説明

ノード管理装置及びノード管理方法及びプログラム

【課題】複数のPLCに対して、リンクテーブルを用いることなく、プログラムとともに、PLCが制御動作を行うために必要となる設定情報等も転送できるようにする。
【解決手段】複数のPLC1を管理する開発・設定端末2において、アーカイブ生成部203が、複数のPLCのうち特定のPLCに格納するためのプログラムと当該プログラムの実行時に用いられる設定情報と特定のPLCのノード識別情報とを組み合わせてアーカイブファイルを生成し、アーカイブ送信部204がアーカイブ生成部203により生成されたアーカイブファイルを特定のPLCに対して送信する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、例えば、PLC (Programmable Logic Controller:プログラマブルロジックコントローラ)を管理する技術に関する。
【背景技術】
【0002】
PLCは、産業分野等で用いられている制御装置である。センサやスイッチといった入力装置から信号の入力を得て、演算を行い、モータやアクチュエータといった出力装置へ信号を出力するといった機能を持っている。PLCは、入力装置や出力装置といった被制御装置と、ネットワークまたはワイヤで接続される。
PLCは、開発・設定端末によって外部から設定されたプログラムと設定情報に基づいて、被制御機器を制御する。
【0003】
制御システムの大規模化等に伴い、複数のPLCがネットワーク化され、一つの制御システムを構成するといった例が増えている。この場合、複数のPLCがネットワーク化されて、相互に接続されているにも関わらず、開発・設定端末を個々のPLCに直接接続して、プログラムの設定・更新や、設定情報の設定・更新を行なっていた。
【0004】
このような状況を改善する手段として、例えば特許文献1では、プログラム名と転送先装置の識別番号を対応させたリンクテーブルを持つことで対応付けを行い、ネットワーク経由でプログラムを転送する方法が開示されている。
【0005】
また、特許文献2では、特許文献1と同様にプログラム名と転送先装置の識別番号を対応させたリンクテーブルを持つ他に、プログラム内にノード識別番号を埋め込む方法が開示されている。
【特許文献1】特開2004−139609号公報(段落8、9)
【特許文献2】特開平8−190484号公報(段落8)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
従来技術には、次のような課題がある。
プログラムにノードの識別番号を埋め込むと、ノードの識別子が変更となった場合や、それまでとは異なるノードにプログラムを送る必要がある場合等のために、プログラムを編集するためのプログラムエディタが必要となるという問題がある。
【0007】
また、プログラム名と転送先装置の識別番号を対応させたリンクテーブルを持つと、転送対象であるプログラムとは別に、リンクテーブルを常に管理しなければならなくなるという問題がある。
【0008】
更に、従来技術では、プログラムだけが転送の対象であり、設定情報を同時に転送することが出来ないという問題がある。
【0009】
本発明は、上記のような問題点を解決することを主な目的の一つとしており、開発・設定端末から複数のPLCに対して、プログラムだけでなく、PLCが制御動作を行うために必要となる設定情報等も転送できるようにすることを主な目的とする。
また、ノードと転送する情報を関連付けるリンクテーブルを使わないことで、転送する情報のみを管理するようにする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明に係るノード管理装置は、
複数のノードを管理するノード管理装置であって、
前記複数のノードのうち特定のノードに格納するためのプログラムと前記プログラムの実行時に用いられる設定情報と前記特定のノードのノード識別情報とを取得し、取得した前記プログラムと前記設定情報と前記特定のノードのノード識別情報とを組み合わせてアーカイブファイルを生成するアーカイブ生成部と、
前記アーカイブ生成部により生成されたアーカイブファイルを前記特定の管理対象ノードに対して送信するアーカイブ送信部とを有することを特徴とする。
【発明の効果】
【0011】
本発明によれば、ノードに送信するプログラムと設定情報とノード識別情報を組み合わせてアーカイブファイルを生成し、ノードに対してアーカイブファイルを送信するため、複数のノードに対して、リンクテーブルを用いることなく、プログラムとともに、設定情報等も送信することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0012】
実施の形態1.
