説明

ノンハロゲン難燃性接着剤およびそれを用いたフレキシブルプリント配線板用カバーレイ

【課題】 FPC用カバーレイに用いられる難燃性接着剤であって、環境に対応するためのノンハロゲン化をピール接着力、ハンダ耐熱性、低流れ性等の接着剤特性を損なわずに実現する。
【解決手段】エポキシ樹脂と一般式(1)で示される有機リン化合物類(a)を反応させて得られ、かつ軟化点が60℃以下もしくは常温で液状であるリン含有エポキシ樹脂(A)、カルボキシル基含有アクリロニトリルブタジエンゴム(B)、硬化剤(C)および硬化促進剤(D)を必須成分として含有する接着剤であって、且つ、(B)の(A)に対する配合比率が20〜80重量%である接着剤とすることにより上記課題を解決した。
【化1】


(式中R、RはC1〜C12の脂肪族炭化水素基、アリール基、置換アリール基であり、互いに結合して環状構造を形成していても良い。nは0又は1の整数を示す。)

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ノンハロゲン難燃性接着剤及びそれを用いたフレキシブルプリント配線板用カバーレイ(以下、FPC用カバーレイという。)に関するものである。
【背景技術】
【0002】
環境問題の高まりにより、カバーレイ用接着剤をはじめとしたFPC製造に用いられる難燃化材料も、従来の臭素等のハロゲンを含んだ系からノンハロゲン系への転換が求められている。
一般にFPCは、絶縁性や耐屈曲性を向上させるためにカバーレイと称される接着剤層付きポリマーフィルムを回路パターン面に熱プレス接着して製造されている。カバーレイ用接着剤には、前記の通り環境問題の高まりからノンハロゲン系への転換が求められている。
FPC用カバーレイは、ポリマーフィルムに接着剤層を設けた構造であり、これに使用される接着剤は、特許文献1〜5等で知られている。
【0003】
【特許文献1】特開平10−102025号公報
【特許文献2】特開2001−164226号公報
【特許文献3】特開2001−323242号公報
【特許文献4】特開2001−354936号公報
【特許文献5】特開2003−181993号公報 前記特許文献は、いずれもエポキシ樹脂、硬化剤、アクリロニトリルブタジエンゴムもしくはフェノキシ樹脂を主要成分とするものであり、難燃化の手段はいずれも臭素化エポキシ樹脂、臭素化フェノキシ樹脂を配合することによっている。 一方、FPC用ノンハロゲン難燃性接着剤としては、特許文献6〜10等が既に知られている。
【特許文献6】特開2001−339131号公報
【特許文献7】特開2002−60720号公報
【特許文献8】特開2003−176470号公報
【特許文献9】特開2004−331783号公報
【特許文献10】特開2005−290229号公報 特許文献6、7、9は、有機リン化合物を、特許文献8および10は、リン含有エポキシ樹脂、リン含有フェノキシ樹脂をノンハロゲン難燃化の手段として各々配合することとしている。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
FPC用カバーレイに用いられる難燃性接着剤は、環境に対応するためのノンハロゲン化をピール接着力、ハンダ耐熱性、低流れ性等の接着剤特性を損なわずに実現しなければならないという課題がある。また、他の用途においても上記のような性能を有する接着剤についての要望もある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明は、エポキシ樹脂と一般式(1)及び/または一般式(2)で示される有機リン化合物類(a)を反応させて得られ、かつ軟化点が60℃以下もしくは常温で液状であるリン含有エポキシ樹脂(A)、カルボキシル基含有アクリロニトリルブタジエンゴム(B)、硬化剤(C)および硬化促進剤(D)を必須成分として含有するノンハロゲン難燃性接着剤。
【0006】
【化1】

【0007】
(中R、RはC1〜C12の脂肪族炭化水素基、アリール基、置換アリール基であり、互いに結合して環状構造を形成していても良い。nは0又は1の整数を示す。)
【0008】
【化2】

【0009】
(式中R、RはC1〜C12の脂肪族炭化水素基、アリール基、置換アリール基であり、互いに結合して環状構造を形成していても良い。mは0又は1の整数を示す。式中Xは、一般式(3)又は一般式(4)を示す。)
【0010】
【化3】

