説明

ノズル及びノズルを作製する方法

ノズル及びそのノズルを作製する方法が開示される。その方法は、(a)多光子反応を受けることが可能な第1の材料を供給する工程と、(b)多光子過程を用いて第1の材料内に第1の微細構造化パターンを形成する工程と、(c)第1の材料とは異なる第2の材料内に第1の微細構造化パターンを複製して、第2の材料内の第2の微細構造化パターンを有する第1の金型を作製する工程と、(d)第1及び第2の材料とは異なる第3の材料内に第2の微細構造化パターンを複製して、第3の材料内の複数の微細構造を有する第3の微細構造化パターンを有する第2の金型を作製する工程と、(e)第3の材料とは異なる第4の材料の層で第2の金型の第3の微細構造化パターンを平坦化する工程であって、その層は、第3の微細構造化パターンをなす複数の微細構造の各微細構造の頂部を露出させる、工程と、(f)第3の材料を除去する工程であって、結果として、第4の材料内の複数の穴を有するノズルが得られ、それらの穴は、第3の微細構造化パターンをなす複数の微細構造に対応する、工程とを含む。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、広義にはノズルに関する。本発明は更に、そのようなノズルを組み込んだ燃料噴射器に応用可能である。
【背景技術】
【0002】
以前にも増して、燃料噴射は、内燃機関において燃料と空気とを混合するための好ましい方法となっている。燃料噴射は一般に、エンジンの燃料効率を高め、有害な排気物を減少させるために用いられ得る。燃料噴射器は一般に、燃焼用の加圧下で燃料を噴霧化するためのノズルを備える。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
環境基準がますます厳しくなることから、より効率的な燃料噴射器が必要とされている。
【課題を解決するための手段】
【0004】
広義には、本発明はノズル及びノズルを作製する方法に関する。一実施形態において、ノズルを製作する方法は、(a)多光子反応を受けることが可能な第1の材料を供給する工程と、(b)多光子過程を用いて第1の材料内に第1の微細構造化パターンを形成する工程と、(c)第1の材料とは異なる第2の材料内に第1の微細構造化パターンを複製して、第2の材料内の第2の微細構造化パターンを備える第1の金型を作製する工程と、(d)第1及び第2の材料とは異なる第3の材料内に第2の微細構造化パターンを複製して、第3の材料内の複数の微細構造を含んだ第3の微細構造化パターンを備える第2の金型を作製する工程と、(e)第3の材料とは異なる第4の材料の層で第2の金型の第3の微細構造化パターンを平坦化する工程であって、その層は、第3の微細構造化パターンをなす複数の微細構造の各微細構造の頂部を露出させる、工程と、(f)第3の材料を除去する工程であって、結果として、第4の材料内の複数の穴を有するノズルが得られ、それらの穴は、第3の微細構造化パターンをなす複数の微細構造に対応する、工程と、を含む。ある場合には、本方法における各工程は順次的に実施される。ある場合には、第1の材料はポリ(メチルメタクリレート)を含む。ある場合には、第1の材料は、二光子反応を受けることが可能である。ある場合には、第1の微細構造化パターンは、複数の離散的微細構造を含む。ある場合には、複数の離散的微細構造は、3次元の直線的な形体、3次元の直線的な形体の一部分、3次元の曲線的な形体、3次元の曲線的な形体の一部分、多面体、円錐体、先細の微細構造、又は螺旋状の微細構造である離散的微細構造を含む。ある場合には、第1の微細構造化パターンは、二光子過程を用いて第1の材料内に形成される。ある場合には、第1の材料内に第1の微細構造化パターンを形成する工程は、第1の材料の少なくとも一部分を露光して、多光子の同時吸収を生じさせることを含む。ある場合には、第1の材料内に第1の微細構造化パターンを形成する工程は、第1の材料のうちの露光した部分、又は第1の材料のうちの露光していない部分を除去することを含む。ある場合には、第2の材料内に第1の微細構造化パターンを複製することは、第1の微細構造化パターンを電気メッキすることを含む。ある場合には、第2の材料は電気メッキ材料を含む。ある場合には、第1の金型は金属を含む。ある場合には、第1の金型はニッケルを含む。ある場合には、第2の微細構造化パターンは実質的に、凹凸を逆にして第1の微細構造化パターンを複製したものである。ある場合には、第3の材料内に第2の微細構造化パターンを複製する工程は、射出成形することを含む。ある場合には、第3の材料は、ポリカーボネートなどのポリマーを含む。ある場合には、第2の金型はポリマーを含む。ある場合には、第3の微細構造化パターンは実質的に、凹凸を逆にして第2の微細構造化パターンを複製したものである。ある場合には、第3の微細構造化パターンを平坦化する工程は、第3の微細構造化パターンを電気メッキすることを含む。ある場合には、第3の微細構造化パターンを平坦化する工程は、第4の材料で第3の微細構造化パターンをコーティングすることを含む。ある場合には、第3の微細構造化パターンを平坦化する工程は、第4の材料で第3の微細構造化パターンを電気メッキすることを含む。ある場合には、第3の微細構造化パターンを平坦化する工程は、第4の材料の一部分を除去することを含み、場合によっては、コーティングされた第4の材料のうちのその一部分は研削法によって除去される。ある場合には、第4の材料は電気メッキ材料を含む。ある場合には、ノズルは金属を含む。ある場合には、ノズルはニッケルを含む。
【0005】
別の実施形態において、ノズルは、中空内部と、その中空内部をノズルの外側と連通させる少なくとも1つの穴とを有する。その少なくとも1つの穴は、第1の形状を有する、ノズルの中空内部にある穴入口と、第1の形状とは異なる第2の形状を有する、ノズルの外側にある穴出口とを有する。ある場合には、第1の形状は楕円形状であり、第2の形状は円形状である。ある場合には、第1の形状はレーストラック形状であり、第2の形状は円形状である。ある場合には、第1の形状の外周は、緊密に詰められた複数の円の外弧を含み、それらの外弧は曲線状のフィレットで連結されている。
【0006】
別の実施形態において、ノズルは、中空内部と、その中空内部をノズルの外側と連通させる少なくとも1つの穴とを有する。その少なくとも1つの穴は、ノズルの中空内部にある穴入口と、ノズルの外側にある穴出口とを有する。その少なくとも1つの穴は、穴入口から穴出口にかけて回転する横断面を有する。ある場合には、その横断面は、穴入口から穴出口にかけて増加する回転率を有する。ある場合には、その横断面は、穴入口から穴出口にかけて減少する回転率を有する。ある場合には、その横断面は、穴入口から穴出口にかけて一定の回転率を有する。ある場合には、穴入口は第1の形状を有し、穴出口は、第1の形状とは異なる第2の形状を有する。ある場合には、ノズルは複数の穴を有し、それらの穴は、最外方の円を含んだ同心円の配列をなして配置されている。離散的ノズル穴は、最外方の円の直径が、同心円の配列をなす各円の少なくとも1つの離散的ノズル穴を含むことがないように配置されている。ある場合には、同心円の配列をなす各円は、等しく離間された離散的ノズル穴を有する。
【図面の簡単な説明】
【0007】
添付の図面と共に、本発明の種々の実施形態に関する以下の詳細な説明を考慮すれば、本発明がより完全に理解され評価されよう。
【図1A】ノズルを製作するプロセスの中間段階又は工程における各構造の概略図。
【図1B】ノズルを製作するプロセスの中間段階又は工程における各構造の概略図。
【図1C】ノズルを製作するプロセスの中間段階又は工程における各構造の概略図。
【図1D】ノズルを製作するプロセスの中間段階又は工程における各構造の概略図。
【図1E】ノズルを製作するプロセスの中間段階又は工程における各構造の概略図。
【図1F】ノズルを製作するプロセスの中間段階又は工程における各構造の概略図。
【図1G】ノズルを製作するプロセスの中間段階又は工程における各構造の概略図。
【図1H】ノズルを製作するプロセスの中間段階又は工程における各構造の概略図。
【図1I】ノズルを製作するプロセスの中間段階又は工程における各構造の概略図。
【図1J】ノズルを製作するプロセスの中間段階又は工程における各構造の概略図。
【図1K】ノズルを製作するプロセスの中間段階又は工程における各構造の概略図。
【図1L】ノズルを製作するプロセスの中間段階又は工程における各構造の概略図。
【図1M】ノズルを製作するプロセスの中間段階又は工程における各構造の概略図。
【図2】微細構造の概略的3次元図。
【図3】別の微細構造の概略的3次元図。
【図4】別の微細構造の概略的3次元図。
【図5】別の微細構造の概略的3次元図。
【図6】微細構造の基部の概略図。
【図7】それぞれ、微細構造の概略的3次元図及び頂面図。
【図8】それぞれ、微細構造の概略的3次元図及び頂面図。
【図9】微細構造(ノズル穴)の概略的3次元図。
【図10】図9に示す微細構造(ノズル穴)の基部(穴入口)の概略図。
【図11】図9に示す微細構造(ノズル穴)の概略的頂面図。
【図12】ノズル穴(微細構造)の概略的3次元図。