図1は、実施の形態1におけるシステム構成を示すものである。
PLC(1a、1b、1c)(ノード)は、PLC間ネットワーク3を介してつながっている。
プログラミングや設定を行うための開発・設定端末2は、一つの代表PLC(代表ノード)、ここではPLC(1a)とつながっている。PLC(1a、1b、1c)が制御に使用するプログラムやパラメータ(設定情報)は、開発・設定端末2(ノード管理装置)から各PLC(1a、1b、1c)へ転送される。
【0013】
図2は、PLC(1a、1b、1c)、開発・設定端末2の構成例の詳細を示している。
開発・設定端末2が接続されているPLC(1a)は、制御装置として動作するために必要な、プログラム101aとパラメータ102aを持つ。また、PLC間ネットワーク3と接続するためのPLC間ネットワークインタフェース(以下、インタフェースをI/Fとも記す)(103a)、開発・設定端末と接続するための開発・設定端末I/F(104a)を持つ。
さらに、アーカイブファイル(以下、単にアーカイブという)の受け渡しを行うためのアーカイブ転送部105aを持つ。アーカイブは、プログラムやパラメータ等のファイルを一つにまとめたものである。
【0014】
図3に、アーカイブの一例を示す。アーカイブには、名前やサイズといった各ファイルの情報と、個別のファイルが含まれている。
図3に示すように、アーカイブは、アーカイブの宛先となるノードを示すノード情報(ノード識別子)、プログラム、プログラムの実行の際に必要となるパラメータを一つにまとめたファイルである。また、ノード情報は、プログラムとは独立のファイルとなっており、プログラム内にノード識別子が組み込まれている従来の形式とは区別される。
【0015】
PLC(1b、1c)の構成は、PLC(1a)と同様であり、開発・設定端末I/F(104a)を使用しないという形態か、あるいは開発・設定端末I/F(104a)を持たない形態をとる。
【0016】
次に、開発・設定端末2の構成を説明する。
PLC接続I/F(201)は、PLCと接続するためのインタフェースである。
アーカイブ蓄積部202は、アーカイブを保管する。
アーカイブ生成部203は、プログラム、パラメータ、ノード情報を組み合わせてアーカイブを生成し、また、アーカイブに対する操作を行う。
アーカイブ送信部204は、アーカイブの受け渡し、すなわち、アーカイブ生成部203で生成されたアーカイブをPLC接続I/F(201)を介してPLC(1a)に送信する。
アーカイブ表示部205は、アーカイブの表示を行う。
アーカイブ表示情報生成部206は、アーカイブ蓄積部202に蓄積されているアーカイブからアーカイブ表示部205に表示するための表示用ノード情報エントリー(アーカイブ表示情報)を生成する。
入力部207は、開発・設定端末2のユーザからの各種指示を入力する。
【0017】
本実施の形態では、開発・設定端末2から、複数のPLCに対して、リンクテーブルを用いることなく、プログラムとともに、PLCが制御動作を行うために必要となる設定情報等も転送できるようにする。
本実施の形態では、概説すると、複数のPLCを管理する開発・設定端末2において、アーカイブ生成部203が、複数のPLCのうち特定のPLCに格納するためのプログラムと当該プログラムの実行時に用いられる設定情報と特定のPLCのノード識別情報とを組み合わせてアーカイブファイルを生成し、アーカイブ送信部204がアーカイブ生成部203により生成されたアーカイブファイルを特定のPLCに対して送信する。
【0018】
図12は、実施の形態1における開発・設定端末2の外観の一例を示す図である。
図12において、開発・設定端末2は、システムユニット910、CRT(Cathode・Ray・Tube)やLCD(液晶)の表示画面を有する表示装置901、キーボード902(Key・Board:K/B)、マウス903、FDD904(Flexible・Disk・ Drive)、コンパクトディスク装置905(CDD)、プリンタ装置906、スキャナ装置907などのハードウェア資源を備え、これらはケーブルや信号線で接続されている。
