理解するためのタイミング図。
【図3】図1に示されるノイズフィルタ回路10の動作を理解するためのタイミング図。
【図4】図1に示されるノイズフィルタ回路10の動作を理解するためのもう1つのタイミング図。
【図5】図1に示されるノイズフィルタ回路10の動作を理解するためのさらなるタイミング図。
【図6】図1に示されるノイズフィルタ回路10の具体例。
【図7】図6に示されるノイズフィルタ回路60の動作を理解するためのタイミング図。
【図8】図1に示されるノイズフィルタ回路10のもう1つの具体例。
【図9】図8に示されるノイズフィルタ回路80の動作を理解するためのタイミング図。
【図10】図1に示されるノイズフィルタ回路10のさらなる具体例。
【図11】図10に示されるノイズフィルタ回路100の動作を理解するためのタイミング図。
【図12】本発明に従うノイズフィルタ回路120の具体例。
【図13】図12に示されるノイズフィルタ回路120の動作および従来のノイズフィルタ回路を理解するためのタイミング図。
【図14】本発明に従うデッドタイム回路の概略ブロック図。
【図15】図14に示されるデッドタイム回路140の具体例。
【図16】図15に示されるデッドタイム回路150の動作を理解するためのタイミング図。
【図17】図14に示されるデッドタイム回路140のもう1つの具体例。
【図18】図17に示されるデッドタイム回路170の動作を理解するためのタイミング図。
【図19】図14に示されるデッドタイム回路140のさらなる具体例。
【図20】図19に示されるデッドタイム回路190の動作を理解するためのタイミング図。
【図21】本発明に従う遅延回路の概略ブロック図。
【図22】図21に示される遅延回路210の具体例。
【図23】図22に示される遅延回路220の動作を理解するためのタイミング図。
【図24】図22に示される遅延回路220の変形例。
【図25】図24に示される遅延回路220’の動作を理解するためのタイミング図。
【図26】図22に示される遅延回路220のもう1つの変形例。
【図27】図26に示される遅延回路220’’の動作を理解するためのタイミング図。
【図28】図22に示される遅延回路220のさらなる変形例。
【図29】図21に示される遅延回路210のもう1つの具体例。
【図30】図29に示される遅延回路290の動作を理解するためのタイミング図。
【図31】図29に示される遅延回路290の変形例。
【図32】本発明に従うサーマルヘッドの概略ブロック図。
【図33】図32に示される各サーマルヘッドドライバ330の具体例。
【図34】図32に示されるサーマルヘッド320を備えるサーマルプリンタの具体例の主要部分のみの縦断面図。
【図35】図32に示されるサーマルヘッド320を含む印刷システムの具体例。
【図36】図35に示されるホストコンピュータ352の概略ブロック図。
【図37】本発明に従うデッドタイム回路の適用例。
【図38】本発明に従う遅延回路の適用例。
【符号の説明】
【0199】
10、30、60、80、100、120 ノイズフィルタ回路、
12、62、82、102 第1のインバータ回路、
14、64、84、104 第2のインバータ回路、
16、66、86、106、126 ラッチ回路、 121 第1の遅延回路、
122 NAND回路、 123 OR回路、 124 第2の遅延回路、
125 第3の遅延回路、
31、32、131−1、131−2、132−1、132−2 ノイズ、
37、139、167 入力閾値、 140 デッドタイム回路、
61、67、81、105 インバータ回路、
142、152、172、192 第1のインバータ回路、
144、154、174、194 第2のインバータ回路、
146、148、156、158、176、178、196、198 波形整形回路、
151、171 インバータ回路、 210、220、290、290 遅延回路、
212、222−1、222−2、222−3、222−N インバータ回路、
292−1、292−N、292−1、292−1’、292−N インバータ回路、
292−N’、293 インバータ回路、
214、224、292−2 波形整形回路、
294、292−2、292−2’、294 波形整形回路、
320 サーマルヘッド、 322 セラミック板、
330、330−1〜330−M サーマルヘッドドライバ、 340 プリンタ装置、
342 ロール紙、 343 紙送り方向、 344 ハウジング、
345 印刷ヘッド、 346 プラテン、 347 カッター、 348 レシート、
350 印刷システム、 352 ホストコンピュータ、 355 本体、
356 表示装置、 357 キーボード、 358 マウス、 370 駆動回路、