【図13】図12に示すノズル穴(微細構造)の穴入口(基部)の概略図。
【図14】図12に示すノズル穴(微細構造)の概略的頂面図。
【図15A】異なる2つの配列をなす穴(微細構造)の概略的頂面図。
【図15B】異なる2つの配列をなす穴(微細構造)の概略的頂面図。
【図16】複数のノズル穴(微細構造)の概略的3次元図。
【図17】微細構造の概略的側面図。
【図18】露光システムの概略的側面図。
【図19】クラスタをなす微細構造の2枚の走査型電子顕微鏡写真(SEM)。
【図20】クラスタをなす微細構造の2枚の走査型電子顕微鏡写真(SEM)。
【図21】クラスタをなすポリカーボネート製微細構造のSEM。
【図22】クラスタをなす穴の各穴入口及び穴出口(respective hole entries and hole entries)の光学顕微鏡写真。
【図23】クラスタをなす穴の各穴入口及び穴出口(respective hole entries and hole entries)の光学顕微鏡写真。
【図24】ノズルの概略的側面図。
【図25】図22及び23に示す穴のうちの1つのSEM。
【0008】
本明細書において、複数の図で用いられている同じ参照符号は、同一の又は類似の特性及び機能性を有する同一の又は類似の要素を指す。
【発明を実施するための形態】
【0009】
本発明は広義には噴霧ノズルに関する。開示するノズルは、穴入口、穴の壁の中、及び穴出口における噴霧方向及び流体のダイナミクスを改善するように設計された1つ以上の穴を有する。開示するノズルは有利にも、燃料噴射システムに組み込まれて燃料効率を改善し得る。開示するノズルは、二光子などの多光子過程を用いて製作され得る。特に、多光子過程を用いて微細構造を製作することができ、その微細構造が、ノズル又は他の用途で用いられる穴を製作する金型として使用され得る。
【0010】
「ノズル」という用語は、当該技術分野において種々様々な意味を有し得ることを理解されたい。いくつかの特定の参考文献において、ノズルという用語は広範な定義を有している。例えば、米国特許公開第2009/0308953 A1号(Palestrantら)には、オクルダーチャンバー50を含めて多数の要素を有する「噴霧ノズル」が開示されている。このノズルは、本明細書で提案するノズルの解釈及び定義とは異なるものである。例えば、この説明におけるノズルは、Palestrantらのオリフィスインサート24に概ね対応する。一般に、この説明におけるノズルは、噴霧噴射システムのうちの、噴霧が最終的に排気される最後の先細部分として理解され得るものであり、例えば、Merriam Webster’s dictionaryのノズルの定義(「流体の流れを高速化又は案内するために(ホースなどで)用いられる先細り又は絞りを有する短い管」)を参照されたい。Nippondenso Co.,Ltd.(Kariya,Japan)に付与された米国特許第5,716,009号(Ogiharaら)を参照することにより、更なる理解が得られよう。この文献においても、流体噴射「ノズル」は、組立型弁要素10として広義に定義されている(「流体噴射ノズルとして作用する燃料噴射弁10」(Ogiharaらの特許の第4段落、第26〜27行を参照))。本明細書で用いる「ノズル」という用語のここでの定義及び解釈は、第1及び第2のオリフィスプレート130及び132に、また場合によってはスリーブ138(Ogiharaらの図14及び15を参照)に関するものであり、例えば、このスリーブ138は燃料噴霧にすぐ近接して位置する。本明細書で説明するものと似た、「ノズル」という用語の解釈が、Hitachi,Ltd.(Ibaraki,Japan)に付与された米国特許第5,127,156号(Yokoyamaら)において用いられている。そこでは、ノズル10は、「旋回翼」12(図1(II)を参照)など、取り付けられ組み込まれた構造の要素とは別に定義されている。残りの説明及び特許請求の範囲の全てを通じて「ノズル」という用語が言及されるときに、上で定義した解釈が理解されるべきである。
【0011】
ある場合には、開示する微細構造は、四面体若しくは六面体などの多面体、角柱、若しくは角錐、又は、切頭体など、そのような形体の一部分若しくは組合わせなど、3次元の直線的な形体であってよい。例えば、図2は、微細構造220の概略的3次元図であるが、この微細構造220は、基板210上に配設されており、平面的又は平坦な基部230と、平面的又は平坦な頂部240と、頂部を基部に連結する側部250とを有している。側部250は、小平面260、265及び270など、複数の平面的な又は平坦な小平面を有している。微細構造220は、例えばノズルにおいて使用する穴を製作するための金型として使用され得る。
【0012】
ある場合には、開示する微細構造は、球体、非球体、回転楕円体、放物体、円錐体若しくは切頭円錐体、又は円柱体の一部など、3次元の曲線的な形体又はそのような形体の一部であってもよい。例えば、図3は、微細構造320の概略的3次元図であるが、この微細構造320は、基板310上に配設されており、平面的又は平坦な基部330と、平面的又は平坦な頂部340と、頂部を基部に連結する曲線側部350とを有している。例示的な微細構造320において、頂部340と基部330とは同じ形状を有している。微細構造320は、基部330から頂部340に向かって狭くなるように先細となっている。その結果、頂部340は、基部330よりも小さな面積を有している。微細構造320は、例えばノズルにおいて使用する穴を製作するための金型として使用され得る。
【0013】
ある場合には、開示する微細構造の特徴の中には、基部から頂部にかけて変化するものもある。例えば、ある場合には、開示する微細構造は、先細の微細構造であってもよい。例えば、図4は、多光子過程を用いて製作され得る微細構造420の概略的3次元図である。微細構造420は、例えばノズルにおいて使用する穴を製作するための金型として使用され得る。微細構造420は、基板410上に配設されており、基部430と、頂部440と、頂部を基部に連結する側部450とを有している。微細構造420は、z軸に沿った基部430と頂部440との距離である高さ又は厚さhを有している。微細構造420は先細となっている。具体的に言えば、微細構造の厚さ方向に沿った、微細構造の横断面積は、基部430から頂部440にかけて減少している。例えば、微細構造420は、xy平面における高さhでの横断面460と、xy平面における高さh>hでの横断面470を有している。横断面470の面積は横断面460の面積よりも小さく、横断面460の面積は基部430の面積よりも小さい。
【0014】
基部430は第1の形状を有し、頂部440は、その第1の形状とは異なる第2の形状を有している。ある場合には、第1の形状は楕円形状であり、第2の形状は円形状である。例えば、図5は微細構造520の概略的3次元図であり、微細構造520は、楕円形基部530と、円形頂部540と、頂部を基部に連結する側部550とを有している。楕円形基部530は、長さ「a」を有するy方向に沿った長軸560と、「a」とは異なる長さ「b」を有するx方向に沿った短軸570とを有している。円形頂部540は半径rを有している。微細構造520は先細となっている。具体的に言えば、円形頂部540の面積は、楕円形基部530の面積よりも小さなものとなっている。
【0015】
別の例として、第1の形状はレーストラック形であってもよく、第2の形状は、例えば円形であってもよい。例えば、図6は、開示する微細構造の基部となり得る基部630の概略図である。基部630は、2つの円642及び644と、中央部分650とを有している。基部630は、曲線部分又は円弧632及び634と直線部分636及び638とを有する外周660を有している。曲線部分632及び634は、それぞれ円642及び644の一部分である。
【0016】
ある場合には、開示する微細構造は、微細構造の厚さ又は高さ方向に沿って、微細構造の基部から微細構造の頂部にかけて回転する横断面を有する。例えば、図7は微細構造720の概略的3次元図であり、微細構造720は、xy平面内に配設された基部730と、xy平面内に配設された頂部740と、頂部を基部に連結する側部780とを有している。微細構造720は高さhを有している。微細構造720は、頂部740から基部730に向かって時計回りに回転するxy横断面を有している。具体的に言えば、頂部740はx方向に沿った対称軸742を有し、高さh<hにおける微細構造のxy横断面750は、対称軸742に対して時計回りに回転した対称軸752を有し、高さh<hにおける微細構造のxy横断面755は、対称軸752に対して時計回りに回転した対称軸757を有し、高さh<hにおける微細構造のxy横断面760は、対称軸757に対して時計回りに回転した対称軸762を有し、基部730は、対称軸762に対して時計回りに回転した、y軸に沿った対称軸732を有している。それに対応して、微細構造720は、基部730から頂部740にかけて反時計回りに回転するxy横断面を有している。図8は微細構造720の概略的頂面図であり、頂部740とその対称軸742、横断面750とその対称軸752、横断面755とその対称軸757、横断面760とその対称軸762、及び基部730とその対称軸732を示している。頂部から見ると、横断面の対称軸は、頂部から底部にかけて時計回りに回転している。そのような回転の結果、高さ又は厚さの方向に沿って微細構造に捩れが生じている。ある場合には、各横断面は、対応する長軸が対称軸として働く楕円形であってもよい。そのような場合、長軸は、基部から頂部にかけて回転する。微細構造が先細となると共に捩れている場合など、ある場合には、横断面は基部から頂部にかけて回転すると共により小さくなる。例えば、楕円形基部730は、長さ「a」を有するy方向に沿った長軸732と、「a」とは異なる長さ「b」を有するx方向に沿った短軸734とを有している。長軸が基部から頂部にかけて回転するとき、比a/bは、例えば、「a」を減じることによって低下し、「a」を減じる結果として、最終的には頂部(a=b)で円形となり得る、より小さな楕円が形成される。一般に、開示する微細構造は、基部から頂部にかけて、微細構造の厚さ方向に沿った先細り及び/又は捩れ若しくは螺旋を有し得る。