【0011】
(式中RはC1〜C6の炭化水素基であり、qは0〜3の整数を示す。)
【0012】
【化4】

【0013】
(式中RはC1〜C6の炭化水素基であり、rは0〜5の整数を示す。)
【発明の効果】
【0014】
本発明の接着剤およびそれを用いたカバーレイは、ノンハロゲン難燃性であるため、環境問題対策に有効である。
【発明を実施するための最良の形態】
【0015】
本発明について詳細に説明する。
本発明で使用するリン含有エポキシ樹脂(A)は軟化点が60℃以下もしくは常温で液状である。リン含有エポキシ樹脂(A)は、軟化点が大きくなるにつれ必須成分の1つである前記カルボキシル基含有アクリロニトリルブタジエンゴム(B)との相溶性が悪化し、フレキシブル回路基板へカバーレイを熱圧着する際の低流れ性、銅回路へのピール接着強度および作製FPCのハンダ耐熱性が悪化する。そのため、前記リン含有エポキシ樹脂(A)の軟化点は60℃以下もしくは常温で液状であることが好ましい。このような軟化点60℃以下もしくは常温液状の前記リン含有エポキシ樹脂(A)は、原料となるノボラック型エポキシ樹脂として低分子量品を用いることで得られる。このような低分子量ノボラック型エポキシ樹脂の具体例としては、2量体であるビスフェノールF型エポキシ樹脂を挙げることができる。このようなリン含有エポキシ樹脂(A)の具体例としては、東都化成(株)製FX−289GIシリーズを挙げることができる。
【0016】
本発明のノンハロゲン難燃性接着剤の第2必須成分であるカルボキシル基含有アクリロニトリルブタジエンゴム(B)としては、アクリロニトリルとブタジエンを10/90〜50/50のモル比で共重合させたアクリロニトリルブタジエンゴムの末端基をカルボキシル化したもの、あるいはアクリロニトリル、ブタジエンとアクリル酸、マレイン酸などのカルボキシル基含有重合性モノマーの3元共重合ゴム等が挙げられる。カルボキシル基含有量は1〜8モル%が好ましい。1モル%未満ではエポキシ樹脂との反応点が少なく、最終的に得られる硬化物の耐熱性が劣る。一方、8%を越えると、塗布の際に接着剤溶液とした場合の粘度増加および安定性の低下を招く。アクリロニトリル量は10〜50モル%が望ましく、10モル%未満では硬化物の耐薬品性が悪くなる。一方、50モル%を越えると通常の溶剤に溶解し難くなるので作業性の低下につながる。
このようなカルボキシル基含有アクリロニトリルブタジエンゴムの具体例としては、日本ゼオン株式会社製ニポール1072J、ニポールDN612、株式会社JSR製PNR−1Hを挙げることができる。
リン含有エポキシ樹脂(A)とカルボキシル基含有アクリロニトリルブタジエンゴム(B)との配合割合としてはリン含有エポキシ樹脂(A)20〜80重量部カルボキシル基含有アクリロニトリルブタジエンゴム(B)80〜20重量部程度である。
【0017】
本発明のノンハロゲン難燃性接着剤の第3必須成分である硬化剤(C)としては、エポキシ樹脂硬化剤として知られているものが使用できる。ノボラック型フェノール樹脂、フェノール−パラキシリレングリコールジメチルエーテル重縮合樹脂等のアラルキル型フェノール樹脂、ジシアンジアミド、ジアミノジフェニルメタン及びジアミノジフェニルスルフォン等のポリアミン系化合物を挙げることができ、エポキシ樹脂(A)に対し当量比(C)/(A)が0.5〜1.5となるように配合することが好ましい。一般に、フェノール樹脂系硬化剤を用いる場合は、0.8〜1.2、アミン系硬化剤を用いる場合は、0.5〜1.0とすることがよい。
【0018】
本発明のノンハロゲン難燃性接着剤の第4必須成分である硬化促進剤(D)としては、トリフェニルホスフィン等の有機リン系化合物や2−フェニルイミダゾール、2−エチル−4−メチルイミダゾール等のイミダゾール類を用いることができる。その配合率は、求められる硬化時間に応じて適宜選定されるが、一般的には、接着剤総量に対して、0.01〜0.3重量%の範囲で用いられる。
【0019】
また、本発明の第2の発明は、第1の発明において、一般式(5)で示されるシクロホスファゼン(b−1)及び/または一般式(10)で示されるリン酸エステル(b−2)及び/または一般式(11)で示されるリン酸エステルアルミニウム塩(b−3)及び/または一般式(12)で示される芳香族縮合リン酸エステル(b−4)から選ばれる有機リン化合物(E)をさらなる必須成分として含有する接着剤である。
【0020】
【化5】