システムユニット910は、コンピュータであり、ファクシミリ機932、電話器931とケーブルで接続され、また、代表PLCであるPLC(1a)を介してPLC間ネットワーク3と接続されている(図12ではPLC(1a)の図示を省略している)。また、他に、ローカルエリアネットワーク(LAN)や、ゲートウェイを介してインターネットに接続されていてもよい。
【0019】
図13は、実施の形態1における開発・設定端末2のハードウェア資源の一例を示す図である。
図13において、開発・設定端末2は、プログラムを実行するCPU911(Central Processing Unit、中央処理装置、処理装置、演算装置、マイクロプロセッサ、マイクロコンピュータ、プロセッサともいう)を備えている。CPU911は、バス912を介して、例えば、ROM913、RAM914、通信ボード915、表示装置901、キーボード902、マウス903、磁気ディスク装置920と接続され、これらのハードウェアデバイスを制御する。更に、CPU911は、FDD904(Flexible Disk Drive)、コンパクトディスク装置905(CDD)、プリンタ装置906、スキャナ装置907と接続していてもよい。また、磁気ディスク装置920の代わりに、光ディスク装置、メモリカード読み書き装置などの記憶装置でもよい。
RAM914は、揮発性メモリの一例である。ROM913、FDD904、CDD905、磁気ディスク装置920の記憶媒体は、不揮発性メモリの一例である。これらの記憶装置は、アーカイブ蓄積部202の一例である。
通信ボード915、キーボード902、スキャナ装置907、FDD904などは、入力部の一例である。
【0020】
通信ボード915は、図12に示すように、代表PLCであるPLC(1a)を介してPLC間ネットワーク3とに接続されている。また、通信ボード915は、LAN(ローカルエリアネットワーク)、インターネット、WAN(ワイドエリアネットワーク)などに接続されていても構わない。通信ボード915は、PLC接続I/F(201)の一例である。
磁気ディスク装置920には、オペレーティングシステム921(OS)、ウィンドウシステム922、プログラム群923、ファイル群924が記憶されている。プログラム群923のプログラムは、CPU911、オペレーティングシステム921、ウィンドウシステム922により実行される。
【0021】
上記プログラム群923には、本明細書において「〜部」、「〜手段」として説明する機能を実行するプログラムが記憶されている。プログラムは、CPU911により読み出され実行される。
ファイル群924には、本明細書において、「〜の判定結果」、「〜の計算結果」、「〜の処理結果」、「〜の比較結果」等として説明する情報やデータや信号値や変数値やパラメータが、「〜ファイル」や「〜データベース」の各項目として記憶されている。「〜ファイル」や「〜データベース」は、ディスクやメモリなどの記録媒体に記憶される。ディスクやメモリになどの記憶媒体に記憶された情報やデータや信号値や変数値やパラメータは、読み書き回路を介してCPU911によりメインメモリやキャッシュメモリに読み出され、抽出・検索・参照・比較・演算・計算・処理・出力・印刷・表示などのCPUの動作に用いられる。抽出・検索・参照・比較・演算・計算・処理・出力・印刷・表示・抽出のCPUの動作の間、情報やデータや信号値や変数値やパラメータは、メインメモリやキャッシュメモリやバッファメモリに一時的に記憶される。
また、本明細書に示すフローチャートの矢印の部分は主としてデータや信号の入出力を示し、データや信号値は、RAM914のメモリ、FDD904のフレキシブルディスク、CDD905のコンパクトディスク、磁気ディスク装置920の磁気ディスク、その他光ディスク、ミニディスク、DVD等の記録媒体に記録される。また、データや信号は、バス912や信号線やケーブルその他の伝送媒体によりオンライン伝送される。
【0022】