【0017】
微細構造720は、ノズル内に1つ以上の穴を製作するための金型として使用されてもよく、その穴は微細構造720と実質的に同じ輪郭を有する。例えば、この製作の結果、穴入口730と、穴出口740と、穴入口から穴出口へと延びる壁752とを有する穴720が得られる。この穴は、穴入口から穴出口にかけて、先細となると共に、螺旋状となるか又は捩れている。開示する螺旋状の又は捩れたノズル穴は有利にも、燃料噴射器において、燃料の流速を向上させ、液滴寸法を縮小し、燃料と空気との混合度を改善するために用いられ得る。
【0018】
この微細構造は、微細構造の種々の高さ(例えば、h、hなど)で1つの「直径」を有するものとして解釈されてもよい。この直径は、同じ高さにおける微細構造の縁部同士の最大距離として解釈されてもよい。穴入口730などの楕円形基部が存在する状況においては、その直径は、長軸732に沿った微細構造の縁部間の距離となる。穴出口740に対応する、構造の反対側の端部で、この直径は同様に、同じ高さ(ここではh)における微細構造の縁部間の最大距離となる。したがって、軸742に沿った微細構造の縁部間の距離は、穴出口の直径に対応する。いくつかの実施形態において、穴入口は、300マイクロメートル未満、又は200マイクロメートル未満、又は160マイクロメートル以下、又は140マイクロメートル未満の直径を有し得る。いくつかの実施形態において、穴出口は、300マイクロメートル未満、又は200マイクロメートル未満、又は100マイクロメートル未満、又は40マイクロメートル以下、又は25マイクロメートル未満の直径を有し得る。
【0019】
ある場合には、ノズル穴720の横断面は、穴入口から穴出口にかけて増加する回転率を有する。ある場合には、ノズル穴720の横断面は、穴入口から穴出口にかけて減少する回転率を有する。ある場合には、この横断面は、穴入口から穴出口にかけて一定の回転率を有する。
【0020】
一般に、開示する微細構造の基部若しくは側方横断面、又は開示するノズル穴の入口穴若しくは側方横断面は、ある用途において望ましいものとなり得る任意の横断面を有し得る。ある場合には、基部又は入口穴は、緊密に詰められた円の外弧を含んだ外周を有することができ、それらの外弧は曲線状のフィレットで連結されている。例えば、図9は微細構造920の概略的3次元図であり、微細構造920は、基部930と、頂部940と、頂部を基部に連結する側部950とを有している。図10は、外周1090を有する基部930の概略図であり、外周1090は、緊密に詰められた4つの円の外弧を含み、これらの外弧は曲線状のフィレットで連結されている。具体的に言えば、外周1090は、円1020の外弧1010と、円1022の外弧1012と、円1024の外弧1011と、円1026の外弧1016とを有し、外弧1010と1012は曲線状のフィレット1030で連結されており、外弧1012と1014は曲線状のフィレット1032で連結されており、外弧1014と1016は曲線状のフィレット1034で連結されており、外弧1016と1010は曲線状のフィレット1036で連結されている。円1010、1012、1014及び1016は、接触する同じ円の正方配列を形成しており、各円は半径rを有している。
【0021】
基部930は対称軸1040を有している。微細構造920の側方横断面は回転し、半径rは基部930から頂部940にかけて減少し、その結果、基部930から頂部940にかけて螺旋を描くと共に先細となる微細構造が得られる。
【0022】
それに対応して、ノズル穴920は、穴入口930と、穴出口940と、穴入口から穴出口へと延びる壁950とを有している。穴920は、穴入口から穴出口にかけて回転すると共に小さくなる側方横断面を有している。
【0023】
図11は、ノズル穴(又は微細構造)920の概略的頂面図であり、対称軸1040を有する穴入口930と、対称軸942を有する穴出口940とを示している。頂部から見ると、穴920の横断面の対称軸は、穴入口から穴出口へと反時計回りに回転している。そのような回転の結果、高さ又は厚さ方向に沿って微細構造に捩れが生じている。
【0024】
別の例として、図12はノズル穴(又は微細構造)1220の概略的3次元図であり、このノズル穴1220は高さkを有し、穴入口1230と、穴出口1240と、穴入口から穴出口へと延びる壁1250とを有している。図13は、外周1235を有する穴入口1230の概略図であり、外周1235は、緊密に詰められた、つまり接触する2つの円の外弧を含み、これらの外弧は曲線状のフィレットで連結されている。具体的に言えば、外周1090は、円1280の外弧1270と円1282の外弧1272とを有しており、各円は半径rを有し、外弧1270と1272とは曲線状のフィレット1290及び1292で連結されている。
【0025】
穴入口1230は対称軸1232を有している。ノズル穴1220の側方横断面は回転し、半径rは穴入口1230から穴出口1240にかけて減少しており、その結果、穴入口1230から穴出口1240にかけて螺旋を描くと共に先細となる微細構造が得られる。具体的に言えば、頂部1240はx方向に沿った対称軸1242を有し、高さk<kにおける穴のxy横断面1264は、対称軸1242に対して時計回りに回転した対称軸1265を有し、高さk<kにおける穴のxy横断面1262は、対称軸1265に対して時計回りに回転した対称軸1263を有し、高さk<kにおける穴のxy横断面1260は、対称軸1263に対して時計回りに回転した対称軸1261を有し、穴入口1230は、対称軸1261に対して時計回りに回転した、y軸に沿った対称軸1232を有している。したがって、穴1220は、穴出口1240から穴入口1230にかけて時計回りに回転するxy横断面を有している。それに対応して、穴1220は、穴入口から穴出口にかけて反時計回りに回転するxy横断面を有している。図14はノズル穴1220の概略的頂面図であり、穴出口1242とx軸に沿ったその対称軸1242、横断面1264とその対称軸1265、横断面1262とその対称軸1263、横断面1260とその対称軸1261、及び穴入口1230とy軸に沿ったその対称軸1232を示している。頂部から見ると、穴の側方横断面の対称軸は、穴出口から穴入口にかけて時計回りに回転している。
【0026】
それに対応して、微細構造1220は、基部1230と、頂部1240と、基部を頂部に連結する側部1250とを有している。微細構造1220は、基部から頂部にかけて回転すると共に小さくなる横断面を有している。
【0027】
図2〜14に示すように、ノズルとして機能し得る、本明細書で開示する微細構造は、一体構造であってもよい。換言すれば、実際のノズルを形成する微細構造220、320、420などは、共通の単一片の材料から作製され、また最終的に共通の単一片の材料を形成する。これは、場合によって様々な材料で構成される多数の様々な部品の組合わせによって形成されるノズルとは異なるものと解釈されてもよい。この点に関して、上記の図に示すように、本明細書で開示するノズルは一体構造であってよい。
【0028】
一般に、開示する複数の微細構造又は穴は、ある用途で望ましいものとなり得る任意の配置を有することができる。例えば、いくつかの例において、開示する穴は、規則的にあるいは不規則的に配置され得る。例えば、図15Aは穴又は微細構造1510の2次元正方配列1500の概略的頂面図であり、図15Bは穴又は微細構造1530の2次元六角配列1520の概略的頂面図であるが、穴又は微細構造1510及び1530は、本明細書で開示する任意のノズル穴又は微細構造であってよい。いくつかの例において、開示する複数の微細構造又は穴が、非平面的な表面上に配列されてもよい。例えば、図16は、球状の表面1620上に配設又は配置された複数のノズル穴又は微細構造1610の概略的3次元図である。
【0029】