372 デッドタイム回路、 374 出力回路、 380 サーマルヘッドドライバ、
382−1、382−(N−1) 遅延回路、 CLK クロック信号、
DB〜DB ドライバブロック、 DFF〜DFF フリップフロップ、
Di 連続ノイズの間隔、
dt1、dt2、dt3、dt4、dt5、dt6 デッドタイム、
DO1〜DON ドライバ出力、 Dp パルス幅、
d1、d2、d3、d4、d5、d6、D1、D2、D3、D4、D5 遅延量、
d’、D1’、D2’、D3’、D4’ 遅延量、 IN 入力信号、
LT〜LT ラッチ、 LAT ラッチ信号、 OC〜OC 出力制御回路、
OD〜OD 出力ドライバ、 OUT、OUT1、OUT2 出力信号、
Q、Q_ 出力レベル、 R リセット信号、 S セット信号、
SI シリアルデータ、 STB ストローブ信号、 VDD、VH 電源電圧

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ノイズフィルタ回路であって、
入力信号に基づく信号を入力する第1のインバータ回路と、
前記入力信号に基づく信号を入力する第2のインバータ回路と、
前記第1および第2のインバータ回路からの信号に基づく信号を、セット信号及びリセット信号として入力するラッチ回路と、
を備え、
前記第1および第2のインバータ回路のそれぞれは、第1および第2の導電型のトランジスタを含み、前記第1および第2の導電型のトランジスタの一方の能力は、前記第1および第2の導電型のトランジスタの他方の能力より低い、ノイズフィルタ回路。
【請求項2】
請求項1において、
前記第1および第2のインバータ回路の一方は、P型のトランジスタとN型のトランジスタとを含み、該P型のトランジスタの能力は、該N型のトランジスタの能力より低く、
前記第1および第2のインバータ回路の他方は、P型のトランジスタとN型のトランジスタとを含み、該P型のトランジスタの能力は、該N型のトランジスタの能力より低い、ノイズフィルタ回路。
【請求項3】
請求項1において、
前記第1および第2のインバータ回路の一方は、P型のトランジスタとN型のトランジスタとを含み、該N型のトランジスタの能力は、該P型のトランジスタの能力より低く、
前記第1および第2のインバータ回路の他方は、P型のトランジスタとN型のトランジスタとを含み、該N型のトランジスタの能力は、該P型のトランジスタの能力より低い、ノイズフィルタ回路。
【請求項4】
請求項1において、
前記第1および第2のインバータ回路の一方は、P型のトランジスタとN型のトランジスタとを含み、該N型のトランジスタの能力は、該P型のトランジスタの能力より低く、
前記第1および第2のインバータ回路の他方は、P型のトランジスタとN型のトランジスタとを含み、該P型のトランジスタの能力は、該N型のトランジスタの能力より低い、ノイズフィルタ回路。
【請求項5】
請求項2または3において、
前記第1および第2のインバータ回路の一方は、第3のインバータ回路を介して、前記入力信号を入力する、ノイズフィルタ回路。
【請求項6】
請求項4において、
前記ラッチ回路は、前記第1および第2のインバータ回路の一方からの信号を、第3のインバータ回路を介して入力する、ノイズフィルタ回路。
【請求項7】
入力信号を入力する第1の遅延回路と、
前記入力信号と、前記第1の遅延回路からの信号とを入力する論理積回路と、
前記入力信号と、前記第1の遅延回路からの信号とを入力する論理和回路と、
前記論理積回路からの信号に基づく信号と、前記論理和回路からの信号に基づく信号とを、セット信号及びリセット信号として入力するラッチ回路と、
を備えるノイズフィルタ回路において、
前記論理積回路からの信号を入力する第2の遅延回路と、
前記論理和回路からの信号を入力する第3の遅延回路と、
をさらに備え、
前記第2および第3の遅延回路のそれぞれは、インバータ回路を備え、
前記インバータ回路のそれぞれは、第1および第2の導電型のトランジスタを含み、前記第1および第2の導電型のトランジスタの一方の能力は、前記第1および第2の導電型のトランジスタの他方の能力より低く、
前記ラッチ回路は、前記論理積回路からの信号に基づく信号と、前記論理和回路からの信号に基づく信号とを、前記第2および第3の遅延回路を介して入力する、ノイズフィルタ回路。
【請求項8】
デッドタイム回路であって、
入力信号に基づく信号を入力する第1のインバータ回路と、
前記入力信号に基づく信号を入力する第2のインバータ回路と、
を備え、
前記第1および第2のインバータ回路のそれぞれは、第1および第2の導電型のトランジスタを含み、前記第1および第2の導電型のトランジスタの一方の能力は、前記第1および第2の導電型のトランジスタの他方の能力より低く、