【0021】
(式中Xは、式(6)及び/または式(7)及び/または式(8)及び/または式(9)を有する化合物基を示す。)
【0022】
【化6】

【0023】
【化7】

【0024】
(式中RはC1〜C6の炭化水素基を示す。)
【0025】
【化8】

【0026】
(式中RはC1〜C6の炭化水素基を示す。)
【0027】
【化9】

【0028】
(式中RはC1〜C6の炭化水素基を示す。)
【0029】
また、本発明の第3の発明は、第1の発明において、リン含有エポキシ樹脂(A)の配合率が10〜60重量%でかつ有機リン化合物(E)の配合率が0〜30重量%である接着剤である。
また、本発明の第4の発明は、第1〜3のいずれかの発明である接着剤を用いて得られた接着層を有するフレキシブルプリント配線板用ノンハロゲン難燃性カバーレイである。
【0030】
また、本発明の接着剤は、前記(A)、(B)、(C)および(D)の必須成分に加え、難燃性をより改善するために前記一般式(5)で示されるシクロホスファゼン(b−1)及び/または前記一般式(10)で示されるリン酸エステル(b−2)及び/または前記一般式(11)で示されるリン酸エステルアルミニウム塩(b−3)及び/または前記一般式(12)で示される芳香族縮合リン酸エステル(b−4)から選ばれる有機リン化合物(E)を第5の必須成分として配合することが好ましい。
【0031】
ここで、前記リン含有エポキシ樹脂(A)は配合率が10〜60重量%であることが好ましい。更に前記有機リン化合物(E)を配合率30重量%を上限として含むことが、より好ましいノンハロゲン難燃性接着剤およびそれを用いたFPC用カバーレイを与える。
本発明のノンハロゲン難燃性接着剤の第1必須成分である前記リン含有エポキシ樹脂(A)は、特開平11−166035号公報記載の樹脂組成物であり、前記一般式(1)及び/または一般式(2)で示されるリン化合物とエポキシ樹脂を公知の方法で反応させて得られる。すなわち、反応温度100℃〜200℃、より好ましくは120℃〜180℃で撹拌下、反応を行い、前記一般式(1)及び/または一般式(2)で示されるリン化合物とエポキシ樹脂のエポキシ基を反応させる。この反応は十分に完結させる必要があるため、反応速度を考慮して必要に応じて触媒を使用する。具体的にはベンジルジメチルアミン等の第3級アミン類、テトラメチルアンモニウムクロライド等の第4級アンモニウム塩類、トリフェニルホスフィン、トリス(2,6−ジメトキシフェニル)ホスフィン等のホスフィン類、エチルトリフェニルホスホニウムブロマイド等のホスホニウム塩類、2−メチルイミダゾール、2−エチル−4−メチルイミダゾール等のイミダゾール類等各種触媒が使用できる。
【0032】
前記一般式(5)で示されるシクロホスファゼン(b−1)の具体例としては、大塚化学株式会社製SPE−100を挙げることができる。
前記一般式(10)で示されるリン酸エステル(b−2)の具体例としては、四国化成工業株式会社製SP−703Hを挙げることができる。
前記一般式(11)で示されるリン酸エステルアルミニウム塩(b−3)の具体例としては、クラリアントジャパン株式会社製OP−930、OP−935およびOP−940を挙げることができる。
前記一般式(12)で示される芳香族縮合リン酸エステル(b−4)の具体例としては、大八化学工業株式会社製PX−200を挙げることができる。
【0033】
本発明の接着剤は、上記必須成分以外の成分として、耐熱性付与剤としてのマレイミド化合物、無機系難燃剤としての水酸化アルミニウムおよび水酸化マグネシウム、補強剤若しくは増量剤としてのシリカ、炭酸カルシウム等の体質顔料を配合することができる。その添加率は、求められる特性に応じて適宜選定される。
上記のようにして得られる接着剤は、メチルエチルケトン、ジメチルホルムアミド、2−メトキシエタノール等の有機溶剤に溶解又は分散した接着剤ワニスとして使用に供される。その場合の固形分濃度は、使用条件によって適宜選定されるが、20〜60重量%であることがよい。なお、接着剤の用途によっては、ワニス以外の形態でも使用される。
【0034】