ある場合には、開示する微細構造又は穴は、製造を容易にするため、かつ/又は局部応力を低減するために、1つ以上のフィレットを有してもよい。例えば、図17は微細構造1720の概略的側面図であり、微細構造1720は基板1710上に配設されており、基部1730と、頂部1740と、基部を頂部に連結する側部1750とを有している。微細構造1720は、側部1750と頂部1740とを滑らかに接合するフィレット1760及び1761と、側部1750と基板1710の上表面1705とを滑らかに接合するフィレット1770及び1771とを有している。
【0030】
本明細書で開示するノズル穴及び微細構造は、図1A〜1Mを参照して概説する方法を用いて製作され得る。この方法は、単一の配列をなす多様な個々の微細構造及び穴を製造する上で、柔軟性と制御性とをもたらすものであり、それでいて、工業的に許容される製作速度又は「スループット」を維持する一方で、望ましくも低水準の平均表面粗さを達成するために用いられ得る。
【0031】
図1Aは、基板110上に配設された第1の材料の層115の概略的側面図である。第1の材料は、多光子を同時に吸収することによって多光子反応を受けることが可能である。例えば、ある場合には、第1の材料は、2つの光子を同時に吸収することによって二光子反応を受けることが可能である。第1の材料は、例えば、いずれも参照によって本明細書に組み込まれる、係属中の2005年12月21日に出願された米国特許出願第11/313482号「Process For Makeing Microlens Arrays And Masteroforms(代理人整理番号第60893US002号)、2007年5月17日に出願された米国特許出願公開第US 2009/0175050号「Process For Making Light Guides With Extraction Structures And Light Guides Produced Thereby」(代理人整理番号第62162US007号)、及び2008年9月9日に出願された国際特許公開第WO 2009/048705号「Highly Functional Multiphoton Curable Reactive Species」(代理人整理番号第63221WO003号)に記載されているものなど、2光子などの多光子反応を受けることが可能な任意の材料又は材料系であってよい。
【0032】
ある場合には、第1の材料は、酸又はラジカル開始化学反応を受けることが可能な少なくとも1つの反応種と、少なくとも1つの多光子光開始剤とを含んだ光反応性組成物であってもよい。光反応組成物内で使用するのに好適な反応種としては、硬化性の化学種と非硬化性の化学種の双方が挙げられる。例示的な硬化性の化学種には、付加重合性モノマー及びオリゴマーと付加架橋性ポリマー(例えばアクリレート、メタクリレート、及びスチレンなどの特定のビニル化合物を含む、ラジカル重合性又は架橋性のエチレン不飽和性の化学種)、更には、カチオン重合性モノマー及びオリゴマーとカチオン架橋性ポリマー(この化学種は最も一般的には酸開始されており、またこの化学種には、例えばエポキシ、ビニルエーテル、シアネートエステルなどが挙げられる)、その他同種のもの、並びにそれらの混合物が挙げられる。例示的な非硬化性の化学種には、酸又はラジカル誘起反応の際に溶解度が増加し得る反応性ポリマーが挙げられる。そのような反応性ポリマーには、例えば、光生成した酸によって可溶性の酸基へと変換され得るエステル基を持つ非水溶性ポリマー(例えば、ポリ(4−t−ブトキシカルボニルオキシスチレン))が挙げられる。また、非硬化性の化学種には化学増幅フォトレジストが挙げられる。
【0033】
多光子光開始剤系により、第1の材料を露光させるために用いる光の集束ビームの焦点領域に重合化を制限又は限定することが可能となる。そのような系は好ましくは、少なくとも1つの多光子光増感剤と、少なくとも1つの光開始剤(又は電子受容体)と、任意選択による少なくとも1つの電子供与体とを含む二成分又は三成分系である。
【0034】
第1の材料の層115は、ある用途において望ましいものとなり得る任意のコーティング法を用いて基板110上にコーティングされ得る。例えば、第1の材料は、フラッドコーティングによって基板110上にコーティングされ得る。他の例示的なコーティング法には、ナイフコーティング、ノッチコーティング、リバースロールコーティング、グラビアコーティング、スプレーコーティング、バーコーティング、スピンコーティング及びディップコーティングが挙げられる。
【0035】
基板110は、種々様々なフィルム、シート、及び他の表面材(シリコンウェーハ及びガラスプレートを含む)から、特定の用途及び用いる露光方法に応じて選定され得る。ある場合には、基板110は、第1の材料の層115が均一な厚さを有するように十分に平坦である。ある場合には、層115はバルク形態で露光され得る。そのような場合、基板110が製作プロセスから除外されてもよい。プロセスが1つ以上の電気メッキ工程を含む場合など、ある場合には、基板110は導電性又は半導電性であってよい。
【0036】
次に、第1の材料は、露光領域内の第1の材料による多光子の同時吸収を生じさせるのに十分な強度を有する入射光に、選択的に露光される。この露光は、十分な強度で光を供給することが可能な任意の方法で達成され得る。例示的な露光方法が、参照によって本明細書に組み込まれる、2007年3月23日出願の米国特許出願公開第US 2009/0099537号「Process For Making Microneedles,Microneedle Arrays,Masters,And Replication Tools」(代理人整理番号第61795US005号)に記載されている。
【0037】
図18は、第1の材料の層115を露光するための例示的な露光システム1800の概略的側面図である。この露光システムは、光1830を放射する光源1820と、1次元、2次元、又は3次元で移動することが可能なステージ1810とを有している。第1の材料の層115でコーティングされた基板110がステージ上に置かれている。光学システム1840が、第1の材料内の焦点領域1850に放射光1830を集束させている。ある場合には、光学システム1840は、第1の材料による多光子の同時吸収が焦点領域1850であるいはそのごく近くでのみ生じるように設計される。層115のうちの多光子反応を受ける領域は、層115のうちの多光子反応を受けない領域と比較して、少なくとも1種類の溶媒に、より溶解しやすく、あるいはより溶解しにくくなる。
【0038】
ステージ1810及び/又は光1830及び/又は光学システム1840内の1つ以上のミラーなどの1つ以上の構成要素を移動させることによって、焦点領域1850は第1の材料内の3次元パターンを走査することができる。図1A及び18に示す例示的なプロセスにおいて、層115は平面的な基板110上に配設される。一般に、基板110は、ある用途で望しいものとなり得る任意の形状を有してよい。例えば、ある場合には、基板110は球形状を有してもよい。
【0039】
光源1820は、多光子吸収を実現するのに十分な光強度を発生させることが可能な任意の光源であってよい。例示的な光源には、約300nm〜約1500nm、又は約400nm〜約1100nm、又は約600nm〜約900nm、又は約750nm〜約850nmの範囲で動作する、フェムト秒レーザーなどのレーザーが挙げられる。
【0040】
光学システム1840は、例えば、屈折性光学要素(例えばレンズ又はマイクロレンズアレイ)、反射性光学要素(例えば、再帰反射体又は集束ミラー)、回折性光学要素(例えば、回折格子、位相マスク、及びホログラム)、偏光光学要素(例えば、直線偏光子及び波長板)、分散性光学要素(例えばプリズム及び回折格子)、拡散体、ポッケルスセル、光導体などを有し得る。そのような光学要素は、集束、ビーム送出、ビーム/モード成形、パルス成形、及びパルスタイミングに有用である。
【0041】
露光システム1800によって第1の材料の層115が選択的に露光された後、溶媒溶解性のより高い領域を溶かすために、露光された層は溶媒中に置かれる。露光した第1の材料を現像するために使用され得る例示的な溶媒には、水(例えば、1〜12の範囲のpHを有する)及び水と有機溶媒との混和性配合物(例えば、メタノール、エタノール、プロパノール、アセトン、アセトニトリル、ジメチルホルムアミド、N−メチルピロリドンなど、及びそれらの混合物)などの水性溶媒、並びに有機溶媒が挙げられる。例示的な有用な有機溶媒には、アルコール系溶剤(例えば、メタノール、エタノール、及びプロパノール)、ケトン系溶剤(例えば、アセトン、シクロペンタノン、及びメチルエチルケトン)、芳香族化合物系溶剤(例えばトルエン)、ハロゲン化炭素系溶剤(例えば、塩化メチレン及びクロロホルム)、ニトリル系溶剤(例えばアセトニトリル)、エステル系溶剤(例えば、酢酸エチル及びプロピレングリコールメチルエーテルアセテート)、エーテル系溶剤(例えば、ジエチルエーテル及びテトラヒドロフラン)、アミド系溶剤(例えば、N−メチルピロリドン)など、及びそれらの混合物が挙げられる。図1Bは、多光子過程を用いて第1の材料内に形成された第1の微細構造化パターン121の概略的側面図である。第1の微細構造化パターンは、微細構造120の第1のクラスタ122と、微細構造125の第2のクラスタ124とを有しており、微細構造120及び125は、本明細書で開示する任意の微細構造を含めて、任意の微細構造であってよい。ある場合には、微細構造120と125とは、異なる構造を有する。ある場合には、微細構造120と125とは、同じ構造を有する。例示的な第1の微細構造化パターン121において、微細構造120及び125は高さtを有している。