前記第1および第2のインバータ回路からの信号の組み合わせは、デッドタイムを形成する、デッドタイム回路。
【請求項9】
請求項8において、
前記第1のインバータ回路からの信号に基づく信号を入力する第1の波形整形回路と、
前記第2のインバータ回路からの信号に基づく信号を入力する第2の波形整形回路と、
をさらに備え、
前記第1および第2の波形整形回路からの信号の組み合わせが、デッドタイムを形成する、デッドタイム回路。
【請求項10】
請求項8または9において、
前記第1および第2のインバータ回路の一方は、P型のトランジスタとN型のトランジスタとを含み、該P型のトランジスタの能力は、該N型のトランジスタの能力より低く、
前記第1および第2のインバータ回路の他方は、P型のトランジスタとN型のトランジスタとを含み、該P型のトランジスタの能力は、該N型のトランジスタの能力より低い、デッドタイム回路。
【請求項11】
請求項8または9において、
前記第1および第2のインバータ回路の一方は、P型のトランジスタとN型のトランジスタとを含み、該N型のトランジスタの能力は、該P型のトランジスタの能力より低く、
前記第1および第2のインバータ回路の他方は、P型のトランジスタとN型のトランジスタとを含み、該N型のトランジスタの能力は、該P型のトランジスタの能力より低い、デッドタイム回路。
【請求項12】
請求項8または9において、
前記第1および第2のインバータ回路の一方は、P型のトランジスタとN型のトランジスタとを含み、該N型のトランジスタの能力は、該P型のトランジスタの能力より低く、
前記第1および第2のインバータ回路の他方は、P型のトランジスタとN型のトランジスタとを含み、該P型のトランジスタの能力は、該N型のトランジスタの能力より低い、デッドタイム回路。
【請求項13】
請求項10または11において、
前記第1および第2のインバータ回路の一方は、第3のインバータ回路を介して、前記入力信号を入力する、デッドタイム回路。
【請求項14】
遅延回路であって、
入力信号に基づく信号を入力するインバータ回路を、
を備え、
前記インバータ回路は、複数のインバータ回路を含み、前記複数のインバータ回路のそれぞれは、第1および第2の導電型のトランジスタを含み、前記第1および第2の導電型のトランジスタの一方の能力は、前記第1および第2の導電型のトランジスタの他方の能力より低い、遅延回路。
【請求項15】
請求項14において、
前記複数のインバータ回路は、直列接続され、
前記複数のインバータ回路のそれぞれにおいて能力が低い導電型に関して、前記能力が低い導電型のすべてが、同種の導電型である、遅延回路。
【請求項16】
請求項15において、
前記複数のインバータ回路の間に、直列接続される非反転型の波形整形回路を、
さらに備える遅延回路。
【請求項17】
請求項14において、
前記複数のインバータ回路は、直列接続され、
前記複数のインバータ回路は、偶数の連続するインバータ回路と、次の1つのインバータ回路と、を含み、
前記偶数の連続するインバータ回路のそれぞれにおいて能力が低い導電型に関して、異種の導電型が交互に連続し、
前記偶数の連続するインバータ回路の最後のインバータ回路において能力が低い導電型は、前記次の1つのインバータ回路において能力が低い導電型と異なり、
前記異種の導電型が交互に連続する偶数のインバータ回路と、前記次の1つのインバータ回路と間に、直列接続される反転型の波形整形回路を、
さらに備える遅延回路。
【請求項18】
請求項14において、
前記複数のインバータ回路は、直列接続され、
前記複数のインバータ回路は、偶数の連続するインバータ回路と、次の1つのインバータ回路と、を含み、
前記偶数の連続するインバータ回路のそれぞれにおいて能力が低い導電型に関して、異種の導電型が交互に連続し、
前記偶数の連続するインバータ回路の最後のインバータ回路において能力が低い導電型は、前記次の1つのインバータ回路において能力が低い導電型と同じであり、
前記異種の導電型が交互に連続する偶数のインバータ回路と、前記次の1つのインバータ回路と間に、直列接続される非反転型の波形整形回路を、
さらに備える遅延回路。
【請求項19】
請求項14において、
前記複数のインバータ回路は、直列接続され、
前記複数のインバータ回路は、奇数の連続するインバータ回路と、次の1つのインバータ回路と、を含み、
前記奇数の連続するインバータ回路のそれぞれにおいて能力が低い導電型に関して、異種の導電型が交互に連続し、
前記奇数の連続するインバータ回路の最後のインバータ回路において能力が低い導電型は、前記次の1つのインバータ回路において能力が低い導電型と同じであり、