また、本明細書において「〜部」、「〜手段」として説明するものは、「〜回路」、「〜装置」、「〜機器」、「手段」であってもよく、また、「〜ステップ」、「〜手順」、「〜処理」であってもよい。すなわち、「〜部」、「〜手段」として説明するものは、ROM913に記憶されたファームウェアで実現されていても構わない。或いは、ソフトウェアのみ、或いは、素子・デバイス・基板・配線などのハードウェアのみ、或いは、ソフトウェアとハードウェアとの組み合わせ、さらには、ファームウェアとの組み合わせで実施されても構わない。ファームウェアとソフトウェアは、プログラムとして、磁気ディスク、フレキシブルディスク、光ディスク、コンパクトディスク、ミニディスク、DVD等の記録媒体に記憶される。プログラムはCPU911により読み出され、CPU911により実行される。すなわち、プログラムは、「〜部」、「〜手段」としてコンピュータを機能させるものである。あるいは、「〜部」、「〜手段」の手順や方法をコンピュータに実行させるものである。
【0023】
次に、本実施の形態に係る開発・設定端末2及びPLC(1a、1b、1c)の動作を説明する。
【0024】
図4は、開発・設定端末2のアーカイブ生成部203の動作を示すUMLアクティビティダイアグラムである。
アーカイブ生成部203は、開発・設定端末2のユーザより入力部207を介して操作指示を受け取る(401)。
指示が作成ならば、アーカイブ生成部203は、入力部207を介してユーザから、プログラムを受け取り(402)(アーカイブ生成ステップ)、パラメータを受け取り(403)(アーカイブ生成ステップ)、ノード識別子を受け取る(404)(アーカイブ生成ステップ)という動作を行う。この402、403の動作はそれぞれ1回以上、404の動作は0回以上行なわれ、アーカイブ生成部203は、行なわれた個数のプログラム、パラメータ、ノード識別子を受け取る。受け取りが完了すると、受け取ったプログラム、パラメータ、ノード識別子を、図3に一例を示したアーカイブとしてまとめ(405)(アーカイブ生成ステップ)、処理を終える。
【0025】
アーカイブ生成部203が受け取った指示が読出しである場合には、アーカイブ生成部203は、アーカイブ蓄積部202から読出し元となるアーカイブを受け取る(406)。
アーカイブ生成部203は、受け取ったアーカイブから、プログラムを読み出し(407)、パラメータを読み出し(408)、ノード識別子を読み出す(409)という動作を行う。この407、408、409の動作は、それぞれ0回以上行なわれ、アーカイブ生成部203は、複数のプログラム、複数のパラメータ、複数のノード識別子を読出し、処理を終える。
【0026】
アーカイブ生成部203が受け取った指示が追加である場合には、アーカイブ生成部203は、追加を行うアーカイブをアーカイブ蓄積部202から受け取り(406)、追加処理(410)を行う。
追加処理(410)では、ユーザより入力部207を介して追加対象を受け取り(411)、アーカイブに追加する(412)という動作を行う。
追加対象として受け取るのは、プログラム、またはパラメータ、またはノード識別子である。追加処理(410)は、1回以上行なわれ、行なわれた個数の対象がアーカイブに追加される。
【0027】
アーカイブ生成部203が受け取った指示が修正である場合には、アーカイブ生成部203は、修正を行うアーカイブをアーカイブ蓄積部202から受け取り(406)、修正処理(413)を行う。
修正処理(413)では、ユーザより入力部207を介して修正対象指定を受け取り(414)、修正対象をアーカイブから読出し(415)、ユーザより入力部207を介して修正内容を受け取り(416)、対象を修正し(417)、アーカイブ内の対象を上書きする(418)。
修正対象として受け取るのは、プログラム、またはパラメータ、またはノード識別子である。修正処理(413)は、1回以上行なわれ、行なわれた個数の対象が修正される。
【0028】
アーカイブ生成部203が受け取った指示が削除である場合には、アーカイブ生成部203は、削除を行うアーカイブをアーカイブ蓄積部202から受け取り(406)、削除処理(419)を行う。