【0042】
図19及び20は、本明細書で開示するプロセスに従って製作された微細構造120のクラスタの走査型電子顕微鏡写真である。図19及び20の微細構造は、図12に示す微細構造1220と類似している。図19において、微細構造は微細構造の基部の短軸に沿って見たものであり、図20において、微細構造は微細構造の基部の長軸に沿って見たものである。
【0043】
図19(及び図20)の複数の微細構造は、最外方の円1910を含む同心円の配列にて配置されている。微細構造は、最外方の円の直径が、同心円の配列をなす各円の少なくとも1つの離散的微細構造を含むことがないように配置されている。例えば、最外方の円1910の直径1920は、微細構造1901〜1905は含むが、微細構造1930及び1931は含まない。図19の同心円の配列をなす各円は、等しく離間された離散的微細構造を含んでいる。同様に、ある場合には、1つのノズルが複数の穴を有し、それらの穴は、最外方の円を含んだ同心円の配列をなして配置されている。離散的ノズル穴は、最外方の円の直径が、同心円の配列をなす各円の少なくとも1つの離散的ノズル穴を含むことがないように配置されている。ある場合には、同心円の配列をなす各円は、等しく離間された離散的ノズル穴を含む。
【0044】
次に、図1Cに概略的に示すように、第1の微細構造化パターン121の上表面126は、薄い導電性シード層127で上表面をコーティングすることによって、金属化されるかあるいは導電性にされる。導電性シード層127は、ある用途で望ましいものとなり得る任意の導電性材料を含んでよい。例示的な導電性材料には、銀、クロム、金及びチタンが挙げられる。ある場合には、シード層127は、約50nm未満、又は約40nm未満、又は約30nm未満、又は約20nm未満の厚さを有する。
【0045】
次に、図1Dに概略的に示すように、シード層127は、第1の微細構造化パターン121を第2の材料で電気メッキするために使用されており、その結果、第2の材料の層130が得られる。ある場合には、第1の微細構造化パターン121の電気メッキは、層130の最小厚さtがtを超えるまで継続される。
【0046】
電気メッキに好適な第2の材料には、銀、不動態化された銀、金、ロジウム、アルミニウム、反射強化アルミニウム、銅、インジウム、ニッケル、クロム、スズ、及びそれらの合金が挙げられる。
【0047】
ある場合には、第2の材料の層130は、不均一な又は荒い上表面132を有する。そのような場合、第2の材料の層130は研磨又は研削され、結果として、図1Eに概略的に示すように厚さt>tを有する第2の材料の層135が得られるこの研磨又は研削は、ある用途で望ましいものとなり得る任意の研削法を用いて達成され得る。例示的な研削法には、表面研削及びメカニカルミリングが挙げられる。
【0048】
ある場合には、第2の材料130の層は、最初に第2の層127でパターン121をコーティングすることなく、第1の微細構造化パターン121上に直接堆積され得る。そのような場合、層130は、例えばスパッタリング及び化学蒸着を含む任意の好適な方法を用いてパターン121上にコーティングされ得る。
【0049】
次に、基板110と第1の材料が除去され、結果として、図1Fに概略的に示す第2の材料の第1の金型140が得られる。見やすくするために、また普遍性が損なわれないように、シード層127は図1Fには示されていない。ある場合には、基板110とパターン形成された第1の材料は、手で層135から分離され得る。ある場合には、この分離は、層130を研削するのに先立って実施され得る。
【0050】
第1の金型140は第2の微細構造化パターン141を有し、この第2の微細構造化パターン141は実質的に、凹凸を逆にして第1の微細構造化パターン121を複製したものである。具体的に言えば、第2の材料の第1の金型140は、微細構造145の第1のクラスタ146と、微細構造148の第2のクラスタ147とを有しており、微細構造145は実質的に、凹凸を逆にして微細構造120を複製したものであり、微細構造148は実質的に、凹凸を逆にして微細構造125を複製したものである。
【0051】
次に、図1Gに概略的に示すように、第2の材料の第1の金型140と平滑な上表面157を有する基板155との間に第3の材料を配設することによって、第2の微細構造化パターンが、第1及び第2の材料とは異なる第3の材料150内に複製される。この複製プロセスは、任意の好適な複製方法を用いて達成され得る。例えば、ある場合には、この複製は射出成形プロセスを用いて達成され得る。そのような場合、溶融した第3の材料が、基板155と第1の金型との間に導入され、第2の微細構造化パターンに充填された後に固化され得る。第3の材料150は、パターンを複製することが可能な任意の材料であってよい。例示的な第3の材料には、ポリカーボネート、並びに、ポリスチレン、アクリル、スチレンアクリロニトリル、ポリメチルメタクリレート(PMMA)、シクロオレフィンポリマー、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレン2,6−ナフタレン、及びフルオロポリマーなどの他の熱可塑性樹脂が挙げられる。
【0052】
複製プロセスの後、第2の材料の第1の金型140と基板155が除去され、結果として、基板部分162と第3の微細構造化パターン161とを有する第3の材料の第2の金型160が得られ、この第3の微細構造化パターン161は、実質的に、凹凸を逆にして第2の微細構造化パターン141を複製したものであり、また実質的に、凹凸を変えずに第1の微細構造化パターン121を複製したものである。第3の微細構造化パターン161は、微細構造165の第1のクラスタ168と、微細構造159の第2のクラスタ169とを有しており、微細構造165は実質的に、凹凸を逆にして微細構造145を複製したものであり、微細構造159は実質的に、凹凸を逆にして微細構造148を複製したものである。ある場合には、微細構造165は実質的に、凹凸を変えずに微細構造120を複製したものであり、微細構造159は実質的に、凹凸を変えずに微細構造125を複製したものである。図21は、本明細書で開示するプロセスに従って製作されたポリカーボネート製微細構造165のクラスタの走査型電子顕微鏡写真である。
【0053】
次に、図1Iに概略的に示すように、第3の微細構造化パターン161の上表面154は、シード層127に類似した薄い導電性シード層167で上表面をコーティングすることによって、金属化されるかあるいは導電性にされる。
【0054】
次に、図1Jに概略的に示すように、シード層167は、第3の微細構造化パターン161を第3の材料とは異なる第4の材料で電気メッキするために使用されており、その結果、第4の材料の層170が得られる。ある場合には、第2の微細構造化パターン161の電気メッキは、層130の最小厚さtが、第2の金型160における微細構造の高さtを超えるまで継続される。ある場合には、高さtは実質的に高さtと等しい。電気メッキに好適な第4の材料には、銀、不動態化された銀、金、ロジウム、アルミニウム、反射強化アルミニウム、銅、インジウム、ニッケル、クロム、スズ、及びそれらの合金が挙げられる。他の実施形態において、第4の材料は、第3の微細構造化パターン上に堆積されるセラミックであってもよい。そのようなセラミック材料は、例えば、本発明の譲受人に譲渡され所有される米国特許第5,453,104号に記載されているようなゾルゲル法によって、あるいは、本発明の譲受人により譲受され所有される米国特許第6,572,693号、同第6,387,981号、同第6,899,948号、同第7,393,882号、同第7,297,374号、及び同第7,582,685号に記載されているようなセラミック充填高分子組成物又はプレセラミック高分子組成物の光硬化によって形成され得るものであり、これらの特許はそれぞれ、参照によって全ての内容が本明細書に組み込まれる。そのようなセラミック材料は、例えば、シリカ、ジルコニア、アルミナ、チタニア、又は、イットリウム、ストロンチウム、バリウム、ハフニウム、ニオビウム、タンタル、タングステン、ビスマス、モリブデン、スズ、亜鉛、ランタニド元素(すなわち、包含的に57〜71に及ぶ原子番号を有する元素)、セリウム、及びそれらの組合わせの酸化物を含んでもよい。
【0055】