前記異種の導電型が交互に連続する奇数のインバータ回路と、前記次の1つのインバータ回路と間に、直列接続される非反転型の波形整形回路を、
さらに備える遅延回路。
【請求項20】
請求項14において、
前記複数のインバータ回路は、直列接続され、
前記複数のインバータ回路は、奇数の連続するインバータ回路と、次の1つのインバータ回路と、を含み、
前記奇数の連続するインバータ回路のそれぞれにおいて能力が低い導電型に関して、異種の導電型が交互に連続し、
前記奇数の連続するインバータ回路の最後のインバータ回路において能力が低い導電型は、前記次の1つのインバータ回路において能力が低い導電型と異なり、
前記異種の導電型が交互に連続する奇数のインバータ回路と、前記次の1つのインバータ回路と間に、直列接続される反転型の波形整形回路を、
さらに備える遅延回路。
【請求項21】
請求項14乃至20のいずれかにおいて、
前記インバータ回路からの信号に基づく信号を入力する波形整形回路を、
さらに備える遅延回路。
【請求項22】
請求項14において、
前記インバータ回路からの信号に基づく信号を入力する波形整形回路を、
さらに備え、
前記複数のインバータ回路は、並列接続された第1および第2のインバータ回路を含み、
前記波形整形回路は、ラッチ回路である、遅延回路。
【請求項23】
請求項22において、
前記第1のインバータ回路に直列接続された第1の反転型の波形整形回路と、
前記第1の反転型の波形整形回路に直列接続された第1の次の1つのインバータ回路と、
前記第2のインバータ回路に直列接続された第2の反転型の波形整形回路と、
前記第2の反転型の波形整形回路に直列接続された第2の次の1つのインバータ回路と、
前記第1のインバータ回路の前段、前記第1の次の1つのインバータ回路の後段、前記第2のインバータ回路の前段、または、前記第2の次の1つのインバータ回路の後段のいずれか1つに、直列接続された第3のインバータ回路と、
をさらに備え、
前記第1のインバータ回路において能力が低い導電型は、前記第1の次の1つのインバータ回路において能力が低い導電型と同じであり、
前記第2のインバータ回路において能力が低い導電型は、前記第2の次の1つのインバータ回路において能力が低い導電型と同じである、遅延回路。
【請求項24】
請求項22において、
前記第1のインバータ回路に直列接続された第1の反転型の波形整形回路と、
前記第1の反転型の波形整形回路に直列接続された第1の次の1つのインバータ回路と、
前記第2のインバータ回路に直列接続された第2の反転型の波形整形回路と、
前記第2の反転型の波形整形回路に直列接続された第2の次の1つのインバータ回路と、
前記第1のインバータ回路の前段、前記第1の次の1つのインバータ回路の後段、前記第2のインバータ回路の前段、または、前記第2の次の1つのインバータ回路の後段のいずれか1つに、直列接続された第3のインバータ回路と、
をさらに備え、
前記第1のインバータ回路は、第1の偶数の連続するインバータ回路で構成され、前記第1の偶数の連続するインバータ回路のそれぞれにおいて能力が低い導電型に関して、異種の導電型が交互に連続し、前記第1の偶数の連続するインバータ回路の最後のインバータ回路において能力が低い導電型は、前記第1の次の1つのインバータ回路において能力が低い導電型と同じであり、
前記第2のインバータ回路は、第2の偶数の連続するインバータ回路で構成され、前記第2の偶数の連続するインバータ回路のそれぞれにおいて能力が低い導電型に関して、異種の導電型が交互に連続し、前記第2の偶数の連続するインバータ回路の最後のインバータ回路において能力が低い導電型は、前記第2の次の1つのインバータ回路において能力が低い導電型と同じである、遅延回路。
【請求項25】
請求項22において、
前記第1のインバータ回路に直列接続された第1の非反転型の波形整形回路と、
前記第1の非反転型の波形整形回路に直列接続された第1の次の1つのインバータ回路と、
前記第2のインバータ回路に直列接続された第2の非反転型の波形整形回路と、
前記第2の非反転型の波形整形回路に直列接続された第2の次の1つのインバータ回路と、
前記第1のインバータ回路の前段、前記第1の次の1つのインバータ回路の後段、前記第2のインバータ回路の前段、または、前記第2の次の1つのインバータ回路の後段のいずれか1つに、直列接続された第3のインバータ回路と、
をさらに備え、
前記第1のインバータ回路は、第1の偶数の連続するインバータ回路で構成され、前記第1の偶数の連続するインバータ回路のそれぞれにおいて能力が低い導電型に関して、異種の導電型が交互に連続し、前記第1の偶数の連続するインバータ回路の最後のインバータ回路において能力が低い導電型は、前記第1の次の1つのインバータ回路において能力が低い導電型と異なり、