削除処理(419)では、ユーザより入力部207を介して削除対象指定を受け取り(420)、指定された対象がノード識別子またはプログラムであり、それを削除するとアーカイブにはノード識別子が1つも含まれなくなるか、あるいは、プログラムが1つも含まれなくなる場合には(421)、削除処理を終了する。それ以外の場合には、削除対象をアーカイブから削除する(422)。
【0029】
図2において、開発・設定端末2のアーカイブ送信部204は、PLC接続I/F(201)とPLC(1a)の開発・設定端末I/F(104a)を介して、PLC(1a)のアーカイブ転送部105aへアーカイブを送信する。
開発・設定端末I/Fが直接接続されていないPLC(1b、1c)の場合には、PLC接続I/F(201)、PLC(1a)の開発・設定端末I/F(104a)、PLC(1a)のPLC間ネットワークI/F(103a)、PLC(1b、1c)のPLC間ネットワークI/F(図中記載なし)、PLC(1b、1c)のアーカイブ転送部(図中記載無し)という経路でアーカイブを送信する。
【0030】
図5は、開発・設定端末2のアーカイブ送信部204の動作を示すUMLアクティビティダイアグラムである。
図5を用いて、開発・設定端末2のアーカイブ送信部204によるアーカイブの送信動作を説明する。
【0031】
開発・設定端末2のアーカイブ送信部204は、アーカイブ送信処理(501)を行う。
アーカイブ送信動作(501)では、アーカイブ送信部204は、送信するアーカイブからノード識別子を読出し(502)、読み出したノード識別子を持つノード宛にアーカイブをPLC接続I/F(201)を介して送信する(503)(アーカイブ送信ステップ)。送信するアーカイブが複数ある場合には、アーカイブ送信動作(501)をアーカイブ個数回繰り返す。
【0032】
図6は、PLC(1a)のアーカイブ転送部105aの動作を示すUMLアクティビティダイアグラムである。図6を用いて、PLC(1a)のアーカイブ転送部105aによるアーカイブの受信動作を説明する。
PLCのアーカイブ転送部105aは、アーカイブ受信処理(601)を行う。アーカイブ受信処理(601)では、開発・設定端末2のアーカイブ送信部204から送信されたアーカイブを受信し(602)、ノード識別子を読み出す(603)。読み出したノード識別子が、自ノード宛である場合(604)、アーカイブに含まれるプログラムを読み出して保存し(605)、アーカイブに含まれるパラメータを読み出して保存する(606)という動作を行う。605、606の動作は複数回行なわれ、行なわれた回数分のプログラムとパラメータがPLC(1a)にプログラム101a、パラメータ102aとして保存される。
読み出したノード識別子が自ノード宛でない場合(607)、該当するノードにそのアーカイブを転送し(608)、次のノード識別子を調べる。ノード識別子がない場合(609)、処理を終える。受信するアーカイブが複数ある場合には、アーカイブ受信動作(601)をアーカイブの個数回繰り返す。
【0033】
図7は、開発・設定端末2のアーカイブ表示部205の動作を示すUMLアクティビティダイアグラムである。
開発・設定端末2のアーカイブ表示情報生成部206は、ユーザより入力部207を介して処理指示を受け取り(701)、指示が表示である場合には、アーカイブ表示処理(702)を行う。アーカイブ表示処理(702)では、アーカイブ表示情報生成部206は、アーカイブ蓄積部202からアーカイブを取り出す(703)。取り出したアーカイブから、プログラムを読み出す(704)、パラメータを読み出す(705)という動作を行う。704と705の動作は複数回行なわれる。