次に、微細構造165の頂部171と微細構造159の頂部173が露出するまで、層170の上表面172が研削される。ある場合には、第3の材料は、第4の材料よりも軟質である。例えば、いくつかの例において、第3の材料はポリカーボネートであり、第4の材料はニッケル合金である。そのような場合、第3の微細構造化パターン161をなす全ての微細構造の頂部が確実に露出するように、頂部171及び173の小部分が研削プロセスの間に除去され得る。そのような場合、図1Kに概略的に示すように、研削の結果、第4の材料の層175は、第3の微細構造化パターンを平坦化し、第3の微細構造化パターンをなす複数の微細構造内の各微細構造の頂部185を露出させる。第4の材料の層175は、微細構造180の頂部184及び微細構造181の頂部186と実質的に同じ高さである上表面177を有している。微細構造は高さtを有し、この高さはtよりもわずかに低いものとなり得る。
【0056】
次に、第2の金型160が除去され、結果として、複数の穴106を有する第4の材料の層190が得られ、これらの穴106は、第3の微細構造化パターン161をなす複数の微細構造に対応する。具体的に言えば、第4の材料の層190は、穴195の第1のクラスタ192と、穴198の第2のクラスタ193とを有している。ある場合には、穴195は実質的に微細構造120を複製したものであり、穴198は実質的に微細構造125を複製したものである。穴195は穴入口182と穴出口183とを有し、穴198は穴入口196と穴出口197とを有している。
【0057】
図22及び23はそれぞれ、本明細書で開示するプロセスに従って作製された穴195のクラスタ192の穴入口182及び穴出口183の光学顕微鏡写真である。図25は、穴入口側から見た、穴195のうちの1つの走査型電子顕微鏡写真である。この穴は、穴入口2510と、穴入口よりも小さな穴出口2520とを有している。この顕微鏡写真は、穴内の先細り及び捩れを明確に示している。
【0058】
ある場合には、2つのクラスタ192と193とは方向199に沿って分離しており、その結果として、図1Mに概略的に示すように、部分102、及びそれとは別の、場合によっては実質的に全く同様の部分103が得られ、各部分は、噴霧ノズル及び/又は燃料噴射器において使用され得る。
【0059】
図24はノズル2400の概略的側面図であり、このノズル2400は、中空内部2410と、その中空内部をノズルの外側2430から分離する壁2405とを有している。このノズルは、中空内部2410をノズルの外側2430と連通させる、穴2420などの少なくとも1つの穴を更に有している。これらの穴は、中空内部から外側へと気体又は液体を送出する。穴2420は、本明細書で開示する任意の穴であってよい。穴2420は、壁2405の内部表面2406にある穴入口2440と、壁2405の外部表面2407にある穴出口2445とを有している。穴入口2440はまた、ノズルの中空内部2410にあり、穴出口2445はノズルの外側2430にある。
【0060】
ある場合には、穴入口2440は第1の形状を有し、穴出口2445は、第1の形状とは異なる第2の形状を有する。例えば、ある場合には、第1の形状は楕円形状であり、第2の形状は円形状である。別の例として、いくつかの例において、第1の形状はレーストラック形状であってもよく、第2の形状は円形状であってもよい。別の例として、ある場合には、第2の形状は円形又は楕円形であってよく、第1の形状の外周は、緊密に詰められた複数の円の外弧を含んでもよく、それらの外弧は曲線状のフィレットで互いに連結されている。
【0061】
ある場合には、第1の形状は第2の形状と実質的に同じであってもよいが、それらは、異なる大きさ又は寸法を有してもよい。例えば、第1の形状は半径aを有する円であってもよく、第2の形状もまた円であるが、aとは異なる半径aを有するものであってよい。
【0062】
ある場合には、穴2420は、穴入口2440から穴出口2445にかけて回転する側方横断面を有し、側方横断面とは、例えば穴の中にある液体又は気体の全体的な流れの方向に実質的に垂直な横断面を指す。ある場合には、その横断面は、穴入口から穴出口にかけて増加する回転率を有する。ある場合には、その横断面は、穴入口から穴出口にかけて減少する回転率を有する。ある場合には、その横断面は、穴入口から穴出口にかけて一定の回転率を有する。
【0063】
本発明の微細構造、穴、層、構造、及び方法の利点のいくつかについて、以下の例で更に説明する。この実施例に記載する特定の材料、量、及び寸法、並びに他の条件及び詳細は、本発明を不当に限定するように解釈されるべきではない。別段の指定がない限り、全ての化学的手法は、乾燥し脱酸素された溶媒及び試薬を用いて、乾燥窒素環境下で実施したものである。Aldrich Chemical Co.,Milwaukee,WIから入手した、又は入手し得るものである。
【0064】
ローダミンBヘキサフルオロアンチモン酸塩は、ローダミンBクロリドをヘキサフルオロアンチモン酸塩で複分解することによって調製したものである。本明細書で用いるとき、SR368はトリス−(2−ヒドロキシエチル)イソシアヌレートトリアクリレート(Sartomer Co.Inc,Exton,PAから入手)を指し、SR9008は三官能性アクリレートエステル(Sartomer社から入手)を指し、SR1012はジアリールヨードニウムヘキサフルオロアンチモン酸(Sartomer社から入手)を指し、SU−8 R2150はエポキシネガフォトレジスト(MicroChem Corp.,Newton,MAから入手)を指し、THFはテトラヒドロフランを指し、LEXAN HPS1Rは熱可塑性ポリカーボネート(Sabic Innovative Plastics,Pittsfield,MAから入手)を指し、Inco S−Roundsはニッケル(Vale Inco America’s,Inc.,Saddle Brook,NJから入手)を指す。
【実施例】
【0065】
(実施例1):
直径10.2cmの円形のシリコンウェーハ(図1Aの基板110)を、Wafer World,Inc.,West Palm Beach,Floridaから入手した。このシリコンウェーハを、濃硫酸と30重量%の含水過酸化水素との容量で3:1の混合物中に、約10分間浸漬することによって洗浄した。このウェーハを、次いで脱イオン水で、次にイソプロパノールですすぎ、その後に、空気流の下で乾燥させた。このウェーハを次いで、酪酸で酸性(pH 4〜5)にした190プルーフのエタノールに3−(トリメトキシシリル)プロピルメタクリレートを溶かした2重量パーセントの溶液中に浸した。このウェーハを次いで無水エタノールですすぎ、次いで130℃のオーブン内で10分間にわたって加熱した。
【0066】
約120,000の数平均分子量を有するポリ(メチルメタクリレート)と、SR9008と、SR368とを、30:35:35の重量比で化合させ、結果としてモノマー混合物を得たが、このモノマー混合物を十分な量の1,2−ジクロロエタン中に溶解させて、このモノマー混合物の54重量パーセントの溶液を得た。この溶液に、次いで、固体の全重量を基準として0.5重量パーセントのローダミンBヘキサフルオロアンチモン酸塩及び1.0重量パーセントのSR1012となるコーティング溶液を与えるのに十分な、THF中の光増感剤ローダミンBヘキサフルオロアンチモン酸塩及びTHF中のSR1012の一定量の濃縮溶液を加えた。このコーティング溶液を1マイクロメートルのシリンジフィルターで濾過し、シリコン溶液上にスピンコーティングした。コーティングしたウェーハを60℃の強制空気オーブン中に18時間にわたって置いて、実質的に溶媒のない(以下、「乾燥した」)コーティング(図1Aの第1の材料の層115)を有するコーティングされたシリコンウェーハを得た。このコーティングは、約300μmの厚さを有するものであった。
【0067】
乾燥したコーティングの二光子重合を、ダイオード励起チタンサファイアレーザー(Spectra−Physics,Mountain View,CAから入手)を使用して、以下の方式で実施した。このダイオード励起チタンサファイアレーザーは、800nmの波長、80fsの公称パルス幅、80MHzのパルス繰返し周波数、及び約1Wの平均電力で動作するものであった。コーティングされたウェーハを、コンピュータ制御式の三軸ステージ(Aerotech,Inc,Pittburgh,PAから入手)上に置いた。このレーザービームをNDフィルターで減衰させ、x軸、y軸、及びz軸制御用の望遠鏡を有するガルボスキャナー(Nutfield Technology,Inc.,Windham,NHから入手可能)を使用して、乾燥したコーティングに集束させた。作動距離を0.400mm、焦点距離を4.0mmとしたNikon製CFI Plan Achromat 50X oil objective N.A.0.90を、乾燥したコーティングの表面上に直接、取り付けた。平均電力を、対物レンズの出力部で、波長校正したフォトダイオード(Ophir Optronics,Ltd.,Wilmington,MAから入手した)を使用して測定し、平均電力が約8mWであることが判明した。
【0068】
露光走査の完了後、露光した乾燥コーティングをMicroChem SU−8溶媒中で現像し、すすぎ、乾燥させ、結果として、第1の微細構造化パターン121(図1B)を得た。
【0069】