また、本発明の接着剤を用いたFPC用カバーレイは、接着剤ワニスをポリマーフィルム上に塗工後、溶剤を乾燥除去して、ポリマーフィルム上にBステージの接着剤層を形成させることによって得ることができる。この場合の塗工には、膜厚を均一化する必要から、ロールコーター、バーコーター、ダイコーター等のアプリケーターが一般的に用いられる。
ポリマーフィルムには、ポリイミドフィルムが一般的に使用される。ポリマーフィルムと接着剤層の厚みの比は、限定されないが、フィルム厚12.5μmに接着剤層15〜20μm、フィルム厚25μmに接着剤層25〜35μm、各々設けたカバーレイが一般的である。
塗工後は、溶剤を蒸発させてタックフリー化し、かつ接着剤層を構成する樹脂組成物は硬化反応しない温度、時間条件で乾燥して、FPC用カバーレイとする。この乾燥条件は、使用する溶剤や樹脂組成物によって変化するが、一般的には130〜160℃、3〜10分の温度、時間範囲が選定される。
【実施例】
【0035】
次に、実施例及び比較例により本発明を具体的に説明する。接着剤の各特性の評価方法は、以下の通りである。
[相溶性]:未硬化の接着剤ワニスを50mlの透明ガラス瓶に30g採り、相溶状態を目視観察し、○(透明)、△(濁りあり)、×(相分離)で相溶性を判定した。
[耐燃性]:厚さ25μmのポリイミドフィルム(東レデュポン(株)製カプトンH)に乾燥膜厚が25μmとなるよう接着剤を塗布後、150℃で5分間溶剤乾燥を行おこない、カバーレイを調製した。このカバーレイをJPCA−BM02−1991の7.7耐燃性記載の方法でテストピースを作りその耐燃性を評価した。テストピースの接着剤熱硬化条件は、180℃で30分とした。耐燃性の評価は、UL規格94V−0を満たすかどうかで判定した。
[接着剤のフロー]:JPCA−BM02−1991の7.10接着剤のフロー記載の方法でテストピースを作り評価した。
[引きはがし強さ]:上記と同じ条件でカバーレイを調製後、JPCA−BM02−1991の7.5引きはがし強さに従ってテストピースを作りそのピール接着強度を測定した。テストピースの接着剤熱硬化条件は、同様に180℃で30分とした。
[はんだ耐熱性]:上記と同じ条件でカバーレイを調製後、JPCA−BM02−1991の7.9はんだ耐熱性(外観)に従ってテストピースを作りそのピール接着強度を測定した。テストピースの接着剤熱硬化条件は、同様に180℃で30分とした。
【0036】
実施例1
リン含有エポキシ樹脂(A)として東都化成(株)製FX−289GI(常温液状、エポキシ当量387g/eq、リン含有率2.0重量%)を30.9g、カルボキシル基含有アクリロニトリルブタジエンゴム(B)として(株)JSR製PNR1Hを23.8g、接着付与剤として東都化成(株)製のポリプロピレングリコールジグリシジルエーテルであるPG207Sを8.6g、硬化剤(C)として、昭和高分子(株)製ノボラック型パラクレゾール樹脂PCP−1009Pを17.6g、硬化促進剤(D)として四国化成工業(株)製2−エチル−4−メチル−イミダゾール2E4MZを0.1gを各々メチルエチルケトンへ固形分濃度が30重量%となるように溶解して接着剤ワニスを調製した。
【0037】
次に、この接着剤ワニスを用い、前述の方法でカバーレイを調製、前述の方法に従って特性を評価し、結果を表1に示した。接着剤の相溶性は良好であり、ピール接着強度、流れ性およびはんだ耐熱性を確保しながら、UL規格94V−0を満たす難燃性を達成することができた。
【0038】
実施例2〜11
配合を第1表記載の通りに変更した以外は、実施例1と同様の手順で接着剤を調製、評価した。同様に接着剤の相溶性は良好であり、ピール接着強度、流れ性およびはんだ耐熱性を確保しながら、UL規格94V−0を満たす難燃性を達成することができた。
【0039】
比較例1
リン含有エポキシ樹脂を軟化点70℃の東都化成(株)製FX289Bに変えた第1表記載の配合にした以外は、実施例1と同様の手順で接着剤を調製、評価した。リン含有エポキシ樹脂とカルボキシル基含有NBRの相溶性が悪く、層分離が生じて接着剤を調製することができなかった。
【0040】
【表1】