続いて、アーカイブ表示情報生成部206は、ノード識別子の読出し処理(706)を行う。アーカイブ表示情報生成部206は、アーカイブからノード識別子を読み出し(707)、表示用ノード情報エントリー(アーカイブ表示情報)を作成し(708)、作成した表示用ノード情報エントリーにノード識別子を記す(709)。アーカイブ表示情報生成部206は、表示用ノード情報エントリーに、プログラムへのリンクの追加(710)、パラメータへのリンクの追加(711)を行う。704と705で複数のプログラムとパラメータが読み出されている場合には、710と711の動作は、複数回行なわれ、全てのプログラムとパラメータへのリンクが表示用ノード情報エントリーに記される。最後に、アーカイブ表示部205が、表示用ノード情報エントリーを表示する(712)。アーカイブ表示処理(702)は、複数回行なわれ、行なわれた個数の情報が表示される。
【0034】
一方、701において受け取った指示が閉じるであった場合には、アーカイブ表示情報生成部206は、表示情報開放処理(713)を行う。表示情報開放処理(713)では、アーカイブ表示情報生成部206は、ユーザより入力部207を介して開放対象指定を受け取り(714)、指定された対象の表示用ノード情報エントリーを選択する(715)。選択した表示用ノード情報エントリーに記されているリンクを元に、プログラムを開放する(716)、パラメータを開放する(717)という動作を行う。716と717は、複数回行なわれ、リンクされている全てのプログラムとパラメータが開放される。続いて、表示用ノード情報エントリーを開放する(718)。
【0035】
図8は、表示用ノード情報エントリーの一例である。表示用ノード情報エントリーは、ノード識別子と、プログラムへのリンク、パラメータへのリンクから構成される。
図8では、ノード識別子Node1を持つノードが、プログラムProg1とProg2、パラメータPara1へリンクされ、ノード識別子Node2を持つノードが、プログラムProg1とProg2、パラメータPara1へリンクされている。
【0036】
このように構成することによって、PLCが制御動作をする際に必要なプログラム、パラメータを複数のPLCに転送することが可能になる。また、ノード識別子とプログラム、パラメータの関連付けを容易化できる。
【0037】
このように、本実施の形態では、複数台のPLCがネットワークによって接続され、各PLCの設定を行うための開発・設定端末が一台のPLCと接続されるシステムにおいて、開発・設定端末が、アーカイブを保持するためのアーカイブ蓄積部、アーカイブの作成、内容追加、内容修正、内容削除、内容読出しをするためのアーカイブ手段、PLCへアーカイブを送信するためのアーカイブ転送手段、アーカイブの内容を表示するためのアーカイブ表示手段を備え、PLCが、開発・設定端末からアーカイブを受信するためのアーカイブ転送手段を備えていることを説明した。
【0038】
すなわち、本実施の形態に係る開発・設定端末(ノード管理装置)は、複数のノードを管理し、複数のノードのうち特定のノードに格納するためのプログラムとプログラムの実行時に用いられる設定情報と特定のノードのノード識別情報とを取得し、取得したプログラムと設定情報と特定のノードのノード識別情報とを組み合わせてアーカイブファイルを生成するアーカイブ生成部と、アーカイブ生成部により生成されたアーカイブファイルを特定の管理対象ノードに対して送信するアーカイブ送信部とを有することを主な特徴としていることを説明した。
【0039】
そして、本実施の形態に係る開発・設定端末(ノード管理装置)は、アーカイブ生成部により生成されたアーカイブファイルに含まれるプログラムとパラメータと特定のノードのノード識別情報を表示するためのアーカイブ表示情報を生成するアーカイブ表示情報生成部と、アーカイブ表示情報生成部により生成されたアーカイブ表示情報を表示するアーカイブ表示部とを有することを主な特徴としていることを説明した。
【0040】
また、本実施の形態に係る開発・設定端末(ノード管理装置)は、複数のノードを代表する代表ノードに接続され、代表ノードを経由して他のノードにアーカイブファイルを送信可能であり、アーカイブ送信部は、アーカイブ生成部により生成されたアーカイブファイルを代表ノードに送信することを主な特徴としていることを説明した。
【0041】
実施の形態2.