前記第2のインバータ回路は、第2の偶数の連続するインバータ回路で構成され、前記第2の偶数の連続するインバータ回路のそれぞれにおいて能力が低い導電型に関して、異種の導電型が交互に連続し、前記第2の偶数の連続するインバータ回路の最後のインバータ回路において能力が低い導電型は、前記第2の次の1つのインバータ回路において能力が低い導電型と異なる、遅延回路。
【請求項26】
請求項22において、
前記第1のインバータ回路に直列接続された第1の反転型の波形整形回路と、
前記第1の反転型の波形整形回路に直列接続された第1の次の1つのインバータ回路と、
前記第2のインバータ回路に直列接続された第2の反転型の波形整形回路と、
前記第2の反転型の波形整形回路に直列接続された第2の次の1つのインバータ回路と、
前記第1のインバータ回路の前段、前記第1の次の1つのインバータ回路の後段、前記第2のインバータ回路の前段、または、前記第2の次の1つのインバータ回路の後段のいずれか1つに、直列接続された第3のインバータ回路と、
をさらに備え、
前記第1のインバータ回路は、第1の奇数の連続するインバータ回路で構成され、前記第1の奇数の連続するインバータ回路のそれぞれにおいて能力が低い導電型に関して、異種の導電型が交互に連続し、前記第1の奇数の連続するインバータ回路の最後のインバータ回路において能力が低い導電型は、前記第1の次の1つのインバータ回路において能力が低い導電型と同じであり、
前記第2のインバータ回路は、第2の奇数の連続するインバータ回路で構成され、前記第2の奇数の連続するインバータ回路のそれぞれにおいて能力が低い導電型に関して、異種の導電型が交互に連続し、前記第2の奇数の連続するインバータ回路の最後のインバータ回路において能力が低い導電型は、前記第2の次の1つのインバータ回路において能力が低い導電型と同じである、遅延回路。
【請求項27】
請求項22において、
前記第1のインバータ回路に直列接続された第1の非反転型の波形整形回路と、
前記第1の非反転型の波形整形回路に直列接続された第1の次の1つのインバータ回路と、
前記第2のインバータ回路に直列接続された第2の非反転型の波形整形回路と、
前記第2の非反転型の波形整形回路に直列接続された第2の次の1つのインバータ回路と、
前記第1のインバータ回路の前段、前記第1の次の1つのインバータ回路の後段、前記第2のインバータ回路の前段、または、前記第2の次の1つのインバータ回路の後段のいずれか1つに、直列接続された第3のインバータ回路と、
をさらに備え、
前記第1のインバータ回路は、第1の奇数の連続するインバータ回路で構成され、前記第1の奇数の連続するインバータ回路のそれぞれにおいて能力が低い導電型に関して、異種の導電型が交互に連続し、前記第1の奇数の連続するインバータ回路の最後のインバータ回路において能力が低い導電型は、前記第1の次の1つのインバータ回路において能力が低い導電型と異なり、
前記第2のインバータ回路は、第2の奇数の連続するインバータ回路で構成され、前記第2の奇数の連続するインバータ回路のそれぞれにおいて能力が低い導電型に関して、異種の導電型が交互に連続し、前記第2の奇数の連続するインバータ回路の最後のインバータ回路において能力が低い導電型は、前記第2の次の1つのインバータ回路において能力が低い導電型と異なる、遅延回路。
【請求項28】
請求項1乃至7のいずれかのノイズフィルタ回路を備えるサーマルヘッドドライバ。
【請求項29】
請求項28のサーマルヘッドドライバを備えるサーマルヘッド。
【請求項30】
請求項1乃至7のいずれかのノイズフィルタ回路を備える電子機器。
【請求項31】
請求項1乃至7のいずれかのノイズフィルタ回路を含むプリンタ装置を備える印刷システム。
【請求項32】
請求項8乃至13のいずれかのデッドタイム回路を備える制御回路。
【請求項33】
請求項8乃至13のいずれかのデッドタイム回路を備える電子機器。
【請求項34】
請求項14乃至27のいずれかの遅延回路を備えるノイズフィルタ回路。
【請求項35】
請求項14乃至27のいずれかの遅延回路を備えるサーマルヘッドドライバ。
【請求項36】
請求項35において、
請求項1乃至7のいずれか、または請求項34のノイズフィルタ回路を、
さらに備えるサーマルヘッドドライバ。
【請求項37】
請求項14乃至27のいずれかの遅延回路を備える電子機器。
【請求項38】
ノイズフィルタ方法であって、
入力信号を準備すること、
前記入力信号に基づく信号の立ち上がり時間または立ち下がり時間のいずれか一方のみが長い第1の信号を、第1のインバータ回路において生成すること、
前記入力信号に基づく信号の立ち上がり時間または立ち下がり時間のいずれか一方のみが長い第2の信号を、第2のインバータ回路において生成すること、および