パターンの表面上に銀(Ag)の薄層(約100オングストローム)をスパッタリングすることによって、第1の微細構造化パターンの表面を導電性にした。次いで、金属化した前表面を、約2mm厚となるまでInco S−Rounds(ニッケル)で電気メッキした。次いで、電気メッキしたニッケルスラグを、第1のパターンから分離し、研削し、機械加工し、結果として、第2の微細構造化パターン141(図1F)を有する第1の金型140を得た。
【0070】
次いで、一軸プラスチック射出成形システムの中に置いた射出成形用金型の中に、第1の金型を置いて、熱可塑性ポリカーボネート(LEXAN HPS1R)を金型キャビティの中に射出し、結果として、第3の微細構造化パターン161(図1H)を有する第2の金型160を得た。
【0071】
次いで、第2の金型の前表面を、約100オングストロームの銀でその表面をスパッタリングすることによって金属化した。次いで、金属化した第2の金型をInco S−Rounds(ニッケル)で電気メッキして、第3の微細構造化パターン全体を被覆し、結果としてニッケル層170(図1J)を得た。
【0072】
ニッケル層と第2の金型との組合わせ構造を脱イオン水ですすいだ後、ニッケル層の前表面172(図1J)を平面状に研削して、第3の微細構造化パターンの頂部171からニッケル材料を除去した。
【0073】
研削が完了した(全ての微細構造の頂部が露出した)後、電気メッキしたニッケル層をポリカーボネート製金型160から分離し、結果として、円形の六方充填配置で配列した37個の貫通穴を有する、直径約8mm、厚さ160μmのニッケル製円盤を得た。隣接する穴の間隔は約200μmであった。各穴は、レーストラックの直線部分に沿ってフィレットで修正されたレーストラックの形状をなす穴入口を有していた。このレーストラックは、約80μmの長径と、約50μmの短径を有していた。各穴は、約50μmの長径と約35μmの短径を有する小さなレーストラックの形状をなす穴出口を有していた。穴出口の側から見ると、穴の横断面の長径は、穴出口から穴入口にかけて、穴出口の下方に50μm下るごとに約30度、時計回りに回転していた。
【0074】
本明細書で用いるとき、「垂直」、「水平」、「上」、「下」、「左」、「右」、「上部」と「下部」、「時計回り」と「反時計回り」などの用語、及び他の類似する用語は、図に示すような相対的位置を指す。一般に、物理的な実施形態は、異なる向きを有することがあり、その場合、これらの用語は、その装置の実際の向きに修正された相対的位置を指すことを意図したものである。例えば、図1Bの画像が、図の向きと比較して逆である場合でも、表面126は依然として、「上部」主表面であると見なされる。
【0075】
先に引用した全ての特許、特許出願、及び他の刊行物は、完全に再現されたものとして参照によって本願に組み込まれる。本発明の種々の態様の説明を容易にするために、本発明の特定の実施例について上で詳細に説明しているが、その意図は、本発明を実施例の細部に限定することではないことを理解されたい。むしろ、その意図は、添付の「特許請求の範囲」で定義される本発明の趣旨と範囲に含まれる全ての修正物、等価物、並びに代替物を網羅することである。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ノズルを製作する方法であって、
(a)多光子反応を受けることが可能な第1の材料を供給する工程と、
(b)多光子過程を用いて前記第1の材料内に第1の微細構造化パターンを形成する工程と、
(c)前記第1の材料とは異なる第2の材料内に前記第1の微細構造化パターンを複製して、前記第2の材料内の第2の微細構造化パターンを備える第1の金型を作製する工程と、
(d)前記第1及び第2の材料とは異なる第3の材料内に前記第2の微細構造化パターンを複製して、前記第3の材料内の複数の微細構造を含んだ第3の微細構造化パターンを備える第2の金型を作製する工程と、
(e)前記第3の材料とは異なる第4の材料の層で前記第2の金型の前記第3の微細構造化パターンを平坦化する工程であって、前記層は、前記第3の微細構造化パターンをなす前記複数の微細構造の各微細構造の頂部を露出させる、工程と、
(f)前記第3の材料を除去する工程であって、結果として、前記第4の材料内にあり、前記第3の微細構造化パターンをなす前記複数の微細構造に対応する複数の穴を有するノズルを得る工程と、を含む方法。
【請求項2】
前記第1の材料はポリ(メチルメタクリレート)を含む、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記第1の材料は二光子反応を受けることが可能である、請求項1に記載の方法。
【請求項4】
前記第1の微細構造化パターンは、複数の離散的微細構造を含む、請求項1に記載の方法。
【請求項5】
前記複数の離散的微細構造は、3次元の直線的な形体である離散的微細構造を含む、請求項4に記載の方法。
【請求項6】
前記複数の離散的微細構造は、3次元の直線的な形体の一部分である離散的微細構造を含む、請求項4に記載の方法。
【請求項7】
前記複数の離散的微細構造は、3次元の曲線的な形体である離散的微細構造を含む、請求項4に記載の方法。
【請求項8】
前記複数の離散的微細構造は、3次元の曲線的な形体の一部分である離散的微細構造を含む、請求項4に記載の方法。
【請求項9】
前記複数の離散的微細構造は多面体の一部分を含む、請求項4に記載の方法。
【請求項10】
前記複数の離散的微細構造は円錐体の一部分を含む、請求項4に記載の方法。
【請求項11】
前記複数の離散的微細構造は、先細の離散的微細構造を含む、請求項4に記載の方法。
【請求項12】
前記複数の離散的微細構造は、螺旋状の離散的微細構造を含む、請求項4に記載の方法。
【請求項13】
前記第1の微細構造化パターンは、二光子過程を用いて前記第1の材料内に形成される、請求項1に記載の方法。
【請求項14】
前記第1の材料内に前記第1の微細構造化パターンを形成する工程は、前記第1の材料の少なくとも一部分を露光して、多光子の同時吸収を生じさせることを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項15】
前記第1の材料内に前記第1の微細構造化パターンを形成する工程は、前記第1の材料のうちの露光された部分を除去することを含む、請求項14に記載の方法。
【請求項16】
前記第1の材料内に前記第1の微細構造化パターンを形成する工程は、前記第1の材料のうちの露光されていない部分を除去することを含む、請求項14に記載の方法。
【請求項17】
前記第2の材料内に前記第1の微細構造化パターンを複製することは、前記第1の微細構造化パターンを電気メッキすることを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項18】
前記第2の材料は電気メッキ材料を含む、請求項1に記載の方法。
【請求項19】
前記第1の金型は金属を含む、請求項1に記載の方法。
【請求項20】
前記第1の金型はニッケルを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項21】
前記第2の微細構造化パターンは実質的に、凹凸を逆にして前記第1の微細構造化パターンを複製したものである、請求項1に記載の方法。
【請求項22】
前記第3の材料内に前記第2の微細構造化パターンを複製する工程は、射出成形することを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項23】
前記第3の材料はポリマーを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項24】
前記第3の材料はポリカーボネートを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項25】
前記第2の金型はポリマーを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項26】
前記第3の微細構造化パターンは実質的に、凹凸を逆にして前記第2の微細構造化パターンを複製したものである、請求項1に記載の方法。
【請求項27】
前記第3の微細構造化パターンを平坦化する工程は、前記第3の微細構造化パターンを電気メッキすることを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項28】
前記第3の微細構造化パターンを平坦化する工程は、前記第4の材料で前記第3の微細構造化パターンをコーティングすることを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項29】
前記第3の微細構造化パターンを平坦化する工程は、前記第4の材料で前記第3の微細構造化パターンを電気メッキすることを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項30】
前記第3の微細構造化パターンを平坦化する工程は、前記第4の材料の一部分を除去することを含む、請求項29に記載の方法。