【0041】
【表2】

注1:FX289GIは、東都化成(株)の製品であり、常温液状のリン含有エポキシ樹脂。
注2:FX289GIHは、東都化成(株)の製品であり、軟化点40℃のリン含有エポキシ樹脂。
注3:FX289GIHHは、東都化成(株)の製品であり、軟化点60℃のリン含有エポキシ樹脂。
注4:FX289Bは、東都化成(株)の製品であり、軟化点70℃のリン含有エポキシ樹脂。
注5:SPE100は、大塚化学(株)の製品であり、シクロフェノキシホスファーゼンである。
注6:OP935は、クラリアントジャパン(株)の製品であり、リン酸エステルアルミニウム塩である。
注7:SP-703Hは、四国化成工業(株)の製品であり、リン酸エステルである。
注8:PX-200は、大八化学工業(株)の製品であり、芳香族縮合リン酸エステルである。
注9:PNR1Hは、(株)JSRの製品であり、カルボキシル基含有NBRである。
注10:PG207Sは、東都化成(株)の製品であり、プロピレングリコールジグリシジルエーテルである。
注11:G90は、新日鉄化学(株)の製品であり、クマロン樹脂である。
注12:PCP1009Pは、昭和高分子(株)の製品であり、ノボラック型パラクレゾール樹脂である。
注13:Seikacure-S は、和歌山化成工業(株)の製品であり、4,4’−ジアミノジフェニルスルホンである。
注14:2E4MZ は、四国化成工業(株)の製品であり、2−エチル−4−メチルイミダゾールである。
注15:H-42I は、昭和電工(株)の製品であり、水酸化アルミニウムである。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
エポキシ樹脂と一般式(1)及び/または一般式(2)で示される有機リン化合物類(a)を反応させて得られ、かつ軟化点が60℃以下もしくは常温で液状であるリン含有エポキシ樹脂(A)、カルボキシル基含有アクリロニトリルブタジエンゴム(B)、硬化剤(C)および硬化促進剤(D)を必須成分として含有する接着剤。
【化1】

(式中R、RはC1〜C12の脂肪族炭化水素基、アリール基、置換アリール基であり、互いに結合して環状構造を形成していても良い。nは0又は1の整数を示す。)
【化2】

(式中R、RはC1〜C12の脂肪族炭化水素基、アリール基、置換アリール基であり、互いに結合して環状構造を形成していても良い。mは0又は1の整数を示す。式中Xは、一般式(3)又は一般式(4)を示す。)
【化3】

(式中RはC1〜C6の炭化水素基であり、qは0〜3の整数を示す。)
【化4】

(式中RはC1〜C6の炭化水素基であり、rは0〜5の整数を示す。)
【請求項2】
一般式(5)で示されるシクロホスファゼン(b−1)及び/または一般式(10)で示されるリン酸エステル(b−2)及び/または一般式(11)で示されるリン酸エステルアルミニウム塩(b−3)及び/または一般式(12)で示される芳香族縮合リン酸エステル(b−4)から選ばれる有機リン化合物(E)をさらなる必須成分として含有する請求項1記載の接着剤。
【化5】

(式中Xは、式(6)及び/または式(7)及び/または式(8)及び/または式(9)を有する化合物基を示す。)
【化6】

【化7】

( 式中RはC1〜C6の炭化水素基を示す。)
【化8】

(式中RはC1〜C6の炭化水素基を示す。)
【化9】

(式中RはC1〜C6の炭化水素基を示す。)
【請求項3】
リン含有エポキシ樹脂(A)の配合率が10〜60重量%でかつ有機リン化合物(E)の配合率が0〜30重量%である請求項1もしくは請求項2記載の接着剤。
【請求項4】
請求項1〜3のいずれかに記載の接着剤を用いて得られた接着層を有するフレキシブルプリント配線板用ノンハロゲン難燃性カバーレイ。


【公開番号】特開2007−284605(P2007−284605A)
【公開日】平成19年11月1日(2007.11.1)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−115159(P2006−115159)
【出願日】平成18年4月19日(2006.4.19)
【出願人】(000006644)新日鐵化学株式会社 (747)
【出願人】(000221557)東都化成株式会社 (53)
【Fターム(参考)】