前記第1および第2の信号に基づく信号を、セット信号及びリセット信号としてラッチ回路に入力すること、
を含むノイズフィルタ方法。
【請求項39】
入力信号を準備すること、
前記入力信号を遅延させること、
前記入力信号と前記遅延された信号とを論理積回路に入力すること、
前記入力信号と前記遅延された信号とを論理和回路に入力すること、および
前記論理積回路からの信号に基づく信号と、前記論理和回路からの信号に基づく信号とを、セット信号及びリセット信号としてラッチ回路に入力すること、
を含むノイズフィルタ方法において、
前記論理積回路からの信号に基づく信号の立ち上がり時間または立ち下がり時間のいずれか一方のみが長い第1の信号を生成すること、および
前記論理和回路からの信号に基づく信号の立ち上がり時間または立ち下がり時間のいずれか一方のみが長い第2の信号を生成すること、
をさらに含むノイズフィルタ方法。
【請求項40】
デッドタイム方法であって、
入力信号を準備すること、
前記入力信号に基づく信号の立ち上がり時間または立ち下がり時間のいずれか一方のみが長い第1の信号を第1のインバータ回路において生成すること、および
前記入力信号に基づく信号の立ち上がり時間または立ち下がり時間のいずれか一方のみが長い第2の信号を第2のインバータ回路において生成すること、
を含み、
前記生成された第1および第2の信号の組み合わせは、デッドタイムを形成する、デッドタイム方法。
【請求項41】
遅延方法であって、
入力信号を準備すること、
前記入力信号に基づく信号の立ち上がり時間または立ち下がり時間のいずれか一方のみが長い第1の信号を第1のインバータ回路において生成すること、および
前記第1の信号に基づく信号の立ち上がり時間または立ち下がり時間のいずれか一方のみが長い第2の信号を第2のインバータ回路において生成すること、
を含む遅延方法。
【請求項42】
遅延方法であって、
入力信号を準備すること、
前記入力信号に基づく信号の立ち上がり時間または立ち下がり時間のいずれか一方のみが長い第1の信号を第1のインバータ回路において生成すること、
前記入力信号に基づく信号の立ち上がり時間または立ち下がり時間のいずれか一方のみが長い第2の信号を第2のインバータ回路において生成すること、および
前記生成された第1および第2の信号をラッチ回路に入力して、波形整形すること、
を含む遅延方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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【図24】
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【図25】
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【図26】
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【図27】
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【図28】
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【図29】
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【図30】
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【図31】
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【図32】
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【図33】
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【図34】
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【図35】
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【図36】
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【図37】
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【図38】
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