図9は、実施の形態2でのアーカイブの一例を示したものである。これ以外の構成および動作は、実施の形態1の場合と同様である。
【0042】
図9のように、ノード識別子をアーカイブ情報の一部として構成することにより、アーカイブからノード識別子記述ファイルの取り出し、ノード識別子ファイルからのノード識別子の読出しという手順を省略し、ノード識別子をアーカイブから直接読み出すことが可能になる。
【0043】
実施の形態3.
図10は、実施の形態3でのシステム構成例である。
開発・設定端末2は、PLC間ネットワーク3に直接接続されている。
【0044】
図11に、実施の形態3での開発・設定端末2とPLC(1a)の構成を示す。開発・設定端末2がPLC接続I/F(201)の代わりにPLC間ネットワークI/F(208)を持つ点、PLC(1a)が開発・設定端末I/F(104a)を持たない点を除いて、図2の場合と同様である。
動作においても、アーカイブの送信が、開発・設定端末2から、PLC接続I//F(201)、開発・設定端末I/F(104a)を介していた点が、PLC間ネットワークI/F(208)、PLC(1a)のPLC間ネットワークI/F(103a)を介すようにする点以外は、実施の形態1の場合と同様である。実施の形態1の場合と異なり、PLC(1a)とPLC(1b、1c)の間で経路の差異は生じない。
【0045】
このように構成することにより、PLC(1a)を経由する必要がなくなるため、PLC(1a)が停止している場合、PLC(1a)がシステムから外された場合でも、プログラムや設定情報を転送することが出来る。
【0046】
本実施の形態では、複数台のPLCと各PLCの設定を行うための開発・設定端末がネットワークによって接続され、開発・設定端末が、アーカイブを保持するためのアーカイブ蓄積部、アーカイブの作成、内容追加、内容修正、内容削除、内容読出しをするためのアーカイブ手段、PLCへアーカイブを送信するためのアーカイブ転送手段、アーカイブの内容を表示するためのアーカイブ表示手段を備え、PLCが、開発・設定端末からアーカイブを受信するためのアーカイブ転送手段を備えていることを説明した。
【0047】
すなわち、本実施の形態に係る開発・設定端末(ノード管理装置)は、複数のノードの各々に接続され、アーカイブ送信部は、アーカイブ生成部により生成されたアーカイブファイルを(代表ノードを介さずに)特定のノードに送信することを主な特徴としていることを説明した。
【0048】
なお、従来は、ノードの識別子が変更となった場合や、それまでとは異なるノードにプログラムを送る必要がある場合のために、プログラムを編集するためのプログラムエディタが必要であったが、以上の説明のように、本実施の形態1−3では、プログラムにノード識別子を埋め込んでいないため、プログラムエディタは不要である。また、本実施の形態1−3によれば、リンクテーブルも不要になる。
このため、従来、プログラムエディタやリンクテーブルの保持に必要であったメモリ領域を開放することができ、コンピュータの有限なメモリ資源を有効に活用でき、コンピュータのメモリの使用効率が向上するという効果も得られる。
【図面の簡単な説明】
【0049】
【図1】実施の形態1に係るシステム構成例を示す図。
【図2】実施の形態1に係る開発・設定端末及びPLCの内部構成例を示す図。
【図3】実施の形態1に係るアーカイブの例を示す図。
【図4】実施の形態1に係る開発・設定端末の動作例を示す図。
【図5】実施の形態1に係る開発・設定端末の動作例を示す図。
【図6】実施の形態1に係るPLCの動作例を示す図。
【図7】実施の形態1に係る開発・設定端末の動作例を示す図。
【図8】実施の形態1に係る表示用ノード情報エントリーの例を示す図。
【図9】実施の形態2に係るアーカイブの例を示す図。
【図10】実施の形態3に係るシステム構成例を示す図。
【図11】実施の形態3に係る開発・設定端末及びPLCの内部構成例を示す図。
【図12】実施の形態1−3に係る開発・設定端末の外観例を示す図。
【図13】実施の形態1−3に係る開発・設定端末のハードウェア構成例を示す図。
【符号の説明】
【0050】