【請求項31】
前記コーティングされた第4の材料の前記一部分は研削法によって除去される、請求項30に記載の方法。
【請求項32】
前記第4の材料は電気メッキ材料を含む、請求項1に記載の方法。
【請求項33】
前記ノズルは金属を含む、請求項1に記載の方法。
【請求項34】
前記ノズルはニッケルを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項35】
前記ノズルはセラミックを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項36】
前記セラミックは、シリカ、ジルコニア、アルミナ、チタニア、又は、イットリウム、ストロンチウム、バリウム、ハフニウム、ニオビウム、タンタル、タングステン、ビスマス、モリブデン、スズ、亜鉛、57〜71の範囲の原子番号を有するランタニド元素、セリウム、及びそれらの組合わせの酸化物からなる群から選択される、請求項35に記載の方法。
【請求項37】
中空内部と、該中空内部を前記ノズルの外側と連通させる少なくとも1つの穴とを備えるノズルであって、前記少なくとも1つの穴は、
第1の形状を有する、前記ノズルの前記中空内部にある穴入口と、
前記第1の形状とは異なる第2の形状を有する、前記ノズルの前記外側にある穴出口とを備える、ノズル。
【請求項38】
前記第1の形状は楕円形状であり、前記第2の形状は円形状である、請求項37に記載のノズル。
【請求項39】
前記第1の形状はレーストラック形状であり、前記第2の形状は円形状である、請求項37に記載のノズル。
【請求項40】
前記第1の形状の外周は、緊密に詰められた円の外弧を含み、前記外弧は曲線状のフィレットで連結されている、請求項37に記載のノズル。
【請求項41】
前記穴入口は300マイクロメートル未満の直径を有する、請求項37に記載のノズル。
【請求項42】
前記穴入口は200マイクロメートル未満の直径を有する、請求項41に記載のノズル。
【請求項43】
前記穴入口は160マイクロメートル以下の直径を有する、請求項42に記載のノズル。
【請求項44】
前記穴出口は300マイクロメートル未満の直径を有する、請求項37に記載のノズル。
【請求項45】
前記穴出口は100マイクロメートル未満の直径を有する、請求項44に記載のノズル。
【請求項46】
前記穴出口は40マイクロメートル以下の直径を有する、請求項45に記載のノズル。
【請求項47】
前記ノズルは二光子過程を用いて形成される、請求項37に記載のノズル。
【請求項48】
前記ノズルは燃料噴射ノズルである、請求項37に記載のノズル。
【請求項49】
前記ノズルは一体構造である、請求項37に記載のノズル。
【請求項50】
前記ノズルは金属を含む、請求項37に記載のノズル。
【請求項51】
前記ノズルはセラミックを含む、請求項37に記載のノズル。
【請求項52】
前記セラミックは、シリカ、ジルコニア、アルミナ、チタニア、又は、イットリウム、ストロンチウム、バリウム、ハフニウム、ニオビウム、タンタル、タングステン、ビスマス、モリブデン、スズ、亜鉛、57〜71の範囲の原子番号を有するランタニド元素、セリウム、及びそれらの組合わせの酸化物からなる群から選択される、請求項51に記載のノズル。
【請求項53】
中空内部と、該中空内部をノズルの外側と連通させる少なくとも1つの穴とを備えるノズルであって、前記少なくとも1つの穴は、前記ノズルの前記中空内部にある穴入口と、前記ノズルの前記外側にある穴出口とを備え、前記少なくとも1つの穴は、前記穴入口から前記穴出口にかけて回転する横断面を有する、ノズル。
【請求項54】
前記横断面は、前記穴入口から前記穴出口にかけて増加する回転率を有する、請求項53に記載のノズル。
【請求項55】
前記横断面は、前記穴入口から前記穴出口にかけて減少する回転率を有する、請求項53に記載のノズル。
【請求項56】
前記横断面は、前記穴入口から前記穴出口にかけて一定の回転率を有する、請求項53に記載のノズル。
【請求項57】
前記穴入口は第1の形状を有し、前記穴出口は、前記第1の形状とは異なる第2の形状を有する、請求項53に記載のノズル。
【請求項58】
最外方の円を含んだ同心円の配列をなして配置された複数の穴を備え、前記離散的ノズル穴は、前記最外方の円の直径が前記同心円の配列の各円の少なくとも1つの離散的ノズル穴を含むことがないように配置されている、請求項53に記載のノズル。
【請求項59】
前記同心円の配列をなす各円は、等しく離間された離散的ノズル穴を備える、請求項58に記載のノズル。
【請求項60】
前記穴入口は300マイクロメートル未満の直径を有する、請求項53に記載のノズル。
【請求項61】
前記穴入口は200マイクロメートル未満の直径を有する、請求項60に記載のノズル。
【請求項62】
前記穴入口は160マイクロメートル以下の直径を有する、請求項61に記載のノズル。
【請求項63】
前記穴出口は300マイクロメートル未満の直径を有する、請求項53に記載のノズル。
【請求項64】
前記穴出口は100マイクロメートル未満の直径を有する、請求項63に記載のノズル。
【請求項65】
前記穴出口は40マイクロメートル以下の直径を有する、請求項64に記載のノズル。
【請求項66】
前記ノズルは二光子過程を用いて形成される、請求項53に記載のノズル。
【請求項67】
前記ノズルは燃料噴射ノズルである、請求項53に記載のノズル。
【請求項68】
前記ノズルは一体構造である、請求項53に記載のノズル。
【請求項69】
前記ノズルは金属を含む、請求項53に記載のノズル。
【請求項70】
前記ノズルはセラミックを含む、請求項53に記載のノズル。
【請求項71】
前記セラミックは、シリカ、ジルコニア、アルミナ、チタニア、又は、イットリウム、ストロンチウム、バリウム、ハフニウム、ニオビウム、タンタル、タングステン、ビスマス、モリブデン、スズ、亜鉛、57〜71の範囲の原子番号を有するランタニド元素、セリウム、及びそれらの組合わせの酸化物からなる群から選択される、請求項70に記載のノズル。

【図1A】
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【図1B】
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【図1C】
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【図1D】
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【図1E】
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【図1F】
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【図1G】
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【図1H】
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【図1I】
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【図1J】
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【図1K】
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【図1L】
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【図1M】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15A】
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【図15B】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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【図24】
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【図25】
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【公表番号】特表2013−501185(P2013−501185A)
【公表日】平成25年1月10日(2013.1.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−523022(P2012−523022)
【出願日】平成22年7月29日(2010.7.29)
【国際出願番号】PCT/US2010/043628
【国際公開番号】WO2011/014607
【国際公開日】平成23年2月3日(2011.2.3)
【出願人】(505005049)スリーエム イノベイティブ プロパティズ カンパニー (2,080)
【Fターム(参考)】