1 PLC、2 開発・設定端末、3 PLC間ネットワーク、101 プログラム、102 パラメータ、103 PLC間ネットワークI/F、104 開発・設定端末I/F、105 アーカイブ転送部、201 PLC接続I/F、202 アーカイブ蓄積部、203 アーカイブ生成部、204 アーカイブ送信部、205 アーカイブ表示部、206 アーカイブ表示情報生成部、207 入力部、208 PLC間ネットワークI/F。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数のノードを管理するノード管理装置であって、
前記複数のノードのうち特定のノードに格納するためのプログラムと前記プログラムの実行時に用いられる設定情報と前記特定のノードのノード識別情報とを取得し、取得した前記プログラムと前記設定情報と前記特定のノードのノード識別情報とを組み合わせてアーカイブファイルを生成するアーカイブ生成部と、
前記アーカイブ生成部により生成されたアーカイブファイルを前記特定の管理対象ノードに対して送信するアーカイブ送信部とを有することを特徴とするノード管理装置。
【請求項2】
前記ノード管理装置は、
前記アーカイブ生成部により生成されたアーカイブファイルに含まれる前記プログラムと前記パラメータと前記特定のノードのノード識別情報を表示するためのアーカイブ表示情報を生成するアーカイブ表示情報生成部と、
前記アーカイブ表示情報生成部により生成されたアーカイブ表示情報を表示するアーカイブ表示部とを有することを特徴とする請求項1に記載のノード管理装置。
【請求項3】
前記ノード管理装置は、
前記複数のノードを代表する代表ノードに接続され、前記代表ノードを経由して他のノードにアーカイブファイルを送信可能であり、
前記アーカイブ送信部は、
前記アーカイブ生成部により生成されたアーカイブファイルを前記代表ノードに送信することを特徴とする請求項1に記載のノード管理装置。
【請求項4】
前記ノード管理装置は、
前記複数のノードの各々に接続され、
前記アーカイブ送信部は、
前記アーカイブ生成部により生成されたアーカイブファイルを前記特定のノードに送信することを特徴とする請求項1に記載のノード管理装置。
【請求項5】
前記ノード管理装置は、
前記複数のノードとして、複数のPLC(Programmable Logic Controller)装置を管理することを特徴とする請求項1に記載のノード管理装置。
【請求項6】
複数のノードを管理するノード管理方法であって、
前記複数のノードのうち特定のノードに格納するためのプログラムと前記プログラムの実行時に用いられる設定情報と前記特定のノードのノード識別情報とを取得し、取得した前記プログラムと前記設定情報と前記特定のノードのノード識別情報とを組み合わせてアーカイブファイルを生成するアーカイブ生成ステップと、
前記アーカイブ生成ステップにより生成されたアーカイブファイルを前記特定の管理対象ノードに対して送信するアーカイブ送信ステップとを有することを特徴とするノード管理方法。
【請求項7】
複数のノードを管理するコンピュータに、
前記複数のノードのうち特定のノードに格納するためのプログラムと前記プログラムの実行時に用いられる設定情報と前記特定のノードのノード識別情報とを取得し、取得した前記プログラムと前記設定情報と前記特定のノードのノード識別情報とを組み合わせてアーカイブファイルを生成するアーカイブ生成処理と、
前記アーカイブ生成処理により生成されたアーカイブファイルを前記特定の管理対象ノードに対して送信するアーカイブ送信処理とを実行させることを特徴とするプログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【公開番号】特開2007−219843(P2007−219843A)
【公開日】平成19年8月30日(2007.8.30)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−39733(P2006−39733)
【出願日】平成18年2月16日(2006.2.16)
【出願人】(000006013)三菱電機株式会社 (33,312)
【Fターム(参考)】